説明

作業車の油圧回路構造

【課題】作業車の油圧回路構造において、貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備えた場合に、貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路でのキャビテーションの発生を抑える。
【解決手段】作動油を貯留する貯留部8、油圧機構59、貯留部8の作動油を油圧機構59に供給する油圧ポンプ60を備え、油圧機構59の作動油を貯留部8に戻すように構成する。貯留部8と油圧ポンプ60とを接続する供給油路62にオイルクーラー63を備え、オイルクーラー63を迂回して貯留部8の作動油を油圧ポンプ60に供給可能なバイパス油路65を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動油を貯留する貯留部、油圧機構、貯留部の作動油を油圧機構に供給する油圧ポンプを備えて、油圧機構の作動油を貯留部に戻すように構成した作業車の油圧回路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車の一例であるコンバインでは、特許文献1に開示されているように、潤滑油を作動油として貯留するミッションケース(特許文献1の図2及び図3の2a)(貯留部に相当)、前後進切換用の第1制御弁(特許文献1の図3の18)(油圧機構に相当)及び操向用の第2制御弁(特許文献1の図3の19)(油圧機構に相当)、油圧ポンプ(特許文献1の図2及び図3の16)を備えており、ミッションケースの作動油が油圧ポンプから第1及び第2制御弁に供給され、第1及び第2制御弁の作動油がミッションケースに戻されている。
【0003】
特許文献1では、ミッションケースと油圧ポンプとを接続する供給油路に、オイルクーラー(特許文献1の図2及び図3の17)を備えている。
一般に、油圧機構から出てくる高温の作動油を貯留部に戻す際、この高温の作動油をオイルクーラーに通す方が、作動油の冷却と言う面で有効なのであるが、油圧機構と貯留部との間にオイルクーラーを配置できない場合、特許文献1のように、貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備えることがある。
特許文献1では、第1及び第2制御弁を内装するバルブユニット(特許文献1の図2の21)が、ミッションケースに直接に連結されている為に、第1及び第2制御弁(バルブユニット)とミッションケースとの間にオイルクーラーを配置できず、ミッションケースと油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備えている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−37747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備えた場合、オイルクーラーの流路抵抗が比較的大きいので、油圧ポンプによる吸入作用により、供給油路に負圧が発生し易く、負圧により供給油路においてキャビテーションが発生し易くなる。このようなキャビテーションは、気温が低い場合に発生する傾向が大きくなる。
【0006】
本発明は、作動油を貯留する貯留部、油圧機構、貯留部の作動油を油圧機構に供給する油圧ポンプを備えて、油圧機構の作動油を貯留部に戻すように構成した作業車の油圧回路構造において、貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備えた場合に、貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路でのキャビテーションの発生を抑えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は作業車の油圧回路構造において次のように構成することにある。
作動油を貯留する貯留部と、油圧機構と、貯留部の作動油を油圧機構に供給する油圧ポンプとを備えて、油圧機構の作動油を貯留部に戻すように構成する。貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備え、オイルクーラーを迂回して貯留部の作動油を油圧ポンプに供給可能なバイパス油路を備える。
【0008】
(作用)
本発明の第1特徴によると、貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備えた場合、オイルクーラーを迂回して貯留部の作動油を油圧ポンプに供給可能なバイパス油路を備えている。この場合、バイパス油路の流路はオイルクーラーの流路よりも比較的単純であるので、バイパス油路の流路抵抗はオイルクーラーの流路抵抗よりも小さなものである。
【0009】
本発明の第1特徴によると、油圧ポンプによる吸入作用によって作動油が貯留部から供給油路を通過する場合、作動油の全てがオイルクーラーを通過するわけではなく、オイルクーラー及びバイパス油路に分かれて通過しながら油圧ポンプに吸入されることになる。これにより、作動油の全てがオイルクーラーを通過して油圧ポンプに供給される状態に比べて、供給油路(オイルクーラー及びバイパス油路)の全体としての流路抵抗が小さくなり、供給油路に負圧が発生し難くなる。このように供給油路での負圧の発生を抑えることにより、キャビテーションの発生が抑えられる。
