説明

充填装置および充填方法

【課題】部品交換あるいは煩雑な調整作業を伴わずに外径が異なる複数種類の容器に充填物を充填することが可能な充填装置および充填方法を提供する。
【解決手段】充填装置100に、一対の第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rと、第一ベルト49Lを回転駆動する第一モータ46Lと、第二ベルト49Rを回転駆動する第二モータ46Rと、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を挟持搬送位置または離間位置のいずれかに変更するベルト位置変更機構60と、容器1が所定の検出位置に到達したことを検出する位置検出センサ70と、把持位置に到達した容器1を把持し、容器1を周方向に回転させ、かつ容器1を上下方向に昇降させる把持回転装置80と、所定量の充填物を把持回転装置80により把持された状態で回転する容器1に注入する充填物注入装置20と、を具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に充填物を充填する充填装置および充填方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器に充填物を充填する充填装置としては、液体等のある程度の流動性を有する充填物を貯留する貯留タンクと、当該貯留タンクと連通する第一の経路を通じて当該貯留タンクから所定量の充填物を取り出すとともに第二の経路に向けて圧送するピストンポンプと、当該第二の経路に接続されてピストンポンプにより圧送される充填物を吐出するノズルと、を具備する装置が知られている。
上記充填装置は、ノズルを容器の内部に挿入した状態で当該ノズルの先端部から充填物を吐出することにより、容器に充填物を充填する。
【0003】
また、ベルトコンベア等の搬送装置により搬送される複数の容器に順次充填物を充填する装置も知られている。例えば、特許文献1から特許文献4に記載の如くである。
【0004】
すなわち、特許文献1に記載の充填装置は、ベルトコンベアの幅方向に所定の間隔を空けてガイド部材を配置し、当該所定の間隔と略同じ幅を有するとともに当該ベルトコンベアに沿って搬送される保持カップを複数個用意し、容器が嵌装された保持カップをベルトコンベアに沿って搬送し、ベルトコンベアの中途部に設けられた充填機の下方に搬送されてきた容器に充填物を充填するものである。
【0005】
特許文献2に記載の充填装置は、樹脂製のチューブに充填物(内容物)を充填する装置であり、回転駆動されるベルトコンベアの外周面に複数の搬送治具が取り付けられた搬送装置と、搬送治具に樹脂製のチューブを嵌装するチューブ供給装置と、搬送治具に嵌装された樹脂製チューブの向きを修正する位置決め装置と、搬送治具に嵌装された樹脂製チューブに充填物を充填する充填機と、充填物が充填された樹脂製チューブの開口部をシールするシール装置と、開口部がシールされた樹脂製チューブを排出する排出装置(排出シュート)と、を具備する。
【0006】
特許文献3に記載の充填装置は、一対のアームを有する把持具が上側の盤面に等間隔に複数個配置された回転テーブルと、回転テーブルの回転方向に並んで回転テーブルの盤面の上方に配置される供給コンベア、充填機、蓋締め機および排出コンベアと、を具備し、(1)供給コンベアにより搬送されてきた容器を把持具で把持し、(2)回転テーブルを所定の回転角度だけ回転させて把持具により把持された容器を充填機の下方に移動させ、(3)充填機により容器に充填物を充填し、(4)回転テーブルを所定の回転角度だけ回転させて充填物が充填された容器を蓋締め機の下方に移動させ、(5)蓋締め機により容器の蓋締めを行い、(6)回転テーブルを所定の回転角度だけ回転させて蓋締めが行われた容器を排出コンベアの上流端の上方に移動させ、(7)把持具が蓋締めが行われた容器の把持を解除することにより蓋締めが行われた容器を排出コンベアに載置する、という一連の動作を行うことにより充填物を容器に充填する。
【0007】
特許文献4に記載の充填装置は、互いに逆向きの螺旋溝が外周面に形成された一対のウォームコンベアを所定の間隔を空けて配置し、容器の外周面が当該一対のウォームコンベアに形成される螺旋溝に係合した状態で当該一対のウォームコンベアを回転駆動することにより、容器を充填機の下方まで搬送し、充填物を充填するものである。
【0008】
しかし、上記特許文献1から特許文献4に記載の充填装置はいずれも、取り扱う容器の形状(特に外径)が変化した場合に多数の部品を交換しなければならない、あるいは、装置の調整が煩雑である、という問題を有する。
【0009】
特許文献1に記載の充填装置の場合、容器を嵌装する孔の形状が異なる多数の保持カップを別途製造しなければならない。
特許文献2に記載の充填装置の場合、樹脂製チューブを嵌装する孔の形状が異なる多数の搬送治具を別途製造し、搬送装置のベルトコンベアに元々取り付けられている搬送治具を取り外し、新たに製造された搬送治具を取り付けるという一連の作業を要する。
特許文献3に記載の充填装置の場合、容器を把持する把持具を構成する一対のアームの先端部分(容器に当接する部分)を交換したり、一対のアーム自体を交換したり、あるいは一対のアームの開閉角度や回転テーブルへの取り付け位置を調整したりする、といった作業を要する。
特許文献4に記載の充填装置の場合、一対のウォームコンベアを別途製造し、元の一対のウォームコンベアと交換するとともに、交換された一対のウォームコンベアの間隔を調整しなければならない。特に、一対のウォームコンベアに形成される螺旋溝の三次元形状は複雑であり、容器の外周面に当接しつつ回転する際に容器の外周面に疵を付けないために特殊な材料で構成するとともに高い寸法精度と表面仕上げが要求されることから、一対のウォームコンベアの製造コスト(材料コストおよび螺旋溝の加工コスト)が非常に大きい。
【0010】
上記問題は、充填装置により充填物を容器に充填する際にノズルを容器に挿入する必要があり、その前提として、搬送される容器を所定の位置(ノズルを容器に挿入可能な位置)に精度良く停止させる(位置決めする)必要があることに起因して発生する。
【0011】
取り扱う容器の形状(特に外径)が変化した場合に交換する部品の点数が多くなることは部品の製造コストの増大および部品交換に伴う作業工数の増大を意味する。
また、取り扱う容器の形状(特に外径)が変化した場合に装置の調整が煩雑であることは調整に伴う作業工数の増大を意味する。
これらの部品コストの増大および作業工数の増大は、特に少量多品種生産を行う場合に大きな負担となり、ひいては製品の製造コストが増大する。
【0012】
また、上記特許文献1から特許文献4に記載の充填装置はいずれも、容器に充填される充填物が「比較的粘性が高い充填物」である場合には適用することが困難であるという問題を有する。
【0013】
比較的粘性が高い充填物を単に容器の開口部に挿入されたノズルの先端から吐出することにより容器に充填した場合、容器の内周面と充填物との隙間に気泡が残留したり、あるいは充填物に気泡が巻き込まれる。
容器に充填された充填物と気泡とが接触した状態が保持されることは、充填物の性状によっては充填物の品質を低下させる場合があり、充填物の実質的な体積(嵩密度)が変化するという観点からも好ましくない。
また、比較的粘性が高い充填物を容器の容量の上限値近傍まで充填する場合、充填物が容器の開口部よりも上方まで隆起した状態となり、容器を密封する(容器の蓋を締める)ときに充填物が容器の蓋あるいは容器の外周面に付着するという問題がある。
【0014】
上記問題を解消する方法としては、容器を把持する部材を回転(自転)させ、当該部材とともに回転している容器の回転軸とノズルとが一直線となるように当該ノズルを容器に挿入し、ノズルの先端から充填物を吐出する方法が知られている。
例えば、特許文献5の6頁に記載の如くである。
【0015】
しかし、特許文献1に記載の充填装置の場合、容器が嵌装された保持カップを搬送するベルトコンベアに干渉しない形で「容器を把持する部材を回転(自転)させる機構」を設けなければならない。
従って、特許文献1に記載の充填装置に容器を把持する部材を回転(自転)させる機構をそのまま適用することは実質的に不可能である。
【0016】
また、特許文献2に記載の充填装置の場合、複数の搬送治具と同数の「容器を把持する部材を回転(自転)させる機構」を各搬送治具に対応して取り付けなければならず、当該機構が動作するための電力あるいは圧縮空気の供給等も考慮すると装置が複雑化するとともに大型化する。
従って、特許文献2に記載の充填装置に容器を把持する部材を回転(自転)させる機構をそのまま適用することは実質的に不可能である。
【0017】
また、特許文献3に記載の充填装置の場合、複数の把持具と同数の「容器を把持する部材を回転(自転)させる機構」を各把持具に対応して取り付けなければならず、当該機構が動作するための電力あるいは圧縮空気の供給等も考慮すると装置が複雑化するとともに大型化する。
従って、特許文献3に記載の充填装置に容器を把持する部材を回転(自転)させる機構をそのまま適用することは実質的に不可能である。
【0018】
また、特許文献4に記載の充填装置の場合、「容器を把持する部材を回転(自転)させる機構」で容器を把持し、回転させるときには一対のウォームコンベアを容器から退避させて容器が螺旋溝に係合した状態を解除しなければならず、回転終了後に一対のウォームコンベアを容器に接近させて再度容器が螺旋溝に係合した状態としなければならず、装置が複雑化する。
従って、特許文献4に記載の充填装置に容器を把持する部材を回転(自転)させる機構をそのまま適用することは実質的に不可能である。
【特許文献1】実開平5−16700号公報
【特許文献2】特許第3686051号公報
【特許文献3】特開2007−153378号公報
【特許文献4】特公昭54−19835号公報
【特許文献5】特公平6−29046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、部品交換あるいは煩雑な調整作業を伴わずに外径が異なる複数種類の容器に充填物を充填することが可能な充填装置および充填方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0021】
すなわち、請求項1においては、
周面および下面を有するとともに上面に開口部が形成された容器に充填物を充填する充填装置であって、
外周面の一部が互いに対向する一対の無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記容器の周面に当接することにより前記第一ベルトおよび前記第二ベルトが前記容器を挟持しつつ所定の搬送方向に搬送することが可能な位置である挟持搬送位置、または、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記容器の周面から離間した位置である離間位置、のいずれかに変更するベルト位置変更機構と、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された容器が所定の検出位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された状態で搬送されることにより前記検出位置よりも前記搬送方向における下流側に設定される所定の把持位置に到達した前記容器を把持し、前記容器を前記容器の周方向に回転させ、かつ前記容器を上下方向に昇降させる把持回転装置と、
所定量の前記充填物を前記把持回転装置により把持された状態で周方向に回転する容器に注入する充填物注入装置と、
を具備するものである。
【0022】
請求項2においては、
前記容器が前記検出位置に到達したことを示す前記位置検出センサからの信号および予め設定された前記容器の外径に基づいて、前記第一モータ、前記第二モータ、前記ベルト位置変更機構、前記把持回転装置および前記充填物注入装置の動作を制御する制御装置を具備し、
前記制御装置は、
前記容器が前記検出位置に到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは、
前記ベルト位置変更機構に前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記挟持搬送位置で保持させつつ、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分がともに前記搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、
前記容器が前記検出位置に到達したことを前記位置検出センサが検出したときには、
予め設定された前記容器の外径に基づいて算出された前記検出位置から前記把持位置までの距離だけ前記容器を前記搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、
前記容器が前記把持位置に到達したときには、
前記第一モータおよび前記第二モータの回転駆動を停止させ、前記把持回転装置に前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された前記容器を把持させ、前記ベルト位置変更機構に前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記離間位置に変更させ、前記把持回転装置に前記容器を前記容器の周方向に回転させ、前記充填物注入装置に前記把持回転装置により把持された状態で周方向に回転する容器に所定量の前記充填物を注入させ、
前記容器に所定量の前記充填物が注入されたときには、
前記把持回転装置に前記容器の周方向の回転を停止させ、前記ベルト位置変更機構に前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記挟持搬送位置に変更させることにより前記第一ベルトおよび前記第二ベルトに前記容器を挟持させ、前記把持回転装置に前記容器の把持を解除させ、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分がともに前記搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0023】
請求項3においては、
前記制御装置は、
前記充填物注入装置により前記容器に注入される充填物の量に応じて前記把持回転装置に前記容器を下降させるものである。
【0024】
請求項4においては、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構を具備するものである。
【0025】
請求項5においては、
前記第一ベルトの上下方向の位置を調整する第一昇降機構と、
前記第二ベルトの上下方向の位置を調整する第二昇降機構と、
を具備するものである。
【0026】
請求項6においては、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトが前記離間位置にあるとき、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分のうち前記搬送方向における上流側の間隔が前記容器の搬送幅よりも小さいものである。
【0027】
請求項7においては、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトよりも前記搬送方向における上流側に配置され、前記容器が前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持可能な位置に進入することを規制することが可能なストッパ機構を具備するものである。
【0028】
請求項8においては、
前記第一モータが前記第一ベルトおよび前記第二ベルトを回転駆動することにより、前記第二モータを省略したものである。
【0029】
請求項9においては、
外周面の一部が互いに対向する一対の無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が周面および下面を有するとともに上面に開口部が形成された容器の周面に当接することにより前記第一ベルトおよび前記第二ベルトが前記容器を挟持しつつ所定の搬送方向に搬送することが可能な位置である挟持搬送位置、または、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記容器の周面から離間した位置である離間位置、のいずれかに変更するベルト位置変更機構と、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された容器が所定の検出位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された状態で搬送されることにより前記検出位置よりも前記搬送方向における下流側に設定される所定の把持位置に到達した前記容器を把持し、前記容器を前記容器の周方向に回転させ、かつ前記容器を上下方向に昇降させる把持回転装置と、
