充填包装機における横シール装置
【課題】 上下動の速さか無段階に調節可能であることは勿論のこと、高速な包装フィルムの移送にも対応して充分なヒートシールが可能であるばかりか、振動もなく耐久性にも優れたものとする。
【解決手段】 包装フィルムＦを横方向にシールするシール部１１を上下方向に往復動させる上下動機構１２を往復動クランク機構により形成したことにより円滑に且つ高速度で上下方向に連続的に往復動可能として高速度の包装フィルムの移送に対処することができ、カム機構のように遊びがないので振動が少なく、シール時と戻り時とで速度を変化させる制御も容易とした。
【解決手段】 包装フィルムＦを横方向にシールするシール部１１を上下方向に往復動させる上下動機構１２を往復動クランク機構により形成したことにより円滑に且つ高速度で上下方向に連続的に往復動可能として高速度の包装フィルムの移送に対処することができ、カム機構のように遊びがないので振動が少なく、シール時と戻り時とで速度を変化させる制御も容易とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、長尺の帯状フィルムをヒートシールすることにより袋状として内容物を充填した包装袋を連続的に製造する充填包装機に設置される横シール装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、液体などの流動可能な商品について、巻回した長尺の帯状フイルムを連続的に取り出して上方から下方へと移送する過程で、折り返し装置により両縁を折り重ねて縦シール装置により折り重ね部を封じて筒状に形成するとともに横シール装置により包装フィルムを横方向にシールして袋状とし、これに充填装置のノズルを差し込んで被内容物を充填して後、更に前記横シール装置により封着して連続して形成される包装袋を切断装置により切断して分離し、包装袋を形成する充填包装機が知られている。
【０００３】
そして、前記充填包装機における横シール装置は筒状に形成されて移送される長尺の包装フィルムを一対の横シールロールで間欠的に挟持することにより包装袋の下端と上端とをヒートシールするものであるが、ヒートシールする包装フィルムは一定の速度で移動していることから一対の横シールロールで挟持する時間が短く充分なシールを行えない場合がある。
【０００４】
そこで、従来から、横シール装置を包装フィルムに沿って往復動させる例えば所謂ボックスモーション式の上下動機構を備えることによりシール時間を長くして確実なシールを行うことが一般的に行われている。
【０００５】
ところが、前記ボックスモーション式の上下動機構は動きが大きく迅速な上下動が困難であり、包装フィルムの高速な移動に対処することができない。そこで、特開昭６３−２７２６４５号公報、特開２００１−３２８６０７号公報、特開２００５−１８７０２４号公報などにボックスモーション式の上下動機構よりも高速で上下動する上下動機構を備えた横ロール装置が提示されている。
【０００６】
しかしながら、前記後方に提示されている横ロール装置に備えられている上下動機構は、ラック、ボールねじ、更にはカム機構を用いるものであり、ラックやボールねじ機構を用いたものは、移動方向を切り替える度に電動機を一旦停止させて正逆運転をする必要があり、特に、１５０〜３００袋／分程度の高速で移動させるためには、急発進と急停止を必要とし現実的でない、また、カム機構を用いたものは高速での連続的上下動は可能であるが、溝カムではカムフロアーと溝との間に隙間が形成されることから高速運転時にカムフロアーが大きく方向変更するとその隙間で衝撃に耐えることが困難であり、特に横シール装置は例えば３０Ｋｇもあり、全体としてかなりの重量を有しているので問題がある。また、回転カムにおいて、振動防止を計る目的でカウンターウエイトを付ける必要があるが、１つのカムにカムフロアーを２つ付けて別々に横ロール装置とカウンターウエイトとに使用すると円板の数だけ横が前後にはみ出すことになり装置全体が大きくなる、という問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開昭６３−２７２６４５号公報
【特許文献２】特開２００１−３２８６０７号公報
