説明

個人生体情報照合装置、個人生体情報照合プログラムおよび個人生体情報照合方法

【課題】個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することを課題とする。
【解決手段】個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、照合の結果を出力する個人生体情報照合装置であって、個人に係るデータとして個人の個人生体情報の特徴量を記憶するデータベースを保持し、所定の個人に係る個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出し、算出された個人生体情報の特徴量と保持されたデータベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出し、算出された照合スコアによって判定される照合の結果を所定の出力部に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、個人生体情報照合装置、個人生体情報照合プログラムおよび個人生体情報照合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般の消費者(以下、顧客という)と金融機関との間の金銭消費貸借契約締結の場面において、金融機関が、未だ金銭の返済に至らない返済完了前の顧客との間では重複して契約を締結しないものとする運用形態がある。このため、このような運用形態による制約を免れることを目的として、返済完了前の顧客であるにも係らず、偽造した運転免許証などを利用して別人になりすました顧客が、金融機関との間で重複して契約を締結してしまう事態が発生している。
【0003】
このような事態の発生を防ぐ手法として、顧客の顔画像データを利用して、契約締結を希望する顧客が返済完了前の顧客であるか否かの重複確認を行う手法が考えられる。例えば、特許文献1に開示された手法は、顔画像データを分割したパーツ画像データを利用する手法である。具体的には、まず、契約締結を希望する顧客の顔画像データを分割したパーツ画像データ(例えば、目、鼻、口、輪郭などの画像データ)が装置に入力され、次に、装置が、入力されたパーツ画像データと、あらかじめデータベースに記憶している返済完了前の顧客のパーツ画像データとを照合する。そして、装置は、入力されたパーツ画像データの顧客が、返済完了前の顧客と同一人物である可能性があるか否かを所定の判定基準で判定し、同一人物である可能性があると判定した返済完了前の顧客の顔画像データを、照合結果として出力する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−331264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来技術では、以下に説明するように、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することができないという課題がある。すなわち、例えば、「目」のパーツ画像データ同士を照合すると、「顔全体」が類似していなくても、「目」のみが類似する顔画像データが、同一人物である可能性があると判定され、照合結果に該当してしまうおそれがあり、照合結果の幅が不適切に広がるおそれがある。一方、照合結果の幅が不適切に広がる事態を防ぐために判定基準を厳しくすると、経年変化や眼鏡の有無などの違いだけで、照合結果からはずれてしまうおそれがあり、照合結果の幅が不適切に狭まるおそれがある。したがって、顔画像データを分割したパーツ画像データを利用する手法では、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することができない。
【0006】
なお、上記した課題は、別人になりすました顧客による金融機関との重複契約締結の場面に限らず、例えば、偽造パスポートを利用して別人になりすました入国拒否対象の人物による不正入国の場面や、偽造受験票を利用して別人になりすました受験生による身代わり受験の場面など、同一人物である可能性があるか否かを照合する必要がある場面において、同様に課題となる。
【0007】
そこで、この発明は、上記した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することが可能な個人生体情報照合装置、個人生体情報照合プログラムおよび個人生体情報照合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの当該個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、当該照合の結果を出力する個人生体情報照合装置であって、前記個人に係るデータとして当該個人の個人生体情報の特徴量を記憶する前記データベースを保持するデータベース保持手段と、前記所定の個人に係る個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段によって算出された個人生体情報の特徴量と前記データベース保持手段によって保持された前記データベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出する照合スコア算出手段と、前記照合スコア算出手段によって算出された前記照合スコアによって判定される前記照合の結果を所定の出力部に出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記データベース保持手段は、前記個人生体情報の特徴量として、顔を撮像した顔画像の特徴量を記憶する前記データベースを保持し、前記特徴量算出手段は、前記個人生体情報の特徴量として、顔画像の特徴量を算出し、前記照合スコア算出手段は、前記特徴量算出手段によって算出された顔画像の特徴量と前記データベースが記憶する顔画像の特徴量とを比較して照合スコアを算出することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、個人生体情報が記載されている公的機関発行の身分証明書を撮像する身分証明書撮像手段をさらに備え、前記特徴量算出手段は、前記身分証明書撮像手段によって撮像された前記個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、被写体である個人の個人生体情報を撮像する個人撮像手段をさらに備え、前記特徴量算出手段は、前記個人撮像手段によって撮像された前記個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記データベース保持手段によって保持された前記データベースは、前記個人生体情報の特徴量を、撮像された身分証明書に記載されている個人生体情報から算出された身分証明書系特徴量と被写体である個人の個人生体情報が撮像された当該個人生体情報から算出された個人系特徴量とに分類して記憶するものであって、前記照合スコア算出手段は、前記身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報から前記特徴量算出手段によって当該個人生体情報の特徴量が算出された場合に、当該特徴量と前記身分証明書系特徴量とを比較して照合スコアを算出し、前記個人撮像手段によって撮像された個人生体情報から前記特徴量算出手段によって当該個人生体情報の特徴量が算出された場合に、当該特徴量と前記個人系特徴量とを比較して照合スコアを算出することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、上記の発明において、前記身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報から前記特徴量算出手段によって算出された当該個人生体情報の特徴量と前記個人撮像手段によって撮像された個人生体情報から前記特徴量算出手段によって算出された当該個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出する身分確認照合スコア算出手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記出力手段は、前記照合の結果として、前記照合スコア算出手段によって算出された前記照合スコアと当該照合スコアの算出に際して比較された個人に係るデータとを対応づけて前記所定の出力部に出力することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に係る発明は、上記の発明において、前記出力手段は、前記照合スコア算出手段によって算出された前記照合スコアの値が高い順に、前記照合の結果を並べて前記所定の出力部に出力することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に係る発明は、上記の発明において、前記出力手段は、前記照合スコア算出手段によって算出された前記照合スコアの値を視覚的に表現するゲージ、メータ、印、色、フォント、大きさのいずれかひとつまたは複数を用いて加工した形態で、前記照合の結果を前記所定の出力部に出力することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に係る発明は、上記の発明において、前記出力手段は、前記身分確認照合スコア算出手段によって算出された前記身分確認照合スコアが所定の閾値を上回った場合に、当該所定の閾値を上回ったことを示す所定の表示を前記所定の出力部に出力することを特徴とする。
【0018】
また、請求項11に係る発明は、上記の発明において、前記個人撮像手段は、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで前記個人の顔画像を連続して撮像し、前記身分確認照合スコア算出手段は、前記個人撮像手段によって前記個人の正面の顔画像が撮像された場合に、当該正面の顔画像の特徴量を用いて前記身分確認照合スコアを算出し、前記出力手段は、前記個人撮像手段によって複数の正面の顔画像が撮像され、前記身分確認照合スコア算出手段によって当該複数の正面の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアが算出された場合に、当該複数の身分確認照合スコアの中で最も高い値の身分確認照合スコアおよび当該最も高い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された前記個人の正面の顔画像の組み合わせ、当該複数の身分確認照合スコアの中で最も低い値の身分確認照合スコアおよび当該最も低い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された前記個人の正面の顔画像の組み合わせのいずれかひとつまたは複数を前記所定の出力部に出力することを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に係る発明は、上記の発明において、前記個人撮像手段は、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで前記個人の顔画像を連続して撮像し、前記身分確認照合スコア算出手段は、前記個人撮像手段によって複数の前記個人の顔画像が撮像され、当該複数の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアが算出された場合に、当該複数の身分確認照合スコアの平均値を算出し、前記出力手段は、前記身分確認照合スコア算出手段によって前記平均値が算出された場合に、当該平均値を前記所定の出力部に出力することを特徴とする。
【0020】
また、請求項13に係る発明は、上記の発明において、前記身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報、当該個人生体情報から前記特徴量算出手段によって算出された特徴量、前記個人撮像手段によって撮像された個人生体情報、当該個人生体情報から前記特徴量算出手段によって算出された特徴量、前記身分確認照合スコア算出手段によって当該ふたつの特徴量を比較して算出された身分確認照合スコア、のいずれかひとつまたは複数を対応づけて前記データベースに登録する登録手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項14に係る発明は、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの当該個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、当該照合の結果を出力する方法をコンピュータに実行させる個人生体情報照合プログラムであって、前記個人に係るデータとして当該個人の個人生体情報の特徴量を記憶する前記データベースを保持するデータベース保持手順と、前記所定の個人に係る個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出する特徴量算出手順と、前記特徴量算出手順によって算出された個人生体情報の特徴量と前記データベース保持手順によって保持された前記データベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出する照合スコア算出手順と、前記照合スコア算出手順によって算出された前記照合スコアによって判定される前記照合の結果を所定の出力部に出力する出力手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