所定量の前記充填物を前記把持回転装置により把持された状態で周方向に回転する容器に注入する充填物注入装置と、
を具備する充填装置を用いた充填方法であって、
前記位置検出センサにより前記容器が検出されるまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分がともに所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させることにより、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された前記容器を前記検出位置に搬送する第一搬送工程と、
予め設定された前記容器の外径に基づいて算出された検出位置から把持位置までの距離だけ前記容器を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させることにより、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された前記容器を前記把持位置に搬送する第二搬送工程と、
前記把持回転装置が前記把持位置に到達した容器を把持する把持工程と、
前記ベルト位置変更機構が前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記離間位置に変更するベルト離間工程と、
前記把持回転装置が前記容器を前記容器の周方向に回転させるとともに、前記充填物注入装置が前記把持回転装置により周方向に回転されている容器に所定量の前記充填物を注入する回転・注入工程と、
前記ベルト位置変更機構が前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記挟持搬送位置に変更し、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトが前記把持回転装置により把持された容器を挟持するベルト挟持工程と、
前記把持回転装置が前記容器を把持した状態を解除する把持解除工程と、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分がともに搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させることにより、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された容器を搬送方向に搬送する第三搬送工程と、
を具備するものである。
【0030】
請求項10においては、
前記回転・注入工程において、
前記把持回転装置は前記充填物注入装置により注入される充填物の量に応じて前記容器を下降させるものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、部品交換あるいは煩雑な調整作業を伴わずに外径が異なる複数種類の容器に充填物を充填することが可能である、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下では、図1から図6、および図18を用いて本発明に係る充填装置の実施の一形態である充填装置100について説明する。
図1に示す充填装置100は容器1に充填物を充填する装置である。
図18に示す容器1は本発明に係る容器の実施の一形態であり、容器1は樹脂材料により一体成形された物品(樹脂成形品)である。容器1の外形は略円柱形状を成し、周面1aおよび下面1bを有する。また、容器1の上面には開口部1cが形成される。容器1の内部には充填物を収容するための空間が形成され、容器1の内部と容器1の外部とは開口部1cにより連通される。
【0033】
「容器の周面」は容器が地面等に載置される通常の姿勢における容器の側面を指す。
「容器の側面」は、例えば容器の形状が立方体であれば立方体の前面(正面)、後面(背面)、左側面および右側面を合わせたものを指し、円柱形状の容器の一対の端面の一方を底面(下面)として地面等に載置した場合には当該一対の端面に隣接する曲面を指す。
「容器の上面」は容器が地面等に載置される通常の姿勢における容器の上側の面を指す。
【0034】
本発明に係る容器は本実施形態の容器1に限定されない。すなわち、本発明に係る容器には、ある程度(一対のベルトで挟持したときに大きく変形しない程度)の定形性を有し、少なくとも周面および下面を有する形状、換言すれば載置した状態で周方向の回転が可能な形状の容器が広く含まれる。
「周方向の回転」は容器が地面等に載置される通常の姿勢において上下方向に延びた軸を中心とする回転を指す。
容器の周面の断面形状(容器の平面視形状)は本実施形態の容器1の如き円形に限定されず、回転対称かつ比較的等方的な形状を広く含む。
「比較的等方的な形状」は、容器の外径が物品の回転位相によって大きく変動しない形状を含む。比較的等方的な形状の例としては、長軸と短軸との長さの差が小さく比較的円形に近い楕円形、正多角形、同形状の突起が周方向に均等に配置されている形状(例えば、歯車の如き形状)等が挙げられる。
なお、容器の周面の断面形状が三角形や四角形等、比較的辺の数が少ない多角形である場合には、角を丸めた形状とするか、あるいは辺を外側に向かって湾曲させた形状とすることが望ましい。
【0035】
本発明に係る容器を構成する材料は容器1の如き樹脂材料に限定されず、例えば金属材料、セラミックス、ガラス、木材等でも良い。
【0036】
「充填物」はある程度の流動性を有する物質を広く含む。充填物は通常、液体(複数種類の液体の混合物を含む)、固体(複数種類の固体の混合物を含む)、あるいは液体と固体との混合物からなる。
充填物の具体例としては、樹脂、エラストマー、ゴム、粘土、硬化前のセメント、バター、マーガリン、パン生地、餅、水飴、薬用のハンドクリーム等が挙げられる。
本発明に係る充填装置は、特に「比較的粘性が高い充填物」を容器に充填する用途に好適である。
ここで「比較的粘性が高い充填物」は、静置された容器に充填された場合に自重で上面が平滑にならない(隆起した状態が保持される)程度の粘性を有する充填物、あるいは、静置された容器に充填された場合に自重で上面が平滑になるまでにある程度の時間(自重で液面が平滑になるまで待つことが工業的に好ましくない程度に長い時間)を要する程度の粘性を有する充填物を指す。
なお、「充填物の上面」は、充填物が液体からなる場合、液面を指す。
【0037】
図1、図2、図3および図4に示す如く、充填装置100は主としてフレーム10、充填物注入装置20、上流側搬送装置30a、第一挟持搬送装置40L、第二挟持搬送装置40R、ベルト間隔調整機構50、ベルト位置変更機構60、位置検出センサ70、把持回転装置80、下流側搬送装置30bおよび制御ユニット95を具備する。
【0038】
なお、以下では便宜上、上流側搬送装置30a、下流側搬送装置30b、第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rにより容器1が搬送される方向(水平面に平行な所定の方向)を「搬送方向」、搬送方向の上流側から下流側へと向かう方向を「前方」、搬送方向の下流側から上流側へと向かう方向を「後方」、重力が作用する方向を「下方」、重力が作用する方向の逆方向を「上方」、平面視で(上方から見て)前方に対して反時計回りに90°回転した方向を「左方」、平面視で(上方から見て)前方に対して時計回りに90°回転した方向を「右方」と定義し、これらの方向を用いて説明を行う。
【0039】
以下では、フレーム10について説明する。
フレーム10は充填装置100の主たる構造体を成す部材であり、充填装置100を構成する他の部材がフレーム10に取り付けられる。
図1に示す如く、フレーム10はメインフレーム11、上部サブフレーム12および下部サブフレーム13を具備する。
【0040】
メインフレーム11は後述する制御ユニット95の制御装置95a、および充填装置100を構成する各部材のうち電力を要するもの(電気機器)に電力を供給する電源盤(不図示)を収容する箱状の構造体である。
【0041】
上部サブフレーム12は充填物注入装置20を構成する各部材が取り付けられる、あるいは収容される箱状の構造体であり、メインフレーム11の上面に固定される。
【0042】
下部サブフレーム13は上流側搬送装置30a、下流側搬送装置30b、第一挟持搬送装置40L、第二挟持搬送装置40R、ベルト位置変更機構60および把持回転装置80が取り付けられる構造体である。
図1および図3に示す如く、下部サブフレーム13は棒状の部材を略直方体形状に組んだ構造を成し、メインフレーム11の右面下半部に固定される。
【0043】
以下では、充填物注入装置20について説明する。
充填物注入装置20は本発明に係る充填物注入装置の実施の一形態であり、所定量の充填物を容器1に注入するものである。
図1、図2および図3に示す如く、充填物注入装置20は主としてホッパ21、三方弁22、三方弁駆動シリンダ23、充填物計量・圧送シリンダ24、シリンダ駆動モータ25、ボールネジ機構26およびノズル27を具備する。
【0044】
ホッパ21は充填物を貯留する容器である。ホッパ21は頂点が下方を向いた略円錐形状を成し、ホッパ21の上面にはホッパ21の内部に充填物を収容するための開口部が形成される。
【0045】
三方弁22は第一のポート、第二のポートおよび第三のポートを有する切替弁であり、上部サブフレーム12の前面右端部に取り付けられる。
三方弁22は内部の弁体が回動することにより(a)第一のポートと第二のポートとが連通されるとともに第三のポートが閉塞される状態、または(b)第二のポートと第三のポートとが連通されるとともに第一のポートが閉塞される状態のいずれかの状態に切り替わる。三方弁22の第一のポートはホッパ21の下端部に接続される。
【0046】
三方弁駆動シリンダ23は三方弁22の弁体を回動させるための空圧式アクチュエータである。
図3および図4に示す如く、三方弁駆動シリンダ23はシリンダ本体23a、シリンダロッド23bおよび切替弁23cを具備する。三方弁駆動シリンダ23は上部サブフレーム12の内部に収容される。
【0047】
シリンダ本体23aは略円筒形状の部材であり、シリンダ本体23aの基端部は上部サブフレーム12に回動可能に枢着される。
【0048】
シリンダロッド23bは一端にピストンが形成された棒状の部材であり、シリンダロッド24bの一端はシリンダ本体23aに挿入される。シリンダロッド23bの一端に形成されたピストンはシリンダ本体23aの内周面に気密的かつ摺動可能に当接する。シリンダロッド23bの他端は三方弁22の弁体に固定されたアームに回動可能に枢着される。
【0049】
切替弁23cは三方弁駆動シリンダ23の動作を切り替えるための電磁弁である。
切替弁23cは(A)シリンダ本体23aの内部空間において基端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態、または(B)シリンダ本体23aの内部空間において先端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態のいずれかの状態を切り替えることが可能である。
【0050】
充填物計量・圧送シリンダ24はホッパ21に貯留された充填物から充填物を取り出し、所定量の充填物をノズル27に向かって圧送するシリンダである。
充填物計量・圧送シリンダ24はシリンダ本体24aおよびシリンダロッド24bを具備する。
【0051】
シリンダ本体24aは略円筒形状の部材であり、上部サブフレーム12の前面に固定される。シリンダ本体24aの一端(右端部)は三方弁22の第二のポートに接続される。
シリンダロッド24bは一端(右端部)にピストンが形成された棒状の部材であり、シリンダロッド24bの一端はシリンダ本体24aに挿入される。シリンダロッド24bの一端(右端部)に形成されたピストンは、シリンダ本体24aの内周面に液密的かつ摺動可能に当接する。
【0052】
シリンダ駆動モータ25は充填物計量・圧送シリンダ24を動作させる(シリンダロッド24bを摺動させる)ための駆動源である。シリンダ駆動モータ25はその回転量(回転角度)を制御することが可能な電気式のモータ(本実施形態では、サーボモータ)からなり、上部サブフレーム12の内部に収容される。
【0053】
ボールネジ機構26はボールネジ26aおよびブロック26bを具備する。
ボールネジ26aは上部サブフレーム12の内部に収容され、ボールネジ26aの両端は上部サブフレーム12に回転可能に軸支される。ボールネジ26aの一端にはシリンダ駆動モータ25の回転軸が相対回転不能に固定される。
ブロック26bはボールネジ26aに螺合する塊状の部材であり、その一部が上部サブフレーム12の前面に形成された溝12aを通じて上部サブフレーム12の外部に突出している。ブロック26bはシリンダロッド24bの他端(左端部)に固定される。
【0054】
ノズル27は充填物計量・圧送シリンダ24により圧送される充填物を吐出する細長い筒状の部材である。
ノズル27の基端部は三方弁22の下面に固定され、三方弁22の第三のポートに接続される。ノズル27の先端部は三方弁22の下方を向いている。
【0055】
切替弁23cが(A)シリンダ本体23aの内部空間において基端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に保持されているときには、圧縮空気の作用により三方弁駆動シリンダ23が伸長し(シリンダロッド23bがシリンダ本体23aから突出し)、三方弁22の内部の弁体が回動して(a)第一のポートと第二のポートとが連通されるとともに第三のポートが閉塞される状態となる。その結果、三方弁22を介してホッパ21と充填物計量・圧送シリンダ24とが連通する。
次に、三方弁22が(a)第一のポートと第二のポートとが連通されるとともに第三のポートが閉塞される状態に保持されているときにシリンダ駆動モータ25に通電してシリンダロッド24bを左方向(シリンダ本体24aから突出する方向)に摺動させると、ホッパ21に貯留された充填物が三方弁22を通ってシリンダ本体24aに収容される。
【0056】
続いて、切替弁23cが(B)シリンダ本体23aの内部空間において先端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に切り替わると、圧縮空気の作用により三方弁駆動シリンダ23が収縮し(シリンダロッド23bがシリンダ本体23aに没入し)、三方弁22の内部の弁体が回動して(b)第二のポートと第三のポートとが連通されるとともに第一のポートが閉塞される状態となる。その結果、三方弁22を介して充填物計量・圧送シリンダ24とノズル27とが連通する。
続いて、三方弁22が(b)第二のポートと第三のポートとが連通されるとともに第一のポートが閉塞される状態に保持されているときにシリンダ駆動モータ25に通電してシリンダロッド24bを右方向(シリンダ本体24aに没入する方向)に摺動させると、シリンダ本体24aに収容された充填物が三方弁22を通ってノズル27に向かって圧送され、ノズル27の先端部から吐出される。
なお、シリンダ駆動モータ25の回転量(回転角度)を制御することにより、ノズル27の先端部から所定量の充填物を吐出することが可能である(ノズル27の先端部から吐出される充填物の量を精度良く制御することが可能である)。
【0057】
以下では、上流側搬送装置30aについて説明する。
上流側搬送装置30aは容器1を所定の搬送方向に搬送して第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rに受け渡すものである。
図1に示す如く、上流側搬送装置30aは主として上流側搬送フレーム31a、上流側搬送モータ32a、駆動ローラ33a、従動ローラ34a・35a・36a・37a、上流側搬送ベルト38a、電源スイッチ39aを具備する。
【0058】
上流側搬送フレーム31aは上流側搬送装置30aの主たる構造体を成す部材であり、下部サブフレーム13の後方に配置される。
上流側搬送装置30aを構成する他の部材は上流側搬送フレーム31aに取り付けられる。
【0059】
上流側搬送モータ32aは上流側搬送装置30aの駆動源であり、電気式のモータからなる。上流側搬送モータ32aは上流側搬送フレーム31aの前後略中央部に固定される。
【0060】
駆動ローラ33aは略円柱形状の部材であり、駆動ローラ33aの両端部は上流側搬送フレーム31aの前後略中央部に回転可能に軸支される。駆動ローラ33aの一端は上流側搬送モータ32aの回転軸に相対回転不能に固定される。
【0061】
従動ローラ34a・35a・36a・37aは略円柱形状の部材である。従動ローラ34aの両端部は上流側搬送フレーム31aの後端部に回転可能に軸支される。従動ローラ35aの両端部は上流側搬送フレーム31aの後半部に回転可能に軸支される。従動ローラ36aの両端部は上流側搬送フレーム31aの前半部に回転可能に軸支される。従動ローラ37aの両端部は上流側搬送フレーム31aの前端部に回転可能に軸支される。
【0062】
