説明

作業車輌の油圧回路

【課題】一つの可変容量ポンプからの吐出流量をブレーキクラッチ回路に対して優先して供給することができ、しかも、可変容量ポンプの容量制御を、ステアリング回路と作業機回路とブレーキクラッチ回路とのなかで最高圧の負荷圧に応じて制御できる作業車輌の油圧回路を提供する。
【解決手段】可変容量ポンプ1の吐出油路51からブレーキクラッチ油路57を分岐し、流量制御回路35を配設するとともに、流量制御回路35の下流側の油路57aから油路58,59を分岐させる。油路58には絞り63を配し、ブレーキ回路33を接続する。油路59はクラッチ回路34を接続する。流量制御回路35の下流側におけるブレーキクラッチ回路19の負荷圧と、ステアリング回路22の負荷圧と、作業機回路21の負荷圧とのうちで最高圧の負荷圧に応じて、可変容量ポンプ1の容量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷圧感応型の可変容量ポンプを用いたブレーキクラッチ回路を備えた作業車輌の油圧回路に関するものであり、特に、作業車輌としてのフォークリフト、トラック等の産業車輌や農機等の油圧回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からの作業車輌においては、ステアリング回路、作業機回路、ブレーキ回路及びクラッチ回路等のアクチュエータ作動回路に対して、それぞれ専用の油圧ポンプを設けて各アクチュエータ作動回路を作動させていた。しかし、アクチュエータ作動回路毎に専用の油圧ポンプを設けると、油圧ポンプを配設するために多くの場積を必要とする。
【0003】
また、コストも高くなるとともに、部品点数が増加してしまうという問題が生じる。そこで、複数のアクチュエータ作動回路に対して油圧ポンプを共用して使用する油圧回路構成が各種提案されている。
【0004】
油圧ポンプを共用して使用する油圧回路構成としては、特許文献1に記載されている荷役車輌の油圧回路などが提案されている。
特許文献1に記載された油圧回路を本発明における従来例として、図3にはその油圧回路図を示している。
【0005】
図3で示すように、固定容量型の油圧ポンプ91からの吐出圧を、チルトシリンダ93及びリフトシリンダ94の作業機回路と、ブレーキブースタ95等のブレーキ回路及びクラッチブースタ97等のクラッチ回路と、パワーステアリングシリンダ98等のステアリング回路などに供給することができる。
【0006】
油圧ポンプ91から吐出した圧油は、ロードセンシング付フローディバイダ92によって作業機回路と、ブレーキ回路などの制御系アクチュエータ回路とに分配される。ロードセンシング付フローディバイダ92は、制御系アクチュエータ回路に小流量のパイロット流量を流している。
【0007】
制御系アクチュエータ(ブレーキ96、クラッチブースタ97、パワーステアリングシリンダ98、オイルクラッチ99等)が操作されたときには、その圧力を感知して、ロードセンシング付フローディバイダ92は制御系アクチュエータ回路に規定流量の圧油を流すことができる。
【0008】
従って、制御系アクチュエータを操作しないときには、油圧ポンプ91からの吐出流量のうち、制御系アクチュエータ回路に流す小流量のパイロット流量を差し引いたほとんどの吐出流量を作業機回路に流すことができる。また、ロードセンシング付フローディバイダ92から制御系アクチュエータ回路に出力された圧油は、各フローディバイダ100、101によってブレーキ回路、クラッチ回路等に分配される。
【特許文献1】特開昭63−1700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された油圧回路では、一つの油圧ポンプ91で作業機回路と制御系アクチュエータ回路とに圧油を供給することができる。しかし、油圧ポンプ91が固定容量型の油圧ポンプを使用しているため、油圧ポンプ91からは常に一定量の圧油を吐出し続けることになる。
【0010】
このため、作業機を使用しないときであっても、制御系アクチュエータ回路で必要とする圧油の流量以外は、作業に使われることなくタンクに排出されることになる。従って、油圧ポンプ91から吐出した圧油を無駄に排出し続けてしまい、油圧ポンプ91から吐出した圧油をロスしてしまうことになる。
【0011】
