説明

作業車両の入力クラッチの制御装置

【課題】
入力クラッチのクラッチ圧と、ブレーキ装置で発生する制動力(ブレーキ圧)との関係を所望の関係に調整するに際して、その調整を、簡易な構成で容易に行えるようにする。
【解決手段】
入力クラッチのクラッチ圧と、ブレーキ装置で発生する制動力(ブレーキ圧)との関係を所望の関係に調整するに際して、その調整を、簡易な構成で容易に行えるようにすることを解決課題する装置であり、入力クラッチに圧油を供給する油路から分岐してドレイン用油路が設けられており、ドレイン用油路はタンクに連通している。ドレイン用油路には、減圧弁が設けられており、減圧弁が、弁位置に応じてドレイン用油路を流れる圧油を増加させて入力クラッチのクラッチ圧を小さくする。ブレーキ操作手段は、減圧弁の弁作動部材(スプール)に機械的に連結されており、減圧弁の弁作動部材は、たとえば、ばねによって、ブレーキ用制御弁の弁作動部材(スプール)に機械的に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの駆動力が走行パワートレインを介して駆動輪に伝達されるとともに作業機用油圧ポンプに伝達される作業車両に関し、特に走行パワートレインの動力伝達経路にあってエンジンとトランスミッションとの間に入力クラッチが設けられた作業車両に適用される入力クラッチ(モジュレーションクラッチ)の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダのエンジンの駆動力は、走行用と作業用の2系統の動力伝達経路に分配される。すなわち、エンジンの駆動力は、PTO軸を介して走行パワートレインと作業機用油圧ポンプに供給されて、走行馬力と作業馬力に分配される。
【0003】
走行パワートレインの動力伝達経路にあって、エンジンとトランスミッションとの間には、入力クラッチ(モジュレーションクラッチ)が設けられている。
【0004】
入力クラッチは、走行パワートレインに伝達される動力を調整して、作業状況に応じて、作業機用油圧ポンプを介して作業機に伝達される動力を増加させたり、車両のスリップを防止するために設けられている。
【0005】
ホイールローダが地山に突っ込んで掘削作業を行うときには、アクセルペダルを踏み込んでエンジンの回転数を高回転に維持したままで車体を減速させる必要がある。そこで、ブレーキペダルを踏み込んでブレーキを作動させて車体を減速させるとともに、入力クラッチをクラッチ圧を減少させて、制動効果を高めるとともに走行パワートレインに伝達されるエンジン駆動力を減少させて、その分だけより多くの駆動力を作業機用油圧ポンプに分配させるようにしている。
【0006】
特許文献1には、一般自動車に関し、制動時におけるエンジンストールを防止することを目的として、ブレーキペダルが踏み込まれると、ブレーキ作動油を配管を介してクラッチ作動用のシリンダに供給してクラッチを遮断させるという発明が記載されている。
【0007】
また、下記特許文献2には、フォークリフトに関し、ブレーキペダルによってインチング操作を行うことを目的として、ブレーキペダルが踏み込まれると、ピストンロッドを介してブレーキ用マスタシリンダを作動させるとともに、ブレーキペダルの操作に連動してケーブルを押し引きしてインチング用制御弁を作動させるという発明が記載されている。
【特許文献1】特開平1−186440号公報
【特許文献2】特開平3−248929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ブレーキペダルの踏み込み操作量に応じて、ブレーキ装置と入力クラッチの両方を制御するためには、たとえば図3に示すように、入力クラッチのクラッチ圧と、ブレーキ装置で発生する制動力(ブレーキ圧)との関係を所望の関係に調整する必要がある。しかも、その調整を、簡易な構成で容易に行えるようにすることが望まれる。
【0009】
しかし、特許文献1記載の発明では、ブレーキ作動油によって入力クラッチのクラッチ圧を制御する構成であるため、油圧配管、油圧機器の設計次第でブレーキ制動力とクラッチ圧の関係が一義的に定まってしまい、容易にその関係を変更することができない。また、ブレーキ作動油の温度などの影響によってクラッチ圧が変動してしまい、安定した特性を得ることができない。
【0010】
しかも特許文献1では、そもそも一般自動車を対象としており、エンジン駆動力が走行用と作業用の2系統の動力伝達経路に分配されるホイールローダなどの作業車両を対象とする本発明とは本質的に異なる。
【0011】
特許文献2記載の発明は、そもそもトランスミッション内に設けられたインチングクラッチの制御に関する発明であり、エンジンとトランスミッションとの間に設けられた入力クラッチを制御する本発明とは本質的に異なっている。
【0012】
特許文献2記載の発明では、ブレーキ用マスタシリンダとインチング用制御弁が独立して作動する構成であるため、構成が複雑となり、調整を容易に行うことができない。
【0013】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、入力クラッチのクラッチ圧と、ブレーキ装置で発生する制動力(ブレーキ圧)との関係を所望の関係に調整するに際して、その調整を、簡易な構成で容易に行えるようにすることを解決課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1発明は、
エンジン(1)の駆動力が、入力クラッチ(6)とトランスミッション(8)を含む走行パワートレイン(40)を介して駆動輪(11,12)に伝達されるとともに、作業機用油圧ポンプ(3)に伝達される作業車両(100)に適用される作業車両の入力クラッチの制御装置であって、