【特許文献３】特開２００５−１８７０２４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、上下動の速さか無段階に調節可能であることは勿論のこと、高速な包装フィルムの移送にも対応して充分なヒートシールが可能であるばかりか、振動もなく耐久性にも優れた上下動機構を備えた充填包装機の横シール装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため本発明である充填包装機における横シール装置は、長尺で帯状の包装フィルムを連続的に取り出して上方から下方へと移送する過程で、折り返し装置により両縁を折り重ねて縦シール装置により折り重ね部を封じて筒状に形成するとともに横シール装置により包装フィルムを横方向にシールして袋状とし、これに充填装置のノズルを差し込んで被内容物を充填して後、更に前記横シール装置により封着して連続して形成される包装袋を切断装置により個々に切断する充填包装機における横シール装置であって、前記包装フィルムを横方向にシールするシール部を上下方向に往復動させる上下動機構が往復動クランク機構により形成されていることを特徴とする。
【００１０】
前記シール部を往復動させる上下動機構として往復動クランク機構を用いたことにより、円滑に且つ高速度で上下方向に連続的に往復動可能として高速度の包装フィルムの移送に対処することができ、カム機構のように遊びがないので振動が少なく、シール時と戻り時とで速度を変化させる制御も容易である。
【００１１】
また、本発明において、前記往復動クランク機構が前記シール部の上方に配置されているとともに、前記往復動クランク機構の上方に往復動前記クランク機構を構成するクランク軸に前記横シール装置へのコンロッドと対称に配置されたコンロッドから構成される往復動クランク機構により上下方向に往復動するカウンターウエイトが設置されている場合には、円滑に振動なく高速で上下動をすることができ、特に、カウンターウエイトを前記縦シール装置の設置していない側の空所に配置することにより装置枠体内の空きスペースを有効に利用することができる。
【００１２】
更に、本発明において、前記クランク軸におけるクランクピンとコンロッドとがニードルベアリングを介して軸支されている場合には、軸支部にオイルバスを用いなくても高速運転が可能で小型に形成可能であり、前記クランク軸におけるコンロッドを軸支するクランクピンを分割体により形成した場合にはニードルベアリングを有効に実施できるとともに、前記クランク軸がベアリングにより軸支される複数の支持体により装置に支持されている場合には耐久性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【００１３】
以上、本発明によれば、高速な包装フィルムの移送にも対応して充分なヒートシールが可能であるばかりか、振動もなく耐久性にも優れた上下動機構を備えた充填包装機の横シール装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施の形態である横シール装置を用いた充填包装機の概略図。
【図２】図１に示した本発明における実施の形態を示す概略縦断面図。
【図３】図１に示した実施の形態を示す上下動機構の駆動モータを外した状態の正面側から観た斜視図正面図。
【図４】図１に示した実施の形態のケースを取り去った背面側から観た斜視図。
【図５】図４において一部のカウンターウエイト部材を取り去った状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【００１６】
図１は本発明における横シール装置１を用いた充填包装機２の概略を示すものであり、箱形のケース２１内に、長尺で帯状の包装フィルムＦをロール状に巻回したフィルム原反３が交換可能に配置されており、上部に前記包装フィルム原反３に巻回した包装フィルムＦを上方へ取り出す案内装置４が配置されているとともに、その下方にフィルム折り返し装置５がそれぞれ配置されており、更にその下方に縦シール装置６、充填装置７，ノッチ形成装置８、本発明である横シール装置１、カッター装置９などが配置されている。
【００１７】
本充填包装機２は、フィルム原反３から案内装置４を介して連続的に移送される包装フィルムＦを、前記フィルム折り返し装置５により両縁を合わせて折り重ねて縦シール装置６により折り重ね部をシールして筒状にし、次いで、本発明である横シール装置１により包装フィルムＦを横方向にシールして充填装置７から内容物を充填して後、更に、本発明である横シール装置１により封着くして連続した包装袋を形成し、これを必要であれば冷却ローラ装置１０により冷却した後、カッター装置９により個々に切断して分離し包装袋を自動的に形成するものである。
【００１８】
