光ピックアップ
【課題】DVD/CDとBDで共用する光ピックアップにおいて、全反射ミラーを搭載して薄型化を図る場合は、レーザ光を通過させるための空洞が必要であって、トラッキングコイルやマグネットを配置する自由度が少なくなり、トラッキング方向の磁気的な推力による副共振が発生しやすくなるので改善が必要である。
【解決手段】光ピックアップの対物レンズやトラッキングコイルを搭載するレンズコイルホルダにおいて、これを支持するサスペンションワイヤの中心に対する推力のバランスを取れるように各コイルを配置する。例えば、トラッキングコイルの大部分をサスペンションワイヤに対して一方の高さ方向に位置させ、チルトコイルを残る一方の高さ方向に位置させる。
【解決手段】光ピックアップの対物レンズやトラッキングコイルを搭載するレンズコイルホルダにおいて、これを支持するサスペンションワイヤの中心に対する推力のバランスを取れるように各コイルを配置する。例えば、トラッキングコイルの大部分をサスペンションワイヤに対して一方の高さ方向に位置させ、チルトコイルを残る一方の高さ方向に位置させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク装置で使用する光ピックアップに係り、特に副共振を低減した光ピックアップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置の分野では昨今の薄型化の要求に応じて、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生するための光ピックアップにおいても、薄型化が進められている。光ピックアップの薄型化を進めるうえでは、対物レンズや駆動用のコイルを搭載したレンズコイルホルダが移動する際の、副共振を低減することが重要である。副共振は、記録再生動作を不安定にする大きな要因となる。
特許文献1においてはこの件に係り、レンズホルダを支持する4本のワイヤに対して第1のコイルを一方に、第2のコイルを残る一方に配置した光ピックアップ装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−281018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近の薄型化された光ピックアップにおいては多くの場合、レーザ光源で発生されたレーザ光は、まず光ディスク面に対し略平行に進行し、光ピックアップ内の全反射ミラーで全反射され、対物レンズを介して光ディスクに対し垂直に照射される。これに対して全反射ミラーを使用しない場合には、対物レンズの真下に設けられたレーザ光源で発生されたレーザ光がそのまま直進して、対物レンズから光ディスクに照射される構成となる。これは光ピックアップの厚みを増加させるので、薄型化を進めるうえで望ましくない。
全反射ミラーを使用する場合には、光ピックアップにおける直流磁界を発生するマグネットホルダや前記レンズコイルホルダには、レーザ光を通過させる空洞が必要である。
【0005】
一方で現在、BD(Blu-ray Disc)の普及が進んでいる。これに伴い光ピックアップでは、BD用及び従来のDVD(Digital Versatile Disc)/CD(Compact Disc)用の二つの構成要素を備えるものが増加している。このための光ピックアップでは、対物レンズ、レーザ光源や全反射ミラーが二つ必要なことはもちろん、前記レーザ光を通過させるマグネットホルダやレンズコイルホルダの空洞の幅を広くする必要がある。実際にはこれらホルダの一面は一定の高さまでは、ほぼ前記空洞で占められることになる。このため、これらホルダの一面ではマグネットやトラッキングコイルをはじめとするコイルを配置する自由度が少なく、特に前記空洞と略同じ高さには配置すること自体が困難である。例えば、特許文献1の図4で示されるようなマグネットやコイルの配置をすることは困難であり、前記した副共振を低減するためには新たな配置方法が課題となっている。
本発明の目的は前記した課題に鑑み、副共振を低減した光ピックアップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、該対物レンズ駆動装置は、前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載し、かつ、フォーカスコイルを周囲に有するレンズコイルホルダと、該レンズコイルホルダを前記光ディスク面に対する半径方向、及び前記光ディスク面に対する垂直方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、前記第1及び第2のトラッキングコイル及びフォーカスコイルに前記変動磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルと第2のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤの中心を挟んで異なる高さ方向位置に設けられたことを特徴としている。
【0007】
また本発明は、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、該対物レンズ駆動装置は、前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する傾き方向位置を制御するための変動磁界を供給するチルトコイルと、前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載するレンズコイルホルダと、該レンズコイルホルダを前記光ディスクの半径方向、前記光ディスク面に対する垂直方向、及び前記光ディスクに対する傾き方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、前記第1及び第2のトラッキングコイル、前記フォーカスコイル、及び前記チルトコイルに前記変動磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記チルトコイルは前記第2のトラッキングコイルと同じ側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルと第2のトラッキングコイルの大部分は前記サスペンションワイヤに対して一方の高さ方向位置に設けられ、前記チルトコイルは前記サスペンションワイヤに対して残る一方の高さ方向位置に設けられたことを特徴としている。
【0008】
また本発明は、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、該対物レンズ駆動装置は、前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する傾き方向位置を制御するための変動磁界を供給するチルトコイルと、前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載するレンズコイルホルダと、前記レンズコイルホルダを前記光ディスクの半径方向、及び前記光ディスク面に対する垂直方向、及び前記光ディスクに対する傾き方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、前記第1及び第2のトラッキングコイル、フォーカスコイル、及びチルトコイルに前記磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記チルトコイルは前記第2のトラッキングコイルと同じ側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤに対して一方の高さ方向位置に設けられ、前記第2のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤに対して残る一方の高さ方向位置に設けられ、前記チルトコイルの高さ中心は前記サスペンションワイヤの高さ位置に設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、副共振を低減した光ピックアップを提供でき、光ディスク装置の基本性能の向上に寄与できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例における光ピックアップのブロック図である。
【図2】実施例1における対物レンズ駆動装置の平面図と側面図である。
【図3】実施例1における対物レンズ駆動装置の断面図である。
【図4】実施例1における対物レンズ駆動装置の外観図である。
【図5】実施例1におけるマグネットホルダの外観図である。
【図6】実施例1におけるマグネットホルダの別な外観図である。
【図7】実施例1におけるレンズコイルホルダ周辺の外観図である。
【図8】実施例1におけるレンズコイルホルダ周辺の別な外観図である。
【図9】実施例2における対物レンズ駆動装置の平面図と側面図である。
【図10】実施例2における対物レンズ駆動装置の断面図である。
【図11】実施例2における対物レンズ駆動装置の外観図である。
【図12】実施例2におけるマグネットホルダの外観図である。
