説明

像形成ユニット及び画像形成装置

【課題】高いメンテナンス性を有する像形成ユニット及びこの像形成ユニットを有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置本体12に着脱自在に設けられる像形成ユニット32であって、感光体に光を照射して潜像を書き込む露光装置26と、この露光装置26により形成された感光体22上の潜像をトナーにより現像する現像装置28とを有する。この像形成ユニット32において、少なくとも露光装置26と現像装置28との間に空気流が形成されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像形成ユニット及びこの像形成ユニットを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の像形成ユニットにおいて、感光体、帯電装置、現像装置及びクリーニング装置等を一体化したものが知られている。例えば、透明基体の感光体内部に露光装置としてのLEDアレイを配置した像形成ユニット(潜像担持体ユニット)を有するものが公知である(例えば特許文献1)。また例えば、像形成ユニット(像担持体ユニット)の近傍に露光装置としての有機ELアレイ露光ヘッドを配置したものも公知である(例えば特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開平3−215875号公報
【特許文献2】特開2003−205647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、LEDアレイの発光部や制御基板等の熱源が像形成ユニット内にあるので、該像形成ユニットの温度が上昇して現像装置内のトナーの表面が溶解してトナー同士が凝集するおそれがあった。また、特許文献2に開示された発明においては、露光ヘッドと像形成ユニットとが別々に設けられているので、像形成時における画像トラブルが発生した場合、露光ヘッドと像形成ユニットとを別々に検査、調整及び交換等をする必要があり、メンテナンス性が十分ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的とするところは、上記従来の問題を解消し、高いメンテナンス性を有する像形成ユニット及びこの像形成ユニットを有する画像形成装置を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴とするところは、画像形成装置本体に着脱自在に設けられる像形成ユニットであって、少なくとも感光体に光を照射して潜像を書き込む露光装置と、この露光装置により形成された感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置とを有し、少なくとも前記露光装置と前記現像装置との間に空気流が形成される像形成ユニットにある。したがって、露光装置を有する像形成ユニットを交換、調整することで像形成における画像トラブルが解消され、もってメンテナンス性が向上される。また、少なくとも露光装置と現像装置との間に形成される空気流により、像形成ユニット内の熱源が冷却されることで、像形成ユニット内の温度上昇が抑制され、現像装置内のトナー同士の凝集が防止される。
【0007】
好適には、前記露光装置はLED(Light Emitting Diode)アレイからなり、該LEDアレイを制御する制御基板を有する。したがって、露光装置を小型化することができ、像形成ユニットに露光装置を収納することができる。
【0008】
好適には、前記露光装置及び前記現像装置を収納するユニット本体を有し、このユニット本体に開口部が形成され、この開口部を介して空気流が形成される。したがって、像形成ユニット内の熱源より発生した熱が開口部を介して像形成ユニットの外に排出され、像形成ユニット内の温度上昇が抑制される。
【0009】
好適には、前記開口部は、空気流の吸入側に設けられた第1の開口部と空気流の排出側に設けられた第2の開口部とからなる。したがって、第1の開口部及び第2の開口部を介して像形成ユニット内に空気流が形成される。
【0010】
好適には、前記開口部には空気流を形成する冷却ファンが接続されている。したがって、像形成ユニット内に空気流が形成され、像形成ユニット内の熱源が冷却される。
【0011】
本発明の第2の特徴とするところは、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に着脱自在に設けられた像形成ユニットとを有し、前記像形成ユニットは、少なくとも感光体に光を照射して潜像を書き込む露光装置と、この露光装置により形成された感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置とを有し、少なくとも前記露光装置と前記現像装置との間に空気流が形成される画像形成装置にある。したがって、露光装置を有する像形成ユニットを交換、調整することで像形成における画像トラブルが解消され、もってメンテナンス性が向上される。また、少なくとも露光装置と現像装置との間に形成される空気流により、像形成ユニット内の熱源が冷却されることで、像形成ユニット内の温度上昇が抑制され、現像装置内のトナー同士の凝集が防止される。
