説明

作業機械

【課題】油圧アクチュエータが駆動されることなくエンジン再始動を容易にし、燃料消費量や排出する二酸化炭素量を低下させる。
【解決手段】エンジン40によって駆動される油圧ポンプ42と、油圧アクチュエータ21,22,23,31,32と、発電電動機44が発電動作した場合の電力を蓄積する一方、発電電動機44が電動動作する場合に電力を供給する蓄電器61とを備え、操作レバー50,70の操作により油圧アクチュエータを動作させる作業機械において、停止条件が充足した場合にエンジン40のアイドリング運転を停止させるアイドリング停止制御手段110と、アイドリング停止制御手段110によってエンジン40が停止された状態においてエンジン再始動スイッチ77から始動指令が出力された場合にPPCロックレバー79が退避位置に配置されていることを条件にエンジン40の再始動許可を行うエンジン再始動制御手段120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンによって駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動される油圧アクチュエータと、エンジンの出力系に連係された発電電動機と、エンジンによって発電電動機が発電動作した場合の電力を蓄積する一方、発電電動機が電動動作する場合に電力を供給する蓄電手段とを備え、操作レバーの操作により油圧アクチュエータを動作させるようにした作業機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンによって油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプから吐出した圧油によって作業機用の油圧アクチュエータを動作させるようにした作業機械においても、エンジンの不必要なアイドリング運転を停止するようにしたものがある。例えば、特許文献1には、作業機が操作されない状態が設定された時間を超えた場合にエンジンのアイドリング運転を停止させるものが示されている。こうした作業機械によれば、燃料消費量の低減や排出する二酸化炭素量の低減を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−65097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に記載のものにあっては、エンジンのアイドリング運転が停止された状態から操作レバーが操作された場合にエンジンを再始動するようにしている。つまり、建設作業を実施すべくオペレータが操作レバーを操作した場合には、エンジンを再始動することにより油圧ポンプから油圧アクチュエータに圧油が供給され、所望の建設作業を迅速に行うことが可能となる。しかしながら、上述した手段にあっては、オペレータが乗降車時等に操作レバーに触れてしまった場合、エンジンが再始動されて油圧アクチュエータが駆動されてしまう問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、エンジン再始動を容易にすると共に上記問題点を解決することのできる作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る作業機械は、エンジンによって駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動される油圧アクチュエータと、エンジンの出力系に連係された発電電動機と、エンジンによって前記発電電動機が発電動作した場合の電力を蓄積する一方、前記発電電動機が電動動作する場合に電力を供給する蓄電手段とを備え、操作レバーの操作により前記油圧アクチュエータを動作させるようにした作業機械において、エンジンが運転されている状態において所定の停止条件が充足した場合にエンジンのアイドリング運転を停止させるアイドリング停止制御手段と、遮断操作された場合に油圧供給系を遮断することにより前記操作レバーの操作に関わらず前記油圧アクチュエータを動作停止状態に保持する一方、解除操作された場合には前記油圧供給系に油圧を作用させることにより前記操作レバーの操作に応じて前記油圧アクチュエータを動作可能状態とする油圧制御操作手段と、始動操作された場合にエンジンの始動指令を出力するエンジン始動操作手段と、前記アイドリング停止制御手段によってエンジンが停止された状態において前記エンジン始動操作手段から始動指令が出力された場合に前記油圧制御操作手段が遮断操作されていることを条件にエンジンの再始動許可を行うエンジン再始動制御手段とを備え、前記エンジン再始動制御手段は、エンジンが再始動された後、所定の作業可能条件が充足するまでの間、前記油圧供給系を遮断することによって前記油圧アクチュエータを動作停止状態に保持するロック状態監視部を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上述した作業機械において、前記ロック状態監視部は、エンジンが再始動された後、所定の作業可能条件が充足するまでの間、前記油圧制御操作手段を遮断状態に保持するための制御信号を出力し、前記油圧制御操作手段は、前記ロック状態監視部からの制御信号によって遮断状態に保持されている場合には、解除操作されても遮断状態を保持することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述した作業機械において、前記ロック状態監視部は、再始動後のエンジン回転数が所定の作業可能回転数に上昇するまでの間、前記油圧アクチュエータを動作停止状態に保持することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述した作業機械において、前記ロック状態監視部は、再始動後の経過時間が所定の作業可能時間に達するまでの間、前記油圧アクチュエータを動作停止状態に保持することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述した作業機械において、前記エンジン始動操作手段は、前記操作レバーに押ボタン部を有し、この押ボタン部が押圧された場合にその操作信号を前記エンジン再始動制御手段に出力するスイッチであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作レバーの操作に関わらず油圧アクチュエータを動作停止状態に保持する油圧制御操作手段が遮断操作されていることを条件にエンジンの再始動許可を行うようにしている。