本願発明では作業車輌の油圧回路として、従来からの問題点を解決して一つの可変容量ポンプからの吐出流量をブレーキ回路及びクラッチ回路に対して優先して供給することができ、しかも、可変容量ポンプからの吐出流量の制御を、ステアリング回路と作業機回路とブレーキ回路とクラッチ回路とのなかで最高圧の負荷圧に応じて制御することのできる油圧回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明の課題は請求項1〜請求項5に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では、油圧により動作するブレーキクラッチ回路と、作業機回路と、ステアリング回路と、圧油を供給する負荷圧感応型の可変容量ポンプと、を備え、前記可変容量ポンプの吐出流量が、前記ブレーキクラッチ回路と、前記作業機回路と、前記ステアリング回路とのうちで最高負荷圧に応じて決定される作業車輌の油圧回路において、前記ブレーキクラッチ回路は、前記可変容量ポンプから前記作業機回路及び前記ステアリング回路へ圧油を供給する吐出油路から分岐した油路に接続してなることを最も主要な特徴となしている。
【0013】
また、本願発明では、可変容量ポンプと作業機回路及びステアリング回路との間に優先弁を設けたことを主要な特徴となしている。更に、本発明ではブレーキクラッチ回路の構成を特定し、ブレーキクラッチ回路に供給する圧油流量を設定する流量制御弁の配置位置を限定したことを主要な特徴となしている。
【0014】
更にまた、本発明では、流量制御弁の構成を限定したことを主要な特徴となしている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明では、可変容量ポンプから吐出した圧油を、ステアリング回路と作業機回路とブレーキクラッチ回路とに供給することができる。しかも、可変容量ポンプが負荷圧感応型の可変容量ポンプとして構成されており、ブレーキクラッチ回路の負荷圧とステアリング回路の負荷圧と作業機回路の負荷圧とのなかでの最高負荷圧に応じて可変容量ポンプからの吐出流量を制御することができる。
【0016】
これにより、可変容量ポンプからの吐出流量を最も必要とする前記回路のなかの負荷圧に応じて、可変容量ポンプから圧油を吐出させることができるので、可変容量ポンプから吐出した圧油をロスさせることがない。
【0017】
しかも、常に可変容量ポンプから吐出した圧油をブレーキクラッチ回路に対して優先して供給しておくことができるので、作業車輌の走行時における安全性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明のブレーキ回路及びクラッチ回路に対して圧油を優先して供給することができるブレーキクラッチ回路を有する作業車輌の油圧回路における構成としては、以下で説明を行う油圧回路の構成に限定されるものではなく、本願発明の技術思想を満たすことのできる構成であれば、他の構成とすることができるものである。
【0019】
また、作業車輌として以下では、フォークリフトを例に挙げて説明を行うが、フォークリフト以外の産業用車輌、建築車輌、土木車輌、農業車輌等の各種の作業用車輌に対しても本発明を好適に適用することができる。
【実施例】
【0020】
本発明の実施形態に係わる油圧回路図に関して、図1では、単純化した油圧回路図を示し、図2では詳細な油圧回路図を示している。最初に、図1を用いて、本発明の実施形態に係わる油圧回路図に関する概略的な説明を行い、次に図2を用いて本発明の実施形態に係わる油圧回路図に関する説明を行うこととする。尚、図1及び図2において共通する部材番号は、同じ部材番号を用いて説明を行う。
【0021】
図1で示すように、図示せぬエンジンによって駆動される負荷圧感応型の可変容量ポンプ1から吐出した圧油は、吐出油路としての油路51を通って負荷圧感応型の優先弁3に供給される。優先弁3から出力された圧油は、油路52、53を介してそれぞれ作業機回路21とステアリング回路22とに供給され、作業機及びステアリングを操作する作動油として使用される。
【0022】
また、優先弁3の上流側で油路51から分岐した油路57を流れる圧油は、流量制御弁35を介して油路57aを通り、分流弁39によってブレーキ回路33とクラッチ回路34とに供給される。分流弁39とブレーキ回路33とクラッチ回路34とによってブレーキクラッチ回路19が構成されている。尚、分流弁39の構成としては、ブレーキ回路33に対して圧油を優先して供給する構成にしておくことができるが、必要に応じて、クラッチ回路34に対して圧油を優先して供給する構成にしておくこともできる。
【0023】
可変容量ポンプ1から吐出する流量は、容量制御装置2によって制御され、容量制御装置2の制御は、流量制御弁35の下流における油路57aの負荷圧、即ち、ブレーキクラッチ回路19の負荷圧と、作業機回路33における負荷圧と、ステアリング回路34における負荷圧とのうちで最も高圧の最高負荷圧に基づいて制御されることになる。
【0024】
ブレーキクラッチ回路19の負荷圧は、油路57aにおける負荷圧としてパイロット油路81によって取り出され、シャトル弁29に供給される。ステアリング回路34における負荷圧は、パイロット油路71によって取り出され、シャトル弁29に供給される。シャトル弁29では、パイロット油路81でのパイロット圧とパイロット油路71でのパイロット圧とのうちで高圧側のパイロット圧が選択され、選択された高圧側のパイロット圧は、パイロット油路86を介してシャトル弁28に供給される。
