説明

作業車両の燃料給油補助装置

【課題】作業車両において、ステアリングハンドルの前方左右両側に位置する車前側安全フレームを利用して燃料載置台を構成し、コストの低減を図る。
【解決手段】ミッションケース3におけるステアリングハンドル11の前方左右両側に前側安全フレーム12を設け、該前側安全フレーム12を下部前側安全フレーム12a,12aと上部前側安全フレーム12bとに分割構成して互いに左右方向の軸回りに回動自在に軸支し、上部前側安全フレーム12bを上方へ突出回動した安全フレーム機能状態、あるいは、前方突出回動状態に変更可能に構成し、前記上部前側安全フレーム12bには前方突出回動状態で水平状になる燃料載置台15を設けたことを特徴とする作業車両の燃料給油補助装置の構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の燃料給油補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両の燃料給油補助装置おいて、ボンネット内に燃料タンクを備え、操縦席やステアリングハンドルの装備されているフロアの前側縁部に支持棒を立設し、この支持棒の上側端部にポリタンク載置用の載置受け台を設けたものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−123646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記背景技術の発明は、ポリタンク載置用の受け台を取り付ける支持棒を特別に構成するのでコスト高となる問題点があった。
そこで、この発明は作業車両のボンネットの近傍にある前側安全フレームを有効に活用してポリタンク載置用受け台を取り付け、このような問題点を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ミッションケース部(3)の前方にエンジンを備え、エンジンを被覆するボンネット(2)内に燃料タンクを備え、ボンネット(2)の後方にステアリングハンドル(11)を備えた作業車両において、前記ミッションケース(3)における前記ステアリングハンドル(11)の前方左右両側に前側安全フレーム(12)を設け、該前側安全フレーム(12)を下部前側安全フレーム(12a,12a)と上部前側安全フレーム(12b)とに分割構成して互いに左右方向の軸回りに回動自在に軸支し、上部前側安全フレーム(12b)を上方へ突出回動した安全フレーム機能状態、あるいは、前方突出回動状態に変更可能に構成し、前記上部前側安全フレーム(12b)には前方突出回動状態で水平状になる燃料載置台(15)を設けたことを特徴とする作業車両の燃料給油補助装置とする。
【0006】
請求項2の発明は、ミッションケース部(3)の前方にエンジンを備え、エンジンを被覆するボンネット(2)内に燃料タンクを備え、ボンネット(2)の後方にステアリングハンドル(11)を備えた作業車両において、前記ミッションケース(3)における前記ステアリングハンドル(11)の前方左右両側に前側安全フレーム(12)を設け、該前側安全フレーム(12)におけるボンネット(2)の上側端部より下方部位に、載置面を水平状態としたり、あるいは、運転姿勢のオペレータの前輪(4)に向けた視線方向に沿うように変更できる燃料載置台(15)を設けたことを特徴とする作業車両の燃料給油補助装置とする。
【0007】
請求項3の発明は、ミッションケース部(3)の前方にエンジンを備え、エンジンを被覆するボンネット(2)内に燃料タンクを備え、ボンネット(2)の後方にステアリングハンドル(11)を備えた作業車両において、前記ミッションケース(3)における前記ステアリングハンドル(11)の前方左右両側に前側安全フレーム(12)を設け、該前側安全フレーム(12)を下部前側安全フレーム(12a,12a)と上部前側安全フレーム(12b)とに分割構成して互いに左右方向の軸回りに回動自在に軸支し、上部前側安全フレーム(12b)を上方へ突出回動した安全フレーム機能状態、あるいは、前方突出回動状態に変更可能に構成し、前方突出回動状態の前記上部前側安全フレーム(12b)には、載置面を水平状態としたり、あるいは、載置面を上下方向で且つ前後方向に沿うように変更できる燃料載置台(15)を設けたことを特徴とする作業車両の燃料給油補助装置とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によると、上部前側安全フレーム(12b)を上方に突出した安全フレーム機能状態から前方突出回動状態に回動すると、ボンネット(2)の左右一側に水平状の燃料載置台(15)が形成され、燃料ポリタンク(16)を載置することにより、ボンネット2内の燃料タンクに燃料を楽に供給することができる。また、既存の前側安全フレーム(12)を利用して燃料載置台(15)を構成することができ、コストの低減を図ることができる。
