説明

作業用防水シート

【課題】建物等の開口部の外側に開口部を覆うボックス空間を形成する作業用防水シートを提供する。
【解決手段】開口部bを覆うシート本体10と、シート本体10の内側に配置される門形枠体20とからなる。シート本体10は、上面部11と両側面部12,13と前面部14とからなる。上面部11の前記開口部bに対応する端縁には、建物Bに配設される係止部f1に該上面部11を係止させるための上縁部係止手段15が設けられ、上面部11と前面部14との内面境界部には、門形枠体20の上辺部21を固定する固定手段18が配設され、両側面部12,13の開口側下端には、門形枠材20の下端部を挿入して固定するポケット19が設けられ、門形枠体20は、シート本体10内において固定手段18とポケット19とにより保持され門形枠体20の両側辺部22,23が鉛直線に対して傾斜してシート本体10を張った状態に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業用防水シートに関し、特に、電力中継所や携帯電話中継所等における壁面に取り付けられた扉が開かれて露出する機器類に対して作業を行う人が雨天時の作業に使用する作業用防水シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、屋外電力盤を設置する電力中継所や携帯電話中継機器を設置する携帯電話中継所等の建物等には、点検・修理用の開口部を有するものの、奥行きがなく点検,修理を行う作業員が中へ入れないものがある。また、点検,修理を行う条件は必ずしも晴天ではなく、風雨に見舞われる場合もある。そこで、風雨に見舞われないで点検を行うためには、建物の外側に点検用開口を囲んで簡易に設置できる作業用テントが要望されている。
【0003】
従来、この種の作業用テントとして、防水シートと、該防水シートを直方体状に支持する骨組とを具備するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、別のこの種の作業用テントとして、観音開き扉を覆うシート本体にて作業用の閉塞空間を形成する防雨シートが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−325247号公報
【特許文献2】実用新案登録第3009442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の作業用テントによれば、枠材を多量に使用して枠体を組立てる構成であるので、枠体の組立・分解作業が面倒で時間がかかり運搬も容易ではなく、しかも建物等壁面への固定も簡単とは言えない。更に、組立てた枠体にテント本体を被せる作業が簡便ではない。
【0006】
また、特許文献2の簡易型防雨シートによれば、観音開き扉を備えた開口の外側に、開口に備える開扉状態とする観音開き扉を利用してボックス空間の閉塞空間を形成するものであり、観音開き扉を備えていない開口には適用できない。また、観音開き扉を備えていても、シート本体の大きさが扉幅の寸法に対応していないときは、取り付けできないか、取り付けが不適である。更に、開口観音開き扉を建物等壁面に対して直角に保持する必要があり、直角に保持できない観音開き扉を備えた開口には適していない。従って、適用できる開口が限定される。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、開口部の形態、すなわち扉の有無やその大きさ等に影響されることなく、迅速簡単に取付け・撤去が行えて、持ち運びが容易であり、電力中継所や携帯電話中継所等における壁面に取り付けられた扉が開かれて露出する機器類に対して作業を行う人が雨天時の作業に使用して好適である作業用防水シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の作業用防水シートは、建物等の開口部を覆う作業用防水シートであって、前記開口部を覆うシート本体と、該シート本体の内側に配置される門形枠体とからなり、前記シート本体は、上面部と両側面部と前面部とからなり、前記上面部の前記開口部に対応する端縁には、前記建物等に配設される係止部に該上面部を係止させるための係止手段が設けられ、前記上面部と前記前面部との内面境界部には、前記門形枠体の上辺部を固定する固定手段が配設され、前記両側面部の前記開口側下端には、前記門形枠材の下端部を挿入して固定するポケットが設けられ、前記門形枠体は、前記シート本体内において前記固定手段と前記ポケットとにより保持され、該門形枠体の両側辺部が鉛直線に対して傾斜して前記シート本体を張った状態に保持する、ことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
