説明

作業車両

【課題】静油圧式無段変速装置の作動を機械的連動機構でなく電子制御機構により行い、しかも常に正確に静油圧式無段変速装置を作動可能な走行車両を提供すること。
【解決手段】静油圧式無段変速装置8のトラニオン軸8aの回動用油圧シリンダ6のピストンロッド6aのストローク長さが最大値になった時にトラニオン軸8aの回動角度を中立に戻す要求があっても所定時間内はピストンロッド6aのストローク長さを最大値のままに保留する制御を行うことで、ピストンロッド6aのストロークエンドの検出精度を高めて安定した作業車両の走行を実行できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、静油圧式無段変速装置と噛合式変速装置からなる変速装置を有する農業用、建築用、運搬用等のトラクタなどの作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ等の作業車両において、主変速装置の変速方式として静油圧式無段変速装置の可変容量型の油圧ポンプの可動斜板を主変速レバーと連動連結して、該主変速レバーを回動することにより油圧ポンプからの吐出量を変更して出力回転数を変更する変速方式が知られている。
【特許文献1】特開2005−233260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1記載のトラクタなどの走行車両では手動操作具による静油圧式無段変速装置の作動を機械的連動機構により行っている。前記手動操作具と機械的連動機構により機械的に静油圧式無段変速装置を作動させる場合は、長年使用するうちに機械的連動機構等にずれが生じたり、部品の摩耗が生じるので、正常に作動させるために頻繁にメンテナンスを繰り返す煩わしさがあった。
【0004】
本発明の課題は、静油圧式無段変速装置の作動を機械的連動機構でなく電子制御機構により行い、しかも常に正確に静油圧式無段変速装置を作動可能な走行車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、エンジンと、該エンジンの動力を回動角度を調整して出力するトラニオン軸(8a)を有する静油圧式無段変速装置(8)と、静油圧式無段変速装置(8)のトラニオン軸(8a)の回動角度をピストンロッド(6a)のストローク長さで決めるトラニオン軸回動用油圧シリンダ(6)と、該トラニオン軸回動用油圧シリンダ(6)のピストンロッド(6a)のストローク長が最大になったことを検出するストローク長さ検出センサ(7s)と、前進時に踏み込む前進ペダル(1a)及び後進時に踏み込む後進ペダル(1b)と、前進ペダル(1a)及び後進ペダル(1b)の踏み込み位置を検出するペダルセンサ(3s)と、該ペダルセンサ(3s)で検出する前進ペダル(1a)又は後進ペダル(1b)の踏み込み位置に対応してトラニオン軸回動用油圧シリンダ(6)のピストンロッド(6a)のストロークによりトラニオン軸(8a)の回動角度の調整を行い、かつ前記ストローク長さ検出センサ(7s)がピストンロッド(6a)のストローク長さが最大値になったことを検出中にトラニオン軸(8a)の回動角度を中立に戻す要求があっても所定時間内はピストンロッド(6a)のストローク長さを最大値のままに保留する制御を行う制御装置(5)とを設けた作業車両である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の制御装置(5)は、静油圧式無段変速装置(8)のトラニオン軸回動用油圧シリンダ(6)のピストンロッド(6a)のストローク長さが最大値になった時にトラニオン軸(8a)の回動角度を中立に戻す要求があっても所定時間内はピストンロッド(6a)のストローク長さを最大値のままに保留する制御を行うことで、ピストンロッド(6a)のストロークエンドの検出精度を高めて安定した作業車両の走行を実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施例を図面と共に説明する。
無段変速式作業車両の一例であるトラクタは、図9の平面図(a)及び側面図(b)に示すように、操縦部のフロア位置に静油圧式無段変速装置を内設したトランスミッション1を搭載し、その側方位置に前進ペダル1a及び後進ペダル1bを配置する。トランスミッション1は、エンジン(図示せず)から伝動される走行動力を無段階に変速して走行車輪に伝えて前後進走行車速を調節し、このトランスミッション1をそれぞれのペダル踏み込み操作に応じて変速制御するための伝動速度制御装置(図示せず)を設ける。
