説明

偏心軸用の軸受装置

本発明は、軸受装置であって、該軸受装置が、偏心軸(4)を支承するハウジング(14)と、偏心軸(4)の、ハウジング(14)から進出している端部側の偏心ピン(6,8)が回転可能に支承されている少なくとも1つの部材(16,18)との間に配置されており、該部材(16,18)が、偏心軸(4)の回転によってハウジング(14)に対して偏心的に運動し、これによって前記部材(16,18)を移動させるようになっており、該部材(16,18)からハウジング(14)に軸方向力を伝達するために少なくとも1つのスラスト軸受(18,44,56)が設けられている形式のものに関する。このような形式の軸受装置において本発明の構成では、スラスト軸受が偏心軸(4)の軸線方向で見て、前記部材(16,18)とハウジング(14)又はハウジング固定の構成部材(44)との間における、偏心ピン(6,8)の領域に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式の軸受装置、すなわち、軸受装置が、偏心軸を支承するハウジングと、偏心軸の、ハウジングから進出している端部側の偏心ピンが回転可能に支承されている少なくとも1つの部材との間に配置されており、該部材が、偏心軸の回転によってハウジングに対して偏心的に運動し、これによって前記部材を移動させるようになっており、該部材からハウジングに軸方向力を伝達するために少なくとも1つのスラスト軸受が設けられている形式のものに関する。
【0002】
このようなシール装置は、例えばDE4431353C1に基づいて公知である。この公知のシール装置は、レール車両ブレーキのブレーキキャリパ装置に設けられており、このブレーキキャリパ装置は、ハウジングの互いに反対側を向いている外側面に配置されていて偏心軸の端部における各1つの偏心ピンによって偏心的に駆動される少なくとも2つのブレーキキャリパレバーを有している。この場合ブレーキキャリパユニットのキャリパレバーは、偏心ピンに回転可能に支承されている。偏心軸はその軸線を中心にして回転可能に支承されており、この場合偏心ピンのうちの1つにおける1つのポイントの、ハウジングに対する運動は、互いに対して垂直に方向付けられた2つの並進運動によって又は回転によって描くことができる。
【0003】
キャリパレバーは軸方向において偏心軸の偏心ピンと結合されている。偏心軸にはさらにカバー円板が回動不能に結合されており、このカバー円板とハウジングの端面側の面との間にはスラスト軸受が配置されており、このスラスト軸受は、偏心軸の軸線方向で見て、大きな直径によって特徴付けられたベース体の領域に位置している。これによってしかしながら、軸方向力によって負荷され、ひいては摩擦モーメントを生ぜしめるスラスト軸受の有効摩擦直径は、大きくなり、その結果スラスト軸受においては不都合に大きな摩擦モーメントが生ぜしめられ、このような摩擦モーメントは、偏心伝動装置を有する駆動ストランドの効率を低下させる。
【0004】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の軸受装置を改良して、僅かな摩擦損失しか有することがない軸受装置を提供することである。
【0005】
この課題を解決するために本発明の構成では、軸受装置であって、該軸受装置が、偏心軸を支承するハウジングと、偏心軸の、ハウジングから進出している端部側の偏心ピンが回転可能に支承されている少なくとも1つの部材との間に配置されており、該部材が、偏心軸の回転によってハウジングに対して偏心的に運動し、これによって前記部材を移動させるようになっており、該部材からハウジングに軸方向力を伝達するために少なくとも1つのスラスト軸受が設けられている形式のものにおいて、スラスト軸受が偏心軸の軸線方向で見て、前記部材とハウジング又はハウジング固定の構成部材との間における、偏心ピンの領域に配置されているようにした。
【0006】
発明の利点
本発明は、スラスト軸受が偏心軸の軸線方向で見て、前記部材とハウジング又はハウジング固定の構成部材との間における、偏心ピンの領域に配置されている、という思想に基づいている。この場合スラスト軸受が、偏心軸のベース体よりも小さな直径を有する偏心ピンの領域に配置されていると、その直径を、従来技術におけるよりも小さく寸法設定することができる。その結果、スラスト軸受において作用する摩擦モーメントのための有効なてこ腕が短くなり、従って摩擦モーメントは、冒頭に述べた従来技術におけるよりも小さくなる。ひいては、軸受装置の有利に高い効率が得られる。
【0007】
