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保護膜形成用薬液の調製方法
説明

保護膜形成用薬液の調製方法

【課題】表面に凹凸パターンを有し該凹凸パターンの少なくとも一部がケイ素元素を含むウェハの製造方法において、パターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善し、特に該改善効果の持続性(ポットライフ)に優れる、ウェハの凹凸パターン表面に撥水性保護膜を形成する保護膜形成用薬液の調製方法及び該薬液を提供することを課題とする。
【解決手段】上記ウェハの洗浄時に、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に撥水性保護膜を形成するための、非水有機溶媒と、シリル化剤と、酸又は塩基とを有する、撥水性保護膜形成用薬液の調製方法であり、
非水有機溶媒中の水分濃度を200質量ppm以下にする、脱水工程、
脱水工程後の非水有機溶媒と、シリル化剤と、酸又は塩基とを混合する、混合工程
を有することを特徴とする、撥水性保護膜形成用薬液の調製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス製造などにおいて、回路パターン化されたデバイスの製造歩留まりの向上を目的とした基板(ウェハ)の洗浄技術に関する。特に、表面に凹凸パターンを有するウェハの凹凸パターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善することを目的とした撥水性保護膜形成用薬液やその調製方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークやデジタル家電用の半導体デバイスにおいて、さらなる高性能・高機能化や低消費電力化が要求されている。そのため回路パターンの微細化が進行しており、それに伴い製造歩留まりの低下を引き起こすパーティクルサイズも微小化している。その結果、微小化したパーティクル等の汚染物質の除去を目的とした洗浄工程が多用されており、その結果、半導体製造工程全体の3〜4割にまで洗浄工程が占めている。
【0003】
その一方で、従来行われていたアンモニアの混合洗浄剤による洗浄では、回路パターンの微細化に伴い、その塩基性によるウェハへのダメージが問題となっている。そのため、よりダメージの少ない例えば希フッ酸系洗浄剤への代替が進んでいる。
【0004】
これにより、洗浄によるウェハへのダメージの問題は改善されたが、半導体デバイスの微細化に伴うパターンのアスペクト比が高くなることによる問題が顕在化している。すなわち洗浄又はリンス後、気液界面がパターンを通過する時にパターンが倒れる現象を引き起こし、歩留まりが大幅に低下することが大きな問題となっている。
【0005】
このパターン倒れは、ウェハを洗浄液又はリンス液から引き上げるときに生じる。これは、パターンのアスペクト比が高い部分と低い部分との間において、残液高さの差ができ、それによってパターンに作用する毛細管力に差が生じることが原因と言われている。
【0006】
このため、毛細管力を小さくすれば、残液高さの違いによる毛細管力の差が低減し、パターン倒れが解消すると期待できる。毛細管力の大きさは、以下に示される式で求められるPの絶対値であり、この式からγ、もしくは、cosθを小さくすれば、毛細管力を低減できると期待される。
P=2×γ×cosθ/S
(γ:表面張力、θ:接触角、S:パターン寸法(凹部の幅))
【0007】
特許文献1には、シリコンを含む膜により凹凸形状パターンを形成したウェハ表面を酸化等により表面改質し、該表面に水溶性界面活性剤又はシランカップリング剤を用いて撥水性保護膜を形成し、毛細管力を低減し、パターンの倒壊を防止する洗浄方法が開示されている。しかし、上記で使用されている撥水剤は、撥水性付与効果やそのポットライフが不十分である場合がある。
【0008】
また、特許文献2〜4には、シリコンウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部を撥水化するための撥水性洗浄液を用いることで、パターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善できることが開示されているが、該洗浄液のポットライフについては改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4403202号
【特許文献2】特開2010−192878号公報
【特許文献3】特開2010−192879号公報
【特許文献4】特開2010−272852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
半導体デバイスの製造時には、ウェハ表面は凹凸パターンを有する面とされる。本発明は、表面に凹凸パターンを有し該凹凸パターンの少なくとも一部がケイ素元素を含むウェハ(以降、「シリコンウェハ」又は単に「ウェハ」と記載する)の製造方法において、パターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善し、特に該改善効果の持続性(ポットライフ)に優れる、ウェハの凹凸パターン表面に撥水性保護膜を形成する保護膜形成用薬液の調製方法及び該薬液を提供することを課題とする。また、混合することにより前記薬液を得ることができる撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法及び該薬液キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明において、撥水性保護膜とは、ウェハ表面に形成されることにより、該ウェハ表面の濡れ性を低くする膜、すなわち撥水性を付与する膜のことである。本発明において撥水性とは、物品表面の表面エネルギーを低減させて、水やその他の液体と該物品表面との間(界面)で相互作用、例えば、水素結合、分子間力などを低減させる意味である。特に水に対して相互作用を低減させる効果が大きいが、水と水以外の液体の混合液や、水以外の液体に対しても相互作用を低減させる効果を有する。該相互作用の低減により、物品表面に対する液体の接触角を大きくすることができる。以降、撥水性保護膜を単に「保護膜」と記載する場合がある。
【0012】
本発明の薬液を用いてウェハの処理を行うと、洗浄液がウェハの凹凸パターンの凹部から除去されるとき、すなわち、乾燥されるとき、少なくとも凹部表面に前記保護膜が形成されているので、該凹部表面の毛細管力が小さくなり、パターン倒れが生じにくくなる。
【0013】
本発明の第1の態様(以降「第1方法」と記載する場合がある)は、表面に凹凸パターンを有し該凹凸パターンの少なくとも一部がケイ素元素を含むウェハの洗浄時に、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に撥水性保護膜を形成するための、非水有機溶媒と、シリル化剤と、酸又は塩基とを有する、撥水性保護膜形成用薬液(以降「保護膜形成用薬液」又は単に「薬液」と記載する場合がある)の調製方法であり、
非水有機溶媒中の水分濃度を200質量ppm以下にする、脱水工程、
脱水工程後の非水有機溶媒と、シリル化剤と、酸又は塩基とを混合する、混合工程
を有することを特徴とする、撥水性保護膜形成用薬液の調製方法である。
【0014】
前記脱水工程において、非水有機溶媒中の水分濃度を200質量ppm以下にすると、その後の混合工程で非水有機溶媒と、シリル化剤と、酸又は塩基とを混合した際に、加水分解等によるシリル化剤、及び酸又は塩基の活性低下が起こり難いため、得られる薬液を用いると、ウェハの凹部表面に優れた撥水性を付与することができる。さらには、薬液中のシリル化剤、及び酸又は塩基の経時的な劣化が低減されるため、該薬液のポットライフは優れたものとなる。また、前記非水有機溶媒中の水分濃度が100質量ppm以下であると、より好ましくは50質量ppm以下であると、薬液の撥水性付与効果、ポットライフがより優れたものとなるため好ましい。なお、前記脱水工程における、非水有機溶媒中の水分濃度は上記範囲内であれば、0.1質量ppm以上であってもよい。なお、本発明において水分濃度の測定は、例えば、カールフィッシャー式水分計による測定によって行うことができる。
【0015】
前記脱水工程は、非水有機溶媒を蒸留精製すること、非水有機溶媒に不溶性の水吸着剤を加えて該溶媒から水を除去すること、乾燥した不活性ガスによりばっ気置換すること、加熱若しくは真空加熱することからなる群から選ばれる少なくとも1つの方法であることが好ましい。
【0016】
また、前記非水有機溶媒に不溶性の水吸着剤は、ゼオライト、5酸化2リン、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、無水塩化亜鉛、発煙硫酸、ソーダ石灰からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【0017】
本発明の第1方法で用いる非水有機溶媒は、具体的には、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、ヘキサフルオロベンゼンなどのパーフルオロカーボン、1、1、1、3、3−ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン、ゼオローラH(日本ゼオン製)などのハイドロフルオロカーボン、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、アサヒクリンAE−3000(旭硝子製)、Novec7100、Novec7200、Novec7300、Novec7600(いずれも3M製)などのハイドロフルオロエーテル、テトラクロロメタンなどのクロロカーボン、クロロホルムなどのハイドロクロロカーボン、ジクロロジフルオロメタンなどのクロロフルオロカーボン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテル等がある含ハロゲン溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、γ-ノナノラクトン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカノラクトン、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトン、δ-ノナノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ウンデカノラクトン、δ-ドデカノラクトン、ε-ヘキサノラクトン等のラクトン系溶媒、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジメチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等の多価アルコールの誘導体、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の窒素元素含有溶媒が挙げられる。
【0018】
前記非水有機溶媒は、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、N−H基を持たない窒素元素含有溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。前記シリル化剤はOH基やN−H基を含有する非水有機溶媒と反応し易いことから、前記非水有機溶媒として、OH基やN−H基を含有する非水有機溶媒を用いると、前記シリル化剤の反応性が低減する恐れがあり、その結果、短時間で撥水性を発現し難い恐れがある。一方、前記シリル化剤はOH基やN−H基を含有しない非水有機溶媒と反応し難いことから、前記非水有機溶媒として、OH基やN−H基を含有しない非水有機溶媒を用いると、前記シリル化剤の反応性が低減し難く、その結果、短時間で撥水性を発現し易い。なお、OH基やN−H基を含有しない非水有機溶媒は、OH基やN−H基を含有しない非水極性溶媒とOH基やN−H基を含有しない非水非極性溶媒の両方のことである。
