説明

作業車両

【課題】複数の作業機と通信を行う際の誤動作を防止した作業車両を提供する。
【解決手段】トラクタ10は、複数の作業機を接続可能である。また、トラクタ10は、通信制御ユニット36を備えている。通信制御ユニット36は、前記作業機と通信を行うことにより、当該作業機と連動した動作をトラクタ10に行わせることが可能である。そして、通信制御ユニット36は、各作業機とトラクタ10との前記連動の有無を設定可能であるとともに、当該設定を上書き可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両本体と、当該作業車両に接続された作業機と、の通信制御に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用トラクタのような作業車両は、その車両本体に作業機を連結して、当該作業機によって各種作業を行うことができるように構成されている。例えば特許文献1は、ロータリ、代掻き作業機などの作業機を連結することができるトラクタを開示している。また、特許文献1は、トラクタと、作業機と、の間でCAN(Controller Area Network)通信による情報のやり取りを行う構成を開示している。このように近年では、作業車両と作業機との間で通信を行うように構成されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−223105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように作業車両と作業機とが通信を行うことのメリットの1つに、作業車両の動作と作業機の動作とを連動させることができるという点が挙げられる。例えば、農業用トラクタでフロントローダ作業を行う場合には、フロントローダのコントローラ配線をトラクタの通信制御装置に接続して、フロントローダとトラクタとが相互に通信可能な状態とする。これにより、フロントローダの操作や動作に対してトラクタを連動して動作させることができる。また例えば、スプレーヤ作業を行う場合には、スプレーヤのコントローラ配線をトラクタの通信制御装置に接続して、スプレーヤとトラクタとが相互に通信可能な状態とする。これにより、スプレーヤの操作や動作に対してトラクタを連動して動作させることができる。
【0005】
ところで上記の場合、フロントローダのコントローラ配線とスプレーヤのコントローラ配線が両方ともトラクタの通信制御装置に接続されていると、当該通信制御装置は、何れの作業機と連動すれば良いのかわからないため、誤動作が発生するおそれがある。
【0006】
従来は、上記誤動作が発生するおそれがある場合には、作業を行わない作業機のコントローラ配線を、トラクタの通信制御装置から取り外すなどして対処していた。
【0007】
しかし、上記の対処法では、必要に応じてコントローラ配線を接続し直さなければならず、オペレータにとって負担が大きい。また、コントローラ配線を取り外すことをオペレータが忘れてしまう場合も有り得るため、誤動作を確実に防止することはできない。
【0008】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、複数の作業機と通信を行う際の誤動作を防止した作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本発明の観点によれば、複数の作業機を接続可能な作業車両において以下の構成が提供される。即ち、この作業車両は、通信制御部を備える。前記通信制御部は、前記作業機と通信を行うことにより、当該作業機と連動した動作を前記作業車両に行わせることが可能である。そして、前記通信制御部は、各作業機と前記作業車両との前記連動の有無を設定可能であるとともに、当該設定を上書き可能である。
【0011】
このように、各作業機との連動の有無を設定することにより、複数の作業機が接続されている場合であっても機能衝突が発生することを防止でき、誤動作を防ぐことができる。そして、当該設定を上書きすることにより、連動させる作業機を変更することができるので、コントローラ配線を接続し直すといった作業が必要なくなる。
【0012】
上記の作業車両において、前記作業機ごとに専用の個別操作具を取り付け可能であり、オペレータが当該個別操作具を操作することにより前記連動の有無を設定するように構成されることが好ましい。
【0013】
このように構成すれば、各作業機に操作具を設けるので、どの作業機と連動を行うように設定するのかわかり易くなり、設定ミスを低減することができる。
【0014】
上記の作業車両において、前記通信制御部は、前記作業車両の本体側で所定の条件が成立した場合には、上記連動を自動的に解除することが好ましい。
【0015】
例えば作業車両を路上走行させる時など、作業機を動作させる必要が無い場合においては、上記連動を自動的に解除させることにより、作業車両及び作業機が不必要な動作を行わなくなるので、安全性を向上させることができる。
【0016】
上記の作業車両は、前記作業機と連動して実現する機能を複数有しており、前記通信制御部は、機能衝突が生じる機能のみ、前記連動の有無の設定を上書きすることが好ましい。
【0017】
