説明

充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法

【課題】走行ルート終了後に、バッテリに残っている電力量を家電製品等に利用することを考慮した上で、過不足なく充電して、バッテリの長寿命化を考慮した充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】バッテリ(230)に充電された電力に基づいて走行する車両の車両データを受信してメモリ(110)に蓄積するステップと、蓄積された車両データに基づいて走行ルートを決定するステップと、走行ルートを走行する場合の予想使用電力量(S)を演算するステップと、予想使用電力量及び走行後の電力利用量(T)に基づいてバッテリに充電を行うための充電プランを生成するステップと、予想使用電力量及び走行後の電力利用量に基づいてバッテリに充電を行うための充電プランを生成するステップを有することを特徴とする充電プラン生成方法、及び従前プラン生成装置(100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に利用可能な充電プランを生成する、充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリに充電された電力を利用してモータを駆動することによって走行する、電気自動車、ハイブリッド自動車等が開発され、実用化されている。その為には、家庭や事業所において車両に電力を供給し、車両に搭載されたバッテリを充電する必要がある。
【0003】
しかしながら、常にフル充電状態まで充電すれば良いわけではなく、充電量をコントロールすればよりコストが低減できる可能性がある。
【0004】
そこで、車両の燃費情報及び車両の走行計画に基づいて、当初の充電量(充電しない、フル充電する、ハーフ充電)の組み合わせで走行シミュレーションを行い、総コストやCO2排出量が最適となる当初の充電量を決定し、決定された充電量に充電する車両管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−298537号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車両のバッテリとして利用されるリチウムイオン電池は、充電状態で電池を放置しておくと電池が劣化し、特にフル充電で保存すると劣化がさらに激しくなるという特性がある。また、リチウムイオン電池の最大充電可能な電力量をできるだけ劣化させずに長期間に渡って維持する(長寿命化)ためには、できるだけフル充電を行わず、且つできるだけ充電残量を少なくして保存することが重要である。
【0007】
しかしながら、上記の従来技術では、車両に搭載されるバッテリの長寿命化を考慮した自宅での充電プランを立案するには至っていなかった。
【0008】
特に、車両が、帰還した後に、車両のバッテリに残っている電力量を自宅の家電製品等に利用可能するような充電プランを立案するには至っていなかった。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題を解決することを可能とした、充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、走行ルート終了後に、バッテリに残っている電力量を家電製品等に利用することを考慮した上で、過不足なく充電して、バッテリの長寿命化を考慮した充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る充電プラン生成装置は、バッテリに充電された電力に基づいて走行する車両の車両データを受信してメモリに蓄積する手段と、蓄積された車両データに基づいて走行ルートを決定する手段と、走行ルートを走行する場合の予想使用電力量を演算する手段と、予想使用電力量及び前記走行後の電力利用量に基づいてバッテリに充電を行うための充電プランを生成する手段を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る充電プラン生成方法は、バッテリに充電された電力に基づいて走行する車両の車両データを受信してメモリに蓄積するステップと、蓄積された車両データに基づいて走行ルートを決定するステップと、走行ルートを走行する場合の予想使用電力量を演算するステップと、予想使用電力量及び走行後の電力利用量に基づいてバッテリに充電を行うための充電プランを生成するステップと、予想使用電力量及び走行後の電力利用量に基づいて前記バッテリに充電を行うための充電プランを生成するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法によれば、走行に必要な使用電力量のみではなく、走行終了後にバッテリに残存している電力を有効に活用することまでをも考慮して充電プランを生成しているため、総合的なバッテリの効率的な利用を図ることが可能となる。
【0014】
本発明に係る充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法によれば、走行に必要な使用電力量のみではなく、走行終了後にバッテリに残存している電力を有効に活用すること及び途中充電を行うことまでをも考慮して充電プランを生成しているため、総合的なバッテリの効率的な利用を図ることが可能となる。
【0015】
さらに、本発明に係る充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法によれば、車両のバッテリの長寿命化を図ることができるので、充電プランの付加価値を向上させ、サービスの普及を図ることが可能となる。
【0016】
さらに、本発明に係る充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法によれば、ユーザ毎、車両毎、且つ走行ルート毎に予想使用電力量を演算して充電プランを生成するので、ユーザ特有の運転操作の違いによる電力消費の違い等も吸収するような効率的な充電プランを配信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】充電プランを提供するためのシステム1の概略構成図である。