また、請求項15に係る発明は、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの当該個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、当該照合の結果を出力する個人生体情報照合方法であって、前記個人に係るデータとして当該個人の個人生体情報の特徴量を記憶する前記データベースを保持するデータベース保持工程と、前記所定の個人に係る個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出する特徴量算出工程と、前記特徴量算出工程によって算出された個人生体情報の特徴量と前記データベース保持工程によって保持された前記データベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出する照合スコア算出工程と、前記照合スコア算出工程によって算出された前記照合スコアによって判定される前記照合の結果を所定の出力部に出力する出力工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1、請求項14、または請求項15の発明によれば、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、照合の結果を出力する個人生体情報照合装置であって、個人に係るデータとして個人の個人生体情報の特徴量を記憶するデータベースを保持し、所定の個人に係る個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出し、算出された個人生体情報の特徴量と保持されたデータベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出し、算出された照合スコアによって判定される照合の結果を所定の出力部に出力するので、例えば、契約締結を希望する顧客の個人生体情報(例えば、顧客の顔画像全体など)から算出される特徴量と、あらかじめデータベースに記憶している返済完了前の顧客の個人生体情報から算出される特徴量とを用いて、契約締結を希望する顧客が返済完了前の顧客と同一人物である可能性があるか否かを照合する手法であることから、顔画像データを分割したパーツ画像データを利用する手法に比較して、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することが可能になる。
【0024】
また、請求項2の発明によれば、個人生体情報の特徴量として、顔を撮像した顔画像の特徴量を記憶するデータベースを保持し、個人生体情報の特徴量として、顔画像の特徴量を算出し、算出された顔画像の特徴量とデータベースが記憶する顔画像の特徴量とを比較して照合スコアを算出するので、顔を撮像した顔画像の特徴量に基づいて照合する手法は、指紋の特徴量や静脈の特徴量など他の個人生体情報の特徴量に基づいて照合する手法に比較して、特徴量の算出に用いられる所定のデータの収集が簡易であることから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ簡易に実行することが可能になる。
【0025】
また、請求項3の発明によれば、個人生体情報が記載されている公的機関発行の身分証明書を撮像し、撮像された個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出するので、例えば、顔画像の特徴量の算出に用いられる顔画像を、公的機関発行の身分証明書(例えば、運転免許証、旅券(パスポート)など)をスキャナなどで撮像して取得することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ簡易に実行することが可能になる。
【0026】
また、請求項4の発明によれば、被写体である個人の個人生体情報を撮像し、撮像された個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出するので、例えば、顔画像の特徴量の算出に用いられる顔画像を、被写体である個人の顔をカメラなどで撮像して取得することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ簡易に実行することが可能になる。
【0027】
また、請求項5の発明によれば、保持されたデータベースは、個人生体情報の特徴量を、撮像された身分証明書に記載されている個人生体情報から算出された身分証明書系特徴量と被写体である個人の個人生体情報が撮像された個人生体情報から算出された個人系特徴量とに分類して記憶するものであって、撮像された身分証明書に記載されている個人生体情報から個人生体情報の特徴量が算出された場合に、特徴量と身分証明書系特徴量とを比較して照合スコアを算出し、撮像された個人の個人生体情報から個人生体情報の特徴量が算出された場合に、特徴量と個人系特徴量とを比較して照合スコアを算出するので、例えば、スキャナなどで撮像された運転免許証の顔写真から算出された特徴量同士、または、カメラなどで撮像された個人の顔写真から算出された特徴量同士を比較して照合スコアを算出する手法は、撮像条件などの環境の違いが少なくなり、例えば、スキャナなどで撮像された運転免許証の顔写真から算出された特徴量と、カメラなどで撮像された個人の顔写真から算出された特徴量とを比較して照合スコアを算出する手法に比較して、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ精度良く実行することが可能になる。
【0028】
また、請求項6の発明によれば、撮像された身分証明書に記載されている個人生体情報から算出された個人生体情報の特徴量と、撮像された個人の個人生体情報から算出された個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出するので、データベースの個人に係るデータと所定の個人に係る個人生体情報とを照合する前段階として、例えば、スキャナなどで撮像された運転免許証の顔写真と、カメラなどで撮像された個人の顔写真とを照合して本人確認(身分確認)を行い、照合対象である所定の個人に係る個人生体情報が本人のデータであることを確認することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつより適切に実行することが可能になる。
【0029】
また、請求項7の発明によれば、照合の結果として、算出された照合スコアと照合スコアの算出に際して比較された個人に係るデータとを対応づけて所定の出力部に出力するので、例えば、所定の出力部(モニタ)に照合スコアと顔画像とを対応づけて出力し、オペレータなどに照合の結果を提示することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ運用に即した形態で実行することが可能になる。
【0030】
また、請求項8の発明によれば、算出された照合スコアの値が高い順に、照合の結果を並べて所定の出力部に出力するので、例えば、所定の出力部(モニタ)に、照合スコアの値が高い順に顔画像を並べて出力し、オペレータなどによって照合スコアの値が高い順から確認が行われることから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ効率的に実行することが可能になる。
【0031】
また、請求項9の発明によれば、算出された照合スコアの値を視覚的に表現するゲージ、メータ、印、色、フォント、大きさのいずれかひとつまたは複数を用いて加工した形態で、照合の結果を所定の出力部に出力するので、例えば、照合スコアの値をゲージで提示したり、照合スコアの値が高い顔画像を大きく提示したりするなど、照合スコアの値の高さを視覚的に表現し、オペレータなどが確認もれをするおそれを低減することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ確実に実行することが可能になる。
【0032】
また、請求項10の発明によれば、算出された身分確認照合スコアが所定の閾値を上回った場合に、所定の閾値を上回ったことを示す所定の表示を所定の出力部に出力するので、例えば、本人であるかどうかを所定の閾値によって判定した結果を出力し、オペレータによる確認の負担を軽減することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ運用の負荷を軽減して実行することが可能になる。
【0033】
また、請求項11の発明によれば、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで個人の顔画像を連続して撮像し、個人の正面の顔画像が撮像された場合に、正面の顔画像の特徴量を用いて身分確認照合スコアを算出し、複数の正面の顔画像が撮像され、複数の正面の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアが算出された場合に、複数の身分確認照合スコアの中で最も高い値の身分確認照合スコアおよび最も高い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組み合わせ、複数の身分確認照合スコアの中で最も低い値の身分確認照合スコアおよび最も低い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組み合わせのいずれかひとつまたは複数を所定の出力部に出力するので、例えば、被写体である個人の顔をカメラなどで撮像する際に、連続して複数枚の写真を撮像して撮像ミスを防ぎ、かつ、照合に必要な正面の顔を検出することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ確実に実行することが可能になる。また、大量の顔画像を撮像して本人確認(身分確認)を行う場合に、大量の照合の結果から重要な少量の照合の結果のみを抜粋してオペレータによる確認に利用することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ効率的に実行することが可能になる。さらに、例えば、ベストの写真(照合スコアが最も高い値の顔画像)のみでオペレータによる確認が行われると、似ている他人を誤って本人だと確認してしまう可能性が高まり、ワーストの写真(照合スコアが最も低い値の顔画像)のみでオペレータによる確認が行われると、似ていない本人を誤って本人ではないと確認してしまう可能性が高まるが、いずれの方針で確認を行うのか、あるいは両方を組み合わせた方針で確認を行うのかなど、利用形態に応じた方針で出力することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ運用に即した形態で実行することが可能になる。また、運転免許証など身分証明書の顔写真との照合スコアで、顔画像の写り具合を定量的に判断することもできることから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することが可能になる。
【0034】
また、請求項12の発明によれば、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで個人の顔画像を連続して撮像し、複数の前記個人の顔画像が撮像され、複数の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアが算出された場合に、複数の身分確認照合スコアの平均値を算出し、平均値が算出された場合に、平均値を所定の出力部に出力するので、大量の照合の結果から平均的な照合の結果(平均値)をオペレータに提示することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ効率的に実行することが可能になる。
【0035】
また、請求項13の発明によれば、撮像された身分証明書の個人生体情報、個人生体情報から算出された特徴量、撮像された個人の個人生体情報、個人生体情報から算出された特徴量、ふたつの特徴量を比較して算出された身分確認照合スコア、のいずれかひとつまたは複数を対応づけてデータベースに登録するので、例えば、オペレータによって本人確認(身分確認)が行われた時の顔画像がデータベースに登録されると、後に他者によって再確認をすることもできることから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ確実に実行することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る個人生体情報照合装置、個人生体情報照合プログラム、および個人生体情報照合方法の実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例で用いる主要な用語、実施例1に係る個人生体情報照合装置の概要および特徴、実施例1に係る個人生体情報照合装置の構成および処理の手順、実施例1の効果を順に説明し、次に、他の実施例について説明する。
【実施例1】
【0037】
[用語の説明]
まず最初に、以下の実施例で用いる主要な用語を説明する。「データベース」とは、通常、大容量のハードディスクに大量のデータを記憶して構築されるものである。また、「データベース」は、どのようなデータを記憶するか、あるいは、データをどのように区分けして記憶するかなどについて、データベースの利用目的に従って構築される。以下の実施例において、「データベース」は、個人に関連する情報を管理する利用目的で構築されるので、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶する。
【0038】
ここで、「個人に係るデータ」とは、『ID』、『名前』、『住所』など、個人に関連する属性について、特定の個人に対応する具体的な値のことである。すなわち、例えば、『1』、『東京太郎』、『東京都・・・』などのことである。また、「個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶する」とは、データベースが、『1』、『東京太郎』、『東京都・・・』などの特定の個人に対応する具体的な値を、それぞれ対応づけて記憶することである(例えば、『ID』が『1』である個人の『名前』は『東京太郎』で『住所』は『東京都・・・』である、との対応づけがなされている)。