これにより、機能衝突するおそれがない機能は有効なままとなるので、利便性を向上させることができる。
【0018】
上記の作業車両は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、この作業車両は、前記作業機と連動して実現する機能を複数有するとともに、一括設定手段を有している。そして、前記通信制御部は、前記一括設定手段がオペレータによって操作された場合には、前記複数の機能についての連動の有無を作業機ごとに一括して設定する。
【0019】
これにより、一括設定手段を操作するだけで、作業機ごとに一括して連動の有無を設定できるので、連動の有無を機能別に設定する必要がなく、設定操作が簡単になる。しかも設定ミスを防止することができ、機能衝突を確実に防止することができる。
【0020】
上記の作業車両は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、この作業車両は、前記作業機と連動して実現する機能を複数有している。各作業機の前記個別操作具は、一括設定手段を有している。前記通信制御部は、何れかの作業機の前記一括設定手段がオペレータによって操作された場合には、当該作業機についての前記連動の有無を一括して設定する。
【0021】
これにより、一括設定手段を操作するだけで、複数の機能について一括して連動の有無を設定できるので、連動の有無を機能別に設定する必要がなく、設定操作が簡単になる。そして、各作業機の個別操作具が一括設定手段を有しているので、より直感的に設定操作を行うことができる。
【0022】
上記の作業車両は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、この作業車両は、運転座席を覆うキャビンを有する。前記キャビンの側面は、窓ガラス、窓ピラー、及び乗降ドアを有している。そして、前記個別操作具は、前記運転座席の座面よりも高い位置において、前記キャビンの前記窓ガラス、前記窓ピラー、又は前記乗降ドアの何れかに取り付け可能である。
【0023】
このように、個別操作具を窓や乗降ドアに取り付け可能とすることにより、作業車両が当初から備えている他の操作具と干渉することなく、個別操作具を配置することができる。そして、個別操作具を、運転座席の座面より上に配置することにより、運転座席に座ったオペレータが当該個別操作具を容易に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るトラクタの構成を示す側面図。
【図2】運転座席近傍の様子を示す側面図。
【図3】トラクタのCANの構成を示すブロック図。
【図4】ローダコントロールボックスの平面図。
【図5】スプレーヤコントロールボックスの平面図。
【図6】スプレーヤコントロールボックスに設定メニューを表示させた様子を示す図。
【図7】スプレーヤコントロールボックスで連動の有無を設定する様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に示すように、本実施形態に係る作業車両としての農業用トラクタ10は、オペレータが搭乗するためのキャビン11と、左右一対の前輪12及び後輪13と、を備えた車体を備えている。このトラクタ10の前後には、それぞれ作業機を連結可能に構成されている。例えば本実施形態では、図1で二点鎖線で示すように、車体前方にフロントローダ14、車体後方にスプレーヤ(農薬噴霧装置)15を連結する。
【0026】
トラクタ10は、駆動源としてのエンジン16と、当該エンジンの回転駆動力を変速して前輪12及び後輪13に伝える図略のHMT(油圧機械式無段変速機)を備える。HMTの構成は公知であるから詳細な説明は省略するが、エンジン16の回転駆動力を無段階に変速して出力することが可能な変速装置である。このHMTの変速比は、トラクタ10の運転座席の近傍に配置された変速レバー27(図2)を操作することにより変更することができる。以上の構成により、トラクタ10の車速を無段階で調整できるようになっている。
【0027】
また、トラクタ10は、エンジン16によって駆動される図略の油圧ポンプを備えている。この油圧ポンプからの圧油は、トラクタ10の前後に連結された作業機に供給することができるようになっている。
【0028】
フロントローダ14は、トラクタ10の車体に取り付けられるローダフレーム17と、ローダフレーム17に軸を介して連結されたリフトアーム18と、リフトアーム18の先端に軸を介して取り付けられたバケット19と、を有する。更に、フロントローダ14は、リフトアーム18を上下昇降するアームシリンダ20と、バケット19をダンプ又はスクイ動作させるためのダンプシリンダ21とを備えている。アームシリンダ20及びダンプシリンダ21は油圧シリンダとして構成されており、トラクタ10が備える前述の油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される。
【0029】