そして、本発明である横ロール装置１は、主として包装フィルムＦを横方向にシールする一対の横シールロール１１１，１１１を有するシール部１１と、前記シール部１１の上方に配置されてシール部１１を上下方向に往復動させる上下動機構１２と、前記上下動機構１２の上方に配置されて前記上下動機構１２により上下方向に往復動させられるカウンターウエイト１３とから構成され、特に、本実施の形態では前記上下動機構１２およびカウンターウエイト１３は、移送される包装フィルムＦを挟んで縦シール装置６の対向側においてケース２１内に形成される空所Ａに配置されるので、装置全体の高さや幅が増加することなくきわめて有効に配置することができる。
【００１９】
図２乃至図５は本実施の形態である横シール装置１の近傍を拡大して詳細に示したものであり、図２は概略縦断面図、図３は上下動機構１２の駆動モータ１２４を外した状態の正面側から観た斜視図、図４はケース２１を取り去った背面側から観た斜視図、図５は図４において一部のカウンターウエイト部材１３３を取り去った状態の斜視図である。
【００２０】
本実施の形態であるシール部１１は、図１に示したケース２１に沿って配置される基盤２３にそれぞれ両端に配置した固着具２４，２４により互いに所定の間隔を有して縦方向に並設された２本の摺動杆２５，２５に摺動可能に嵌装させたそれぞれ上下一対の摺動部材２６，２６により支持された小基盤２７に取り付けられる。
【００２１】
そして、前記小基盤２７に取り付けられるシール部１１は、従来からこの種の充填包装機に用いられているものとほぼ同様の構造を有するものであり、２つのサーボモータなどの駆動源１１２およびエアシリンダからなる駆動源１１３により、外周面にヒートシール用の帯状ヒートプレート１１４を間欠的に列設した一対の横シールロール１１１，１１１をギヤ１１５，１１６を噛み合わせて回転させることにより、所定の時間ごとに横シールロール１１１，１１１の間に移送される包装フィルムを横シールするものである。
【００２２】
また、前記シール部１１を上下動させる上下動機構１２は、前記図１に示したケース２１に沿って配置される基盤２３に、前記シール部１１が上下方向に移動可能に支持される２本の摺動杆２５，２５を包囲するようにして固着された断面がＨ形の固定具１２１により前記シール部１１の上方に配置される。
【００２３】
この上下動機構１２は、少なくとも前記固定具１２１と基盤２３とに設置したベアリングにより軸支される複数の支持体１２２，１２３により装置に支持されるサーボモータなどの駆動源１２４により回転するクランク軸１２５を有している。
【００２４】
また、前記クランク軸１２５は、支持体１２２を挟んで縦方向（上下方向）に対向して一対のクランクピン１２６，１２７を有しており、これらのクランクピン１２６，１２７にコンロッド１２８，１２９がそれぞれ軸支されている。一方のコンロッド１２８の軸端は前記シール部１１を支持する小基盤２７に突設した支持軸１１７に回動自由に支持されており、もう一方のコンロッド１２９の軸端はカウンターウエイト１３を前記摺動杆２５，２５に摺動可能に嵌装させた摺動部材２８，２８により上下動可能に基盤２３に支持する支持盤１３１に突設した支持軸１３２に回動自由に支持されている。従って、クランク軸１２５を回転させるとシール部１１およびカウンターウエイト１３が互いに常にクランク軸２５を挟んで上下方向の対称位置にあるような状態で上下動する往復動クランク機構を構成している。従って、上下動機構１２によりシール部１１を高速で上下動させたとしても不要な振動を生じることなく安定した状態で稼働させることができる。
【００２５】
特に、本実施の形態は、前記クランク軸１２５におけるクランクピン１２６，１２７とコンロッド１２８とと１２９とがニードルベアリング１３０を介して軸支されているので軸支部にオイルバスを用いなくても高速運転が可能で小型に形成可能である。
【００２６】
更に、本実施の形態では、クランクピン１２６，１２７がそれぞれ分割体１２６ａ，１２６ｂおよび１２７ａ，１２７ｂにより形成してあるので前記ニードルベアリング１３０を有効に実施でき、更に、円滑な上下動をさせることができる。
【００２７】
尚、図面中、符号１３３は支持盤１３１に付設したカウンターウエイト部材であり、このように本実施の形態ではカウンターウエイト１３を複数のカウンターウエイト部材により形成してあるのでシール部１１の重量や上下動の移動速度に合わせて重量を正確に調整できるとともに、内部の点検、保守をしやすくするという利点も有している。
【符号の説明】
【００２８】