【0039】
ところで、このようなデータベースは、各種利用形態で利用されるが、利用形態のひとつとして、例えば、データベースが記憶する「個人に係るデータ」で特定される個人と所定の個人とが、同一人物である可能性があるか否かを照合し、照合の結果を出力する利用形態がある。すなわち、データベースが記憶する「個人に係るデータ」は、特定の個人に対応するデータであるので、データベースには、通常、複数の特定の個人に対応する「個人に係るデータ」が記憶されていることになる。したがって、データベースが記憶する複数の「個人に係るデータ」と所定の個人のデータとをそれぞれを照合することで、データベースが記憶する複数の特定の個人と所定の個人とが、同一人物である可能性があるか否かを照合することができる。
【0040】
具体的に例を挙げて説明すると、例えば、金融機関において、返済完了前の複数の顧客に対応するデータを記憶するデータベースがある場合、新たに契約の締結を希望する所定の顧客が返済完了前の顧客であるか否かが金融機関において確認されるためには、データベースのデータとこの顧客のデータとをそれぞれ照合することで、データベースが記憶する返済完了前の複数の顧客と契約を希望するこの顧客とが、同一人物である可能性があるか否かを照合することになる。
【0041】
ところが、現実には、上記した利用形態では、照合を適切に実行できない場合がある。上記した金融機関の例で説明すると、契約を希望する所定の顧客が、偽造した運転免許証などを利用して別人になりすました場合である。通常、偽造した運転免許証では、偽の『名前』も偽の『住所』も完全に準備されていることから、それが偽造の情報であることを金融機関において見抜くことは非常に難しいといえる。データベースのデータと、このように完全に偽造された『名前』および『住所』とを照合しても、当然のことながら、偽造した運転免許証を持参して別人になりすました顧客と同一人物である可能性があるデータは、データベースに存在しないという照合の結果が出力されることになる。
【0042】
このため、このような別人へのなりすましに対抗することを目的として、完全なる偽造が困難な「個人生体情報」(例えば、顔画像、指紋、静脈など)を利用して、データベースに記憶されている個人に係るデータと所定の個人に係る「個人生体情報」とを照合し、照合の結果を出力する「個人生体情報照合装置」が必要になるのである。
【0043】
[実施例1に係る個人生体情報照合装置の概要および特徴]
続いて、図1を用いて、実施例1に係る個人生体情報照合装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る個人生体情報照合装置の概要および特徴を説明するための図である。
【0044】
実施例1に係る個人生体情報照合装置は、上記したように、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、照合の結果を出力することを概要とし、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することを主たる特徴とする。
【0045】
この主たる特徴について簡単に説明すると、実施例1に係る個人生体情報照合装置は、個人に係るデータとして、個人の個人生体情報(顔を撮像した顔画像)の特徴量を記憶するデータベースを保持する(図1の(A)の(1)を参照)。なお、実施例1におけるデータベースは、顔画像の特徴量を、公的機関発行の身分証明書に記載されている顔画像から算出された身分証明書系特徴量と、被写体である個人の顔画像が撮像された顔画像から算出された個人系特徴量とに分類して記憶する。
【0046】
ここで、実施例1におけるデータベースが保持する顔画像の特徴量とは、例えば、顔画像におけるサンプル点周辺における局所的な領域での画素の濃淡やその濃淡値の変化率等の特徴量の集まりを、実数要素からなるベクトルとして表現した特徴ベクトルなどのことであり、顔画像がどのような顔であるかを認識した上でその特徴を識別するような特徴量のことである。
【0047】
上記のように構成された個人生体情報照合装置は、まず、所定の個人に係る個人生体情報(顔画像)から、個人生体情報(顔画像)の特徴量を算出する(図1の(A)の(2)を参照)。なお、実施例1に係る個人生体情報照合装置は、顔画像が記載されている公的機関発行の身分証明書を撮像するスキャナや、被写体である個人の顔画像を撮像するカメラなどをさらに備え、これらのスキャナやカメラによって、所定の個人に係る顔画像を取得する。また、図1においては、便宜上から、顔画像がイラストで表現されているが、実際は、スキャナやカメラなどで撮像され、JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの形式で保存された画像データである。
【0048】
次に、個人生体情報照合装置は、個人生体情報(顔画像)の特徴量と、データベースが記憶する個人生体情報(顔画像)の特徴量とを比較して、個人生体情報(顔画像)間の照合の度合いを示す照合スコアを算出する(図1の(B)の(3)を参照)。なお、実施例1におけるデータベースは、上記したように、顔画像の特徴量を、身分証明書系特徴量と個人系特徴量とに分類して記憶するので、実施例1に係る個人生体情報照合装置は、スキャナなどによって撮像された身分証明書の顔画像から特徴量が算出された場合に、この特徴量とデータベースの身分証明書系特徴量とを比較して照合スコアを算出し、カメラなどによって撮像された個人の顔画像から特徴量が算出された場合に、この特徴量とデータベースの個人系特徴量とを比較して照合スコアを算出する。
【0049】
そして、個人生体情報照合装置は、算出された照合スコアによって判定される照合の結果を、所定の出力部に出力する(図1の(C)の(4)を参照)。なお、実施例1に係る個人生体情報装置は、照合の結果として、算出された照合スコア(例えば、0.65、0.41など)と、この照合スコアの算出に際して比較された特徴量に対応する顔画像とを対応づけて、照合スコアの値が高い順に、モニタに出力する。また、実施例1に係る個人生体情報照合装置は、照合スコアの値を視覚的に表現するゲージを用いて加工した形態で、照合の結果をモニタに出力する。
【0050】
このようにして、実施例1に係る個人生体情報照合装置は、例えば、契約締結を希望する顧客の個人生体情報(例えば、顧客の顔画像全体など)から算出される特徴量と、あらかじめデータベースに記憶している返済完了前の顧客の個人生体情報から算出される特徴量とを用いて、契約締結を希望する顧客が返済完了前の顧客と同一人物である可能性があるか否かを照合する手法であることから、顔画像データを分割したパーツ画像データを利用する手法に比較して、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することが可能になる。
【0051】
ところで、実施例1に係る個人生体情報照合装置は、上記した主たる特徴の他に、スキャナで撮像された身分証明書の顔画像から算出された顔画像の特徴量と、カメラによって撮像された顔画像から算出された顔画像の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出することにも特徴がある。また、実施例1に係る個人生体情報照合装置が備えるカメラは、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで個人の顔画像を連続して撮像し、実施例1に係る個人生体情報照合装置は、正面の顔画像が撮像された場合にのみ、身分確認照合スコアを算出することにも特徴がある。なお、実施例1においては、正面の顔画像が撮像された場合にのみ、身分確認照合スコアを算出する場合について説明するが、この発明はこれに限られるものではなく、撮像された全ての顔画像から身分確認照合スコアを算出する場合などにも、この発明を同様に適用することができる。
【0052】
[実施例1に係る個人生体情報照合装置の構成]
次に、図2〜図9を用いて、実施例1に係る個人生体情報照合装置の構成を説明する。図2は、実施例1に係る個人生体情報照合装置の構成を示すブロック図であり、図3は、出力部を説明するための図であり、図4は、身分証明書撮像データ保持部を説明するための図であり、図5は、個人撮像データ保持部を説明するための図であり、図6は、身分確認照合スコア保持部を説明するための図であり、図7は、重複確認スコア保持部を説明するための図であり、図8は、データベース保持部を説明するための図であり、図9は、個人撮像データ処理部を説明するための図である。
【0053】
図2に示すように、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、入力部11と、身分証明書撮像部12と、個人撮像部13と、出力部14と、入出力制御IF部15と、記憶部20と、制御部30とから構成される。
【0054】
入力部11は、制御部30による各種処理をするための操作指示などを、キーボード、マウス、または通信部などによって入力する手段である。具体的には、入力部11は、出力部14によって出力される出力画面を操作する。例えば、入力部11は、出力部14によって出力される出力画面のアイコン(例えば、図3の『免許証スキャン』のアイコンなど)やスクロールバー(例えば、照合の結果である顔画像を表示するためのスクロールバーなど)などを操作する。
【0055】
身分証明書撮像部12は、個人生体情報が記載されている公的機関発行の身分証明書を撮像する手段である。具体的には、身分証明書撮像部12は、個人生体情報が記載されている身分証明書を撮像し、撮像したデータは、後述する身分証明書撮像データ処理部31aによって処理された後、後述する身分証明書撮像データ保持部21aに記憶される。例えば、身分証明書撮像部12は、運転免許証、旅券(パスポート)、住民基本台帳カードなど、顔画像が記載されている公的機関発行の身分証明書を、スキャナなどで撮像する。なお、身分証明書撮像部12は、特許請求の範囲に記載の「身分証明書撮像手段」に対応する。
【0056】
個人撮像部13は、被写体である個人の個人生体情報を撮像する手段である。具体的には、個人撮像部13は、被写体である個人の個人生体情報を撮像し、撮像したデータは、後述する個人撮像データ処理部31bによって処理された後、後述する個人撮像データ保持部21bに記憶される。例えば、個人撮像部13は、被写体である個人の顔画像を、カメラ(ディジタルカメラ)などで撮像する。ここで、実施例1における個人撮像部13は、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで、個人の顔画像を連続して撮像し、個人撮像データ処理部31bによって正面の顔画像が検出された場合に、撮像した正面の顔画像は、個人撮像データ保持部21bに記憶される。なお、個人撮像部13は、特許請求の範囲に記載の「個人撮像手段」に対応する。
【0057】
出力部14は、制御部30による各種処理の結果や、各種処理をするための操作指示などを、モニタ、またはプリンタなどに出力する手段である。具体的には、出力部14は、後述する身分確認照合結果出力部33bによって出力される照合の結果、後述する重複確認照合結果出力部34bによって出力される照合の結果などを、出力する。例えば、出力部14は、身分確認照合結果出力部33bによって出力される照合の結果として、後述する身分確認照合スコア算出部33aによって算出された身分確認照合スコアと顔画像との組み合わせを、モニタに出力する。また、例えば、出力部14は、重複確認照合結果出力部34bによって出力される照合の結果として、後述する重複確認照合スコア算出部34aによって算出された照合スコアと、照合スコアの算出に際して比較された顔画像とを対応づけて、照合スコアの値が高い順に、モニタに出力する。また、例えば、出力部14は、照合スコアの値を、視覚的に表現するゲージを用いて加工した形態で、モニタに出力する。
【0058】
ここで、出力部14が出力する出力画面の一例について、図3を用いて説明すると、図3上部の左側に図示されている部分が、後述する身分証明書撮像データ保持部21aによって保持された顔画像(上)および後述する個人撮像データ保持部21bによって保持された顔画像(下)である。出力部14が出力するアイコンが入力部11によって操作されることで、身分証明書撮像部12による撮像が行われたり、個人撮像部13による撮像が開始されたり停止されたりする。なお、図3では、身分証明書撮像データ保持部21aによって保持される身分証明書として運転免許証を図示しているが、例えば、旅券(パスポート)や住民基本台帳カードなど、顔画像が記載されている公的機関発行の身分証明書であれば、いずれでもよい。
【0059】
また、図3上部の右側に図示されている部分が、後述する身分確認照合結果出力部33bによって出力される照合の結果である。図3では、後述する身分確認照合スコア算出部33aによって算出された身分確認照合スコアとして「0.81」と、この身分確認照合スコアの算出に際して比較された顔画像(個人撮像データ保持部21bによって保持された顔画像)との組み合わせの他に、身分証明書撮像データ保持部21aによって保持された顔画像も図示している。なお、「経過時間」のステータスバーは、個人撮像部13によって個人の顔画像が連続して撮像される際に、撮像を開始してから所定の時間が経過するまでの経過時間を、視覚的に表示するものである。
【0060】
また、図3下部に図示されている部分が、後述する重複確認照合結果出力部34bによって出力される照合の結果である。図3では、重複確認照合スコア算出部34aによって算出された照合スコアと、照合スコアの算出に際して比較された顔画像(データベース保持部25によって保持された顔画像)とを対応づけて、照合スコアの値が高い順に、図示している。
【0061】
