説明

供給原料の貯留と分配

本発明は、水湿(water-moist)セルロースエーテル組成物を調製する方法に関するもので、アニオン基を有する水溶性高分子添加剤(WSAP)又はWSAPの混合物をセルロースエーテル組成物に添加する点を特徴とする。さらに本発明は、そのような方法によって調製される水湿セルロースエーテル組成物、及び、これをさらに粉末化し乾燥して得られるセルロースエーテル組成物に関する。本発明はさらに、水湿セルロースエーテル組成物の移送装置内での移送性を改善するための、WSAP又はWSAP混合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給原料の貯留と分配のプロセスに関する。特に、本発明は、水湿(water-moist)セルロースエーテル組成物を調製する方法に関する。さらに本発明は、そのような方法によって調製した水湿セルロースエーテル組成物、及び、これをさらに粉末化し乾燥して得られるセルロースエーテル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロースエーテルは、優れた性質を持っていることから、さまざまな用途に応用されており、例えば、増粘剤、接着剤、結合剤、分散剤、保水剤、保護コロイド、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、膜形成剤などに用いられている。
【0003】
よく知られているように、セルロースエーテルは、セルロースにアルカリを含浸させ次いでエーテル化剤、例えば塩化メチル、塩化エチル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、クロロ酢酸などによってエーテル化することによって調製される。しかしながら、反応により得られたセルロース誘導体の粗生成物は、さらに洗浄、圧密化、粉砕及び乾燥しなければ、工業的な使用に供することができない。
【0004】
多くの場合ワッディング(wadding)状態で存在しているセルロースエーテルを圧密化するには、工業的には機械的エネルギーを加えるとともに水を添加して実施される。機械的エネルギーの入力と水の添加とを組み合わせて行うことも可能である。
【0005】
機械的エネルギーは連続的にも非連続的にも加えることができ、例えば造粒機、ニーダー、ロールミル又はプレスにより実施することができる。大抵の場合、機械的エネルギーによる圧縮効果を高めるために、機械的エネルギーを加える前後で水が混合される。多くの場合、混合する水の量を増やすことによって、機械的エネルギーを低減することができる。さらに、機械的エネルギーを加えている間に、しばしば冷却が行われる。この冷却は、例えば、二重冷却筒(cooled double jacket)を用いたり混合物の間または混合物の上に冷気を通過させることにより行われる。また、加える水を冷却したり、あるいはその全体又は一部を氷として加えることもできる。
【0006】
従って、セルロース誘導体を生産するための現行の工業的プロセスにおいては、多くの場合、その中間生成物として水湿粒状物、水湿塊状物又は水湿ペーストが生じることとなる。これらは、セルロース誘導体、機械的力の作用あるいは水の添加に応じて、さまざまな軟度、粒子形状及び粒子サイズを有することになる。これらさまざまな軟度、粒子形状及び粒子サイズを有する水湿粒状物、水湿塊状物あるいはペーストは、以下においては“供給原料”又は“水湿セルロースエーテル組成物”と略称する。
【0007】
供給原料は、続く工程で乾燥及び粉砕処理される。ここで粉砕及び乾燥は、段階的にも同時にも行うことができる。こうして、目的とする乾燥し粉砕されたセルロース誘導体製品が、粗粒、粉末あるいは微粉末の形態で得られる。
【0008】
セルロース誘導体の工業的生産プラントにおける今日のスループットは、一般に、調製されたセルロース誘導体製品として500kg/hより大きい。1000kg/hさらには2000kg/hを超えるスループットも可能である。
【0009】
供給原料のスループットは、供給原料中の含水率によっては5000kg/h以上にもなり得る。例えば、セルロース誘導体のスループットが1000kg/hであって、含水率がセルロース誘導体と水との合計重量を基準として80%の場合である。
【0010】
セルロース誘導体のスループットが同じく1000kg/hであって、含水率がセルロース誘導体と水との合計重量を基準として50%の場合には、供給原料の流量は2000kg/hにしかならない。
【0011】
スループットの変動(供給原料中の含水率の変動に基づく)に起因して、一時的に供給原料をバッファーする必要が生じる可能性がある。なぜなら、その下流に位置する乾燥装置の処理能力は、通常は、経済的理由から最大のスループットに対応するようには設計されていないからである。
【0012】
含水率に応じて、水が吸収されるための、例えば拡散のための貯留時間を変化させることも必要となる。
【0013】
供給原料は、後続の工程において、通常複数の並列的な粉砕及び/又は乾燥装置でさらに処理に付される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