本発明の別の有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0008】
軸受装置は従来技術におけるように、有利にはレール車両ブレーキのブレーキキャリパ装置に設けられていて、該ブレーキキャリパ装置は、ハウジングの互いに反対側を向いた外面に配置された少なくとも2つのブレーキキャリパレバーを有していて、該ブレーキキャリパレバーは、偏心軸の端部に設けられた各1つの偏心ピンによって偏心駆動される。
【0009】
本発明の特に有利な構成では、スラスト軸受が間接又は直接的に、前記部材とハウジング又はハウジング固定の構成部材との間に配置されている。この場合前記部材からの軸方向における力伝達経路は、直にスラスト軸受に、かつそこからハウジング又はハウジング固定の構成部材に延びている。従って、偏心軸を介在させることなしに、前記部材とハウジングとの間に直接的な短い力伝達経路が生ぜしめられ、その結果可撓性の分割継ぎ目の数が僅かになり、ひいては有利に剛性の力伝達が可能になる。ブレーキキャリパユニットでは、これによって、ブレーキの規定された押圧ポイント及び制動ポイントが得られる。
【0010】
本発明の特に有利な構成では、スラスト軸受が滑り軸受であり、滑り軸受円板を有しており、滑り軸受円板が前記部材と少なくとも回動不能に結合されている。このように構成されていると、滑り軸受円板とハウジング又はハウジング固定の構成部材との間において偏心軸のベース体に対する偏心ピンの偏心率によって、回転運動と並進運動とから成る運動が生ぜしめられる。
【0011】
滑り軸受円板が、振動減衰作用を有する滑り軸受材料から製造されていると、特に有利である。滑り軸受円板が、振動減衰作用を有する滑り軸受材料、例えばポリアミド又は軸受青銅から製造されていると、ブレーキキャリパレバーが不制動状態つまり緊締されていない状態においてさらされる振動は有利に減衰され、ブレーキキャリパレバーからハウジングへの固体伝搬音の伝達が十分に阻止される。そしてこれによって騒音レベルも減じられる。
【0012】
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の有利な実施形態によるシール装置を備えたブレーキキャリパ装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたシール装置を拡大して示す断面図である。
【図3】別の実施形態によるシール装置を示す断面図である。
【0014】
実施例の記載
図1には、レール車両ブレーキのブレーキキャリパ装置2が示されており、このブレーキキャリパ装置2は図示されていないブレーキディスクと共働する。ブレーキキャリパ装置2は図1では使用位置で示されており、つまり上に示された構成部材は上に組み込まれている。
【0015】
ブレーキキャリパ装置2は、略示されたアクチュエータ3によって操作され、端部側の偏心ピン、つまり上側の偏心ピン6及び下側の偏心ピン8を備えた偏心軸4に作用し、これらの偏心ピン6,8は、ブレーキキャリパ装置2のハウジング14に設けられたハウジング孔10,12から突出して、各1つのブレーキキャリパレバー、つまり上側のブレーキキャリパレバー16と下側のブレーキキャリパレバー18とに回転可能に支承されている。図1に示された使用位置においてブレーキキャリパ装置2はほぼ水平に配置されているので、重力方向で見て上側のブレーキキャリパレバー16は、下側のブレーキキャリパレバー18に比べて高いレベルに配置されている。
【0016】
偏心軸4の回転によって、ブレーキキャリパレバー16,18はブレーキディスクに向かって運動させられ、これによって、ブレーキキャリパレバー16,18に配置されたブレーキライニングホルダ22,24のブレーキライニングは、ブレーキディスクと摩擦接触する。ブレーキキャリパレバー16,18の、ブレーキライニングホルダ22,24とは反対側の端部は、押圧ロッド調節器21の端部に、z軸に対して平行な旋回軸線20を中心に回転支承されており、押圧ロッド調節器21は摩耗後調節のためにその長さを調節可能である。押圧ロッド調節器21をy軸方向に長くすると、ブレーキキャリパレバー16,18の端部は互いに離され、これによってブレーキキャリパレバー16,18は偏心軸4の偏心ピン6,8を中心にして回転させられ、これによりライニングホルダ22,24の間隔を短縮することができる。
【0017】
