説明

光チャンネルモニタおよび光伝送装置

【課題】複数のOCMを有する装置の小型化を図りつつクロストークを防止すること。
【解決手段】光チャンネルモニタは、偏波調整部、波長分離部、偏光分離部、第1強度検出部及び第2強度検出部を備える。偏波調整部は、波長多重光である第1光信号および第2光信号のうち第1光信号の偏波面を第1の方向に、第2光信号の偏波面を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。波長分離部は、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。偏光分離部は、波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて分離する。第1強度検出部は、分離された光信号のうち偏波面の方向が第1の方向である光信号を受光して第1光信号の強度を波長ごとに検出する。第2強度検出部は、分離された光信号のうち偏波面の方向が第2の方向である光信号を受光して第2光信号の強度を波長ごとに検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光チャンネルモニタおよび光伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量のデータ通信を実現する通信方式として、波長が異なる複数の光信号を多重化して伝送する波長分割多重通信(WDM:Wavelength Division Multiplexing)が知られている。WDMを用いた光通信システムでは、任意波長の光信号を多重化して所望の出力先に転送する波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selectable Switch)が光伝送装置内で使用されている。WSSとしては、入力が1ポートで出力が複数ポートあるWSS(DROP型WSS)や入力が複数ポートで出力が1ポートであるWSS(ADD型WSS)が知られている。
【0003】
特に、WSSがADD型WSSである場合、WSSから出力される光信号の強度を波長ごとに検出する光チャンネルモニタ(OCM:Optical Channel Monitor)がWSSとともに光伝送装置内で使用される。光伝送装置は、OCMにより波長ごとに検出された強度が目標値となるように、WSSにおける波長ごとの減衰量を制御する。
【0004】
ここで、従来のOCMの構成について説明する。図24は、従来のOCMの一例を説明するための図である。図24に示すように、従来のOCMは、波長が異なる複数の光信号が多重化された光信号が入力された場合には、入力された光信号をレンズ等の第1光学系でコリメートし、波長分離部に入射させる。波長分離部は、特定の波長の光信号を透過させる波長可変フィルタを有し、入射された光信号を波長ごとに分離する。例えば、波長分離部は、波長可変フィルタの温度や波長可変フィルタに対する光信号の入射角度を制御して透過波長を所定時間ごとに可変することにより、入射された光信号を波長ごとに分離する。そして、強度検出部は、受光素子(PD:Photo Diode)を有し、波長分離部により分離された光信号を受光してこの光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0005】
なお、図24では、波長可変フィルタを用いて、光信号を波長ごとに分離するOCMについて説明したが、波長可変フィルタの代わりに回折格子を用いて、光信号を波長ごとに分離するOCMも知られている。また、回折格子およびMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを用いて、光信号を波長ごとに分離するOCMも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−244557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、OCMは、WSSとともに光伝送装置内で複数使用される場合が多く、さらに、空間光学系により実現されるため、複数の光チャンネルモニタを有する装置を小型化することは困難であるという問題があった。例えば、リング型ネットワーク上の分岐点にある光伝送装置内に光分岐挿入多重化装置(ROADM:Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)を用いる場合を想定する。この場合には、EAST−WESTとWEST−EASTとでそれぞれADD型WSSとともにOCMが一台ずつ使用され、装置が大型化する。
【0008】
ここで、複数のOCMを有する装置を小型化するために、複数のOCMを一体化することも考えられる。例えば、図25に示すように、2つのOCM(OCM1およびOCM2)の波長分離部が有する波長可変フィルタを共用化することにより、2つのOCMを一体化した構成が考えられる。なお、図25は、2つのOCMを一体化した構成を示す図である。
【0009】
ただし、複数のOCMを単に一体化する構成では、一方のOCMを伝送する光信号が他方のOCM側へ漏れ込むクロストークが発生するという問題がある。例えば、図25に示した例では、OCM1を伝送する光信号がOCM2側へ漏れ込む恐れがある。
【0010】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のOCMを有する装置の小型化を図りつつクロストークを防止することが可能となる光チャンネルモニタおよび光伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の開示する光チャンネルモニタは、偏波調整部と、波長分離部と、偏光分離部と、第1強度検出部と、第2強度検出部とを備える。偏波調整部は、波長多重光である第1光信号および第2光信号のうち前記第1光信号の偏波面を第1の方向に調整するとともに、前記第2光信号の偏波面を前記第1の方向と直交する第2の方向に調整する。波長分離部は、前記偏波調整部によって偏波面の方向が調整された前記第1光信号および前記第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。偏光分離部は、前記波長分離部により波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて分離する。第1強度検出部は、前記偏光分離部により分離された光信号のうち偏波面の方向が前記第1の方向である光信号を受光して前記第1光信号の強度を波長ごとに検出する。第2強度検出部は、前記偏光分離部により分離された光信号のうち偏波面の方向が前記第2の方向である光信号を受光して前記第2光信号の強度を波長ごとに検出する。
【発明の効果】
【0012】
本願の開示する光チャンネルモニタの一つの態様によれば、複数のOCMを有する装置の小型化を図りつつクロストークを防止することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係るOCMが組み込まれる光伝送装置を説明するための図である。
【図2】図2は、実施例1に係るOCMの組み込み位置を説明するための図である。
【図3】図3は、実施例1に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図4】図4は、第1光学系を説明するための図である。
【図5】図5は、第1光学系を説明するための図である。
【図6】図6は、第2光学系を説明するための図である。
【図7】図7は、実施例1に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例2に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図9】図9は、実施例2に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施例3に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図11】図11は、実施例4に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図12】図12は、実施例5に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図13】図13は、実施例5に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、実施例6に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図15】図15は、実施例6に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施例7に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図17】図17は、実施例8に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図18】図18は、実施例9に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図19】図19は、実施例9に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】図20は、実施例10に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図21】図21は、実施例10に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】図22は、実施例11に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図23】図23は、実施例12に係るOCMの構成を説明するための図である。
【図24】図24は、従来のOCMの一例を説明するための図である。
【図25】図25は、2つのOCMを一体化した構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する光チャンネルモニタおよび光伝送装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
以下では、まず、実施例1に係る光チャンネルモニタ(OCM:Optical Channel Monitor)が組み込まれる光伝送装置について説明し、その後、実施例1に係るOCMの構成について説明する。図1は、実施例1に係るOCMが組み込まれる光伝送装置を説明するための図である。
【0016】
