説明

信号制御システム

【課題】 流出路のボトルネック箇所で発生した渋滞が交差点まで延伸するのを防ぎ、渋滞が連鎖的に生じるのを防止することのできる信号制御システムを提供する。
【解決手段】 信号制御システム1は、交差点の交通状況を検出する交差点交通状況検出装置2と、流出路の交通状況を検出する流出路交通状況検出装置3と、信号機Tの信号点灯時間を制御する信号制御装置4とを備える。流出路交通状況検出装置3のボトルネック検出部11が、流出路のボトルネック箇所を検出した場合には、信号制御装置4が、青信号の点灯時間中における流出路の滞留台数が滞留許容台数以下となるように青時間の点灯時間を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の交通状況に応じた信号機の制御が可能な信号制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
交差点などに設置される車両用の信号機は、道路の交通状況を想定して交通当局等が予め決定した点灯時間で、青信号・黄信号・赤信号の各信号が順次点灯するように設定されている。しかし、例えば、交差点付近に違法駐車車両や事故車両が停車していたりすると、実際の交通状況が想定した交通状況と異なることも少なくない。道路の端に違法駐車車両や事故車両が停車していた場合には、その車両の停車箇所において車両の円滑な流れが阻害される。このように道路で車両の流れが詰まる箇所を、道路のボトルネック箇所という。
【0003】
そこで、従来、実際の交通状況に応じた信号機の制御を行う交通信号制御装置として、信号機に設置されたレーザー式の車両センサーが交差点に進入してくる車両の位置情報や速度情報を検出し、その位置情報や速度情報に基づいて制御器が信号機の動作制御を行うものが開示されている(例えば特許文献1参照)。この従来の交通信号制御装置では、信号機の制御を行うときに、交差点へ流入する車両の台数などに応じて信号機の青信号の点灯時間が決定されていた。
【特許文献1】特開平10−222797号公報(第2−4頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の交通信号制御装置においては、交差点から車両が流出する流出路の交通状況を考慮した信号機の制御は行われていない。すなわち、交差点から流出する車両の位置情報や速度情報の検出は行われていない。したがって、交差点からの流出路にボトルネック箇所がある場合には、流出路での車両の流れが悪いにもかかわらず、交差点から流出路へ車両を流入させてしまうという問題があった。その結果、ボトルネック箇所を通過させることができる車両台数以上の車両を交差点から流出路に流入させてしまい、ボトルネック箇所を先頭にして渋滞が発生するという問題があった。そして、その渋滞が交差点まで延伸してしまうと、今度は交差点の交差側の道路でも車両の流れが阻害されてしまい、交差側の道路でも渋滞が連鎖的に生じることがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、流出路のボトルネック箇所で発生した渋滞が交差点まで延伸するのを防ぎ、渋滞が連鎖的に生じるのを防止することのできる信号制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の信号制御システムは、交差点における車両の交通状況を検出する交差点交通状況検出装置と、前記交差点から車両が流出する流出路における車両の交通状況を検出する流出路交通状況検出装置と、前記交差点および前記流出路における車両の交通状況に基づいて、前記交差点へ流入路から流入する車両に対する信号機の信号点灯時間を制御する信号制御装置とを備え、前記交差点交通状況検出装置は、前記交差点から前記流出路へ流出する車両の流出流量を測定する流出流量測定手段を備え、前記流出路交通状況検出装置は、前記流出路における車両の位置情報および速度情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報に基づいて前記流出路におけるボトルネック箇所の有無を検出するボトルネック検出手段と、前記車両情報に基づいて前記ボトルネック箇所を通過する車両のボトルネック通過流量を測定するボトルネック通過流量測定手段と、前記車両情報に基づいて前記ボトルネック箇所から前記交差点までの間に滞留させることが可能な車両の滞留許容台数を測定する滞留許容台数測定手段を備え、前記信号制御装置は、前記流出路においてボトルネック箇所が検出された場合には、前記流出流量と前記ボトルネック通過流量との差分および前記滞留許容台数に基づいて、前記信号機の青信号の点灯時間中に前記交差点から流出して前記流出路に滞留する車両の滞留台数が前記滞留許容台数以下となるように、前記信号機の青信号の点灯時間を制御する構成を有している。
【0007】
この構成により、流出路交通状況検出装置のボトルネック検出手段が流出路におけるボトルネック箇所の有無を検出する。流出路においてボトルネック箇所が検出された場合には、信号制御装置が信号機の青信号の点灯時間を制御して、青信号の点灯時間中に流出路に滞留する車両の滞留台数を滞留許容台数以下となるように抑制する。これにより、流出路のボトルネック箇所で発生した渋滞が交差点まで延伸するのを抑制することができる。
