説明

信号発生装置

【課題】選択した所望のビットにのみジッタ又はノイズを付加した波形データを発生させる。
【解決手段】信号発生装置の表示装置の画面上に、ジッタ/ノイズ設定領域18とビット選択領域20が表示される。ビット選択領域20で選択されたビットに限定して、ジッタ/ノイズ設定領域18で設定されたジッタ又はノイズが設定される。ビットの選択方法としては、ユーザが直接選択するビット・パターンを入力するもの、ビットに対応した箱型オブジェクトを表示し、箱型オブジェクトを個別に選択することでビットを選択するもの、「01又は10」などいくつかの所定ビット・パターンをメニューから選択するもの、選択する上位の連続ビット数又は下位の連続ビット数を指定するものなどがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアル転送方式によるデジタル信号を出力する信号発生装置に関し、特にデジタル信号の所望のビットを選択してジッタ又はノイズを設定して出力できると共に、出力するデジタル信号の特性を予め表示できる信号発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンなどの電子機器においては、より高速なデータ転送が要求されており、これに伴って、CPU内部でのデータ処理はパラレルであってもデバイス間のデータ転送ではシリアル転送方式が主流となっている。ここでは、データ送信側でパラレル・データをシリアル・データ(シリアル・デジタル信号)に変換し、データ受信側でパラレル・データに変換される。
【0003】
デジタル信号は、伝送したい1及びゼロのデータに基いて変調された信号であり、例えば、矩形パルス信号が用いられる。図1は、矩形パルス信号を用いたデジタル信号の例であり、もし送受信回路間の伝播経路が理想的であれば、矩形パルス信号の波形は伝播後も変化せず、破線で示す理想波形となる。デジタル信号では、シンボル間隔Tの間に変調方式に応じて1ビット以上のデータが送信されるが、図1は1ビットの例である。受信側ではシンボル間隔Tに従って矩形パルス信号の値を検出することによって、1及びゼロのデータを復調する。
【0004】
実際に伝送されるデジタル信号では、図1の実線に示す如く、伝播経路の特性や信号の速度によって理想信号波形に比較して歪みが生じるのが普通である。即ち、デジタル信号が伝送する情報は1及びゼロのデジタル・データであっても、信号自身はアナログの電気信号である。そこで、こうしたデジタル信号の波形を、デジタル・オシロスコープのような入力信号を波形データとして蓄積する機能を有する波形表示装置を用いてアイパターン表示をしたり、含まれるジッタ等の特性を測定することが行われている。
【0005】
図2は、波形表示装置で取り込んだ波形データをアイパターン表示した例である。ここでは、波形データとして取り込まれたデジタル信号は、例えば、パケットとして送信されて来た32ビットの信号であり、アイパターンは、各ビットの信号波形を繰り返し重ねて表示したものである。アイパターン表示では、もし波形に歪が大きければ、形成されるアイ(Eye:目)の面積が小さくなったり、理想的な形状との違いが大きくなる。そこで、アイの形状や面積を測定することで、デジタル信号の品質を測定できる。こうした発明は、例えば、米国特許第6806877号明細書に開示されている。
【0006】
アイパターンでは、信号の現れる頻度を、例えば、虹の七色を利用したヒストグラムとして示す。つまり、赤に近いほど頻度が高く、紫に近づくほど頻度が少ないとする。ただし、図2では、図面規定の都合上、カラーではなくグレースケールで示している。なお、アイパターンは、アイ・ダイアグラムと呼ばれることもある。
【0007】
デジタル信号の品質測定では、アイパターン表示とともに、波形の立ち上がり及び立ち下がりエッジのジッタ特性を分析することも良く行われている。ジッタ特性の結果は、周知の種々のグラフで表示される。例えば、図3は、ジッタのタイム・トレンド表示である。これは、横軸を時間軸、縦軸をジッタの大きさとし、時間変化に応じてジッタの大きさがどのように変化するかをグラフ化したものである。また、図4は、ジッタの頻度を示すヒストグラムである。例えば、デバイスの熱が原因のジッタであれば、ヒストグラムはジッタ量ゼロ近辺をピークとするガウシャン・カーブを描く。しかし、0及び1のパターンに依存したジッタの場合には、図4に示すようなヒストグラムとなることがある。これらの他にも、ジッタの周波数成分を分析するためのジッタのスペクトラムやジッタの最大値及び最小値の数値など、信号の特性に関する統計的データがグラフや数値で表示される。