ここで、図3では、身分証明書撮像部12(スキャナ)によって撮像された顔画像とデータベース保持部25によって保持された身分証明書系の顔画像(スキャナなどで撮像された身分証明書の顔画像)とが照合された結果を上列に図示し、個人撮像部13(カメラ)によって撮像された顔画像とデータベース保持部25によって保持された個人系の顔画像(カメラなどで撮像された被写体である個人の顔画像)とが照合された結果を下列に図示している。また、図3では、照合スコアと顔画像との間に、照合スコアの値を視覚的に表現するゲージを図示している。
【0062】
入出力制御IF部15は、入力部11、身分証明書撮像部12、個人撮像部13、および出力部14と、記憶部20および制御部30との間におけるデータ転送を制御する手段である。
【0063】
記憶部20は、制御部30による各種処理に用いるデータを記憶する記憶手段であり、特にこの発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、撮像データ保持部21と、特徴量保持部22と、身分確認照合スコア保持部23と、重複確認照合スコア保持部24と、データベース保持部25とを備える。なお、データベース保持部25は、特許請求の範囲に記載の「データベース保持手段」に対応する。
【0064】
かかる記憶部20のなかで、撮像データ保持部21は、撮像された所定の個人に係る個人生体情報を保持する手段であり、身分証明書撮像データ保持部21aと、個人撮像データ保持部21bとを備える。
【0065】
身分証明書撮像データ保持部21aは、撮像された公的機関発行の身分証明書に記載されている個人生体情報を保持する手段である。具体的には、身分証明書撮像データ保持部21aは、身分証明書撮像部12によって撮像された公的機関発行の身分証明書に記載されている個人生体情報を保持する。例えば、身分証明書撮像データ保持部21aは、図4に示すように、スキャナなどによって撮像された運転免許証に記載されている顔画像を保持する。また、身分証明書撮像データ保持部21aが保持するデータは、後述する特徴量算出部32による特徴量算出処理、後述する身分確認照合結果出力部33bによる身分確認照合結果出力処理、および後述する重複確照合結果出力部34bによる重複確認照合結果出力処理などに利用される。
【0066】
個人撮像データ保持部21bは、撮像された被写体である個人の個人生体情報を保持する手段である。具体的には、個人撮像データ保持部21bは、個人撮像部13によって撮像された被写体である個人の個人生体情報を保持する。例えば、個人撮像データ保持部21bは、図5に示すように、カメラによって撮像された個人の顔画像を保持する。ここで、実施例1における個人撮像データ保持部21bは、個人撮像部13によって連続して撮像された複数の顔画像のうち、後述する個人撮像データ処理部31bによって正面の顔画像が検出された場合の顔画像のみを保持する。また、個人撮像データ保持部21bが保持するデータは、後述する特徴量算出部32による特徴量算出処理、および後述する重複確照合結果出力部34bによる重複確認照合結果出力処理などに利用される。
【0067】
特徴量保持部22は、算出された個人生体情報の特徴量を保持する手段であり、身分証明書特徴量保持部22aと、個人特徴量保持部22bとを備える。
【0068】
身分証明書特徴量保持部22aは、身分証明書撮像データ保持部21aによって保持された個人生体情報から、後述する特徴量算出部32によって算出された個人生体情報の特徴量を保持する手段である。また、身分証明書特徴量保持部22aが保持する特徴量は、後述する身分確認照合スコア算出部33aによる身分確認照合スコア算出処理および重複確認照合スコア算出部34aによる重複確認照合スコア算出処理に利用される。
【0069】
個人特徴量保持部22bは、個人撮像データ保持部21bによって保持された個人生体情報から、後述する特徴量算出部32によって算出された個人生体情報の特徴量を保持する手段である。ここで、実施例1における個人特徴量保持部22bは、個人撮像部13によって連続して撮像された複数の顔画像のうち、後述する個人撮像データ処理部31bによって正面の顔画像が検出されるごとに、特徴量算出部32によって算出された顔画像の特徴量を保持する。また、個人特徴量保持部22bが保持する特徴量は、後述する身分確認照合スコア算出部33aによる身分確認照合スコア算出処理および重複確認照合スコア算出部34aによる重複確認照合スコア算出処理に利用される。
【0070】
身分確認照合スコア保持部23は、算出された身分確認照合スコアを保持する手段である。具体的には、身分確認照合スコア保持部23は、身分証明書特徴量保持部22aによって保持された個人生体情報の特徴量と個人特徴量保持部22bによって保持された個人生体情報の特徴量とから、身分確認照合スコア算出部33aによって算出された身分確認照合スコアを保持する。また、身分確認照合スコア保持部23によって保持された身分確認照合スコアは、後述する身分確認照合結果出力部33bによる身分確認照合結果出力処理に利用される。
【0071】
ここで、身分確認照合スコア保持部23が身分確認照合スコアを保持する形態の一例について、図6を用いて説明する。上記したように、実施例1における個人特徴量保持部22bは、個人撮像部13によって連続して撮像された複数の顔画像のうち、後述する個人撮像データ処理部31bによって正面の顔画像が検出されるごとに、特徴量算出部32によって算出された顔画像の特徴量を保持する。したがって、後述する実施例1における身分確認照合スコア算出部33aは、複数の正面の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアを算出する。このため、実施例1における身分確認照合スコア保持部23は、図6に示すように、複数の身分確認照合スコアを保持し、また、身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像を組み合わせて保持する。さらに、実施例1における身分確認照合スコア保持部23は、複数の身分確認照合スコアの中で最も高い値の身分確認照合スコア(ベスト)と、最も低い値の身分確認照合スコア(ワースト)と、身分確認照合スコア算出部33aによって算出された平均値とを保持する。
【0072】
重複確認照合スコア保持部24は、算出された照合スコアを保持する手段である。具体的には、重複確認照合スコア保持部24は、図7に示すように、身分証明書特徴量保持部22aによって保持された個人生体情報の特徴量とデータベース保持部25によって保持された身分証明書系特徴量とから、後述する重複確認照合スコア算出部34aによって算出された照合スコアを保持し、個人特徴量保持部22bによって保持された個人生体情報の特徴量とデータベース保持部25によって保持された個人系特徴量とから、後述する重複確認照合スコア算出部34aによって算出された照合スコアを保持する。また、重複確認照合スコア保持部24が保持する照合スコアは、後述する重複確認照合結果出力部34bによる重複確認照合結果処理に利用される。
【0073】
データベース保持部25は、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースであって、個人に係るデータとして、個人の個人生体情報の特徴量を記憶するデータベースを保持する手段である。具体的には、データベース保持部25は、個人に係るデータとして、個人の顔画像の特徴量を記憶するデータベースを保持する。ここで、実施例1におけるデータベース保持部25が保持するデータベースは、顔画像の特徴量を、撮像された身分証明書に記載されている顔画像から算出された身分証明書系特徴量と、被写体である個人の顔画像が撮像された顔画像から算出された個人系特徴量とに分類して記憶する。
【0074】
ここで、データベース保持部25が保持するデータベースが、個人に係るデータを記憶する形態の一例について、図8を用いて説明すると、実施例1におけるデータベースは、個人に関連する属性『ID』、『名前』、『住所』、『身分証明書系顔画像』、『身分証明書系特徴量』、『個人系顔画像』、および『個人系特徴量』などの具体的な値を、個人ごとに区分けして記憶する。なお、『身分証明書系特徴量』および『個人系特徴量』は、後述する特徴量算出部32において特徴量が算出される手法と同じ手法で算出された特徴量である。
【0075】
制御部30は、個人生体情報照合装置10を制御して各種処理を実行する手段であり、特にこの発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、撮像データ処理部31と、特徴量算出部32と、身分確認部33と、重複確認部34とを備える。
【0076】
かかる制御部30のなかで、撮像データ処理部31は、撮像されたデータを処理する手段であり、身分証明書撮像データ処理部31aと、個人撮像データ処理部31bとを備える。
【0077】
身分証明書撮像データ処理部31aは、身分証明書撮像部12によって撮像された身分証明書の撮像データを処理する手段である。具体的には、身分証明書撮像データ処理部31aは、身分証明書の撮像データの斜行補正を行い、斜行補正を行った身分証明書撮像データの顔画像の位置を特定し、顔画像の位置を特定した身分証明書撮像データから顔画像を抽出し、抽出した顔画像を、身分証明書撮像データ保持部21aに記憶させる。
【0078】
個人撮像データ処理部31bは、個人撮像部13によって撮像された顔画像の撮像データを処理する手段であり、被写体である個人の顔画像が連続して撮像された際に、個人の正面の顔画像を検出する手段である。具体的には、個人撮像データ処理部31bは、個人撮像部13によって、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで個人の顔画像が連続して撮像された際に、個人の正面の顔画像を検出し、検出した正面の顔画像を、個人撮像データ保持部21bに記憶させる。
【0079】
例えば、個人撮像データ処理部31bは、図9のように、個人撮像部13によって撮像を開始してから所定の時間が経過するまで連続して撮像されている間に、被写体である個人が動いてしまうことによって、「上を向いた顔」、「左を向いた顔」、「正面を向いた顔」、「右を向いた顔」、「下を向いた顔」などの顔画像が撮像されてしまった場合に、正面を向いた顔画像のみを検出し、個人撮像データ保持部21bに記憶させる。
【0080】
特徴量算出部32は、所定の個人に係る個人生体情報から、個人生体情報の特徴量を算出する手段である。具体的には、特徴量算出部32は、身分証明書撮像データ保持部21aによって保持された個人生体情報から、個人生体情報の特徴量を算出し、身分証明書特徴量保持部22aに記憶させる。また、特徴量算出部32は、個人撮像データ保持部21bによって保持された個人生体情報から、個人生体情報の特徴量を算出し、個人撮像データ保持部22bに記憶させる。なお、特徴量算出部32は、特許請求の範囲に記載の「特徴量算出手段」に対応する。
【0081】
ここで、実施例1における特徴量算出部32は、顔画像から算出する顔画像の特徴量として、「特徴ベクトル」を利用する。「特徴ベクトル」とは、顔領域におけるサンプル点(例えば、顔領域における100個の任意の点など)周辺における局所的な領域での画素の濃淡やその濃淡値の変化率等の特徴量の集まりを、実数要素からなるベクトルとして表したものである。
【0082】
また、特徴量算出部32において利用される「部分空間」の概念について説明すると、特徴ベクトル空間において、まず、「本人の変動部分空間」と「他人の変動部分空間」とが存在する。「本人の変動部分空間」とは、顔の表情や撮影角度等の相違によって異なる複数の本人の画像データにおける特徴ベクトルの差から構成される部分空間であり、「他人の変動部分空間」とは、本人および他人の画像データのペアにおける特徴ベクトルの差から構成される部分空間である。この「本人の変動部分空間」の補空間と「他人の変動部分空間」とが交わる空間を、「認識部分空間」と呼ぶことにする。
【0083】
実施例1における特徴量算出部32は、顔領域における特徴ベクトルの「認識部分空間」への距離を計算し、その距離が小さくなるような顔領域上のサンプル点を検出する。サンプル点が検出されると、特徴量算出部32は、顔領域における新たなサンプル点の特徴ベクトルに基づいて新たな認識部分空間を作成する。特徴量算出部32は、作成された認識部分空間が収束するまで、特徴ベクトルの認識部分空間への距離に基づいたサンプル点の検出処理と、新たなサンプル点における特徴ベクトルに基づいた認識部分空間の作成処理とを繰り返す。このようにして、特徴量算出部32は、精度良く特徴ベクトルを算出する。なお、実施例1においては、特徴量算出部32が、上記した手法によって特徴量を算出する手法を説明したが、この発明は上記した手法に限定されるものではなく、顔画像の特徴量を算出する手法であれば、いずれでもよい。
【0084】
身分確認部33は、身分証明書撮像部12によって撮像された個人生体情報と個人撮像部13によって撮像された個人生体情報とを照合する手段であり、身分確認照合スコア算出部33aと、身分確認照合結果出力部33bとを備える。なお、身分確認照合スコア算出部33aは、特許請求の範囲に記載の「身分確認照合スコア算出手段」に対応し、身分確認照合結果出力部33bは、特許請求の範囲に記載の「出力手段」に対応する。
【0085】
身分確認照合スコア算出部33aは、身分証明書撮像部12によって撮像された個人生体情報から算出された個人生体情報の特徴量と、個人撮像部13によって撮像された個人生体情報から算出された個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出する手段である。具体的には、身分確認照合スコア算出部33aは、身分証明書特徴量保持部22aによって保持された個人生体情報の特徴量と、個人特徴量保持部22bによって保持された個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出し、身分確認照合スコア保持部23に記憶させる。また、実施例1における身分確認照合スコア算出部33aは、個人撮像部13によって複数の個人の顔画像が撮像された際に、複数の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアを算出し、これら複数の身分確認照合スコアの平均値を算出する。