１ 横シール装置、２ 充填包装機、５ 折り返し装置、６ 縦シール装置、７ 充填装置、９ 切断装置、１１ シール部、１２ 上下動機構、１３ カウンターウエイト、１２５ クランク軸、１２６，１２７ クランクピン、 １２８，１２９ コンロッド、１３０ ニードルベアリング
【技術分野】
【０００１】
本発明は、長尺の帯状フィルムをヒートシールすることにより袋状として内容物を充填した包装袋を連続的に製造する充填包装機に設置される横シール装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、液体などの流動可能な商品について、巻回した長尺の帯状フイルムを連続的に取り出して上方から下方へと移送する過程で、折り返し装置により両縁を折り重ねて縦シール装置により折り重ね部を封じて筒状に形成するとともに横シール装置により包装フィルムを横方向にシールして袋状とし、これに充填装置のノズルを差し込んで被内容物を充填して後、更に前記横シール装置により封着して連続して形成される包装袋を切断装置により切断して分離し、包装袋を形成する充填包装機が知られている。
【０００３】
そして、前記充填包装機における横シール装置は筒状に形成されて移送される長尺の包装フィルムを一対の横シールロールで間欠的に挟持することにより包装袋の下端と上端とをヒートシールするものであるが、ヒートシールする包装フィルムは一定の速度で移動していることから一対の横シールロールで挟持する時間が短く充分なシールを行えない場合がある。
【０００４】
そこで、従来から、横シール装置を包装フィルムに沿って往復動させる例えば所謂ボックスモーション式の上下動機構を備えることによりシール時間を長くして確実なシールを行うことが一般的に行われている。
【０００５】
ところが、前記ボックスモーション式の上下動機構は動きが大きく迅速な上下動が困難であり、包装フィルムの高速な移動に対処することができない。そこで、特開昭６３−２７２６４５号公報、特開２００１−３２８６０７号公報、特開２００５−１８７０２４号公報などにボックスモーション式の上下動機構よりも高速で上下動する上下動機構を備えた横ロール装置が提示されている。
【０００６】
しかしながら、前記後方に提示されている横ロール装置に備えられている上下動機構は、ラック、ボールねじ、更にはカム機構を用いるものであり、ラックやボールねじ機構を用いたものは、移動方向を切り替える度に電動機を一旦停止させて正逆運転をする必要があり、特に、１５０〜３００袋／分程度の高速で移動させるためには、急発進と急停止を必要とし現実的でない、また、カム機構を用いたものは高速での連続的上下動は可能であるが、溝カムではカムフロアーと溝との間に隙間が形成されることから高速運転時にカムフロアーが大きく方向変更するとその隙間で衝撃に耐えることが困難であり、特に横シール装置は例えば３０Ｋｇもあり、全体としてかなりの重量を有しているので問題がある。また、回転カムにおいて、振動防止を計る目的でカウンターウエイトを付ける必要があるが、１つのカムにカムフロアーを２つ付けて別々に横ロール装置とカウンターウエイトとに使用すると円板の数だけ横が前後にはみ出すことになり装置全体が大きくなる、という問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開昭６３−２７２６４５号公報
【特許文献２】特開２００１−３２８６０７号公報
【特許文献３】特開２００５−１８７０２４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、上下動の速さか無段階に調節可能であることは勿論のこと、高速な包装フィルムの移送にも対応して充分なヒートシールが可能であるばかりか、振動もなく耐久性にも優れた上下動機構を備えた充填包装機の横シール装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため本発明である充填包装機における横シール装置は、長尺で帯状の包装フィルムを連続的に取り出して上方から下方へと移送する過程で、折り返し装置により両縁を折り重ねて縦シール装置により折り重ね部を封じて筒状に形成するとともに横シール装置により包装フィルムを横方向にシールして袋状とし、これに充填装置のノズルを差し込んで被内容物を充填して後、更に前記横シール装置により封着して連続して形成される包装袋を切断装置により個々に切断する充填包装機における横シール装置であって、前記包装フィルムを横方向にシールするシール部を上下方向に往復動させる上下動機構が往復動クランク機構により形成されていることを特徴とする。
