光センサ装置及び光センサ装置の駆動方法
【課題】特に2次元状に配された光センサを有してなる光センサ装置において、TFTの経時劣化や温度変化による影響を良好に補正できる光センサ装置及びその駆動方法を提供すること。
【解決手段】TFTセンサT0、T1を2次元状に配置し、センサドライバ20により分割エリア11毎にTFTセンサT0、T1の対を選択してTFTセンサT1からのドレイン電流の取り込みを行う。TFTセンサT1からドレイン電流を取り込む際には、このTFTセンサT1の各電極の電圧と、このTFTセンサT1と対をなすTFTセンサT0の各電極の電圧と、を等電圧とした状態で線順次で取り込みを行うことにより、TFTセンサT1の経時劣化や温度変化による影響を補正する。
【解決手段】TFTセンサT0、T1を2次元状に配置し、センサドライバ20により分割エリア11毎にTFTセンサT0、T1の対を選択してTFTセンサT1からのドレイン電流の取り込みを行う。TFTセンサT1からドレイン電流を取り込む際には、このTFTセンサT1の各電極の電圧と、このTFTセンサT1と対をなすTFTセンサT0の各電極の電圧と、を等電圧とした状態で線順次で取り込みを行うことにより、TFTセンサT1の経時劣化や温度変化による影響を補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサ装置及びその駆動方法に関し、特に表示装置に内蔵されるタッチパネル等の2次元センサに好適な光センサ装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT)を用いた光センサは、ゲートに所定の電位(通常は負の電位)を与えた状態において、該TFTへの光入射によって生じる光電流信号(ドレイン電流)を検出するものである。近年では、このような光センサを表示装置の表示パネル内に組み込むことによって構成される光検出方式のタッチセンサについての提案が各種なされている。
【0003】
ここで、特にアモルファスシリコンを用いたTFT(a−Si TFT)は経時変化や温度変化によってその電気的特性が変化することが知られている。このような経時変化や温度変化が生じると、TFTへの入射光の照度は変化していなくても、経時変化や温度変化の前後でTFTから出力されるドレイン電流は異なるものとなってしまう。このTFTからのドレイン電流の減少は光検出に悪影響を与える可能性がある。
【0004】
特許文献1においては、TFTの経時劣化や温度変化が生じたとしても、劣化や温度変化によるドレイン電流の変化を補正可能な補正回路を適用した光センサについて提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−87961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1では1つの光センサに対応した補正回路の構成を提案している。光センサをタッチパネル等の2次元センサとして利用する場合には、通常、光センサを2次元状に配置する必要がある。しかしながら、このように光センサを2次元状に配置する場合において、特許文献1の補正回路を適用しようとしても、例えば、配線のための領域が増加して表示パネルの表示品位が劣化したり、表示品位を損なわずに高い検出感度を得ることが難しかったりして、単純に適用することは難しかった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、特に2次元状に配された光センサを有してなる光センサ装置において、TFTの経時劣化や温度変化による影響を良好に補正できる光センサ装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の光センサ装置は、行及び列方向に沿って2次元配列された、半導体層が遮光された複数の第1の薄膜トランジスタ光センサ、及び、半導体層を有し、外部から加えられる外力に応じて前記半導体層への光の入射量が変化する複数の第2の薄膜トランジスタ光センサからなる複数の光センサと、行方向に配設された前記各第1及び各第2の薄膜トランジスタ光センサのゲート電極に共通に接続されて、行方向に配列された複数のセンサゲートラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサソースラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサソースラインと、前記複数のセンサゲートラインにセンサ走査信号を順次出力して、前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタ光センサを行単位で順次選択状態に設定する行方向駆動部と、前記行方向駆動部によって選択状態に設定された行の前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタの各電極の電圧を等電圧とした状態で、前記複数の第2のセンサドレインラインを介して前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流に応じた複数の電圧信号を並行して取り込む変換回路と、を具備することを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様の光センサ装置の駆動方法は、行及び列方向に沿って2次元配列された、半導体層が遮光された複数の第1の薄膜トランジスタ光センサ、及び、半導体層を有し、外部から加えられる外力に応じて前記半導体層への光の入射量が変化する複数の第2の薄膜トランジスタ光センサからなる複数の光センサと、行方向に配設された前記各第1及び各第2の薄膜トランジスタ光センサのゲート電極に共通に接続されて、行方向に配列された複数のセンサゲートラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサソースラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサソースラインと、を有する光センサ装置の駆動方法であって、前記複数のセンサゲートラインにセンサ走査信号を順次出力して、前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタ光センサを行単位で順次選択状態に設定するステップと、前記選択状態に設定された行の前記第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記第2の薄膜トランジスタの各電極の電圧を等電圧とした状態で、前記複数の第2のセンサドレインラインを介して前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流に応じた複数の電圧信号を並行して取り込むステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特に2次元状に配された光センサを有してなる光センサ装置において、TFTの経時劣化や温度変化による影響を良好に補正できる光センサ装置及びその駆動方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の一例としての液晶表示装置の表示パネルの断面構造を示す図である。
【図2】TFTセンサT0の構成を示す図である。
【図3】TFTセンサT1の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態における液晶表示装置の表示パネルの正面図である。
【図5】エリア分割の概要を示した図である。
【図6】図5のAの部分の詳細な回路構成を示す図である。
【図7】センサドライバの構成の一例を示す回路図である。
【図8】a−Si TFTの光−電流特性を示す図である。
【図9】遮光壁をカラーフィルタ基板上に設けた場合の変形例を示す図である。
【図10】センサドライバの第1の変形例の構成を示す回路図である。
【図11】センサドライバの第2の変形例におけるエリア分割の概要を示した図である。
【図12】図11のAの部分の詳細な回路構成を示す図である。
【図13】第2の変形例のセンサドライバの構成を示す回路図である。
【図14】図14(a)は第2の変形例のセンサドライバの等価回路図であり、図14(b)は第2の変形例のセンサドライバを電流吐き出し型の定電流源を用いて構成した場合の等価回路図である。
【図15】第2の変形例においてセンサTFTがpチャネルTFTの場合のセンサドライバの構成を示す回路図である。
【図16】図16(a)はセンサTFTがpチャネルTFTで電流吸い込み型の定電流原を用いた場合の第2の変形例のセンサドライバの等価回路図であり、図16(b)はセンサTFTがpチャネルTFTで電流吐き出し型の定電流原を用いた場合の第2の変形例のセンサドライバの等価回路図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る光センサ装置をタッチセンサとして組み込んだ有機EL表示装置の表示パネルの断面構造を示す図である。
【図18】有機EL表示装置の、分割エリアの一部の、回路構成を示した図である。
【図19】TFTセンサのレイアウトに係る第1の変形例における液晶表示装置の表示パネルの正面図である。
【図20】第1の変形例におけるゲートライン、センサゲートライン、容量ラインのレイアウトについて示した図である。
【図21】カラーフィルタ基板に遮光膜が形成された状態の本実施形態の表示パネルの正面図である。
【図22】TFTセンサのレイアウトに係る第2の変形例における液晶表示装置の表示パネルの正面図である。
【図23】第2の変形例におけるゲートライン、センサゲートライン、容量ラインのレイアウトについて示した図である。
【図24】TFTセンサのレイアウトに係る第3の変形例における液晶表示装置の表示パネルの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の一例としての液晶表示装置の表示パネル10の断面構造を示す図である。また、図2は、表示パネル10に設けられるTFTセンサT0の構成を示す図である。図3は、表示パネル10に設けられるTFTセンサT1の構成を示す図である。また、図4は液晶表示装置の表示パネル10の正面図である。なお、図1は、表示パネル10を図4に示すA−A方向で切断して見た断面を示している。
【0013】
図1に示す液晶表示装置の表示パネル10は、TFT基板101と、カラーフィルタ基板102との間に液晶103が封入されて構成されている。さらに、TFT基板101の背面には光源としてのバックライト104が設けられ、TFT基板101の背面から例えば白色光の照射が可能になされている。また、視野側となるカラーフィルタ基板102の上面と、TFT基板101のバックライト104側の下面とに、偏光方向が互いに直交する偏光板131、132が設けられている。
【0014】
第1の基板としてのTFT基板101は、ガラス基板等の透明性を有する基板から構成され、このTFT基板101の上面には複数の光センサをなす複数の複数のTFTセンサT0、T1、複数の画素TFT T2、複数のゲートライン(走査線)111、複数のドレインライン(信号線)112、複数のセンサゲートライン121、複数のセンサドレインライン122、及び複数のセンサソースライン123がそれぞれ形成されている。TFT基板101の下面には偏光板132が設けられている。なお、A−A断面で見ると、図1において画素TFT T2は見えず、ドレインライン112のみが見えている状態となる。各ドレインライン112はT2のドレイン電極に接続されているものであるが、実質的に画素TFT T2のドレイン電極をなすものでもあるため、以下においては、ドレインライン112を画素TFT T2のドレイン電極とも言うこととする。また、図4に示すように各ゲートライン111はT2のゲート電極に接続されているものであるが、実質的に画素TFT T2のゲート電極をなすものでもあるため、以下においては、ゲートライン111を画素TFT T2のゲート電極とも言うこととする。
【0015】
光センサは第1の薄膜トランジスタ光センサと第2の薄膜トランジスタ光センサとからなる。図2に示すように、第1の薄膜トランジスタ光センサとしてのTFTセンサT0は、ゲート電極121と、ドレイン電極122と、ソース電極123と、アモルファスシリコン(a−Si)膜による半導体層からなる光電変換部124と、透明性を有する絶縁膜からなるチャネル保護膜127と、を有している。TFTセンサT0のゲート電極121は、1個の表示画素(サブ画素)の列方向長さに対応した長さを有して形成されている。また、このゲート電極121は、センサゲートライン121を構成するように表示パネル10の行方向に沿って延伸形成され、後述するセンサドライバのゲート端子に接続されている。また、TFTセンサT0のドレイン電極122、ソース電極123はそれぞれセンサドレインライン122、センサソースライン123を構成するように表示パネル10の列方向に沿って延伸され、後述するセンサドライバのドレイン端子、ソース端子にそれぞれ接続されている。
【0016】
また、TFTセンサT0の光電変換部124を覆う位置には例えば金属や樹脂といった遮光性を有する材料からなる遮光壁125が形成されている。さらに、TFTセンサT0の各電極及び光電変換部124は、透明性を有する絶縁膜105により絶縁されている。
【0017】
このような構成のTFTセンサT0は、図2に示すように、遮光壁125によって光電変換部124が遮光された状態となっているので、バックライト104から出射された光や外光がTFTセンサT0の光電変換部124には入射しない。これにより、TFTセンサT0は、選択状態となったときであっても常に暗電流に相当する光電流信号(ドレイン電流Ids0)を出力する。
【0018】
第2の薄膜トランジスタ光センサとしてのTFTセンサT1は、図3(a)に示すように、ゲート電極121と、ドレイン電極122と、ソース電極123と、a−Si膜による半導体層からなる光電変換部124と、透明性を有する絶縁膜からなるチャネル保護膜127と、を有している。TFTセンサT1のゲート電極121は、1個の表示画素(サブ画素)でなる表示画素対の列方向長さに対応した列方向長さを有して形成されている。また、このゲート電極121は、センサゲートライン121を構成するように表示パネル10の行方向に沿って延伸され、後述するセンサドライバのゲート端子に接続されている。また、TFTセンサT1のドレイン電極122、ソース電極123はそれぞれセンサドレインライン122、センサソースライン123を構成するように表示パネル10の列方向に沿って延伸形成され、後述するセンサドライバのドレイン端子、ソース端子に接続されている。
【0019】
また、TFTセンサT1の光電変換部124を囲むように例えば金属や樹脂といった遮光性を有する材料からなる遮光壁126が形成されている。この遮光壁126は、カラーフィルタ基板102との間に所定の空隙(光バルブという)を形成するように、その高さ(TFT基板101の基板面に対して垂直をなす図面垂直方向の長さ)が決定されている。さらに、TFTセンサT1の各電極及び光電変換部124は、透明性を有する絶縁膜105により絶縁されている。
【0020】
このような構成のTFTセンサT1は、図3(a)に示すように、ユーザの指等による外力によってカラーフィルタ基板102が押されていない間は、光バルブが開いた状態となる。この状態では、TFTセンサT1の光電変換部124が露出状態となり、バックライト104から出射された光や外光が光バルブを介してTFTセンサT1の光電変換部124に入射する。したがって、TFTセンサT1は、選択状態となったときに、入射した光の照度に応じたドレイン電流を出力する。一方、ユーザの指等による外力によってカラーフィルタ基板102に押し下げ圧力が加わった場合には、図3(b)に示すように、カラーフィルタ基板102の一部が撓んで変形して光バルブが閉じた状態(カラーフィルタ基板102と遮光壁126との空隙が十分狭い状態又は空隙が無い状態)となる。この状態では、TFTセンサT1の光電変換部124は、バックライト104から出射された光が入射しない遮光状態となり、TFTセンサT1は、暗電流に相当するドレイン電流Ids0を出力する。
【0021】
なお、図1及び図3に示すように、カラーフィルタ基板102のTFT基板101と対向する側の面上に、TFTセンサT1の光電変換部124と対向するように、アルミニウム薄膜等の反射膜128を形成して、バックライト104から出射された光や外光が効率良くTFTセンサT1の光電変換部124に入射するようにしている。なお、反射膜128を設けず、後述する、カラーフィルタ基板102に形成される遮光膜142を反射膜として代用するようにしてもよい。
【0022】
画素TFT T2は、ゲート電極111と、ドレイン電極112と、ソース電極113を有している。画素TFT T2のゲート電極111は、図4に示す表示パネル10のゲートライン(画素選択ライン)111を構成するように延伸されている。また、ドレイン電極112は、ドレインライン(データ入力ライン)112を構成するようにゲートライン111に対して直交するように延伸されている。これらゲートライン111とドレインライン112は図示しない表示ドライバに接続されている。さらに、ソース電極113は画素電極114に接続されている。
【0023】
第2の基板としてのカラーフィルタ基板102はガラス基板等の透明性を有する基板から構成され、このカラーフィルタ基板102の下面の、画素電極114と対向する位置には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかの色を有するカラーフィルタ141が形成されている。さらに、各色のカラーフィルタ141を囲むように遮光膜142が形成されており、この遮光膜142がブラックマトリクスとして機能する。さらに、カラーフィルタ141の、画素電極114と対向する側の面には例えばITO(酸化インジウム錫)膜等の透明電極からなるコモン電極143が形成されている。コモン電極143には、所定の電位レベルを有するコモン電圧が与えられている。また、カラーフィルタ基板102の上面には偏光板131が設けられている。カラーフィルタ基板102の上面が視野側となる。上述の画素電極114、コモン電極143及び偏光板131、132と、画素電極114とコモン電極143との間に狭持された液晶とにより、光学素子としての液晶表示素子が形成されている。
【0024】
また、図1には示していないが、TFT基板101とカラーフィルタ基板102とは、周囲がシール部材により接着され、また、シール部材によって液晶103が封止されている。
【0025】