上流側搬送ベルト38aは駆動ローラ33aおよび従動ローラ34a・35a・36a・37aに巻回される無端状のベルトである。
【0063】
電源スイッチ39aは上流側搬送モータ32aのオン・オフ(上流側搬送モータ32aへの通電およびその停止)を行うためのスイッチである。
【0064】
作業者が電源スイッチ39aを押して上流側搬送モータ32aに通電すると駆動ローラ33aが回転し、上流側搬送ベルト38aが駆動ローラ33a、従動ローラ35a、従動ローラ34a、従動ローラ37a、従動ローラ36a、駆動ローラ33a・・・に順に当接しつつ回転(移動)する。
従って、上流側搬送ベルト38aのうち従動ローラ34aおよび従動ローラ37aの間に張られている部分に載置された容器1は、上流側搬送ベルト38aの回転(移動)に伴って搬送方向(前方)に搬送される。
【0065】
以下では、第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rについて説明する。
第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rは上流側搬送装置30aから受け取った容器1を挟持するとともに搬送方向に搬送するものである。
【0066】
図2、図3、図4および図5に示す如く、第一挟持搬送装置40Lは主として第一ローラフレーム41L、第一回動軸42L、第一スライドフレーム43L、第一昇降フレーム44L、第一昇降機構45L、第一モータ46L、第一駆動プーリ47L、第一従動プーリ48L、第一ベルト49Lおよび第一ガイド部材66Lを具備する。
【0067】
第一ローラフレーム41Lは第一挟持搬送装置40Lの主たる構造体を成す部材であり、第一挟持搬送装置40Lを構成する他の部材が第一ローラフレーム41Lに取り付けられる。
【0068】
第一回動軸42Lは略円柱形状の部材である。図3に示す如く、第一回動軸42Lの上端部は第一ローラフレーム41Lの下面に固定され、第一回動軸42Lの中途部は下部サブフレーム13に回動可能かつ上下方向に移動不能に支持される。
従って、第一ローラフレーム41Lは、第一回動軸42Lを中心として水平面(前後方向および左右方向に対して平行な面)に沿って回動することが可能である。
【0069】
第一スライドフレーム43Lは第一ローラフレーム41Lと同様に第一挟持搬送装置40Lの主たる構造体を成す部材である。
図3および図5に示す如く、第一スライドフレーム43Lはベルト間隔調整機構50を介して第一ローラフレーム41Lに左右方向に摺動可能に支持される。
【0070】
第一昇降フレーム44Lは第一ローラフレーム41Lと同様に第一挟持搬送装置40Lの主たる構造体を成す部材である。
図3に示す如く、第一昇降フレーム44Lは第一昇降機構45Lを介して第一スライドフレーム43Lに昇降可能に(上下方向に摺動可能に)支持される。
【0071】
第一昇降機構45Lは本発明に係る第一昇降機構の実施の一形態であり、第一昇降フレーム44Lを第一スライドフレーム43Lに対して昇降させるものである。
本実施形態の第一昇降機構45Lは外周面にネジが形成された棒状の部材の上端部にハンドルを取り付けたものであり、第一昇降機構45Lを構成する棒状の部材の下端部は第一スライドフレーム43Lに螺合する。
また、第一昇降機構45Lを構成する棒状の部材の上端部は第一昇降フレーム44Lに回転可能に軸支されるとともに第一昇降フレーム44Lの上方に突出し、第一昇降機構45Lを構成するハンドルは第一昇降フレーム44Lの上方に配置される。
作業者が第一昇降機構45Lを構成するハンドルを手で持って回転させることにより、第一昇降フレーム44Lが第一スライドフレーム43Lに対して昇降する(図3参照)。
その結果、後述する第一ベルト49Lの上下方向の位置を調整することが可能である。
【0072】
第一モータ46Lは本発明に係る第一モータの実施の一形態であり、後述する第一ベルト49Lの駆動源である。
第一モータ46Lはその回転量(回転角度)および回転速度を制御することが可能な電気式のモータ(本実施形態では、サーボモータ)からなる。
図5に示す如く、第一モータ46Lは第一昇降フレーム44Lの前部(搬送方向の下流側)に固定される。
【0073】
図4および図5に示す如く、第一駆動プーリ47Lは略円盤形状の部材であり、第一モータ46Lの回転軸に相対回転不能に固定される。
【0074】
図3、図4および図5に示す如く、第一従動プーリ48Lは略円盤形状の部材であり、第一昇降フレーム44Lの上面の後部(搬送方向の上流側)に回転可能に軸支される。
【0075】
図3、図4および図5に示す第一ベルト49Lは本発明に係る第一ベルトの実施の一形態であり、第一駆動プーリ47Lおよび第一従動プーリ48Lに巻回される無端ベルト(リング状のベルト)である。
第一ベルト49Lの外周部(第一ベルト49Lの外周面近傍の部分)は発泡性樹脂(ポリウレタン)からなり、第一ベルト49Lは厚さ方向に(第一ベルト49Lの外周面から内周面に向かって)弾性変形することが可能である。
第一ベルト49Lの内周部(第一ベルト49Lの内周面近傍の部分)はスチールワイヤが内包されたゴムからなり、第一ベルト49Lの長手方向、すなわち張力が作用する方向の変形(延び)が抑制される。
【0076】
図5に示す如く、第一ガイド部材66Lは細長い板状の部材であり、第一昇降フレーム44Lの上面に固定される。第一ガイド部材66Lは第一挟持搬送装置40Lの第一ベルト49Lのうち第一駆動プーリ47Lおよび第一従動プーリ48Lの右側に張られている部分の内周面に当接し、当該部分が左方向に湾曲する(左方向に凸となるように膨出する)ことを規制する。
【0077】
第一モータ46Lに通電すると第一駆動プーリ47Lが回転し、第一ベルト49Lは第一駆動プーリ47Lおよび第一従動プーリ48Lに当接しつつ回転(移動)する。
【0078】
図1、図2、図3、図4および図5に示す如く、第二挟持搬送装置40Rは主として第二ローラフレーム41R、第二回動軸42R、第二スライドフレーム43R、第二昇降フレーム44R、第二昇降機構45R、第二モータ46R、第二駆動プーリ47R、第二従動プーリ48R、第二ベルト49Rおよび第二ガイド部材66Rを具備する。
なお、本実施形態では第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rは基本的には互いに左右対称な形状を有する。
【0079】
第二ローラフレーム41Rは第二挟持搬送装置40Rの主たる構造体を成す部材であり、第二挟持搬送装置40Rを構成する他の部材が第二ローラフレーム41Rに取り付けられる。
【0080】
第二回動軸42Rは略円柱形状の部材である。図3に示す如く、第二回動軸42Rの上端部は第二ローラフレーム41Rの下面に固定され、第二回動軸42Rの中途部は下部サブフレーム13に回動可能かつ上下方向に移動不能に支持される。
従って、第二ローラフレーム41Rは、第二回動軸42Rを中心として水平面に沿って回動することが可能である。
【0081】
第二スライドフレーム43Rは第二ローラフレーム41Rと同様に第二挟持搬送装置40Rの主たる構造体を成す部材である。
図3および図5に示す如く、第二スライドフレーム43Rはベルト間隔調整機構50を介して第二ローラフレーム41Rに左右方向に摺動可能に支持される。
【0082】
第二昇降フレーム44Rは第二ローラフレーム41Rと同様に第二挟持搬送装置40Rの主たる構造体を成す部材である。
図3に示す如く、第二昇降フレーム44Rは第二昇降機構45Rを介して第二スライドフレーム43Rに昇降可能に(上下方向に摺動可能に)支持される。
【0083】
第二昇降機構45Rは本発明に係る第二昇降機構の実施の一形態であり、第二昇降フレーム44Rを第二スライドフレーム43Rに対して昇降させるものである。
本実施形態の第二昇降機構45Rは外周面にネジが形成された棒状の部材の上端部にハンドルを取り付けたものであり、第二昇降機構45Rを構成する棒状の部材の下端部は第二スライドフレーム43Rに螺合する。
また、第二昇降機構45Rを構成する棒状の部材の上端部は第二昇降フレーム44Rに回転可能に軸支されるとともに第二昇降フレーム44Rの上方に突出し、第二昇降機構45Rを構成するハンドルは第二昇降フレーム44Rの上方に配置される。
作業者が第二昇降機構45Rを構成するハンドルを手で持って回転させることにより、第二昇降フレーム44Rが第二スライドフレーム43Rに対して昇降する(図3参照)。
その結果、後述する第二ベルト49Rの上下方向の位置を調整することが可能である。
【0084】
第二モータ46Rは本発明に係る第二モータの実施の一形態であり、後述する第二ベルト49Rの駆動源である。
第二モータ46Rはその回転量(回転角度)を制御することが可能な電気式のモータ(本実施形態では、サーボモータ)からなる。
図1および図5に示す如く、第二モータ46Rは第二昇降フレーム44Rの前部(搬送方向の下流側)に固定される。
【0085】
図4および図5に示す如く、第二駆動プーリ47Rは略円盤形状の部材であり、第二モータ46Rの回転軸に相対回転不能に固定される。
【0086】
図3、図4および図5に示す如く、第二従動プーリ48Rは略円盤形状の部材であり、第二昇降フレーム44Rの上面の後部(搬送方向の上流側)に回転可能に軸支される。
【0087】
図3、図4および図5に示す第二ベルト49Rは本発明に係る第二ベルトの実施の一形態であり、第二駆動プーリ47Rおよび第二従動プーリ48Rに巻回される無端ベルト(リング状のベルト)である。
第二ベルト49Rの外周部(第二ベルト49Rの外周面近傍の部分)は発泡性樹脂(ポリウレタン)からなり、第二ベルト49Rは厚さ方向に(第二ベルト49Rの外周面から内周面に向かって)弾性変形することが可能である。
第二ベルト49Rの内周部(第二ベルト49Rの内周面近傍の部分)はスチールワイヤが内包されたゴムからなり、第二ベルト49Rの長手方向、すなわち張力が作用する方向の変形(延び)が抑制される。
【0088】
図5に示す如く、第二ガイド部材66Rは細長い板状の部材であり、第二昇降フレーム44Rの上面に固定される。第二ガイド部材66Rは第二挟持搬送装置40Rの第二ベルト49Rのうち第二駆動プーリ47Rおよび第二従動プーリ48Rの左側に張られている部分の内周面に当接し、当該部分が右方向に湾曲する(右方向に凸となるように膨出する)ことを規制する。
【0089】
第二モータ46Rに通電すると第二駆動プーリ47Rが回転し、第二ベルト49Rは第二駆動プーリ47Rおよび第二従動プーリ48Rに当接しつつ回転(移動)する。
【0090】
図2および図5に示す如く、第一挟持搬送装置40Lは上流側搬送装置30aに対して搬送方向における下流側(前方)かつ左寄りとなる位置に配置され、第二挟持搬送装置40Rは上流側搬送装置30aに対して搬送方向における下流側(前方)かつ右寄りとなる位置に配置される。
第一挟持搬送装置40Lの第一ベルト49Lのうち第一駆動プーリ47Lおよび第一従動プーリ48Lの右側に張られている部分の外周面と、第二挟持搬送装置40Rの第二ベルト49Rのうち第二駆動プーリ47Rおよび第二従動プーリ48Rの左側に張られている部分の外周面と、は互いに対向する。
図5に示す如く、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが後述する「挟持搬送位置」にあるとき、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rのうち外周面が互いに対向する部分は互いに平行であり、いずれも搬送方向に平行である。
【0091】
以下では、ベルト間隔調整機構50について説明する。
ベルト間隔調整機構50は本発明に係るベルト間隔調整機構の実施の一形態であり、第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の間隔を調整するものである。
図3および図5に示す如く、ベルト間隔調整機構50は主として、第一シャフト51L、第二シャフト51R、第一ユニバーサルジョイント52L、第二ユニバーサルジョイント52R、連結シャフト53およびハンドル54を具備する。
【0092】
第一シャフト51Lは外周面にネジが形成された棒状の部材であり、第一シャフト51Lの左端部は第一ローラフレーム41Lに回転可能に軸支される。第一シャフト51Lには第一スライドフレーム43Lが螺合する。
【0093】
第二シャフト51Rは外周面にネジが形成された棒状の部材であり、第二シャフト51Rの右端部は第二ローラフレーム41Rに回転可能に軸支される。第二シャフト51Rには第二スライドフレーム43Rが螺合する。また、第二シャフト51Rの右端部は第二ローラフレーム41Rの右側に突出する。
【0094】
第一シャフト51Lの外周面にネジ形成されるネジは右ネジであり、第二シャフト51Rの外周面に形成されるネジは左ネジである。すなわち、第一シャフト51Lの外周面にネジ形成されるネジの螺旋の方向および第二シャフト51Rの外周面に形成されるネジの螺旋の方向は互いに逆方向となっている。
また、第一シャフト51Lの外周面にネジ形成されるネジのピッチと第二シャフト51Rの外周面に形成されるネジのピッチは同じである。
【0095】
第一ユニバーサルジョイント52Lおよび第二ユニバーサルジョイント52Rは軸線方向が異なる二つの回転軸の間で回転駆動力を伝達する継手(自在継手)である。第一ユニバーサルジョイント52Lは第一シャフト51Lの右端部に固定され、第二ユニバーサルジョイント52Rは第二シャフト51Rの右端部に固定される。
【0096】
連結シャフト53は棒状の部材であり、連結シャフト53の左端部は第一ユニバーサルジョイント52Lに固定され、連結シャフト53の右端部は第二ユニバーサルジョイント52Rに固定される。
【0097】
ハンドル54は略円盤形状の部材であり、第二シャフト51Rの右端部に相対回転不能に固定される。
【0098】
作業者がハンドル54を手で持って充填装置100の右方向から見て時計回りに回転させると、第二シャフト51Rが時計回りに回転し、第二ユニバーサルジョイント52Rを介して第二シャフト51Rに連結される連結シャフト53、および第一ユニバーサルジョイント52Lを介して連結シャフト53に連結される第一シャフト51Lも右方向から見て時計回りに回転する。
その結果、第一シャフト51Lに螺合している第一スライドフレーム43Lは右方向に移動(摺動)するとともに第二シャフト51Rに螺合している第二スライドフレーム43Rは左方向に移動(摺動)し、ひいては第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の間隔が狭くなる。
【0099】
また、作業者がハンドル54を手で持って充填装置100の右方向から見て反時計回りに回転させると、第二シャフト51R、連結シャフト53、および第一シャフト51Lも右方向から見て反時計回りに回転する。
その結果、第一シャフト51Lに螺合している第一スライドフレーム43Lは左方向に移動するとともに第二シャフト51Rに螺合している第二スライドフレーム43Rは右方向に移動し、ひいては第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の間隔が広くなる。
【0100】
このように、作業者がベルト間隔調整機構50のハンドル54を回転させることにより、第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の間隔を調整することが可能である。
【0101】
また、本実施形態では第一シャフト51Lおよび第二シャフト51Rが連動して同じ回転量(回転角度)だけ回転し、かつ、第一シャフト51Lの外周面にネジ形成されるネジのピッチと第二シャフト51Rの外周面に形成されるネジのピッチが同じであるため、第一シャフト51Lを一回転させたときの第一ベルト49Lの左右方向への移動量および第二シャフト51Rを一回転させたときの第二ベルト49Rの左右方向への移動量が同じでる。
従って、ベルト間隔調整機構50により第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔が調整されても、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分は基準線5(図5参照)から互いに等距離となる位置に配置される。
なお、基準線5は、搬送方向(前後方向)に平行であり、かつ上流側搬送装置30aの上流側搬送ベルト38aの左右略中央(後述する下流側搬送装置30bの下流側搬送ベルト38bの左右略中央)を通る直線である。
【0102】
以下では、ベルト位置変更機構60について説明する。
ベルト位置変更機構60は本発明に係るベルト位置変更機構の実施の一形態であり、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分が容器1の周面1aに当接することにより第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが容器1を挟持しつつ所定の搬送方向(本実施形態では、前方)に搬送することが可能な位置である「挟持搬送位置」、または、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分が容器1の周面1aから離間した位置である「離間位置」、のいずれかに変更するものである。
