説明

光ファイバケーブル

本発明は、ランタン含有又はランタン非含有のコア・ガラスと、その周壁でコア・ガラスを完全に囲むクラッド・ガラスとを含む多成分ガラスからなるステップ・インデックス型光導波路に関する。本発明はさらに、コア・ガラスとその周壁でコア・ガラスを完全に囲むクラッド・ガラスとを含む多成分ガラスからなる複数のステップ・インデックス型光導波路を取り囲む、個々の複数のファイバの少なくとも1つの束を含む、電磁線を導くための光ファイバケーブルに関する。本発明の目的は、充分に耐久性の伝送特性を維持しながらデータを伝送するための、大きな伝送能力を有するステップ・インデックス型光導波路を提供することにある。さらに、光ファイバケーブルは、物理的及び化学的な周囲の影響に対する耐性があるべきであり、また過激な周囲の化学物質に対して保護されるべきである。上記目的は、ステップ・インデックス型光導波路のクラッド・ガラスが、ファイバを引っ張る際にコア・ガラスとの化学的相互作用が殆どなく、プラスチック外被に対して化学的に不活性な材料組成を有することによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランタン含有又はランタン非含有のコア・ガラスと、その周壁でコア・ガラスを完全に囲むクラッド・ガラスとを含む多成分ガラスからなるステップ・インデックス型光ファイバに関する。さらに、本発明は、個々のファイバがコア・ガラスとその周壁でコア・ガラスを完全に囲むクラッド・ガラスとを含む多成分ガラスからなる複数のステップ・インデックス型光ファイバの少なくとも1つの束を含む、電磁線を導くための光ファイバケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
データ伝送のためには、プラスチックファイバからなる光導波路が従来知られている。これらは、いわゆるMOSTバス・システムにおいて用いられている。プラスチックファイバは、慣用的な使用温度における老化安定性が低いという欠点がある。特に、光導波路が高濃度の侵食的化学物質を含む環境中で比較的長期間使用される場合、プラスチックファイバの表面だけでなく内部の構造も不利に変更される。これは、光学特性の望ましくない劣化を伴い、それによって、プラスチックファイバ内でのデータ伝送の伝送特性についての増大する要求が永遠には保証されなくなる。
【0003】
さらに、プラスチックファイバはそれらの環境の気候によって望ましくない崩壊にさらされる。プラスチックファイバからなるケーブルは、通常、−40℃〜+85℃の適用温度で使用される。特に自動車又は航空機内で使用される時、使用場所での頻繁に変わる温度により強められる老化現象を生ずる結果となる。
自動車のいくつかのエリアでは、内部では少なくとも125℃のあるいはエンジン・ルームでは少なくとも150℃のケーブルの熱安定性が要求される。プラスチックファイバからなるケーブルは、これらのエリアにおいて相当な不利益があるため、使用が差し控えられる結果となる。
【0004】
さらに単一のファイバ・ケーブルとして具体化されるプラスチックからなるデータ・ケーブルは、大きなファイバ直径のために大きな曲げ半径を有する。最小曲げ半径が下回る場合、光は連結を外れ、従ってデータ・ラインは中断される。
押出成形されたプラスチック・クラッドを有する光ファイバケーブルは、さらに照明用として知られている。これらのケーブルは、永久に最適のデータ伝送を保証するために必要な化学安定性、熱安定性及び機械的安定性に関して不利益を有する。
【0005】
多成分ガラスからなるステップ・インデックス型光ファイバは、適切な光ファイバでなければならず、ここでステップ・インデックス型ファイバはコア・ガラス及びその周辺の壁でコア・ガラスを完全に囲むクラッド・ガラスを含む。
【0006】
一般に、光を伝送するための光ファイバは、高い屈折率を有するコア・ガラスと、コア・ガラスを囲み、コア・ガラスの屈折率より低い屈折率を有するクラッド・ガラスから構成されている。屈折率がコア・ガラスの断面積にわたって一定であり、前記クラッド・ガラスで包まれるファイバ形態の光を伝送するガラス体は、ステップ・インデックス型ファイバと呼ばれている。
このタイプの光ファイバは、ファイバの一端へ連結された光をファイバの他端へ伝送し、ここで光はコア・ガラスとクラッド・ガラスとの間の界面で全体的に反射される(全反射)。
【0007】
そのようなファイバへ連結して伝送することができる光の量は、ファイバの開口数(NA)の二乗及びファイバ・コアの断面積に比例する。短い距離から中くらいの距離(<100m)にわたってできるだけ大量の光を伝送するために、そのような複数のステップ・インデックス型ファイバは保護スリーブを備えた密なファイバ束(ファイバ・バンドル)を形成するために一緒にパックされ、それらの末端部は金属ケーシングあるいは他のある適切な材料のケーシングで包まれ、末端面は研削仕上げ及び研磨処理されて光学的に平坦な面が形成される。それに応じて予め形成された光ファイバ束はファイバ光導波路と呼ばれている。
【0008】
これらのファイバ光導波路は、広範な技術及び医学の領域(一般的な工業技術、照明技術、交通技術、自動車産業、建築、内視鏡検査法、歯科医学)における用途がある。それらの最も重要な機能は、できるだけ高い光束の伝送である。
【0009】
束に含まれる個々のファイバのNAが高ければ高いほど、これらのファイバ光導波路によって伝送することができる光の量はより大きくなる。ファイバ光導波路によって伝送される光の量は、それらのファイバのNAだけでなくコア・ガラスの伝送特性にも依存する。非常に特定の特異的な組成を有し、溶解される原料の不純物の程度が非常に低いコア・ガラスだけが、光導波路の全長にわたってできるだけ低い減衰で光を導く。
【0010】
そのようなコア・ガラス融解用の原料は、それらの高純度のために非常に高価であり、それから生産されたそのようなファイバあるいは光導波路は相当な生産コストになってしまう。