図4において、表示パネル10のR、G、Bの各色に対応したサブ画素は、それぞれが画素TFT T2と画素電極114の組を有して形成されている。そして、このようなR、G、Bの各色に対応した3個のサブ画素により1個の表示画素が構成されている。さらに、このようにして2次元配列された各表示画素に対応して、TFTセンサT0(図4では遮光壁125によって隠された状態を示している)とTFTセンサT1が行方向に交互に配置されている。
【0026】
また、画素電極114の下面側(図面裏面側)には容量ライン151が引き回されており、この容量ライン151にはコモン電極143に印加されるコモン電圧と同一のレベルの電圧が与えられている。この容量ライン151と画素電極114とで各サブ画素に対応した蓄積容量が形成される。
【0027】
さらに、本実施形態においては、表示パネル10の表示エリア(画素電極が配置されるエリア)を複数のエリアに分割し、分割エリア毎にユーザの指等の接触の有無を判定可能としている。図5は、このエリア分割の概要を示した図である。図5は、表示パネル10の表示エリア(図示破線で示したエリア)を行方向に7分割、列方向に5分割した例を示している。図5に示すそれぞれの分割エリア(分割領域)11は、例えば、人間の指の大きさ程度のエリアである、1辺が約5mmの正方形エリアとなっている。そして、各分割エリア11内には、図4に示したような表示画素が複数配置され、さらに、各表示画素対の両隣に隣接するように、即ち表示パネル10の行方向に沿って交互にTFTセンサT0及びTFTセンサT1の対(センサ対)が配置されている。このようにしてTFTセンサT0及びTFTセンサT1を配置すると、1個のセンサ対としてはTFTセンサT0とTFTセンサT1とが近接したほぼ同位置に配置されていると考えることができる。この場合、TFTセンサT0とTFTセンサT1とは素子温度がほぼ同一であると考えることができる。
【0028】
また、本実施形態では、図5に示す各分割エリア11のうちで同一行(図示水平方向)に配置された分割エリア11については表示エリアの外部でセンサゲートライン121を共通化してセンサドライバ20に接続する。また、図5に示す各分割エリア11のうちで同一列(図示垂直方向)に配置された分割エリア11については表示エリアの外部でセンサドレインライン122、センサソースライン123をそれぞれ共通化してセンサドライバ20に接続する。なお、センサゲートライン121、センサドレインライン122、センサソースライン123はそれぞれ表示エリアの外部で共通化することが好ましい。これは、センサゲートライン121、センサドレインライン122、センサソースライン123を表示エリアの内部で共通化してしまうと、配線が複雑化するとともに、表示パネル10に表示される画像に悪影響を与えるおそれもあるためである。
【0029】
後述するが、本実施形態においては、1つの分割エリア11内のTFTセンサT0とTFTセンサT1とのセンサ対は同時に駆動される。このため、1つの分割エリア11内のTFTセンサT0とTFTセンサT1とでセンサゲートラインを分ける必要はない。したがって、センサドライバ20には分割エリアの行数分だけのゲート端子(図5に示すG1〜G5)を設ければ良い。これに対し、センサドレインライン122については、TFTセンサT0とTFTセンサT1とで分ける必要がある。したがって、センサドライバ20には、分割エリアの列数分だけのTFTセンサT0用のドレイン端子(図5に示すD1−0〜D7−0)と、分割エリアの列数分だけのTFTセンサT1用のドレイン端子(図5に示すD1−1〜D7−1)と、をそれぞれ設ける必要がある。さらには、センサドライバ20にはソース端子もTFTセンサT0とTFTセンサT1の分を個別に設ける。このようにしてセンサドライバ20に端子を設けることにより、各分割エリア11から出力されるドレイン電流の電流値を増加させることができるとともに、センサドライバ20の端子数の削減にも繋がる。
【0030】
図6は、図5のAの部分の詳細な回路構成を示している。図6に示すように、同一行に配置されたTFTセンサT0、T1のセンサゲートライン121は共通化され、さらに、共通化されたセンサゲートライン121は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ゲートラインGL5に接続され、共通ゲートラインGL5はセンサドライバ20のゲート端子G5に接続される。また、同一列に配置されたTFTセンサT0のセンサドレインライン122は共通化され、さらに、共通化されたセンサドレインライン122は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ドレインライン(第1のセンサドレインライン)DL70に接続され、共通ドレインラインDL70はセンサドライバ20のドレイン端子D7−0に接続される。同様に、同一列に配置されたTFTセンサT1のセンサドレインライン122は共通化され、さらに、共通化されたセンサドレインライン122は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ドレインライン(第2のセンサドレインライン)DL71に接続され、共通ドレインラインDL71はセンサドライバ20のドレイン端子D7−1に接続される。また、同一列に配置されたTFTセンサT0のセンサソースライン123は共通化され、さらに、共通化されたセンサソースライン123は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ソースライン(第1のセンサソースライン)SL70に接続され、共通ソースラインSL70はセンサドライバ20のソース端子S7−0に接続される。さらに、同一列に配置されたTFTセンサT1のセンサソースライン123は共通化され、さらに、共通化されたセンサソースライン123は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ソースライン(第2のセンサソースライン)SL71に接続され、共通ソースラインSL70はセンサドライバ20のソース端子S7−1に接続される。
【0031】
図7は、センサドライバ20の構成の一例を示す回路図である。センサドライバ20は、ゲート端子G1〜G5からセンサ走査信号を順次出力して、各ゲート端子Gnに接続されているTFTセンサT0とTFTセンサT1の対を行単位で順次選択状態に設定するとともに、選択状態に設定されたTFTセンサT1から出力される光電流信号(ドレイン電流)を電圧信号に変換し、複数のTFTセンサT1に基づく複数の電圧信号を並行して取り込み、各電圧信号に応じた複数のデジタル信号出力Voutを順次出力する。このようなセンサドライバ20は、スキャンドライバ201と、電流ドライバ202とを有している。
【0032】
スキャンドライバ201は、行方向駆動部としての行方向シフトレジスタ2011を有している。行方向シフトレジスタ2011は、表示パネル10の複数の共通ゲートラインGLnの数と同数(図7の例では5個)の、複数のゲート端子を有しており、各共通ゲートラインGLnとセンサゲートライン121とを介して接続されている複数のTFTセンサT0、T1を選択状態とする。
【0033】
また、変換回路としての電流ドライバ202は、表示パネル10の複数の共通ドレインラインDLm及び複数の共通ソースラインSLmの数と同数の、複数のドレイン端子、ソース端子(図7の例ではドレイン端子(7×2=14個)+ソース端子(7×2=14個)=28個)を有している。そして、TFTセンサT0からのドレイン電流を入力するための複数のドレイン端子Dm−0(m=1、2、…、7。図5に対応)はそれぞれオペアンプAMP1の非反転入力端子に接続されている。さらに、この非反転入力端子には電位Vdを与える定電圧源が接続されている。また、TFTセンサT1からのドレイン電流を入力するための複数のドレイン端子Dm−1(m=1、2、…、7)はそれぞれオペアンプAMP1の反転入力端子に接続されている。また、オペアンプAMP1の反転入力端子と出力端子との間には抵抗器Rfが接続されており、オペアンプAMP1と抵抗器Rfとで電流−電圧変換回路を構成している。
【0034】
また、複数の共通ソースラインSLm0(m=1、2、…、7)の各々に接続された複数のソース端子Sm−0(m=1、2、…、7)は定電流源Isに接続されている。この定電流源Isは、電位VSS(VSS<Vd)を与える定電圧源にも接続され、ソース端子Sm−0から定電圧源VSSに向かう定電流Isを供給する電流吸い込み型の電流源である。さらに、複数の共通ソースラインSLm1(m=1、2、…、7)の各々に接続された複数のソース端子Sm−1(m=1、2、…、7)はバッファ回路BUFを介して電流源Isに接続されている。
【0035】
また、複数のオペアンプAMP1の出力端子はサンプルホールド(SH)回路203に共通に接続されている。サンプルホールド(SH)回路203は、複数のドレイン端子Dm−1(m=1、2、…、7)に対応する複数のオペアンプAMP1の出力電圧(電圧信号)をパラレル信号として、並行して取り込む。そして、SH回路203はパラレルシリアル変換回路204に接続され、パラレルシリアル変換回路204は、アナログ−デジタル変換回路(ADC)205に接続されている。パラレルシリアル変換回路204は、サンプルホールド(SH)回路203が取り込んだパラレル信号としての複数のオペアンプAMP1の出力電圧をシリアル信号に変換して、アナログ−デジタル変換回路(ADC)205に供給する。アナログ−デジタル変換回路(ADC)205は、パラレルシリアル変換回路204から供給されたシリアル信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号出力Voutとして出力する。
【0036】
以下、図1〜図7で示した液晶表示装置の動作について説明する。
まず、液晶表示装置の表示動作について説明する。なお、表示動作については従来の液晶表示装置と何ら変わらないので、ここでは簡単に説明する。
【0037】
1画面分の画像の表示に際し、図示しない表示ドライバは、例えば、図4に示す上側の行のゲートライン111から順次ハイレベルの走査信号を供給するとともに、各ドレインライン112に、対応するサブ画素に表示させるべき画像の階調レベルに応じた階調信号を供給する。走査信号がハイレベルとなると、この走査信号がハイレベルとなったゲートライン111に接続されている1行分の画素TFT T2が全てオン状態となり、当該行のサブ画素が選択状態となる。画素TFT T2がオン状態となると、このオン状態となった画素TFT T2を介してドレインライン112に供給された階調信号が画素電極114に印加される。このとき、階調信号の印加によって画素電極114に発生する画素電極電圧とコモン電極に印加されているコモン電圧との差の電圧が液晶103に印加され、対応するサブ画素での画像表示が行われる。また、この液晶103に印加される電圧は画素電極114に印加された階調信号は次の階調信号の印加がなされるまで、容量ライン151と画素電極114とによって形成される蓄積容量に保持される。
【0038】
次に、タッチセンサとしての動作について説明する。初期状態では行方向シフトレジスタ2011からの電圧印加がなされていない。この状態では表示エリア内の全てのTFTセンサが非選択状態となっており、選択状態に対応したドレイン電流が流れない状態となっている。実際には、図8に示すように、TFTセンサが非選択状態(例えばVgs=0[V])のときであっても、TFTセンサにある程度のドレイン電流は流れるが、この非選択状態のドレイン電流は、選択状態(例えばVgs=3〜5[V])のドレイン電流に比べて非常に小さいものである。
【0039】
全てのTFTセンサが非選択状態である場合において、行方向シフトレジスタ2011は、まず、図5に示す1行目の分割エリア11に対応したゲート端子G1に接続されているTFTセンサT0、T1を選択状態とすべく、ゲート端子G1の電圧をTFTセンサT0、T1のオンレベルの電圧とする。一方、ゲート端子G2〜G5の電圧はTFTセンサT0、T1のオフレベルの電圧とする。
【0040】
行方向シフトレジスタ2011によってゲート端子G1に接続された1行目の分割エリア11に含まれる全てのTFTセンサT0、T1が選択状態となると、各TFTセンサT0、T1から、選択状態に対応したドレイン電流が出力される状態となる。これにより、1行目の分割エリア11における指等の接触の有無を判定することが可能となる。
【0041】
このとき、オペアンプAMP1のイマジナリーショート作用により、TFTセンサT0のドレイン電圧とTFTセンサT1のドレイン電圧とが等しくなっている。即ち、定電圧源VdによってTFTセンサT0のドレイン電圧が一定値Vdに固定されているため、TFTセンサT1のドレイン電圧もVdとなる。なお、Vdの具体的数値は特に限定されるものではなく、例えばVd=ゼロ[V]である。
【0042】
また、定電流源によって、TFTセンサT0から定電圧VSSに向かって一定のドレイン電流Isが流れる。TFTセンサT0から一定のドレイン電流Isが流れ、TFTセンサT0のドレイン電圧とゲート電圧が一定であるので、TFTセンサT0のソース電圧が浮動状態となる。また、バッファ回路BUFによって、TFTセンサT0のソース電圧とTFTセンサT1のソース電圧とが等しくなる。
【0043】
したがって、TFTセンサT0の各電極とTFTセンサT1の各電極とはそれぞれ等電圧となる。この状態において、TFTセンサT1の光電変換部124へのバックライト104からの光や外光の入射がない場合、即ち1行目の分割エリア11への指等の接触がある場合に、TFTセンサT1からは、TFTセンサT0に流れる暗電流と同じ大きさのドレイン電流Ids0が出力される。この関係は、TFTセンサT0とTFTセンサT1とが同一サイズであると仮定した場合である。TFTセンサT0とTFTセンサT1とが異なるサイズである場合のTFTセンサT1のドレイン電流Ids0は、Ids0=Is×(S1/S0)となる。ここで、S1は、TFTセンサT1のチャネル幅をチャネル長で除算した値であり、S0は、TFTセンサT0のチャネル幅をチャネル長で除算した値である。
【0044】
また、TFTセンサT1の光電変換部124へのバックライト104からの光や外光の入射がある場合、即ち1行目の分割エリア11への指等の接触がない場合には、入射した光の照度に応じてドレイン電流が増加する。この増分をΔIdsとした場合、光入射時のドレイン電流IdsはIds=Ids0+ΔIdsとなる。
【0045】
このようにして1行目の分割エリア11から出力されるドレイン電流Idsは、オペアンプAMP1と抵抗器Rfとから構成される電流−電圧変換回路によって電圧に変換される。このオペアンプAMP1の出力電圧は、抵抗器Rfの抵抗値をRfとすると、−Ids×Rf(Vd=0とした場合)となる。
【0046】
このようにして各オペアンプAMP1からの出力電圧がパラレル信号としてSH回路203によって保持される。その後、SH回路203によって保持された電圧がパラレルシリアル変換回路204においてシリアル信号に変換されてADC205に入力される。そして、このシリアル信号に変換された電圧がADC205に順次入力されてデジタル信号に変換される。このデジタル信号出力Voutが図示しないタッチセンサの制御回路に入力される。このタッチセンサの制御回路は、デジタル信号出力Voutの値が1行目の何列目の分割エリア11に対応したものであるか、及びデジタル信号出力Voutの値がIdsに対応したものかIds0に対応したものかを判定することにより、1行目の何れかの列の分割エリア11への指等の接触があったか否かを判定する。
【0047】
また、1行目の分割エリア11への指等の接触があったか否かの判定が終了した後、行方向シフトレジスタ2011は、2行目の分割エリア11に対応したゲート端子G2に接続されているTFTセンサT0、T1を選択状態とすべく、ゲート端子G2の電圧をTFTセンサT0、T1のオンレベルの電圧とする。以後も同様に、1行分の分割エリア11への指等の接触があったか否かの判定が終了した後、行方向シフトレジスタ2011は、次の行の分割エリア11に対応したゲート端子の電圧をTFTセンサT0、T1のオンレベルの電圧とする。これにより、表示エリアの全域で指等の接触があったか否かの判定を行うことができる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態においては、2次元状に配置されたTFTセンサT0とTFTセンサT1に対し、分割エリア11の行単位でTFTセンサT0とTFTセンサT1を選択しつつTFTセンサT1のドレイン電流に応じた電圧信号を取り込むようにしている。TFTのドレイン電流は照度の他に、経時変化や温度変化によっても変化してしまうが、本実施形態では、TFTセンサT1のドレイン電流のうちIds0を一定とすることができる。上述したように、TFTセンサT0とTFTセンサT1とはセンサ対として見ると同じ温度条件であると考えることができるから、TFTセンサT0やTFTセンサT1の経時変化や温度変化による影響は、Ids0に変化をもたらさず、TFTセンサT0やTFTセンサT1のソース電圧に変化をもたらす。このように、TFTセンサT1のドレイン電流Idsは照度にのみ依存するものとなり、TFTセンサT0やTFTセンサT1の経時変化や温度変化による影響を排除した電圧信号を取り込むことが可能である。更に、本実施形態においては、各分割エリア11への指等の接触があったときに、TFTセンサT1に流れるドレイン電流がIds0となる。そして、この値はバックライト104からの光や外光の強度に影響されないものである。このため、指等の接触の有無の判定を、これらバックライト104からの光の変化や外光の変化の影響を受けずに、安定して行うことができる。また、本実施形態では、スキャンドライバ201の行方向シフトレジスタ2011が分割エリア11の1行分のTFTセンサT0、T1を同時に選択状態とする。したがって、オペアンプAMP1からはドレイン電流に対応した出力電圧(電圧信号)がパラレル信号として出力されるが、このパラレル信号をシリアル信号として取り込むことで線順次駆動でTFTセンサの信号を取り込むことが可能である。
【0049】
