説明

光ディスク保護膜用組成物

【課題】耐擦傷性を損なわずに低粘度かつ基材侵食性の低い光ディスク保護膜用組成物を提供する。
【解決手段】本発明の光ディスク保護膜用組成物は、アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた保護膜用組成物であって、上記バインダー樹脂原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、上記希釈成分が、主鎖構造に環構造又は分岐炭素鎖構造の官能基を有するモノマーであることを特徴とする。希釈成分としては、単官能又は2官能の官能基を有するモノマーを用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護膜用樹脂組成物に関し、特に、コンパクトディスク(CD)、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)等の光ディスクの保護膜に用いられる保護膜用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の光ディスクにおいては、外装部材表面の擦傷を防止するため、外装部材の表面にコーティング処理が施されている。
【0003】
このようなコーティング用の材料としては、高い耐擦傷性を有する無機系の材料が有効であるが、無機系の材料は塗工液の粘度が高く、膜厚を薄くすることが困難であるという問題がある。
【0004】
この問題を解決するため、従来、溶剤の希釈によって塗工液の粘度を抑えることが行われているが、希釈溶液が基材を侵食することによって、種々の問題が生ずる。
【0005】
例えば、基材成分の溶出によりコーティング層の平坦性が低下し、透明性が損なわれる(マット調になる)。
【0006】
また、溶出した基材成分とコーティング材料が溶け合うことにより、耐擦傷性が低下する。
【0007】
その一方、上記問題への対処方法として溶剤の代わりに低粘度のアクリルモノマーを反応性希釈材として用い、低粘度コーティング用塗工液を調製することも考えられるが、その場合には、選択するモノマーによっては耐擦傷性が大きく低下する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−63549号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、耐擦傷性を損なわずに低粘度かつ基材侵食性の低い光ディスク保護膜用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意努力を重ねた結果、バインダー樹脂の希釈成分として主鎖構造に環構造又は分岐炭素鎖を有するモノマーを用いることで耐擦傷性を損なわずに光ディスク保護膜用組成物の粘度を低く抑えることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
かかる知見に基づいてなされた請求項1記載の発明は、アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた保護膜用組成物であって、上記バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、上記希釈成分が、主鎖構造に環構造又は分岐炭素鎖構造の官能基を有するモノマーであることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた光ディスク保護膜用組成物であって、上記バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、上記希釈成分が、主鎖構造に環構造又は分岐炭素鎖構造の官能基を有するモノマーであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、上記希釈成分が、単官能又は2官能の官能基を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3のいずれか1項記載の発明において、上記希釈成分の粘度が10mPa・s以上であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項記載の発明において、上記希釈成分の粘度が50mPa・s未満であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、上記希釈成分の粘度が20mPa・s未満であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2乃至6のいずれか1項記載の発明において、上記希釈成分の粘度が当該光ディスク保護膜用組成物の粘度より小さいことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項2乃至7のいずれか1項記載の発明において、上記光ディスク保護膜用組成物の粘度が20mPa・s以上100mPa・s未満であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項2乃至請求項8のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物の硬化により得られたことを特徴とする光ディスク用保護膜である。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の光ディスク用保護膜が基板の読取側の面上に設けられていることを特徴とする光ディスクである。