スプレーヤ15は、農薬タンク22と、複数の噴霧ノズル23を有するブーム24と、を備える。ブーム24は、旋回支点24aを支点として旋回することが可能に構成されている。図1では、ブーム24の長手方向がトラクタ10の車体の前後方向に沿うように折り畳まれた様子が示されているが、実際の作業時には、ブーム24の長手方向を車体左右方向に向けた状態(ブーム24を開いた状態)で、農薬タンク22内の農薬を各噴霧ノズル23から噴霧する。これにより、広い範囲に農薬を散布することができる。
【0030】
次に、本実施形態のトラクタ10の運転座席まわりの構成について、図2を参照して説明する。トラクタ10のキャビン11内には、図2に示すように、オペレータが搭乗するための運転座席25が設けられている。キャビン11の側面は、窓ガラス38、窓ピラー39、乗降ドア40等から構成されている。運転座席25の前方には操向ハンドル26が、運転座席25の側方近傍には、HMTの変速比を設定する変速レバー27が、それぞれ配置されている。オペレータは、この変速レバー27を傾動操作することにより、トラクタ10の車速を無段階に変更することができる。また、運転座席25の前方には、現在の車速など、トラクタ10の各種状態を表示する表示パネル30が配置されている。
【0031】
また、運転座席25の近傍には、フロントローダ14の設定・操作を行うための専用の個別操作具、即ちローダコントロールボックス28と、ジョイスティック29と、が配置されている。オペレータは、ローダコントロールボックス28を操作することにより、フロントローダ14に関する各種の設定を行うことができる。ジョイスティック29はフロントローダ14の操作具であり、前後左右に傾動操作することでフロントローダ14の上下昇降及びダンプ/スクイ動作が可能に構成されている。より具体的には、ジョイスティック29を前後に傾動操作することにより、アームシリンダ20を伸縮させて、リフトアーム18を上下に昇降させることができる。また、ジョイスティック29を左右に傾動操作することにより、ダンプシリンダ21を伸縮させて、バケット19の姿勢をダンプ姿勢(バケット19の先端が下を向いた姿勢)とスクイ姿勢(バケット19の先端が上を向いた姿勢)との間で変更することができるように構成されている。
【0032】
また、運転座席25の近傍には、スプレーヤ15の設定・操作を行うための専用の個別操作具、即ちスプレーヤコントロールボックス31と、ブーム位置コントロールボックス32と、散布バルブコントロールボックス33と、が配置されている。オペレータは、スプレーヤコントロールボックス31を操作することにより、スプレーヤ15に関する各種設定(単位面積あたりの農薬散布量など)を行うことができる。ブーム位置コントロールボックス32は、ブーム24の旋回、開閉、傾斜などを操作するためのものである。散布バルブコントロールボックス33は、噴霧ノズル23へ農薬を供給するバルブの開閉操作を行うためのものである。
【0033】
また、運転座席25の近傍には、トラクタ側コントロールボックス34が配置されている。オペレータは、トラクタ側コントロールボックス34を操作することにより、トラクタ10に連結された作業機に関する各種設定を行うことができる。
【0034】
上記のコントローラ(ローダコントロールボックス28、ジョイスティック29、スプレーヤコントロールボックス31、ブーム位置コントロールボックス32、トラクタ側コントロールボックス34など)は、オペレータが右手で操作し易い位置(具体的には、運転座席25の座面よりも高い位置で、かつ、キャビンの右半分)に配置されている。
【0035】
なお、トラクタ10において、車体前後の作業機はオプションであり、着脱可能である。従って、フロントローダ14及びスプレーヤ15の操作/設定を行うための専用の個別操作具はオプションであり、着脱可能となっている。
【0036】
ここで、トラクタ10は、もともと各種の操作具(例えば操向ハンドル26、変速レバー27など)を運転座席25の近傍に備えている。従って、フロントローダ14やスプレーヤ15の個別操作具をオプションとして後付けする際には、トラクタ10がもともと備えている操作具に干渉しない位置で、かつ、オペレータが操作し易い位置に配置しなければならない。
【0037】
そこで本実施形態においては、フロントローダ14やスプレーヤ15の個別操作具は、主にキャビン11の窓ガラス38や窓ピラー39、乗降ドア40などに取り付け可能に構成されている。即ち、窓ガラス38や窓ピラー39、乗降ドア40などには、トラクタ10がもともと備えている操作具は配置されていないので、ここにオプションの個別操作具を配置しても干渉することはない。しかも、窓や乗降ドアはキャビン11の側面を構成しており、運転座席25の側方に位置しているので、ここに個別操作具を配置することにより運転座席25に搭乗したオペレータが手をのばして操作し易い位置となるのである。
【0038】
より具体的には、ジョイスティック29は、乗降ドア40の把手40aに取り付けられている。また、スプレーヤコントロールボックス31は、吸盤等によって乗降ドア40のガラス面に取り付けられている。また、ローダコントロールボックス28は、吸盤等によって窓ガラス38に取り付けられている。また、ブーム位置コントロールボックス32は、窓ピラー39に取り付けられている。なお、散布バルブコントロールボックス33は、窓ガラス38と運転座席25との間の隙間の空いたスペースに配置されている。
【0039】