【0009】
請求項2の発明によると、ステアリングハンドル(11)の前方左右両側に設けている前側安全フレーム(12)の下方部位には、載置面を水平状態としたり、あるいは、運転姿勢のオペレータの前輪(4)に向けた視線方向に沿うように変更できる燃料載置台(15)を設けたので、燃料載置台(15)の載置面を水平状態にすると、燃料ポリタンク(16)を載置し、燃料タンクに燃料を楽に給油することができる。また、運転姿勢のオペレータの前輪(4)に向けた視線方向に沿うように燃料載置台(15)の載置面を変更すると、作業時のオペレータの視界を良好にすることができ安全である。また、既存の前側安全フレーム(12)を利用して燃料載置台(15)を構成することができ、コストの低減を図ることができる。
【0010】
請求項3の発明によると、前方突出回動状態の上部前側安全フレーム(12b)において、燃料載置台(15)の載置面を水平状態にすることにより、ボンネット(2)内の燃料タンクに燃料を楽に供給することができる。また、燃料載置台(15)の載置面を上下方向で且つ前後方向に沿うように変更することにより、上部前側安全フレーム(12b)を上方に突出した安全フレーム機能状態でオペレータの視界を良好にすることができる。また、既存の前側安全フレーム(12)を利用して燃料載置台(15)を構成することができ、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】トラクタの正面図である。
【図3】トラクタの側面図である。
【図4】燃料載置台の側面図、正面図である。
【図5】トラクタの側面図である。
【図6】トラクタの正面図である。
【図7】トラクタの側面図である。
【図8】トラクタの正面図である。
【図9】トラクタの側面図である。
【図10】トラクタの正面図である。
【図11】左右ステップ、補助ステップの側面図、正面図、平面図である。
【図12】左右ステップ、補助ステップの側面図、正面図、平面図である。
【図13】左右ステップ、補助ステップの側面図、正面図、平面図である。
【図14】左右ステップ、補助ステップの正面図、平面図である。
【図15】左右ステップ、補助ステップの正面図、平面図である。
【図16】前側安全フレームの側面図、正面図、背面図、斜視図である。
【図17】トラクタの前後中間部の側面図である。
【図18】トラクタの前後中間部の側面図である。
【図19】トラクタの前後中間部の側面図である。
【図20】トラクタの前後中間部の側面図である。
【図21】トラクタの前後中間部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいてこの発明を農業用トラクタに施した実施例について説明する。
まず、図1及び図2に基づき本発明を実施するトラクタの全体構成について説明する。
トラクタは走行車体1の前側部にエンジン(図示省略)を搭載し、エンジンをボンネット2で被覆し、エンジンの回転動力をミッションケース3内の主変速装置及び副変速装置で変速し、左右前輪4,4及び左右後輪5,5へ伝達している。
【0013】
また、ミッションケース3の後側上部にはシート6を設け、その左右両側に左右フェンダ7,7を設けている。また、走行車体1の後側にはシリンダケース(図示省略)を設け、シリンダケースの後側部にリフトアーム(図示省略)を上下回動自在に設け、3点リンク機構(図示省略)に連結したロータリ耕耘装置(図示省略)を昇降するように構成している。
【0014】
また、エンジンの後方には、ハンドルフレーム10を立設し、ハンドルフレーム10の上部にステアリングハンドル11を設けている。走行車体1のステアリングハンドル11の前方部位に前側安全フレーム12を立設し、走行車体1の後部に後側安全フレーム13を立設している。
【0015】
次に、図1及び図2に基づき前側安全フレーム12を利用した燃料載置台15について説明する。
前側安全フレーム12を左右下部前側安全フレーム12a,12aと上部前側安全フレーム12bとに分割構成している。左右下部前側安全フレーム12a,12aの下部をブラケット12c,12cを介して走行車体1の左右両側にボルト・ナットで固着している。上部前側安全フレーム12bを正面視で逆U字型に構成し、その左右下端部を左右下部前側安全フレーム12a,12aの上端部に左右方向の軸回りに回動自在に軸支し、上部前側安全フレーム12bを上方へ突出回動した安全フレーム機能状態、あるいは、前方へ回動した燃料供給状態で固定できるように構成している。
【0016】