図1、図3および図4に示す如く、ベルト位置変更機構60は主として第一アーム61L、第二アーム61R、第一エアシリンダ62Lおよび第二エアシリンダ62Rを具備する。
【0103】
第一アーム61Lは棒状の部材であり、第一アーム61Lの一端は第一回動軸42Lの下端部に固定される。
【0104】
第二アーム61Rは棒状の部材であり、第二アーム61Rの一端は第二回動軸42Rの下端部に固定される。
【0105】
第一エアシリンダ62Lは空圧式アクチュエータであり、シリンダ本体63L、シリンダロッド64Lおよび切替弁65Lを具備する。
【0106】
シリンダ本体63Lは略円筒形状の部材であり、シリンダ本体63Lの基端部は下部サブフレーム13に回動可能に枢着される。
【0107】
シリンダロッド64Lは一端にピストンが形成された棒状の部材であり、シリンダロッド64Lの一端はシリンダ本体63Lに挿入される。シリンダロッド64Lの一端に形成されたピストンはシリンダ本体63Lの内周面に気密的かつ摺動可能に当接する。シリンダロッド64Lの他端は第一アーム61Lの他端に回動可能に枢着される。
【0108】
切替弁65Lは第一エアシリンダ62Lの動作を切り替えるための電磁弁である。
切替弁65Lは(A1)シリンダ本体63Lの内部空間において基端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態、または(B1)シリンダ本体63Lの内部空間において先端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態のいずれかの状態を切り替えることが可能である。
【0109】
第二エアシリンダ62Rは空圧式アクチュエータであり、シリンダ本体63R、シリンダロッド64Rおよび切替弁65Lを具備する。
【0110】
シリンダ本体63Rは略円筒形状の部材であり、シリンダ本体63Rの基端部は下部サブフレーム13に回動可能に枢着される。
【0111】
シリンダロッド64Rは一端にピストンが形成された棒状の部材であり、シリンダロッド64Rの一端はシリンダ本体63Rに挿入される。シリンダロッド64Rの一端に形成されたピストンはシリンダ本体63Rの内周面に気密的かつ摺動可能に当接する。シリンダロッド64Rの他端は第二アーム61Rの他端に回動可能に枢着される。
【0112】
切替弁65Rは第二エアシリンダ62Rの動作を切り替えるための電磁弁である。
切替弁65Rは(A2)シリンダ本体63Rの内部空間において基端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態、または(B2)シリンダ本体63Rの内部空間において先端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態のいずれかの状態を切り替えることが可能である。
【0113】
切替弁65Lを(A1)シリンダ本体63Lの内部空間において基端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に保持すると、第一エアシリンダ62Lが伸長し(シリンダロッド64Lがシリンダ本体63Lから突出し)、第一アーム61L、ひいては第一挟持搬送装置40Lが第一回動軸42Lを中心として平面視で時計回りに回動する。
その結果、図5に示す如く、第一ベルト49Lの外周面のうち第二ベルト49Rに対向する部分の長手方向が搬送方向に対して平行となる。
【0114】
切替弁65Rを(A2)シリンダ本体63Rの内部空間において基端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に保持すると、第二エアシリンダ62Rが伸長し(シリンダロッド64Rがシリンダ本体63Rから突出し)、第二アーム61R、ひいては第二挟持搬送装置40Rが第二回動軸42Rを中心として平面視で反時計回りに回動する。
その結果、図5に示す如く、第二ベルト49Rの外周面のうち第一ベルト49Lに対向する部分の長手方向が搬送方向に対して平行となる。
【0115】
図5に示す如く、第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の長手方向がいずれも搬送方向に対して平行であって、かつベルト間隔調整機構50により第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の間隔が容器1の外径よりもやや小さくなるように調整された状態において第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の隙間に容器1が進入すると、第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分が容器1の周面1aに当接し、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより容器1が挟持される。
また、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが容器1を挟持した状態で第一モータ46Lおよび第二モータ46Rに通電し、第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分がいずれも搬送方向に移動するように第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rを回転駆動すると、容器1は第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rに挟持された状態で搬送方向に搬送される。
このように、容器1を挟持するとともに搬送方向に搬送することが可能な第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置が、本実施形態における「挟持搬送位置」に相当する。
【0116】
切替弁65Lを(B1)シリンダ本体63Lの内部空間において先端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に切り替えると、第一エアシリンダ62Lが収縮し(シリンダロッド64Lがシリンダ本体63Lに没入し)、第一アーム61L、ひいては第一挟持搬送装置40Lが第一回動軸42Lを中心として平面視で反時計回りに回動する。
その結果、図6に示す如く、第一ベルト49Lの外周面のうち第二ベルト49Rに対向する部分は搬送方向の下流側(前方)に行くほど基準線5から離れた姿勢となる。
【0117】
切替弁65Rを(B2)シリンダ本体63Rの内部空間において先端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に切り替えると、第二エアシリンダ62Rが収縮し(シリンダロッド64Rがシリンダ本体63Rに没入し)、第二アーム61R、ひいては第二挟持搬送装置40Rが第二回動軸42Rを中心として平面視で時計回りに回動する。
その結果、図6に示す如く、第二ベルト49Rの外周面のうち第一ベルト49Lに対向する部分は搬送方向の下流側(前方)に行くほど基準線5から離れた姿勢となる。
【0118】
図6に示す如く、第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分が搬送方向の下流側(前方)に行くほど基準線5から離れた姿勢となっているとき、第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の隙間(本実施形態では、特に、当該隙間のうち搬送方向における中途部から下流側にかけての部分)は容器1の外径よりも大きくなる。そのため、第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分はいずれも第一ベルト49Lの外周面および第二ベルト49Rの外周面において互いに対向する部分の隙間に進入した容器1の周面1aから離間する。
このように、容器1(の周面1a)から離間した第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置が、本実施形態における「離間位置」に相当する。
【0119】
図5および図6に示す如く、本実施形態ではベルト間隔調整機構50の第一ユニバーサルジョイント52Lを平面視で第一回動軸42Lに重なる位置(真上)に配置され、第二ユニバーサルジョイント52Rを平面視で第二回動軸42Rに重なる位置(真上)に配置される。
このように構成することにより、ベルト間隔調整機構50はベルト位置変更機構60による第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rの回動動作に応じて第一ユニバーサルジョイント52Lおよび第二ユニバーサルジョイント52Rの部分で屈曲する。
従って、ベルト間隔調整機構50が第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rの回動動作を妨げることは無い。
【0120】
以下では、位置検出センサ70について説明する。
位置検出センサ70は本発明に係る位置検出センサの実施の一形態であり、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1が所定の「検出位置」に到達したことを検出するものである。
図4および図5に示す如く、位置検出センサ70は主としてセンサ本体71、ミラー72、ブロック73およびブロック74を具備する。
【0121】
図4に示す如く、センサ本体71は投光部71a、受光部71bおよびケース71cを具備する。
投光部71aは所定の波長の光を投光(照射)するものである。本実施形態の投光部71aは所定の電圧が印加されることにより所定の波長の光を発生する半導体素子を有する。
受光部71bは投光部71aが投光した光(投光部71aが投光した光と同じ波長の光)を受けた場合に当該光の強度に応じた信号を生成するものである。本実施形態の受光部71bは照射された所定の波長の光の強度に応じた信号(電圧)を発生する半導体素子を有する。
ケース71cは投光部71aおよび受光部71bを収容する箱状の部材である。
【0122】
図5に示す如く、センサ本体71は第二スライドフレーム43Rの上面の左端部かつ搬送方向において第二駆動プーリ47Rおよび第二従動プーリ48Rに挟まれる位置に設けられた部材であるブロック73の上面に固定される。ブロック73に固定されたセンサ本体71の投光部71aは左方向に所定の波長の光を投光する。
【0123】
ミラー72はセンサ本体71の投光部71aが投光した光を反射して受光部71bに照射する鏡である。
図5に示す如く、ミラー72は第一スライドフレーム43Lの下面の右端部かつ搬送方向において第一駆動プーリ47Lおよび第一従動プーリ48Lに挟まれる位置に設けられた部材であるブロック74の上面に固定され、投光部71aが投光した光を右方向に反射して受光部71bに照射する。
【0124】
第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが「挟持搬送位置」にあるとき、センサ本体71の投光部71aが投光する光はミラー72により反射されて受光部71bにより受光され、受光部71bは「ON信号」を生成する。
第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1が第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの回転に伴って搬送方向に搬送され、容器1の前端部が投光部71aが投光する光の光路に干渉すると、投光部71aが投光する光は容器1に遮られて受光部71bにより受光されなくなり、受光部71bは「OFF信号」を生成する。
このように、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが「挟持搬送位置」にあるときに受光部71bが生成する信号が「ON信号」から「OFF信号」に変化することは、容器1が「容器1の前端部が投光部71aが投光する光の光路に干渉する位置」に到達したことを示す。
本実施形態では「容器1の前端部が投光部71aが投光する光の光路に干渉する位置」が「所定の検出位置」として設定される。
【0125】
本実施形態の位置検出センサ70は投光部71aおよび受光部71bが同一のケース71cに収容され、投光部71aにより投光された光がミラー72により反射され、受光部71bにより受光される形式の光学式センサであるが、本発明に係る位置検出センサはこれに限定されない。
すなわち、本発明に係る位置検出センサは、投光部と受光部とがそれぞれ離れた位置に配置され、投光部により投光された光がミラーを介さずに受光部により受光される形式の光学式センサでも良く、静電容量の変化に基づいて対象物(容器)を検出する形式のセンサ(静電容量形センサ)でも良い。
【0126】
以下では、把持回転装置80について説明する。
把持回転装置80は本発明に係る把持回転装置の実施の一形態であり、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された状態で搬送されることにより所定の「把持位置」に到達した容器1を把持し、容器1を容器1の周方向に回転させ、かつ容器1を上下方向に昇降させるものである。
ここで、「把持位置」は検出位置よりも搬送方向における下流側に設定され、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された状態で搬送される容器1を把持回転装置80により把持する位置を指す。
図1、図3、図4および図5に示す如く、把持回転装置80は主として把持爪81・81、爪支持部材82、回転軸83、切替弁84、スプラインシャフト85、回転用モータ86、回転用ベルト87、回転軸支持部材88、ボールネジ89、昇降用モータ90、および昇降用ベルト91を具備する。
【0127】
把持爪81・81は容器1を実際に把持する一対の部材である。本実施形態では把持爪81・81の形状が略同じであることから、以下では一方の把持爪81の構成についてのみ説明し、他方の把持爪81の構成については説明を省略する。
【0128】
図4に示す如く、把持爪81は当接部材81aおよび摺動部材81bを具備する。
当接部材81aは直方体形状の部材であり、把持回転装置80が容器1を把持するときに容器1の周面1aに当接する。当接部材81aの側面には窪みが形成される。
【0129】
摺動部材81bは略L字型の部材であり、当接部材81aが固定される。摺動部材81bは後述する爪支持部材82の本体82aの上面に摺動可能に支持される。
【0130】
爪支持部材82は把持爪81・81を摺動可能に支持する部材である。
図4に示す如く、爪支持部材82は主として本体82a、シリンダロッド82g、リンクアーム82h・82h、スプリング82iを具備する。
【0131】
本体82aは爪支持部材82の主たる構造体を成す略直方体形状の部材である。爪支持部材82の上面には把持爪81・81が摺動可能に支持される。
本体82aの内部にはシリンダ室82b、アーム収容室82c、摺動孔82d、第一連通経路82eおよび第二連通経路82fが形成される。
【0132】
シリンダ室82bはシリンダロッド82gを収容する空間であり、本体82aの上下略中央部に形成される。
アーム収容室82cはリンクアーム82h・82hを収容する空間である。アーム収容室82cは本体82aの上部に形成され、本体82aの上面に開口している。
摺動孔82dはシリンダ室82bの上部とアーム収容室82cの下部とを連通する孔である。
第一連通経路82eはシリンダ室82bの上部と本体82aの下面とを連通する経路である。
第二連通経路82fはシリンダ室82bの下部と本体82aの外部とを連通する経路である。
【0133】
シリンダロッド82gは棒状の部材であり、その下端部にはピストンが形成される。
シリンダロッド82gの下端部はシリンダ室82bに収容され、シリンダロッド82gの下端部に形成されたピストンはシリンダ室82bの内周面に気密的かつ摺動可能に当接する。シリンダロッド82gの中途部は摺動孔82dに貫装され、摺動孔82dの内周面に気密的かつ摺動可能に当接する。シリンダロッド82gの上端部はアーム収容室82cに突出する。
【0134】
リンクアーム82h・82hは略L字型の部材であり、アーム収容室82cに収容される。リンクアーム82h・82hの屈曲部(中途部)はアーム収容室82cの内部において本体82aに回動可能に枢着される。
リンクアーム82h・82hの一端には長孔が形成され、当該長孔はシリンダロッド82gの上端部に設けられたピンに係合する。
リンクアーム82h・82hの他端には長孔が形成され、当該長孔は把持爪81の摺動部材81bに設けられたピンに係合する。