【0010】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、作業車の油圧回路構造において、貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備えた場合、供給油路での負圧の発生を抑えることができ、キャビテーションの発生を抑えることができて、油圧機構の性能低下の防止や油圧ポンプ等の耐久性の向上を図ることができた。
【0011】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車の油圧回路構造において次のように構成することにある。
供給油路における油圧ポンプとオイルクーラーとの間の部分にフィルタを備え、供給油路におけるフィルタとオイルクーラーとの間の部分に、バイパス油路を接続する。
【0012】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、油圧ポンプによる吸入作用によって作動油が貯留部から供給油路を通過する場合、オイルクーラー及びバイパス油路に分かれて通過した作動油がフィルタを通過して油圧ポンプに供給されることになるのであり、フィルタを通過した清浄な作動油が油圧ポンプに供給される。
【0013】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、オイルクーラー及びバイパス油路に分かれて通過した作動油が、フィルタを通過して油圧ポンプに供給されるように構成することにより、油圧ポンプ等の耐久性の向上を図ることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[1]
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1で支持された機体の前部に刈取部2が昇降自在に支持され、機体の前部の右側に運転部3が備えられて、機体の後部の左側に脱穀装置4が備えられ、機体の後部の右側にグレンタンク5が備えられて、作業車の一例である自脱型のコンバインが構成されている。
【0015】
図2に示すように、運転部3の下側にエンジン6が備えられ、機体の前部の左右中央付近にミッションケース8(貯留部に相当)が備えられて、静油圧式無段変速装置7がミッションケース8の右側部の上部に連結されており、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aとエンジン6の出力軸6aとに亘って、テンションクラッチ機能を備えたベルト伝動機構9が接続されている。
【0016】
図2に示すように、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bがミッションケース8に挿入され、スプライン構造により低速ギヤ10(伝動軸12)に連結されており、伝動軸12に高速ギヤ11が固定されている。出力軸13に低速ギヤ14及び高速ギヤ15が相対回転自在に外嵌されて、低速ギヤ10,14及び高速ギヤ11,15が咬合しており、シフト部材16がスプライン構造により出力軸13にスライド及び一体回転自在に外嵌されている。出力軸13と刈取部2の入力軸2aとに亘って、テンションクラッチ機能を備えたベルト伝動機構17が接続されている。
【0017】
図2に示すように、シフト部材16を低速ギヤ14に咬合させると(低速位置)、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が低速ギヤ10,14及びシフト部材16を介して低速状態で刈取部2に伝達され、シフト部材16を高速ギヤ15に咬合させると(高速位置)、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が高速ギヤ11,15及びシフト部材16を介して高速状態で刈取部2に伝達される。以上のように、低速ギヤ10,14及び高速ギヤ11,15、シフト部材16等により、高低2段に変速自在な刈取変速装置18が構成されている。
【0018】
[2]
次に、ミッションケース8の伝動系(直進系)の構造について説明する。
図2に示すように、伝動軸20に伝動ギヤ19が相対回転自在に外嵌されて、伝動ギヤ19が低速ギヤ10に咬合しており、シフト部材21がスプライン構造により伝動軸20にスライド及び一体回転自在に外嵌されている。伝動軸20に伝動ギヤ22,23が固定されており、伝動軸20の端部に多板摩擦式の駐車ブレーキ24が備えられている。
【0019】
図2に示すように、通常はシフト部材21は伝動ギヤ21に咬合しており、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が低速ギヤ10及び伝動ギヤ19を介して、伝動軸20に伝達されている。故障等による機体の牽引時において、シフト部材21を伝動ギヤ21から離間させることにより、右及び左の走行装置1と静油圧式無段変速装置7とをシフト部材21の位置で遮断することができるのであり、静油圧式無段変速装置7の抵抗を受けることなく機体を牽引することができる。
【0020】