【0019】
また、前記非水有機溶媒の一部、又は、全てに不燃性のものを使うと、保護膜形成用薬液が不燃性になる、あるいは、引火点が高くなって、該薬液の危険性が低下するので好ましい。含ハロゲン溶媒は不燃性のものが多く、不燃性含ハロゲン溶媒は不燃性有機溶媒として好適に使用できる。
【0020】
また、前記非水有機溶媒として引火点が70℃を超える溶媒を用いると、消防法上の安全性の観点から好ましい。
【0021】
また、「化学品の分類および表示に関する国際的調和システム;GHS」によると、引火点が93℃以下の溶媒を「引火性液体」として定義している。そのため、不燃性溶媒でなくとも、前記非水有機溶媒として引火点が93℃を超える溶媒を用いると、前記保護膜形成用薬液の引火点は93℃超になりやすく、該薬液が「引火性液体」に該当し難くなるため、安全性の観点からさらに好ましい。
【0022】
ラクトン系溶媒や、カーボネート系溶媒や、多価アルコールの誘導体のうちOH基を持たないものは、引火点が高いものが多いので、前記保護膜形成用薬液の危険性を低くできるので好ましい。上記の安全性の観点から、具体的には引火点が70℃を超える、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、γ-ノナノラクトン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカノラクトン、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトン、δ-ノナノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ウンデカノラクトン、δ-ドデカノラクトン、ε-ヘキサノラクトン、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等を前記非水有機溶媒として用いることがより好ましく、引火点が93℃を超える、γ-ブチロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、γ-ノナノラクトン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカノラクトン、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトン、δ-ノナノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ウンデカノラクトン、δ-ドデカノラクトン、ε-ヘキサノラクトン、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等を前記非水有機溶媒として用いることがさらに好ましい。
【0023】
また、前記シリル化剤は、下記一般式[1]で表されるケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
(RSi(H)4−a−b [1]
[式1中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基を含む1価の有機基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、ケイ素元素と結合する元素が窒素である1価の官能基、ケイ素元素と結合する元素が酸素である1価の官能基、ハロゲン基、ニトリル基、および、−CO−NH−Si(CHからなる群から選ばれる少なくとも1つの基を表す。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数であり、aとbの合計は1〜3である。]
【0024】
前記一般式[1]のRは前記保護膜の表面エネルギーを低減させて、水やその他の液体と該保護膜表面との間(界面)で相互作用、例えば、水素結合、分子間力などを低減させる。特に水に対して相互作用を低減させる効果が大きいが、水と水以外の液体の混合液や、水以外の液体に対しても相互作用を低減させる効果を有する。これにより、物品表面に対する液体の接触角を大きくすることができる。
【0025】
前記一般式[1]のXは、シリコンウェハの反応サイトであるシラノール基に対して反応性を有する反応性部位であり、該反応性部位とウェハのシラノール基とが反応し、シリル化剤がシロキサン結合を介してシリコンウェハのケイ素元素と化学的に結合することによって前記保護膜が形成される。洗浄液を用いたシリコンウェハの洗浄に際して、ウェハの凹部から洗浄液が除去されるとき、すなわち、乾燥されるとき、前記凹部表面に前記保護膜が形成されていると、該凹部表面の毛細管力が小さくなり、パターン倒れが生じにくくなる。
【0026】
前記一般式[1]のXの一例であるケイ素元素に結合する元素が窒素の1価の官能基には、水素、炭素、窒素、酸素だけでなく、ケイ素、硫黄、ハロゲンなどの元素が含まれていても良い。該官能基の例としては、イソシアネート基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、イソチオシアネート基、アジド基、アセトアミド基、−N(CH)C(O)CH、−N(CH)C(O)CF、−N=C(CH)OSi(CH、−N=C(CF)OSi(CH、−NHC(O)−OSi(CH、−NHC(O)−NH−Si(CH、イミダゾール環(下式[7])、オキサゾリジノン環(下式[8])、モルホリン環(下式[9])、−NH−C(O)−Si(CH、−N(H)2−h(Si(H)3−i(Rは、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1〜18の1価の炭化水素基、hは1又は2、iは0〜2の整数)などがある。

【0027】
また、前記一般式[1]のXの一例であるケイ素元素に結合する元素が酸素の1価の官能基には、水素、炭素、窒素、酸素だけでなく、ケイ素、硫黄、ハロゲンなどの元素が含まれていても良い。該官能基の例としては、アルコキシ基、−OC(CH)=CHCOCH、−OC(CH)=N−Si(CH、−OC(CF)=N−Si(CH、−O−CO−R10(R10は、一部又は全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)、一部又は全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良いアルキルスルホネート基などがある。
【0028】
また、前記一般式[1]のXの一例であるハロゲン基には、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などがある。
【0029】
前記一般式[1]で表されるシリル化剤としては、例えば、CHSi(OCH、CSi(OCH、CSi(OCH、CSi(OCH、C11Si(OCH、C13Si(OCH、C15Si(OCH、C17Si(OCH、C19Si(OCH、C1021Si(OCH、C1123Si(OCH、C1225Si(OCH、C1327Si(OCH、C1429Si(OCH、C1531Si(OCH、C1633Si(OCH、C1735Si(OCH、C1837Si(OCH、(CHSi(OCH、CSi(CH)(OCH、(CSi(OCH、CSi(CH)(OCH、(CSi(OCH、CSi(CH)(OCH、(CSi(OCH、C11Si(CH)(OCH、C13Si(CH)(OCH、C15Si(CH)(OCH、C17Si(CH)(OCH、C19Si(CH)(OCH、C1021Si(CH)(OCH、C1123Si(CH)(OCH、C1225Si(CH)(OCH、C1327Si(CH)(OCH、C1429Si(CH)(OCH、C1531Si(CH)(OCH、C1633Si(CH)(OCH、C1735Si(CH)(OCH、C1837Si(CH)(OCH、(CHSiOCH、CSi(CHOCH、(CSi(CH)OCH、(CSiOCH、CSi(CHOCH、(CSi(CH)OCH、(CSiOCH、CSi(CHOCH、(CSiOCH、C11Si(CHOCH、C13Si(CHOCH、C15Si(CHOCH、C17Si(CHOCH、C19Si(CHOCH、C1021Si(CHOCH、C1123Si(CHOCH、C1225Si(CHOCH、C1327Si(CHOCH、C1429Si(CHOCH、C1531Si(CHOCH、C1633Si(CHOCH、C1735Si(CHOCH、C1837Si(CHOCH、(CHSi(H)OCH、CHSi(H)OCH、(CSi(H)OCH、CSi(H)OCH、CSi(CH)(H)OCH、(CSi(H)OCH等のアルキルメトキシシラン、あるいは、CFCHCHSi(OCH、CCHCHSi(OCH、CCHCHSi(OCH、CCHCHSi(OCH、C11CHCHSi(OCH、C13CHCHSi(OCH、C15CHCHSi(OCH、C17CHCHSi(OCH、CFCHCHSi(CH)(OCH、CCHCHSi(CH)(OCH、CCHCHSi(CH)(OCH、CCHCHSi(CH)(OCH、C11CHCHSi(CH)(OCH、C13CHCHSi(CH)(OCH、C15CHCHSi(CH)(OCH、C17CHCHSi(CH)(OCH、CFCHCHSi(CHOCH、CCHCHSi(CHOCH、CCHCHSi(CHOCH、CCHCHSi(CHOCH、C11CHCHSi(CHOCH、C13CHCHSi(CHOCH、C15CHCHSi(CHOCH、C17CHCHSi(CHOCH、CFCHCHSi(CH)(H)OCH等のフルオロアルキルメトキシシラン、あるいは、前記アルキルメトキシシランや前記フルオロアルキルメトキシシランのメトキシ基のメチル基部分を、炭素数が2〜18の1価の炭化水素基に置き換えたアルコキシシラン化合物、あるいは、前記メトキシ基を、−OC(CH)=CHCOCH、−OC(CH)=N−Si(CH、−OC(CF)=N−Si(CH、−O−CO−R10(R10は、一部又は全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)、一部又は全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良いアルキルスルホネート基、イソシアネート基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、イソチオシアネート基、アジド基、アセトアミド基、−N(CH)C(O)CH、−N(CH)C(O)CF、−N=C(CH)OSi(CH、−N=C(CF)OSi(CH、−NHC(O)−OSi(CH、−NHC(O)−NH−Si(CH、イミダゾール環、オキサゾリジノン環、モルホリン環、−NH−C(O)−Si(CH、−N(H)2−h(Si(H)3−i(Rは一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1〜18の1価の炭化水素基、hは
1又は2、iは0〜2の整数)、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、ニトリル基、または、−CO−NH−Si(CHに置き換えた化合物などが挙げられる。
【0030】
前記一般式[1]において4−a−bで表されるシリル化剤のXの数が1であると、前記保護膜を均質に形成できるのでより好ましい。
