説明

光インターコネクションモジュール

【課題】基板へ光素子や信号配線を高密度実装する際の送受信間の光の干渉によるクロストークノイズの影響を低減した光インターコネクションモジュールを提供する。
【解決手段】端面発光型発光素子11と、面受光型受光素子12と、発光素子と電気的に接続された、発光素子を駆動させるための駆動回路400と、受光素子と電気的に接続された、受光素子からの信号を増幅する増幅回路401と、発光素子と外部の光ファイバ111とを光学的に接続する第1の光導波路105aと、受光素子と光ファイバ111とを光学的に接続する第2の光導波路105bとを有し、発光素子の後端面より後ろであって、発光素子後端面からの直接光の強度が、発光素子の側面からの直接光の強度よりも弱い角度範囲に受光素子が配置されていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置などの機器間又は機器内において、チップ間やボード間で送受信される高速光信号を伝送する際の送受信部となる光インターコネクションモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年情報通信分野において、光を用いて大容量のデータを高速でやりとりする情報通信トラフィックの整備が急速に行われつつあり、これまで基幹、メトロ、アクセス系といった数km以上の比較的長い距離について光ファイバ網が展開されてきた。今後はさらに、伝送装置間(数m〜数百m)或いは装置内(数cm〜数十cm)といった極めて近距離についても、大容量データを遅延なく処理するため、信号配線を光化することが有効である。
【0003】
機器間/内の配線の光化に関して、例えばルータ/スイッチなどの伝送装置では、イーサ(登録商標)など外部から光ファイバを通して伝送された高周波信号をラインカードと呼ばれる回路ボードに入力する。このラインカードは1枚のバックプレーンに対して数枚で構成されており、各ラインカードへの入力信号はさらにバックプレーンを介してスイッチカードと呼ばれる回路ボードに集められ、スイッチカード内のLSIにて処理した後、再度バックプレーンを介して各ラインカードに出力している。ここで、現状の装置では各ラインカードから現状600Gbit/s以上の信号がバックプレーンを介してスイッチカードに集まる。これを現状の電気配線で伝送するには、伝播損失の関係で配線1本あたり1〜6Gbit/s程度に分割する必要があるため、100本以上の配線数が必要となる。
【0004】
さらに、これら高周波線路に対して波形成形回路や、反射、或いは配線間クロストークの対策が必要である。今後、さらにシステムの大容量化が進み、Tbit/s以上の情報を処理する装置になると、従来の電気配線では配線本数やクロストーク対策等の課題がますます深刻となってくる。これに対し、装置内ラインカード〜バックプレーン〜スイッチカードのボード間、さらにはボード内チップ間の信号伝送線路を光化することによって、10Gbps以上の高周波信号を低損失で伝播可能となるため、配線本数が少なくすむことと、高周波信号に対しても上記の対策が必要無くなるため有望である。また、上記ルータ/スイッチの他にも、ビデオカメラなどの映像機器やPC、携帯電話などの民生機器においても、今後画像高精細化にあたりモニタと端末間での映像信号伝送の高速・大容量化が求められるとともに、従来の電気配線では信号遅延、ノイズ対策等の課題が顕著となるため、信号伝送線路の光化が有効である。
【0005】
このような高速光インターコネクション回路を実現し、機器間/内に適用するためには、安価な作製手段で性能面、小型・集積化、および部品実装性に優れる光モジュール、回路が必要となる。そこで、配線媒体に従来の光ファイバより安価で高密度化に有利な光導波路を用い、基板上に光学部品と光導波路を集積した小型、高速の光モジュールが提案されている。
【0006】
光インターコネクションモジュールの従来方式の例として、基板上に実装された面発光型発光素子アレイまたは面受光型光素子アレイに対して、別体のフィルム光導波路アレイを実装し、光学的に接続するモジュール形態が特許文献1に開示されている。この例では、フィルム状の光導波路に対し、転写用基板を用いて凹凸部を設け、同光導波路を素子実装基板に設けた支持体に対して凹凸嵌合することによって位置固定され、光導波路と光素子との光接続が行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−292379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されている光モジュールは、面型の発光素子アレイまたは受光素子アレイを実装した基板上にフィルム光導波路アレイを設置し、光接続を取る方式である。特許文献1のような形態で、同一基板上に面型の発光素子と受光素子を実装した場合、別の光モジュールからの信号を受信する受光素子アレイに、同モジュール内の発光素子アレイから横に漏れた光(直接光)や、パッケージ等から反射した戻り光(間接光)などが受光素子に入ってしまい、光のクロストークノイズが発生する。特に、10Gbps以上の高周波信号の場合、光クロストークノイズが数十dBにもなるため、これを低減することが重要な課題である。
【0009】
以上より、本発明の目的は、基板へ光素子や信号配線を高密度実装する際の送受信間の光の干渉によるクロストークノイズの影響を低減した光インターコネクションモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
端面発光型発光素子と、面受光型受光素子と、前記発光素子と電気的に接続された、前記発光素子を駆動させるための駆動回路と、前記受光素子と電気的に接続された、前記受光素子からの信号を増幅する増幅回路と、前記発光素子と外部の光ファイバとを光学的に接続する第1の光導波路と、前記受光素子と前記光ファイバとを光学的に接続する第2の光導波路とを有し、前記発光素子の後端面より後ろであって、前記発光素子後端面からの直接光の強度が、前記発光素子の側面からの直接光の強度よりも弱い角度範囲に前記受光素子が配置されていることを特徴とする光インターコネクションモジュールにより、上記課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、送・受信間の光クロストークの影響の少ない、高速光インターコネクションモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本発明の第一の実施例である光インターコネクションモジュールの上面図である。