このように構成することにより、シート本体を折畳み状態から展開し、門形枠体をシート本体の内側に入れ、門形枠体の両側辺部の下端部をポケットに挿入して固定すると共に、門形枠体の上辺部をシート本体の上面部と前面部との内面境界部とをシート本体の内面に設けた固定手段により固定し、建物等の開口部に対応する端縁に設けられた係止手段を、建物等に配設される係止部に係止して、建物等の開口部に取り付けることができる。門形枠体は、両側辺部が斜めになり、重力作用で転倒しようとするモーメントが生じ、シート本体の上面部にテンションがかかり該上面部が平面に保たれ、雨水が溜まらず流れ落ちるようになる。この防水シートは、建物等の開口部を取り囲んでボックス空間を確保できる。シート本体の前面部及び両側面部の下端が拘束されていないから、前面部の下端中央部を持ち上げて中へ入ることができる。
【0010】
この発明において、前記前面部が、縦割りに分割されかつ該分割部の両側辺に設けられた一対の面ファスナにより接続・解離自在であることが好ましい(請求項2)。
【0011】
このように構成することにより、門形枠体が横切っていない前面部が、縦割りに分割されかつ該分割部の両側辺に設けられた一対の面ファスナにより接続・解離自在であるので、前面部に開閉容易な出入り口が確保される。
【0012】
また、この発明において、前記シート本体は、前記上面部と前記両側面部とが一面体に形成され、前記前面部が別体に分離形成され、前記前面部の両側縁と上縁が前記上面部の端縁及び前記両側面部の端縁に面ファスナにより接続分離自在であることが好ましい(請求項3)。
【0013】
このように構成することにより、先に前面部を除いたシート本体を門形枠体で張設し、次いで、前面部を面ファスナにより取り付けることができる。
【0014】
加えて、この発明において、前記門形枠材は、少なくとも上辺部と両側辺部とが接続分離可能に構成されていることが好ましい(請求項4)。
【0015】
このように構成することにより、不使用時には、門形枠材を少なくとも上辺部と両側辺部とに分離した状態で、保管あるいは持ち運ぶことができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明の作業用防水シートによれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0017】
請求項1記載の発明によれば、建物等の開口部の外側に開口部を覆うボックス空間を迅速簡便に形成することができるので、電力中継所や携帯電話中継所等における壁面に取り付けられた扉が開かれて露出する機器類に対して作業を行う人が雨天時の作業に使用して好適である。
【0018】
また、シート本体をボックス空間を維持する手段が門形枠体であるから、シンプルに構成され、簡単に組立てることができ、材料費が少なくて済み、持ち運びが容易である。そして、シート本体のポケットに門形枠体の両側下端を挿し込み、門形枠体の上辺部をシート本体の固定手段で固定し、係止手段を建物等にシート本体に付設された係止するだけで、防水シートの張設作業を完成させることができ、門形枠体を傾斜させて門形枠体の重力モーメント作用によりシート本体にテンションを与えた状態に建物等の開口部の外側に風雨を遮蔽するボックス空間となる防水シートの張設することができ、張設・撤去が迅速簡単に行える。また、シンプルな門形枠体と、上面部と両側面部と前面部の4面を備えたシート本体とを備えてなるので、構成が簡素であり、防水シートの材料費・製作コストを低く抑えられる。更に、建物等の開口部の大きさや両開き扉の有無等に影響されることなく、門形枠体でシート本体に対してボックス空間を形成保持する機能を十分に発揮できる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、門形枠体が横切っていない前面部が、縦割りに分割されかつ該分割部の両側辺に設けられた一対の面ファスナにより接続・解離自在であるので、前面部に開閉容易な出入り口が確保される。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、先に前面部を除いたシート本体を門形枠体で張設し、次いで、前面部を面ファスナにより取り付けられるので、張設がやり易く、シート本体の折畳みも容易に行え、風雨が強くないときには、前面部の取付けをしなくてよく、作業空間に開放感が確保される、利便性がある。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、門形枠材を少なくとも上辺部と両側辺部とに接続分離可能なので、保管,持ち運びが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、この発明の最良の実施形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
