説明

作業機のフロント仕様判別装置

【課題】作業機のフロント交換時に、油圧制御回路の設定には不慣れな作業者が交換作業をする場合であっても、確実に油圧制御回路の設定を変更できるようにする。
【解決手段】作業機のフロント仕様判別装置200は、標準フロントとこの標準フロントよりも長尺のロングフロントとを交換可能に取り付ける作業機に備えられる。作業機本体側から駆動力を得る一次側接続手段30と、この一次側接続手段に連結しフロント側に設けた二次側接続手段31,32とを有する。油圧回路は、コントロールバルブ150と、フロント駆動用アクチュエータ10のリリーフ圧を切り換え可能な可変リリーフ弁141,142とを有する。油圧回路は、作業機本体にロングフロントが取り付けられた際には、切換弁130の動作状態を変化させて可変リリーフ弁を低圧側に切り換える。それとともにコントロールバルブのスプールの移動量を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業機のフロント仕様判別装置に係り、特に建設機械に好適な作業機のフロント仕様判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建設機械等の作業機では、機械の稼動効率を向上させるために作業内容に応じてフロントを取り替え、作業を進める場合があった。その際、フロントとして作業機に応じて設定されている標準仕様のものと、作業機の中心からの作業範囲を広くするためのいわゆるロングフロントと呼ばれる標準仕様フロントよりも長尺仕様のものとを交換する作業が生じることもあった。この標準フロントとロングフロントの交換では、作業員が交換のたびに安全を確認しながら、手作業で接続部位を接続していた。
【0003】
このような作業機におけるブーム部やフロント部の交換の例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の作業機では、交換部分にフロントアタッチメントの種類を検出する検出手段を設け、検出手段の検出結果に基づき連結したフロントアタッチメントの種類を判別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−1613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業機のフロント交換の際には、機械的な接続部位の接続のみならず、フロントを駆動する油圧シリンダの油圧制御回路の設定も変更する必要がある。しかしこの油圧制御回路の設定も人手によるため、土木作業現場等で急なフロントの変更などの場合には、機器仕様変更に不慣れな現地の作業者に頼らざるを得ず、長時間の作業となることもあった。また、設定作業をし忘れることにより、作動範囲やフロントの移動速度等の設定が、交換したフロントに対応する適切な値に変更されず、最悪の場合には周囲の構造物に接触するという事態が発生し、作業機の損傷とあわせて、工程の増加や工事作業費用の増大を招来するおそれがあった。
【0006】
上記特許文献1に記載の作業機では、交換部分に設けた非接触式センサやリミットスイッチで交換部品を判断しているので、人為的ミスの誘発を防止できるという利点がある。しかしながら特許文献1に記載の作業機では、フロントの変更により自動的に車体の重心位置を表示するに留まり、油圧制御回路の設定変更については言及されていない。
【0007】
本発明は上記従来技術では考慮されていないフロント交換時の不具合を解消するためになされたものであり、その目的は、作業機のフロント交換時に油圧制御回路の設定には不慣れな作業者が交換作業をした場合であっても、確実に油圧制御回路の設定を変更できるようにすることにある。本発明の他の目的は、作業機のフロント交換に伴う油圧制御回路の設定変更を確実にかつ短時間でできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の特徴は、標準フロントとこの標準フロントよりも長尺のロングフロントとを交換可能に取り付ける作業機のフロント仕様判別装置において、
作業機本体側から駆動力を得る一次側接続手段と、この一次側接続手段に連結しフロント側に配置した二次側接続手段とを設け、前記作業機の油圧回路は、コントロールバルブと、前記フロントを駆動する駆動用アクチュエータのリリーフ圧を切り換え可能な可変リリーフ弁と、前記一次側接続手段と二次側接続手段の接続状態に応じて切り換わる切換弁とを有し、前記作業機の油圧回路は、前記作業機本体に前記ロングフロントが取り付けられた際には、前記切換弁の動作状態が変化することにより前記可変リリーフ弁を低圧側に切り換えるとともに前記コントロールバルブのスプールの移動量を制限することにある。