【0008】
図1は、無段変速式作業車両の伝動速度制御装置のシステム構成図である。この伝動速度制御システムは、踏み込み操作可能に配置した前進ペダル1a及び後進ペダル1bの踏み込み動作を検出する入力側と、ペダル操作と対応するように、静油圧式無段変速装置8の速度調節部を目標速度位置に調節駆動する出力側と、入力側の検出信号に基づいて出力側の機器制御処理を行うコントローラ5とから構成される。
【0009】
前記伝動速度制御システムの入力側は、前進ペダル1a及び後進ペダル1bと、それぞれのペダル1a、1bに共通した回動中心である支軸1cと連結するロッド2a、2bと、これらロッド2a,2bの進退動作を共通の回転軸3cについて互いに異なる方向の回動動作に変換するクランクレバー3a,3bと、これらクランクレバー3a、3bの回動角によってペダル1a、1bの踏み込み位置を検出するペダルセンサ3sなどから構成されている。また前記伝動速度制御システムの入力側には、そのほかに必要に応じて車速センサ4a、図示しないエンジンの出力に対応したエンジンスロットル弁の開度を検出するスロットルセンサ4b、油圧シリンダ6を作動させる油温を検出する油温センサ4c等を設けることができ、各センサ4a〜4cのそれぞれの検出信号をデジタルコントローラ等からなる伝動速度制御部5に入力する。
【0010】
前記伝動速度制御システムの出力側は、電磁式油圧制御弁9によって伸縮動作するアクチュエータである油圧シリンダ6と、そのピストンロッド6aの伸縮動作を受けて支軸7aについて回動動作するクランクレバー7と、このクランクレバー7の回動角によってトラニオン軸8aによる速度調節部の回動位置を検出するトラニオンセンサ7sと、同クランクレバー7からロッド7bを介して連結する静油圧式無段変速装置8とから構成する。この静油圧式無段変速装置8は、静油圧式前後進静油圧式無段変速装置であり、その速度調節部であるトラニオン軸8aの回動角度によって伝動速度が調節されることにより作業車両の前後進と走行速度を無段階に調節する。
【0011】
伝動速度制御部5の入力側の具体的な構成例を図2の斜視図で示す。図2に示すように、前進ペダル1aと後進ペダル1bとそれら操作を検出するペダルセンサ3sとペダル1a,1bとペダルセンサ3sの間の次に記す連結部材を単一のペダルリンクユニットとして構成する。
【0012】
図3の側面図に示すように、ペダルリンクユニットの内部には静油圧式無段変速装置8を内設し、トラクタ等の作業車両の車速を調節するトランスミッション1の側方部において、前進ペダル1a及び後進ペダル1bが共通の支軸1cに軸支され、互いに近接して並行配置され、それぞれのペダル1a,1bの動きを支軸1cに一端が固着したアジャスタ付きのロッド2a,2bに伝え、さらに該ロッド2a,2bの他端に一端が連結したクランクレバー3a,3bを作動させる。クランクレバー3a,3bの他端は共通の回転軸3cに互いに反対側から連結しており、ロッド2a又はロッド2bの進退動作を回転軸3cにより互いに異なる方向の回動動作に変換し、回転軸3cに一体に設けた作用アーム3eが作動すると、これに連動するペダルセンサ3sが回転軸3cの揺動角度、即ち、前進ペダル1a及び後進ペダル1bの踏み込み量を検出する。
【0013】
前記ペダル1a,1b、ペダルセンサ3s及びロッド2a,2bは、トランスミッション1に対してマウント支持されたフロアFに取り付けられているので、トランスミッション1からの振動、即ち、機体側からの振動が抑制され、ペダルセンサ3sの検出精度が向上する。
【0014】
上記ペダルリンクユニットの入力側のユニットにおいて、前進ペダル1aと後進ペダル1bの内の一方を踏み込み操作すると、対応するロッド2a,2b及びクランクレバー3a,3bを介して回転軸3cが回動し、回転軸3cの作用アーム3eを介してペダルセンサ3sがペダル踏み込み操作と対応する回転軸3cの回動角度を検出する。また、前進ペダル1aと後進ペダル1bの内の他方を踏み込み操作すると、対応するクランクレバー3a、3bが前記した回転軸3cの回転方向と逆方向に回動し、その結果ペダルセンサ3sにより逆方向の回動角度が検出される。
【0015】