不都合なことに、水湿セルロース誘導体を含む供給原料は、通常、粘着性で塊が多く、ケーキ状となり極めて大きな塊状物となって容器の壁面に付着する傾向が大変強い。このような供給原料の輸送は、貯留時間をなくしたとしてもかろうじて可能な程度であり、貯留時間が数分あった後であれば、全く不可能になってしまうこともしばしばである。というのも、生じた塊状物の大きさが、搬送スクリューのような搬送装置に取り込み移動することができないような大きさになってしまうからである。
【0015】
従って、当業者は、貯留時間をなくし、あるいは複雑ではあるが移送力が強い装置(例えば押出機)を用いるか、あるいは大きな塊状物を粉砕するための粉砕装置(例えばチョッパー)を用いるのであるが、これでは大量のエネルギーが必要となるし、場合によっては製品を損なうことにもなる。
【0016】
そのような複雑な手段を用いる方法のひとつとして、ニーダーや押出機を用いる方法が、例えばEP1127895に開示されている。
【0017】
さらに、これまで当業者は、高含水率の供給原料を複数の粉砕装置、乾燥装置又は粉砕/乾燥兼用装置に供給することはできるだけ避けようとしてきた。というのは、供給原料の粘着性のために、均一な分配や目標計測(targeted metering)はもはや不可能だからである。
【0018】
補助剤を用いて粉砕、乾燥又は粉砕と乾燥の一体処理を行うことは、同様によく知られている。このような粉砕又は乾燥処理における補助剤として、界面活性剤が使用され、例えばWO 2006/120194又はDE 196 01 763に記載されている。しかしながら、これらには界面活性剤が貯留や分配の挙動に及ぼす影響については記載されていない。
【0019】
DE 196 01 763においては、界面活性剤は、親水性で高膨潤性のポリマーを調製するために用いられている。親水性で高膨潤性のポリマーとしては特に、重合可能な酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸又はマレイン酸をベースとするホモ−及びコポリマーが挙げられている。
【0020】
さらに、界面活性剤にはしばしば生態学的な懸念が生じ得るし、刺激性の作用を有しているために、その使用は労働安全の面からも、製品の使用、輸送の面からも問題となる余地がある。
【0021】
従って、本発明の目的は、供給原料の貯留及び所望により分配するための、経済的に有利で生態学的及び毒物学的にも改善された方法、及び、当該方法によって調製されたセルロースエーテル組成物を提供することである。本発明の好ましい目的は、粉砕手段やニーダーや押出機を使用しなくてもよいそのような方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、水湿セルロースエーテル組成物を含む顆粒状物及び/又は塊状物の調製方法に関するものであって、
a)水湿セルロースエーテル又はセルロースエーテル混合物を含む出発原料であって、含水率が、出発原料の合計重量を基準として25から75重量%、好ましくは45から65重量%である出発原料を供給すること、
b)出発原料に対して、所望により水を混合し及び/又はさらに添加物を混合すること;ただし、アニオン基を有する水溶性高分子添加剤(WSAP)又は添加剤混合物を除く、
のステップを含み、
c)調製しようとするセルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として0.001から2.0重量%、好ましくは.1から1.0重量%、より好ましくは0.2から0.8%の、アニオン基を有する水溶性の高分子添加剤(WSAP)又はWSAPの混合物を、ステップa)、又はステップa)とb)により得られた組成物へ添加する、
のステップにより特徴づけられ、これにより、含水率がセルロースエーテル組成物の総重量を基準として45から85重量%、好ましくは50から80重量%、さらに好ましくは55から75重量%の水湿セルロースエーテル組成物が得られるものである。
【0023】
驚くべきことに、本発明のプロセスによれば、強い移送力を有しない低速の装置であっても貯留や分配が可能な供給原料を得ることができることが見出された。そして、移送力の強い装置や粉砕装置、例えば粉砕機、ニーダー、押出機などはもはや必要とはされない。
【0024】
特に次の点を、経済的な利点としてあげることができる。
○ 必要なエネルギーの低減
○ 例えば清掃のための休止時間の減少による、高い使用効率
○ 装置の低コスト化
【0025】
また、特に次の点を、生態学的及び毒物学的な利点としてあげることができる。
○ 生態学的に有害である可能性があり、あるいは特定の環境において刺激的な効果を有する可能性がある安全ではない添加物の回避
○ 例えば洗浄廃水の減少による廃水の回避
【0026】
先に記載したように、本発明の特に好ましい重要な面は、水湿セルロースエーテル組成物を少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの粉砕、乾燥又は粉砕兼混合プラントに、好適には排出用スクリューコンベア(take-off screw)を用いて分配することが可能な方法を提供できることである。そして当該方法は、WSAP又はWSAP混合物が不均質に分布している水湿セルロースエーテル組成物を分配することで特徴づけられる。
【0027】
この分配方法の好ましい態様においては、以下において詳述される上記方法によって調製される水湿セルロースエーテル組成物が分配される。
【0028】