【図1B】本発明の第一の実施例である光インターコネクションモジュールをB方向から見た図である。
【図2】本発明の第一の実施例である光インターコネクションモジュールの上面図である。
【図3A】本発明の第二の実施例である光インターコネクションモジュールの上面図である。
【図3B】本発明の第二の実施例である光インターコネクションモジュールのAA´断面図である。
【図4A】本発明の第三の実施例である光インターコネクションモジュールの上面図である。
【図4B】本発明の第三の実施例である光インターコネクションモジュールのAA´断面図である。
【図5】本発明の第四の実施例である光インターコネクションモジュールのAA´断面図である。
【図6】本発明の第五の実施例である光インターコネクションモジュールをボード上に設置して構成した光電気混載回路ボードの断面図である。
【図7】ワイヤボンディング実装とフリップチップ実装の違いを説明する図である。
【図8】本発明の第六の実施例である光電気混載回路ボードをバックプレーンに接続して構成した装置の例の断面図である。
【図9】本発明の第七の実施例である光電気混載回路ボードをバックプレーンに接続して構成した装置の例の断面図である。
【図10】本発明の第九の実施例である光インターコネクションモジュールをB方向から見た図である。
【図11】本発明の受光素子配置領域について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を用いて、本発明の実施の形態を詳細に述べる。なお、本明細書では、発光素子から直接受光素子に入る光を直接光、発光素子から出射しモジュール内で反射して受光素子に入る光を間接光と呼ぶ。
【実施例1】
【0014】
本実施例は光インターコネクションモジュールの実施例である。図1Aは本実施例の光インターコネクションモジュールの上面図であり、図1Bは本実施例の光インターコネクションモジュールを横から見た図、図2は本実施例の変形例である光インターコネクションモジュールの上面図である。以下、図1A、図1B、図2を用いて説明する。
【0015】
本実施例の光インターコネクションモジュールは、発光素子11、受光素子12、多層基板100、サブマウント202、LSIパッケージ601、電気配線109a・109b、2股に分岐した光導波路105a・105b、ビア113、光路変換部107、光コネクタ110、パッケージ114、受光素子配置領域10で構成され、光コネクタ100によって外部の光ファイバ111と光接続されている。
【0016】
本実施例は、基板として配線層と絶縁層を多層積層した多層基板100を用い、素子の前端面よりレーザを出射する端面発光型発光素子11をサブマウント202に搭載し、サブマウント202を基板面と平行に、多層基板100上に実装している。なお、本実施例の図1A中では直接変調方式の発光素子を用いているが、外部変調方式の素子であっても構わない。なお、外部変調方式の場合には小型化、実装の簡便さの観点から、レーザと外部変調器を一体集積した素子であることが好ましいが、別体の素子であっても構わない。また、サブマウント202は第1の光導波路の光接続がとりやすくなるよう配置しているが、サブマウント202がなくとも光接続が取れるのであれば、なくても構わない。
【0017】
また、同多層基板100上のうち、発光素子側面からの直接光の強度よりも弱い角度範囲を受光素子配置領域10とし、この領域10に、素子上面より光を受光する面受光型受光素子12を実装する。一般的な端面発光素子においては、発光素子側面からの直接光強度よりもモニタ光の強度が低くなる範囲とは、モニタ光の強度が20%未満となる角度の範囲内である。発光素子側面からの直接光の強度はおよそモニタ光の20%程度であるため、これより光の強度が低ければ光のクロストークは低減できる。さらに、25Gbps以上の高速伝送に用いるような光インターコネクションモジュールの場合は、光クロストークの影響の小さい、モニタ光の強度が1/eとなる範囲が望ましい。なお、一般的な端面発光型発光素子においては、強度が1/e以下となる範囲はおよそ40度から90度の範囲内である。この構成の一例を図1Aに、各場合の受光素子配置領域10の具体的位置を図11にそれぞれ示す。
【0018】
さらに、発光素子11を駆動するための駆動回路400と、受光素子12からの電気信号を増幅する増幅回路401とがパッケージングされたLSIパッケージ601が多層基板100上の受光素子12より後方に搭載されている。駆動回路400と発光素子11の電気入出力端とが、増幅回路401と受光素子12の電気入出力端とがそれぞれ電気的に接続される。
【0019】
また、発光素子11の素子前面からの出射光と外部の光ファイバとを光学的に接続するため、上下のクラッド層112の間に形成された、クラッド層112よりも屈折率の高い材料を用いた配線コア106からなる第1の光導波路105aを多層基板100上の発光素子11の発光部端面の前面に配置する。この第1の光導波路105aは多層基板100に直接貼り付けてもよいし、部材を用いて固定してもよい。
【0020】
さらに、受光素子12の素子上面受光部103と外部の光ファイバとを光学的に接続するため、クラッド層112よりも屈折率の高い材料を用いた配線コア106を有し、受光部13へ光を入射させるための光路変換部107とを備えた第2の光導波路105bを受光素子12上に配置する。この第2の光導波路105bは受光素子に直接貼り付けてもよいし、図1Bには図示していないが、部材を用いて固定してもよい。
【0021】