【図13】実施例2におけるマグネットホルダの別な外観図である。
【図14】実施例2における対物レンズホルダ周辺の外観図である。
【図15】実施例2における各コイルの位置を示す断面図である。
【図16】実施例3における対物レンズ駆動装置の平面図と側面図である。
【図17】実施例3における対物レンズホルダ周辺の外観図である。
【図18】実施例3における各コイルの位置を示す断面図である。
【図19】実施例3におけるマグネットホルダの外観図である。
【図20】実施例3におけるマグネットホルダの別な外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて説明する。まず、光ディスク装置で使用する光ピックアップの全体構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例における光ピックアップのブロック図である。前記したようなDVD/CD、BDの双方に対応した光ピックアップを示している。
【0012】
図1において、光ピックアップは最も基本的な構成要素として、対物レンズ駆動装置1、レーザ光源21A、21B、光検出器31A、31B、全反射ミラー(図示のように全反射と透過の双方を行うビームスプリッタでもあって良い)110A、110Bを有している。対物レンズ駆動装置1は後記するように多数の構成要素を含むが、ここでは対物レンズ101、102を示している。図中の矢印はレーザ光源21Aないし21Bで発生されたレーザ光の光路を示す。
【0013】
左半分に示したレーザ光源21A、全反射ミラー110A、対物レンズ101、光検出器31AはDVD/CD用の構成要素であり、残る右半分はBD用の構成要素であるとする。例えば、BD用のレーザ光源21Bで発生された青系レーザ光は、全反射ミラー110Bで全反射されて対物レンズ102に至る。さらに図示しない光ディスク面に照射され、レーザ光の有する情報は光ディスクに記録される。また、光ディスク面から反射されて対物レンズ102で集光されたレーザ光は、光検出器31Bに至り、図示しない後段の信号処理回路において、光ディスクに記録されていた情報が再生される。DVD/CD用のレーザ光源21Aで発生された赤(赤外)系レーザ光に関しては、全反射ミラー110A、対物レンズ101、光検出器31Aを用いて同様な記録再生処理が行われる。
【0014】
なお実際の光ピックアップでは、レーザ光源21A、21Bから出射された発散光を平行光にするコリメートレンズをはじめ、さらに多くの構成要素を有しているが、説明の煩雑化を避けるため記述を省略する。
以下、図1で示した光ピックアップの構成要素のうち対物レンズ駆動装置1に重点を置いて、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0015】
図2は、実施例1における対物レンズ駆動装置1の平面図と側面図である。中央が平面図であり、図面上で上下方向は光ディスクの半径方向であるトラッキング方向、左右方向は線速度方向であるタンジェント方向、垂直方向はフォーカス方向である。平面図に対して、左方向、右方向、下方向から見た側面図を併せて示している。
【0016】
第1の対物レンズ101(例えばDVD/CD用レンズ)及び、第2の対物レンズ102(例えばBD用レンズ)がレンズコイルホルダ103に搭載されている。レンズコイルホルダ103は、第1の対物レンズ101及び第2の対物レンズ102をトラッキング方向やフォーカス方向に移動させるアクチュエータ機能を有する。これにより、光ディスクの記録トラックに対するトラッキング制御やフォーカス制御が行われる。
【0017】
周知のとおり、これらは磁界により制御するものである。第1の導電基板107Aから供給されるトラッキング制御信号やフォーカス制御信号は、サスペンションワイヤ109A〜109F(109Dと109Eには符号を付していないが、後の図で示される)を介して第2の導電基板107Bに送られる。次いでトラッキング制御信号は、第2の導電基板107Bからトラッキングコイル104A〜104H(104F〜104Hは示されていないが、後の図で示される)に供給される。トラッキングコイル104A〜104Hは前記トラッキング制御信号に基づき変動する磁界を発生させ、対物レンズ101及び対物レンズ102を搭載したレンズコイルホルダ103は該磁界に応じて、対物レンズ101ないし102を通過したレーザ光が光ディスクの記録トラックの中心をトレースするように制御する。またフォーカス制御信号は、第2の導電基板107Bからフォーカスコイル105に供給される。フォーカスコイル105は前記フォーカス制御信号に基づき変動する磁界を発生させ、対物レンズ101及び対物レンズ102を搭載したレンズコイルホルダ103は該磁界に応じて、対物レンズ101ないし102を通過したレーザ光が光ディスクの記録面にフォーカスを結ぶように制御する。
【0018】
レンズコイルホルダ103には、対物レンズ101、102、トラッキングコイル104A〜104H、フォーカスコイル105が搭載されている。サスペンションワイヤ109A〜109Fは、前記した制御信号を伝達するほか、第1の導電用基板1を介してダンピングホルダ108にレンズコイルホルダ103を弾性支持する作用を有している。
なお、ここではマグネットが6個、トラッキングコイルが8個、フォーカスコイルが1個、サスペンションワイヤが6個である例を示したが、これは一例であってこれらの数が異なる場合も本実施例の範疇にある。
【0019】
第2の対物レンズ102に到る、レーザ光の光路について説明する。
図3は、実施例1における対物レンズ駆動装置1の断面図であり、図1において対物レンズ102の中心を左右方向に切断した場合の断面図であるが、もちろん対物レンズ101の中心で切断した場合も、類似した断面図となる。
【0020】
図3において、破線で囲った部分はレーザ光の光路を示している。レーザ光源(図示せず)で発生されたレーザ光は、図の左側より全反射ミラー110Bに入射され、対物レンズ102に向けて図の上方向に全反射される。前記したように図3に示す構成は、光ピックアップを薄型化するうえで有効である。本実施例のように対物レンズが複数の場合には、レーザ光を通過させるための大きな空洞が図3の奥行方向に必要となる。
実際の空洞の大きさにも含め、図4〜図8を用いてさらに詳しく示す。
【0021】
図4は、実施例1における対物レンズ駆動装置1の外観図であり、図2の中央の平面図に対して斜め左上側から描いたものである。マグネット106A〜106Fが搭載されたマグネットホルダ106Zにおいて、図の左手前側にはレーザ光を通過させるための大きな空洞が設けられている。少なくとも、空洞の両側にはマグネットを配置することは困難である。
【0022】
図5は、実施例1におけるマグネットホルダ106Zの外観図であり、図4と同じ方向から描いたものである。図6は、実施例1におけるマグネットホルダ106Zの別な外観図であり、図5の右方向から描いたものである。マグネットホルダ106Zには、前記対物レンズ101と102を搭載したレンズコイルホルダ103に対して直流磁界を与えるためのマグネット106A〜106Fが搭載されている。先に図3で示したとおり、対向するマグネット106A〜106Cと106D〜106Fの間には、全反射ミラー110Bが設けられている。そこで、レーザ光が入射する側に設けられたマグネット106A〜106Cは、入射するレーザ光を通過させる空洞の上側に設けられる。これらと対向した位置にあるマグネット106D〜106Fは、入射するレーザ光の正面側、すなわち全反射ミラーの裏側のほぼ全面を利用して設けられる。
【0023】
図7は、実施例1におけるレンズコイルホルダ103周辺の外観図であり、図4と比較してマグネット106A〜106F、及びマグネットホルダ106Zを除去した状態を描いている。図8は、実施例1におけるレンズコイルホルダ103周辺の別な外観図であり、図7の右方向から描いたものである。トラッキングコイル104A〜104Hが搭載されたレンズコイルホルダ103において、図7の左手前側にはレーザ光を通過させるための大きな空洞が設けられている。少なくも空洞の両側にはトラッキングコイルを配置することは困難である。そこで、レーザ光が入射する側に設けられたトラッキングコイル104A〜104Dは、入射するレーザ光を通過させる空洞の上側に設けられる。これらと対向した位置にあるトラッキングコイル104E〜104Hは、入射するレーザ光の正面側、即ち全反射ミラーの裏側に設けられる。
【0024】
次に本実施例における副共振を低減させるための、トラッキングコイル104A〜104Hの配置方法について説明する。
記録再生動作の不具合を引き起こす副共振とは、トラッキングコイル104A〜104Hが誘起する磁界が発生する推力に起因している。例えば推力がレンズコイルホルダ103の上側に集中した場合は、レンズコイルホルダ103が倒れ込む方向に機能するため、前記した副共振を引き起こす。
【0025】
