光ピックアップ、光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法、光情報装置、コンピュータ、映像記録再生装置、サーバー、カーナビゲーションシステム
【課題】光記録媒体の大容量化のために、光源から出射された光を散乱体に照射して発生する近接場光で光記録媒体に情報を記録及び再生する光ピックアップが提案されているが、光記録媒体の所望の位置に散乱体を位置制御する方法が提案されておらず、安定に記録及び再生を行うことができない。
【解決手段】第3の散乱体と第4の散乱体を第2の散乱体及び第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、第1の散乱体と第6の散乱体で挟むように配置し、第1の散乱体と第6の散乱体から得られる信号より第3の散乱体もしくは第4の散乱体と、光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、第2の散乱体と第5の散乱体から得られる信号より第3の散乱体もしくは第4の散乱体と、光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出する。
【解決手段】第3の散乱体と第4の散乱体を第2の散乱体及び第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、第1の散乱体と第6の散乱体で挟むように配置し、第1の散乱体と第6の散乱体から得られる信号より第3の散乱体もしくは第4の散乱体と、光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、第2の散乱体と第5の散乱体から得られる信号より第3の散乱体もしくは第4の散乱体と、光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクや光カードなどの光記録媒体に収束した光を照射することにより当該光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップ、当該光ピックアップを備える光情報装置、当該光情報装置を備えたコンピュータ、映像記録再生装置、サーバー、カーナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像や音声を初めとする各種の情報を記録する光記録媒体として、CDや DVD、あるいはBD(ブルーレイディスク)といった光ディスクが広く用いられている。このような光記録媒体を用いた光情報装置では、光記録媒体に光を照射して情報を記録または再生するため、情報の記録密度は光記録媒体に収束する光スポットの大きさに依存する。従って、光記録媒体の大容量化は、光ピックアップにより照射される光スポットを小さくすることによって実現できる。しかし、従来では、光を回折限界以上に絞ることができないため、使用する波長やレンズの開口数により光記録媒体の記録密度が制限される。そこで、光記録媒体の記録密度をさらに増やすためには従来の回折限界によるスポットを用いた方式とは異なる方式が必要になる。
【0003】
ここで、プラズモンとは、金属などにおける自由電子の振動量子であり、たとえば、ナノスケールの微小金属(金属ナノ構造体)に光を照射することにより、金属中の自由電子に集団振動を発生させ、プラズモンを励起させることができる。このようにプラズモンを励起させることにより、局所的に増強された強い電磁場を得ることができるため、このエネルギーを利用した各種の応用が期待されている。その応用例として、光による超高密度な記録、または、再生を実現する目的で、微小金属体に光を入射して局在プラズモンを励起し、前記微小金属体近傍の光電場を局所的に増強し、その光(近接場光)を用いることにより、回折限界を超えたナノメートルオーダーの微小領域に情報の記録を行う技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
図16は、従来の光ピックアップの構成を示す図である。図16a、bにおいて、161は情報記録媒体である光ディスク、162は光源、163は光源162の放射光LBを透過するプリズム、164はLBの入射により近接場光NLを発生する共鳴素子である。光源162には放熱材165が固定され光源162で発生した熱を放熱する。また、166は光ディスク161からの再生光を検出する検出素子である。光源162、プリズム163、散乱体164、放熱材165及び検出素子166はスライダ167により保持されており、スライダ167はサスペンション168により光ディスク161と散乱体164の距離が一定になるように保持されている。
【0005】
情報の記録は、散乱体164により発生する近接場光NLのよって相変化材料である光ディスク161の結晶相をアモルファス相に変化させることにより記録マークを形成する。一方、情報の再生は、近接場光NLが光ディスク161により散乱される割合が記録マークの有無により変化するので、光ディスク161にから戻ってくる散乱光の強度変化を検出して行う。
【0006】
特許文献1によると、光源162、プリズム163、散乱体164、放熱材165及び検出素子166はスライダ167に保持されて、いわゆる近接場光プローブスライダを構成するので、きわめて小型化を図った上で、光ディスク161に近接場光NLを用いて高密度に情報を記録または再生する近接場光ヘッド装置を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/111304号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、1つの光源から出射される光を1つの散乱体に入射させて記録及び再生を行っているが、このような構成では記録材料の選定が非常に困難となる。ここで、記録を行う場合、散乱体と相変化材料との共鳴状態が結晶相及びアモルファス相に限らず同様に起こり、同様の近接場光が発生し記録に寄与することが望ましく、また、再生では散乱体と相変化材料との共鳴状態が結晶相及びアモルファス相で異なることで、近接場光の発生がかわり、光ディスクから戻ってくる光が変化することが望ましい。このために、1つの光源から出射される光を1つの散乱体に入射させて記録及び再生を行うことは非常に困難で、これが可能となる相変化材料の選定が困難となる。また、従来の構成では、散乱体と光ディスクの距離をサスペンションで一定になるように保持しているが、外乱があった場合に一定距離を保つことが困難である。さらに、光ディスクの情報が記録されている所望の位置に光ピックアップを制御するための検出については何ら述べられておらず、散乱体を所望の位置に制御して記録及び再生を行うことができないという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、光記録媒体の所望の位置に近接場光で記録及び再生を安定に行うことができる光ピックアップを提供することを目的とする。また、この光ピックアップを用いることにより高密度の光記録媒体に対応した光情報装置、コンピュータ、映像記録再生装置、サーバー、カーナビゲーションシステムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の光ピックアップは、第1の光源と、前記第1の光源と波長が異なる第2の光源と、基板と、前記基板上に設けられた第1の散乱体と、前記基板上に設けられた第2の散乱体と、前記基板上に設けられた第3の散乱体と、前記基板上に設けられた第4の散乱体と、前記基板上に設けられた第5の散乱体と、前記基板上に設けられた第6の散乱体と、前記第1の光源から出射された光を前記第1の散乱体、前記第2の散乱体、前記第3の散乱体、前記第5の散乱体、前記第6の散乱体に導く前記基板上に設けられた第1の導波路と、前記第2の光源から出射された光を前記第4の散乱体に導く前記基板上に設けられた第2の導波路と、前記第1の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第1の受光部と、前記第2の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第2の受光部と、前記第3の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第3の受光部と、前記第5の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第4の受光部と、前記第6の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第5の受光部と、を有し、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップであって、前記第3の散乱体と前記第4の散乱体を前記第2の散乱体及び前記第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体で挟むように配置し、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体から得られる信号より前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、前記第2の散乱体と前記第5の散乱体から得られる信号より前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出することを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0011】
上記光ピックアップでは、前記第1から第6の散乱体は前記基板の端面に配置されていることが好ましい。これにより、散乱体を蒸着等の従来の成膜で形成することができる。
【0012】
上記光ピックアップでは、前記基板の端面に凹部と凸部が存在し、前記凹部には前記第3の散乱体もしくは前記第5の散乱体のどちらか一方が存在し、前記凸部には前記第3の散乱体もしくは前記第5の散乱体のどちらか一方が配置されていることが好ましい。これにより、第3の散乱体及び第4の散乱体のトラッキング方向の位置制御において、どちらの場合もオフセットを与えずに行うことができるので記録または再生時のトラッキング制御が容易になる。
【0013】
上記光ピックアップでは、前記基板の端面に対して前記凹部は前記光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有し、前記基板の端面に対して前記凸部は前記光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有していることが好ましい。これにより、トラッキングエラー信号の振幅が制御できるのに十分な大きさになるので、制御性能が安定になる。
【0014】
上記光ピックアップでは、前記基板の端面が一平面であることが好ましい。これにより、端面処理が不要なので光ピックアップの作製が容易になる。
【0015】
上記光ピックアップでは、前記基板内に前記第1から第6の散乱体が配置されていることが好ましい。これにより、基板内部に散乱体を設けるので、基板端面の処理が不要となり、光ピックアップの作製が容易になる。
【0016】
上記光ピックアップでは、前記第1から第6の散乱体は、金、銀、銅、チタン、アルミ、クロムのどれかで構成されていることが好ましい。これにより、プラズモン共鳴による近接場光の発生が容易になる。
【0017】
上記光ピックアップでは、前記第1から第6の散乱体は、三角形、長方形、菱形のいずれかの形状であることが好ましい。これにより、プラズモン共鳴による近接場光の発生が容易になる。
【0018】
前記従来の課題を解決するために、本発明の光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法は、第1の光源と、前記第1の光源と波長が異なる第2の光源と、基板と、前記基板上に設けられた第1の散乱体と、前記基板上に設けられた第2の散乱体と、前記基板上に設けられた第3の散乱体と、前記基板上に設けられた第4の散乱体と、前記基板上に設けられた第5の散乱体と、前記基板上に設けられた第6の散乱体と、前記第1の光源から出射された光を前記第1の散乱体、前記第2の散乱体、前記第3の散乱体、前記第5の散乱体、前記第6の散乱体に導く前記基板上に設けられた第1の導波路と、前記第2の光源から出射された光を前記第4の散乱体に導く前記基板上に設けられた第2の導波路と、前記第1の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第1の受光部と、前記第2の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第2の受光部と、前記第3の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第3の受光部と、前記第5の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第4の受光部と、前記第6の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第5の受光部と、を有し、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法であって、前記第3の散乱体と前記第4の散乱体を前記第2の散乱体及び前記第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体で挟むように配置し、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体から得られる信号より前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、前記第2の散乱体と前記第5の散乱体から得られる信号より前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出することを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0019】
前記従来の課題を解決するために、本発明の光情報装置は、請求項1から8のいずれかに記載の光ピックアップと、光記録媒体を回転させるモータと、前記光ピックアップから得られる信号に基づいて、前記モータ及び前記光ピックアップを制御する制御部とを備えることを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0020】
前記従来の課題を解決するために、本発明のコンピュータは、請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0021】
前記従来の課題を解決するために、本発明の映像記録再生装置は、請求項10に記載の光情報装置を備え、光記録媒体に映像を記録し、および再生することを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0022】
前記従来の課題を解決するために、本発明のサーバーは、請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0023】
前記従来の課題を解決するために、本発明のカーナビゲーションシステムは、請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の光ピックアップによれば、フォーカス及びトラッキングを制御する信号を検出でき、記録及び再生で異なる波長の光を用いるので、光記録媒体の所望の位置に近接場光で記録及び再生を安定に行うことができる。また、光記録媒体の記録材料の選定が容易になる。また、記録時も再生用の光を使ってフォーカス及びトラッキングを制御する信号を検出するので、制御信号を検出する光で記録することはなく安定した記録を行うことができる。また、導波路を用いた集積光ピックアップであるので、小型軽量であり、アクセススピードを速くすることができる。また、フォーカス制御が可能であるので光記録媒体を傷つける可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1における光ピックアップの構成図
