説明

作業機械

【課題】作業機械において、エンジン7の過負荷によるエンジンスト−ルを回避する負荷制御を簡単且つ速やかに実行できるようにする。
【解決手段】燃料噴射ポンプに関連させてエンジン負荷を検出するラック位置センサと、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサと、油圧ポンプモータ31の斜板角度を調節する油圧サーボ機構40と、油圧ポンプ32の斜板角度を調節する油圧調整機構75と、前記両機構40,75の駆動を制御するコントローラ101とを備える。コントローラ101は、ラック位置センサとエンジン回転センサとの検出情報に基づいてエンジン回転数がスロットルレバーの設定回転数と一致するように、前記両機構40,75を連動して調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、バックホウのような作業機械に係り、より詳しくは、当該作業機械の負荷制御を実行するための構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業機械の一例であるバックホウは一般に、アーム用の油圧シリンダ等に作動油を供給する可変容量形の第1油圧ポンプと、ブーム用の油圧シリンダ等に作動油を供給する可変容量形の第2油圧ポンプと、これら両油圧ポンプを作動させるエンジンと、各油圧シリンダを手動操作するための操作レバーとを備えている。この種のバックホウは、操作レバーの操作量に応じて各油圧ポンプから供給される作動油にて各油圧シリンダを駆動させることにより、所定の仕事を実行する。
【0003】
特許文献1にはバックホウの一例が開示されている。特許文献1は本願出願人による過去の出願に係るものであり、特許文献1のバックホウでは、パイロット圧を利用して、油圧ポンプの吐出ポート側の圧力と油圧シリンダの吸入ポート側の圧力との差を所定範囲内に調整することにより、油圧シリンダに掛かる負荷の大小に拘らず、油圧シリンダに供給される作動油量を略一定に保持する(油圧シリンダの作動速度を略一定に保持する)ロードセンシング制御が採用されている。
【0004】
また、特許文献1のバックホウでは、エンジン負荷が所定値以上になったときに、パイロット圧を利用して両油圧ポンプから吐出する作動油量を抑制することにより、エンジンの過負荷によるエンジンスト−ルを回避する負荷制御も採用されている。
【特許文献1】特開2006−177397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された各制御は、複数の油圧ポンプを有するにも拘らず、パイロット圧を利用したフィードバック制御であるため、かかるフィードバック制御用の油圧系統が長く且つ複雑なものになりがちである。そうすると、各油圧シリンダに対する作動油の供給量を十分に確保しておく必要から、各油圧ポンプを容量の大きなものにせざるを得ず、結果的にコストの上昇を招来することになる。また一般に、パイロット圧によるフィードバック制御は応答速度の点で改善の余地がある。
【0006】
そこで、本願発明はこのような現状を改善することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、第1油圧アクチュエータに作動油を供給する可変容量形の第1油圧供給装置と、第2油圧アクチュエータに作動油を供給する可変容量形の第2油圧供給装置と、前記両油圧供給装置を作動させるエンジンとを備えている作業機械であって、前記エンジンへの燃料供給装置に関連させてエンジン負荷を検出する負荷検出手段と、エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、前記第1油圧供給装置の吐出流量を調節する第1流量調節装置と、前記第2油圧供給装置の吐出流量を調節する第2流量調節装置と、前記両流量調節装置の駆動を制御する制御手段とを更に備えており、前記制御手段は、前記負荷検出手段と前記回転数検出手段との検出情報に基づいてエンジン回転数が目標回転数と一致するように、前記両流量調節装置を連動して調節するというものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載した作業機械において、前記エンジンが搭載された機体の操縦部に、前記燃料供給装置を操作して前記目標回転数を変更するためのスロットル操作手段と、前記各油圧アクチュエータを手動操作するための作業部操作手段とが設けられており、前記制御手段は、前記スロットル操作手段の操作にて前記目標回転数が定格回転数未満になったときに、前記作業部操作手段の操作量に対する前記各油圧供給装置からの作動油量が低減するように、前記各流量調節装置を調節するというものである。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によると、第1油圧供給装置の吐出流量を調節する第1流量調節装置と、第2油圧供給装置の吐出流量を調節する第2流量調節装置との駆動を制御する制御手段は、負荷検出手段と回転数検出手段との検出情報に基づいてエンジン回転数が目標回転数と一致するように、前記両流量調節装置を連動して調節するから、作業状況に応じて前記両油圧供給装置からの作動油を抑制できる。その結果、エンジン負荷が大きい場合でも、上限である設定値付近の値にエンジン負荷を維持しつつ、エンジンを駆動できるため、エンジンストールを確実に抑制できるものでありながら、エネルギー損失を低減してエンジンの出力を効率よく利用できるという効果を奏する。