図1に示す光伝送装置は、例えば、リング型ネットワーク上の分岐点に配置され、波長が異なる複数の光信号が多重化された光信号をネットワークのEAST側からWEST側へ伝送したり、WEST側からEAST側へ伝送したりする。また、光伝送装置は、光分岐挿入多重化装置(ROADM:Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)を有する。そして、光伝送装置は、ROADMを用いて図示しない端末などからネットワークへ情報を伝送したり、ネットワークから図示しない端末などへ情報を伝送したりする。
【0017】
ここで、光伝送装置は、波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selectable Switch)を用いて、任意波長の光信号を多重化して所望の出力先に転送する。例えば、光伝送装置は、図1に示すように、合波用ADD型WSS1と、合波用ADD型WSS2とを有する。
【0018】
合波用ADD型WSS1は、ネットワークのWEST側の受信アンプによって受信された光信号にROADMから転送された所定の波長の光信号を多重化して、EAST側の送信アンプに転送する。そして、EAST側の送信アンプは、合波用ADD型WSS1によって多重化された光信号をネットワークのEAST型へと送信する。
【0019】
合波用ADD型WSS2は、ネットワークのEAST側の受信アンプによって受信された光信号にROADMから転送された所定の波長の光信号を多重化して、WEST側の送信アンプに転送する。そして、WEST側の送信アンプは、合波用ADD型WSS2によって多重化された光信号をネットワークのWEST側へと送信する。
【0020】
また、光伝送装置は、OCMを用いて、WSSから出力される光信号の強度を波長ごとに検出する。例えば、光伝送装置は、図1に示すように、OCM1と、OCM2とを有する。
【0021】
OCM1は、合波用ADD型WSS1から出力される光信号の強度を波長ごとに検出し、検出した波長ごとの光信号の強度を、合波用ADD型WSS1を制御するWSS制御回路1へフィードバックする。そして、WSS制御回路1は、OCM1により波長ごとに検出された光信号の強度が目標値となるように、合波用ADD型WSS1における波長ごとの減衰量を制御する。例えば、WSS制御回路1は、合波用ADD型WSS1内のMEMSミラーの角度を調整することによって、合波用ADD型WSS1における波長ごとの減衰量を制御する。
【0022】
OCM2は、合波用ADD型WSS2から出力される光信号の強度を波長ごとに検出し、検出した波長ごとの光信号の強度を、合波用ADD型WSS2を制御するWSS制御回路2へフィードバックする。そして、WSS制御回路2は、OCM2により波長ごとに検出された光信号の強度が目標値となるように、合波用ADD型WSS2における波長ごとの減衰量を制御する。例えば、WSS制御回路2は、合波用ADD型WSS2内のMEMSミラーの角度を調整することによって、合波用ADD型WSS2における波長ごとの減衰量を制御する。
【0023】
なお、図示しない端末などとネットワークとの光信号の伝送に用いられるROADMは、合波用ADD型WSSに転送する特定波長の光信号を多重化したり、分離したりする。例えば、ROADMは、図1に示すように、トランスポンダと、MUX(Multiplexer)/DEMUX(Demultiplexer)とを有する。そして、図示しない端末などから受信した情報をネットワークに伝送する場合には、トランスポンダが、端末などから受信した情報を適切な信号レートに変換し、FEC(Forward Error Correction)コードなどによりエラーを訂正する。そして、トランスポンダは、出力する波長をレーザにより任意の波長に変調して、MUX/DEMUXに出力する。
【0024】
MUX/DEMUXは、複数の特定波長の光信号を多重化して一つの光信号にしたり、多重化された光信号から特定波長の光信号を分離したりする。例えば、MUX/DEMUXは、トランスポンダから入力された光信号のなかでいくつかの特定波長の光信号のみを多重化して一つの光信号にし、合波用ADD型WSSに転送する。
【0025】
また、ネットワークから図示しない端末などへ情報を伝送する場合には、MUX/DEMUXは、多重化された光信号から特定波長の光信号のみを分離して、トランスポンダに転送する。そして、トランスポンダは、FECコードなどによりエラーを訂正し、図示しない端末へと信号を出力する。
【0026】
このように、光伝送装置は、2つのWSS(合波用ADD型WSS1および合波用ADD型WSS2)を用いて、ネットワーク上の分岐点で任意波長の光信号を多重化して所望の出力先に転送する。さらに、光伝送装置は、2つのOCM(OCM1およびOCM2)を用いて、2つのWSSから出力される光信号の強度を波長ごとに検出する。すなわち、光伝送装置は、2つのWSSとともに2つのOCMを使用しているため、装置が大型化する可能性がある。
【0027】
そこで、本実施例では、2つのOCMを一体化することにより、装置の小型化を図る。ただし、2つのOCMを単に一体化する構成では、一方のOCMを伝送する光信号が他方のOCM側へ漏れ込むクロストークが発生する恐れがある。このため、本実施例では、一方のOCMを伝送する光信号と他方のOCMを伝送する光信号とを互いに離反する方向に分離することにより、クロストークを防止する。以下では、まず、実施例1に係るOCMの組み込み位置を、図2を用いて説明する。図2は、実施例1に係るOCMの組み込み位置を説明するための図である。
【0028】
実施例1に係るOCMは、図2に示すように、図1に示した光伝送装置のOCM1およびOCM2の位置に組み込まれる。すなわち、実施例1に係るOCMは、OCM1およびOCM2それぞれの機能を有するように、OCM1とOCM2とを一体化させている。
【0029】
次に、実施例1に係るOCMの構成について説明する。図3は、実施例1に係るOCMの構成を説明するための図である。図3に示すOCMは、図2に示したOCM1と同一の機能を有する部分であるOCM1と図2に示したOCM2と同一の機能を有する部分であるOCM2とを有する。
【0030】
そして、OCMは、OCM1およびOCM2にそれぞれ入力ポート1および入力ポート2を有している。OCM1の入力ポート1は、WSSから出力される波長多重光である第1光信号が入力されるポートである。例えば、OCM1の入力ポート1は、図2に示した光伝送装置の合波用ADD型WSS1から出力される波長多重光である第1光信号が入力される。OCM2の入力ポート2は、WSSから出力される波長多重光である第2光信号が入力されるポートである。例えば、OCM2の入力ポート2は、図2に示した光伝送装置の合波用ADD型WSS2から出力される波長多重光である第2光信号が入力される。
【0031】
また、図3に示すOCMは、第1光学系10、波長分離部20、第2光学系30、第1強度検出部40および第2強度検出部50を有する。
【0032】
第1光学系10は、波長多重光である第1光信号および第2光信号のうち第1光信号の偏波面の方向を第1の方向に調整するとともに、第2光信号の偏波面の方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。具体的には、第1光学系10は、OCM1の入力ポート1から入力された光信号である第1光信号の偏波面の方向を第1の方向に調整する。また、第1光学系10は、OCM2の入力ポート2から入力された光信号である第2光信号の偏波面の方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。第1光学系10は、偏波調整部の一例である。なお、以下では、偏波面の方向を偏波方向と呼ぶことがあるものとする。
【0033】
ここで、第1光学系10が光信号の偏波方向を調整する例を説明する。図4および図5は、第1光学系10を説明するための図である。なお、図4および図5は第1光学系10を上面から見た図である。
【0034】
例えば、第1光学系10は、図4に示すように、偏光子として光学軸の異なる2つの結晶を合わせた複屈折結晶を有し、この複屈折結晶を用いて、光信号の偏波方向を地面に対して平行方向または垂直方向に調整する。そして、第1光学系10は、図5に示すように、λ/2波長板を異なる位置に配置することにより、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の偏波方向とOCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の偏波方向とが直交するように制御する。
【0035】
例えば、図5に示すように、OCM1の第1光学系10は、コリメートレンズを介して複屈折結晶に入射し、偏波方向が調整された光信号のうち、偏波方向が地面に対して平行方向に調整された光信号が出射される位置にλ/2波長板を有する。したがって、偏波方向が地面に対して平行方向になっていた光信号の偏波方向がλ/2波長板にて90度回転して地面に対して垂直方向になり、OCM1の第1光学系10を透過したすべての光信号の偏波方向が地面に対して垂直方向となる。
【0036】
一方、OCM2の第1光学系10は、コリメートレンズを介して複屈折結晶に入射し、偏波方向が調整された光信号のうち、偏波方向が地面に対して垂直方向に調整された光信号が出射される位置にλ/2波長板を有する。したがって、偏波方向が地面に対して垂直方向になっていた光信号の偏波方向がλ/2波長板にて90度回転して地面に対して平行方向になり、OCM2の第1光学系10を透過したすべての光信号の偏波方向が地面に対して平行方向となる。
【0037】
図3に戻り、波長分離部20は、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。具体的には、波長分離部20は、特定の波長の光信号を透過させる波長可変フィルタ21を有し、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0038】
例えば、波長分離部20は、波長可変フィルタ21の温度や波長可変フィルタ21に対する光信号の入射角度を制御して透過波長を所定時間ごとに可変することで、OCM1の入力ポート1から入力された後、偏波方向が調整された第1光信号を波長ごとに分離する。また、波長分離部20は、OCM2の入力ポート2から入力された後、偏波方向が調整された第2光信号に多重化されている光信号を波長ごとに分離する。
【0039】
第2光学系30は、波長分離部20によって波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。具体的には、第2光学系30は、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号と、偏波方向が第1の方向に直交する第2方向に調整された第2光信号とをそれぞれ異なる進行方向に分離する。第2光学系30は、偏光分離部の一例である。
【0040】
ここで、第2光学系30が偏波方向に基づいて光信号の進行方向を制御する例を説明する。図6は、第2光学系30を説明するための図である。なお、図6は、第2光学系30を側面から見た図である。
【0041】