【0008】
また、本発明の信号制御システムでは、前記交差点交通状況検出装置は、前記交差点における車両の交通状況を撮影する交差点カメラを備え、前記流出流量測定手段は、前記交差点カメラで撮影された交差点画像に基づいて、前記交差点から前記流出路へ流出する車両の流出流量を測定し、前記流出路交通状況検出装置は、前記流出路における車両の交通状況を撮影する流出路カメラを備え、前記車両情報取得手段は、前記流出路カメラで撮影された流出路画像から、前記流出路における車両の位置情報および速度情報を取得する構成を有している。
【0009】
この構成により、交差点交通状況検出装置の流出流量測定手段は、交差点カメラが撮影した交差点画像に基づいて交差点から流出路への車両の流出流量を測定する。例えば、交差点画像に画像処理を施して交差点から流出路への流出流量を測定する。また、流出路交通状況検出装置の車両情報取得手段は、流出路カメラが撮影した流出路画像に基づいて流出路での車両の位置情報および速度情報を取得する。例えば、流出路画像に画像処理を施して車両の位置情報および速度情報を取得する。これにより、正確な車両の位置情報および速度情報を取得することができる。
【0010】
また、本発明の信号制御システムでは、前記交差点交通状況検出手段は、前記流入路から前記交差点内へ進入し、前記交差点内を直進して前記交差点から前記流出路へ流出する車両の直進流出流量を測定し、前記信号制御装置は、前記流出路においてボトルネック箇所が検出された場合には、前記直進流出流量と前記ボトルネック通過流量との差分および前記滞留許容台数に基づいて、前記流出路へ向かう直進車両に対する前記信号機の青信号の点灯時間を制御する構成を有している。
【0011】
この構成により、流出路でボトルネック箇所が検出された場合には、信号制御装置が流出路へ向かう直進車両に対する信号機の青信号の点灯時間を制御して、青信号の点灯時間中に流出路に滞留する直進車両の滞留台数を滞留許容台数以下となるように抑制する。これにより、流出路のボトルネック箇所で発生した渋滞が交差点まで延伸するのを抑制することができる。
【0012】
また、本発明の信号制御システムでは、前記交差点交通状況検出手段は、前記流入路から前記交差点内へ進入し、前記交差点内で左折して前記交差点から前記流出路へ流出する車両の左折流出流量を測定し、前記信号制御装置は、前記流出路においてボトルネック箇所が検出された場合には、前記左折流出流量と前記ボトルネック通過流量との差分および前記滞留許容台数に基づいて、前記流出路へ向かう左折車両に対する前記信号機の青信号の点灯時間を制御する構成を有している。
【0013】
この構成により、流出路でボトルネック箇所が検出された場合には、信号制御装置が流出路へ向かう左折車両に対する信号機の青信号の点灯時間を制御して、青信号の点灯時間中に流出路に滞留する左折車両の滞留台数を滞留許容台数以下となるように抑制する。これにより、流出路のボトルネック箇所で発生した渋滞が交差点まで延伸するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、流出路における車両の交通状況を検出する流出路交通状況検出装置を設け、流出路でボトルネック箇所が検出された場合には、信号機の青信号の点灯時間中における流出路の滞留台数が滞留許容台数以下となるように青時間の点灯時間を制御することにより、流出路のボトルネック箇所で発生した渋滞が交差点まで延伸するのを防ぎ、渋滞が連鎖的に生じるのを防止することのできるという効果を有する信号制御システムを提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態の信号制御システムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、交通量の多い自動車道路の交差点に設置される信号機の制御等に用いられる信号制御システムの場合を例示する。
【0016】
本発明の実施の形態の信号制御システムを図1および図2に示す。図1には、信号制御システム1のブロック図が示されており、図2には、道路の交通状況の説明図が示されている。本実施の形態では、図2に示すように、上下方向の片側2車線の道路と左右方向の片側1車線の道路が交差する交差点Xに設置された信号機T(第1信号機T1および第2信号機T2)の制御を行う場合を例示して説明する。なお、図2では、本説明に用いる車線(下からの第1流入路B、上への流出路C、左からの第2流入路D)に関する要素(信号機や各検出装置など)のみが図示されており、その他の車線に関する要素は省略されている。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態の信号制御システム1は、交差点Xにおける車両Mの交通状況を検出する交差点交通状況検出装置2と、流出路Cにおける車両Mの交通状況を検出する流出路交通状況検出装置3と、信号機T(第1信号機T1および第2信号機T2)の信号点灯時間を制御する信号制御装置4とを備えている。ここでは、まず、本実施の形態の信号制御システム1の各装置の配置について図2を用いて説明する。図2に示すように、交差点交通状況検出装置2は、交差点X全体を見渡すことができる交差点X周辺の箇所に設置されている。また、流出路交通状況検出装置3は、流出路Cの所定の渋滞監視範囲を見通すことができる流出路Cの交差点X付近の箇所に設置されている。そして、第1流入路Bの交差点X付近の箇所には、第1流入路Bから流入する車両Mに対する第1信号機T1が設置されている。また、第2流入路Dの交差点X付近の箇所には、第2流入路Dから流入する車両Mに対する第2信号機T2が設置されている。そして、信号機T(第1信号機T1および第2信号機T2)の各信号(青信号・黄信号・赤信号)の信号点灯時間は、信号制御装置4によってコンピューター制御されている(図8参照)。