【図2】本発明の実施の形態1における光ピックアップと光記録媒体の位置関係を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における第1の金属アンテナ4と光記録媒体20の記録材料の微粒子30の模式図
【図4】本発明の実施の形態1における金属アンテナと光記録媒体のトラックとの位置関係を示す図
【図5】(a)は、第2及び第5の金属アンテナ5及び8のトラックからの距離に対する近接場光強度の変化を示すグラフ、(b)は、第2及び第5の金属アンテナ5及び8を第3の金属アンテナに対してそれぞれトラックに垂直な方向(図1のz軸方向)に、トラックピッチTpの4分の1だけ離して設置したときの、第2の受光部13からの検出信号te1と第4の受光部15からの検出信号te2の変化を示すグラフ、(c)はte1とte2の差としてのトラッキング信号TEの変化を示すグラフ
【図6】光ピックアップと光記録媒体20とのエアギャップの間隔と、金属アンテナからの反射光量との関係を示すグラフ
【図7】ギャップ間隔に対するフォーカスエラー信号の変化を示すグラフ
【図8】本発明の実施の形態1における別構成の光ピックアップの構成図
【図9】本発明の実施の形態2における光ピックアップの構成図
【図10】本発明の実施の形態2における金属アンテナと光記録媒体のトラックとの位置関係を示す図
【図11】本発明の実施の形態3における光情報装置の構成図
【図12】本発明の実施の形態4におけるコンピュータの構成図
【図13】本発明の実施の形態5における光ディスクレコーダの構成図
【図14】本発明の実施の形態6におけるサーバーの構成図
【図15】本発明の実施の形態7におけるカーナビゲーションシステムの構成図
【図16】従来の光ピックアップの構成図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ピックアップ17の構成図である。
【0028】
図1において、1は基板、2は第1の光源、3は第2の光源、4は第1の金属アンテナ、5は第2の金属アンテナ、6は第3の金属アンテナ、7は第4の金属アンテナ、8は第5の金属アンテナ、9は第6の金属アンテナ、10は第1の導波路、11は第2の導波路、12は第1の受光部、13は第2の受光部、14は第3の受光部、15は第4の受光部、16は第5の受光部である。また、図2は図1に示した光ピックアップを用いて情報が記録または再生される相変化材料で構成された微粒子が列状に配置されたトラックを有している光記録媒体20から情報を再生している状態を図1のz方向から見た模式図であり、光記録媒体20と光ピックアップ17はy軸方向に、あるギャップ間隔だけ離れている。また、トラックはz方向に並んでおり、第1、第3、第4、第6の金属アンテナ4、6、7、9はトラックに対して平行な直線上に並んでいる。ここで、散乱体は金属アンテナで構成されている。
【0029】
ここで、基板1は例えばシリコン基板であり、第1の光源2は、例えば波長が780nmの半導体レーザー素子で構成され、光記録媒体20に対し、再生用のコヒーレント光を出力する光源である。第2の光源3は、例えば波長が405nmの半導体レーザー素子で構成され、光記録媒体20に対し、記録用のコヒーレント光を出力する光源である。第1から第6の金属アンテナ4から9は金で形成され、三角形形状を有している。第1の導波路10はシリコン基板を酸化させた二酸化ケイ素で構成されており、第1の光源2から出射された光を第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に光を導く5分岐の導波路である。第2の導波路11はシリコン基板を酸化させた二酸化ケイ素で構成されており、第2の光源3から出射された光を分岐することなく第4の金属アンテナ7に光を導く導波路である。第1から第5の受光部12から16はシリコン基板上に形成され、光を受光して電気信号に変換する素子であり、第1の金属アンテナ4から戻ってくる光を第1の受光部12で受光し、第2の金属アンテナ5から戻ってくる光を第2の受光部13で受光し、第3の金属アンテナ6から戻ってくる光を第3の受光部14で受光し、第5の金属アンテナ8から戻ってくる光を第4の受光部15で受光し、第6の金属アンテナ9から戻ってくる光を第5の受光部16で受光する。
【0030】
このように構成された光ピックアップの動作について説明する。
【0031】
光記録媒体20から情報を再生する場合、第1の光源2はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第1の導波路10を通って、第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に導かれる。各金属アンテナは光記録媒体20の微粒子と共鳴状態になりプラズモン共鳴が励起され、この状態で発生した反射光が第1の導波路10を通って第1の光源2側に戻ってくる。第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9から戻ってくる光は第1の導波路から分岐されてそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5の受光部12、13、14、15、16に導かれ、受光された光は電気信号に変換される。ここで、後で詳細に述べるが、第2及び第5の金属アンテナ5及び8から戻ってきた光を受光して得られる第2及び第4の受光部13及び15からの電気信号を用いて光の照射位置を示すトラッキングエラー信号を検出し、第1及び第6の金属アンテナ4及び9から戻ってきた光を受光して得られる第1及び第5の受光部12及び16からの電気信号を用いて、光記録媒体20と金属アンテナとのギャップ状態を示すフォーカスエラー信号を検出する。図示しないフォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号に基づき、再生を行う金属アンテナである第3の金属アンテナ6と光記録媒体20のy軸方向の距離を常に一定になるように、光記録媒体20と光ピックアップのy軸方向の位置を制御する。また、図示していないトラッキング制御手段はトラッキングエラー信号に基づき、再生を行う金属アンテナである第3の金属アンテナ6を光記録媒体20上の所望のトラックに位置するようにその位置を制御する。また、第3の金属アンテナ6から戻ってきた光を受光して得られる第3の受光部14からの電気信号を用いて、光記録媒体20に記録された情報を再生する再生信号を得る。
【0032】
また、光記録媒体20に情報を記録する場合は、再生と同様に、第1の光源2はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第1の導波路10を通って、第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に導かれる。各金属アンテナは光記録媒体20の微粒子と共鳴状態になりプラズモン共鳴が励起され、この状態で発生した反射光が第1の導波路10を通って第1の光源2側に戻ってくる。第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9から戻ってくる光は第1の導波路から分岐されてそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5の受光部12、13、14、15、16に導かれ、受光された光は電気信号に変換される。ここで、後で詳細に述べるが、第2及び第5の金属アンテナ5及び8から戻ってきた光を受光して得られる第2及び第4の受光部13及び15からの電気信号を用いて光の照射位置を示すトラッキングエラー信号を検出し、第1及び第6の金属アンテナ4及び9から戻ってきた光を受光して得られる第1及び第5の受光部12及び16からの電気信号を用いて光記録媒体20と金属アンテナとのギャップ状態を示すフォーカスエラー信号を検出する。図示しないフォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号に基づき、記録を行う金属アンテナである第4の金属アンテナ7と光記録媒体20のy軸方向の距離を常に一定になるように、光記録媒体20と光ピックアップのy軸方向の位置を制御する。また、図示していないトラッキング制御手段はトラッキングエラー信号に基づき、記録を行う金属アンテナである第4の金属アンテナ7を光記録媒体20上の所望のトラックに位置するようにその位置を制御する。また、第2の光源3はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第2の導波路11を通って、第4の金属アンテナ7に導かれ、この金属アンテナと光記録媒体20の微粒子との共鳴によりプラズモン共鳴が励起され強い近接場光が発生し、光記録媒体20に情報を記録する。
【0033】
金属アンテナについて、詳細に述べる。図3に第1の金属アンテナ4と光記録媒体20の記録材料の微粒子30の模式図を示す。図3に示したように第1の金属アンテナ4は金の三角形形状になっている。図3において、第1の金属アンテナ4は三角形の頂点が微粒子30表面にもっとも近接するように配置されており、プラズモン共鳴が励起されることにより三角形の頂点近傍に強い近接場光を発生する。非特許文献1(Confined plasmons in nanofabricated single silver particle pairs: experimental observations of strong interparticle interactions, L. Gunnarsson et. al., J. Phys. Chem. B, 2005, 109, 1079−1087)によると、2つの金属粒子間の相互作用は金属粒子間の距離が数十nm以下であるときに顕著に現れ、数nmでさらに顕著になる。つまり、金属アンテナと微粒子30表面との距離は数十nm以下であることが好ましく、数nmであることがより好ましい。なお、図3では特に図示していないが、第2から第6の金属アンテナ5から9についても第1の金属アンテナ4と同様に配置され、三角形の頂点近傍に強い近接場を発生する。
【0034】
次に、トラッキングエラー信号検出について詳細に述べる。上記したようにトラッキングエラー信号検出には第2及び第5の金属アンテナ5及び8を使用する。まず、図4に光記録媒体20のトラックに対する各金属アンテナの位置関係を示す。第1、第3、第4、第6の金属アンテナ4、6、7、9はトラックに対して平行な直線上に配置されている。図5aは第2及び第5の金属アンテナ5及び8のトラックからの距離に対する近接場光強度の変化を示している。一般に、プラズモン共鳴の共鳴条件は共鳴素子の周囲の媒質の誘電率に大きく依存する。そのため、第2及び第5の金属アンテナ5及び8の形状を、第1の光源2の光の周波数に対して微粒子30上にてプラズモン共鳴条件が満たされるように設計すれば、発生する近接場光強度は図5aのようにトラック位置で最大となり、トラック位置からの距離がトラック周期の半分となる位置で最小となる。次に、図5bは第2及び第5の金属アンテナ5及び8を第3の金属アンテナ6に対してそれぞれトラックに垂直な方向(図1のz軸方向)に、トラックピッチTpの4分の1だけ離して設置したときの、第2の受光部13からの検出信号te1と第4の受光部15からの検出信号te2の変化を示している。また、図5cはte1とte2の差としてのトラッキング信号TEの変化を示すグラフである。このように、第2及び第5の金属アンテナ5及び8を再生及び記録を行うアンテナである第3及び第4の金属アンテナ6及び7に対してそれぞれトラックに垂直な方向に、トラックピッチTpの4分の1だけ離して設置しているため、検出信号te1とte2の差を最大とすることができ、高精度なトラッキング信号を得ることができる。この状態は、図1に示したように第2の金属アンテナ5のz方向の位置及び第5の金属アンテナ8のz方向の位置が再生に用いる第3の金属アンテナ6と記録に用いる第4の金属アンテナ7のz方向の位置に対してずれていることで対応している。ここで、第2及び第5の金属アンテナ5及び8を再生及び記録を行うアンテナである第3及び第4の金属アンテナ6及び7に対してそれぞれトラックに垂直な方向に、トラックピッチTpの4分の1が望ましいが、8分の1から8分の3であればトラッキングエラー信号の振幅は問題ないレベルになる。また、第2の金属アンテナ5のx方向の位置及び第5の金属アンテナ8のx方向の位置の中間位置が第3の金属アンテナ6と第4の金属アンテナ7のx方向の中間位置と一致するように構成されている。これにより、得られたトラッキングエラー信号で第3の金属アンテナ6と第4の金属アンテナ7の両方の制御を安定に行うことができる。
【0035】
また、トラッキングエラー信号を検出するために、記録時及び再生時のどちらも再生に用いられる光で励起されたプラズモンによる近接場光を用いてトラッキングエラー信号を検出するので、トラッキングエラー信号を検出する近接場光で記録することはなく安定した記録を行うことができる。
【0036】
次に、フォーカスエラー信号検出について詳細に述べる。上記したようにフォーカスエラー信号検出には第1及び第6の金属アンテナ4及び9を使用する。ここで、金属アンテナが三角形状の場合、頂点から底辺までの距離を変えることであるギャップ間隔でプラズモン共鳴が最大になり、近接場光がもっとも強くすることができる。そこで、第1、第3、第6の金属アンテナ4、6、9の形状をそれぞれギャップ間隔a、ギャップ間隔b、ギャップ間隔cのときにプラズモン共鳴による近接場光が強く発生するような形状にする。このように決定された金属アンテナの構造において、図2における光ピックアップと光記録媒体20とのエアギャップの間隔を横軸に取り、金属アンテナからの反射光量を縦軸にとると、図6に示すグラフの関係となる。ここで、図6における曲線P1、曲線P2、および、曲線P3は、それぞれ、図1における第1の金属アンテナ4からの反射光の光量(P1)、第3の金属アンテナ6からの反射光の光量(P2)、第6の金属アンテナ9からの反射光の光量(P3)を示す。図6において、ギャップ間隔がa、b、cのときに、第1の金属アンテナ4、第3の金属アンテナ6、第6の金属アンテナ9においてプラズモン共鳴が起こり、近接光が強く発生するため、逆に、P1、P2、P3のそれぞれの曲線における反射光量は減少し、極小値を取る。ここで、第1の金属アンテナ4から反射される光は第1の受光部12で受光され、電気信号に変換され、第6の金属アンテナ9からの反射光は第5の受光部16で受光され、電気信号に変換される。これらの電気信号の差分を取ることで、ギャップ間隔に比例したフォーカスエラー信号が検出される。
【0037】
図7は、エアギャップと、フォーカスエラー信号の関係を示すグラフであり、ギャップ間隔に対しフォーカスエラー信号はS字曲線を描く。したがって、図7に示すように、ギャップ間隔がaからcの範囲において、ギャップ間隔gが第3の金属アンテナ6の最適なギャップ間隔bより小さい場合(a<g<b)ではギャップ間隔を広げるように、また、ギャップ間隔gが第3の金属アンテナ6の最適なギャップ間隔bより大きい場合(b<g<c)ではギャップ間隔を狭めるように、フィードバック制御をかければ、ギャップ間隔がbとなるように収束していく。
【0038】
ギャップ間隔がbに収束した場合、第3の金属アンテナ6においてプラズモン励起による近接場光が発生するため、第3の金属アンテナ6により光記録媒体20に対し、情報の再生を行うことが可能となる。また、第4の金属アンテナ7の形状もギャップ間隔bのときにプラズモン共鳴による近接場光が強く発生するような形状にする。このようにしておけば、ギャップ間隔がbに収束した場合、第4の金属アンテナ7により光記録媒体20に対し、情報の記録を行うことが可能となる。