【0010】
特に請求項2の発明によると、前記制御手段は、前記スロットル操作手段の操作にて目標回転数が定格回転数未満になったときに、前記作業部操作手段の操作量に対する前記各油圧供給装置からの作動油量が低減するように、前記各流量調節装置を調節するから、前記作業部操作手段の操作量に対する前記各油圧供給装置からの作動油量は、エンジン回転数の低下に比例して低減することになる。
【0011】
従って、前記作業部操作手段の操作による前記各油圧アクチュエータの微量動作が可能になるから、作業機械の作業部を微調節操作でき、操作性がよくなると共に、作業効率の向上にも寄与するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を、作業機械としてのバックホウに適用した図面(図1〜図10)に基づいて説明する。図1はバックホウの側面図、図2はキャビン内の平面図、図3はバックホウの油圧系統図、図4は閉ループ油圧回路周りの拡大説明図、図5は油圧調整機構周りの拡大説明図、図6は制御手段の機能ブロック図、図7は負荷制御のフローチャート、図8は微調節制御サブルーチンのフローチャート、図9は油圧系統の別例を示す説明図、図10は別例における制御手段の機能ブロック図である。
【0013】
(1).バックホウの概要
まず始めに、主に図1及び図2を参照しながら、バックホウ1の概要について説明する。
【0014】
作業機械の一例であるバックホウ1は、左右一対の走行クローラ3(図1では左側のみ示す)を有するクローラ式の走行装置2と、走行装置2上に設けられた旋回台4(機体)とを備えている。旋回台4は、旋回モータ9(図2参照)にて、360°の全方位にわたって水平旋回可能に構成されている。走行装置2の前部には排土板5が昇降回動可能に装着されている。
【0015】
旋回台4には、操縦部としてのキャビン6とエンジン7とが搭載されている。旋回台4の前部には、掘削作業のためのブーム11、アーム12及びバケット13を有する作業部10が設けられている。キャビン6の内部には、オペレータが着座する操縦座席8、エンジン7の出力回転数を設定保持するスロットル操作手段としてのスロットルレバー116、作業部操作手段としてのレバー・スイッチ群117〜120(旋回操作レバー117、アーム操作レバー118、バケット操作スイッチ119及びブーム操作レバー120)、並びに、負荷率設定手段としての負荷率設定ダイヤル113等が配置されている(図2参照)。
【0016】
作業部10の構成要素であるブーム11は、先端側を前向きに突き出して側面視く字状に屈曲した形状に形成されている。ブーム11の基端部は、旋回台4の前部に取り付けられたブームブラケット14に、横向きのブーム軸15を中心にして首振り回動可能に枢着されている。ブーム11の内面(前面)側には、これを上下に首振り回動させるための片ロッド複動形のブームシリンダ16が配置されている。ブームシリンダ16のシリンダ側端部は、ブームブラケット14の前端部に回動可能に枢支されている。ブームシリンダ16のロッド側端部は、ブーム11における屈曲部の前面側(凹み側)に固定された前ブラケット17に回動可能に枢支されている。ブームシリンダ16は特許請求の範囲に記載した第1油圧アクチュエータに相当する。
【0017】
ブーム11の先端部には、長手角筒状のアーム12の基端部が、横向きのアーム軸19を中心にして首振り回動可能に枢着されている。ブーム11の上面前部側には、アーム12を首振り回動させるための片ロッド複動形のアームシリンダ20が配置されている。アームシリンダ20のシリンダ側端部は、ブーム11における屈曲部の背面側(突出側)に固定された後ブラケット18に回動可能に枢支されている。アームシリンダ20のロッド側端部は、アーム12の基端側外面(前面)に固着されたアームブラケット21に回動可能に枢支されている。
【0018】
アーム12の先端部には、掘削用アタッチメントとしてのバケット13が、横向きのバケット軸22を中心にして掬い込み回動可能に枢着されている。アーム12の外面(前面)側には、バケット13を掬い込み回動させるための片ロッド複動形のバケットシリンダ23が配置されている。バケットシリンダ23のシリンダ側端部は、アームブラケット21に回動可能に枢支されている。バケットシリンダ23のロッド側端部は、連結リンク24及び中継ロッド25を介してバケット13に回動可能に枢支されている。旋回モータ9、アームシリンダ20及びバケットシリンダ23は、特許請求の範囲に記載した第2油圧アクチュエータに相当する。
【0019】
(2).バックホウの油圧系統