次に、本実施形態のトラクタ10のCAN(Controller Area Network)の構成について説明する。なお、CANとは、自動車等において機器間の相互通信に用いられる公知の規格であり、耐ノイズ性に優れ信頼性が高いなどの特徴がある。図3に示すように、本実施形態のトラクタ10には、CANによるネットワークが構成されている。このトラクタ10のネットワークには、エンジン16、HMT35、トラクタ側コントロールボックス34、表示パネル30等、トラクタ10が有する各構成が接続されている。また、トラクタ10のCANには、ネットワークの通信の制御を行う通信制御ユニット(通信制御部)36が接続されている。また、通信制御ユニット36は、トラクタ10の各構成(エンジン16やHMT35など)と通信を行うことにより、エンジン16の回転数や、HMT35の変速比などを制御することができるように構成されている。
【0040】
また図3に示すように、トラクタ10のCANには、フロントローダ14とスプレーヤ15が接続されている。具体的には、フロントローダ14のジョイスティック29及びローダコントロールボックス28が、CANを介してトラクタ10の各構成に接続されている。これにより、通信制御ユニット36は、ジョイスティック29によって行われたローダ操作に関する情報や、ローダコントロールボックス28で設定された内容に関する情報を取得することができる。また、スプレーヤ15は、CANインタフェース37を有しており、当該CANインタフェース37に、スプレーヤコントロールボックス31、ブーム位置コントロールボックス32、及び散布バルブコントロールボックス33が接続されている。そして、CANインタフェース37は、CANを介してトラクタ10の各構成に接続されている。これにより、通信制御ユニット36は、スプレーヤコントロールボックス31で設定された内容に関する情報や、ブーム位置コントロールボックス32で設定されたブーム24の状態に関する情報、散布バルブコントロールボックス33で設定されたバルブの状態に関する情報などを取得することができる。
【0041】
一方、通信制御ユニット36は、現在の車速、エンジン16の回転数など、トラクタ10に関する情報を、フロントローダ14及びスプレーヤ15に対して送信することができる。
【0042】
以上のように、フロントローダ14及びスプレーヤ15と、トラクタ10と、の間で相互に通信を行うことができるので、フロントローダ14の動作やスプレーヤ15の動作と、トラクタ10の各構成(エンジン16やHMT35など)の動作と、を連動させることができる。
【0043】
例えば、通信制御ユニット36は、フロントローダ14やスプレーヤ15の作動状態に応じて、トラクタ10のエンジン16の回転数やHMT35の変速比を自動的に調整するように制御を行う機能を有している。また例えば、通信制御ユニット36は、トラクタ10のエンジン16の回転数やHMT35の変速比に応じて、フロントローダ14やスプレーヤ15の動作を自動的に調整するように制御を行う機能を有している。また例えば、通信制御ユニット36は、フロントローダ14やスプレーヤ15で故障が発生したときには、当該故障の内容に対応した故障コードを、トラクタ10の表示パネル30に表示する機能を有している。
【0044】
以上のように、本実施形態のトラクタ10においては、当該トラクタ10と、車体前後の作業機(フロントローダ14及びスプレーヤ15)と、が相互に通信を行うことにより、作業機(フロントローダ14及びスプレーヤ15)とトラクタ10が連動して各種の機能を実現することができる。
【0045】
次に、本実施形態のトラクタ10において、複数の作業機と連動する際に発生し得る誤動作を防止するための構成について説明する。
【0046】
即ち、本実施形態のように、トラクタ10に対して複数の作業機(本実施形態の場合はフロントローダ14とスプレーヤ15)を接続していると、連動させる機能が機能衝突を起こして誤動作が発生することが考えられる。例えば、作業機の動作に連動させてトラクタ10のエンジン16の回転数(又はHMT35の変速比)を自動的に変更する制御を、フロントローダ14とスプレーヤ15の両方に連動させて行う場合、「エンジンの回転数(又はHMTの変速比)を自動的に変更する」という機能が、フロントローダ14とスプレーヤ15で衝突していることになる。この場合、エンジン16の回転数やHMTの変速比が、オペレータの意図しないタイミングで変更されてしまうことが有り得る。
【0047】
そこで本実施形態のトラクタ10において、通信制御ユニット36は、複数の作業機が接続されている場合に、何れの作業機にトラクタ10を連動させるか、の設定(連動設定)を行うことができるように構成されている。更に、この連動設定は上書き可能であり、状況に応じて随時変更することができるように構成されている。このように、トラクタ10と連動させる作業機を設定及び変更することができるので、当該設定を適切に行うことにより、トラクタ10に複数の作業機が接続されている場合であっても機能衝突により誤動作が発生することを防止できる。しかも、通信制御ユニット36における設定を変更するだけで機能衝突を避けることができるので、従来のようにコントローラ配線を取り外すなど作業を行う必要もない。