【0008】
電子機器の開発段階などでは、開発中の電子回路(被測定回路)が正常に動作しているかを確認したい場合がある。その1つの方法としては、その被測定回路の動作に必要な信号を信号発生装置から供給し、被測定回路内の信号をオシロスコープなどで観測するものある。
【0009】
図5は、信号発生装置の一例のブロック図である。信号発生装置100は、ユーザの設定に応じて、所望の波形を有する電気信号を出力できる。CPU(中央演算装置)110は、ハードディスク・ドライブ装置(HDD)114に記憶されたプログラムに従って装置全体の動作を制御する。また、HDD114は、大量のデータを保存するためにも利用される。RAMなどが用いられるメモリ112は、HDD114からのプログラムを読み込み、CPU110との間でデータ交換しながら一時的な作業の処理をするのに利用される。ユーザは、キー、ノブ等で構成される操作パネル(操作手段)124を用いて、信号発生装置100に必要な設定を行う。表示装置122は、信号パターンに関する情報やユーザが設定に必要となる情報を提供する。外部表示出力回路120は、ビデオ出力を供給する回路で、これに必要に応じて外部表示装置136を接続すれば、本体の表示装置122とあわせて、広い表示領域を提供できる。
【0010】
波形発生回路116は、波形メモリやデジタル・アナログ変換回路を有し、高速な波形データを生成すると共に、波形データから電気信号を発生させる回路である。この例では、2チャンネルの出力端子がある。入出力ポート128は、例えば、外付けキーボード130やマウス132等のポインティング・デバイスの接続に利用される。これら外付けキーボード130やマウス132も、信号発生装置100の操作手段として機能する。また、USBメモリ134を入出力ポート128に挿入することで、外部のオシロスコープで得られた波形データを信号発生装置100にコピーできる。これらの回路は、バス118によって相互に接続される。更に信号発生装置100のバス118上にGPIB(General Purpose Interface Bus)インターフェース126を設けて、これを介して外部のパソコン134と接続しても良い。外部のパソコン(外部制御手段)134を用いることで、信号発生装置を外部からリモート制御し、所望の動作をさせることができる。なお、GPIBインターフェース126の代わりに、LAN(ローカルエリアネットワーク)インターフェースを用いれば、ネットワーク経由で外部のパソコンから信号発生装置100を制御することもできる。
【特許文献1】米国特許第6806877号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
実際のデジタル信号には、ノイズやジッタが生じるので、信号発生装置でも、生成するデジタル信号がこれらを反映したものとできることが望ましい。このとき、例えば、ビット・パターンに依存したジッタを含むデジタル信号を生成しようとしても、これを設定できる信号発生装置は従来なかった。このため、PRBS(擬似ランダム・バイナリ・シーケンス)などのような決まったビット・シーケンスではないデータが伝送される回路が、同時に他の回路部の影響を受けながら動作するシステムの分析、評価などができなかった。
【0012】
こうしたことから、出力しようとする信号の所望の一部分にのみ選択的にジッタやノイズを付加した信号を生成できる信号発生装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による信号発生装置では、波形メモリなどの記憶手段がシリアル・デジタル信号を表す波形データを記憶している。その表示装置には、シリアル・デジタル信号の所望のビットを選択するため画面を表示でき、これを操作パネルやマウス等を用いて操作することで、ビット選択手段として機能させる。また、画面上には、選択されたビットに所望のジッタ又はノイズを設定するための表示がなされ、これを同様に操作することで、ジッタ又はノイズ設定手段として機能させる。信号発生装置が内蔵するCPUの如き制御手段は、設定されたジッタ又はノイズを波形データに反映させる。そして、波形発生手段は、ジッタ又はノイズが反映された波形データを発生する。