【0018】
つぎに、本実施の形態の信号制御システム1の各装置の構成について説明する。図1に示すように、交差点交通状況検出装置2は、交差点Xにおける車両Mの交通状況を撮影するCCDカメラ等の交差点カメラ5と、交差点Xから流出路Cへ流出する車両Mの流出流量FCを測定する流出流量測定部6とを備えている。流出流量測定部6は、交差点カメラ5で撮影された交差点画像に画像処理を施して、流入路(第1流入路Bまたは第2流入路D)から交差点Xへ流入する車両Mの流入流量FB、FDを測定する流入流量測定部7と、交差点Xへ流入した車両Mが交差点X内を直進・左折・右折して各流出路Cへ分岐する割合を分岐率bとして算出する分岐率算出部8とを備えている。そして、流出流量測定部6は、流出流量測定部6で測定した流入流量FB、FDに各流出路Cへの分岐率bを乗算することにより、流出路Cへの流出流量FC(直進流出流量・左折流出流量・右折流出流量)を測定できるように構成されている。なお、流出流量FCとは、単位時間あたりに交差点Xから流出路Cへ流出する車両Mの台数をいい、流入流量FB、FDとは、単位時間あたりに流入路(第1流入路Bまたは第2流入路D)から交差点Xへ流入する車両Mの台数をいう。
【0019】
図2には、第1流入路Bの第1信号機T1は青信号が点灯しており、第2流入路Dの第2信号機T2は赤信号が点灯しているときの交通状況が示される。この場合には、流入流量測定部7は、第1流入路Bから交差点Xへ流入する車両Mの流入流量FBを測定し、分岐率算出部8は、交差点Xへ流入した車両Mが直進する割合bB-S、左折する割合bB-L、右折する割合bB-Rを分岐率として算出する。そして、流出流量測定部6では、第1流入路Bから交差点X内を直進して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FB×bB-Sが算出される。また、図4には、第1流入路Bの第1信号機T1は赤信号が点灯しており、第2流入路Dの第2信号機T2は青信号が点灯しているときの交通状況が示される。この場合には、流入流量測定部7は、第2流入路Dから交差点Xへ流入する車両Mの流入流量FDを測定し、分岐率算出部8は、交差点Xへ流入した車両Mが直進する割合bD-S、左折する割合bD-L、右折する割合bD-Rを分岐率として算出する。そして、流出流量測定部6では、第2流入路Dから交差点X内を左折して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FD×bD-Lが算出される。
【0020】
また、流出路交通状況検出装置3は、流出路Cにおける車両Mの交通状況を撮影するCCDカメラ等の流出路カメラ9と、流出路カメラ9で撮影された流出路画像に画像処理を施して、流出路Cにおける車両Mの位置情報および速度情報などの車両情報を取得する車両情報取得部10と、車両情報に基づいて流出路Cにおけるボトルネック箇所Aの有無を検出するボトルネック検出部11と、車両情報に基づいてボトルネック箇所Aを通過する車両Mのボトルネック通過流量FAを測定するボトルネック通過流量測定部12と、車両情報に基づいてボトルネック箇所Aから交差点Xまでの間に滞留させることが可能な車両Mの滞留許容台数PMAXを測定する滞留許容台数測定部13を備えている。
【0021】
本実施の形態では、ボトルネック検出部11は、流出路画像から取得した車両Mの位置情報および速度情報に基づいて、ボトルネックの発生原因となるような駐車車両MAなどの障害物を検出する。例えば、一定時間以上(例えば、5分以上)速度が0である車両Mを駐車車両MAとして検出する。そして、駐車車両MAが検出された場合には、その駐車車両MAの位置をボトルネック箇所Aとして検出する。また、ボトルネック通過流量測定部12は、流出路画像から取得した車両Mの位置情報および速度情報に基づいて、その駐車車両MAの横の車線を単位時間あたりに通過する車両Mの台数、すなわちボトルネック通過流量FAを測定する。また、滞留許容台数測定部13は、流出路画像から取得した車両Mの位置情報および速度情報に基づいて、交差点Xからその駐車車両MAまでの距離Lを測定するとともに、交差点Xからその駐車車両MAまでの間に青信号点灯開始時点で滞留している車両Mの台数Pを測定する。そして、滞留許容台数測定部13は、下記の式により、滞留許容台数PMAXを算出する。
MAX=L×N×K−P
