説明

光ディスクチェンジャ装置

【課題】LANにおけるデータのバックアップのためのデータ容量を容易に増大させることのできる光ディスクチェンジャ装置を提供する。
【解決手段】光ディスクチェンジャ装置40が、LAN1に接続可能なインタフェース41と、LAN1との間での情報の入出力を制御し、及び、光ディスク記録手段47に接続され、光ディスク記録手段47との間での情報の入出力を制御する入出力制御手段43と、所定の記録手段21に記録されている情報を所定のタイミングで監視する情報監視手段44と、情報監視手段44による監視結果に基づいて、記録手段21に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報を、入出力制御手段43に対して記録手段21から読み出させ且つ光ディスク記録手段47へ当該情報の書き込み要求を行わせるバックアップ処理を行うバックアップ処理手段45とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク媒体への情報の書き込み及び光ディスク媒体からの情報の読み出しを行う光ディスク記録手段と、複数の光ディスク媒体を収容する収容棚と、光ディスク記録手段と収容棚との間で光ディスク媒体を搬送する光ディスク搬送手段とを備える光ディスクチェンジャ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量データのバックアップを目的として、複数枚の光ディスク媒体に情報を記憶させる光ディスクチェンジャ装置を設けたシステムがある。光ディスクチェンジャ装置は、光ディスク媒体への情報の書き込み及び光ディスク媒体からの情報の読み出しを行う光ディスクドライブと、複数枚の光ディスク媒体を収容する収容棚と、光ディスクドライブと収容棚との間で光ディスク媒体を搬送する光ディスク搬送手段とを備える。
特許文献1に記載のシステムに設けられている光ディスクチェンジャ装置はファイルサーバ装置に接続されている。また、特許文献1に記載のファイルサーバ装置には、情報の転送速度が速いハードディスクドライブで構成される高速記憶装置も接続されている。光ディスクチェンジャ装置は、信頼性が高く長期保存に適しているが情報の転送速度が遅い低速記憶装置である。そして、ファイルサーバ装置がLAN(Local Area Network)に接続され、同じくLANに接続されるクライアント端末との間で情報の送受信を行う。また、ファイルサーバ装置は、光ディスクチェンジャ装置及びハードディスクドライブとの間で情報の送受信を行う。つまり、ファイルサーバ装置は、光ディスクチェンジャ装置の光ディスクドライブ及びハードディスクドライブにおける情報の書き込み及び読み出しを制御するように構成されている。従って、ファイルサーバ装置には、光ディスクドライブ及びハードディスクドライブとの間での情報の入出力を制御するための入出力制御手段として機能するソフトウェアがインストールされている。
【0003】
また、特許文献1に記載のシステムでは、ファイルサーバ装置は、クライアント端末から受け付けた情報をハードディスクドライブに記憶する。ファイルサーバ装置は、情報をハードディスクドライブに記憶しておけば、クライアント端末から情報の読み出し要求があったとしても、ハードディスクドライブから素早く情報を読み出して、クライアント端末に送信できる点で有利である。但し、記憶された時期が古く、クライアント端末から読み出し要求が行われないと予測されるような情報をハードディスクドライブに記憶したままにしておくことは、ハードディスクドライブの記憶容量の有効活用という観点からは好ましくない。そこで、ファイルサーバ装置は、ハードディスクドライブに記憶された情報がバックアップ条件を満たすと(例えば、設定期日を経過すると)、その情報をハードディスクドライブから読み出して、光ディスクドライブを有する光ディスクチェンジャ装置に記憶させるバックアップ処理を行う。尚、ファイルサーバ装置は、情報を光ディスクチェンジャ装置に記憶している場合、クライアント端末から情報の読み出し要求に応えるには、上記高速記憶装置に比べて長い時間が必要になる点で不利である。
【0004】
但し、バックアップされている情報の安全性を考慮した場合、ハードディスクドライブは、地震や停電などが発生すると、ディスク自体が破損する可能性があるため、その時に書き込み又は読み出している情報だけでなく、既に記憶されている他の情報までも巻き込んだ大規模な情報の消失に至る可能性が高い点で不利である。他方で、光ディスクチェンジャ装置は、地震や停電などが発生した場合、光ディスク媒体自体の破損まで至る可能性は低く、情報の安全な保存という観点では有利である。更に、光ディスクチェンジャ装置は、記録媒体が安価であり、その交換も容易であるから、大容量の情報を保存しておくには適している。以上のように、光ディスクチェンジャ装置は、情報の転送速度の点で不利であるものの、大容量データのバックアップ用途として採用する意義は充分にある。
【0005】
特許文献1において記載は無いものの、ファイルサーバ装置に接続されているハードディスクドライブ及び光ディスクチェンジャ装置との間の情報転送はSCSIによって行われていると思われる。よって、特許文献1に記載のファイルサーバ装置において、情報の記憶容量を増大させたいとき、ファイルサーバ装置に対するハードディスクドライブ又は光ディスクチェンジャ装置の接続数を増加させればよい。
【0006】
【特許文献1】特開平9−160994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のファイルサーバ装置に対して、実際にハードディスクドライブ及び光ディスクチェンジャ装置を増設しようとしたとき、ファイルサーバ装置とハードディスクドライブ及び光ディスクチェンジャ装置とがSCSI接続により直結されていることを考慮すると、増設されるハードディスクドライブ及び光ディスクチェンジャ装置はファイルサーバ装置の周囲に設けなければならないという制約が生じる。ファイルサーバ装置の初期導入時であれば、ファイルサーバ装置の周囲にも空きスペースは存在するが、後日、追加するのであれば、ファイルサーバ装置の周囲に空きスペースを見つけることは困難であると思われる。従って、クライアント端末が情報を書き込むために利用可能な記憶容量を増大させることは困難である。