【0039】
また、第1の金属アンテナ4のx方向の位置及び第6の金属アンテナ9のx方向の位置の中間位置が第3の金属アンテナ6と第4の金属アンテナ7のx方向の中間位置と一致するように構成されている。これにより、得られたフォーカスエラー信号で第3の金属アンテナ6と第4の金属アンテナ7の両方の制御を安定に行うことができる。
【0040】
また、フォーカスエラー信号を検出するために、記録時及び再生時のどちらも再生に用いられる光で励起されたプラズモンによる近接場光を用いてフォーカスエラー信号を検出するので、フォーカスエラー信号を検出する近接場光で記録することはなく安定した記録を行うことができる。
【0041】
さらに、円盤状の記録媒体を考えた場合、トラックは円周状になるので、トラッキングエラーを検出する第2及び第5の金属アンテナ5及び8の間隔が大きくなると第2及び第5の金属アンテナ5及び8のz方向の位置が、トラックに対してアンバランスになり、良好なトラッキングエラー信号が得られなくなる。そこで、図1に示したように再生及び記録を行う第3及び第4の金属アンテナ6及び7をトラッキングエラー信号を検出する第2及び第5の金属アンテナ5及び8で挟み、それらをフォーカスエラー信号を検出する第1及び第6の金属アンテナ4及び9で挟む配置にすることで、良好なトラッキング信号を得ることができる。
【0042】
本実施の形態によれば、再生と記録で光源を変え、再生に用いる光を5分岐させてトラッキングエラー信号の検出及びフォーカスエラー信号の検出を行うことで、光記録媒体の記録材料の選定を容易にし、また、記録時にトラッキングエラー信号検出及びフォーカスエラー信号検出を行うアンテナで記録してしまうことがない。
【0043】
また、記録用の光を分離してトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号を検出しないので、記録に用いる光の利用効率を高めることができ、記録に用いる光源の出力を小さくすることができる。
【0044】
さらに、再生及び記録を行う第3及び第4の金属アンテナ6及び7をトラッキングエラー信号を検出する第2及び第5の金属アンテナ5及び8で挟み、それらをフォーカスエラー信号を検出する第1及び第6の金属アンテナ4及び9で挟む配置にすることで、円盤状の光記録媒体に対しても良好なトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0045】
また、導波路構成で光ピックアップを小型、軽量化しているので、アクセススピードを高めることができる。
【0046】
また、本実施の形態では金属アンテナが基板の端面に形成されているが、図8に示すように基板内に形成しても何ら問題ない。これであれば、基板端面に段差をつける処理が不要で作製が容易になる。
【0047】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における光ピックアップを図面を参照して説明する。図9は、本発明の実施の形態2における光ピックアップの構成図である。本実施の形態が上記した実施の形態1と異なるのは、基板の端面形状が平面になっており、この平面に金属アンテナが配置されていることと、第1から第6の金属アンテナ4から9はトラックに対して斜めに配置されていることに関する点のみであり、それ以外は、実施の形態1と同様である。従って、本実施の形態において、特に説明のないものについては実施の形態1と同じとし、実施の形態1と同一符号を付与している構成部材については、特に説明のない限り、実施の形態1と同様の機能を持つものとする。
【0048】
このように構成された光ピックアップの動作について説明する。
【0049】
光記録媒体20から情報を再生する場合、第1の光源2はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第1の導波路10を通って、第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に導かれる。各金属アンテナは光記録媒体20の微粒子と共鳴状態になりプラズモン共鳴が励起され、この状態で発生した反射光が第1の導波路10を通って第1の光源2側に戻ってくる。第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9から戻ってくる光は第1の導波路から分岐されてそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5の受光部12、13、14、15、16に導かれ、受光された光は電気信号に変換される。ここで、後で詳細に述べるが、第2及び第5の金属アンテナ5及び8から戻ってきた光を受光して得られる第2及び第4の受光部13及び15からの電気信号を用いて光の照射位置を示すトラッキングエラー信号を検出し、第1及び第6の金属アンテナ4及び9から戻ってきた光を受光して得られる第1及び第5の受光部12及び16からの電気信号を用いて光記録媒体20と金属アンテナとのギャップ状態を示すフォーカスエラー信号を検出する。図示しないフォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号に基づき、再生を行う金属アンテナである第3の金属アンテナ6と光記録媒体20のy軸方向の距離を常に一定になるように、光記録媒体20と光ピックアップのy軸方向の位置を制御する。また、図示していないトラッキング制御手段はトラッキングエラー信号に基づき、再生を行う金属アンテナである第3の金属アンテナ6を光記録媒体20上の所望のトラックに位置するようにその位置を制御する。また、第3の金属アンテナ6から戻ってきた光を受光して得られる第3の受光部14からの電気信号を用いて、光記録媒体20に記録された情報を再生する再生信号を得る。
【0050】
また、光記録媒体20に情報を記録する場合は、再生と同様に、第1の光源2はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第1の導波路10を通って、第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に導かれる。各金属アンテナは光記録媒体20の微粒子と共鳴状態になりプラズモン共鳴が励起され、この状態で発生した反射光が第1の導波路10を通って第1の光源2側に戻ってくる。第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9から戻ってくる光は第1の導波路から分岐されてそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5の受光部12、13、14、15、16に導かれ、受光された光は電気信号に変換される。ここで、後で詳細に述べるが、第2及び第5の金属アンテナ5及び8から戻ってきた光を受光して得られる第2及び第4の受光部13及び15からの電気信号を用いて光の照射位置を示すトラッキングエラー信号を検出し、第1及び第6の金属アンテナ4及び9から戻ってきた光を受光して得られる第1及び第5の受光部12及び16からの電気信号を用いて光記録媒体20と金属アンテナとのギャップ状態を示すフォーカスエラー信号を検出する。図示しないフォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号に基づき、記録を行う金属アンテナである第4の金属アンテナ7と光記録媒体20のy軸方向の距離を常に一定になるように、光記録媒体20と光ピックアップのy軸方向の位置を制御する。また、図示していないトラッキング制御手段はトラッキングエラー信号に基づき、記録を行う金属アンテナである第4の金属アンテナ7を光記録媒体20上の所望のトラックに位置するようにその位置を制御する。また、第2の光源3はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第2の導波路11を通って、第4の金属アンテナ7に導かれ、この金属アンテナと光記録媒体20の微粒子との共鳴によりプラズモン共鳴が励起され強い近接場光が発生し、光記録媒体20に情報を記録する。
【0051】
まず、図10に光記録媒体20のトラックに対する各金属アンテナの位置関係を示す。第1から第6の金属アンテナ4から9は直線上に配置されており、この直線はトラックと交差している。このような状態でのトラッキングエラー信号の検出について述べる。第2及び第5の金属アンテナ5及び8は実施の形態1と同様にトラックに直交する方向にそれぞれトラックピッチのTpの4分の1だけ離して設置されているので図5cに示したのと同様のトラッキングエラー信号を検出できる。ただし、第2及び第5の金属アンテナ5及び8のx軸方向の位置の中間位置が第3及び第4の金属アンテナ6及び7のx軸方向の位置の中間位置に一致しているので、トラッキングエラー信号を0にすると第3及び第4の金属アンテナ6及び7のx軸方向の位置の中間位置がトラック上にくることになる。すなわち、再生を行う第3の金属アンテナ6及び記録を行う第4の金属アンテナ7はトラックに対してずれることになる。このずれ量は金属アンテナの配置より求めることができるので、再生を行う場合はトラッキングエラー信号が0からオフセットさせた値(+α)になるように制御を行い、記録を行う場合はトラッキングエラー信号が0からオフセットさせた値(−α)になるように制御を行う。これにより、再生時は第3の金属アンテナ6がトラック上にくるように制御でき、安定な再生を行うことができる。また、記録時は第4の金属アンテナ7がトラック上にくるように制御でき、安定な記録を行うことができる。
【0052】
ここで、第2及び第5の金属アンテナ5及び8を再生及び記録を行うアンテナである第3及び第4の金属アンテナ6及び7に対してそれぞれトラックに垂直な方向に、トラックピッチTpの4分の1が望ましいが、8分の1から8分の3であればトラッキングエラー信号の振幅は問題ないレベルになる。
【0053】
フォーカスエラー信号については実施の形態1で述べたのと同様であり、図7に示したフォーカスエラー信号を検出することができる。
【0054】
また、金属アンテナが配置されている端面が平面であるので、実施の形態1よりも作製が容易になる。
【0055】
本実施の形態によれば、再生と記録で光源を変え、再生に用いる光を5分岐させてトラッキングエラー信号検出及びフォーカスエラー信号検出することで、光記録媒体の記録材料の選定を容易にし、また、記録時にトラッキングエラー信号検出及びフォーカスエラー信号検出を行うアンテナで記録してしまうことがない。
【0056】
また、記録用の光を分離してトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号を検出しないので、記録に用いる光の利用効率を高めることができ、光源の出力を小さくすることができる。
【0057】
さらに、再生及び記録を行う第3及び第4の金属アンテナ6及び7をトラッキングエラー信号を検出する第2及び第5の金属アンテナ5及び8で挟み、それらをフォーカスエラー信号を検出する第1及び第6の金属アンテナ4及び9で挟む配置にすることで、円盤状の光記録媒体に対しても良好なトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0058】
また、導波路構成で光ピックアップを小型、軽量化しているので、アクセススピードを高めることができる。
【0059】
なお、本実施の形態では金属アンテナが基板端面に形成されているが、実施の形態1で述べたのと同様、基板内部に形成しても何ら問題はない。
【0060】
なお、上記の実施の形態1及び2では金属アンテナを金で構成しているが銀、銅、チタン、アルミ、クロムなどの金属で構成しても問題はない。また、すべての金属アンテナを同一金属で構成しているが、異なる材料で構成しても何ら問題はない。例えば、フォーカス用金属アンテナはその形状を変えることでプラズモン共鳴を起こすギャップ間隔を変えるために三角形の形状を変えているが金属を変えて構成すれば同じ形状にすることが可能である。
【0061】
また、上記の実施の形態1及び2では金属アンテナを三角形状にしているが、例えば、長方形、菱形などのプラズモン共鳴を起こす形状であればどのような形状でも問題はない。
【0062】
また、上記の実施の形態1及び2では基板1に、第1及び第2の光源2及び3が貼り合わされているが、光源が基板から離れており、光源から出射された光をレンズで基板端面に絞り込んで導波路とカップリングしても良い。また、光源から出射された光を光ファイバで導波路近くに導いても何ら問題はない。
【0063】
以上のように、実施の形態1、および、実施の形態2における光ピックアップは、主に下記の構成を有している。
【0064】
すなわち、実施の形態1、および、実施の形態2における光ピックアップは、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップであって、第1の光源と、第1の光源と波長が異なる第2の光源と、基板と、基板上に設けられた第1の散乱体と、基板上に設けられた第2の散乱体と、基板上に設けられた第3の散乱体と、基板上に設けられた第4の散乱体と、基板上に設けられた第5の散乱体と、基板上に設けられた第6の散乱体と、第1の光源から出射された光を第1の散乱体、第2の散乱体、第3の散乱体、第5の散乱体、第6の散乱体に導く基板上に設けられた第1の導波路と、第2の光源から出射された光を第4の散乱体に導く基板上に設けられた第2の導波路と、第1の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第1の受光部と、第2の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第2の受光部と、第3の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第3の受光部と、第5の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第4の受光部と、第6の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第5の受光部と、を有している。このとき、第3の散乱体と第4の散乱体は、第2の散乱体及び第5の散乱体で挟むように配置され、さらに、第1の散乱体と第6の散乱体で挟むように配置される。そして、第1の散乱体と第6の散乱体から得られる信号により、第3の散乱体もしくは第4の散乱体と、光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出する。また、第2の散乱体と第5の散乱体から得られる信号により、第3の散乱体もしくは第4の散乱体と、光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出する。
【0065】
以上の構成によれば、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0066】
また、実施の形態1、および、実施の形態2における光ピックアップにおいては、第3の受光部からの信号を基に、光記録媒体から情報を再生しても良い。また、第4の散乱体を用いて、光記録媒体に情報を記録しても良い。
【0067】
また、実施の形態1における光ピックアップにおいては、基板の端面に凹部と凸部が存在し、凹部には第3の散乱体もしくは第5の散乱体のどちらか一方が存在し、凸部には第3の散乱体もしくは第5の散乱体のどちらか一方が配置されていても良い。
【0068】
これにより、第3の散乱体及び第4の散乱体のトラッキング方向の位置制御において、どちらの場合もオフセットを与えずに行うことができる。このため、記録または再生時のトラッキング制御が容易になる。