図2から最も良く分かるように、上側のブレーキキャリパレバー16も同様な構成を有しているので、ここでは下側のブレーキキャリパレバー18についてだけ述べると、この下側のブレーキキャリパレバー18は、端部に盲孔26を有しており、この盲孔26にはスリーブ28が挿入されていて、このスリーブ28の半径方向内側の周面は、外側のラジアルニードル軸受30の軸受シェルを形成しており、このラジアルニードル軸受30によって偏心ピン8はブレーキキャリパレバー18に対して回転可能に支承されている。さらに偏心ピン8はスリーブ32によって取り囲まれていて、このスリーブ32は、外側のラジアルニードル軸受30の別の軸受シェルを形成している。他方において偏心軸4の中央区分34は2つの内側のラジアルニードル軸受36を用いてハウジング14に対して回転支承されている。これらの軸受装置は必要に応じて当業者が相応に構成することができ、軸受装置は例えば滑り軸受によっても形成することができる。
【0018】
ブレーキの不操作時にもブレーキキャリパレバー16,18は、偏心ピン6,8に対して回転運動を行う。なぜならばディスクブレーキを備えたレール車両では、例えばいわゆる正弦状の蛇行動(Sinuslauf)の枠内において軸の横方向運動(Achsquerbewegung)を行い、この軸の横方向運動は、軸に連結されたブレーキディスクをも同様に横方向運動させるからである。ブレーキディスクが配属もしくは対応配置されたブレーキライニングに接触し、これによってブレーキキャリパレバー16,18を変位させると、ブレーキキャリパレバー16,18は、この運転状態において自由回転する偏心ピン6,8を中心にして回転運動を行う。
【0019】
ブレーキ操作時、つまり偏心軸4の回転駆動時に、偏心ピン8の中心軸線38はX軸及びY軸の方向における並進運動と、z軸又は鉛直方向に対して平行な、偏心軸の中心軸線40を中心にした回転運動とを行う。この偏心的な運動軌道に、外側のラジアルニードル軸受30を介して支承されたブレーキキャリパレバー18が追従し、これによってブレーキディスクに対するブレーキライニングホルダ22,24の緊締作動運動又は解離運動を惹起することができる。このような偏心駆動装置の正確な記載は、冒頭に述べたDE102005049058A1に含まれており、ゆえにここではこれについての説明は省く。
【0020】
ハウジング孔12の端面42には、フランジ44が、フランジ肩部46に形成された座面48で載着されており、このフランジ44は、センタリングカラー50でハウジング孔12内に進入していて、そこで有利にはプレス嵌めによって保持される。これによってフランジ44はハウジング固定の構成部材を形成する。フランジ44の半径方向外側の周面は、半径方向内側に向かって延びる凹部52を備えている。さらにフランジ44の、ハウジング14とは反対側の端面54は、スラスト軸受円板56のための滑り軸受面を形成している。
【0021】
スラスト軸受円板56は有利には、低い弾性係数比を有する振動減衰作用のある滑り軸受材料、例えばポリアミド又は軸受青銅から成っている。これによって、ブレーキキャリパレバーが不制動状態つまり緊締されていない状態においてさらされる振動は有利に減衰される。そしてこれによって、騒音レベルも低減させられる。
【0022】
スラスト軸受円板56は有利には、ブレーキキャリパレバー18の、ハウジング14に向いた端面58に、有利には図2の横断面図では図示されていないねじ結合によって、固定されている。ブレーキキャリパレバー固定のスラスト軸受円板56は、ハウジング固定のフランジ44の、ハウジング14とは反対側の端面54によって形成される、対応配置された滑り軸受面と一緒に、ハウジング14に対するブレーキキャリパレバー18のためのスラスト滑り軸受装置を形成している。
【0023】
図1から分かるように、ブレーキの緊締作動時にブレーキライニングがブレーキディスクに当て付けられ、これによって摩擦力が発生し、この摩擦力によって、押圧ロッド調節器21の端部に支承されたブレーキキャリパレバー16,18が、その長手方向に対して垂直な方向で曲げの形で負荷されると、軸方向力又は横方向力、つまり偏心軸4の中心軸線40に対する力又はz軸方向に向けられた力が生じる。このような曲げ負荷は、横方向力又は軸方向力を惹起し、これらの力は図示の実施例では、スラスト軸受円板56を介してハウジング14に支持される。
【0024】
重要なことは次のことである。すなわち、横方向力又は軸方向力の力伝達経路は、z軸方向においてブレーキキャリパレバー16,18から直に、所属のスラスト軸受円板56に延び、そこからハウジング固定のフランジ44に、そして最終的にハウジング14に延びており、この場合偏心軸4又は偏心ピン6,8はこの力伝達経路に含まれない。これに対して、ブレーキキャリパレバー16,18に対して作用し、その緊締運動に起因してx−y平面において作用する横方向力は、外側のラジアルニードル軸受30を介して偏心軸4に支持され、偏心軸4は内側のラジアルニードル軸受36を介してハウジング14に支持されている。