本実施例においては副共振を低減するため、推力が倒れ込む力を発生しないようにトラッキングコイル104A〜104Hの配置を定めることを特徴としている。図2ないし図8において、レンズコイルホルダ103を支持するサスペンションワイヤ109A〜109Fのうち、中央に位置するサスペンションワイヤ109B、109Eを高さ中心とした力学的なモーメントを考える。レンズコイルホルダ103において、サスペンションワイヤ109B、109Eよりも上側部分の重心にかかる推力の、サスペンションワイヤ109B、109Eに対するモーメントをAとする。また、レンズコイルホルダ103において、サスペンションワイヤ109B、109Eよりも下側部分の重心にかかる推力の、サスペンションワイヤ109B、109Eに対するモーメントをBとする。モーメントAとBが等しければ、前記した倒れ込みは発生せず副共振は大幅に低減される。
【0026】
実際には、レンズコイルホルダ103に搭載される構成要素の重量では、トラッキングコイル104A〜104Hの重量が大きな比率を占めている。従い前記副共振を低減するためには、サスペンションワイヤ109B、109Eに対するトラッキングコイル104A〜104Hの配置方法が重要な課題となる。
【0027】
実施例1では、図2、図4、図7、図8で示したとおり、レーザ光の入射する空洞やサスペンションワイヤ109B、109Eの上側に設けられたトラッキングコイル104A〜104Dに対して、対向するトラッキングコイル104E〜104Hを、入射するレーザ光の正面側、全反射ミラーの裏側、即ちサスペンションワイヤ109B、109Eの下側に設けたことを一つの特徴としている。このため実施例1は、前記した推力によって副共振が発生して記録再生動作の不具合を引き起こす現象を、大幅に改善することができる。
【0028】
なお、対物レンズ駆動装置1には、前記したトラッキングコイルとフォーカスコイルのほかに、対物レンズの傾きを補正するためのチルトコイルを有することが多い。これについては具体的に示さなかったが、例えば図2の中央の平面図で、レンズコイルホルダ103における第2の対物レンズ102の下側(図面上で)に、チルトコイルを搭載する方法がある。この場合、チルトコイルはフォーカスコイル105に対しては平行する方向に、トラッキングコイル104A〜104Hに対しては直交する方向に設けられる。
【実施例2】
【0029】
次に実施例1とは異なる本発明の実施例を説明する。以下、実施例1とは異なる事項を中心に述べ、概略同等で良い構成要素については同じ番号を付して、詳しい説明を省略することがある。
【0030】
図9は、実施例2における対物レンズ駆動装置1の平面図と側面図である。図2とは異なり、トラッキングコイルは104I〜104Lの4個であり、マグネットは106G〜106Nの8個である。新たに2個のチルトコイル111A、111Bが設けられている。6個のサスペンションワイヤ109A〜109Fは、図2と比較して支持中心が上方向に移動されている。
【0031】
図10は、実施例2における対物レンズ駆動装置1の断面図である。先の図3と同様な方法で描いており、破線はレーザ光の光路を示している。
レーザ光源(図示せず)で発生されたレーザ光は、図の左側より全反射ミラー110Bに入射され、対物レンズ102に向けて図の上方向に全反射されるため、本実施例のように対物レンズが複数の場合には、レーザ光を通過させるための大きな空洞が図10の奥行方向に必要となる。
【0032】
図11は、実施例2における対物レンズ駆動装置1の外観図である。先の図4と同様な方法で描いている。マグネット106G〜106Nが搭載されたマグネットホルダ106Zにおいて、図の左手前側にはレーザ光を通過させるための大きな空洞が設けられている。少なくも、空洞の両側にはマグネットを配置することは困難である。
【0033】
図12は、実施例2におけるマグネットホルダ106Zの外観図であり、図11と同じ方向から描いたものである。図13は、実施例2におけるマグネットホルダ106Zの別な外観図であり、図12の右方向から描いたものである。マグネットホルダ106Zには、直流磁界を与えるためのマグネット106G〜106Nが搭載されている。図10で示したとおり、対向するマグネット106G〜106Iと106J〜106Nの間には、全反射ミラー110Bが設けられている。そこで、レーザ光が入射する側に設けられたマグネット106G〜106Iは、入射するレーザ光を通過させる空洞の上側に設けられる。これらと対向した位置にあるマグネット106J〜106Nは、入射するレーザ光の正面側、すなわち全反射ミラーの裏側を利用して設けられる。
【0034】
図14は、実施例2における対物レンズホルダ周辺の外観図であり、例えばレンズコイルホルダ103などを除去して、対物レンズ101、102、トラッキングコイル104I〜104L、トラッキングコイル105、チルトコイル111A、111B、マグネット106G〜106Nの相対的な位置が分かるように描いている。図示しないレンズコイルホルダ103において、図14の左手前側にはレーザ光を通過させるための大きな空洞が設けられている。少なくも空洞の両側にはトラッキングコイルを配置することは困難である。そこで、レーザ光が入射する側に設けられたトラッキングコイル104I、104Jは、入射するレーザ光を通過させる空洞の上側に設けられる。これらと対向した位置には、トラッキングコイル104K、104Lが設けられる。先の実施例1では、トラッキングコイル104E〜104Hは、トラッキングコイル104A〜104Dに対して、サスペンションワイヤ109B、109Eを挟んで反対側の高さに位置したが、実施例2では、トラッキングコイル104K、104Lは、トラッキングコイル104I、104Jに近い高さにある。
【0035】
図15は、実施例2における各コイルの位置を示す断面図であり、図14における対物レンズ101と102の双方の中心を通る断面で描いたものである。図中の一点破線は、サスペンションワイヤ109B、109Eの高さ中心を示す。
図15において、チルトコイル111Aはマグネット106J、及びマグネット106Jとは極性の異なるマグネット106Nの双方に対して、略同じ面積ずつ重畳するように配置されている。同様にして、チルトコイル111Bはマグネット106L、及びマグネット106Lとは極性の異なるマグネット106Mの双方に対して、略同じ面積ずつ重畳するように配置されている。このため、チルトコイル111A、111Bは対物レンズの各チルト方向に対して推力を発生することができるため、小型のコイルであっても目的を達成することができる。尚、本実施例において、チルトコイルの効率低下が問題でなければ、マグネット106M、106Nはなくともよい。
【0036】
一方、先の図9における下側からの側面図でも示されるように、サスペンションワイヤ109Bと109Eの高さは図15のフォーカスコイル105の高さにあるが、フォーカスコイル105の高さ中心よりは低い位置となっている。このため、トラッキングコイル104I〜104Lにおいて質量や推力は、サスペンションワイヤ109Bと109Eを挟んで、下側よりも上側の方が大きい。一方、チルトコイル111Aと111Bは主にサスペンションワイヤ109Bと109Eの下側に位置している。これによりトラッキングコイル104I〜104Lの発生するトラッキング方向の推力のモーメントにつき、サスペンションワイヤ109Bと109Eを挟んだ両側で略等しくすることができる。これにより実施例2は、前記した推力によって副共振が発生して記録再生動作の不具合を引き起こす現象を、大幅に改善することができる。
【0037】
実施例2は実施例1と比較し、チルトコイル111Aと111Bを考慮して副共振を低減する点が異なる。
なお実施例2においても、示した各構成要素の数は一例であって異なる他の例を考えることができるが、いずれも本実施例の範疇にある。
【実施例3】
【0038】
次に実施例1と実施例2の特徴を併せ備えた、本発明のさらに異なる実施例を説明する。
図16は、実施例3における対物レンズ駆動装置1の平面図と側面図である。
図17は、実施例3における対物レンズホルダ周辺の外観図であり、実施例2の図14と同様な方法で描いている。
【0039】
図18は、実施例3における各コイルの位置を示す断面図であり、実施例2の図15と同様な方法で描いている。図中の一点破線は、サスペンションワイヤ109B、109Eの高さ中心を示す。また、破線で示したトラッキングコイル104Mと104Nは、トラッキングコイル104P、104Qと対向する面にあるので、本来はこの断面図には存在しないが、相対的な高さ位置が分かるようにするために描き加えている。
図19は、実施例3におけるマグネットホルダの外観図であり、図20は、実施例3におけるマグネットホルダの別な外観図である。いずれも実施例2の図12、図13と同様な方法で描いている。
【0040】
即ち実施例3は、トラッキングコイルやマグネットの数は実施例2と同様であるが、配置が異なっている。トラッキングコイル104Pと104Qが、トラッキングコイル104Mと104Nとは高さ位置が異なり、サスペンションワイヤ109B、109Eを挟んで上下に位置することでは実施例1に類似している。このためサスペンションワイヤ109B、109Eは、実施例1と同様な高さにあって良い。また、チルトコイル111Aは、互いに極性の異なるマグネット106Sと106Wに略同じ面積ずつ重畳し、チルトコイル111Bは、互いに極性の異なるマグネット106Tと106Uに略同じ面積ずつ重畳することでは実施例2に類似している。チルトコイル111Aと111Bは、サスペンションワイヤ109B、109Eの高さ位置に対して略対称に設けられている。以上の配置変更に伴い図19と図20で示すように、各マグネットの配置と極性は図12や図13とは異なっている。尚、本実施例において、チルトコイルの効率低下が問題でなければ、マグネット106S、106Tはなくともよい。