ここで、定数Nは車線の数であり、例えば本実施の形態ではN=2に設定されている。また、定数Kは、渋滞発生区間における車両Mの密度(台/m・車線)であり、例えば本実施の形態ではK=0.1に設定されている。なお、渋滞発生区間における車両Mの密度Kは、流出路画像から取得した車両Mの位置情報および速度情報から算出してもよい。
【0022】
また、信号制御装置4は、信号機T(第1信号機T1、第2信号機T2)の青信号の信号点灯時間の長さを交通状況に応じて制御する青時間制御を実施するか否かを判定する青時間制御実施判定部14と、ボトルネック箇所Aを先頭とした渋滞が交差点Xまで延伸しない青信号の信号点灯時間を限界青時間GSP1、GSP2として算出する青時間算出処理部15と、青信号の信号点灯時間を限界青時間GSP1、GSP2に変更する青時間変更処理部16を備えている。また、信号制御装置4は、交差点Xのすべての信号機Tの赤信号が点灯状態となる全赤時間の長さを交通状況に応じて制御する全赤制御を実施するか否かを判定する全赤制御実施判定部17と、流出路Cに滞留している車両Mをボトルネック箇所Aから排出して渋滞を軽減させることができる全赤時間を限界全赤時間RSP1、RSP2として算出する全赤時間算出処理部18と、信号機Tの赤信号の信号点灯時間を変更することにより全赤時間を限界全赤時間RSP1、RSP2に変更する全赤時間変更処理部19を備えている。
【0023】
本実施の形態では、青時間制御実施判定部14は、交差点Xからの流出流量FCがボトルネック通過流量FAよりも大きい場合には、青時間制御の実施を行う必要があると判断する。例えば、図2に示した交通状況の場合には、第1流入路Bから交差点X内を直進して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FB×bB-Sがボトルネック通過流量FAよりも大きい場合(FB×bB-S>FAである場合)には、青時間制御実施判定部14では第1信号機T1の直進車両Mに対する青時間制御の実施を行う必要があると判断される。また、図4に示した交通状況の場合には、第2流入路Dから交差点X内を左折して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FD×bD-Lがボトルネック通過流量FAよりも大きい場合(FD×bD-L>FAである場合)には、青時間制御実施判定部14では第2信号機T2の左折車両Mに対する青時間制御の実施を行う必要があると判断される。なお、直進車両Mに対する青信号の表示には、青信号の点灯表示のほか、いわゆる直進現示(青色の上向き矢印の点灯表示)も含まれる。また、左折車両Mに対する青信号の表示には、青信号の点灯表示のほか、いわゆる左折現示(青色の左向き矢印の点灯表示)も含まれる。
【0024】
青時間算出処理部15は、流出流量FCとボトルネック通過流量FAとの差分および滞留許容台数PMAXに基づいて、信号機Tの青信号の点灯時間中に交差点Xから流出して流出路Cに滞留する車両Mの滞留台数Pが滞留許容台数PMAX以下となるような青時間を限界青時間GSP1、GSP2として算出する。例えば、図2に示した交通状況の場合には、下記の式を満たすような第1信号機T1の限界青時間GSP1が算出される。
SP1×(FB×bB-S−FA)≦PMAX=L×N×K−P
std≧GSP1≧Gmin
ここで、Gstdは標準青時間であり、道路の交通状況を想定して交通当局等が予め決定した青信号の点灯時間である。また、Gminは最短保障青時間であり、ドライバーの心理を考慮して交差点Xでの安全を確保するために最小限必要と考えられる青信号の点灯時間である。
【0025】
また、本実施の形態では、全赤制御実施判定部17は、全赤開始時点での滞留台数Pが所定のしきい台数Ps(例えば、Ps=0)よりも大きい場合には、全赤時間制御の実施を行う必要があると判断する。なお、スプリットSPとは、一方の信号機Tの青信号点灯開始時点から他方の信号機Tの青信号点灯開始時点までの時間をいう。ここでは、第1信号機T1の青信号点灯開始時点から第2信号機T2の青信号点灯開始時点までの時間を、第1信号機T1のスプリットSP1といい、また、第2信号機T2の青信号点灯開始時点から第1信号機T1の青信号点灯開始時点までの時間を、第2信号機T2のスプリットSP2という(図8参照)。
【0026】
全赤時間算出処理部18は、全赤開始時点での滞留台数Pとボトルネック通過流量FAに基づいて、全赤開始時点で滞留している車両Mがすべてボトルネックを通過して排出されるような全赤時間を限界全赤時間RSP1、RSP2として算出する。例えば、図6に示した交通状況の場合には、下記の式を満たすような第2信号機T2のスプリットSP2の全赤開始時における限界赤時間RSP2が算出される。
SP2=P/FA
0≦RSP2≦Rmax
ここで、Rmaxは最長保障全赤時間であり、ドライバーの心理を考慮して交差点Xでの安全を確保するために最大限度と考えられる全赤時間である。
【0027】
以上のように構成された信号制御システム1について、まず、図2に示すように交差点X内を直進して流出路Cへ向かう車両Mに対する第1信号機T1の青信号の点灯時間の制御を行うときの動作について、図3のフロー図を用いて説明する。
【0028】