スプリング82iはシリンダ室82bの下部に収容され、シリンダロッド82gの下端部(ピストン)を上方に付勢する。
【0135】
回転軸83は略円柱形状の部材であり、回転軸83の上端部は爪支持部材82の本体82aの下面に相対回転不能に固定される。
図4に示す如く、回転軸83には回転軸83の上端面から回転軸83の下端面まで貫通する貫通孔83aが形成され、貫通孔83aの上端は第一連通経路82eに接続される。
回転軸83の下端部にはロータリジョイント83bが取り付けられ、ロータリジョイント83bにはエア配管83dの一端が接続される。ロータリジョイント83bは回転軸83に対して相対回転可能であり、かつ貫通孔83aの下端とエア配管83dの一端とを連通可能に接続する。
回転軸83の下部にはギヤ83cが相対回転不能に嵌装される。回転軸83の中途部かつギヤ83cよりも上方となる部分は、下部サブフレーム13に上下方向に摺動可能かつ回転可能に支持される。
【0136】
図4に示す如く、切替弁84は把持爪81・81の動作を切り替えるための電磁弁であり、エア配管83dの中途部に設けられる。
切替弁84は(A3)エア配管83dを通じて回転軸83に圧縮空気を供給可能な状態(開いた状態)、または(B3)回転軸83への圧縮空気の供給が遮断されるとともに切替弁84よりも回転軸83寄りとなるエアの供給経路が外部に開放された状態(閉じた状態)のいずれかの状態を切り替えることが可能である。
【0137】
切替弁84を(A3)開いた状態に保持すると、圧縮空気がエア配管83d、ロータリジョイント83b、貫通孔83aおよび第一連通経路82eを経てシリンダ室82bの上部に供給され、当該圧縮空気の作用によりシリンダロッド82g(のピストン)がスプリング82iの付勢力に抗して下方に押し下げられる。
その結果、シリンダロッド82gは下方に摺動し、リンクアーム82h・82hが回動し、一対の把持爪81・81が互いに接近する方向に摺動し(一対の把持爪81・81が閉じた状態となり)、一対の把持爪81・81が容器1の周面1aに当接することとなる。
このようにして、把持回転装置80は容器1を把持する。
【0138】
切替弁84を(B3)閉じた状態に切り替えると、シリンダ室82bの上部への圧縮空気の供給が停止され、シリンダロッド82g(のピストン)がスプリング82iの付勢力により下方に押し上げられる。
その結果、シリンダロッド82gは上方に摺動し、リンクアーム82h・82hが回動し、一対の把持爪81・81が互いに離間する方向に摺動する(一対の把持爪81・81が開いた状態となる)。このようにして、把持回転装置80は容器1の把持を解除する。
【0139】
スプラインシャフト85は棒状の部材であり、その外周面には上端部から下端部まで延びた複数の歯が形成される。スプラインシャフト85の上端部および下端部は下部サブフレーム13に回動可能に軸支され、スプラインシャフト85は回転軸83の下部に嵌装されたギヤ83cに噛合する。
スプラインシャフト85の下端部にはプーリ85aが相対回転不能に固定される。
【0140】
回転用モータ86は把持回転装置80により把持された容器1を回転させるための駆動源である。回転用モータ86は電気式のモータであり、下部サブフレーム13に固定される。回転用モータ86の回転軸にはプーリ86aが相対回転不能に固定される。
【0141】
回転用ベルト87は無端状のベルトであり、プーリ85aおよびプーリ86aに巻回される。
【0142】
回転用モータ86に通電することにより発生した回転駆動力は、プーリ86a、回転用ベルト87、プーリ85a、スプラインシャフト85、ギヤ83cを経て回転軸83に伝達され、回転軸83が回転する。
その結果、「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が一体的に回転する。
本実施形態ではエア配管83dがロータリジョイント83bを介して回動軸83の下端部に接続されるため、「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が一体的に回転している最中でも圧縮空気をシリンダ室82bの上部に供給することが可能である。
従って、把持回転装置80は、容器1を把持しつつ容器1の周方向に回転させる(容器1の下面1bに垂直かつ下面1bの中央を通る軸線を中心として容器1を回転させる)ことが可能である。
【0143】
回転軸支持部材88は回転軸83を下方から回転可能に支持する板状の部材である。
回転軸支持部材88には貫通孔88aが形成され、貫通孔88aには回転軸83の下端部が回転可能に貫装される。
回転軸支持部材88の上面かつ貫通孔88aに対応する部分にはスラスト軸受け88bが配置され、回転軸83の下部に嵌装されたギヤ83cがスラスト軸受け88bの上面に当接する。
【0144】
ボールネジ89は外周面にネジが形成された棒状の部材である。ボールネジ89の上端部および下端部は下部サブフレーム13に回転可能に軸支される。また、ボールネジ89は回転軸支持部材88に螺合する。
ボールネジ89の下端部にはプーリ89aが相対回転不能に固定される。
【0145】
昇降用モータ90は把持回転装置80により把持された容器1を上下方向に昇降させるための駆動源である。昇降用モータ90は回転量(回転角度)を制御することが可能な電気式のモータ(本実施形態では、サーボモータ)であり、下部サブフレーム13に固定される。昇降用モータ90の回転軸にはプーリ90aが相対回転不能に固定される。
【0146】
昇降用ベルト91は無端状のベルトであり、プーリ89aおよびプーリ90aに巻回される。
【0147】
昇降用モータ90に通電することにより発生した回転駆動力は、プーリ90a、昇降用ベルト91、プーリ89a、ボールネジ89を経て回転軸支持部材88に伝達され、回転軸支持部材88が上下方向に昇降する。
その結果、回転軸支持部材88により下方から支持される「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が回転軸支持部材88と一体的に上下方向に昇降する。
このように、把持回転装置80は、容器1を把持しつつ上下方向に昇降させることが可能である。
【0148】
本実施形態では「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が回転軸支持部材88と一体的に上下方向に昇降しても、回転軸83に嵌装されたギヤ83cがスプラインシャフト85に噛合した状態が保持される。
従って、把持回転装置80は、容器1を把持し、かつ容器1を周方向に回転させた状態で上下方向に昇降させることが可能である。
【0149】
図1および図3に示す如く、把持回転装置80は第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの下方に配置される。
また、図3および図5に示す如く、「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が回転していないとき、「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」の位相(回転角度)は一対の把持爪81・81が搬送方向に並ぶ(一対の把持爪81・81の摺動方向が搬送方向に対して平行になる)ように保持される。
このとき、「挟持搬送位置」に配置される第一ベルト49Lおよび第二ベルト49R、より厳密には第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが「挟持搬送位置」に配置されたときの第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rに平面視で干渉しないように、一対の把持爪81・81の形状が定められる。
さらに、「離間位置」に配置される第一ベルト49Lおよび第二ベルト49R、より厳密には第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが「離間位置」に配置されたときの第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rに平面視で干渉しないように、爪支持部材82の形状が定められる。
【0150】
以下では、下流側搬送装置30bについて説明する。
下流側搬送装置30bは第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rから受け渡された容器1を所定の搬送方向に搬送するものである。
図1に示す如く、下流側搬送装置30bは主として下流側搬送フレーム31b、下流側搬送モータ32b、駆動ローラ33b、従動ローラ34b・35b・36b・37b、下流側搬送ベルト38bおよび電源スイッチ39bを具備する。
【0151】
下流側搬送フレーム31bは下流側搬送装置30bの主たる構造体を成す部材であり、下部サブフレーム13の前方に配置される。
下流側搬送装置30bを構成する他の部材は下流側搬送フレーム31bに取り付けられる。
【0152】
下流側搬送モータ32bは下流側搬送装置30bの駆動源であり、電気式のモータからなる。下流側搬送モータ32bは下流側搬送フレーム31bの前後略中央部に固定される。
【0153】
駆動ローラ33bは略円柱形状の部材であり、駆動ローラ33bの両端部は下流側搬送フレーム31bの前後略中央部に回転可能に軸支される。駆動ローラ33bの一端は下流側搬送モータ32bの回転軸に相対回転不能に固定される。
【0154】
従動ローラ34b・35b・36b・37bは略円柱形状の部材である。従動ローラ34bの両端部は下流側搬送フレーム31bの後端部に回転可能に軸支される。従動ローラ35bの両端部は下流側搬送フレーム31bの後半部に回転可能に軸支される。従動ローラ36bの両端部は下流側搬送フレーム31bの前半部に回転可能に軸支される。従動ローラ37bの両端部は下流側搬送フレーム31bの前端部に回転可能に軸支される。
【0155】
下流側搬送ベルト38bは駆動ローラ33bおよび従動ローラ34b・35b・36b・37bに巻回される無端状のベルトである。
【0156】
電源スイッチ39bは下流側搬送モータ32bのオン・オフ(下流側搬送モータ32bへの通電およびその停止)を行うためのスイッチである。
【0157】
作業者が電源スイッチ39bを押して下流側搬送モータ32bに通電すると駆動ローラ33bが回転し、下流側搬送ベルト38bが駆動ローラ33b、従動ローラ35b、従動ローラ34b、従動ローラ37b、従動ローラ36b、駆動ローラ33b・・・に順に当接しつつ回転(移動)する。
従って、第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rから下流側搬送装置30bに受け渡された容器1は、下流側搬送ベルト38bのうち従動ローラ34bおよび従動ローラ37bの間に張られている部分に載置され、下流側搬送ベルト38bの回転(移動)に伴って搬送方向(前方)に搬送される。
【0158】
以下では、制御ユニット95について説明する。
図4に示す如く、制御ユニット95は制御装置95aおよびタッチパネル95bを具備する。
【0159】
制御装置95aは本発明に係る制御装置の実施の一形態であり、「位置検出センサ70からの信号(容器1が所定の検出位置に到達したことを示す信号)」、および「予め設定された容器1の外径」に基づいて、第一モータ46L、第二モータ46R、ベルト位置変更機構60、把持回転装置80および充填物注入装置20の動作を制御する装置である。
図2および図3に示す如く、制御装置95aはメインフレーム11の内部に収容される。
【0160】
制御装置95aは充填装置100の動作を制御するためのプログラム等を格納することができ、これらのプログラム等を展開することができ、これらのプログラム等に従って所定の演算を行うことができ、当該演算の結果等を記憶することができる。
【0161】
制御装置95aは、実体的には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等がバスで相互に接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)等からなる構成であっても良い。
本実施形態における制御装置95aは専用品であるが、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム等を格納したもので達成することも可能である。
【0162】
図4に示す如く、制御装置95aは位置検出センサ70の受光部71bに接続される。
制御装置95aは、受光部71bが受光した光の強度に応じて生成する信号、すなわち第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1が所定の検出位置に到達したか否かに係る情報を取得することが可能である。
【0163】
図4に示す如く、制御装置95aは三方弁駆動シリンダ23の切替弁23cに接続される。
制御装置95aは、切替弁23cに信号を送信することにより三方弁駆動シリンダ23の動作(伸長または収縮)を切り替え、ひいては三方弁22を(a)第一のポートと第二のポートとが連通されるとともに第三のポートが閉塞される状態、または(b)第二のポートと第三のポートとが連通されるとともに第一のポートが閉塞される状態のいずれかの状態に切り替えることが可能である。
【0164】
図4に示す如く、制御装置95aはシリンダ駆動モータ25に接続される。
制御装置95aは、シリンダ駆動モータ25に信号を送信することにより充填物計量・圧送シリンダ24のシリンダロッド24bの摺動方向および摺動量、ひいては、充填物の充填物計量・圧送シリンダ24への収容量およびノズル27からの吐出量を制御することが可能である。
【0165】
図4に示す如く、制御装置95aは第一モータ46Lに接続される。
制御装置95aは、第一モータ46Lに信号を送信することにより、第一モータ46Lの回転方向、第一モータ46Lの回転量(回転角度)および第一モータ46Lの回転速度を制御することが可能である。
【0166】
図4に示す如く、制御装置95aは第二モータ46Rに接続される。
制御装置95aは、第二モータ46Rに信号を送信することにより、第二モータ46Rの回転方向、第二モータ46Rの回転量(回転角度)および第二モータ46Rの回転速度を制御することが可能である。
【0167】
図4に示す如く、制御装置95aはベルト位置変更機構60の切替弁65Lおよび切替弁65Rに接続される。
制御装置95aは、切替弁65Lおよび切替弁65Rに信号を送信することにより第一エアシリンダ62Lおよび第二エアシリンダ62Rの動作(伸長または収縮)を切り替え、ひいては第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「挟持搬送位置」または「離間位置」のいずれかに変更することが可能である。
【0168】
図4に示す如く、制御装置95aは切替弁84に接続される。
制御装置95aは、切替弁84に信号を送信することにより、一対の把持爪81・81の動作(開閉)、ひいては把持回転装置80による容器1の把持およびその解除を切り替えることが可能である。
【0169】
図4に示す如く、制御装置95aは回転用モータ86に接続される。
制御装置95aは、回転用モータ86に信号を送信することにより、回転用モータ86の回転およびその停止、並びに回転用モータ86が回転するときの回転速度(ひいては、把持回転装置80により把持された容器1の回転およびその停止、並びに容器1が回転するときの回転速度)を制御することが可能である。
【0170】
図4に示す如く、制御装置95aは昇降用モータ90に接続される。
制御装置95aは、昇降用モータ90に信号を送信することにより、昇降用モータ90の回転およびその停止、昇降用モータ90の回転方向、並びに昇降用モータ90の回転速度(ひいては、把持回転装置80により把持された容器1の昇降およびその停止、容器1の移動方向(上昇または下降)、並びに容器1の昇降速度)を制御することが可能である。
【0171】
タッチパネル95bは、(A)制御装置95aに充填装置100の動作に係る種々の情報、指示等を入力する「入力装置」としての機能と、(B)制御装置95aへの入力内容、充填装置100の動作状況等を表示する「表示装置」としての機能と、を兼ねるものである。
図1、図2および図3に示す如く、タッチパネル95bは上部サブフレーム12の右面に取り付けられ、制御装置95aに接続される。
タッチパネル95bは作業者がタッチパネル95bを操作することにより入力した情報、指示等を制御装置95aに送信することが可能であるとともに、制御装置95aが生成した充填装置100の動作状況に係る情報を受信(取得)して表示することが可能である。
【0172】