従って、LAN上においてクライアント端末が利用可能な記憶容量を増設しようとすると、ハードディスクドライブ及び光ディスクチェンジャ装置を有するファイルサーバ装置自体をLANに接続する必要がある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、LANにおける情報のバックアップのための記憶容量を容易に増大させることのできる光ディスクチェンジャ装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る光ディスクチェンジャ装置の特徴構成は、光ディスク媒体への情報の書き込み及び前記光ディスク媒体からの情報の読み出しを行う光ディスク記録手段と、複数の前記光ディスク媒体を収容する収容棚と、前記光ディスク記録手段と前記収容棚との間で前記光ディスク媒体を搬送する光ディスク搬送手段とを備える光ディスクチェンジャ装置であって、
LANに接続可能なインタフェースと、
前記LANとの間での情報の入出力を制御し、及び、前記光ディスク記録手段に接続され、且つ、前記光ディスク記録手段との間での情報の入出力を制御する入出力制御手段と、
所定の記録手段に記録されている情報を所定のタイミングで監視する情報監視手段と、
前記情報監視手段による監視結果に基づいて、前記記録手段に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報を、前記入出力制御手段に対して前記記録手段から読み出させ且つ前記光ディスク記録手段へ当該情報の書き込み要求を行わせるバックアップ処理を行うバックアップ処理手段とを備える点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、光ディスクチェンジャ装置が有する入出力制御手段が、LANとの間での情報の入出力を制御し、及び、光ディスク記録手段に接続され、且つ、光ディスク記録手段との間での情報の入出力を制御し、情報監視手段が、所定の記録手段に記録されている情報を所定のタイミングで監視し、バックアップ処理手段が、情報監視手段による監視結果に基づいて、記録手段に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報を、入出力制御手段に対して上記記録手段から読み出させ且つ光ディスク記録手段へ当該情報の書き込み要求を行わせるバックアップ処理を行う。つまり、上記入出力制御手段と上記情報監視手段と上記バックアップ処理手段とを備える光ディスクチェンジャ装置をLANに接続すれば、LANにおける情報の記憶容量が増大する。また、光ディスクチェンジャ装置はLANに直接接続することができるので、その設置場所及び設置数に関する制約はなくなる。
従って、LANにおける情報のバックアップのための記憶容量を容易に増大させることのできる光ディスクチェンジャ装置を提供できる。
【0011】
本発明に係る光ディスクチェンジャ装置の別の特徴構成は、前記記録手段は、前記LANに接続された1以上の記憶装置のうちの所定の記憶装置が有する記録手段である点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、LANに接続されたファイルサーバ装置などの記憶装置が有する記録手段に記録されている情報を上記バックアップ処理の対象とすることができる。その結果、LANに接続されている上記記憶装置に記録されている情報を、光ディスクチェンジャ装置において安全に且つ長期間保存することができる。
【0013】
本発明に係る光ディスクチェンジャ装置の別の特徴構成は、磁気記録媒体を有するハードディスク記録手段を有し、
前記入出力制御手段は、前記光ディスク記録手段と前記ハードディスク記録手段とに接続され、且つ、前記光ディスク記録手段と前記ハードディスク記録手段との間での情報の入出力を制御し、
前記記録手段は、前記ハードディスク記録手段及び前記LANに接続された1以上の記憶装置のうちの所定の記憶装置が有する記録手段の少なくとも1つである点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、光ディスクチェンジャ装置自身のハードディスク記録手段に記録されている情報やLANに接続されたファイルサーバ装置などの記憶装置が有する記録手段に記録されている情報を上記バックアップ処理の対象とすることができる。その結果、光ディスクチェンジャ装置自身のハードディスク記録手段に記録されている情報やLANに接続されている上記記憶装置に記録されている情報を、光ディスクチェンジャ装置において安全に且つ長期間保存することができる。
【0015】
本発明に係る光ディスクチェンジャ装置の別の特徴構成は、前記情報監視手段は、前記クライアント端末が前記光ディスクチェンジャ装置自身に割り当てられた前記LAN上の設定アドレスにアクセスすると、前記記録手段に記録されている情報と前記記録手段からバックアップされた情報との情報の一覧を、前記クライアント端末のウェブブラウザで表示される形式で作成し、
前記バックアップ処理手段は、前記バックアップ処理が終了した情報を前記記録手段から消去させ、前記情報の一覧に対して、前記バックアップ処理が終了したことを反映させる点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、クライアント端末の操作者が上記記録手段に記録させた情報が、現在、そのまま記録手段に記録されているのか又は光ディスクチェンジャ装置の光ディスク媒体においてバックアップされているのかが、情報の一覧として表示される。その結果、クライアント端末の操作者は、現在、情報がそのまま記録手段に記録されているのか又は光ディスクチェンジャ装置の光ディスク媒体においてバックアップされているのかを容易に知ることができる。
【0017】
本発明に係る光ディスクチェンジャ装置の別の特徴構成は、前記設定アドレスにアクセスした前記クライアント端末から、前記情報の一覧のうち前記バックアップ処理が終了した情報を読み出す指示を受け取ると、前記光ディスク記録手段から前記記録手段に当該情報を復元させる復元処理手段を備える点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、復元処理手段は、光ディスクチェンジャ装置に割り当てられた設定アドレスにアクセスしたクライアント端末から、情報の一覧のうちバックアップ処理が終了した情報を読み出す指示を受け取ると、光ディスク記録手段からバックアップ元のLAN上の記憶装置の記録手段に当該情報を復元させる。つまり、クライアント端末の操作者は、記録手段に記録させた情報が光ディスクチェンジャ装置の光ディスク媒体においてバックアップされているとしても、情報の読み出し指示を与えるだけで、その情報がバックアップ元の記録手段に復元されてアクセス可能になる。その結果、その情報の読み出しを高い転送速度で実施できる。
【0019】