また、エンジン始動操作手段から始動指令が出力された場合に油圧制御操作手段が遮断操作されていれば、オペレータが乗降車時等に操作レバーに触れてしまった場合であってもエンジンが再始動されることになる。これにより、油圧アクチュエータが駆動されることなくエンジン再始動を容易にし、燃料消費量や排出する二酸化炭素量を低下させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である作業機械の構成例を示した図である。
【図2】図2は、図1に示した作業機械に適用する操作レバーの上端部を示す概念図である。
【図3】図3は、図1に示したメインコントローラが実施するアイドリング停止処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】図4は、図1に示したメインコントローラが実施するエンジン再始動処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4に示したアシスト処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図4に示した機械動作停止解除処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図1に示した作業機械においてPPCロックレバーの操作位置、操作レバーの操作ストローク、エンジン回転数、カウントダウン表示、パイロット油圧遮断バルブの状態、回転灯及び警報ブザーの動作状態を示すタイミングチャートである。
【図8】図8は、図1に示した作業機械においてPPCロックレバーの操作位置、操作レバーの操作ストローク、エンジン回転数、カウントダウン表示、パイロット油圧遮断バルブの状態、回転灯及び警報ブザーの動作状態を示すタイミングチャートであり、延長スイッチがON操作されたものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る作業機械の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態である作業機械を示したものである。ここで例示する作業機械は、油圧ショベル等のように建設作業を行うためのもので、下部走行体1及び上部旋回体2を備えている。下部走行体1は、左右の履帯(図示せず)を介して走行するものである。上部旋回体2は、下部走行体1との間に構成した旋回マシナリ3により下部走行体1に対して旋回可能に配設したものである。図には明示していないが、旋回マシナリ3は、例えば旋回サークルと、旋回サークルに歯合するピニオンとを備えて構成してあり、ピニオンを電動アクチュエータである旋回用電動モータ10によって駆動することにより、下部走行体1に対して上部旋回体2を旋回させることが可能である一方、旋回ブレーキ(ロック手段)11を作動させた場合には下部走行体1に対する上部旋回体2の旋回を機械的に阻止することが可能である。
【0015】
また、作業機械には、上部旋回体2に作業機ユニット20が設けてある一方、下部走行体1に走行ユニット30が設けてある。作業機ユニット20は、掘削や積込といった建設作業を行うためのものである。本実施の形態の作業機械では、ブームの先端部にアームを備え、さらにアームの先端部にバケットを備えた作業機ユニット20を適用している。この作業機ユニット20は、ブームシリンダ21、アームシリンダ22、バケットシリンダ23を備えており、これら作業機用油圧アクチュエータ21,22,23に適宜圧油を供給することによってブーム、アーム及びバケットを動作させることができる。
【0016】
走行ユニット30は、下部走行体1の履帯を個別に駆動するためのものである。本実施の形態の走行ユニット30は、右走行モータ31及び左走行モータ32を備えており、これら走行用油圧アクチュエータ31,32に適宜圧油を供給することによって履帯を駆動することができる。
【0017】
さらに、作業機械は、原動機となるエンジン40と、エンジン40の出力軸にPTO(Power Take Off)41を介して接続した油圧ポンプ42、スタータ43及び発電電動機44とを備えている。
【0018】
エンジン40は、シリンダの内部に供給する燃料の噴射量を調整することによって出力を制御するようにしたディーゼルエンジンである。燃料の噴射量は、エンジン40に付設したエンジンコントローラ45に対して後述するメインコントローラ100から制御信号を与えることにより調整することが可能である。また、エンジン40は、油温センサ46を備えている。油温センサ46は、エンジン40の内部を循環する潤滑油の温度を検出し、その検出結果を後述するメインコントローラ100に出力するものである。
【0019】