【0069】
また、実施の形態1における光ピックアップにおいては、基板の端面に対して凹部は光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有し、基板の端面に対して凸部は光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有していても良い。
【0070】
この構成により、トラッキングエラー信号の振幅が、制御可能となるために十分な大きさになるので、制御性能が安定になる。
【0071】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態2では、本発明の光情報装置の一例について説明する。実施の形態2の光情報装置は、光記録媒体20に対して信号の記録及び再生を行う装置である。
【0072】
図11に実施の形態2の光情報装置110の構成を模式的に示す。図11において、111はモータ、112は制御部、113はターンテーブル、114はクランパー、115はサスペンション、116は光ピックアップの駆動手段である。光ピックアップ17については、実施の形態1で説明したものと同様であるため、重複する説明は省略する。
【0073】
図11において光記録媒体20は、ターンテーブル113に搭載され、クランパー114により保持され、モータ111によって回転される。実施の形態1に示した光ピックアップ17は、サスペンション115で支えられ、光記録媒体20との位置関係に対応して、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を制御部112へ送る。制御部112はこの信号に対応して、光ピックアップの駆動手段116へ、信号を送る。この信号によって、光ピックアップ17は、光記録媒体20に対してフォーカス制御、トラッキング制御を行い、情報の再生、記録を行う。
【0074】
本実施の形態の光情報装置110は、実施の形態1の光ピックアップ17を有しているので、金属アンテナでのプラズモン共鳴による近接場光を用いて光ピックアップを光記録媒体に対して位置制御を行うことができ、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができる。
【0075】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、実施の形態3の光情報装置を具備した、コンピュータの一例について説明する。
【0076】
図12に実施の形態4のコンピュータの構成を模式的に示す。コンピュータは実施の形態3の光情報装置121と、情報の入力を行うためのキーボード122と、情報の表示を行うためのモニター123とを備える。
【0077】
上述の実施の形態3の光情報装置を外部記憶装置として具備したコンピュータは、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができる広い用途に使用できる。光情報装置はその大容量性を生かして、コンピュータ内のハードディスクのバックアップをとったり、メディア(光ディスク)が安価で携帯が容易であること、他の光情報装置でも情報が読み出せるという互換性があることを生かして、プログラムやデータを人と交換したり、自分用に持ち歩いたりすることができる。
【0078】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5では、実施の形態3の光情報装置を具備した、映像記録再生装置(光ディスクレコーダー)の一例について説明する。
【0079】
図13に実施の形態5の映像記録再生装置(光ディスクレコーダー)の構成を模式的に示す。映像記録再生装置131は実施の形態3の光情報装置(図示せず)を内蔵しており、記録している映像の表示を行うためのモニター132と接続されて使用される。
【0080】
上述の実施の形態3の光情報装置を具備した、映像記録再生装置131は、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができるので、広い用途に使用できる。映像記録再生装置はメディア(光ディスク)に映像を記録し、好きな時にそれを再生することができる。光ディスクではテープのように記録後や再生後に巻き戻しの作業が必要なく、ある番組を記録しながらその番組の先頭部分を再生する追っかけ再生や、ある番組を記録しながら以前に記録した番組を再生する同時記録再生が可能となる。メディアが安価で携帯が容易であること、他の映像記録再生装置でも情報が読み出せるという互換性があることを生かして、記録した映像を人と交換したり、自分用に持ち歩いたりすることができる。
【0081】
なお、ここでは光情報装置だけを備える場合について述べたが、ハードディスクを内蔵していても良いし、ビデオテープの録画再生機能を内蔵していても良い。その場合映像の一時退避や、バックアップが容易にできる。
【0082】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6では、実施の形態3の光情報装置を具備した、サーバーの一例について説明する。
【0083】
図14に実施の形態6のサーバーの構成を模式的に示す。サーバー141は実施の形態3の光情報装置142と、情報の表示を行うためのモニター143と、情報の入力を行うためのキーボード144とを備え、ネットワーク145と接続されている。
【0084】
上述の実施の形態3の光情報装置142を外部記憶装置として具備した、サーバーは、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができるので、広い用途に使用できる。光情報装置はその大容量性を生かして、ネットワーク145からの要求に応じ、光ディスクに記録されている情報(画像、音声、映像、HTML文書、テキスト文書等)を送出する。また、ネットワークから送られてくる情報をその要求された場所に記録する。
【0085】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7では、実施の形態3の光情報装置を具備した、カーナビゲーションシステムの一例について説明する。
【0086】
図15に実施の形態7のカーナビゲーションシステムの構成を模式的に示す。カーナビゲーションシステムは実施の形態3の光情報装置(図示せず)を内蔵しており、地形や行き先情報の表示を行うための液晶モニター151と接続されて使用される。
【0087】
上述の実施の形態3の光情報装置を具備した、カーナビゲーションシステムは、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができるので、広い用途に使用できる。カーナビゲーションシステムはメディア(光ディスク)に記録された地図情報と、地上位置確定システム(GPS)や、ジャイロスコープ、速度計、走行距離計等の情報を元に、現在位置を割り出しその位置を、液晶モニター上に表示する。また行き先を入力すると、地図情報や道路情報をもとに行き先までの最適な経路を割り出し、それを液晶モニターに表示する。
【0088】
地図情報を記録するために大容量の光ディスクを用いることで、一枚のディスクで広い地域をカバーして細かい道路情報を提供することができる。また、その道路近辺に付随する、レストランやコンビニエンスストア、ガソリンスタンドなどの情報も同時に光ディスクに格納して提供することができる。さらに、道路情報は時間がたつと古くなり、現実と合わなくなるが、光ディスクは互換性がありメディアが安価であるため、新しい道路情報を収めたディスクと交換することで最新の情報を得ることができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づく他の実施の形態に適用することができる。
【0090】
また、上記実施の形態では、光のみによって情報を記録する光記録媒体について述べたが、光および磁気によって情報を記録する光記録媒体についても同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0091】
また、上記実施の形態では、光記録媒体が光ディスクである場合について説明したが、カード状の光記録媒体など、類似の機能を実現する光学的情報記録再生装置に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る光ピックアップ、及び光情報装置は、プラズモン励起による近接場光を用いて光記録媒体に高密度で、安定した情報の記録または再生が可能になる。よって、この応用機器である大容量の光ディスクレコーダやコンピュータ用メモリ装置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 基板
2 第1の光源
3 第2の光源
4 第1の金属アンテナ
5 第2の金属アンテナ
6 第3の金属アンテナ
7 第4の金属アンテナ
8 第5の金属アンテナ
9 第6の金属アンテナ
10 第1の導波路
11 第2の導波路
12 第1の受光部
13 第2の受光部
14 第3の受光部
15 第4の受光部
16 第5の受光部
17 光ピックアップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクや光カードなどの光記録媒体に収束した光を照射することにより当該光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップ、当該光ピックアップを備える光情報装置、当該光情報装置を備えたコンピュータ、映像記録再生装置、サーバー、カーナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像や音声を初めとする各種の情報を記録する光記録媒体として、CDや DVD、あるいはBD(ブルーレイディスク)といった光ディスクが広く用いられている。このような光記録媒体を用いた光情報装置では、光記録媒体に光を照射して情報を記録または再生するため、情報の記録密度は光記録媒体に収束する光スポットの大きさに依存する。従って、光記録媒体の大容量化は、光ピックアップにより照射される光スポットを小さくすることによって実現できる。しかし、従来では、光を回折限界以上に絞ることができないため、使用する波長やレンズの開口数により光記録媒体の記録密度が制限される。そこで、光記録媒体の記録密度をさらに増やすためには従来の回折限界によるスポットを用いた方式とは異なる方式が必要になる。
【0003】
ここで、プラズモンとは、金属などにおける自由電子の振動量子であり、たとえば、ナノスケールの微小金属(金属ナノ構造体)に光を照射することにより、金属中の自由電子に集団振動を発生させ、プラズモンを励起させることができる。このようにプラズモンを励起させることにより、局所的に増強された強い電磁場を得ることができるため、このエネルギーを利用した各種の応用が期待されている。その応用例として、光による超高密度な記録、または、再生を実現する目的で、微小金属体に光を入射して局在プラズモンを励起し、前記微小金属体近傍の光電場を局所的に増強し、その光(近接場光)を用いることにより、回折限界を超えたナノメートルオーダーの微小領域に情報の記録を行う技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
図16は、従来の光ピックアップの構成を示す図である。図16a、bにおいて、161は情報記録媒体である光ディスク、162は光源、163は光源162の放射光LBを透過するプリズム、164はLBの入射により近接場光NLを発生する共鳴素子である。光源162には放熱材165が固定され光源162で発生した熱を放熱する。また、166は光ディスク161からの再生光を検出する検出素子である。光源162、プリズム163、散乱体164、放熱材165及び検出素子166はスライダ167により保持されており、スライダ167はサスペンション168により光ディスク161と散乱体164の距離が一定になるように保持されている。
【0005】
情報の記録は、散乱体164により発生する近接場光NLのよって相変化材料である光ディスク161の結晶相をアモルファス相に変化させることにより記録マークを形成する。一方、情報の再生は、近接場光NLが光ディスク161により散乱される割合が記録マークの有無により変化するので、光ディスク161にから戻ってくる散乱光の強度変化を検出して行う。
【0006】
特許文献1によると、光源162、プリズム163、散乱体164、放熱材165及び検出素子166はスライダ167に保持されて、いわゆる近接場光プローブスライダを構成するので、きわめて小型化を図った上で、光ディスク161に近接場光NLを用いて高密度に情報を記録または再生する近接場光ヘッド装置を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/111304号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、1つの光源から出射される光を1つの散乱体に入射させて記録及び再生を行っているが、このような構成では記録材料の選定が非常に困難となる。ここで、記録を行う場合、散乱体と相変化材料との共鳴状態が結晶相及びアモルファス相に限らず同様に起こり、同様の近接場光が発生し記録に寄与することが望ましく、また、再生では散乱体と相変化材料との共鳴状態が結晶相及びアモルファス相で異なることで、近接場光の発生がかわり、光ディスクから戻ってくる光が変化することが望ましい。このために、1つの光源から出射される光を1つの散乱体に入射させて記録及び再生を行うことは非常に困難で、これが可能となる相変化材料の選定が困難となる。また、従来の構成では、散乱体と光ディスクの距離をサスペンションで一定になるように保持しているが、外乱があった場合に一定距離を保つことが困難である。さらに、光ディスクの情報が記録されている所望の位置に光ピックアップを制御するための検出については何ら述べられておらず、散乱体を所望の位置に制御して記録及び再生を行うことができないという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、光記録媒体の所望の位置に近接場光で記録及び再生を安定に行うことができる光ピックアップを提供することを目的とする。また、この光ピックアップを用いることにより高密度の光記録媒体に対応した光情報装置、コンピュータ、映像記録再生装置、サーバー、カーナビゲーションシステムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の光ピックアップは、第1の光源と、前記第1の光源と波長が異なる第2の光源と、基板と、前記基板上に設けられた第1の散乱体と、前記基板上に設けられた第2の散乱体と、前記基板上に設けられた第3の散乱体と、前記基板上に設けられた第4の散乱体と、前記基板上に設けられた第5の散乱体と、前記基板上に設けられた第6の散乱体と、前記第1の光源から出射された光を前記第1の散乱体、前記第2の散乱体、前記第3の散乱体、前記第5の散乱体、前記第6の散乱体に導く前記基板上に設けられた第1の導波路と、前記第2の光源から出射された光を前記第4の散乱体に導く前記基板上に設けられた第2の導波路と、前記第1の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第1の受光部と、前記第2の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第2の受光部と、前記第3の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第3の受光部と、前記第5の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第4の受光部と、前記第6の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第5の受光部と、を有し、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップであって、前記第3の散乱体と前記第4の散乱体を前記第2の散乱体及び前記第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体で挟むように配置し、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体から得られる信号より前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、前記第2の散乱体と前記第5の散乱体から得られる信号より前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出することを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0011】