【0009】
そしてこの特徴において、作業機本体側から前記一次側接続手段への駆動力は電力であり、前記一次側接続手段および二次側接続手段はコネクタであり、前記切換弁は電磁切換弁であるのが好ましい。さらに、前記一次側接続手段は、前記電磁切換弁に接続された端子と電源に接続された端子とを有し、標準フロントの前記二次側接続手段ではこれら一次側の両端子への接続を短絡し、ロングフロントの前記二次側接続手段ではこれら一次側の両端子間を非導通としていることが望ましい。
【0010】
また、上記特徴において、前記作業機本体側から前記一次側接続手段への駆動力は油圧であり、前記一次側接続手段および二次側接続手段は油圧継手であり、前記切換弁は油圧式の切換弁であることが好ましい。さらに、前記一次側接続手段は油圧ポンプに接続する継手と排油用の油圧タンクに接続する継手と前記切換弁に接続する継手とを有し、前記標準フロントの前記二次側接続手段は前記油圧ポンプの圧力を前記切換弁に供給するように構成されており、前記ロングフロントの前記二次側接続手段は前記油圧タンクと前記切換弁とを接続するように構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業機のフロント交換部に、フロントを自動的に判別できる判別装置を設け、フロント側にこの判別装置に対応した識別手段を設けたので、フロント交換作業においてフロントの接続ミスをなくすことが可能になり、油圧制御回路の設定には不慣れな作業者が交換作業をした場合であっても、確実に油圧制御回路の設定を変更できる。また、作業機のフロント交換に伴う油圧制御回路の設定変更を、確実にかつ短時間で行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ロングフロントと標準フロントとを重ね書きして備えた場合の作業機の一実施例の側面図である。
【図2】電気信号によりフロント使用を判別する場合の油圧回路の一例を示す図である。
【図3】図1のA部の詳細を示す斜視図である。
【図4】油圧によりフロント仕様を判別する場合のフロント接続部の油圧回路図である。
【図5】図4に示した油圧によりフロント仕様を判別する場合のコントロールバルブ内の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。図1に、標準フロントとこの標準フロントに比して長尺のフロント(以下ロングフロントと称す)を取り付けた場合の作業機の一例を、正面図で示す。図2および図3は、本発明に係る作業機の仕様判別装置の一実施例の図である。図2に、フロント仕様を電気的接続で判別する場合の油圧制御回路を、回路図で示す。図3は、フロント仕様を電気的接続で判別する場合の電気的接続部の概要を示す図である。
【0014】
作業機は、例えば掘削用の油圧ショベルで標準フロント取り付け時には、最大掘削半径が11m程度であるが、このような作業機で、河川改修等のために、標準フロント6aからロングフロント6bに変更すると、最大掘削半径を22mにも増大できる
図1に示した作業機は油圧ショベルであり、無限軌道履帯を取り付けた下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体2とを有している。下部走行体1と上部旋回体2の間には、上部旋回体2の旋回を制御する旋回装置3が設けられている。上部旋回体2では、前部に作業者が搭乗して操作するキャブ4を、後部にはこの作業機を駆動および制御するためのエンジンや油圧ポンプが格納された機械室5が配置されている。
【0015】
上部旋回体2の前方には、俯仰動可能にフロント6が取り付けられている。フロント6は、基端側が旋回体2に取り付けられたブーム7と、このブーム7の基端側とは反対端側に接続されるアーム8と、アーム8の先端に取り付けられ掘削等に供するバケット等のアタッチメント9から構成される。そして、これらブーム7およびアーム8、バケットには、それぞれブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12等の油圧アクチュエータが配設されている。
【0016】
上述したように、河川改修等のために、フロントを標準フロント6aからロングフロント6bに変更する場合は、ブーム7の基端側に設けた取り付け部に嵌合している図示しないピンを抜き取る。そして、交換するロングフロント6bの基端側を上部旋回体2に位置決めし、ブーム7の取り付け部にピンを挿入し、ピン固定することで交換が完了する。ロングフロント6bから標準フロント6aに変更する場合も同様である。
【0017】