上方突出状態の上部前側安全フレーム12b下側部の後側面には、燃料載置台15の載置面を左右方向に沿わせて取り付けている。この燃料載置台15を長方形状の板体で構成し、上部前側安全フレーム12bの下側部に長手方向に沿わせて長方形状の板体を取り付け、長方形状の板体を正面視で左右フェンダ7,7の幅内に納め、上部前側安全フレーム12bが前方へ突出回動した状態でボンネット2の後側部左右一側に燃料載置台15が略水平状に形成されるように構成している。
【0017】
しかして、上部前側安全フレーム12bを前方へ突出回動すると、ボンネット2の左右一側に燃料載置台15が形成され、燃料ポリタンク16を載置することにより、ボンネット2の後側部に位置する燃料タンク(図示省略)に燃料を楽に供給することができる。また、既存の前側安全フレーム12を利用して燃料載置台15を構成することができ、コストの低減を図ることができる。また、ボンネット2に燃料ポリタンク16を載置することもなく、ボンネット2を傷つけるようなこともなく燃料を楽に給油することができる。
【0018】
次に、図3及び図4に基づき燃料載置台15の他の実施例について説明する。
下部前側安全フレーム12aの上部左右一側には、載置面を左右方向に沿わせた状態の燃料載置台15上端部を左右方向の18軸回りに回動自在に取り付けている。そして、支持手段19により、燃料載置台15を左右前側下部安全フレーム12a,12aのいずれかに長手方向の沿った接触収納状態で支持したり、あるいは、燃料載置台15を水平状態の燃料ポリタンク16の載置状態で固定できるようにしている。
【0019】
前記構成によると、燃料載置台15を水平回動した状態に支持手段19で支持することにより、燃料ポリタンク16を載置し、燃料タンクに燃料を楽に給油することができる。また、既存の前下がり傾斜状の下部前側安全フレーム12aを利用して燃料載置台15を取り付けたので、コストを低減することができる。また、機体低位の前側下部安全フレーム12aの長手方向に沿わせて燃料載置台15を収納することができ、オペレータの視界を妨げるようなこともなく安全である。
【0020】
次に、図5及び図6に基づき燃料載置台15の他の実施例について説明する。
上部前側安全フレーム12bの下側部左右一側にU型ナット21,21により燃料載置台15の一端を回動自在に支持している。そして、上部前側安全フレーム12bが上下方向に沿った安全フレーム機能状態では、燃料載置台15の板面を前後方向且つ上下方向に沿わせて係止し、オペレータの視界を良好にすることができる。また、燃料載置台15の板面を左右方向で且つ水平状に回動係止し、燃料ポリタンク16を載置し燃料給油状態にするように構成している。
【0021】
前記構成によると、既存の上部前側安全フレーム12bに燃料載置台15を取り付けたので、コストを低減することができる。また、上部前側安全フレーム12bに対して燃料載置台15を前後方向に沿うように回動し収納すると、オペレータの視界を妨げるようなこともなく安全である。
【0022】
次に、図7及び図8に基づき前側安全フレーム12を利用したハンドキャッチャ24について説明する。
前側安全フレーム12の左右両側にハンドキャッチャ24,24を左右両側に突出するように取り付けている。しかして、トラクタの乗降の際に、ハンドキャッチャ24,24を手でつかむことにより、安全に乗降することができる。
【0023】
次に、図9及び図10について他の実施例について説明する。
前側安全フレーム12を左右下部前側安全フレーム12a,12aと上部前側安全フレーム12bとに分割構成し、上部前側安全フレーム12bの左右下端部を左右下部前側安全フレーム12a,12aの上端部に左右方向の軸回りに回動自在に軸支し、上部前側安全フレーム12bを上方へ回動した安全フレーム機能状態としたり、あるいは、前方へ突出回動した状態で係止できるように構成している。
【0024】
そして、上部前側安全フレーム12bの下部左右両側には左右に膨出するようにハンドキャッチャ24,24を取り付けている。そして、上部前側安全フレーム12bを前方へ突出回動すると、ボンネット2の左右両側に水平面状のハンドキャッチャ24,24が位置する。ハンドキャッチャ24,24に燃料ポリタンク16を載置することにより、燃料タンクに燃料を楽に給油することができる。
【0025】
次に、図11に基づきミッションケース3への中央カバー26、左右ステップ27,27及び左右補助ステップ28,28の取付構成について説明する。