次に、図3〜図5を参照しながら、バックホウ1の油圧系統30構造について説明する。
【0020】
図3に示すバックホウ1の油圧系統30は、第1油圧供給装置としての可変容量形の油圧ポンプモータ31と、第2油圧供給装置としての可変容量形の油圧ポンプ32と、固定容量形のパイロットポンプ33とを備えている。これらポンプ31〜33群にはエンジン7から突出した出力軸27が貫通していて、ポンプ31〜33群は、出力軸27の回転にて駆動するように構成されている。すなわち、ポンプ31〜33群を駆動させる回転軸(出力軸27)は共通する1本の軸になっている。
【0021】
油圧ポンプモータ31は、比較的大きな駆動力が必要な第1油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ16に作動油を供給するためのものである。油圧ポンプ32は、第2油圧アクチュエータとしての旋回モータ9、アームシリンダ20及びバケットシリンダ23に作動油を供給するためのものである。パイロットポンプ33は後述する油圧調整機構75にパイロット圧を付加するためのものである。
【0022】
(2−1).閉ループ油圧回路の構造
まず、第1油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ16を駆動させる閉ループ油圧回路34について説明する。閉ループ油圧回路34は、前述した片ロッド複動形のブームシリンダ16と、斜板式のアキシャルピストンポンプモータである油圧ポンプモータ31とを備えている。ブームシリンダ16と油圧ポンプモータ31とは、ボトム側油路35及びロッド側油路36にて閉ループ状に接続されている。この場合、ブームシリンダ16のボトム油室37がボトム側油路35を介して油圧ポンプモータ31に接続され、ブームシリンダ16のロッド油室38がロッド側油路36を介して油圧ポンプモータ31に接続されている。
【0023】
このため、油圧ポンプモータ31には、ブーム11降下時に、ブームシリンダ16からの作動油がボトム側油路35を経由して供給され、その結果、油圧ポンプモータ31がモータとしての作用を発揮し、共通の出力軸27上にある油圧ポンプ32及びパイロットポンプ33の駆動を一部又は全部負担することになる。すなわち、油圧ポンプモータ31のモータ的な動作によって、油圧ポンプ32及びパイロットポンプ33の駆動負荷が軽減されるから、エンジン全体としての仕事量を軽減でき、燃費の改善に効果が高い。
【0024】
閉ループ油圧回路34は、油圧ポンプモータ31における可動斜板31aの傾斜角度(斜板角度)を制御する第1流量調節装置としての油圧サーボ機構40を備えている。油圧サーボ機構40は、可動斜板31aの傾斜角度を変更させる片ロッド形の複動調整シリンダ41と、調整シリンダ41に作動油を供給する調整ポンプ42と、調整ポンプ42からの作動油の供給方向及び供給量を調節するための4ポート3位置切換形の電磁サーボ弁43とを有している。
【0025】
電磁サーボ弁43の入口ポート43aは調整ポンプ42を介して作動油タンク44に接続され、出口ポート43dは直接作動油タンク44に接続されている。電磁サーボ弁43のボトム側ポート43bは、複動調整シリンダ41のボトム油室45に接続され、ロッド側ポート43cは複動調整シリンダ41のロッド油室46に接続されている。複動調整シリンダ41におけるピストンロッド47の先端は、油圧ポンプモータ31の可動斜板31aに連動連結されている。
【0026】
電磁サーボ弁43は、キャビン6内に配置されたブーム操作レバー120の操作量に対応した電磁ソレノイドの励磁によって、中立状態と、複動調整シリンダ41のボトム油室45への作動油供給状態と、複動調整シリンダ41のロッド油室46への作動油供給状態とに切換駆動するように構成されている。ブーム操作レバー120の操作にて電磁サーボ弁43を切換駆動させると、複動調整シリンダ41が伸縮動して、油圧ポンプモータ31における可動斜板31aの傾斜角度(斜板角度)が変更・調節され、油圧ポンプモータ31からブームシリンダ16への作動油の供給方向及び供給量が調節される。その結果、ブームシリンダ16の伸縮方向及び伸縮量が無段階に変更されて、ブーム11が上下に首振り回動することになる。
【0027】
ボトム側油路35とロッド側油路36との間には、3ポート3位置切換形の方向切換弁50が配置されている。方向切換弁50は、ブームシリンダ16における両油室37,38の受圧面積差等に起因して、一方の油室37から流出する作動油量が他方の油室38に流入する作動油量より多い場合の余剰分を排出するためのものである。
【0028】
方向切換弁50の第1入口ポート50aは第1入口油路51を介してボトム側油路35に接続され、第2入口ポート50bは第2入口油路52を介してロッド側油路36に接続されている。方向切換弁50の出口ポート50cはドレイン油路53を介して作動油タンク44に接続されている。
【0029】