【００１０】
前記シール部を往復動させる上下動機構として往復動クランク機構を用いたことにより、円滑に且つ高速度で上下方向に連続的に往復動可能として高速度の包装フィルムの移送に対処することができ、カム機構のように遊びがないので振動が少なく、シール時と戻り時とで速度を変化させる制御も容易である。
【００１１】
また、本発明において、前記往復動クランク機構が前記シール部の上方に配置されているとともに、前記往復動クランク機構の上方に往復動前記クランク機構を構成するクランク軸に前記横シール装置へのコンロッドと対称に配置されたコンロッドから構成される往復動クランク機構により上下方向に往復動するカウンターウエイトが設置されている場合には、円滑に振動なく高速で上下動をすることができ、特に、カウンターウエイトを前記縦シール装置の設置していない側の空所に配置することにより装置枠体内の空きスペースを有効に利用することができる。
【００１２】
更に、本発明において、前記クランク軸におけるクランクピンとコンロッドとがニードルベアリングを介して軸支されている場合には、軸支部にオイルバスを用いなくても高速運転が可能で小型に形成可能であり、前記クランク軸におけるコンロッドを軸支するクランクピンを分割体により形成した場合にはニードルベアリングを有効に実施できるとともに、前記クランク軸がベアリングにより軸支される複数の支持体により装置に支持されている場合には耐久性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【００１３】
以上、本発明によれば、高速な包装フィルムの移送にも対応して充分なヒートシールが可能であるばかりか、振動もなく耐久性にも優れた上下動機構を備えた充填包装機の横シール装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施の形態である横シール装置を用いた充填包装機の概略図。
【図２】図１に示した本発明における実施の形態を示す概略縦断面図。
【図３】図１に示した実施の形態を示す上下動機構の駆動モータを外した状態の正面側から観た斜視図正面図。
【図４】図１に示した実施の形態のケースを取り去った背面側から観た斜視図。
【図５】図４において一部のカウンターウエイト部材を取り去った状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【００１６】
図１は本発明における横シール装置１を用いた充填包装機２の概略を示すものであり、箱形のケース２１内に、長尺で帯状の包装フィルムＦをロール状に巻回したフィルム原反３が交換可能に配置されており、上部に前記包装フィルム原反３に巻回した包装フィルムＦを上方へ取り出す案内装置４が配置されているとともに、その下方にフィルム折り返し装置５がそれぞれ配置されており、更にその下方に縦シール装置６、充填装置７，ノッチ形成装置８、本発明である横シール装置１、カッター装置９などが配置されている。
【００１７】
本充填包装機２は、フィルム原反３から案内装置４を介して連続的に移送される包装フィルムＦを、前記フィルム折り返し装置５により両縁を合わせて折り重ねて縦シール装置６により折り重ね部をシールして筒状にし、次いで、本発明である横シール装置１により包装フィルムＦを横方向にシールして充填装置７から内容物を充填して後、更に、本発明である横シール装置１により封着くして連続した包装袋を形成し、これを必要であれば冷却ローラ装置１０により冷却した後、カッター装置９により個々に切断して分離し包装袋を自動的に形成するものである。
【００１８】
そして、本発明である横ロール装置１は、主として包装フィルムＦを横方向にシールする一対の横シールロール１１１，１１１を有するシール部１１と、前記シール部１１の上方に配置されてシール部１１を上下方向に往復動させる上下動機構１２と、前記上下動機構１２の上方に配置されて前記上下動機構１２により上下方向に往復動させられるカウンターウエイト１３とから構成され、特に、本実施の形態では前記上下動機構１２およびカウンターウエイト１３は、移送される包装フィルムＦを挟んで縦シール装置６の対向側においてケース２１内に形成される空所Ａに配置されるので、装置全体の高さや幅が増加することなくきわめて有効に配置することができる。
【００１９】