光路変換部107は、基板に沿って伸びている配線コア106内の伝搬光を基板垂直方向に光路変換し、受光素子12と光接続させるためのものである。本実施例では、第2の光導波路105bに対し一体で形成され、受光素子が受光する光軸に対し斜めの反射面を備えたミラーを光路変換部107として用いており、この斜めミラーの反射面は、光導波路105bの上面から、45度傾斜した面が露出するように加工したものである。
【0022】
第1および第2の光導波路105a、105bは、光ファイバ111と光学的に接続している光コネクタ110から、発光素子11の前面および受光素子12の上まで、それぞれ平面上でピッチ変換および曲げ配線されている。さらに、第一の光導波路105aのように、発光素子11と光コネクタ110を接続するものと、第二の光導波路105bのように受光素子12と光コネクタ110とを接続するもので、光導波路中央部に設けた分岐部700を境に、それぞれ同層内で分かれたレイアウトとしている。この光コネクタ110は基板100の端に設置されている。
【0023】
さらに第一の光導波路105aは、図1Bに示すように、光コネクタ110に向かって光導波路を基板垂直方向に曲げて配線する。これにより、発光素子11と光接続された第一の光導波路の配線コアと、受光素子12と光接続された第二の光導波路の配線コアとが、光導波路の他端部で一つの光コネクタ110に集約されるため、光素子や導波路の実装レイアウトの自由度が増すとともに光配線の高密度化が可能である。なお、多層基板100の表面には、受光素子12と増幅回路401とを電気的に接続する電気配線109aを形成しており、基板内部には、発光素子11と駆動回路400とを電気的に接続するビア113と電気配線109bや、LSIパッケージ601の電気信号入出力部や電源などの電気配線を設けている。また、本実施例の光インターコネクションモジュールは金属などでできたパッケージ114によってパッケージングされている。
【0024】
本実施例のように、発光素子11や受光素子12の光素子とLSIパッケージ601とを同一基板100上に設置することで、光素子11、12とLSIパッケージ601との近接配置が可能となる。これにより高周波電気配線の信号損失やノイズの影響を抑制でき、光モジュールの高速化が可能となる。
【0025】
また、発光素子後端面からの直接光の強度が、側面からの直接光よりも弱い範囲に受光素子12を実装することで、発光素子11からの直接光による光クロストークノイズを低減できる。
【0026】
さらに図2に示すように、発光素子11より後方かつ受光素子12より前方であって、モニタ光の強度が発光素子側面からの直接光の強度よりも強い角度範囲内に、発光素子11の使用波長帯の光を吸収する吸光部材102を配置することで、モニタ光がパッケージ内で反射する間接光による光クロストークも低減することができる。モニタ光は基板平行方向だけではなく、基板垂直方向にも角度を持って拡がるため、吸光部材102が、モニタ光の強度が1/eになる範囲よりも大きくなるよう、吸光部材102の上端面の高さは発光素子11の上端面の高さより高いことが望ましい。同様に、吸光部材102の横幅は、発光素子11の横幅より広いことが望ましい。この吸光部材102は、発光素子11の出力をモニタするモニタ受光素子や使用波長を吸収する色を有する構造体でも構わない。モニタ受光素子を用いた場合、発光素子の出力がモニタできるため、光インターコネクションモジュールの信頼性が向上する。
【0027】
さらに上述したように、多層基板100の表面に、受光素子12と増幅回路401を電気的に接続する電気配線109aを形成し、基板内部に、発光素子11と駆動回路400とを電気的に接続する電気配線109bを設けることによって、それぞれの信号配線が多層基板100の絶縁層を挟んで層間で引き回されることになる。本構成によって、送受信間の電磁界干渉に電気的なクロストークも抑制可能となる。
【0028】
以上のように、本実施例の構成によって、光および電気のクロストークを低減できる高性能な光インターコネクションモジュールが得られる。
【0029】
なお、本実施例の構造は光素子がアレイの場合にも適用可能である。発光素子・受光素子をアレイ化する場合、最も受光素子アレイに近い側の発光素子を基準として、受光素子アレイの配置位置を決定することが望ましい。受光素子アレイに近い側の発光素子からの影響が、そのほかの発光素子からの影響よりも大きくなるためである。
【実施例2】
【0030】
本実施例は光インターコネクションモジュールの実施例である。図3Aは本実施例の光インターコネクションモジュールの上面図であり、図3Bは本実施例の光インターコネクションモジュールのAA´断面図である。以下、図3A、図3Bを用いて説明する。
【0031】
本実施例の光インターコネクションモジュールは、発光素子アレイ101、受光素子アレイ104、吸光部材102、多層基板100、溝部108、サブマウント202、集積回路素子115、電気配線109a・109b、光導波路105a・105b、ビア113、光路変換部107、光コネクタ110、パッケージ114で構成され、光コネクタ110によって外部の光ファイバ111と光接続されている。
【0032】
本実施例では、配線層と絶縁層を多層積層した多層基板100を用い、表面に高さの異なる段差部108、を設けている。また、同多層基板100上に、素子の前端面よりレーザを出射する端面発光型発光素子が複数設置された発光素子アレイ101と、同発光素子アレイの後方延長線上の溝部108の上に吸光部材102を配置している。なお、本吸光部材のサイズや材料は特に限定しないが、発光素子アレイ101よりも幅および高さ共に同じ又は大きく、発光素子アレイ101の使用波長を吸収する色を有する材料であることが望ましい。なお、本実施例の図3A中では外部変調方式一体集積型の発光素子を用いているが、直接変調方式の素子であっても構わない。さらに、外部変調方式の場合には小型化、実装の簡便さの観点から、レーザと外部変調器を一体集積した素子であることが好ましいが、別体の素子であっても構わない。また、サブマウント202は第1の光導波路との光接続がしやすくなるよう、発光素子アレイ101の下に配置しているが、サブマウント202がなくとも光接続が取れるのであれば、サブマウント202がなくても構わない。