【0086】
ここで、上記したように、実施例1における個人特徴量保持部22bは、個人撮像部13によって連続して撮像された複数の顔画像のうち、個人撮像データ処理部31bによって正面の顔画像が検出されるごとに、特徴量算出部32によって算出された顔画像の特徴量を保持する。したがって、身分確認照合スコア算出部33aは、複数の正面の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアを算出し、図6に示すように、身分確認照合スコア保持部23に、複数の身分確認照合スコアを記憶させ、また、身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像を組み合わせて記憶させる。さらに、実施例1における身分確認照合スコア算出部33aは、身分確認照合スコア保持部23に、複数の身分確認照合スコアの中で最も高い値の身分確認照合スコア(ベスト)と、最も低い値の身分確認照合スコア(ワースト)と、身分確認照合スコア算出部33aによって算出された平均値とを記憶させる。
【0087】
身分確認照合結果出力部33bは、身分確認照合スコア算出部33aによって算出された身分確認照合スコアを、出力部14に出力する手段である。具体的には、身分確認照合結果出力部33bは、身分確認照合スコア保持部23によって保持された身分確認照合スコアと、身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像を組み合わせて所定の出力部に出力する。例えば、身分確認照合結果出力部33bは、図3上部の右側に図示されている部分のように、照合の結果をモニタなどに出力する。なお、実施例1において、身分確認照合結果出力部33bは、身分確認照合スコア保持部23によって保持された最も高い値の身分確認照合スコアおよび最も高い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組み合わせをモニタなどに出力するが、この発明はこれに限られるものではなく、最も低い値の身分確認照合スコアおよび最も低い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組み合わせや、身分確認照合スコアの平均値や、身分確認照合スコアが所定の閾値を上回った場合に、所定の閾値を上回ったことを示す所定の表示など、いずれかひとつまたは複数を出力してもよい。
【0088】
重複確認部34は、データベース保持部25が保持するデータベースによって記憶される個人生体情報と、所定の個人に係る個人生体情報とを照合する手段であり、重複確認照合スコア算出部34aと、重複確認照合結果出力部34bとを備える。なお、重複確認照合スコア算出部34aは、特許請求の範囲に記載の「照合スコア算出手段」に対応し、重複確認照合結果出力部34bは、特許請求の範囲に記載の「出力手段」に対応する。
【0089】
重複確認照合スコア算出部34aは、所定の個人に係る個人生体情報から算出された個人生体情報の特徴量と、データベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出する手段である。具体的には、重複確認照合スコア算出部34aは、身分証明書特徴量保持部22aによって保持された個人生体情報の特徴量と、データベース保持部25によって保持された身分証明書系特徴量とを比較して照合スコアを算出し、また、個人特徴量保持部22bによって保持された個人生体情報の特徴量と、データベース保持部25によって保持された個人系特徴量とを比較して照合スコアを算出し、重複確認照合スコア保持部24に記憶させる。
【0090】
重複確認照合結果出力部34bは、照合スコアによって判定される照合の結果を、出力部14に出力する手段である。具体的には、重複確認照合結果出力部34bは、照合の結果として、重複確認照合スコア算出部34aによって算出された照合スコアと、この照合スコアの算出に際して比較されたデータベース保持部25によって保持される顔画像とを対応づけて、モニタに出力する。例えば、重複確認照合結果出力部34bは、図3下部に図示されているように、重複確認照合スコア算出部34aによって算出された照合スコアと、照合スコアの算出に際して比較された顔画像(データベース保持部25によって保持された顔画像)とを対応づけて、照合スコアの値が高い順に、モニタに出力する。
【0091】
また、重複確認照合結果出力部34bは、図3下部に図示されているように、身分証明書撮像部12(スキャナ)によって撮像された顔画像とデータベース保持部25によって保持された身分証明書系の顔画像(スキャナなどで撮像された身分証明書の顔画像)とが照合された結果を上列に出力し、個人撮像部13(カメラ)によって撮像された顔画像とデータベース保持部25によって保持された個人系の顔画像(カメラなどで撮像された被写体である個人の顔画像)とが照合された結果を下列に出力する。また、重複確認照合結果出力部34bは、照合スコアと顔画像との間に、照合スコアの値を視覚的に表現するゲージを出力する。
【0092】
[実施例1に係る個人生体情報照合装置による処理の手順]
次に、図10〜図13を用いて、実施例1に係る個人生体情報照合装置による処理の手順を説明する。図10は、実施例1に係る個人生体情報照合装置による処理の手順を示すフローチャートであり、図11は、身分証明書撮像データ処理の手順を示すフローチャートであり、図12は、身分確認照合スコア算出処理の手順を示すフローチャートであり、図13は、重複確認照合スコア算出処理の手順を示すフローチャートである。
【0093】
ここで、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、個人に係るデータとして、個人の個人生体情報(顔を撮像した顔画像)の特徴量を、公的機関発行の身分証明書に記載されている顔画像から算出された身分証明書系特徴量と、被写体である個人の顔画像が撮像された顔画像から算出された個人系特徴量とに分類して記憶するデータベースを、データベース保持部25を保持している。また、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、データベース保持部25に対して、顔画像の重複が無いか否かを確認する照合(データベース内の全ての顔画像を相互照合するマトリクス照合)を一括実行させるなどの方法により、重複顔画像をあらかじめ検出し、アラームやフラグをたてるなどする。以下では、まず、このようなデータベースを保持する個人生体情報照合装置10による個人生体情報照合処理全体の手順を説明し、次に、身分証明書撮像データ処理の手順、身分確認照合スコア算出処理の手順、および重複確認照合スコア算出処理の手順について、特に詳細に説明するものとする。
【0094】
[個人生体情報照合処理全体の手順]
まず、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像部12によって、個人生体情報が撮像されたか否かを判断する(ステップS1001)。具体的には、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像部12(例えば、スキャナなど)によって、顔画像が記載されている公的機関発行の身分証明書(例えば、運転免許証など)の顔画像が撮像されたか否かを判断する。
【0095】
身分証明書の顔画像が撮像されていない場合には(ステップS1001否定)、個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像部12によって、個人生体情報が撮像されたか否かを判断する処理に戻る(ステップS1001)。一方、身分証明書の顔画像が撮像された場合には(ステップS1001肯定)、個人生体情報照合装置10は、次に、身分証明書撮像データ処理を行う(ステップS1002)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像部12によって撮像されたデータを処理して、身分証明書撮像データ保持部21aに顔画像を保持したり、保持した顔画像の特徴量を算出して、身分証明書特徴量保持部22aに顔画像の特徴量を保持したりする。
【0096】
続いて、個人生体情報照合装置10は、個人撮像部13によって、個人生体情報の撮像が開始されたか否かを判断する(ステップS1003)。具体的には、実施例1における個人撮像部13(例えば、カメラなど)は、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで、個人の顔画像を連続して撮像するので、個人生体情報照合装置10は、個人撮像部13によって、個人の顔画像の撮像が開始されたか否かを判断する。
【0097】
個人の顔画像の撮像が開始されていない場合には(ステップS1003否定)、個人生体情報照合装置10は、個人撮像部13によって、個人生体情報の撮像が開始されたか否かを判断する処理に戻る(ステップS1003)。一方、個人の顔画像の撮像が開始された場合には(ステップS1003肯定)、個人生体情報照合装置10は、次に、正面の顔画像が検出されたか否かを判断する(ステップS1004)。具体的には、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、個人撮像部13によって、個人の正面の顔画像が撮像された場合に、個人撮像データ保持部21bに個人の正面の顔画像を保持するので、個人撮像データ処理部31bにおいて、正面の顔画像が検出されたか否かを判断する。
【0098】
正面の顔画像が検出されていない場合には(ステップS1004否定)、個人生体情報照合装置10は、正面の顔画像が検出されたか否かを判断する処理に戻る(ステップS1004)。一方、正面の顔画像が検出された場合には(ステップS1004肯定)、個人生体情報照合装置10は、次に、身分確認照合スコア算出処理を行う(ステップS1005)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、個人撮像データ処理部31bによって検出された正面の顔画像を個人撮像データ保持部21bに保持したり、保持した顔画像の特徴量を算出して、個人特徴量保持部22bに顔画像の特徴量を保持したり、保持した特徴量を用いて身分確認照合スコアを算出したりする。
【0099】
そして、個人生体情報照合装置10は、個人撮像部13(例えば、カメラなど)によって、個人の顔画像の撮像が開始されてから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1006)。すなわち、上記したように、実施例1における個人撮像部13は、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで、個人の顔画像を連続して撮像するので、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、所定の時間が経過していない場合には(ステップS1006否定)、正面の顔画像の検出を判断する処理(ステップS1004)や身分確認照合スコア算出処理(ステップS1005)を繰り返す。
【0100】
一方、所定の時間が経過した場合には(ステップS1006肯定)、個人生体情報照合装置10は、次に、身分確認照合スコア算出処理(平均値算出)を行う(ステップS1007)。具体的には、上記したように、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、個人撮像部13(例えば、カメラなど)によって撮像された複数の顔画像に応じて、ステップS1005において複数の身分確認照合スコアを算出するので、ステップS1007において、複数の身分確認照合スコアの平均値を算出する。
【0101】
そして、個人生体情報照合装置10は、身分確認照合結果出力処理を行う(ステップS1008)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、身分確認照合結果出力部33bにおいて、身分確認照合スコアを出力部14(例えば、モニタなど)に出力する。なお、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、最も高い値の身分確認照合スコアおよび最も高い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像を組み合わせて、モニタなどに出力するが、最も低い値の身分確認照合スコアおよび最も低い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組み合わせや、ステップS1007において算出された複数の身分確認照合スコアの平均値も保持しているので、これらを選択して出力してもよい。
【0102】
続いて、個人生体情報照合装置10は、重複確認指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS1009)。すなわち、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、ステップS1008において身分確認照合結果をモニタなどに出力するが、出力された身分確認照合結果は、ここで、個人生体情報照合装置10を操作するオペレータなどによって確認されることになる。そして、個人生体情報照合装置10は、オペレータなどによって重複確認を続けて行うことが判断され、オペレータなどによって重複確認指示が入力された場合に重複確認に係る処理を開始するので、ステップS1009において、重複確認指示を受け付けたか否かを判断する。
【0103】