【図2】深夜電力について説明するための図である。
【図3】メインバッテリ230の充電特性を示す図である。
【図4】センタ100における処理フローの概略を示す図である。
【図5】車両200における車両データのセンタ100への送信処理フローの概略を示す図である。
【図6】車両データの一例を示す図である。
【図7】車両データの他の例を示す図である。
【図8】車両データの更に他の例を示す図である。
【図9】車両データの更に他の例を示す図である。
【図10】充電プラン生成のための処理フローを示す図である。
【図11】図6に示す車両データに対応した充電プランの一例を示す図である。
【図12】図7に示す車両データに対応した充電プランの一例を示す図である。
【図13】図8に示す車両データに対応した充電プランの一例を示す図である。
【図14】図9に示す車両データに対応した充電プランの一例を示す図である。
【図15】車両200において充電プランを実行するための処理フローを示す図である。
【図16】車両200における充電プラン選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面を参照して、本発明に係る充電プラン生成装置及び充電プラン生成方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0019】
図1は、充電プランを配信するための全体システム1の概略構成図である。
【0020】
全体システム1は、充電プランを立案(生成)及び配信するセンタ100、充電プランによって充電を行うバッテリ230を有する車両200、車両200のバッテリ230の充電等を行うホーム充電装置300、携帯電話等により構成される携帯端末400等から構成される。また、ホーム充電装置300は、交流電源500から電力供給を受けることが可能な家屋に設置されている。なお、図1では、1台の車両200のみを記載したが、センタ100は複数台の車両及びその車両に対応するホーム充電装置に対して充電プランを配信可能である。
【0021】
センタ100は、充電プランを配信するサービス会社等によって運営されることができ、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されるセンタ側主制御部101、液晶ディスプレイ等によって構成されるセンタ側表示部102、インターネット回線及び無線公衆回線網等を介して車両200、ホーム充電装置300、及び/又は携帯端末400とデータの送受信可能なセンタ側送受信部103、キーボード、マウス等から構成されるセンタ側操作部104、充電プラン生成用プログラム等を記憶するためのセンタ側メモリ105、車両データを蓄積する車両データ・データベース110、天気情報等のセンタ外部の情報発信機構からの外部情報を蓄積する外部情報データベース120等を含んで構成されている。
【0022】
なお、センタ100は、LAN等によって接続された、ルータ、サーバ、PC、ワークステーション、ディスプレイ、プリンタ、及び/又はそれらの組み合わせから構成されるシステム構成を採用することが可能である。
【0023】
車両200は、CPU、ROM、RAM等を含んで構成される車両側主制御部201、液晶ディスプレイ等によって構成されダッシュボード等に配置された車両側表示部202、無線公衆回線網及びインターネット回線等を介してセンタ100及び携帯端末400とデータの送受信可能な車両側送受信部203、車両側表示部202に配置されたタッチパネル、車両側表示部202の周囲に配置された各種ボタン等から構成される車両側操作部204を有している。
【0024】
また、車両200は、各種道路情報を記憶し、GPSデータ受信機211からの現在車両位置を示す現在緯度経度情報及び現在時刻情報を利用して、車両のルート案内を行うカーナビゲーション装置210、車両200に備えられたモータ242始動用のキーシリンダと電気的に一体に構成されているアクセサリースイッチ(ACCスイッチ)220、車両200の走行距離を示すODDメータ221、メインバッテリ230の充電量を検知する充電量検知部222を有している。
【0025】
さらに、車両200は、車輪242、車輪242を駆動するためのモータ241、モータ241に三相交流電力を印加するためのインバータ240、インバータ240に直流電力を供給するためのメインバッテリ230を含んでいる。
【0026】
メインバッテリ230は、コンセント等を含む車両側接続部232を介して供給される交流電流(AC200V)を直流電流に変換する充電用AC/DC変換器231を介して充電される。また、メインバッテリ230に充電された電力は、インバータ240を介してモータ241を駆動させると共に、充電用AC/DC変換器231によって交流電流に変換され、車両側接続部232を介してホーム充電装置300側に供給することが可能である。
【0027】
車両200は、モータ241のみを利用して走行するEV(Electric Vehicle)として図1に示しているが、駆動用にモータとガソリンエンジン253を併用するハイブリッド自動車であっても良い。その場合には、車両200は、ガソリンエンジン253、エンジン253から機械的動力を受けて発電する発電機252、発電機252で発電された交流電流を直流電流に変換してメインバッテリ230を充電するインバータ251を含むハイブリッドエンジン部250を有する。
【0028】
ホーム充電装置300は、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されるホーム側主制御部301、液晶ディスプレイ等によって構成されたホーム側表示部302、キーボード、マウス等によって構成されたホーム側操作部304、ホーム側メモリ305を有している。なお、インターネット回線及び無線公衆回線網等を介してセンタ100とデータの送受信可能なホーム側送受信部303を有していても良い。
【0029】