ところで、フロント6を交換した場合、ロングフロント6bでは標準フロント6aに比べて、フロント6の設定最大移動速度を遅くする必要がある。これは、フロント6の移動速度が速くなるとそれだけ動力が必要になることと、安全性を考慮してのもので、最大掘削半径がおよそ2倍にもなるロングフロント6bの使用においては必須の設定である。この設定最大速度を遅くするために、ロングフロント6bを駆動する油圧回路のリリーフ圧を標準フロント6a使用の場合に比べて低くする。
【0018】
これまで、これらの設定は現場の作業者が手動で行っていたが、人為ミスを排除するためおよび作業の効率化のために自動設定が望まれる。本実施の形態の作業機は、自動設定のためのフロント仕様を自動で判別する判別装置200を備えており、この判別装置200の一実施例を、図2および図3を用いて説明する。
【0019】
図2において、エンジン120にはブームシリンダ10を駆動するための主油圧ポンプ121と、このブームシリンダ10の動作を制御するコントロールバルブ150のパイロット圧を発生するためのパイロットポンプ122が接続されている。なお、図2ではブームシリンダ10の駆動回路系のみを示している。本作業機は、ブームシリンダ10の他にアームシリンダ11やバケットシリンダ12、旋回モータ、走行モータ等いくつかのアクチュエータを備えており、それに伴い油圧ポンプやコントロールバルブも複数備えているが、それらは図示を省略している。
【0020】
主油圧ポンプ121は、主管路125によりコントロールバルブ150に接続されており、さらにコントロールバルブ150は主管路151、152によりブームシリンダ10に接続されている。
【0021】
一方パイロットポンプ122は、パイロット管路132、136中に設けた電磁切換弁130を介して、主管路151、152に介在させたリリーフ弁141、142に接続されている。また、パイロットポンプ122に接続されるパイロット管132は分岐部を有し、分岐部は操作レバー190に設けられた減圧弁191、192を有するパイロット弁195に接続されている。ここで、リリーフ弁141、142は、2つの異なる圧力が設定可能な2段の可変リリーフ弁である。
【0022】
さらに、パイロット弁195で発生したパイロット圧は、1対の電磁弁回路160、170に導かれる。そして、各電磁弁回路160、170が有する電磁切換弁164、174および減圧弁163、173、シャトル弁162、172を経て、コントロールバルブ150のパイロット部に導かれる。
【0023】
ここで本発明の特徴的な構成として、3個の電磁切換弁130、164、174が有するソレノイドには、作業機のフロント6の種別に応じて、通電/非通電の区別がなされる。つまり、フロント6の根元部が取り付けられる部分であって作業機側には、図3に示すように、作業灯51へ給電するための給電ケーブル50が設けられており、固定具44でブーム7に固定されている。
【0024】
給電ケーブル50は、図2に示すように、24V電源ライン23と作業灯ライン24の他に電磁切換弁130、134、174が有するソレノイドへの給電ライン40をも含んでいる。上記24V電源ライン23および作業灯ライン24、ソレノイド給電ライン40の3本のラインを含む給電ケーブル50は、その先端部に設けられた一次側コネクタ30でコネクタ接続可能になっている。
【0025】
一次側コネクタ30にカップリング可能な二次側コネクタが、交換可能な各フロント6a、6bの根元部に設けられている。二次側コネクタは標準フロント用コネクタ31とロングフロント用コネクタ32とで、内部の接続が異なっている。標準フロント用コネクタ31では、一次側コネクタ30と接続されたときに、24V電源ライン23にソレノイド給電ライン40が接続されるよう、24V電源ライン23に接続される端子34aとソレノイド給電ライン40に接続される端子35a間を短絡している。なお、作業灯ライン24は、フロント側に設けられ、先端部に照明灯51が取り付けられた作業灯ライン33に接続される。これにより、電磁切換弁130、164、174のソレノイドには、バッテリ25から24Vが給電される。
【0026】
これに対して、作業機にロングフロント6bを取り付ける場合には、ロングフロント用コネクタ32の作業灯ライン33は一次側の作業灯ライン24に接続されるが、24V電源ライン23に対応する端子34bおよびソレノイドに給電するライン40に対応する端子35bには配線されていないので、電磁切換弁130、164、174のソレノイドには給電されない。
【0027】