本実施形態の充填装置100はタッチパネル95bを用いて制御装置95aへの情報等の入力および情報等の表示を行う構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、タッチパネルに代えて、市販のキーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、スイッチ等を用いて制御装置に情報等の入力を行い、市販の液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)やCRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)等を用いて情報等の表示を行う構成としても良い。
また、本実施形態は一つの制御装置95aにより充填装置100の動作全般を制御するが、本発明はこれに限定されず、例えば動作するアクチュエータごとに当該アクチュエータの動作を制御するための制御装置を設け、これら複数の制御装置が連携することにより充填装置の動作を制御しても良い。
【0173】
以下では、図7から図16を用いて制御装置95aによる充填装置100の動作制御方法について説明する。
制御装置95aによる充填装置100の動作制御方法は、実質的に本発明に係る充填方法の実施の一形態に相当する。
【0174】
図7に示す如く、制御装置95aによる充填装置100の動作制御方法は、主として第一搬送工程S1100、第二搬送工程S1200、把持工程S1300、ベルト離間工程S1400、回転・注入工程S1500、ベルト挟持工程S1600、把持解除工程S1700および第三搬送工程S1800を具備する。
【0175】
第一搬送工程S1100は、制御装置95aが第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分がともに所定の搬送方向に移動するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させることにより、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1を「検出位置」に搬送する工程である。
【0176】
図8および図9に示す如く、第一搬送工程S1100において、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置は「挟持搬送位置」に保持される。
第一搬送工程S1100において、制御装置95aは第一ベルト49Lのうちその外周面が第二ベルト49Rの外周面に対向する部分が搬送方向に速度V11で移動する(第一ベルト49Lが平面視で反時計回りに周速度V11で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ46Lに送信する。
また、制御装置95aは第二ベルト49Rのうちその外周面が第一ベルト49Lの外周面に対向する部分が搬送方向に速度V12で移動する(第二ベルト49Rが平面視で時計回りに周速度V12で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ46Rに送信する。ここで、V11=V12である。
【0177】
図8に示す如く、第一搬送工程S1100において、上流側搬送装置30aにより搬送されてきた容器1は第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの間に進入し、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持され、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの回転(移動)に伴って速度V11(=V12)で搬送方向に搬送される。
【0178】
制御装置95aは、位置検出センサ70から「容器1が検出位置に到達したことを示す信号」を取得する時点(位置検出センサ70により容器1が検出される時点)までは上記の如き制御を行い、位置検出センサ70から「容器1が検出位置に到達したことを示す信号」を取得した時点で第一搬送工程S1100を終了する。
なお、位置検出センサ70から「容器1が検出位置に到達したことを示す信号」を取得した時点では、図9に示す如く、位置検出センサ70のセンサ本体71(より厳密には、投光部71a)から投光される光の光路7に容器1の周面1aの前端部が干渉する。
第一搬送工程S1100が終了したら、第二搬送工程S1200に移行する。
【0179】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト49Lの移動速度と第二ベルト49Rの移動速度とが同じ値である(V11=V12)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0180】
第二搬送工程S1200は、制御装置95aが「予め設定された容器1の外径」に基づいて算出された「検出位置から把持位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させることにより、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1を検出位置から把持位置に搬送する工程である。
【0181】
図10に示す如く、第二搬送工程S1200において、制御装置95aは第一ベルト49Lのうちその外周面が第二ベルト49Rの外周面に対向する部分が搬送方向に速度V21で移動する(第一ベルト49Lが平面視で反時計回りに周速度V21で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ46Lに送信する。
また、制御装置95aは第二ベルト49Rのうちその外周面が第一ベルト49Lの外周面に対向する部分が搬送方向に速度V22で移動する(第二ベルト49Rが平面視で時計回りに周速度V22で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ46Rに送信する。ここで、V21=V22である。
その結果、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1は、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの回転(移動)に伴って速度V21(=V22)で搬送方向に搬送される。
【0182】
制御装置95aは、予め容器1の外径に基づいて「検出位置から把持位置までの距離」を算出することにより、「容器1を検出位置から把持位置まで搬送するために第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが回転(移動)すべき長さ」を算出し、「容器1を検出位置から把持位置まで搬送するために第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが回転(移動)すべき長さに対応する第一モータ46Lおよび第二モータ46Rの回転量」を算出し、これを記憶している。
そして、制御装置95aは、「容器1を検出位置から把持位置まで搬送するために第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが回転(移動)すべき長さに対応する第一モータ46Lおよび第二モータ46Rの回転量」だけ第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転させた時点で(図10および図11参照)、第一モータ46Lおよび第二モータ46Rにそれぞれ信号を送信することにより、第一モータ46Lおよび第二モータ46Rの回転を停止させる。
【0183】
容器1の外径に係る情報は、作業者がタッチパネル95bで入力することにより制御装置95aに記憶させても良く、実験的に第一ベルト49Lと第二ベルト49Rとで容器1を挟持して第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rを回転させることにより容器1を搬送方向に搬送したときの第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの回転量(第一モータ46Lおよび第二モータ46Rの回転量)および位置検出センサ70から取得される信号に基づいて制御装置95aが容器1の外径を算出し、当該算出結果を容器1の外径に係る情報として制御装置95aが記憶しても良い。
【0184】
第二搬送工程S1200が終了した時点で、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1は把持位置に到達する。
第二搬送工程S1200が終了したら、把持工程S1300に移行する。
【0185】
図11に示す如く、本実施形態ではノズル27の中心線と回転軸83の中心線とが平面視で略一直線となるように充填物注入装置20および把持回転装置80の相対的な位置が設定され、かつ、回転軸83の中心線上に「把持位置」が設定される。
【0186】
本実施形態では第二搬送工程S1200における第一ベルト49Lの移動速度と第二ベルト49Rの移動速度とが同じ値である(V21=V22)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第二搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0187】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト49Lの移動速度と第二搬送工程S1200における第一ベルト49Lの移動速度とが同じ値である(V11=V21)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0188】
本実施形態では検出位置と把持位置とが異なり、検出位置が把持位置よりも搬送方向において上流側に設定されるが、本発明はこれに限定されず、検出位置と把持位置とを同じ位置に設定することも可能である。
検出位置と把持位置とを同じ位置に設定した場合、第二搬送工程を省略することが可能である。
【0189】
把持工程S1300は把持回転装置80に把持位置に到達した容器1を把持させる工程である。
把持工程S1300において、制御装置95aは第一モータ46Lおよび第二モータ46Rに信号を送信し、第一モータ46Lおよび第二モータ46Rの回転を停止させる。
その結果、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1は「把持位置」で静止する。
次に、制御装置95aは昇降用モータ90に信号を送信し、所定の回転量(回転角度)だけ回転させる。
その結果、「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が所定量上昇する。
続いて、制御装置95aは切替弁84に信号を送信して切替弁84が(A3)開いた状態とする。
その結果、図12および図13に示す如く、一対の把持爪81・81が閉じて第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1の周面1aに当接した状態、すなわち把持回転装置80により容器1が把持された状態となる。
把持工程S1300が終了したら、ベルト離間工程S1400に移行する。
【0190】
ベルト離間工程S1400はベルト位置変更機構60に第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「離間位置」に変更させる工程である。
ベルト離間工程S1400において、制御装置95aはベルト位置変更機構60、より詳細には切替弁65Lおよび切替弁65Rに信号を送信することにより、切替弁65Lを(B1)シリンダ本体63Lの内部空間において先端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に切り替えるとともに切替弁65Rを(B2)シリンダ本体63Rの内部空間において先端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に切り替える。
その結果、図14に示す如く、第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rが回動し、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが「離間位置」に移動する。
ベルト離間工程S1400が終了したら、回転・注入工程S1500に移行する。
【0191】
回転・注入工程S1500は把持回転装置80により把持された容器1を容器1の周方向に回転させるとともに、充填物注入装置20に所定量の充填物を周方向に回転している容器1に注入させる工程である。
回転・注入工程S1500において、制御装置95aは昇降用モータ90に信号を送信し、所定の回転量(回転角度)だけ回転させる。
その結果、図15に示す如く、「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が所定量上昇し、容器1の内部の底面がノズル27の下端部の直下となる位置(ノズル27の下端部から容器1の内部の底面までの距離が非常に小さくなる位置)で停止する。
【0192】
次に、制御装置95aは三方弁駆動シリンダ23の切替弁23cに信号を送信することにより三方弁22を(b)第二のポートと第三のポートとが連通されるとともに第一のポートが閉塞される状態に切り替える。
その結果、三方弁22を介して充填物計量・圧送シリンダ24とノズル27とが連通する。
【0193】
続いて、制御装置95aは、(α)回転用モータ86に信号を送信することにより回転用モータ86を所定の回転速度で回転させ、ひいては把持回転装置80により把持された容器1を容器1の周方向に回転させるとともに、(β)シリンダ駆動モータ25に信号を送信することによりシリンダロッド24bを右方向(シリンダ本体24aに没入する方向)に所定の速度で摺動させ、シリンダ本体24aに収容された充填物をノズル27の先端部から吐出し、さらに(γ)昇降用モータ90に信号を送信し、昇降用モータ90を所定の速度で回転させることにより「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」を徐々に下降させる。
その結果、ノズル27の先端部から吐出された充填物が容器1の内部に注入される。
このとき、容器1の回転により発生する遠心力が容器1の内部に注入された充填物に作用して、当該充填物が容器1の内部において平面視中央部から平面視外周部に向かって流動し、当該充填物の上面(充填物が液体の場合、液面)が平滑に保持される。
また、充填物の吐出量(容器1の内部への注入量)に応じて「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」を徐々に下降させることにより、容器1の内部に注入された充填物の一部がノズル27の外周面に付着することが防止される。
【0194】
続いて、制御装置95aは、シリンダロッド24bが右方向(シリンダ本体24aに没入する方向)に所定量摺動した時点でシリンダ駆動モータ25に信号を送信することによりシリンダロッド24bの摺動を停止させる。
その結果、ノズル27からの充填物の吐出(容器1への充填物の注入)が停止する。
【0195】
続いて、制御装置95aは、回転用モータ86に信号を送信することにより回転用モータ86の回転を停止させる。
その結果、把持回転装置80により把持された容器1の周方向の回転が停止する。
【0196】
続いて、制御装置95aは昇降用モータ90に信号を送信し、昇降用モータ90を所定の回転量(回転角度)だけ回転させる。
その結果、「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が所定量下降し、把持回転装置80により把持された容器1が把持位置に到達したときに停止する。
回転・注入工程S1500が終了したら、ベルト挟持工程S1600に移行する。
【0197】
ベルト挟持工程S1600はベルト位置変更機構60に第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「挟持搬送位置」に変更させ、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rに把持回転装置80により把持された容器1を挟持させる工程である。
ベルト挟持工程S1600において、制御装置95aはベルト位置変更機構60、より詳細には切替弁65Lおよび切替弁65Rに信号を送信することにより、切替弁65Lを(A1)シリンダ本体63Lの内部空間において基端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に切り替えるとともに切替弁65Rを(A2)シリンダ本体63Rの内部空間において基端部寄りとなる部分に圧縮空気を供給する状態に切り替える。
その結果、第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rが回動し、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが「挟持搬送位置」に移動し、把持位置において把持回転装置80により把持された容器1は第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持される。