本発明に係る光ディスクチェンジャ装置の別の特徴構成は、前記バックアップ処理手段は、前記バックアップ処理が終了した情報を前記記録手段から消去させ、前記バックアップ処理が終了した情報が記録されていた前記記録手段に当該情報のバックアップ先に関する情報を記録する点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、バックアップ処理した情報が記録されていた記録手段に当該情報のバックアップ先に関する情報が記録されるので、バックアップ処理が終了した情報が記録手段から消去されていたとしても、クライアント端末の操作者に対して上記情報が失われていないことを知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の光ディスクチェンジャ装置40を備えた光ディスクチェンジャシステムの機能ブロック図である。
図1に示すように、光ディスクチェンジャ装置40は、クライアント端末10が接続されたLAN(Loacal Area Network)1に接続されている。また、本発明における、LAN1に接続された1以上の記憶装置のうちの所定の記憶装置として、記録手段21を有するファイルサーバ装置20が設けられている。光ディスクチェンジャ装置40は、光ディスク媒体2への情報の書き込み及び光ディスク媒体2からの情報の読み出しを行う光ディスクドライブ47を備える。光ディスク媒体2としてはDVD(Digital Versatile Disk)媒体やその他の媒体が使用できる。光ディスクドライブ47には、複数の光ディスク媒体2を収容する収容棚49と、光ディスクドライブ47と収容棚49との間で光ディスク媒体2を搬送する光ディスク搬送手段48とが併設されている。光ディスクドライブ47では、情報の書き込み及び読み出しを同時に複数枚の光ディスク媒体2に対して行うことはできないが、光ディスクチェンジャ装置40の制御部42は、光ディスク搬送手段48を用いて、光ディスクドライブ47と収容棚49との間で光ディスク媒体2の入れ換えを行うことができる。収容棚49には、多数の光ディスク媒体2を収容できるので、理論的には光ディスクドライブ47を用いて無限大の情報の保存を行うことができる。以上のように、本実施形態の光ディスクチェンジャ装置40は、情報の書き込み及び読み出しが比較的低速であるものの大量の情報の記録を行うことができる光ディスクドライブ47を有している。
以上のように、光ディスクドライブ47は本発明の光ディスク記録手段に相当する。
【0022】
クライアント端末10は、LAN1を介して接続されているファイルサーバ装置20の記録手段21に対してアクセスする権限が設定されている。つまり、クライアント端末10からファイルサーバ装置20の記録手段21に対して情報の書き込みを行うことや、その記録手段21から情報の読み出しを行うことが可能である。
【0023】
光ディスクチェンジャ装置40は、クライアント端末10が接続されるLAN1に接続するためのインタフェース41と制御部42とを備え、制御部42は、インタフェース41を介して行われるLAN1との間での情報の入出力を制御し、及び、光ディスクドライブ47に接続され、且つ、光ディスクドライブ47との間での情報の入出力を制御する入出力制御手段43を備えている。つまり、制御部42は、光ディスクドライブ47及び光ディスク搬送手段48の動作を制御することで、光ディスク媒体2への情報の書き込み、及び、光ディスク媒体2からの情報の読み出しを行える。また、この入出力制御手段43により、クライアント端末10からLAN1を介して接続されている光ディスクチェンジャ装置40のデバイスや情報のファイル構造を見ることを可能にしている。
【0024】
また、光ディスクチェンジャ装置40の制御部42は、後述するように、所定の記録手段(本実施形態ではファイルサーバ装置20の記録手段21)に記録されている情報を所定のタイミングで監視する情報監視手段44と、情報監視手段44による監視結果に基づいて、上記記録手段に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報を、入出力制御手段43に対して上記記録手段から読み出させ且つ光ディスクドライブ47へ当該情報の書き込み要求を行わせるバックアップ処理を行うバックアップ処理手段45と、復元処理手段46とを備える。
【0025】
情報監視手段44は、LAN1に接続されていてアクセス可能な記録手段としてのファイルサーバ装置20の記録手段21に所定のタイミングでアクセスし、記録されている情報の記録日、ファイル(情報)名、ファイル形式(画像ファイル、文書ファイルなど)、ファイル拡張子、ファイル容量などのうちの必要な情報を取得する。そして、情報監視手段44は、その記録手段21に記録されている情報とバックアップされた情報との情報の一覧を作成して、光ディスクチェンジャ装置40内の半導体メモリなどの情報記憶領域(図示せず)に保存する。この情報の一覧は、クライアント端末10が光ディスクチェンジャ装置40に割り当てられたLAN1上の設定アドレス(例えば、IPアドレス)にアクセスするとクライアント端末10にインストールされているウェブブラウザで表示される形式(例えば、html形式)で作成される。尚、情報監視手段44がLAN上のどの記録手段(本実施形態では、ファイルサーバ装置20の記録手段21)を監視するのかは、制御部42内の図示しない監視設定手段により光ディスクチェンジャ装置40内の情報記憶領域(図示せず)に設定されて保存されている。このように、クライアント端末10の操作者は、ウェブブラウザを用いて上記IPアドレスにアクセスすると、自身がファイルサーバ装置20の記録手段21に現在及び過去に記録した情報の一覧を確認できる。
【0026】
バックアップ処理手段45は、情報監視手段44が作成した情報の一覧を参照できる。そして、バックアップ処理手段45は、情報監視手段44がファイルサーバ装置20にアクセスするタイミング又は設定された所定のタイミングで、情報監視手段44による監視結果に基づいて、ファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報のバックアップ処理を行う。このバックアップ条件に関する情報は、光ディスクチェンジャ装置40内の情報記憶領域(図示せず)に設定されて保存されている。そして、本実施形態におけるバックアップ条件は、「ファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されてから設定期間以上結果していること」である。また、バックアップ処理手段45は、バックアップ処理が終了した情報をファイルサーバ装置20の記録手段21から消去させる。更に、バックアップ処理手段45は、バックアップ処理が終了した情報が光ディスクドライブ47によって特定の光ディスク媒体2に記録されていることを、上記情報の一覧に反映させる。
【0027】