例えば、第2光学系30は、図6に示すように、光学軸が地面に対して垂直である結晶と光学軸が地面に対して平行である結晶とを斜めに合わせた複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを有する。そして、第2光学系30は、偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号の偏波方向が地面に対して垂直方向である光信号を、上方向に出射し、入射された光信号の偏波方向が地面に対して平行方向である光信号を下方向に出射する。そして、第2光学系30は、複屈折結晶の後段に配置されたレンズを用いて、上方向および下方向に分離された光信号それぞれを集光する。
【0042】
例えば、第2光学系30は、偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を上方向に出射し、偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を下方向に出射する。さらに、第2光学系30は、上方向に出射されたOCM1の光信号を集光し、下方向に出射されたOCM2の光信号を集光することにより、OCM1の光信号とOCM2の光信号とを互いに離反する方向に分離する。
【0043】
図3に戻り、第1強度検出部40は、第2光学系30により分離された光信号のうち偏波面の方向が第1の方向である光信号を受光して第1光信号の強度を波長ごとに検出する。例えば、第1強度検出部40は、受光素子(PD:Photo Diode)を有し、第2光学系30により上方向に出射された偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を受光して、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0044】
なお、第1強度検出部40は、検出した波長ごとの第1光信号の強度を、WSSを制御するWSS制御回路へフィードバックする。例えば、第1強度検出部40は、検出した波長ごとの第1光信号の強度を図2に示したWSS制御回路1へフィードバックする。そして、WSS制御回路1は、波長ごとの第1光信号の強度が目標値となるように、合波用ADD型WSS1における波長ごとの減衰量を制御する。
【0045】
第2強度検出部50は、第2光学系30により分離された光信号のうち偏波面の方向が第2の方向である光信号を受光して第2光信号の強度を波長ごとに検出する。例えば、第2強度検出部50は、PDを有し、第2光学系30により下方向に出射された偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を受光して、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0046】
なお、第2強度検出部50は、検出した波長ごとの第2光信号の強度を、WSSを制御するWSS制御回路へフィードバックする。例えば、第2強度検出部50は、検出した波長ごとの第2光信号の強度を図2に示したWSS制御回路2へフィードバックする。そして、WSS制御回路2は、波長ごとの第2光信号の強度が目標値となるように、合波用ADD型WSS2における波長ごとの減衰量を制御する。
【0047】
次に、実施例1に係るOCMによる処理の手順を説明する。図7は、実施例1に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。図7に示すように、実施例1に係るOCMは、光信号が入力ポートから入力されるまで待機する(ステップS101否定)。
【0048】
光信号が入力ポートから入力されると(ステップS101肯定)、OCMの第1光学系10は、入力された光信号の偏波方向を調整する(ステップS102)。具体的には、第1光学系10は、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の偏波方向を第1の方向に調整し、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の偏波方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。
【0049】
そして、波長分離部20は、第1光学系10により偏波方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する(ステップS103)。具体的には、波長分離部20は、波長可変フィルタ21を用いて、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号およびOCM2の入力ポート2から入力された第2光信号に多重化されている第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0050】
そして、第2光学系30は、波長分離部20により波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波方向に基づいて異なる方向に分離する(ステップS104)。具体的には、第2光学系30は、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号と偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号とを異なる進行方向に分離する。
【0051】
そして、第1強度検出部40は、波長分離部20により波長ごとに分離された後、さらに第2光学系30により偏波方向ごとに分離された光信号のうち偏波方向が第1の方向である光信号を受光して第1光信号の強度を波長ごとに検出する(ステップS105)。例えば、第1強度検出部40は、PDを用いて、第2光学系30によりOCM2と離反する方向に出射された偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を受光して、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0052】
一方、第2強度検出部50は、波長分離部20により波長ごとに分離された後、さらに第2光学系30により偏波方向ごとに分離された光信号のうち偏波方向が第2の方向である光信号を受光して第2光信号の強度を波長ごとに検出する(ステップS106)。例えば、第2強度検出部50は、PDを用いて、第2光学系30によりOCM1と離反する方向に出射された偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を受光して、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0053】
その後、第1強度検出部40および第2強度検出部50は、それぞれ、検出した波長ごとの光信号の強度をWSSを制御するWSS制御回路へフィードバックし(ステップS107)、処理を終了する。
【0054】
上述してきたように、実施例1によれば、第1光学系10は、OCM1の入力ポート1から入力された波長多重光である第1光信号の偏波面の方向を第1の方向に調整する。また、第1光学系10は、OCM2の入力ポート2から入力された波長多重光である第2光信号の偏波面の方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。そして、波長分離部20は、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。そして、第2光学系30は、波長分離部20により波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。そして、第1強度検出部40は、第2光学系30により分離された光信号のうち偏波面の方向が第1の方向である光信号を受光して第1光信号の強度を波長ごとに検出する。そして、第2強度検出部50は、第2光学系30により分離された光信号のうち偏波面の方向が第2の方向である光信号を受光して第2光信号の強度を波長ごとに検出する。このため、OCM1を伝送する第1光信号とOCM2を伝送する第2光信号とを単一の波長分離部20を用いて確実に分離することができることから、2つのOCMを一体化することができ、複数のOCMを有する装置を小型化することが可能となる。さらに、OCM1を伝送する第1光信号とOCM2を伝送する第2光信号とを互いに離反する方向に分離し、分離後の第1光信号および第2光信号をそれぞれ第1強度検出部40および第2強度検出部50に受光させるため、クロストークを防止することが可能となる。つまり、複数のOCMを有する装置の小型化を図りつつクロストークを防止することが可能となる。
【0055】
また、実施例1によれば、第2光学系30は、光学軸が互いに直交する2つの結晶を斜めに合わせた複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いて、波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。このため、偏波面の方向が互いに直交する2つの光信号を互いに離反する方向に容易に分離することができ、クロストークを効率的に防止することが可能となる。
【0056】
また、実施例1によれば、波長分離部20は、特定の波長の光信号を透過させる波長可変フィルタを用いて、第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。このため、多重化されている波長ごとの光信号の中から所望の波長を有する光信号を容易に分離することができる。
【実施例2】
【0057】
上記実施例1では、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明した。しかしながら、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重し、偏波多重された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離してもよい。そこで、実施例2では、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重し、偏波多重された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明する。
【0058】
まず、実施例2に係るOCMの構成について説明する。図8は、実施例2に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図8に示すOCMは、図3に示したOCMと比較して、第1光学系10と波長分離部20との間に偏波多重信号生成部60を有する点が異なる。
【0059】