油圧ポンプ42は、エンジン40を駆動源とした可変容量型のものである。油圧ポンプ42の容量は、ポンプ制御バルブ47に対して後述のメインコントローラ100から制御信号を与えることにより変更することができる。この油圧ポンプ42は、エンジン40が運転されている場合に、上述したブームシリンダ21、アームシリンダ22、バケットシリンダ23、右走行モータ31及び左走行モータ32に圧油を供給することが可能である。
【0020】
油圧ポンプ42からそれぞれの油圧アクチュエータ21,22,23,31,32に至る圧油の供給通路には、圧力センサ48及び操作バルブ24,25,26,33,34が設けてある。圧力センサ48は、供給通路を流通する圧油の圧力を検出し、その検出結果を後述するメインコントローラ100に出力するものである。
【0021】
操作バルブ24,25,26,33,34は、ブームシリンダ21、アームシリンダ22、バケットシリンダ23、右走行モータ31及び左走行モータ32に対してそれぞれブーム操作バルブ24、アーム操作バルブ25、バケット操作バルブ26、右走行操作バルブ33及び左走行操作バルブ34が個別に設けられており、油圧操作レバー50の操作に応じて供給されるパイロット油圧により、油圧ポンプ42からそれぞれの油圧アクチュエータ21,22,23,31,32に対する圧油の供給制御を行うものである。
【0022】
油圧操作レバー50は、上部旋回体2の運転席においてオペレータが操作できる位置に配設された入力装置である。この油圧操作レバー50は、油圧ポンプ42からそれぞれの油圧アクチュエータ21,22,23,31,32に至るパイロット油路の間に介在しており、操作方向及び操作量に応じたパイロット油圧を個々の操作バルブ24,25,26,33,34に与えるとともに、付設されたポテンショメータ51を通じて後述のメインコントローラ100に操作方向及び操作量に応じた操作信号を出力することが可能である。
【0023】
油圧ポンプ42から油圧操作レバー50に至るパイロット油路には、パイロット油圧遮断バルブ52が設けてある。パイロット油圧遮断バルブ52は、後述するメインコントローラ100からの制御信号によって動作し、油圧ポンプ42から油圧操作レバー50への圧油の供給を断続するものである。このパイロット油圧遮断バルブ52が遮断状態にある場合には、油圧ポンプ42から油圧操作レバー50に対する圧油の供給が遮断されることになり、油圧操作レバー50の操作如何に関わらず操作バルブ24,25,26,33,34が動作停止状態となる。
【0024】
スタータ43は、後述するメインコントローラ100から駆動信号が与えられた場合に回転駆動する電動モータである。
【0025】
発電電動機44は、発電電動コントローラ60の制御により発電動作と電動動作とに切替動作するものである。発電電動コントローラ60は、後述するメインコントローラ100からの制御信号に応じて発電電動機44の動作を切り替えるものである。発電電動機44が発電動作する場合、発電電動コントローラ60は、発電電動機44の発電電力を蓄電器(蓄電手段)61に蓄積、もしくは旋回コントローラ(電力供給制御手段)62を介して上述の旋回用電動モータ10に供給する一方、発電電動機44が電動動作する場合、蓄電器61に蓄積された電力を発電電動機44に供給する。蓄電器61は、キャパシタや蓄電池によって構成されたもので、電圧センサ63を備えている。電圧センサ63は、蓄電器61の蓄電電圧を検出し、検出結果を後述のメインコントローラ100に出力するものである。
【0026】
旋回コントローラ62は、後述のメインコントローラ100から制御信号が与えられた場合に制御信号に応じて旋回用電動モータ10に対する電力の供給制御を行うものである。
【0027】
また、上記作業機械には、旋回操作レバー70、キースイッチ71、エアコンスイッチ72、警報ブザー73、回転灯74、モニタ75、延長スイッチ76、エンジン再始動スイッチ77(エンジン始動操作手段)、PPC圧ロックスイッチ78が設けてある。
【0028】
旋回操作レバー70は、油圧操作レバー50と同様に、上部旋回体2の旋回指令を入力するための入力装置であり、上部旋回体2の運転席においてオペレータが操作できる位置に配設してある。旋回操作レバー70の操作方向及び操作量を示す操作信号は、後述のメインコントローラ100に与えられることになる。
【0029】
キースイッチ71は、いわゆるモーメンタリ方式のスイッチ手段であり、運転席においてオペレータがキー操作できる位置に設けてある。エンジンキーを挿入した状態でキースイッチ71をON位置まで操作した場合には、キースイッチ71から後述するメインコントローラ100に対してON信号が出力され、蓄電器61からの電力の供給が可能な状態となる。さらにON位置からエンジンキーを始動操作すると、始動操作されている間、後述のメインコントローラ100に対してエンジン40の始動指令が出力される。この結果、例えば後述するメインコントローラ100からスタータ43に駆動信号が与えられ、エンジン40が始動されることになる。尚、エンジンキーへの始動操作力を除去すると、キースイッチ71がON位置に復帰するものの、後述のメインコントローラ100に継続してON信号が出力されるため、エンジン40の運転状態が継続される。さらにエンジンキーをオフ操作すると、図示しないバッテリーからの電力の供給が不可となり、エンジン40が運転されていた場合にはエンジン40に対する燃料供給がカットされるため、エンジン40が停止して作業機械全体を運転停止させることができる。
【0030】
エアコンスイッチ72は、エンジン40のPTO41に接続したエアコン用コンプレッサ80をON/OFF動作させるための動作信号をメインコントローラ100に与えるものである。警報ブザー73及び回転灯74は、メインコントローラ100からの駆動信号に応じて鳴動及び点灯することにより、作業機械の外部に対して報知を行うためのものである。警報ブザー73に関しては、作業機械の周囲にいる人に対して鳴動音が聞こえる位置に配置し、かつ回転灯74に関しては、上部旋回体2のキャビン上部等、作業機械の周囲にいる人に対して回転灯74の光を十分に視認できる位置に設けてある。モニタ75は、運転席においてオペレータが視認できる位置に設けた車載用表示手段あり、後述のメインコントローラ100から与えられた出力データを含む制御信号に従って各種表示を行う。