【0033】
さらに、吸光部材102を、発光素子アレイ101の後端面からの出射光をモニタするための受光素子アレイとすることで、発光素子アレイ101の後端面からの出射光が外部に拡散するのを防止すると同時に、発光素子アレイ101のモニタ受光素子として使用可能となる。
【0034】
また、吸光部材102の前側、発光素子アレイ101側の端面よりも後方に、素子上面より受光する素子が複数設置された受光素子アレイ104を実装するとともに、受光素子アレイ104の後方に集積回路素子115を実装する。本集積回路素子115は、発光素子アレイ101を駆動するための駆動回路400と、受光素子アレイ104から出力される電気信号を増幅する増幅回路401の他、駆動回路400や増幅回路401への入出力信号を処理する論理回路402や、電源調整回路403を備えている。集積回路素子115を実装することにより、発光素子アレイ101および受光素子アレイ104の電気入出力端と、集積回路素子115の出入力端部とがそれぞれ電気的に接続される。
【0035】
さらに、多層基板100の表面に、受光素子アレイ104と集積回路素子115内の増幅回路401上とを電気的に接続する電気配線109aを形成し、多層基板100内部には、発光素子アレイ101と集積回路素子115内の増幅回路401とを電気的に接続するビア113と電気配線109bを設けることによって、それぞれの信号配線を多層基板100の絶縁層を挟んで層間で引き回している。
【0036】
また、発光素子アレイ101の発光部端面116と外部の光ファイバ111とを光学的に接続するため、上下のクラッド層112の間に形成された、クラッド層112よりも屈折率の高い材料を用いた複数の配線コア106からなる第一の光導波路105aを多層基板100上の発光部前端面の前面に配置する。
【0037】
さらに、受光素子アレイ104の素子上面受光部103と外部の光ファイバ111とを光学的に接続するため、クラッド層112よりも屈折率の高い材料を用いた複数の配線コア106を有し、受光部103へ入射させるための光路変換部107とを備えた第二の光導波路105bを受光素子アレイ104上に配置する。光路変換部107は、基板に沿って伸びている配線コア106内の伝搬光を基板垂直方向に光路変換し、受光素子アレイ104と光接続させるためのものである。この第2の光導波路105bは受光素子に直接貼り付けてもよいし、図3Bには図示していないが、部材を用いて固定してもよい。また、本実施例では、複数の配線コアに対し一体で形成された斜めミラーを光路変換部107として用いており、この斜めミラーの反射面は、光導波路105bの上面から、45度傾斜した面が露出するように加工したものである。
【0038】
第1および第2の光導波路105a、105bは、光ファイバ111と光学的に接続している光コネクタ110から、発光素子アレイ101の前面および受光素子アレイ104の上までそれぞれ伸びており、第一の光導波路105aの配線コア106のように、発光素子アレイ101と光コネクタ110を接続するものと、第二の光導波路105bの配線コア106のように受光素子アレイ104と光コネクタを接続するものとが異なる層に形成されている。この光コネクタ110は多層基板100の端に設置されている。なお、第一の光導波路105aの設置方法については特に言及しないが、第二の光導波路105bについては、集積回路素子115上に放熱部材を設置する場合を考え、放熱部材との干渉を避けるため、受光素子アレイ104と接続されている側の前光導波路105bの端部が集積回路素子115と受光素子アレイ104との間に位置するように設置した方が良い。ここで、第一および第二の光導波路105a、105bは、任意の曲率で曲げることが可能な材料で作製された、フレキシブル性を有するものを用いる。また、材料は特に言及しないが、任意のフレキシブル性が得られるポリマ材料が望ましい。
【0039】
さらに第一の光導波路105aは、図3Bに示すように、光コネクタ110に向かって光導波路を基板垂直方向に曲げて配線する。これにより、発光素子アレイ101と光接続された第一の光導波路105aと、受光素子アレイ104と光接続された第二の光導波路105bとが、それぞれ一つの光コネクタ110に集約されるため、光素子や導波路の実装レイアウトの自由度が増すとともに光配線の高密度化が可能である。なお、多層基板100の表面には、受光素子アレイ104と集積回路素子115上とを電気的に接続する電気配線109aを形成しており、基板内部には、発光素子アレイ101と集積回路素子115上とを電気的に接続するビア113と電気配線109bや、集積回路素子115の電気信号入出力部や電源などの電気配線を設けている。また、モジュール筐体は金属などでできたパッケージ114によってパッケージングされている。
【0040】
本実施例と実施例1との違いは、光素子がアレイ化していることと、発光素子アレイ101の後ろに吸光部材102を設けていること、受光素子アレイ104を吸光部材102の後方に配置していることである。
【0041】
本実施例のように、発光素子アレイ101や受光素子アレイ104の光素子と集積回路素子115とを同一基板面上に設置することで、光素子と集積回路素子115との近接配置が可能となる。これにより高周波電気配線の信号損失やノイズの影響を抑制でき、光モジュールの高速化が可能となる。
【0042】
また、発光素子アレイ101の後方延長線上に吸光部材102を配置することにより、送受信光モジュールの課題となる送受間の光クロストークを低減できる。これは、発光素子アレイ101の後端面から出射された光は、吸光部材102によって遮られるため、同光信号が受光素子アレイに入射する恐れが低くなるためである。特に、光インターコネクションモジュールのように通信速度が数十Gbps/chと高速な光モジュールでは、信号レベル/ノイズ(S/N)比をより大きく取る必要があるため、光クロストークノイズの影響は大きくなってくる。従って、本実施例のように、発光素子アレイ101の後ろに光を吸収する吸光部材を設置することは光クロストーク抑制構造として効果的である。
