充電システム
【課題】充電システムにおいて、モータを利用して外部単相電源からバッテリに充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流においてリップル電流成分を抑制することである。
【解決手段】充電システムは、バッテリ16と、インバータ18と、インバータ18に接続されたモータ20と、力率改善コンバータ12と、インバータ側制御手段32とを含む。力率改善コンバータ12は、外部交流電源24から出力される交流電流を直流電流に変換する。力率改善コンバータ12の直流正極側とモータ中性点36とを接続する。インバータ側制御手段32は、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、外部交流電源24の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制するようにインバータ18を制御する電流平滑制御手段48を有する。
【解決手段】充電システムは、バッテリ16と、インバータ18と、インバータ18に接続されたモータ20と、力率改善コンバータ12と、インバータ側制御手段32とを含む。力率改善コンバータ12は、外部交流電源24から出力される交流電流を直流電流に変換する。力率改善コンバータ12の直流正極側とモータ中性点36とを接続する。インバータ側制御手段32は、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、外部交流電源24の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制するようにインバータ18を制御する電流平滑制御手段48を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリと、バッテリに接続されたコンバータと、コンバータに接続されたモータとを備える充電システムに関する。例えば、本発明に係る充電システムは、電気自動車用充電システムとして利用する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載したモータを車両の駆動源とする電気自動車や、車両に搭載したエンジン及びモータの少なくとも一方を車両の主駆動源とするハイブリッド車両等の電動車両が知られている。このような電動車両では、モータに電力を供給するためのバッテリを搭載している。また、モータ駆動装置を含む充電システムを構成し、車両外部の外部単相電源である交流電源とバッテリとの間で電力を授受可能とすることが考えられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、外部単相電源に対応する商用電源に接続された第1全波整流回路と、第1全波整流回路に接続されたDC−ACコンバータと、DC−ACコンバータに接続されたトランスと、トランスに接続された整流器と、整流器に接続されたモータと、モータにインバータを介して接続されたバッテリとを備える電気自動車用充電器が記載されている。この充電器では、バッテリ側の整流器の+側出力端子または−側出力端子がモータの3相のステータコイルの中性点に接続されている。モータのステータコイルがバッテリ充電時に整流器の整流出力中のリップル成分を低減するリアクトル機能を果たすので、リップル成分低減用のリアクトルを省略できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−233709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された充電器の場合、モータのステータコイルを利用して、バッテリに入力される直流電流において、DC−ACコンバータのスイッチングに起因するリップル電流を低減でき、リップル電流を低減するためのフィルタを省略できる可能性はある。ただし、全波整流した場合に生じる、商用電源の交流電源周波数の2倍で脈動するリップル成分に対しては、ステータコイルのインダクタンス値が小さいため、ステータコイルの利用で低減することは難しい。これに対して、特許文献1の充電器が有するDC−ACコンバータは、ブリッジ回路と、昇圧型力率改善回路の平滑コンデンサとを用いて、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制できる可能性はある。ただし、特許文献1の充電器では、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制するための専用のブリッジ回路が必要となり、部品点数の削減を図り、低コスト化を図る面から改良の余地がある。
【0006】
また、力率改善回路の直流出力側に専用のDC/DCコンバータを設けて、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制することも考えられるが、この場合もリップル電流抑制のための専用の部品が必要となり、部品点数の削減を図り、低コスト化を図る面から改良の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、充電システムにおいて、モータを利用して外部単相電源からバッテリに充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る充電システムは、バッテリと、バッテリに接続されたインバータと、インバータに接続されたモータとを備え、さらに、外部単相電源から出力される交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータであって、AC/DCコンバータの直流正極側とモータ中性点とが接続されるAC/DCコンバータと、外部単相電源からバッテリへの充電時に、外部単相電源の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制するようにインバータを制御する電流平滑制御手段とを備えることを特徴とする充電システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の充電システムによれば、モータを利用して外部単相電源からバッテリに充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。
【図2】図1の構成を使用した充電制御方法において、モータの中性点電流を制御しながら、バッテリに充電する様子を示す図である。
【図3A】図1の構成における充電時のバッテリ電圧(電池電圧)Vbと、バッテリに入力される電流(電池電流)Ibの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図3B】図1の構成における充電時の中性点電流Inの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図3C】図1の構成における充電時の外部交流電源電圧(電源電圧)Vsと、外部交流電源電流(電源電流)Isの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図4】比較例の充電システムの回路構成を示す図である。
【図5A】図4の比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時のバッテリ電圧(電池電圧)Vbと、バッテリに入力される電流(電池電流)Ibの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図5B】図4の比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時の中性点電流Inの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図5C】図4の比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時の外部交流電源電圧(電源電圧)Vsと、外部交流電源電流(電源電流)Isの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。
【図7】図6の構成で、充電器側制御手段に各種の検出信号が入力される様子を示す回路図である。
【図8】図7の充電器側制御手段により、充電器であり、AC/DCコンバータである高力率コンバータを制御する様子を示すブロック図である。
【図9】図6の構成で、インバータ側制御手段に各種の検出信号が入力される様子を示す回路図である。
【図10】図9のインバータ側制御手段により、インバータを制御する様子を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1、図2、図3A、図3B、図3Cは、本発明の第1実施形態を示している。本実施形態の充電システムは、モータ駆動装置10と、AC/DCコンバータであり、充電器である力率改善コンバータ(PFC)12と、インバータ側制御手段32と、充電器側制御手段34と、リップルフィルタ14とを備える。
【0012】
モータ駆動装置10は、車載バッテリであるバッテリ16と、バッテリ16の正極側が第1スイッチである第1リレーR1を介して正極側に接続され、バッテリ16の負極側が直接に、すなわちスイッチを介さずに負極側に接続されるモータ駆動用のインバータ18と、インバータ18に接続されたモータ20とを含む。このようなモータ駆動装置10は、例えばバッテリ16を電力源とし、モータ20を車両の駆動源とする電気自動車や、エンジン及びモータ20を車両の駆動源として備えるプラグインハイブリッド車等のハイブリッド車両等の電動車両に搭載されて、バッテリ16の電力を用いてモータ20を駆動する。充電システムは、車両に搭載されて、外部の商用電源であり、外部単相電源である外部交流電源24からバッテリ16への充電を可能としている。また、図1では、図示を省略するが、後述する第2実施形態を説明するための図6に示すように、外部交流電源24側に内部インダクタンス94が設けられている。
【0013】
モータ20は、例えば3相交流モータである。モータ20の駆動時に、第1リレーR1が接続されることで、バッテリ16の電圧がインバータ18に出力される。インバータ18は、3相のアームA1,A2,A3を含み、各相のアームA1,A2,A3は、直列接続された2つのスイッチング素子S1と、各スイッチング素子S1に逆並列に接続されたダイオードD1とを含む。各相アームA1,A2,A3の中点は、モータ20を構成する対応する相のステータコイル26の一端に接続されている。スイッチング素子S1は、MOSFET、IGBT、トランジスタ等である。インバータ側制御手段32は、インバータ18の各スイッチング素子S1のスイッチングを制御する。