【0041】
実施例3では実施例1と同様に、レーザ光の入射する空洞やサスペンションワイヤ109B、109Eの上側に設けられたトラッキングコイル104Mと104Nに対して、対向するトラッキングコイル104Pと104Qを、入射するレーザ光の正面側、全反射ミラーの裏側、即ちサスペンションワイヤ109B、109Eの下側に設けたことを一つの特徴としている。また、チルトコイル111Aと111Bは、サスペンションワイヤ109B、109Eの高さ位置に対して略対称に設けられている。これにより実施例3においても、前記した推力によって副共振が発生して記録再生動作の不具合を引き起こす現象を、大幅に改善することができる。
ここまで示した実施形態は一例であって、本発明を限定するものではない。本発明の趣旨に基づきながら異なる実施形態を考えられるが、いずれも本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0042】
1:対物レンズ駆動装置、101:第1の対物レンズ、102:第2の対物レンズ、103:レンズコイルホルダ、104A〜104Q:トラッキングコイル、105:フォーカスコイル、106A〜106W:マグネット、106Z:マグネットホルダ、107A:第1の導電基板、107B:第2の導電基板、108:ダンピングホルダ、109A〜109F:サスペンションワイヤ、110A,110B:全反射ミラー、111A,111B:チルトコイル。
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク装置で使用する光ピックアップに係り、特に副共振を低減した光ピックアップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置の分野では昨今の薄型化の要求に応じて、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生するための光ピックアップにおいても、薄型化が進められている。光ピックアップの薄型化を進めるうえでは、対物レンズや駆動用のコイルを搭載したレンズコイルホルダが移動する際の、副共振を低減することが重要である。副共振は、記録再生動作を不安定にする大きな要因となる。
特許文献1においてはこの件に係り、レンズホルダを支持する4本のワイヤに対して第1のコイルを一方に、第2のコイルを残る一方に配置した光ピックアップ装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−281018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近の薄型化された光ピックアップにおいては多くの場合、レーザ光源で発生されたレーザ光は、まず光ディスク面に対し略平行に進行し、光ピックアップ内の全反射ミラーで全反射され、対物レンズを介して光ディスクに対し垂直に照射される。これに対して全反射ミラーを使用しない場合には、対物レンズの真下に設けられたレーザ光源で発生されたレーザ光がそのまま直進して、対物レンズから光ディスクに照射される構成となる。これは光ピックアップの厚みを増加させるので、薄型化を進めるうえで望ましくない。
全反射ミラーを使用する場合には、光ピックアップにおける直流磁界を発生するマグネットホルダや前記レンズコイルホルダには、レーザ光を通過させる空洞が必要である。
【0005】
一方で現在、BD(Blu-ray Disc)の普及が進んでいる。これに伴い光ピックアップでは、BD用及び従来のDVD(Digital Versatile Disc)/CD(Compact Disc)用の二つの構成要素を備えるものが増加している。このための光ピックアップでは、対物レンズ、レーザ光源や全反射ミラーが二つ必要なことはもちろん、前記レーザ光を通過させるマグネットホルダやレンズコイルホルダの空洞の幅を広くする必要がある。実際にはこれらホルダの一面は一定の高さまでは、ほぼ前記空洞で占められることになる。このため、これらホルダの一面ではマグネットやトラッキングコイルをはじめとするコイルを配置する自由度が少なく、特に前記空洞と略同じ高さには配置すること自体が困難である。例えば、特許文献1の図4で示されるようなマグネットやコイルの配置をすることは困難であり、前記した副共振を低減するためには新たな配置方法が課題となっている。
本発明の目的は前記した課題に鑑み、副共振を低減した光ピックアップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、該対物レンズ駆動装置は、前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載し、かつ、フォーカスコイルを周囲に有するレンズコイルホルダと、該レンズコイルホルダを前記光ディスク面に対する半径方向、及び前記光ディスク面に対する垂直方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、前記第1及び第2のトラッキングコイル及びフォーカスコイルに前記変動磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルと第2のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤの中心を挟んで異なる高さ方向位置に設けられたことを特徴としている。
【0007】
また本発明は、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、該対物レンズ駆動装置は、前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する傾き方向位置を制御するための変動磁界を供給するチルトコイルと、前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載するレンズコイルホルダと、該レンズコイルホルダを前記光ディスクの半径方向、前記光ディスク面に対する垂直方向、及び前記光ディスクに対する傾き方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、前記第1及び第2のトラッキングコイル、前記フォーカスコイル、及び前記チルトコイルに前記変動磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記チルトコイルは前記第2のトラッキングコイルと同じ側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルと第2のトラッキングコイルの大部分は前記サスペンションワイヤに対して一方の高さ方向位置に設けられ、前記チルトコイルは前記サスペンションワイヤに対して残る一方の高さ方向位置に設けられたことを特徴としている。
【0008】
また本発明は、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、該対物レンズ駆動装置は、前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、前記対物レンズの前記光ディスク面に対する傾き方向位置を制御するための変動磁界を供給するチルトコイルと、前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載するレンズコイルホルダと、前記レンズコイルホルダを前記光ディスクの半径方向、及び前記光ディスク面に対する垂直方向、及び前記光ディスクに対する傾き方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、前記第1及び第2のトラッキングコイル、フォーカスコイル、及びチルトコイルに前記磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記チルトコイルは前記第2のトラッキングコイルと同じ側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤに対して一方の高さ方向位置に設けられ、前記第2のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤに対して残る一方の高さ方向位置に設けられ、前記チルトコイルの高さ中心は前記サスペンションワイヤの高さ位置に設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、副共振を低減した光ピックアップを提供でき、光ディスク装置の基本性能の向上に寄与できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例における光ピックアップのブロック図である。