重複確認指示を受け付けていない場合には(ステップS1009否定)、個人生体情報照合装置10は、重複確認指示を受け付けたか否かを判断する処理に戻る(ステップS1009)。一方、重複確認指示を受け付けた場合には(ステップS1009肯定)、個人生体情報照合装置10は、次に、重複確認照合スコア算出処理を行う(ステップS1010)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、身分証明書特徴量保持部22aに保持された顔画像の特徴量と、データベース保持部25に保持された身分証明書系特徴量とをそれぞれ比較して照合スコアを算出したり、個人特徴量保持部22bに保持された特徴量と、データベース保持部25に保持された個人系特徴量とをそれぞれ比較して照合スコアを算出したりする。
【0104】
そして、個人生体情報照合装置10は、重複確認照合結果出力処理を行う(ステップS1011)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、重複確認照合結果出力部34bにおいて、照合の結果として、照合スコアと照合スコアの算出に際して比較されたデータベース保持部25によって保持される顔画像とを対応づけて、出力部14(例えば、モニタなど)に出力する。なお、実施例1に係る個人生体情報照合装置10は、照合スコアと照合スコアの算出に際して比較された顔画像とを対応づけて、照合スコアの値が高い順にモニタに出力し、また、照合スコアと顔画像との間に、照合スコアの値を視覚的に表現するゲージを出力する。
【0105】
このようにして、実施例1に係る個人情報照合装置10は、例えば、契約締結を希望する顧客の個人生体情報(例えば、顧客の顔画像全体など)から算出される特徴量と、あらかじめデータベースに記憶している返済完了前の顧客の個人生体情報から算出される特徴量とを用いて、契約締結を希望する顧客が返済完了前の顧客と同一人物である可能性があるか否かを照合する手法であることから、顔画像データを分割したパーツ画像データを利用する手法に比較して、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することが可能になる。
【0106】
なお、実施例1においては、個人情報照合装置10が、まず、身分確認に係る処理を行い、次に、重複確認に係る処理を行う処理の手順を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、身分確認に係る処理を行わずに重複確認に係る処理のみを行う処理の手順など、重複確認に係る処理(例えば、照合スコアを算出する処理や、算出された照合スコアによって判定される照合の結果を所定の出力部に出力する処理など)を行う処理の手順であれば、身分確認に係る処理の手順の有無や順番などは、いずれでもよい。
【0107】
また、実施例1においては、個人情報照合装置10が、身分確認に係る処理を行った後、オペレータなどによる確認を経て、重複確認に係る処理を行う処理の手順を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、身分確認に係る処理の後、オペレータなどによる確認を経ずに、重複確認に係る処理を行う処理の手順や、重複確認照合結果出力処理の後に、オペレータなどによる確認を経る処理の手順など、個人情報照合装置10による個人情報照合処理におけるオペレータによる確認の有無やタイミングは、いずれでもよい。
【0108】
[身分証明書撮像データ処理の手順]
次に、上記したステップS1002における身分証明書撮像データ処理の手順について、詳細に説明する。
【0109】
まず、個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像データ処理部31aにおいて、身分証明書撮像部12によって撮像された身分証明書撮像データの取り込みを行う(ステップS1101)。
【0110】
次に、個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像データ処理部31aにおいて、取り込んだ身分証明書撮像データの斜行補正を行う(ステップS1102)。
【0111】
そして、個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像データ処理部31aにおいて、斜行補正を行った身分証明書撮像データの顔画像の位置を特定する(ステップS1103)。
【0112】
続いて、個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像データ処理部31aにおいて、顔画像の位置を特定した身分証明書撮像データから、顔画像を抽出する(ステップS1104)。
【0113】
そして、個人生体情報照合装置10は、身分証明書撮像データ処理部31aにおいて、抽出した顔画像を、身分証明書撮像データ保持部21aに保持させる(ステップS1105)。
【0114】
次に、個人生体情報照合装置10は、特徴量算出部32において、身分証明書撮像データ保持部21aに保持された顔画像の特徴量を算出する(ステップS1106)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、特徴量算出部32において、身分証明書撮像データ保持部21aに保持された顔画像の特徴量を算出し、算出した顔画像の特徴量を、身分証明書特徴量保持部22aに保持させる。
【0115】
なお、実施例1においては、身分証明書撮像データ処理部31aが、身分証明書撮像部12によって撮像された身分証明書撮像データの斜行補正を行う場合を説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、斜行補正を行わずに顔画像の位置を特定する場合など、身分証明書の顔画像を身分証明書撮像データ保持部21aに保持させる場合であれば、いずれでもよい。また、実施例1においては、個人生体情報照合装置10が、身分証明書の顔画像を身分証明書撮像データ保持部21aに保持した後、すぐに顔画像の特徴量を算出する場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、ステップS1005における身分確認照合スコア算出処理の際に身分証明書の顔画像の特徴量を算出する場合など、顔画像の特徴量の算出のタイミングは、いずれでもよい。
【0116】
[身分確認照合スコア算出処理の手順]
次に、上記したステップS1005における身分確認照合スコア算出処理の手順について、詳細に説明する。
【0117】
まず、個人生体情報照合装置10は、個人撮像データ処理部31bにおいて検出した正面の顔画像を、個人撮像データ保持部21bに保持する(ステップS1201)。
【0118】
そして、個人生体情報照合装置10は、特徴量算出部32において、個人撮像データ保持部21bに保持された顔画像の特徴量を算出する(ステップS1202)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、特徴量算出部32において、個人撮像データ保持部21bに保持された顔画像の特徴量を算出し、算出した顔画像の特徴量を、個人特徴量保持部22bに保持する。
【0119】
続いて、個人生体情報照合装置10は、身分照合スコア算出部33aにおいて、身分証明書特徴量保持部22aに保持された特徴量と、個人特徴量保持部22bに保持された特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出する(ステップS1203)。
【0120】
そして、個人生体情報照合装置10は、身分確認照合スコア算出部33aにおいて、算出された身分確認照合スコアおよび算出に際して比較された正面の顔画像の組合せを、身分確認照合スコア保持部23に保持する(ステップS1204)。
【0121】
[重複確認照合スコア算出処理の手順]
次に、上記したステップS1010における重複確認照合スコア算出処理の手順について、詳細に説明する。
【0122】
まず、個人生体情報照合装置10は、重複確認照合スコア算出部34aにおいて、身分証明書特徴量保持部22aに保持された特徴量と、データベース保持部25に保持された身分証明書系特徴量とを比較して、照合スコアを算出する(ステップS1301)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、重複確認照合スコア算出部34aにおいて、身分証明書特徴量保持部22aに保持された特徴量と身分証明書系特徴量とをそれぞれ比較して照合スコアを算出し、算出した照合スコアを、重複確認照合スコア保持部24に保持する。
【0123】
そして、個人生体情報照合装置10は、重複確認照合スコア算出部34aにおいて、個人特徴量保持部22bに保持された特徴量と、データベース保持部25に保持された個人系特徴量とを比較して、照合スコアを算出する(ステップS1302)。具体的には、個人生体情報照合装置10は、重複確認照合スコア算出部34aにおいて、個人特徴量保持部22bに保持された特徴量と個人系特徴量とをそれぞれ比較して照合スコアを算出し、算出した照合スコアを、重複確認照合スコア保持部24に保持する。
【0124】
なお、実施例1においては、個人情報照合装置10が、重複確認照合スコア算出部34aにおいて、身分証明書系特徴量などを比較した照合スコアを算出し、次に、個人系特徴量などを比較した照合スコアを算出し、その後に、重複確認照合結果出力部34bにおいて、照合の結果を出力する処理の手順を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、重複確認照合スコア算出部34aにおいて、身分証明書系特徴量などを比較した照合スコアを算出し、重複確認照合結果出力部34bにおいて、照合の結果を出力した後、重複確認照合スコア算出部34aにおいて、個人系特徴量などを比較した照合スコアを算出し、重複確認照合結果出力部34bにおいて、照合の結果を出力する処理の手順など、照合の結果を出力するタイミングや順番などは、いずれでもよい。
【0125】
[実施例1の効果]
上記してきたように、実施例1の発明によれば、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、照合の結果を出力する個人生体情報照合装置であって、個人に係るデータとして個人の個人生体情報の特徴量を記憶するデータベースを保持し、所定の個人に係る個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出し、算出された個人生体情報の特徴量と保持されたデータベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出し、算出された照合スコアによって判定される照合の結果を所定の出力部に出力するので、例えば、契約締結を希望する顧客の個人生体情報(例えば、顧客の顔画像全体など)から算出される特徴量と、あらかじめデータベースに記憶している返済完了前の顧客の個人生体情報から算出される特徴量とを用いて、契約締結を希望する顧客が返済完了前の顧客と同一人物である可能性があるか否かを照合する手法であることから、顔画像データを分割したパーツ画像データを利用する手法に比較して、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することが可能になる。
【0126】
また、実施例1の発明によれば、個人生体情報の特徴量として、顔を撮像した顔画像の特徴量を記憶するデータベースを保持し、個人生体情報の特徴量として、顔画像の特徴量を算出し、算出された顔画像の特徴量とデータベースが記憶する顔画像の特徴量とを比較して照合スコアを算出するので、顔を撮像した顔画像の特徴量に基づいて照合する手法は、指紋の特徴量や静脈の特徴量など他の個人生体情報の特徴量に基づいて照合する手法に比較して、特徴量の算出に用いられる所定のデータの収集が簡易であることから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ簡易に実行することが可能になる。
【0127】
また、実施例1の発明によれば、個人生体情報が記載されている公的機関発行の身分証明書を撮像し、撮像された個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出するので、例えば、顔画像の特徴量の算出に用いられる顔画像を、公的機関発行の身分証明書(例えば、運転免許証、旅券(パスポート)など)をスキャナなどで撮像して取得することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ簡易に実行することが可能になる。
【0128】
また、実施例1の発明によれば、被写体である個人の個人生体情報を撮像し、撮像された個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出するので、例えば、顔画像の特徴量の算出に用いられる顔画像を、被写体である個人の顔をカメラなどで撮像して取得することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ簡易に実行することが可能になる。
【0129】
また、実施例1の発明によれば、保持されたデータベースは、個人生体情報の特徴量を、撮像された身分証明書に記載されている個人生体情報から算出された身分証明書系特徴量と被写体である個人の個人生体情報が撮像された個人生体情報から算出された個人系特徴量とに分類して記憶するものであって、撮像された身分証明書に記載されている個人生体情報から個人生体情報の特徴量が算出された場合に、特徴量と身分証明書系特徴量とを比較して照合スコアを算出し、撮像された個人の個人生体情報から個人生体情報の特徴量が算出された場合に、特徴量と個人系特徴量とを比較して照合スコアを算出するので、例えば、スキャナなどで撮像された運転免許証の顔写真から算出された特徴量同士、または、カメラなどで撮像された個人の顔写真から算出された特徴量同士を比較して照合スコアを算出する手法は、撮像条件などの環境の違いが少なくなり、例えば、スキャナなどで撮像された運転免許証の顔写真から算出された特徴量と、カメラなどで撮像された個人の顔写真から算出された特徴量とを比較して照合スコアを算出する手法に比較して、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ精度良く実行することが可能になる。