図2に示すように、伝動軸26に伝動ギヤ25が固定されて、伝動ギヤ22,25が咬合している。伝動軸26に右及び左の出力ギヤ27が相対回転自在に外嵌され、右及び左の出力ギヤ27の右及び左側に、右及び左の咬合部28がスプライン構造により伝動軸26に一体回転及びスライド自在に外嵌されている。右及び左の車軸29が備えられ、右及び左の車軸29に固定された右及び左の伝動ギヤ30が、右及び左の出力ギヤ27に咬合しており、右及び左の車軸29の端部に右及び左の走行装置1のスプロケット1a(図1参照)が連結されている。
【0021】
図2に示すように、伝動軸26に固定された受け部材31と右の咬合部28との間にバネ32が備えられ、伝動ギヤ25と左の咬合部28との間にバネ32が備えられて、右及び左の咬合部28がバネ32により右及び左の出力ギヤ27の咬合側に付勢されている。右の出力ギヤ27と右の咬合部28との間に右の油室が形成され、左の出力ギヤ27と左の咬合部28との間に左の油室が形成されており、右及び左の油室に作動油を供給することにより、バネ32に抗して右及び左の咬合部28を右及び左の出力ギヤ27から離間させることができる。
【0022】
図2に示すように、右の出力ギヤ27と右の咬合部28との間で咬合式の右のサイドクラッチ33が構成され、左の出力ギヤ27と左の咬合部28との間で咬合式の左のサイドクラッチ33が構成されている。右(左)の咬合部28が右(左)の出力ギヤ27に咬合することにより、右(左)のサイドクラッチ33が伝動状態となり、右(左)の咬合部28を右(左)の出力ギヤ27から離間させることにより、右(左)のサイドクラッチ33が遮断状態となる。
【0023】
以上の構造により図2に示すように、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が、低速ギヤ10、伝動ギヤ19、伝動軸20、伝動ギヤ22,25、伝動軸26、右及び左の咬合部28、右及び左の出力ギヤ27、右及び左の伝動ギヤ30、右及び左の車軸29を介して、右及び左の走行装置1に伝達されて、機体は直進する。
【0024】
[3]
次に、ミッションケース8の伝動系(旋回系)の構造について説明する。
図2に示すように、伝動軸34に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ35が、右の咬合部28の外周部のギヤ部に咬合しており、伝動軸34と伝動ギヤ35との間に緩旋回クラッチ36が備えられている。緩旋回クラッチ36は摩擦多板式に構成されて遮断状態に付勢されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作され、作動油が排出されることで遮断状態に操作される。
【0025】
図2に示すように、伝動軸26に旋回クラッチケース37が相対回転自在に外嵌されており、伝動軸34に固定された伝動ギヤ38と旋回クラッチケース37の外周部のギヤ部とが咬合している。旋回クラッチケース37は左右対称に構成されており、旋回クラッチケース37と右の出力ギヤ27との間に右の旋回クラッチ39が備えられ、旋回クラッチケース37と左の出力ギヤ27との間に左の旋回クラッチ39が備えられている。右及び左の旋回クラッチ39は摩擦多板式に構成されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作される。この場合、右及び左の旋回クラッチ39において、摩擦板が互いに密になるように配置されており、作動油が排出されても右及び左の旋回クラッチ39が半伝動状態となるように構成されている。
【0026】
これにより、図2に示すように、緩旋回クラッチ36が伝動状態に操作されると、伝動軸26の動力が右の咬合部28、伝動ギヤ35、緩旋回クラッチ36、伝動軸34及び伝動ギヤ38を介して、伝動軸26と同方向で伝動軸26よりも低速の動力として、旋回クラッチケース37に伝達される。緩旋回クラッチ36の伝動状態において、右又は左のサイドクラッチ33が遮断状態に操作され、右又は左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作されると、伝動軸26と同方向で伝動軸26よりも低速の動力が右又は左の出力ギヤ27に伝達される。
【0027】
図2に示すように、伝動軸34の左側に、ブレーキ40が備えられている。ブレーキ40は摩擦多板式に構成されて、作動油が供給されることで制動状態に操作され、作動油が排出されることで解除状態に操作される。
これにより図2に示すように、ブレーキ40が制動状態に操作されると、伝動軸34及び伝動ギヤ38を介して、旋回クラッチケース37が制動状態となる。ブレーキ40の制動状態において、右又は左のサイドクラッチ33が遮断状態に操作され、右又は左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作されると、右又は左の出力ギヤ27が制動状態となる。
【0028】
図2に示すように、伝動軸34に伝動ギヤ41が相対回転自在に外嵌されて、伝動ギヤ23,41が咬合しており、伝動軸34と伝動ギヤ41との間に、逆転クラッチ42が備えられている。逆転クラッチ42は摩擦多板式に構成されて遮断状態に付勢されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作され、作動油が排出されることで遮断状態に操作される。