【0025】
シャトル弁28には、作業機回路21における負荷圧がパイロット油路77を介して供給されている。パイロット油路77でのパイロット圧とパイロット油路86でのパイロット圧とのうちで高圧側のパイロット圧がシャトル弁28によって選択され、選択された高圧側のパイロット圧は、パイロット油路78を介して可変容量ポンプ1の吐出容量を制御するパイロット圧として容量制御装置2に作用する。
【0026】
この構成により、可変容量ポンプ1の吐出容量は、シャトル弁28で選択された高圧側の負荷圧に応じて制御することができる。しかも、ブレーキクラッチ回路19に対しては、特に、ブレーキ回路33に対しては、常に圧油を供給しておくことができるので、車輌の走行に対する制動を何時でも操作することができ、車輌の走行安全性を高めておくことができる。
【0027】
また、可変容量ポンプ1の吐出容量を制御する容量制御装置2は、可変容量ポンプ1の吐出圧とパイロット油路85におけるパイロット圧との差圧に応じて制御することも、容量制御装置2の一端側に付勢したバネの付勢力と他端側に作用させたパイロット油路85のパイロット圧との圧力差に応じて制御することもできる。
【0028】
以下では、図2を用いて実施形態に係わる油圧回路について詳述する。図1と図2とにおいて同じ構成部材については、同じ部材符号を用いている。図2で示すように、エンジンMによって駆動される負荷圧感応型の可変容量ポンプ1から吐出した圧油は、吐出油路としての油路51に出力される。油路51は負荷圧感応型の優先弁3に接続するとともに、油路51の途中からブレーキクラッチ油路57を分岐している。ブレーキクラッチ油路57には、図1で示すブレーキクラッチ回路19が接続している。
【0029】
ブレーキクラッチ油路57には、流量制御回路35が配設されている。流量制御回路35は、ブレーキクラッチ油路57に配した絞り36、同じくブレーキクラッチ油路57に配した流量制御弁37及び、流量制御弁37の切換制御を行うパイロットシリンダ38等によって構成されている。
【0030】
絞り36の上流側における圧力は、パイロット油路79によって取り出され、流量制御弁37の開口を狭める方向に作用している。また、流量制御弁37の開口を広げる方向には、絞り36の下流側における圧力とバネ37aのバネ力とが作用している。バネ37aのバネ力は、流量制御弁37の下流側の圧力に応じて作動するパイロットシリンダ38によって、二段階の強さに制御される。
【0031】
即ち、流量制御弁37の下流側の圧力、即ち、ブレーキ回路における負荷圧又はクラッチ回路における負荷圧が、予め設定したバネ37aを圧縮させるのに必要な圧力よりも小さなときには、バネ37aは設定されているバネ力で付勢する。流量制御弁37の下流側の圧力が予め設定した圧力以上となったときには、パイロットシリンダ38が作動してバネ37aを所定量だけ圧縮させ、バネ37aのバネ力を高くする。
【0032】
これにより、バネ37aのバネ力としては、二段階の強さに調整することができ、流量制御弁37の設定流量を二段階に設定しておくことができる。流量制御回路35としては、流量制御回路35の下流側に配設したブレーキ回路又はクラッチ回路に負荷圧が立っていないときには、ブレーキ回路におけるブレーキ装置又はクラッチ回路におけるクラッチ装置を作動させるのに必要な最小流量の圧油を流すことができる。
【0033】
また、ブレーキ装置又はクラッチ装置を作動して、流量制御回路35の下流側に負荷圧が立ったときには、バネ37aのバネ力を強くしてブレーキ回路又はクラッチ回路で必要とする流量を確保することができる。このように、流量制御弁37の設定流量を、二段階に設定しておくことができる。
【0034】
流量制御回路35の下流側におけるブレーキクラッチ油路57aは、油路58と油路59とに分岐し、油路58はブレーキ回路に接続している。油路58には絞り63が配設されており、絞り63の前後差圧によって油路59に配設された分流弁39が制御されることになる。この構成により、絞り63を通ってブレーキ回路に対して圧油を優先して供給することができる。
【0035】
絞り63の下流側における油路58aは、リリーフ弁45を介してドレーン油路67に接続するとともに、リリーフ弁45の上流側において油路60に分岐している。油路60には、ブレーキ装置41とブレーキブースタ43とが接続している。ブレーキ装置41は、ブレーキペダル41aの操作により、油路60における油圧を制御している。従来から公知のようにブレーキブースタ43は、ブレーキ装置41の働きを助ける制動倍力装置として用いられている。
【0036】
ブレーキペダル41aによる操作が行われないときには、ブレーキ装置41はドレーン油路67を介して、油路60に流入している圧油をタンク50に排出することができる。