【0031】
延長スイッチ76は、エンジン40のアイドリング運転を延長する場合に操作するためのものである。エンジン再始動スイッチ77は、エンジン40を再始動する場合に操作するためのものである。これら延長スイッチ76及びエンジン再始動スイッチ77は、図2に示すように、油圧操作レバー50、もしくは旋回操作レバー70の上端部にそれぞれ個別の押ボタン76a,77aを備えて構成してあり、押ボタン76a,77aが押圧操作された場合にそれぞれの操作信号を後述のメインコントローラ100に出力する。尚、図中の符号53は、ホーンを鳴動させるためのホーンスイッチである。
【0032】
PPC圧ロックスイッチ78は、図1に示したパイロット油圧遮断バルブ52を断続操作するための制御信号を出力するもので、運転席に設けたPPCロックレバー(油圧制御操作手段)79を介してオペレータが操作できるように構成してある。具体的には、PPCロックレバー79を退避移動させ、運転席に対してオペレータが出入りできる状態(以下、PPCロックレバー79の「退避位置」という)となった場合にパイロット油圧遮断バルブ52を遮断状態とする一方、PPCロックレバー79を進出移動させ、運転席に対してオペレータの出入りができない状態(以下、PPCロックレバー79の「進出位置」という)となった場合にパイロット油圧遮断バルブ52を開放状態とするように設定してある。PPC圧ロックスイッチ78からの出力信号は、後述のメインコントローラ100に与えられることになる。
【0033】
さらに、上記作業機械は、メインコントローラ100を備えている。メインコントローラ100は、蓄電器61からの電力によって動作するもので、上述した各種センサ46,48,63や各種スイッチ71,72,76,77,78、操作レバー50,70から出力された信号に基づいて、エンジン40、油圧ポンプ42、スタータ43、発電電動機44、旋回用電動モータ10、旋回ブレーキ11、作業機ユニット20、走行ユニット30を駆動することにより、作業機械に建設作業を実施するための統括的な制御を行う機能を有している。
【0034】
例えば、エンジン40が運転されている状態において油圧操作レバー50を操作すると、油圧操作レバー50の操作に応じて操作バルブ24,25,26,33,34にパイロット油圧が加えられ、各操作バルブ24,25,26,33,34によって油圧ポンプ42から供給される圧油が制御されることになり、作業機ユニット20及び走行ユニット30に所望の動作を実施させることが可能となる。この間、メインコントローラ100は、エンジンコントローラ45に対してエンジンの目標回転数を指令し、これに応じてエンジンコントローラ45が目標の回転数となるように燃料噴射量を制御している。
【0035】
また、メインコントローラ100には、アイドリング停止制御手段110、エンジン再始動制御手段120が設けてある。アイドリング停止制御手段110は、エンジン40が運転されている状態において所定の停止条件が充足した場合にエンジン40のアイドリング運転を停止させるものである。エンジン再始動制御手段120は、アイドリング停止制御手段110によってエンジン40が停止された状態において所定の再始動条件が充足した場合にエンジン40の再始動許可を行うものである。
【0036】
アイドリング停止制御手段110は、エンジン回転数制御部111、アイドリング停止処理部112、機械動作禁止部113、カウントダウン表示処理部114、報知処理部115を有している。
【0037】
エンジン回転数制御部111は、エンジン40がアイドリング運転(例えば約2000rpm)されている状態において油圧操作レバー50及び旋回操作レバー70(以下、両者を併せて単に「操作レバー50,70」という)の操作状態を監視し、操作レバー50,70がニュートラル状態に保持された時間が予め設定した低速時間(T1秒)に達した場合にエンジン40の回転数を所定の低速回転数(例えば約1050rpm)まで減少させるべくエンジンコントローラ45に対して制御信号を出力するものである。
【0038】
アイドリング停止処理部112は、エンジン回転数制御部111によってエンジン40の回転数が低速回転数に減速された場合に操作レバー50,70の操作状態を監視し、操作レバー50,70がニュートラル状態に保持された時間が予め設定した停止時間(T2秒)に達した場合に、予め設定した停止禁止条件がいずれも存在しないことを条件としてエンジン40のアイドリング運転を停止させる処理を行うものである。
【0039】
本実施の形態では、停止禁止条件として以下に示すものが設定してある。
(1)PPCロックレバー79が退避位置
(2)蓄電器61の蓄電電圧が予め設定した閾値未満
(3)エアコン作動時
(4)エンジン暖気運転時
(5)エンジン再始動後の運転時間が予め設定した時間未満
【0040】
PPCロックレバー79が退避位置にある場合を停止禁止条件としているのは、運転席からオペレータが長時間離れる可能性が極めて高いためであり、アイドリング運転を停止するよりもエンジンキーをオフ操作して作業機械全体を運転停止させる方が好ましいからである。
【0041】
蓄電器61の蓄電電圧が予め設定した閾値未満である場合を停止禁止条件としているのは、アイドリング運転を停止した後のエンジン40の再始動性を確保するためである。後述するように、エンジン再始動時には、スタータ43及び発電電動機44によるアシスト作用のために電力が必要とされるため、上述の閾値を高めに設定することが好ましい。