本実施の形態の信号制御システム1により直進車両Mに対する第1信号機T1の青時間制御を行うときには、まず、流出路交通状況検出装置3の流出路カメラ9で流出路Cにおける車両Mの交通状況を撮影し、車両情報取得部10によって流出路画像から流出路Cにおける車両Mの車両情報(位置情報および速度情報など)を取得する(S101)。
【0029】
つぎに、信号制御装置4の青時間制御実施判定部14において、車両情報に基づいて流出路交通状況検出装置3のボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aの検出が行われたか否かの判断が行われる(S102)。ボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aが検出されなかった場合には、直進車両Mに対する第1信号機T1の青時間制御は行われない。一方、ボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aが検出された場合には、流出路交通状況検出装置3のボトルネック通過流量測定部12によって測定されたボトルネック通過流量FAの情報を取得する(S103)。
【0030】
そして、交差点交通状況検出装置2の流入流量測定部7により測定された第1流入路Bから交差点Xへ流入する車両Mの流入流量FBの情報を取得し(S104)、分岐率算出部8において、交差点Xへ進入した車両Mが直進する分岐率bB-Sが算出される(S105)。そして、流出流量測定部6において、第1流入路Bから交差点X内を直進して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FB×bB-Sが算出される(S106)。
【0031】
その後、信号制御装置4の青時間制御実施判定部14において、直進車両Mに対する第1信号機T1の青時間制御の実施を行う必要があるか否かの判断が行われる(S107)。本実施の形態では、第1流入路Bから交差点X内を直進して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FB×bB-Sがボトルネック通過流量FAよりも大きいか否かの判定が行われる。第1流入路Bから交差点X内を直進して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FB×bB-Sがボトルネック通過流量FA以下である場合には、ボトルネック箇所Aを先頭にした渋滞が発生しないので、直進車両Mに対する青時間制御の実施を行う必要がないと判断され、第1信号機T1の直進車両Mに対する青時間制御は行われない。
【0032】
一方、第1流入路Bから交差点X内を直進して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FB×bB-Sがボトルネック通過流量FAよりも大きい場合には、流出路Cにおいてボトルネック箇所Aを先頭にした渋滞が発生することとなるので、直進車両Mに対する青時間制御の実施を行う必要があると判断される。その場合には、車両情報取得部10によってボトルネックの発生原因となる駐車車両MAの位置情報が取得され、ボトルネック箇所Aの位置、すなわち交差点Xからその駐車車両MAまでの距離Lの情報が取得されるとともに(S108)、第1信号機T1の青信号点灯開始時点で交差点Xからその駐車車両MAまでの間に滞留している車両Mの台数Pの情報が取得される(S109)。そして、流出路交通状況検出装置3の滞留許容台数測定部13において、滞留許容台数PMAX(=L×N×K−P)が算出される(S110)。
【0033】
そして、信号制御装置4の青時間算出処理部15において、第1信号機T1の直進車両Mに対する限界青時間GSP1が算出され(S111)、青時間変更処理部16において、第1信号機T1の直進車両Mに対する青信号の信号点灯時間を限界青時間GSP1に変更する処理が行われる(S112)。
【0034】
つぎに、本実施の形態の信号制御システム1について、図4に示すように交差点X内を左折して流出路Cへ向かう車両Mに対する第2信号機T2の青信号の点灯時間の制御を行うときの動作について、図5のフロー図を用いて説明する。
【0035】
本実施の形態の信号制御システム1により左折車両Mに対する第2信号機T2の青時間制御を行うときには、まず、流出路交通状況検出装置3の流出路カメラ9で流出路Cにおける車両Mの交通状況を撮影し、車両情報取得部10によって流出路画像から流出路Cにおける車両Mの車両情報(位置情報および速度情報など)を取得する(S201)。
【0036】
つぎに、信号制御装置4の青時間制御実施判定部14において、車両情報に基づいて流出路交通状況検出装置3のボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aの検出が行われたか否かの判断が行われる(S202)。ボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aが検出されなかった場合には、左折車両Mに対する第2信号機T2の青時間制御は行われない。一方、ボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aが検出された場合には、流出路交通状況検出装置3のボトルネック通過流量測定部12によって測定されたボトルネック通過流量FAの情報を取得する(S203)。