【0014】
また、力率改善コンバータ12は、詳しい図示は省略するが、ダイオード整流素子を含むダイオード整流ブリッジ等のダイオード整流器またはダイオード整流素子である整流部と、スイッチング素子やリアクトルを有する力率改善部と、全波整流回路部とを含む。外部交流電源24は第1コネクタである電源コネクタ28に接続され、整流部の交流側は第2コネクタである車両コネクタ30に接続されている。
【0015】
また、力率改善部では、充電器側制御手段34により力率改善部のスイッチング素子のスイッチングのオンオフが制御され、力率改善部から出力される電流の波形が、整流部から出力される交流電圧の波形と相似波形に近づくように、すなわち電流非連続モード等で正弦波に近づくように制御される。また、全波整流回路部は、力率改善部から出力された交流電流を全波整流に変換する。このため、図2に示すように、外部交流電源24の交流電圧Vsと交流電流Isとが規定され、交流電流Isが力率改善コンバータ12に入力されると、全波整流された直流電流Iaが出力される。このように、力率改善コンバータ12は、外部交流電源24から出力される交流電流Isを直流電流Iaに変換する。
【0016】
また、図1に戻って、力率改善コンバータ12の直流正極側がモータ側スイッチである第2リレーR2を介して、モータ20の3相のステータコイル26の中性点であるモータ中性点36に接続されている。
【0017】
また、モータ駆動装置10は、インバータ18の正極側と負極側との間に、インバータ18に並列に接続されたコンデンサ38を含む。コンデンサ38の正極側はインバータ18の正極側に接続され、コンデンサ38の負極側はインバータ18及びバッテリ16の負極側に接続されている。第1リレーR1は、コンデンサ38の正極側とバッテリ16の正極側との間に設けられている。また、インバータ18と、コンデンサ38とにより、インバータユニット40が構成されている。
【0018】
また、充電システムは、第2スイッチである第3リレーR3と、スイッチ制御手段42とを含む。第3リレーR3は、力率改善コンバータ12の直流正極側とバッテリ16の正極側との間に設けられている。また、力率改善コンバータ12の直流負極側とバッテリ16の負極側とが接続されている。
【0019】
スイッチ制御手段42は、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、コンデンサ38の正極側とバッテリ16の正極側とが切り離されるように第1リレーR1を制御するとともに、第2リレーR2及び第3リレーR3がオンされる、すなわち接続されるように、第2リレーR2及び第3リレーR3を制御する。第3リレーR3がオンされると、力率改善コンバータ12の直流正極側とバッテリ16の正極側とが接続される。
【0020】
また、スイッチ制御手段42は、車両の駆動時等、バッテリ16の電力によりモータ20を駆動する場合に、コンデンサ38の正極側とバッテリ16の正極側とが接続されるように第1リレーR1を制御する。これとともに、スイッチ制御手段42は、第2リレーR2及び第3リレーR3がオフされる、すなわち切り離されるように、第2リレーR2及び第3リレーR3を制御する。この状態で、インバータ側制御手段32は、インバータ18のスイッチング素子S1のスイッチングを制御して、図示しないアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサの検出信号等に応じて、モータ20のトルク制御を行う。
【0021】
また、リップルフィルタ14は、力率改善コンバータ12とバッテリ16との間に接続されている。具体的には、リップルフィルタ14は、力率改善コンバータ12の直流正極側とバッテリ16の正極側との間に、第3リレーR3を介して接続されたリアクトル44と、リアクトル44のバッテリ16側端と力率改善コンバータ12の直流負極側との間に接続されたコンデンサ46とを含む。リップルフィルタ14は、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、力率改善コンバータ12から出力される電流に含まれる、スイッチングに起因するリップル電流を抑制する。
【0022】
このような充電システムによれば、モータ駆動装置10を構成するインバータ18及びモータ20と、力率改善コンバータ12と、リップルフィルタ14とを用いて、外部交流電源24からバッテリ16へ充電することができる。また、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、上記のように第1、第2、第3リレーR1、R2、R3が制御されるので、外部交流電源24の交流電力が力率改善コンバータ12を用いて直流電力に変換され、バッテリ16が充電される。第1リレーR1及び第3リレーR3は、機器の停止時にバッテリ16と、バッテリ16に対し接続不要な要素とを電気的に切り離すために使用される。
【0023】
また、インバータ側制御手段32は、電流平滑制御手段48を有する。電流平滑制御手段48は、充電時に、力率改善コンバータ12の直流側の出力である、交流電源周波数の2倍の周波数を有する交流電力を演算し、さらにその交流電力に対応する交流電流Icを演算する。すなわち、図2に示す外部交流電源24の電圧Vs及び電流Isと、バッテリ16の電圧Vbと、バッテリ16に入力される電流Ibとが検出され、電流平滑制御手段48(図1)に入力される。電流平滑制御手段48は、外部交流電源24の電圧Vs及び電流Isから交流電源周波数の2倍の周波数を有する交流電力を演算し、その交流電力をバッテリ16の電圧Vbで割って得られた、力率改善コンバータ12の出力側の電流指令の絶対値である|Ir|、すなわち直流電流Iaを演算する。この直流電流Iaは、交流電源周波数の2倍の周波数で変動する。そしてこの直流電流Iaからバッテリ16に入力される電流の平均値であるIbを差し引くことで、モータ中性点36(図1)に流すための交流電流Icを演算する。そして、電流平滑制御手段48は、モータ20の零相電流がIcに追従するようにインバータ18のスイッチングを制御する。この結果、モータ中性点電流Inは交流電流Icとなる。
【0024】
一方、力率改善コンバータ12の出力側にはスイッチング周波数成分のみを除去する小容量のリップルフィルタ14(図1)が接続されている。また、力率改善コンバータ12の直流出力電流である、交流電源周波数の2倍の周波数で脈動する直流電流Iaのうち、交流電源周波数の2倍の周波数を有する上記の交流電流Icに相当する中性点電流Inがインバータ18側に流れるため、残りの電流成分である平滑化された直流電流Ibがバッテリ16側に流れる。
【0025】
このような充電システムによれば、モータを利用して外部交流電源24からバッテリ16に充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制できる、すなわち平滑化できる。すなわち、外部交流電源24からバッテリ16への充電時にバッテリ16に脈動した電流が流入した場合、流入電流がバッテリ16の許容電流を超えて、過電流となったり、バッテリ16の内部インピーダンス降下のためにバッテリ16電圧が変動し、過電圧となって充電できない可能性がある。また、充電時のバッテリ16の温度上昇が大きくなり劣化が促進される可能性もある。これに対して、本実施形態と異なり、力率改善コンバータ12の出力側にDC/DCコンバータを設けてバッテリ16に入力される直流電流の脈動を抑制することも考えられる。ただし、この場合、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制するための専用の部品が増えるため、低コスト化を図る面から改良の余地がある。
【0026】
また、上記の特許文献1に記載された構成において、全波整流回路の出力側に接続したDC−ACコンバータに設けたブリッジ回路とコンデンサとにより、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍の周波数で脈動するリップル電流成分を抑制することも考えられる。ただし、この場合も、交流電源周波数の2倍の周波数で脈動するリップル電流成分を抑制するための専用の部品が増えるため、低コスト化を図る面から改良の余地がある。
【0027】
これに対して、本実施形態によれば、モータ20駆動用のインバータ18を利用して充電電流の交流電流成分を吸収し、バッテリ16に入力される電流の平滑化を行っているため、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を平滑化するためのDC/DCコンバータ等の、専用の部品を削減でき、低コスト化を図れる。また、力率改善コンバータ12の出力側に接続される平滑化用のコンデンサ46の容量の低減が可能になる。このため、充電システムの小型化、低コスト化、及び高効率化を図れる。なお、インバータ側制御手段32、充電器側制御手段34及びスイッチ制御手段42は、1つの制御装置にまとめて設けることもできるが、機能ごとに複数の制御装置に分割して設けることもできる。
【0028】
図3Aは、図1の構成における充電時のバッテリ電圧(電池電圧)Vbと、バッテリに入力される電流(電池電流)Ibの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。図3Bは、図1の構成における充電時の中性点電流Inの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。図3Cは、図1の構成における充電時の外部交流電源電圧(電源電圧)Vsと、外部交流電源電流(電源電流)Isの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。以下の説明では、図1、図2に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。このようなシミュレーション結果から分かるように、図3Cに示すように、外部交流電源24の電圧Vs及び電流Isに対して、図3Bのように、モータ中性点電流Inが交流電源周波数の2倍の周波数を有する交流電流Icとなり、バッテリ16に入力される電流Ibをほぼ一定の平滑化された直流電流とすることができる。図3Aのシミュレーション結果では、バッテリ16に入力される電流の目標電流に対する変動を±10%の範囲に抑えることができた。