ブレーキペダル41aが操作されると、ブレーキペダル41aの操作量に応じてドレーン油路67に流出させる流量を制御し、油路60にブレーキの負荷圧を立たせる。油路60に立ったブレーキの負荷圧は、ブレーキブースタ43を作動させ車輌に対して制動を加えることになる。
【0037】
同時に油路60に立ったブレーキの負荷圧は、油路58、57aを介してパイロット油路80によって取り出され、流量制御弁37におけるバネ37aのバネ力を高くする。これにより、油路60に立ったブレーキの負荷圧に応じた圧油流量を流量制御回路35から導入することができる。
【0038】
油路59に配設された分流弁39には、パイロット油路83とパイロット油路82とによって油路58に設けた絞り63の前後差圧が作用するとともに、バネ力が作用している。ブレーキペダル41a及びクラッチペダル42aが操作されずにブレーキ回路及びクラッチ回路に負荷圧が立っていないときには、分流弁39の開口は小さく制御され、優先してブレーキ回路に圧油が供給されるように構成している。
【0039】
ブレーキペダル41aが操作されると、パイロット油路83のパイロット圧が上昇し、分流弁39の開口は更に小さく制御されることになる。これにより、ブレーキ回路に対しては、走行車輌の制動を行うのに必要な圧油の流量を供給することができ、ブレーキの応答性を高めることができる。またこのとき、クラッチ回路において操作が行われたことを検出するのに必要な流量はクラッチ回路に供給されている。
【0040】
クラッチペダル42aが操作されると油路57aにおける油圧が上昇してパイロット油路82のパイロット圧が上昇し、分流弁39の開口が大きくなるように制御されることになる。これによって、クラッチ回路に流入する圧油の流量を増大させることができ、クラッチの操作を行わせることができる。
【0041】
同時に油路61に立ったブレーキの負荷圧は、油路59a、油路59、油路57aを介してパイロット油路80によって取り出され、流量制御弁37におけるバネ37aのバネ力を高くする。これにより、油路61に立ったクラッチの負荷圧に応じた圧油流量を流量制御回路35から導入することができる。
【0042】
分流弁39が設けられていないと、ブレーキ装置41又はクラッチ装置42を作動させたときに発生する負荷圧の圧油は、クラッチ装置42又はブレーキ装置41からタンクに排出されてしまい、ブレーキ装置41又はクラッチ装置42を作動させることができなくなる。
尚、分流弁39を油路58に設けて、クラッチ回路をブレーキ回路よりも優先する回路として構成することもできる。
【0043】
分流弁39の下流側における油路59aは、クラッチ装置42、クラッチブースタ44等からなるクラッチ回路に接続している。クラッチ回路と分流弁39との間における油路59には、バイパス型流量制御弁40が配設されている。バイパス型流量制御弁40は、油路59に配した絞り47の前後差圧によって作動し、油路59における流量を調整することができる。
【0044】
絞り47の上流側における圧力が、絞り47の下流側における圧力とバイパス型流量制御弁40に作用するバネ力の合力よりも高いときには、油路59aにおける流量をタンク50に排出するように油路59aとドレーン油路70とを連通させるバイパス型流量制御弁40の開口を大きくする。絞り47の下流側における圧力とバイパス型流量制御弁40に作用するバネ力の合力が、絞り47の上流側における圧力よりも高くなると、バイパス型流量制御弁40の開口を小さくしてクラッチ回路に流入する圧油の流量を増大させる。
【0045】
即ち、クラッチペダル42aが操作されて、クラッチ装置42の開口が狭められると、油路61における油圧の圧力が高くなり、バイパス型流量制御弁40の開口を絞ってクラッチ回路に導入される圧油の流量を増大させる。同時に、油路61に立った圧力に応じてクラッチブースタ44を作動させて、クラッチの解除を行う。
【0046】
クラッチを解除することで、エンジンから車輪等に伝達されていた車輌走行用の回転が、遮断されることになる。クラッチブースタ44は、クラッチ装置42の働きを助ける倍力装置として用いられている。
【0047】
クラッチ回路における圧力を予め設定した圧力以下とするため、クラッチ回路はリリーフ弁46を介してドレーン油路68を通りタンク50に接続している。また、流量制御回路35の下流側におけるブレーキクラッチ油路57aにおける負荷圧は、パイロット油路81によって取り出されシャトル弁29の一方に供給される。シャトル弁29の他方には、以下で説明するステアリング駆動装置30における負荷圧を取り出したパイロット油路71が供給されている。
【0048】
シャトル弁29で勝ち上がった負荷圧は、パイロット油路86を通ってシャトル弁28に供給される。尚、シャトル弁28で勝ち上がった負荷圧が、所定の負荷圧以上とならないように、シャトル弁28の出力側はリリーフ弁32を介してドレーン油路66からタンク50に接続している。また、パイロット油路78からのパイロット圧は、可変容量ポンプ1の切換弁5に供給される。