上記光ピックアップでは、前記第1から第6の散乱体は前記基板の端面に配置されていることが好ましい。これにより、散乱体を蒸着等の従来の成膜で形成することができる。
【0012】
上記光ピックアップでは、前記基板の端面に凹部と凸部が存在し、前記凹部には前記第3の散乱体もしくは前記第5の散乱体のどちらか一方が存在し、前記凸部には前記第3の散乱体もしくは前記第5の散乱体のどちらか一方が配置されていることが好ましい。これにより、第3の散乱体及び第4の散乱体のトラッキング方向の位置制御において、どちらの場合もオフセットを与えずに行うことができるので記録または再生時のトラッキング制御が容易になる。
【0013】
上記光ピックアップでは、前記基板の端面に対して前記凹部は前記光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有し、前記基板の端面に対して前記凸部は前記光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有していることが好ましい。これにより、トラッキングエラー信号の振幅が制御できるのに十分な大きさになるので、制御性能が安定になる。
【0014】
上記光ピックアップでは、前記基板の端面が一平面であることが好ましい。これにより、端面処理が不要なので光ピックアップの作製が容易になる。
【0015】
上記光ピックアップでは、前記基板内に前記第1から第6の散乱体が配置されていることが好ましい。これにより、基板内部に散乱体を設けるので、基板端面の処理が不要となり、光ピックアップの作製が容易になる。
【0016】
上記光ピックアップでは、前記第1から第6の散乱体は、金、銀、銅、チタン、アルミ、クロムのどれかで構成されていることが好ましい。これにより、プラズモン共鳴による近接場光の発生が容易になる。
【0017】
上記光ピックアップでは、前記第1から第6の散乱体は、三角形、長方形、菱形のいずれかの形状であることが好ましい。これにより、プラズモン共鳴による近接場光の発生が容易になる。
【0018】
前記従来の課題を解決するために、本発明の光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法は、第1の光源と、前記第1の光源と波長が異なる第2の光源と、基板と、前記基板上に設けられた第1の散乱体と、前記基板上に設けられた第2の散乱体と、前記基板上に設けられた第3の散乱体と、前記基板上に設けられた第4の散乱体と、前記基板上に設けられた第5の散乱体と、前記基板上に設けられた第6の散乱体と、前記第1の光源から出射された光を前記第1の散乱体、前記第2の散乱体、前記第3の散乱体、前記第5の散乱体、前記第6の散乱体に導く前記基板上に設けられた第1の導波路と、前記第2の光源から出射された光を前記第4の散乱体に導く前記基板上に設けられた第2の導波路と、前記第1の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第1の受光部と、前記第2の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第2の受光部と、前記第3の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第3の受光部と、前記第5の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第4の受光部と、前記第6の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第5の受光部と、を有し、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法であって、前記第3の散乱体と前記第4の散乱体を前記第2の散乱体及び前記第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体で挟むように配置し、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体から得られる信号より前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、前記第2の散乱体と前記第5の散乱体から得られる信号より前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出することを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0019】
前記従来の課題を解決するために、本発明の光情報装置は、請求項1から8のいずれかに記載の光ピックアップと、光記録媒体を回転させるモータと、前記光ピックアップから得られる信号に基づいて、前記モータ及び前記光ピックアップを制御する制御部とを備えることを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0020】
前記従来の課題を解決するために、本発明のコンピュータは、請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0021】
前記従来の課題を解決するために、本発明の映像記録再生装置は、請求項10に記載の光情報装置を備え、光記録媒体に映像を記録し、および再生することを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0022】
前記従来の課題を解決するために、本発明のサーバーは、請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0023】
前記従来の課題を解決するために、本発明のカーナビゲーションシステムは、請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とする。本構成によって、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の光ピックアップによれば、フォーカス及びトラッキングを制御する信号を検出でき、記録及び再生で異なる波長の光を用いるので、光記録媒体の所望の位置に近接場光で記録及び再生を安定に行うことができる。また、光記録媒体の記録材料の選定が容易になる。また、記録時も再生用の光を使ってフォーカス及びトラッキングを制御する信号を検出するので、制御信号を検出する光で記録することはなく安定した記録を行うことができる。また、導波路を用いた集積光ピックアップであるので、小型軽量であり、アクセススピードを速くすることができる。また、フォーカス制御が可能であるので光記録媒体を傷つける可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1における光ピックアップの構成図
【図2】本発明の実施の形態1における光ピックアップと光記録媒体の位置関係を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における第1の金属アンテナ4と光記録媒体20の記録材料の微粒子30の模式図
【図4】本発明の実施の形態1における金属アンテナと光記録媒体のトラックとの位置関係を示す図
【図5】(a)は、第2及び第5の金属アンテナ5及び8のトラックからの距離に対する近接場光強度の変化を示すグラフ、(b)は、第2及び第5の金属アンテナ5及び8を第3の金属アンテナに対してそれぞれトラックに垂直な方向(図1のz軸方向)に、トラックピッチTpの4分の1だけ離して設置したときの、第2の受光部13からの検出信号te1と第4の受光部15からの検出信号te2の変化を示すグラフ、(c)はte1とte2の差としてのトラッキング信号TEの変化を示すグラフ
【図6】光ピックアップと光記録媒体20とのエアギャップの間隔と、金属アンテナからの反射光量との関係を示すグラフ
【図7】ギャップ間隔に対するフォーカスエラー信号の変化を示すグラフ
【図8】本発明の実施の形態1における別構成の光ピックアップの構成図
【図9】本発明の実施の形態2における光ピックアップの構成図
【図10】本発明の実施の形態2における金属アンテナと光記録媒体のトラックとの位置関係を示す図
【図11】本発明の実施の形態3における光情報装置の構成図
【図12】本発明の実施の形態4におけるコンピュータの構成図
【図13】本発明の実施の形態5における光ディスクレコーダの構成図
【図14】本発明の実施の形態6におけるサーバーの構成図
【図15】本発明の実施の形態7におけるカーナビゲーションシステムの構成図
【図16】従来の光ピックアップの構成図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ピックアップ17の構成図である。
【0028】
図1において、1は基板、2は第1の光源、3は第2の光源、4は第1の金属アンテナ、5は第2の金属アンテナ、6は第3の金属アンテナ、7は第4の金属アンテナ、8は第5の金属アンテナ、9は第6の金属アンテナ、10は第1の導波路、11は第2の導波路、12は第1の受光部、13は第2の受光部、14は第3の受光部、15は第4の受光部、16は第5の受光部である。また、図2は図1に示した光ピックアップを用いて情報が記録または再生される相変化材料で構成された微粒子が列状に配置されたトラックを有している光記録媒体20から情報を再生している状態を図1のz方向から見た模式図であり、光記録媒体20と光ピックアップ17はy軸方向に、あるギャップ間隔だけ離れている。また、トラックはz方向に並んでおり、第1、第3、第4、第6の金属アンテナ4、6、7、9はトラックに対して平行な直線上に並んでいる。ここで、散乱体は金属アンテナで構成されている。
【0029】
ここで、基板1は例えばシリコン基板であり、第1の光源2は、例えば波長が780nmの半導体レーザー素子で構成され、光記録媒体20に対し、再生用のコヒーレント光を出力する光源である。第2の光源3は、例えば波長が405nmの半導体レーザー素子で構成され、光記録媒体20に対し、記録用のコヒーレント光を出力する光源である。第1から第6の金属アンテナ4から9は金で形成され、三角形形状を有している。第1の導波路10はシリコン基板を酸化させた二酸化ケイ素で構成されており、第1の光源2から出射された光を第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に光を導く5分岐の導波路である。第2の導波路11はシリコン基板を酸化させた二酸化ケイ素で構成されており、第2の光源3から出射された光を分岐することなく第4の金属アンテナ7に光を導く導波路である。第1から第5の受光部12から16はシリコン基板上に形成され、光を受光して電気信号に変換する素子であり、第1の金属アンテナ4から戻ってくる光を第1の受光部12で受光し、第2の金属アンテナ5から戻ってくる光を第2の受光部13で受光し、第3の金属アンテナ6から戻ってくる光を第3の受光部14で受光し、第5の金属アンテナ8から戻ってくる光を第4の受光部15で受光し、第6の金属アンテナ9から戻ってくる光を第5の受光部16で受光する。
【0030】
このように構成された光ピックアップの動作について説明する。
【0031】
光記録媒体20から情報を再生する場合、第1の光源2はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第1の導波路10を通って、第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に導かれる。各金属アンテナは光記録媒体20の微粒子と共鳴状態になりプラズモン共鳴が励起され、この状態で発生した反射光が第1の導波路10を通って第1の光源2側に戻ってくる。第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9から戻ってくる光は第1の導波路から分岐されてそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5の受光部12、13、14、15、16に導かれ、受光された光は電気信号に変換される。ここで、後で詳細に述べるが、第2及び第5の金属アンテナ5及び8から戻ってきた光を受光して得られる第2及び第4の受光部13及び15からの電気信号を用いて光の照射位置を示すトラッキングエラー信号を検出し、第1及び第6の金属アンテナ4及び9から戻ってきた光を受光して得られる第1及び第5の受光部12及び16からの電気信号を用いて、光記録媒体20と金属アンテナとのギャップ状態を示すフォーカスエラー信号を検出する。図示しないフォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号に基づき、再生を行う金属アンテナである第3の金属アンテナ6と光記録媒体20のy軸方向の距離を常に一定になるように、光記録媒体20と光ピックアップのy軸方向の位置を制御する。また、図示していないトラッキング制御手段はトラッキングエラー信号に基づき、再生を行う金属アンテナである第3の金属アンテナ6を光記録媒体20上の所望のトラックに位置するようにその位置を制御する。また、第3の金属アンテナ6から戻ってきた光を受光して得られる第3の受光部14からの電気信号を用いて、光記録媒体20に記録された情報を再生する再生信号を得る。
【0032】
また、光記録媒体20に情報を記録する場合は、再生と同様に、第1の光源2はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第1の導波路10を通って、第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に導かれる。各金属アンテナは光記録媒体20の微粒子と共鳴状態になりプラズモン共鳴が励起され、この状態で発生した反射光が第1の導波路10を通って第1の光源2側に戻ってくる。第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9から戻ってくる光は第1の導波路から分岐されてそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5の受光部12、13、14、15、16に導かれ、受光された光は電気信号に変換される。ここで、後で詳細に述べるが、第2及び第5の金属アンテナ5及び8から戻ってきた光を受光して得られる第2及び第4の受光部13及び15からの電気信号を用いて光の照射位置を示すトラッキングエラー信号を検出し、第1及び第6の金属アンテナ4及び9から戻ってきた光を受光して得られる第1及び第5の受光部12及び16からの電気信号を用いて光記録媒体20と金属アンテナとのギャップ状態を示すフォーカスエラー信号を検出する。図示しないフォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号に基づき、記録を行う金属アンテナである第4の金属アンテナ7と光記録媒体20のy軸方向の距離を常に一定になるように、光記録媒体20と光ピックアップのy軸方向の位置を制御する。また、図示していないトラッキング制御手段はトラッキングエラー信号に基づき、記録を行う金属アンテナである第4の金属アンテナ7を光記録媒体20上の所望のトラックに位置するようにその位置を制御する。また、第2の光源3はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第2の導波路11を通って、第4の金属アンテナ7に導かれ、この金属アンテナと光記録媒体20の微粒子との共鳴によりプラズモン共鳴が励起され強い近接場光が発生し、光記録媒体20に情報を記録する。