【0031】
また、前記一般式[1]におけるRは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基から選ばれる少なくとも1つの基、より好ましくは、C2m+1(m=1〜18)、及び、C2n+1CHCH(n=1〜8)から選ばれる少なくとも1つの基であると、前記凹凸パターン表面に保護膜を形成した際に、該表面の濡れ性をより低くできる、すなわち、該表面により優れた撥水性を付与できるためより好ましい。また、mが1〜12、nが1〜8であると、前記凹凸パターン表面に保護膜を短時間に形成できるためより好ましい。
【0032】
また、前記酸は、塩化水素、硫酸、過塩素酸、下記一般式[2]で表されるスルホン酸およびその無水物、下記一般式[3]で表されるカルボン酸およびその無水物、アルキルホウ酸エステル、アリールホウ酸エステル、トリス(トリフルオロアセトキシ)ホウ素、トリアルコキシボロキシン、トリフルオロホウ素、下記一般式[4]で表されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
S(O)OH [2]
[式2中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。]
COOH [3]
[式3中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。]
(RSi(H)4−c−d [4]
[式4中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、クロロ基、−OCO−R(Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)、および、−OS(O)−R(Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を表す。cは1〜3の整数、dは0〜2の整数であり、cとdの合計は1〜3である。]
【0033】
前記一般式[2]で表されるスルホン酸およびその無水物としては、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸などがあり、前記一般式[3]で表されるカルボン酸およびその無水物としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ペンタフルオロプロピオン酸などがあり、前記一般式[4]で表されるシラン化合物としては、クロロシラン、アルキルシリルアルキルスルホネート、アルキルシリルエステルが好ましく、トリメチルシリルトリフルオロアセテート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ジメチルシリルトリフルオロアセテート、ジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ブチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、オクチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、オクチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、デシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、デシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートなどがある。
【0034】
また、前記塩基は、アンモニア、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアニリン、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ピリジン、ピペラジン、N−アルキルモルホリン、下記一般式[5]で示されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましい。
(RSi(H)4−e−f [5]
[式5中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、ケイ素元素と結合する元素が窒素であり、フッ素元素やケイ素元素を含んでいても良い1価の官能基である。eは1〜3の整数、fは0〜2の整数であり、eとfの合計は1〜3である。]
【0035】
薬液中に含まれる上記の酸又は塩基によって、前記シリル化剤とシリコンウェハの凹凸パターン表面の反応サイトであるシラノール基との反応が促進されるため、該薬液による表面処理によりウェハ表面に優れた撥水性を付与することができる。なお、前記酸又は塩基は、保護膜の一部を形成してもよい。
【0036】
反応促進効果を考慮すると、前記薬液中には酸が含まれることが好ましく、中でも塩化水素や過塩素酸などの強酸のブレンステッド酸、トリフルオロメタンスルホン酸や無水トリフルオロメタンスルホン酸などの、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたアルカンスルホン酸やその酸無水物、トリフルオロ酢酸や無水トリフルオロ酢酸やペンタフルオロプロピオン酸などの、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたカルボン酸やその酸無水物、クロロシラン、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたアルキルシリルアルキルスルホネート、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたアルキルシリルエステルが特に好ましい。なお、アルキルシリルエステルは、ケイ素元素にアルキル基と−O−CO−R’基(R’は、アルキル基)が結合したものである。なお、薬液中に含まれる酸は、反応によって生成されるものであってもよく、例えば、アルキルクロロシランとアルコールを反応させて、生成したアルキルアルコキシシランをシリル化剤とし、生成した塩酸を酸とし、反応で消費されなかったアルコールを非水有機溶媒とする、保護膜形成用薬液を得てもよい。この場合は、アルキルクロロシランとアルコールの混合から前記薬液を得るまでを、「混合工程」とみなす。
【0037】
また、本発明は、上記のいずれかの撥水性保護膜形成用薬液の調製方法で調製した撥水性保護膜形成用薬液である。該薬液として、例えば、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、および、ラクトン系溶媒からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の非水有機溶媒が76〜99.8999質量%、C2x+1基(x=1〜12)又はC2y+1CHCH基(y=1〜8)を持つアルコキシシラン、トリメチルジメチルアミノシラン、トリメチルジエチルアミノシラン、ブチルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、ブチルジメチル(ジエチルアミノ)シラン、ヘキシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、ヘキシルジメチル(ジエチルアミノ)シラン、オクチルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、オクチルジメチル(ジエチルアミノ)シラン、デシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、デシルジメチル(ジエチルアミノ)シラン、ドデシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、ドデシルジメチル(ジエチルアミノ)シランからなる群より選ばれた少なくとも1種以上のシリル化剤が0.1〜20質量%、トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルシリルトリフルオロアセテート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ジメチルシリルトリフルオロアセテート、ジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ブチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、オクチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、オクチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、デシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、及び、デシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の酸が0.0001〜4質量%からなる混合物を含むもの、又は当該混合物だけからなるものを使用することが好ましい。
【0038】
また、例えば、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、および、OH基を持たない多価アルコールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の非水有機溶媒が76〜99.8999質量%、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、1,3−ジブチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジヘキシルテトラメチルジシラザン、1,3−ジオクチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジデシルテトラメチルジシラザン、1,3−ジドデシルテトラメチルジシラザンからなる群より選ばれた少なくとも1種以上のシリル化剤が0.1〜20質量%、トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルシリルトリフルオロアセテート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ジメチルシリルトリフルオロアセテート、ジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ブチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、オクチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、オクチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、デシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、及び、デシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の酸が0.0001〜4質量%からなる混合物を含むもの、又は当該混合物だけからなるものを使用することが好ましい。
【0039】