◎第1実施形態
図1〜図4に示すように、この発明に係る作業用防水シート100(以下に、防水シート100という)は、電力中継所や携帯電話中継所等における建物Bの開口部b内に設置された機器類K1,K2,K3に対して雨天時に作業する場合に使用し、機器類K1,K2,K3の扉を開いて作業を行う際に機器類K1,K2,K3が風雨に晒されないように、開口部bを取り囲んで壁面に取り付けボックス空間を形成するものである。
【0024】
この防水シート100は、シート本体10と門形枠体20とからなる。シート本体10は、防水性を有するシート材よりなる上面部11と両側面部12,13と一対の前面部14A,14Bを備えてなる(図1参照)。この場合、上面部11と両側面部12,13は一面体で形成され、一対の前面部14A,14Bは、上面部11と両側面部12,13とは別体で形成されている。側面部12,13は、上面部11との境界辺と、建物Bの壁面に近接する側辺との交差部に適宜角度をもたせることにより、上面部11が傾斜した状態となり、上面部11に雨が溜まるのを防止することができる(図4参照)。
【0025】
なお、この例では、前面部は、縦割りに2分割されているが、分割されていなくてもよい。また、分割されていなくて下端から上端付近まで出入用スリットが入れられた構成でもよい。
【0026】
上面部11と両側面部12,13の前面部側端縁(オーバーラップ代)に面ファスナ30が設けられ、また、一対の前面部14A,14Bの上縁及び両側縁(オーバーラップ代)に面ファスナ30が設けられている。これにより、一対の前面部14A,14Bは、上面部11と両側面部12,13に対して面ファスナ30を介して接続分離自在である。なお、面ファスナ30は、両側面部12,13や前面部14A,14Bの端縁に設けられて、端縁の強度を確保し、かつ形状安定性を保つ役目を果たしており、両側面部12,13の建物側端縁にも設けられている。
【0027】
シート本体10は、上面部11の建物壁面側端縁に例えばフック状金具からなる複数の上縁部係止手段15を備え、上面部11の前面部側端縁に沿って例えば固定バンド等からなる複数の固定手段18を備え、更に、両側面部12,13の建物壁面側内面下端部に、ポケット19を備えている。
【0028】
上縁部係止手段15は、建物壁面に配設される係止部f1に上面部11の建物壁面側端縁を係止する役目を果たす。固定手段18は、門形枠体20の上辺部21に繋着されて、門形枠体20とシート本体10とを固定する役目を果たす。また、ポケット19は、門形枠材20の側辺部22,23の下端部を収容して、門形枠材20を支持・固定する役目を果たす。
【0029】
なお、シート本体10は、更に両側面部12,13の前面側下端にループ状の前面側下隅部係止手段17を備える構造にしてもよい。
【0030】
このように構成することにより、前面側下隅部係止手段17は、必要に応じて外方に配置する例えば重石等に設けるフック(図示せず)を引っ掛けて該下隅部を固定する役目を果たす。
【0031】
門形枠体20は、シート本体10の内側に配置されシート本体10でボックス空間を保持するように張る役目を果たしている。門形枠体20は、軽量で取り扱い性をよくするため例えばアルミニウム合金製であり、上辺部21と両側辺部22,23を備えてなる。この場合、門形枠材20は、少なくとも上辺部21と両側辺部22,23とが接続分離可能に構成されていれば、持ち運びの利便性を有するが、この例では、上辺部21と両側辺部22,23とはエルボ24により接続分離可能であり、更に、上辺部21と両側辺部22,23は、それぞれ二分割されソケット25により接続分離可能であり、そして、両側辺部22,23の下端に、例えば合成樹脂製あるいは合成ゴム製のプラグ26が嵌合された構成である(図6参照)。この場合、プラグ26は、図7(a)に示すように被嵌タイプで平滑な端面26aを有する形状のものと、図7(b)に示すように、挿嵌タイプで半球面端面26bを有する形状のもの等のいずれの形状であってもよい。
【0032】
門形枠体20は、シート本体10内において固定手段18とポケット19とにより保持される。門形枠体20は、両側辺部22,23が両側面部12,13の対角線に一致するように傾斜し上縁部係止手段15と共働してシート本体10を張った状態に保持する。
【0033】