【0048】
なお、通信制御ユニット36は、車体前方の作業機(本実施形態の場合はフロントローダ14)とトラクタ10とを連動させることにより、様々な機能を実現することができる。また通信制御ユニット36は、車体後方の作業機(本実施形態の場合はスプレーヤ15)とトラクタ10とを連動させることにより、様々な機能を実現することができる。このように、通信制御ユニット36は、前後の作業機とトラクタ10とを連動させることにより、複数の機能を実現することができる。そこで、通信制御ユニット36は、各機能について個別に有効/無効を設定することができる。ただし、オペレータ自身が各機能の連動の有無を個別に設定しなければならないようでは、設定項目が膨大となるので、オペレータによる設定操作が面倒なものとなり設定ミスも発生し易くなる。
【0049】
そこで本実施形態の通信制御ユニット36は、作業機とトラクタ10とを連動させて実現する複数の機能の有効/無効を、作業機ごとに一括して変更可能に構成されている。この設定の変更は、オペレータがトラクタ側コントロールボックス34を操作することで行うことができる。従って、トラクタ側コントロールボックス34は、連動設定具であると言うことができる。より具体的には、トラクタ側コントロールボックス34は、図2に示すように、連動切換ボタン43を備えている。なお、トラクタ側コントロールボックス34は、連動切換ボタン43の他にも、各種操作ボタン、各種設定ダイアル等を備えているが、本発明には関係ないので説明は省略する。
【0050】
連動切換ボタン43は、車体前方の作業機(本実施形態の場合はフロントローダ14)、又は車体後方の作業機(本実施形態の場合はスプレーヤ15)の何れをトラクタ10と連動させるかを切り替えるボタンである。例えば、トラクタ10とスプレーヤ15が連動している状態で連動切換ボタン43を操作すると、トラクタ10とスプレーヤ15との連動を無効にして、トラクタ10とフロントローダ14との連動を有効にする。逆に、トラクタ10とフロントローダ14が連動している状態で連動切換ボタン43を操作すると、トラクタ10とフロントローダ14との連動を無効にして、トラクタ10とスプレーヤ15との連動を有効にする。
【0051】
より具体的に説明すると以下のとおりである。即ち、通信制御ユニット36は、連動切換ボタン43が操作されたときには、複数の機能についての連動の有無を、作業機ごとに一括して変更するように構成されている。この意味で、連動切換ボタン43は、一括設定手段であると言うことができる。例えば、スプレーヤ15とトラクタ10との連動が有効になっている状態で連動切換ボタン43が操作された場合には、通信制御ユニット36は、トラクタ10とフロントローダ14とを連動させて実現する複数の機能を一括して有効とし、トラクタ10とスプレーヤ15とを連動させて実現する複数の機能を一括して無効とする。一方、フロントローダ14とトラクタ10との連動が有効になっている状態で連動切換ボタン43が操作された場合には、通信制御ユニット36は、トラクタ10とスプレーヤ15とを連動させて実現する複数の機能を一括して有効とし、トラクタ10とフロントローダ14とを連動させて実現する複数の機能を一括して無効とする。
【0052】
このように、作業機とトラクタ10とを連動させて実現する複数の機能についての連動の有無を、作業機ごとに一括して変更することができるので、トラクタ10に搭乗したオペレータは、連動切換ボタン43を操作するだけで、トラクタ10に連動させる作業機を簡単に切り換えることができる。また、各機能ごとに有効/無効を設定する必要がないので、設定操作が簡単になり設定ミスの発生を防止することができる。しかも、連動切換ボタン43を操作して一方の作業機との連動を有効にすれば、他方の作業機とトラクタ10との連動は自動的に無効とされるので、両方の作業機と連動が有効になっているという状況が発生し得ない。従って、機能衝突が発生することを確実に防止することができる。
【0053】
なお、作業機とトラクタ10とを連動させて実現する機能の中には、他の作業機と機能衝突のおそれがないものも存在している。例えば、「スプレーヤ15の故障コードを表示パネル30に表示する機能」と「フロントローダ14の故障コードを表示パネル30に表示する機能」は、両立していても誤動作のおそれが無いばかりでなく、オペレータに対して作業機の故障をいち早く通知するという意味では、むしろ両方の機能が有効になっている方が好ましい。
【0054】
そこで通信制御ユニット36は、オペレータによって連動切換ボタン43が操作されたとき、機能衝突や誤動作のおそれがある機能のみ一括して連動設定を上書きし、機能衝突や誤動作のおそれが無い機能は有効なままにしておくように構成されていても良い。この構成によれば、誤動作のおそれがない機能については、連動切換ボタン43の操作の前後を通して有効となるので、利便性が向上する。
【0055】
また、上記連動設定は、トラクタ10側の連動切換ボタン43だけでなく、各作業機専用の個別操作具を操作することによっても変更することができる。
【0056】