また、方向切換弁50は、ボトム側パイロット油路54を介してボトム側油路35に接続されている一方、ロッド側パイロット油路55を介してロッド側油路36に接続されている。このため、ボトム側パイロット油路54の圧力は、ボトム側油路35の圧力、ひいてはブームシリンダ16におけるボトム油室37の圧力と略同じになっており、ロッド側パイロット油路55の圧力は、ロッド側油路36の圧力、ひいてはブームシリンダ16におけるロッド油室38の圧力と略同じになっている。
【0030】
この場合、方向切換弁50は、両パイロット油路54,55の圧力差に応じて、中立状態と、ボトム側油路35からドレイン油路53への作動油排出状態と、ロッド側油路36からドレイン油路53への作動油排出状態とに切換駆動するように構成されている。当該方向切換弁50の作用にて、ボトム側及びロッド側油路35,36間を流通する作動油量の不均衡が是正され、ブームシリンダ16がスムーズに伸縮動することになる。
【0031】
ボトム側油路35とロッド側油路36との間には、2つのリリーフ弁63,64と2つの逆止弁65,66とを有するチャージリリーフ回路60が配置されている。チャージリリーフ回路60は基本的に、一方の油路35(36)内の圧力が高くなり過ぎると、作動油をブームシリンダ16における一方の油室37(38)に供給せずに、他方の油路36(35)や作動油タンク44に逃がすことによって、閉ループ油圧回路34の過負荷を防止するものである。また、閉ループ油圧回路34中の作動油量が少ない場合は、油圧ポンプモータ31の自吸力にて、作動油タンク44からチャージリリーフ回路61を介して不足分の作動油が補給される。
【0032】
実施形態では、ボトム側油路35とロッド側油路36とに、一対のバイパス油路61,62が並列状に接続されている。シリンダ側バイパス油路61中には、ボトム側油路35内の圧力を逃がすための第1リリーフ弁63と、ロッド側油路36内の圧力を逃がすための第2リリーフ弁64とが設けられている。ポンプ側バイパス油路62中には、ボトム側油路35の方向にのみ開く第1逆止弁65と、ロッド側油路36の方向にのみ開く第2逆止弁66とが設けられている。
【0033】
シリンダ側バイパス油路62における両リリーフ弁64,65の間と、ポンプ側バイパス油路63における両逆止弁66,67の間とは、排出油路67にてつながっている。排出油路67の先端は、ドレイン油路53の中途部に接続されている。従って、排出油路67はドレイン油路53を介して作動油タンク44に連通している。
【0034】
(2−2).チャージ油圧回路の構造
次に、第2油圧アクチュエータ(旋回モータ9、アームシリンダ20及びバケットシリンダ23)を駆動させるチャージ油圧回路74について説明する。チャージ油圧回路74は、前述した旋回モータ9と、片ロッド複動形のアームシリンダ20と、片ロッド複動形のバケットシリンダ23と、斜板式のアキシャルピストンポンプである油圧ポンプ32と、固定容量形のパイロットポンプ33と、第2流量調節装置としての油圧調整機構75とを備えている。
【0035】
油圧ポンプ32の吸入側は吸入油路76を介して作動油タンク44に連通している。油圧ポンプ32の吐出側から延びるチャージ油路77には、それぞれ対応する流量制御弁ユニット78,79,80を介して、旋回モータ9とアームシリンダ20とバケットシリンダ23とが分岐接続されている。
【0036】
旋回用の流量制御弁ユニット78は、キャビン6内に配置された旋回操作レバー117の操作量に対応して、中立状態と、旋回モータ9に対する一方のモータ油路81への作動油供給状態と、他方のモータ油路82への作動油供給状態とに切換駆動するように構成されている。旋回操作レバー117の操作にて旋回用の流量制御弁ユニット78を切換駆動させると、油圧ポンプ32から旋回モータ9への作動油の供給方向及び供給量が調節される。その結果、旋回モータ9の回転方向及び回転量が無段階に変更されて、旋回台4が水平旋回することになる。
【0037】
アーム用の流量制御弁ユニット79は、キャビン6内に配置されたアーム操作レバー118の操作量に対応して、中立状態と、アームシリンダ20に対するボトム側油路83への作動油供給状態と、ロッド側油路84への作動油供給状態とに切換駆動するように構成されている。アーム操作レバー118の操作にてアーム用の流量制御弁ユニット79を切換駆動させると、油圧ポンプ32からアームシリンダ20への作動油の供給方向及び供給量が調節される。その結果、アームシリンダ20の伸縮方向及び伸縮量が無段階に変更されて、アーム12が上下に首振り回動することになる。
【0038】
バケット用の流量制御弁ユニット80は、スライド式のバケット操作スイッチ119の操作量に対応して、中立状態と、バケットシリンダ23に対するボトム側油路85への作動油供給状態と、ロッド側油路86への作動油供給状態とに切換駆動するように構成されている。バケット操作スイッチ119の操作にてバケット用の流量制御弁ユニット80を切換駆動させると、油圧ポンプ32からバケットシリンダ23への作動油の供給方向及び供給量が調節される。その結果、バケットシリンダ23の伸縮方向及び伸縮量が無段階に変更されて、アーム12の先端部にあるバケット13が、横向きのバケット軸22回りに掬い込み回動することになる。