車体を減速させるブレーキ(11B,12B)と、
ブレーキ(11B,12B)に圧油を供給するブレーキ圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油をブレーキ(11B,12B)に供給する第1のブレーキ用制御弁(14,15)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の弁作動部材の一側に機械的に連結され、該弁作動部材を作動させる第1のブレーキ操作手段(16)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の一側のパイロットポート(14J)に圧油を供給するパイロット圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を第1のブレーキ用制御弁(14,15)のパイロットポート(14J)に供給する第2のブレーキ用制御弁(17)と、
入力クラッチ(6)に供給される圧油が流れるクラッチ圧供給用油路(6K)から分岐してタンク(27)に連通するドレイン用油路(DR)に設けられ、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じてドレイン用油路(DR)を流れる圧油を増加させて入力クラッチ(6)のクラッチ圧を小さくする減圧弁(18)と、
減圧弁(18)の弁作動部材および第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材を作動させる第2のブレーキ操作手段(19)と、
を備え、
第2のブレーキ操作手段(19)と減圧弁(18)の弁作動部材とが機械的に連結され、減圧弁(18)の弁作動部材と第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材とがばね(28)を介して連結されたこと
を特徴とする。
【0015】
第2発明は、
エンジン(1)の駆動力が、入力クラッチ(6)とトランスミッション(8)を含む走行パワートレイン(40)を介して駆動輪(11,12)に伝達されるとともに、作業機用油圧ポンプ(3)に伝達される作業車両(100)に適用される作業車両の入力クラッチの制御装置であって、
車体を減速させるブレーキ(11B,12B)と、
第1の油圧ポンプ(13)と、
第2の油圧ポンプ(22)と、
第1の油圧ポンプ(13)の吐出油路およびブレーキ(11B,12B)に圧油を供給するブレーキ圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油をブレーキ(11B,12B)に供給する第1のブレーキ用制御弁(14,15)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の弁作動部材の一側に機械的に連結され、該弁作動部材を作動させる第1のブレーキ操作手段(16)と、
第1の油圧ポンプ(13)の吐出油路および第1のブレーキ用制御弁(14,15)の一側のパイロットポート(14J)に圧油を供給するパイロット圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を第1のブレーキ用制御弁(14,15)のパイロットポート(14J)に供給する第2のブレーキ用制御弁(17)と、
第2の油圧ポンプ(22)の吐出油路および入力クラッチ(6)に圧油を供給するクラッチ圧供給用油路(6K)に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を入力クラッチ(6)に供給する入力クラッチ用制御弁(21)と、
クラッチ圧供給用油路(6K)から分岐してタンク(27)に連通するドレイン用油路(DR)に設けられ、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じてドレイン用油路(DR)を流れる圧油を増加させて入力クラッチ(6)のクラッチ圧を小さくする減圧弁(18)と、
減圧弁(18)の弁作動部材および第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材を作動させる第2のブレーキ操作手段(19)と、
を備え、
第2のブレーキ操作手段(19)と減圧弁(18)の弁作動部材とが機械的に連結され、減圧弁(18)の弁作動部材と第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材とがばね(28)を介して連結されたこと
を特徴とする。
【0016】
第3発明は、
エンジン(1)の駆動力が、入力クラッチ(6)とトランスミッション(8)を含む走行パワートレイン(40)を介して駆動輪(11,12)に伝達されるとともに、作業機用油圧ポンプ(3)に伝達される作業車両(100)に適用される作業車両の入力クラッチの制御装置であって、
車体を減速させるブレーキ(11B,12B)と、
ブレーキ(11B,12B)に圧油を供給するブレーキ圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油をブレーキ(11B,12B)に供給する第1のブレーキ用制御弁(14,15)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の弁作動部材の一側に機械的に連結され、該弁作動部材を作動させる第1のブレーキ操作手段(16)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の一側のパイロットポート(14J)に圧油を供給するパイロット圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を第1のブレーキ用制御弁(14,15)のパイロットポート(14J)に供給する第2のブレーキ用制御弁(17)と、