ベルト挟持工程S1600が終了したら、把持解除工程S1700に移行する。
【0198】
把持解除工程S1700は把持回転装置80に容器1が把持された状態を解除させる工程である。
把持解除工程S1700において、制御装置95aは切替弁84に信号を送信して切替弁84が(B3)閉じた状態とする。
その結果、一対の把持爪81・81が開いて容器1の周面1aから離間した状態となり、把持回転装置80は容器1を把持した状態を解除する。
次に、制御装置95aは昇降用モータ90に信号を送信し、所定の回転量(回転角度)だけ回転させる。
その結果、「一対の把持爪81・81、爪支持部材82および回転軸83を合わせたもの」が所定量下降し、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1の下方に移動する。
把持解除工程S1700が終了したら、第三搬送工程S1800に移行する。
【0199】
第三搬送工程S1800は第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分がともに搬送方向に移動するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させることにより、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1を搬送方向に搬送する工程である。
【0200】
図17に示す如く、第三搬送工程S1800において、制御装置95aは第一ベルト49Lのうちその外周面が第二ベルト49Rの外周面に対向する部分が搬送方向に速度V31で移動する(第一ベルト49Lが平面視で反時計回りに周速度V31で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ46Lに送信する。
また、制御装置95aは第二ベルト49Rのうちその外周面が第一ベルト49Lの外周面に対向する部分が搬送方向に速度V32で移動する(第二ベルト49Rが平面視で時計回りに周速度V32で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ46Rに送信する。ここで、V31=V32である。
その結果、第一ベルト49Lと第二ベルト49Rとで挟持された容器1は搬送方向に搬送され、下流側搬送装置30bに受け渡される。
制御装置95aは、予め設定された回転量だけ第一モータ46Lおよび第二モータ46Rが回転した時点で容器1が下流側搬送装置30bに受け渡されたものと見なし、第三搬送工程S1800を終了する。
【0201】
なお、本実施形態の場合、複数の容器1・1・・・が上流側搬送装置30aにより順次搬送されるため、第三搬送工程S1800が終了したら再び第一搬送工程S1100に移行する。
すなわち、第一搬送工程S1100→第二搬送工程S1200→把持工程S1300→ベルト離間工程S1400→回転・注入工程S1500→ベルト挟持工程S1600→把持解除工程S1700→第三搬送工程S1800→第一搬送工程S1100→第二搬送工程S1200→・・・というサイクルを繰り返す。
【0202】
本実施形態では第三搬送工程S1800における第一ベルト49Lの移動速度と第二ベルト49Rの移動速度とが同じ値である(V31=V32)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第三搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0203】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト49Lの移動速度と第三搬送工程S1800における第一ベルト49Lの移動速度とが同じ値である(V11=V31)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第三搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0204】
本実施形態では第二搬送工程S1200における第一ベルト49Lの移動速度と第三搬送工程S1800における第一ベルト49Lの移動速度とが同じ値である(V21=V31)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第二搬送工程における第一ベルトの移動速度と第三搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0205】
以上の如く、充填装置100は、
周面1aおよび下面1bを有するとともに上面に開口部1cが形成された容器1に充填物を充填する充填装置であって、
外周面の一部が互いに対向する一対の無端ベルトである第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rと、
第一ベルト49Lを回転駆動する第一モータ46Lと、
第二ベルト49Rを回転駆動する第二モータ46Rと、
第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分が容器1の周面1aに当接することにより第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが容器1を挟持しつつ所定の搬送方向に搬送することが可能な位置である「挟持搬送位置」、または、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分が容器1の周面1aから離間した位置である「離間位置」、のいずれかに変更するベルト位置変更機構60と、
第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1が所定の検出位置に到達したことを検出する位置検出センサ70と、
第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された状態で搬送されることにより検出位置よりも搬送方向における下流側(前方)に設定される所定の把持位置に到達した容器1を把持し、容器1を容器1の周方向に回転させ、かつ容器1を上下方向に昇降させる把持回転装置80と、
所定量の充填物を把持回転装置80により把持された状態で周方向に回転する容器1に注入する充填物注入装置20と、
を具備する。
このように構成することにより、部品交換あるいは煩雑な調整作業を伴わずに外径が異なる複数種類の容器1に充填物を充填することが可能である。
より詳細には、充填装置100は、容器1の外径が変化しても容器1の搬送に係る部品(本実施形態の場合、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49R)、および容器1に充填物を充填する際に充填物注入装置20に対して容器1の位置決めを行う部品(本実施形態の場合、把持回転装置80)を交換する必要が無く、これらの部品について煩雑な調整作業を行う必要も無い。結果として、部品交換および調整作業に伴うコスト上昇および労力の増大を抑えることが可能である。
【0206】
本実施形態では容器1の平面視形状が円形であり、容器1の外径は容器1の直径に一致するが、本発明に係る容器の平面視形状は円形に限定されないため、当該容器の平面視形状が円形でない場合に容器の外径をどのように定義するのかが問題となる。
【0207】
容器の平面視形状が楕円形の場合、容器の下面の短軸方向が搬送方向と平行になる姿勢で当該容器を第一ベルトおよび第二ベルトで挟持すると搬送中に容器が周方向に回転し、脱落する恐れがある。
そのため、第一ベルトおよび第二ベルトの間隔を容器の下面の短軸方向の長さよりもやや小さく設定し、容器の下面の長軸方向が搬送方向と平行になる姿勢で当該容器を第一ベルトおよび第二ベルトで挟持することとなる。
従って、この場合には、容器の下面の長軸方向の長さが「容器の外径」に相当する。
【0208】
容器の平面視形状が多角形(例えば、正六角形)の場合、容器の平面視形状が楕円形の場合のように搬送中に容器が周方向に回転して脱落する恐れは小さいが、平面視における容器の中心から周面までの距離が、周面の位相によって変化する。
このような場合には、平面視における容器の中心から周面までの距離の最大値および最小値の間に「容器の外径」を設定することが望ましい。
このようにして平面視形状が多角形となる容器の外径を設定した場合、第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持されたときの容器の周方向の回転位相により把持位置に到達したときの容器の位置が多少ばらつくこととなるが、把持回転装置の把持部分(本実施形態の場合、把持爪81・81)の動作量を把持位置に到達したときの容器の位置のばらつきよりも大きく設定すれば良い。
【0209】
また、充填装置100は、
容器1が検出位置に到達したことを示す位置検出センサ70からの信号および予め設定された容器1の外径に基づいて、第一モータ46L、第二モータ46R、ベルト位置変更機構60、把持回転装置80および充填物注入装置20の動作を制御する制御装置95aを具備し、
制御装置95aは、
容器1が検出位置に到達したことを位置検出センサ70が検出するまでは、
ベルト位置変更機構60に第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「挟持搬送位置」で保持させつつ、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分がともに搬送方向に移動するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させ、
容器1が検出位置に到達したことを位置検出センサ70が検出したときには、
予め設定された容器1の外径に基づいて算出された「検出位置から把持位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させ、
容器1が把持位置に到達したときには、
第一モータ46Lおよび第二モータ46Rの回転駆動を停止させ、把持回転装置80に前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された前記容器を把持させ、前記ベルト位置変更機構に第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「離間位置」に変更させ、把持回転装置80に容器1を容器1の周方向に回転させ、充填物注入装置20に把持回転装置80により把持された状態で周方向に回転する容器1に所定量の充填物を注入させ、
容器1に所定量の充填物が注入されたときには、
把持回転装置80に容器1の周方向の回転を停止させ、ベルト位置変更機構60に第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「挟持搬送位置」に変更させることにより第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rに容器1を挟持させ、把持回転装置80に容器1の把持を解除させ、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分がともに搬送方向に移動するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させる。
このように構成することにより、部品交換あるいは煩雑な調整作業を伴わずに外径が異なる複数種類の容器1に充填物を充填することが可能である。
【0210】
また、充填装置100の制御装置95aは、
充填物注入装置20により注入される充填物の量に応じて把持回転装置80に容器1を下降させる。
このように構成することにより、容器1に注入された充填物が充填物注入装置20を構成する部品(本実施形態の場合、ノズル27の外周面等)に付着することを防止することが可能である。
【0211】
また、充填装置100は、
第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構50を具備する。
このように構成することにより、容器1の外径が変化しても、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの間隔を調整することにより部品交換等を行わずに容器1を挟持することが可能である。
【0212】
また、充填装置100は、
第一ベルト49Lの上下方向の位置を調整する第一昇降機構45Lと、
第二ベルト49Rの上下方向の位置を調整する第二昇降機構45Rと、
を具備する。
このように構成することにより、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより容器1を挟持する位置(高さ)を容器1の周面1の形状に応じて調整することが可能であり、ひいては第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより容器1を確実に挟持することが可能である。
【0213】
図5および図6に示す如く、本実施形態では第一挟持搬送装置40Lおよび第二挟持搬送装置40Rが水平面に沿って回動することにより第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「挟持搬送位置」または「離間位置」のいずれかに変更可能としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一ベルトおよび第二ベルトがそれぞれ搬送方向および上下方向に対して垂直な方向(本実施形態では、左右方向)にそれぞれ平行移動することにより第一ベルトおよび第二ベルトの位置を「挟持搬送位置」または「離間位置」のいずれかに変更可能な構成としても良い。
【0214】
また、図5および図6に示す如く、本実施形態では第一挟持搬送装置40Lの回動中心(第一回動軸42L)を第一駆動プーリ47Lおよび第一従動プーリ48Lにより挟まれる位置に設定するとともに第二挟持搬送装置40Rの回動中心(第二回動軸42R)を第二駆動プーリ47Rおよび第二従動プーリ48Rにより挟まれる位置に設定することにより、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが「離間位置」にあるとき、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分のうち搬送方向における上流側の間隔が狭くなり、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分のうち搬送方向における下流側の間隔が広くなる。
このように構成することにより、回転・注入工程S1500が行われている間に上流側搬送装置30aにより別の容器1が搬送されてきても、当該別の容器1は第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分のうち搬送方向における上流側の部分により搬送方向への移動が規制される(図6参照)ので、当該別の容器1が第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rに挟持される位置に進入することが規制される。
【0215】
なお、第一ベルトおよび第二ベルトが「離間位置」にあるとき、第一ベルトおよび第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分のうち搬送方向における上流側の間隔は「容器の搬送幅」よりも小さい値に設定する必要がある。
ここで、「容器の搬送幅」は、容器が第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持されるときの容器の幅、すなわち搬送方向および上下方向に対して垂直な方向(本実施形態の場合、左右方向)の長さを指す。
容器の平面視形状が円形の場合、「平面視における容器の直径」が容器の搬送幅に相当する。
容器の平面視形状が多角形の場合、「平面視における容器の中心から周面までの距離の最小値を二倍した値」が容器の搬送幅に相当する。
容器の平面視形状が楕円形の場合、「平面視における容器の短軸方向の長さ」が容器の搬送幅に相当する。
【0216】
本実施形態では、厳密には、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rに挟持された容器1の搬送方向への搬送が開始されてから当該容器1が把持位置に到達するまでに、上流側搬送装置30aにより搬送されてきた別の容器1が第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分の搬送方向における上流端部に到達した場合には当該別の容器1も第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rに挟持されてしまうという問題を有する。