【0029】
図4は、比較例の充電システムの回路構成を示す図である。図4の比較例は、上記の特許文献1に記載された構成とほぼ同様の構成を有する。図4の比較例では、外部交流電源24に第1全波整流回路49を介して力率改善回路50が接続され、力率改善回路50にブリッジ回路52が接続されている。また、ブリッジ回路52にトランス54を介して第2全波整流回路56が接続されている。第2全波整流回路56の直流正極側がモータ20のモータ中性点36に接続され、第2全波整流回路56の直流負極側がバッテリ16の負極に接続されている。バッテリ16とモータ20との間にインバータ18が接続されている。インバータ18の正極側と負極側との間にコンデンサ38が接続されている。このような比較例では、外部交流電源24からバッテリ16の充電時に、モータ20のステータコイル26が第2全波整流回路56の整流出力中のリップル成分を低減するリアクトルとしての機能を果たす。ただし、このような構成の場合も、上記の特許文献1の構成で説明したように、交流電源周波数の2倍の周波数で脈動するリップル電流成分を抑制するための専用のブリッジ回路52が必要となり、部品点数の削減を図り、低コスト化を図る面から改良の余地がある。上記の本実施形態によれば、このような不都合を解消できる。
【0030】
図5Aは、図4の比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時のバッテリ電圧(電池電圧)Vbと、バッテリに入力される電流(電池電流)Ibの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。図5Bは、比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時の中性点電流Inの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。図5Cは、比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時の外部交流電源電圧(電源電圧)Vsと、外部交流電源電流(電源電流)Isの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。以下の説明では、図4に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
【0031】
このようなシミュレーション結果から明らかなように、比較例でブリッジ回路がない場合には、外部交流電源24の電圧Vs及び電流Isに対して、図5Bのように、交流電源周波数の2倍の周波数を有する、単なる第2全波整流回路56の出力電流が、モータ中性点電流Inに出力される。このため、バッテリ16に入力される電流Ibは、交流電源周波数の2倍の周波数を有するように大きく変動するリップル成分を有する電流となり、バッテリ16に入力される電流Ibの目標電流に対する変動が±100%と大きくなった。これに対して、本実施形態によれば、図5Aと図3Aとの比較からも明らかなように、バッテリ16に入力される電流Ibを十分に平滑化できる。
【0032】
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。図6に示すように、本実施形態では、上記の図1〜2に示した第1実施形態において、力率改善コンバータ12のみが変更されている。すなわち、力率改善コンバータ12は、第2コネクタである車両コネクタ30に接続された整流部58と、コンデンサ60及びフィルタリアクトル96を含むフィルタ98とを含む。整流部58は、ダイオード整流素子を含むダイオード整流ブリッジ等のダイオード整流器またはダイオード整流素子である。コンデンサ60は、整流部58と車両コネクタ30の間に接続されている。各フィルタリアクトル96は、コンデンサ60の片側または他側と整流部58との間に接続されている。フィルタリアクトル96は省略することもできる。また、外部交流電源24と電源コネクタ28との間に、電源24の内部インダクタンス94が設けられている。
【0033】
また、力率改善コンバータ12は、フォワード型コンバータで構成され、スイッチング素子S2、スイッチング素子S2に逆並列に接続されたダイオードD2、コンデンサ62及び、高周波絶縁トランス64を有する力率改善部66と、力率改善部66の出力側に接続された全波整流回路部68とを含む。力率改善部66の1次側コイルの一端にダイオードD2の正極側が接続され、1次側コイルの他端に別のダイオードD3の正極側が接続されている。各ダイオードD2,D3の負極側は、整流部58の負極側に接続されている。整流部58の正極側は、1次側コイルの中点に接続されている。コンデンサ62は整流部58の両端に接続されている。充電器側制御手段34によりスイッチング素子S2のスイッチングのオンオフが制御され、力率改善部66から出力される電流の波形が、外部交流電源24の交流電圧の波形と相似波形に近づくようにされる。
【0034】
また、高周波絶縁トランス64は、外部交流電源24と車両側とを電気的に絶縁する機能を有する。また、力率改善コンバータ12では、1つのスイッチング素子S2で力率改善と高周波DC/DC変換とを行え、変換後の電力が高周波絶縁トランス64に入力される。また、全波整流回路部68は、力率改善部66から出力された交流電流を全波整流に変換する。すなわち高周波絶縁トランス64の2次側で整流された直流出力は、交流電源周波数の2倍で脈動する直流電流Iaとなるが、上記の第1実施形態と同様の原理でバッテリ16に入力される電流が平滑化され、充電システムの小型化、低コスト化、及び高効率化を図れる。また、スイッチング素子S2のオン時に図6の矢印Qで示す方向の電流による短絡電流は、フィルタリアクトル96または電源24の内部インダクタンス94で抑制される。
【0035】
次に、図7、図8を用いて充電器側制御手段34により力率改善コンバータ12を制御する方法を説明する。図7は、図6の構成で、充電器側制御手段34に各種の検出信号が入力される様子を示す回路図である。図8は、図7の充電器側制御手段34により、充電器であり、AC/DCコンバータである力率改善コンバータ12を制御する様子を示すブロック図である。なお、図7でも、フィルタリアクトル96(図6参照)及び内部インダクタンス94(図6参照)が設けられているが、それらの図示は省略している(後述する図9,11も同様である。)。なお、後述する図11で説明する第3実施形態では、フィルタリアクトル96を省略することもできる。
【0036】
図7に示す充電器側制御手段34には、電圧センサ(図示せず)により検出された交流電源電圧Vsの検出信号である電圧値Vsが入力されるとともに、充電電力指令値PRも入力される。充電電力指令値PRは、図示しない外部制御部で生成され、外部制御部から充電器側制御手段34に入力される。また、各種の電圧センサ(図示せず)と電流センサ(図示せず)とから、それぞれ検出信号である、バッテリ16の電圧の電圧値Vbと、バッテリ16に入力される電流Ibと、力率改善コンバータ12の出力電流Iaとが、充電器側制御手段34に入力される。以下、図6、図7に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
【0037】
図8に示すように、充電器側制御手段34では、電流指令生成部70で、電圧値Vs及び充電電力指令値PRから、電流指令値の絶対値|Ir|が生成される。例えば、電圧Vsからピーク電圧を検出し、検出したピーク電圧に基づいて電圧Vsの実効値が算出される。また、電圧Vsのゼロクロス点の検出値から電圧Vsの位相θが検出される。また、位相θに基づいて、電圧Vsと同位相の正弦波が生成され、この正弦波と充電電力指令値PRと電圧Vsの実効値とから電流指令の絶対値|Ir|が生成される。
【0038】
次に、比例補償器72に、電流指令の絶対値|Ir|と、力率改善コンバータ12の出力電流Iaの検出値との偏差が入力される。比例補償器72では、出力電流Iaの検出値が電流指令の絶対値|Ir|に追従するように、比例成分を乗じて制御電圧が演算され、制御電圧に外乱として、(k1・Vb+k2・|Vs|)が加算される。ここで、k1、k2はいずれも定数である。外乱補償後の出力は、変調率演算部74でバッテリ16の電圧Vbで割られて、PWM変調率Pdが算出される。PWM変調率Pdは、PWM信号出力部76に出力され、キャリア信号出力部78から出力されるキャリア信号と比較され、比較で得られた算出値に応じて、力率改善コンバータ12のオンオフ信号であるPWM信号Spが生成される。そしてPWM信号Spに応じて力率改善コンバータ12のスイッチング素子S2がオンオフ動作するように力率改善コンバータ12が制御される。このように充電器側制御手段34により力率改善コンバータ12を制御することで、交流側の電流を乱れがない正弦波に近づけることができる。
【0039】
なお、電流指令生成部70では、例えばサンプリング時期として、1ms以下の時期に電圧値Vs及び充電電力指令値PRを取得することができる。また、充電器側制御手段34では、力率改善コンバータ12の出力電流Iaの検出値を、100μs程度のサンプリング時期に取得することができる。また、キャリア信号出力部78では、例えば40kHzのキャリア信号を出力することができる。
【0040】
次に、図9、図10を用いてインバータ側制御手段32によりインバータ18を制御する方法を説明する。図9は、図6の構成で、インバータ側制御手段32に各種の検出信号が入力される様子を示す回路図である。図10は、図9のインバータ側制御手段32により、インバータ18を制御する様子を示すブロック図である。
【0041】
図9に示すインバータ側制御手段32には、電圧センサ(図示せず)及び電流センサ(図示せず)により検出された交流電源電圧Vsの検出信号である電圧値Vsと、電流値Isとが入力される。また、インバータ側制御手段32には、各種の電圧センサ(図示せず)と電流センサ(図示せず)とから、それぞれ検出信号である、バッテリ16の電圧の電圧値Vbと、バッテリ16に入力される電流Ibと、インバータ18の直流電圧である、コンデンサ38の両端間電圧Vdと、モータ中性点電流Inとが入力される。以下、図6、図9に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