【0033】
金属アンテナについて、詳細に述べる。図3に第1の金属アンテナ4と光記録媒体20の記録材料の微粒子30の模式図を示す。図3に示したように第1の金属アンテナ4は金の三角形形状になっている。図3において、第1の金属アンテナ4は三角形の頂点が微粒子30表面にもっとも近接するように配置されており、プラズモン共鳴が励起されることにより三角形の頂点近傍に強い近接場光を発生する。非特許文献1(Confined plasmons in nanofabricated single silver particle pairs: experimental observations of strong interparticle interactions, L. Gunnarsson et. al., J. Phys. Chem. B, 2005, 109, 1079−1087)によると、2つの金属粒子間の相互作用は金属粒子間の距離が数十nm以下であるときに顕著に現れ、数nmでさらに顕著になる。つまり、金属アンテナと微粒子30表面との距離は数十nm以下であることが好ましく、数nmであることがより好ましい。なお、図3では特に図示していないが、第2から第6の金属アンテナ5から9についても第1の金属アンテナ4と同様に配置され、三角形の頂点近傍に強い近接場を発生する。
【0034】
次に、トラッキングエラー信号検出について詳細に述べる。上記したようにトラッキングエラー信号検出には第2及び第5の金属アンテナ5及び8を使用する。まず、図4に光記録媒体20のトラックに対する各金属アンテナの位置関係を示す。第1、第3、第4、第6の金属アンテナ4、6、7、9はトラックに対して平行な直線上に配置されている。図5aは第2及び第5の金属アンテナ5及び8のトラックからの距離に対する近接場光強度の変化を示している。一般に、プラズモン共鳴の共鳴条件は共鳴素子の周囲の媒質の誘電率に大きく依存する。そのため、第2及び第5の金属アンテナ5及び8の形状を、第1の光源2の光の周波数に対して微粒子30上にてプラズモン共鳴条件が満たされるように設計すれば、発生する近接場光強度は図5aのようにトラック位置で最大となり、トラック位置からの距離がトラック周期の半分となる位置で最小となる。次に、図5bは第2及び第5の金属アンテナ5及び8を第3の金属アンテナ6に対してそれぞれトラックに垂直な方向(図1のz軸方向)に、トラックピッチTpの4分の1だけ離して設置したときの、第2の受光部13からの検出信号te1と第4の受光部15からの検出信号te2の変化を示している。また、図5cはte1とte2の差としてのトラッキング信号TEの変化を示すグラフである。このように、第2及び第5の金属アンテナ5及び8を再生及び記録を行うアンテナである第3及び第4の金属アンテナ6及び7に対してそれぞれトラックに垂直な方向に、トラックピッチTpの4分の1だけ離して設置しているため、検出信号te1とte2の差を最大とすることができ、高精度なトラッキング信号を得ることができる。この状態は、図1に示したように第2の金属アンテナ5のz方向の位置及び第5の金属アンテナ8のz方向の位置が再生に用いる第3の金属アンテナ6と記録に用いる第4の金属アンテナ7のz方向の位置に対してずれていることで対応している。ここで、第2及び第5の金属アンテナ5及び8を再生及び記録を行うアンテナである第3及び第4の金属アンテナ6及び7に対してそれぞれトラックに垂直な方向に、トラックピッチTpの4分の1が望ましいが、8分の1から8分の3であればトラッキングエラー信号の振幅は問題ないレベルになる。また、第2の金属アンテナ5のx方向の位置及び第5の金属アンテナ8のx方向の位置の中間位置が第3の金属アンテナ6と第4の金属アンテナ7のx方向の中間位置と一致するように構成されている。これにより、得られたトラッキングエラー信号で第3の金属アンテナ6と第4の金属アンテナ7の両方の制御を安定に行うことができる。
【0035】
また、トラッキングエラー信号を検出するために、記録時及び再生時のどちらも再生に用いられる光で励起されたプラズモンによる近接場光を用いてトラッキングエラー信号を検出するので、トラッキングエラー信号を検出する近接場光で記録することはなく安定した記録を行うことができる。
【0036】
次に、フォーカスエラー信号検出について詳細に述べる。上記したようにフォーカスエラー信号検出には第1及び第6の金属アンテナ4及び9を使用する。ここで、金属アンテナが三角形状の場合、頂点から底辺までの距離を変えることであるギャップ間隔でプラズモン共鳴が最大になり、近接場光がもっとも強くすることができる。そこで、第1、第3、第6の金属アンテナ4、6、9の形状をそれぞれギャップ間隔a、ギャップ間隔b、ギャップ間隔cのときにプラズモン共鳴による近接場光が強く発生するような形状にする。このように決定された金属アンテナの構造において、図2における光ピックアップと光記録媒体20とのエアギャップの間隔を横軸に取り、金属アンテナからの反射光量を縦軸にとると、図6に示すグラフの関係となる。ここで、図6における曲線P1、曲線P2、および、曲線P3は、それぞれ、図1における第1の金属アンテナ4からの反射光の光量(P1)、第3の金属アンテナ6からの反射光の光量(P2)、第6の金属アンテナ9からの反射光の光量(P3)を示す。図6において、ギャップ間隔がa、b、cのときに、第1の金属アンテナ4、第3の金属アンテナ6、第6の金属アンテナ9においてプラズモン共鳴が起こり、近接光が強く発生するため、逆に、P1、P2、P3のそれぞれの曲線における反射光量は減少し、極小値を取る。ここで、第1の金属アンテナ4から反射される光は第1の受光部12で受光され、電気信号に変換され、第6の金属アンテナ9からの反射光は第5の受光部16で受光され、電気信号に変換される。これらの電気信号の差分を取ることで、ギャップ間隔に比例したフォーカスエラー信号が検出される。
【0037】
図7は、エアギャップと、フォーカスエラー信号の関係を示すグラフであり、ギャップ間隔に対しフォーカスエラー信号はS字曲線を描く。したがって、図7に示すように、ギャップ間隔がaからcの範囲において、ギャップ間隔gが第3の金属アンテナ6の最適なギャップ間隔bより小さい場合(a<g<b)ではギャップ間隔を広げるように、また、ギャップ間隔gが第3の金属アンテナ6の最適なギャップ間隔bより大きい場合(b<g<c)ではギャップ間隔を狭めるように、フィードバック制御をかければ、ギャップ間隔がbとなるように収束していく。
【0038】
ギャップ間隔がbに収束した場合、第3の金属アンテナ6においてプラズモン励起による近接場光が発生するため、第3の金属アンテナ6により光記録媒体20に対し、情報の再生を行うことが可能となる。また、第4の金属アンテナ7の形状もギャップ間隔bのときにプラズモン共鳴による近接場光が強く発生するような形状にする。このようにしておけば、ギャップ間隔がbに収束した場合、第4の金属アンテナ7により光記録媒体20に対し、情報の記録を行うことが可能となる。
【0039】
また、第1の金属アンテナ4のx方向の位置及び第6の金属アンテナ9のx方向の位置の中間位置が第3の金属アンテナ6と第4の金属アンテナ7のx方向の中間位置と一致するように構成されている。これにより、得られたフォーカスエラー信号で第3の金属アンテナ6と第4の金属アンテナ7の両方の制御を安定に行うことができる。
【0040】
また、フォーカスエラー信号を検出するために、記録時及び再生時のどちらも再生に用いられる光で励起されたプラズモンによる近接場光を用いてフォーカスエラー信号を検出するので、フォーカスエラー信号を検出する近接場光で記録することはなく安定した記録を行うことができる。
【0041】
さらに、円盤状の記録媒体を考えた場合、トラックは円周状になるので、トラッキングエラーを検出する第2及び第5の金属アンテナ5及び8の間隔が大きくなると第2及び第5の金属アンテナ5及び8のz方向の位置が、トラックに対してアンバランスになり、良好なトラッキングエラー信号が得られなくなる。そこで、図1に示したように再生及び記録を行う第3及び第4の金属アンテナ6及び7をトラッキングエラー信号を検出する第2及び第5の金属アンテナ5及び8で挟み、それらをフォーカスエラー信号を検出する第1及び第6の金属アンテナ4及び9で挟む配置にすることで、良好なトラッキング信号を得ることができる。
【0042】
本実施の形態によれば、再生と記録で光源を変え、再生に用いる光を5分岐させてトラッキングエラー信号の検出及びフォーカスエラー信号の検出を行うことで、光記録媒体の記録材料の選定を容易にし、また、記録時にトラッキングエラー信号検出及びフォーカスエラー信号検出を行うアンテナで記録してしまうことがない。
【0043】
また、記録用の光を分離してトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号を検出しないので、記録に用いる光の利用効率を高めることができ、記録に用いる光源の出力を小さくすることができる。
【0044】
さらに、再生及び記録を行う第3及び第4の金属アンテナ6及び7をトラッキングエラー信号を検出する第2及び第5の金属アンテナ5及び8で挟み、それらをフォーカスエラー信号を検出する第1及び第6の金属アンテナ4及び9で挟む配置にすることで、円盤状の光記録媒体に対しても良好なトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0045】
また、導波路構成で光ピックアップを小型、軽量化しているので、アクセススピードを高めることができる。
【0046】
また、本実施の形態では金属アンテナが基板の端面に形成されているが、図8に示すように基板内に形成しても何ら問題ない。これであれば、基板端面に段差をつける処理が不要で作製が容易になる。
【0047】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における光ピックアップを図面を参照して説明する。図9は、本発明の実施の形態2における光ピックアップの構成図である。本実施の形態が上記した実施の形態1と異なるのは、基板の端面形状が平面になっており、この平面に金属アンテナが配置されていることと、第1から第6の金属アンテナ4から9はトラックに対して斜めに配置されていることに関する点のみであり、それ以外は、実施の形態1と同様である。従って、本実施の形態において、特に説明のないものについては実施の形態1と同じとし、実施の形態1と同一符号を付与している構成部材については、特に説明のない限り、実施の形態1と同様の機能を持つものとする。
【0048】
このように構成された光ピックアップの動作について説明する。
【0049】
光記録媒体20から情報を再生する場合、第1の光源2はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第1の導波路10を通って、第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に導かれる。各金属アンテナは光記録媒体20の微粒子と共鳴状態になりプラズモン共鳴が励起され、この状態で発生した反射光が第1の導波路10を通って第1の光源2側に戻ってくる。第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9から戻ってくる光は第1の導波路から分岐されてそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5の受光部12、13、14、15、16に導かれ、受光された光は電気信号に変換される。ここで、後で詳細に述べるが、第2及び第5の金属アンテナ5及び8から戻ってきた光を受光して得られる第2及び第4の受光部13及び15からの電気信号を用いて光の照射位置を示すトラッキングエラー信号を検出し、第1及び第6の金属アンテナ4及び9から戻ってきた光を受光して得られる第1及び第5の受光部12及び16からの電気信号を用いて光記録媒体20と金属アンテナとのギャップ状態を示すフォーカスエラー信号を検出する。図示しないフォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号に基づき、再生を行う金属アンテナである第3の金属アンテナ6と光記録媒体20のy軸方向の距離を常に一定になるように、光記録媒体20と光ピックアップのy軸方向の位置を制御する。また、図示していないトラッキング制御手段はトラッキングエラー信号に基づき、再生を行う金属アンテナである第3の金属アンテナ6を光記録媒体20上の所望のトラックに位置するようにその位置を制御する。また、第3の金属アンテナ6から戻ってきた光を受光して得られる第3の受光部14からの電気信号を用いて、光記録媒体20に記録された情報を再生する再生信号を得る。
【0050】
また、光記録媒体20に情報を記録する場合は、再生と同様に、第1の光源2はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第1の導波路10を通って、第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9に導かれる。各金属アンテナは光記録媒体20の微粒子と共鳴状態になりプラズモン共鳴が励起され、この状態で発生した反射光が第1の導波路10を通って第1の光源2側に戻ってくる。第1、第2、第3、第5、第6の金属アンテナ4、5、6、8、9から戻ってくる光は第1の導波路から分岐されてそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5の受光部12、13、14、15、16に導かれ、受光された光は電気信号に変換される。ここで、後で詳細に述べるが、第2及び第5の金属アンテナ5及び8から戻ってきた光を受光して得られる第2及び第4の受光部13及び15からの電気信号を用いて光の照射位置を示すトラッキングエラー信号を検出し、第1及び第6の金属アンテナ4及び9から戻ってきた光を受光して得られる第1及び第5の受光部12及び16からの電気信号を用いて光記録媒体20と金属アンテナとのギャップ状態を示すフォーカスエラー信号を検出する。図示しないフォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号に基づき、記録を行う金属アンテナである第4の金属アンテナ7と光記録媒体20のy軸方向の距離を常に一定になるように、光記録媒体20と光ピックアップのy軸方向の位置を制御する。また、図示していないトラッキング制御手段はトラッキングエラー信号に基づき、記録を行う金属アンテナである第4の金属アンテナ7を光記録媒体20上の所望のトラックに位置するようにその位置を制御する。また、第2の光源3はy軸に平行な直線偏光の光を出射し、出射された光は第2の導波路11を通って、第4の金属アンテナ7に導かれ、この金属アンテナと光記録媒体20の微粒子との共鳴によりプラズモン共鳴が励起され強い近接場光が発生し、光記録媒体20に情報を記録する。
【0051】