ミッションケース3にはマウントフレーム29を載置しボルト・ナットで取り付けている。マウントフレーム29の低位の前側部左右中央部に中央カバー26を取り付けミッションケース3の上部を被覆している。マウントフレーム29の前側部左右両側部に左右ステップ27,27を取り付けている。また、マウントフレーム29の低位の左右両側部29a,29aには前後取付ステー28a,28aを左右外側ほど下り傾斜状に側方へ延出し、その左右両側端に左右補助ステップ28,28を取り付けている。しかして、左右補助ステップ28,28は左右ステップ27,27の下方で且つ左右側方に位置している。そして、ミッションケース3の下部左右両側から左右補強ステー30,30を延出し、その左右両側部を例えば左右前取付ステー28a,28aに連結し、左右補助ステップ28,28を補強している。
【0026】
前記構成によると、オペレータが左右補助ステップ28,28を利用して乗降する際のひずみを左右補強ステー30,30で抑制し、揺れを少なくすることができる。また、補助ステップ28,28の構成部材自体でひずみを抑制しようとすると、補助ステップ28,28が強固な構成となりコスト高となるが、このような不具合も解消することができる。
【0027】
また、図12に示すように、前記左右補強ステー30,30の左右外側部だけを左右補助ステップ28,28の左右前取付ステー28a,28aに固着し、左右前取付ステー28a,28aの内側端部のミッションケース3への取り付けを省略し、通常はミッションケース3と左右前取付ステー28a,28aの内側端部との間にすき間ができるようにしておく。そして、オペレータが左右補助ステップ28,28に乗降する際に、左右前取付ステー28a,28aの内側端部がミッションケース3に当接し、ひずみを抑制するようにしてもよい。
【0028】
次に、図13に示すように、左右補強ステー30,30の左右外側部だけを左右補助ステップ28,28の左右前取付ステー28a,28aに固着し、左右前取付ステー28a,28aの内側端部にゴム製のインシュレータ31を取り付け、インシュレータ31をミッションケース3に当接するようにしてもよい。
【0029】
次に、図14に基づき他の実施例について説明する。
ミッションケース3にマウントフレーム29を載置しボルト・ナットで取り付け、マウントフレーム29の低位の前側左右中央部29aに中央カバー26を取り付けてミッションケース3の上部を被覆している。マウントフレーム29の低位の前側左右両側部29b,29bに左右ステップ27,27を取り付けている。
【0030】
また、ミッションケース3の左右両側下部から左右補助ステップフレーム32,32を左右両側に延出し、その端部に補助ステップ28,28を取り付けている。上下左右補助ステップフレーム32,32の左右両側上側部に調節ボルト33,33を設け、調節ボルト33,33の上端部で左右ステップ27,27の下面を支持し、上下調節自在に構成している。
【0031】
左右補助ステップフレーム32,32の左右方向に延出する部分32a,32aには、側面視断面角型の補強板体32b,32bを被覆して固着している。また、図15に示すように、ミッションケース部3にチャンネル状補強部材37,37をボルト・ナットで固着し、補強部材37,7により左右補助ステップフレーム32,32の内側端部を下方から支持し、補助ステップ28,28の下方への歪みを抑制するようにしている。
【0032】
また、ミッションケース3の下部にはブラケットを介してブレーキ支持パイプ34を左右方向に沿うように支持し、ブレーキ支持パイプ34にブレーキ装置のブレーキ軸35を支架している。そして、このブレーキ軸35の左右両端部に左右ストッパ棒36,36を取り付け、左右ストッパ棒36,36の左右端部を補助ステップフレーム32,32の下部内側に当接し、オペレータが乗降する際の左右補助ステップ28,28のひずみを抑制するようにしている。
【0033】
次に、図16に基づき前側下部安全フレーム12における上部前側安全フレーム12bの回動支持構成について説明する。
左右左右前側下部安全フレーム12a,12aの上端部には左右取付板41,14を設け、左右取付板41,41の前側部に上部前側安全フレーム12bの左右下端部を左右方向の軸41aにより上下回動自在に軸支している。この上部前側安全フレーム12bの下端部には左右レバー支持板45,45を設け、左右レバー支持板45,45の支持穴にロックレバー42を左右方向に摺動自在に取り付けている。そして、このロックレバー42を、左右レバー支持板45,45及び左右取付板41,41の穴に左右摺動自在に支持されている直線状軸支部42aと、該直線状軸支部42aの一端に取り付けられている屈曲レバー部42bとで構成している。
【0034】