入力クラッチ(6)に供給される圧油が流れるクラッチ圧供給用油路(6K)から分岐してタンク(27)に連通するドレイン用油路(DR)に設けられ、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じてドレイン用油路(DR)を流れる圧油を増加させて入力クラッチ(6)のクラッチ圧を小さくする減圧弁(18)と、
減圧弁(18)の弁作動部材および第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材を作動させる第2のブレーキ操作手段(19)と、
を備え、
基端部が回転自在に支持されるリンク(31)と第2のブレーキ操作手段(19)とが機械的に連結され、リンク(31)と減圧弁(18)の弁作動部材とがロッド(18AD)を介して連結され、リンク(31)と第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材とがロッド(17AD)を介して連結されたこと
を特徴とする。
【0017】
第4発明は、
エンジン(1)の駆動力が、入力クラッチ(6)とトランスミッション(8)を含む走行パワートレイン(40)を介して駆動輪(11,12)に伝達されるとともに、作業機用油圧ポンプ(3)に伝達される作業車両(100)に適用される作業車両の入力クラッチの制御装置であって、
車体を減速させるブレーキ(11B,12B)と、
第1の油圧ポンプ(13)と、
第2の油圧ポンプ(22)と、
第1の油圧ポンプ(13)の吐出油路およびブレーキ(11B,12B)に圧油を供給するブレーキ圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油をブレーキ(11B,12B)に供給する第1のブレーキ用制御弁(14,15)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の弁作動部材の一側に機械的に連結され、該弁作動部材を作動させる第1のブレーキ操作手段(16)と、
第1の油圧ポンプ(13)の吐出油路および第1のブレーキ用制御弁(14,15)の一側のパイロットポート(14J)に圧油を供給するパイロット圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を第1のブレーキ用制御弁(14,15)のパイロットポート(14J)に供給する第2のブレーキ用制御弁(17)と、
第2の油圧ポンプ(22)の吐出油路および入力クラッチ(6)に圧油を供給するクラッチ圧供給用油路(6K)に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を入力クラッチ(6)に供給する入力クラッチ用制御弁(21)と、
クラッチ圧供給用油路(6K)から分岐してタンク(27)に連通するドレイン用油路(DR)に設けられ、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じてドレイン用油路(DR)を流れる圧油を増加させて入力クラッチ(6)のクラッチ圧を小さくする減圧弁(18)と、
減圧弁(18)の弁作動部材および第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材を作動させる第2のブレーキ操作手段(19)と、
を備え、
基端部が回転自在に支持されるリンク(31)と第2のブレーキ操作手段(19)とが機械的に連結され、リンク(31)と減圧弁(18)の弁作動部材とがロッド(18AD)を介して連結され、リンク(31)と第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材とがロッド(17AD)を介して連結されたこと
を特徴とする。
【0018】
第1発明、第2発明によれば、図1に示すように、ホイールローダ100のエンジン1の動力伝達経路40にあって、エンジン1とトランスミッション8との間には、入力クラッチ6が設けられている。ブレーキ手段11B、12Bによって車体が減速される。ブレーキ用制御弁17は、弁位置に応じてブレーキ手段11B、12Bの制動力が増加するように作動する。ブレーキ操作手段19は、ブレーキ用制御弁17を作動させるために設けられている。
【0019】
入力クラッチ6に圧油を供給する油路6Kから分岐してドレイン用油路DRが設けられており、ドレイン用油路DRはタンク27に連通している。
【0020】
ドレイン用油路DRには、減圧弁18が設けられており、減圧弁18が、弁位置に応じてドレイン用油路DRを流れる圧油を増加させて入力クラッチ6のクラッチ圧を小さくする。
【0021】
ブレーキ操作手段19は、減圧弁18の弁作動部材(スプール)に機械的に連結されており、減圧弁18の弁作動部材は、たとえば、ばね28によって、ブレーキ用制御弁17の弁作動部材(スプール)に機械的に連結されている。
【0022】
本発明によれば、減圧弁18をブレーキ操作手段19によって手動操作される手動の減圧弁18として構成し、減圧弁18の弁作動部材とブレーキ用制御弁17の弁作動部材との間をばね28などの連結部材によって連結するだけの簡易な構成で、図3に示す入力クラッチのクラッチ圧と、ブレーキ装置で発生する制動力(ブレーキ圧)との関係を容易に設定することができる。