偏波多重信号生成部60は、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。具体的には、偏波多重信号生成部60は、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタを有する。そして、偏波多重信号生成部60は、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号を透過して波長分離部20の方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号を反射して波長分離部20の方向に出射する。
【0060】
例えば、偏波多重信号生成部60は、偏波方向が第1の方向に調整されたOCM1の第1光信号を透過して波長分離部20の方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整されたOCM2の第2光信号を反射して波長分離部20の方向に出射する。これにより、偏波多重信号生成部60は、偏波方向が互いに直交する第1光信号および第2光信号それぞれの光路を波長分離部20の方向に一致させて第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。
【0061】
また、波長分離部20は、偏波多重信号生成部60により生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。具体的には、波長分離部20は、波長可変フィルタ21を用いて、偏波多重信号に含まれているOCM1の入力ポート1から入力された第1光信号およびOCM2の入力ポート2から入力された第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0062】
次に、実施例2に係るOCMによる処理の手順を説明する。図9は、実施例2に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すように、実施例2に係るOCMは、光信号が入力ポートから入力されるまで待機する(ステップS201否定)。
【0063】
光信号が入力ポートから入力されると(ステップS201肯定)、OCMの第1光学系10は、入力された光信号の偏波方向を調整する(ステップS202)。具体的には、第1光学系10は、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の偏波方向を第1の方向に調整し、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の偏波方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。
【0064】
そして、偏波多重信号生成部60は、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する(ステップS203)。具体的には、偏波多重信号生成部60は、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタを有する。そして、偏波多重信号生成部60は、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号を透過して波長分離部20の方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号を反射して波長分離部20の方向に出射する。
【0065】
そして、波長分離部20は、偏波多重信号生成部60により生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する(ステップS204)。具体的には、波長分離部20は、波長可変フィルタ21を用いて、偏波多重信号に含まれているOCM1の入力ポート1から入力された第1光信号およびOCM2の入力ポート2から入力された第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。なお、以降のステップS205〜ステップS208は、図7に示したステップS104〜ステップS107と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0066】
上述してきたように、実施例2によれば、偏波多重信号生成部60は、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。そして、波長分離部20は、偏波多重信号生成部60により生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。このため、偏波方向が互いに直交する光信号それぞれの光路を波長分離部20の方向に一致させたたうえで波長分離を行うことが可能となることから、波長分離部20の占める空間を狭くすることができる。結果として、複数のOCMを有する装置を一層小型化することが可能となる。
【実施例3】
【0067】
上記実施例1では、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例を説明した。しかしながら、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離してもよい。そこで、実施例3では、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例について説明する。
【0068】
図10は、実施例3に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図10に示すOCMは、図3に示したOCMと比較して、第2光学系30の代わりに第2光学系30aを有する点が異なる。
【0069】
第2光学系30aは、波長分離部20により波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。具体的には、第2光学系30aは、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタ131を有する。そして、第2光学系30aは、入射された光信号の偏波方向が第1の方向である光信号を透過して第1強度検出部40の方向に出射し、入射された光信号の偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向である光信号を反射して第2強度検出部50の方向に出射する。そして、第2光学系30aは、偏光ビームスプリッタ131の後段に配置されたレンズ132およびレンズ133を用いて、第1強度検出部40の方向および第2強度検出部50の方向に分離された光信号それぞれを集光する。
【0070】
例えば、第2光学系30aは、偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を第1強度検出部40の方向に出射し、偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を第2強度検出部50の方向に出射する。さらに、第2光学系30aは、第1強度検出部40の方向に出射されたOCM1の光信号を集光し、第2強度検出部50の方向に出射されたOCM2の光信号を集光することにより、OCM1の光信号とOCM2の光信号とを互いに離反する方向に分離する。なお、実施例3に係るOCMによる処理の手順は、実施例1に係るOCMによる処理の手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0071】
上述したように、実施例3によれば、第2光学系30aは、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。このため、偏波面の方向が互いに直交する2つの光信号を互いに離反する方向に容易に分離することができ、クロストークを効率的に防止することが可能となる。さらに、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタと比較して誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタは安価であることが多く、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いることなくクロストークを防止することで、コストの削減を図ることも可能となる。
【実施例4】
【0072】
上記実施例2では、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例を説明した。しかしながら、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離してもよい。そこで、実施例4では、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例について説明する。
【0073】
図11は、実施例4に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図11に示すOCMは、図8に示したOCMと比較して、第2光学系30の代わりに第2光学系30aを有する点が異なる。なお、第2光学系30aの内容は、実施例3と同様であるので、ここではその説明を省略する。また、実施例4に係るOCMによる処理の手順は、実施例2に係るOCMによる処理の手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0074】
上述したように、実施例4によれば、第2光学系30aは、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。このため、偏波面の方向が互いに直交する2つの光信号を互いに離反する方向に容易に分離することができ、クロストークを効率的に防止することが可能となる。さらに、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタと比較して誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタは安価であることが多く、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いることなくクロストークを防止することで、コストの削減を図ることも可能となる。
【実施例5】
【0075】
上記実施例1では、波長可変フィルタを用いて第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明した。しかしながら、回折格子を用いて第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離してもよい。そこで、実施例5では、回折格子を用いて第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明する。
【0076】