【0011】
多成分ガラスからなるステップ・インデックス型光ファイバは、いわゆる二段るつぼ法あるいはロッド−チューブ法のいずれかによって生産される。いずれの場合においても、コア・ガラス及びクラッド・ガラスは10〜10dPa■sの粘性範囲に相当する温度に加熱され、プロセス中にファイバを形成するために引き出される。低い減衰量の安定したファイバを生産できるようにするためには、コア・ガラス及びクラッド・ガラスは、他の多くのものの中でも、粘度プロファイル、熱膨張、結晶化傾向などの一連の特性において互いに相容れるものでなければならない。特に、ファイバ・コアとファイバ・クラッド間の界面において、接触反応あるいは結晶化が生じてはならず、さもないと、ファイバ・コア中を案内される光の全反射をかなり妨害し、従ってファイバを低い減衰の光伝送のための適用に適さなくするであろう。さらに、ファイバの機械的強度も結晶化によって毀損されるであろう。
【0012】
ステップ・インデックス型ファイバ用光学ガラスは2004年4月8日発行のドイツ特許DE 199 58 522 B4から知られており、ステップ・インデックス型ファイバは2004年5月6日発行のドイツ特許DE 102 45 987 B3から知られている。2004年4月8日発行のドイツ特許DE 199 58 522 B4には、1.52〜1.66の屈折率nを有する亜鉛含有光学ガラスについて記載されている。これらのガラスは、SiOと共に、通常さらに種々のパーセンテージのZnO並びに主としてアルカリ及びB、Ba、Mg、Ca、Al、Y、Zr、Ge等の幾つかの他の元素及び部分的にPb又はその酸化物を含有している。
【0013】
そこに開示されている殆どのガラスは、高い内部透過率及び良好な無彩色性によって識別される。これらの光学特性と共に、ガラスは良好な結晶化安定性及び溶解性も有している。亜鉛含有光学ガラスは、鉛含有ガラスに比べてかなりの程度結晶化傾向があるが、本発明に従って用いられるステップ・インデックス型ファイバを生産するのにふさわしいガラスは、2004年4月8日発行のドイツ特許DE 199 58 522 B4に基礎として用いられているガラス系から見出すことができた。
【0014】
前述のガラスからなるステップ・インデックス型ファイバ又は上記ステップ・インデックス型ファイバからなる光ファイバ束は、特定の周囲の化学物質に敏感に反応する特性を持っている。特に、ステップ・インデックス型ファイバの表面から、化合物の成分がガラス表面において遊離基(ラジカル)から容易に放出され、それによってステップ・インデックス型ファイバの光学特性はもはや保証されなくなる。
【0015】
これらの過激な周囲の化学物質は、自動車において、なかんずく多数の種々の材料が処理されて環境へ数多くのそのような遊離基を放射するときに生ずる。しかしながら、そのようなステップ・インデックス型ファイバの束を外被するために使用される材料もまた、それら自身、ステップ・インデックス型ファイバの表面へ直接透過することができる侵食的な遊離基元素もしくは化合物を放出することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、自動車における使用のための要求を満たす光ファイバケーブルを提供することにある。この場合、第1に、ステップ・インデックス型・ファイバにとってデータ伝送のための高い伝送能力を持っていることが特に重要である。第2に、伝送特性は自動車の典型的な寿命又は合計使用期間にわたって充分に維持されることが必要である。この場合、光ファイバケーブルは、物理的及び化学的な周囲の影響に対する耐性があるように、また過激な周囲の化学物質に対して保護されるように意図される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る目的を達成する一つの方法は、請求項1に記載の特徴により提供される。本発明の展開及び態様は、従属請求項の特徴によって提供される。
上記目的は、ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスがSiO 42〜60質量%、ZnO 20〜38質量%、NaO<14質量%、KO<12質量%、NaO+KO≧2質量%、La>0〜10質量%、BaO<0.9質量%、及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有するということ、及びステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスがSiO 60〜72質量%、B<20質量%、Al<10質量%、NaO<18質量%、KO<15質量%、LiO<5質量%、好ましくは<2質量%、F≦1質量%、好ましくは<0.02質量%、及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有するということにより、本発明によって達成される。
一つの好適な態様においては、LiO<2質量%、F≦<0.02質量%を含有する。
【発明の効果】
【0018】
かくして、最適の光学特性及び光ファイバ束の永久的な安定性を保証する光ファイバケーブルが有利に提供される。特に、自動車での使用の場合、データ伝送のために必要な光案内能力はこのようにして永久的に維持される。本発明によれば、ステップ・インデックス型ファイバの製造中のファイバを引っ張る際の結晶化とクラッド・ガラスとコア・ガラスとの間の界面反応は、ガラス組成の選択によって既に回避され、それによって個々のファイバの最適の光学特性が達成される。さらに、耐久性に、従ってまた光ファイバケーブルの光学特性に望ましくない影響を及ぼす光ファイバ束の場合のクラッド・ガラスとプラスチック外被の間の相互作用は、本発明に係るクラッド・ガラスによって回避される。特にこれは、使用の間に周囲の化学物質へ曝されることによる腐食又は浸食に対するガラスの耐久性を保証する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ステップ・インデックス型ファイバの一つの有利な変形例は、本発明によれば、ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、SiO 47〜51質量%、ZnO 25〜33質量%、NaO<10質量%、KO<8質量%、NaO+KO≧2質量%、La 3〜5質量%、BaO<0.9質量%、及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有することが見出された。