この水湿セルロースエーテル組成物を分配する方法によれば、特定のプラント構成について、簡易かつ低コストでその粉砕及び乾燥能力を増加させることが可能になる。
【0029】
この水湿セルロースエーテル組成物は、特に次の点で優れている。すなわち、この水湿セルロースエーテル組成物を粉砕、乾燥又は粉砕/乾燥結合プラントに分配する方法においては、一般に、
● 湿セルロースエーテル調製工程の下流の工程において、大きな凝集体あるいは塊状物を粉砕する装置及び/又は用具は必要とされない;
移送力の大きな移送装置は必要とされない;
水湿セルロースエーテル組成物の分配には、分配用の容器を使用できる;
● 単一のコンベア・スクリュー又はカスケード接続したスクリューであって低駆動力のものを、水湿セルロースエーテル組成物の移送に使用できる;
● 生態学的及び毒物学的に安全ではない物質を回避することができる;
【0030】
塊状物及び凝集体を粉砕するための道具としては、例えば、一般に>1000rpm.で作動するいわゆるフライスヘッド(milling head)がある。分配用の容器は、ほぐし、混合及びかき取りのための部材を備えていることが好ましい。混合シャフトは水平にも垂直にも配置することができる。
【0031】
流動物の挙動は、複数の、好ましくは3つの排出用スクリューコンベアを用いて同時に計量することを可能するに十分である。別の方法として、分配用の容器のカスケード接続が使用できる。この目的のために、それぞれ2つの排出用スクリューコンベアを供えている分配用容器を2つ、例えば2つの排出用スクリューコンベアを供えている分配用容器のさらに下方に配置することができる。
【0032】
分配用容器は、同時に貯留用容器として設計することもできる。低速の混合手段を有する円筒状容器が、貯留用容器としても設計された分配用容器として使用できる。容器の横寸法の縦寸法に対する比は、好ましくは1.5超、特に好ましくは2.0超、最も好ましくは2.5超である。
【0033】
垂直に配置されたシャフトを有し平坦な底面の円筒形容器が好適に使用される。円筒形容器は、複数刃/多層の攪拌機の形態のほぐし用部材を有することが好ましい。それらは、例えば、WO2007/090599に記載されている。特に好ましい円筒形の形状は、上方に向かってわずかに先細になっており、円錐形の下方部分に相当するような形状になっていることが好ましい。好ましくは、リリーフコーン(relief cone) を有するかき取り/ほぐし用の機材であって、特に好ましくは上方に向かって円錐状になるようにわずかに先細な形状となっているものが用いられる。排出装置を備えたそのような容器は、例えばJ. Engelsmann社, Ludwigshafenから入手可能である。
【0034】
貯留及び分配の機能は、好ましくはひとつのユニットにまとめられる。この場合、好ましくは2つを超える、特に好ましくは3つを超える粉砕装置、乾燥装置又はそれらの組合せの粉砕/乾燥装置に対して分配される。
【0035】
好ましく用いられるセルロースエーテルは、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそれらの誘導体である。
【0036】
本発明において、メチルセルロースとはメチル基を含むすべてのセルロースエーテルを意味するものと理解され、そのようなものとしては、メチルセルロース(MC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、メチルヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース及びメチルヒドロキシエチルヒドロキシブチルセルロースなどが含まれる。
【0037】
本発明においては、ヒドロキシアルキルセルロースとは、ヒドロキシアルキル基を有するすべてのセルロースエーテルを意味するものと理解され、そのようなものとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及び疎水性に修飾されたヒドロキシエチルセルロースなどが含まれる。
【0038】
本発明においては、カルボキシメチルセルロースとは、カルボキシメチル基を有するすべてのセルロース誘導体を意味するものと理解され、そのようなものとしては、カルボキシメチルセルロース、疎水性に修飾されたカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロースなどが含まれる。
【0039】
セルロースエーテルのアルキル置換度は、通例、DS(degree of substitution)により表される。DSは、無水グルコース単位あたりの置換されたOH基の平均数である。メチル置換度は例えば、DS(methyl)又はDS(M)と記載される。通常、ヒドロアルキル置換度はMS(molar substitution)と記載される。MSは、1モルの無水グルコース単位にエーテル結合を介して結合したエーテル化剤の平均モル数である。エチレンオキシドをエーテル化剤とするエーテル化は、例えば、MS(hydroxyethyl)又はMS(HE)と記載される。同様に、プロピレンオキシドをエーテル化剤とするエーテル化は、例えば、MS(hydroxypropyl)又はMS(HP)のように記載される。
【0040】