また、ホーム充電装置300は、交流電源500と接続され、交流電流(AC200V)を供給する電源供給部310、電源供給部310と接続され、車両200の車両側接続部232と接続するためのソケット等から構成されるホーム側接続部332を有している。また、交流電源500と電源供給部310との間には、切替部311が配置されている。
【0030】
各種家電製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫等)600も、切替部311を介して電源供給部310と接続されている。切替部311は、通常は交流電源500と電源供給部310とを接続しているが、車両200のメインバッテリ230の電力を利用する場合には、切替部311は交流電源500と電源供給部310との接続を遮断するように構成されている。
【0031】
図2は、深夜電力について説明するための図である。
【0032】
ホーム充電装置300では、図2に示すように、朝7時から深夜23時までの通常電力料金(D 円/kWh)に対して、深夜23時から翌朝7時まではその約1/3となる深夜電力料金を利用するものとする。なお、深夜に安価に利用できる電力の条件は、上記に限定されるものではなく、電力会社との契約によって様々に設定可能である点に留意されたい。したがって、センタ100のメモリ105等に、各電力会社の料金形態情報を記憶させておくことが好ましい。
【0033】
図3は、メインバッテリ230の充電特性を示す図である。
【0034】
メインバッテリ230は、リチウムイオン電池から構成され、フル充電(100%)16kWhである。図3に示す様に、ホーム充電装置300において単相200V交流電流で充電した場合約5時間でフル充電(100%)可能、約2時間でハーフ充電(50%)可能である。また、メインバッテリ230は、外部の充電ステーション等において3相200V交流電流で急速充電した場合には、0.5時間で80%までの充電が可能なように構成されることが好ましい。
【0035】
前述したように、メインバッテリ230は、リチウムイオン電池により構成されていることから、最大充電可能な電力量をできるだけ劣化させずに長期間に渡って維持する(長寿命化)ためには、できるだけフル充電を行わず、且つできるだけ電力残量を少なくして保存することが重要である。
【0036】
図3に示す様なメインバッテリ230の充電特性を、予めテーブル化して車両200のメモリ205に記憶させておくことによって、走行開始時における予定充電残量から逆算して、何時からメインバッテリ230の充電を開始すれば良いかを決定することが可能である(図15の処理フロー参照)。
【0037】
図4は、センタ100における処理フローの概略を示す図である。
【0038】
図4に示す処理フローは、センタ100のセンタ側メモリ105に記憶されているプログラムに従って、主にセンタ側主制御部101によって、センタ100に含まれる各種要素を利用して実行される。
【0039】
センタ側主制御部101は、管理を行う車両から所定タイミングで車両データを受信し(S10)、車両毎のユーザIDに対応させて車両データ・データベース110に蓄積する(S11)。所定タイミング及び車両データの詳細については後述する。
【0040】
次に、センタ側主制御部101は、図10に示す処理フローに従って充電プランを生成し(S12)、生成した充電プランをユーザが予め登録している連絡先、例えば、携帯端末400へ所定タイミングで送信する(S14)。充電プランの送信先は、携帯端末400に限定されず、管理している車両200自体又はホーム充電装置300であっても良い。
【0041】
センタ側主制御部101は、携帯端末400からの確認結果を受信し(S14)、了解を得られた場合には(S15)、生成した充電プランを管理している車両200へ所定タイミングで配信する(S16)。了解が得られない場合には(S15)、センタ側主制御部101は、管理している車両200への充電プランの配信を行わない(S17)。なお、確認ための充電プランの送信先が、管理している車両200自体又はホーム充電装置300である場合には、それらにおいて、承認作業を行うこととなる。
【0042】
センタ100では、管理している複数の車両に関して、図4に示す処理フローを所定間隔で繰り返し実行することとなる。なお、ユーザは、充電プランの配信を受ける前に、センタ100からのユーザIDの取得、センタ100への管理車両の製造会社名、車種、グレード等の事前登録を行っているものとする。このような事前登録によって、センタ100側は、ユーザが利用する車両200の詳細な情報を製造会社等から入手することが可能となり、例えば、車両200に搭載されているメインバッテリ230のフル充電量や充電特性を入手することが可能となる。
【0043】
図5は、車両200における車両データのセンタ100への送信処理フローの概略を示す図である。
【0044】
図5に示す処理フローは、車両200の車両側メモリ205に記憶されているプログラムに従って、主に車両側主制御部201によって、車両200に含まれる各種要素を利用して実行される。
【0045】
車両側主制御部201は、車両データを所定時間間隔毎に取得し、車両側メモリ205に蓄積する(S20)。車両側主制御部201は、ACCスイッチ220がONとなってから1分毎に、ACCスイッチ220がOFFとなるまで、以下の10種類の情報を取得し、車両側メモリ205に車両データとして蓄積する。
【0046】
1:ACCスイッチ220のON/OFF情報。
2:GPSデータ受信機211から取得した現在位置を示す現在緯度経度情報。
3:GPSデータ受信機211から取得した現在時刻情報。
4:カーナビゲーション装置210から取得した道路種別情報(一般道路/高速道路、通常/上り坂/下り坂等)。
5:ODDメータ221から取得する走行距離情報。
6:充電量検知部222から取得するメインバッテリ230の充電量情報。
7:インバータ240から取得する走行用電力使用量情報(車両の駆動機関が走行のために利用する電力量)。
8:インバータ240から取得する回生によって充電された電力量情報。