【0039】
第2流量調節装置としての油圧調整機構75は、油圧ポンプ32における可動斜板32aの傾斜角度(斜板角度)を制御するためのものであり、可動斜板32aの傾斜角度を変更させる片ロッド形の単動調整シリンダ90と、油圧ポンプ32から単動調整シリンダ90への作動油の供給方向及び供給量を調節するための3ポート2位置切換形の圧力サーボ弁91と、パイロットポンプ33からのパイロット圧を圧力サーボ弁91に付加するための圧力調整電磁弁92とを備えている。
【0040】
圧力サーボ弁91の油路側第1ポート91aは、チャージ油路77のうち油圧ポンプ32と各流量制御弁ユニット78〜80への分岐部87との間に接続され、油路側第2ポート91bは直接作動油タンク44に接続されている。圧力サーボ弁91のシリンダ側ポート91cは単動調整シリンダ90のボトム油室93に接続されている。単動調整シリンダ90のロッド室には、ピストンロッド94を短縮動させる方向に付勢する戻しバネ95が内装されている。単動調整シリンダ90におけるピストンロッド94の先端は、油圧ポンプ32の可動斜板32aに連動連結されている。
【0041】
圧力サーボ弁91は、第1パイロット油路96を介して、チャージ油路77のうち油圧ポンプ32と分岐部87との間に接続されている一方、第2パイロット油路97を介して各流量制御弁ユニット78〜80に接続されている。このため、第1パイロット油路96の圧力は油圧ポンプ32の吐出側の圧力と略同じになっており、第2パイロット油路97の圧力は、旋回モータ9、アームシリンダ20及びバケットシリンダ23における吸入側の圧力のうち最も高圧なものと略同じになっている。
【0042】
また、圧力サーボ弁91は、強制パイロット油路98を介して、圧力調整電磁弁92の吐出側にも接続されている。圧力調整電磁弁92の吸入側はパイロットポンプ33の吐出側に接続されている。パイロットポンプ33の吸入側は吸入油路76の中途部に接続されている。
【0043】
この場合、圧力サーボ弁91は基本的に、第1及び第2パイロット油路96,97の圧力差に応じて、単動調整シリンダ91のボトム油室93への作動油供給状態と、ボトム油室93からの作動油排出状態とに切換駆動するように構成されている。
【0044】
第1及び第2パイロット油路96,97の圧力差が予め設定された所定範囲から外れて、圧力サーボ弁91が切換駆動すると、単動調整シリンダ90が伸縮動して、油圧ポンプ32における可動斜板32aの傾斜角度(斜板角度)が変更・調節され、油圧ポンプ32から各第2油圧アクチュエータ(旋回モータ9、アームシリンダ20及びバケットシリンダ23)への作動油の供給量が調節される。
【0045】
その結果、油圧ポンプ32の吐出側の圧力と各第2油圧アクチュエータ8,20,23の吸入側の圧力との差が所定範囲内に調整され、各第2油圧アクチュエータ8,20,23に掛かる負荷の大小に拘らず、各第2油圧アクチュエータ8,20,23に供給される作動油量が略一定に保持されることになる。すなわち、各第2油圧アクチュエータ8,20,23の作動速度を略一定に保持するロードセンシング機能が働くことになる。
【0046】
圧力調整電磁弁92は、後述するコントローラ101からの制御情報に基づいた電磁ソレノイドの励磁にて、第1パイロット油路96経由で圧力サーボ弁91に付加されるパイロット圧を調節するように構成されている。当該圧力調整電磁弁92の作用にて、圧力サーボ弁91が作動油供給状態に切換駆動して、単動調整シリンダ90が油圧ポンプ32における可動斜板32aの傾斜角度を変更・調節する結果、油圧ポンプ32からの作動油量が強制的に低減することになる。なお、圧力調整電磁弁92は通常(コントローラ101からの制御情報がないとき)、圧力サーボ弁91にパイロット圧を付加しないように設定されている。
【0047】
(3).負荷制御を実行するための構成
次に、図6を参照しながら、バックホウの負荷制御を実行するための構成について説明する。
【0048】
バックホウ1に搭載された制御手段としてのコントローラ101及び電子ガバナコントローラ102は、各種演算処理や制御を実行するCPUの他、制御プログラムやデータを記憶させるためのROM、制御プログラムやデータを一時的に記憶させるためのRAM、及び入出力インターフェイス等を備えている。コントローラ101は、電源印加用のキースイッチ103を介してバッテリ104に接続されている。
【0049】
キースイッチ103は、鍵穴に差し込んだ所定の鍵にて回転操作可能なロータリ式スイッチであり、図示は省略するが、キャビン6内に配置されている。また、キースイッチ103はエンジン7を始動させるためのスタータ105にも接続されている。
【0050】
コントローラ101には、エンジン回転数Rを制御する電子ガバナコントローラ102が接続されている。電子ガバナコントローラ102には、燃料供給装置としての電子ガバナ107付き燃料噴射ポンプ106と、エンジン回転数を検出する回転数検出手段としてのエンジン回転センサ108と、燃料噴射ポンプ106のラック位置から燃料噴射量を検出する負荷検出手段としてのラック位置センサ109と、スロットルレバー116の操作位置を検出するスロットルポテンショ110と、燃料噴射ポンプ106のラック位置を調節するスロットルソレノイド111とが接続されている。