また、本実施形態の光センサ装置をタッチセンサとして用いることを考えた場合、表示画素単位のような微小エリア単位で接触の有無を判定する必要がない場合が多い。このため、図5のように、表示エリアを複数の表示画素を含んでなる複数の分割エリア11単位に分割し、分割エリア11の行単位で接触の有無を判定するようにすることが可能である。この場合、分割エリア11の行単位でセンサゲートライン121やセンサドレインライン122、センサソースライン123を共通化することができるのでセンサドライバ20の端子数の削減に繋がる。また、分割エリア11の単位でまとめてドレイン電流を取り出すようにすることで、ドレイン電流の増幅をすることなく大きなドレイン電流を取り出すことができる。これにより、接触の有無の判定における誤判定の可能性を低減することが可能である。
【0050】
さらに、本実施形態では、同一行に配列されたTFTセンサT0、T1についてはセンサゲートライン121を共通化するとともに、同一列に配列されたTFTセンサT0、T1についてはセンサドレインライン122、センサソースライン123を共通化している。このような構成とすることにより、センサゲートライン121、センサドレインライン122、センサソースライン123の本数を必要最小限とすることが可能である。
【0051】
ここで、図8のa−Si TFTの光−電流特性に示されるように、a−Si TFTを用いた光センサにおいては、ゲート電圧を負とした場合の照度に対するドレイン電流の変化率が、ゲート電圧を正とした場合の照度に対するドレイン電流の変化率よりも大きい。このため、通常、TFTを光センサとして用いる場合には、TFTに負のゲート電圧を印加するようにしている。しかしながら、本実施形態では同一列の複数のTFTを共通のセンサドレインライン122に接続している。そして、図8に示すように、TFTに負のゲート電圧を印加ときに流れるドレイン電流の電流値は、負のゲート電圧の絶対値によって大きくは変化しないため、選択時に負のゲート電圧を印加してTFTを光センサとして用いるようにしても、選択状態と非選択状態とに依らず、同一列に属する全てのTFTから常に同程度の微小なドレイン電流が流れるため、分割エリアの行単位での接触の有無の判定を行うことが困難となる。これに対し、選択時に正のゲート電圧(Vgs=3〜5[V])を印加してTFTを光センサとして用いるようにすると、正のゲート電圧の絶対値に応じてTFTに流れるドレイン電流の電流値が比較的大きく変化するため、選択状態と非選択状態とでTFTに流れるドレイン電流の電流値は明確に異なる値になる。これにより、分割エリアの行単位での接触の有無の判定を行うことが可能となる。ただし、正のゲート電圧を印加してTFTを用いると、上述した経時変化や温度変化による影響が大きくなる。しかしながら、本実施形態では上述した構成により、経時変化や温度変化による影響を廃することができるので、配線数を少なくしつつ、分割エリア11の行単位で正しい接触の有無の判定を行うことが可能である。
【0052】
また、本実施形態によれば、表示画素を構成する画素TFT T2と光センサ装置を構成するTFTセンサT0、T1とを同一プロセスで製造でき、製造コストを削減することも可能である。
【0053】
さらに、TFTセンサT1の光電変換部124を囲むように遮光壁126を設けることで、分割エリア11への指等の接触時にTFTセンサT1の光電変換部124を完全に遮光することが可能である。さらに遮光膜142によってTFTセンサの部分を完全に覆うことが可能であるため、表示パネル10を観察した場合において、表示画素以外の周期構造が視認されないようにすることが可能である。
【0054】
なお、上述した実施形態では、TFT基板101上に遮光壁126を設けるようにしているが、分割エリア11への指等の接触時にTFTセンサT1の光電変換部124を完全に遮光することができれば、必ずしもTFT基板101上に遮光壁126を設ける必要はない。例えば、図9に示すように、カラーフィルタ基板102上のTFTセンサT1の光電変換部124を囲む位置に遮光壁126を設けるようにしても良い。また、遮光壁125は、図1で示すような厚膜でなく、図9で示すような薄膜としても良い。
【0055】
また、図7に示したセンサドライバ20の回路構成も一例であって適宜変更可能である。例えば、図7の例では、定電流源を電流吸い込み型の定電流源としているが、これに限るものではない。即ち、図10に示すような、ソース端子Sm−0に向かう定電流Isを供給する電流吐き出し型の定電流源としても上述した図7の構成と同様の効果が得られる。なお、吐き出し型の定電流源とする場合には、図10に示すように、電流源Isを、電圧Vddを与える定電圧源に接続し、TFTセンサT0を、電圧Vs(Vs<Vdd)を与える電圧源に接続するように変更する。
【0056】
また、図7の例では、バッファ回路BUFによって、TFTセンサT0のソース電圧とTFTセンサT1のソース電圧とを等しくしているが、図11〜図14で示す構成とすれば、バッファ回路BUFがなくとも図7の回路と同様の効果を得ることが可能である。
【0057】
図11は、このような変形例に対応したエリア分割の概要を示した図である。図5の例では、TFTセンサT0のセンサソースライン123とTFTセンサT1のセンサソースライン123とを個別にセンサドライバ20に接続するようにしているが、図11ではTFTセンサT0のセンサソースライン123とTFTセンサT1のセンサソースライン123とを共通化してセンサドライバ20に接続するようにしている点が異なる。
【0058】
図12は、図11のAの部分の詳細な回路構成を示している。図11に示すように、同一行に配置されたTFTセンサT0、T1のセンサゲートライン121は共通化され、さらに、共通化されたセンサゲートライン121は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ゲートラインGL5に接続され、共通ゲートラインGL5はセンサドライバ20のゲート端子G5に接続される。また、同一列に配置されたTFTセンサT0のセンサドレインライン122は共通化され、さらに、共通化されたセンサドレインライン122は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ドレインライン(第1のセンサドレインライン)DL70に接続され、共通ドレインラインDL70はセンサドライバ20のドレイン端子D7−0に接続される。同様に、同一列に配置されたTFTセンサT1のセンサドレインライン122は共通化され、さらに、共通化されたセンサドレインライン122は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ドレインライン(第2のセンサドレインライン)DL71に接続され、共通ドレインラインDL71はセンサドライバ20のドレイン端子D7−1に接続される。また、同一列に配置されたTFTセンサT0のセンサソースライン123と同一列に配置されたTFTセンサT1のセンサソースライン123とは共通化され、さらに、共通化されたセンサソースライン123は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ソースラインSL7に接続され、共通ソースラインSL7はセンサドライバ20のソース端子S7に接続される。
【0059】
図13は、変形例のセンサドライバ20の構成の一例を示す回路図である。図13の図7と異なる点は、複数の共通ソースラインSLm(m=1、2、…、7)に接続された複数のソース端子Sm(m=1、2、…、7)がバッファ回路BUFを介さずに定電流源Isに接続されている点である。
【0060】
図13で示したセンサドライバ20の動作について図14(a)の等価回路図を参照して説明する。初期状態では行方向シフトレジスタ2011からの電圧印加がなされていない。この状態では表示エリア内の全てのTFTセンサが非選択状態となっており、選択状態に対応したドレイン電流が流れない状態となっている。
【0061】
全てのTFTセンサが非選択状態である場合において、行方向シフトレジスタ2011は、まず、図11に示す1行目の分割エリア11に対応したゲート端子G1に接続されているTFTセンサT0、T1を選択状態とすべく、ゲート端子G1の電圧をTFTセンサT0、T1のオンレベルの電圧とする。一方、ゲート端子G2〜G5の電圧はTFTセンサT0、T1のオフレベルの電圧とする。
【0062】
行方向シフトレジスタ2011によってゲート端子G1に接続された1行目の分割エリア11に含まれる全てのTFTセンサT0、T1が選択状態となると、各TFTセンサT0、T1から、選択状態に対応したドレイン電流が出力される状態となる。これにより、1行目の分割エリア11における指等の接触の有無を判定することが可能となる。
【0063】
このとき、オペアンプAMP1のイマジナリーショート作用により、TFTセンサT0のドレイン電圧とTFTセンサT1のドレイン電圧とが等しくなっている。即ち、定電圧源VdによってTFTセンサT0のドレイン電圧が一定値Vdに固定されているため、TFTセンサT1のドレイン電圧もVdとなる。なお、Vdの具体的数値は特に限定されるものではなく、例えばVd=ゼロ[V]である。
【0064】
また、定電流源によって、TFTセンサT0及びTFTセンサT1から定電圧VSSに向かって一定のドレイン電流Isが流れる。また、TFTセンサT0のセンサソースライン123とTFTセンサのセンサソースライン123とは共通化されているので、TFTセンサT0のソース電圧とTFTセンサT1のソース電圧とは等しくなる。
【0065】
したがって、TFTセンサT0の各電極とTFTセンサT1の各電極とはそれぞれ等電圧となる。この状態において、TFTセンサT1の光電変換部124へのバックライト104からの光の入射がない場合、即ち1行目の分割エリア11への指等の接触がある場合に、TFTセンサT1からは、TFTセンサT0のドレイン電流I0と同じ大きさのドレイン電流I1が出力される。ここで、TFTセンサT0とTFTセンサT1のセンサソースライン123は共通に定電流原Isに接続されているので、Is=I0+I1となる。
【0066】
また、TFTセンサT1の光電変換部124へのバックライト104からの光の入射がある場合、即ち1行目の分割エリア11への指等の接触がない場合には、入射した光の照度に応じてドレイン電流が増加する。この増分をΔIdsとした場合、光入射時のTFTセンサT1のドレイン電流I1はI1=I0+ΔIdsとなる。ここで、TFTセンサT0とTFTセンサT1のセンサソースライン123は共通に定電流原Isに接続されているので、Is=I0+I1の関係が維持されるよう、TFTセンサT0のドレイン電流I0が減少する。
【0067】
このようにして1行目の分割エリア11から出力されるドレイン電流I1は、オペアンプAMP1と抵抗器Rfとから構成される電流−電圧変換回路によって電圧に変換される。このオペアンプAMP1の出力電圧は、図7の場合と同様、−I1×Rf(Vd=0とした場合)となる。
【0068】
以上のように、図13及び図14(a)のようにセンサドライバ20を構成してもTFTセンサT1のドレイン電流I1のうちのI0を一定とすることができる。上述したように、TFTセンサT0とTFTセンサT1とはセンサ対として見ると同じ温度条件であると考えることができるから、TFTセンサT0やTFTセンサT1の経時変化や温度変化による影響は、TFTセンサT1のドレイン電流I1のうちのI0に変化をもたらすことがない。このように、TFTセンサT1のドレイン電流I1は照度にのみ依存するものとなり、TFTセンサT0やTFTセンサT1の経時変化や温度変化による影響を廃した電圧信号を取り込むことが可能である。
【0069】
また、図13及び図14(a)の構成では、バッファ回路BUFがないので、図7の構成に比べてセンサドライバ20の回路規模を小さくすることが可能である。したがって、表示パネル10とセンサドライバ20を一体化する場合に、センサドライバ20の面積を小さくすることができる。
【0070】
ここで、図13及び図14(a)で示した回路では、定電流源を電流吸い込み型の定電流源としているが、これに限るものではない。即ち、図14(b)に示すような、電流吐き出し型の定電流源としても、上述した図14(a)の構成と同様の効果が得られる。なお、吐き出し型の定電流源とする場合には、図14(b)に示すように、電流源Isを、電圧Vddを与える定電圧源に接続し、TFTセンサT0を、電圧Vs(Vs<Vdd)を与える電圧源に接続するように変更する。
【0071】
また、図13及び図14(a)、図14(b)で示した回路は、TFTセンサT0、T1がnチャネルTFTの例であるが、図15、図16(a)、図16(b)で示すような構成とすれば、TFTセンサT0、T1がpチャネルTFTであっても適用可能である。
【0072】
さらに、上述した実施形態は、液晶表示装置にタッチセンサを組み込む場合の例を示したが、本実施形態の手法は液晶表示装置以外の例えば有機EL表示装置にも適用可能である。図17は、本発明の一実施形態に係る光センサ装置をタッチセンサとして組み込んだ有機EL表示装置の表示パネル10の、上記図1と同等の切断位置での断面構造を示す図である。また、図18は有機EL表示装置の表示パネル10の、上記図5に対応する一つの分割エリアの一部の、回路構成を示す図である。
【0073】
図17において、有機EL表示装置は、ガラス基板301と封止ガラス302とを有し、ガラス基板301と封止ガラス302との間は図示しないシール部材によって所定の間隔を有するように封止されている。
【0074】
ガラス基板301には、各色のサブ画素に対応した有機EL表示素子におけるアノード電極311が形成されている。そして、アノード電極311には、例えば電子輸送層とホール輸送層を含んでなる有機EL発光層313が積層されている。さらに、有機EL発光層313には例えばITO等からなるカソード電極312が設けられている。
【0075】
また、このような有機EL表示素子を光学素子として有する各色のサブ画素は、例えば絶縁層315によって絶縁されている。さらに、この絶縁層315中に、図18に示すトランジスタT3(図17にはドレイン電極314のみが示されている)と、上述したTFTセンサT0、T1が設けられている。このトランジスタT3のドレイン電極314は、データライン(データ入力ライン)を兼ねるようにして表示パネルの列方向に向かって延在している。また、トランジスタT3のソース電極は、トランジスタT4や容量Cを介して有機EL表示素子に接続されている。さらに、トランジスタT3のゲート電極はセレクトライン(画素選択ライン)318を兼ねるようにして表示パネルの行方向に向かって延在している。さらに、絶縁層315上には遮光壁316が形成されており、この遮光壁316により、RGBの各色に対応したサブ画素が区分されている。TFTセンサT0の光電変換部を遮光すべく、TFTセンサT0を覆う遮光壁316には、例えば遮光性の高い高分子材料(水を含まない)からなる遮光インク317が、例えばノズルコート法によって塗布されている。
【0076】
ここで、図17においては、有機EL表示素子に比して遮光壁316のほうが大きく図示されているが、図示の便宜上このように図示しているものであって、実際には有機EL表示素子のほうが大きいものである。
【0077】
また、封止ガラス302には、TFTセンサT1に光を入射させるためのアルミニウム薄膜等の反射膜331が成膜されている。ここで、遮光壁316は、封止ガラス302の反射膜331との間に、所定の空隙(光バルブ)を形成するように、その高さ(図面垂直方向の長さ)が決定されている。このような構成としておくことにより、TFTセンサT1は、ユーザの指等によって封止ガラス302が押されていない間は、光バルブが開いた状態となる。この状態では、TFTセンサT1の光電変換部が露出状態となり、TFTセンサT1の近傍の有機EL表示素子が発光した光や表示パネル10の外部からの光が光バルブを介してTFTセンサT1の光電変換部に入射する。一方、ユーザの指等によって封止ガラス302に押し下げ圧力が加わった場合には封止ガラス302の一部が撓んで変形して光バルブが閉じた状態となる。この状態では、TFTセンサT1の光電変換部が遮光状態となる。
【0078】
以上示したような有機EL表示装置の場合であっても、TFTセンサT0、T1を、図18に示すようにしてセンサドライバ20に接続することで、上述した液晶表示装置の場合と同様の効果を得ることが可能である。
【0079】
さらに、TFTセンサT0、T1のレイアウトも図4に示したものに限るものではない。例えば図19のようなレイアウトとしても良い。図19においては、高開口率化を図るため、列方向に隣接した2個の表示画素でなる表示画素対に隣接するように1個のTFTセンサを配置する。また、センサとしての分解能を低下させないよう、該1個のTFTセンサの列方向長さを表示画素対の列方向長さと一致させるようにする。このようにしてTFTセンサを配置するために、図19では、各表示画素対につき、画素TFT T2及びゲートライン111を鏡像関係となるように接続する。即ち、図19に示すように、列方向に等間隔で配列される表示画素の2行毎に、該2行の表示画素を挟むようにして表示パネル10の行方向に沿ってゲートライン111を配置する。そして、表示パネル10を正面から見たときに、各2行の表示画素のうちの上側(図面では左側方向を上側とする)となる表示画素に隣接して配置されるゲートライン111については上側から画素TFT T2を介して表示画素に接続し、各2行の表示画素のうちの下側となる表示画素に隣接して配置されるゲートライン111については下側から画素TFT T2を介して表示画素に接続する。さらに、図19のようにしてゲートライン111を配置することによって各2行の表示画素の間に生じる空き領域にセンサゲートライン121を配置する。
【0080】
図20は、ゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151のレイアウトについて示した図である。これらの配線は何れもTFT基板101の同一層上に形成される。上述したように、ゲートライン111は、表示画素の2行毎に、当該2行の表示画素を挟む領域に配置されている。即ち、ゲートライン111は、1行目の表示画素の上側位置及び2行目の表示画素の下側位置、3行目の表示画素の上側位置及び4行目の表示画素の下側位置、…、(N−1)行目の表示画素の上側位置及びN行目の表示画素の下側位置にそれぞれ配置される。また、センサゲートライン121は、表示画素の2行毎に、各2行の表示画素の間の位置に配置されている。即ち、センサゲートライン121は、1行目の表示画素と2行目の表示画素の間の位置、3行目の表示画素と4行目の表示画素の間の位置、…、(N−1)行目の表示画素とN行目の表示画素の間の位置にそれぞれ配置される。さらに、上述したように、センサゲートライン121は、TFTセンサのゲート電極も兼ねており、各表示画素対に隣接するようにして列方向にも延在されている。