【0049】
次に、可変容量ポンプ1から吐出した圧油が、油路51を通って負荷圧感応型の優先弁3に供給される回路構成について説明する。
優先弁3は、3位置3ポートの切換弁として構成されている。ポート23Cは油路51を介して可変容量ポンプ1に接続している。ポート23Aは、油路52を通りチェック弁48を介して第1方向切換弁8のポート24Eに接続するとともに、チェック弁49を介して第2方向制御弁17のポート25Dに接続している。ポート23Bは、油路53を介してステアリング駆動装置30に接続している。
【0050】
ステアリング駆動装置30は、ステアリング操作用のアクチュエータ31を操作することができる。また、ステアリング駆動装置30から排出する圧油は、ドレーン油路65を介してタンク50に排出することができる。ステアリング駆動装置30から取り出したアクチュエータ31の負荷圧は、パイロット油路71に出力される。
【0051】
優先弁3は、ステアリング駆動装置30に圧油を供給する油路53の油圧と、電磁切換制御弁4を介してパイロット油路71から取り出したステアリング駆動装置30の負荷圧との差圧に応じて、位置が切換えられる構成となっている。尚、優先弁3及び電磁切換制御弁4の作用については、後述する。
【0052】
第1方向切換弁8は、操作レバー9の操作により切換えることができ、7ポート24A〜24Gを有する切換弁として構成されている。また、第1方向切換弁8は、第1スプール8Aと第2スプール8Bとに2分割されたスプール構成を有している。ポート24Cを通りチェック弁12を介して油路54を通ってリフトシリンダ13A、13Bに接続している。
【0053】
ポート24Aは、図示せぬフォークを昇降動させるリフトシリンダ13A、13Bの負荷圧を、パイロット圧として検出するパイロット油路74を介してシャトル弁27に供給するポートとなっている。ポート24Bは、パイロットチェック弁12の圧油室に対して電磁切換制御弁15を介して接続している。
【0054】
ポート24Eは、優先弁3から油路52に出力された圧油が供給されるポートとして使用されている。ポート24F、24Gは、リフトシリンダ13A、13Bから排出される油路64における絞り16の上流での圧力をドレーン油路66に排出するポートとして使用されるとともに、この圧力をパイロット圧として前記第2スプール8Bに作用させるポートとして使用される。
【0055】
第1方向切換弁8のVIII位置は、第1方向切換弁8の中立位置であり、第1方向切換弁8が中立位置にいるときには、第2スプール8Bも中立位置であるV位置にいることになる。第1方向切換弁8は、操作レバー9の操作によってIX位置に切換えられると、油路52からの圧油を、ポート24Cからチェック弁12を通り油路54を介してリフトシリンダ13A、13Bのボトム側に供給することができる。
【0056】
これにより、図示せぬフォークを上昇させることができる。このとき、第2スプール8Bは第1スプール8Aの作動によってVI位置側に切換わっているので、ポート24Dは遮断された状態となっている。また、リフトシリンダ13A、13Bのヘッド側の圧油は、ドレーン油路69を介してタンク50に排出される。
【0057】
操作レバー9の操作によって第1方向切換弁8がVII位置に切換えられると、油路52からの圧油が遮断され、リフトシリンダ13A、13Bのボトム側への供給が遮断される。このとき、電磁切換制御弁15を制御してパイロット油路75を連通させると、リフトシリンダ13A、13Bの圧油をポート24から排出することができる。
【0058】
このとき、第2スプール8Bはバネ10aの付勢力によってIV位置側に切換わっているので、同時に、ポート24Dを通り、ポート24Gからドレーン油路66に排出することができる。これにより、図示せぬフォークを降下させることができる。
【0059】
またこのとき、第2スプール8Bは、ポート24F、24Gに接続している油路64における絞り16の上流での圧力とバネ10aのバネ力とがバランスする状態でIV位置側に切換わることになる。即ち、ポート24Dから排出される圧油の流量は、第2スプール8Bに作用する油路64における絞り16の上流圧によって制御されることになる。
【0060】
これにより、第1方向切換弁8内にポート24Dに対する流量制御特性を持たせることが可能となり、リフトシリンダ13A、13Bの下降速度を第1方向制御弁8にて制御することができる。
【0061】
尚、図2においては、リフトシリンダ13A、13Bの下降速度を制御する流量制御弁機能を第1方向制御弁8に持たせた例を示しているが、油路54に流量制御弁を配設する構成とすることもできる。油路54に流量制御弁を配設することにより、リフトシリンダ13A、13Bの負荷圧が大きな状態において、前記フォークを下降させるときにフォークの下降速度が過大となるのを防止させることもできる。