【0037】
そして、交差点交通状況検出装置2の流入流量測定部7により測定された第2流入路Dから交差点Xへ流入する車両Mの流入流量FDの情報を取得し(S204)、分岐率算出部8において、交差点Xへ進入した車両Mが左折する分岐率bD-Lが算出される(S205)。そして、流出流量測定部6において、第2流入路Dから交差点X内を左折して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FD×bD-Lが算出される(S206)。
【0038】
その後、信号制御装置4の青時間制御実施判定部14において、左折車両Mに対する第2信号機T2の青時間制御の実施を行う必要があるか否かの判断が行われる(S207)。本実施の形態では、第2流入路Dから交差点X内を左折して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FD×bD-Lがボトルネック通過流量FAよりも大きいか否かの判定が行われる。第2流入路Dから交差点X内を左折して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FD×bD-Lがボトルネック通過流量FA以下である場合には、ボトルネック箇所Aを先頭にした渋滞が発生しないので、左折車両Mに対する青時間制御の実施を行う必要がないと判断され、第2信号機T2の左折車両Mに対する青時間制御は行われない。
【0039】
一方、第2流入路Dから交差点X内を左折して流出路Cへ向かう車両Mの流出流量FD×bD-Lがボトルネック通過流量FAよりも大きい場合には、流出路Cにおいてボトルネック箇所Aを先頭にした渋滞が発生することとなるので、左折車両Mに対する青時間制御の実施を行う必要があると判断される。その場合には、車両情報取得部10によってボトルネックの発生原因となる駐車車両MAの位置情報が取得され、ボトルネック箇所Aの位置、すなわち交差点Xからその駐車車両MAまでの距離Lの情報が取得されるとともに(S208)、第2信号機T2の青信号点灯開始時点で交差点Xからその駐車車両MAまでの間に滞留している車両Mの台数Pの情報が取得される(S209)。そして、流出路交通状況検出装置3の滞留許容台数測定部13において、滞留許容台数PMAX(=L×N×K−P)が算出される(S210)。
【0040】
そして、信号制御装置4の青時間算出処理部15において、第2信号機T2の左折車両Mに対する限界青時間GSP2が算出され(S211)、青時間変更処理部16において、第2信号機T2の左折車両Mに対する青信号の信号点灯時間を限界青時間GSP2に変更する処理が行われる(S212)。
【0041】
つぎに、本実施の形態の信号制御システム1について、図6に示すように第1信号機T1および第2信号機T2の両方の赤信号が点灯状態となる全赤時間の制御を行うときの動作について、図7のフロー図を用いて説明する。ここでは、第1信号機T1のスプリットSP1中の全赤時間RSP1の制御の場合の動作について説明する(図8参照)。
【0042】
本実施の形態の信号制御システム1により第1信号機T1および第2信号機T2の全赤時間制御を行うときには、まず、流出路交通状況検出装置3の流出路カメラ9で流出路Cにおける車両Mの交通状況を撮影し、車両情報取得部10によって流出路画像から流出路Cにおける車両Mの車両情報(位置情報および速度情報など)を取得する(S301)。
【0043】
つぎに、信号制御装置4の青時間制御実施判定部14において、車両情報に基づいて流出路交通状況検出装置3のボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aの検出が行われたか否かの判断が行われる(S302)。ボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aが検出されなかった場合には、第1信号機T1および第2信号機T2の全赤間制御は行われない。一方、ボトルネック検出部11でボトルネック箇所Aが検出された場合には、車両情報取得部10によってボトルネックの発生原因となる駐車車両MAの位置情報が取得され、ボトルネック箇所Aの位置、すなわち交差点Xからその駐車車両MAまでの距離Lの情報が取得されるとともに(S303)、第1信号機T1のスプリットSP1中の全赤開始時点で交差点Xからその駐車車両MAまでの間に滞留している車両Mの台数Pの情報が取得される(S304)。
【0044】
その後、信号制御装置4の全赤制御実施判定部17において、第1信号機T1および第2信号機T2の全赤時間制御の実施を行う必要があるか否かの判断が行われる(S305)。本実施の形態では、第1信号機T1のスプリットSP1中の全赤開始時点での滞留台数Pが所定のしきい台数Ps(例えば、Ps=0)よりも大きいか否かの判定が行われる。第1信号機T1のスプリットSP1中の全赤開始時点での滞留台数Pが所定のしきい台数Ps(例えば、Ps=0)以下である場合には、第1信号機T1および第2信号機T2の全赤時間制御の実施を行う必要がないと判断され、第1信号機T1および第2信号機T2の全赤時間制御は行われない。