【0029】
これにより、図2に示すように、逆転クラッチ42が伝動状態に操作されると、伝動軸20の動力が伝動ギヤ23,41、逆転クラッチ42、伝動軸34及び伝動ギヤ38を介して、伝動軸26と逆方向の動力として、旋回クラッチケース37に伝達される。逆転クラッチ42の伝動状態において、右又は左のサイドクラッチ33が遮断状態に操作され、右又は左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作されると、伝動軸26と逆方向の動力が右又は左の出力ギヤ27に伝達される。
【0030】
[4]
次に、静油圧式無段変速装置7の油圧回路構造について説明する。
図5に示すように、静油圧式無段変速装置7は油圧ポンプ7P及び油圧モータ7Mを備え、油圧ポンプ7P及び油圧モータ7Mを一対の油路7cで接続して構成されている。静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pは、中立位置、前進側及び後進側に無段階に変速自在に構成されて、運転部3に備えられた変速レバー43(図1参照)と静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pの斜板とが、連係リンク(図示せず)を介して機械的に連係されており、変速レバー43により静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pの斜板を操作して、静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pを中立位置、前進側及び後進側に操作する。
【0031】
図5に示すように、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aにチャージポンプ44が接続されて、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aによりチャージポンプ44が駆動されるように構成されており、チャージポンプ44から延出されたチャージ油路45が、静油圧式無段変速装置7の油路7cに接続されて、チャージ油路45にフィルタ49が備えられている。ミッションケース8とは別に備えられたオイルタンク46とチャージポンプ44とに亘って、供給油路47が接続されており、供給油路47にフィルタ48が備えられている。
【0032】
図5に示すように、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mは無段階に変速自在に構成されて、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板を操作する操作シリンダ56が備えられている。チャージ油路45から油路57が分岐しており、油路57の作動油を給排操作して操作シリンダ56を操作する制御弁58が備えられている。
【0033】
図5に示すように、チャージ油路45にリリーフ弁50が接続されて、リリーフ弁50が静油圧式無段変速装置7を収容するケース51に接続されている。ケース51とオイルタンク46とに亘って油路52が接続され、油路52にオイルクーラー53が備えられている。供給油路47におけるチャージポンプ44及びフィルタ48の間の部分と、油路52におけるケース51及びオイルクーラー53の間の部分とに亘って、油路54が接続されており、油路54に開閉弁55が備えられている。開閉弁55は閉位置に付勢されており、油路52の圧力が所定低圧に達すると開くパイロット式に構成されている。
【0034】
以上の構造により、オイルタンク46の作動油が、フィルタ48、供給油路47、チャージポンプ44、チャージ油路45を介して静油圧式無段変速装置7の油路7cに供給されて、チャージ油路45の作動油が油路57及び制御弁58を介して操作シリンダ56に給排操作されるのであり、余剰の作動油がリリーフ弁50を介してケース51に排出される。静油圧式無段変速装置7の各部からの作動油及び制御弁58の作動油がケース51に排出されるのであり、ケース51の作動油が油路52及びオイルクーラー53を通過してオイルタンク46に戻される。
【0035】
この場合、図5に示すように、オイルクーラー53の流路抵抗等により油路52の圧力(背圧)が上昇して所定低圧を越えると、開閉弁55が開位置に操作され、油路52の作動油が供給油路47に供給されて、油路52及びオイルクーラー53での圧力の上昇が抑えられる。
【0036】
[5]
次に、右及び左のサイドクラッチ33(右及び左の咬合部28)、右及び左の旋回クラッチ39、緩旋回クラッチ36、ブレーキ40、逆転クラッチ42に作動油を給排操作する油圧ユニット59(油圧機構に相当)について説明する。
図2及び図3に示すように、油圧ユニット59がミッションケース8の左側の下部に連結されている。静油圧式無段変速装置7の入力軸7aに油圧ポンプ60が接続され、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aにより油圧ポンプ60が駆動されるように構成されており、油圧ポンプ60から延出された油路61が油圧ユニット59に接続されている。