【図2】実施例1における対物レンズ駆動装置の平面図と側面図である。
【図3】実施例1における対物レンズ駆動装置の断面図である。
【図4】実施例1における対物レンズ駆動装置の外観図である。
【図5】実施例1におけるマグネットホルダの外観図である。
【図6】実施例1におけるマグネットホルダの別な外観図である。
【図7】実施例1におけるレンズコイルホルダ周辺の外観図である。
【図8】実施例1におけるレンズコイルホルダ周辺の別な外観図である。
【図9】実施例2における対物レンズ駆動装置の平面図と側面図である。
【図10】実施例2における対物レンズ駆動装置の断面図である。
【図11】実施例2における対物レンズ駆動装置の外観図である。
【図12】実施例2におけるマグネットホルダの外観図である。
【図13】実施例2におけるマグネットホルダの別な外観図である。
【図14】実施例2における対物レンズホルダ周辺の外観図である。
【図15】実施例2における各コイルの位置を示す断面図である。
【図16】実施例3における対物レンズ駆動装置の平面図と側面図である。
【図17】実施例3における対物レンズホルダ周辺の外観図である。
【図18】実施例3における各コイルの位置を示す断面図である。
【図19】実施例3におけるマグネットホルダの外観図である。
【図20】実施例3におけるマグネットホルダの別な外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて説明する。まず、光ディスク装置で使用する光ピックアップの全体構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例における光ピックアップのブロック図である。前記したようなDVD/CD、BDの双方に対応した光ピックアップを示している。
【0012】
図1において、光ピックアップは最も基本的な構成要素として、対物レンズ駆動装置1、レーザ光源21A、21B、光検出器31A、31B、全反射ミラー(図示のように全反射と透過の双方を行うビームスプリッタでもあって良い)110A、110Bを有している。対物レンズ駆動装置1は後記するように多数の構成要素を含むが、ここでは対物レンズ101、102を示している。図中の矢印はレーザ光源21Aないし21Bで発生されたレーザ光の光路を示す。
【0013】
左半分に示したレーザ光源21A、全反射ミラー110A、対物レンズ101、光検出器31AはDVD/CD用の構成要素であり、残る右半分はBD用の構成要素であるとする。例えば、BD用のレーザ光源21Bで発生された青系レーザ光は、全反射ミラー110Bで全反射されて対物レンズ102に至る。さらに図示しない光ディスク面に照射され、レーザ光の有する情報は光ディスクに記録される。また、光ディスク面から反射されて対物レンズ102で集光されたレーザ光は、光検出器31Bに至り、図示しない後段の信号処理回路において、光ディスクに記録されていた情報が再生される。DVD/CD用のレーザ光源21Aで発生された赤(赤外)系レーザ光に関しては、全反射ミラー110A、対物レンズ101、光検出器31Aを用いて同様な記録再生処理が行われる。
【0014】
なお実際の光ピックアップでは、レーザ光源21A、21Bから出射された発散光を平行光にするコリメートレンズをはじめ、さらに多くの構成要素を有しているが、説明の煩雑化を避けるため記述を省略する。
以下、図1で示した光ピックアップの構成要素のうち対物レンズ駆動装置1に重点を置いて、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0015】
図2は、実施例1における対物レンズ駆動装置1の平面図と側面図である。中央が平面図であり、図面上で上下方向は光ディスクの半径方向であるトラッキング方向、左右方向は線速度方向であるタンジェント方向、垂直方向はフォーカス方向である。平面図に対して、左方向、右方向、下方向から見た側面図を併せて示している。
【0016】
第1の対物レンズ101(例えばDVD/CD用レンズ)及び、第2の対物レンズ102(例えばBD用レンズ)がレンズコイルホルダ103に搭載されている。レンズコイルホルダ103は、第1の対物レンズ101及び第2の対物レンズ102をトラッキング方向やフォーカス方向に移動させるアクチュエータ機能を有する。これにより、光ディスクの記録トラックに対するトラッキング制御やフォーカス制御が行われる。
【0017】
周知のとおり、これらは磁界により制御するものである。第1の導電基板107Aから供給されるトラッキング制御信号やフォーカス制御信号は、サスペンションワイヤ109A〜109F(109Dと109Eには符号を付していないが、後の図で示される)を介して第2の導電基板107Bに送られる。次いでトラッキング制御信号は、第2の導電基板107Bからトラッキングコイル104A〜104H(104F〜104Hは示されていないが、後の図で示される)に供給される。トラッキングコイル104A〜104Hは前記トラッキング制御信号に基づき変動する磁界を発生させ、対物レンズ101及び対物レンズ102を搭載したレンズコイルホルダ103は該磁界に応じて、対物レンズ101ないし102を通過したレーザ光が光ディスクの記録トラックの中心をトレースするように制御する。またフォーカス制御信号は、第2の導電基板107Bからフォーカスコイル105に供給される。フォーカスコイル105は前記フォーカス制御信号に基づき変動する磁界を発生させ、対物レンズ101及び対物レンズ102を搭載したレンズコイルホルダ103は該磁界に応じて、対物レンズ101ないし102を通過したレーザ光が光ディスクの記録面にフォーカスを結ぶように制御する。
【0018】
レンズコイルホルダ103には、対物レンズ101、102、トラッキングコイル104A〜104H、フォーカスコイル105が搭載されている。サスペンションワイヤ109A〜109Fは、前記した制御信号を伝達するほか、第1の導電用基板1を介してダンピングホルダ108にレンズコイルホルダ103を弾性支持する作用を有している。
なお、ここではマグネットが6個、トラッキングコイルが8個、フォーカスコイルが1個、サスペンションワイヤが6個である例を示したが、これは一例であってこれらの数が異なる場合も本実施例の範疇にある。
【0019】
第2の対物レンズ102に到る、レーザ光の光路について説明する。
図3は、実施例1における対物レンズ駆動装置1の断面図であり、図1において対物レンズ102の中心を左右方向に切断した場合の断面図であるが、もちろん対物レンズ101の中心で切断した場合も、類似した断面図となる。
【0020】
図3において、破線で囲った部分はレーザ光の光路を示している。レーザ光源(図示せず)で発生されたレーザ光は、図の左側より全反射ミラー110Bに入射され、対物レンズ102に向けて図の上方向に全反射される。前記したように図3に示す構成は、光ピックアップを薄型化するうえで有効である。本実施例のように対物レンズが複数の場合には、レーザ光を通過させるための大きな空洞が図3の奥行方向に必要となる。
実際の空洞の大きさにも含め、図4〜図8を用いてさらに詳しく示す。
【0021】
図4は、実施例1における対物レンズ駆動装置1の外観図であり、図2の中央の平面図に対して斜め左上側から描いたものである。マグネット106A〜106Fが搭載されたマグネットホルダ106Zにおいて、図の左手前側にはレーザ光を通過させるための大きな空洞が設けられている。少なくとも、空洞の両側にはマグネットを配置することは困難である。
【0022】
図5は、実施例1におけるマグネットホルダ106Zの外観図であり、図4と同じ方向から描いたものである。図6は、実施例1におけるマグネットホルダ106Zの別な外観図であり、図5の右方向から描いたものである。マグネットホルダ106Zには、前記対物レンズ101と102を搭載したレンズコイルホルダ103に対して直流磁界を与えるためのマグネット106A〜106Fが搭載されている。先に図3で示したとおり、対向するマグネット106A〜106Cと106D〜106Fの間には、全反射ミラー110Bが設けられている。そこで、レーザ光が入射する側に設けられたマグネット106A〜106Cは、入射するレーザ光を通過させる空洞の上側に設けられる。これらと対向した位置にあるマグネット106D〜106Fは、入射するレーザ光の正面側、すなわち全反射ミラーの裏側のほぼ全面を利用して設けられる。
【0023】
図7は、実施例1におけるレンズコイルホルダ103周辺の外観図であり、図4と比較してマグネット106A〜106F、及びマグネットホルダ106Zを除去した状態を描いている。図8は、実施例1におけるレンズコイルホルダ103周辺の別な外観図であり、図7の右方向から描いたものである。トラッキングコイル104A〜104Hが搭載されたレンズコイルホルダ103において、図7の左手前側にはレーザ光を通過させるための大きな空洞が設けられている。少なくも空洞の両側にはトラッキングコイルを配置することは困難である。そこで、レーザ光が入射する側に設けられたトラッキングコイル104A〜104Dは、入射するレーザ光を通過させる空洞の上側に設けられる。これらと対向した位置にあるトラッキングコイル104E〜104Hは、入射するレーザ光の正面側、即ち全反射ミラーの裏側に設けられる。