【0020】
あるいはまた、本発明は、ランタン・フリーのコア・ガラスと、該コア・ガラスをその周壁で完全に囲むクラッド・ガラスを含む多成分ガラスからなるステップ・インデックス型光ファイバを提案し、ここで、ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、SiO >53〜60質量%、ZnO 20〜38質量%、NaO<14質量%、KO<12質量%、NaO+KO≧2質量%、BaO<0.9質量%、及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有し、またステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスは、SiO 60〜72質量%、B<20質量%、Al<10質量%、NaO<18質量%、KO<15質量%、LiO<5質量%、F≦1質量%、及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有する。
一つの好適な態様においては、LiO<2質量%、F<0.02質量%を含有する。
【0021】
かくして、最初に述べた材料組成よりも良好な耐薬品性を有する光ファイバケーブル用のステップ・インデックス型ファイバが提供される。しかしながら、この材料組成は、製造中にファイバを引っ張ることによって結晶化し易くなる傾向がある。従って、意図される使用領域に応じて、光ファイバケーブルの製造のために本発明による2つの代案のうちの1つを選択することが可能である。
【0022】
ステップ・インデックス型ファイバの有利な1つの変形例は、本発明によれば、ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、SiO 54〜60質量%、ZnO 20〜25質量%、NaO<14質量%、KO<12質量%、NaO+KO≧2質量%、BaO<0.9質量%、及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有することが見出された。
【0023】
本発明によって提案された材料組成について、さらに有利には、ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスはさらにLiO<5質量%及び/又はAl<5質量%を含有する。好適な態様においては、LiO<1質量%及び/又はAl<2質量%を含有する。
【0024】
さらに、本発明によって提案された材料組成について、有利には、ステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスは、成分SiO 72〜78質量%、好ましくは72.5〜75質量%、B 5〜15質量%、好ましくは8〜12質量%、Al 5〜10質量%、NaO<10質量%、好ましくは5〜10質量%、KO<10質量%、好ましくは1〜4質量%、LiO<5質量%、好ましくは<2質量%、F≦1質量%、好ましくは<0.02質量%を含む材料組成を有する。この場合、ステップ・インデックス型ファイバの好適な一つの変形例は、SiO 72.5〜75質量%、B 8〜12質量%、Al 5〜10質量%、NaO 5〜10質量%、KO 1〜4質量%、LiO<2質量%、F<0.02質量%の材料組成を有する。
【0025】
さらに本発明によれば、付加的な割合の1つ以上の以下の成分を含む材料組成を有するステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスが提供される:MgO<3質量%、BaO<3質量%、SrO<4質量%、CaO<6質量%、TiO<3質量%、ZnO<3質量%、RbO<15質量%、CsO<15質量%。この場合、ZnO≦1.5質量%の割合を有する材料組成が特に有利であり、ここで第1の好適な変形例においてはZnOを0.6質量%の割合で含む材料組成が提供され、第2の好適な変形例においてはZnOを1質量%の割合で含む材料組成が提供される。TiO<1質量%の割合を有する材料組成が有利に使用される。RbとCsは高価な原料であるため、さらに、これらは好ましくはRbO<5質量%、CsO<5質量%の割合で使用される。
【0026】
さらに、成分LiO、NaO、KO、RbO、CsOの合計量が>5質量%の材料組成を有するステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスが提供される。
【0027】
さらに、本発明によれば、成分MgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの合計量が≦4質量%の材料組成を有するステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスが提供される。
【0028】
さらに、本発明によれば、ステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスは成分SiO 70〜80質量%、B<5質量%、Al<10質量%、La<2質量%、NaO<10質量%、KO<10質量%、ZrO<2質量%の材料組成を有することが有利であることが見出された。