【0023】
同様に第3発明、第4発明によれば、リンク機構30によって減圧弁18の弁作動部材(スプール)とブレーキ用制御弁17の弁作動部材(スプール)とが機械的に連結されており、ブレーキ操作手段19がリンク機構30に機械的に連結されている。
【0024】
本発明によれば、リンク機構30によって減圧弁18の弁作動部材(スプール)とブレーキ用制御弁17の弁作動部材(スプール)とを機械的に連結させ、ブレーキ操作手段19をリンク機構30に機械的に連結するだけの簡易な構成で、図3に示す入力クラッチのクラッチ圧と、ブレーキ装置で発生する制動力(ブレーキ圧)との関係を容易に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
図1は、実施形態の作業車両の入力クラッチの制御装置のブロック図であり、ホイールローダの構成を、本発明に係る部分について示している。
【0027】
同図1に示すように、ホイールローダ100のエンジン1の駆動力は、PTO軸2を介して走行パワートレインと作業機用油圧ポンプ3に供給されて、走行馬力と作業馬力に分配される。
【0028】
すなわち、ホイールローダ100のエンジン1の出力軸は、PTO軸2に連結されている。PTO軸2は、走行パワートレインに連結されているとともに、作業機用油圧ポンプ3に連結されている。
【0029】
走行パワートレインに対応するエンジン1の動力伝達経路40には、前進クラッチ、後進クラッチ、各速度段クラッチを有したトランスミッション8が設けられている。
【0030】
エンジン1の動力伝達経路40にあって、エンジン1とトランスミッション8との間には、入力クラッチ(モジュレーションクラッチ)6が設けられている。入力クラッチ6は、たとえば湿式多板の油圧クラッチである。
【0031】
エンジン1の出力は、PTO軸2、入力クラッチ6の入力軸6N、入力クラッチ6、入力クラッチ6の出力軸6S、トルクコンバータ7、トランスミッション8、トランスファ9を介して前車軸11、後車軸12に伝達される。
【0032】
またエンジン1の出力は、PTO軸2、作業機用ポンプ3、作業機用制御弁5を介して作業機に供給される。
【0033】
入力クラッチ6に供給される圧油のクラッチ圧を調整することにより、入力クラッチ6の入力軸6N側と出力軸6S側の摩擦係合力が制御される。入力クラッチ6に供給される圧油のクラッチ圧Pcが最高圧である保持圧である場合には、入力クラッチ6が完全に接続(係合)される。入力クラッチ6に供給される圧油のクラッチ圧Pcが保持圧から減少されると、入力クラッチ6が完全接続(係合)状態から接続解除(解放)状態に移行する。
【0034】
前車軸11、後車軸12にはそれぞれ、車軸11、12を制動することで車体を減速させる前ブレーキ装置11B、後ブレーキ装置12Bが設けられている。ブレーキ装置11B、12Bは、供給される作動油の圧力(ブレーキ圧)に応じてブレーキ装置11B、12Bを作動若しくは解放(作動解除)する油圧式のブレーキ装置である。
【0035】
ホイールローダ100の運転席の前方左側には、オペレータの左足によって踏み込み操作されるブレーキ操作手段としての左ブレーキペダル19と、同運転席前方右側には、オペレータの右足によって踏み込み操作される右ブレーキペダル16が設けられている。
【0036】
前ブレーキ11Bは、ブレーキ配管を介して、前ブレーキ用制御弁14の出口ポート14Dに連通している。前ブレーキ用制御弁14の入口ポート14Eは、油圧ポンプ13の吐出口に連通している。前ブレーキ用制御弁14のドレインポート14Rは、タンク27に連通している。
【0037】
同様に、後ブレーキ12Bは、ブレーキ配管を介して、後ブレーキ用制御弁15の出口ポート15Dに連通している。後ブレーキ用制御弁15の入口ポート15Eは、油圧ポンプ13の吐出口に連通している。後ブレーキ用制御弁15のドレインポート15Rは、タンク27に連通している。
【0038】
前ブレーキ用制御弁14の弁作動部材としてのスプールと後ブレーキ用制御弁15の弁作動部材としてのスプールは、ばね24を介して機械的に連結されている。前ブレーキ用制御弁14の弁作動部材としてのスプールには、右ブレーキペダル16が機械的に連結されている。後ブレーキ用制御弁15のスプールには、戻り用ばね25が当接されている。
【0039】
右ブレーキペダル16が踏み込み操作されると、前ブレーキ用制御弁14と後ブレーキ用制御弁15とは連動して作動する。
【0040】
すなわち、前ブレーキ用制御弁14は、ブレーキ作動位置14S、ブレーキ解放位置14Kを有している。前ブレーキ用制御弁14の弁位置に応じて、前ブレーキ装置11Bに供給される作動油の圧力(ブレーキ圧)が変化する。
【0041】
後ブレーキ用制御弁15は、ブレーキ作動位置15S、ブレーキ解放位置15Kを有している。後ブレーキ用制御弁15の弁位置に応じて、後ブレーキ装置12Bに供給される作動油の圧力(ブレーキ圧)が変化する。
【0042】
本実施例では、ブレーキ圧が大きくなるほどブレーキ装置25で発生する制動力が大きくなる構成のブレーキシステムを想定している。
【0043】
右ブレーキペダル16が踏み込み操作されて、前ブレーキ用制御弁14がブレーキ作動位置14S側に移動されると、油圧ポンプ13から吐出された圧油が前ブレーキ用制御弁14の入口ポート14E、出口ポート14Dを介して前ブレーキ装置11Bに供給され、前ブレーキ装置11Bが作動する。右ブレーキペダル16が踏み込み操作されて、前ブレーキ用制御弁14がブレーキ作動位置14S側に移動されると、ばね24のばね力によって後ブレーキ用制御弁15がブレーキ作動位置15S側に移動されて、油圧ポンプ13から吐出された圧油が後ブレーキ用制御弁15の入口ポート15E、出口ポート15Dを介して後ブレーキ装置12Bに供給され、後ブレーキ装置12Bが作動する。