本発明の第2の態様(以降「第2方法」と記載する場合がある)は、表面に凹凸パターンを有し該凹凸パターンの少なくとも一部がケイ素元素を含むウェハの洗浄時に、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に撥水性保護膜を形成するための、非水有機溶媒と、シリル化剤とを有する処理液Aと、非水有機溶媒と、酸又は塩基とを有する処理液Bからなる、撥水性保護膜形成用薬液キット(以降、単に「薬液キット」と記載する場合がある)の調製方法であり、
非水有機溶媒中の水分濃度を200質量ppm以下にする、脱水工程、
脱水工程後の非水有機溶媒と、シリル化剤とを混合する、処理液A作製工程、
脱水工程後の非水有機溶媒と、酸又は塩基とを混合する、処理液B作製工程
を有することを特徴とする、撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法である。
【0040】
前記脱水工程において、非水有機溶媒中の水分濃度を200質量ppm以下にすると、その後の処理液A作製工程と処理液B作製工程で得られた処理液Aと処理液Bを混合し、得られた薬液を使用している間に該薬液の活性低下が起こり難いため、該薬液キットから得られる薬液のポットライフは優れたものとなる。前記非水有機溶媒中の水分濃度が100質量ppm以下であると、より好ましくは50質量ppm以下であると、薬液キットを混合して作製した撥水性保護膜形成用薬液の撥水性付与効果、及び、該薬液のポットライフがより優れたものとなるため好ましい。なお、前記脱水工程における、非水有機溶媒中の水分濃度は上記範囲内であれば、0.1質量ppm以上であってもよい。
【0041】
前記脱水工程は、非水有機溶媒を蒸留精製すること、非水有機溶媒に不溶性の水吸着剤を加えて該溶媒から水を除去すること、乾燥した不活性ガスによりばっ気置換すること、加熱若しくは真空加熱することからなる群から選ばれる少なくとも1つの方法であることが好ましい。
【0042】
また、前記非水有機溶媒に不溶性の水吸着剤は、ゼオライト、5酸化2リン、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、無水塩化亜鉛、発煙硫酸、ソーダ石灰からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【0043】
本発明の第2方法で用いる非水有機溶媒は、第1方法で用いる非水有機溶媒と同様のものを用いることができる。
【0044】
本発明の第2方法で用いるシリル化剤は、前記一般式[1]で表されるケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【0045】
さらに、前記シリル化剤は、下記一般式[6]で表されるケイ素化合物であることが好ましい。
SiX4−g [6]
[式6中、Rは、それぞれ互いに独立して、水素基、及び、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基から選ばれる少なくとも1つの基であり、ケイ素元素と結合する全ての前記炭化水素基に含まれる炭素数の合計は6以上である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、ケイ素元素と結合する元素が窒素である1価の官能基、ケイ素元素と結合する元素が酸素である1価の官能基、ハロゲン基、ニトリル基、および、−CO−NH−Si(CHから選ばれる少なくとも1つの基であり、gは1〜3の整数である。]
【0046】
前記一般式[6]のRは前記保護膜の表面エネルギーを低減させて、水やその他の液体と該保護膜表面との間(界面)で相互作用、例えば、水素結合、分子間力などを低減させる。特に水に対して相互作用を低減させる効果が大きいが、水と水以外の液体の混合液や、水以外の液体に対しても相互作用を低減させる効果を有する。これにより、物品表面に対する液体の接触角を大きくすることができる。Rは疎水性基であり、疎水性基が大きなもので保護膜を形成すると、処理した後のウェハ表面は良好な撥水性を示す。Rとしてケイ素元素と結合する全ての前記炭化水素基に含まれる炭素数の合計が、6以上であれば、ケイ素元素を含む凹凸パターンの単位面積あたりのOH基数量が少なくても、十分に撥水性能を生ぜせしめる撥水膜を形成することができる。
【0047】
前記一般式[6]のXは、シリコンウェハの反応サイトであるシラノール基に対して反応性を有する反応性部位であり、該反応性部位とウェハのシラノール基とが反応し、シリル化剤がシロキサン結合を介してシリコンウェハのケイ素元素と化学的に結合することによって前記保護膜が形成される。洗浄液を用いたシリコンウェハの洗浄に際して、ウェハの凹部から洗浄液が除去されるとき、すなわち、乾燥されるとき、前記凹部表面に前記保護膜が形成されていると、該凹部表面の毛細管力が小さくなり、パターン倒れが生じにくくなる。
【0048】
一般式[6]で示されるケイ素化合物としては、例えば、C(CHSiCl、C11(CHSiCl、C13(CHSiCl、C15(CHSiCl、C17(CHSiCl、C19(CHSiCl、C1021(CHSiCl、C1123(CHSiCl、C1225(CHSiCl、C1327(CHSiCl、C1429(CHSiCl、C1531(CHSiCl、C1633(CHSiCl、C1735(CHSiCl、C1837(CHSiCl、C11(CH)HSiCl、C13(CH)HSiCl、C15(CH)HSiCl、C17(CH)HSiCl、C19(CH)HSiCl、C1021(CH)HSiCl、C1123(CH)HSiCl、C1225(CH)HSiCl、C1327(CH)HSiCl、C1429(CH)HSiCl、C1531(CH)HSiCl、C1633(CH)HSiCl、C1735(CH)HSiCl、C1837(CH)HSiCl、C(CHSiCl、C(CHSiCl、C(CHSiCl、C11(CHSiCl、C13(CHSiCl、C15(CHSiCl、C17(CHSiCl、(CSiCl、C(CSiCl、C(CSiCl、C11(CSiCl、C13(CSiCl、C15(CSiCl、C17(CSiCl、C19(CSiCl、C1021(CSiCl、C1123(CSiCl、C1225(CSiCl、C1327(CSiCl、C1429(CSiCl、C1531(CSiCl、C1633(CSiCl、C1735(CSiCl、C1837(CSiCl、(CSiCl、C11(CSiCl、C13(CSiCl、C15(CSiCl、C17(CSiCl、C19(CSiCl、C1021(CSiCl、C1123(CSiCl、C1225(CSiCl、C1327(CSiCl、C1429(CSiCl、C1531(CSiCl、C1633(CSiCl、C1735(CSiCl、C1837(CSiCl、CF(CSiCl、C(CSiCl、C(CSiCl、C(CSiCl、C11(CSiCl、C13(CSiCl、C15(CSiCl、C17(CSiCl、C11(CH)SiCl、C13(CH)SiCl、C15(CH)SiCl、C17(CH)SiCl、C19(CH)SiCl、C1021(CH)SiCl、C1123(CH)SiCl、C1225(CH)SiCl、C1327(CH)SiCl、C1429(CH)SiCl、C1531(CH)SiCl、C1633(CH)SiCl、C1735(CH)SiCl、C1837(CH)SiCl、C(CH)SiCl、C(CH)SiCl、C11(CH)SiCl、C13(CH)SiCl、C15(CH)SiCl、C17(CH)SiCl、C13SiCl、C15SiCl、C17SiCl、C19SiCl、C1021SiCl、C1123SiCl、C1225SiCl、C1327SiCl、C1429SiCl、C1531SiCl、C1633SiCl、C1735SiCl、C1837SiCl、CSiCl、C11SiCl、C13SiCl、C15SiCl、C17SiClなどのクロロシラン系化合物、あるいは、前記クロロシランのクロロ(Cl)基をアルコキシ基、−OC(CH)=CHCOCH、−OC(CH)=N−Si(CH、−OC(CF)=N−Si(CH、−O−CO−R10(R10は、一部又は全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)、一部又は全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良いアルキルスルホネート基、イソシアネート基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、イソチオシアネート基、アジド基、アセトアミド基、−N(CH)C(O)CH、−N(CH)C(O)CF、−N=C(CH)O
Si(CH、−N=C(CF)OSi(CH、−NHC(O)−OSi(CH、−NHC(O)−NH−Si(CH、イミダゾール環、オキサゾリジノン環、モルホリン環、−NH−C(O)−Si(CH、−N(H)2−h(Si(H)3−i(Rは、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1〜18の1価の炭化水素基、hは1又は2、iは0〜2の整数)、ブロモ基、ヨード基、ニトリル基、または、−CO−NH−Si(CHに置き換えた化合物などが挙げられる。
【0049】
また、一般式[6]のgは1〜3の整数であればよいが、gが1又は2である場合、前記薬液キットから得られる薬液を長期保存すると、水分の混入などにより、ケイ素化合物の重合が発生し、保存可能期間が短くなる可能性がある。これを考慮すると、一般式[6]のgが3のものが好ましい。
【0050】
また、一般式[6]で表されるケイ素化合物において、Rのうち1個が、
一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が4乃至18の1価の炭化水素基であり、残りのRがメチル基2個からなるものは、凹凸パターン表面やウェハ表面のOH基との反応速度が速いので好ましい。これは、凹凸パターン表面やウェハ表面のOH基と前記ケイ素化合物との反応において、疎水性基による立体障害が反応速度に大きな影響を与えるためであり、ケイ素元素に結合するアルキル鎖は最も長い一つを除く残り二つは短い方が好ましいからである。
【0051】
また、本発明の第2方法で用いる酸は、第1方法で用いる酸と同様のものを用いることができる。
【0052】
また、本発明の第2方法で用いる塩基は、第1方法で用いる塩基と同様のものを用いることができる。
【0053】
処理液B中に含まれる上記の酸又は塩基によって、薬液キットを混合して作製した撥水性保護膜形成用薬液において、前記シリル化剤とシリコンウェハの凹凸パターン表面の反応サイトであるシラノール基との反応が促進されるため、該薬液による表面処理によりウェハ表面に優れた撥水性を付与することができる。なお、前記酸又は塩基は、保護膜の一部を形成してもよい。
【0054】
反応促進効果を考慮すると、前記処理液B中には酸が含まれることが好ましく、中でも塩化水素や過塩素酸などの強酸のブレンステッド酸、トリフルオロメタンスルホン酸や無水トリフルオロメタンスルホン酸などの、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたアルカンスルホン酸やその酸無水物、トリフルオロ酢酸や無水トリフルオロ酢酸やペンタフルオロプロピオン酸などの、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたカルボン酸やその酸無水物、クロロシラン、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたアルキルシリルアルキルスルホネート、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたアルキルシリルエステルが特に好ましい。