まず、実施例5に係るOCMの構成について説明する。図12は、実施例5に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図12に示すOCMは、図3に示したOCMと比較して、波長分離部20、第1強度検出部40および第2強度検出部50それぞれの代わりに波長分離部20a、第1強度検出部40aおよび第2強度検出部50aを有する点が異なる。
【0077】
波長分離部20aは、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。具体的には、波長分離部20aは、入射された光信号を波長ごとに異なる方向に分岐する回折格子21aを有し、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0078】
例えば、波長分離部20aは、透過型の回折格子である回折格子21aを有する場合には、OCM1の入力ポート1から入力された後、偏波方向が調整された第1光信号を回折格子21aに透過させることにより、第1光信号を波長ごとに分離する。また、波長分離部20aは、OCM2の入力ポート2から入力された後、偏波方向が調整された第2光信号を回折格子21aに透過させることにより、第2光信号を波長ごとに分離する。
【0079】
例えば、波長分離部20aは、反射型の回折格子である回折格子21aを有する場合には、OCM1の入力ポート1から入力された後、偏波方向が調整された第1光信号を回折格子21aに反射させることにより、第1光信号を波長ごとに分離する。また、波長分離部20aは、OCM2の入力ポート2から入力された後、偏波方向が調整された第2光信号を回折格子21aに反射させることにより、第2光信号を波長ごとに分離する。
【0080】
第1強度検出部40aは、第2光学系30により分離された光信号のうち偏波面の方向が第1の方向である光信号を受光して第1光信号の強度を波長ごとに検出する。例えば、第1強度検出部40aは、複数のPDを並べたPDアレイを有し、第2光学系30により上方向に出射された偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を受光して、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0081】
第2強度検出部50aは、第2光学系30により分離された光信号のうち偏波面の方向が第2の方向である光信号を受光して第2光信号の強度を波長ごとに検出する。例えば、第2強度検出部50aは、複数のPDを並べたPDアレイを有し、第2光学系30により下方向に出射された偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を受光して、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0082】
次に、実施例5に係るOCMによる処理の手順を説明する。図13は、実施例5に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。図13に示すように、実施例5に係るOCMは、光信号が入力ポートから入力されるまで待機する(ステップS301否定)。
【0083】
光信号が入力ポートから入力されると(ステップS301肯定)、OCMの第1光学系10は、入力された光信号の偏波方向を調整する(ステップS302)。具体的には、第1光学系10は、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の偏波方向を第1の方向に調整し、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の偏波方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。
【0084】
そして、波長分離部20aは、第1光学系10により偏波方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する(ステップS303)。具体的には、波長分離部20aは、回折格子21aを用いて、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号およびOCM2の入力ポート2から入力された第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0085】
そして、第2光学系30は、波長分離部20aにより波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波方向に基づいて異なる方向に分離する(ステップS304)。具体的には、第2光学系30は、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号と偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号とを異なる進行方向に分離する。
【0086】
そして、第1強度検出部40aは、波長分離部20aにより波長ごとに分離された後、さらに第2光学系30により偏波方向ごとに分離された光信号のうち偏波方向が第1の方向である光信号を受光して第1光信号の強度を波長ごとに検出する(ステップS305)。例えば、第1強度検出部40aは、PDアレイを用いて、第2光学系30によりOCM2と離反する方向に出射された偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を受光して、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0087】
一方、第2強度検出部50aは、波長分離部20aにより波長ごとに分離された後、さらに第2光学系30により偏波方向ごとに分離された光信号のうち偏波方向が第2の方向である光信号を受光して第2光信号の強度を波長ごとに検出する(ステップS306)。例えば、第2強度検出部50aは、PDアレイを用いて、第2光学系30によりOCM1と離反する方向に出射された偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を受光して、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0088】
その後、第1強度検出部40aおよび第2強度検出部50aは、それぞれ、検出した波長ごとの光信号の強度をWSSを制御するWSS制御回路へフィードバックし(ステップS307)、処理を終了する。
【0089】
上述してきたように、実施例5によれば、波長分離部20aは、回折格子21aを用いて第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号を波長ごとに分離する。このため、波長多重光に多重化されている全ての波長の光信号を同時に分離することができ、透過波長を所定時間ごとに可変する波長可変フィルタを用いた波長分離と比較して高速な波長分離が可能となる。
【実施例6】
【0090】
上記実施例5では、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明した。しかしながら、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重し、偏波多重された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離してもよい。そこで、実施例6では、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重し、偏波多重された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明する。
【0091】
まず、実施例6に係るOCMの構成について説明する。図14は、実施例6に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図14に示すOCMは、図12に示したOCMと比較して、第1光学系10と波長分離部20aとの間に偏波多重信号生成部60aを有する点が異なる。
【0092】
偏波多重信号生成部60aは、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。具体的には、偏波多重信号生成部60aは、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタを有する。そして、偏波多重信号生成部60aは、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号を透過して波長分離部20aの方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号を反射して波長分離部20aの方向に出射する。
【0093】
例えば、偏波多重信号生成部60aは、偏波方向が第1の方向に調整されたOCM1の第1光信号を透過して波長分離部20aの方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整されたOCM2の第2光信号を反射して波長分離部20aの方向に出射する。これにより、偏波多重信号生成部60aは、偏波方向が互いに直交する第1光信号および第2光信号それぞれの光路を波長分離部20aの方向に一致させて第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。
【0094】
また、波長分離部20aは、偏波多重信号生成部60aにより生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。具体的には、波長分離部20aは、回折格子21aを用いて、偏波多重信号に含まれているOCM1の入力ポート1から入力された第1光信号およびOCM2の入力ポート2から入力された第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0095】
次に、実施例6に係るOCMによる処理の手順を説明する。図15は、実施例6に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。図15に示すように、実施例6に係るOCMは、光信号が入力ポートから入力されるまで待機する(ステップS401否定)。
【0096】
光信号が入力ポートから入力されると(ステップS401肯定)、OCMの第1光学系10は、入力された光信号の偏波方向を調整する(ステップS402)。具体的には、第1光学系10は、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の偏波方向を第1の方向に調整し、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の偏波方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。
【0097】