【0029】
あるいは別の態様によれば、付加的な割合の1つ以上の以下の成分を含む材料組成を有するステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスが提供される:MgO<10質量%、BaO<2質量%、CaO<2質量%、ZnO<2質量%。この場合、ZnO≦1質量%を含む変形態様例が好ましい。
【0030】
本発明によるクラッド・ガラスのより良好な耐薬品性のために、個々のファイバの機械的強度は改善され、かくして製造されるステップ・インデックス型ファイバを具有する長い耐用年数を有する光ファイバケーブルを得ることができる。
この材料組成で、特に湿熱においてだが主として変化する周囲の気候中において一貫して良好な光学挙動を示すファイバ・タイプが得られる。従って、例えば自動車内での使用のためのデータ・ケーブルについての要求が容易に満たされる。
【0031】
気候に関連する材料変更についての好適な特性は、湿気が浸食現象あるいはクラッド・ガラスの「浸出」を生じさせることなく、個々のファイバのクラッド・ガラスは湿気に曝すことができるということによって達成される。さらに達成されるものは、個々のファイバにおける全反射に関する特性も維持されるように、コア・ガラスに対するクラッド・ガラスの光学特性は毀損されずに維持されることである。さらに、これにより、個々のファイバの機械的プレストレスが低減することが防止され、従って個々のファイバが脆くなることが防止される。かくして、光ファイバケーブル中の光の伝送を阻害するファイバ破砕を回避することが可能である。
【0032】
クラッド・ガラスの特定の材料組成は特定のプラスチック外被に適さないことが、本発明によって確認された。他方、ファイバの引っ張り中、コア・ガラスの特定の材料組成はクラッド・ガラスの各材料組成に相応しない。これらの望ましくない作用は、本発明によって提供されるコア・ガラスとクラッド・ガラスの組合せによって克服される。
【0033】
さらに、クラッド・ガラスは慣用量の清澄剤を含有することができる。この目的のために、クラッド・ガラスは、慣用量で清澄剤As、Sb、SnO、RCl及び/又はRSOを含有する。
【0034】
Fを<2質量%の割合で含む材料組成は特に有利であり、一つの好適な変形例においてはFを<0.5質量%の割合で含む材料組成が提供される。
【0035】
本発明に従って個々のファイバの特性を保証するために、本発明によるクラッド・ガラスをコア・ガラスと組み合わせることが提案され、この趣旨でのステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、付加的な割合の1つ以上の以下の成分を含む材料組成を有する:ZrO<2質量%、MgO<6質量%、CaO<5質量%、SrO<6質量%、B<1質量%。
【0036】
本発明によるクラッド・ガラスのコア・ガラスとの有利なさらなる組合せが提案され、この趣旨でのステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、付加的な割合の1つ以上の以下の成分を含む材料組成を有する:ZrO<5質量%、MgO<1質量%、CaO<1質量%。
【0037】
本発明によれば、コア・ガラスは、製造される個々のファイバの伝送能力が少なくともD(650nm)≦300dB/km、好ましくはD(650nm)≦200dB/kmの減衰を示す材料組成を有する。一般に、あらゆる所望の波長の光あるいは一般的には電磁線がデータ伝送のために使用することができる。従って、用語「光」は、本件出願においては電磁線として一般に理解されるべきである。
【0038】
従って、コア・ガラス用の材料組成は、個々のファイバとして、使用される原料の純度に依存する充分に低い減衰を持っている。これは、D(650nm)≦300dB/km、好ましくはD(650nm)<200dB/kmの減衰を有する本発明による材料組成によって保証される。コア・ガラスは有利な方法で製造することができる。製造中、それは、良好な引っ張り能力によってさらに識別され、大部分は、環境にやさしい原料成分を含む。本発明によれば、製造される個々のファイバの伝送能力を持つ提案された材料組成の中からの個々の材料組成のコア・ガラスは、少なくとも開口数NA≧0.48を有する。個々のファイバとしてのコア・ガラス用の材料組成は、従って充分に大きな開口数を有する。本発明によるコア・ガラスを含むファイバ用の受入角度(開口数NAと関連する)は、表に特定されている材料組成については44°〜約58°の間にある。
【0039】
本発明による材料組成で製造された個々のファイバは、改善された全機械的強度を有し、短所が殆どないことが見出された。さらに、個々のファイバはより低コストで製造することができる。
【0040】
本発明による光ファイバケーブルは、光ファイバ用途の全適用範囲についての光導波路として、例えばすべてのタイプの照明用途を含む照明技術の領域の光導波路としてだけでなく、さらにデータ・ケーブルとして、好ましくは建物、産業、発電所、医学、乗り物、船舶、航空機及び宇宙技術における各々の場合のデータ・ケーブルとしても使用することができる。
【0041】
本発明はさらに、プラスチック外被内に収容された個々の複数のファイバの少なくとも1つの束を含む電磁線を導くための光ファイバケーブルに関し、ここで、個々のファイバは特許請求の範囲の少なくとも1項に請求されているステップ・インデックス型光ファイバから形成されており、また、プラスチック外被は不透過性であり、且つ家庭環境及び自動車環境において通常の周囲の化学物質、例えば油類、脂質、アルカリ溶液、酸(特にバッテリー酸)、ブレーキ液、PVC、燃料、及びそれらから発生する液体やガスとの接触の際に化学的に耐性がある。
【0042】