【0055】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法で調製した撥水性保護膜形成用薬液キットである。該薬液キットの処理液Aとして、例えば、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、および、ラクトン系溶媒からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の非水有機溶媒が60〜99.8質量%、C2x+1基(x=1〜10)又はC2y+1CHCH基(y=1〜8)を持つアルコキシシラン、トリメチルジメチルアミノシラン、トリメチルジエチルアミノシラン、ブチルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、ブチルジメチル(ジエチルアミノ)シラン、ヘキシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、ヘキシルジメチル(ジエチルアミノ)シラン、オクチルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、オクチルジメチル(ジエチルアミノ)シラン、デシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、デシルジメチル(ジエチルアミノ)シラン、ドデシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、ドデシルジメチル(ジエチルアミノ)シランからなる群より選ばれた少なくとも1種以上のシリル化剤が0.2〜40質量%からなる混合物を含むもの、又は当該混合物だけからなるものを使用することが好ましい。また、該薬液キットの処理液Bとして、例えば、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、および、ラクトン系溶媒からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の非水有機溶媒が60〜99.9998質量%、トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルシリルトリフルオロアセテート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ジメチルシリルトリフルオロアセテート、ジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ブチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、オクチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、オクチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、デシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、及び、デシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の酸が0.0002〜40質量%からなる混合物を含むもの、又は当該混合物だけからなるものを使用することが好ましい。なお、前記の処理液Aと処理液Bを混合して撥水性保護膜形成用薬液を調製する際は、調製後の薬液の総量100質量%に対して、前記の非水有機溶媒が76〜99.8999質量%、前記のシリル化剤が0.1〜20質量%、前記の酸が0.0001〜4質量%となるように混合することが好ましい。
【0056】
また、該薬液キットの処理液Aとして、例えば、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、および、OH基を持たない多価アルコールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の非水有機溶媒が60〜99.8質量%、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、1,3−ジブチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジヘキシルテトラメチルジシラザン、1,3−ジオクチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジデシルテトラメチルジシラザン、1,3−ジドデシルテトラメチルジシラザンからなる群より選ばれた少なくとも1種以上のシリル化剤が0.2〜40質量%からなる混合物を含むもの、又は当該混合物だけからなるものを使用することが好ましい。また、該薬液キットの処理液Bとして、例えば、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、および、OH基を持たない多価アルコールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の非水有機溶媒が60〜99.9998質量%、トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルシリルトリフルオロアセテート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ジメチルシリルトリフルオロアセテート、ジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ブチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、ヘキシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、オクチルジメチルシリルトリフルオロアセテート、オクチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、デシルジメチルシリルトリフルオロアセテート、及び、デシルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の酸が0.0002〜40質量%からなる混合物を含むもの、又は当該混合物だけからなるものを使用することが好ましい。なお、前記の処理液Aと処理液Bを混合して撥水性保護膜形成用薬液を調製する際は、調製後の薬液の総量100質量%に対して、前記の非水有機溶媒が76〜99.8999質量%、前記のシリル化剤が0.1〜20質量%、前記の酸が0.0001〜4質量%となるように混合することが好ましい。
【発明の効果】
【0057】
本発明の調製方法によって、凹凸パターンを有するシリコンウェハ表面に優れた撥水性を付与することができ、該ウェハの凹凸パターン表面の毛細管力を低下させ、ひいてはパターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善することができる保護膜形成用薬液を得ることができる。さらに、本発明の調製方法によると、特に、前記の改善効果の持続性(ポットライフ)に優れる保護膜形成用薬液を得ることができる。また、本発明の調製方法によって、混合することにより前記薬液を得ることができる撥水性保護膜形成用薬液キットを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0058】
表面に凹凸パターンを有するウェハは、以下のような手順で得られる場合が多い。まず、平滑なウェハ表面にレジストを塗布したのち、レジストマスクを介してレジストに露光し、露光されたレジスト、又は、露光されなかったレジストをエッチング除去することによって所望の凹凸パターンを有するレジストを作製する。また、レジストにパターンを有するモールドを押し当てることでも、凹凸パターンを有するレジストを得ることができる。次に、ウェハをエッチングする。このとき、レジストパターンの凹の部分が選択的にエッチングされる。最後に、レジストを剥離すると、凹凸パターンを有するウェハが得られる。
【0059】
表面に凹凸パターンを有し該凹凸パターンの少なくとも一部がケイ素元素を含むウェハとしては、ウェハ表面にシリコン、酸化ケイ素、又は窒化ケイ素などシリコンを含む膜が形成されたもの、あるいは、上記凹凸パターンを形成したときに、該凹凸パターンの表面の少なくとも一部がシリコン、酸化ケイ素、又は窒化ケイ素などケイ素元素を含むものが含まれる。
【0060】
また、シリコン、酸化ケイ素、及び、窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1つを含む複数の成分から構成されたウェハに対しても、シリコン、酸化ケイ素、及び、窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1つの表面に保護膜を形成することができる。該複数の成分から構成されたウェハとしては、シリコン、酸化ケイ素、及び、窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1つがウェハ表面に形成したもの、あるいは、凹凸パターンを形成したときに、該凹凸パターンの少なくとも一部がシリコン、酸化ケイ素、及び、窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1つとなるものも含まれる。なお、本発明の薬液で保護膜を形成できるのは前記凹凸パターン中のケイ素元素を含む部分の表面である。
【0061】
ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部表面に、保護膜形成用薬液により前記保護膜が形成されたとき、該表面に水が保持されたと仮定したときの接触角は、調製後10分以内の薬液を用いた場合の接触角θに対して、調製後、所定時間保管した薬液を用いた場合の接触角θが、15°以上低下しないことが好ましい(すなわち、θ−θ<15°であることが好ましい)。前記の接触角の低下が15°以上であると、保護膜の撥水性能が安定せず、パターン倒れを誘発しやすい洗浄工程に対する改善効果が十分に持続されない恐れがある(ポットライフが悪い)ため好ましくない。また、前記の接触角θ及びθがいずれも50〜130°であると、パターン倒れが発生し難いためより好ましい。また、該接触角は90°に近いほど凹部に働く毛細管力が小さくなり、パターン倒れが更に発生し難くなるため、60〜120°が特に好ましく、70〜110°がさらに好ましい。なお、非水有機溶媒と、シリル化剤と、酸又は塩基とを有する、撥水性保護膜形成用薬液は、調製後から使用時までそのままの状態で保管されるため、本発明の第1方法のように脱水工程を行っていないと、該保管の間に水分の影響で薬液が失活し、前記の接触角の低下が15°以上となってしまう。従って本発明の第1方法で調製される薬液は、前記保管の間に前記接触角の低下が15°以上とならないことが好ましく、例えば、調製後4週間後に前記接触角の低下が15°以上とならないことが好ましく、調製後12週間後に前記接触角の低下が15°以上とならないことがさらに好ましい。当然ながら、前記接触角の低下が軽微であるほど、保護膜の撥水性能が安定するためより好ましく、例えば、調製後4週間後に前記接触角の低下が10°以上とならないことが好ましく、調製後12週間後に前記接触角の低下が10°以上とならないことがさらに好ましい。また、本発明の第2方法で調製される前記薬液キットは、調製後から使用時までは薬液キットの状態で保管される(すなわち、処理液Aと処理液Bを別々に保管される)ため、この期間に処理液Aと処理液Bが失活する可能性は低いが、本発明の第2方法のように脱水工程を行っていないと、処理液Aと処理液Bを混合し、得られた薬液を使用している間に水分の影響で該薬液が失活し、前記の接触角の低下が15°以上となってしまう。従って本発明の第2方法で調製される薬液キットは、処理液Aと処理液Bを混合し、得られた薬液を使用している間に前記接触角の低下が15°以上とならないことが好ましく、例えば、表面に反応サイトであるシラノール基が多い酸化ケイ素などの表面に対しては、処理液Aと処理液Bを混合後4週間保管後に前記接触角の低下が15°以上とならないことが好ましく、前記混合後4週間保管後に前記接触角の低下が10°以上とならないことがより好ましく、また例えば、表面に反応サイトであるシラノール基が少ない窒化ケイ素などの表面に対しては、処理液Aと処理液Bを混合後24時間保管後に前記接触角の低下が15°以上とならないことが好ましく、前記混合後24時間保管後に前記接触角の低下が10°以上とならないことがより好ましい。