【0044】
また、右ブレーキペダル16が戻されると、戻り用ばね25のばね力と、ばね24のばね力によって後ブレーキ用制御弁15がブレーキ解放位置15K側に移動されるとともに、前ブレーキ用制御弁14がブレーキ解放位置14K側に移動される。これにより前ブレーキ装置11B内の圧油が前ブレーキ用制御弁14の出口ポート14D、ドレインポート14Rを介してタンク27に排出され、前ブレーキ装置11Bの作動が解除(解放)される。また、後ブレーキ装置12B内の圧油が後ブレーキ用制御弁15の出口ポート15D、ドレインポート15Rを介してタンク27に排出され、後ブレーキ装置12Bの作動が解除(解放)される。
【0045】
ブレーキ用制御弁17は、左ブレーキペダル19に対応して設けられており、弁位置に応じてブレーキ装置11B、12Bの制動力が増加するように作動する。
【0046】
入力クラッチ6に圧油を供給する供給用油路6Kから分岐して、ドレイン用油路DRが設けられており、ドレイン用油路DRは、タンク27に連通している。
【0047】
ドレイン用油路DRには、弁位置に応じてドレイン用油路DRを流れる圧油を増加させて入力クラッチ6のクラッチ圧Pcを小さくするように作動する減圧弁18が設けられている。
【0048】
左ブレーキペダル19は、減圧弁18の弁作動部材としてのスプールに機械的に連結されており、減圧弁18の弁作動部材としてのスプールは、ブレーキ用制御弁17の弁作動部材としてのスプールに機械的に連結されている。
【0049】
すなわち、油圧ポンプ22の吐出油路は、入力クラッチ用制御弁21の入口に連通している。
【0050】
入力クラッチ用制御弁21の出口は、供給用油路6Kに連通している。供給用油路6Kは、入力クラッチ6に圧油を供給する油路であり、入力クラッチ6に連通している。供給用油路6Kには、下流側を入力クラッチ6クラッチ圧Pcとする絞り23が設けられている。
【0051】
入力クラッチ用制御弁21は、図示しないコントローラから入力される制御信号に対応する元圧の圧油を、供給用油路6Kに出力する。
【0052】
減圧弁18は可変絞り18Sを有している。減圧弁18の入口ポート18Eは、絞り23の下流側に連通している。減圧弁18の出口ポート18Rは、タンク27に連通している。
【0053】
前ブレーキ用制御弁14の右ブレーキペダル16と同じ受圧側にはパイロットポート14Jが設けられている。パイロットポート14Jは、パイロット油路を介してブレーキ用制御弁17の出口ポート17Dに連通している。ブレーキ用制御弁17の入口ポート17Eは、油圧ポンプ13の吐出口に連通している。ブレーキ用制御弁17のドレインポート17Rは、タンク27に連通している。
【0054】
ブレーキ用制御弁17のスプールには、戻り用ばね29が当接されている。
【0055】
左ブレーキペダル19が踏み込み操作されると、減圧弁18とブレーキ用制御弁17とは連動して作動する。
【0056】
すなわち、ブレーキ用制御弁17は、ブレーキ作動位置17S、ブレーキ解放位置17Kを有している。ブレーキ用制御弁17の弁位置に応じて、前ブレーキ装置11Bおよび後ブレーキ装置12Bに供給される作動油の圧力(ブレーキ圧)が変化する。
【0057】
左ブレーキペダル19が踏み込み操作されると、減圧弁18の可変絞り18Sの開口面積が、踏み込み操作量の増加に応じて増大する。このため左ブレーキペダル19の踏み込み操作量(ペダルストローク)が大きくなるほど、減圧弁18の可変絞り18Sの開口面積が大きくなり、供給用油路6Kからドレイン油路DR、減圧弁18を介してタンク27に排出される圧油の流量が大きくなる。タンク27への排出油量が多くなると、入力クラッチ6のクラッチPcが低下する。入力クラッチ6のクラッチ圧Pcが小さくなることで入力クラッチ6が滑り、エンジン1から入力クラッチ6を介してトランスミッション8に伝達される駆動力が低下して、ホイールローダ100の車速が低下する。
【0058】
左ブレーキペダル19が踏み込み操作されて減圧弁18の可変絞り18Sが増大する側に移動されると、ばね28のばね力によってブレーキ用制御弁17がブレーキ作動位置17S側に移動されて、油圧ポンプ13から吐出された圧油がブレーキ用制御弁17の入口ポート17E、出口ポート17Dを介して前ブレーキ用制御弁14のパイロットポート14Jに供給されて、パイロット圧が前ブレーキ用制御弁14に作用する。これにより前ブレーキ用制御弁14がブレーキ作動位置14S側に移動される。この結果、前述したのと同様に前ブレーキ用制御弁14に連動して後ブレーキ用制御弁15がブレーキ作動位置15S側に移動して、前ブレーキ装置11Bおよび後ブレーキ装置12Bが作動する。
【0059】
また、左ブレーキペダル19が戻されると、戻り用ばね29のばね力と、ばね28のばね力によってブレーキ用制御弁17がブレーキ解放位置17K側に移動されるとともに、減圧弁18が、可変絞り18Sの開口面積を減少させる側に移動される。これにより入力クラッチ6のクラッチ圧Pcが大きくなる。また前ブレーキ用制御弁14のパイロットポート14Jは、ブレーキ用制御弁17の出口ポート17D、ドレインポート17Rを介してタンク27に連通するため、ブレーキ用制御弁14のパイロットポート14Jに作用するパイロット圧はタンク圧と同等の低圧になる。このため前述したのと同様に前ブレーキ用制御弁14と後ブレーキ用左制御弁15は連動してそれぞれブレーキ解放位置14K、15K側に移動して、前ブレーキ装置11Bおよび後ブレーキ装置12Bの作動が解除(解放)される。