例えば、トラクタ10とフロントローダ14とを連動させるように設定する操作は、当該フロントローダ14のローダコントロールボックス28によって行うことができる。ローダコントロールボックス28は、図4に示すように、フロントローダ14とトラクタ10とを連動させて実現する機能の有効/無効を一括して設定するローダ連動ボタン44を備えている。オペレータによってローダ連動ボタン44が操作されると、通信制御ユニット36は、トラクタ10とフロントローダ14とを連動させて実現する複数の機能を一括して有効とし、トラクタ10とスプレーヤ15とを連動させて実現する複数の機能を一括して無効とする。また、ローダ連動ボタン44が再度操作されると、通信制御ユニット36は、トラクタ10とフロントローダ14とを連動させて実現する複数の機能を一括して無効とする。
【0057】
このように、ローダ連動ボタン44を操作するだけで、フロントローダ14とトラクタ10とが連動して実現する複数の機能の有効/無効を一括して切り換えることができる。この意味で、ローダ連動ボタン44は一括設定手段であるということができる。このように、フロントローダ14の設定を行うための専用の個別操作具(ローダコントロールボックス28)によって、当該フロントローダ14とトラクタ10との連動を開始することができるので、オペレータにとって直感的な設定操作を実現できる。なお、ローダ連動ボタンの近傍には、トラクタ10との連動が有効になっている場合に点灯するインジケータ46が配置されている。オペレータは、このインジケータ46を確認することで、フロントローダ14とトラクタ10との連動が有効になっているか、無効になっているか、を把握することができる。
【0058】
また、ローダコントロールボックス28は、フロントローダ14とトラクタ10とが連動して実現する機能の有効/無効を個別に設定できる機能別設定ボタン45を複数有している。機能別設定ボタン45の何れかが操作されると、通信制御ユニット36は、当該機能別設定ボタン45に対応した機能のみ有効/無効を切り換え、他の機能の設定は変更しない。このように、本実施形態のトラクタ10では、作業機の個別操作具によって、連動の有無を機能ごとに設定することができるように構成している。この構成によれば、オペレータの必要に応じて各機能の有効/無効を細かく設定することができるので好適である。なお、各機能別設定ボタン45の近傍には、各機能別設定ボタン45に対応した機能が有効になっている場合に点灯するインジケータ47が配置されている。オペレータは、このインジケータ47を確認することにより、各機能が有効になっているか、無効になっているか、を個別に把握することができる。
【0059】
一方、トラクタ10とスプレーヤ15とを連動させるように設定する操作は、当該スプレーヤ15のスプレーヤコントロールボックス31によって行うことができる。スプレーヤコントロールボックス31は、図5に示すように、メニューボタン48と、決定ボタン49と、項目選択ボタン50と、を備えている。また、スプレーヤコントロールボックス31は、液晶ディスプレイ51を備えている。
【0060】
スプレーヤコントロールボックス31において、オペレータがメニューボタン48を操作すると、液晶ディスプレイ51に図6のような設定メニューが表示される。ここで、オペレータが項目選択ボタン50を操作することで「トラクタ連動」の項目を選択し、決定ボタン49を操作することで、トラクタ10とスプレーヤ15との連動の有無を設定するメニューが液晶ディスプレイ51に表示される(図7)。このメニューで連動ONが選択されると、通信制御ユニット36は、トラクタ10とフロントローダ14とを連動させて実現する複数の機能を一括して無効とし、トラクタ10とスプレーヤ15とを連動させて実現する複数の機能を一括して有効とする。また、前記メニューで連動OFFが選択されると、通信制御ユニット36は、トラクタ10とスプレーヤ15とを連動させて実現する複数の機能を一括して無効とする。
【0061】
このように、スプレーヤコントロールボックス31のメニューを操作するだけで、スプレーヤ15とトラクタ10とが連動して実現する複数の機能の有効/無効を一括して切り換えることができる。この意味で、スプレーヤコントロールボックス31は一括設定手段であるということができる。このように、スプレーヤ15の設定を行うための専用の個別操作具(スプレーヤコントロールボックス31)によって、当該スプレーヤ15とトラクタ10との連動を開始することができるので、オペレータにとって直感的な設定操作を実現できる。
【0062】
なお、スプレーヤコントロールボックス31においては、スプレーヤ15とトラクタ10とが連動して実現する機能の有効/無効を個別に設定できる機能別設定メニューを液晶ディスプレイ51に表示することもできるように構成されている。オペレータは、適宜操作を行うことにより、各機能の有効/無効を個別に設定することができる。このように、スプレーヤコントロールボックス31において、スプレーヤ15とトラクタ10とを連動させて実現する機能の有効/無効を、個別に設定することもできるように構成されている。
【0063】