そして、この直線状軸支部42aにはバネ44を介装し、ロックレバー42の直線状軸支部42aを左右レバー支持板45,45及び左右取付板41,41の穴に挿入支持しがちに付勢している。また、左右取付板41,41の一方には上部前側安全フレーム12bを上方突出回動状態でロックする第1係止孔41bを設け、直線状軸支部42aの先端を第1係止孔41bに挿入すると、上部前側安全フレーム12bを上方へ突出回動した安全フレーム機能状態で固定することができる。また、左右取付板41,41の一方には上部前側安全フレーム12bを前方突出回動状態でロックする第2係止孔41cを設け、直線状軸支部42aの先端を第2係止孔41cに挿入すると、上部前側安全フレーム12bを前方への突出回動状態で固定することができる。
【0035】
また、直線状軸支部42aにをバネ44に抗して移動し、直線状軸支部42aの先端を左右取付板41,41の穴から外し、屈曲レバー部42bの先端を左右レバー支持板45の内側面に接触支持させると、直線状軸支部42aの先端を左右取付板41,41の穴から外し状態を維持することができ、屈曲レバー部42bの直線状軸支部42a回りの回動が容易となり、ロックレバー42の操作を容易にしている。
【0036】
また、左右取付板41,41の底部には上下方向に沿わせたボルト47を螺合し突出量を調節可能に構成している。しかして、上部前側安全フレーム12b側の左右レバー支持部45,45の底部と左右取付板41,41の底部との間のすき間をなくし、上部前側安全フレーム12bのがた止めをすることができる。
【0037】
また、左右取付板41,41及び左右レバー支持部45,45をフェンダ7の上面よりも上方に位置するように構成し、図16(F)に示すように、左右取付板41,41の一側面には左右方向のボルト48を螺合して設け、左右レバー支持部45,45の一側にはナット48aを設けている。しかして、ボルト48をナット48aに螺合し締結することにより、左右レバー支持部45,45と左右取付板41,41の側面にすき間をなくし、上部前側安全フレーム12bをがた止めしながら支持するようにしている。
【0038】
なお、前記ロックレバー42をボルトに置換し、左右前側下部安全フレーム12a,12aに上部前側安全フレーム12bを固定するようにしてもよい。
次に、図17及び図18に基づきパーキングブレバー52の取付構成について説明する。
【0039】
図17はパーキングレバー52の第1型式を示すものである。ミッションケース3の前側下部にブレーキぺダル軸53を左右方向に沿わせて設け、ブレーキぺダル軸53にブレーキぺダル54を取り付け、ブレーキぺダル軸53のアーム53aからブレーキ作動手段を介して左右後輪5,5のブレーキ装置に連繋している。ミッションケース3の後側上部にパーキングブレーキ軸51を設け、パーキングブレーキ軸51にパーキングレバー52を取り付けている。パーキングブレーキ軸51のアームとブレーキぺダル軸53のアームとを連繋し、シート下方のシートパネル58の穴からパーキングレバー52の前側操作部を前方へ突出し、パーキングレバー52によりブレーキぺダル軸53をブレーキ制動位置、あるいは、解除位置に操作可能に構成している。
【0040】
次に、図18に基づきパーキングレバー52の第2型式について説明する。
ミッションケース3には前記実施例と同様にブレーキぺダル軸53、ブレーキぺダル54を設け、左右後輪5,5のブレーキ装置を作動するように構成している。ハンドルフレーム10にパーキングレバー52を設け、パーキングレバー52とブレーキぺダル軸53を連繋し、ブレーキぺダル軸53をブレーキ制動位置、あるいは、解除位置に操作可能に構成している。
【0041】
次に、図19に基づきパーキングレバー52の第3型式について説明する。この第3型式はパーキングレバー52をシート6下方のマウントフレーム29に設けるコスト削減型である。
【0042】
ミッションケース3には前記実施例と同様にブレーキぺダル軸53、ブレーキぺダル54を設け、左右後輪5,5のブレーキ装置を作動するように構成している。ミッションケース3の後側上部のマウントフレーム29にパーキングブレーキ軸51を架設し、パーキングブレーキ軸51にパーキングレバー52を取り付け、パーキングブレーキ軸51とブレーキぺダル軸53とを連繋している。そして、シート6下方のシートパネル58における前記第1型式と同様に構成した穴からパーキングレバー52の前側操作部を前方へ延出している。このように構成することにより、ミッションケース3、シート6、シートパネル58を共用化し、コストの低減を図りながらパーキングレバー52の第3型式を設定することができる。
【0043】