このように構成した本実施例の作業機では、例えばロングフロント6bが選択され、ロングフロント用のコネクタ32と一次側のコネクタ30が接続されると、作業灯ライン24と作業灯ライン33のみが接続される。その結果、電磁切換弁130のソレノイドには通電されず、リリーフ弁141、142の設定圧力は低い方の設定圧力となる。また、電磁切換弁164、174のソレノイドにも通電されないので、パイロット弁195で発生したパイロット圧は、減圧弁163、173を通ることにより圧力が減少し、コントロールバルブ150のパイロット部に供給される圧力が減少する。その結果、コントロールバルブ150スプールの移動量が減少するので、ブームシリンダ10に供給される圧油の流量が減少し、ブーム7bの移動速度が遅くなる。
【0028】
一方、標準フロント6aが選択されると、電磁切換弁130のソレノイドに通電される。この結果、リリーフ弁141、142の設定圧力は、ロングフロント6b使用時に比べて高圧の方に設定される。また、電磁切換弁164、174のソレノイドにも通電されるので、パイロット弁195で発生したパイロット圧は、減圧弁163、173を通ることなくそのままコントロールバルブ150のパイロット部に供給される。その結果、コントロールバルブ150を介してブームシリンダ10に供給される流量は、特に抑制されることはない。
【0029】
なお、フロント6側に設けた配線の端子(コネクタ)31、32と作業機側に設けた配線の端子(コネクタ)30を接続するだけで、ロングフロント6bと標準フロント6aの区別が自動的になされるので、フロント情報を正確に作業機のコントローラに提供でき、交換したフロント6に最適な仕様を自動で設定できる。その結果、ロングフロント6bの使用時に過大なフロントの移動速度や過大な圧力付加を防止できる。
【0030】
本発明の他の実施例を、図4および図5を用いて説明する。上記実施例では、電気信号、すなわち電磁切換弁130、164、174が有するソレノイドへの通電の有無で、コントロールバルブ150からアームシリンダ110に供給する圧油の流量を制御していたが、本実施例では油圧信号によりアームシリンダ110に供給する圧油の流量を制御する。図4は、フロント取り付け部近傍に設けた油圧配管接続部を油圧回路図で示した図である。図5は、図4に示した油圧によりフロント仕様を判別する判別装置200を用いたときの油圧回路図であり、図2に対応する図である。
【0031】
作業機のフロント取り付け部近傍には、パイロットポンプ123に接続された油圧配管85およびパイロット式切換弁130b、164b、174bへ接続される(Bで図示)油圧配管86、オイルタンク185へ排油する排油配管84が設けられている。そしてそれぞれの配管84〜86の先端部には、互いに異なる仕様の継手81〜83が取り付けられている。
【0032】
これに対してフロント6の作業機への取り付け端部近傍には、作業機側の3個の継手81〜83に接続可能な互いに異なる3個の継手61〜63または71〜73を端部に有したフロント継手ユニット60または70が固定して取り付けられている。ここで、標準フロント6aを使用する場合には、標準フロント6a側の標準フロント継手ユニット60に設けた継手61〜63を作業機側に設けた継手81〜83に結合させる。このとき、オイルタンク185への流路が途絶されるようになっているので、パイロットポンプ123とパイロット式切換弁130b、164b、174bとが連通する。
【0033】
一方、ロングフロント6bを使用すると、ロングフロント6b側のフロント継手ユニット70に設けた継手71〜73を作業機側に設けた継手81〜83と結合させたときに、パイロットポンプ123への流路が途絶されるようになっており、オイルタンク185とパイロット式切換弁130b、164b、174bとが連通するようになっている。
【0034】
このようにフロント継手ユニット60、70を構成すると、標準フロント6aが選択された場合には、図5に示すパイロット式切換弁130bにパイロットポンプ123の油圧が供給されてパイロット式切換弁130bが切換わり、その結果リリーフ弁141、142が高圧側に設定される。また、パイロット式切換弁164b、174bも切換わるため、ブームシリンダ10に供給される流量は、特に制限されることはない。一方、ロングフロント6bが選択された場合には、図2に示した実施例同様、リリーフ弁141、142の設定が低圧側に設定されるとともに、ブーム7bの移動速度が制限される。
【0035】
また、各継手ユニット60、70が有する継手61〜63、71〜73に、ユニット内では互いに異なる仕様のものを使用しているので、作業機側の継手81〜83に接続可能な継手を選んで接続するだけで、継手の接続作業を完了できる。その結果、ミスを生じることなくロングフロントと標準フロントの区別の情報をコントローラに提供でき、交換したフロントに最適な仕様を自動で設定できる。