そして、偏波多重信号生成部60aは、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する(ステップS403)。具体的には、偏波多重信号生成部60aは、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタを有する。そして、偏波多重信号生成部60aは、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号を透過して波長分離部20aの方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号を反射して波長分離部20aの方向に出射する。
【0098】
そして、波長分離部20aは、偏波多重信号生成部60aにより生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する(ステップS404)。具体的には、波長分離部20aは、回折格子21aを用いて、偏波多重信号に含まれているOCM1の入力ポート1から入力された第1光信号およびOCM2の入力ポート2から入力された第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。なお、以降のステップS405〜ステップS408は、図13に示したステップS304〜ステップS307と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0099】
上述してきたように、実施例6によれば、偏波多重信号生成部60aは、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。そして、波長分離部20aは、偏波多重信号生成部60aにより生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。このため、偏波方向が互いに直交する光信号それぞれの光路を波長分離部20aの方向に一致させたたうえで波長分離を行うことが可能となることから、波長分離部20aの占める空間を狭くすることができる。結果として、複数のOCMを有する装置を一層小型化することが可能となる。
【実施例7】
【0100】
上記実施例5では、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例を説明した。しかしながら、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離してもよい。そこで、実施例7では、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例について説明する。
【0101】
図16は、実施例7に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図16に示すOCMは、図12に示したOCMと比較して、第2光学系30の代わりに第2光学系30bを有する点が異なる。
【0102】
第2光学系30bは、波長分離部20aにより波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。具体的には、第2光学系30bは、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタ231を有する。そして、第2光学系30bは、入射された光信号の偏波方向が第1の方向である光信号を透過して第1強度検出部40aの方向に出射し、入射された光信号の偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向である光信号を反射して第2強度検出部50aの方向に出射する。そして、第2光学系30bは、偏光ビームスプリッタ231の後段に配置されたレンズ232およびレンズ233を用いて、第1強度検出部40aの方向および第2強度検出部50aの方向に分離された光信号それぞれを集光する。
【0103】
例えば、第2光学系30bは、偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を第1強度検出部40aの方向に出射し、偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を第2強度検出部50aの方向に出射する。さらに、第2光学系30bは、第1強度検出部40aの方向に出射されたOCM1の光信号を集光し、第2強度検出部50aの方向に出射されたOCM2の光信号を集光することにより、OCM1の光信号とOCM2の光信号とを互いに離反する方向に分離する。なお、実施例7に係るOCMによる処理の手順は、実施例5に係るOCMによる処理の手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0104】
上述したように、実施例7によれば、第2光学系30bは、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。このため、偏波面の方向が互いに直交する2つの光信号を互いに離反する方向に容易に分離することができ、クロストークを効率的に防止することが可能となる。さらに、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタと比較して誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタは安価であることが多く、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いることなくクロストークを防止することで、コストの削減を図ることも可能となる。
【実施例8】
【0105】
上記実施例6では、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例を説明した。しかしながら、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離してもよい。そこで、実施例8では、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例について説明する。
【0106】
図17は、実施例8に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図17に示すOCMは、図14に示したOCMと比較して、第2光学系30の代わりに第2光学系30bを有する点が異なる。なお、第2光学系30bの内容は、実施例7と同様であるので、ここではその説明を省略する。また、実施例8に係るOCMによる処理の手順は、実施例6に係るOCMによる処理の手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0107】
上述したように、実施例8によれば、第2光学系30bは、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。このため、偏波面の方向が互いに直交する2つの光信号を互いに離反する方向に容易に分離することができ、クロストークを効率的に防止することが可能となる。さらに、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタと比較して誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタは安価であることが多く、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いることなくクロストークを防止することで、コストの削減を図ることも可能となる。
【実施例9】
【0108】
上記実施例1では、波長可変フィルタを用いて第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明した。しかしながら、回折格子およびMEMSミラーを用いて第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離してもよい。そこで、実施例9では、回折格子およびMEMSミラーを用いて第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明する。
【0109】
まず、実施例9に係るOCMの構成について説明する。図18は、実施例9に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図18に示すOCMは、図3に示したOCMと比較して、波長分離部20の代わりに波長分離部20bを有する点が異なる。
【0110】
波長分離部20bは、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。具体的には、波長分離部20bは、入射された光信号を波長ごとに異なる方向に分岐する回折格子21bと、回折格子21bにより波長ごとに分岐された光信号のうち特定の波長の光信号を後段側へ反射するMEMSミラー22bとを有する。そして、波長分離部20bは、回折格子21bおよびMEMSミラー22bを用いて、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0111】
例えば、波長分離部20bは、透過型の回折格子である回折格子21bを有する場合には、OCM1の入力ポート1から入力された後、偏波方向が調整された第1光信号を回折格子21bに透過させることにより、第1光信号を波長ごとに異なる方向に分岐する。そして、波長分離部20bは、MEMSミラー22bの角度を制御して回折格子21bにより波長ごとに分岐された第1光信号のうち特定の波長の光信号を第2光学系30の方向に反射することで、第1光信号に多重化されている光信号を波長ごとに分離する。また、波長分離部20bは、OCM2の入力ポート2から入力された後、偏波方向が調整された第2光信号を回折格子21bに透過させることにより、第2光信号を波長ごとに異なる方向に分岐する。そして、波長分離部20bは、MEMSミラー22bの角度を制御して回折格子21bにより波長ごとに分岐された第2光信号のうち特定の波長の光信号を第2光学系30の方向に反射することで、第2光信号に多重化されている光信号を波長ごとに分離する。
【0112】
例えば、波長分離部20bは、反射型の回折格子である回折格子21bを有する場合には、OCM1の入力ポート1から入力された後、偏波方向が調整された第1光信号を回折格子21bに反射させることにより、第1光信号を波長ごとに異なる方向に分岐する。そして、波長分離部20bは、MEMSミラー22bの角度を制御して回折格子21bにより波長ごとに分岐された第1光信号のうち特定の波長の光信号を第2光学系30の方向に反射することで、第1光信号に多重化されている光信号を波長ごとに分離する。また、波長分離部20bは、OCM2の入力ポート2から入力された後、偏波方向が調整された第2光信号を回折格子21bに反射させることにより、第2光信号を波長ごとに異なる方向に分岐する。そして、波長分離部20bは、MEMSミラー22bの角度を制御して回折格子21bにより波長ごとに分岐された第2光信号のうち特定の波長の光信号を第2光学系30の方向に反射することで、第2光信号に多重化されている光信号を波長ごとに分離する。なお、実際にはMEMSミラー22bは光信号を反射するが、図18では、説明の便宜上、光信号がMEMSミラー22bを透過する態様が示されている。