従って、自動車内でのクラッド・ガラス及びプラスチック外被の高い材料安定性が、好ましくはデータ・ケーブルの場合に保証される。さらに、低い水蒸気透過性と共に、他の周囲の化学物質に対する光ファイバの保護も達成される。従って、発電所、乗り物、宇宙船、宇宙探索船、衛星、航空機、船舶、レール乗り物、列車などの対応する環境中で容易に使用することができる光ファイバケーブルが提供される。
【0043】
前述したように、本発明により、有害な物質、特にケーブルの環境からの水蒸気を含む有害な物質、さらにはまたケーブル外被自体からの特定の物質は、クラッド・ガラスを害し得ることが見出された。従って、本発明によれば、プラスチック外被は、無視してよいほどに低いプラスチック添加物の固有の蒸発及び/又は残留モノマー形成を生ずる材料から製造されるようにされる。これにより、過激な化学元素あるいはプラスチック外被自体の化合物が光ファイバケーブルの望ましくない変化に導く結果としてダメージがステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスの表面に作用する、という状況が回避される。別の選択肢として、あるいは必要に応じて、排他的に低い固有の蒸発あるいは残留モノマー形成を示すプラスチックタイプを使用することも可能である。
【0044】
クラッド・ガラスとプラスチックの組合せは本発明によって提供される。上記プラスチックは押出成形方法に適するケーブル外被用の材料を構成する。これは、プラスチック外被が、ショアー60A〜ショアー80Dの強度を有し、破断点伸びが10%以上の高分子材料であることによって達成される。
【0045】
この目的のために、本発明によれば、プラスチック外被は以下のプラスチックの1つ以上を含む材料からなることが提案される:フルオロポリマー類、好ましくはPVDF、FEP、ETFE;オレフィン類、架橋オレフィン類及び/又はゴム類をベースとする熱可塑性エラストマー類;熱可塑性樹脂類、好ましくはPVC、PE、PP、PA、PBT;コポリエステル類;ウレタン類;ポリエステル類;ポリアミド類及び/又はポリエーテルアミド類。これらの材料は、それら自体をブレンドとしてあるいは充填された様式で使用することができる。本発明によれば、ケーブル外被は、単一層構成あるいは多層構成のいずれかとして設けられる。
【0046】
本発明によれば、クラッド・ガラスとプラスチック組成物の組合せは、プラスチック外被が熱可塑性のポリウレタン・エラストマーあるいは架橋熱可塑性エラストマー、好ましくはポリビニリデンフルオライド(PVDF)、熱可塑性ウレタン(TPE−U)、ポリプロピレン共重合体(TPE−O)又はポリオレフィンゴムコンパウンド(TPE−V)であるということによって提供される。
【0047】
見出されたプラスチックで達成されることは、プラスチック外被及びクラッド・ガラスは互いに関して化学的に不活性であるということである。プラスチック外被は、例えば約+125℃で6000時間以上の高い長期温度安定性、約−40℃〜+125℃で3000時間以上の高い熱サイクル安定性及び+85℃、85%の相対湿度で3000時間以上の湿熱に対する高い耐性を有している。
【0048】
さらに、プラスチック外被は、コア・ガラスの最適な減衰の著しい増大もなく、所定の難燃性、自動車における典型的な周囲の化学物質への耐薬品性及びおよそ5mmへの最適な小さな曲げ半径を有している。
【0049】
さらに、本発明によるプラスチック、残留モノマー部分、及び例えば難燃剤などの添加物は、特に高い空気湿度を伴う場合、及び自動車構造における通常のプラスチックの場合に高温と組み合わされる場合などにおいて、全く又はほんの充分に小さな量の酸あるいはアルカリ成分を分離する。
【0050】
光ファイバケーブルの所望の耐性の一層の改善は、本発明によれば、プラスチック外被内の光ファイバ束が疎水性のサイズ剤で湿らされることによって提供される。かくして、保護フィルムがプラスチック外被とクラッド・ガラス表面の間に設けられ、ガラス表面が水蒸気あるいは水に溶かされた遊離基に曝されるのを防止する。
【0051】
本発明によれば、ここで、サイズ剤は次の成分の1つ以上を有することが提案される:n炭素原子(C;n>12)を含むカルボン酸、所謂長鎖カルボン酸;エトキシ化脂肪酸アミノアミド;変性オルガノシラン;フルオロアルキル官能シラン;パーフルオロポリエーテル;ポリエチレンイミンの縮合物及びその塩類;シリコーン油。見出されたサイズ剤は大部分が化学的に中性であり、最適の摺動及び湿潤特性を有している。さらに、それらは非常に撥水性あるいは撥水蒸気性(疎水性)である。
【0052】
本発明に係る光ファイバケーブルは、充分に良好な光ガイド能力を持ち、特に最適のデータ伝送のために必要な低い減衰を持ち、浸食的な物質を含む環境での使用に適したデータ・ケーブルを有利に提供する。この場合、クラッド・ガラス用の対応する材料組成と組み合わされた鉛含有及び/又は亜鉛含有コア・ガラスは、例えば最初に導入された文献中の開示により見出される。
【0053】
本発明の1つの好適な態様においては、用いられるステップ・インデックス型光ファイバは、コア・ガラスが成分SiO 42〜53質量%、ZnO 16〜38質量%、PbO 1〜20質量%、但しZnOとPbOの合計量≧30質量%であり、NaO<14質量%、KO<12質量%、但しNaOとKOの合計量≧2質量%を含む材料組成を有し、クラッド・ガラスが成分SiO 60〜72質量%、B<20質量%、Al<10質量%、NaO<18質量%、KO<15質量%、ZnO<1.5質量%を含む材料組成を有するような組合せの個々のファイバである。クラッド・ガラスは清澄剤を含むことができる。
【0054】