【0043】
さらに上述したように、多層基板100の表面に、受光素子アレイ104と集積回路素子115上とを電気的に接続する電気配線109aを形成し、基板内部に、発光素子アレイ101と集積回路素子115上とを電気的に接続するビア113と電気配線109bを設けることによって、それぞれの信号配線が多層基板100の絶縁層を挟んで層間で引き回されることになる。本構成によって、送受信間の電磁界干渉に電気的なクロストークも抑制可能となる。
【0044】
以上のように、本実施例の構成によって、光および電気のクロストークを低減した高性能な光インターコネクションモジュールが得られる。
【実施例3】
【0045】
本実施例は光インターコネクションモジュールの実施例である。図4Aは本実施例の光インターコネクションモジュールの上面図であり、図4Bは本実施例の光インターコネクションモジュールのAA´断面図である。以下、図4A、図4Bを用いて説明する。
【0046】
本実施例の光インターコネクションモジュールは、実施例2の構成に加え、受光素子アレイ104の受光素子を、素子半導体基板上にレンズ200を集積した、レンズ集積型受光素子を用い受光素子アレイ201に替えて用いている。
【0047】
図4A、図4Bに示す構成では、光導波路105bを伝播した光は、光路変換ミラー107で基板垂直方向に折り曲げられた後、受光素子アレイ201のレンズ200に入射、集光され、受光部に導入される。受光素子以外の構成は実施例2から変更していない。
【0048】
本構成によれば、受光素子アレイにレンズが集積されているため、光導波路からの出射光が広がって受光素子アレイに入射されても、レンズで集光されるため、受光素子アレイ201と光導波路105bとの位置ずれによる光学損失が軽減され、受光素子アレイ201と光導波路105bとの高効率光接続が可能となる。また、高効率光接続化可能になると、受光素子アレイ201と光導波路105bとの光学調芯が容易となり、生産性に優れた光インターコネクションモジュールの提供が可能となる。なお、言うまでもなく、本構成は実施例2以外にも適用可能である。
【実施例4】
【0049】
本実施例は光インターコネクションモジュールの実施例である。図5は本実施例の光インターコネクションモジュールの断面図である。以下、図5を用いて説明する。
【0050】
本実施例では実施例2の構成に加え、第1及び第2の光導波路105bの上面(基板と反対側の面)を黒などの使用波長に対して吸収色を有する光吸収体300a、300bで覆ったものである。この光吸収体は例えば吸収色を有するフレキシブル基板を貼り付けてもよいし、基板とは反対側のクラッド表面そのものを吸収色の膜をコーティングしてもよい。また、同光吸収体300a、300bは発光素子アレイ101や受光素子アレイ104と光学接続される側の光導波路端部から、光コネクタ110間までの光導波路上の全て、または、少なくとも受光素子の上部のうち発光素子側の端面まで覆われていれば良く、第2の光導波路を覆っている光吸収体300aのみでも構わない。本実施例の図5は、両方の光導波路を光吸収体300a、300bで覆った場合を示している。
【0051】
本構成によれば、実施例2の効果に加え、第一および第二の光導波路105a、105bの上面に光吸収体300a、300bをそれぞれ設けることにより、光導波路端部のミラー部107で全反射せずに光導波路外へ漏れ出た光、もしくは発光素子から出射し配線コアと光接続せずに漏れる光を抑制するとともに、それぞれ光導波路から漏れ出た後、パッケージ内で反射して戻ってくる光を光吸収体300a、300bで遮断することができる。これにより、発光素子の後端面からの漏れ光以外の、間接光が受光素子に入る事によって生じる光クロストークノイズも大幅に削減できる。なお、言うまでもなく、本構成は実施例2以外にも適用可能である。
【実施例5】
【0052】
本実施例は光インターコネクションモジュールの実施例である。図6は本実施例の光インターコネクションモジュールの断面図であり、図7は受光素子の実装形態についての説明図である。以下、図6、図7を用いて説明する。
【0053】
本実施例は、実施例2の構成の変形例であり、集積回路素子115に代えて、集積回路素子をパッケージングしたLSIパッケージ601を用い、さらにLSIパッケージ601上に放熱フィン502を設置している。また、受光素子アレイ104は素子片面のみに電極を形成した片面電極取り出し型の受光素子を用い、多層基板100上にフリップチップ実装している。図7のように、受光素子12をフリップチップ実装することで、受光素子と光接続する光導波路105bの高さをワイヤボンディング実装の場合より低くすることができる。この実装形態を採用することにより、第2の光導波路105bをLSIパッケージ601と同じ高さまたはそれより低くすることができ、放熱フィン502を第2の光導波路上や光学素子の上まで、底面を扁平に保ったまま伸ばすことができる。
【0054】
本構成によれば、光導波路等によって放熱フィン502の設置位置が干渉されることなく、LSIパッケージ601の動作時における効果的な放熱が可能である。また、光導波路上まで放熱フィン502の面積を広げることができたことにより、放熱フィン502の高さを低くすることができ、これにより、低背化した光モジュールの提供が可能になる。なお、言うまでもなく、本構成は実施例2以外にも適用可能である。
【実施例6】
【0055】
本実施例は、実施例5に係る光インターコネクションモジュール600を搭載した光電気混載回路ボードの実施例である。図8は本実施例の光電気混載回路ボードの断面図である。以下、図8を用いて説明する。
【0056】