【0024】
次に本実施例における副共振を低減させるための、トラッキングコイル104A〜104Hの配置方法について説明する。
記録再生動作の不具合を引き起こす副共振とは、トラッキングコイル104A〜104Hが誘起する磁界が発生する推力に起因している。例えば推力がレンズコイルホルダ103の上側に集中した場合は、レンズコイルホルダ103が倒れ込む方向に機能するため、前記した副共振を引き起こす。
【0025】
本実施例においては副共振を低減するため、推力が倒れ込む力を発生しないようにトラッキングコイル104A〜104Hの配置を定めることを特徴としている。図2ないし図8において、レンズコイルホルダ103を支持するサスペンションワイヤ109A〜109Fのうち、中央に位置するサスペンションワイヤ109B、109Eを高さ中心とした力学的なモーメントを考える。レンズコイルホルダ103において、サスペンションワイヤ109B、109Eよりも上側部分の重心にかかる推力の、サスペンションワイヤ109B、109Eに対するモーメントをAとする。また、レンズコイルホルダ103において、サスペンションワイヤ109B、109Eよりも下側部分の重心にかかる推力の、サスペンションワイヤ109B、109Eに対するモーメントをBとする。モーメントAとBが等しければ、前記した倒れ込みは発生せず副共振は大幅に低減される。
【0026】
実際には、レンズコイルホルダ103に搭載される構成要素の重量では、トラッキングコイル104A〜104Hの重量が大きな比率を占めている。従い前記副共振を低減するためには、サスペンションワイヤ109B、109Eに対するトラッキングコイル104A〜104Hの配置方法が重要な課題となる。
【0027】
実施例1では、図2、図4、図7、図8で示したとおり、レーザ光の入射する空洞やサスペンションワイヤ109B、109Eの上側に設けられたトラッキングコイル104A〜104Dに対して、対向するトラッキングコイル104E〜104Hを、入射するレーザ光の正面側、全反射ミラーの裏側、即ちサスペンションワイヤ109B、109Eの下側に設けたことを一つの特徴としている。このため実施例1は、前記した推力によって副共振が発生して記録再生動作の不具合を引き起こす現象を、大幅に改善することができる。
【0028】
なお、対物レンズ駆動装置1には、前記したトラッキングコイルとフォーカスコイルのほかに、対物レンズの傾きを補正するためのチルトコイルを有することが多い。これについては具体的に示さなかったが、例えば図2の中央の平面図で、レンズコイルホルダ103における第2の対物レンズ102の下側(図面上で)に、チルトコイルを搭載する方法がある。この場合、チルトコイルはフォーカスコイル105に対しては平行する方向に、トラッキングコイル104A〜104Hに対しては直交する方向に設けられる。
【実施例2】
【0029】
次に実施例1とは異なる本発明の実施例を説明する。以下、実施例1とは異なる事項を中心に述べ、概略同等で良い構成要素については同じ番号を付して、詳しい説明を省略することがある。
【0030】
図9は、実施例2における対物レンズ駆動装置1の平面図と側面図である。図2とは異なり、トラッキングコイルは104I〜104Lの4個であり、マグネットは106G〜106Nの8個である。新たに2個のチルトコイル111A、111Bが設けられている。6個のサスペンションワイヤ109A〜109Fは、図2と比較して支持中心が上方向に移動されている。
【0031】
図10は、実施例2における対物レンズ駆動装置1の断面図である。先の図3と同様な方法で描いており、破線はレーザ光の光路を示している。
レーザ光源(図示せず)で発生されたレーザ光は、図の左側より全反射ミラー110Bに入射され、対物レンズ102に向けて図の上方向に全反射されるため、本実施例のように対物レンズが複数の場合には、レーザ光を通過させるための大きな空洞が図10の奥行方向に必要となる。
【0032】
図11は、実施例2における対物レンズ駆動装置1の外観図である。先の図4と同様な方法で描いている。マグネット106G〜106Nが搭載されたマグネットホルダ106Zにおいて、図の左手前側にはレーザ光を通過させるための大きな空洞が設けられている。少なくも、空洞の両側にはマグネットを配置することは困難である。
【0033】
図12は、実施例2におけるマグネットホルダ106Zの外観図であり、図11と同じ方向から描いたものである。図13は、実施例2におけるマグネットホルダ106Zの別な外観図であり、図12の右方向から描いたものである。マグネットホルダ106Zには、直流磁界を与えるためのマグネット106G〜106Nが搭載されている。図10で示したとおり、対向するマグネット106G〜106Iと106J〜106Nの間には、全反射ミラー110Bが設けられている。そこで、レーザ光が入射する側に設けられたマグネット106G〜106Iは、入射するレーザ光を通過させる空洞の上側に設けられる。これらと対向した位置にあるマグネット106J〜106Nは、入射するレーザ光の正面側、すなわち全反射ミラーの裏側を利用して設けられる。
【0034】
図14は、実施例2における対物レンズホルダ周辺の外観図であり、例えばレンズコイルホルダ103などを除去して、対物レンズ101、102、トラッキングコイル104I〜104L、トラッキングコイル105、チルトコイル111A、111B、マグネット106G〜106Nの相対的な位置が分かるように描いている。図示しないレンズコイルホルダ103において、図14の左手前側にはレーザ光を通過させるための大きな空洞が設けられている。少なくも空洞の両側にはトラッキングコイルを配置することは困難である。そこで、レーザ光が入射する側に設けられたトラッキングコイル104I、104Jは、入射するレーザ光を通過させる空洞の上側に設けられる。これらと対向した位置には、トラッキングコイル104K、104Lが設けられる。先の実施例1では、トラッキングコイル104E〜104Hは、トラッキングコイル104A〜104Dに対して、サスペンションワイヤ109B、109Eを挟んで反対側の高さに位置したが、実施例2では、トラッキングコイル104K、104Lは、トラッキングコイル104I、104Jに近い高さにある。
【0035】
図15は、実施例2における各コイルの位置を示す断面図であり、図14における対物レンズ101と102の双方の中心を通る断面で描いたものである。図中の一点破線は、サスペンションワイヤ109B、109Eの高さ中心を示す。
図15において、チルトコイル111Aはマグネット106J、及びマグネット106Jとは極性の異なるマグネット106Nの双方に対して、略同じ面積ずつ重畳するように配置されている。同様にして、チルトコイル111Bはマグネット106L、及びマグネット106Lとは極性の異なるマグネット106Mの双方に対して、略同じ面積ずつ重畳するように配置されている。このため、チルトコイル111A、111Bは対物レンズの各チルト方向に対して推力を発生することができるため、小型のコイルであっても目的を達成することができる。尚、本実施例において、チルトコイルの効率低下が問題でなければ、マグネット106M、106Nはなくともよい。
【0036】
一方、先の図9における下側からの側面図でも示されるように、サスペンションワイヤ109Bと109Eの高さは図15のフォーカスコイル105の高さにあるが、フォーカスコイル105の高さ中心よりは低い位置となっている。このため、トラッキングコイル104I〜104Lにおいて質量や推力は、サスペンションワイヤ109Bと109Eを挟んで、下側よりも上側の方が大きい。一方、チルトコイル111Aと111Bは主にサスペンションワイヤ109Bと109Eの下側に位置している。これによりトラッキングコイル104I〜104Lの発生するトラッキング方向の推力のモーメントにつき、サスペンションワイヤ109Bと109Eを挟んだ両側で略等しくすることができる。これにより実施例2は、前記した推力によって副共振が発生して記録再生動作の不具合を引き起こす現象を、大幅に改善することができる。
【0037】
実施例2は実施例1と比較し、チルトコイル111Aと111Bを考慮して副共振を低減する点が異なる。
なお実施例2においても、示した各構成要素の数は一例であって異なる他の例を考えることができるが、いずれも本実施例の範疇にある。
【実施例3】
【0038】
次に実施例1と実施例2の特徴を併せ備えた、本発明のさらに異なる実施例を説明する。
図16は、実施例3における対物レンズ駆動装置1の平面図と側面図である。
図17は、実施例3における対物レンズホルダ周辺の外観図であり、実施例2の図14と同様な方法で描いている。
【0039】
図18は、実施例3における各コイルの位置を示す断面図であり、実施例2の図15と同様な方法で描いている。図中の一点破線は、サスペンションワイヤ109B、109Eの高さ中心を示す。また、破線で示したトラッキングコイル104Mと104Nは、トラッキングコイル104P、104Qと対向する面にあるので、本来はこの断面図には存在しないが、相対的な高さ位置が分かるようにするために描き加えている。