陸上乗り物、航空機あるいは宇宙船で使用される光ファイバケーブルのさらに好適な態様は、鉛含有成分を含まないステップ・インデックス型ファイバで達成される。これは、以下のようなコア・ガラスとクラッド・ガラスの組合せによって提供され、ここで、コア・ガラスは、成分SiO 42〜53質量%、ZnO 30〜38質量%、BaO<0.9質量%、NaO<14質量%、KO<12質量%、但しNaOとKOの合計量≧2質量%を含む材料組成を有し、クラッド・ガラスは、SiO 60〜72質量%、B<20質量%、Al<10質量%、NaO<18質量%、KO<15質量%、ZnO<1.5質量%を含む組成を有する。クラッド・ガラスは同様に清澄剤を含むことができる。
【0055】
本発明に係る光ファイバケーブルのさらに他の態様は、ステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスが成分SiO 70〜80質量%、B<5質量%、Al<10質量%、La<2質量%、NaO<10質量%、KO<10質量%、ZrO<2質量%を含む材料組成を有することにより提供される。
【0056】
この場合、本発明によればさらに、ステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスは、付加的な割合の以下の1つ以上の成分を含む材料組成を有する:MgO<10質量%、BaO<2質量%、CaO<2質量%、ZnO<2質量%、好ましくはZnO≦1質量%。
【0057】
見出されたステップ・インデックス型ファイバは、ファイバ引っ張り工程の間にクラッド・ガラスとコア・ガラスが高い耐薬品性を有し、それによって結晶化と界面反応が回避される。コア・ガラスは、コア・ガラスとクラッド・ガラスの間の境界での最適の反射能力と共に高い伝送能力を有しており、また、減衰は低い。さらに、クラッド・ガラスは、有利には見出されたプラスチック外被に相当する。本発明に係る光ファイバ・データ・ケーブルは、プラスチックファイバと比べて、少なくとも125℃から150℃までの範囲にある熱安定性を有している。
【0058】
本発明は、個々のファイバのファイバ引っ張りの間、コア・ガラスとクラッド・ガラスとの間の界面での結晶化傾向が殆どない材料組成をさらに含む個々のファイバを包含しており、ここで、プラスチック外被は本発明による方法でクラッド・ガラスに相応する。
【0059】
本発明はさらに、個々の複数のファイバの束は、端部でホットメルト接合されるか又は接着され、あるいはけん縮された末端を設けることによる有利な方法で光ファイバケーブルの態様を提供する。この場合、前記末端あるいは端面の組合せも光ファイバケーブルに実現される。この場合、本発明によればさらに、端面は直径0.3〜2.0mm、好ましくは1.0mmの光学的に活性な領域を有する。さらに、個々のファイバは4μmの偏差許容差で30〜150μm、好ましくは53μmの直径を有するようにされる。さらに、ケーブルの直径は全長にわたって1〜5mm、好ましくは2.3mmであるようにされる。光ファイバケーブルは、小さな曲げ半径を実現するので、従って柔軟なやり方で配置することができる。自動車構造においては、特に、およそ5mmの最小曲げ半径を有する光ファイバケーブルは単純な方法で設置することができる。光ファイバケーブルは、データ・ケーブルの有利な特性が毀損されることなく、50〜2000の個々のファイバの多数のファイバで生産することができ、また、束は充分な機械的強度を有する。この目的のために、個々の複数のファイバの束は、提案されたプラスチックの1つ、好ましくはTPE−Vからなるプラスチック外被内に収容される。
【実施例】
【0060】
本発明に係る光ファイバケーブルのさらなる実施態様は、クラッド・ガラスの材料組成についての下記表1及びコア・ガラスの材料組成についての表2から集めることができる。この場合、対応するコア・ガラス及びクラッド・ガラスは自由に組み合わせることができる。
【0061】
本発明に係る光ファイバケーブルは、好ましくは、特に建物、工業、発電所、医学、乗り物、船舶、航空機あるいは宇宙技術において各々の場合に照明用途やデータ伝送用途のために用いられる。それらは特に自動車又はオートバイにおけるデータ伝送のために好ましく用いることができる。
【0062】
表3には、減衰について決定された値に基づくコア・ガラスとクラッド・ガラスのための本発明による組合せが明示されている。明示されたガラスの実施態様及びまた表3に従う組合せは例示のためであり、いずれにしても排他的な例示を示すものではない。ガラス類及びそれらの組合せのさらに有利な実施態様は、本発明によって同様に包含される。
コア・ガラス5とクラッド・ガラス4の組合せ、及びコア・ガラス6とクラッド・ガラス3の組合せは、本発明による特に有利な解決である。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスが
SiO 42〜60質量%、
ZnO 20〜38質量%、
NaO <14質量%、
O <12質量%、
NaO+KO ≧2質量%、
La >0〜10質量%、
BaO ≦0.9質量%、
及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有し、
またステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスが
SiO 60〜72質量%、
<20質量%、
Al <10質量%、
NaO <18質量%、
O <15質量%、
LiO <5質量%、好ましくは<2質量%、
F ≦1質量%、好ましくは<0.02質量%、
及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有することを特徴とする、ランタン含有のコア・ガラスと、その周壁でコア・ガラスを完全に囲むクラッド・ガラスとを含む多成分ガラスからなるステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項2】
ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスが、
SiO 47〜51質量%、