【0037】
図3に示すように、ミッションケース8と油圧ポンプ60とに亘って供給油路62が接続されて、供給油路62にオイルクーラー63が備えられており、供給油路62における油圧ポンプ60とオイルクーラー63との間の部分にフィルタ64が備えられている。供給油路62におけるミッションケース8側の部分と、供給油路62におけるオイルクーラー63及びフィルタ64の間の部分とに亘って、バイパス油路65が接続されており、バイパス油路65の流路抵抗が、オイルクーラー63の流路抵抗よりも小さなものとなっている。
【0038】
これにより、図3に示すように、ミッションケース8に貯留された潤滑油が作動油として、オイルクーラー63及びバイパス油路65に分かれて通過し、合流してフィルタ64を通過して油圧ポンプ60に供給される。油圧ポンプ60の作動油が油路61を介して油圧ユニット59に供給されるのであり、後述するように油圧ユニット59の各部から排出された作動油がミッションケース8に戻される。
【0039】
図3に示すように、油圧ユニット59の内部に右旋回制御弁67、左旋回制御弁68、第1リリーフ弁69、アンロード弁70、第2リリーフ弁76、比例制御弁71、旋回切換制御弁72、パイロット操作弁73,74が備えられている。油圧ポンプ60の油路61が油圧ユニット59に接続され、油路61に接続された油路66に右及び左旋回制御弁67,68、第1リリーフ弁69、アンロード弁70が並列的に接続されている。
【0040】
図3に示すように、右旋回制御弁67が右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に接続されており、左旋回制御弁68が左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)及び左の旋回クラッチ39に接続されている。右及び左旋回制御弁67,68は供給位置67a,68a及び排出位置67b,68bに操作自在な電磁操作式に構成されて、排出位置67b,68bに付勢されている。アンロード弁70は遮断位置70a及び排出位置70bに操作自在な電磁操作式に構成されて、遮断位置70aに付勢されている。
【0041】
図3に示すように、右及び左のサイドクラッチ33(右及び左の咬合部28)から分岐した油路75に、第2リリーフ弁76が接続され、油路75に比例制御弁71及び旋回切換制御弁72が直列的に接続されており、旋回切換制御弁72が緩旋回クラッチ36、ブレーキ40及び逆転クラッチ42に接続されている。比例制御弁71は電磁操作式に構成されて、作動油の流量制御が可能である。旋回切換制御弁72は、緩旋回位置72a、信地旋回位置72b及び超信地旋回位置72cに操作自在なパイロット操作式に構成されており、緩旋回位置72aに付勢されている。この場合、第1リリーフ弁69のリリーフ圧が比較的高い値に設定され、第2リリーフ弁76のリリーフ圧が比較的低い値に設定されている。
【0042】
図3に示すように、油路75から分岐したパイロット作動油を旋回切換制御弁72に供給して信地旋回位置72bに操作するように、パイロット操作弁73が構成され、油路75から分岐したパイロット作動油を旋回切換制御弁72に供給して超信地旋回位置72cに操作するように、パイロット操作弁74が構成されている。油圧ユニット59とミッションケース8との連結面(合わせ面)に、ドレン油路(図示せず)が形成されており、右旋回制御弁67、左旋回制御弁68、第1リリーフ弁69、アンロード弁70、第2リリーフ弁76、比例制御弁71、旋回切換制御弁72、パイロット操作弁73,74の作動油がドレン油路を介してミッションケース8に戻される。
右及び左旋回制御弁67,68、アンロード弁70、比例制御弁71、パイロット操作弁73,74は、後述する[6][7][8][9]に記載のように、制御装置79によって操作される。
【0043】
[6]
次に、操向レバー77による直進状態について説明する。
図1及び図4に示すように、右及び左に操作自在な操向レバー77が運転部3に備えられ、操向レバー77の操作位置が制御装置79に入力されており、操向レバー77は直進位置N、右及び左第1旋回位置R1,L1、右及び左第2旋回位置R2,L2に操作自在に構成されている。旋回モードスイッチ78が運転部3に備えられて、旋回モードスイッチ78の操作位置が制御装置79に入力されており、旋回モードスイッチ78は緩旋回位置、信地旋回位置及び超信地旋回位置を備えている。
【0044】
図2,3,4に示すように、旋回モードスイッチ78の操作位置に関係なく、操向レバー77が直進位置Nに操作されると、右及び左旋回制御弁67,68が排出位置67b,68bに操作され、アンロード弁70が排出位置70bに操作される。これにより、右及び左のサイドクラッチ33(右及び左の咬合部28)、右及び左の旋回クラッチ39から作動油が排出され、右及び左のサイドクラッチ33(右及び左の咬合部28)が伝動状態に操作されて、右及び左の旋回クラッチ39が半伝動状態に操作される。比例制御弁71により緩旋回及び逆転クラッチ36,42が遮断状態に操作され、ブレーキ40が解除状態に操作される。
【0045】