上記ペダルリンクユニットの出力側のユニットにおいては、図4の側面図に示すようにトランスミッション1の側面部に沿って油圧シリンダ6が配置され、そのピストンロッド6aと連結するクランクレバー7が支軸7aによって軸支され、このクランクレバー7の揺動角度を検出するトラニオンセンサ7sの一端が該レバー7に係止されている。クランクレバー7にはロッド7bの一端が連結し、該ロッド7bの他端にトランスミッション1のトラニオン軸8aと一体のクランクレバーであるトラニオンアーム8bが連結している。これらペダルリンクユニットの出力側のユニットはトランスミッション1の側面部に取り付けられている。
【0016】
このように出力側のユニットは上記入力側のユニットと並列位置に配置される。また、トラニオンアーム8bにはカム8cを形成し、トラニオンアーム8bをニュートラル位置に復帰させるようにニュートラルスプリング8dによってカム8cに作用するニュートラルアーム8eが取り付けられている。
【0017】
上記ペダルリンクユニットの出力側のユニット構成により、油圧制御される油圧シリンダ6のピストンロッド6aが進退動作するとクランクレバー7とロッド7bを介してトラニオンアーム8bと一体のトラニオン軸8aが回動されてトランスミッション1に内設した静油圧式無段変速装置8の可変油圧モータ(図示せず)の斜板が回動して伝動速度が調節され、トラニオン軸8aの調節位置を検出するトラニオンセンサ7sの信号に基づいて油圧シリンダ6を伸縮制御することにより、所要の速度調節が可能となる。また、油圧シリンダ6の制御油圧を開放すると、ニュートラルアーム8eの作用力を受けるカム8cによりトラニオンアーム8bが所定の中立位置に戻されて機体走行が停止される。
【0018】
前進ペダル1a及び後進ペダル1bの踏み込み操作をペダルセンサ3sが検出すると、伝動速度制御部5は、ペダルセンサ3sの検出信号に応じてトラニオン軸8aの目標速度位置を決定し、トラニオン軸8aが目標速度位置に等しくなるまでトラニオンセンサ7sの信号に基づいて油圧シリンダ6を電磁式油圧切替(制御)弁9によって作動制御する。その結果、ペダル操作に応じて機体の走行車速を調節することができる。
【0019】
上記伝動速度制御部5は、その検出側の構成により共通のペダルセンサ3sを介して前進ペダル1a及び1bの個々の踏み込み動作量が検出されることから、個別ペダル仕様による2つのペダル1a,1bの踏み込み量に応じて無段階に車速調節をするための伝動速度制御装置を簡易な構成として、共通の操作性を確保しつつ、製造コストおよびメンテナンス負荷を軽減することができる。
【0020】
本実施例では、作業者が前進ペダル1a又は後進ペダル1bの踏み込みを行うことで静油圧式無段変速装置8のトラニオン軸8aの作動用の油圧シリンダ6のピストンロッド6aのストロークエンドをトラニオンセンサ7sが検出している間であるとき(完全に踏み込んでトラニオン軸が最大回動位置にあるとき)、油圧シリンダ6をトラニオン軸8aが中立側に移動されるように出力要求があっても、この出力要求を無視して所定の時間内ではストロークエンド検出を続行する制御を伝動速度制御部5が行う構成とする。
【0021】
この油圧シリンダ6のストロークエンドのトラニオンセンサ7sによる検出は、エンジンが駆動しているときに行なう構成とする。エンジンが駆動していない状態であっても電源が入りのときはセンサ7sからの信号が入ってくるが、エンジンと直結の油圧ポンプが動いていないためこの信号では誤検出となる。そこで、エンジンが停止状態のときの情報は無視する構成とする。
【0022】
また、図4に示すように静油圧式無段変速装置8の油圧シリンダ6による作動をアシストするアシストバルブ12をトランスミッション1のケースを含む周辺部材の下部に配置することで、トランスミッション1のケースの下部油圧ホースの配索が容易になり、またオプション設定も容易に行える。
【0023】
また、図5に本実施例の走行車両の油圧回路の一部を示すが、該油圧回路において静油圧式無段変速装置8を作動させる油圧シリンダ6の油圧制御が不能になった場合はニュートラルバルブ13を介して油圧シリンダ6の圧力を抜くことによりトラニオン軸8aをニュートラルにして、車両を緊急停止させることができる。
【0024】
これは本実施例の車両が、メインクラッチなどの機械的手段で静油圧式無段変速装置8の作動用のエンジン動力を遮断する構成を備えてなく、車両走行停止手段はブレーキのみであり、エンジンと車輪との動力伝達を物理的に切断できないため、油圧回路のニュートラルバルブ13を介して油圧シリンダ6の圧力を抜くことによりトラニオン軸8aをニュートラルにして、車両を停止させる構成を採用するものである。