【0042】
エアコン作動時、エンジン暖気運転時を停止禁止条件としているのは、アイドリング運転が停止した場合にそれぞれの目的を達成することができなくなるためである。
【0043】
エンジン再始動後の運転時間が予め設定した時間未満である場合を停止禁止条件としているのは、エンジン40の始動、停止が頻発することにより、作業性能が悪化するとともに、却って燃料消費量の増大が招来される虞れがあるからである。
【0044】
また、アイドリング停止処理部112は、エンジン回転数制御部111によってエンジン40が低速回転数で運転されている状態において延長スイッチ76がON操作された場合に停止時間を延長する機能を有している。延長スイッチ76が繰り返し操作された場合、アイドリング停止処理部112は、ON操作される都度、停止時間を延長する処理を実施する。
【0045】
機械動作禁止部113は、アイドリング停止処理部112によってエンジン40のアイドリング運転が停止されている場合に、メインコントローラ100からの旋回コントローラ62に対する制御信号を停止し、かつ旋回ブレーキ11を作動させて下部走行体1に対する上部旋回体2の旋回を機械的に阻止するものである。また、機械動作禁止部113は、アイドリング停止処理部112によってエンジン40のアイドリング運転が停止されている場合に、パイロット油圧遮断バルブ52に対して遮断状態を保持するための制御信号を出力するものである。機械動作禁止部113からの制御信号によってパイロット油圧遮断バルブ52が遮断状態に保持されている場合、PPCロックレバー79を操作した場合にもパイロット油圧遮断バルブ52は継続して遮断状態が保持される。
【0046】
カウントダウン表示処理部114は、アイドリング停止処理部112によるアイドリング運転停止までの時間が所定の時間(T3秒)以下となった場合にモニタ75に対してカウントダウン表示を行うための表示データを出力するものである。例えばカウントダウン表示処理部114は、アイドリング運転停止までの時間が10秒となった場合にモニタ75に対して表示データを出力し、「アイドリング運転停止まで10秒」、「アイドリング運転停止まで9秒」…というようにアイドリング運転が停止されるまでの間カウントダウン表示を行う。上述した延長スイッチ76によってアイドリング運転停止までの時間が10秒以上となった場合には、一旦カウントダウン表示を停止し、再び10秒となった時点でカウントダウン表示を再開する処理を行う。
【0047】
報知処理部115は、アイドリング停止処理部112によってエンジン40のアイドリング運転が停止された場合に警報ブザー73を鳴動するとともに、回転灯74を点灯することにより、作業機械の外部に対してアイドリング運転が停止されている状態であることを報知するものである。
【0048】
またこの報知処理部115は、以下の条件が充足する場合に、モニタ75に対して報知データを出力して報知を行う。
(1)PPCロックレバー79が進出位置に移動
(2)アイドリング運転停止後、所定の時間経過
(3)蓄電器61の蓄電電圧が予め設定した閾値未満
【0049】
これらの条件においてモニタ75に表示を行うのは、アイドリング運転が停止された状態のままエンジンキーを抜き忘れて作業機械が放置されるのを防止するためである。
【0050】
一方、エンジン再始動制御手段120は、再始動処理部121、ロック状態監視部122、始動アシスト制御部123を有している。
【0051】
再始動処理部121は、アイドリング停止制御手段110によってエンジン40のアイドリング運転が停止されている状態においてエンジン再始動スイッチ77がON操作された場合、PPCロックレバー79が退避位置に配置されていることを条件に、スタータ43及びエンジンコントローラ45に対してエンジン40の再始動許可を出力するものである。またこの再始動処理部121は、エンジン40が再始動した場合、まず第1の回転数(例えば、約1000rpm)を上限として運転し、その後、PPCロックレバー79を進出位置に移動させることによってパイロット油圧遮断バルブ52が開放状態に移行した場合にエンジン40を第2の回転数(例えば、約2000rpm)まで上昇させる処理を行うものである。
【0052】
ロック状態監視部122は、再始動処理部121によってエンジン40が再始動された後、所定の作業可能条件が充足するまでの間、パイロット油圧遮断バルブ52を遮断状態に保持するための制御信号を出力するものである。ロック状態監視部122からの制御信号によってパイロット油圧遮断バルブ52が遮断状態に保持されている場合には、PPCロックレバー79を操作した場合にもパイロット油圧遮断バルブ52が動作することはなく、継続して遮断状態が保持される。本実施の形態では、再始動したエンジン40の回転数が予め設定した作業回転数(例えば、約700rpm)に上昇した場合に作業可能条件が充足したものとして処理を行うようにしている。
【0053】
始動アシスト制御部123は、再始動処理部121からの再始動許可に応じてスタータ43が駆動し、エンジン40が再始動されている際にエンジン40の回転数が所定のアシスト終了回転数に至るまでの間、発電電動コントローラ60に対して発電電動機44を電動動作させるための制御信号を出力するものである。
【0054】
図3は、上述したメインコントローラ100のアイドリング停止制御手段110が実施するアイドリング停止処理の内容を示すフローチャートである。以下、この図3及び図7、図8のタイミングチャートを適宜参照しながら作業機械のアイドリング停止処理について説明する。尚、以下においては、図7及び図8に示すように、PPCロックレバー79が進出位置にあり、パイロット油圧遮断バルブ52が開放されている状態にあるものとする。