側基の決定は、ツァイゼル法(Zeisel method)に基づいて行われる(文献: G. Bartelmus and R. Ketterer, Z. Anal. Chem. 286(1977) 161-190)。
【0041】
ヒドロキシアルキルセルロース又はメチルセルロース又はメチルヒドロキシアルキルセルロースが特に好ましく用いられる。ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース及びメチルヒドロキシプロピルセルロースがもっとも好ましい。
【0042】
メチルヒドロキシアルキルセルロースの場合、DS(methyl)は好ましくは0.9から3.0、特に好ましくは1.1から1.8、中でも1.3から1.6である。MS(hydroxyalkyl)は、好ましくは0.05から1、特に好ましくは0.10から0.7、中でも0.15から0.35である。メチルヒドロキシアルキルセルロースは、好ましい範囲のDS(methyl)及びMS(hydroxyalkyl)の適切な組み合わせを有する。
【0043】
ヒドロキシエチルセルロースの場合、MS(hydroxyethyl)は一般に、1.5から5.0であり、好ましくは2.0から4.5であり、特に好ましくは2.5から4.0であり、もっとも好ましくは2.8から3.7である。
【0044】
洗浄とろ過の後、セルロースエーテルは水湿ろ過ケーキとして、あるいはアルコール湿(alcohol-moist)ろ過ケーキの処理物として得られ、これが先に“出発原料”と記載したものであるが、このものは出発原料の総重量を基準として25から75重量%の含水率を有する。含水率45から65重量%の水湿セルロースエーテル又はセルロースエーテル混合物が、ステップa)において以降のステップのための出発原料として好ましく用いられる。これらセルロースエーテルは、通常、他の構成成分、例えば調製時に生じるNaClやその他の副生成物を、乾燥した出発原料を基準として10重量%までの範囲で含んでいる可能性がある。従って、出発原料中の純粋なセルロースエーテル又はセルロースエーテル混合物の含有率は、乾燥した出発原料の90から100%の範囲になり得る。
【0045】
ステップa)においては、調製しようとする不均質セルロースエーテル組成物の乾燥重量に基づき88から99.999重量%が、出発原料から供給される。
【0046】
本発明に従ったプロセスでは、水湿セルロースエーテル(例えば、粗セルロースエーテルの洗浄後のもの)は、所望により水を混合添加することにより後続の工程に理想的な含水率にする。
【0047】
水の添加及び混合は、ステップb)の設備において従来技術により達成できる。ここでは、例えば、Loedige Process Technology社(ドイツ)の連続式造粒機(堰つきのものと堰なしのもの)、List社(スイス、アリスドルフ)の連続式ニーダー、Hosokawa Micron社(オランダ、ドイチンケム)のSchugiの商標で販売されている高速高性能混合機など、あるいは、互いに順方向又は反対方向に回転する一対のスクリューを備えた装置、水平又は垂直に配置された混合シャフト部材を備えたリボンミキサーが使用できる。
【0048】
当業者に理解されるように、ステップb)の湿潤及び混合工程において添加剤を添加することができる。これらの添加剤は、通常、調製しようとする不均質セルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として0.01から10重量%、好ましくは0.1から5重量%、特に好ましくは0.2から3重量%の量が使用される。
【0049】
例えば、EP 1 316 536 又は EP 1 452 544 に記載されたグリオキザールと緩衝液との系は、ここでいう添加剤としてあげることができる。
【0050】
WO 2007/019963 、EP 1 313 770 及びDE 103 52 081 には、架橋又は非架橋の高分子添加剤を均質に添加することが記載されている。これらの添加剤は、生成物の性質や性能特性を改良するために用いられるものであり、供給原料及び生成物に十分に分布することとされている。
【0051】
ステップb)における添加物としては、以下のものがあげられる。:過酸化水素、オゾン、ハイポハロゲン(hypohalogen)、過ホウ素酸塩、過炭酸塩などの酸化剤;グリオキザール、グルチルアルデヒド(glutyraldehyde)のようなジアルデヒド;アルカリ金属のリン酸塩、硫酸塩、塩化物などの塩;リン酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩などの緩衝系;多官能性エポキシド、多官能性イソシアネートなどの架橋剤;保存剤、分散剤、消泡剤、AE剤、顔料、ノニオン性、アニオン性又はカチオン性の界面活性剤。
【0052】
このようにして得られた供給原料は、水と添加剤を混合した後ではでこぼこした、表面が湿ったそして粘着性のもので、高速の混練部材を備えた連続式破砕装置を用いない限り、移送可能な状態を保つことができない。
【0053】
驚くべきことに、ステップc)においてアニオン基を有する水溶性高分子添加剤又はその混合物を加えることによって、供給原料は大きく影響を受け、貯留及び/又は分配用容器内での貯留及び所望により分配が可能となる。アニオン基を有する水溶性高分子添加剤は、以下の本発明の説明では、WSAP(water soluble anionic polymers)と略称する。