以下に、光ディスクチェンジャ装置40が行うバックアップ処理について説明する。
図2は、クライアント端末10の表示画面例であり、クライアント端末10自身のファイル構造(図2中では「マイコンピュータ」と記載されている)、ファイルサーバ装置20のファイル構造(図2中では「fileserver」と記載されている)、及び、光ディスクチェンジャ装置40のファイル構造(図2中では「changer」と記載されている)を見た状態である。クライアント端末10の操作者は、LAN1に接続されたファイルサーバ装置20の記録手段21にアクセスする権限を有しているので、クライアント端末10からファイルサーバ装置20の記録手段21へ、情報の書き込みを行うことができる。図2に示した例では、ファイルサーバ装置20の記録手段21にクライアント端末10の操作者自身の共有フォルダである「k−takaym」フォルダが作成されている。そして、クライアント端末10から3つの情報(「見積書.doc」、「注文書.doc」、「仕様書.doc」)の書き込み要求が行われた結果、それらの情報がファイルサーバ装置20の記録手段21の「k−takaym」フォルダに記録されている。
【0028】
上述したように、光ディスクチェンジャ装置40の情報監視手段44は、ファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されている情報を監視し、情報の一覧を作成する。
【0029】
図3は、光ディスクチェンジャ装置40のバックアップ処理手段45が行うバックアップ処理制御のフローチャートである。図3に示すように、工程#10においてバックアップ処理手段45は、情報監視手段44による監視結果に基づいて、ファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報、つまり、ファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されてから設定期間以上経過している情報があるか否かを判定する。本実施形態では、「k−takaym」フォルダに記録されている「見積書.doc」、「注文書.doc」がそれに該当する。バックアップ処理手段45は、該当する情報がある場合(工程#10の「Yes」)には工程#12に移行し、該当する情報が無い場合(工程#10の「No」)にはこの処理の初めにリターンする。
【0030】
バックアップ処理手段45は、ファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されてから設定期間以上経過している情報がある場合、工程#12に移行して、入出力制御手段43に対して、該当する情報をファイルサーバ装置20の記録手段21から読み出させ、光ディスクドライブ47へ当該情報の書き込み要求を行わせる。その結果、ファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されてから設定期間以上経過している情報は、光ディスクドライブ47の光ディスク媒体2に記録される。
【0031】
図4はクライアント端末10における表示画面例である。図4に示すように、光ディスクチェンジャ装置40の光ディスクドライブ47には「k−takaym」フォルダが作成され、そのフォルダに「見積書.doc」、「注文書.doc」が記録される。但し、光ディスクドライブ47は、複数の光ディスク媒体2に記録している情報を管理しており、どの光ディスク媒体2に「k−takaym」フォルダが作成され、そのフォルダに「見積書.doc」、「注文書.doc」が記録されているかを管理している。
【0032】
次に、工程#14においてバックアップ処理手段45は、ファイルサーバ装置20に対し、バックアップ処理が終了した情報をその記録手段21から消去させる。図5は、クライアント端末10における表示画面例であり、図示するように、ファイルサーバ装置20の記録手段21に作成されている「k−takaym」フォルダから、バックアップ処理が終了した「見積書.doc」、「注文書.doc」が消去され、「仕様書.doc」のみが残されている。
【0033】
その後、工程#16においてバックアップ処理手段45は、光ディスクチェンジャ装置40の情報記憶領域に保存されている情報の一覧に対して、バックアップ処理が終了した情報が光ディスクドライブ47に記録されていることを反映させる。図6は、クライアント端末10が光ディスクチェンジャ装置40に割り当てられたLAN1上の設定アドレス(IPアドレス http://aaa.bbb.cc.dd)に対してアクセスしたときに表示されるウェブブラウザの画面例である。図示するように、バックアップ処理が終了した「見積書.doc」及び「注文書.doc」は、「バックアップ」状態であると管理されている。また、ファイルサーバ装置20の記録手段21に保存されたままでバックアップ処理が行われていない「仕様書.doc」は、「オンライン」状態であると管理されている。このようにして、クライアント端末10の操作者は、現在、情報がファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されたままであるのか又は光ディスクチェンジャ装置40の光ディスク媒体2においてバックアップされているのかを容易に知ることができる。
【0034】
クライアント端末10において図6の画面が表示されることで、クライアント端末10の操作者は、「見積書.doc」及び「注文書.doc」が光ディスクチェンジャ装置40の光ディスクドライブ47にバックアップされ、ファイルサーバ装置20からは消去されたことを確認できる。ここで、クライアント端末10の操作者が、既にバックアップ処理された情報のうちの「見積書.doc」を光ディスクドライブ47から読み出したいとき、図6に示された「見積書.doc」の情報欄を選択(例えば、マウスなどでダブルクリック)する。クライアント端末10の操作者によるその選択操作の内容は光ディスクチェンジャ装置40に送信され、光ディスクチェンジャ装置40は、クライアント端末10の操作者に対して、選択された情報を読み出すか否かの確認を行うべく、図7に示すような確認メッセージをクライアント端末10に送信して表示させる。
【0035】
クライアント端末10の操作者は、画面上に表示された図7の確認メッセージを見て、情報を読み出すならば「OK」ボタンを選択(例えば、マウスなどでクリック)すると、情報を読み出す指示が光ディスクチェンジャ装置40に送信される。光ディスクチェンジャ装置40が有する復元処理手段46がその指示を受け取ると、復元処理手段46は、入出力制御手段43に対して、光ディスクドライブ47から当該情報を読み出して、ファイルサーバ装置20の記録手段21に書き込ませる復元処理を行う。このように、クライアント端末10の操作者は、ファイルサーバ装置20の記録手段21に記録させた情報が上記バックアップ処理によって光ディスクチェンジャ装置40の光ディスク媒体2においてバックアップされているとしても、情報の読み出し指示を与えるだけで、その情報がファイルサーバ装置20の記録手段21に復元されてアクセス可能になる。その結果、その情報の読み出しを高い転送速度で実施できる。