【0081】
また、本実施形態では図20に示すように容量ライン151も、各表示画素対につき、鏡像関係となるように配置する。即ち、容量ライン151は、図20に示すように、1個の表示画素対に対し、センサゲートライン121を挟むように且つ各表示画素の外周部と対向するように引き回されている。
【0082】
以上のようにしてゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151を配置することにより、ゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151の何れもが互いに交差することがない(導通することがない)。さらに、1本のセンサゲートライン121で1個の表示画素対に対応した2個分の受光面積のTFTセンサを駆動することが可能である。このようにして、1個の表示画素に対応して1個のTFTセンサを設ける場合に比べてセンサゲートライン121の数を半分に削減することができ、これによって表示パネル10の表示画素当たりの開口率を向上させることが可能である。
【0083】
また、この場合、ゲートライン111とセンサゲートライン121とが近接して配設されていないために、ゲートライン111に印加される信号電圧とセンサゲートライン121に印加される信号電圧との間の干渉が起こらないようにすることができる。これにより、各表示画素による表示状態に薄膜トランジスタ光センサの駆動による影響が生じないようにすることができるとともに、薄膜トランジスタ光センサによるユーザの接触位置の検出に各表示画素の駆動による影響が生じないようにすることができる。
【0084】
また、図21は、カラーフィルタ基板102に遮光膜142が形成された状態の本実施形態の表示パネル10の正面図である。上述したように、本実施形態のTFTセンサは、表示パネル10の面内におけるバックライト104の反射光を検出するセンサである。即ち、TFTセンサに外光を入射させる必要がないため、TFTセンサの部分を遮光膜142で完全に覆うことが可能である。このため、表示パネル10を観察した場合には、表示画素以外の周期構造が視認されない状態となる。表示画素以外の周期構造が視認されてしまうと、画質に悪影響が及ぼすが、本実施形態ではこのような画質への悪影響も抑制することが可能である。
【0085】
図21に示すようにして、列方向に隣接配置される2個の表示画素からなる表示画素対に対してゲートライン111を鏡像関係に配置している。そして、表示画素対の間に生じる空き領域にセンサゲートライン121を配置し、このセンサゲートライン121に表示画素の2個分に対応した受光面積を有するTFTセンサを接続している。これによってセンサゲートライン121の本数を削減して表示画素の開口率を向上させることが可能である。
【0086】
また、別のレイアウトとして、図22に示すように、行方向に隣接した2個の表示画素でなる表示画素対の間にのみ1個のTFTセンサを配置し、このTFTセンサにセンサドレインライン122、センサソースライン123を接続する。その一方で、表示画素対の間の領域には、TFTセンサを配置しない。そして、表示パネル10を正面から見たときに、各TFTセンサの両隣に隣接して配置される表示画素対のうちの左側の表示画素に隣接して配置されるドレインライン112については左側から画素TFT T2を介して表示画素に接続し、右側の表示画素に隣接して配置されるドレインライン112については右側から画素TFT T2を介して表示画素に接続する。即ち、ドレインライン112は、TFTセンサが配置されていない領域で対向するように且つセンサドレインライン122及びセンサソースライン123に対して鏡像関係となるように配置する。この場合には、1個のTFTセンサの列方向長さは1個の表示画素の列方向長さに対応させる。
【0087】
図23は、この変形例におけるゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151のレイアウトについて示した図である。この変形例においては、図23に示すように、ゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151の何れも、表示画素の1行毎に、各行の表示画素を挟む領域に配置する。
【0088】
このような図22、図23に示す変形例においては、行方向に隣接配置される2個の表示画素からなる表示画素対の間にのみTFTセンサを配置し、このTFTセンサやセンサドレインライン122、センサソースライン123に対してドレインライン112を鏡像関係に配置している。これによって、TFTセンサ、センサドレインライン122、及びセンサソースライン123の数が上述した実施形態の半分になる。これにより、図19〜図21に示した変形例に比べてさらに表示画素の開口率を向上させることが可能である。
【0089】
ここで、この変形例においては、行方向に隣接配置される2個の表示画素を1個の表示画素対としている。しかしながら、1個の表示画素対は任意の偶数列で有っても良い。この場合、TFTセンサ、センサドレインライン122、及びセンサソースライン123は、所定の偶数列でなる表示画素対を2等分する位置に設ける。例えば、行方向に隣接配置される4個の表示画素を1個の表示画素対とした場合、TFTセンサ、センサドレインライン122、及びセンサソースライン123は、表示画素対内の2列目と3列目の表示画素の間に設ければ良い。
【0090】
さらなる変形例として、図19〜図21に示したレイアウトと図22、図23に示したレイアウトとを組み合わせても良い。即ち、図24に示すように、2行×2列の4個の表示画素でなる表示画素対を行方向に2等分する位置にのみTFTセンサを配置する。この場合の1個のTFTセンサの列方向長さも図19〜図21で示した例と同様に表示画素対の列方向長さと一致させる。このような変形例によりさらに表示画素の開口率を向上させることが可能である。
【0091】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0092】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0093】
10…表示パネル、20…センサドライバ、101…TFT基板、102…カラーフィルタ基板、104…バックライト、105…絶縁膜、111…ゲート電極(ゲートライン)、112…ドレイン電極(ドレインライン)、113…ソース電極、114…画素電極、121…ゲート電極(センサゲートライン)、122…ドレイン電極(センサドレインライン)、123…ソース電極(センサソースライン)、124…光電変換部、125,126…遮光壁、141…カラーフィルタ、142…遮光膜、143…コモン電極、151…容量ライン、201…スキャンドライバ、2011…行方向シフトレジスタ、202…電流ドライバ、203…サンプルホールド(SH)回路、204…パラレルシリアル変換回路、205…アナログ−デジタル変換回路(ADC)、301…ガラス基板、302…封止ガラス、311…アノード電極(アノードライン)、312…カソード電極、313…EL発光層、314…ドレイン電極(データライン)、315…絶縁層、316…遮光壁、317…遮光インク、318…セレクトライン、331…反射膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサ装置及びその駆動方法に関し、特に表示装置に内蔵されるタッチパネル等の2次元センサに好適な光センサ装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT)を用いた光センサは、ゲートに所定の電位(通常は負の電位)を与えた状態において、該TFTへの光入射によって生じる光電流信号(ドレイン電流)を検出するものである。近年では、このような光センサを表示装置の表示パネル内に組み込むことによって構成される光検出方式のタッチセンサについての提案が各種なされている。
【0003】
ここで、特にアモルファスシリコンを用いたTFT(a−Si TFT)は経時変化や温度変化によってその電気的特性が変化することが知られている。このような経時変化や温度変化が生じると、TFTへの入射光の照度は変化していなくても、経時変化や温度変化の前後でTFTから出力されるドレイン電流は異なるものとなってしまう。このTFTからのドレイン電流の減少は光検出に悪影響を与える可能性がある。
【0004】
特許文献1においては、TFTの経時劣化や温度変化が生じたとしても、劣化や温度変化によるドレイン電流の変化を補正可能な補正回路を適用した光センサについて提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−87961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1では1つの光センサに対応した補正回路の構成を提案している。光センサをタッチパネル等の2次元センサとして利用する場合には、通常、光センサを2次元状に配置する必要がある。しかしながら、このように光センサを2次元状に配置する場合において、特許文献1の補正回路を適用しようとしても、例えば、配線のための領域が増加して表示パネルの表示品位が劣化したり、表示品位を損なわずに高い検出感度を得ることが難しかったりして、単純に適用することは難しかった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、特に2次元状に配された光センサを有してなる光センサ装置において、TFTの経時劣化や温度変化による影響を良好に補正できる光センサ装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の光センサ装置は、行及び列方向に沿って2次元配列された、半導体層が遮光された複数の第1の薄膜トランジスタ光センサ、及び、半導体層を有し、外部から加えられる外力に応じて前記半導体層への光の入射量が変化する複数の第2の薄膜トランジスタ光センサからなる複数の光センサと、行方向に配設された前記各第1及び各第2の薄膜トランジスタ光センサのゲート電極に共通に接続されて、行方向に配列された複数のセンサゲートラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサソースラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサソースラインと、前記複数のセンサゲートラインにセンサ走査信号を順次出力して、前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタ光センサを行単位で順次選択状態に設定する行方向駆動部と、前記行方向駆動部によって選択状態に設定された行の前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタの各電極の電圧を等電圧とした状態で、前記複数の第2のセンサドレインラインを介して前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流に応じた複数の電圧信号を並行して取り込む変換回路と、を具備することを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様の光センサ装置の駆動方法は、行及び列方向に沿って2次元配列された、半導体層が遮光された複数の第1の薄膜トランジスタ光センサ、及び、半導体層を有し、外部から加えられる外力に応じて前記半導体層への光の入射量が変化する複数の第2の薄膜トランジスタ光センサからなる複数の光センサと、行方向に配設された前記各第1及び各第2の薄膜トランジスタ光センサのゲート電極に共通に接続されて、行方向に配列された複数のセンサゲートラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサソースラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサソースラインと、を有する光センサ装置の駆動方法であって、前記複数のセンサゲートラインにセンサ走査信号を順次出力して、前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタ光センサを行単位で順次選択状態に設定するステップと、前記選択状態に設定された行の前記第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記第2の薄膜トランジスタの各電極の電圧を等電圧とした状態で、前記複数の第2のセンサドレインラインを介して前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流に応じた複数の電圧信号を並行して取り込むステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特に2次元状に配された光センサを有してなる光センサ装置において、TFTの経時劣化や温度変化による影響を良好に補正できる光センサ装置及びその駆動方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の一例としての液晶表示装置の表示パネルの断面構造を示す図である。
【図2】TFTセンサT0の構成を示す図である。
【図3】TFTセンサT1の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態における液晶表示装置の表示パネルの正面図である。
【図5】エリア分割の概要を示した図である。
【図6】図5のAの部分の詳細な回路構成を示す図である。
【図7】センサドライバの構成の一例を示す回路図である。
【図8】a−Si TFTの光−電流特性を示す図である。
【図9】遮光壁をカラーフィルタ基板上に設けた場合の変形例を示す図である。
【図10】センサドライバの第1の変形例の構成を示す回路図である。
【図11】センサドライバの第2の変形例におけるエリア分割の概要を示した図である。
【図12】図11のAの部分の詳細な回路構成を示す図である。
【図13】第2の変形例のセンサドライバの構成を示す回路図である。
【図14】図14(a)は第2の変形例のセンサドライバの等価回路図であり、図14(b)は第2の変形例のセンサドライバを電流吐き出し型の定電流源を用いて構成した場合の等価回路図である。
【図15】第2の変形例においてセンサTFTがpチャネルTFTの場合のセンサドライバの構成を示す回路図である。
【図16】図16(a)はセンサTFTがpチャネルTFTで電流吸い込み型の定電流原を用いた場合の第2の変形例のセンサドライバの等価回路図であり、図16(b)はセンサTFTがpチャネルTFTで電流吐き出し型の定電流原を用いた場合の第2の変形例のセンサドライバの等価回路図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る光センサ装置をタッチセンサとして組み込んだ有機EL表示装置の表示パネルの断面構造を示す図である。
【図18】有機EL表示装置の、分割エリアの一部の、回路構成を示した図である。
【図19】TFTセンサのレイアウトに係る第1の変形例における液晶表示装置の表示パネルの正面図である。
【図20】第1の変形例におけるゲートライン、センサゲートライン、容量ラインのレイアウトについて示した図である。
【図21】カラーフィルタ基板に遮光膜が形成された状態の本実施形態の表示パネルの正面図である。
【図22】TFTセンサのレイアウトに係る第2の変形例における液晶表示装置の表示パネルの正面図である。
【図23】第2の変形例におけるゲートライン、センサゲートライン、容量ラインのレイアウトについて示した図である。
【図24】TFTセンサのレイアウトに係る第3の変形例における液晶表示装置の表示パネルの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の一例としての液晶表示装置の表示パネル10の断面構造を示す図である。また、図2は、表示パネル10に設けられるTFTセンサT0の構成を示す図である。図3は、表示パネル10に設けられるTFTセンサT1の構成を示す図である。また、図4は液晶表示装置の表示パネル10の正面図である。なお、図1は、表示パネル10を図4に示すA−A方向で切断して見た断面を示している。
【0013】
図1に示す液晶表示装置の表示パネル10は、TFT基板101と、カラーフィルタ基板102との間に液晶103が封入されて構成されている。さらに、TFT基板101の背面には光源としてのバックライト104が設けられ、TFT基板101の背面から例えば白色光の照射が可能になされている。また、視野側となるカラーフィルタ基板102の上面と、TFT基板101のバックライト104側の下面とに、偏光方向が互いに直交する偏光板131、132が設けられている。
【0014】
第1の基板としてのTFT基板101は、ガラス基板等の透明性を有する基板から構成され、このTFT基板101の上面には複数の光センサをなす複数の複数のTFTセンサT0、T1、複数の画素TFT T2、複数のゲートライン(走査線)111、複数のドレインライン(信号線)112、複数のセンサゲートライン121、複数のセンサドレインライン122、及び複数のセンサソースライン123がそれぞれ形成されている。TFT基板101の下面には偏光板132が設けられている。なお、A−A断面で見ると、図1において画素TFT T2は見えず、ドレインライン112のみが見えている状態となる。各ドレインライン112はT2のドレイン電極に接続されているものであるが、実質的に画素TFT T2のドレイン電極をなすものでもあるため、以下においては、ドレインライン112を画素TFT T2のドレイン電極とも言うこととする。また、図4に示すように各ゲートライン111はT2のゲート電極に接続されているものであるが、実質的に画素TFT T2のゲート電極をなすものでもあるため、以下においては、ゲートライン111を画素TFT T2のゲート電極とも言うこととする。
【0015】
光センサは第1の薄膜トランジスタ光センサと第2の薄膜トランジスタ光センサとからなる。図2に示すように、第1の薄膜トランジスタ光センサとしてのTFTセンサT0は、ゲート電極121と、ドレイン電極122と、ソース電極123と、アモルファスシリコン(a−Si)膜による半導体層からなる光電変換部124と、透明性を有する絶縁膜からなるチャネル保護膜127と、を有している。TFTセンサT0のゲート電極121は、1個の表示画素(サブ画素)の列方向長さに対応した長さを有して形成されている。また、このゲート電極121は、センサゲートライン121を構成するように表示パネル10の行方向に沿って延伸形成され、後述するセンサドライバのゲート端子に接続されている。また、TFTセンサT0のドレイン電極122、ソース電極123はそれぞれセンサドレインライン122、センサソースライン123を構成するように表示パネル10の列方向に沿って延伸され、後述するセンサドライバのドレイン端子、ソース端子にそれぞれ接続されている。