9:充電量検知部222から取得する充電量情報及びインバータ240から取得する走行用電力使用量情報に基づいて計算される、走行以外に利用される(エアコン、オーディオ、その他の機器制御)電力使用量情報(駆動機関以外が利用する電力量)。
10:ACCスイッチ220のON/OFF情報及び充電量検知部222から取得される充電量情報に基づいて計算される、途中充電のための充電ステーションでの充電量情報。
【0047】
なお、上記は一例であって、他の情報を車両データとしても良いし、上記の全てを必ずしも車両データとして蓄積する必要がない場合もありえる。また、上記の車両情報を取得して蓄積する時間間隔(1分間隔)も一例であって、これに限定されるものではない。
【0048】
車両側主制御部201は、走行開始前の予定時刻(例えば、AM5:00)に、車両側メモリ205に蓄積された予定時刻の所定期間(例えば、24時間)分の車両データを纏めたアップロードファイルを生成する(S21)。次に、車両側主制御部201は、車両側送受信部203を利用して、センタ側送受信部103との間でアップロードタイミングを成立させるためのプロトコルを行い(S22)、S21で作成したアップロードファイルをセンタ側送受信部103に送信する(S23)。
【0049】
各車両からセンタ100への車両データを纏めたアップロードファイルの送信は、1日の決められた時間に行っても良いし、不定期(ACCスイッチ220がONされた時)に行っても良い。また、送信は1日一回に限定されず、複数回行っても良い。
【0050】
図6は、車両データの一例を示す図である。
【0051】
図6(a)は、ユーザX(ユーザID:10001)が通常出勤時に利用するルート(ルートA)を模式的に示したものである。図6(b)は、ユーザXが、「○○○社製の車種△△△のグレード□□□」の車両200を利用して、図6(a)のルートを利用して出勤した場合に蓄積されて、センタ100にアップロードされたアップロードファイルデータの一部抜粋である。なお、図6の例では、車両200は、ガソリンエンジンを利用せず、そのためハイブリッドエンジン部250を有していない車両200を利用した場合について示している。
【0052】
図6(a)では、ユーザXが、ホーム充電装置300が備えられた自宅Aから、平坦部に位置する地点B、丘陵の頂上付近の地点C、平坦部に位置する地点Dを経由して、会社Eに出勤するルートを示している。自宅Aと会社E間の走行距離は片道40km、往復で80kmである。
【0053】
図6(b)に示した様に、ユーザXは、行きは、自宅Aにおいて7:55にACCスイッチ220をONとして8:00に出発し、会社Eへ8:50に到着、帰りは、会社Eにおいて17:55にACCスイッチ220をONにして18:00に出発し、自宅Aに18:50に到着している。車両データは、図6(b)に示す様に、各地点におけるGPS受信機211による現在緯度経度情報及び現在時刻情報、カーナビゲーション装置210による通過したルートの道路種別情報、ODDメータ221による走行距離情報、充電量検知部222からの充電量情報、インバータ240による電力使用量情報等を含んでいる。
【0054】
なお、前述したように、車両200では、ACCスイッチ220をONにしてからOFFするまでの1分毎の車両データを蓄積しているが、図6(b)では、便宜上、ACCスイッチ220のON/OFF時点及び特定地点における情報のみを示している。
【0055】
図6(b)に示した様に、ユーザXは、メインバッテリ230をフル充電にして(充電量16kWh)、自宅Aを出発し、6kWh分の残量を残して、自宅に帰還している。その間、充電ステーション等における充電は行っていない。また、地点Cが、丘陵の頂上付近に位置することから、行きには、地点Cから地点D間に下り坂があり、その為モータ241の回転によってインバータ240おいて回生電力量(0.3kWh)が発生している。同様に、帰りには、地点Cから地点B間に下り坂があり、その為モータ241の回転によってインバータ240おいて回生電力量(0.3kWh)が発生している。
【0056】
図7は、車両データの他の例を示す図である。
【0057】
図7(a)は、ユーザX(ユーザID:10001)が時折利用する他のルート(ルートB)を模式的に示したものである。図7(b)は、ユーザXが、「○○○社製の車種△△△のグレード□□□」の車両200を利用して、図7(a)のルートを利用した場合に蓄積されて、センタ100にアップロードされたアップロードファイルデータの一部抜粋である。なお、図7の例では、車両200は、ガソリンエンジンを利用せず、そのためハイブリッドエンジン部250を有していない車両200を利用した場合について示している。
【0058】
図7(a)では、ユーザXが、ホーム充電装置300が備えられた自宅Aから、平坦部に位置する地点F、充電ステーションが設けられている地点Gを経由して、工場Hに向かうルートを示している。自宅Aと工場H間の走行距離は片道100km、往復で200kmである。また、ユーザは、地点Fから地点G間は高速道路と利用するものとする。
【0059】
図7(b)に示した様に、ユーザXは、行きは、自宅Aにおいて7:55にACCスイッチ220をONとして8:00に出発し、工場Hへ9:20に到着、帰りは、工場Hにおいて14:55にACCスイッチ220をONにして15:00に出発し、自宅Aに18:10に到着している。なお、前述したように、車両200では、ACCスイッチ220をONをしてからOFFするまでの1分毎の車両データを蓄積しているが、図7(b)では、便宜上、ACCスイッチ220のON/OFF時点及び特定地点における情報のみを示している。
【0060】
図7(b)に示した様に、ユーザXは、メインバッテリ230をフル充電にして(充電量16kWh)、自宅Aを出発し、復路のG地点の充電ステーションにおいてフル充電となるように13.2kWh分の充電を行い、5.2kWh分の残量を残して、自宅に帰還している。
【0061】
図8は、車両データの更に他の例を示す図である。
【0062】