【0012】
好適には、前記画像形成装置本体内に、空気流を形成する冷却ファンが前記開口部と接続するよう設けられている。したがって、像形成ユニット内に空気流が形成され、像形成ユニット内の熱源が冷却される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられる像形成ユニットに露光装置が設けられているので、この露光装置を有する像形成ユニットのみを交換、調整することで像形成時における画像トラブルが解消され、もってメンテナンス性を向上することができる。更には、像形成ユニット内の少なくとも露光装置と現像装置との間に空気流が形成されることにより、像形成ユニット内の熱源が冷却されるので、該像形成ユニット内の温度上昇が抑制され、現像装置内のトナー同士の凝集を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2において、本発明の実施形態が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12内に像形成手段14、該画像形成装置本体12下部にシート供給装置16、該画像形成装置本体12上部に画像形成がなされたシートが排出されるシート排出部18が設けられている。また、画像形成装置本体12の側面や上面等に開閉扉(図示せず)が設けられており、この開閉扉を介して後述する像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kや転写ユニット36などが着脱できるようになっている。
【0015】
図2に示すように、像形成手段14は、カラー画像を形成する電子写真方式のもので、トナーを担持する像担持体としてのドラム形状の感光体22Y、22M、22C、22Kと、この感光体22Y、22M、22C、22Kを一様に帯電する帯電ロールを備えた帯電装置24Y、24M、24C、24Kと、感光体22Y、22M、22C、22Kに光を照射して潜像を書き込む露光装置26Y、26M、26C、26Kと、この露光装置26Y、26M、26C、26Kにより形成された感光体22Y、22M、22C、22K上の潜像をトナーにより現像する現像装置28Y、28M、28C、28Kと、後述する転写ユニット36にトナー像の転写がなされた後に感光体22Y、22M、22C、22Kに残留するトナーを除去するクリーニング装置30Y、30M、30C、30Kとを有する。
【0016】
後述するように像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、画像形成装置本体12に着脱自在に装着され、上述した感光体22、帯電装置24、露光装置26、現像装置28及びクリーニング装置30を一体化したものである。これらの像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、画像形成装置本体12内において、後述する転写ユニット36の中間転写ベルト38に沿って、図1における右上方から左下方へ像形成ユニット32Y、像形成ユニット32M、像形成ユニット32C、像形成ユニット32Kの順に配列されている。
【0017】
また、図1に示すように、トナーボトル34、34、34、34は、画像形成装置本体12内にあってシート排出部18の下面に沿って並設されている。これらトナーボトル34、34、34、34は、トナー供給路(図示せず)を介して像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kに接続され、該トナーボトル34、34、34、34からトナーが現像装置28Y、28M、28C、28Kに供給されるようにしてある。
【0018】
転写ユニット36は、像形成ユニット32Y、32M、32C、32K上部に配置され、該像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kの感光体22Y、22M、22C、22Kと当接するように配置されている。この転写ユニット36は、ユニットとして一体化されていて中間転写ベルト38と該中間転写ベルト38に内接する複数のローラからなる。具体的には、中間転写ベルト38は、後述するシート搬送路54に配設された2次転写バックアップロール40と、2次転写バックアップロール40の下方に配設されたベルト搬送ロール41aと、ベルト搬送ロール41aの斜め上方且つシート搬送路54(後述)の反対側に配設されたベルト搬送ロール41bに巻き掛けられている。また、中間転写ベルト38を挟んで感光体22Y、22M、22C、22Kと対峙する位置には、1次転写ロール42Y、42M、42C、42Kが配設されている。
【0019】