【0042】
図10に示すように、充電器側制御手段34では、脈動電流指令生成部80で、電圧値Vs、Vb及び電流値Is、Ibから、脈動電流指令であって、モータ中性点36に流すための交流電流の電流値Icが生成される。この電流値Icの演算方法は、上記の図1、図2に示した第1実施形態と同様である。脈動電流指令の電流値Icは、力率改善コンバータ12の出力電流に含まれる交流電源周波数の2倍の周波数を有する交流電流を逆位相でキャンセルするための交流電流である。
【0043】
また、第2比例補償器82に、電流値Icとモータ中性点電流Inの検出値との偏差が入力される。第2比例補償器82では、モータ中性点電流Inの検出値が電流値Icに追従するように、比例成分を乗じて制御電圧が演算され、制御電圧が第2変調率演算部84で、コンデンサ38の両端間電圧Vdで割られて、第2PWM変調率Pd2が算出される。第2PWM変調率Pd2は、第2PWM信号出力部86に出力され、第2キャリア信号出力部88から出力されるキャリア信号と比較され、比較で得られた算出値に応じて、インバータ18のオンオフ信号である第2PWM信号Sp2が生成される。また、図10の例では、過電圧時インバータ停止部90において、コンデンサ38の両端間電圧Vdが所定の閾値を越えている場合に、過電圧が発生すると判定され、部品保護のためにインバータ18が停止される。これに対して、過電圧が発生しないと判定された場合には、上記で得られた第2PWM信号Sp2に応じてインバータ18のスイッチング素子S1がオンオフ動作するようにインバータ18が制御される。なお、過電圧時インバータ停止部90は省略することもできる。
【0044】
また、脈動電流指令生成部80では、例えばサンプリング時期として、1ms以下の時期に電圧値Vs、Vb及び電流値Is、Ibを取得することができる。また、インバータ側制御手段32では、モータ中性点電流Inの検出値を、100μs程度のサンプリング時期に取得することができる。また、第2キャリア信号出力部88では、例えば15kHzのキャリア信号を出力することができる。
【0045】
このような本実施形態によれば、力率改善コンバータ12に、外部交流電源24と車両側とを電気的に絶縁する高周波絶縁トランス64が設けられているので、高周波絶縁トランス64で1次側と2次側とを電気的に絶縁でき、車両側での感電対策をより容易に行える。なお、このような絶縁効果を得ることを目的としないのであれば、高周波絶縁トランス64の代わりに、絶縁機能がない単なるトランスを設けることもできる。また、上記の図4に示した比較例と異なり、力率改善コンバータ12にブリッジ回路52(図4)を設ける必要がないので、部品点数の削減を図れる。その他の構成及び作用は、上記の図1、図2に示した第1実施形態と同様である。
【0046】
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。本実施形態では、上記の図6〜10に示した第2実施形態において、リップルフィルタ14を省略し、さらに、AC/DCコンバータである力率改善コンバータ12の直流正極側をモータ中性点36に接続している。また、力率改善コンバータ12の直流負極側をバッテリ16の負極に接続している。さらにバッテリ16の正極とコンデンサ38及びインバータ18の正極側との間に設けた第1リレーR1と並列に、互いに直列接続された平滑化用リアクトルLf及び第3リレーR3を接続している。また、充電システムは、第1、第2、第3リレーR1,R2,R3のオンオフを制御するスイッチ制御手段42を備える。
【0047】
スイッチ制御手段42は、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、バッテリ16の正極側とコンデンサ38及びインバータ18の正極側との間に平滑化用リアクトルLfが直列に接続されるように、第3リレーR3を制御する。また、力率改善コンバータ12の出力電流中のリップル電流が、モータ20のインダクタンスとインバータ18に接続されたコンデンサ38とにより抑制されるように、インバータ側制御手段32がインバータ18を制御する。すなわち、上記の各実施形態で設けていたリップルフィルタ14(図1等)の機能を、モータ20のステータコイル26と、インバータ18に接続されたコンデンサ38とに持たせることができる。さらに、平滑化用リアクトルLfは、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、外部交流電源24の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制する機能を有する。
【0048】
このような充電システムでは、モータ駆動時に、第2リレーR2及び第3リレーR3がオフされる一方、第1リレーR1がオンされ、インバータ側制御手段32がインバータ18を制御することで、モータ20のトルク制御を行える。また、バッテリ16の充電時には、第2リレーR2及び第3リレーR3がオンされる一方、第1リレーR1がオフされる。また、外部交流電源24に接続された電源コネクタ28に車両コネクタ30が接続される。そして力率改善コンバータ12を用いて交流電源電力が直流電力に変換されてバッテリ16が充電される。本実施形態では、モータ中性点36と力率改善コンバータ12の直流正極側とが接続され、モータ20の漏れインダクタンスとインバータ18に接続されたコンデンサ38とが、バッテリ16への充電電流のリップル抑制用フィルタとして利用される。また、バッテリ16への充電電流の交流電源周波数の2倍の周波数の脈動成分が問題となる等の場合に、第3リレーR3のオンにより平滑化用リアクトルLfがインバータ18及びコンデンサ38に接続されるので、バッテリ16に対する充電電流を平滑化して、バッテリ16の充電を行える。
【0049】
このような本実施形態の充電システムの場合も、モータ20を利用して外部交流電源24からバッテリ16に充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制、すなわち平滑化できる。すなわちこのリップル電流を平滑化するための専用の部品を平滑化用リアクトルLf及び第3リレーR3だけとして、部品点数を削減でき、低コスト化を図れる。また、充電時のリップル電流を平滑化するための専用のコンデンサを省略できる。その他の構成及び作用は、上記の図6〜10に示した第2実施形態と同様である。
【0050】
なお、上記の各実施形態において、力率改善コンバータ12として、力率改善部がない単なるAC/DC変換機能を有するAC/DCコンバータを用いることもできる。
【符号の説明】
【0051】
10 モータ駆動装置、12 力率改善コンバータ(PFC)、14 リップルフィルタ、16 バッテリ、18 インバータ、20 モータ、24 外部交流電源、26 ステータコイル、28 電源コネクタ、30 車両コネクタ、32 インバータ側制御手段、34 充電器側制御手段、36 モータ中性点、38 コンデンサ、40 インバータユニット、42 スイッチ制御手段、44 リアクトル、46 コンデンサ、48 電流平滑制御手段、49 第1全波整流回路、50 力率改善回路、52 ブリッジ回路、54 トランス、56 第2全波整流回路、58 整流部、60,62 コンデンサ、64 高周波絶縁トランス、66 力率改善部、68 全波整流回路部、70 電流指令生成部、72 比例補償器、74 変調率演算部、76 PWM信号出力部、78 キャリア信号出力部、80 脈動電流指令生成部、82 第2比例補償器、84 第2変調率演算部、86 第2PWM信号出力部、88 第2キャリア信号出力部、90 過電圧時インバータ停止部、94 内部インダクタンス、96 フィルタリアクトル、98 フィルタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリと、バッテリに接続されたコンバータと、コンバータに接続されたモータとを備える充電システムに関する。例えば、本発明に係る充電システムは、電気自動車用充電システムとして利用する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載したモータを車両の駆動源とする電気自動車や、車両に搭載したエンジン及びモータの少なくとも一方を車両の主駆動源とするハイブリッド車両等の電動車両が知られている。このような電動車両では、モータに電力を供給するためのバッテリを搭載している。また、モータ駆動装置を含む充電システムを構成し、車両外部の外部単相電源である交流電源とバッテリとの間で電力を授受可能とすることが考えられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、外部単相電源に対応する商用電源に接続された第1全波整流回路と、第1全波整流回路に接続されたDC−ACコンバータと、DC−ACコンバータに接続されたトランスと、トランスに接続された整流器と、整流器に接続されたモータと、モータにインバータを介して接続されたバッテリとを備える電気自動車用充電器が記載されている。この充電器では、バッテリ側の整流器の+側出力端子または−側出力端子がモータの3相のステータコイルの中性点に接続されている。モータのステータコイルがバッテリ充電時に整流器の整流出力中のリップル成分を低減するリアクトル機能を果たすので、リップル成分低減用のリアクトルを省略できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−233709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された充電器の場合、モータのステータコイルを利用して、バッテリに入力される直流電流において、DC−ACコンバータのスイッチングに起因するリップル電流を低減でき、リップル電流を低減するためのフィルタを省略できる可能性はある。ただし、全波整流した場合に生じる、商用電源の交流電源周波数の2倍で脈動するリップル成分に対しては、ステータコイルのインダクタンス値が小さいため、ステータコイルの利用で低減することは難しい。これに対して、特許文献1の充電器が有するDC−ACコンバータは、ブリッジ回路と、昇圧型力率改善回路の平滑コンデンサとを用いて、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制できる可能性はある。ただし、特許文献1の充電器では、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制するための専用のブリッジ回路が必要となり、部品点数の削減を図り、低コスト化を図る面から改良の余地がある。