請求項11記載の発明は、アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた保護膜用組成物であって、上記バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、上記ベース成分は、粘度が100mPa・s未満のモノマーであり、上記耐擦傷性成分は、アクリル基数が3官能以上のモノマーであり、上記希釈成分が、主鎖構造に環構造を有し且つ分岐炭素鎖構造の官能基を有さないモノマーであり、当該組成物の粘度が20mPa・s以上100mPa・s未満であることを特徴とする保護膜用組成物である。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、上記耐擦傷性成分は、アクリル基数が4官能以上のモノマーであることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた光ディスク保護膜用組成物であって、上記バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、上記ベース成分は、粘度が100mPa・s未満のモノマーであり、上記耐擦傷性成分は、アクリル基数が3官能以上のモノマーであり、上記希釈成分が、主鎖構造に環構造の官能基を有し且つ分岐炭素鎖構造の官能基を有さないモノマーであり、当該組成物の粘度が20mPa・s以上100mPa・s未満であることを特徴とする光ディスク保護膜用組成物である。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、上記耐擦傷性成分は、アクリル基数が4官能以上のモノマーであることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項13又は14のいずれか1項記載の発明において、上記希釈成分が、単官能又は2官能の官能基を有することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項13乃至15のいずれか1項記載の発明において、上記希釈成分の粘度が10mPa・s以上であることを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項13乃至16のいずれか1項記載の発明において、上記希釈成分の粘度が50mPa・s未満であることを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の発明において、上記希釈成分の粘度が20mPa・s未満であることを特徴とする。
請求項19記載の発明は、請求項13乃至18のいずれか1項記載の発明において、上記希釈成分の粘度が当該光ディスク保護膜用組成物の粘度より小さいことを特徴とする。
請求項20記載の発明は、請求項13乃至請求項19のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物の硬化により得られたことを特徴とする光ディスク用保護膜である。
請求項21記載の発明は、請求項20記載の光ディスク用保護膜が基板の読取側の面上に設けられていることを特徴とする光ディスクである。
【0012】
本発明の場合、バインダーモノマーの希釈成分として、主鎖構造に環構造又は分岐炭素鎖構造の官能基を有するモノマーを用いることによって、硬化樹脂の骨格構造が剛直になるため、耐擦傷性を損なわずに保護膜用組成物の粘度を低く抑えることが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように本発明によれば、耐擦傷性を損なわずに光ディスク保護膜用組成物の粘度を低く抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の光ディスク保護膜用組成物の適用した光ディスクの例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る保護膜用組成物の最良の形態を詳細に説明する。
本発明の(光ディスク)保護膜用組成物は、アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させたものである。
【0016】
本発明においては、バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分を含有するバインダーモノマーが用いられる。
【0017】
ここで、ベース成分としては、種々のモノマーが用いられるが、無機系微粒子の分散加工性(分散作業性)の観点からは、できるだけ低粘度(100mPa・s未満)のものを用いることが好ましい。
【0018】
このようなモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(2)、ネオペンチルグリコールジアクリレート等があげられる。
【0019】
また、耐擦傷性成分としては、種々のモノマーが用いられるが、耐擦傷性を向上させる観点からは、アクリル基数が3官能以上のものを用いることが好ましい。
【0020】
このようなモノマーとしては、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリストールペンタおよびヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等があげられる。
【0021】
一方、本発明に用いる希釈成分は、主鎖構造に環構造の官能基を有するモノマーと、主鎖構造に分岐炭素鎖構造の官能基を有するモノマーである。
【0022】
ここで、主鎖構造の環構造は、例えばベンゼン環のような芳香環のほか、シクロアルカン等の脂環状の環構造も含まれる。
【0023】
一方、主鎖構造の分岐炭素鎖構造としては、例えば炭素−炭素単結合を有する鎖状炭化水素構造などがあげられる。
【0024】
また、本発明の場合、希釈成分の官能基の数は、単官能又は2官能のいずれも適用可能である。
【0025】
本発明の希釈成分として使用可能なもののうち、環構造の官能基を有するモノマーとしては、例えば、ジシクロペンテニルアクリレート(単官能)、アクリロイルモルフォリン(単官能)等があげられる。
【0026】
また、分岐炭素構造の官能基を有するモノマーとしては、例えば、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA:2官能)等があげられる。
【0027】
本発明の場合、希釈成分の粘度(本明細書では平均粘度をいう。)は特に限定されることはないが、組成物の粘度を抑制することにより光ディスク基板表面への塗工性の向上を図る観点からは、当該組成物の粘度より小さいことが好ましく、具体的には、10m・Pa以上50m・Pa未満とすることが好ましく、より好ましくは、10m・Pa以上20m・Pa未満である。
【0028】
他方、希釈成分が、単官能の官能基を有するモノマーであり、かつ、当該希釈成分の粘度が10m・Pa以上のものである場合には、被侵食性の高い基材に対して有効な保護膜用組成物を得ることができる。
【0029】
本発明の場合、バインダーモノマーの、ベース成分、耐擦傷性成分及び希釈成分の配合比は特に限定されることはないが、光ディスク用の耐擦傷性コーティングとして必要十分な耐擦傷性を付与する観点からは、70:5:25〜60:20:20とすることが好ましい。
【0030】