それぞれの1次転写ロール42Y、42M、42C、42Kには、それぞれ転写バイアスが印加されていて、各1次転写ロール42Y、42M、42C、42Kは、感光体22Y、22M、22C、22Kに形成されたトナー像を、中間転写ベルト38上に順次に転写し、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像が重ねられたカラートナー像を形成するようになっている。
【0020】
さらに、中間転写ベルト38を挟んで2次転写バックアップロール40と対峙する位置には2次転写ロール43(図1に示す)が配設されている。この2次転写ロール43は、シート搬送路54(後述)に配置され1次転写ロール42Y、42M、42C、42Kにより中間転写ベルト38に1次転写されたそれぞれのトナー像をシート搬送路54に搬送されたシートに2次転写するようになっている。
【0021】
また、画像形成内装置本体12内の上部には、転写ユニット36によりシートに転写されたトナー像をシートへ定着させる定着装置44が設けられている。定着装置44は、加熱ロール44aと加圧ロール44bとからなり、加熱ロール44aと加圧ロール44bとの間を通過するシートを過熱し加圧することで、シートにトナー像を定着するようになっている。
【0022】
また、画像形成装置本体12内の下部には、シート供給装置16が設けられている。シート供給装置16は、シートが積載されるシート供給カセット46と、このシート供給カセット46に積載されたシートをピックするピックアップロール48と、後述するレジストロール56へシートを捌きながら送り出すフィードロール50及びリタードロール52とを有する。シート供給カセット46は、画像形成装置本体12に対して着脱自在に設けられており、普通紙、OHPシート等の被転写体としてのシートが積載収納される。
【0023】
また、画像形成装置本体12には、シート供給カセット46から後述する排出ロール58にかけてシート搬送路54が設けられている。シート搬送路54は、シート供給カセット46から供給されたシートをシート排出部18まで搬送する搬送路であり、このシート搬送路54に沿ってシート搬送方向上流から順に、レジストロール56、2次転写ロール43、定着装置44及び排出ロール58が配置されている。レジストロール56は、所定のタイミングに合わせてシートを上述した2次転写ロール43と中間転写ベルト38との間へと供給するように配設され、排出ロール58は、定着装置44から搬送されたシートをシート排出部18へ排出するように設けられている。
【0024】
上記構成において、画像形成信号が送られると、感光体22Y、22M、22C、22Kが帯電装置24Y、24M、24C、24Kにより一様に帯電され、この帯電された感光体22Y、22M、22C、22Kには、画像信号に基づいて露光装置26Y、26M、26C、26Kから光が出射される。露光装置26Y、26M、26C、26Kからの光は、感光体22Y、22M、22C、22Kの表面を露光し、潜像が形成される。露光装置26Y、26M、26C、26Kにより形成された感光体22Y、22M、22C、22Kの潜像は、現像装置28Y、28M、28C、28Kによってイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像を現像され、中間転写ベルト38に重ねて一次転写される。一次転写において、感光体22Y、22M、22C、22Kに残留する廃トナーは、クリーニング装置30Y、30M、30C、30Kによって掻き取られ、回収される。
【0025】
一方、シート供給信号等により、シート供給カセット46に収納されたシートは、ピックアップロール48によってピックされ、フィードロール50により送り出され、リタードロール52により捌かれてシート搬送路54に導かれ、レジストロール56により一次停止され、タイミングをとって2次転写ロール43と中間転写ベルト38との間に導かれる。2次転写ロール43と中間転写ベルト38との間にシートが導かれると、中間転写ベルト38に一次転写されたトナー像が二次転写ロール43と二次転写バックアップロール40とによってシートに2次転写される。
【0026】
トナー像を転写されたシートは、シート搬送路54に沿って定着装置44に導かれる。定着装置44は、加圧ロール44a及び加熱ロール44bにより、熱と圧力とによってトナー像をシートに定着させ、排出ロール58を介して、トナー像が定着されたシートをシート排出部18に排出する。
【0027】
次に、像形成ユニット32の詳細を説明する。
図3において、像形成ユニット32の詳細が示されている。像形成ユニット32は、ユニット本体33を有し、該ユニット本体33に感光体22、帯電装置24、露光装置26、現像装置28及びクリーニング装置30が収納されている。
【0028】
現像装置28は、現像ロール60、第1のオーガ62、第2のオーガ64及び層厚規制部材66を有し、例えば非磁性のトナーと磁性のキャリアとからなる二成分系の現像剤を収容する。第1のオーガ62は、現像剤搬送路68内に配置されており、トナーボトル34(図1に示す)より供給されたトナーと、キャリアとを攪拌混合し、現像剤搬送路70へ搬送する。現像剤搬送路70内には、第2のオーガ64が配設されている。第2のオーガ64は、現像剤搬送路70を介して搬送された現像剤を攪拌搬送し、現像ロール60へ供給する。