【0130】
また、実施例1の発明によれば、撮像された身分証明書に記載されている個人生体情報から算出された個人生体情報の特徴量と、撮像された個人の個人生体情報から算出された個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出するので、データベースの個人に係るデータと所定の個人に係る個人生体情報とを照合する前段階として、例えば、スキャナなどで撮像された運転免許証の顔写真と、カメラなどで撮像された個人の顔写真とを照合して本人確認(身分確認)を行い、照合対象である所定の個人に係る個人生体情報が本人のデータであることを確認することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつより適切に実行することが可能になる。
【0131】
また、実施例1の発明によれば、照合の結果として、算出された照合スコアと照合スコアの算出に際して比較された個人に係るデータとを対応づけて所定の出力部に出力するので、例えば、所定の出力部(モニタ)に照合スコアと顔画像とを対応づけて出力し、オペレータなどに照合の結果を提示することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ運用に即した形態で実行することが可能になる。
【0132】
また、実施例1の発明によれば、算出された照合スコアの値が高い順に、照合の結果を並べて所定の出力部に出力するので、例えば、所定の出力部(モニタ)に、照合スコアの値が高い順に顔画像を並べて出力し、オペレータなどによって照合スコアの値が高い順から確認が行われることから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ効率的に実行することが可能になる。
【0133】
また、実施例1の発明によれば、算出された照合スコアの値を視覚的に表現するゲージを用いて加工した形態で、照合の結果を所定の出力部に出力するので、照合スコアの値の高さを視覚的に表現し、オペレータなどが確認もれをするおそれを低減することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ確実に実行することが可能になる。
【0134】
また、実施例1の発明によれば、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで個人の顔画像を連続して撮像し、個人の正面の顔画像が撮像された場合に、正面の顔画像の特徴量を用いて身分確認照合スコアを算出し、複数の正面の顔画像が撮像され、複数の正面の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアが算出された場合に、複数の身分確認照合スコアの中で最も高い値の身分確認照合スコアおよび最も高い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組み合わせ、複数の身分確認照合スコアの中で最も低い値の身分確認照合スコアおよび最も低い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組み合わせのいずれかひとつまたは複数を所定の出力部に出力するので、例えば、被写体である個人の顔をカメラなどで撮像する際に、連続して複数枚の写真を撮像して撮像ミスを防ぎ、かつ、照合に必要な正面の顔を検出することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ確実に実行することが可能になる。また、大量の顔画像を撮像して本人確認(身分確認)を行う場合に、大量の照合の結果から重要な少量の照合の結果のみを抜粋してオペレータによる確認に利用することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ効率的に実行することが可能になる。さらに、例えば、ベストの写真(照合スコアが最も高い値の顔画像)のみでオペレータによる確認が行われると、似ている他人を誤って本人だと確認してしまう可能性が高まり、ワーストの写真(照合スコアが最も低い値の顔画像)のみでオペレータによる確認が行われると、似ていない本人を誤って本人ではないと確認してしまう可能性が高まるが、いずれの方針で確認を行うのか、あるいは両方を組み合わせた方針で確認を行うのかなど、利用形態に応じた方針で出力することから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切かつ運用に即した形態で実行することが可能になる。また、運転免許証など身分証明書の顔写真との照合スコアで、顔画像の写り具合を定量的に判断することもできることから、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することが可能になる。
【実施例2】
【0135】
ところで、これまで実施例1に係る個人生体情報照合装置について説明したが、この発明は上記した実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、実施例2に係る個人生体情報照合装置として、異なる実施例を説明する。
【0136】
[個人生体情報]
上記の実施例1においては、個人生体情報の特徴量として、顔を撮像した顔画像の特徴量を用いる場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、個人生体情報の特徴量として、指紋の特徴量を用いる場合や、静脈の特徴量を用いる場合など、完全なる偽造が困難な個人生体情報の特徴量を用いる場合であれば、この発明を同様に適用することができる。
【0137】
[撮像]
また、上記の実施例1においては、個人生体情報照合装置が、個人生体情報が記載されている公的機関発行の身分証明書を撮像する身分証明書撮像手段(例えば、スキャナなど)を備え、身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出する場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、個人生体情報照合装置が身分証明書撮像手段を備えず、他の手段によって取得した個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出する場合にも、この発明を同様に適用することができる。
【0138】
また、上記の実施例1においては、個人生体情報照合装置が、被写体である個人の個人生体情報を撮像する個人撮像手段(例えば、カメラなど)を備え、個人撮像手段によって撮像された個人生体情報の特徴量を算出する場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、個人生体情報照合装置が個人撮像手段を備えず、他の手段によって取得した個人生体情報から個人生体情報の特徴量を算出する場合にも、この発明を同様に適用することができる。
【0139】
[照合スコア算出]
また、上記の実施例1においては、データベースが、個人生体情報の特徴量を、身分証明書系特徴量と個人系特徴量とに分類して記憶し、照合スコア算出手段が、身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報の特徴量と身分証明書系特徴量とを比較して照合スコアを算出し、個人撮像手段によって撮像された個人生体情報の特徴量と個人系特徴量とを比較して照合スコアを算出する場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、データベースが、個人生体情報の特徴量を、身分証明書系特徴量と個人系特徴量とに分類して記憶せず、照合スコア算出手段が、身分証明書系特徴量と個人系特徴量との分類に関係なく照合スコアを算出する場合にも、この発明を同様に適用することができる。
【0140】
また、上記の実施例1においては、個人生体情報照合装置が、身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報の特徴量と、個人撮像手段によって撮像された個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出する場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、身分確認照合スコアを算出しない場合にも、この発明を同様に適用することができる。
【0141】
[出力]
また、上記の実施例1においては、個人生体情報照合装置が、照合の結果として、照合スコアと、照合スコアの算出に際して比較された個人に係るデータ(顔画像)とを対応づけて所定の出力部に出力する場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、照合スコアと照合スコアの算出に際して比較された個人に係るデータ(顔画像)とを対応づけて出力するのみならず、図14に示すように、個人に係るデータ(名前)をも対応づけて所定の出力部に出力する場合や、照合スコアと個人に係るデータ(名前)とを対応づけて出力する場合など、照合の結果を所定の出力部に出力する場合であれば、いずれでもよい。なお、図14に示すように、例えば、個人に係るデータ(名前)をも対応づけて所定の出力部に出力する場合には、出力を確認するオペレータなどが、顔画像の照合スコアのみならず、名前の類似の度合いなどを確認することが可能になる。
【0142】
また、上記の実施例1においては、個人生体情報照合装置が、算出された照合スコアの値が高い順に、照合の結果を並べて所定の出力部に出力する場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、データベースに記憶されている順番で出力される場合など、出力の順番はいずれでもよい。
【0143】
また、上記の実施例1においては、個人生体情報照合装置が、算出された照合スコアの値を視覚的に表現するゲージを用いて加工した形態で、照合の結果を所定の出力部に出力する場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、例えば、図15に示すように、照合スコアの値を視覚的に表現するメータを用いて加工した形態で、照合の結果を出力する場合や、図16に示すように、照合スコアの値を視覚的に表現する印を用いて加工した形態で、照合の結果を出力する場合や、図17に示すように、照合のスコアの値を視覚的に表現する色を用いて加工した形態で、照合の結果を出力する場合や、図18に示すように、照合スコアの値を視覚的に表現するフォントを用いて加工した形態で、照合の結果を出力する場合や、図19に示すように、照合スコアの値を視覚的に表現する大きさを用いて加工した形態で、照合の結果を出力する場合や、図20に示すように、照合スコアの値とその他の個人に係る情報の照合の度合いとを組み合わせたレーダーチャートを用いて加工した形態で、照合の結果を出力する場合や、これらを複数組み合わせて加工した形態で、照合の結果を出力する場合など、その他の形態で照合の結果を出力する場合にも、この発明を同様に適用することができる。
【0144】
また、上記の実施例1においては、個人撮像手段によって複数の正面の顔画像が撮像され、身分確認照合スコア算出手段によって複数の身分確認照合スコアが算出された場合に、個人生体情報照合装置が、最も高い値の身分照合確認スコアおよび最も高い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組合せを出力する手法を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、最も低い値の身分確認照合スコアおよび最も低い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された個人の正面の顔画像の組合せを出力する手法や、身分確認照合スコアの平均値を出力する手法や、身分確認照合スコアが所定の閾値を上回った場合に、所定の閾値を上回ったことを示す所定の表示を出力する手法や、これらを組み合わせて出力する手法など、いずれでもよい。
【0145】
また、上記の実施例1においては、個人生体情報照合装置が、照合に用いたデータをデータベースに登録する処理を行わない場合を説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報、この個人生体情報から算出された特徴量、個人撮像手段によって撮像された個人生体情報、この個人生体情報から算出された特徴量、身分確認照合スコアのいずれかひとつまたは複数を対応づけてデータベースに登録する処理を行う場合にも、この発明を同様に適用することができる。
【0146】
[システム構成等]
また、上記の実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理(例えば、身分確認照合スコア算出部33aにおいて照合スコアを算出した後に、身分確認照合結果出力部33bにおいて照合の結果を出力する処理など)の全部または一部を手動的におこなう(例えば、照合スコアを算出した後に、コマンドの投入を受け付けてから、照合の結果を出力するなど)こともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理(例えば、オペレータなどによる重複確認指示など)の全部または一部を公知の方法で自動的におこなう(例えば、身分確認照合スコアが所定の閾値を超えた場合には、重複確認照合スコア算出部34aにおける照合スコア算出処理を開始するなど)こともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0147】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示(例えば、図2など)の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる(例えば、データベース保持部25が、異なるハードウェアで構成される場合など)。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0148】
