説明

充填されて閉鎖された容器を形成する方法および装置

本発明は、充填されて閉鎖された容器を形成する方法および装置に関する。本発明によれば、a)プラスチックチューブが押出し成形され、b)このプラスチックチューブから、充填開口部を備えた、水蒸気を通さない、少なくとも1つの容器が成形されて、
c)この容器内へ、充填開口部を通して充填物質が投入されて、次に、
d)充填開口部が溶接によって閉鎖される。チューブは、容器を酸素を通さないようにする、少なくとも1つの層から形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の特徴を有する、充填されて閉鎖された容器を形成する方法およびこの種の方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭で挙げた種類の既知の方法は、特に無菌条件の元で、容器を安価に形成し、充填しかつ閉鎖することを可能にする。従ってこの方法は、広い範囲で適用される。充填物質が酸素に敏感な、多くの場合において、もちろん、容器に被覆を設けるか、あるいはガラス容器を使用することが必要である。どちらの選択肢も、製造コストを著しく増大させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の課題は、充填物質が酸素に敏感な場合でも、使用することができる、冒頭で挙げた種類の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を有する方法によって解決される。
すなわち、押出し成形されたチューブが、容器を酸素を通さないようにする、少なくとも1つの層から形成される場合には、充填物質が酸素に対して敏感である場合でも、付加的な被覆によって酸素のための阻止層を形成し、あるいはガラス容器を使用する必要がなくなる。この層が、容器の壁に課される、他の要請も満たすことができる場合には、少なくとも2つの層の共同押出し成形を設けることが必要なくなる。しかし、多くの場合において、課された要請を満たすため、かつ/または経済的理由から、チューブを2つまたは3つの層から共同押出し成形によって形成することが効果的であると思われ、その場合にそれらの層は異なる特性を有する材料からなることができる。
【0005】
充填されて閉鎖された容器を形成するための既知の機械によっては、1つの層からなるチューブしか押出し成形されないので、本発明の課題は、好ましい方法で共同押出成形を許す、装置を提供することでもある。この課題は、請求項1の特徴を有する装置によって解決される。
【0006】
押出しヘッドおよび付属の押出し機と、成形、充填および閉鎖装置を別々のフレームに対応づけることが、一方で増大された数のコンポーネントの収容を問題なく可能にする。他方ではそれによって、様々な押出し成形ユニットを様々な成形、充填および閉鎖装置と組み合わせることができるので、それによって困難なしで、様々な要請への適合が可能になる。
【0007】
さらに、柔軟性をできるだけ大きくする意味で、エネルギ供給と制御のために必要な開閉装置を同様に別体のユニットとして形成すると、効果的であって、その場合にそれは、提供される空間に関して特に好ましいところに設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に示す本発明に基づく装置の実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
【0009】
充填されて閉鎖された容器、たとえば製剤を充填されたアンプル、を形成する装置は、第1フレーム1を有しており、そのフレームが押出し機2を支持しており、その押出し機は、図3に示すように、様々な大きさを有することができる。実施例においては、2つの小さい押出し機の間に大きい押出し機が配置されている。押出し機2は、すべて押出しヘッド3の高さに配置されており、その押出しヘッドは下側にチューブのための流出開口部を有している。さらに、押出しヘッド3は、一緒になってチューブを形成する3つの層の共同押出しが可能であるように、形成されている。押出し機2を介して、チューブヘッド3がフレーム1と固定結合されている。
【0010】
フレーム1の、押出し機2を越えて突出する側に、第2フレーム4が接続されており、その第2フレームは互いに間隔をおいて並んだ2つの成形、充填および閉鎖装置を支持しており、それら2つは等しく形成されている。これら2つの装置の各々は、垂直方向に分割されたブロー型を有しており、そのブロー型は押出しヘッド3の下方に位置決め可能である。
【0011】
押出しヘッド3から出たチューブが、その下方の端部がブロー型の下方の端部まで延びる長さに達した後に、このブロー型が閉鎖される。既知の装置において一般的であるように、ブロー型のこの位置で1つまたは複数のアンプルをブロー成形して、充填し、その後閉鎖する代りに、本実施例においては、チューブはブロー型の上方で切断され、かつブロー型はその初期位置において、対応づけられたブローおよび充填装置5の下方に配置されている。2つのブローおよび充填装置5は、図2と3に示すように、押出しヘッド3の一方側ないし他方側の隣りに位置している。ここで、押出し成形されたチューブを収容することができるようにするために、同時に他のブロー型が押出しヘッド3の下方の位置へ移動されて、他方のブロー型内にあるチューブ内へブロープロセスのための空気が圧入される。それに続いて、1つまたは複数のアンプルのまだ開放している頭部を通して充填物質の充填が行われる。充填が終了した場合に初めて、ブロー型の、頭部を成形する部分が合体するように移動されて、1つまたは複数のアンプルの頭部が成形されて、閉鎖される。同様に、他方のブロー型が再びその初期位置へ移動された後に、その中にあるチューブから1つまたは複数のアンプルがブロー成形されて、その後充填されて閉鎖される。
【0012】
アンプルの内容物は、湿度に対しても酸素に対しても保護されている。というのは、アンプルの壁を形成する層の1つが、酸素の浸透拡散を阻止し、他の2つの層が水蒸気バリアを形成するからである。従ってアンプルは、それが放出されて、余分なプラスチック部分を除去された後に、バリアを形成する被覆を設ける必要がない。出来上ったアンプルを搬送する、2つの移送装置が図3に概略的に、符号6で示されている。
【0013】
すべての装置へのエネルギ供給は、開閉装置7を介して行われ、その開閉装置は制御も全て含んでいる。開閉装置7は、最も目的に合ったところに設置することのできる、別体のコンポーネントである。本実施例においては、開閉装置7は、第1フレーム1と並んで、第2フレーム4の後ろ側に接続されている。
【0014】
上述した説明において言及されたすべての特徴と図面からのみ理解できるすべての特徴も、それらが特に強調されておらず、かつ特に請求項で述べられていない場合でも、他の形態として本発明の構成部分である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例を示す側面図である。
【図2】正面図を示している。
【図3】上面図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填されて閉鎖された容器を形成する方法であって、
a)プラスチックチューブが押出し成形され、
b)このプラスチックチューブから、充填開口部を備えた、水蒸気を通さない、少なくとも1つの容器が成形されて、
c)この容器内へ、充填開口部を通して充填物質が投入されて、次に、
d)充填開口部が溶接によって閉鎖される、
ものにおいて、
チューブが、容器を酸素を通さないようにする、少なくとも1つの層から形成される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
チューブを形成するために、少なくとも2つ、好ましくは6つまでの層が共同押出成形されて、前記層の少なくとも1つが、酸素を通さないバリア層を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法を実施する装置において、
装置が少なくとも2つのフレーム(1、4)を有しており、
前記フレームの1つが、押出しヘッド(3)と、それぞれ設けられる層のための押出し機(2)を支持し、
他のフレームが、少なくとも1つの成形、充填および閉鎖装置(5)を支持していることを特徴とする装置。
【請求項4】
別体のユニットとして形成された開閉装置(7)を特徴とする請求項3に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−509820(P2007−509820A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534660(P2006−534660)
【出願日】平成16年10月9日(2004.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011328
【国際公開番号】WO2005/037648
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(501455529)
【Fターム(参考)】