【0014】
本発明による信号発生装置は、ジッタ又はノイズが反映された波形データの特性を、周知のアイパターンや数値、グラフ等の形で表示できる。これにより、ユーザは、出力される信号の特性を予め知ることができ、必要に応じて再度設定を調整すべきかどうか検討することができる。
【0015】
本発明による信号発生装置は、ジッタ又はノイズが反映された波形データをアイパターン表示したときに、任意のビットの波形を他のビットの波形と識別可能に表示できる。よって、ユーザは、所望のビットに関して設定したジッタ又はノイズが、予期したものとなっているか否かを視覚的に確認できる。更に、例えば、マウス等のような、アイパターン表示された波形から任意の波形を選択するための波形選択手段を更に設けて、選択された波形のみを表示するようにすれば、確認が更に容易に行える。
【0016】
ビット選択手段は、例えば、「01又は10」といった選択可能な所定ビット・パターンを、例えばメニュー形式などで提示するようにしても良い。また、別の選択方法として、ビット選択手段は、デジタル信号中の選択又は非選択のビットとして連続する任意のビット数を指定できるようにしても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、図5を用いて説明した従来の信号発生装置に、機能追加プログラムをインストールすることで実現できる。信号発生装置には、例えば、パソコン等でも使用されるOSがインストールされ、マウス等を用いたGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)による操作が可能である。また、周知のように、複数のウィンドウを開き、それぞれに異なる画面を表示することも可能である。
【0018】
図6は、本発明の信号発生装置の表示装置に表示される表示画面の一例である。画面中には、ジッタ/ノイズ設定領域18とビット選択領域20、マウス・カーソル23とがあり、これらは操作パネル124やキーボード130、マウス132などによってユーザにより操作され、ジッタ又はノイズ設定手段及びビット選択手段としてぞれぞれ機能する。
【0019】
ジッタ設定番号のフィールド10は、任意の整数を設定でき、設定された各数字と対応して、ビット選択領域20で選択されたビットと、それに設定したジッタ/ノイズの設定を1組にして、信号発生装置に記憶させることができる。なお、以下において、各フィールドの右にある上下の矢印をマウス・カーソル23でクリックすると、フィールド内の値を変更できる。
【0020】
ジッタ/ノイズ設定領域18では、ビット選択領域20で選択されたビットに限定して、ユーザがジッタ又はノイズを設定できる。以下では、図6の例に基いて説明する。フィールド11には、ノイズを電圧実効値で設定する。これにより、ビット選択領域20で選択されているビットに関して、電圧実効値で定まるノイズを付加できる。フィールド12には、論理1と0のパルスの持続時間の差を示すDCD(ディーティーサイクル歪み)のピークトゥピーク値を設定する。フィールド13には、パルス波形の立ち上がり/立ち下がり時間を設定する。これによって、選択されているビットに関するパルス波形の立ち上がり/立ち下がり時間のみを、他のパルス波形の立ち上がり/立ち下がり時間と異なるものとすることができるので、結果としてジッタを設定できる。なお、ここでは、立ち上がり/立ち下がり時間に同じ値を設定する例を示すが、別々に設定できるようにしても良い。
【0021】
プルダウンメニュー14では、Pj(周期ジッタ)として使用するジッタの種類をメニュー形式で選択でき、図6の例では正弦波(Sine)が選択されている。更にフィールド15及び16で、Pjの周波数及びレベル(単位は時間)を設定する。これにより、立ち上がり/立ち下がりエッジの時間軸方向に関するジッタである周期ジッタを設定できる。更にフィールド17には、Rj(ランダム・ジッタ)の値を設定する。
【0022】
図6に示すビット選択領域20の例では、ビット選択モード選択メニュー25でパターン・サーチ・モードが選択され、フィールド21にユーザが所望のビット・パターンを入力することで、該当するビット・パターンが選択される。