【0113】
次に、実施例9に係るOCMによる処理の手順を説明する。図19は、実施例9に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。図19に示すように、実施例9に係るOCMは、光信号が入力ポートから入力されるまで待機する(ステップS501否定)。
【0114】
光信号が入力ポートから入力されると(ステップS501肯定)、OCMの第1光学系10は、入力された光信号の偏波方向を調整する(ステップS502)。具体的には、第1光学系10は、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の偏波方向を第1の方向に調整し、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の偏波方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。
【0115】
そして、波長分離部20bは、第1光学系10により偏波方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する(ステップS503)。具体的には、波長分離部20bは、回折格子21bおよびMEMSミラー22bを用いて、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号およびOCM2の入力ポート2から入力された第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0116】
そして、第2光学系30は、波長分離部20bにより波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波方向に基づいて異なる方向に分離する(ステップS504)。具体的には、第2光学系30は、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号と偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号とを異なる進行方向に分離する。
【0117】
そして、第1強度検出部40は、波長分離部20bにより波長ごとに分離された後、さらに第2光学系30により偏波方向ごとに分離された光信号のうち偏波方向が第1の方向である光信号を受光して第1光信号の強度を波長ごとに検出する(ステップS505)。例えば、第1強度検出部40は、PDを用いて、第2光学系30によりOCM2と離反する方向に出射された偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を受光して、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0118】
一方、第2強度検出部50は、波長分離部20bにより波長ごとに分離された後、さらに第2光学系30により偏波方向ごとに分離された光信号のうち偏波方向が第2の方向である光信号を受光して第2光信号の強度を波長ごとに検出する(ステップS506)。例えば、第2強度検出部50は、PDを用いて、第2光学系30によりOCM1と離反する方向に出射された偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を受光して、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の強度を波長ごとに検出する。
【0119】
その後、第1強度検出部40および第2強度検出部50は、それぞれ、検出した波長ごとの光信号の強度をWSSを制御するWSS制御回路へフィードバックし(ステップS507)、処理を終了する。
【0120】
上述してきたように、実施例9によれば、波長分離部20bは、回折格子21bおよびMEMSミラー22bを用いて第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号を波長ごとに分離する。このため、MEMSミラーは波長可変フィルタよりも高速動作が可能であることから、波長可変フィルタを用いた波長分離と比較して高速な波長分離が可能となる。さらに、回折格子により分岐された光信号のうち特定の波長の光信号のみを後段の第2光学系30の方向へ反射するため、第2光学系30を介して光信号を受光する第1強度検出部40および第2強度検出部50にPDアレイを設ける必要がなくなる。
【実施例10】
【0121】
上記実施例9では、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明した。しかしながら、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重し、偏波多重された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離してもよい。そこで、実施例10では、偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重し、偏波多重された第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する例について説明する。
【0122】
まず、実施例10に係るOCMの構成について説明する。図20は、実施例10に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図20に示すOCMは、図18に示したOCMと比較して、第1光学系10と波長分離部20bとの間に偏波多重信号生成部60bを有する点が異なる。
【0123】
偏波多重信号生成部60bは、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。具体的には、偏波多重信号生成部60bは、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタを有する。そして、偏波多重信号生成部60bは、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号を透過して波長分離部20bの方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号を反射して波長分離部20bの方向に出射する。
【0124】
例えば、偏波多重信号生成部60bは、偏波方向が第1の方向に調整されたOCM1の第1光信号を透過して波長分離部20bの方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整されたOCM2の第2光信号を反射して波長分離部20bの方向に出射する。これにより、偏波多重信号生成部60bは、偏波方向が互いに直交する第1光信号および第2光信号それぞれの光路を波長分離部20bの方向に一致させて第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。
【0125】
また、波長分離部20bは、偏波多重信号生成部60bにより生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。具体的には、波長分離部20bは、回折格子21bおよびMEMSミラー22bを用いて、偏波多重信号に含まれているOCM1の第1光信号およびOCM2の第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。
【0126】
次に、実施例10に係るOCMによる処理の手順を説明する。図21は、実施例10に係るOCMによる処理の手順を示すフローチャートである。図21に示すように、実施例10に係るOCMは、光信号が入力ポートから入力されるまで待機する(ステップS601否定)。
【0127】
光信号が入力ポートから入力されると(ステップS601肯定)、OCMの第1光学系10は、入力された光信号の偏波方向を調整する(ステップS602)。具体的には、第1光学系10は、OCM1の入力ポート1から入力された第1光信号の偏波方向を第1の方向に調整し、OCM2の入力ポート2から入力された第2光信号の偏波方向を第1の方向と直交する第2の方向に調整する。
【0128】
そして、偏波多重信号生成部60bは、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する(ステップS603)。具体的には、偏波多重信号生成部60bは、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタを有する。そして、偏波多重信号生成部60bは、偏波方向が第1の方向に調整された第1光信号を透過して波長分離部20bの方向に出射し、偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向に調整された第2光信号を反射して波長分離部20bの方向に出射する。
【0129】
そして、波長分離部20bは、偏波多重信号生成部60bにより生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する(ステップS604)。具体的には、波長分離部20bは、回折格子21bおよびMEMSミラー22bを用いて、偏波多重信号に含まれているOCM1の第1光信号およびOCM2の第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。なお、以降のステップS605〜ステップS608は、図19に示したステップS504〜ステップS507と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0130】
上述してきたように、実施例10によれば、偏波多重信号生成部60bは、第1光学系10により偏波面の方向が調整された第1光信号および第2光信号を偏波多重して第1光信号および第2光信号を含む偏波多重信号を生成する。そして、波長分離部20bは、偏波多重信号生成部60bにより生成された偏波多重信号に含まれる第1光信号および第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する。このため、偏波方向が互いに直交する光信号それぞれの光路を波長分離部20bの方向に一致させたたうえで波長分離を行うことが可能となることから、波長分離部20bの占める空間を狭くすることができる。結果として、複数のOCMを有する装置を一層小型化することが可能となる。
【実施例11】
【0131】