【0029】
なお、現像剤搬送路68と現像剤搬送路70との間には、仕切り板72が設けられており、仕切り板72の両端には、現像剤搬送路68と現像剤搬送路70とを接続する通路(図示せず)が設けられている。よって、第1のオーガ62と第2のオーガ64とが現像剤を搬送することにより、トナーがキャリアによって所定の極性の帯電量に摩擦帯電され、現像装置28内で循環するようにされている。
【0030】
現像ロール60は、トナーを担持して感光体22に当接することにより、感光体22に担持された静電潜像をトナーで現像する。層厚規制部材66は、現像ロール60に担持されるトナーの層厚を規制する。
【0031】
帯電装置24は、ユニット本体33に収納される露光装置26とクリーニング装置30との間に配置されており、帯電ロール74と付勢手段としてのスプリング76とが設けられている。帯電ロール74は、感光体22と接触回転しながら電荷移動による帯電を行う。帯電ロール74と感光体22とは必ずしも厳密に接触している必要はなく、間隙の放電現像によって帯電がなされる。
【0032】
クリーニング装置30は、クリーニングブラシ78とクリーニングロール80とを有する。クリーニングロール80は、感光体22に接触されると共に、反時計回りに回転可能とされている。クリーニングブラシ78は、感光体22に接触するようにクリーニングロール80よりも感光体22の回転上流側に配置されている。感光体22の表面に付着した残留トナーは、クリーニングブラシ78に吸着されるか、クリーニングブラシ78の回転下流側へ掻き落とされて除去される。クリーニングブラシ78によって除去されず感光体22の表面に残留したトナーは、さらにクリーニングロール80によって吸着され感光体22から除去される。
【0033】
露光装置26は、ユニット本体33に収納される現像装置28と帯電装置24との間に配置されており、露光装置26と帯電装置24及び露光装置26と現像装置28との間には空間部110が形成されている。また、ユニット本体33両端部の露光装置26近傍には、空間部110とユニット本体33外部とを連通する開口部112(第1の開口部112a及び第2の開口部112b(図6を用いて後述))が形成されている。この開口部112を介して空間部110に、すなわち露光装置26と現像装置28との間及び露光装置26と帯電装置24との間に、空冷ファン122(図6を用いて後述)により空気流が形成されるようになっている。なお、後述するように第1の開口部112aは空間部110に形成される空気流の吸入側に形成され、第2の開口部112bは空気流の排出側に形成されている。
【0034】
このように、画像形成装置本体12に対して着脱自在に設けられる像形成ユニット32に露光装置26が収納されているので、この露光装置26を有する像形成ユニット32のみを交換、調整することで像形成時における画像トラブルが解消され、もってメンテナンス性を向上することができる。
【0035】
次に、露光装置26の詳細を説明する。
図4及び図5において、露光装置26の詳細が示されている。露光装置26は、露光装置本体82を有し、この露光装置本体82の後部(図4の下方)に制御基板84が配置されている。露光装置本体82には、感光体22(図3に示す)に向けて開口する光路形成孔86が形成されている。この光路形成孔86の奥端には、LEDからなる発光素子(LEDアレイ88)が感光体22の軸線方向と平行に列状に配置されたLED基板90が配置されている。また、光路形成孔86の先端には、例えばセルホックレンズからなるレンズ部92が感光体22の軸線方向と平行に列状に設けられており、このレンズ部92の先端部分が光射出面94を形成している。制御基板84は、LEDアレイ88を駆動するための駆動回路や駆動電流を安定化するための安定化回路等を搭載しており、ハーネス96(信号を伝達するためのケーブル)を介してLED基板90と接続されている。
【0036】
このように、露光装置として可動部を持たない「LEDアレイ方式」を用いることで、レーザ光を回転するポリゴンミラーで感光体への軸方向の走査を繰り返す「レーザ方式」と比較すると露光装置を小型化することができる。これにより露光装置26を像形成ユニット32に収納することができる。
なお、「LEDアレイ方式」と同様に、可動部を持たない露光装置として「有機EL(Electroluminescence)アレイ方式」を用いてもよい。
【0037】
また、露光装置本体82にはレンズ清掃部98が設けられている。このレンズ清掃部98は、清掃部材100と清掃部材保持部102と把手部104を有する。清掃部材100は、清掃部材固定部102に固定されており、レンズ部92表面と当接するように配置されている。清掃部材保持部102は、例えば2つの爪部106a、106bを有し、該爪部106a、106bと露光装置本体82の長手方向に平行に設けられたガイド溝108a、108bとが摺動自在に係合するようになっている。したがって、清掃部材保持部102を露光装置本体82の長手方向にスライドさせることで、清掃部材100はレンズ部92表面との位置を均一に保ちながらレンズ部92表面、すなわち光射出面94を清掃するようになっている。