【0062】
前記ウェハの凹部表面での撥水性保護膜の形成は、本発明で調製される前記薬液や前記薬液キットから得られる薬液に含まれるシリル化剤の反応性部位とウェハの反応サイトであるシラノール基とが反応し、シリル化剤がシロキサン結合を介してシリコンウェハのケイ素元素と化学的に結合することによってなされる。前記反応性部位は水によって分解したり変質したりして、反応性が低下する場合がある。そのため、前記ケイ素化合物は水との接触を低減させる必要がある。
【0063】
前記薬液や前記薬液キットを混合して得られる薬液において、前記シリル化剤は薬液の総量100質量%に対して0.1〜50質量%含まれていれば、ウェハの凹部表面に充分な撥水性を付与することができる。当然ながら50質量%を超える濃度であってもウェハの凹部表面に充分な撥水性を付与することができるが、コストの観点から、前記濃度は0.1〜50質量%が好ましい。従って、前記薬液に含まれる成分のうち、前記ケイ素化合物以外の主要成分である非水有機溶媒中の水分濃度を低減することが、ケイ素化合物の反応性部位の反応性低下を低減する上で重要である。
【0064】
本発明の調製方法では、脱水工程において水分濃度が200質量ppm以下に低減された非水有機溶媒を用いるが、後工程で該非水有機溶媒と混合するシリル化剤や、酸又は塩基についても、前記脱水工程と同様の処理によって水分濃度を低減されたものを用いると、得られる薬液又は薬液キットから得られる薬液中のシリル化剤の反応性部位の反応性が、より低下し難くなるため好ましい。
【0065】
本発明の第1方法の脱水工程、混合工程、及び本発明の第2方法の脱水工程、処理液A作製工程、処理液B作製工程は、密閉状態でかつ、水分が混入する可能性が低い不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。本発明の第1方法で調製した薬液、及び第2方法で調製した処理液A、処理液Bは、水分の混入を避けるため密閉容器内で密封されて保管されることが好ましく、さらに、前記密閉容器内が不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。密封保管された薬液や薬液キット(処理液A、処理液B)は使用の直前に開封することが望ましく、前記薬液キットは不活性ガス雰囲気下で混合を行うことが望ましい。
【0066】
本発明の第1方法の脱水工程、及び混合工程は、水分の混入を極力抑えるため、露点温度が−70℃以下の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。露点温度が−70℃以下の不活性ガス雰囲気下では気相中の水分濃度が2質量ppm以下であるため、処理液中に水分が混入する可能性が低くなるためである。
【0067】
同様に、本発明の第2方法の脱水工程、処理液A作製工程、及び処理液B作製工程は、水分の混入を極力抑えるため、露点温度が−70℃以下の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。露点温度が−70℃以下の不活性ガス雰囲気下では気相中の水分濃度が2質量ppm以下であるため、処理液中に水分が混入する可能性が低くなるためである。
【0068】
また、本発明の保護膜形成用薬液又は保護膜形成用薬液キットは、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の添加剤等を含有してもよい。該添加剤としては、過酸化水素、オゾンなどの酸化剤、界面活性剤等が挙げられる。また、ウェハの凹凸パターンの一部に、前記ケイ素化合物では保護膜が形成しない材質がある場合は、該材質に保護膜を形成できるものを添加しても良い。また、触媒以外の目的で他の酸や塩基を添加しても良い。
【実施例】
【0069】
背景技術で述べた式 P=2×γ×cosθ/S(γ:表面張力、θ:接触角、S:パターン寸法(凹部の幅))から明らかなようにパターン倒れは、洗浄液のウェハ表面への接触角、すなわち液滴の接触角と、洗浄液の表面張力に大きく依存する。凹凸パターンの凹部に保持された洗浄液の場合、液滴の接触角と、パターン倒れと等価なものとして考えてよい該凹部表面の毛細管力とは相関性があるので、パターン倒れの抑制には、凹部表面に保護膜を形成し、該保護膜に対する液滴の接触角を90°に近づけることによって、該凹部に働く毛細管力を小さくすることが有効である。なお、実施例において、前記洗浄液として、水系洗浄液の代表的なものである水を用いた。
【0070】
しかしながら、表面に凹凸パターンを有するウェハの場合、パターンは非常に微細なため、該凹凸パターン表面に形成された前記保護膜自体に対する水滴の接触角を正確に評価できない。
【0071】
水滴の接触角の評価は、JIS R 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」にもあるように、サンプル(基材)表面に数μlの水滴を滴下し、水滴と基材表面のなす角度の測定によりなされる。しかし、パターンを有するウェハの場合、接触角が非常に大きくなる。これは、Wenzel効果やCassie効果が生じるからで、接触角が基材の表面形状(ラフネス)に影響され、見かけ上の水滴の接触角が増大するためである。
【0072】
そこで、本発明では前記薬液を表面が平滑なウェハに供して、ウェハ表面に保護膜を形成して、該保護膜を表面に凹凸パターンが形成されたウェハの表面に形成された保護膜とみなし、種々評価を行った。なお、本発明では、表面が平滑なウェハとして、表面が平滑なシリコンウェハ上に酸化ケイ素層を有する「SiO膜付きシリコンウェハ」(表中で「SiO」と表記)、及び、表面が平滑なシリコンウェハ上に窒化ケイ素層を有する「SiN膜付きシリコンウェハ」(表中で「SiN」と表記)を用いた。
【0073】
詳細を下記に述べる。以下では、保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法、該保護膜形成用薬液の調製、そして、ウェハに該保護膜形成用薬液を供した後の評価結果が述べられる。
【0074】
〔保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法〕
保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法として、以下の(1)〜(2)の評価を行った。
【0075】
(1)ウェハ表面に形成された保護膜の接触角評価
薬液による表面処理により保護膜が形成されたウェハ表面上に純水約2μlを置き、水滴とウェハ表面とのなす角(接触角)を接触角計(協和界面科学製:CA−X型)で測定した。
【0076】
(2)薬液(薬液キットから得られる薬液)のポットライフの評価
調製後密閉状態で4週間、12週間保管した後の、該薬液を用いてSiO膜付きシリコンウェハ表面およびSiN膜付きシリコンウェハ表面へ表面処理を施したサンプルに対して、「(1)ウェハ表面に形成された保護膜の接触角評価」に従って接触角を測定して、薬液の撥水性付与効果の持続性(ポットライフ)を評価した。また、調製した薬液キットから得られる薬液を密閉状態で1週間、4週間保管した後の、該薬液を用いてSiO膜付きシリコンウェハ表面へ表面処理を施したサンプルに対して、同様に評価を行った。また、調製した薬液キットから得られる薬液を密閉状態で5時間、24時間保管した後の、該薬液を用いてSiN膜付きシリコンウェハ表面へ表面処理を施したサンプルに対して、同様に評価を行った。
【0077】
[実施例1−1]
(1)保護膜形成用薬液の調製
脱水工程として、モレキュラーシーブ3A(ユニオン昭和製)を使用して、難燃性でありOH基を含有しない非水有機溶媒であるハイドロフルオロエーテル(3M製HFE−7100)に対して水分除去を施した。水分除去を施したHFE−7100の水分量は、カールフィッシャー式水分計(京都電子製、MKC−610−DT型)により測定を行ったところ、34質量ppmであった。次に、混合工程として、シリル化剤としてトリメチルメトキシシラン〔(CHSiOCH〕;3g、酸としてトリフルオロメタンスルホン酸〔CFSOH〕;1g、非水有機溶媒として上記により水分除去を施したHFE−7100;96gを混合し、保護膜形成用薬液を得た。なお、上記の脱水工程、混合工程は、露点温度が−70℃以下の不活性雰囲気で行った。また、上記で得られた薬液は密閉容器で露点温度が−70℃以下の不活性状態で密封保管した。また、本実施例以降の実施例、比較例においても、薬液又は薬液キット(処理液A、処理液B)の調製は露点温度が−70℃以下の不活性雰囲気で行い、得られる薬液又は薬液キット(処理液A、処理液B)は密閉容器で露点温度が−70℃以下の不活性状態で密封保管した。
【0078】
(2)ウェハの洗浄
SiO膜付きシリコンウェハ(表面に厚さ1μmの熱酸化膜層を有するシリコンウェハ)を室温で1質量%のフッ酸水溶液に2分浸漬し、次いで純水に1分、2−プロパノール(iPA)に1分浸漬した。
【0079】
(3)ウェハ表面への保護膜形成用薬液による表面処理
洗浄後のSiO膜付きシリコンウェハを、上記「(1)保護膜形成用薬液の調製」で調製後10分以内の保護膜形成用薬液に20℃で1分浸漬させた。その後、該ウェハをiPAに1分浸漬し、次いで、水系洗浄液としての純水に1分浸漬した。最後に、該ウェハを純水から取出し、エアーを吹き付けて、表面の純水を除去した。
【0080】
得られたウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は88°となり、優れた撥水性付与効果を示した。また、本実施例で用いた薬液のポットライフ評価を行ったところ、25℃で4週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が88°であり、25℃で12週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が88°であり、優れた撥水性付与効果は12週間保管後も安定して維持されていた。
【0081】
【表1】

【0082】
[実施例1−2]
脱水工程として、ゼオラム4A(東ソー製)により水分除去を施したOH基を含有しない非水有機溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を調製した。水分除去を施したPGMEAの水分量は36質量ppmであった。次に、混合工程として、シリル化剤としてヘキサメチルジシラザン〔(CHSi−NH−Si(CH〕;5g、酸として無水トリフルオロ酢酸〔(CFCO)O〕;0.1gと非水有機溶媒として上記により水分除去を施したPGMEA;94.9gを混合し、保護膜形成用薬液を得た以外は実施例1−1と同様の方法で行った。結果は表1に示すとおり、優れた撥水性付与効果があり、その効果は12週間保管後も安定して維持されていた。
【0083】
[実施例1−3]