【0025】
ブレーキキャリパ装置2はレール車両において汚水及び飛沫水にさらされる領域に位置しているので、偏心軸4もしくはその端部における偏心ピン6,8は、ハウジング14に対してシールされねばならない。
【0026】
図2には、ブレーキキャリパ装置2の上側のシール装置60と下側のシール装置62とが示されている。上側のシール装置60は下側のシール装置62と同じ構造を有しているので、以下においては代表して下側のシール装置62についてだけ述べる。
【0027】
下側のシール装置62は少なくとも1つの気密なシール部材を有しており、このシール部材は、片側でハウジング14にかつ他側で下側のブレーキキャリパレバー18に保持されている少なくとも部分的に弾性的な少なくとも1つのベローズ64によって形成される。この場合ベローズ64は次のように、すなわちベローズ64が、偏心駆動装置によって生じる、ハウジング14に対する偏心ピン8の半径方向運動に、偏心軸4の中心軸線40に対して垂直なx−y平面において追従できるように、構成されており、この場合ベローズ64の折り目がこれらの運動を補償する。
【0028】
ベローズ64は有利には少なくとも部分的にゴムから、有利には完全に、NBRゴム(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)から成っており、この場合ベローズ64の端部66,68は、形状結合及び/又は摩擦力結合によって、ハウジング14及びブレーキキャリパレバー18と結合されている。
【0029】
ベローズ64はフランジ44を半径方向において取り囲んでいて、偏心軸4の中心軸線40の方向(z軸方向)で見てほぼその長手方向を有している。ベローズ64の折り目の少なくとも幾つかは、ハウジング14と結合されているフランジ44の半径方向の凹部52に進入している。
【0030】
特に有利には、ベローズ64の、ブレーキキャリパレバー18に配属もしくは対応配置された端部66は、ベローズ64に比べて剛性のリング70と有利には素材結合によって結合されており、このリング70はブレーキキャリパレバー18に有利には形状結合式に保持されている。素材結合はこの場合例えば、リング70が少なくとも部分的にベローズ64内に加硫接着されることによって生ぜしめられる。リング70はスラスト軸受円板56のように、有利には、ブレーキキャリパレバー18の、ハウジング14側の端面58において、少なくとも1つのねじ72によって固定されている。さらにリング70はスラスト軸受円板56を取り囲んでいる。
【0031】
他方においてベローズ64の、ハウジング14に対応配置された端部68は、フランジ44の座面48とハウジング14の、ブレーキキャリパレバー18側の端面42との間において、摩擦力結合及び/又は形状結合によってクランプされ、そのために端部68は横断面拡大部74を有していることができ、この横断面拡大部74は、フランジ44の座面48における相応なリング凹部に受容されている。
【0032】
図3に示された別の実施例では、図1及び図2に示された実施例におけると同じ部材及び同じ機能を有する部材は、同一符号で示されている。図3の実施例では、既に述べた実施例とは異なり、ベローズ64の、フランジ44又はハウジング14に対応配置された端部68は、フランジ44の、座面48とは反対側の端面75と、別体のクランプリング76との間において、有利には形状結合式にクランプされており、この場合クランプリング76は例えばフランジ44とねじ結合されている。ベローズ64の他方の端部66と加硫されていてL字形の横断面を備えたリング70は、脚78を有しており、この脚78は、ブレーキキャリパレバー18の端面58にねじ80によって結合されたスラスト軸受円板56によって上から係合されていて、これによって緊締されている。その他の点においてシール装置60,62及び偏心軸4の軸受装置並びにブレーキキャリパレバー16,18は、図2に示された実施例におけると同じに構成されている。
【0033】
シール装置60,62の使用はブレーキキャリパ装置2に制限されない。このようなシール装置60,62は一般的に、偏心軸4を支承するハウジング14と、偏心軸4の、ハウジング14から進出している端部側の偏心ピン6,8との間において、使用されることができる。
【符号の説明】
【0034】