【0016】
また、TFTセンサT0の光電変換部124を覆う位置には例えば金属や樹脂といった遮光性を有する材料からなる遮光壁125が形成されている。さらに、TFTセンサT0の各電極及び光電変換部124は、透明性を有する絶縁膜105により絶縁されている。
【0017】
このような構成のTFTセンサT0は、図2に示すように、遮光壁125によって光電変換部124が遮光された状態となっているので、バックライト104から出射された光や外光がTFTセンサT0の光電変換部124には入射しない。これにより、TFTセンサT0は、選択状態となったときであっても常に暗電流に相当する光電流信号(ドレイン電流Ids0)を出力する。
【0018】
第2の薄膜トランジスタ光センサとしてのTFTセンサT1は、図3(a)に示すように、ゲート電極121と、ドレイン電極122と、ソース電極123と、a−Si膜による半導体層からなる光電変換部124と、透明性を有する絶縁膜からなるチャネル保護膜127と、を有している。TFTセンサT1のゲート電極121は、1個の表示画素(サブ画素)でなる表示画素対の列方向長さに対応した列方向長さを有して形成されている。また、このゲート電極121は、センサゲートライン121を構成するように表示パネル10の行方向に沿って延伸され、後述するセンサドライバのゲート端子に接続されている。また、TFTセンサT1のドレイン電極122、ソース電極123はそれぞれセンサドレインライン122、センサソースライン123を構成するように表示パネル10の列方向に沿って延伸形成され、後述するセンサドライバのドレイン端子、ソース端子に接続されている。
【0019】
また、TFTセンサT1の光電変換部124を囲むように例えば金属や樹脂といった遮光性を有する材料からなる遮光壁126が形成されている。この遮光壁126は、カラーフィルタ基板102との間に所定の空隙(光バルブという)を形成するように、その高さ(TFT基板101の基板面に対して垂直をなす図面垂直方向の長さ)が決定されている。さらに、TFTセンサT1の各電極及び光電変換部124は、透明性を有する絶縁膜105により絶縁されている。
【0020】
このような構成のTFTセンサT1は、図3(a)に示すように、ユーザの指等による外力によってカラーフィルタ基板102が押されていない間は、光バルブが開いた状態となる。この状態では、TFTセンサT1の光電変換部124が露出状態となり、バックライト104から出射された光や外光が光バルブを介してTFTセンサT1の光電変換部124に入射する。したがって、TFTセンサT1は、選択状態となったときに、入射した光の照度に応じたドレイン電流を出力する。一方、ユーザの指等による外力によってカラーフィルタ基板102に押し下げ圧力が加わった場合には、図3(b)に示すように、カラーフィルタ基板102の一部が撓んで変形して光バルブが閉じた状態(カラーフィルタ基板102と遮光壁126との空隙が十分狭い状態又は空隙が無い状態)となる。この状態では、TFTセンサT1の光電変換部124は、バックライト104から出射された光が入射しない遮光状態となり、TFTセンサT1は、暗電流に相当するドレイン電流Ids0を出力する。
【0021】
なお、図1及び図3に示すように、カラーフィルタ基板102のTFT基板101と対向する側の面上に、TFTセンサT1の光電変換部124と対向するように、アルミニウム薄膜等の反射膜128を形成して、バックライト104から出射された光や外光が効率良くTFTセンサT1の光電変換部124に入射するようにしている。なお、反射膜128を設けず、後述する、カラーフィルタ基板102に形成される遮光膜142を反射膜として代用するようにしてもよい。
【0022】
画素TFT T2は、ゲート電極111と、ドレイン電極112と、ソース電極113を有している。画素TFT T2のゲート電極111は、図4に示す表示パネル10のゲートライン(画素選択ライン)111を構成するように延伸されている。また、ドレイン電極112は、ドレインライン(データ入力ライン)112を構成するようにゲートライン111に対して直交するように延伸されている。これらゲートライン111とドレインライン112は図示しない表示ドライバに接続されている。さらに、ソース電極113は画素電極114に接続されている。
【0023】
第2の基板としてのカラーフィルタ基板102はガラス基板等の透明性を有する基板から構成され、このカラーフィルタ基板102の下面の、画素電極114と対向する位置には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかの色を有するカラーフィルタ141が形成されている。さらに、各色のカラーフィルタ141を囲むように遮光膜142が形成されており、この遮光膜142がブラックマトリクスとして機能する。さらに、カラーフィルタ141の、画素電極114と対向する側の面には例えばITO(酸化インジウム錫)膜等の透明電極からなるコモン電極143が形成されている。コモン電極143には、所定の電位レベルを有するコモン電圧が与えられている。また、カラーフィルタ基板102の上面には偏光板131が設けられている。カラーフィルタ基板102の上面が視野側となる。上述の画素電極114、コモン電極143及び偏光板131、132と、画素電極114とコモン電極143との間に狭持された液晶とにより、光学素子としての液晶表示素子が形成されている。
【0024】
また、図1には示していないが、TFT基板101とカラーフィルタ基板102とは、周囲がシール部材により接着され、また、シール部材によって液晶103が封止されている。
【0025】
図4において、表示パネル10のR、G、Bの各色に対応したサブ画素は、それぞれが画素TFT T2と画素電極114の組を有して形成されている。そして、このようなR、G、Bの各色に対応した3個のサブ画素により1個の表示画素が構成されている。さらに、このようにして2次元配列された各表示画素に対応して、TFTセンサT0(図4では遮光壁125によって隠された状態を示している)とTFTセンサT1が行方向に交互に配置されている。
【0026】
また、画素電極114の下面側(図面裏面側)には容量ライン151が引き回されており、この容量ライン151にはコモン電極143に印加されるコモン電圧と同一のレベルの電圧が与えられている。この容量ライン151と画素電極114とで各サブ画素に対応した蓄積容量が形成される。
【0027】
さらに、本実施形態においては、表示パネル10の表示エリア(画素電極が配置されるエリア)を複数のエリアに分割し、分割エリア毎にユーザの指等の接触の有無を判定可能としている。図5は、このエリア分割の概要を示した図である。図5は、表示パネル10の表示エリア(図示破線で示したエリア)を行方向に7分割、列方向に5分割した例を示している。図5に示すそれぞれの分割エリア(分割領域)11は、例えば、人間の指の大きさ程度のエリアである、1辺が約5mmの正方形エリアとなっている。そして、各分割エリア11内には、図4に示したような表示画素が複数配置され、さらに、各表示画素対の両隣に隣接するように、即ち表示パネル10の行方向に沿って交互にTFTセンサT0及びTFTセンサT1の対(センサ対)が配置されている。このようにしてTFTセンサT0及びTFTセンサT1を配置すると、1個のセンサ対としてはTFTセンサT0とTFTセンサT1とが近接したほぼ同位置に配置されていると考えることができる。この場合、TFTセンサT0とTFTセンサT1とは素子温度がほぼ同一であると考えることができる。
【0028】
また、本実施形態では、図5に示す各分割エリア11のうちで同一行(図示水平方向)に配置された分割エリア11については表示エリアの外部でセンサゲートライン121を共通化してセンサドライバ20に接続する。また、図5に示す各分割エリア11のうちで同一列(図示垂直方向)に配置された分割エリア11については表示エリアの外部でセンサドレインライン122、センサソースライン123をそれぞれ共通化してセンサドライバ20に接続する。なお、センサゲートライン121、センサドレインライン122、センサソースライン123はそれぞれ表示エリアの外部で共通化することが好ましい。これは、センサゲートライン121、センサドレインライン122、センサソースライン123を表示エリアの内部で共通化してしまうと、配線が複雑化するとともに、表示パネル10に表示される画像に悪影響を与えるおそれもあるためである。
【0029】
後述するが、本実施形態においては、1つの分割エリア11内のTFTセンサT0とTFTセンサT1とのセンサ対は同時に駆動される。このため、1つの分割エリア11内のTFTセンサT0とTFTセンサT1とでセンサゲートラインを分ける必要はない。したがって、センサドライバ20には分割エリアの行数分だけのゲート端子(図5に示すG1〜G5)を設ければ良い。これに対し、センサドレインライン122については、TFTセンサT0とTFTセンサT1とで分ける必要がある。したがって、センサドライバ20には、分割エリアの列数分だけのTFTセンサT0用のドレイン端子(図5に示すD1−0〜D7−0)と、分割エリアの列数分だけのTFTセンサT1用のドレイン端子(図5に示すD1−1〜D7−1)と、をそれぞれ設ける必要がある。さらには、センサドライバ20にはソース端子もTFTセンサT0とTFTセンサT1の分を個別に設ける。このようにしてセンサドライバ20に端子を設けることにより、各分割エリア11から出力されるドレイン電流の電流値を増加させることができるとともに、センサドライバ20の端子数の削減にも繋がる。
【0030】
図6は、図5のAの部分の詳細な回路構成を示している。図6に示すように、同一行に配置されたTFTセンサT0、T1のセンサゲートライン121は共通化され、さらに、共通化されたセンサゲートライン121は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ゲートラインGL5に接続され、共通ゲートラインGL5はセンサドライバ20のゲート端子G5に接続される。また、同一列に配置されたTFTセンサT0のセンサドレインライン122は共通化され、さらに、共通化されたセンサドレインライン122は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ドレインライン(第1のセンサドレインライン)DL70に接続され、共通ドレインラインDL70はセンサドライバ20のドレイン端子D7−0に接続される。同様に、同一列に配置されたTFTセンサT1のセンサドレインライン122は共通化され、さらに、共通化されたセンサドレインライン122は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ドレインライン(第2のセンサドレインライン)DL71に接続され、共通ドレインラインDL71はセンサドライバ20のドレイン端子D7−1に接続される。また、同一列に配置されたTFTセンサT0のセンサソースライン123は共通化され、さらに、共通化されたセンサソースライン123は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ソースライン(第1のセンサソースライン)SL70に接続され、共通ソースラインSL70はセンサドライバ20のソース端子S7−0に接続される。さらに、同一列に配置されたTFTセンサT1のセンサソースライン123は共通化され、さらに、共通化されたセンサソースライン123は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ソースライン(第2のセンサソースライン)SL71に接続され、共通ソースラインSL70はセンサドライバ20のソース端子S7−1に接続される。
【0031】
図7は、センサドライバ20の構成の一例を示す回路図である。センサドライバ20は、ゲート端子G1〜G5からセンサ走査信号を順次出力して、各ゲート端子Gnに接続されているTFTセンサT0とTFTセンサT1の対を行単位で順次選択状態に設定するとともに、選択状態に設定されたTFTセンサT1から出力される光電流信号(ドレイン電流)を電圧信号に変換し、複数のTFTセンサT1に基づく複数の電圧信号を並行して取り込み、各電圧信号に応じた複数のデジタル信号出力Voutを順次出力する。このようなセンサドライバ20は、スキャンドライバ201と、電流ドライバ202とを有している。
【0032】
スキャンドライバ201は、行方向駆動部としての行方向シフトレジスタ2011を有している。行方向シフトレジスタ2011は、表示パネル10の複数の共通ゲートラインGLnの数と同数(図7の例では5個)の、複数のゲート端子を有しており、各共通ゲートラインGLnとセンサゲートライン121とを介して接続されている複数のTFTセンサT0、T1を選択状態とする。
【0033】
また、変換回路としての電流ドライバ202は、表示パネル10の複数の共通ドレインラインDLm及び複数の共通ソースラインSLmの数と同数の、複数のドレイン端子、ソース端子(図7の例ではドレイン端子(7×2=14個)+ソース端子(7×2=14個)=28個)を有している。そして、TFTセンサT0からのドレイン電流を入力するための複数のドレイン端子Dm−0(m=1、2、…、7。図5に対応)はそれぞれオペアンプAMP1の非反転入力端子に接続されている。さらに、この非反転入力端子には電位Vdを与える定電圧源が接続されている。また、TFTセンサT1からのドレイン電流を入力するための複数のドレイン端子Dm−1(m=1、2、…、7)はそれぞれオペアンプAMP1の反転入力端子に接続されている。また、オペアンプAMP1の反転入力端子と出力端子との間には抵抗器Rfが接続されており、オペアンプAMP1と抵抗器Rfとで電流−電圧変換回路を構成している。
【0034】
また、複数の共通ソースラインSLm0(m=1、2、…、7)の各々に接続された複数のソース端子Sm−0(m=1、2、…、7)は定電流源Isに接続されている。この定電流源Isは、電位VSS(VSS<Vd)を与える定電圧源にも接続され、ソース端子Sm−0から定電圧源VSSに向かう定電流Isを供給する電流吸い込み型の電流源である。さらに、複数の共通ソースラインSLm1(m=1、2、…、7)の各々に接続された複数のソース端子Sm−1(m=1、2、…、7)はバッファ回路BUFを介して電流源Isに接続されている。
【0035】
また、複数のオペアンプAMP1の出力端子はサンプルホールド(SH)回路203に共通に接続されている。サンプルホールド(SH)回路203は、複数のドレイン端子Dm−1(m=1、2、…、7)に対応する複数のオペアンプAMP1の出力電圧(電圧信号)をパラレル信号として、並行して取り込む。そして、SH回路203はパラレルシリアル変換回路204に接続され、パラレルシリアル変換回路204は、アナログ−デジタル変換回路(ADC)205に接続されている。パラレルシリアル変換回路204は、サンプルホールド(SH)回路203が取り込んだパラレル信号としての複数のオペアンプAMP1の出力電圧をシリアル信号に変換して、アナログ−デジタル変換回路(ADC)205に供給する。アナログ−デジタル変換回路(ADC)205は、パラレルシリアル変換回路204から供給されたシリアル信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号出力Voutとして出力する。
【0036】
以下、図1〜図7で示した液晶表示装置の動作について説明する。
まず、液晶表示装置の表示動作について説明する。なお、表示動作については従来の液晶表示装置と何ら変わらないので、ここでは簡単に説明する。
【0037】
1画面分の画像の表示に際し、図示しない表示ドライバは、例えば、図4に示す上側の行のゲートライン111から順次ハイレベルの走査信号を供給するとともに、各ドレインライン112に、対応するサブ画素に表示させるべき画像の階調レベルに応じた階調信号を供給する。走査信号がハイレベルとなると、この走査信号がハイレベルとなったゲートライン111に接続されている1行分の画素TFT T2が全てオン状態となり、当該行のサブ画素が選択状態となる。画素TFT T2がオン状態となると、このオン状態となった画素TFT T2を介してドレインライン112に供給された階調信号が画素電極114に印加される。このとき、階調信号の印加によって画素電極114に発生する画素電極電圧とコモン電極に印加されているコモン電圧との差の電圧が液晶103に印加され、対応するサブ画素での画像表示が行われる。また、この液晶103に印加される電圧は画素電極114に印加された階調信号は次の階調信号の印加がなされるまで、容量ライン151と画素電極114とによって形成される蓄積容量に保持される。
【0038】
次に、タッチセンサとしての動作について説明する。初期状態では行方向シフトレジスタ2011からの電圧印加がなされていない。この状態では表示エリア内の全てのTFTセンサが非選択状態となっており、選択状態に対応したドレイン電流が流れない状態となっている。実際には、図8に示すように、TFTセンサが非選択状態(例えばVgs=0[V])のときであっても、TFTセンサにある程度のドレイン電流は流れるが、この非選択状態のドレイン電流は、選択状態(例えばVgs=3〜5[V])のドレイン電流に比べて非常に小さいものである。
【0039】
全てのTFTセンサが非選択状態である場合において、行方向シフトレジスタ2011は、まず、図5に示す1行目の分割エリア11に対応したゲート端子G1に接続されているTFTセンサT0、T1を選択状態とすべく、ゲート端子G1の電圧をTFTセンサT0、T1のオンレベルの電圧とする。一方、ゲート端子G2〜G5の電圧はTFTセンサT0、T1のオフレベルの電圧とする。
【0040】
行方向シフトレジスタ2011によってゲート端子G1に接続された1行目の分割エリア11に含まれる全てのTFTセンサT0、T1が選択状態となると、各TFTセンサT0、T1から、選択状態に対応したドレイン電流が出力される状態となる。これにより、1行目の分割エリア11における指等の接触の有無を判定することが可能となる。
【0041】