【0060】
以上のようにして、左ブレーキペダル19の踏み込み操作量が大きくなるほど、入力クラッチ6のクラッチ圧Pcが小さくなり、前ブレーキ装置11B、後ブレーキ装置12Bで発生する制動力が大きくなる。
【0061】
図3は、左ブレーキペダル19の踏み込み操作量(ペダルストローク;0〜100%)と、入力クラッチ6のクラッチ圧Pc(kg/cm2)、前ブレーキ装置11B、後ブレーキ装置12Bで発生する制動力(ブレーキ圧;kg/cm2)との関係を示している。なお、図3に示す特性は一例であり、本発明はこのような特性に限定されるわけではない。
【0062】
図3に示す特性は、ばね28のばね定数、自由長などのパラメータを適宜設定することにより得ることができる。
【0063】
以上のように本実施例によれば、減圧弁18を左ブレーキペダル19によって手動操作される手動の減圧弁18として構成し、減圧弁18のスプールとブレーキ用制御弁17のスプールとの間をばね28によって連結するだけの簡易な構成で、図3に示す入力クラッチ6のクラッチ圧と、前後ブレーキ装置11B、12Bで発生する制動力(ブレーキ圧)との関係を容易に設定することができるようになる。
【0064】
図2は、図1の変形例を示している。図1と同じ構成要素には同じ符合を付して説明を適宜省略し、異なる部分について説明する。
【0065】
図2の実施例では、リンク機構30によって減圧弁18の弁作動部材(スプール)とブレーキ用制御弁17の弁作動部材(スプール)とが機械的に連結されており、左ブレーキペダル19がリンク機構30に機械的に連結されている。
【0066】
リンク機構30は、リンク31、ブラケット32、ピン33からなる。車体にはブラケット32が固定されており、リンク31の基端部はピン32を介してブラケット32に回動自在に連結されている。
【0067】
減圧弁18の弁作動部材としてのスプールには、ロッド18ADが接続されている。ブレーキ用制御弁17の弁作動部材としてのスプールには、ロッド17ADが接続されている。リンク31の長手方向の各位置には、ロッド18AD、ロッド17ADがそれぞれ所定距離離間して当接されている。ロッド18AD、ロッド17ADと左ブレーキペダル19とは、リンク31を介して対向して配置されている。減圧弁18のスプールには、戻り用ばね28が当接されているとともに、ブレーキ用制御弁17のスプールには、戻り用ばね29が当接されている。
【0068】
左ブレーキペダル19が踏み込み操作されると、リンク31が踏み込み操作量に応じて回動して、リンク31の回動に応じて減圧弁18のロッド18ADが、可変絞り18Sの開口面積を増大させる側に押動されるとともに、ブレーキ用制御弁17のロッド17ADが、ブレーキ作動位置17S側に押動される。このため減圧弁18が可変絞り18Sが増大する側に移動されるととともに、ブレーキ用制御弁17がブレーキ作動位置17S側に移動される。このため前述したのと同様にして、左ブレーキペダル19の踏み込み操作量に応じて、入力クラッチ6のクラッチ圧Pcが減少するとともに、前ブレーキ装置11B、後ブレーキ装置12Bが作動して制動が行われる。
【0069】
また、左ブレーキペダル19が戻されると、戻り用ばね28のばね力によって減圧弁18のロッド18ADが、可変絞り18Sの開口面積を減少させる側に押動されるともに、戻りばね29のばね力によってブレーキ用制御弁17のロッド17ADが、ブレーキ解放位置17K側押動される。このため減圧弁18が可変絞り18Sが減少する側に移動されるととともに、ブレーキ用制御弁17がブレーキ解放位置17K側に移動される。このため前述したのと同様にして左ブレーキペダル19の戻し量に応じて、入力クラッチ6のクラッチ圧Pcが増大するとともに、前ブレーキ装置11Bおよび後ブレーキ装置12Bの作動が解除(解放)される。
【0070】
図3に示す特性は、リンク機構30のリンク31がロッド18AD、17ADに当接する位置などのパラメータを適宜設定することにより得ることができる。
【0071】
以上のように本実施例によれば、リンク機構30によって減圧弁18のスプール(ロッド18AD)とブレーキ用制御弁17のスプール(ロッド17AD)とを機械的に連結させ、左ブレーキペダル19をリンク機構30に機械的に連結するだけの簡易な構成で、図3に示す入力クラッチ6のクラッチ圧Pcと、前後ブレーキ装置11B、12Bで発生する制動力(ブレーキ圧)との関係を容易に設定することができる。
【0072】
図1の構成例では、減圧弁18とブレーキ用制御弁17とをばね28によって連結しているが、ばね28の代わりに、ケーブル、ロッド等の他の連結部材で連結する実施も可能である。
【0073】
なお、本実施例では、ブレーキペダル16、17によって踏み込み操作する場合を想定して説明したが、ペダルを手動操作によるレバーなどの操作手段に置換する実施も当然可能である。
【0074】
また、以上の実施例では、作業車両としてホイールローダを想定して説明したが、本発明は、入力クラッチ(モジュレーションクラッチ)が設けられた作業車両であれば、他の作業車両にも同様にして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、実施形態の作業車両の入力クラッチの制御装置のブロックであり、ホイールローダの構成を、本発明に係る部分について示した図である。
【図2】図2は、図1の変形例である他の実施例を示した図である。