【0023】
図7は、ビット選択領域20の他の実施例を示す。図7では、波形表示領域22を設けてアイパターンを表示した例を示す。図7〜図9では、図がモノクロの関係上、アイパターンを構成する波形を実線、破線、一点破線など種々の異なるパターンで示しているが、実際には異なる色を用いることで、波形を容易に識別できるように表示される。このとき、図2の例と異なり、アイパターンが複数の波形データから生成される頻度情報に変換されておらず、個々の波形を識別可能である点に注意されたい。なお、図を見やすくするため、波形の数を実際の平均的な場合よりも、かなり少なくした例としている。
【0024】
図7〜図9の例では、アイパターン表示に代えて、又は、アイパターン表示をしながら別個のウィンドウでジッタ特性についてもグラフや数値で表示しても良い。グラフ自体は、上述の従来例と同様に、タイム・トレンド、スペクトラム、ヒストグラム、最大値及び最小値などで示される。
【0025】
ビット選択領域20のビット選択モード選択メニュー25は、その右端にある三角形オブジェクトをユーザがマウス・カーソル23を用いてクリックすることで、次に示すモード・メニューをプルダウン・メニュー形式で提供する。選択可能なモードは、例えば、「スキップ及びショー・モード・オフ」、「スキップ及びショー」、「ショー及びスキップ」、「ビット個別指定」並びに「ビット・パターン」である。
【0026】
「スキップ及びショー・モード・オフ」モードは、全ビットを選択するもので、これは従来との同様に全てのビットがジッタ/ノイズの設定対象となる。「スキップ及びショー」モードは、指定ビット数だけ下位ビットをスキップ(Skip)して選択せず(非選択)、残りの上位ビットだけを選択して波形でアイパターンを示す(Show)モードである。逆に「ショー及びスキップ」は、指定ビット数の下位ビットだけを選択してアイパターンを表示し、残りの上位ビットはスキップするモードである。図7では、スキップ及びショー・モードの表示例を示す。
【0027】
全ビット数表示フィールド26は、入力されたシリアル・デジタル信号のビット数が表示され、ここでは32ビットの例を示す。シリアル・デジタル信号は、例えば、パケットとして入力されるので、CPUがパケットを解析してこのビット数情報を得る。下位ビット・スキップ/ショー・フィールド28は、下位ビットがスキップとショーのどちらに設定されているかを示す。スキップ/ショー下位ビット数指定フィールド30は、下位ビットについてスキップ又はショーするビット数をユーザが指定するために使用する。同様に、上位ビット・スキップ/ショー・フィールド34は、上位ビットがスキップ(非選択)とショー(選択)のどちらに設定されているかを示す。スキップ/ショー上位ビット数指定フィールド36は、上位ビットについてスキップ又はショーするビット数をユーザが指定するために使用する。ビット数指定フィールド30及び36は連動し、どちらかをユーザが変更すれば、他方は自動的に変更されて合計のビット数が全ビット数表示フィールド26に示される数値と等しくなるよう制御される。同様に、ショー及びスキップ・モードの場合では、フィールド28に「ショー・ビット数」と示され、フィールド34に「スキップ・ビット数」と示される。
【0028】
更に、「スキップ及びショー」モードの応用として、「任意指定スキップ及びショー」モード及び「任意指定ショー及びスキップ」モードを設けても良い。これは、それぞれ任意のビット数を指定したスキップのビット数とショーのビット数の組を、任意に指定できるものである。例えば、文字及び数字を画面上から入力し、第1スキップ:3ビット、第1ショー:4ビット、第2スキップ:6ビット、第2ショー:8ビット、第3スキップ:7ビット、第3スキップ:5ビットと指定しても良い。このとき、スキップ及びショーの順番の代わりに、ショー及びスキップの順番で同様に指定しても良い。スキップ及びショーが3組の例を示したが、組数は任意で良い。
【0029】