このとき、オペアンプAMP1のイマジナリーショート作用により、TFTセンサT0のドレイン電圧とTFTセンサT1のドレイン電圧とが等しくなっている。即ち、定電圧源VdによってTFTセンサT0のドレイン電圧が一定値Vdに固定されているため、TFTセンサT1のドレイン電圧もVdとなる。なお、Vdの具体的数値は特に限定されるものではなく、例えばVd=ゼロ[V]である。
【0042】
また、定電流源によって、TFTセンサT0から定電圧VSSに向かって一定のドレイン電流Isが流れる。TFTセンサT0から一定のドレイン電流Isが流れ、TFTセンサT0のドレイン電圧とゲート電圧が一定であるので、TFTセンサT0のソース電圧が浮動状態となる。また、バッファ回路BUFによって、TFTセンサT0のソース電圧とTFTセンサT1のソース電圧とが等しくなる。
【0043】
したがって、TFTセンサT0の各電極とTFTセンサT1の各電極とはそれぞれ等電圧となる。この状態において、TFTセンサT1の光電変換部124へのバックライト104からの光や外光の入射がない場合、即ち1行目の分割エリア11への指等の接触がある場合に、TFTセンサT1からは、TFTセンサT0に流れる暗電流と同じ大きさのドレイン電流Ids0が出力される。この関係は、TFTセンサT0とTFTセンサT1とが同一サイズであると仮定した場合である。TFTセンサT0とTFTセンサT1とが異なるサイズである場合のTFTセンサT1のドレイン電流Ids0は、Ids0=Is×(S1/S0)となる。ここで、S1は、TFTセンサT1のチャネル幅をチャネル長で除算した値であり、S0は、TFTセンサT0のチャネル幅をチャネル長で除算した値である。
【0044】
また、TFTセンサT1の光電変換部124へのバックライト104からの光や外光の入射がある場合、即ち1行目の分割エリア11への指等の接触がない場合には、入射した光の照度に応じてドレイン電流が増加する。この増分をΔIdsとした場合、光入射時のドレイン電流IdsはIds=Ids0+ΔIdsとなる。
【0045】
このようにして1行目の分割エリア11から出力されるドレイン電流Idsは、オペアンプAMP1と抵抗器Rfとから構成される電流−電圧変換回路によって電圧に変換される。このオペアンプAMP1の出力電圧は、抵抗器Rfの抵抗値をRfとすると、−Ids×Rf(Vd=0とした場合)となる。
【0046】
このようにして各オペアンプAMP1からの出力電圧がパラレル信号としてSH回路203によって保持される。その後、SH回路203によって保持された電圧がパラレルシリアル変換回路204においてシリアル信号に変換されてADC205に入力される。そして、このシリアル信号に変換された電圧がADC205に順次入力されてデジタル信号に変換される。このデジタル信号出力Voutが図示しないタッチセンサの制御回路に入力される。このタッチセンサの制御回路は、デジタル信号出力Voutの値が1行目の何列目の分割エリア11に対応したものであるか、及びデジタル信号出力Voutの値がIdsに対応したものかIds0に対応したものかを判定することにより、1行目の何れかの列の分割エリア11への指等の接触があったか否かを判定する。
【0047】
また、1行目の分割エリア11への指等の接触があったか否かの判定が終了した後、行方向シフトレジスタ2011は、2行目の分割エリア11に対応したゲート端子G2に接続されているTFTセンサT0、T1を選択状態とすべく、ゲート端子G2の電圧をTFTセンサT0、T1のオンレベルの電圧とする。以後も同様に、1行分の分割エリア11への指等の接触があったか否かの判定が終了した後、行方向シフトレジスタ2011は、次の行の分割エリア11に対応したゲート端子の電圧をTFTセンサT0、T1のオンレベルの電圧とする。これにより、表示エリアの全域で指等の接触があったか否かの判定を行うことができる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態においては、2次元状に配置されたTFTセンサT0とTFTセンサT1に対し、分割エリア11の行単位でTFTセンサT0とTFTセンサT1を選択しつつTFTセンサT1のドレイン電流に応じた電圧信号を取り込むようにしている。TFTのドレイン電流は照度の他に、経時変化や温度変化によっても変化してしまうが、本実施形態では、TFTセンサT1のドレイン電流のうちIds0を一定とすることができる。上述したように、TFTセンサT0とTFTセンサT1とはセンサ対として見ると同じ温度条件であると考えることができるから、TFTセンサT0やTFTセンサT1の経時変化や温度変化による影響は、Ids0に変化をもたらさず、TFTセンサT0やTFTセンサT1のソース電圧に変化をもたらす。このように、TFTセンサT1のドレイン電流Idsは照度にのみ依存するものとなり、TFTセンサT0やTFTセンサT1の経時変化や温度変化による影響を排除した電圧信号を取り込むことが可能である。更に、本実施形態においては、各分割エリア11への指等の接触があったときに、TFTセンサT1に流れるドレイン電流がIds0となる。そして、この値はバックライト104からの光や外光の強度に影響されないものである。このため、指等の接触の有無の判定を、これらバックライト104からの光の変化や外光の変化の影響を受けずに、安定して行うことができる。また、本実施形態では、スキャンドライバ201の行方向シフトレジスタ2011が分割エリア11の1行分のTFTセンサT0、T1を同時に選択状態とする。したがって、オペアンプAMP1からはドレイン電流に対応した出力電圧(電圧信号)がパラレル信号として出力されるが、このパラレル信号をシリアル信号として取り込むことで線順次駆動でTFTセンサの信号を取り込むことが可能である。
【0049】
また、本実施形態の光センサ装置をタッチセンサとして用いることを考えた場合、表示画素単位のような微小エリア単位で接触の有無を判定する必要がない場合が多い。このため、図5のように、表示エリアを複数の表示画素を含んでなる複数の分割エリア11単位に分割し、分割エリア11の行単位で接触の有無を判定するようにすることが可能である。この場合、分割エリア11の行単位でセンサゲートライン121やセンサドレインライン122、センサソースライン123を共通化することができるのでセンサドライバ20の端子数の削減に繋がる。また、分割エリア11の単位でまとめてドレイン電流を取り出すようにすることで、ドレイン電流の増幅をすることなく大きなドレイン電流を取り出すことができる。これにより、接触の有無の判定における誤判定の可能性を低減することが可能である。
【0050】
さらに、本実施形態では、同一行に配列されたTFTセンサT0、T1についてはセンサゲートライン121を共通化するとともに、同一列に配列されたTFTセンサT0、T1についてはセンサドレインライン122、センサソースライン123を共通化している。このような構成とすることにより、センサゲートライン121、センサドレインライン122、センサソースライン123の本数を必要最小限とすることが可能である。
【0051】
ここで、図8のa−Si TFTの光−電流特性に示されるように、a−Si TFTを用いた光センサにおいては、ゲート電圧を負とした場合の照度に対するドレイン電流の変化率が、ゲート電圧を正とした場合の照度に対するドレイン電流の変化率よりも大きい。このため、通常、TFTを光センサとして用いる場合には、TFTに負のゲート電圧を印加するようにしている。しかしながら、本実施形態では同一列の複数のTFTを共通のセンサドレインライン122に接続している。そして、図8に示すように、TFTに負のゲート電圧を印加ときに流れるドレイン電流の電流値は、負のゲート電圧の絶対値によって大きくは変化しないため、選択時に負のゲート電圧を印加してTFTを光センサとして用いるようにしても、選択状態と非選択状態とに依らず、同一列に属する全てのTFTから常に同程度の微小なドレイン電流が流れるため、分割エリアの行単位での接触の有無の判定を行うことが困難となる。これに対し、選択時に正のゲート電圧(Vgs=3〜5[V])を印加してTFTを光センサとして用いるようにすると、正のゲート電圧の絶対値に応じてTFTに流れるドレイン電流の電流値が比較的大きく変化するため、選択状態と非選択状態とでTFTに流れるドレイン電流の電流値は明確に異なる値になる。これにより、分割エリアの行単位での接触の有無の判定を行うことが可能となる。ただし、正のゲート電圧を印加してTFTを用いると、上述した経時変化や温度変化による影響が大きくなる。しかしながら、本実施形態では上述した構成により、経時変化や温度変化による影響を廃することができるので、配線数を少なくしつつ、分割エリア11の行単位で正しい接触の有無の判定を行うことが可能である。
【0052】
また、本実施形態によれば、表示画素を構成する画素TFT T2と光センサ装置を構成するTFTセンサT0、T1とを同一プロセスで製造でき、製造コストを削減することも可能である。
【0053】
さらに、TFTセンサT1の光電変換部124を囲むように遮光壁126を設けることで、分割エリア11への指等の接触時にTFTセンサT1の光電変換部124を完全に遮光することが可能である。さらに遮光膜142によってTFTセンサの部分を完全に覆うことが可能であるため、表示パネル10を観察した場合において、表示画素以外の周期構造が視認されないようにすることが可能である。
【0054】
なお、上述した実施形態では、TFT基板101上に遮光壁126を設けるようにしているが、分割エリア11への指等の接触時にTFTセンサT1の光電変換部124を完全に遮光することができれば、必ずしもTFT基板101上に遮光壁126を設ける必要はない。例えば、図9に示すように、カラーフィルタ基板102上のTFTセンサT1の光電変換部124を囲む位置に遮光壁126を設けるようにしても良い。また、遮光壁125は、図1で示すような厚膜でなく、図9で示すような薄膜としても良い。
【0055】
また、図7に示したセンサドライバ20の回路構成も一例であって適宜変更可能である。例えば、図7の例では、定電流源を電流吸い込み型の定電流源としているが、これに限るものではない。即ち、図10に示すような、ソース端子Sm−0に向かう定電流Isを供給する電流吐き出し型の定電流源としても上述した図7の構成と同様の効果が得られる。なお、吐き出し型の定電流源とする場合には、図10に示すように、電流源Isを、電圧Vddを与える定電圧源に接続し、TFTセンサT0を、電圧Vs(Vs<Vdd)を与える電圧源に接続するように変更する。
【0056】
また、図7の例では、バッファ回路BUFによって、TFTセンサT0のソース電圧とTFTセンサT1のソース電圧とを等しくしているが、図11〜図14で示す構成とすれば、バッファ回路BUFがなくとも図7の回路と同様の効果を得ることが可能である。
【0057】
図11は、このような変形例に対応したエリア分割の概要を示した図である。図5の例では、TFTセンサT0のセンサソースライン123とTFTセンサT1のセンサソースライン123とを個別にセンサドライバ20に接続するようにしているが、図11ではTFTセンサT0のセンサソースライン123とTFTセンサT1のセンサソースライン123とを共通化してセンサドライバ20に接続するようにしている点が異なる。
【0058】
図12は、図11のAの部分の詳細な回路構成を示している。図11に示すように、同一行に配置されたTFTセンサT0、T1のセンサゲートライン121は共通化され、さらに、共通化されたセンサゲートライン121は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ゲートラインGL5に接続され、共通ゲートラインGL5はセンサドライバ20のゲート端子G5に接続される。また、同一列に配置されたTFTセンサT0のセンサドレインライン122は共通化され、さらに、共通化されたセンサドレインライン122は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ドレインライン(第1のセンサドレインライン)DL70に接続され、共通ドレインラインDL70はセンサドライバ20のドレイン端子D7−0に接続される。同様に、同一列に配置されたTFTセンサT1のセンサドレインライン122は共通化され、さらに、共通化されたセンサドレインライン122は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ドレインライン(第2のセンサドレインライン)DL71に接続され、共通ドレインラインDL71はセンサドライバ20のドレイン端子D7−1に接続される。また、同一列に配置されたTFTセンサT0のセンサソースライン123と同一列に配置されたTFTセンサT1のセンサソースライン123とは共通化され、さらに、共通化されたセンサソースライン123は複数本が表示エリアの外部で共通化されて共通ソースラインSL7に接続され、共通ソースラインSL7はセンサドライバ20のソース端子S7に接続される。
【0059】
図13は、変形例のセンサドライバ20の構成の一例を示す回路図である。図13の図7と異なる点は、複数の共通ソースラインSLm(m=1、2、…、7)に接続された複数のソース端子Sm(m=1、2、…、7)がバッファ回路BUFを介さずに定電流源Isに接続されている点である。
【0060】
図13で示したセンサドライバ20の動作について図14(a)の等価回路図を参照して説明する。初期状態では行方向シフトレジスタ2011からの電圧印加がなされていない。この状態では表示エリア内の全てのTFTセンサが非選択状態となっており、選択状態に対応したドレイン電流が流れない状態となっている。
【0061】
全てのTFTセンサが非選択状態である場合において、行方向シフトレジスタ2011は、まず、図11に示す1行目の分割エリア11に対応したゲート端子G1に接続されているTFTセンサT0、T1を選択状態とすべく、ゲート端子G1の電圧をTFTセンサT0、T1のオンレベルの電圧とする。一方、ゲート端子G2〜G5の電圧はTFTセンサT0、T1のオフレベルの電圧とする。
【0062】
行方向シフトレジスタ2011によってゲート端子G1に接続された1行目の分割エリア11に含まれる全てのTFTセンサT0、T1が選択状態となると、各TFTセンサT0、T1から、選択状態に対応したドレイン電流が出力される状態となる。これにより、1行目の分割エリア11における指等の接触の有無を判定することが可能となる。
【0063】
このとき、オペアンプAMP1のイマジナリーショート作用により、TFTセンサT0のドレイン電圧とTFTセンサT1のドレイン電圧とが等しくなっている。即ち、定電圧源VdによってTFTセンサT0のドレイン電圧が一定値Vdに固定されているため、TFTセンサT1のドレイン電圧もVdとなる。なお、Vdの具体的数値は特に限定されるものではなく、例えばVd=ゼロ[V]である。
【0064】
また、定電流源によって、TFTセンサT0及びTFTセンサT1から定電圧VSSに向かって一定のドレイン電流Isが流れる。また、TFTセンサT0のセンサソースライン123とTFTセンサのセンサソースライン123とは共通化されているので、TFTセンサT0のソース電圧とTFTセンサT1のソース電圧とは等しくなる。
【0065】
したがって、TFTセンサT0の各電極とTFTセンサT1の各電極とはそれぞれ等電圧となる。この状態において、TFTセンサT1の光電変換部124へのバックライト104からの光の入射がない場合、即ち1行目の分割エリア11への指等の接触がある場合に、TFTセンサT1からは、TFTセンサT0のドレイン電流I0と同じ大きさのドレイン電流I1が出力される。ここで、TFTセンサT0とTFTセンサT1のセンサソースライン123は共通に定電流原Isに接続されているので、Is=I0+I1となる。
【0066】
また、TFTセンサT1の光電変換部124へのバックライト104からの光の入射がある場合、即ち1行目の分割エリア11への指等の接触がない場合には、入射した光の照度に応じてドレイン電流が増加する。この増分をΔIdsとした場合、光入射時のTFTセンサT1のドレイン電流I1はI1=I0+ΔIdsとなる。ここで、TFTセンサT0とTFTセンサT1のセンサソースライン123は共通に定電流原Isに接続されているので、Is=I0+I1の関係が維持されるよう、TFTセンサT0のドレイン電流I0が減少する。
【0067】
このようにして1行目の分割エリア11から出力されるドレイン電流I1は、オペアンプAMP1と抵抗器Rfとから構成される電流−電圧変換回路によって電圧に変換される。このオペアンプAMP1の出力電圧は、図7の場合と同様、−I1×Rf(Vd=0とした場合)となる。
【0068】
以上のように、図13及び図14(a)のようにセンサドライバ20を構成してもTFTセンサT1のドレイン電流I1のうちのI0を一定とすることができる。上述したように、TFTセンサT0とTFTセンサT1とはセンサ対として見ると同じ温度条件であると考えることができるから、TFTセンサT0やTFTセンサT1の経時変化や温度変化による影響は、TFTセンサT1のドレイン電流I1のうちのI0に変化をもたらすことがない。このように、TFTセンサT1のドレイン電流I1は照度にのみ依存するものとなり、TFTセンサT0やTFTセンサT1の経時変化や温度変化による影響を廃した電圧信号を取り込むことが可能である。
【0069】
また、図13及び図14(a)の構成では、バッファ回路BUFがないので、図7の構成に比べてセンサドライバ20の回路規模を小さくすることが可能である。したがって、表示パネル10とセンサドライバ20を一体化する場合に、センサドライバ20の面積を小さくすることができる。
【0070】
ここで、図13及び図14(a)で示した回路では、定電流源を電流吸い込み型の定電流源としているが、これに限るものではない。即ち、図14(b)に示すような、電流吐き出し型の定電流源としても、上述した図14(a)の構成と同様の効果が得られる。なお、吐き出し型の定電流源とする場合には、図14(b)に示すように、電流源Isを、電圧Vddを与える定電圧源に接続し、TFTセンサT0を、電圧Vs(Vs<Vdd)を与える電圧源に接続するように変更する。
【0071】
また、図13及び図14(a)、図14(b)で示した回路は、TFTセンサT0、T1がnチャネルTFTの例であるが、図15、図16(a)、図16(b)で示すような構成とすれば、TFTセンサT0、T1がpチャネルTFTであっても適用可能である。
【0072】
さらに、上述した実施形態は、液晶表示装置にタッチセンサを組み込む場合の例を示したが、本実施形態の手法は液晶表示装置以外の例えば有機EL表示装置にも適用可能である。図17は、本発明の一実施形態に係る光センサ装置をタッチセンサとして組み込んだ有機EL表示装置の表示パネル10の、上記図1と同等の切断位置での断面構造を示す図である。また、図18は有機EL表示装置の表示パネル10の、上記図5に対応する一つの分割エリアの一部の、回路構成を示す図である。