本実施例では、ドータボードやサーバーブレードなどの回路ボード503上に光インターコネクションモジュールを設置している。本構成では、回路ボード上の光インターコネクションモジュールとは別の場所に実装されたLSIパッケージ601等から入出力される電気信号は、回路ボード503上の電気配線504、および回路ボード503上に設置したビア配線113内蔵のソケット501と、光インターコネクションモジュールの下部に設置したビア配線113内蔵の電気コネクタ500とを介して、光インターコネクションモジュールと電気接続される。さらに、電気コネクタ500から入出力される電気信号は、LSIパッケージ内を通して発光素子アレイ101あるいは受光素子アレイ104で光電変換され、光導波路105a、105bおよび光コネクタ19を介して光ファイバ111にて光信号として入出力される。
【0057】
本実施例のように、素子および信号配線の実装が高密度化された光インターコネクションモジュールを用いることで、一枚の光電気混載回路ボードあたりのチャンネル数を増加させることができ、コネクタ同士を接続するだけで光と電気の接続が取れるため、生産性が向上する。なお、言うまでもなく、本構成は実施例5以外にも適用可能である。
【実施例7】
【0058】
本実施例は、実施例5に係る光インターコネクションモジュール600を搭載した光電気混載回路ボードの実施例である。図9は本実施例の光電気混載回路ボードの断面図である。以下、図9を用いて説明する。
【0059】
本実施例では、実施例5の低背化された光モジュールを、熱伝導性の高い基板801に両面実装し、電気コネクタ500を介してボード上に実装している。基板801の裏側(ボード503側)に実装された光モジュールのLSIパッケージ上には放熱フィンを置くことができないため、基板801の表側に直接放熱フィンを設置する。基板裏側の光インターコネクションモジュールで発生した熱は、LSIパッケージからビア配線を通り、多層基板から基板801へと伝わり、放熱フィンから空気中へ拡散される。基板801表側に実装した光インターコネクションモジュールのLSIパッケージ上には実施例5のように放熱フィンを設置する。本構成では、回路ボード上の光インターコネクションモジュールとは別の場所に実装されたLSIパッケージ等から入出力される電気信号は、回路ボード503上の電気配線504、および回路ボード503上に設置したビア配線内蔵のソケット501と、光インターコネクションモジュールの下部に設置したビア配線内蔵の電気コネクタ500とを介して、それぞれの光インターコネクションモジュールと電気接続される。さらに、電気コネクタ500から入出力される電気信号は、集積回路素子115内を通して発光素子アレイ101あるいは受光素子アレイ104で光電変換され、光導波路105a、105bおよび光コネクタ110を介して光ファイバ111にて光信号として入出力される。
【0060】
本構成のように、光モジュールを基板801に対して両面実装することで、回路ボード上に占める光インターコネクションモジュールの面積が半減でき、高密度実装が可能となる。さらに、光モジュールを高密度実装したことで、ボード上にCPU等の光インターコネクションモジュール以外の素子を増やすことができ、回路ボードあたりの処理能力が向上する。なお、言うまでもなく、本構成は実施例5以外にも適用可能である。
【実施例8】
【0061】
本実施例は光インターコネクションモジュールの実施例である。図10は本実施例の光インターコネクションモジュールをB方向からみた図である。以下、図10を用いて説明する。
【0062】
本実施例の光インターコネクションモジュールは、発光素子11、受光素子12、多層基板100、サブマウント202、集積回路素子115、放熱フィン502、電気配線109a・109b、光導波路105a・105b、ビア113、光路変換部107、光コネクタ110、パッケージ114で構成され、光コネクタ110によって外部の光ファイバ111と光接続されている。
【0063】
従来の光モジュールでは、集積回路素子115の上に、空気中へ熱を逃がすための放熱部材を設置していた。この放熱部材の底面積は集積回路素子115とほぼ同じ大きさであった。しかし、近年光モジュールの小型化・高密度化が求められており、従来通りの放熱部材では、モジュールの放熱性が十分ではないという課題があった。これに対し本実施例では、光素子の実装形態に工夫をすることで、放熱フィン502を従来よりも大きくすることができた。
【0064】
本実施例は、配線層と絶縁層を多層積層した多層基板100を用い、多層基板100上に、素子の前端面よりレーザを出射する端面発光型発光素子11をサブマウント202に搭載し、サブマウント202を基板面と平行に、多層基板100上に実装している。発光素子11の実装形態は、ワイヤボンディングでもフリップチップでも構わないが、後述する放熱フィン502の下に配置したい場合は、ワイヤがない分だけ高さを低くできるフリップチップ実装が好ましい。なお、本実施例の図10では直接変調方式の発光素子を用いているが、外部変調方式の素子であっても構わない。さらに、外部変調方式の場合には小型化、実装の簡便さの観点から、レーザと外部変調器を一体集積した素子であることが好ましいが、別体の素子であっても構わない。また、サブマウント202は第1の光導波路の光接続をとりやすくするために配置しているが、サブマウント202がなくとも光接続が取れるのであれば、サブマウント202はなくても構わない。
【0065】
さらに、多層基板100上に、素子上面より光を受光する面受光型受光素子12をフリップチップ実装する。理由は実施例5と同様である。受光素子12の後方にはさらに、発光素子11を駆動するための駆動回路400と、受光素子12からの電気信号を増幅する増幅回路401が集積された集積回路素子115が多層基板100上に実装されている。駆動回路400と発光素子11の電気入出力端、増幅回路401と受光素子12の電気入出力端はそれぞれ電気的に接続される。この集積回路素子115上に、底面積が集積回路素子115よりも大きい放熱フィン502を設置する。放熱フィン502は、集積回路素子前方の光導波路の上まで扁平に伸びており、放熱フィン502の下には、光導波路105b、発光素子11、受光素子12が位置する構造となっている。
【0066】
また、発光素子11の前端面と外部の光ファイバ111とを光学的に接続するため、上下のクラッド層112の間に形成された、クラッド層112よりも屈折率の高い材料を用いた配線コア16からなる第1の光導波路105aを多層基板100上の発光部端面15の前面に配置する。