【0062】
油路54を介してリフトシリンダ13A、13Bに接続しているチェック弁12は、第1方向切換弁8のポート24Cから出力された油圧が、現在加わっているリフトシリンダ13A、13Bの負荷圧以上となった時に、ポート24Cから出力された油圧をリフトシリンダ13A、13Bに供給することができる。
【0063】
リフトシリンダ13Aとリフトシリンダ13Bとの間には、下降セフティ弁14が配設されている。下降セフティ弁14は、例えば、油路54等が破損してリフトシリンダ13Aのボトム側における圧力が急激に低下した場合であっても、リフトシリンダ13Bのボトム側における圧力が急激に低下してしまうのを防止する機能を有している。これにより、例えば、油路54の破損等によって、フォークが急激に下降してしまうのを防止できる。
【0064】
第2方向切換弁17は、操作レバー18の操作により3位置に切換えることができ、5ポート25A〜25Eを有する切換弁として構成されている。ポート25Aは、油路56を介してチルトシリンダ20A、20Bの各ヘッド側に接続し、ポート25Cは、油路55を介してチルトシリンダ20A、20Bの各ボトム側に接続している。
【0065】
ポート25Bは、チルトシリンダ20A、20Bの負荷圧を、パイロット圧として検知するパイロット油路76を介して、シャトル弁27に供給するポートとして使用されている。ポート25Dは、優先弁3から油路52に出力された圧油が供給されるポートとして使用されている。また、ポート25Eは、チルトシリンダ20A、20Bから排出される圧油を油路64に排出するポートとして使用されている。
【0066】
また、第2方向切換弁17には、エンジンの停止時、即ち、油路51に圧油が流れていない時、スプールが操作されてXII位置に切換えられたとしても、チルトシリンダ20A、20Bのヘッド側の圧油がタンクに流れ込まないようにする機構が設けられている。
【0067】
チルトシリンダ20A、20Bの作動制御は、優先弁3から出力された油路52内の圧油を、第2方向切換弁17におけるポート25Dからポート25A又はポート25Dからポート25Cに切り換えることにより行える。チルトシリンダ20A、20Bから排出される圧油は、油路55からポート25C、ポート25Eを通り又は油路56からポート25A、ポート25Eを通り、油路64からタンク50に戻すことができる。
【0068】
リフトシリンダ13A、13Bにおける負荷圧とチルトシリンダ20A、20Bにおける負荷圧とのうちで、高圧側の負荷圧がシャトル弁27で勝ち上がった負荷圧としてパイロット油路77に出力されることになる。即ち、シャトル弁27で勝ち上がった負荷圧は、作業機回路に立った作業機の負荷圧として検出することができる。
【0069】
また、シャトル弁27で勝ち上がった負荷圧は、パイロット油路77を介してシャトル弁28に供給される。シャトル弁28では、シャトル弁29で勝ち上がったパイロット油路86の負荷圧とシャトル弁27で勝ち上がった負荷圧とのうちで高圧側の負荷圧を、パイロット油路78を介して可変容量ポンプ1の容量を制御する容量制御装置2に供給する。
【0070】
容量制御装置2は、3位置3ポートの切換弁として構成されている切換弁5と可変容量ポンプ1の斜板1aの斜板角を制御する駆動シリンダ6とによって構成されている。切換弁5は、シャトル弁28で勝ち上がった負荷圧と可変容量ポンプ1から吐出した油圧との差圧に応じて切換えられる。切換弁5の切換作動によって、可変容量ポンプ1の斜板1aの斜板角を制御する駆動シリンダ6を作動させることができる。
【0071】
即ち、シャトル弁28で勝ち上がった負荷圧及びバネ圧と可変容量ポンプ1から吐出した油圧とがバランスしているときには、切換弁5は図2で示している中立位置となり駆動シリンダ6は斜板1aの斜板角を現行の状態に維持することになる。
【0072】
可変容量ポンプ1から吐出した油圧がシャトル弁28で勝ち上がった負荷圧及びバネ圧の合力よりも高くなると、切換弁5は図2に対して向かって左側の位置に切換わり、可変容量ポンプ1の吐出容量を小さくする。シャトル弁28で勝ち上がった負荷圧及びバネ圧が、可変容量ポンプ1から吐出した油圧よりも高くなると、切換弁5は図2に対して向かって右側の位置に切換わり、可変容量ポンプ1の吐出容量を大きくする。
【0073】
これにより、油路51における油圧とシャトル弁28で勝ち上がった負荷圧との差圧に応じて、容量制御装置2が制御されて、前記差圧に応じて可変容量ポンプ1の突出流量を制御することができる。
【0074】
即ち、リフトシリンダ13A、13Bにおける負荷圧と、チルトシリンダ20A、20Bにおける負荷圧と、ステアリング駆動装置30における負荷圧と、ブレーキ回路における負荷圧とクラッチ回路における負荷圧とのうちで最高圧の負荷圧が切換弁5の一方に作用し、切換弁5の他方には可変容量ポンプ1の吐出圧油の油圧が作用することになる。