図8は、ビット個別指定モードを選択した場合の表示例を示す。図7のものと対応するオブジェクトには、同じ符号を付して説明する。モード選択メニュー25でビット個別指定モードを選択すると、デジタル信号の各ビットに対応する箱型オブジェクトが表示される。図8の例では、箱40が最下位ビット(第1ビット)に対応し、箱50が最上位ビット(第32ビット)に対応し、中間の箱は左から右に行くに従って順次下位ビットから上位ビットに対応する。これら箱型オブジェクトをユーザがマウス・カーソル23を用いてクリックすることにより、所望のビットを選択できる。図8では、第24ビットの箱42、第27ビットの箱44、第28ビットの箱46及び第30ビットの箱48が選択され、箱の真ん中に黒丸が示されている。
【0030】
なお、ビット数が多過ぎて、箱型オブジェクトがビット選択領域20に表示しきれない場合は、スライダ52を更に表示し、ユーザがマウス・カーソル23を用いてスライダ52をスライドさせるのに連動して箱型オブジェクトも左右にスライドして表示させることで、全ビットを指定できるようにしても良い。また、箱型オブジェクトにマウス・カーソル23を近づけると、「第何ビット」というメッセージを所定時間だけ表示して、どのビットに対応する箱か、文字で確認できるようにしても良い。
【0031】
図9は、ビット・パターン・モードを選択した場合の表示例を示す。図7でのものと対応するオブジェクトには、同じ符号を付して説明する。このモードでは、比較的使用頻度の高い所定ビット・パターンが、ビット・パターン・プルダウン・オブジェクト54に予め用意されている。ユーザはマウス・カーソル23を用いて、オブジェクト54の右端にある三角形オブジェクトをクリックして現れる複数のビット・パターンから、所望のビット・パターンを選択するだけで、そのビット・パターンだけを選択できる。
【0032】
図10にプルダウン・オブジェクト54が提示するメニュー56の例を示す。これには、例えば、「01又は10のみ」、「01又は10のみ」、「00又は11のみ」、「010又は101のみ」、「001又は110のみ」、「011又は100のみ」、「000又は111のみ」などの所定ビット・パターンがある。これらによって、ビット・パターンに依存したジッタを含むデジタル信号も容易に発生できるようになる。なお、メニュー56には、「全てのビット・パターン」も含まれ、この場合、従来と同様に全ビットを対象としたジッタ/ノイズ設定が行われることになる。
【0033】
図11は、本発明による信号発生装置における処理の流れを示すフローチャートである。出力するシリアル・デジタル信号を表す波形データは、周知の方法で編集され(ステップ62)、波形発生回路116内の波形メモリに記憶される(ステップ64)。波形データは、例えば、オシロスコープで収集したものから加工しても良い。ユーザがモード選択メニュー25でモード選択すると、それに応じてビット選択領域20の表示が変更される(ステップ66)。ユーザは、上述の如く所望ビットを選択し(ステップ68)、その所望ビットに限定したジッタ又はノイズを設定する(ステップ70)。信号発生装置のCPUは、選択されたビットに対応する波形データに対して、設定されたジッタ又はノイズを反映させて、新たに波形データを発生させ、波形メモリに記憶する(ステップ72)。ここで、表示ボタン21をユーザがクリックすると、出力されるデジタル信号の特性がアイパターンやジッタ分析グラフなどの形で表示される(ステップ74)ので、ユーザは出力されるデジタル信号の特性が予期したものかどうか確認できる。その後、ジッタ又はノイズが反映された波形データは、信号発生装置に対する出力操作を行うことにより、シリアル・デジタル信号を表す電気信号として信号発生装置から出力される(ステップ76)。
【0034】
以上、好適な実施形態に基づき説明してきたが、本発明の趣旨を沿って種々の変更が可能である。アイパターン表示等の波形データの特性表示では、ジッタ又はノイズを付加したビットに対応する波形のみを表示するようにしても良い。これは、図7〜図9に示した波形選択機能オン/オフ・メニューをオンにすれば、選択ビットに対応する波形のみが表示される。これによって、設定したジッタ又はノイズが適切なものかの確認が用意となる。更に、例えば、アイパターン表示では、波形が重なって表示されるが、本発明では識別可能に表示されるので、マウス・カーソル23で選択し、選択された波形のみの表示とするようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】矩形パルス信号を用いたデジタル信号の例を示すグラフである。