2 ブレーキキャリパ装置、 3 アクチュエータ、 4 偏心軸、 6 偏心ピン、 8 偏心ピン、 10 ハウジング孔、 12 ハウジング孔、 14 ハウジング、 16 ブレーキキャリパレバー、 18 ブレーキキャリパレバー、 20 旋回軸線、 21 押圧ロッド調節器、 22,24 ブレーキライニングホルダ、 26 盲孔、 28 スリーブ、 30 ラジアルニードル軸受、 32 スリーブ、 34 中央区分、 36 ラジアルニードル軸受、 38 中心軸線、 40 中心軸線、 42 端面、 44 フランジ、 46 フランジ肩部、 48 座面、 50 センタリングカラー、 52 凹部、 54 端面、 56 スラスト軸受円板、 58 端面、 60 上側のシール装置、 62 下側のシール装置、 64 ベローズ、 66 端部、 68 端部、 70 リング、 72 ねじ、 74 横断面拡大部、 75 端面、 76 クランプリング、 78 脚、 80 ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受装置であって、該軸受装置が、偏心軸(4)を支承するハウジング(14)と、偏心軸(4)の、ハウジング(14)から進出している端部側の偏心ピン(6,8)が回転可能に支承されている少なくとも1つの部材(16,18)との間に配置されており、該部材(16,18)が、偏心軸(4)の回転によってハウジング(14)に対して偏心的に運動し、これによって前記部材(16,18)を移動させるようになっており、該部材(16,18)からハウジング(14)に軸方向力を伝達するために少なくとも1つのスラスト軸受(18,44,56)が設けられている形式のものにおいて、スラスト軸受が偏心軸(4)の軸線方向で見て、前記部材(16,18)とハウジング(14)又はハウジング固定の構成部材(44)との間における、偏心ピン(6,8)の領域に配置されていることを特徴とする、偏心軸用の軸受装置。
【請求項2】
スラスト軸受(18,44,56)が間接又は直接的に、前記部材(16,18)とハウジング(14)又はハウジング固定の構成部材(44)との間に配置されている、請求項1記載の軸受装置。
【請求項3】
前記部材(16,18)からの軸方向における力伝達経路が、直にスラスト軸受(18,44,56)に、かつそこからハウジング(14)又はハウジング固定の構成部材(44)に延びている、請求項2記載の軸受装置。
【請求項4】
スラスト軸受が滑り軸受であり、滑り軸受円板(56)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の軸受装置。
【請求項5】
滑り軸受円板(56)が前記部材(18)と少なくとも回動不能に結合されている、請求項4記載の軸受装置。
【請求項6】
滑り軸受円板(56)が、振動減衰作用を有する滑り軸受材料から製造されている、請求項4又は5記載の軸受装置。
【請求項7】
滑り軸受円板(56)とハウジング(14)又はハウジング固定の構成部材(44)との間において、回転運動と並進運動とから成る運動が行われる、請求項4から6までのいずれか1項記載の軸受装置。
【請求項8】
軸受装置が、レール車両ブレーキのブレーキキャリパ装置(2)に設けられており、該ブレーキキャリパ装置(2)が、ハウジング(14)の互いに反対側を向いた外面に配置された少なくとも2つのブレーキキャリパレバー(16,18)を有していて、該ブレーキキャリパレバー(16,18)が、偏心軸の端部に設けられた各1つの偏心ピン(6,8)によって偏心駆動される、請求項1から7までのいずれか1項記載の軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−533825(P2010−533825A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516392(P2010−516392)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005376
【国際公開番号】WO2009/010185
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(503159597)クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (44)
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80,D−80809 Muenchen,Germany
【Fターム(参考)】