【0075】
これにより、可変容量ポンプ1から吐出する吐出量は、図1に示す作業機回路21における負荷圧と、ステアリング回路22における負荷圧と、ブレーキ回路及びクラッチ回路における負荷圧とのうちで最高圧の負荷圧に基づいて制御されることになる。
【0076】
尚、上記実施例の説明において、作動機回路としてリフトシリンダの制御回路、チルトシリンダの制御回路を例示したが、本発明はこれらの制御回路に限定されるものではなく、他の作業機回路に対しても適用することができる。
【0077】
次に、可変容量ポンプ1の吐出圧油を優先してステアリング駆動装置30に供給する、優先弁3と電磁切換制御弁4の作用について説明する。
優先弁3は、I位置からIII位置までの3位置に切換えることができる。III位置では、リフトシリンダ13A、13B及びチルトシリンダ20A、20Bへの供給油路である油路52に対して出力圧の供給を停止し、かつ優先されるステアリング駆動装置30への供給油路である油路53に出力圧を供給することができる。
【0078】
II位置では、油路52及び油路53に対して、共に出力圧を供給することができる。I位置では、油路52への出力圧の供給を行えるとともに、油路53に対しては絞りを介して出力圧を供給することができる。
【0079】
優先弁3から油路53に出力された出力圧は、パイロット油路72によって検知される。また、油路53は、油路62及び油路62に配設した絞りを介してパイロット油路71に連通している。油路62を介して油路53内の圧油は、優先されるステアリング駆動装置30における負荷検知圧となっている。
【0080】
パイロット油路72の一部は、パイロット油路71から分岐したパイロット油路73と合流し、絞りを介して優先弁3の一端に接続している。パイロット油路72及びパイロット油路73からの圧油は、第1検知圧となってバネ3aの付勢力とともに優先弁3に作用する。第1検知圧とバネ3aの付勢力とが第1作動圧力となり、優先弁3をIII位置側に切換えることができる。
【0081】
パイロット油路73には電磁切換制御弁4が配設され、電磁切換制御弁4の磁気コイル4aを励磁又は非励磁することで、開弁状態と閉弁状態とに切り換えることができる。図2では、電磁コイル4aが非励磁状態となり電磁切換制御弁4がパイロット油路73を閉じた状態を示している。
【0082】
パイロット油路72から優先弁3に作用する第2検知圧は、第1検知圧とは反対に、優先弁3をI位置側に切換えるように作用している。電磁切換制御弁4が開弁状態にあるときには、パイロット油路73の圧力は、パイロット油路71内の負荷検知圧と等しくなる。
【0083】
このとき、優先弁3をIII位置側に切換える第1作動圧力としては、パイロット油路71内の圧力とバネ3aの付勢力とが作用している。また、優先弁3をI位置側に切換える第2作動圧力としては、ステアリング駆動装置30に供給される油路53内の出力圧が第2検知圧として作用している。
【0084】
第2作動圧力と第1作動圧力との差圧が、ステアリング操作用のアクチュエータ31を駆動するために予め設定した差圧以上になると、同差圧に応じて優先弁3は第2作動圧によってIII位置からII位置あるいはI位置に切換わる。これにより、ステアリング駆動装置30のアクチュエータ31を駆動するに必要な流量は、常に油路53に出力させておくことができる。また、可変容量ポンプ1から吐出したそれ以上の流量は、油路52からリフトシリンダ13A、13B及び/又はチルトシリンダ20A、20Bに供給することができる。
【0085】
この状態から電磁切換制御弁4を切り換えて閉弁状態、即ち、パイロット油路73とパイロット油路71とを遮断状態にすると、第1検知圧及び第2検知圧は共に油路53内のパイロット圧となり、等しい圧力となる。
【0086】
これにより、優先弁3は、バネ3aの付勢力によりIII位置に切換わり、切換わったIII位置の状態が維持されることになる。従って、優先弁3は、リフトシリンダ13A、13B及び/又はチルトシリンダ20A、20Bへの給油を停止した状態となる。即ち、優先弁3は、優先されるステアリング駆動装置30に対してのみ給油することになり、油路53とのみ連通した状態が維持される。
【0087】
電磁切換制御弁4の切換制御としては、例えば、運転席に設置した着座確認スイッチにより切換制御を行わせることができる。即ち、運転者が運転席に着座していることを前記着座確認スイッチにより検出しているときには、電磁切換制御弁4の電磁コイル4aを励磁状態として導通状態となし、パイロット油路73とパイロット油路71とを導通状態としておくことができる。
【0088】