脱水工程として、シリカゲル(関東化学製)を使用してOH基を含有しない非水有機溶媒であるPGMEAに対して水分除去を施した(脱水工程後の水分量=78質量ppm)。該非水有機溶媒を用いた以外は、実施例1−2と同様の方法で行った。結果は表1に示すとおり、優れた撥水性付与効果があり、その効果は12週間保管後も安定して維持されていた。
【0084】
[実施例1−4]
脱水工程として、ソーダ石灰(セントラル硝子製)を使用してPGMEAに対して水分除去を施した(脱水工程後の水分量=130質量ppm)。該非水有機溶媒を用いた以外は、実施例1−2と同様の方法で行った。結果は表1に示すとおり、優れた撥水性付与効果があり、12週間保管後も撥水性付与効果はやや低下したものの撥水性付与効果は安定して維持されていた。
【0085】
[実施例1−5]
脱水工程として、モレキュラーシーブ3A(ユニオン昭和製)により水分除去を施したOH基を有する非水有機溶媒であるイソプロピルアルコール(iPA)を調製した。水分除去を施したiPAの水分量は32質量ppmであった。次に、混合工程として、トリメチルクロロシラン〔(CH3SiCl〕;10gと非水有機溶媒として上記により水分除去を施したiPA;90gを混合して、保護膜形成用薬液を得た以外は実施例1−1と同様の方法で行った。なお、本実施例で得た保護膜形成用薬液は、トリメチルクロロシランがiPAと反応して、シリル化剤としてのトリメチルイソプロポキシシランと酸としての塩化水素が生成し存在していた。結果は表1に示すとおり、撥水性付与効果があり、12週間保管後も撥水性付与効果は安定して維持されていた。
【0086】
[比較例1−1]
非水有機溶媒として水分除去を施していないPGMEA(水分量=320質量ppm)を用い、実施例2と同様の混合工程を行って保護膜形成用薬液を得た。得られたウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は90°となり、撥水性付与効果を示した。しかし、25℃で4週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が68°であり、25℃で12週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が58°であり、撥水性付与効果が安定的に維持されなかった。結果を表1に示す。
【0087】
[実施例2−1]
脱水工程として、モレキュラーシーブ3A(ユニオン昭和製)により水分除去を施したOH基を含有しない非水有機溶媒であるジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(DGEEA)を調製した。水分除去を施したDGEEAの水分量は、カールフィッシャー式水分計(京都電子製、MKC−610−DT型)により測定を行ったところ、28質量ppmであった。次に、処理液A作製工程として、シリル化剤としてブチルジメチル(ジメチルアミノシラン)〔CSi(CH−N(CH〕;5gと非水有機溶媒として上記により水分除去を施したDGEEA;45gを混合し、処理液Aを調製した。また、処理液B作製工程として、酸として無水トリフルオロ酢酸〔CFC(O)OH〕;0.2gと非水有機溶媒として上記により水分除去を施したDGEEA;49.8gを混合し、処理液Bを調製した。処理液A及び処理液Bを混合し、得られた保護膜形成用薬液を10分以内に用いた以外は実施例1−1と同様の方法で行った。得られたウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は94°となり、優れた撥水性付与効果を示した。本実施例で用いた薬液のポットライフ評価を行ったところ、25℃で1週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が92°であり、25℃で4週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が90°であり、4週間保管後も優れた撥水性付与効果を安定して維持していた。結果を表2に示す。
【0088】
【表2】

【0089】
[実施例2−2]
シリル化剤としてオクチルジメチル(ジメチルアミノシラン)〔C17Si(CH−N(CH〕;5gを用いた以外は実施例2−1と同様の方法で行った。結果は表2に示すとおり、該薬液キットから得られた薬液には優れた撥水性付与効果があり、4週間保管後も撥水性付与効果は安定して維持されていた。
【0090】
[実施例2−3〜2−9]
実施例2−2で用いた非水有機溶媒を適宜変更して評価を行った。結果は表2に示すとおり、該薬液キットから得られた薬液には優れた撥水性付与効果があり、4週間保管後も撥水性付与効果は安定して維持されていた。
【0091】
なお、「GBL」はγ―ブチロラクトンを意味し、「PGDA」はプロピレングリコールジアセテートを意味し、「TPGDME」はトリプロピレングリコールジメチルエーテルを意味し、「13BGDA」は1,3−ブチレングリコールジアセテートを意味し、「14BGDA」は1,4−ブチレングリコールジアセテートを意味し、「DPGMEA」はジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味し、「TEGBME」はトリエチレングリコールブチルメチルエーテルを意味する。
【0092】
[実施例2−10]
脱水工程として、ゼオラム4A(東ソー製)を使用してPGMEAに対して水分除去を施した(脱水工程後の水分量=36質量ppm)。次に、処理液A作製工程として、シリル化剤としてオクチルジメチル(ジメチルアミノシラン)〔C17Si(CH−N(CH〕;5gと非水有機溶媒として上記により水分除去を施したPGMEA;45gを混合し、処理液Aを調製した以外は実施例2−1と同様の方法で行った。結果は表2に示すとおり、該薬液キットから得られた薬液には優れた撥水性付与効果があり、4週間保管後も撥水性付与効果は安定して維持されていた。
【0093】
[実施例2−11]
非水有機溶媒として、ソーダ石灰(セントラル硝子製)を使用して水分除去を施したDGEEA(脱水工程後の水分量=160質量ppm)を用いた以外は、実施例2−2と同様の方法で行った。結果は表2に示すとおり、該薬液キットから得られた薬液には優れた撥水性付与効果があり、4週間保管後も撥水性付与効果はやや低下したものの撥水性付与効果は安定して維持されていた。
【0094】
[比較例2−1]
非水有機溶媒として水分除去を施していないDGEEA(水分量=400質量ppm)を用いた以外は、実施例2−2と同様の方法で行った。結果、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は100°となり、該薬液キットから得られた薬液には優れた撥水性付与効果を示した。しかし、本比較例で用いた薬液のポットライフ評価を行ったところ、25℃で1週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が90°であり、25℃で4週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が82°であり、撥水性付与効果が安定的に維持されなかった。結果を表2に示す。
【0095】
[実施例3−1]
表面が平滑なシリコンウェハ上に窒化ケイ素層を有する「SiN膜付きシリコンウェハ」(表面に厚さ50nmの窒化ケイ素層を有するシリコンウェハ)を用いた以外は、実施例1−2と同様の方法で行った。得られたウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は64°となり、撥水性付与効果を示した。本実施例で用いた薬液のポットライフ評価を行ったところ、25℃で4週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が64°であり、25℃で12週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が62°であり、12週間後も撥水性付与効果を安定して維持していた。結果を表3に示す。
【0096】
【表3】

【0097】
[比較例3−1]
表面が平滑なシリコンウェハ上に窒化ケイ素層を有する「SiN膜付きシリコンウェハ」(表面に厚さ50nmの窒化ケイ素層を有するシリコンウェハ)を用いた以外は、比較例1−1と同様の方法で行った。得られたウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は64°となり、撥水性付与効果を示した。しかし、本比較例で用いた薬液のポットライフ評価を行ったところ、25℃で4週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が50°であり、25℃で12週間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が42°であり、撥水性付与効果が安定的に維持されなかった。結果を表3に示す。
【0098】
[実施例4−1]
表面が平滑なシリコンウェハ上に窒化ケイ素層を有する「SiN膜付きシリコンウェハ」(表面に厚さ50nmの窒化ケイ素層を有するシリコンウェハ)を用いた以外は、実施例2−2と同様の方法で行った。得られたウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は84°となり、優れた撥水性付与効果を示した。本実施例で用いた薬液のポットライフ評価を行ったところ、25℃で5時間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が83°であり、25℃で24時間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が82°であり、24時間保管後も優れた撥水性付与効果を安定して維持していた。結果を表4に示す。
【0099】
【表4】

【0100】
[実施例4−2〜4−8]
実施例4−1で用いた非水有機溶媒を適宜変更して評価を行った。結果は表4に示すとおり、該薬液キットから得られた薬液には優れた撥水性付与効果があり、24時間保管後も撥水性付与効果は安定して維持されていた。
【0101】
[比較例4−1]
表面が平滑なシリコンウェハ上に窒化ケイ素層を有する「SiN膜付きシリコンウェハ」(表面に厚さ50nmの窒化ケイ素層を有するシリコンウェハ)を用いた以外は、比較例2−1と同様の方法で行った。結果、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は82°となり、該薬液キットから得られた薬液は撥水性付与効果を示した。しかし、本比較例で用いた薬液のポットライフ評価を行ったところ、25℃で5時間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が70°であり、25℃で24時間保管後の薬液で表面処理した後の接触角が60°であり、撥水性付与効果が安定的に維持されなかった。結果を表4に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹凸パターンを有し該凹凸パターンの少なくとも一部がケイ素元素を含むウェハの洗浄時に、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に撥水性保護膜を形成するための、非水有機溶媒と、シリル化剤と、酸又は塩基とを有する、撥水性保護膜形成用薬液の調製方法であり、
非水有機溶媒中の水分濃度を200質量ppm以下にする、脱水工程、
脱水工程後の非水有機溶媒と、シリル化剤と、酸又は塩基とを混合する、混合工程
を有することを特徴とする、撥水性保護膜形成用薬液の調製方法。