図8(a)は、ユーザX(ユーザID:10001)が休日に利用するルート(ルートC)を模式的に示したものである。図8(b)は、ユーザXが、「○○○社製の車種△△△のグレード□□□」の車両200を利用して、図8(a)のルートを利用した場合に蓄積されて、センタ100にアップロードされたアップロードファイルデータの一部抜粋である。なお、図8の例では、車両200は、ガソリンエンジンを利用せず、そのためハイブリッドエンジン部250を有していない車両200を利用した場合について示している。また、図8の例では、ホーム充電装置300を備えた自宅Aにおいて、車両200のメインバッテリ230の電力を利用して、自宅の家電製品を利用する場合を示している。
【0063】
図8(a)では、ホーム充電装置300が備えられた自宅Aから、平坦部に位置する地点Jを経由して、顧客先Kに向かうルートを示している。自宅Aと顧客先K間の走行距離は片道20km、往復で40kmである。
【0064】
図8(b)に示した様に、ユーザXは、行きは、自宅Aにおいて7:55にACCスイッチ220をONとして8:00に出発し、顧客先Kへ8:20に到着、帰りは、顧客先Kにおいて17:55にACCスイッチ220をONにして18:00に出発し、自宅Aに18:20に到着している。また、自宅に到着後、車両200の車両側接続部232とホーム充電装置300のホーム側接続部332を接続し、18:30から翌朝の7:50までメインバッテリ230の電力の利用している。なお、前述したように、車両200では、ACCスイッチ220をONにしてからOFFするまでの1分毎の車両データを蓄積しているが、図8(b)では、便宜上、ACCスイッチ220のON/OFF時点及び特定地点における情報のみを示している。
【0065】
図9は、車両データの更に他の例を示す図である。
【0066】
図9(a)は、ユーザX(ユーザID:10001)が時折利用する他のルート(ルートD)を模式的に示したものである。図9(b)は、ユーザXが、「○○○社製の車種△△△のグレード□□□」の車両200を利用して、図9(a)のルートを利用した場合に蓄積されて、センタ100にアップロードされたアップロードファイルデータの一部抜粋である。なお、図9の例では、車両200は、ガソリンエンジンを利用せず、そのためハイブリッドエンジン部250を有していない車両200を利用した場合について示している。
【0067】
図9(a)では、ユーザXが、ホーム充電装置300が備えられた自宅Aから、平坦部に位置する地点F、充電ステーションが設けられている地点Gを経由して、工場Hに向かうルートを示している。自宅Aと工場H間の走行距離は片道100km、往復で200kmである。また、ユーザは、地点Fから地点G間は高速道路と利用するものとする。
【0068】
図9(b)に示した様に、ユーザXは、行きは、自宅Aにおいて7:55にACCスイッチ220をONとして8:00に出発し、工場Hへ9:20に到着、帰りは、工場Hにおいて14:55にACCスイッチ220をONにして15:00に出発し、自宅Aに18:10に到着している。また、自宅に到着後、車両200の車両側接続部232とホーム充電装置300のホーム側接続部332を接続し、18:30から深夜電力の設定が開始される深夜23:00までメインバッテリ230の電力の利用している。なお、前述したように、車両200では、ACCスイッチ220をONにしてからOFFするまでの1分毎の車両データを蓄積しているが、図9(b)では、便宜上、ACCスイッチ220のON/OFF時点及び特定地点における情報のみを示している。
【0069】
図9(b)に示した様に、ユーザXは、メインバッテリ230をフル充電にして(充電量16kWh)、自宅Aを出発し、復路のG地点の充電ステーションにおいてフル充電となるように13.2kWh分の充電を行い、5.2kWh分の残量を残して、自宅に帰還する。さらに、深夜電力の設定が開始される深夜23:00において、3.2kWh分の残量を残している。
【0070】
ところで、センタ100は、例えば、各地域の天気情報を配信する外部情報データベースから、天気情報を取得して、外部情報データベース120に蓄積するようにしても良い。外部情報データベースに蓄積された天気情報を、走行ルートを示す現在緯度経度情報と照らし合わせ、各車両データに対応した天気情報(晴れ、曇り、雨、雪、霙、台風等)を各車両データと対応させて車両データ・データベース110に蓄積するようにしても良い。その場合、ルートの決定を行う際には、天気情報毎にルートを決定(例えば、「晴れ」の場合のルートA、「雪」の場合のルートC等)することによって、より正確な走行ルートに対応した予想充電量を計算することが可能となる。天気に応じて、路面や交通状態が変化し、それに応じて走行用使用電力量、回生電力量、走行以外に利用される電力使用量等が変化するからである。
【0071】
図10は、充電プラン生成のための処理フローを示す図である。
【0072】
図10に示す処理フローは、センタ100のセンタ側メモリ105に記憶されているプログラムに従って、主にセンタ側主制御部101によって、センタ100に含まれる各種要素を利用して実行される。
【0073】
図10による充電プランは、例えば、図6〜図9に示すようなユーザXの車両データを長期間(例えば、1ヶ月間)に渡って車両データ・データベース110に蓄積し、その中から頻繁に利用するルートを識別し、識別されたルート(ルートA、ルートB、ルートC及びルートD)に対応する複数回分(例えば、10回分以上)の車両データの平均等に基づいて生成される。しかしながら、便宜上、図6〜図9に示す車両データが、ルートA、ルートB、ルートC及びルートDに対応する複数回分の車両データの平均値であると仮定して、以下図10に示す処理フローの説明を行う。
【0074】
センタ側主制御部101は、充電プランを生成するユーザを選択し(S30)、車両データ・データベース110に蓄積されている車両データから選択されたユーザの車両データを抽出する(S31)。現在緯度経度情報及び現在時刻情報等に基づいて、抽出されたデータを解析し、識別可能なルートを決定する(S32)。決定されたルートの内の一つを選択し(S33)、選択されたルートに対して充電プランを生成する。抽出されたデータを解析して識別可能なルートを決定するということは、即ち、ユーザ毎に運転習慣学習を行っていることに他ならない。