【0055】
まず、メインコントローラ100は、エンジン40が運転されている場合(ステップS101:Yes)、操作レバー50,70の操作状態を監視し(ステップS102)、操作レバー50,70がニュートラル状態に保持されている場合(ステップS102:Yes)、その継続時間が低速時間(T1秒)に達するか否かを判断する(ステップS103、ステップS104、ステップS105)。低速時間に達する以前に操作レバー50,70が変位された場合(ステップS104:No→ステップS105:Yes)、メインコントローラ100は、タイマ1をリセットし(ステップS106)、その後に手順をリターンさせて今回のアイドリング停止処理を終了する。この結果、エンジン40は、その回転数が約2000rpmでアイドリング運転を継続することになる。
【0056】
これに対して操作レバー50,70のニュートラル状態が低速時間に達すると(ステップS104:Yes、図7及び図8中のt1→t2)、タイマ1をクリアし(ステップS107)、その後にエンジン回転数を低速回転数まで減少させるべくエンジンコントローラ45に対して制御信号を出力する(ステップS108)。この結果、エンジン40のアイドリング運転が低速回転数まで減速した状態で継続されることになり、先の状態でアイドリング運転が継続される場合に比べて燃料消費量の低減や排出する二酸化炭素量の低減を図ることが可能になる(図7及び図8中のt2→)。
【0057】
さらにメインコントローラ100は、エンジンコントローラ45に対して制御信号を出力すると同時に新たにタイマ2を起動し(ステップS109)、操作レバー50,70のニュートラル状態が停止時間(T2秒)継続するか否かを判断する(ステップS110、ステップS111)。
【0058】
この間、メインコントローラ100は、カウントダウン表示タイミングであるか否かを判断し(ステップS112)、表示タイミングである場合(ステップS112:Yes、図7及び図8中のt3、図8中のt5)、モニタ75を介してカウントダウン表示を実施する(ステップS113、図7及び図8中のt3→t4、図8中のt5→t6)。
【0059】
また、メインコントローラ100は、延長スイッチ76がON操作されたか否かを監視し(ステップS114)、延長スイッチ76がONされた場合(ステップS114:Yes、図8中のt4)、タイマ2をクリアし(ステップS115)、手順をステップS109に移行させる(図8中のt4→t6)。
【0060】
エンジン40のアイドリング運転が低速回転数となった状態で操作レバー50,70のニュートラル状態が停止時間継続すると(ステップS110:Yes、図7中のt4、図8中のt6)、メインコントローラ100は、停止禁止条件が存在しないことを条件にエンジン40の停止処理を行う(ステップS116:No→ステップS117)。
【0061】
エンジン40の停止処理を実施したメインコントローラ100は、機械動作停止処理を実施し(ステップS118)、さらに報知処理を実施し(ステップS119)、タイマ2をクリアした後に今回のアイドリング停止処理を終了する(ステップS120)。
【0062】
この結果、エンジン40の不必要なアイドリング運転が停止されるため、燃料消費量の低減や排出する二酸化炭素量の低減を図ることが可能になる。この場合、少なくとも蓄電器61の蓄電電圧が予め設定した閾値以上あることを条件にエンジン40のアイドリング運転が停止されるため、エンジン40を再始動する場合の電力を十分に確保することができる。
【0063】
しかも、エンジン40のアイドリング運転が停止した場合には、旋回コントローラ62に対する制御信号が停止され、かつ旋回ブレーキ11を作動させて下部走行体1に対する上部旋回体2の旋回が機械的に阻止された状態となる。さらに、パイロット油圧遮断バルブ52に対して遮断状態を保持するための制御信号が出力された状態となる。従って、アイドリング運転が停止されている状態において操作レバー50,70が誤って操作されたとしても、旋回用電動モータ10や油圧アクチュエータ21,22,23,31,32が誤動作する虞れはなく、下部走行体1に対して上部旋回体2が旋回したり、下部走行体1が走行したり、作業機ユニット20が動作したりすることがない。
【0064】
また、エンジン40のアイドリング運転が停止されている状態においては、回転灯74が点灯しているとともに、警報ブザー73が鳴動しているため、作業機械の外部にいる人に対してアイドリング運転停止中であることを報知することができる。
【0065】
尚、エンジン40のアイドリング運転が低速回転数となった状態においても、例えばカウントダウン表示を視認したオペレータの意志により操作レバー50,70を操作すれば(ステップS111:Yes)、タイマ2がクリアされた後に手順がリターンされ(ステップS121)、アイドリング運転が停止することなく今回のアイドリング停止処理が終了する。従って、アイドリング運転を停止させることなく建設作業を継続することも可能であり、上述したアイドリング停止処理が建設作業に大きな支障を来す虞れもない。また、エンジン40のアイドリング運転が低速回転数となった状態においても、上述した停止禁止条件が存在する場合、つまり(1)PPCロックレバー79が退避位置にある、(2)蓄電器61の蓄電電圧が予め設定した閾値未満である、(3)エアコン作動時である、(4)エンジンが暖気運転時である、(5)エンジン再始動後の運転時間が予め設定した時間未満である、のいずれかが該当する場合にも(ステップS116:Yes)、タイマ2がクリアされた後に手順がリターンされ(ステップS122)、アイドリング運転が停止することなく今回のアイドリング停止処理が終了する。従って、(1)オペレータが長時間運転席から離れる場合には、キースイッチ71のOFF操作によるエンジン停止を推奨すべくアイドリング運転を自動的に停止することはない。(2)エンジンの再始動が困難になる虞れがある状況下ではアイドリング運転が自動的に停止することはない。(3)エアコンの運転に支障を来す虞れがない。(4)エンジンの暖機運転に支障を来す虞れがない。(5)エンジンの自動停止、自動再始動が頻繁に実施させる事態を未然に防止できる。