【0045】
一方、第1信号機T1のスプリットSP1中の全赤開始時点での滞留台数Pが所定のしきい台数Ps(例えば、Ps=0)よりも大きい場合には、第1信号機T1および第2信号機T2の全赤時間制御の実施を行う必要があると判断される。その場合には、流出路交通状況検出装置3のボトルネック通過流量測定部12によって測定されたボトルネック通過流量FAの情報を取得する(S306)。
【0046】
そして、信号制御装置4の全赤時間算出処理部18において、第1信号機T1および第2信号機T2の限界全赤時間RSP1が算出され(S307)、全赤時間変更処理部19において、第1信号機T1および第2信号機T2の赤信号の信号点灯時間を変更して、第1信号機T1および第2信号機T2の全赤時間を限界全赤時間RSP1に変更する処理が行われる(S308)。
【0047】
このような発明の実施の形態の信号制御システム1によれば、流出路Cにおける車両Mの交通状況を検出する流出路交通状況検出装置3を設け、流出路Cでボトルネック箇所Aが検出された場合には、信号機Tの青信号の点灯時間中における流出路Cの滞留台数Pが滞留許容台数PMAX以下となるように青時間の点灯時間を制御する。これにより、流出路Cのボトルネック箇所Aで発生した渋滞が交差点Xまで延伸するのを防ぎ、渋滞が連鎖的に生じるのを防止することのできる。
【0048】
本実施の形態では、流出路交通状況検出装置3のボトルネック検出部11が流出路Cにおけるボトルネック箇所Aの有無を検出する。流出路Cにおいてボトルネック箇所Aが検出された場合には、信号制御装置4が信号機Tの青信号の点灯時間を制御して、青信号の点灯時間中に流出路Cに滞留する車両Mの滞留台数Pを滞留許容台数PMAX以下となるように抑制する。これにより、流出路Cのボトルネック箇所Aで発生した渋滞が交差点Xまで延伸するのを抑制することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、交差点交通状況検出装置2の流出流量測定部6は、交差点カメラ5が撮影した交差点画像に基づいて交差点Xから流出路Cへの車両Mの流出流量FCを測定する。例えば、交差点画像に画像処理を施して交差点Xから流出路Cへの流出流量FCを測定する。また、流出路交通状況検出装置3の車両情報取得部10は、流出路カメラ9が撮影した流出路画像に基づいて流出路Cでの車両Mの位置情報および速度情報を取得する。例えば、流出路画像に画像処理を施して車両Mの位置情報および速度情報を取得する。これにより、正確な車両Mの位置情報および速度情報を取得することができる。
【0050】
また、本実施の形態では、流出路Cでボトルネック箇所Aが検出された場合には、信号制御装置4が流出路Cへ向かう直進車両Mに対する信号機Tの青信号の点灯時間を制御して、青信号の点灯時間中に流出路Cに滞留する直進車両Mの滞留台数Pを滞留許容台数PMAX以下となるように抑制する。これにより、流出路Cのボトルネック箇所Aで発生した渋滞が交差点Xまで延伸するのを抑制することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、流出路Cでボトルネック箇所Aが検出された場合には、信号制御装置4が流出路Cへ向かう左折車両Mに対する信号機Tの青信号の点灯時間を制御して、青信号の点灯時間中に流出路Cに滞留する左折車両Mの滞留台数Pを滞留許容台数PMAX以下となるように抑制する。これにより、流出路Cのボトルネック箇所Aで発生した渋滞が交差点Xまで延伸するのを抑制することができる。
【0052】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0053】
例えば、以上の説明では、信号機TのスプリットSPの開始時点において流出路Cに滞留している車両Mの台数Pを、流出路カメラ9の流出路画像から計測によって求める例について説明したが、その他、信号機T(例えば第1信号機T1)のスプリットSPの開始時点の滞留車両台数Pを、下記の式により算出してもよい。
N=PN-1+(FB×bB-S−FA)×GSP1−FA×S
ここで、PNは現在のスプリットSP(例えば第1信号機T1のスプリットSP1)の開始時点の滞留車両台数であり、PN-1は一つ前のスプリットSP(例えば第2信号機T2のスプリットSP2)の開始時点の滞留車両台数である。また、Sは一つ前のスプリットSPの青終了から本スプリット開始までの時間の長さである。
【0054】
また、以上の説明では、信号制御装置4が流出路Cへ向かう直進車両Mまたは左折車両Mに対する信号機Tの青信号の点灯時間を制御する信号制御システム1について説明したが、その他、信号制御装置4が流出路Cへ向かう右折車両Mに対する信号機Tの青信号の点灯時間を制御してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明にかかる信号制御システムは、流出路のボトルネック箇所で発生した渋滞が交差点まで延伸するのを防ぎ、渋滞が連鎖的に生じるのを防止することのできるという効果を有し、車両の交通状況に応じた信号機の制御が可能な信号制御システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態における信号制御システムのブロック図