そして、このような本発明の光ディスク保護膜用組成物の粘度は、光ディスク基板表面への塗工性の向上を図る観点から、20mPa・s以上100mPa・s未満とすることが好ましい。
【0031】
本発明の場合、無機系微粒子としては、例えば、コロイダルシリカ(SiO2)やコロイダルアルミナ(Al23)等の種々の無機系微粒子を用いることができる。
【0032】
この無機系微粒子の粒径は、特に限定されることはないが、分散性及び光透過性の観点からは、10〜30nmのものを用いることが好ましい。
【0033】
また、無機系微粒子の配合量は、特に限定されることはないが、耐擦傷性付与の観点からは、15〜30重量%とすることが好ましい。
【0034】
なお、本発明の光ディスク保護膜用組成物には、光重合開始剤のほか、他の成分として、紫外線吸収剤、表面張力調整剤等を含ませることも可能である。
【0035】
図1は、本発明の光ディスク保護膜用組成物の適用した光ディスクの例を示す概略構成図である。
【0036】
図1に示すように、本発明の光ディスク1は、通常の構成を有するもので、ポリカーボネートからなる円盤状の基板2上に、記録パターン2a、反射膜3及び保護膜4が形成されている。
【0037】
さらに、本発明の場合は、基板2の読取側の面20上に、上述した光ディスク保護膜用組成物を硬化させた光ディスク用保護膜5が設けられている。
【0038】
本発明の場合、この光ディスク用保護膜5の厚さは特に限定されることはないが、耐擦傷性及び光透過性確保の観点からは、1〜5μmとすることが好ましい。
【0039】
なお、本発明は光ディスク用のみならず、種々の保護膜用組成物に適用することができる。ただし、光ディスク保護膜用組成物に適用した場合に最も有効となるものである。
【実施例1】
【0040】
以下、本発明の実施例を比較例とともに詳細に説明する。
<実施例1>
ベース成分として、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA−N ダイセルUCB社製)25重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDODA ダイセルUCB社製)15重量部、ネオペンチルグリコールジアクリレート(カヤラッド NPGDA 日本化薬社製)15重量部、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(2)(カヤラッド DPCA−30 日本化薬社製)5重量部の混合液に、コロイダルシリカ(ナノテック シーアイ化成社製)15重量部を分散させた。
【0041】
そして、この分散液に、耐擦傷性成分として、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(SR−368 化薬サートマー社製)、ジペンタエリストールペンタおよびヘキサアクリレート(アロニックスM−400 東亞合成社製)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(SR−355 化薬サートマー社製)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295 化薬サートマー社製)のいずれかを5重量部と、希釈成分として、ジシクロペンテニルアクリレート(Laromer DPGDA BASF社製 粘度:10mPa・s)20重量部を添加した。
【0042】
また、光開始剤として、イルガキュア184とダロキュア1173(いずれもチバ・スペシャリティケミカルズ社製)をそれぞれ5重量部添加した。
【0043】
このようにして調製された塗工液の平均粘度を、コーンプレート式粘度計によって測定した。その結果を表1に示す。
【0044】
また、この塗工液を、射出成形によって形成された低分子量ポリカーボネート基板と、キャスト法によって形成された高分子量のポリカーボネート基板上に、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布した。
【0045】
そして、この塗布膜に対し、メタルハライドランプ(120W/cm)を用い、積算光量が300mJ/cmとなるように紫外線を照射した。
【0046】
このようにして硬化させた塗布膜の耐擦傷性の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0047】
ここでは、テーバー摩耗試験機(CS−10F摩耗輪、荷重250g、100回転)を用い、試験後のサンプルのΔhaze値が10%未満のものを○、試験後のサンプルのΔhaze値が10%以上のものを×とする。
【0048】
<実施例2>
希釈成分として、アクリロイルモルフォリン(ACMO 興人社製 粘度:12mPa・s)20重量部を添加した以外は実施例1と同様の方法によって塗布膜を形成し、耐擦傷性の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0049】
<比較例1>
希釈成分として、トリプロピレングリコールジアクリレート(TRPGDA ダイセルUCB社製 粘度:8mPa・s)20重量部を添加した以外は実施例1と同様の方法によって塗布膜を形成し、耐擦傷性の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0050】
<比較例2>
希釈成分として、1,4ブタンジオールジアクリレート(Laromer BDDA BASF社製 粘度:5mPa・s)20重量部を添加した以外は実施例1と同様の方法によって塗布膜を形成し、耐擦傷性の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0051】
<比較例3>
希釈成分として、イソボニルアクリレート(IBOA ダイセルUCB社製 粘度:4mPa・s)20重量部を添加した以外は実施例1と同様の方法によって塗布膜を形成し、耐擦傷性の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
〔評価結果〕
表1に示すように、実施例1、実施例2は、塗工液の粘度が50mPa・s未満であった。また、硬化後の塗布膜については、低分子ポリカーボネート、高分子ポリカーボネートともに耐擦傷性が良好で、またモノマーによる侵食も生じなかった。
【0055】
一方、バインダーモノマーの希釈成分が、主鎖構造に環構造及び分岐炭素鎖構造の官能基をいずれも有しない比較例1及び比較例2の塗布膜は、低分子ポリカーボネート基材においてモノマーによる侵食が生じた。