【0054】
この方法により、コンベアによって移送できないほど大きな塊状物を形成することがなくなり、平均して5分超の、好ましくは8分超の、もっとも好ましくは10から30分の平均貯留時間が達成できるようになる。
【0055】
連続式の貯留、分配用容器が好ましく用いられる。この場合、供給原料は、容器の上方から連続的に移送され、貯留された供給原料は容器の底面から連続的に、例えばコンベア・スクリューにより排出される。
【0056】
WSAPの添加は、貯留容器の上流又は貯留容器中のいずれでも行うことができる。添加は、好ましくは移送口の直前又は直後で行われる。
【0057】
ステップc)で用いられるWSAPの量は、0.001から2.0重量%(得ようとするセルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として)である。0.1から1.0重量が好ましい。0.2から0.8重量%が特に好ましく、0.3から0.6重量%が最も好ましく用いられる。
【0058】
ここで、WASPは、水溶液又は粉末の形態で添加するのがよい。WASPは、好ましくは水溶液として添加される。ここで、WSAP水溶液の濃度は、通常、水溶液の総重量を基準として0.5から20重量%である。濃度は、好ましくは1から10重量%であり、特に好ましくは2から7重量%である。
【0059】
このようにしてステップc)で得られる水湿セルロースエーテル組成物の含水率は、不均質水湿セルロースエーテル組成物の総重量を基準として45から85重量%、好ましくは50から80重量%、特に好ましくは55から75重量%であり、最も好ましくは60から72重量%である。
【0060】
WSAP又はその混合物は、供給原料の表面に適用されることが好ましい。WSAP又はその混合物が顆粒状あるいは塊状の水湿セルロースエーテル組成物の内部に取り込まれることは、望ましくない。WSAP又はその混合物を、顆粒状あるいは塊状の水湿セルロースエーテル組成物の内部に望ましくない形態で取り込む可能があるために使用に不向きな装置としては、ニーダーや押出機がある。
【0061】
一方、例えば、タービュラント・ミキサー(turbulent mixers)やリボン・ミキサーは使用に適している。キャビネット・ミキサー(cabinet mixer)は好ましく使用できる。混合装置には粉砕ヘッドを設けることができる。これにより、例えば塊状物がある場合にはこれを砕くことができる。これは、必要であればWSAPの添加前であってもよい。
【0062】
用いられるWSAPの例は次のとおりである。マレイン酸、アクリル酸又はメタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メチル)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メチル)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メチル)アクリロイルプロパンスルホン酸、それらの塩又はエステルをベースとする水溶性のホモ−又はコポリマー。例えば、これらの酸と次のモノマーとのコポリマーが使用できる:アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルアルコール。これらの例は次のとおり。ポリアクリレート、ポリアクリルアミドの部分加水分解物、アクリルアミド−アクリル酸コポリマー、ポリアスパルギン酸及びアクリル酸−メタクリレートコポリマー。
【0063】
意外にも、DE 196 01 763 に示されるような、それ自体の調製時に添加剤を必要とするようなポリマーが、添加剤として用いることができる。アクリル酸塩成分、特にはアクリル酸ナトリウムを20重量%未満含むアニオン性ポリアクリルアミドであって、粘度(濃度10重量%の塩化ナトリウム溶液中に濃度1重量%でブルックフィールド粘度計で測定)が1000mPa・s未満のものが好適に用いられる。
【0064】
所望によりステップc)においてさらなる成分を添加してもよい。ここでは特に、粉砕され乾燥されたセルロースエーテル組成物を調製するために、以下に述べる付加的な後続工程において分級された後に得られる粉状セルロース誘導体をあげることができる。例えば、要求される粒径を有しない粉末画分をリサイクルすることができる。
【0065】
本発明による方法の好ましい態様においては、でんぷん、でんぷんエーテル、グアー(guar)、グアーエーテル、キサンタンは水湿セルロースエーテルもしくはセルロースエーテル混合物又は不均質水湿セルロースエーテル組成物には加えてはならず、少なくとも、いかなる場合にも乾燥セルロースエーテル又はその混合物を基準として0.1重量%ないし10重量%の量であってはならない。
【0066】
粉砕し乾燥したセルロースエーテル組成物を調製するための通常の後続工程では、WSAPを含有する水湿セルロースエーテル組成物が乾燥され粉砕される。粉砕と乾燥を一段階で行うことも可能である(粉砕/乾燥の組合せ処理)。乾燥及び粉砕処理もしくは粉砕/乾燥組合せ処理は、従来技術に従って行われる。粉砕及び乾燥は、これらを組み合わせて一段階で行うことが好ましい。任意工程であるが、生産物をさらに細かく砕くために、従来技術に従いさらなる粉砕工程を付加することもできる。
【0067】