【請求項2】
前記脱水工程が、非水有機溶媒を蒸留精製すること、非水有機溶媒に不溶性の水吸着剤を加えて該溶媒から水を除去すること、乾燥した不活性ガスによりばっ気置換すること、加熱若しくは真空加熱することからなる群から選ばれる少なくとも1つの方法であることを特徴とする、請求項1に記載の撥水性保護膜形成用薬液の調製方法。
【請求項3】
前記非水有機溶媒に不溶性の水吸着剤が、ゼオライト、5酸化2リン、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、無水塩化亜鉛、発煙硫酸、ソーダ石灰からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の撥水性保護膜形成用薬液の調製方法。
【請求項4】
前記非水有機溶媒が、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、N−H基を持たない窒素元素含有溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液の調製方法。
【請求項5】
前記シリル化剤が、下記一般式[1]で表されるケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液の調製方法。
(RSi(H)4−a−b [1]
[式1中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基を含む1価の有機基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、ケイ素元素と結合する元素が窒素である1価の官能基、ケイ素元素と結合する元素が酸素である1価の官能基、ハロゲン基、ニトリル基、および、−CO−NH−Si(CHからなる群から選ばれる少なくとも1つの基を表す。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数であり、aとbの合計は1〜3である。]
【請求項6】
前記酸が、塩化水素、硫酸、過塩素酸、下記一般式[2]で表されるスルホン酸およびその無水物、下記一般式[3]で表されるカルボン酸およびその無水物、アルキルホウ酸エステル、アリールホウ酸エステル、トリス(トリフルオロアセトキシ)ホウ素、トリアルコキシボロキシン、トリフルオロホウ素、下記一般式[4]で表されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液の調製方法。
S(O)OH [2]
[式2中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。]
COOH [3]
[式3中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。]
(RSi(H)4−c−d [4]
[式4中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、クロロ基、−OCO−R(Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)、および、−OS(O)−R(Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を表す。cは1〜3の整数、dは0〜2の整数であり、cとdの合計は1〜3である。]
【請求項7】
前記塩基が、アンモニア、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアニリン、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ピリジン、ピペラジン、N−アルキルモルホリン、下記一般式[5]で示されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液の調製方法。
(RSi(H)4−e−f [5]
[式5中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、ケイ素元素と結合する元素が窒素であり、フッ素元素やケイ素元素を含んでいても良い1価の官能基である。eは1〜3の整数、fは0〜2の整数であり、eとfの合計は1〜3である。]
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液の調製方法で調製した撥水性保護膜形成用薬液。
【請求項9】
表面に凹凸パターンを有し該凹凸パターンの少なくとも一部がケイ素元素を含むウェハの洗浄時に、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に撥水性保護膜を形成するための、非水有機溶媒と、シリル化剤とを有する処理液Aと、非水有機溶媒と、酸又は塩基とを有する処理液Bからなる、撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法であり、
非水有機溶媒中の水分濃度を200質量ppm以下にする、脱水工程、
脱水工程後の非水有機溶媒と、シリル化剤とを混合する、処理液A作製工程、
脱水工程後の非水有機溶媒と、酸又は塩基とを混合する、処理液B作製工程
を有することを特徴とする、撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法。
【請求項10】
前記脱水工程が、非水有機溶媒を蒸留精製すること、非水有機溶媒に不溶性の水吸着剤を加えて該溶媒から水を除去すること、乾燥した不活性ガスによりばっ気置換すること、加熱若しくは真空加熱することからなる群から選ばれる少なくとも1つの方法であることを特徴とする、請求項9に記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法。
【請求項11】
前記非水有機溶媒に不溶性の水吸着剤が、ゼオライト、5酸化2リン、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、無水塩化亜鉛、発煙硫酸、ソーダ石灰からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項10に記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法。
【請求項12】
前記非水有機溶媒が、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、N−H基を持たない窒素元素含有溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法。
【請求項13】
前記シリル化剤が、下記一般式[1]で表されるケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法。
(RSi(H)4−a−b [1]
[式1中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基を含む1価の有機基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、ケイ素元素と結合する元素が窒素である1価の官能基、ケイ素元素と結合する元素が酸素である1価の官能基、ハロゲン基、ニトリル基、および、−CO−NH−Si(CHからなる群から選ばれる少なくとも1つの基を表す。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数であり、aとbの合計は1〜3である。]
【請求項14】
前記シリル化剤が、下記一般式[6]で表されるケイ素化合物であることを特徴とする、請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法。
SiX4−g [6]
[式6中、Rは、それぞれ互いに独立して、水素基、及び、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基から選ばれる少なくとも1つの基であり、ケイ素元素と結合する全ての前記炭化水素基に含まれる炭素数の合計は6以上である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、ケイ素元素と結合する元素が窒素である1価の官能基、ケイ素元素と結合する元素が酸素である1価の官能基、ハロゲン基、ニトリル基、および、−CO−NH−Si(CHから選ばれる少なくとも1つの基であり、gは1〜3の整数である。]
【請求項15】
前記酸が、塩化水素、硫酸、過塩素酸、下記一般式[2]で表されるスルホン酸およびその無水物、下記一般式[3]で表されるカルボン酸およびその無水物、アルキルホウ酸エステル、アリールホウ酸エステル、トリス(トリフルオロアセトキシ)ホウ素、トリアルコキシボロキシン、トリフルオロホウ素、下記一般式[4]で表されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項9乃至請求項14のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法。
S(O)OH [2]
[式2中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。]
COOH [3]
[式3中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。]
(RSi(H)4−c−d [4]
[式4中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、クロロ基、−OCO−R(Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)、および、−OS(O)−R(Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を表す。cは1〜3の整数、dは0〜2の整数であり、cとdの合計は1〜3である。]
【請求項16】
前記塩基が、アンモニア、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアニリン、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ピリジン、ピペラジン、N−アルキルモルホリン、下記一般式[5]で示されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項9乃至請求項14のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法。
(RSi(H)4−e−f [5]
[式5中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。また、Xは、それぞれ互いに独立して、ケイ素元素と結合する元素が窒素であり、フッ素元素やケイ素元素を含んでいても良い1価の官能基である。eは1〜3の整数、fは0〜2の整数であり、eとfの合計は1〜3である。]
【請求項17】
請求項9乃至請求項16のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液キットの調製方法で調製した撥水性保護膜形成用薬液キット。

【公開番号】特開2013−108044(P2013−108044A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260869(P2011−260869)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】