図２乃至図５は本実施の形態である横シール装置１の近傍を拡大して詳細に示したものであり、図２は概略縦断面図、図３は上下動機構１２の駆動モータ１２４を外した状態の正面側から観た斜視図、図４はケース２１を取り去った背面側から観た斜視図、図５は図４において一部のカウンターウエイト部材１３３を取り去った状態の斜視図である。
【００２０】
本実施の形態であるシール部１１は、図１に示したケース２１に沿って配置される基盤２３にそれぞれ両端に配置した固着具２４，２４により互いに所定の間隔を有して縦方向に並設された２本の摺動杆２５，２５に摺動可能に嵌装させたそれぞれ上下一対の摺動部材２６，２６により支持された小基盤２７に取り付けられる。
【００２１】
そして、前記小基盤２７に取り付けられるシール部１１は、従来からこの種の充填包装機に用いられているものとほぼ同様の構造を有するものであり、２つのサーボモータなどの駆動源１１２およびエアシリンダからなる駆動源１１３により、外周面にヒートシール用の帯状ヒートプレート１１４を間欠的に列設した一対の横シールロール１１１，１１１をギヤ１１５，１１６を噛み合わせて回転させることにより、所定の時間ごとに横シールロール１１１，１１１の間に移送される包装フィルムを横シールするものである。
【００２２】
また、前記シール部１１を上下動させる上下動機構１２は、前記図１に示したケース２１に沿って配置される基盤２３に、前記シール部１１が上下方向に移動可能に支持される２本の摺動杆２５，２５を包囲するようにして固着された断面がＨ形の固定具１２１により前記シール部１１の上方に配置される。
【００２３】
この上下動機構１２は、少なくとも前記固定具１２１と基盤２３とに設置したベアリングにより軸支される複数の支持体１２２，１２３により装置に支持されるサーボモータなどの駆動源１２４により回転するクランク軸１２５を有している。
【００２４】
また、前記クランク軸１２５は、支持体１２２を挟んで縦方向（上下方向）に対向して一対のクランクピン１２６，１２７を有しており、これらのクランクピン１２６，１２７にコンロッド１２８，１２９がそれぞれ軸支されている。一方のコンロッド１２８の軸端は前記シール部１１を支持する小基盤２７に突設した支持軸１１７に回動自由に支持されており、もう一方のコンロッド１２９の軸端はカウンターウエイト１３を前記摺動杆２５，２５に摺動可能に嵌装させた摺動部材２８，２８により上下動可能に基盤２３に支持する支持盤１３１に突設した支持軸１３２に回動自由に支持されている。従って、クランク軸１２５を回転させるとシール部１１およびカウンターウエイト１３が互いに常にクランク軸２５を挟んで上下方向の対称位置にあるような状態で上下動する往復動クランク機構を構成している。従って、上下動機構１２によりシール部１１を高速で上下動させたとしても不要な振動を生じることなく安定した状態で稼働させることができる。
【００２５】
特に、本実施の形態は、前記クランク軸１２５におけるクランクピン１２６，１２７とコンロッド１２８とと１２９とがニードルベアリング１３０を介して軸支されているので軸支部にオイルバスを用いなくても高速運転が可能で小型に形成可能である。
【００２６】
更に、本実施の形態では、クランクピン１２６，１２７がそれぞれ分割体１２６ａ，１２６ｂおよび１２７ａ，１２７ｂにより形成してあるので前記ニードルベアリング１３０を有効に実施でき、更に、円滑な上下動をさせることができる。
【００２７】
尚、図面中、符号１３３は支持盤１３１に付設したカウンターウエイト部材であり、このように本実施の形態ではカウンターウエイト１３を複数のカウンターウエイト部材により形成してあるのでシール部１１の重量や上下動の移動速度に合わせて重量を正確に調整できるとともに、内部の点検、保守をしやすくするという利点も有している。
【符号の説明】
【００２８】
１ 横シール装置、２ 充填包装機、５ 折り返し装置、６ 縦シール装置、７ 充填装置、９ 切断装置、１１ シール部、１２ 上下動機構、１３ カウンターウエイト、１２５ クランク軸、１２６，１２７ クランクピン、 １２８，１２９ コンロッド、１３０ ニードルベアリング
【特許請求の範囲】
【請求項１】
長尺で帯状の包装フィルムを連続的に取り出して上方から下方へと移送する過程で、折り返し装置により両縁を折り重ねて縦シール装置により折り重ね部を封じて筒状に形成するとともに横シール装置により包装フィルムを横方向にシールして袋状とし、これに充填装置のノズルを差し込んで被内容物を充填して後、更に前記横シール装置により封着して連続して形成される包装袋を切断装置により個々に切断する充填包装機における横シール装置であって、前記包装フィルムを横方向にシールするシール部を上下方向に往復動させる上下動機構が往復動クランク機構により形成されていることを特徴とする充填包装機における横シール装置。