本発明に従った上述した方法によれば、次のような水湿セルロースエーテル組成物が得られる。
a)15から55重量%、好ましくは20から50重量%、より好ましくは25から45重量%の、次の成分を含む乾燥成分、
i) セルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として79.2から99.999重量%のセルロースエーテル又はその混合物、
ii)セルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として0.001から2.0重量%、好ましくは0.1から1.0重量%、より好ましくは0.2から0.8重量%の、アニオン基を有する水溶性高分子添加剤(WSAP)又はその混合物、
iii)任意成分として、セルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として10重量%まで、好ましくは0.1から5重量%、特に好ましくは0.2から3重量%の、さらなる添加剤
iv)任意成分として、セルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として8.8重量%までの他の成分
b)45から85重量%、好ましくは50から80重量%、より好ましくは55から75重量%の水、
そして、この水湿セルロースエーテル組成物は、WSAP又はWSAP混合物が水湿セルロースエーテル組成物に不均質に分布していること、すなわち、不均質水湿セルロースエーテル組成物の粒子及び/又は塊状物の間あるいはそれらの表面に分布しており、粒子及び/又は塊状物の内部に存在するWSAPは組成物中のWSAPの50%未満であることにより特徴づけられる。
【0068】
好ましい態様において、本発明による水湿組成物中のWSAPのうち粒子及び/又は塊状物の内部に存在するものは、40%未満、好ましくは30%未満である。WSAPが粒子内に存在するか否かは、粒子の断面から決定される。厚さが約10-1000nmの切片がミクロトーム、例えばUltra Cut E(Reichert-Jung)、を用いて、例えばエポキシ樹脂に包埋して調製することができる。当業者であれば、簡単な実験により適切な調製条件を見出すことができる。
【0069】
WSAP又はWSAPの分布は、もし外来原子、例えば窒素がWSAP中に存在するのであれば、TEM-EDX又はTEM-EELSによって決定できる(TEM=透過型電子顕微鏡;EELS=電子エネルギー損失分光法)。
【0070】
さらに、従来技術に従い包埋された薄片は、カチオン性蛍光マーカーにより染色することができる。カチオン性蛍光マーカー、例えば臭化プロピリジウム(Invitrogen製)の分布はWSAPの分布を反映するもので、蛍光分光法により検出できる。染色の条件は、粒子中のWSAPその他の成分が分解しないように選ばなければならない。
【0071】
好ましい方法は、二次イオン質量分析法である。ここでは、一次ビーム(O2+,O-,Ar+ 又はCs+)は試料に最大直径約2μmで集束させる。生じた二次イオンは、調査した領域における組成の位置的な分布情報を与える。一次ビームにより表面層が除去されることから、薄片化に必要な複雑な試料調製を行わなくても、深さ方向の組成変化がわかる。
【0072】
こうして得られたセルロースエーテル製品は、タイル接着剤、セメントや石膏の下塗り、充填用コンパウンド、エマルション塗料や分散体接着剤などの分散系、押出加工するセメント質系その他の建築材料の添加剤として好適に用いられる。
【0073】
セルロースエーテル製品を特定の建築材料系用として適合させるために、例えばUS-A-4 654 085に記載されるように、粉状添加剤をさらに添加することもできる。
【0074】

他に述べない限り、メチルヒドロキシエチルセルロース及びメチルヒドロキシプロピルセルロースの粘度は、乾燥セルロースエーテルの水溶液として20℃で2.55s-1のせん断勾配で測定される(測定装置:Haake Rotovisko VT 550)。
【0075】
例1(比較)
2.66kgの水湿MHEC(含水率64重量%、濃度2重量%の溶液の粘度40000mPa・s、DS(methyl) 1.35-1.40、MS(hydroxyethyl)0.15-0.20)を水で湿潤させて含水率75.5重量%にし、水平軸を有する容量5リットルのリボンミキサー内で10分間攪拌する。
【0076】
生成物は、垂直方向の混合シャフトと低速で回転する粉砕部材とを有する混合機に移し、さらに20分間攪拌する。貯留能力は壁面に付着した生産物の割合により評価する。また、分配能力は、粒状体の大きさと表面の性質により評価する。
【0077】
例2(本発明)
次の実験(実験2)として、実験1と同様に水平軸を有するミキサー内で9分間攪拌した後に、3.5重量%のポリアクリルアミド(PAAm)であってのせん断勾配2.55s-1(Haake Rotovisko)における粘度が18060mPa・sのものを使用する。このポリアクリルアミドはアニオン比が約5%である。セルロースエーテルに対して使用するポリアクリルアミドの量は、調製しようとするセルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として0.4重量%である。実験2の生成物もまた実験1の貯留容器において20分間同じスピードで攪拌される。
【0078】