図2及び前項[2]に記載のように、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が、低速ギヤ10、伝動ギヤ19、伝動軸20、伝動ギヤ22,25、伝動軸26、右及び左の咬合部28、右及び左の出力ギヤ27、右及び左の伝動ギヤ30、右及び左の車軸29を介して、右及び左の走行装置1に伝達されて、機体は直進する。
【0046】
[7]
次に、操向レバー77による緩旋回状態について説明する。
図2,3,4に示すように、旋回モードスイッチ78が緩旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が緩旋回位置72aに操作される。これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。
【0047】
図2に示すように、左の旋回クラッチ39が半伝動状態であるので、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)の動力が、左の出力ギヤ27及び左の旋回クラッチ39から、右の旋回クラッチ39を介して右の出力ギヤ27に伝達され、伝動軸26と同方向で伝動軸26より少し低速の動力が右の出力ギヤ27に伝達される。これにより、機体は緩やかに右に向きを変える。
【0048】
図2,3,4に示すように、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、前述のように右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されアンロード弁70が遮断位置70aに操作されるのと同時に、比例制御弁71及び旋回切換制御弁72(緩旋回位置72a)を介して、緩旋回クラッチ36に作動油が供給され始めるのであり、操向レバー77が右第1旋回位置R1から右第2旋回位置R2に操作されるほど、比例制御弁71により緩旋回クラッチ36の作動圧が昇圧操作される。
【0049】
図2,3,4に示すように、操向レバー77の操作位置に基づいて比例制御弁71により緩旋回クラッチ36の作動圧が昇圧操作されるのに伴って、伝動軸26の動力が右の咬合部28、伝動ギヤ35、緩旋回クラッチ36、伝動軸34、伝動ギヤ38、旋回クラッチケース37及び右の旋回クラッチ39を介して、伝動軸26と同方向で伝動軸26よりも低速の動力として右の出力ギヤ27に伝達される。
【0050】
この場合、図2に示すように、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力と緩旋回クラッチ36からの動力とが、同時に右の出力ギヤ27に伝達される状態となるので、緩旋回クラッチ36の作動圧が低圧の範囲では、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力が緩旋回クラッチ36からの動力に打ち勝って、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。これにより緩旋回クラッチ36の作動圧が低圧の範囲では、機体は緩やかに右に向きを変える。
【0051】
次に操向レバー77の操作位置が右第2旋回位置R2に接近し、緩旋回クラッチ36の作動圧が高圧になると、図2に示すように、緩旋回クラッチ36からの動力が左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力に打ち勝って、緩旋回クラッチ36からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。この状態において、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力により右の出力ギヤ27が駆動されるよりも、緩旋回クラッチ36からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される方が、右の出力ギヤ27が低速で駆動されることになり、機体は右に緩旋回する。
【0052】
図2,3,4に示すように、操向レバー77が左第1旋回位置L1に操作されると、左旋回制御弁68が供給位置68aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)及び左の旋回クラッチ39に作動油が供給され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)が遮断状態に操作されて、左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。これと同時に前述と同様な操作が行われて、機体は緩やかに左に向きを変える。操向レバー77が左第1旋回位置L1から左第2旋回位置L2に操作されると、前述と同様な操作が行われて、機体は左に緩旋回する。
【0053】
[8]
次に、操向レバー77による信地旋回状態について説明する。
図2,3,4に示すように、旋回モードスイッチ78が信地旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が信地旋回位置72bに操作される。
これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。この場合、左の旋回クラッチ39が半伝動状態であるので、前項[7]に記載と同様に機体は緩やかに右に向きを変える。