【0006】
また、力率改善回路の直流出力側に専用のDC/DCコンバータを設けて、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制することも考えられるが、この場合もリップル電流抑制のための専用の部品が必要となり、部品点数の削減を図り、低コスト化を図る面から改良の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、充電システムにおいて、モータを利用して外部単相電源からバッテリに充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る充電システムは、バッテリと、バッテリに接続されたインバータと、インバータに接続されたモータとを備え、さらに、外部単相電源から出力される交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータであって、AC/DCコンバータの直流正極側とモータ中性点とが接続されるAC/DCコンバータと、外部単相電源からバッテリへの充電時に、外部単相電源の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制するようにインバータを制御する電流平滑制御手段とを備えることを特徴とする充電システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の充電システムによれば、モータを利用して外部単相電源からバッテリに充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。
【図2】図1の構成を使用した充電制御方法において、モータの中性点電流を制御しながら、バッテリに充電する様子を示す図である。
【図3A】図1の構成における充電時のバッテリ電圧(電池電圧)Vbと、バッテリに入力される電流(電池電流)Ibの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図3B】図1の構成における充電時の中性点電流Inの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図3C】図1の構成における充電時の外部交流電源電圧(電源電圧)Vsと、外部交流電源電流(電源電流)Isの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図4】比較例の充電システムの回路構成を示す図である。
【図5A】図4の比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時のバッテリ電圧(電池電圧)Vbと、バッテリに入力される電流(電池電流)Ibの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図5B】図4の比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時の中性点電流Inの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図5C】図4の比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時の外部交流電源電圧(電源電圧)Vsと、外部交流電源電流(電源電流)Isの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。
【図7】図6の構成で、充電器側制御手段に各種の検出信号が入力される様子を示す回路図である。
【図8】図7の充電器側制御手段により、充電器であり、AC/DCコンバータである高力率コンバータを制御する様子を示すブロック図である。
【図9】図6の構成で、インバータ側制御手段に各種の検出信号が入力される様子を示す回路図である。
【図10】図9のインバータ側制御手段により、インバータを制御する様子を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1、図2、図3A、図3B、図3Cは、本発明の第1実施形態を示している。本実施形態の充電システムは、モータ駆動装置10と、AC/DCコンバータであり、充電器である力率改善コンバータ(PFC)12と、インバータ側制御手段32と、充電器側制御手段34と、リップルフィルタ14とを備える。
【0012】
モータ駆動装置10は、車載バッテリであるバッテリ16と、バッテリ16の正極側が第1スイッチである第1リレーR1を介して正極側に接続され、バッテリ16の負極側が直接に、すなわちスイッチを介さずに負極側に接続されるモータ駆動用のインバータ18と、インバータ18に接続されたモータ20とを含む。このようなモータ駆動装置10は、例えばバッテリ16を電力源とし、モータ20を車両の駆動源とする電気自動車や、エンジン及びモータ20を車両の駆動源として備えるプラグインハイブリッド車等のハイブリッド車両等の電動車両に搭載されて、バッテリ16の電力を用いてモータ20を駆動する。充電システムは、車両に搭載されて、外部の商用電源であり、外部単相電源である外部交流電源24からバッテリ16への充電を可能としている。また、図1では、図示を省略するが、後述する第2実施形態を説明するための図6に示すように、外部交流電源24側に内部インダクタンス94が設けられている。
【0013】
モータ20は、例えば3相交流モータである。モータ20の駆動時に、第1リレーR1が接続されることで、バッテリ16の電圧がインバータ18に出力される。インバータ18は、3相のアームA1,A2,A3を含み、各相のアームA1,A2,A3は、直列接続された2つのスイッチング素子S1と、各スイッチング素子S1に逆並列に接続されたダイオードD1とを含む。各相アームA1,A2,A3の中点は、モータ20を構成する対応する相のステータコイル26の一端に接続されている。スイッチング素子S1は、MOSFET、IGBT、トランジスタ等である。インバータ側制御手段32は、インバータ18の各スイッチング素子S1のスイッチングを制御する。
【0014】
また、力率改善コンバータ12は、詳しい図示は省略するが、ダイオード整流素子を含むダイオード整流ブリッジ等のダイオード整流器またはダイオード整流素子である整流部と、スイッチング素子やリアクトルを有する力率改善部と、全波整流回路部とを含む。外部交流電源24は第1コネクタである電源コネクタ28に接続され、整流部の交流側は第2コネクタである車両コネクタ30に接続されている。
【0015】
また、力率改善部では、充電器側制御手段34により力率改善部のスイッチング素子のスイッチングのオンオフが制御され、力率改善部から出力される電流の波形が、整流部から出力される交流電圧の波形と相似波形に近づくように、すなわち電流非連続モード等で正弦波に近づくように制御される。また、全波整流回路部は、力率改善部から出力された交流電流を全波整流に変換する。このため、図2に示すように、外部交流電源24の交流電圧Vsと交流電流Isとが規定され、交流電流Isが力率改善コンバータ12に入力されると、全波整流された直流電流Iaが出力される。このように、力率改善コンバータ12は、外部交流電源24から出力される交流電流Isを直流電流Iaに変換する。
【0016】
また、図1に戻って、力率改善コンバータ12の直流正極側がモータ側スイッチである第2リレーR2を介して、モータ20の3相のステータコイル26の中性点であるモータ中性点36に接続されている。
【0017】
また、モータ駆動装置10は、インバータ18の正極側と負極側との間に、インバータ18に並列に接続されたコンデンサ38を含む。コンデンサ38の正極側はインバータ18の正極側に接続され、コンデンサ38の負極側はインバータ18及びバッテリ16の負極側に接続されている。第1リレーR1は、コンデンサ38の正極側とバッテリ16の正極側との間に設けられている。また、インバータ18と、コンデンサ38とにより、インバータユニット40が構成されている。
【0018】
また、充電システムは、第2スイッチである第3リレーR3と、スイッチ制御手段42とを含む。第3リレーR3は、力率改善コンバータ12の直流正極側とバッテリ16の正極側との間に設けられている。また、力率改善コンバータ12の直流負極側とバッテリ16の負極側とが接続されている。
【0019】
スイッチ制御手段42は、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、コンデンサ38の正極側とバッテリ16の正極側とが切り離されるように第1リレーR1を制御するとともに、第2リレーR2及び第3リレーR3がオンされる、すなわち接続されるように、第2リレーR2及び第3リレーR3を制御する。第3リレーR3がオンされると、力率改善コンバータ12の直流正極側とバッテリ16の正極側とが接続される。
【0020】
また、スイッチ制御手段42は、車両の駆動時等、バッテリ16の電力によりモータ20を駆動する場合に、コンデンサ38の正極側とバッテリ16の正極側とが接続されるように第1リレーR1を制御する。これとともに、スイッチ制御手段42は、第2リレーR2及び第3リレーR3がオフされる、すなわち切り離されるように、第2リレーR2及び第3リレーR3を制御する。この状態で、インバータ側制御手段32は、インバータ18のスイッチング素子S1のスイッチングを制御して、図示しないアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサの検出信号等に応じて、モータ20のトルク制御を行う。
【0021】
また、リップルフィルタ14は、力率改善コンバータ12とバッテリ16との間に接続されている。具体的には、リップルフィルタ14は、力率改善コンバータ12の直流正極側とバッテリ16の正極側との間に、第3リレーR3を介して接続されたリアクトル44と、リアクトル44のバッテリ16側端と力率改善コンバータ12の直流負極側との間に接続されたコンデンサ46とを含む。リップルフィルタ14は、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、力率改善コンバータ12から出力される電流に含まれる、スイッチングに起因するリップル電流を抑制する。
【0022】