【0075】
ユーザの選択(S30)及びルートの選択(S33)は、センタ100のオペレータが操作部104を利用して行っても良いし、自動的に、全てのユーザについて且つ決定されたルートの全てについて、順番に充電プランを生成するように、プログラミングしても良い。ここでは、ユーザXが選択され、図6に示したルートA、図7に示したルートB、図8に示したルートC、図9に示したルートDが識別可能なルートとして決定されたものとする。
【0076】
センタ側主制御部101は、メインバッテリ230の残充電力量の利用があるか否かの判断を行い(S34)、ルート内に途中充電があるか否かの判断を行う(S35及びS45)。
【0077】
(1)残充電力量の利用は無く且つルート内に途中充電が無い場合について以下に説明する。
まず、センタ側主制御部101は、ルート内における走行電力使用量Pを取得し(S36)、回生電力量Qを取得し(S37)及びその他の電力使用量Rを取得する(S38)。次に、センタ側主制御部101は、選択されたルートに必要となる予想充電量Sを以下の式(1)に基づいて計算する(S39)。
S=P−Q+R (1)
【0078】
S39において計算された予想充電量Sに相当する電力量が翌朝の走行開始時に充電されていれば、ちょうど自宅Aに帰還した時点で充電残量は0(ゼロ)となり、メインバッテリ230の長寿命化の為には、最も良い状態とすることが可能となる。
【0079】
図6に示すルートAは、ルート内に途中充電が無く且つ残充電力量の利用は無い場合であるので、図6に示す車両データに対して、S36〜S39に基づいて、予想充電量Sを求めた場合、図6(b)より、P=9kWh、Q=0.6kWh、R=1.6kWh、S=10.2kWhとなる。
【0080】
図11は、図6に示す車両データに対応した充電プランの一例を示す図である。
【0081】
図11に示す様に、上記の予想充電量S(図11の「10」参照)に基づいて、走行開始時の充電量を決定すれば(図11の「11」参照)、帰還時に充電残量はほぼ0(ゼロ)(図11の「12」参照)となり、できるだけ電力残量を少なくしてメインバッテリ230を(車庫等に)保存することが可能となる。なお、走行ルート毎に、発生する回生電力量が対応するような回生電力MAPを予め作成し、車両200において回生電力量を検知せずに、回生電力MAPに基づいて回生電力量を予測するようにしても良い。
【0082】
(2)残充電力量の利用は行わないが、ルート内に途中充電はある場合について以下に説明する。
まず、センタ側主制御部101は、ルート内において途中充電までの走行電力使用量P´を取得し(S40)、途中充電までの回生電力量Q´を取得し(S41)及び途中充電までのその他の電力使用量R´を取得する(S42)。次に、センタ側主制御部101は、選択されたルートにおいて途中充電までに必要となる予想充電量S´を以下の式(2)に基づいて計算する(S43)。
S´=P´−Q´+R´ (2)
【0083】
S43において計算された予想充電量S´に相当する電力量が翌朝の走行開始時に充電されていれば、ちょうど途中充電のための充電ステーションに到着した時点で充電残量は0(ゼロ)となり、メインバッテリ230の放電を効果的に行うことが可能となり、メインバッテリ230の長寿命化を図ることが可能となる。
【0084】
次に、センタ側主制御部101は、途中充電のための充電ステーションから自宅までのルート内における走行電力使用量Pを取得し、回生電力量Qを取得し及びその他の電力使用量Rを取得する(S38)。次に、センタ側主制御部101は、途中充電のための充電ステーションから自宅までのルートに必要となる予想充電量Sを上記の式(1)に基づいて計算する(S44)。即ち、S44で求めた予想充電量Sとなるように、途中充電のための充電ステーションで充電を行えば、帰還時に充電残量はほぼ0(ゼロ)となり、できるだけ電力残量を少なくしてメインバッテリ230を(車庫等に)保存することが可能となる。
【0085】
図7に示すルートBは、残充電力量の利用は行わないが、ルート内に途中充電がある場合であるので、図7に示す車両データに対して、S40〜S43に基づいて、途中充電のための充電ステーションまでの予想充電量S´を求めた場合、図7(b)より、P´=11kWh、Q´=2.2kWh、R´=0kWh、S´=13.2kWhとなる。また、S44に基づいて、途中充電における予想充電量Sを求めた場合、図7(b)より、P=9kWh、Q=1.8kWh、R=0kWh、S=10.8kWhとなる。
【0086】
図12は、図7に示す車両データに対応した充電プランの一例を示す図である。
【0087】
図12に示す様に、上記の予想充電量S´(図12の「20」参照)に基づいて、走行開始時の充電量を決定すれば(図12の「21」参照)、途中充電のための充電ステーションに到着した時点で充電残量はほぼ0(ゼロ)(図12の「22」参照)となる。また、上記の予想充電量S(図12の「23」参照)に基づいて、途中充電のための充電ステーションにおいて充電を行えば、帰還時に充電残量はほぼ0(ゼロ)(図12の「24」参照)となり、できるだけ電力残量を少なくしてメインバッテリ230を(車庫等に)保存することが可能となる。
【0088】
(3)残充電力量の利用を行うが、ルート内に途中充電は無い場合について以下に説明する。
まず、センタ側主制御部101は、残充電力使用量(走行後の電力利用量)Tを取得し(S46)、ルート内における走行電力使用量Pを取得し(S47)、回生電力量Qを取得し(S48)及びその他の電力使用量Rを取得する(S49)。次に、センタ側主制御部101は、選択されたルートに必要となる予想充電量Sを以下の式(3)に基づいて計算する(S50)。
S=T+P−Q+R (3)
【0089】