まず、図10に光記録媒体20のトラックに対する各金属アンテナの位置関係を示す。第1から第6の金属アンテナ4から9は直線上に配置されており、この直線はトラックと交差している。このような状態でのトラッキングエラー信号の検出について述べる。第2及び第5の金属アンテナ5及び8は実施の形態1と同様にトラックに直交する方向にそれぞれトラックピッチのTpの4分の1だけ離して設置されているので図5cに示したのと同様のトラッキングエラー信号を検出できる。ただし、第2及び第5の金属アンテナ5及び8のx軸方向の位置の中間位置が第3及び第4の金属アンテナ6及び7のx軸方向の位置の中間位置に一致しているので、トラッキングエラー信号を0にすると第3及び第4の金属アンテナ6及び7のx軸方向の位置の中間位置がトラック上にくることになる。すなわち、再生を行う第3の金属アンテナ6及び記録を行う第4の金属アンテナ7はトラックに対してずれることになる。このずれ量は金属アンテナの配置より求めることができるので、再生を行う場合はトラッキングエラー信号が0からオフセットさせた値(+α)になるように制御を行い、記録を行う場合はトラッキングエラー信号が0からオフセットさせた値(−α)になるように制御を行う。これにより、再生時は第3の金属アンテナ6がトラック上にくるように制御でき、安定な再生を行うことができる。また、記録時は第4の金属アンテナ7がトラック上にくるように制御でき、安定な記録を行うことができる。
【0052】
ここで、第2及び第5の金属アンテナ5及び8を再生及び記録を行うアンテナである第3及び第4の金属アンテナ6及び7に対してそれぞれトラックに垂直な方向に、トラックピッチTpの4分の1が望ましいが、8分の1から8分の3であればトラッキングエラー信号の振幅は問題ないレベルになる。
【0053】
フォーカスエラー信号については実施の形態1で述べたのと同様であり、図7に示したフォーカスエラー信号を検出することができる。
【0054】
また、金属アンテナが配置されている端面が平面であるので、実施の形態1よりも作製が容易になる。
【0055】
本実施の形態によれば、再生と記録で光源を変え、再生に用いる光を5分岐させてトラッキングエラー信号検出及びフォーカスエラー信号検出することで、光記録媒体の記録材料の選定を容易にし、また、記録時にトラッキングエラー信号検出及びフォーカスエラー信号検出を行うアンテナで記録してしまうことがない。
【0056】
また、記録用の光を分離してトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号を検出しないので、記録に用いる光の利用効率を高めることができ、光源の出力を小さくすることができる。
【0057】
さらに、再生及び記録を行う第3及び第4の金属アンテナ6及び7をトラッキングエラー信号を検出する第2及び第5の金属アンテナ5及び8で挟み、それらをフォーカスエラー信号を検出する第1及び第6の金属アンテナ4及び9で挟む配置にすることで、円盤状の光記録媒体に対しても良好なトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0058】
また、導波路構成で光ピックアップを小型、軽量化しているので、アクセススピードを高めることができる。
【0059】
なお、本実施の形態では金属アンテナが基板端面に形成されているが、実施の形態1で述べたのと同様、基板内部に形成しても何ら問題はない。
【0060】
なお、上記の実施の形態1及び2では金属アンテナを金で構成しているが銀、銅、チタン、アルミ、クロムなどの金属で構成しても問題はない。また、すべての金属アンテナを同一金属で構成しているが、異なる材料で構成しても何ら問題はない。例えば、フォーカス用金属アンテナはその形状を変えることでプラズモン共鳴を起こすギャップ間隔を変えるために三角形の形状を変えているが金属を変えて構成すれば同じ形状にすることが可能である。
【0061】
また、上記の実施の形態1及び2では金属アンテナを三角形状にしているが、例えば、長方形、菱形などのプラズモン共鳴を起こす形状であればどのような形状でも問題はない。
【0062】
また、上記の実施の形態1及び2では基板1に、第1及び第2の光源2及び3が貼り合わされているが、光源が基板から離れており、光源から出射された光をレンズで基板端面に絞り込んで導波路とカップリングしても良い。また、光源から出射された光を光ファイバで導波路近くに導いても何ら問題はない。
【0063】
以上のように、実施の形態1、および、実施の形態2における光ピックアップは、主に下記の構成を有している。
【0064】
すなわち、実施の形態1、および、実施の形態2における光ピックアップは、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップであって、第1の光源と、第1の光源と波長が異なる第2の光源と、基板と、基板上に設けられた第1の散乱体と、基板上に設けられた第2の散乱体と、基板上に設けられた第3の散乱体と、基板上に設けられた第4の散乱体と、基板上に設けられた第5の散乱体と、基板上に設けられた第6の散乱体と、第1の光源から出射された光を第1の散乱体、第2の散乱体、第3の散乱体、第5の散乱体、第6の散乱体に導く基板上に設けられた第1の導波路と、第2の光源から出射された光を第4の散乱体に導く基板上に設けられた第2の導波路と、第1の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第1の受光部と、第2の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第2の受光部と、第3の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第3の受光部と、第5の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第4の受光部と、第6の散乱体からの反射光を受光し基板上に設けられた第5の受光部と、を有している。このとき、第3の散乱体と第4の散乱体は、第2の散乱体及び第5の散乱体で挟むように配置され、さらに、第1の散乱体と第6の散乱体で挟むように配置される。そして、第1の散乱体と第6の散乱体から得られる信号により、第3の散乱体もしくは第4の散乱体と、光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出する。また、第2の散乱体と第5の散乱体から得られる信号により、第3の散乱体もしくは第4の散乱体と、光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出する。
【0065】
以上の構成によれば、プラズモン励起による近接場光でフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を安定に検出でき、光記録媒体に安定に情報を記録または再生を行うことができる。
【0066】
また、実施の形態1、および、実施の形態2における光ピックアップにおいては、第3の受光部からの信号を基に、光記録媒体から情報を再生しても良い。また、第4の散乱体を用いて、光記録媒体に情報を記録しても良い。
【0067】
また、実施の形態1における光ピックアップにおいては、基板の端面に凹部と凸部が存在し、凹部には第3の散乱体もしくは第5の散乱体のどちらか一方が存在し、凸部には第3の散乱体もしくは第5の散乱体のどちらか一方が配置されていても良い。
【0068】
これにより、第3の散乱体及び第4の散乱体のトラッキング方向の位置制御において、どちらの場合もオフセットを与えずに行うことができる。このため、記録または再生時のトラッキング制御が容易になる。
【0069】
また、実施の形態1における光ピックアップにおいては、基板の端面に対して凹部は光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有し、基板の端面に対して凸部は光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有していても良い。
【0070】
この構成により、トラッキングエラー信号の振幅が、制御可能となるために十分な大きさになるので、制御性能が安定になる。
【0071】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態2では、本発明の光情報装置の一例について説明する。実施の形態2の光情報装置は、光記録媒体20に対して信号の記録及び再生を行う装置である。
【0072】
図11に実施の形態2の光情報装置110の構成を模式的に示す。図11において、111はモータ、112は制御部、113はターンテーブル、114はクランパー、115はサスペンション、116は光ピックアップの駆動手段である。光ピックアップ17については、実施の形態1で説明したものと同様であるため、重複する説明は省略する。
【0073】
図11において光記録媒体20は、ターンテーブル113に搭載され、クランパー114により保持され、モータ111によって回転される。実施の形態1に示した光ピックアップ17は、サスペンション115で支えられ、光記録媒体20との位置関係に対応して、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を制御部112へ送る。制御部112はこの信号に対応して、光ピックアップの駆動手段116へ、信号を送る。この信号によって、光ピックアップ17は、光記録媒体20に対してフォーカス制御、トラッキング制御を行い、情報の再生、記録を行う。
【0074】
本実施の形態の光情報装置110は、実施の形態1の光ピックアップ17を有しているので、金属アンテナでのプラズモン共鳴による近接場光を用いて光ピックアップを光記録媒体に対して位置制御を行うことができ、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができる。
【0075】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、実施の形態3の光情報装置を具備した、コンピュータの一例について説明する。
【0076】
図12に実施の形態4のコンピュータの構成を模式的に示す。コンピュータは実施の形態3の光情報装置121と、情報の入力を行うためのキーボード122と、情報の表示を行うためのモニター123とを備える。
【0077】
上述の実施の形態3の光情報装置を外部記憶装置として具備したコンピュータは、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができる広い用途に使用できる。光情報装置はその大容量性を生かして、コンピュータ内のハードディスクのバックアップをとったり、メディア(光ディスク)が安価で携帯が容易であること、他の光情報装置でも情報が読み出せるという互換性があることを生かして、プログラムやデータを人と交換したり、自分用に持ち歩いたりすることができる。
【0078】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5では、実施の形態3の光情報装置を具備した、映像記録再生装置(光ディスクレコーダー)の一例について説明する。
【0079】
図13に実施の形態5の映像記録再生装置(光ディスクレコーダー)の構成を模式的に示す。映像記録再生装置131は実施の形態3の光情報装置(図示せず)を内蔵しており、記録している映像の表示を行うためのモニター132と接続されて使用される。
【0080】
上述の実施の形態3の光情報装置を具備した、映像記録再生装置131は、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができるので、広い用途に使用できる。映像記録再生装置はメディア(光ディスク)に映像を記録し、好きな時にそれを再生することができる。光ディスクではテープのように記録後や再生後に巻き戻しの作業が必要なく、ある番組を記録しながらその番組の先頭部分を再生する追っかけ再生や、ある番組を記録しながら以前に記録した番組を再生する同時記録再生が可能となる。メディアが安価で携帯が容易であること、他の映像記録再生装置でも情報が読み出せるという互換性があることを生かして、記録した映像を人と交換したり、自分用に持ち歩いたりすることができる。
【0081】
なお、ここでは光情報装置だけを備える場合について述べたが、ハードディスクを内蔵していても良いし、ビデオテープの録画再生機能を内蔵していても良い。その場合映像の一時退避や、バックアップが容易にできる。
【0082】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6では、実施の形態3の光情報装置を具備した、サーバーの一例について説明する。
【0083】
図14に実施の形態6のサーバーの構成を模式的に示す。サーバー141は実施の形態3の光情報装置142と、情報の表示を行うためのモニター143と、情報の入力を行うためのキーボード144とを備え、ネットワーク145と接続されている。
【0084】
上述の実施の形態3の光情報装置142を外部記憶装置として具備した、サーバーは、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができるので、広い用途に使用できる。光情報装置はその大容量性を生かして、ネットワーク145からの要求に応じ、光ディスクに記録されている情報(画像、音声、映像、HTML文書、テキスト文書等)を送出する。また、ネットワークから送られてくる情報をその要求された場所に記録する。
【0085】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7では、実施の形態3の光情報装置を具備した、カーナビゲーションシステムの一例について説明する。
【0086】
図15に実施の形態7のカーナビゲーションシステムの構成を模式的に示す。カーナビゲーションシステムは実施の形態3の光情報装置(図示せず)を内蔵しており、地形や行き先情報の表示を行うための液晶モニター151と接続されて使用される。
【0087】
上述の実施の形態3の光情報装置を具備した、カーナビゲーションシステムは、大容量の光記録媒体に対して情報の記録及び再生を安定に行うことができるので、広い用途に使用できる。カーナビゲーションシステムはメディア(光ディスク)に記録された地図情報と、地上位置確定システム(GPS)や、ジャイロスコープ、速度計、走行距離計等の情報を元に、現在位置を割り出しその位置を、液晶モニター上に表示する。また行き先を入力すると、地図情報や道路情報をもとに行き先までの最適な経路を割り出し、それを液晶モニターに表示する。
【0088】
地図情報を記録するために大容量の光ディスクを用いることで、一枚のディスクで広い地域をカバーして細かい道路情報を提供することができる。また、その道路近辺に付随する、レストランやコンビニエンスストア、ガソリンスタンドなどの情報も同時に光ディスクに格納して提供することができる。さらに、道路情報は時間がたつと古くなり、現実と合わなくなるが、光ディスクは互換性がありメディアが安価であるため、新しい道路情報を収めたディスクと交換することで最新の情報を得ることができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づく他の実施の形態に適用することができる。
【0090】
また、上記実施の形態では、光のみによって情報を記録する光記録媒体について述べたが、光および磁気によって情報を記録する光記録媒体についても同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0091】