【図2】本発明の実施の形態において第1信号機が青信号のときの交通状況の説明図
【図3】本発明の実施の形態における第1信号機の青時間制御を説明するためのフロー図
【図4】本発明の実施の形態において第2信号機が青信号のときの交通状況の説明図
【図5】本発明の実施の形態における第2信号機の青時間制御を説明するためのフロー図
【図6】本発明の実施の形態において第1信号機および第2信号機の両方が赤信号のときの交通状況の説明図
【図7】本発明の実施の形態における第1信号機および第2信号機の全赤時間制御を説明するためのフロー図
【図8】本発明の実施の形態における第1信号機および第2信号機の各信号の点灯時間を説明するための説明図
【符号の説明】
【0057】
1 信号制御システム
2 交差点交通状況検出装置
3 流出路交通状況検出装置
4 信号制御装置
5 交差点カメラ
6 流出流量測定部
9 流出路カメラ
10 車両情報取得部
11 ボトルネック検出部
12 ボトルネック通過流量測定部
13 滞留許容台数測定部
X 交差点
T 信号機
A ボトルネック箇所
B、D 流入路
C 流出路
M 車両
A ボトルネック通過流量
B、FD 流入流量
C 流出流量
P 滞留台数
MAX 滞留許容台数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点における車両の交通状況を検出する交差点交通状況検出装置と、
前記交差点から車両が流出する流出路における車両の交通状況を検出する流出路交通状況検出装置と、
前記交差点および前記流出路における車両の交通状況に基づいて、前記交差点へ流入路から流入する車両に対する信号機の信号点灯時間を制御する信号制御装置とを備え、
前記交差点交通状況検出装置は、
前記交差点から前記流出路へ流出する車両の流出流量を測定する流出流量測定手段を備え、
前記流出路交通状況検出装置は、
前記流出路における車両の位置情報および速度情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報に基づいて前記流出路におけるボトルネック箇所の有無を検出するボトルネック検出手段と、前記車両情報に基づいて前記ボトルネック箇所を通過する車両のボトルネック通過流量を測定するボトルネック通過流量測定手段と、前記車両情報に基づいて前記ボトルネック箇所から前記交差点までの間に滞留させることが可能な車両の滞留許容台数を測定する滞留許容台数測定手段を備え、
前記信号制御装置は、
前記流出路においてボトルネック箇所が検出された場合には、前記流出流量と前記ボトルネック通過流量との差分および前記滞留許容台数に基づいて、前記信号機の青信号の点灯時間中に前記交差点から流出して前記流出路に滞留する車両の滞留台数が前記滞留許容台数以下となるように、前記信号機の青信号の点灯時間を制御することを特徴とする信号制御システム。
【請求項2】
前記交差点交通状況検出装置は、
前記交差点における車両の交通状況を撮影する交差点カメラを備え、
前記流出流量測定手段は、
前記交差点カメラで撮影された交差点画像に基づいて、前記交差点から前記流出路へ流出する車両の流出流量を測定し、
前記流出路交通状況検出装置は、
前記流出路における車両の交通状況を撮影する流出路カメラを備え、
前記車両情報取得手段は、
前記流出路カメラで撮影された流出路画像から、前記流出路における車両の位置情報および速度情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の信号制御システム。
【請求項3】
前記交差点交通状況検出手段は、
前記流入路から前記交差点内へ進入し、前記交差点内を直進して前記交差点から前記流出路へ流出する車両の直進流出流量を測定し、
前記信号制御装置は、
前記流出路においてボトルネック箇所が検出された場合には、前記直進流出流量と前記ボトルネック通過流量との差分および前記滞留許容台数に基づいて、前記流出路へ向かう直進車両に対する前記信号機の青信号の点灯時間を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号制御システム。
【請求項4】
前記交差点交通状況検出手段は、
前記流入路から前記交差点内へ進入し、前記交差点内で左折して前記交差点から前記流出路へ流出する車両の左折流出流量を測定し、
前記信号制御装置は、
前記流出路においてボトルネック箇所が検出された場合には、前記左折流出流量と前記ボトルネック通過流量との差分および前記滞留許容台数に基づいて、前記流出路へ向かう左折車両に対する前記信号機の青信号の点灯時間を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の信号制御システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−148849(P2007−148849A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343224(P2005−343224)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】