このような充電システムによれば、モータ駆動装置10を構成するインバータ18及びモータ20と、力率改善コンバータ12と、リップルフィルタ14とを用いて、外部交流電源24からバッテリ16へ充電することができる。また、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、上記のように第1、第2、第3リレーR1、R2、R3が制御されるので、外部交流電源24の交流電力が力率改善コンバータ12を用いて直流電力に変換され、バッテリ16が充電される。第1リレーR1及び第3リレーR3は、機器の停止時にバッテリ16と、バッテリ16に対し接続不要な要素とを電気的に切り離すために使用される。
【0023】
また、インバータ側制御手段32は、電流平滑制御手段48を有する。電流平滑制御手段48は、充電時に、力率改善コンバータ12の直流側の出力である、交流電源周波数の2倍の周波数を有する交流電力を演算し、さらにその交流電力に対応する交流電流Icを演算する。すなわち、図2に示す外部交流電源24の電圧Vs及び電流Isと、バッテリ16の電圧Vbと、バッテリ16に入力される電流Ibとが検出され、電流平滑制御手段48(図1)に入力される。電流平滑制御手段48は、外部交流電源24の電圧Vs及び電流Isから交流電源周波数の2倍の周波数を有する交流電力を演算し、その交流電力をバッテリ16の電圧Vbで割って得られた、力率改善コンバータ12の出力側の電流指令の絶対値である|Ir|、すなわち直流電流Iaを演算する。この直流電流Iaは、交流電源周波数の2倍の周波数で変動する。そしてこの直流電流Iaからバッテリ16に入力される電流の平均値であるIbを差し引くことで、モータ中性点36(図1)に流すための交流電流Icを演算する。そして、電流平滑制御手段48は、モータ20の零相電流がIcに追従するようにインバータ18のスイッチングを制御する。この結果、モータ中性点電流Inは交流電流Icとなる。
【0024】
一方、力率改善コンバータ12の出力側にはスイッチング周波数成分のみを除去する小容量のリップルフィルタ14(図1)が接続されている。また、力率改善コンバータ12の直流出力電流である、交流電源周波数の2倍の周波数で脈動する直流電流Iaのうち、交流電源周波数の2倍の周波数を有する上記の交流電流Icに相当する中性点電流Inがインバータ18側に流れるため、残りの電流成分である平滑化された直流電流Ibがバッテリ16側に流れる。
【0025】
このような充電システムによれば、モータを利用して外部交流電源24からバッテリ16に充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制できる、すなわち平滑化できる。すなわち、外部交流電源24からバッテリ16への充電時にバッテリ16に脈動した電流が流入した場合、流入電流がバッテリ16の許容電流を超えて、過電流となったり、バッテリ16の内部インピーダンス降下のためにバッテリ16電圧が変動し、過電圧となって充電できない可能性がある。また、充電時のバッテリ16の温度上昇が大きくなり劣化が促進される可能性もある。これに対して、本実施形態と異なり、力率改善コンバータ12の出力側にDC/DCコンバータを設けてバッテリ16に入力される直流電流の脈動を抑制することも考えられる。ただし、この場合、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制するための専用の部品が増えるため、低コスト化を図る面から改良の余地がある。
【0026】
また、上記の特許文献1に記載された構成において、全波整流回路の出力側に接続したDC−ACコンバータに設けたブリッジ回路とコンデンサとにより、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍の周波数で脈動するリップル電流成分を抑制することも考えられる。ただし、この場合も、交流電源周波数の2倍の周波数で脈動するリップル電流成分を抑制するための専用の部品が増えるため、低コスト化を図る面から改良の余地がある。
【0027】
これに対して、本実施形態によれば、モータ20駆動用のインバータ18を利用して充電電流の交流電流成分を吸収し、バッテリ16に入力される電流の平滑化を行っているため、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を平滑化するためのDC/DCコンバータ等の、専用の部品を削減でき、低コスト化を図れる。また、力率改善コンバータ12の出力側に接続される平滑化用のコンデンサ46の容量の低減が可能になる。このため、充電システムの小型化、低コスト化、及び高効率化を図れる。なお、インバータ側制御手段32、充電器側制御手段34及びスイッチ制御手段42は、1つの制御装置にまとめて設けることもできるが、機能ごとに複数の制御装置に分割して設けることもできる。
【0028】
図3Aは、図1の構成における充電時のバッテリ電圧(電池電圧)Vbと、バッテリに入力される電流(電池電流)Ibの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。図3Bは、図1の構成における充電時の中性点電流Inの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。図3Cは、図1の構成における充電時の外部交流電源電圧(電源電圧)Vsと、外部交流電源電流(電源電流)Isの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。以下の説明では、図1、図2に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。このようなシミュレーション結果から分かるように、図3Cに示すように、外部交流電源24の電圧Vs及び電流Isに対して、図3Bのように、モータ中性点電流Inが交流電源周波数の2倍の周波数を有する交流電流Icとなり、バッテリ16に入力される電流Ibをほぼ一定の平滑化された直流電流とすることができる。図3Aのシミュレーション結果では、バッテリ16に入力される電流の目標電流に対する変動を±10%の範囲に抑えることができた。
【0029】
図4は、比較例の充電システムの回路構成を示す図である。図4の比較例は、上記の特許文献1に記載された構成とほぼ同様の構成を有する。図4の比較例では、外部交流電源24に第1全波整流回路49を介して力率改善回路50が接続され、力率改善回路50にブリッジ回路52が接続されている。また、ブリッジ回路52にトランス54を介して第2全波整流回路56が接続されている。第2全波整流回路56の直流正極側がモータ20のモータ中性点36に接続され、第2全波整流回路56の直流負極側がバッテリ16の負極に接続されている。バッテリ16とモータ20との間にインバータ18が接続されている。インバータ18の正極側と負極側との間にコンデンサ38が接続されている。このような比較例では、外部交流電源24からバッテリ16の充電時に、モータ20のステータコイル26が第2全波整流回路56の整流出力中のリップル成分を低減するリアクトルとしての機能を果たす。ただし、このような構成の場合も、上記の特許文献1の構成で説明したように、交流電源周波数の2倍の周波数で脈動するリップル電流成分を抑制するための専用のブリッジ回路52が必要となり、部品点数の削減を図り、低コスト化を図る面から改良の余地がある。上記の本実施形態によれば、このような不都合を解消できる。
【0030】
図5Aは、図4の比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時のバッテリ電圧(電池電圧)Vbと、バッテリに入力される電流(電池電流)Ibの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。図5Bは、比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時の中性点電流Inの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。図5Cは、比較例でブリッジ回路がないと仮定した場合において、充電時の外部交流電源電圧(電源電圧)Vsと、外部交流電源電流(電源電流)Isの動作波形のシミュレーション結果を示す図である。以下の説明では、図4に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
【0031】
このようなシミュレーション結果から明らかなように、比較例でブリッジ回路がない場合には、外部交流電源24の電圧Vs及び電流Isに対して、図5Bのように、交流電源周波数の2倍の周波数を有する、単なる第2全波整流回路56の出力電流が、モータ中性点電流Inに出力される。このため、バッテリ16に入力される電流Ibは、交流電源周波数の2倍の周波数を有するように大きく変動するリップル成分を有する電流となり、バッテリ16に入力される電流Ibの目標電流に対する変動が±100%と大きくなった。これに対して、本実施形態によれば、図5Aと図3Aとの比較からも明らかなように、バッテリ16に入力される電流Ibを十分に平滑化できる。
【0032】
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。図6に示すように、本実施形態では、上記の図1〜2に示した第1実施形態において、力率改善コンバータ12のみが変更されている。すなわち、力率改善コンバータ12は、第2コネクタである車両コネクタ30に接続された整流部58と、コンデンサ60及びフィルタリアクトル96を含むフィルタ98とを含む。整流部58は、ダイオード整流素子を含むダイオード整流ブリッジ等のダイオード整流器またはダイオード整流素子である。コンデンサ60は、整流部58と車両コネクタ30の間に接続されている。各フィルタリアクトル96は、コンデンサ60の片側または他側と整流部58との間に接続されている。フィルタリアクトル96は省略することもできる。また、外部交流電源24と電源コネクタ28との間に、電源24の内部インダクタンス94が設けられている。
【0033】