【0036】
<第2実施形態>
第2実施形態の光ディスクチェンジャシステムは、光ディスクチェンジャ装置がハードディスクドライブを有している点で、上記第1実施形態の光ディスクチェンジャシステムと異なっている。以下に第2実施形態の光ディスクチェンジャシステムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明及び図示を省略する。
【0037】
図8は、第2実施形態の光ディスクチェンジャ装置50の機能ブロック図である。
図8に示すように、光ディスクチェンジャ装置50は、クライアント端末10が接続されたLAN1に接続されている。また、本発明における、LAN1に接続された1以上の記憶装置のうちの所定の記憶装置として、記録手段21を有するファイルサーバ装置20が設けられている。光ディスクチェンジャ装置50は、光ディスク媒体2への情報の書き込み及び光ディスク媒体2からの情報の読み出しを行う光ディスクドライブ57と、磁気記録媒体61を有するハードディスクドライブ60とを備える。光ディスクドライブ57には、複数の光ディスク媒体2を収容する収容棚59と、光ディスクドライブ57と収容棚59との間で光ディスク媒体2を搬送する光ディスク搬送手段58とが併設されている。光ディスクドライブ57では、情報の書き込み及び読み出しを同時に複数枚の光ディスク媒体2に対して行うことはできないが、光ディスクチェンジャ装置50の制御部52は、光ディスク搬送手段58を用いて、光ディスクドライブ57と収容棚59との間で光ディスク媒体2の入れ換えを行うことができる。収容棚59には、多数の光ディスク媒体2を収容できるので、理論的には光ディスクドライブ57を用いて無限大の情報の保存を行うことができる。以上のように、本実施形態の光ディスクチェンジャ装置50は、情報の書き込み及び読み出しが比較的低速であるものの大量の情報の記録を行うことができる光ディスクドライブ57と、情報の書き込み及び読み出しが高速に行えるハードディスクドライブ60とを有している。
以上のように、光ディスクドライブ57は本発明の光ディスク記録手段に相当し、ハードディスクドライブ60は本発明のハードディスク記録手段に相当する。
【0038】
光ディスクチェンジャ装置50は、クライアント端末10が接続されるLAN1に接続するためのインタフェース51と制御部52とを備え、制御部52は、インタフェース51を介して行われるLAN1との間での情報の入出力を制御し、及び、光ディスクドライブ57とハードディスクドライブ60とに接続され、且つ、光ディスクドライブ57及びハードディスクドライブ60との間での情報の入出力を制御する入出力制御手段53を備えている。つまり、制御部52は、光ディスクドライブ57及び光ディスク搬送手段58とハードディスクドライブ60との動作を制御することで、光ディスク媒体2及び磁気記録媒体61への情報の書き込み、並びに、光ディスク媒体2及び磁気記録媒体61からの情報の読み出しを行える。
【0039】
また、制御部52が有する情報監視手段54は、上記第1実施形態と同様に、所定の記録手段(本実施形態では、ハードディスクドライブ60及びファイルサーバ装置20の記録手段21)に記録されている情報を所定のタイミングで監視する。具体的には、情報監視手段54は、LAN1に接続されていてアクセス可能な記録手段としてのファイルサーバ装置20の記録手段21及び光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に所定のタイミングでアクセスする。そして、情報監視手段54は、ファイルサーバ装置20の記録手段21及びハードディスクドライブ60に記録されている情報とバックアップされた情報との情報の一覧を作成して、光ディスクチェンジャ装置50内の半導体メモリの情報記憶領域(図示せず)又はハードディスクドライブ60に保存する。この情報の一覧は、クライアント端末10が光ディスクチェンジャ装置50に割り当てられたLAN1上の設定アドレス(例えば、IPアドレス)にアクセスするとクライアント端末10のウェブブラウザで表示される形式(例えば、html形式)で作成される。尚、情報監視手段54がLAN上のどの記録手段(本実施形態では、光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60)を監視するのかは、制御部52内の図示しない監視設定手段により光ディスクチェンジャ装置50内の情報記憶領域(図示せず)又はハードディスクドライブ60に設定されて保存されている。このように、クライアント端末10の操作者は、ウェブブラウザを用いて上記IPアドレスにアクセスすると、自身がファイルサーバ装置20の記録手段21及びハードディスクドライブ60に現在及び過去に記録した情報の一覧を確認できる。
【0040】
光ディスクチェンジャ装置50が有するバックアップ処理手段55は、情報監視手段54が作成した情報の一覧を参照できる。そして、バックアップ処理手段55は、情報監視手段54がハードディスクドライブ60又はファイルサーバ装置20にアクセスするタイミング或いは設定された所定のタイミングで、情報監視手段54による監視結果に基づいて、ハードディスクドライブ60及びファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報のバックアップ処理を行う。このバックアップ条件に関する情報は、光ディスクチェンジャ装置50内の情報記憶領域(図示せず)又はハードディスクドライブ60に設定されて保存されている。そして、本実施形態におけるバックアップ条件は、「ハードディスクドライブ60又はファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されてから設定期間以上結果していること」である。また、バックアップ処理手段55は、バックアップ処理が終了した情報をファイルサーバ装置20の記録手段21又はハードディスクドライブ60から消去させる。更に、バックアップ処理手段55は、バックアップ処理が終了した情報が光ディスクドライブ57によって特定の光ディスク媒体2に記録されていることを、上記情報の一覧に反映させる。
【0041】
以下に、光ディスクチェンジャ装置50が行うバックアップ処理について説明する。