図19は、実施例3におけるマグネットホルダの外観図であり、図20は、実施例3におけるマグネットホルダの別な外観図である。いずれも実施例2の図12、図13と同様な方法で描いている。
【0040】
即ち実施例3は、トラッキングコイルやマグネットの数は実施例2と同様であるが、配置が異なっている。トラッキングコイル104Pと104Qが、トラッキングコイル104Mと104Nとは高さ位置が異なり、サスペンションワイヤ109B、109Eを挟んで上下に位置することでは実施例1に類似している。このためサスペンションワイヤ109B、109Eは、実施例1と同様な高さにあって良い。また、チルトコイル111Aは、互いに極性の異なるマグネット106Sと106Wに略同じ面積ずつ重畳し、チルトコイル111Bは、互いに極性の異なるマグネット106Tと106Uに略同じ面積ずつ重畳することでは実施例2に類似している。チルトコイル111Aと111Bは、サスペンションワイヤ109B、109Eの高さ位置に対して略対称に設けられている。以上の配置変更に伴い図19と図20で示すように、各マグネットの配置と極性は図12や図13とは異なっている。尚、本実施例において、チルトコイルの効率低下が問題でなければ、マグネット106S、106Tはなくともよい。
【0041】
実施例3では実施例1と同様に、レーザ光の入射する空洞やサスペンションワイヤ109B、109Eの上側に設けられたトラッキングコイル104Mと104Nに対して、対向するトラッキングコイル104Pと104Qを、入射するレーザ光の正面側、全反射ミラーの裏側、即ちサスペンションワイヤ109B、109Eの下側に設けたことを一つの特徴としている。また、チルトコイル111Aと111Bは、サスペンションワイヤ109B、109Eの高さ位置に対して略対称に設けられている。これにより実施例3においても、前記した推力によって副共振が発生して記録再生動作の不具合を引き起こす現象を、大幅に改善することができる。
ここまで示した実施形態は一例であって、本発明を限定するものではない。本発明の趣旨に基づきながら異なる実施形態を考えられるが、いずれも本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0042】
1:対物レンズ駆動装置、101:第1の対物レンズ、102:第2の対物レンズ、103:レンズコイルホルダ、104A〜104Q:トラッキングコイル、105:フォーカスコイル、106A〜106W:マグネット、106Z:マグネットホルダ、107A:第1の導電基板、107B:第2の導電基板、108:ダンピングホルダ、109A〜109F:サスペンションワイヤ、110A,110B:全反射ミラー、111A,111B:チルトコイル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、
前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、
該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、
該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、
該対物レンズ駆動装置は、
前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、
該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、
前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載し、かつ、フォーカスコイルを周囲に有するレンズコイルホルダと、
該レンズコイルホルダを前記光ディスク面に対する半径方向、及び前記光ディスク面に対する垂直方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、
前記第1及び第2のトラッキングコイル及びフォーカスコイルに前記変動磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、
前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、
前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルと第2のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤの中心を挟んで異なる高さ方向位置に設けられたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】
光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、
前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、
該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、
該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、
該対物レンズ駆動装置は、
前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、
該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する傾き方向位置を制御するための変動磁界を供給するチルトコイルと、
前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載するレンズコイルホルダと、
該レンズコイルホルダを前記光ディスクの半径方向、前記光ディスク面に対する垂直方向、及び前記光ディスクに対する傾き方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、
前記第1及び第2のトラッキングコイル、前記フォーカスコイル、及び前記チルトコイルに前記変動磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、
前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、
前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記チルトコイルは前記第2のトラッキングコイルと同じ側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルと第2のトラッキングコイルの大部分は前記サスペンションワイヤに対して一方の高さ方向位置に設けられ、前記チルトコイルは前記サスペンションワイヤに対して残る一方の高さ方向位置に設けられたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項3】
光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、
前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、
該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、
該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、
該対物レンズ駆動装置は、
前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、
該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する傾き方向位置を制御するための変動磁界を供給するチルトコイルと、
前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載するレンズコイルホルダと、
前記レンズコイルホルダを前記光ディスクの半径方向、及び前記光ディスク面に対する垂直方向、及び前記光ディスクに対する傾き方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、
前記第1及び第2のトラッキングコイル、フォーカスコイル、及びチルトコイルに前記磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、
前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、