【0067】
さらに、受光素子12の素子上面受光部と外部の光ファイバ111と光学的に接続するため、クラッド層112よりも屈折率高い材料を用いた配線コア16を有し、受光部13へ光を入射させるための光路変換部107とを備えた第2の光導波路105bを受光素子12上に配置する。光路変換部107は、基板100に沿って伸びている配線コア106内の伝搬光を基板垂直方向に光路変換し、受光素子アレイ104と光学的に接続させるためのものである。本実施例では、受光素子に受光する光軸に対し斜めのミラーを光路変換部107として用いている。配線コアが複数ある場合には、複数のコアに対し一体して光路変換部107を形成することもできる。
【0068】
第一および第二の光導波路105a、105bは、光ファイバ111と光学的に接続している光コネクタ110から、発光素子11の前面および受光素子12の上まで、それぞれ平面上でピッチ変換および曲げ配線されている。さらに、第一の光導波路105aのように、発光素子11と光コネクタ110を接続するものと、第二の光導波路105bのように受光素子12と光コネクタを接続するもので、光導波路中央部に設けた分岐部700を境に、それぞれ同層内で分かれたレイアウトとしている。この光コネクタ110は多層基板100の端に設置されている。
【0069】
さらに第一の光導波路105aは、図10に示すように、光コネクタ110に向かって光導波路を基板垂直方向に曲げて配線する。これにより、発光素子11と光接続された第一の光導波路105aと、受光素子12と光接続された第二の光導波路105bとが、それぞれ一つの光コネクタ110に集約されるため、光素子や導波路の実装レイアウトの自由度が増すとともに光配線の高密度化が可能である。なお、多層基板100の表面には、受光素子12と増幅回路401とを電気的に接続する電気配線109aを形成しており、基板内部には、発光素子11と駆動回路400とを電気的に接続するビア113と電気配線109bや、集積回路素子115の電気信号入出力部や電源などの電気配線を設けている。また、モジュール筐体は金属などでできたパッケージ114によってパッケージングされている。
【0070】
本構成によれば、光導波路等によって放熱フィン502の設置位置が干渉されることなく、集積回路素子115の動作時における効果的な放熱が可能である。また、光導波路上まで放熱フィン502の面積を広げることができたことにより、放熱フィンの高さを低くすることができ、これにより、低背化した光モジュールの提供が可能になる。
【0071】
さらに上述したように、多層基板100の表面に、受光素子12と増幅回路401を電気的に接続する電気配線109aを形成し、基板内部に、発光素子11と駆動回路400とを電気的に接続するビア113と電気配線109bを設けることによって、それぞれの信号配線が多層基板100の絶縁層を挟んで層間で引き回されることになる。本構成によって、送受信間の電磁界干渉に電気的なクロストークも抑制可能となる。
以上のように、本実施例の構成によって、放熱性を向上させ、電気的なクロストークを抑制し、小型化・低背化可能な光インターコネクションモジュールが得られる。
【0072】
言うまでもなく、本実施例の構造は光素子がアレイの場合や面発光型発光素子の場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10…受光素子配置領域
11…発光素子
12…受光素子
100…多層基板、
101…発光素子アレイ、
102…吸光部材、
103…受光部、
104…受光素子アレイ、
105a,105b…光導波路、
106…配線コア、
107…光路変換部、
108…溝、
109a,109b,504…電気配線、
110…光コネクタ、
111…光ファイバ、
112…クラッド層
113…ビア、
114…パッケージ筐体、
115…集積回路素子、
200…レンズ、
201…レンズ集積型受光素子アレイ
202…サブマウント
300a,300b…光吸収体、
400…駆動回路、
401…信号増幅回路、
402…論理回路、
403…電源調整回路、
500…電気コネクタ、
501…ソケット、
502…放熱フィン、
503…回路ボード、
600…光インターコネクションモジュール、
601…LSIパッケージ、
603…バックプレーン
700…分岐部
701…電極
801…熱伝導性基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面発光型発光素子と、
面受光型受光素子と、
前記発光素子と電気的に接続された、前記発光素子を駆動させるための駆動回路と、
前記受光素子と電気的に接続された、前記受光素子からの信号を増幅する増幅回路と、
前記発光素子と外部の光ファイバとを光学的に接続する第1の光導波路と、
前記受光素子と前記光ファイバとを光学的に接続する第2の光導波路とを有し、
前記発光素子の後端面より後ろであって、前記発光素子後端面からの直接光の強度が、前記発光素子の側面からの直接光の強度よりも弱い角度範囲に前記受光素子が配置されていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記光インターコネクションモジュールはさらに基板を有し、
前記発光素子は前記基板上に実装されており、
前記発光素子の後方かつ前記受光素子の前方には、前記発光素子の使用波長帯の光を吸収する吸光部材が配置され、
前記吸光部材の上端面は、前記発光素子の上端面よりも高い位置であることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記吸光部材は、第2の受光素子であることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項4】
請求項1に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記モニタ光の光軸を0度、前記発光素子の後端面を90度としたとき、前記角度範囲は40度から90度の範囲であることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項5】