【0056】
一方、バインダーモノマーの希釈成分が、主鎖構造に環構造及び分岐炭素鎖構造の官能基をいずれも有する比較例3の塗布膜は、低分子ポリカーボネート基材における耐擦傷性が劣っていた。
【符号の説明】
【0057】
1…光ディスク 2…基板 5…光ディスク用保護膜 20…読取側の面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた保護膜用組成物であって、
上記バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、
上記希釈成分が、主鎖構造に環構造又は分岐炭素鎖構造の官能基を有するモノマーであることを特徴とする保護膜用組成物。
【請求項2】
アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた光ディスク保護膜用組成物であって、
上記バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、
上記希釈成分が、主鎖構造に環構造又は分岐炭素鎖構造の官能基を有するモノマーであることを特徴とする光ディスク保護膜用組成物。
【請求項3】
上記希釈成分が、単官能又は2官能の官能基を有することを特徴とする請求項2記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項4】
上記希釈成分の粘度が10mPa・s以上であることを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項5】
上記希釈成分の粘度が50mPa・s未満であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項6】
上記希釈成分の粘度が20mPa・s未満であることを特徴とする請求項5記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項7】
上記希釈成分の粘度が当該光ディスク保護膜用組成物の粘度より小さいことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項8】
上記光ディスク保護膜用組成物の粘度が20mPa・s以上100mPa・s未満であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項9】
請求項2乃至請求項8のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物の硬化により得られたことを特徴とする光ディスク用保護膜。
【請求項10】
請求項9記載の光ディスク用保護膜が基板の読取側の面上に設けられていることを特徴とする光ディスク。
【請求項11】
アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた保護膜用組成物であって、
上記バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、
上記ベース成分は、粘度が100mPa・s未満のモノマーであり、
上記耐擦傷性成分は、アクリル基数が3官能以上のモノマーであり、
上記希釈成分が、主鎖構造に環構造を有し且つ分岐炭素鎖構造の官能基を有さないモノマーであり、
当該組成物の粘度が20mPa・s以上100mPa・s未満であることを特徴とする保護膜用組成物。
【請求項12】
上記耐擦傷性成分は、アクリル基数が4官能以上のモノマーであることを特徴とする請求項11記載の保護膜用組成物。
【請求項13】
アクリルラジカル系のバインダー樹脂中に無機系微粒子を分散させた光ディスク保護膜用組成物であって、
上記バインダー樹脂の原料として、ベース成分と、耐擦傷性成分と、希釈成分とを含有するバインダーモノマーが用いられ、
上記ベース成分は、粘度が100mPa・s未満のモノマーであり、
上記耐擦傷性成分は、アクリル基数が3官能以上のモノマーであり、
上記希釈成分が、主鎖構造に環構造の官能基を有し且つ分岐炭素鎖構造の官能基を有さないモノマーであり、
当該組成物の粘度が20mPa・s以上100mPa・s未満であることを特徴とする光ディスク保護膜用組成物。
【請求項14】
上記耐擦傷性成分は、アクリル基数が4官能以上のモノマーであることを特徴とする請求項13記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項15】
上記希釈成分が、単官能又は2官能の官能基を有することを特徴とする請求項13又は14のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項16】
上記希釈成分の粘度が10mPa・s以上であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項17】
上記希釈成分の粘度が50mPa・s未満であることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項18】
上記希釈成分の粘度が20mPa・s未満であることを特徴とする請求項17記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項19】
上記希釈成分の粘度が当該光ディスク保護膜用組成物の粘度より小さいことを特徴とする請求項13乃至18のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物。
【請求項20】
請求項13乃至請求項19のいずれか1項記載の光ディスク保護膜用組成物の硬化により得られたことを特徴とする光ディスク用保護膜。
【請求項21】
請求項20記載の光ディスク用保護膜が基板の読取側の面上に設けられていることを特徴とする光ディスク。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−301713(P2009−301713A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227832(P2009−227832)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【分割の表示】特願2003−358772(P2003−358772)の分割
【原出願日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】