S50において計算された予想充電量Sに相当する電力量が翌朝の走行開始時に充電されていれば、選択されたルートを走行して帰還後、メインバッテリ230の残充電電力を家電製品等に利用することが可能となる。ホーム充電装置300によるメインバッテリ230への充電は、深夜電力を利用した低コストで行っている。したがって、メインバッテリ230の残充電電力は、低コストの深夜電力に基づくものであって、そのような電力を家電製品等に供給することによって、トータルとして電力料金を低く抑えることが可能となる。
【0090】
図8に示すルートCは、残充電力量の利用を行うが、ルート内に途中充電は無い場合であるので、図8に示す車両データに対して、S46〜S50に基づいて、予想充電量Sを求めた場合、図8(b)より、T=5.2kWh、P=4kWh、Q=0.8kWh、R=0kWh、S=10kWhとなる。
【0091】
図13は、図8に示す車両データに対応した充電プランの一例を示す図である。
【0092】
図13に示す様に、上記の予想充電量S(図13の「30」参照)に基づいて、走行開始時の充電量を決定すれば(図13の「31」参照)、家電製品等に利用する電力(図13の「32」参照)を残して帰還でき、家電製品等の利用を行って、充電残量はほぼ0(ゼロ)(図13の「33」参照)となり、メインバッテリ230を効率良く利用することが可能となる。
【0093】
なお、深夜に家電製品を利用する場合には、直接深夜電力を利用してもメインバッテリ230の残充電電力を利用しても、理論上コストに差はない。したがって、取得する残電力使用量T(S46参照)は、ホーム充電装置300に車両が接続された後、深夜電力料金に切り換わるまでの電力量としても良い。
【0094】
(4)残充電力量の利用を行い且つルート内に途中充電がある場合について以下に説明する。
まず、センタ側主制御部101は、ルート内において途中充電までの走行電力使用量P´を取得し(S51)、途中充電までの回生電力量Q´を取得し(S52)及び途中充電までのその他の電力使用量R´を取得する(S53)。次に、センタ側主制御部101は、選択されたルートにおいて途中充電までに必要となる予想充電量S´を上記の式(2)に基づいて計算する(S54)。
【0095】
S54において計算された予想充電量S´に相当する電力量が翌朝の走行開始時に充電されていれば、ちょうど途中充電のための充電ステーションに到着した時点で充電残量は0(ゼロ)となり、メインバッテリ230の放電を効果的に行うことが可能となり、メインバッテリ230の長寿命化を図ることが可能となる。
【0096】
次に、センタ側主制御部101は、残充電力使用量(走行後の電力利用量)Tを取得し(S55)、途中充電のための充電ステーションから自宅までのルート内における走行電力使用量Pを取得し、回生電力量Qを取得し及びその他の電力使用量Rを取得する。次に、センタ側主制御部101は、選択されたルートに必要となる予想充電量Sを上記の式(3)に基づいて計算する(S56)。
【0097】
S56において計算された予想充電量Sに相当する電力量が翌朝の走行開始時に充電されていれば、途中充電のための充電ステーションから自宅に帰還後、メインバッテリ230の残充電電力を家電製品等に利用することが可能となる。ホーム充電装置300によるメインバッテリ230への充電は、深夜電力を利用した低コストで行っている。したがって、メインバッテリ230の残充電電力は、低コストの深夜電力に基づくものであって、そのような電力を家電製品等に供給することによって、トータルとして電力料金を低く抑えることが可能となる。
【0098】
図9に示すルートDは、残充電力量の利用を行い且つルート内に途中充電はある場合であるので、図9に示す車両データに対して、S51〜S54に基づいて、選択されたルートにおいて途中充電までに必要となる予想充電量S´を求めた場合、図9(b)より、P´=11kWh、Q´=2.2kWh、R´=0kWh、S´=13.2kWhとなる。また、S55〜56に基づいて、途中充電における予想充電量Sを求めた場合、図9(b)より、T=2kWh、P=9kWh、Q=1.8kWh、R=0kWh、S=13.2kWhとなる。
【0099】
図14は、図9に示す車両データに対応した充電プランの一例を示す図である。
【0100】
図14に示す様に、上記の予想充電量S´(図14の「40」参照)に基づいて、走行開始時の充電量を決定すれば(図14の「41」参照)、途中充電のための充電ステーションに到着した時点で充電残量はほぼ0(ゼロ)(図14の「42」参照)となる。また、上記の予想充電量S(図14の「43」参照)に基づいて、途中充電のための充電ステーションにおいて充電を行えば、家電製品等に利用する電力(図14の「44」参照)を残して帰還でき、家電製品等の利用を行って、充電残量はほぼ0(ゼロ)(図14の「45」参照)となり、メインバッテリ230を効率良く利用することが可能となる。
【0101】
上記の図11〜14に示した、ユーザX、車両ID「10001」、ルートA〜Dに関する充電プランでは、自宅時や充電ステーションに到達時において、充電残量が0(ゼロ)となるように設定した。しかしながら、渋滞や道路の交通止め等によって予想より電力を消費する場合や、所定ルートを変更する場合が考えられる。そこで、充電残量を0(ゼロ)とはせずに、所定のマージン(例えば、1kWh)を取って予想充電量を計算するようにしても良い。即ち、自宅時や充電ステーションに到達時において、所定値(ゼロ、所定のマージン等)以下となるように設定すれば良い。
【0102】
図15は、車両200における充電プランを実行するための処理フローを示す図である。
【0103】
図15に示す処理フローは、車両200の車両側メモリ205に記憶されているプログラムに従って、主に車両側主制御部201によって、車両200に含まれる各種要素を利用して実行される。なお、図15に示す処理フローが開始される前に、センタ100側より、充電プランの配信(図4のS16参照)を受けているものとする。
【0104】
車両側主制御部201は、車両200の車両側接続部232が、ホーム充電装置300のホーム側接続部332と接続されたことを検知した場合に、充電プラン選択画面を表示し(S60)、ユーザによる翌朝までの充電方法の選択を行う(S61)。