なお、上記の実施例で説明した個人生体情報照合方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
以上のように、この発明に係る個人生体情報照合装置、個人生体情報照合プログラムおよび個人生体情報照合方法は、個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、照合の結果を出力することに有用であり、特に、個人生体情報を用いた照合を高度かつ適切に実行することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】実施例1に係る個人生体情報照合装置の概要および特徴を説明するための図である。
【図2】実施例1に係る個人生体情報照合装置の構成を示すブロック図である。
【図3】出力部を説明するための図である。
【図4】身分証明書撮像データ保持部を説明するための図である。
【図5】個人撮像データ保持部を説明するための図である。
【図6】身分確認照合スコア保持部を説明するための図である。
【図7】重複確認照合スコア保持部を説明するための図である。
【図8】データベース保持部を説明するための図である。
【図9】個人撮像データ処理部を説明するための図である。
【図10】実施例1に係る個人生体情報照合装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】身分証明書撮像データ処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】身分確認照合スコア算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】重複確認照合スコア算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】出力部を説明するための図である。
【図15】出力部を説明するための図である。
【図16】出力部を説明するための図である。
【図17】出力部を説明するための図である。
【図18】出力部を説明するための図である。
【図19】出力部を説明するための図である。
【図20】出力部を説明するための図である。
【符号の説明】
【0151】
10 個人生体情報照合装置
11 入力部
12 身分証明書撮像部
13 個人撮像部
14 出力部
15 入出力制御IF部
20 記憶部
21 撮像データ保持部
21a 身分証明書撮像データ保持部
21b 個人撮像データ保持部
22 特徴量保持部
22a 身分証明書特徴量保持部
22b 個人特徴量保持部
23 身分確認照合スコア保持部
24 重複確認照合スコア保持部
25 データベース保持部
30 制御部
31 撮像データ処理部
31a 身分証明書撮像データ処理部
31b 個人撮像データ処理部
32 特徴量算出部
33 身分確認部
33a 身分確認照合スコア算出部
33b 身分確認照合結果出力部
34 重複確認部
34a 重複確認照合スコア算出部
34b 重複確認照合結果出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの当該個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、当該照合の結果を出力する個人生体情報照合装置であって、
前記個人に係るデータとして当該個人の個人生体情報の特徴量を記憶する前記データベースを保持するデータベース保持手段と、
前記所定の個人に係る個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記特徴量算出手段によって算出された個人生体情報の特徴量と前記データベース保持手段によって保持された前記データベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出する照合スコア算出手段と、
前記照合スコア算出手段によって算出された前記照合スコアによって判定される前記照合の結果を所定の出力部に出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする個人生体情報照合装置。
【請求項2】
前記データベース保持手段は、前記個人生体情報の特徴量として、顔を撮像した顔画像の特徴量を記憶する前記データベースを保持し、
前記特徴量算出手段は、前記個人生体情報の特徴量として、顔画像の特徴量を算出し、
前記照合スコア算出手段は、前記特徴量算出手段によって算出された顔画像の特徴量と前記データベースが記憶する顔画像の特徴量とを比較して照合スコアを算出することを特徴とする請求項1に記載の個人生体情報照合装置。
【請求項3】
個人生体情報が記載されている公的機関発行の身分証明書を撮像する身分証明書撮像手段をさらに備え、
前記特徴量算出手段は、前記身分証明書撮像手段によって撮像された前記個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の個人生体情報照合装置。
【請求項4】
被写体である個人の個人生体情報を撮像する個人撮像手段をさらに備え、
前記特徴量算出手段は、前記個人撮像手段によって撮像された前記個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかひとつに記載の個人生体情報照合装置。
【請求項5】
前記データベース保持手段によって保持された前記データベースは、前記個人生体情報の特徴量を、撮像された身分証明書に記載されている個人生体情報から算出された身分証明書系特徴量と被写体である個人の個人生体情報が撮像された当該個人生体情報から算出された個人系特徴量とに分類して記憶するものであって、
前記照合スコア算出手段は、前記身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報から前記特徴量算出手段によって当該個人生体情報の特徴量が算出された場合に、当該特徴量と前記身分証明書系特徴量とを比較して照合スコアを算出し、前記個人撮像手段によって撮像された個人生体情報から前記特徴量算出手段によって当該個人生体情報の特徴量が算出された場合に、当該特徴量と前記個人系特徴量とを比較して照合スコアを算出することを特徴とする請求項4に記載の個人生体情報照合装置。
【請求項6】
前記身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報から前記特徴量算出手段によって算出された当該個人生体情報の特徴量と前記個人撮像手段によって撮像された個人生体情報から前記特徴量算出手段によって算出された当該個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す身分確認照合スコアを算出する身分確認照合スコア算出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の個人生体情報照合装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記照合の結果として、前記照合スコア算出手段によって算出された前記照合スコアと当該照合スコアの算出に際して比較された個人に係るデータとを対応づけて前記所定の出力部に出力することを特徴とする請求項1〜6のいずれかひとつに記載の個人生体情報照合装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記照合スコア算出手段によって算出された前記照合スコアの値が高い順に、前記照合の結果を並べて前記所定の出力部に出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれかひとつに記載の個人生体情報照合装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記照合スコア算出手段によって算出された前記照合スコアの値を視覚的に表現するゲージ、メータ、印、色、フォント、大きさのいずれかひとつまたは複数を用いて加工した形態で、前記照合の結果を前記所定の出力部に出力することを特徴とする請求項1〜8のいずれかひとつに記載の個人生体情報照合装置。
【請求項10】
前記出力手段は、前記身分確認照合スコア算出手段によって算出された前記身分確認照合スコアが所定の閾値を上回った場合に、当該所定の閾値を上回ったことを示す所定の表示を前記所定の出力部に出力することを特徴とする請求項6に記載の個人生体情報照合装置。
【請求項11】
前記個人撮像手段は、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで前記個人の顔画像を連続して撮像し、
前記身分確認照合スコア算出手段は、前記個人撮像手段によって前記個人の正面の顔画像が撮像された場合に、当該正面の顔画像の特徴量を用いて前記身分確認照合スコアを算出し、
前記出力手段は、前記個人撮像手段によって複数の正面の顔画像が撮像され、前記身分確認照合スコア算出手段によって当該複数の正面の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアが算出された場合に、当該複数の身分確認照合スコアの中で最も高い値の身分確認照合スコアおよび当該最も高い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された前記個人の正面の顔画像の組み合わせ、当該複数の身分確認照合スコアの中で最も低い値の身分確認照合スコアおよび当該最も低い値の身分確認照合スコアの算出に際して比較された前記個人の正面の顔画像の組み合わせのいずれかひとつまたは複数を前記所定の出力部に出力することを特徴とする請求項6に記載の個人生体情報照合装置。
【請求項12】
前記個人撮像手段は、撮像を開始してから所定の時間が経過するまで前記個人の顔画像を連続して撮像し、
前記身分確認照合スコア算出手段は、前記個人撮像手段によって複数の前記個人の顔画像が撮像され、当該複数の顔画像に応じて複数の身分確認照合スコアが算出された場合に、当該複数の身分確認照合スコアの平均値を算出し、
前記出力手段は、前記身分確認照合スコア算出手段によって前記平均値が算出された場合に、当該平均値を前記所定の出力部に出力することを特徴とする請求項6に記載の個人生体情報照合装置。
【請求項13】
前記身分証明書撮像手段によって撮像された個人生体情報、当該個人生体情報から前記特徴量算出手段によって算出された特徴量、前記個人撮像手段によって撮像された個人生体情報、当該個人生体情報から前記特徴量算出手段によって算出された特徴量、前記身分確認照合スコア算出手段によって当該ふたつの特徴量を比較して算出された身分確認照合スコア、のいずれかひとつまたは複数を対応づけて前記データベースに登録する登録手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の個人生体情報照合装置。
【請求項14】
個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの当該個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、当該照合の結果を出力する方法をコンピュータに実行させる個人生体情報照合プログラムであって、
前記個人に係るデータとして当該個人の個人生体情報の特徴量を記憶する前記データベースを保持するデータベース保持手順と、
前記所定の個人に係る個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出する特徴量算出手順と、
前記特徴量算出手順によって算出された個人生体情報の特徴量と前記データベース保持手順によって保持された前記データベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出する照合スコア算出手順と、
前記照合スコア算出手順によって算出された前記照合スコアによって判定される前記照合の結果を所定の出力部に出力する出力手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする個人生体情報照合プログラム。
【請求項15】
個人に係るデータを個人ごとに区分けして記憶するデータベースの当該個人に係るデータと、所定の個人に係る個人生体情報とを照合し、当該照合の結果を出力する個人生体情報照合方法であって、
前記個人に係るデータとして当該個人の個人生体情報の特徴量を記憶する前記データベースを保持するデータベース保持工程と、
前記所定の個人に係る個人生体情報から当該個人生体情報の特徴量を算出する特徴量算出工程と、
前記特徴量算出工程によって算出された個人生体情報の特徴量と前記データベース保持工程によって保持された前記データベースが記憶する個人生体情報の特徴量とを比較して、個人生体情報間の照合の度合いを示す照合スコアを算出する照合スコア算出工程と、
前記照合スコア算出工程によって算出された前記照合スコアによって判定される前記照合の結果を所定の出力部に出力する出力工程と
を含んだことを特徴とする個人生体情報照合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−9617(P2008−9617A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178202(P2006−178202)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】