また、力率改善コンバータ12は、フォワード型コンバータで構成され、スイッチング素子S2、スイッチング素子S2に逆並列に接続されたダイオードD2、コンデンサ62及び、高周波絶縁トランス64を有する力率改善部66と、力率改善部66の出力側に接続された全波整流回路部68とを含む。力率改善部66の1次側コイルの一端にダイオードD2の正極側が接続され、1次側コイルの他端に別のダイオードD3の正極側が接続されている。各ダイオードD2,D3の負極側は、整流部58の負極側に接続されている。整流部58の正極側は、1次側コイルの中点に接続されている。コンデンサ62は整流部58の両端に接続されている。充電器側制御手段34によりスイッチング素子S2のスイッチングのオンオフが制御され、力率改善部66から出力される電流の波形が、外部交流電源24の交流電圧の波形と相似波形に近づくようにされる。
【0034】
また、高周波絶縁トランス64は、外部交流電源24と車両側とを電気的に絶縁する機能を有する。また、力率改善コンバータ12では、1つのスイッチング素子S2で力率改善と高周波DC/DC変換とを行え、変換後の電力が高周波絶縁トランス64に入力される。また、全波整流回路部68は、力率改善部66から出力された交流電流を全波整流に変換する。すなわち高周波絶縁トランス64の2次側で整流された直流出力は、交流電源周波数の2倍で脈動する直流電流Iaとなるが、上記の第1実施形態と同様の原理でバッテリ16に入力される電流が平滑化され、充電システムの小型化、低コスト化、及び高効率化を図れる。また、スイッチング素子S2のオン時に図6の矢印Qで示す方向の電流による短絡電流は、フィルタリアクトル96または電源24の内部インダクタンス94で抑制される。
【0035】
次に、図7、図8を用いて充電器側制御手段34により力率改善コンバータ12を制御する方法を説明する。図7は、図6の構成で、充電器側制御手段34に各種の検出信号が入力される様子を示す回路図である。図8は、図7の充電器側制御手段34により、充電器であり、AC/DCコンバータである力率改善コンバータ12を制御する様子を示すブロック図である。なお、図7でも、フィルタリアクトル96(図6参照)及び内部インダクタンス94(図6参照)が設けられているが、それらの図示は省略している(後述する図9,11も同様である。)。なお、後述する図11で説明する第3実施形態では、フィルタリアクトル96を省略することもできる。
【0036】
図7に示す充電器側制御手段34には、電圧センサ(図示せず)により検出された交流電源電圧Vsの検出信号である電圧値Vsが入力されるとともに、充電電力指令値PRも入力される。充電電力指令値PRは、図示しない外部制御部で生成され、外部制御部から充電器側制御手段34に入力される。また、各種の電圧センサ(図示せず)と電流センサ(図示せず)とから、それぞれ検出信号である、バッテリ16の電圧の電圧値Vbと、バッテリ16に入力される電流Ibと、力率改善コンバータ12の出力電流Iaとが、充電器側制御手段34に入力される。以下、図6、図7に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
【0037】
図8に示すように、充電器側制御手段34では、電流指令生成部70で、電圧値Vs及び充電電力指令値PRから、電流指令値の絶対値|Ir|が生成される。例えば、電圧Vsからピーク電圧を検出し、検出したピーク電圧に基づいて電圧Vsの実効値が算出される。また、電圧Vsのゼロクロス点の検出値から電圧Vsの位相θが検出される。また、位相θに基づいて、電圧Vsと同位相の正弦波が生成され、この正弦波と充電電力指令値PRと電圧Vsの実効値とから電流指令の絶対値|Ir|が生成される。
【0038】
次に、比例補償器72に、電流指令の絶対値|Ir|と、力率改善コンバータ12の出力電流Iaの検出値との偏差が入力される。比例補償器72では、出力電流Iaの検出値が電流指令の絶対値|Ir|に追従するように、比例成分を乗じて制御電圧が演算され、制御電圧に外乱として、(k1・Vb+k2・|Vs|)が加算される。ここで、k1、k2はいずれも定数である。外乱補償後の出力は、変調率演算部74でバッテリ16の電圧Vbで割られて、PWM変調率Pdが算出される。PWM変調率Pdは、PWM信号出力部76に出力され、キャリア信号出力部78から出力されるキャリア信号と比較され、比較で得られた算出値に応じて、力率改善コンバータ12のオンオフ信号であるPWM信号Spが生成される。そしてPWM信号Spに応じて力率改善コンバータ12のスイッチング素子S2がオンオフ動作するように力率改善コンバータ12が制御される。このように充電器側制御手段34により力率改善コンバータ12を制御することで、交流側の電流を乱れがない正弦波に近づけることができる。
【0039】
なお、電流指令生成部70では、例えばサンプリング時期として、1ms以下の時期に電圧値Vs及び充電電力指令値PRを取得することができる。また、充電器側制御手段34では、力率改善コンバータ12の出力電流Iaの検出値を、100μs程度のサンプリング時期に取得することができる。また、キャリア信号出力部78では、例えば40kHzのキャリア信号を出力することができる。
【0040】
次に、図9、図10を用いてインバータ側制御手段32によりインバータ18を制御する方法を説明する。図9は、図6の構成で、インバータ側制御手段32に各種の検出信号が入力される様子を示す回路図である。図10は、図9のインバータ側制御手段32により、インバータ18を制御する様子を示すブロック図である。
【0041】
図9に示すインバータ側制御手段32には、電圧センサ(図示せず)及び電流センサ(図示せず)により検出された交流電源電圧Vsの検出信号である電圧値Vsと、電流値Isとが入力される。また、インバータ側制御手段32には、各種の電圧センサ(図示せず)と電流センサ(図示せず)とから、それぞれ検出信号である、バッテリ16の電圧の電圧値Vbと、バッテリ16に入力される電流Ibと、インバータ18の直流電圧である、コンデンサ38の両端間電圧Vdと、モータ中性点電流Inとが入力される。以下、図6、図9に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
【0042】
図10に示すように、充電器側制御手段34では、脈動電流指令生成部80で、電圧値Vs、Vb及び電流値Is、Ibから、脈動電流指令であって、モータ中性点36に流すための交流電流の電流値Icが生成される。この電流値Icの演算方法は、上記の図1、図2に示した第1実施形態と同様である。脈動電流指令の電流値Icは、力率改善コンバータ12の出力電流に含まれる交流電源周波数の2倍の周波数を有する交流電流を逆位相でキャンセルするための交流電流である。
【0043】
また、第2比例補償器82に、電流値Icとモータ中性点電流Inの検出値との偏差が入力される。第2比例補償器82では、モータ中性点電流Inの検出値が電流値Icに追従するように、比例成分を乗じて制御電圧が演算され、制御電圧が第2変調率演算部84で、コンデンサ38の両端間電圧Vdで割られて、第2PWM変調率Pd2が算出される。第2PWM変調率Pd2は、第2PWM信号出力部86に出力され、第2キャリア信号出力部88から出力されるキャリア信号と比較され、比較で得られた算出値に応じて、インバータ18のオンオフ信号である第2PWM信号Sp2が生成される。また、図10の例では、過電圧時インバータ停止部90において、コンデンサ38の両端間電圧Vdが所定の閾値を越えている場合に、過電圧が発生すると判定され、部品保護のためにインバータ18が停止される。これに対して、過電圧が発生しないと判定された場合には、上記で得られた第2PWM信号Sp2に応じてインバータ18のスイッチング素子S1がオンオフ動作するようにインバータ18が制御される。なお、過電圧時インバータ停止部90は省略することもできる。
【0044】
また、脈動電流指令生成部80では、例えばサンプリング時期として、1ms以下の時期に電圧値Vs、Vb及び電流値Is、Ibを取得することができる。また、インバータ側制御手段32では、モータ中性点電流Inの検出値を、100μs程度のサンプリング時期に取得することができる。また、第2キャリア信号出力部88では、例えば15kHzのキャリア信号を出力することができる。
【0045】
このような本実施形態によれば、力率改善コンバータ12に、外部交流電源24と車両側とを電気的に絶縁する高周波絶縁トランス64が設けられているので、高周波絶縁トランス64で1次側と2次側とを電気的に絶縁でき、車両側での感電対策をより容易に行える。なお、このような絶縁効果を得ることを目的としないのであれば、高周波絶縁トランス64の代わりに、絶縁機能がない単なるトランスを設けることもできる。また、上記の図4に示した比較例と異なり、力率改善コンバータ12にブリッジ回路52(図4)を設ける必要がないので、部品点数の削減を図れる。その他の構成及び作用は、上記の図1、図2に示した第1実施形態と同様である。
【0046】
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態の充電システムの回路構成を示す図である。本実施形態では、上記の図6〜10に示した第2実施形態において、リップルフィルタ14を省略し、さらに、AC/DCコンバータである力率改善コンバータ12の直流正極側をモータ中性点36に接続している。また、力率改善コンバータ12の直流負極側をバッテリ16の負極に接続している。さらにバッテリ16の正極とコンデンサ38及びインバータ18の正極側との間に設けた第1リレーR1と並列に、互いに直列接続された平滑化用リアクトルLf及び第3リレーR3を接続している。また、充電システムは、第1、第2、第3リレーR1,R2,R3のオンオフを制御するスイッチ制御手段42を備える。
【0047】
スイッチ制御手段42は、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、バッテリ16の正極側とコンデンサ38及びインバータ18の正極側との間に平滑化用リアクトルLfが直列に接続されるように、第3リレーR3を制御する。また、力率改善コンバータ12の出力電流中のリップル電流が、モータ20のインダクタンスとインバータ18に接続されたコンデンサ38とにより抑制されるように、インバータ側制御手段32がインバータ18を制御する。すなわち、上記の各実施形態で設けていたリップルフィルタ14(図1等)の機能を、モータ20のステータコイル26と、インバータ18に接続されたコンデンサ38とに持たせることができる。さらに、平滑化用リアクトルLfは、外部交流電源24からバッテリ16への充電時に、外部交流電源24の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制する機能を有する。