図9は、クライアント端末10の表示画面例であり、クライアント端末10から、クライアント端末10自身のファイル構造(図9中では「マイコンピュータ」と記載されている)、ファイルサーバ装置20のファイル構造(図9中では「fileserver」と記載されている)、及び、光ディスクチェンジャ装置50のファイル構造(図9中では「changer」と記載されている)を見た状態である。クライアント端末10の操作者は、LAN1に接続されたファイルサーバ装置20の記録手段21にアクセスする権限、及び、光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ(図9中では「「HDD」と記載されている)60にアクセスする権限を有しているので、クライアント端末10からファイルサーバ装置20の記録手段21及び光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60へ、情報の書き込みを行うことができる。図9に示した例では、光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60にクライアント端末10の操作者自身の共有フォルダである「k−takaym」が作成されている。そして、クライアント端末10から3つの情報(「見積書.doc」、「注文書.doc」、「仕様書.doc」)の書き込み要求が行われた結果、それらの情報が光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60の「k−takaym」フォルダに記録されている。
【0042】
上述したように、光ディスクチェンジャ装置50の情報監視手段54は、ファイルサーバ装置20の記録手段21及び光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に記録されている情報を監視し、情報の一覧を作成する。
【0043】
図10は、光ディスクチェンジャ装置50のバックアップ処理手段55が行うバックアップ処理制御のフローチャートである。図10に示すように、工程#20においてバックアップ処理手段55は、情報監視手段54による監視結果に基づいて、ハードディスクドライブ60及びファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報、つまり、ファイルサーバ装置20の記録手段21又は光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に記録されてから設定期間以上経過している情報があるか否かを判定する。本実施形態では、光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60の「k−takaym」フォルダに記録されている「見積書.doc」、「注文書.doc」がそれに該当する。バックアップ処理手段55は、該当する情報がある場合(工程#20の「Yes」)には工程#22に移行し、該当する情報が無い場合(工程#20の「No」)にはこの処理の初めにリターンする。
【0044】
バックアップ処理手段55は、ファイルサーバ装置20の記録手段21又は光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に記録されてから設定期間以上経過している情報がある場合、工程#22に移行して、入出力制御手段53に対して、該当する情報をファイルサーバ装置20の記録手段21又は光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60から読み出させ、光ディスクドライブ57へ当該情報の書き込み要求を行わせる。その結果、ファイルサーバ装置20の記録手段21又は光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に記録されてから設定期間以上経過している情報は、光ディスクドライブ57の光ディスク媒体2に記録される。
【0045】
図11はクライアント端末10における表示画面例である。図11に示すように、光ディスクチェンジャ装置50の光ディスクドライブ(図11中では「DVDDRIVE」と記載されている)57には「k−takaym」フォルダが作成され、そのフォルダに「見積書.doc」、「注文書.doc」が記録される。但し、光ディスクドライブ57は、複数の光ディスク媒体2に記録している情報を管理しており、どの光ディスク媒体2に「k−takaym」フォルダが作成され、そのフォルダに「見積書.doc」、「注文書.doc」が記録されているかを管理している。
【0046】
次に、工程#24においてバックアップ処理手段55は、光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に対し、バックアップ処理が終了した情報を消去させる。図12は、クライアント端末10における表示画面例であり、図示するように、光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に作成されている「k−takaym」フォルダから、バックアップ処理が終了した「見積書.doc」、「注文書.doc」が消去され、「仕様書.doc」のみが残されている。
【0047】
その後、工程#26においてバックアップ処理手段55は、光ディスクチェンジャ装置50の情報記憶領域に保存されている情報の一覧に対して、バックアップ処理が終了した情報が光ディスクドライブ57に記録されていることを反映させる。クライアント端末10が光ディスクチェンジャ装置50に割り当てられたLAN1上の設定アドレス(IPアドレス http://aaa.bbb.cc.dd)に対してアクセスしたときに表示されるウェブブラウザの画面例は、第1実施形態の図6に示したものと同じである。図6に示したように、バックアップ処理が終了した「見積書.doc」及び「注文書.doc」は、「バックアップ」状態であると管理されている。また、光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に保存されたままでバックアップ処理が行われていない「仕様書.doc」は、「オンライン」状態であると管理されている。このようにして、クライアント端末10の操作者は、現在、情報がハードディスクドライブ60に記録されているのか又は光ディスク媒体2においてバックアップされているのかを容易に知ることができる。
【0048】