また、上記実施の形態では、光記録媒体が光ディスクである場合について説明したが、カード状の光記録媒体など、類似の機能を実現する光学的情報記録再生装置に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る光ピックアップ、及び光情報装置は、プラズモン励起による近接場光を用いて光記録媒体に高密度で、安定した情報の記録または再生が可能になる。よって、この応用機器である大容量の光ディスクレコーダやコンピュータ用メモリ装置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 基板
2 第1の光源
3 第2の光源
4 第1の金属アンテナ
5 第2の金属アンテナ
6 第3の金属アンテナ
7 第4の金属アンテナ
8 第5の金属アンテナ
9 第6の金属アンテナ
10 第1の導波路
11 第2の導波路
12 第1の受光部
13 第2の受光部
14 第3の受光部
15 第4の受光部
16 第5の受光部
17 光ピックアップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源と、
前記第1の光源と波長が異なる第2の光源と、
基板と、
前記基板上に設けられた第1の散乱体と、
前記基板上に設けられた第2の散乱体と、
前記基板上に設けられた第3の散乱体と、
前記基板上に設けられた第4の散乱体と、
前記基板上に設けられた第5の散乱体と、
前記基板上に設けられた第6の散乱体と、
前記第1の光源から出射された光を前記第1の散乱体、前記第2の散乱体、前記第3の散乱体、前記第5の散乱体、前記第6の散乱体に導く前記基板上に設けられた第1の導波路と、
前記第2の光源から出射された光を前記第4の散乱体に導く前記基板上に設けられた第2の導波路と、
前記第1の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第1の受光部と、
前記第2の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第2の受光部と、
前記第3の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第3の受光部と、
前記第5の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第4の受光部と、
前記第6の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第5の受光部と、
を有し、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップであって、
前記第3の散乱体と前記第4の散乱体を前記第2の散乱体及び前記第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体で挟むように配置し、
前記第1の散乱体と前記第6の散乱体から得られる信号により、前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、
前記第2の散乱体と前記第5の散乱体から得られる信号により、前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出することを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】
前記第1から第6の散乱体は前記基板の端面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項3】
前記基板の端面に凹部と凸部が存在し、前記凹部には前記第3の散乱体もしくは前記第5の散乱体のどちらか一方が存在し、前記凸部には前記第3の散乱体もしくは前記第5の散乱体のどちらか一方が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項4】
前記基板の端面に対して前記凹部は前記光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有し、前記基板の端面に対して前記凸部は前記光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有していることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ。
【請求項5】
前記基板の端面が一平面であることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項6】
前記基板内に前記第1から第6の散乱体が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項7】
前記第1から第6の散乱体は、金、銀、銅、チタン、アルミ、クロムのどれかで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項8】
前記第1から第6の散乱体は、三角形、長方形、菱形のいずれかの形状であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項9】
第1の光源と、
前記第1の光源と波長が異なる第2の光源と、
基板と、
前記基板上に設けられた第1の散乱体と、
前記基板上に設けられた第2の散乱体と、
前記基板上に設けられた第3の散乱体と、
前記基板上に設けられた第4の散乱体と、
前記基板上に設けられた第5の散乱体と、
前記基板上に設けられた第6の散乱体と、
前記第1の光源から出射された光を前記第1の散乱体、前記第2の散乱体、前記第3の散乱体、前記第5の散乱体、前記第6の散乱体に導く前記基板上に設けられた第1の導波路と、
前記第2の光源から出射された光を前記第4の散乱体に導く前記基板上に設けられた第2の導波路と、
前記第1の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第1の受光部と、
前記第2の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第2の受光部と、
前記第3の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第3の受光部と、
前記第5の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第4の受光部と、
前記第6の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第5の受光部と、
を有し、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法であって、
前記第3の散乱体と前記第4の散乱体を前記第2の散乱体及び前記第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体で挟むように配置し、
前記第1の散乱体と前記第6の散乱体から得られる信号により、前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、
前記第2の散乱体と前記第5の散乱体から得られる信号により、前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出することを特徴とする光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の光ピックアップと、
光記録媒体を回転させるモータと、
前記光ピックアップから得られる信号に基づいて、前記モータ及び前記光ピックアップを制御する制御部とを備えることを特徴とする光情報装置。
【請求項11】
請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とするコンピュータ。
【請求項12】
請求項10に記載の光情報装置を備え、光記録媒体に映像を記録し、および再生することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項13】
請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とするサーバー。
【請求項14】
請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項1】
第1の光源と、
前記第1の光源と波長が異なる第2の光源と、
基板と、
前記基板上に設けられた第1の散乱体と、
前記基板上に設けられた第2の散乱体と、
前記基板上に設けられた第3の散乱体と、
前記基板上に設けられた第4の散乱体と、
前記基板上に設けられた第5の散乱体と、
前記基板上に設けられた第6の散乱体と、
前記第1の光源から出射された光を前記第1の散乱体、前記第2の散乱体、前記第3の散乱体、前記第5の散乱体、前記第6の散乱体に導く前記基板上に設けられた第1の導波路と、
前記第2の光源から出射された光を前記第4の散乱体に導く前記基板上に設けられた第2の導波路と、
前記第1の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第1の受光部と、
前記第2の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第2の受光部と、
前記第3の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第3の受光部と、
前記第5の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第4の受光部と、
前記第6の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第5の受光部と、
を有し、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップであって、
前記第3の散乱体と前記第4の散乱体を前記第2の散乱体及び前記第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体で挟むように配置し、
前記第1の散乱体と前記第6の散乱体から得られる信号により、前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、
前記第2の散乱体と前記第5の散乱体から得られる信号により、前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出することを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】
前記第1から第6の散乱体は前記基板の端面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項3】
前記基板の端面に凹部と凸部が存在し、前記凹部には前記第3の散乱体もしくは前記第5の散乱体のどちらか一方が存在し、前記凸部には前記第3の散乱体もしくは前記第5の散乱体のどちらか一方が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項4】
前記基板の端面に対して前記凹部は前記光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有し、前記基板の端面に対して前記凸部は前記光記録媒体のトラックピッチの1/8以上3/8以下の段差を有していることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ。
【請求項5】
前記基板の端面が一平面であることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項6】
前記基板内に前記第1から第6の散乱体が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項7】
前記第1から第6の散乱体は、金、銀、銅、チタン、アルミ、クロムのどれかで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項8】
前記第1から第6の散乱体は、三角形、長方形、菱形のいずれかの形状であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項9】
第1の光源と、
前記第1の光源と波長が異なる第2の光源と、
基板と、
前記基板上に設けられた第1の散乱体と、
前記基板上に設けられた第2の散乱体と、
前記基板上に設けられた第3の散乱体と、
前記基板上に設けられた第4の散乱体と、
前記基板上に設けられた第5の散乱体と、
前記基板上に設けられた第6の散乱体と、
前記第1の光源から出射された光を前記第1の散乱体、前記第2の散乱体、前記第3の散乱体、前記第5の散乱体、前記第6の散乱体に導く前記基板上に設けられた第1の導波路と、
前記第2の光源から出射された光を前記第4の散乱体に導く前記基板上に設けられた第2の導波路と、
前記第1の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第1の受光部と、
前記第2の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第2の受光部と、
前記第3の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第3の受光部と、
前記第5の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第4の受光部と、
前記第6の散乱体からの反射光を受光し、前記基板上に設けられた第5の受光部と、
を有し、光記録媒体に情報を記録または再生する光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法であって、
前記第3の散乱体と前記第4の散乱体を前記第2の散乱体及び前記第5の散乱体で挟むように配置し、さらに、前記第1の散乱体と前記第6の散乱体で挟むように配置し、
前記第1の散乱体と前記第6の散乱体から得られる信号により、前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体とのギャップ間隔を示すフォーカスエラー信号を検出し、
前記第2の散乱体と前記第5の散乱体から得られる信号により、前記第3の散乱体もしくは前記第4の散乱体と、前記光記録媒体の情報を記録または再生する所望の位置との位置関係を示すトラッキングエラー信号を検出することを特徴とする光ピックアップのフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の光ピックアップと、
光記録媒体を回転させるモータと、
前記光ピックアップから得られる信号に基づいて、前記モータ及び前記光ピックアップを制御する制御部とを備えることを特徴とする光情報装置。
【請求項11】
請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とするコンピュータ。
【請求項12】
請求項10に記載の光情報装置を備え、光記録媒体に映像を記録し、および再生することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項13】
請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とするサーバー。
【請求項14】
請求項10に記載の光情報装置を外部記憶装置として備えることを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−89266(P2013−89266A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227526(P2011−227526)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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