【0048】
このような充電システムでは、モータ駆動時に、第2リレーR2及び第3リレーR3がオフされる一方、第1リレーR1がオンされ、インバータ側制御手段32がインバータ18を制御することで、モータ20のトルク制御を行える。また、バッテリ16の充電時には、第2リレーR2及び第3リレーR3がオンされる一方、第1リレーR1がオフされる。また、外部交流電源24に接続された電源コネクタ28に車両コネクタ30が接続される。そして力率改善コンバータ12を用いて交流電源電力が直流電力に変換されてバッテリ16が充電される。本実施形態では、モータ中性点36と力率改善コンバータ12の直流正極側とが接続され、モータ20の漏れインダクタンスとインバータ18に接続されたコンデンサ38とが、バッテリ16への充電電流のリップル抑制用フィルタとして利用される。また、バッテリ16への充電電流の交流電源周波数の2倍の周波数の脈動成分が問題となる等の場合に、第3リレーR3のオンにより平滑化用リアクトルLfがインバータ18及びコンデンサ38に接続されるので、バッテリ16に対する充電電流を平滑化して、バッテリ16の充電を行える。
【0049】
このような本実施形態の充電システムの場合も、モータ20を利用して外部交流電源24からバッテリ16に充電できる構成で、低コスト化を図りつつ、バッテリに入力される直流電流において、交流電源周波数の2倍で脈動するリップル電流成分を抑制、すなわち平滑化できる。すなわちこのリップル電流を平滑化するための専用の部品を平滑化用リアクトルLf及び第3リレーR3だけとして、部品点数を削減でき、低コスト化を図れる。また、充電時のリップル電流を平滑化するための専用のコンデンサを省略できる。その他の構成及び作用は、上記の図6〜10に示した第2実施形態と同様である。
【0050】
なお、上記の各実施形態において、力率改善コンバータ12として、力率改善部がない単なるAC/DC変換機能を有するAC/DCコンバータを用いることもできる。
【符号の説明】
【0051】
10 モータ駆動装置、12 力率改善コンバータ(PFC)、14 リップルフィルタ、16 バッテリ、18 インバータ、20 モータ、24 外部交流電源、26 ステータコイル、28 電源コネクタ、30 車両コネクタ、32 インバータ側制御手段、34 充電器側制御手段、36 モータ中性点、38 コンデンサ、40 インバータユニット、42 スイッチ制御手段、44 リアクトル、46 コンデンサ、48 電流平滑制御手段、49 第1全波整流回路、50 力率改善回路、52 ブリッジ回路、54 トランス、56 第2全波整流回路、58 整流部、60,62 コンデンサ、64 高周波絶縁トランス、66 力率改善部、68 全波整流回路部、70 電流指令生成部、72 比例補償器、74 変調率演算部、76 PWM信号出力部、78 キャリア信号出力部、80 脈動電流指令生成部、82 第2比例補償器、84 第2変調率演算部、86 第2PWM信号出力部、88 第2キャリア信号出力部、90 過電圧時インバータ停止部、94 内部インダクタンス、96 フィルタリアクトル、98 フィルタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、バッテリに接続されたインバータと、インバータに接続されたモータとを備え、
さらに、外部単相電源から出力される交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータであって、AC/DCコンバータの直流正極側とモータ中性点とが接続されるAC/DCコンバータと、
外部単相電源からバッテリへの充電時に、外部単相電源の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制するようにインバータを制御する電流平滑制御手段とを備えることを特徴とする充電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の充電システムにおいて、
インバータの正極側と負極側との間に接続されたコンデンサであって、コンデンサの負極側がバッテリの負極側に接続されるコンデンサと、
コンデンサの正極側とバッテリの正極側との間に設けられたインバータ側スイッチと、
外部単相電源からバッテリへの充電時に、コンデンサの正極側とバッテリの正極側とが切り離されるようにインバータ側スイッチを制御するスイッチ制御手段とを備えることを特徴とする充電システム。
【請求項3】
請求項2に記載の充電システムにおいて、
AC/DCコンバータの直流負極側とバッテリの負極側とが接続され、
さらに、AC/DCコンバータの直流正極側とバッテリの正極側との間に設けられたコンバータ側スイッチを備え、
スイッチ制御手段は、外部単相電源からバッテリへの充電時に、AC/DCコンバータの直流正極側とバッテリの正極側とが接続されるようにコンバータ側スイッチを制御することを特徴とする充電システム。
【請求項4】
請求項3に記載の充電システムにおいて、
AC/DCコンバータとバッテリとの間に接続されるリップルフィルタであって、外部単相電源からバッテリへの充電時に、AC/DCコンバータから出力される電流に含まれる、スイッチングに起因するリップル電流を抑制するリップルフィルタを備えることを特徴とする充電システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電システムにおいて、
充電システムが車両に搭載され、
AC/DCコンバータは、外部単相電源と車両側とを電気的に絶縁する絶縁トランスを含むことを特徴とする充電システム。
【請求項6】
バッテリと、バッテリに接続されたインバータと、インバータに接続されたモータとを備え、
さらに、外部単相電源から出力される交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータであって、AC/DCコンバータの直流正極側とモータ中性点とが接続されるAC/DCコンバータと、
インバータの正極側と負極側との間に接続されたコンデンサであって、コンデンサの負極側がバッテリの負極側に接続されるコンデンサと、
外部単相電源からバッテリへの充電時に、バッテリの正極側とコンデンサ及びインバータの正極側との間に直列に接続される平滑化用リアクトルとを備え、
AC/DCコンバータの出力電流中のリップル電流が、モータのインダクタンスとコンデンサとにより抑制され、
平滑化用リアクトルは、バッテリへの充電時に、外部単相電源の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制することを特徴とする充電システム。
【請求項1】
バッテリと、バッテリに接続されたインバータと、インバータに接続されたモータとを備え、
さらに、外部単相電源から出力される交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータであって、AC/DCコンバータの直流正極側とモータ中性点とが接続されるAC/DCコンバータと、
外部単相電源からバッテリへの充電時に、外部単相電源の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制するようにインバータを制御する電流平滑制御手段とを備えることを特徴とする充電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の充電システムにおいて、
インバータの正極側と負極側との間に接続されたコンデンサであって、コンデンサの負極側がバッテリの負極側に接続されるコンデンサと、
コンデンサの正極側とバッテリの正極側との間に設けられたインバータ側スイッチと、
外部単相電源からバッテリへの充電時に、コンデンサの正極側とバッテリの正極側とが切り離されるようにインバータ側スイッチを制御するスイッチ制御手段とを備えることを特徴とする充電システム。
【請求項3】
請求項2に記載の充電システムにおいて、
AC/DCコンバータの直流負極側とバッテリの負極側とが接続され、
さらに、AC/DCコンバータの直流正極側とバッテリの正極側との間に設けられたコンバータ側スイッチを備え、
スイッチ制御手段は、外部単相電源からバッテリへの充電時に、AC/DCコンバータの直流正極側とバッテリの正極側とが接続されるようにコンバータ側スイッチを制御することを特徴とする充電システム。
【請求項4】
請求項3に記載の充電システムにおいて、
AC/DCコンバータとバッテリとの間に接続されるリップルフィルタであって、外部単相電源からバッテリへの充電時に、AC/DCコンバータから出力される電流に含まれる、スイッチングに起因するリップル電流を抑制するリップルフィルタを備えることを特徴とする充電システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電システムにおいて、
充電システムが車両に搭載され、
AC/DCコンバータは、外部単相電源と車両側とを電気的に絶縁する絶縁トランスを含むことを特徴とする充電システム。
【請求項6】
バッテリと、バッテリに接続されたインバータと、インバータに接続されたモータとを備え、
さらに、外部単相電源から出力される交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータであって、AC/DCコンバータの直流正極側とモータ中性点とが接続されるAC/DCコンバータと、
インバータの正極側と負極側との間に接続されたコンデンサであって、コンデンサの負極側がバッテリの負極側に接続されるコンデンサと、
外部単相電源からバッテリへの充電時に、バッテリの正極側とコンデンサ及びインバータの正極側との間に直列に接続される平滑化用リアクトルとを備え、
AC/DCコンバータの出力電流中のリップル電流が、モータのインダクタンスとコンデンサとにより抑制され、
平滑化用リアクトルは、バッテリへの充電時に、外部単相電源の電源周波数の2倍の周波数を有するリップル電流成分を抑制することを特徴とする充電システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−9509(P2013−9509A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140279(P2011−140279)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]