運転者が運転席から離れたことを前記着座確認スイッチにより検出したときには、図2に示すように電磁切換制御弁4の電磁コイル4aを非励磁状態とすることにより、バネの付勢力によって電磁切換制御弁4のスプールを移動させて閉弁状態とすることができる。従って、パイロット油路73とパイロット油路71とは遮断状態となり、第1検知圧と第2検知圧とが略等しい圧力となって、優先弁3はバネ3aの付勢力によってIII位置に維持されることになる。これにより、運転者が運転席から離れた状態では、作業機を作動できない状態にしておくことができる。
【0089】
パイロット油路71とパイロット油路73とを導通状態及び遮断状態とする切換制御弁としては、電磁切換制御弁に限定されるものではなく、他の切換制御弁を使用することもできる。また、ON信号により切換制御弁を導通状態とすることもOFF信号によりで切換制御弁を導通状態とする構成にすることもできる。
【0090】
また、電磁切換制御弁4を制御する制御信号は、運転席に配した着座確認スイッチによるものに限定されるものではなく、他の検出スイッチによる検出信号を電磁切換制御弁用の制御信号として使用することも、他の制御信号を用いて電磁切換制御弁用の制御を行わせることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
ロードセンシングタイプの可変容量ポンプを用いて、作業機回路と、ステアリング駆動装置と、ブレーキクラッチ回路とに圧油を供給する油圧回路において、ステアリング駆動装置又はブレーキクラッチ回路に圧油を優先して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】単純化した油圧回路図である。(実施例)
【図2】油圧回路図である。(実施例)
【図3】油圧回路図である。(従来例)
【符号の説明】
【0093】
1・・・可変容量ポンプ、2・・・容量制御装置、3・・・優先弁、4・・・電磁切換制御弁、8・・・第1方向切換弁、13A、13B・・・リフトシリンダ、17・・・第2方向切換弁、19・・・ブレーキクラッチ回路、20A、20B・・・チルトシリンダ、21・・・作業機回路、22・・・ステアリング回路、27〜29・・・シャトル弁、 30・・・ステアリング駆動装置、31・・・アクチュエータ、33・・・ブレーキ回路、34・・・クラッチ回路、35・・・流量制御弁、37・・・制御弁、39・・・分流弁、40・・・アンロード弁、41・・・ブレーキ装置、42・・・クラッチ装置、91・・・油圧ポンプ、92・・・ロードセンシング付フローディバイダ、96・・・ブレーキ、98・・・パワーステアリングシリンダ、100、101・・・フローディバイダ、103・・・操作弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧により動作するブレーキクラッチ回路と、作業機回路と、ステアリング回路と、圧油を供給する負荷圧感応型の可変容量ポンプと、を備え、
前記可変容量ポンプの吐出流量が、前記ブレーキクラッチ回路と、前記作業機回路と、前記ステアリング回路とのうちで最高負荷圧に応じて決定される作業車輌の油圧回路において、
前記ブレーキクラッチ回路は、前記可変容量ポンプから前記作業機回路及び前記ステアリング回路へ圧油を供給する吐出油路から分岐した油路に接続してなることを特徴とする作業車輌の油圧回路。
【請求項2】
前記可変容量ポンプと前記作業機回路及び前記ステアリング回路との間に優先弁を設け、
前記優先弁は、前記可変容量ポンプからの吐出圧油を、前記作業機回路よりも前記ステアリング回路へ優先的に供給することを特徴とする請求項1記載の作業車輌の油圧回路。
【請求項3】
前記ブレーキクラッチ回路は、圧油によりブレーキを作動させるブレーキ回路と、クラッチを作動させるクラッチ回路と、前記ブレーキ回路及び前記クラッチ回路に圧油を分配する分流弁とを有し、
前記分流弁は、前記吐出油路から分岐した油路に配設され、
前記吐出油路から分岐した油路における前記分流弁の上流側に、流量制御弁が設けられてなることを特徴とする請求項1又は2記載の作業車輌の油圧回路。
【請求項4】
前記流量制御弁の設定流量は、前記ブレーキ回路及び前記クラッチ回路の負荷圧により可変とされてなることを特徴とする請求項3記載の作業車輌の油圧回路。
【請求項5】
前記流量制御弁の設定流量は、二段階に設定でき、前記ブレーキ回路及び前記クラッチ回路の負荷圧が設定圧よりも高くなったときに、前記流量制御弁の設定流量が増加することを特徴とする請求項3又は4記載の作業車輌の油圧回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−69796(P2008−69796A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246474(P2006−246474)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】