【請求項２】
前記往復動クランク機構が前記シール部の上方に配置されているとともに、前記往復動クランク機構の上方に往復動前記クランク機構を構成するクランク軸に前記横シール装置へのコンロッドと対称に配置されたもう１つのコンロッドから構成される往復動クランク機構により上下方向に往復動するカウンターウエイトが設置されている請求項１記載の充填包装機における横シール装置。
【請求項３】
前記クランク軸におけるクランクピンとコンロッドとがニードルベアリングを介して軸支されている請求項１または２記載の充填包装機における横シール装置。
【請求項４】
前記クランク軸におけるコンロッドを軸支するクランクピンが分割体により形成されている請求項１，２または３記載の充填包装機における横シール装置。
【請求項５】
前記クランク軸がベアリングにより軸支される複数の支持体により装置に支持されている請求項１，２，３または４記載の充填包装機における横シール装置。
【請求項１】
長尺で帯状の包装フィルムを連続的に取り出して上方から下方へと移送する過程で、折り返し装置により両縁を折り重ねて縦シール装置により折り重ね部を封じて筒状に形成するとともに横シール装置により包装フィルムを横方向にシールして袋状とし、これに充填装置のノズルを差し込んで被内容物を充填して後、更に前記横シール装置により封着して連続して形成される包装袋を切断装置により個々に切断する充填包装機における横シール装置であって、前記包装フィルムを横方向にシールするシール部を上下方向に往復動させる上下動機構が往復動クランク機構により形成されていることを特徴とする充填包装機における横シール装置。
【請求項２】
前記往復動クランク機構が前記シール部の上方に配置されているとともに、前記往復動クランク機構の上方に往復動前記クランク機構を構成するクランク軸に前記横シール装置へのコンロッドと対称に配置されたもう１つのコンロッドから構成される往復動クランク機構により上下方向に往復動するカウンターウエイトが設置されている請求項１記載の充填包装機における横シール装置。
【請求項３】
前記クランク軸におけるクランクピンとコンロッドとがニードルベアリングを介して軸支されている請求項１または２記載の充填包装機における横シール装置。
【請求項４】
前記クランク軸におけるコンロッドを軸支するクランクピンが分割体により形成されている請求項１，２または３記載の充填包装機における横シール装置。
【請求項５】
前記クランク軸がベアリングにより軸支される複数の支持体により装置に支持されている請求項１，２，３または４記載の充填包装機における横シール装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００９−１４３６２９（Ｐ２００９−１４３６２９Ａ）
【公開日】平成２１年７月２日（２００９．７．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−５２８６０（Ｐ２００９−５２８６０）
【出願日】平成２１年３月６日（２００９．３．６）
【分割の表示】特願２００６−４３６１２（Ｐ２００６−４３６１２）の分割
【原出願日】平成１８年２月２１日（２００６．２．２１）
【新規性喪失の例外の表示】特許法第３０条第３項適用申請有り 平成１７年１０月１８日〜２２日 社団法人日本包装機械工業会主催の「２００５日本国際包装機械展（ジャパンパック２００５）」に出品
【出願人】（３９００３７７０７）オーエスマシナリー株式会社 (15)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年７月２日（２００９．７．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年３月６日（２００９．３．６）
【分割の表示】特願２００６−４３６１２（Ｐ２００６−４３６１２）の分割
【原出願日】平成１８年２月２１日（２００６．２．２１）
【新規性喪失の例外の表示】特許法第３０条第３項適用申請有り 平成１７年１０月１８日〜２２日 社団法人日本包装機械工業会主催の「２００５日本国際包装機械展（ジャパンパック２００５）」に出品
【出願人】（３９００３７７０７）オーエスマシナリー株式会社 (15)
【Ｆターム（参考）】
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