クライアント端末10において図6のような画面が表示されることで、クライアント端末10の操作者は、「見積書.doc」及び「注文書.doc」が光ディスクチェンジャ装置50の光ディスクドライブ57にバックアップされ、光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60からは消去されたことを確認できる。ここで、クライアント端末10の操作者が、既にバックアップ処理された情報のうちの「見積書.doc」を光ディスクドライブ57から読み出したいとき、図6に示された「見積書.doc」の情報欄を選択(例えば、マウスなどでダブルクリック)する。クライアント端末10の操作者によるその選択操作の内容は光ディスクチェンジャ装置50に送信され、光ディスクチェンジャ装置50は、クライアント端末10の操作者に対して、選択された情報を読み出すか否かの確認を行うべく、第1実施形態の図7に示したのと同様の確認メッセージをクライアント端末10に送信して表示させる。
【0049】
クライアント端末10の操作者は、画面上に表示された図7に示したような確認メッセージを見て、情報を読み出すならば「OK」ボタンを選択(例えば、マウスなどでクリック)すると、情報を読み出す指示が光ディスクチェンジャ装置50に送信される。光ディスクチェンジャ装置50が有する復元処理手段56がその指示を受け取ると、復元処理手段56は、入出力制御手段53に対して、光ディスクドライブ57から当該情報を読み出して、ハードディスクドライブ60に書き込ませる復元処理を行う。このように、クライアント端末10の操作者は、ハードディスクドライブ60に記録させた情報が光ディスクチェンジャ装置50の光ディスク媒体2においてバックアップされているとしても、情報の読み出し指示を与えるだけで、その情報がハードディスクドライブ60に復元されてアクセス可能になる。その結果、その情報の読み出しを高い転送速度で実施できる。
【0050】
<別実施形態>
<1>
上記第1実施形態及び第2実施形態において、バックアップ処理手段45,55は、クライアント端末10の操作者が、情報のバックアップ処理が終了したことを確認できるように、図6に例示した情報の一覧に対して、バックアップ処理が終了した情報が光ディスクドライブ45,55に記録されていることを反映させていたが、情報のバックアップ処理が終了したことを他の方法で確認させるようにしてもよい。
【0051】
例えば、バックアップ処理手段45,55が、バックアップ処理が終了した情報が元々記録されていた場所(例えば、フォルダ内)に、バックアップ先(つまり情報の移動先)に関する情報としてバックアップ処理後の情報へのリンクが設定された情報を作成して保存させるようにしてもよい。例えば、図13に示すように、バックアップ処理手段45,55が、ファイルサーバ装置20の記録手段21に作成されている「k−takaym」フォルダに、「見積書.doc」及び「注文書.doc」のインターネットショートカットファイルを作成して保存させる。その結果、クライアント端末10の操作者は、過去に自分がファイルサーバ装置20の記録手段21に記録した情報が、光ディスクチェンジャ装置40,50によって自動的にバックアップ処理されて消去されていたとしても、上記ショートカットファイルにアクセスすることで、バックアップ処理後の情報(つまり、光ディスクチェンジャ装置40,50の光ディスクドライブ47,57にバックアップされた情報)にアクセス可能となる。
また、インターネットショートカットファイルがアクセスされた場合、図7を参照して上述したような復元処理を行えるようにしてもよい。サイズの大きな情報を光ディスクドライブ47,57から読み出すと、ネットワークのタイムアウトで読み出せない場合があるが、上述した復元処理により確実に情報を読み出すことができる。
【0052】
<2>
上記実施形態では、LANに対してクライアント端末、光ディスクチェンジャ装置及びファイルサーバ装置が1台ずつ接続された例について説明したが、LANに接続されるクライアント端末、光ディスクチェンジャ装置及びファイルサーバ装置の数には制限はない。例えば、図14は、LANに対してクライアント端末、光ディスクチェンジャ装置及びファイルサーバ装置が複数台ずつ接続された光ディスクチェンジャシステムである。但し、光ディスクチェンジャ装置40の装置構成と光ディスクチェンジャ装置50の装置構成は、上記第1実施形態及び第2実施形態で説明したのと同様である。
【0053】
このシステムには、複数の情報監視手段44、54が設けられていることになるが、ファイルサーバ装置20、30の記録手段21、31及び光ディスクチェンジャ装置50のハードディスドライブ60に記録されている情報を、各情報監視手段44、54が分担して監視すればよい。例えば、情報監視手段44がファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されている情報を監視し、情報監視手段54がファイルサーバ装置30の記録手段31及び光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に記録されている情報を監視するようにしてもよい。そして、上述したのと同様にして、情報監視手段44が監視した情報の一覧がバックアップ処理手段45に参照されて情報のバックアップ処理が行われ、情報監視手段54が監視した情報の一覧がバックアップ処理手段55に参照されて情報のバックアップ処理が行われる。
【0054】
或いは、記録手段21及びハードディスクドライブ60を複数の記録領域に分けて考え、複数の情報監視手段44,54がそれぞれの記録領域に記録されている情報監視するようにしてもよい。例えば、情報監視手段44がファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されている情報を監視し、情報監視手段54が光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60に記録されている情報を監視する。そして、ファイルサーバ装置30の記録手段31に記録されている情報は、記録手段31の一部の記録領域に記録されている情報を情報監視手段44が監視し、記録手段31の残りの記録領域に記録されている情報を情報監視手段54が監視するようにする。これらの場合、個々の光ディスクチェンジャ装置40,50の情報記憶領域に、監視先の記録手段(光ディスクチェンジャ装置50のハードディスクドライブ60、ファイルサーバ装置20、30の記録手段21、31など)とそこでの記憶領域がどれであるのかが複数設定されて保存される。
【0055】
<3>
上記第2実施形態では、クライアント端末10がハードディスクドライブ60に情報を記録する例について説明したが、ファイルサーバ装置20の記録手段21に情報を記録してもよい。その場合であっても、光ディスクチェンジャ装置50の情報監視手段54がファイルサーバ装置20の記録手段21に記録されている情報とハードディスクドライブ60に記録されている情報の両方を監視するので、バックアップ処理手段55は、それらに記録されてから設定期間以上経過している情報のバックアップ処理を確実に行うことができる。