【0025】
前進ペダル1a,後進ペダル1bの踏み込み速度と図5に示す油圧シリンダ6の前後進切替用の電磁式油圧切替(制御)弁9のソレノイドを流れる電流値の関係のイメージを図6に示すが、ペダル1a,1bの踏み込み速度が大きいほど、前後進の電磁式油圧切替弁9のソレノイドを流れる電流値も大きくなる。
【0026】
副変速高速時と副変速中速時において、同じ速度で走行する場合、中速時の方が前進ペダル1a又は後進ペダル1bの踏み込み量が多くなる。この場合、ペダル1a又は1bから足を離して停止しようとすると、中立まで戻る時間が長くなるので目標の停止位置を通過してしまうおそれがある。
【0027】
前進ペダル1aと後進ペダル1bはリンク機構で連結されているため、目標の停止位置を通過しそうになると反対側のペダル1a又は1bを踏んで停止させる。このときには目標の停止位置と現在の機体との位置関係で短い停止距離で停止しなくてはならない場合は、速い速度で反対側のペダル1a又は1bを踏むことになる。
そこで、本実施例ではペダル1a,1bの操作速度が速いときに油圧出力制御を速くし、ペダル1a,1bの操作速度が遅いときに油圧出力制御を遅くする。
【0028】
図7(c)の斜視図に示すように、トラクタのサクション配管21bをトランスミッション1からメインポンプ22とサブポンプ23まで接続する場合にサクション配管21bの途中にサクションフィルタ(カートリッジ)24を設けるためサクション配管21bには途中で凹部状の折れ曲がり部が形成されるように配索する必要がある。その場合に、サクション配管21bの凹部状の折れ曲がり部にエアー溜まりができて、エアレーションを発生させることがある。
【0029】
そこで、図7(a)の斜視図に示すように、トラクタのサクション配管21aをトランスミッション1からポンプ22,23まで接続する場合にサクション配管21aにエア溜まりの生じるおそれのある凹部状の折れ曲がり部が形成されないようにし、またサクション配管21aの途中にサクションフィルタ24を取り付けないようにする。なお、このときサクションフィルタ21bの代わりにストレーナ25とストレーナハウジング26をサクション配管21aとトランスミッション1の間であってサクション配管21aと同一直線上に配置する。
【0030】
また、従来はトランスミッション1の図示しないリヤデフケースやリングギヤの回転によりエア混入の多い場所にストレーナ25を設けていたため、回路内に空気混入を発生し易かったが、図7(a)に示すようにトランスミッション1の外部へストレーナ25を設けることにより、取り出して直ぐのストレーナハウジング26内でエアーが浮かび上がるため、ポンプ22,23のエアー吸い込み量を少なくできる。具体的には図7(a)に示すようにトランスミッション1の油圧オイル吸出口にストレーナハウジング26を設けて、その内部にストレーナ25を設けて配管へつなぐ構成とする。
【0031】
近年は、トラクタの作業機の容量が大きくなり、それに伴って油圧回路内の油圧容量も多くなっている。それに反して、油圧制御弁を一つの油圧回路内に多用する傾向にあり、フィルタの目合いも細かくなっている。また、トランスミッション1のケースのコンパクト化、トランスミッション1で使用するギヤの回転の高速化もあり、オイル中のエアーも多くなってきている。このため、ギヤポンプでのエアレーションによる不具合も大きくなっている。
【0032】
そこで、図8の油圧回路の一部に示すように、トランスミッション1の構造悪化と油圧容量の増大に対応するため、従来のサクションフィルタ24のみを用いる油圧回路構造に対し、メインポンプ22の油圧系は30μm相当(550メッシュ)のストレーナ25のみとし、サブポンプ23の油圧系をパワーステアリング系としてポンプ直前に20μmのフィルタ28を設ける構成とし、エアレーションの発生を抑える。
【0033】
また、従来は、トランスミッション1内のオイルに泡の混入が多いため、一旦泡を吸い込むとそのままポンプ22,23まで流れ、エアレーションを発生することがあったので、本実施例では図7(a)に示すように、トランスミッション1から吸い込んだ作動油をストレーナハウジング26内で一旦流速を落としてエアーを分離し、分離したエアを戻す通路を設けトランスミッション1に戻す構成を採用する。
【0034】