【0054】
図2,3,4に示すように、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、前述のように右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されアンロード弁70が遮断位置70aに操作されるのと同時に、比例制御弁71及び旋回切換制御弁72(信地旋回位置72b)を介して、ブレーキ40に作動油が供給され始めるのであり、操向レバー77が右第1旋回位置R1から右第2旋回位置R2に操作されるほど、比例制御弁71によりブレーキ40の作動圧が昇圧操作される。
【0055】
図2,3,4に示すように、操向レバー77の操作位置に基づいて比例制御弁71によりブレーキ40の作動圧が昇圧操作されるのに伴って、伝動軸34、伝動ギヤ38、旋回クラッチケース37及び右の旋回クラッチ39を介して、右の出力ギヤ27に制動力が掛かる。
【0056】
この場合、図2に示すように、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力と、ブレーキ40の制動力とが、同時に右の出力ギヤ27に伝達される状態となるので、ブレーキ40の作動圧が低圧の範囲では、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力がブレーキ40の制動力に打ち勝って、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。これにより、ブレーキ40の作動圧が低圧の範囲では、機体は緩やかに右に向きを変える。
【0057】
次に操向レバー77の操作位置が右第2旋回位置R2に接近し、ブレーキ40の作動圧が高圧になると、図2に示すように、ブレーキ40の制動力が左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力に打ち勝って、ブレーキ40の制動力により右の出力ギヤ27が制動状態となり、機体は右に信地旋回する。
【0058】
図2,3,4に示すように、操向レバー77が左第1旋回位置L1に操作されると、左旋回制御弁68が供給位置68aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)及び左の旋回クラッチ39に作動油が供給され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)が遮断状態に操作されて、左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。これと同時に前述と同様な操作が行われ、機体は緩やかに左に向きを変える。操向レバー77が左第1旋回位置L1から左第2旋回位置L2に操作されると、前述と同様な操作が行われて、機体は左に信地旋回する。
【0059】
[9]
次に、操向レバー77による超信地旋回状態について説明する。
図2,3,4に示すように旋回モードスイッチ78が超信地旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が超信地旋回位置72cに操作される。
これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。この場合、左の旋回クラッチ39が半伝動状態であるので、前項[7]に記載と同様に機体は緩やかに右に向きを変える。
【0060】
図2,3,4に示すように、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、前述のように右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されアンロード弁70が遮断位置70aに操作されるのと同時に、比例制御弁71及び旋回切換制御弁72(超信地旋回位置72c)を介して、逆転クラッチ42に作動油が供給され始めるのであり、操向レバー77が右第1旋回位置R1から右第2旋回位置R2に操作されるほど、比例制御弁71により逆転クラッチ42の作動圧が昇圧操作される。
【0061】
図2,3,4に示すように、操向レバー77の操作位置に基づいて比例制御弁71により逆転クラッチ42の作動圧が昇圧操作されるのに伴って、伝動軸20の動力が伝動ギヤ23,41、逆転クラッチ42、伝動軸34、伝動ギヤ38、旋回クラッチケース37及び右の旋回クラッチ39を介して、伝動軸26と逆方向の動力として右の出力ギヤ27に伝達される。
【0062】
この場合、図2に示すように、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力と、逆転クラッチ42からの動力とが、同時に右の出力ギヤ27に伝達される状態となるので、逆転クラッチ42の作動圧が低圧の範囲では、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力が逆転クラッチ42からの動力に打ち勝って、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。これにより逆転クラッチ42の作動圧が低圧の範囲では、機体は緩やかに右に向きを変える。
【0063】