次に、図20について説明する。ミッションケース3を前側ミッションケース3aと後側ミッションケース3bとに分割構成し、前側ミッションケース3aの後側フランジ3cと後側ミッションケース3bの前側フランジ3dとをボルト・ナットで締結し一体化している。そして、オートクルーズレバー61に接続されているオートクルーズ解除用のワイヤ62を前側フランジ3c及び後側フランジ3dの穴に挿通支持して前側に延長し、ワイヤ62の前側端部を前記ブレーキ軸51のアーム51aに接続している。このように構成すると、オートクルーズレバー61に接続されているオートクルーズ解除用のワイヤ62の支持構成を簡単化し、コストの低減を図ることができる。
【0044】
ミッションケース3にはマウントフレーム59を載置してボルト・ナットで取り付け、このマウントフレーム59の低い前側フレーム部59aに構成して中央カバー26を取り付け、高い後側フレーム部59bにシート(図示省略)を取り付けている。そして、この後側フレーム部59bに取り付けているプレート60にパーキングレバー52を取り付けてもよい。
【0045】
次に、図21について説明する。ミッションケース3にはゴムマウント65,…を介してマウントフレーム59を取り付け、ミッションケース3の下部にはブレーキぺダル54を軸支し、ブレーキぺダル54には復帰用バネを介装してブレーキぺダル54を上方へ回動しがちに付勢している。そして、前記ゴムマウント65に支持してマウントフレーム59の下部にブレーキぺダル停止用のインシュレータ66を取り付け、ブレーキぺダル54の上方への復帰回動を規制している。前記構成によると、ゴムマウント65に支持されているマウントフレーム59にブレーキぺダル停止用のインシュレータ66を取り付けたので、ブレーキぺダル54の復帰遊び量を安定させることができる。
【符号の説明】
【0046】
2 ボンネット
3 ミッションケース
7 左右フェンダ
11 ステアリングハンドル
12 前側安全フレーム
12a 左右下部前側安全フレーム
12b 上部前側安全フレーム
15 燃料載置台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッションケース部(3)の前方にエンジンを備え、エンジンを被覆するボンネット(2)内に燃料タンクを備え、ボンネット(2)の後方にステアリングハンドル(11)を備えた作業車両において、前記ミッションケース(3)における前記ステアリングハンドル(11)の前方左右両側に前側安全フレーム(12)を設け、該前側安全フレーム(12)を下部前側安全フレーム(12a,12a)と上部前側安全フレーム(12b)とに分割構成して互いに左右方向の軸回りに回動自在に軸支し、上部前側安全フレーム(12b)を上方へ突出回動した安全フレーム機能状態、あるいは、前方突出回動状態に変更可能に構成し、前記上部前側安全フレーム(12b)には前方突出回動状態で水平状になる燃料載置台(15)を設けたことを特徴とする作業車両の燃料給油補助装置。
【請求項2】
ミッションケース部(3)の前方にエンジンを備え、エンジンを被覆するボンネット(2)内に燃料タンクを備え、ボンネット(2)の後方にステアリングハンドル(11)を備えた作業車両において、前記ミッションケース(3)における前記ステアリングハンドル(11)の前方左右両側に前側安全フレーム(12)を設け、該前側安全フレーム(12)におけるボンネット(2)の上側端部より下方部位に、載置面を水平状態としたり、あるいは、運転姿勢のオペレータの前輪(4)に向けた視線方向に沿うように変更できる燃料載置台(15)を設けたことを特徴とする作業車両の燃料給油補助装置。
【請求項3】
ミッションケース部(3)の前方にエンジンを備え、エンジンを被覆するボンネット(2)内に燃料タンクを備え、ボンネット(2)の後方にステアリングハンドル(11)を備えた作業車両において、前記ミッションケース(3)における前記ステアリングハンドル(11)の前方左右両側に前側安全フレーム(12)を設け、該前側安全フレーム(12)を下部前側安全フレーム(12a,12a)と上部前側安全フレーム(12b)とに分割構成して互いに左右方向の軸回りに回動自在に軸支し、上部前側安全フレーム(12b)を上方へ突出回動した安全フレーム機能状態、あるいは、前方突出回動状態に変更可能に構成し、前方突出回動状態の前記上部前側安全フレーム(12b)には、載置面を水平状態としたり、あるいは、載置面を上下方向で且つ前後方向に沿うように変更できる燃料載置台(15)を設けたことを特徴とする作業車両の燃料給油補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−30648(P2012−30648A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170675(P2010−170675)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】