【0051】
スロットルレバー116を手動操作すると、電子ガバナコントローラ102は、エンジン回転数Rがスロットルレバー116の設定回転数Rs(目標回転数)となるように、スロットルポテンショ110の検出情報に基づいてスロットルソレノイド111を駆動させ、燃料噴射ポンプ106のラック位置を調節する。このため、エンジン回転数Rはスロットルレバー116の位置に応じた値に保持される。
【0052】
コントローラ101には、出力関連の機器として、調整ポンプ42からの作動油の供給方向及び供給量を調節するための電磁サーボ弁43と、パイロットポンプ33からのパイロット圧を圧力サーボ弁91に付加するための圧力調整電磁弁92とが接続されている。また、コントローラ101には、入力関連の機器として、ブーム操作レバー120の操作位置を検出するブームポテンショ112と、負荷制御時におけるエンジンの設定負荷率Zsを手動設定するための負荷率設定ダイヤル113とが接続されている。
【0053】
実施形態では、エンジン負荷率Z及び設定負荷率Zsの検出結果に基づいてエンジン回転数Rが設定回転数Rsと一致するように、油圧ポンプモータ31及び油圧ポンプ32から吐出する作動油量を抑制する負荷制御が採用されている。ここで、エンジン負荷率Zとは、ラック位置センサ109にて検出されたエンジン負荷が最高のときを100%として、作業中のエンジン負荷の比率を算出したものであり、アイドリング状態のエンジン負荷率Zが0(零)になる。負荷率設定ダイヤル113は、設定負荷率Zsを70〜100%の範囲で任意に調節し得るように構成されている。
【0054】
コントローラ101のROMには、エンジン負荷率Zと設定負荷率Zsとの差、及び、設定回転数Rsとエンジン回転数Rとの差に基づく比例積分制御(PI制御)を実行するための関係式が予め記憶されている。この場合の関係式としては下記の式1が採用されている。
【0055】
【数1】


ここで、k1〜k4は比例定数であり、右辺第1項及び第3項は比例項、右辺第2項及び第4項は積分項である。制御演算値PIが0未満(PI<0)であれば0に置き換え、積分項の状態変数(Z−Zs、Rs−R)をリセットする。制御演算値PIが所定値A以上(PI>A)であればそのままAに置き換える。すなわち、制御演算値PIの制御範囲は0≦PI≦Aに設定されている。
【0056】
(4).負荷制御の説明
次に、図7及び図8のフローチャートを参照しながら、負荷制御の一例について説明する。
【0057】
制御手段としてのコントローラ101は、エンジン回転数Rが設定回転数Rsと一致するように、油圧ポンプモータ31及び油圧ポンプ32から吐出する作動油量を抑制することにより、エンジン7の過負荷によるエンジンスト−ルを回避する負荷制御を実行する。ここで、設定回転数Rsはスロットルレバー116にて、設定負荷率Zsは負荷率設定ダイヤル113にて予め設定されているものとする。
【0058】
まず、負荷制御のスタートに続いて、負荷率設定ダイヤル113の設定値である設定負荷率Zsと、ラック位置センサ109の検出値(エンジン負荷)と、スロットルレバー116の設定値である設定回転数Rsと、エンジン回転センサ108の検出値Rとを読み込み(ステップS1)、ラック位置センサ109の検出値に基づいて現在のエンジン負荷率Zを演算する(ステップS2)。
【0059】
次いで、設定負荷率Zs及び現在のエンジン負荷率Zと、設定回転数Rs及び現在のエンジン回転数Rとから、前述の式1に従って制御演算値PIを演算したのち(ステップS3)、制御演算値PIに基づいて、圧力調整電磁弁92への指令電流値Ipと電磁サーボ弁43への指令電流値Irとを演算する(ステップS4)。ステップS4で採用される演算式としては、例えば下記の式2及び式3が挙げられる。ここで、L1及びL2は比例定数である。
【0060】
【数2】


【数3】


圧力調整電磁弁92への指令電流値Ipが比例定数と制御演算値PIの累乗根との積になっているのは、圧力調整電磁弁92を介して間接的に圧力サーボ弁91を制御する構成を採っているためである。
【0061】
そして、コントローラ101からの指令電流値Ip(制御情報)に基づいて圧力調整電磁弁92の電磁ソレノイドを励磁させ、第1パイロット油路96経由で圧力サーボ弁91にパイロット圧を付加すると共に、同じくコントローラ101からの指令電流値Ir(制御情報)に基づいて電磁サーボ弁43の電磁ソレノイドを励磁させ、電磁サーボ弁43を直接、複動調整シリンダ41のボトム油室45への作動油供給状態に切換駆動させる(ステップS5)。
【0062】