【0073】
図17において、有機EL表示装置は、ガラス基板301と封止ガラス302とを有し、ガラス基板301と封止ガラス302との間は図示しないシール部材によって所定の間隔を有するように封止されている。
【0074】
ガラス基板301には、各色のサブ画素に対応した有機EL表示素子におけるアノード電極311が形成されている。そして、アノード電極311には、例えば電子輸送層とホール輸送層を含んでなる有機EL発光層313が積層されている。さらに、有機EL発光層313には例えばITO等からなるカソード電極312が設けられている。
【0075】
また、このような有機EL表示素子を光学素子として有する各色のサブ画素は、例えば絶縁層315によって絶縁されている。さらに、この絶縁層315中に、図18に示すトランジスタT3(図17にはドレイン電極314のみが示されている)と、上述したTFTセンサT0、T1が設けられている。このトランジスタT3のドレイン電極314は、データライン(データ入力ライン)を兼ねるようにして表示パネルの列方向に向かって延在している。また、トランジスタT3のソース電極は、トランジスタT4や容量Cを介して有機EL表示素子に接続されている。さらに、トランジスタT3のゲート電極はセレクトライン(画素選択ライン)318を兼ねるようにして表示パネルの行方向に向かって延在している。さらに、絶縁層315上には遮光壁316が形成されており、この遮光壁316により、RGBの各色に対応したサブ画素が区分されている。TFTセンサT0の光電変換部を遮光すべく、TFTセンサT0を覆う遮光壁316には、例えば遮光性の高い高分子材料(水を含まない)からなる遮光インク317が、例えばノズルコート法によって塗布されている。
【0076】
ここで、図17においては、有機EL表示素子に比して遮光壁316のほうが大きく図示されているが、図示の便宜上このように図示しているものであって、実際には有機EL表示素子のほうが大きいものである。
【0077】
また、封止ガラス302には、TFTセンサT1に光を入射させるためのアルミニウム薄膜等の反射膜331が成膜されている。ここで、遮光壁316は、封止ガラス302の反射膜331との間に、所定の空隙(光バルブ)を形成するように、その高さ(図面垂直方向の長さ)が決定されている。このような構成としておくことにより、TFTセンサT1は、ユーザの指等によって封止ガラス302が押されていない間は、光バルブが開いた状態となる。この状態では、TFTセンサT1の光電変換部が露出状態となり、TFTセンサT1の近傍の有機EL表示素子が発光した光や表示パネル10の外部からの光が光バルブを介してTFTセンサT1の光電変換部に入射する。一方、ユーザの指等によって封止ガラス302に押し下げ圧力が加わった場合には封止ガラス302の一部が撓んで変形して光バルブが閉じた状態となる。この状態では、TFTセンサT1の光電変換部が遮光状態となる。
【0078】
以上示したような有機EL表示装置の場合であっても、TFTセンサT0、T1を、図18に示すようにしてセンサドライバ20に接続することで、上述した液晶表示装置の場合と同様の効果を得ることが可能である。
【0079】
さらに、TFTセンサT0、T1のレイアウトも図4に示したものに限るものではない。例えば図19のようなレイアウトとしても良い。図19においては、高開口率化を図るため、列方向に隣接した2個の表示画素でなる表示画素対に隣接するように1個のTFTセンサを配置する。また、センサとしての分解能を低下させないよう、該1個のTFTセンサの列方向長さを表示画素対の列方向長さと一致させるようにする。このようにしてTFTセンサを配置するために、図19では、各表示画素対につき、画素TFT T2及びゲートライン111を鏡像関係となるように接続する。即ち、図19に示すように、列方向に等間隔で配列される表示画素の2行毎に、該2行の表示画素を挟むようにして表示パネル10の行方向に沿ってゲートライン111を配置する。そして、表示パネル10を正面から見たときに、各2行の表示画素のうちの上側(図面では左側方向を上側とする)となる表示画素に隣接して配置されるゲートライン111については上側から画素TFT T2を介して表示画素に接続し、各2行の表示画素のうちの下側となる表示画素に隣接して配置されるゲートライン111については下側から画素TFT T2を介して表示画素に接続する。さらに、図19のようにしてゲートライン111を配置することによって各2行の表示画素の間に生じる空き領域にセンサゲートライン121を配置する。
【0080】
図20は、ゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151のレイアウトについて示した図である。これらの配線は何れもTFT基板101の同一層上に形成される。上述したように、ゲートライン111は、表示画素の2行毎に、当該2行の表示画素を挟む領域に配置されている。即ち、ゲートライン111は、1行目の表示画素の上側位置及び2行目の表示画素の下側位置、3行目の表示画素の上側位置及び4行目の表示画素の下側位置、…、(N−1)行目の表示画素の上側位置及びN行目の表示画素の下側位置にそれぞれ配置される。また、センサゲートライン121は、表示画素の2行毎に、各2行の表示画素の間の位置に配置されている。即ち、センサゲートライン121は、1行目の表示画素と2行目の表示画素の間の位置、3行目の表示画素と4行目の表示画素の間の位置、…、(N−1)行目の表示画素とN行目の表示画素の間の位置にそれぞれ配置される。さらに、上述したように、センサゲートライン121は、TFTセンサのゲート電極も兼ねており、各表示画素対に隣接するようにして列方向にも延在されている。
【0081】
また、本実施形態では図20に示すように容量ライン151も、各表示画素対につき、鏡像関係となるように配置する。即ち、容量ライン151は、図20に示すように、1個の表示画素対に対し、センサゲートライン121を挟むように且つ各表示画素の外周部と対向するように引き回されている。
【0082】
以上のようにしてゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151を配置することにより、ゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151の何れもが互いに交差することがない(導通することがない)。さらに、1本のセンサゲートライン121で1個の表示画素対に対応した2個分の受光面積のTFTセンサを駆動することが可能である。このようにして、1個の表示画素に対応して1個のTFTセンサを設ける場合に比べてセンサゲートライン121の数を半分に削減することができ、これによって表示パネル10の表示画素当たりの開口率を向上させることが可能である。
【0083】
また、この場合、ゲートライン111とセンサゲートライン121とが近接して配設されていないために、ゲートライン111に印加される信号電圧とセンサゲートライン121に印加される信号電圧との間の干渉が起こらないようにすることができる。これにより、各表示画素による表示状態に薄膜トランジスタ光センサの駆動による影響が生じないようにすることができるとともに、薄膜トランジスタ光センサによるユーザの接触位置の検出に各表示画素の駆動による影響が生じないようにすることができる。
【0084】
また、図21は、カラーフィルタ基板102に遮光膜142が形成された状態の本実施形態の表示パネル10の正面図である。上述したように、本実施形態のTFTセンサは、表示パネル10の面内におけるバックライト104の反射光を検出するセンサである。即ち、TFTセンサに外光を入射させる必要がないため、TFTセンサの部分を遮光膜142で完全に覆うことが可能である。このため、表示パネル10を観察した場合には、表示画素以外の周期構造が視認されない状態となる。表示画素以外の周期構造が視認されてしまうと、画質に悪影響が及ぼすが、本実施形態ではこのような画質への悪影響も抑制することが可能である。
【0085】
図21に示すようにして、列方向に隣接配置される2個の表示画素からなる表示画素対に対してゲートライン111を鏡像関係に配置している。そして、表示画素対の間に生じる空き領域にセンサゲートライン121を配置し、このセンサゲートライン121に表示画素の2個分に対応した受光面積を有するTFTセンサを接続している。これによってセンサゲートライン121の本数を削減して表示画素の開口率を向上させることが可能である。
【0086】
また、別のレイアウトとして、図22に示すように、行方向に隣接した2個の表示画素でなる表示画素対の間にのみ1個のTFTセンサを配置し、このTFTセンサにセンサドレインライン122、センサソースライン123を接続する。その一方で、表示画素対の間の領域には、TFTセンサを配置しない。そして、表示パネル10を正面から見たときに、各TFTセンサの両隣に隣接して配置される表示画素対のうちの左側の表示画素に隣接して配置されるドレインライン112については左側から画素TFT T2を介して表示画素に接続し、右側の表示画素に隣接して配置されるドレインライン112については右側から画素TFT T2を介して表示画素に接続する。即ち、ドレインライン112は、TFTセンサが配置されていない領域で対向するように且つセンサドレインライン122及びセンサソースライン123に対して鏡像関係となるように配置する。この場合には、1個のTFTセンサの列方向長さは1個の表示画素の列方向長さに対応させる。
【0087】
図23は、この変形例におけるゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151のレイアウトについて示した図である。この変形例においては、図23に示すように、ゲートライン111、センサゲートライン121、容量ライン151の何れも、表示画素の1行毎に、各行の表示画素を挟む領域に配置する。
【0088】
このような図22、図23に示す変形例においては、行方向に隣接配置される2個の表示画素からなる表示画素対の間にのみTFTセンサを配置し、このTFTセンサやセンサドレインライン122、センサソースライン123に対してドレインライン112を鏡像関係に配置している。これによって、TFTセンサ、センサドレインライン122、及びセンサソースライン123の数が上述した実施形態の半分になる。これにより、図19〜図21に示した変形例に比べてさらに表示画素の開口率を向上させることが可能である。
【0089】
ここで、この変形例においては、行方向に隣接配置される2個の表示画素を1個の表示画素対としている。しかしながら、1個の表示画素対は任意の偶数列で有っても良い。この場合、TFTセンサ、センサドレインライン122、及びセンサソースライン123は、所定の偶数列でなる表示画素対を2等分する位置に設ける。例えば、行方向に隣接配置される4個の表示画素を1個の表示画素対とした場合、TFTセンサ、センサドレインライン122、及びセンサソースライン123は、表示画素対内の2列目と3列目の表示画素の間に設ければ良い。
【0090】
さらなる変形例として、図19〜図21に示したレイアウトと図22、図23に示したレイアウトとを組み合わせても良い。即ち、図24に示すように、2行×2列の4個の表示画素でなる表示画素対を行方向に2等分する位置にのみTFTセンサを配置する。この場合の1個のTFTセンサの列方向長さも図19〜図21で示した例と同様に表示画素対の列方向長さと一致させる。このような変形例によりさらに表示画素の開口率を向上させることが可能である。
【0091】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0092】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0093】
10…表示パネル、20…センサドライバ、101…TFT基板、102…カラーフィルタ基板、104…バックライト、105…絶縁膜、111…ゲート電極(ゲートライン)、112…ドレイン電極(ドレインライン)、113…ソース電極、114…画素電極、121…ゲート電極(センサゲートライン)、122…ドレイン電極(センサドレインライン)、123…ソース電極(センサソースライン)、124…光電変換部、125,126…遮光壁、141…カラーフィルタ、142…遮光膜、143…コモン電極、151…容量ライン、201…スキャンドライバ、2011…行方向シフトレジスタ、202…電流ドライバ、203…サンプルホールド(SH)回路、204…パラレルシリアル変換回路、205…アナログ−デジタル変換回路(ADC)、301…ガラス基板、302…封止ガラス、311…アノード電極(アノードライン)、312…カソード電極、313…EL発光層、314…ドレイン電極(データライン)、315…絶縁層、316…遮光壁、317…遮光インク、318…セレクトライン、331…反射膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行及び列方向に沿って2次元配列された、半導体層が遮光された複数の第1の薄膜トランジスタ光センサ、及び、半導体層を有し、外部から加えられる外力に応じて前記半導体層への光の入射量が変化する複数の第2の薄膜トランジスタ光センサからなる複数の光センサと、
行方向に配設された前記各第1及び各第2の薄膜トランジスタ光センサのゲート電極に共通に接続されて、行方向に配列された複数のセンサゲートラインと、
列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサドレインラインと、
列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサドレインラインと、
列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサソースラインと、
列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサソースラインと、
前記複数のセンサゲートラインにセンサ走査信号を順次出力して、前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタ光センサを行単位で順次選択状態に設定する行方向駆動部と、
前記行方向駆動部によって選択状態に設定された行の前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタの各電極の電圧を等電圧とした状態で、前記複数の第2のセンサドレインラインを介して前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流に応じた複数の電圧信号を並行して取り込む変換回路と、
を具備することを特徴とする光センサ装置。
【請求項2】
前記変換回路は、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極を介して一定のドレイン電流を流す定電流源と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流により生じた前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極の浮動電圧を前記各第2のトランジスタ光センサのソース電極に出力する複数のバッファ回路と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に定電圧を印加する定電圧源と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極と前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極とをイマジナリーショートさせるとともに、前記各第2の薄膜トランジスタのドレイン電流を電圧信号に変換する複数の電流−電圧変換回路と、
前記各電流−電圧変換回路から出力される複数の前記電圧信号がパラレル信号として供給され、該パラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光センサ装置。
【請求項3】
前記変換回路は、
前記各第1のセンサソースラインと前記各第2のセンサソースラインとを介して一定のドレイン電流を流す定電流源と、
回路と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に定電圧を印加する定電圧源と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極と前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極とをイマジナリーショートさせるとともに、前記各第2の薄膜トランジスタのドレイン電流を電圧信号に変換する複数の電流−電圧変換回路と、
前記各電流−電圧変換回路から出力される複数の前記電圧信号がパラレル信号として供給され、該パラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光センサ装置。
【請求項4】
前記複数のセンサゲートラインと、前記複数の第1及び第2のセンサドレインラインと、前記複数の第1及び第2のセンサソースラインとは、それぞれ、所定本数毎の複数のグループに分割され、該各グループにおいて、前記所定本数ずつ共通に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の光センサ装置。
【請求項5】
前記行方向駆動部は、前記第1の薄膜トランジスタ光センサと前記第2の薄膜トランジスタ光センサのオンレベルに対応したセンサ走査信号を出力することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光センサの駆動装置。
【請求項6】
前記複数の光センサは、行方向に配列された複数の信号線と、列方向に配列された複数の走査線と、前記各信号線と前記各走査線に接続され、該各信号線と該各走査線の交点近傍に配設されて2次元配列された、光学素子を有する複数の表示画素と、を有する表示パネル内に組み込まれ、
前記各走査線と前記各センサゲートラインとは、隣接する2行に配設された前記各表示画素に挟まれた行方向に延在する複数の第1の領域の、少なくとも1行に配設された前記各表示画素を介した互いに異なる前記各第1の領域に配設されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに光センサの駆動装置。