ところで以上の説明では、車体前方又は後方の作業機の何れか一方と、トラクタ10と、を連動させるとして説明したが、何れの作業機とも連動動作を行う必要がない状況や、何れの作業機とも連動を行わない方が好ましい状況も存在する。例えば、トラクタ10を路上走行させる際には、作業機による作業を行うことはないので、何れの作業機ともトラクタ10を連動させる必要はない。また路上走行時においては、エンジン16の回転数や車速がオペレータの意図しないタイミングで変更されてしまうと車体が不安定になる。従って、路上走行時には、何れの作業機とも連動を行わないことが好ましい。また例えばトラクタ10において何らかの異常が発生した場合には、作業機との通信を速やかに解除することが好ましい。
【0064】
そこで、本実施形態のトラクタ10において、通信制御ユニット36は、トラクタにおいて所定の条件が成立した場合には、全ての作業機との連動を解除するように構成されている。具体的には、通信制御ユニット36は、トラクタ10が路上走行していることや、トラクタ10に異常が発生したことを検知すると、各作業機とトラクタ10とを連動させて実現する機能を全て無効とする。これにより、路上走行時や、異常発生時には、フロントローダ14及びスプレーヤ15との連動が自動的に解除されるので、エンジン16の回転数や車速が不必要に変更されてしまうことを防止でき、安全性が向上する。なお、所定の条件が成立したときに全ての機能を無効とするのではなく、一部の機能のみを無効とする構成でも良い。例えば「故障コードを表示パネル30に表示する機能」などは、路上走行時や異常発生時であっても有効化されていて問題ない。従ってこのような機能は、所定の条件が成立した場合であっても、有効なまま残しておいて良い。
【0065】
以上で説明したように、本実施形態のトラクタ10は、複数の作業機を接続可能である。また、トラクタ10は、通信制御ユニット36を備えている。通信制御ユニット36は、前記作業機と通信を行うことにより、当該作業機と連動した動作をトラクタ10に行わせることが可能である。そして、通信制御ユニット36は、各作業機とトラクタ10との前記連動の有無を設定可能であるとともに、当該設定を上書き可能である。
【0066】
このように、各作業機との連動の有無を設定することにより、複数の作業機が接続されている場合であっても機能衝突が発生することを防止でき、誤動作を防ぐことができる。そして、当該設定を上書きすることにより、連動させる作業機を変更することができるので、コントローラ配線を接続し直すといった作業が必要なくなる。
【0067】
また本実施形態のトラクタ10においては、作業機ごとに専用の個別操作具を取り付け可能であり、オペレータが当該個別操作具を操作することにより前記連動の有無を設定することができる。
【0068】
このように構成すれば、各作業機に操作具を設けるので、どの作業機と連動を行うように設定するのかわかり易くなり、設定ミスを低減することができる。
【0069】
また本実施形態のトラクタ10において、通信制御ユニット36は、トラクタ10の本体側で所定の条件が成立した場合には、上記連動を自動的に解除する。
【0070】
例えばトラクタ10を路上走行させる時など、作業機を動作させる必要が無い場合においては、上記連動を自動的に解除させることにより、トラクタ10及び作業機が不必要な動作を行わなくなるので、安全性を向上させることができる。
【0071】
また本実施形態のトラクタ10は、前記作業機と連動して実現する機能を複数有しており、通信制御ユニット36は、機能衝突が生じる機能のみ、前記連動の有無の設定を上書きする。
【0072】
これにより、機能衝突するおそれがない機能は有効なままとなるので、利便性を向上させることができる。
【0073】
また本実施形態のトラクタ10は、前記作業機と連動して実現する機能を複数有するとともに、連動切換ボタン43を有している。そして、通信制御ユニット36は、連動切換ボタン43がオペレータによって操作された場合には、前記複数の機能についての連動の有無を作業機ごとに一括して設定する。
【0074】
これにより、連動切換ボタン43を操作するだけで、作業機ごとに一括して連動の有無を設定できるので、連動の有無を機能別に設定する必要がなく、設定操作が簡単になる。しかも設定ミスを防止することができ、機能衝突を確実に防止することができる。
【0075】
また本実施形態のトラクタ10において、各作業機の個別操作具は、一括設定手段を有している。通信制御ユニット36は、何れかの作業機の前記一括設定手段がオペレータによって操作された場合には、当該作業機についての前記連動の有無を一括して設定する。
【0076】
これにより、一括設定手段を操作するだけで、複数の機能について一括して連動の有無を設定できるので、連動の有無を機能別に設定する必要がなく、設定操作が簡単になる。そして、各作業機の個別操作具が一括設定手段を有しているので、より直感的に設定操作を行うことができる。
【0077】
また本実施形態のトラクタ10は、運転座席25を覆うキャビン11を有する。前記キャビン11の側面は、窓ガラス38、窓ピラー39、及び乗降ドア40を有している。そして、個別操作具は、運転座席25の座面よりも高い位置において、キャビン11の窓ガラス38、窓ピラー39、又は乗降ドア40の何れかに取り付け可能である。
【0078】