請求項1に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記光インターコネクションモジュールはさらに基板を有し、
前記発光素子、前記受光素子、前記駆動回路および前記増幅回路は、前記基板上に実装されていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項6】
請求項1に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記第2の光導波路は、前記受光素子の受光部の上まで伸びており、
前記第2の光導波路は、前記光コネクタからの光を前記受光部へ出射するための光路変換部を有していることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記光路変換部は、前記受光素子に入射する光軸に対し斜めのミラーであることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項8】
端面発光型発光素子と、
面受光型受光素子と、
吸光部材と、
前記発光素子と電気的に接続された、前記発光素子を駆動させるための駆動回路と、
前記受光素子と電気的に接続された、前記受光素子からの信号を増幅する増幅回路と、
前記発光素子と外部の光ファイバとを光学的に接続する第1の光導波路と、
前記受光素子と前記光ファイバとを光学的に接続する第2の光導波路とを有し、
前記吸光部材は、前記発光素子の後端面の後方延長線上に配置され、
前記受光素子は、前記吸光部材の前記発光素子側の端面の延長線から、前記発光素子から離れる側に位置していることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記吸光部材は、前記発光素子後端面からの出射光をモニタする第2の受光素子であることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項10】
請求項8に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記第2の光導波路は、前記受光素子の受光部の上まで伸びており、
前記第2の光導波路は、前記光コネクタからの光を前記受光部へ出射するための光路変換部を有していることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項11】
請求項10に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記光路変換部は、前記受光素子に入射する光軸に対し斜めのミラーであることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項12】
請求項8に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記光インターコネクションモジュールはさらに基板を有し、
前記発光素子、前記受光素子、前記駆動回路および前記増幅回路は、前記基板上に実装されていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項13】
請求項12に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記第1の光導波路は、第1のクラッドと前記第1のクラッドよりも屈折率の高い第1のコアとを有し、
前記第2の光導波路は、第2のクラッドと前記第2のクラッドよりも屈折率の高い第2のコアとを有し、
前記第1のコアと前記第2のコアとが、異なる層に形成されていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項14】
請求項8に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記受光素子は、素子の半導体基板上にレンズが集積されている素子であることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項15】
請求項8に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記第2の光導波路の上面は、前記発光素子の使用波長帯の光を吸収する色を有する吸収体に覆われていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項16】
請求項8に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記光インターコネクションモジュールはさらに基板と、前記駆動回路および増幅回路上に配置された、底面が扁平な放熱部材とを有し、
前記受光素子は前記基板上にフリップチップ実装され、
前記放熱部材は、前記第2の光導波路の一部を覆っていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項17】
請求項16に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記発光素子はフリップチップ実装されていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。
【請求項18】
請求項17に記載の光インターコネクションモジュールであって、
前記放熱部材の下には、前記駆動回路、前記増幅回路、前記発光素子及び前記受光素子が実装されていることを特徴とする光インターコネクションモジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−141471(P2012−141471A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17(P2011−17)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】