【図2】シリアル・デジタル信号をアイパターン表示した例である。
【図3】ジッタ特性の表示例の1つであるタイム・トレンド表示である。
【図4】ジッタ特性の表示例の1つであるヒストグラム表示である。
【図5】信号発生装置の一例のブロック図である。
【図6】本発明による表示画面の一例のである。
【図7】本発明によるスキップ・ショー・モードの表示例である。
【図8】本発明により、ビット個別指定モードの表示例である。
【図9】本発明により、ビット・パターン・モードの表示例である。
【図10】選択可能なビット・パターンのプルダウンメニューの例である。
【図11】本発明による処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
10 ジッタ設定番号フィールド
11 ノイズ設定フィールド
12 DCDフィールド
13 立ち上がり/立ち下がり時間フィールド
14 Pj種別選択メニュー
15 Pj周波数設定フィールド
16 Pjレベル設定フィールド
17 Rj設定フィールド
18 ジッタ/ノイズ設定領域
20 ビット選択領域
21 特性表示ボタン
22 波形表示領域
23 マウス・カーソル
25 モード選択メニュー
26 全ビット数表示フィールド
27 波形選択機能オン/オフ・メニュー
28 下位ビット・スキップ/ショー・フィールド
30 スキップ/ショー下位ビット数指定フィールド
32 下位ビット数指定用の上下矢印
34 上位ビット・スキップ/ショー・フィールド
36 スキップ/ショー上位ビット数指定フィールド
38 上位ビット数指定用の上下矢印
40〜50 ビット対応箱型オブジェクト
52 箱型オブジェクト用スライダ
54 ビット・パターン・プルダウン・メニュー
56 メニュー54のプルダウン例
110 CPU(制御手段)
112 メモリ
114 HDD
116 波形発生回路
118 バス
120 外部表示出力回路
122 表示装置
124 操作パネル
126 GPIBインタフェース
128 入出力ポート
130 キーボード
132 マウス
134 USBメモリ
136 外部表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアル・デジタル信号を表す波形データを記憶する記憶手段と、
上記シリアル・デジタル信号の所望のビットを選択するためのビット選択手段と、
上記選択されたビットに所望のジッタ又はノイズを設定するためのジッタ又はノイズ設定手段と、
設定された上記ジッタ又はノイズを上記波形データに反映させる制御手段と、
上記ジッタ又はノイズが反映された上記波形データを発生する波形発生手段と
を具える信号発生装置。
【請求項2】
上記ジッタ又はノイズが反映された上記波形データの特性を表示することを特徴とする請求項1記載の信号発生装置。
【請求項3】
上記ジッタ又はノイズが反映された上記波形データをアイパターン表示したときに、任意のビットの波形を他のビットの波形と識別可能に表示することを特徴とする請求項1記載の信号発生装置。
【請求項4】
アイパターン表示された上記波形から任意の波形を選択するための波形選択手段を更に具え、
選択された上記波形だけを表示することを特徴とする請求項3記載の信号発生装置。
【請求項5】
上記ビット選択手段が、選択可能な所定ビット・パターンを提示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の信号発生装置。
【請求項6】
上記ビット選択手段が、上記デジタル信号中の選択又は非選択のビットとして連続する任意のビット数を指定できることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の信号発生装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−85748(P2009−85748A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255255(P2007−255255)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(503050951)テクトロニクス・インターナショナル・セールス・ゲーエムベーハー (35)
【Fターム(参考)】