【0105】
図16は、車両200における充電プラン選択画面の一例を示す図である。
【0106】
図16に示す充電プラン選択画面50は、例えば、車両200の車両側表示部202に表示される。充電プラン選択画面50は、ルートA(図6参照)に対応した充電プランAの選択ボタン51、ルートB(図7参照)に対応した充電プランBの選択ボタン52、ルートC(図8参照)に対応した充電プランCの選択ボタン53、フル充電の選択ボタン54、ハーフ充電の選択ボタン55、充電せずの選択ボタン56を表示している。図16は、選択ボタン51を選択した状況を示している。なお、図16に示す表示画面は一例であって、他の充電プラン(例えば、ルートDに対応した充電プランD)を表示するようにしても良い。
【0107】
次に、車両側主制御部201は、充電量検知部222からの情報に基づいて、現在のメインバッテリ230の残充電量を検出する(S62)。
【0108】
次に、車両側主制御部201は、S61で選択された充電プランと、S62で検出された現在の残充電量に基づいて、充電開始時間を決定する(S63)。例えば、図11に示すルートA用の充電プランが選択され、現在の残充電量が2kWhだった場合には、翌朝までに、8kWhの充電を行う必要がある。前述したように、メインバッテリ230のフル充電量が16kWhであるので、フル充電量の50%まで充電を行えば良いので、図3から充電時間は2時間となる。前述したように、深夜電力は、図2に示す様に、23時〜7時の間のコストが低いので、深夜電力が安価である終点の7時を基準にその2時間前から充電を行えば良い。即ち、5時から充電を開始することが決定される。
【0109】
なお、ユーザに翌朝の走行開始時間を別途入力させ、入力された走行開始時間を基準として充電開始時間を決定しても良い。また、深夜電力が利用できる時間を全て利用しても、所望の充電を行えない場合には、深夜電力が開始される時間より前から充電を開始するようにしても良い。さらに、深夜電力が利用できる時間を全て利用しても、所望の充電を行えない場合には、ユーザに対して警告を行うようにしても良い。
【0110】
次に、車両側主制御部201は、S63で決定された充電開始時間となったら、車両側接続部232を制御して、ホーム充電装置300からの電力の供給を受け充電を開始する(S64)。また、車両側主制御部201は、充電量検知部222からの情報に基づいて、所望の充電量となったら、車両側接続部232を制御して、充電を終了し(S65)、一連の処理フローを終了する。
【0111】
上記の例では、充電の開始及び終了は、車両側接続部232を接続/遮断スイッチのように利用して制御を行ったが、充電用AC/DC変換部を利用しても良い。さらに、車両200側の車両側主制御部201から充電開始信号及び充電終了信号を、車両側接続部232及びホーム側接続部332を介してホーム側主制御部301へ送信し、充電開始信号及び充電終了信号に基づいて、ホーム側主制御部301が切替部311を制御することによって行っても良い。
【符号の説明】
【0112】
100 センタ
101 センタ側主制御部
110 車両データ・データベース
120 外部情報データベース
200 車両
201 車両側主制御部
202 車両側表示部
210 カーナビゲーション
211 GPS受信機
222 充電量検出部
230 メインバッテリ
232 車両側接続部
300 ホーム充電装置
310 電源供給部
311 切替部
332 ホーム側接続部
400 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリに充電された電力に基づいて走行する車両の車両データを受信してメモリに蓄積する手段と、
蓄積された車両データに基づいて走行ルートを決定する手段と、
前記走行ルートを走行する場合の予想使用電力量を演算する手段と、
前記予想使用電力量及び前記走行後の電力利用量に基づいて前記バッテリに充電を行うための充電プランを生成する手段と、
を有することを特徴とする充電プラン生成装置。
【請求項2】
前記充電プラン生成装置で生成された充電プランをユーザに提供する手段を更に有する、請求項1に記載の充電プラン生成装置。
【請求項3】
前記走行ルートを走行後に、前記バッテリに前記走行後の電力利用量が残存しているように前記充電プランを生成する、請求項1又は2に記載の充電プラン生成装置。
【請求項4】
前記予想使用電力量には、車両の駆動機関が走行のために利用する電力量及び駆動機関以外が利用する電力量を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の充電プラン生成装置。
【請求項5】
バッテリに充電された電力に基づいて走行する車両の車両データを受信してメモリに蓄積するステップと、
蓄積された車両データに基づいて走行ルートを決定するステップと、
前記走行ルートを走行する場合の予想使用電力量を演算するステップと、
前記予想使用電力量及び前記走行後の電力利用量に基づいて前記バッテリに充電を行うための充電プランを生成するステップと、
前記予想使用電力量及び前記走行後の電力利用量に基づいて前記バッテリに充電を行うための充電プランを生成するステップと、
を有することを特徴とする充電プラン生成方法。
【請求項6】
途中充電を行う箇所から帰還するまでの第2の走行ルートを決定するステップと、
前記第2の走行ルートを走行する場合の第2の予想使用電力量を演算するステップと、
前記途中充電において、前記第2の予想使用電力量及び前記走行後の電力利用量の総和が充電されるように前記充電プランを生成するステップを更に有する、請求項5に記載の充電プラン生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−60713(P2012−60713A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199152(P2010−199152)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】