【0066】
図4は、上述したメインコントローラ100のエンジン再始動制御手段120が実施するエンジン再始動処理の内容を示すフローチャートである。以下、この図4及び図7、図8のタイミングチャートを適宜参照しながら作業機械のアイドリング停止処理について説明する。尚、以下においては、図7中のt5、もしくは図8のt7に示すように、上述したアイドリング停止処理によってエンジン40のアイドリング運転が停止された状態にあり、PPCロックレバー79が進出位置にあり、パイロット油圧遮断バルブ52が遮断されている状態にあるものとする。
【0067】
まず、メインコントローラ100は、アイドリング停止処理によってエンジン40のアイドリング運転が停止されている場合(ステップS201:Yes)、エンジン再始動スイッチ77及びPPCロックレバー79の操作状態を監視し(ステップS202、ステップS203)、エンジン再始動スイッチ77がON操作され、かつPPCロックレバー79が退避位置に配置されている場合(ステップS202:Yes→ステップS203:Yes、図7及び図8中のt10)、スタータ43及びエンジンコントローラ45に対してエンジン40の再始動許可を出力する(ステップS204)。スタータ43及びエンジンコントローラ45に対して出力されるエンジン40の再始動許可は、第1の回転数を上限とするものである。この結果、スタータ43が駆動され(ステップS205)、エンジン40が第1の回転数を目標回転数として再始動されることになる。尚、エンジン40が再始動されると同時に回転灯74が消灯されるとともに、警報ブザー73の鳴動が停止して周囲に対する報知が終了する。
【0068】
スタータ43が駆動されると、メインコントローラ100は、これと同時にアシスト処理を実施する(ステップS206)。アシスト処理においてメインコントローラ100は、図5に示すように、エンジン回転数を検出し(ステップS301)、さらにこの検出したエンジン回転数が要アシスト回転数であるか否かを判断し(ステップS302)、要アシスト回転数である場合(ステップS302:Yes)、発電電動機44を電動動作させるものである(ステップS303)。
【0069】
ステップS302において判断される要アシスト回転数とは、例えばエンジン40の回転数が50rpm以上であり、かつ目標エンジン回転数との差の絶対値が100rpm以上となる回転数である。要アシスト回転数において発電電動機44が電動動作すると、エンジン40がスタータ43+発電電動機44のトルクで駆動されることになり、スタータ43の負荷を軽減した状態でエンジン40を迅速、かつ確実に目標回転数まで回転することが可能となる。
【0070】
エンジン回転数と目標エンジン回転数との差の絶対値が100rpm未満となると(ステップS302:No)、メインコントローラ100は、手順をリターンさせて今回のアシスト処理を終了する。
【0071】
図4において、アシスト処理を終了したメインコントローラ100は、次いで機械動作停止解除処理を実施する(ステップS207)。機械動作停止解除処理においてメインコントローラ100は、図6に示すように、まずエンジン回転数を検出し(ステップS401)、この検出したエンジン回転数が作業回転数以上であるか否かを判断する(ステップS402)。エンジン回転数が作業回転数以上となると(ステップS402:Yes)、メインコントローラ100は、遮断状態に保持されていたパイロット油圧遮断バルブ52を開放可能状態に復帰させ(ステップS403)、旋回コントローラ62に対する制御信号の出力を再開し(ステップS404)、さらに旋回ブレーキ11の作動を解除して手順をリターンさせる(ステップS405)。
【0072】
この結果、図4に示すように、PPCロックレバー79を進出位置に移動させれば(ステップS208:Yes)、パイロット油圧遮断バルブ52が開放状態となり(ステップS209)、油圧操作レバー50を操作した場合にパイロット圧が操作バルブ24,25,26,33,34に加えられることになり、再び作業機ユニット20及び走行ユニット30を油圧操作レバー50の操作に応じて動作させることができるようになる。また、旋回操作レバー70を操作すれば、旋回コントローラ62に対して旋回操作レバー70の操作に応じた制御信号が出力されることになり、下部走行体1に対して上部旋回体2を旋回させることが可能となる。
【0073】
図4のステップS209において、パイロット油圧遮断バルブ52を開放したメインコントローラ100は、これと同時にエンジンコントローラ45に対してエンジン40の回転数を第2の回転数まで上昇させるための制御信号を出力する(ステップS210)。この結果、エンジン40の回転数が約2000rpmとなり、作業機械がアイドリング運転の停止処理を実施する以前の状態に復帰する。
【0074】
上述したエンジン40の再始動処理においては、PPCロックレバー79が退避位置に配置されていることを条件にエンジン40の再始動許可を行うようにしている。従って、オペレータが乗降車時等に操作レバー50,70に触れてしまった場合であってもエンジン40が再始動されることになる。これにより、油圧アクチュエータ21,22,23,31,32が駆動されることなくエンジン40の再始動を容易にし、燃料消費量や排出する二酸化炭素量を低下させることが可能となる。