そうすると、圧力サーボ弁91が作動油供給状態に切換駆動して、単動調整シリンダ90が油圧ポンプ32における可動斜板32aの傾斜角度を変更・調節し、油圧ポンプ32からの作動油量が適宜低減する。これと同時に、電磁サーボ弁43の切換駆動にて、複動調整シリンダ41が油圧ポンプモータ31における可動斜板31aの傾斜角度を変更・調節し、油圧ポンプモータ31からの作動油量も適宜低減する。その結果、エンジン負荷が軽減され、エンジンストールを回避できるのである。
【0063】
実施形態では、以上のような負荷制御が時々刻々実行されていて、実際のエンジン負荷が設定負荷を超えた場合にその負荷を軽減し、エンジン回転数Rが設定回転数Rsと一致するように、油圧ポンプモータ31及び油圧ポンプ32から吐出する作動油量を制御しているから、上限である設定負荷率Zs付近の値にエンジン負荷率Zを維持しつつ、エンジン7を駆動できる。このため、エンジンストールを確実に抑制できるものでありながら、エネルギー損失を低減してエンジン7の出力を効率よく利用できる。
【0064】
実施形態では、電磁弁43,92によるフィードバック制御を採用しているから、特許文献1の構成よりも応答速度が速い。また、電磁弁43,92の制御に関して油圧を利用しないから、油圧ポンプ32に負担がかからない(フィードバック制御のために油圧ポンプ32の容量を大きくしなくてもよい)。
【0065】
しかも、キャビン内に負荷率設定ダイヤル113も配置されているので、負荷率設定ダイヤル113の設定操作により、エンジン7が過負荷状態か否かの基準値を任意(実施形態では70〜100%の範囲)に調節できる。このため、負荷制御を実行する際に、作業状況やオペレータの好み等に合わせた適切な設定を簡単に採用でき、負荷制御の適正化を図れるという利点もある。
【0066】
ところで、かかる負荷制御の実行中に、オペレータがエンジン回転数Rを低下させる方向にスロットルレバー116を手動操作して、エンジン回転数Rが元の設定回転数Rs未満になった場合(ステップS6:YES)は、微調節制御サブルーチンが実行される(ステップS7)。
【0067】
図8に示すように、微調節制御サブルーチンでは、スタートに続いて、設定負荷率Zsと、ラック位置センサ109の検出値(エンジン負荷)と、新たな設定回転数Rs′と、エンジン回転センサ108の検出値R′とを読み込み(ステップT1)、ラック位置センサ109の検出値に基づいて現在のエンジン負荷率Z′を演算する(ステップT2)。
【0068】
次いで、設定負荷率Zs及び現在のエンジン負荷率Z′と、新たな設定回転数Rs′及び現在のエンジン回転数R′とから、前述の式1に従って制御演算値PI′を演算したのち(ステップT3)、新たな設定回転数Rs′及び現在のエンジン回転数R′と、コントローラ101のROMに予め記憶された関係式又は制御マップとから、補正ゲインGを求める(ステップT4)。この場合の補正ゲインGは、新たな設定回転数Rs′と現在のエンジン回転数R′との差(Rs−R)が大きくなるに連れて小さな値となる。
【0069】
ステップT4で補正ゲインGを算出した後は、補正ゲインGと制御演算値PI′とに基づいて、圧力調整電磁弁92への指令電流値Ip′と電磁サーボ弁43への指令電流値Ir′とを演算する(ステップT5)。ステップT5で採用される演算式としては、例えば下記の式4及び式5が挙げられる。ここで、L1′及びL2′は比例定数である。
【0070】
【数4】


【数5】


そして、コントローラ101からの指令電流値Ip′(制御情報)に基づいて圧力調整電磁弁92の電磁ソレノイドを励磁させ、第1パイロット油路96経由で圧力サーボ弁91にパイロット圧を付加すると共に、同じくコントローラ101からの指令電流値Ir′(制御情報)に基づいて電磁サーボ弁43の電磁ソレノイドを励磁させ、電磁サーボ弁43を直接、複動調整シリンダ41のボトム油室45への作動油供給状態に切換駆動させる(ステップT6)。
【0071】
そうすると、圧力サーボ弁91が作動油供給状態に切換駆動して、単動調整シリンダ90が油圧ポンプ32における可動斜板32aの傾斜角度を変更・調節し、油圧ポンプ32からの作動油量が適宜低減する。これと同時に、電磁サーボ弁43の切換駆動にて、複動調整シリンダ41が油圧ポンプモータ31における可動斜板31aの傾斜角度を変更・調節し、油圧ポンプモータ31からの作動油量も適宜低減する。
【0072】
その結果、各作業部操作手段117〜120(旋回操作レバー117、アーム操作レバー118、バケット操作スイッチ119及びブーム操作レバー120)の操作量に対する油圧ポンプモータ31及び油圧ポンプ32からの作動油量は、エンジン回転数R′の低下に比例して低減することになる。
【0073】
従って、各作業部操作手段117〜120の操作による油圧アクチュエータ9,16,20,23の微量動作が可能になるから、旋回台4や各作業部10を微調節操作でき、操作性がよくなると共に、作業効率の向上にも寄与するのである。
【0074】
(5).油圧系統の別例
図9及び図10にはバックホウにおける油圧系統の別例を示している。当該別例では、第2斜板調節装置としての油圧調整機構175が前述の実施形態のものと異なっている。すなわち、圧力調整電磁弁92を省略すると共に、圧力サーボ弁91を3ポート2位置切換形のチャージ用電磁サーボ弁191に変更した点において、前述の実施形態と相違している。このため、コントローラ101には、圧力調整電磁弁92に変えてチャージ用電磁サーボ弁191が接続されている。その他の構成は前述の実施形態と同様である。