【0038】
把手部104は、露光装置本体82の長手方向の長さと同一もしくはやや長く形成されており、清掃部材保持部102に固定されている。したがって、把手部104を押引きすることで清掃部材保持部102が露光装置本体82の長手方向にスライドするようになっている。この把手部104は、ユニット本体33に形成された開口部112を介して画像形成装置本体12の外部から操作できるようになっている。したがって、レンズ部92表面に突発的に異物等が付着した場合であっても、ユーザが画像形成装置本体12の外部からレンズ清掃部98の把手部104を操作することで、レンズ部92表面に付着した異物を容易に取り除くことができる。これにより、レンズ部92表面にトナー等の異物が突発的に付着したことに起因するトラブル(印刷面にすじが表れる等)が発生した場合にも容易に対処することができる。
【0039】
次に、画像形成装置本体12に装着された像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kについて説明する。
図6において、像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kが画像形成装置本体12に装着された状態が示されている。図6(a)に示すように、画像形成装置本体12に像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kが装着されると、ユニット本体33に形成された第1の開口部112a及び第2の開口部112bと画像形成装置本体12内に設けられた例えば4対エアダクト114(吸気ダクト114a、排気ダクト114b)の一方の端部とが連通するようになっている。一方、エアダクト114の他方の端部は画像形成装置本体12の外部と連通している。したがって、開口部112及びエアダクト114を介して像形成ユニット32の空間部110(図3に示す)と画像形成装置本体12の外部とが連通するようになっている。
【0040】
画像形成装置本体12内に設けられた各エアダクト114に対応する位置には、開閉カバー120がそれぞれ配設されている。図6(c)に示すように、これらの開閉カバー120は、画像形成装置本体12の側壁に開閉自在に設けられているが、複数の吸気口(排気口)が設けられているので閉じた状態であってもエアダクト114と画像形成装置本体12の外部とが連通するようになっている。また、この開閉カバー120を開くことにより、上述したレンズ清掃部98の把手部104を操作することができる。
【0041】
また、画像形成本体12内のそれぞれの吸気ダクト114a内には冷却ファン122がそれぞれ設けられている。すなわち、空冷ファン122は、吸気ダクト114aを介してユニット本体33(図3に示す)に形成された開口部112と接続されている。この冷却ファン122は、エアダクト114を介して像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kの空間部110(図3に示す)に空気流を形成する。より具体的には、冷却ファン122は、吸気ダクト114a及び第1の開口部112aを介して像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kの空間部110(図3に示す)に画像形成装置本体12外部の空気を順次取り入れ、該空間部110から第2の開口部112b及び排気ダクト114bを介して画像形成装置本体12外部に順次排出させることで露光装置26と現像装置28との間に空気流を形成する。
【0042】
連続印刷時においては、熱源である露光装置26の制御基板84が発熱し、像形成ユニット32内の露光装置26周辺の温度が上昇する。像形成ユニット32内において露光装置26周辺の温度が所定温度以上に上昇すると、現像装置28内のトナー表面が溶解してトナー同士が凝集する現象が起こる。
【0043】
このようなときに冷却ファン122を駆動することで、図6(b)の矢印(二点差線)で示すように吸気ダクト114a、第1の開口部112a、第2の開口部112b及び排気ダクト114bを介して像形成ユニット32の空間部110(図3に示す)に空気流を発生させる。この空気流により熱源である露光装置26の制御基板84が該制御基板26の周辺部より冷却される。これにより、像形成ユニット32内の温度上昇が抑制され、現像装置28内のトナー同士の凝集が防止される。
【0044】
なお、このとき冷却ファン122の回転数を高くして空気流の流速(流量)を増加させると冷却効果が高くなる。また、像形成ユニット32内において、露光装置26と現像装置28との間隔(図3に示す距離d)を大きくすると冷却効果が高くなる。
【0045】
次に、第2の実施形態について説明する。
なお、上述した実施形態と実質的に同一部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0046】