【0056】
<4>
上記実施形態では、本発明におけるLAN1上の設定された記憶装置としてファイルサーバ装置を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、LAN1上の記憶装置は、クライアント端末の記憶装置、LAN1に接続可能なハードディスク装置、他の光ディスクチェンジャ装置のハードディスクドライブ等、LAN1に接続される記憶装置であればよい。
【0057】
<5>
上記実施形態では、バックアップ条件の具体例として、記録手段(ハードディスクドライブやファイルサーバ装置の記録手段など)に記録されてから設定期間以上経過した情報であることを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、特定のファイル名が付いていること、特定の形式(画像など)であること、特定のファイル拡張子が付いていること、特定のファイル容量以上であること等をバックアップ条件するように構成してもよい。或いは、記録手段に記録されている情報の全てがバックアップ条件を満たすものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の光ディスクチェンジャシステムは、LANに接続された記録手段に記録されている情報をバックアップするために利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1実施形態の光ディスクチェンジャシステムの機能ブロック図
【図2】クライアント端末における表示画面例
【図3】バックアップ処理制御のフローチャート
【図4】クライアント端末における表示画面例
【図5】クライアント端末における表示画面例
【図6】クライアント端末における表示画面例
【図7】クライアント端末における表示画面例
【図8】第2実施形態の光ディスクチェンジャシステムの機能ブロック図
【図9】クライアント端末における表示画面例
【図10】バックアップ処理制御のフローチャート
【図11】クライアント端末における表示画面例
【図12】クライアント端末における表示画面例
【図13】クライアント端末における表示画面例
【図14】別実施形態の光ディスクチェンジャシステムの機能ブロック図
【符号の説明】
【0060】
1 LAN
2 光ディスク媒体
10 クライアント端末
20 ファイルサーバ装置(記憶装置)
21 記録手段
40 光ディスクチェンジャ装置
41 インタフェース
43 入出力制御手段
44 情報監視手段
45 バックアップ処理手段
46 復元処理手段
47 光ディスクドライブ(光ディスク記録手段)
48 光ディスク搬送手段
49 収容棚
50 光ディスクチェンジャ装置
53 入出力制御手段
54 情報監視手段
55 バックアップ処理手段
56 復元処理手段
57 光ディスクドライブ(光ディスク記録手段)
58 光ディスク搬送手段
59 収容棚
60 ハードディスクドライブ(ハードディスク記録手段)
61 磁気記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク媒体への情報の書き込み及び前記光ディスク媒体からの情報の読み出しを行う光ディスク記録手段と、複数の前記光ディスク媒体を収容する収容棚と、前記光ディスク記録手段と前記収容棚との間で前記光ディスク媒体を搬送する光ディスク搬送手段とを備える光ディスクチェンジャ装置であって、
LANに接続可能なインタフェースと、
前記LANとの間での情報の入出力を制御し、及び、前記光ディスク記録手段に接続され、且つ、前記光ディスク記録手段との間での情報の入出力を制御する入出力制御手段と、
所定の記録手段に記録されている情報を所定のタイミングで監視する情報監視手段と、
前記情報監視手段による監視結果に基づいて、前記記録手段に記録されている情報のうちのバックアップ条件を満たす情報を、前記入出力制御手段に対して前記記録手段から読み出させ且つ前記光ディスク記録手段へ当該情報の書き込み要求を行わせるバックアップ処理を行うバックアップ処理手段とを備える光ディスクチェンジャ装置。
【請求項2】
前記記録手段は、前記LANに接続された1以上の記憶装置のうちの所定の記憶装置が有する記録手段である請求項1記載の光ディスクチェンジャ装置。
【請求項3】
磁気記録媒体を有するハードディスク記録手段を有し、
前記入出力制御手段は、前記光ディスク記録手段と前記ハードディスク記録手段とに接続され、且つ、前記光ディスク記録手段と前記ハードディスク記録手段との間での情報の入出力を制御し、
前記記録手段は、前記ハードディスク記録手段及び前記LANに接続された1以上の記憶装置のうちの所定の記憶装置が有する記録手段の少なくとも1つである請求項1記載の光ディスクチェンジャ装置。
【請求項4】
前記情報監視手段は、前記クライアント端末が前記光ディスクチェンジャ装置自身に割り当てられた前記LAN上の設定アドレスにアクセスすると、前記記録手段に記録されている情報と前記記録手段からバックアップされた情報との情報の一覧を、前記クライアント端末のウェブブラウザで表示される形式で作成し、
前記バックアップ処理手段は、前記バックアップ処理が終了した情報を前記記録手段から消去させ、前記情報の一覧に対して、前記バックアップ処理が終了したことを反映させる請求項1〜3の何れか一項に記載の光ディスクチェンジャ装置。
【請求項5】
前記設定アドレスにアクセスした前記クライアント端末から、前記情報の一覧のうち前記バックアップ処理が終了した情報を読み出す指示を受け取ると、前記光ディスク記録手段から前記記録手段に当該情報を復元させる復元処理手段を備える請求項4記載の光ディスクチェンジャ装置。
【請求項6】
前記バックアップ処理手段は、前記バックアップ処理が終了した情報を前記記録手段から消去させ、前記バックアップ処理が終了した情報が記録されていた前記記録手段に当該情報のバックアップ先に関する情報を記録する請求項1〜5の何れか一項に記載の光ディスクチェンジャ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−272319(P2007−272319A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−94281(P2006−94281)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(597076200)クボタコンプス株式会社 (6)
【Fターム(参考)】