【0075】
別例における負荷制御の態様は、基本的に前述の実施形態と同様である。この場合、チャージ用電磁サーボ弁191への指令電流値Ip,Ip′は、比例定数と制御演算値PI,PI′との積になっている。すなわち、下記の式2′及び式4′が、前述の式3及び式5と同様に、一次関数で表されることになる。これは、圧力調整電磁弁92をなくして直接、チャージ用電磁サーボ弁を制御する構成を採っているためである。
【0076】
【数6】


【数7】


かかる制御を採用した場合も、前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、圧力調整電磁弁92を省略すると共に、圧力サーボ弁91を3ポート2位置切換形のチャージ用電磁サーボ弁191に変更しているので、応答速度は前述の実施形態よりも速くなる。その上、部品点数が少なくて済むから、コストの抑制にも貢献するのである。
【0077】
(6).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば本願発明はバックホウに限らず、コンバイン等の農作業機や、ホイルローダ等の特殊作業用車両にも適用可能である。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】バックホウの側面図である。
【図2】キャビン内の平面図である。
【図3】バックホウの油圧系統図である。
【図4】閉ループ油圧回路周りの拡大説明図である。
【図5】油圧調整機構周りの拡大説明図である。
【図6】制御手段の機能ブロック図である。
【図7】負荷制御のフローチャートである。
【図8】微調節制御サブルーチンのフローチャートである。
【図9】油圧系統の別例を示す説明図である。
【図10】別例における制御手段の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
1 作業機械としてのバックホウ
4 旋回台
6 キャビン
7 エンジン
9 旋回モータ
10 作業部
11 ブーム
12 アーム
13 バケット
16 ブームシリンダ
20 アームシリンダ
23 バケットシリンダ
30 油圧系統
31 第1油圧供給装置としての油圧ポンプモータ
31a 可動斜板
32 第2油圧供給装置としての油圧ポンプ
33 パイロットポンプ
34 閉ループ油圧回路
40 第1流量調節装置としての油圧サーボ機構
43 電磁サーボ弁
44 作動油タンク
74 チャージ油圧回路
75 第2流量調節装置としての油圧調整機構
91 圧力サーボ弁
92 圧力調整電磁弁
101 制御手段としてのコントローラ
102 電子ガバナコントローラ
106 燃料噴射ポンプ
107 電子ガバナ
108 エンジン回転センサ
109 ラック位置センサ
113 負荷率設定ダイヤル
116 スロットルレバー
120 ブーム操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1油圧アクチュエータに作動油を供給する可変容量形の第1油圧供給装置と、第2油圧アクチュエータに作動油を供給する可変容量形の第2油圧供給装置と、前記両油圧供給装置を作動させるエンジンとを備えている作業機械であって、
前記エンジンへの燃料供給装置に関連させてエンジン負荷を検出する負荷検出手段と、エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、前記第1油圧供給装置の吐出流量を調節する第1流量調節装置と、前記第2油圧供給装置の吐出流量を調節する第2流量調節装置と、前記両流量調節装置の駆動を制御する制御手段とを更に備えており、
前記制御手段は、前記負荷検出手段と前記回転数検出手段との検出情報に基づいてエンジン回転数が目標回転数と一致するように、前記両流量調節装置を連動して調節する、
作業機械。
【請求項2】
前記エンジンが搭載された機体の操縦部に、前記燃料供給装置を操作して前記目標回転数を変更するためのスロットル操作手段と、前記各油圧アクチュエータを手動操作するための作業部操作手段とが設けられており、
前記制御手段は、前記スロットル操作手段の操作にて前記目標回転数が定格回転数未満になったときに、前記作業部操作手段の操作量に対する前記各油圧供給装置からの作動油量が低減するように、前記各流量調節装置を調節する、
請求項1に記載した作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−249875(P2009−249875A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97249(P2008−97249)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】