ZnO 25〜33質量%、
NaO <10質量%、
O <8質量%、
NaO+KO ≧2質量%、
La 3〜5質量%、
BaO <0.9質量%、
及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有することを特徴とする請求項1に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項3】
ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスが、
SiO >53〜60質量%、
ZnO 20〜38質量%、
NaO <14質量%、
O <12質量%、
NaO+KO ≧2質量%、
BaO <0.9質量%、
及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有し、
またステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスが、
SiO 60〜72質量%、
<20質量%、
Al <10質量%、
NaO <18質量%、
O <15質量%、
LiO <5質量%、好ましくは<2質量%、
F ≦1質量%、好ましくは<0.02質量%、
及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有することを特徴とする、ランタン・フリーのコア・ガラスと、その周壁でコア・ガラスを完全に囲むクラッド・ガラスとを含む多成分ガラスからなるステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項4】
ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスが、
SiO 54〜60質量%、
ZnO 20〜25質量%、
NaO <14質量%、
O <12質量%、
NaO+KO ≧2質量%、
BaO <0.9質量%、
及び適切な場合、慣用量の清澄剤を含む材料組成を有することを特徴とする請求項3に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項5】
ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、さらにLiO<5質量%、好ましくは<1質量%及び/又はAl<5質量%、好ましくは<2質量%を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項6】
ステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスは、以下の成分
SiO 72〜78質量%、好ましくは72.5〜75質量%、
5〜15質量%、好ましくは8〜12質量%、
Al 5〜10質量%、
NaO <10質量%、好ましくは5〜10質量%、
O <10質量%、好ましくは1〜4質量%、
LiO <5質量%、好ましくは<2質量%、
F ≦1質量%、好ましくは<0.02質量%
を含む材料組成を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項7】
ステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスは、付加的な割合の1つ以上の以下の成分:
MgO <3質量%、
BaO <3質量%、
SrO <4質量%、
CaO <6質量%、
TiO <3質量%、好ましくは<1質量%、
ZnO <3質量%、好ましくは≦1.5質量%、
RbO <15質量%、好ましくは≦5質量%、
CsO <15質量%、好ましくは≦5質量%、
を含む材料組成を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項8】
前記クラッド・ガラスにおいて、成分LiO、NaO、KO、RbO、CsOの合計量が>5質量%であることを特徴とする請求項7に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項9】
前記クラッド・ガラスにおいて、成分MgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの合計量が≦4質量%であることを特徴とする請求項7又は8に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項10】
ステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスは、以下の成分
SiO 70〜80質量%、
<5質量%、
Al <10質量%、
La <2質量%、
NaO <10質量%、
O <10質量%、
ZrO <2質量%
を含む材料組成を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項11】
ステップ・インデックス型ファイバのクラッド・ガラスは、付加的な割合の1つ以上の以下の成分:
MgO <10質量%、
BaO <2質量%、
CaO <2質量%、
ZnO <2質量%、好ましくは≦1質量%、
を含む材料組成を有することを特徴とする請求項10に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項12】
コア・ガラス及び/又はクラッド・ガラスは、清澄剤としてAs、Sb、SnO、RCl及び/又はRSOを含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項13】
ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、Fを<2質量%、好ましくは<0.5質量%の割合で含む材料組成を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項14】
ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、付加的な割合の1つ以上の以下の成分:
ZrO <2質量%、
MgO <6質量%、
CaO <5質量%、
SrO <6質量%、
<1質量%
を含む材料組成を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項15】
ステップ・インデックス型ファイバのコア・ガラスは、付加的な割合の1つ以上の以下の成分:
ZrO <5質量%、
MgO <1質量%、
CaO <1質量%
を含む材料組成を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項16】
コア・ガラスは、D(650nm)≦300dB/km、好ましくはD(650nm)≦200dB/kmの減衰を示す材料組成を有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバ。
【請求項17】
プラスチック外被内に収容された個々の複数のファイバの少なくとも1つの束を含む電磁線を導くための光ファイバケーブルであって、個々のファイバは請求項1乃至16のいずれか一項に記載のステップ・インデックス型光ファイバから形成されており、また、プラスチック外被は不透過性であり、且つ家庭環境及び自動車環境において通常の周囲の化学物質、例えば油類、脂質、アルカリ溶液、酸(特にバッテリー酸)、ブレーキ液、PVC、燃料、及びそれらから発生する液体やガスとの接触の際に化学的に耐性がある、ことを特徴とする電磁線を導くための光ファイバケーブル。
【請求項18】
プラスチック外被は、無視してよいほどに低いプラスチック添加物の固有の蒸発及び/又は残留モノマー形成を生ずる材料から製造されている、請求項17に記載の光ファイバケーブル。
【請求項19】
ラスチック外被は、ショアー60A〜ショアー80Dの強度を有し、破断点伸びが10%以上の高分子材料である、請求項17又は18に記載の光ファイバケーブル。
【請求項20】
プラスチック外被は、以下のプラスチック:
−フルオロポリマー、好ましくはPVDF、FEP、ETFE、
−オレフィン、架橋オレフィン及び/又はゴムをベースとする熱可塑性エラストマー、
−熱可塑性樹脂、好ましくはPVC、PE、PP、PA、PBT、
及びコポリエステル、ウレタン、ポリエステル、ポリアミド及び/又はポリエーテルアミドの1つ以上を含む材料からなる、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項21】
プラスチック外被は、熱可塑性のポリウレタン・エラストマーあるいは架橋熱可塑性エラストマー、好ましくはポリビニリデンフルオライド(PVDF)、熱可塑性ウレタン(TPE−U)、ポリプロピレン共重合体(TPE−O)又はポリオレフィンゴムコンパウンド(TPE−V)である、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項22】
プラスチック外被内の光ファイバ束が疎水性のサイズ剤で湿らされている、請求項17乃至21のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項23】
サイズ剤は、以下の成分:
n炭素原子(C;n>12)を含むカルボン酸;
エトキシ化脂肪酸アミノアミド;
変性オルガノシラン;
フルオロアルキル官能シラン;
パーフルオロポリエーテル;
ポリエチレンイミンの縮合物及びその塩類;
シリコーン油
の1つ以上を有する、請求項17乃至22のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項24】
個々の複数のファイバの束は、端部でホットメルト接合及び/又は接着され、及び/又はけん縮された末端が設けられている、請求項17乃至23のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項25】
端面は直径0.3〜2.0mm、好ましくは1.0mmの光学的に活性な領域を有する、請求項17乃至24のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項26】
個々のファイバは4μmの偏差許容差で30〜150μm、好ましくは53μmの直径を有する、請求項17乃至25のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項27】
ケーブルの直径は全長にわたって1〜5mm、好ましくは2.3mmである、請求項17乃至26のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項28】
特に建物、工業、発電所、医学、乗り物、船舶、航空機あるいは宇宙技術における照明用途のための、請求項17乃至27のいずれか一項に記載の光ファイバケーブルの使用。
【請求項29】
特に建物、工業、発電所、医学、乗り物、船舶、航空機あるいは宇宙技術におけるデータ伝送のための、請求項17乃至27のいずれか一項に記載の光ファイバケーブルの使用。
【請求項30】
自動車又はオートバイにおけるデータ伝送のための、請求項17乃至27のいずれか一項に記載の光ファイバケーブルの使用。

【公表番号】特表2009−529712(P2009−529712A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558633(P2008−558633)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000486
【国際公開番号】WO2007/104300
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】