次に、防水シート100を張設する手順について説明する。まず、門形枠体20を組み立てる。次に、門形枠体20の両側辺部22,23の下端部をポケット19に挿入し固定してから、門形枠体20の上辺部21にシート本体10の上面部11を被せ、固定手段18により門形枠体20の上辺部21とシート本体10の上面部11の前面部側端縁を連繋し、固定する。次に、シート本体10に設けられた上縁部係止手段15を建物壁面に配設される係止部f1に係止する。すると、門形枠体20の両側辺部22,23は、シート本体10の両側面部12,13の対角線に対応する傾斜状態になる。このため、門形枠体20には重力作用で転倒する方向にモーメントが生じるから、シート本体10の上面部11にテンションがかかり、上面部11が平面に保たれ雨水が溜まらず流れ落ちるようになり、また、両側面部12,13の対角線より建物壁面側の三角エリアにテンションがかかり平面に保たれる。
【0034】
更に、前面側下隅部係止手段17を備える場合は、前面側下隅部係止手段17に外方に配置する例えば重石等に設けるフック(図示せず)を引っ掛けて該下隅部を固定する。これにより、両側面部12,13の対角線より下側の三角エリアが、前面側下隅部係止手段17を係止する重石等により、テンションをかけられて平面に保たれる。
【0035】
そして、別体に分離形成された前面部14A,14Bの両側縁と上縁を、面ファスナ30を介して上面部11の端縁及び両側面部12,13の端縁に接続すると、取り付けが完了し、建物Bの開口部bの外側にボックス空間を形成でき、前面部14A,14Bの側縁の面ファスナ30を解離して内外を出入りできる。風がないときには、両方又は片方の前面部を取り付けなくてもよい。
【0036】
風が強い時に風が吹き付ける側に延長シート(図示せず)を取り付けると、該延長シートの重みで該延長シートが取り付けられた両側面部12,13及び前記前面部14A,14Bの下端の風による捲り上がりを防止でき、作業空間であるボックス空間の下部が凹まないので、作業がやり易くなる。
【0037】
上記実施形態によれば、建物等の開口部の外側に開口部を覆うボックス空間を迅速簡便に形成することができるので、電力中継所や携帯電話中継所等における壁面に取り付けられた扉が開かれて露出する機器類に対して作業を行う人が雨天時の作業に使用して好適である。シート本体10をボックス空間に維持する手段が門形枠体20であるから、シンプルに構成され、簡単に組立てることができ、材料費が少なくて済み、持ち運びが容易である。そして、シート本体10のポケット19に門形枠体20の両側下端を挿し込み、門形枠体20の上辺部21をシート本体10の固定手段18で連繋(固定)し、上縁部係止手段15を建物Bにシート本体10に付設された係止するだけで、防水シート100の張設作業を完成させることができ、門形枠体20を傾斜させて門形枠体20の重力モーメント作用によりシート本体10にテンションを与えた状態に建物Bの開口部bの外側に風雨を遮蔽するボックス空間となる防水シート100の張設することができ、張設・撤去が迅速簡単に行える。
【0038】
また、シンプルな門形枠体20によりシート本体10を張設できるので、構成が簡素であり、防水シート100の材料費・製作コストを低く抑えられる。
【0039】
更に、建物等の開口部の大きさや両開き扉の有無等に影響されることなく、門形枠体20でシート本体10に対してボックス空間を形成保持する機能を十分に発揮できる。
【0040】
また、上記実施形態によれば、シート本体10が、上面部11と両側面部12,13との一面体と、別体の前面部14A,14Bとに分離形成され、面ファスナ30で接続されるので、組立て及び折り畳みを容易に行うことができて、枠材を上辺部21と両側辺部22,23に分離し束ねて持ち運びができ、取り扱いが容易である。また、前面部14A,14Bの下縁を捲りあげることなく開いて出入りが容易にできる。
【0041】
◎その他の実施形態
以上、この発明の一実施形態に係る防水シートについて説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の設計変更をした形態、例えば以下のような形態を含むものである。
【0042】
(1)上記シート本体10は、更に両側面部12,13の建物壁面側下端にフック状金物である下隅部壁面係止手段16を備え、この下隅部壁面係止手段16を建物壁面に配設される係止部f2に係止する構造としてもよい(図8参照)。
【0043】
このように構成することにより、シート本体10の建物壁面への取付を更に強固にすることができる。
【0044】
なお、図8において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0045】
(2)シート本体10を上面部11,両側面部12,13及び前面部14A,14Bの一体構成としてもよい。上記第1実施形態では、シート本体10は、前面部14A,14Bが上面部11及び両側面部12,13とは別体に構成されているが、上面部及び両側面部と前面部が一体に形成される場合も含む。この場合は、前面部と側面部の境界部に一対の面ファスナを設けて、面ファスナを解離することにより内外を出入りできるようにするか、あるいは、2分割ではない前面部の中程に、下端から上端近傍に渡るスリットを設けてスリットに沿って一対の面ファスナを設けて、面ファスナを解離することにより内外を出入りできるようにするとよい。なお、面ファスナに変えて他の閉じ合わせ手段を用いてもよい。