【図3】図3は、ブレーキペダルの踏み込み操作量(ペダルストローク;0〜100%)と、入力クラッチのクラッチ圧(kg/cm2)、ブレーキ装置で発生する制動力(ブレーキ圧;kg/cm2)との関係を示した図である。
【符号の説明】
【0076】
1 エンジン
3 作業用油圧ポンプ
6 入力クラッチ
8 トランスミッション
11 前車輪
12 後車輪
11B 前ブレーキ装置
12B 後ブレーキ装置
14 前ブレーキ用制御弁
15 後ブレーキ用制御弁
16 右ブレーキペダル
17 ブレーキ用制御弁
18 減圧弁
19 左ブレーキペダル
27 タンク
28 ばね
40 動力伝達経路
100 ホイールローダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(1)の駆動力が、入力クラッチ(6)とトランスミッション(8)を含む走行パワートレイン(40)を介して駆動輪(11,12)に伝達されるとともに、作業機用油圧ポンプ(3)に伝達される作業車両(100)に適用される作業車両の入力クラッチの制御装置であって、
車体を減速させるブレーキ(11B,12B)と、
ブレーキ(11B,12B)に圧油を供給するブレーキ圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油をブレーキ(11B,12B)に供給する第1のブレーキ用制御弁(14,15)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の弁作動部材の一側に機械的に連結され、該弁作動部材を作動させる第1のブレーキ操作手段(16)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の一側のパイロットポート(14J)に圧油を供給するパイロット圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を第1のブレーキ用制御弁(14,15)のパイロットポート(14J)に供給する第2のブレーキ用制御弁(17)と、
入力クラッチ(6)に供給される圧油が流れるクラッチ圧供給用油路(6K)から分岐してタンク(27)に連通するドレイン用油路(DR)に設けられ、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じてドレイン用油路(DR)を流れる圧油を増加させて入力クラッチ(6)のクラッチ圧を小さくする減圧弁(18)と、
減圧弁(18)の弁作動部材および第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材を作動させる第2のブレーキ操作手段(19)と、
を備え、
第2のブレーキ操作手段(19)と減圧弁(18)の弁作動部材とが機械的に連結され、減圧弁(18)の弁作動部材と第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材とがばね(28)を介して連結されたこと
を特徴とする作業車両の入力クラッチの制御装置。
【請求項2】
エンジン(1)の駆動力が、入力クラッチ(6)とトランスミッション(8)を含む走行パワートレイン(40)を介して駆動輪(11,12)に伝達されるとともに、作業機用油圧ポンプ(3)に伝達される作業車両(100)に適用される作業車両の入力クラッチの制御装置であって、
車体を減速させるブレーキ(11B,12B)と、
第1の油圧ポンプ(13)と、
第2の油圧ポンプ(22)と、
第1の油圧ポンプ(13)の吐出油路およびブレーキ(11B,12B)に圧油を供給するブレーキ圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油をブレーキ(11B,12B)に供給する第1のブレーキ用制御弁(14,15)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の弁作動部材の一側に機械的に連結され、該弁作動部材を作動させる第1のブレーキ操作手段(16)と、
第1の油圧ポンプ(13)の吐出油路および第1のブレーキ用制御弁(14,15)の一側のパイロットポート(14J)に圧油を供給するパイロット圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を第1のブレーキ用制御弁(14,15)のパイロットポート(14J)に供給する第2のブレーキ用制御弁(17)と、
第2の油圧ポンプ(22)の吐出油路および入力クラッチ(6)に圧油を供給するクラッチ圧供給用油路(6K)に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を入力クラッチ(6)に供給する入力クラッチ用制御弁(21)と、
クラッチ圧供給用油路(6K)から分岐してタンク(27)に連通するドレイン用油路(DR)に設けられ、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じてドレイン用油路(DR)を流れる圧油を増加させて入力クラッチ(6)のクラッチ圧を小さくする減圧弁(18)と、
減圧弁(18)の弁作動部材および第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材を作動させる第2のブレーキ操作手段(19)と、
を備え、
第2のブレーキ操作手段(19)と減圧弁(18)の弁作動部材とが機械的に連結され、減圧弁(18)の弁作動部材と第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材とがばね(28)を介して連結されたこと
を特徴とする作業車両の入力クラッチの制御装置。