図7において、第2の実施形態における画像形成装置10が示されている。
本実施形態の像形成ユニット32におけるユニット本体33に形成された第2の開口部112bには空気流を形成する冷却ファン122が接続されている。すなわち、冷却ファン122は像形成ユニット32と一体に設けられている。
【0047】
このように、冷却ファン122が像形成ユニット32と一体に設けられていることにより、画像形成装置本体12に対して冷却ファン122の着脱が容易となり、該冷却ファン122のメンテナンス性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上述べたように、本発明は、露光装置が設けられた像形成ユニットを有する画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る転写ユニットを示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る像形成ユニットを示す縦断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る露光装置を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る露光装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置本体に像形成ユニットが装着された状態を示し、(a)は画像形成装置の側面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(b)の開閉カバーを開いた状態を示す部分図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置を示し、画像形成装置本体に像形成ユニットが装着された状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
26Y、26M、26C、26K 露光装置
28Y、28M、28C、28K 現像装置
32Y、32M、32C、32K 像形成ユニット
84 制御基板
88 LEDアレイ
110 空間部
112a 第1の開口部
112b 第2の開口部
122 冷却ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱自在に設けられる像形成ユニットであって、
少なくとも感光体に光を照射して潜像を書き込む露光装置と、この露光装置により形成された感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置とを有し、少なくとも前記露光装置と前記現像装置との間に空気流が形成されることを特徴とする像形成ユニット。
【請求項2】
前記露光装置はLEDアレイからなり、該LEDアレイを制御する制御基板を有することを特徴とする請求項1に記載の像形成ユニット。
【請求項3】
前記露光装置及び前記現像装置を収納するユニット本体を有し、このユニット本体に開口部が形成され、この開口部を介して空気流が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像形成ユニット。
【請求項4】
前記開口部は、空気流の吸入側に設けられた第1の開口部と空気流の排出側に設けられた第2の開口部とからなることを特徴とする請求項3に記載の像形成ユニット。
【請求項5】
前記開口部には空気流を形成する冷却ファンが接続されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の像形成ユニット。
【請求項6】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱自在に設けられた像形成ユニットと、
を有し、
前記像形成ユニットは、少なくとも感光体に光を照射して潜像を書き込む露光装置と、この露光装置により形成された感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置とを有し、少なくとも前記露光装置と前記現像装置との間に空気流が形成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記露光装置及び前記現像装置を収納するユニット本体を有し、このユニット本体に開口部が形成され、この開口部を介して空気流が形成されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置本体内に、空気流を形成する冷却ファンが前記開口部と接続するよう設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−140349(P2007−140349A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336881(P2005−336881)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】