【0046】
(3)上面部11を山形状に傾斜させてもよい。すなわち、門形枠体20の上辺部21を、中央部が高く両端に向かって緩やかに漸次傾斜下降する鈍角の山形屈曲形状とすることにより、雨水が左右に分かれて流れ前面部の中央から出入りに際して雨水がかからないようにすることができる。
【0047】
(4)延長シートを継ぎ足す構成としてもよい。すなわち、上記第1実施形態の側面部12,13と前面部14A,14Bの外面下部に水平に面ファスナを設けると共に、延長シートにも面ファスナを設け、風が強い雨の日の作業に際して、風上側となる側面部12,13と前面部14A,14Bの外面下部に前記延長シートを前記一対の面ファスナを介して延長接続できる構成とする場合も含まれる。
【0048】
(5)上記第1実施形態では、上縁部係止手段15をフック状金具としたが、これに限定されるものではなく、例えばフック状金具に代えて面ファスナやバックル等を用いてもよい。また、固定手段18には、紐あるいは面ファスナ等を用いることができる。なお、ポケット19の開口部に、該開口部を締め付けて門形枠材20を固定する紐を取り付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の第1実施形態に係る作業用防水シートの取付状態を示す斜視図である。
【図2】図1の防水シートの正面図である。
【図3】図1の防水シートの平面図である。
【図4】図2におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1の防水シートの上面部の取付け構造を示す拡大断面図である。
【図6】図1の防水シートを構成する門形枠体を示す正面図である。
【図7】図6の門形枠体をシート本体に設けるポケットにより固定する構造を示す要部断面図である。
【図8】この発明の別の実施形態に係る作業用防水シートの取付状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
B 建物等
b 開口部
100 防水シート
10 シート本体
11 上面部
12,13 側面部
14A,14B 前面部
f1 係止部
15 上縁部係止手段
18 固定手段
19 ポケット
20 門形枠体
21 上辺部
22,23 側辺部
30 面ファスナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物等の開口部を覆う作業用防水シートであって、
前記開口部を覆うシート本体と、該シート本体の内側に配置される門形枠体とからなり、
前記シート本体は、上面部と両側面部と前面部とからなり、
前記上面部の前記開口部に対応する端縁には、前記建物等に配設される係止部に該上面部を係止させるための係止手段が設けられ、
前記上面部と前記前面部との内面境界部には、前記門形枠体の上辺部を固定する固定手段が配設され、
前記両側面部の前記開口側下端には、前記門形枠材の下端部を挿入して固定するポケットが設けられ、
前記門形枠体は、前記シート本体内において前記固定手段と前記ポケットとにより保持され、該門形枠体の両側辺部が鉛直線に対して傾斜して前記シート本体を張った状態に保持する、ことを特徴とする作業用防水シート。
【請求項2】
前記前面部が、縦割りに分割されかつ該分割部の両側辺に設けられた一対の面ファスナにより接続・解離自在である、ことを特徴とする請求項1記載の作業用防水シート。
【請求項3】
前記シート本体は、前記上面部と前記両側面部とが一面体に形成され、前記前面部が別体に分離形成され、前記前面部の両側縁と上縁が前記上面部の端縁及び前記両側面部の端縁に面ファスナにより接続分離自在であることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業用防水シート。
【請求項4】
前記門形枠材は、少なくとも上辺部と両側辺部とが接続分離可能に構成されている、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の作業用防水シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−280791(P2008−280791A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127522(P2007−127522)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(502310874)株式会社エヌ・エル・エム・エカル (12)
【Fターム(参考)】