【請求項3】
エンジン(1)の駆動力が、入力クラッチ(6)とトランスミッション(8)を含む走行パワートレイン(40)を介して駆動輪(11,12)に伝達されるとともに、作業機用油圧ポンプ(3)に伝達される作業車両(100)に適用される作業車両の入力クラッチの制御装置であって、
車体を減速させるブレーキ(11B,12B)と、
ブレーキ(11B,12B)に圧油を供給するブレーキ圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油をブレーキ(11B,12B)に供給する第1のブレーキ用制御弁(14,15)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の弁作動部材の一側に機械的に連結され、該弁作動部材を作動させる第1のブレーキ操作手段(16)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の一側のパイロットポート(14J)に圧油を供給するパイロット圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を第1のブレーキ用制御弁(14,15)のパイロットポート(14J)に供給する第2のブレーキ用制御弁(17)と、
入力クラッチ(6)に供給される圧油が流れるクラッチ圧供給用油路(6K)から分岐してタンク(27)に連通するドレイン用油路(DR)に設けられ、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じてドレイン用油路(DR)を流れる圧油を増加させて入力クラッチ(6)のクラッチ圧を小さくする減圧弁(18)と、
減圧弁(18)の弁作動部材および第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材を作動させる第2のブレーキ操作手段(19)と、
を備え、
基端部が回転自在に支持されるリンク(31)と第2のブレーキ操作手段(19)とが機械的に連結され、リンク(31)と減圧弁(18)の弁作動部材とがロッド(18AD)を介して連結され、リンク(31)と第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材とがロッド(17AD)を介して連結されたこと
を特徴とする作業車両の入力クラッチの制御装置。
【請求項4】
エンジン(1)の駆動力が、入力クラッチ(6)とトランスミッション(8)を含む走行パワートレイン(40)を介して駆動輪(11,12)に伝達されるとともに、作業機用油圧ポンプ(3)に伝達される作業車両(100)に適用される作業車両の入力クラッチの制御装置であって、
車体を減速させるブレーキ(11B,12B)と、
第1の油圧ポンプ(13)と、
第2の油圧ポンプ(22)と、
第1の油圧ポンプ(13)の吐出油路およびブレーキ(11B,12B)に圧油を供給するブレーキ圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油をブレーキ(11B,12B)に供給する第1のブレーキ用制御弁(14,15)と、
第1のブレーキ用制御弁(14,15)の弁作動部材の一側に機械的に連結され、該弁作動部材を作動させる第1のブレーキ操作手段(16)と、
第1の油圧ポンプ(13)の吐出油路および第1のブレーキ用制御弁(14,15)の一側のパイロットポート(14J)に圧油を供給するパイロット圧供給用油路に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を第1のブレーキ用制御弁(14,15)のパイロットポート(14J)に供給する第2のブレーキ用制御弁(17)と、
第2の油圧ポンプ(22)の吐出油路および入力クラッチ(6)に圧油を供給するクラッチ圧供給用油路(6K)に連通し、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じた圧油を入力クラッチ(6)に供給する入力クラッチ用制御弁(21)と、
クラッチ圧供給用油路(6K)から分岐してタンク(27)に連通するドレイン用油路(DR)に設けられ、外部から入力される制御信号に応じて弁作動部材が作動し、弁位置に応じてドレイン用油路(DR)を流れる圧油を増加させて入力クラッチ(6)のクラッチ圧を小さくする減圧弁(18)と、
減圧弁(18)の弁作動部材および第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材を作動させる第2のブレーキ操作手段(19)と、
を備え、
基端部が回転自在に支持されるリンク(31)と第2のブレーキ操作手段(19)とが機械的に連結され、リンク(31)と減圧弁(18)の弁作動部材とがロッド(18AD)を介して連結され、リンク(31)と第2のブレーキ用制御弁(17)の弁作動部材とがロッド(17AD)を介して連結されたこと
を特徴とする作業車両の入力クラッチの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−107621(P2009−107621A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310941(P2008−310941)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【分割の表示】特願2006−535148(P2006−535148)の分割
【原出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】