【符号の説明】
【0036】
1…下部走行体、2…上部旋回体、3…旋回装置、4…キャブ、5…機械室、6、6a、6b…フロント、7、7a、7b…ブーム、8、8a、8b…アーム、9、9a、9b…アタッチメント、10…ブームシリンダ、11…アームシリンダ、12…バケットシリンダ、23…電源ライン(DC24V)、24…本体ハーネスライン、30…一次側コネクタ(接続手段)、31、32…二次側コネクタ(接続手段)、33…作業灯ライン、34a〜35b…端子、40〜43…ソレノイド通電ライン、44…固定具、50…給電ケーブル、51…作業灯、60…標準フロント継手ユニット(接続手段)、61〜63…継手、70…ロングフロント継手ユニット(接続手段)、71〜73…継手、81〜83…継手(接続手段)、110…エンジン、121…主油圧ポンプ、122…パイロットポンプ、123…パイロットポンプ、124…パイロット管路、125…主管路、130…電磁切換弁、130b…切換弁、132、136…パイロット管路、140…コントロールバルブ回路、141、142…リリーフ弁、143、144…パイロット管路、150…コントロールバルブ、151、152…主管路、153…排出管路、154…排出管路、157、158…パイロット管路、160…電磁弁回路、161…シャトル弁、162…逆止弁、163…減圧弁、164…電磁切換弁、164b…パイロット式切換弁、166…排出管路、170…電磁弁回路、171…シャトル弁、172…逆止弁、173…減圧弁、174…電磁切換弁、174b…パイロット式切換弁、176…排出管路、180…ブームシリンダ、185…オイルタンク、188…排出管路、190…操作レバー、191、192…減圧弁、193、194…パイロット管路、195…パイロット弁、200…フロント仕様判別装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準フロントとこの標準フロントよりも長尺のロングフロントとを交換可能に取り付ける作業機のフロント仕様判別装置において、
作業機本体側から駆動力を得る一次側接続手段と、この一次側接続手段に連結しフロント側に配置した二次側接続手段とを設け、前記作業機の油圧回路は、コントロールバルブと、前記フロントを駆動する駆動用アクチュエータのリリーフ圧を切り換え可能な可変リリーフ弁と、前記一次側接続手段と二次側接続手段の接続状態に応じて切り換わる切換弁とを有し、前記作業機の油圧回路は、前記作業機本体に前記ロングフロントが取り付けられた際には、前記切換弁の動作状態が変化することにより前記可変リリーフ弁を低圧側に切り換えるとともに前記コントロールバルブのスプールの移動量を制限することを特徴とする作業機のフロント仕様判別装置。
【請求項2】
作業機本体側から前記一次側接続手段への駆動力は電力であり、前記一次側接続手段および二次側接続手段はコネクタであり、前記切換弁は電磁切換弁であることを特徴とする請求項1に記載の作業機のフロント仕様判別装置。
【請求項3】
前記一次側接続手段は、前記電磁切換弁に接続された端子と電源に接続された端子とを有し、標準フロントの前記二次側接続手段ではこれら一次側の両端子への接続を短絡し、ロングフロントの前記二次側接続手段ではこれら一次側の両端子間を非導通としていることを特徴とする請求項2に記載の作業機のフロント仕様判別装置。
【請求項4】
前記作業機本体側から前記一次側接続手段への駆動力は油圧であり、前記一次側接続手段および二次側接続手段は油圧継手であり、前記切換弁は油圧式の切換弁であることを特徴とする請求項1に記載の作業機のフロント仕様判別装置。
【請求項5】
前記一次側接続手段は油圧ポンプに接続する継手と排油用の油圧タンクに接続する継手と前記切換弁に接続する継手とを有し、前記標準フロントの前記二次側接続手段は前記油圧ポンプの圧力を前記切換弁に供給するように構成されており、前記ロングフロントの前記二次側接続手段は前記油圧タンクと前記切換弁とを接続するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の作業機のフロント仕様判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−154383(P2012−154383A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12690(P2011−12690)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】