次に操向レバー77の操作位置が右第2旋回位置R2に接近し、逆転クラッチ42の作動圧が高圧になると、図2に示すように、逆転クラッチ42からの動力が左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力に打ち勝って、逆転クラッチ42からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。この状態において、左の出力ギヤ27に対して、右の出力ギヤ27が逆方向に駆動されて、機体は右に超信地旋回する。
【0064】
図2,3,4に示すように、操向レバー77が左第1旋回位置L1に操作されると、左旋回制御弁68が供給位置68aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)及び左の旋回クラッチ39に作動油が供給され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)が遮断状態に操作されて、左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。これと同時に前述と同様な操作が行われて、機体は緩やかに左に向きを変える。操向レバー77が左第1旋回位置L1から左第2旋回位置L2に操作されると、前述と同様な操作が行われて、機体は左に超信地旋回する。
【0065】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図3において、バイパス油路65に弱い絞り部(図示せず)、又は、圧力調整弁(図示せず)を備えてもよい。
【0066】
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図3において、バイパス油路65に開閉弁(図示せず)を備え、気温や作動油の温度を検出する温度センサー(図示せず)を備えてもよい。この場合、通常では開閉弁が閉位置に操作されており、気温や作動油の温度が設定温度よりも低くなると、開閉弁が開位置に操作されるように構成する。
【0067】
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図3において、バイパス油路65に開閉弁(図示せず)を備え、供給油路62における油圧ポンプ60とバイパス油路65との間の圧力を検出する圧力センサー(図示せず)を備えてもよい。この場合、通常では開閉弁が閉位置に操作されており、圧力センサーの検出値が設定圧力よりも小さくなると(油圧ポンプ60の吸引作用により、供給油路62における油圧ポンプ60とバイパス油路65との間の負圧が大きくなると)、開閉弁が開位置に操作されるように構成する。
【0068】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]の図3において、供給油路62におけるミッションケース8側の部分と、供給油路62におけるオイルクーラー63及びフィルタ64の間の部分とに亘ってバイパス油路65が接続するのではなく、供給油路62におけるオイルクーラー63及びフィルタ64の間の部分とミッションケース8とに亘って、バイパス油路65を接続してもよい。
油圧ユニット59に代えて各種の油圧機構(例えば刈取部2の昇降操作用の油圧シリンダ等)を使用することができるのであり、油圧機構をミッションケース8に直接に連結するのではなく、ミッションケース8から油圧機構を少し離して配置してもよい。ミッションケース8に代えて、作動油を貯留する機能だけを備えたオイルタンク(図示せず)を、貯留部として使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】ミッションケースの縦断正面図
【図3】油圧ユニットの油圧回路構造を示す図
【図4】操向レバー、旋回モードスイッチ及び油圧ユニットの関係を示す図
【図5】静油圧式無段変速装置の油圧回路構造を示す図
【符号の説明】
【0070】
8 貯留部
59 油圧機構
60 ポンプ
62 供給油路
63 オイルクーラー
64 フィルタ
65 バイパス油路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動油を貯留する貯留部と、油圧機構と、前記貯留部の作動油を油圧機構に供給する油圧ポンプとを備えて、前記油圧機構の作動油を貯留部に戻すように構成し、
前記貯留部と油圧ポンプとを接続する供給油路にオイルクーラーを備え、前記オイルクーラーを迂回して貯留部の作動油を油圧ポンプに供給可能なバイパス油路を備えてある作業車の油圧回路構造。
【請求項2】
前記供給油路における油圧ポンプとオイルクーラーとの間の部分にフィルタを備え、前記供給油路におけるフィルタとオイルクーラーとの間の部分に、前記バイパス油路を接続してある請求項1に記載の作業車の油圧回路構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−71389(P2010−71389A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239686(P2008−239686)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】