上記実施例9では、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例を説明した。しかしながら、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離してもよい。そこで、実施例11では、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例について説明する。
【0132】
図22は、実施例11に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図22に示すOCMは、図18に示したOCMと比較して、第2光学系30の代わりに第2光学系30cを有する点が異なる。
【0133】
第2光学系30cは、波長分離部20bにより波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。具体的には、第2光学系30cは、2つの直角プリズムの間に偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を挟んだ偏光ビームスプリッタ331を有する。そして、第2光学系30cは、入射された光信号の偏波方向が第1の方向である光信号を透過して第1強度検出部40の方向に出射し、入射された光信号の偏波方向が第1の方向と直交する第2の方向である光信号を反射して第2強度検出部50の方向に出射する。そして、第2光学系30cは、偏光ビームスプリッタ331の後段に配置されたレンズ332およびレンズ333を用いて、第1強度検出部40の方向および第2強度検出部50の方向に分離された光信号それぞれを集光する。
【0134】
例えば、第2光学系30cは、偏波方向が地面に対して垂直であるOCM1の光信号を第1強度検出部40の方向に出射し、偏波方向が地面に対して平行であるOCM2の光信号を第2強度検出部50の方向に出射する。さらに、第2光学系30cは、第1強度検出部40の方向に出射されたOCM1の光信号を集光し、第2強度検出部50の方向に出射されたOCM2の光信号を集光することにより、OCM1の光信号とOCM2の光信号とを互いに離反する方向に分離する。なお、実施例11に係るOCMによる処理の手順は、実施例9に係るOCMによる処理の手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0135】
上述したように、実施例11によれば、第2光学系30cは、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。このため、偏波面の方向が互いに直交する2つの光信号を互いに離反する方向に容易に分離することができ、クロストークを効率的に防止することが可能となる。さらに、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタと比較して誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタは安価であることが多く、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いることなくクロストークを防止することで、コストの削減を図ることも可能となる。
【実施例12】
【0136】
上記実施例10では、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例を説明した。しかしながら、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離してもよい。そこで、実施例12では、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて分離する例について説明する。
【0137】
図23は、実施例12に係るOCMの構成を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図23に示すOCMは、図20に示したOCMと比較して、第2光学系30の代わりに第2光学系30cを有する点が異なる。なお、第2光学系30cの内容は、実施例11と同様であるので、ここではその説明を省略する。また、実施例12に係るOCMによる処理の手順は、実施例10に係るOCMによる処理の手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0138】
上述したように、実施例12によれば、第2光学系30cは、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、入射された光信号を偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離する。このため、偏波面の方向が互いに直交する2つの光信号を互いに離反する方向に容易に分離することができ、クロストークを効率的に防止することが可能となる。さらに、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタと比較して誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタは安価であることが多く、複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いることなくクロストークを防止することで、コストの削減を図ることも可能となる。
【符号の説明】
【0139】
10 第1光学系(偏波調整部)
20、20a、20b 波長分離部
21 波長可変フィルタ
21a 回折格子
21b 回折格子
22b MEMSミラー
30、30a、30b、30c 第2光学系(偏光分離部)
40、40a 第1強度検出部
50、50a 第2強度検出部
60、60a、60b 偏波多重信号生成部
131、231、331 偏光ビームスプリッタ
132、133、232、233、332、333 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長多重光である第1光信号および第2光信号のうち前記第1光信号の偏波面の方向を第1の方向に調整するとともに、前記第2光信号の偏波面の方向を前記第1の方向と直交する第2の方向に調整する偏波調整部と、
前記偏波調整部により偏波面の方向が調整された前記第1光信号および前記第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する波長分離部と、
前記波長分離部により波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて分離する偏光分離部と、
前記偏光分離部により分離された光信号のうち偏波面の方向が前記第1の方向である光信号を受光して前記第1光信号の強度を波長ごとに検出する第1強度検出部と、
前記偏光分離部により分離された光信号のうち偏波面の方向が前記第2の方向である光信号を受光して前記第2光信号の強度を波長ごとに検出する第2強度検出部と
を備えたことを特徴とする光チャンネルモニタ。
【請求項2】
前記偏波調整部によって偏波面の方向が調整された前記第1光信号および前記第2光信号を偏波多重して前記第1光信号および前記第2光信号を含む偏波多重信号を生成する偏波多重信号生成部をさらに備え、
前記波長分離部は、前記偏波多重信号に含まれる前記第1光信号および前記第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離することを特徴とする請求項1に記載の光チャンネルモニタ。
【請求項3】
前記偏光分離部は、光学軸が互いに直交する2つの結晶を斜めに合わせた複屈折結晶を含む偏光ビームスプリッタを用いて、前記波長分離部により波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離することを特徴とする請求項1または2に記載の光チャンネルモニタ。
【請求項4】
前記偏光分離部は、偏波面の方向に応じて光信号を反射または透過する誘電体多層膜を含む偏光ビームスプリッタを用いて、前記波長分離部により波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて異なる方向に分離することを特徴とする請求項1または2に記載の光チャンネルモニタ。
【請求項5】
前記波長分離部は、特定の波長の光信号を透過させる波長可変フィルタを用いて、前記第1光信号および前記第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光チャンネルモニタ。
【請求項6】
前記波長分離部は、入射された光信号を波長ごとに異なる方向に分岐する回折格子を用いて、前記第1光信号および前記第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光チャンネルモニタ。
【請求項7】
前記波長分離部は、入射された光信号を波長ごとに異なる方向に分岐する回折格子と、当該回折格子により波長ごとに分岐された光信号のうち特定の波長の光信号を後段側へ反射するMEMSミラーとを用いて、前記第1光信号および前記第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光チャンネルモニタ。
【請求項8】
第1波長選択スイッチから出力される波長多重光である第1光信号および第2波長選択スイッチから出力される波長多重光である第2光信号のうち前記第1光信号の偏波面を第1の方向に調整するとともに、前記第2光信号の偏波面を前記第1の方向と直交する第2の方向に調整する偏波調整部と、
前記偏波調整部によって偏波面の方向が調整された前記第1光信号および前記第2光信号に多重化されている光信号それぞれを波長ごとに分離する波長分離部と、
前記波長分離部により波長ごとに分離された光信号それぞれを、偏波面の方向に基づいて分離する偏光分離部と、
前記偏光分離部により分離された光信号のうち偏波面の方向が前記第1の方向である光信号を受光して前記第1光信号の強度を波長ごとに検出する第1強度検出部と、
前記偏光分離部により分離された光信号のうち偏波面の方向が前記第2の方向である光信号を受光して前記第2光信号の強度を波長ごとに検出する第2強度検出部と
前記第1強度検出部により波長ごとに検出された前記第1光信号の強度が目標値となるように、前記第1波長選択スイッチにおける波長ごとの減衰量を制御する第1波長選択スイッチ制御部と、
前記第2強度検出部により波長ごとに検出された前記第2光信号の強度が目標値となるように、前記第2波長選択スイッチにおける波長ごとの減衰量を制御する第2波長選択スイッチ制御部と
を備えたことを特徴とする光伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−222747(P2012−222747A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89481(P2011−89481)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】