こうして、トランスミッション1内の泡混入オイルから気泡を分離することによりエアレーションを少なくすると同時に、図7(b)のストレーナハウジング26の断面図に示すように、ストレーナハウジング26内の上部に気泡通路Aを設けて分離したエアをトランスミッション1内に返すことができる。
【0035】
前述のように、サブポンプ23の油圧系に専用の20μmのフィルタ28を追加して設ける構成とした。従来は、全油圧回路にメインフィルタを設ける構成としていたので、大きなフィルタになっており配置スペースの確保が難しかったがこのような不具合を防止できる。もちろん、サブポンプ23の油圧系以外の回路は30μm相当のストレーナ25で充分である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例の走行車両の無段変速式作業車両の伝動速度制御装置のシステム構成図である。
【図2】図1の走行車両の伝動速度制御部の入力側の具体的な構成例を示す斜視図である。
【図3】図1の走行車両のペダルリンクユニットの側面図である。
【図4】図3のペダルリンクユニット内の静油圧式無段変速装置の油圧シリンダよる作動アシスト構造図である。
【図5】図1の走行車両の油圧回路の一部を示す図である。
【図6】図1の走行車両のペダル踏み込み速度と油圧シリンダの前後進切替弁のソレノイドを流れる電流値の関係のイメージ図である。
【図7】図1の走行車両と従来技術のトラクタのトランスミッションとポンプの間に接続されるサクション配管の構造を示す斜視図(図7(a)、図7(c))と図7(a)に示すサクション配管の断面図(図7(b))である。
【図8】図1の走行車両の油圧回路の一部を示す図である。
【図9】無段変速式作業車両の一例であるトラクタの平面図(図9a)及び側面図(図9(b))である。
【符号の説明】
【0037】
1 トランスミッション 1a 前進ペダル
1b 後進ペダル 1c 支軸
2a、2b ロッド
5 コントローラ(伝動速度制御部)
3a,3b クランクレバー
3c 回転軸 3e 作用アーム
3s ペダルセンサ 4a 車速センサ
4b スロットルセンサ 4c 油温センサ
6 油圧シリンダ 6a ピストンロッド
7 クランクレバー 7a 支軸
7b ロッド 7s トラニオンセンサ
8 静油圧式無段変速装置 8a トラニオン軸
8b トラニオンアーム 8c カム
8d ニュートラルスプリング
8e ニュートラルアーム
9 電磁式油圧切替(制御)弁
12 アシストバルブ
13 ニュートラルバルブ
21a,21b サクション配管
22 メインポンプ 23 サブポンプ
24 サクションフィルタ(カートリッジ)
25 ストレーナ 26 ストレーナハウジング
28 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
該エンジンの動力を回動角度を調整して出力するトラニオン軸(8a)を有する静油圧式無段変速装置(8)と、
静油圧式無段変速装置(8)のトラニオン軸(8a)の回動角度をピストンロッド(6a)のストローク長さで決めるトラニオン軸回動用油圧シリンダ(6)と、
該トラニオン軸回動用油圧シリンダ(6)のピストンロッド(6a)のストローク長が最大になったことを検出するストローク長さ検出センサ(7s)と、
前進時に踏み込む前進ペダル(1a)及び後進時に踏み込む後進ペダル(1b)と、
前進ペダル(1a)及び後進ペダル(1b)の踏み込み位置を検出するペダルセンサ(3s)と、
該ペダルセンサ(3s)で検出する前進ペダル(1a)又は後進ペダル(1b)の踏み込み位置に対応してトラニオン軸回動用油圧シリンダ(6)のピストンロッド(6a)のストロークによりトラニオン軸(8a)の回動角度の調整を行い、かつ前記ストローク長さ検出センサ(7s)がピストンロッド(6a)のストローク長さが最大値になったことを検出中にトラニオン軸(8a)の回動角度を中立に戻す要求があっても所定時間内はピストンロッド(6a)のストローク長さを最大値のままに保留する制御を行う制御装置(5)と、
を設けたことを特徴とする作業車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−236186(P2009−236186A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81471(P2008−81471)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】