【0075】
以下、上述したアイドリング停止処理及びエンジン再始動処理が繰り返し実行され、建設作業に支障を来すことなく燃料消費量の低減や排出する二酸化炭素量の低減を図ることが可能となる。
【0076】
尚、上述した実施の形態では、エンジン再始動スイッチ77から再始動のための始動指令を出力するようにしているが、必ずしもエンジン再始動スイッチ77である必要はなく、キー操作によりキースイッチ71から再始動のための始動指令を出力するように構成しても構わない。
【0077】
また、上述した実施の形態では、図6に示す機械動作停止解除処理においてエンジン40の回転数が作業回転数以上になることを条件としているが、必ずしもエンジンの回転数を基準とする必要はなく、エンジンが再始動されてからの時間が予め設定した作業可能時間(例えば、2秒)に達することを条件として機械動作停止解除処理を実施するようにしても構わない。
【符号の説明】
【0078】
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 旋回マシナリ
10 旋回用電動モータ
11 旋回ブレーキ
20 作業機ユニット
21,22,23,31,32 油圧アクチュエータ
24,25,26,33,34 操作バルブ
30 走行ユニット
40 エンジン
42 油圧ポンプ
43 スタータ
44 発電電動機
45 エンジンコントローラ
50,70 操作レバー
52 パイロット油圧遮断バルブ
60 発電電動コントローラ
61 蓄電器
62 旋回コントローラ
63 電圧センサ
70 旋回操作レバー
73 警報ブザー
74 回転灯
75 モニタ
76 延長スイッチ
77 エンジン再始動スイッチ
78 PPC圧ロックスイッチ
79 PPCロックレバー
100 メインコントローラ
110 アイドリング停止制御手段
111 エンジン回転数制御部
112 アイドリング停止処理部
113 機械動作禁止部
114 カウントダウン表示処理部
115 報知処理部
120 エンジン再始動制御手段
121 再始動処理部
122 ロック状態監視部
123 始動アシスト制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動される油圧アクチュエータと、
エンジンの出力系に連係された発電電動機と、
エンジンによって前記発電電動機が発電動作した場合の電力を蓄積する一方、前記発電電動機が電動動作する場合に電力を供給する蓄電手段と
を備え、操作レバーの操作により前記油圧アクチュエータを動作させるようにした作業機械において、
エンジンが運転されている状態において所定の停止条件が充足した場合にエンジンのアイドリング運転を停止させるアイドリング停止制御手段と、
遮断操作された場合に油圧供給系を遮断することにより前記操作レバーの操作に関わらず前記油圧アクチュエータを動作停止状態に保持する一方、解除操作された場合には前記油圧供給系に油圧を作用させることにより前記操作レバーの操作に応じて前記油圧アクチュエータを動作可能状態とする油圧制御操作手段と、
始動操作された場合にエンジンの始動指令を出力するエンジン始動操作手段と、
前記アイドリング停止制御手段によってエンジンが停止された状態において前記エンジン始動操作手段から始動指令が出力された場合に前記油圧制御操作手段が遮断操作されていることを条件にエンジンの再始動許可を行うエンジン再始動制御手段と
を備え、
前記エンジン再始動制御手段は、エンジンが再始動された後、所定の作業可能条件が充足するまでの間、前記油圧供給系を遮断することによって前記油圧アクチュエータを動作停止状態に保持するロック状態監視部を備えることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記ロック状態監視部は、エンジンが再始動された後、所定の作業可能条件が充足するまでの間、前記油圧制御操作手段を遮断状態に保持するための制御信号を出力し、
前記油圧制御操作手段は、前記ロック状態監視部からの制御信号によって遮断状態に保持されている場合には、解除操作されても遮断状態を保持することを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記ロック状態監視部は、再始動後のエンジン回転数が所定の作業可能回転数に上昇するまでの間、前記油圧アクチュエータを動作停止状態に保持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記ロック状態監視部は、再始動後の経過時間が所定の作業可能時間に達するまでの間、前記油圧アクチュエータを動作停止状態に保持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業機械。
【請求項5】
前記エンジン始動操作手段は、前記操作レバーに押ボタン部を有し、この押ボタン部が押圧された場合にその操作信号を前記エンジン再始動制御手段に出力するスイッチであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−21394(P2012−21394A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183948(P2011−183948)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【分割の表示】特願2007−97185(P2007−97185)の分割
【原出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】