【表1】

【0079】
例3(比較)
例3では、水湿MHECのろ過物であって含水率56.09重量%のものを用いる(濃度2重量%の溶液の粘度9150mPa・s、DS(methyl) 1.79、MS(hydroxyethyl) 0.14)。MHECは水平シャフトを有する混合機内で水と混合し、含水率69.23重量%とする。水の添加後10分間混合する。
【0080】
水湿セルロースエーテルは垂直方向の混合シャフトを有し低速で回転する粉砕部材を有する混合機に移送する。垂直方向の混合シャフトを有する装置(貯留容器)内でさらに10分間貯留した後に、セルロースエーテルが排出される際の様子あるいは製品の排出が壁面への付着により妨げられるか否かを評価する。さらに、乾燥した生成物が1cmの開口部を有する金属シートを通過する割合を評価する。
【0081】
例4
例3と同様の手順であるが、水平方向の混合シャフトを有する混合機において、水との混合の直後に、例2で使用したポリアクリルアミドの濃度5.85重量%の溶液を添加する。ポリアクリルアミドの量は、調製しようとするセルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として0.4重量%である。
【0082】
例5
例4と同様であるが、ポリアクリルアミド溶液を9分間の混合の後に加える。
【0083】
例6及び7
例4及び5と同様であるが、3.5重量%のアクリルアミド溶液を用いる。
【0084】
【表2】

【0085】
例8から12
例8では、手順は例3と同様であるが、異なる出発原料を用いる。これは水湿MHECのろ過物であって含水率61.79重量%である(濃度2重量%の溶液の粘度35-45 000mPa・s、DS(methyl) 1.35-1.40、MS(hydroxyethyl) 0.13-0.20)。MHECは水平シャフトを有する混合機内で水と混合し、含水率69.23重量%に湿潤される。水の添加後に10分間混合する。生成物が壁面とシャフトに付着するか否かを評価する。
【0086】
次いで水湿セルロースエーテルは垂直方向の混合シャフトと低速で回転する粉砕部材を有する混合機に移送する。垂直方向の混合シャフトを有する装置(貯留容器)において更に10分の貯留の後に、生産物の排出が壁面への付着により妨げられるか否かを評価する。さらに、1cmの開口部を有する金属シートを通過する生成物の割合を測定する(例3とは異なり、測定は湿潤生成物について行う)。
【0087】
例9
例8と同様の手順であるが、ポリアクリルアミドの濃度5.5重量%溶液を、水平方向の混合シャフトを有する混合機内において水のすぐ後に添加する。ポリアクリルアミドの量は、調製しようとするセルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として0.4重量%である。
【0088】
例10
例9と同様であるが、ポリアクリルアミド溶液は、9分間の混合後に加える。
【0089】
例11及び12
例9及び例10と同様であるが、3.5重量%のポリアクリルアミド溶液を用いる。
【0090】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物及び/又は塊状物を含む水湿セルロースエーテル組成物であって、
a)以下の成分を含む、15から55重量%の乾燥成分、
i) セルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として79.2から99.999重量%のセルロースエーテル又はその混合物、
ii)セルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として0.001から2.0重量%の、アニオン基を有する水溶性高分子添加剤(WSAP)又はその混合物、
iii)所望によりセルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として10重量%までの、さらなる添加剤
iv)所望によりセルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として8.8重量%までの、他の成分
b)45から85重量%の水
を含み、
WSAP又はWSAP混合物が水湿セルロースエーテル組成物に不均質に分布していること、すなわち、水湿セルロースエーテル組成物の粒状物及び/又は塊状物の間あるいはそれらの表面に分布しており、粒状物及び/又は塊状物の内部に存在するWSAPは、組成物中のWSAPの50%未満であることにより特徴づけられる水湿セルロースエーテル組成物。
【請求項2】
先行するいずれかの請求項に記載される水湿組成物であって、WSAPが、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メチル)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メチル)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メチル)アクリロイルプロパンスルホン酸、それらの塩及びエステルをベースとする水溶性のホモ−及びコポリマーからなるグループから選択され、当該グループにはこれらの酸とアクリルアミド、酢酸ビニル及びビニルアルコールからなるグループから選択されるモノマーとのコポリマーが包含される、水湿組成物。