このように、個別操作具を窓や乗降ドアに取り付け可能とすることにより、トラクタ10が当初から備えている他の操作具と干渉することなく、個別操作具を配置することができる。そして、個別操作具を、運転座席25の座面より上に配置することにより、運転座席25に座ったオペレータが当該個別操作具を容易に操作することができる。
【0079】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0080】
本発明の構成は、4輪式のトラクタに限らず、例えばクローラ式のトラクタにも適用することができる。また、本発明の構成は、農業用トラクタに限らず、複数の作業機を連結することが可能な作業車両に広く適用することができる。
【0081】
作業機は、前後に1つずつ連結する構成に限らず、作業車両に3つ以上の作業機を連結することができる場合であっても本発明の構成を適用することができる。
【0082】
車体前方に取り付ける作業機は、バケット式のローダに限らず、例えばグラブ式のローダや、肥料散布機など、任意の作業機に本発明の構成を適用することができる。また、車体後方に取り付ける作業機は、スプレーヤに限らず、例えば耕耘機や、畦塗り作業機、代かき作業機など、任意の作業機に本発明の構成を適用することができる。
【0083】
トラクタのネットワークはCANによって構成するとしたが、これに限らず、トラクタの通信制御ユニットと各作業機とが通信可能に構成されていれば他の形態のネットワークであっても良い。
【0084】
連動設定具や個別操作具の構成は上述したものに限らず、適宜の構成を採用することができる。例えば、連動設定具をボタン(連動切換ボタン43)として構成するのに代えて、タッチパネル式のディスプレイによって連動の有無を設定するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0085】
10 トラクタ(作業車両)
14 フロントローダ(作業機)
15 スプレーヤ(作業機)
28 ローダコントロールボックス(個別操作具)
31 スプレーヤコントロールボックス(個別操作具、一括設定手段)
34 トラクタ側コントロールボックス(連動設定具)
36 通信制御ユニット(通信制御部)
43 連動切換ボタン(一括設定手段)
44 ローダ連動ボタン(一括設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業機を接続可能な作業車両であって、
前記作業機と通信を行うことにより、当該作業機と連動した動作を前記作業車両に行わせることが可能な通信制御部を備え、
当該通信制御部は、各作業機と前記作業車両との前記連動の有無を設定可能であるとともに、当該設定を上書き可能であることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両であって、
前記作業機ごとに専用の個別操作具を取り付け可能であり、オペレータが当該個別操作具を操作することにより前記連動の有無を設定するように構成されることを特徴とする作業車両。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の作業車両であって、
前記通信制御部は、前記作業車両の本体側で所定の条件が成立した場合には、上記連動を自動的に解除することを特徴とする作業車両。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の作業車両であって、
当該作業車両は、前記作業機と連動して実現する機能を複数有しており、
前記通信制御部は、機能衝突が生じる機能のみ、前記連動の有無の設定を上書きすることを特徴とする作業車両。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の作業車両であって、
当該作業車両は、前記作業機と連動して実現する機能を複数有するとともに、一括設定手段を有し、
前記通信制御部は、前記一括設定手段がオペレータによって操作された場合には、前記複数の機能についての連動の有無を作業機ごとに一括して設定することを特徴とする作業車両。
【請求項6】
請求項2に記載の作業車両であって、
当該作業車両は、前記作業機と連動して実現する機能を複数有しており、
各作業機の前記個別操作具は、一括設定手段を有しており、
前記通信制御部は、何れかの作業機の前記一括設定手段がオペレータによって操作された場合には、当該作業機についての前記連動の有無を一括して設定することを特徴とする作業車両。
【請求項7】
請求項2又は6に記載の作業車両であって、
運転座席を覆うキャビンを有し、
前記キャビンの側面は、窓ガラス、窓ピラー、及び乗降ドアを有しており、
前記個別操作具は、前記運転座席の座面よりも高い位置において、前記キャビンの前記窓ガラス、前記窓ピラー、又は前記乗降ドアの何れかに取り付け可能であることを特徴とする作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−188862(P2012−188862A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53207(P2011−53207)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】