【請求項7】
前記複数の表示画素は、列方向に隣接して配設された2個の前記表示画素からなり、2次元配列された複数の表示画素対をなし、
前記各走査線は、列方向に隣接する前記各表示画素対の間の前記第1の領域に配設され、
前記各センサゲートラインは、行方向に配列された前記各表示画素対の前記2個の表示画素に挟まれた前記第1の領域に配設され、
前記複数の第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサは、行方向に隣接する前記各表示画素対の間の領域に、該各表示画素対に隣接して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の光センサ装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサの列方向の長さは、前記表示画素対の列方向の長さに対応した値に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の光センサ装置。
【請求項9】
前記複数の光センサは、行方向に配列された複数の信号線と、列方向に配列された複数の走査線と、前記各信号線と前記各走査線に接続され、該各信号線と該各走査線の交点近傍に配設されて2次元配列された、光学素子を有する複数の表示画素と、を有する表示パネル内に組み込まれ、
前記各信号線と、前記各第1及び第2のセンサドレインラインと、前記各第1及び第2のセンサソースラインとは、隣接する2列に配設された前記各表示画素に挟まれた列方向に延在する複数の第2の領域の、少なくとも1列に配設された前記各表示画素を介した互いに異なる前記各第2の領域に配設されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに光センサの駆動装置。
【請求項10】
前記複数の表示画素は、行方向に隣接して配設された偶数個の前記表示画素からなり、2次元配列された複数の表示画素対をなし、
前記各信号線は、行方向に隣接する前記各表示画素対の間の前記第2の領域に配設され、
前記各第1及び第2のセンサドレインラインと前記各第1及び第2のセンサソースラインは、列方向に配列された前記各表示画素対の、前記偶数個の表示画素を行方向に2等分した位置の、該各表示画素に挟まれた前記第2の領域に配設され、
前記各第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサは、前記各表示画素対の、前記偶数個の表示画素を行方向に2等分した位置の、該各表示画素に挟まれた領域に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の光センサ装置。
【請求項11】
前記各表示画素対は、行方向に隣接して配設された2個の前記表示画素からなり、
前記各第1及び第2のセンサドレインラインと前記各第1及び第2のセンサソースラインは、列方向に配列された前記各表示画素対の前記各表示画素に挟まれた前記第2の領域に配設され、
前記各第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサは、前記各表示画素対の各表示画素に挟まれた領域に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の光センサ装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサの列方向の長さは、前記表示画素の列方向長さに対応した値に設定されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の光センサ装置。
【請求項13】
前記表示画素は、前記光学素子として液晶表示素子を備えることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の光センサ装置。
【請求項14】
前記表示画素は、前記光学素子として有機エレクトロルミネッセンス素子からなる発光素子を備えることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の光センサ装置。
【請求項15】
行及び列方向に沿って2次元配列された、半導体層が遮光された複数の第1の薄膜トランジスタ光センサ、及び、半導体層を有し、外部から加えられる外力に応じて前記半導体層への光の入射量が変化する複数の第2の薄膜トランジスタ光センサからなる複数の光センサと、行方向に配設された前記各第1及び各第2の薄膜トランジスタ光センサのゲート電極に共通に接続されて、行方向に配列された複数のセンサゲートラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサソースラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサソースラインと、を有する光センサ装置の駆動方法であって、
前記複数のセンサゲートラインにセンサ走査信号を順次出力して、前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタ光センサを行単位で順次選択状態に設定するステップと、
前記選択状態に設定された行の前記第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記第2の薄膜トランジスタの各電極の電圧を等電圧とした状態で、前記複数の第2のセンサドレインラインを介して前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流に応じた複数の電圧信号を並行して取り込むステップと、
を含むことを特徴とする光センサ装置の駆動方法。
【請求項16】
複数の電圧信号をパラレル信号として取り込み、該パラレル信号をシリアル信号に変換して出力するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の光センサ装置の駆動方法。
【請求項1】
行及び列方向に沿って2次元配列された、半導体層が遮光された複数の第1の薄膜トランジスタ光センサ、及び、半導体層を有し、外部から加えられる外力に応じて前記半導体層への光の入射量が変化する複数の第2の薄膜トランジスタ光センサからなる複数の光センサと、
行方向に配設された前記各第1及び各第2の薄膜トランジスタ光センサのゲート電極に共通に接続されて、行方向に配列された複数のセンサゲートラインと、
列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサドレインラインと、
列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサドレインラインと、
列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサソースラインと、
列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサソースラインと、
前記複数のセンサゲートラインにセンサ走査信号を順次出力して、前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタ光センサを行単位で順次選択状態に設定する行方向駆動部と、
前記行方向駆動部によって選択状態に設定された行の前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタの各電極の電圧を等電圧とした状態で、前記複数の第2のセンサドレインラインを介して前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流に応じた複数の電圧信号を並行して取り込む変換回路と、
を具備することを特徴とする光センサ装置。
【請求項2】
前記変換回路は、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極を介して一定のドレイン電流を流す定電流源と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流により生じた前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極の浮動電圧を前記各第2のトランジスタ光センサのソース電極に出力する複数のバッファ回路と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に定電圧を印加する定電圧源と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極と前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極とをイマジナリーショートさせるとともに、前記各第2の薄膜トランジスタのドレイン電流を電圧信号に変換する複数の電流−電圧変換回路と、
前記各電流−電圧変換回路から出力される複数の前記電圧信号がパラレル信号として供給され、該パラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光センサ装置。
【請求項3】
前記変換回路は、
前記各第1のセンサソースラインと前記各第2のセンサソースラインとを介して一定のドレイン電流を流す定電流源と、
回路と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に定電圧を印加する定電圧源と、
前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極と前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極とをイマジナリーショートさせるとともに、前記各第2の薄膜トランジスタのドレイン電流を電圧信号に変換する複数の電流−電圧変換回路と、
前記各電流−電圧変換回路から出力される複数の前記電圧信号がパラレル信号として供給され、該パラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光センサ装置。
【請求項4】
前記複数のセンサゲートラインと、前記複数の第1及び第2のセンサドレインラインと、前記複数の第1及び第2のセンサソースラインとは、それぞれ、所定本数毎の複数のグループに分割され、該各グループにおいて、前記所定本数ずつ共通に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の光センサ装置。
【請求項5】
前記行方向駆動部は、前記第1の薄膜トランジスタ光センサと前記第2の薄膜トランジスタ光センサのオンレベルに対応したセンサ走査信号を出力することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光センサの駆動装置。
【請求項6】
前記複数の光センサは、行方向に配列された複数の信号線と、列方向に配列された複数の走査線と、前記各信号線と前記各走査線に接続され、該各信号線と該各走査線の交点近傍に配設されて2次元配列された、光学素子を有する複数の表示画素と、を有する表示パネル内に組み込まれ、
前記各走査線と前記各センサゲートラインとは、隣接する2行に配設された前記各表示画素に挟まれた行方向に延在する複数の第1の領域の、少なくとも1行に配設された前記各表示画素を介した互いに異なる前記各第1の領域に配設されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに光センサの駆動装置。
【請求項7】
前記複数の表示画素は、列方向に隣接して配設された2個の前記表示画素からなり、2次元配列された複数の表示画素対をなし、
前記各走査線は、列方向に隣接する前記各表示画素対の間の前記第1の領域に配設され、
前記各センサゲートラインは、行方向に配列された前記各表示画素対の前記2個の表示画素に挟まれた前記第1の領域に配設され、
前記複数の第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサは、行方向に隣接する前記各表示画素対の間の領域に、該各表示画素対に隣接して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の光センサ装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサの列方向の長さは、前記表示画素対の列方向の長さに対応した値に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の光センサ装置。
【請求項9】
前記複数の光センサは、行方向に配列された複数の信号線と、列方向に配列された複数の走査線と、前記各信号線と前記各走査線に接続され、該各信号線と該各走査線の交点近傍に配設されて2次元配列された、光学素子を有する複数の表示画素と、を有する表示パネル内に組み込まれ、
前記各信号線と、前記各第1及び第2のセンサドレインラインと、前記各第1及び第2のセンサソースラインとは、隣接する2列に配設された前記各表示画素に挟まれた列方向に延在する複数の第2の領域の、少なくとも1列に配設された前記各表示画素を介した互いに異なる前記各第2の領域に配設されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに光センサの駆動装置。
【請求項10】
前記複数の表示画素は、行方向に隣接して配設された偶数個の前記表示画素からなり、2次元配列された複数の表示画素対をなし、
前記各信号線は、行方向に隣接する前記各表示画素対の間の前記第2の領域に配設され、
前記各第1及び第2のセンサドレインラインと前記各第1及び第2のセンサソースラインは、列方向に配列された前記各表示画素対の、前記偶数個の表示画素を行方向に2等分した位置の、該各表示画素に挟まれた前記第2の領域に配設され、
前記各第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサは、前記各表示画素対の、前記偶数個の表示画素を行方向に2等分した位置の、該各表示画素に挟まれた領域に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の光センサ装置。
【請求項11】
前記各表示画素対は、行方向に隣接して配設された2個の前記表示画素からなり、
前記各第1及び第2のセンサドレインラインと前記各第1及び第2のセンサソースラインは、列方向に配列された前記各表示画素対の前記各表示画素に挟まれた前記第2の領域に配設され、
前記各第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサは、前記各表示画素対の各表示画素に挟まれた領域に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の光センサ装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の薄膜トランジスタ光センサの列方向の長さは、前記表示画素の列方向長さに対応した値に設定されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の光センサ装置。
【請求項13】
前記表示画素は、前記光学素子として液晶表示素子を備えることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の光センサ装置。
【請求項14】
前記表示画素は、前記光学素子として有機エレクトロルミネッセンス素子からなる発光素子を備えることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の光センサ装置。
【請求項15】
行及び列方向に沿って2次元配列された、半導体層が遮光された複数の第1の薄膜トランジスタ光センサ、及び、半導体層を有し、外部から加えられる外力に応じて前記半導体層への光の入射量が変化する複数の第2の薄膜トランジスタ光センサからなる複数の光センサと、行方向に配設された前記各第1及び各第2の薄膜トランジスタ光センサのゲート電極に共通に接続されて、行方向に配列された複数のセンサゲートラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサドレインラインと、列方向に配設された前記各第1の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第1のセンサソースラインと、列方向に配設された前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのソース電極に共通に接続されて、列方向に配列された複数の第2のセンサソースラインと、を有する光センサ装置の駆動方法であって、
前記複数のセンサゲートラインにセンサ走査信号を順次出力して、前記各第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記各第2の薄膜トランジスタ光センサを行単位で順次選択状態に設定するステップと、
前記選択状態に設定された行の前記第1の薄膜トランジスタ光センサ及び前記第2の薄膜トランジスタの各電極の電圧を等電圧とした状態で、前記複数の第2のセンサドレインラインを介して前記各第2の薄膜トランジスタ光センサのドレイン電流に応じた複数の電圧信号を並行して取り込むステップと、
を含むことを特徴とする光センサ装置の駆動方法。
【請求項16】
複数の電圧信号をパラレル信号として取り込み、該パラレル信号をシリアル信号に変換して出力するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の光センサ装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図19】
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【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−227863(P2011−227863A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265380(P2010−265380)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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