そこで、本実施形態では、上流側搬送装置30aによる容器1の搬送速度よりも第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rによる容器1の搬送速度を十分に大きく設定することにより上記問題を解消している。
なお、第一ベルトおよび第二ベルトよりも搬送方向における上流側に配置され、容器が第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持可能な位置に進入することを規制することが可能なストッパ機構(例えば、開閉可能なシャッター等)を別途充填装置に具備することによっても、上記問題を解消することが可能である。
【0217】
本実施形態では、第一ベルト49Lを回転駆動する第一モータ46Lと第二ベルト49Rを回転駆動する第二モータ46Rとは別体である(それぞれ別のモータからなる)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一モータが第一ベルトおよび第二ベルトを回転駆動することにより、第二モータを省略しても良い(一つのモータで第一ベルトおよび第二ベルトを回転駆動しても良い)。
【0218】
また、本発明に係る充填方法の実施の一形態は、
充填装置100を用いた充填方法であって、
位置検出センサ70により容器1が検出されるまでは第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分がともに所定の搬送方向に移動するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させることにより、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1を検出位置に搬送する第一搬送工程S1100と、
予め設定された「容器1の外径に基づいて算出された検出位置から把持位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させることにより、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1を把持位置に搬送する第二搬送工程S1200と、
把持回転装置80が把持位置に到達した容器1を把持する把持工程S1300と、
ベルト位置変更機構60が第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「離間位置」に変更するベルト離間工程S1400と、
把持回転装置80が容器1を容器1の周方向に回転させるとともに、充填物注入装置20が把持回転装置80により周方向に回転されている容器1に所定量の充填物を注入する回転・注入工程S1500と、
ベルト位置変更機構60が第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rの位置を「挟持搬送位置」に変更し、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rが把持回転装置80により把持された容器1を挟持するベルト挟持工程S1600と、
把持回転装置80が容器1を把持した状態を解除する把持解除工程S1700と、
第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにおいて外周面が互いに対向する部分がともに搬送方向に移動するように第一モータ46Lおよび第二モータ46Rを回転駆動させることにより、第一ベルト49Lおよび第二ベルト49Rにより挟持された容器1を搬送方向に搬送する第三搬送工程S1800と、
を具備する。
このように構成することにより、部品交換あるいは煩雑な調整作業を伴わずに外径が異なる複数種類の容器1に充填物を充填することが可能である。
【0219】
また、本発明に係る充填方法の実施の一形態は、
回転・注入工程S1500において、
把持回転装置80は充填物注入装置20により注入される充填物の量に応じて容器1を下降させる。
このように構成することにより、容器1に注入された充填物が充填物注入装置20を構成する部品(本実施形態の場合、ノズル27の外周面等)に付着することを防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本発明に係る充填装置の実施の一形態を示す右側面図。
【図2】本発明に係る充填装置の実施の一形態を示す平面図。
【図3】本発明に係る充填装置の実施の一形態を示す正面図。
【図4】本発明に係る充填装置の実施の一形態を示すブロック図。
【図5】本発明に係る充填装置の実施の一形態における第一ベルトおよび第二ベルトが「挟持搬送位置」に配置された状態を示す要部平面図。
【図6】本発明に係る充填装置の実施の一形態における第一ベルトおよび第二ベルトが「離間位置」に配置された状態を示す要部平面図。
【図7】本発明に係る充填方法の実施の一形態を示すフロー図。
【図8】本発明に係る充填装置の実施の一形態が第一搬送工程の途中段階にあるときの状態を示す平面模式図。
【図9】本発明に係る充填装置の実施の一形態が第一搬送工程の終了段階にあるときの状態を示す平面模式図。
【図10】本発明に係る充填装置の実施の一形態が第二搬送工程の終了段階にあるときの状態を示す平面模式図。
【図11】本発明に係る充填装置の実施の一形態が第二搬送工程の終了段階にあるときの状態を示す右側面模式図。
【図12】本発明に係る充填装置の実施の一形態が把持工程の終了段階にあるときの状態を示す平面模式図。
【図13】本発明に係る充填装置の実施の一形態が把持工程の終了段階にあるときの状態を示す右側面模式図。
【図14】本発明に係る充填装置の実施の一形態がベルト離間工程の終了段階にあるときの状態を示す平面模式図。
【図15】本発明に係る充填装置の実施の一形態が回転・注入工程の途中段階にあるときの状態を示す右側面模式図。
【図16】同じく本発明に係る充填装置の実施の一形態が回転・注入工程の途中段階にあるときの状態を示す右側面模式図。
【図17】本発明に係る充填装置の実施の一形態が第三搬送工程の途中段階にあるときの状態を示す平面模式図。
【図18】本発明に係る容器の実施の一形態を示す図。
【符号の説明】
【0221】
1 容器
1a 周面
1b 下面
1c 開口部
20 充填物注入装置
46L 第一モータ
46R 第二モータ
49L 第一ベルト
49R 第二ベルト
60 ベルト位置変更機構
70 位置検出センサ
80 把持回転装置
100 充填装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面および下面を有するとともに上面に開口部が形成された容器に充填物を充填する充填装置であって、
外周面の一部が互いに対向する一対の無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記容器の周面に当接することにより前記第一ベルトおよび前記第二ベルトが前記容器を挟持しつつ所定の搬送方向に搬送することが可能な位置である挟持搬送位置、または、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記容器の周面から離間した位置である離間位置、のいずれかに変更するベルト位置変更機構と、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された容器が所定の検出位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された状態で搬送されることにより前記検出位置よりも前記搬送方向における下流側に設定される所定の把持位置に到達した前記容器を把持し、前記容器を前記容器の周方向に回転させ、かつ前記容器を上下方向に昇降させる把持回転装置と、
所定量の前記充填物を前記把持回転装置により把持された状態で周方向に回転する容器に注入する充填物注入装置と、
を具備する充填装置。
【請求項2】
前記容器が前記検出位置に到達したことを示す前記位置検出センサからの信号および予め設定された前記容器の外径に基づいて、前記第一モータ、前記第二モータ、前記ベルト位置変更機構、前記把持回転装置および前記充填物注入装置の動作を制御する制御装置を具備し、
前記制御装置は、
前記容器が前記検出位置に到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは、
前記ベルト位置変更機構に前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記挟持搬送位置で保持させつつ、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分がともに前記搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、
前記容器が前記検出位置に到達したことを前記位置検出センサが検出したときには、
予め設定された前記容器の外径に基づいて算出された前記検出位置から前記把持位置までの距離だけ前記容器を前記搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、
前記容器が前記把持位置に到達したときには、
前記第一モータおよび前記第二モータの回転駆動を停止させ、前記把持回転装置に前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された前記容器を把持させ、前記ベルト位置変更機構に前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記離間位置に変更させ、前記把持回転装置に前記容器を前記容器の周方向に回転させ、前記充填物注入装置に前記把持回転装置により把持された状態で周方向に回転する容器に所定量の前記充填物を注入させ、
前記容器に所定量の前記充填物が注入されたときには、
前記把持回転装置に前記容器の周方向の回転を停止させ、前記ベルト位置変更機構に前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記挟持搬送位置に変更させることにより前記第一ベルトおよび前記第二ベルトに前記容器を挟持させ、前記把持回転装置に前記容器の把持を解除させ、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分がともに前記搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる請求項1に記載の充填装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記充填物注入装置により前記容器に注入される充填物の量に応じて前記把持回転装置に前記容器を下降させる請求項2に記載の充填装置。
【請求項4】
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構を具備する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の充填装置。
【請求項5】
前記第一ベルトの上下方向の位置を調整する第一昇降機構と、
前記第二ベルトの上下方向の位置を調整する第二昇降機構と、
を具備する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の充填装置。
【請求項6】
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトが前記離間位置にあるとき、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分のうち前記搬送方向における上流側の間隔が前記容器の搬送幅よりも小さい請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の充填装置。
【請求項7】
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトよりも前記搬送方向における上流側に配置され、前記容器が前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持可能な位置に進入することを規制することが可能なストッパ機構を具備する請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の充填装置。
【請求項8】
前記第一モータが前記第一ベルトおよび前記第二ベルトを回転駆動することにより、前記第二モータを省略した請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の充填装置。
【請求項9】
外周面の一部が互いに対向する一対の無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が周面および下面を有するとともに上面に開口部が形成された容器の周面に当接することにより前記第一ベルトおよび前記第二ベルトが前記容器を挟持しつつ所定の搬送方向に搬送することが可能な位置である挟持搬送位置、または、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記容器の周面から離間した位置である離間位置、のいずれかに変更するベルト位置変更機構と、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された容器が所定の検出位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された状態で搬送されることにより前記検出位置よりも前記搬送方向における下流側に設定される所定の把持位置に到達した前記容器を把持し、前記容器を前記容器の周方向に回転させ、かつ前記容器を上下方向に昇降させる把持回転装置と、
所定量の前記充填物を前記把持回転装置により把持された状態で周方向に回転する容器に注入する充填物注入装置と、
を具備する充填装置を用いた充填方法であって、
前記位置検出センサにより前記容器が検出されるまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分がともに所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させることにより、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された前記容器を前記検出位置に搬送する第一搬送工程と、
予め設定された前記容器の外径に基づいて算出された検出位置から把持位置までの距離だけ前記容器を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させることにより、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された前記容器を前記把持位置に搬送する第二搬送工程と、
前記把持回転装置が前記把持位置に到達した容器を把持する把持工程と、
前記ベルト位置変更機構が前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記離間位置に変更するベルト離間工程と、
前記把持回転装置が前記容器を前記容器の周方向に回転させるとともに、前記充填物注入装置が前記把持回転装置により周方向に回転されている容器に所定量の前記充填物を注入する回転・注入工程と、
前記ベルト位置変更機構が前記第一ベルトおよび前記第二ベルトの位置を前記挟持搬送位置に変更し、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトが前記把持回転装置により把持された容器を挟持するベルト挟持工程と、
前記把持回転装置が前記容器を把持した状態を解除する把持解除工程と、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分がともに搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させることにより、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにより挟持された容器を搬送方向に搬送する第三搬送工程と、
を具備する充填方法。
【請求項10】
前記回転・注入工程において、
前記把持回転装置は前記充填物注入装置により注入される充填物の量に応じて前記容器を下降させる請求項9に記載の充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−36946(P2010−36946A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200071(P2008−200071)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(599060847)株式会社ウイスト (5)
【Fターム(参考)】