【請求項3】
先行するいずれかの請求項に記載される水湿組成物であって、WSAPがアクリル酸塩成分を20重量%未満含むアニオン性ポリアクリルアミドであり、濃度10重量%の塩化ナトリウム溶液中に濃度1重量%で25℃において測定した粘度が1000mPa・s未満である水湿組成物。
【請求項4】
先行するいずれかの請求項に記載される水湿組成物であって、セルロースエーテル誘導体が、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそれらの誘導体からなるグループから選択される水湿組成物。
【請求項5】
先行するいずれかの請求項に記載される水湿組成物であって、でんぷん、でんぷんエーテル、グアー、グアーエーテル、キサンタンが、乾燥セルロースエーテル又はその混合物を基準として0.1重量%ないし10重量%の量で存在しない水湿組成物。
【請求項6】
先行するいずれかの請求項に記載される水湿組成物であって、a)iii)におけるさらなる添加剤が、
過酸化水素、オゾン、ハイポハライド、過ホウ素酸塩、過炭酸塩などの酸化剤;グリオキザール、グルチルアルデヒドなどのジアルデヒド;アルカリ金属のリン酸塩、硫酸塩、塩化物などの塩;リン酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩などの緩衝系;多官能性エポキシド、多官能性イソシアネートなどの架橋剤;保存剤、分散剤、消泡剤、AE剤、顔料、ノニオン性、アニオン性及びカチオン性の界面活性剤;非架橋の高分子添加剤、
からなるグループから選択される水湿組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載された水湿セルロースエーテル組成物を調製する方法であって、
a) 水湿セルロースエーテル又はセルロースエーテル混合物を含む出発原料であって、含水率が出発原料の合計重量を基準として25から75重量%である出発原料の供給、
b) 所望により出発原料に対し、水の添加混合及び/又はさらなる添加物(ただしWSAPを除く)の添加混合、
のステップを含み、
c) 調製しようとするセルロースエーテル組成物の乾燥重量を基準として0.001から2.0重量%となる量のWSAP又はWSAPの混合物の、ステップa)又はステップa)とb)により得られた組成物への添加、
のステップにより特徴づけられ、これにより、セルロースエーテル組成物の総重量に基づく含水率が45から85重量%である水湿セルロースエーテル組成物を得る方法。
【請求項8】
請求項7に記載された方法であって、WSAP又はWSAP混合物を水溶液又は粉末の形態でステップc)に添加する方法。
【請求項9】
請求項8に記載された方法であって、WSAP又はWSAP混合物を水溶液又は粉末の形態でステップc)に添加するにあたり、粉砕用部材、ニーダー又は押出機を使用せず、これによって、WSAPがセルロースエーテル組成物の粒状物及び/又は塊状物の内部に混ぜ込まれることを回避する方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれかに記載された方法であって、さらなる成分、及び/又は、請求項12に記載される粉砕され乾燥されたセルロースエーテル組成物を調製するための後続工程において得られ、分級又は分類された後の粉状セルロースを、添加する方法。
【請求項11】
請求項7から10のいずれかに記載された方法であって、でんぷん、でんぷんエーテル、グアー、グアーエーテルないしはキサンタンが、乾燥セルロースエーテル又はその混合物を基準として0.1重量%ないし10重量%の量で添加されない該方法。
【請求項12】
粉砕し乾燥したセルロースエーテル組成物を調製する方法であって、請求項7から11のいずれかに記載された方法により水湿セルロースエーテル組成物が得られた後に、さらに次のステップを設ける方法。
d)水湿セルロースエーテル組成物を乾燥する、
e)次いで粉砕し、ここでステップd)とe)は、粉砕/乾燥処理を組み合わせて1ステップとして行うこともでき、及び、
f)所望によりさらに粉砕処理に付する。
【請求項13】
水湿セルロースエーテル組成物であって好ましくは請求項1から6のいずれかに記載された組成物を、少なくとも2つの粉砕機、乾燥機又は粉砕/乾燥処理組合せプラントに、好ましくは排出用スクリューコンベアによって分配する方法であって、アニオン基を有する水溶性高分子添加剤(WSAP)又はWSAP混合物が不均質に分布した水湿セルロースエーテル組成物を分配することを特徴とする方法。
【請求項14】
移送装置内、特にコンベア・スクリュー内において、粒状及び/又は塊状の成分を含んでいる水湿セルロースエーテル組成物の移送性を改善するための、アニオン基を有する水溶性高分子添加剤(WSAP)又はその混合物の使用。

【公表番号】特表2012−505933(P2012−505933A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531374(P2011−531374)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006997
【国際公開番号】WO2010/043307
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】