前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記チルトコイルは前記第2のトラッキングコイルと同じ側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤに対して一方の高さ方向位置に設けられ、前記第2のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤに対して残る一方の高さ方向位置に設けられ、前記チルトコイルの高さ中心は前記サスペンションワイヤの高さ位置に設けられたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップにおいて、前記第1及び第2のマグネット群を搭載するマグネットホルダを有し、該マグネットホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、前記第1のマグネット群は前記マグネットホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のマグネット群は前記マグネットホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置されたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項1】
光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、
前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、
該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、
該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、
該対物レンズ駆動装置は、
前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、
該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、
前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載し、かつ、フォーカスコイルを周囲に有するレンズコイルホルダと、
該レンズコイルホルダを前記光ディスク面に対する半径方向、及び前記光ディスク面に対する垂直方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、
前記第1及び第2のトラッキングコイル及びフォーカスコイルに前記変動磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、
前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、
前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルと第2のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤの中心を挟んで異なる高さ方向位置に設けられたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】
光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、
前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、
該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、
該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、
該対物レンズ駆動装置は、
前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、
該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する傾き方向位置を制御するための変動磁界を供給するチルトコイルと、
前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載するレンズコイルホルダと、
該レンズコイルホルダを前記光ディスクの半径方向、前記光ディスク面に対する垂直方向、及び前記光ディスクに対する傾き方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、
前記第1及び第2のトラッキングコイル、前記フォーカスコイル、及び前記チルトコイルに前記変動磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、
前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、
前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記チルトコイルは前記第2のトラッキングコイルと同じ側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルと第2のトラッキングコイルの大部分は前記サスペンションワイヤに対して一方の高さ方向位置に設けられ、前記チルトコイルは前記サスペンションワイヤに対して残る一方の高さ方向位置に設けられたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項3】
光ディスクに対してレーザ光を照射して情報信号を記録し再生する光ディスク装置の光ピックアップであって、
前記レーザ光を前記光ディスクのディスク面に対して平行する線速度方向に発生する複数のレーザ光源と、
該複数のレーザ光源で発生された前記レーザ光の各々が照射され前記光ディスクのディスク面に対して垂直な方向に反射する複数の全反射ミラーと、
該複数の全反射ミラーで反射されたレーザ光の各々が供給され該レーザ光を前記光ディスクに照射するための複数の対物レンズを有する対物レンズ駆動装置を有し、
該対物レンズ駆動装置は、
前記光ディスクにレーザ光を集光させるための複数の対物レンズと、
該対物レンズの前記光ディスク面に対する半径方向位置を制御するための変動磁界を供給する第1及び第2のトラッキングコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する垂直方向位置を制御するための変動磁界を供給するフォーカスコイルと、
前記対物レンズの前記光ディスク面に対する傾き方向位置を制御するための変動磁界を供給するチルトコイルと、
前記複数の対物レンズを前記光ディスクと対向する面に前記光ディスクの半径方向に並べて搭載し、また前記第1及び第2のトラッキングコイルを前記光ディスクの半径方向に平行した側面に搭載するレンズコイルホルダと、
前記レンズコイルホルダを前記光ディスクの半径方向、及び前記光ディスク面に対する垂直方向、及び前記光ディスクに対する傾き方向に駆動するための直流磁界を生成する前記光ディスクの半径方向に配置された第1及び第2のマグネット群と、
前記第1及び第2のトラッキングコイル、フォーカスコイル、及びチルトコイルに前記磁界を生成させるための制御信号を供給し、また前記レンズコイルホルダを支持する前記光ディスク面に対して平行する線速度方向に設けられたサスペンションワイヤを有し、
前記レンズコイルホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、
前記第1のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のトラッキングコイルは前記レンズコイルホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置され、前記チルトコイルは前記第2のトラッキングコイルと同じ側面に配置され、前記第1のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤに対して一方の高さ方向位置に設けられ、前記第2のトラッキングコイルは前記サスペンションワイヤに対して残る一方の高さ方向位置に設けられ、前記チルトコイルの高さ中心は前記サスペンションワイヤの高さ位置に設けられたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップにおいて、前記第1及び第2のマグネット群を搭載するマグネットホルダを有し、該マグネットホルダは、前記レーザ光を前記全反射ミラーに照射するための前記光ディスクの半径方向に広がる空洞を有し、前記第1のマグネット群は前記マグネットホルダにおける前記空洞の上部の側面に配置され、前記第2のマグネット群は前記マグネットホルダの前記全反射ミラーを挟んで反対側の側面に配置されたことを特徴とする光ピックアップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−181146(P2011−181146A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45529(P2010−45529)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
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