説明

光ファイバセンサ式水圧計測装置

【課題】温度の変化によっても生ずるひずみ分の検出を除去できる簡易な手段を採用し、もって正確な水圧の計測が安価なコストで形成できる光ファイバセンサを使用した、例えば地下水の水圧や地下水の間隙水圧をも計測できる、いわゆるFBG光ファイバセンサ式水圧計測装置の提供を目的とする。
【解決手段】中空部を有する筒状水圧計測装置本体部と、該本体部の下部開口に設けられた水圧検出部と、水圧値を揺動幅に変換する揺動幅変換部と、揺動幅により水圧が計測できる水圧計測部とを備え、水圧検出部、揺動変換部及び水圧計測部は、前記本体部内に配置されると共に、水圧計測部は、揺動変化によるひずみ及び温度変化によるひずみを一対のFBGにより検出するひずみ検出部を有し、ひずみ検出部によって温度変化によるひずみ分が計測されて、揺動変化によるひずみ分のみ取り出すことが可能とされた、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバセンサを適用した光ファイバセンサ水圧計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ファイバセンサを使用した、例えば地下水の水圧を計測する、いわゆるFBG光ファイバセンサ式水圧計測装置は一般に知られている。
しかしながら、前記従来の光ファイバセンサを使用した、例えば地下水の水圧を計測する、いわゆるFBG光ファイバセンサ式水圧計測装置では、温度の変化によっても生ずるひずみ分を除去すべく簡単な構成による温度補正手段を採用する計測装置ではなかった。
すなわち、従来、この温度変化によるひずみ分の補正に当たっては、温度変化のみのひずみを検出する温度変化によるひずみ検出構成部材を別途設けたりして対応していたが、その分装置がコスト高になってしまったり、水圧計測装置自体が大型化してしまったりするとの課題があったのである(特開2003−28698号公報)。
【特許文献1】特開2003−28698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年、前記例えば地下水の水圧を計測する、いわゆるFBG光ファイバセンサ式水圧計測装置において温度の変化によっても生ずるひずみ分の検出を除去する簡易な手段を採用し、もって正確な水圧の計測が安価なコストで形成できる光ファイバセンサを使用した、例えば地下水の水圧を計測する、いわゆるFBG光ファイバセンサ式水圧計測装置の開発が要請されている。
【0004】
かくして、本発明は前記従来の課題に対処すべく創案されたものであって、いわゆるFBG光ファイバセンサ式水圧計測装置において、温度の変化によっても生ずるひずみ分の検出を除去できる簡易な手段を採用し、もって正確な水圧の計測が安価なコストで形成できる光ファイバセンサを使用した、例えば地下水の水圧を計測する、また地下水の間隙水圧をも計測できる、いわゆるFBG光ファイバセンサ式水圧計測装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による光ファイバセンサ式水圧計測装置は、
内部に密閉された中空部を有する筒状水圧計測装置本体部と、該筒状水圧計測装置本体部の下部開口に設けられた水圧検出部と、該水圧検出部で検出された水圧値を揺動幅に変換する揺動幅変換部と、揺動幅変換部で変換された揺動幅により水圧が計測できる水圧計測部と、
を備え、
前記水圧検出部、揺動変換部及び水圧計測部は、前記筒状水圧計測装置本体部内に配置されると共に、
水圧計測部は、揺動変化によるひずみ及び温度変化によるひずみを一対のFBGにより検出するひずみ検出部を有し、
前記ひずみ検出部によって温度変化によるひずみ分が計測されて、揺動変化によるひずみ分のみ取り出すことが可能とされた、
ことを特徴とし、
または、
前記水圧検出部は、前記筒状水圧計測装置本体部内の中空部下端部に設けられ、水圧の値を揺動幅に変換して検出するベローズ状またはダイアフラム状伸縮部材による水圧受圧部として形成された、
ことを特徴とし、
または、
前記揺動変換部は、ベローズ状またはダイアフラム状伸縮部材による水圧受圧部の揺動と連動して揺動する揺動杆及び該揺動杆の揺動幅を水圧計測部により計測可能な計測幅に変換すべく前記揺動杆先端部に当接して設置されたカンチレバー型変換バネにより構成された、
ことを特徴とし、
または、
前記揺動杆の先端部に当接するカンチレバー型変換バネは前記片持ち用保持部材の上方部位に設けられた規制ボルトによって揺動が規制された、
ことを特徴とし、
または、
前記揺動杆の先端部に当接するカンチレバー型変換バネは、計測すべき水圧の高低に応じて、材質あるいは形状を変更可能とした、
ことを特徴とし、
または、
前記水圧計測部は、
前記中空部内の内側面に、中空部の上下方向に向かって片持ち用の保持部材が取り付けられ、該片持ち用保持部材の下側保持片を貫通して上下に揺動する揺動杆が揺動可能にして取り付けられてなり、
前記片持ち用保持部材の下側保持片側面には、導入された光ファイバを係止固定する第1係止固定部が形成されると共に、片持ち用保持部材の上方側には、光ファイバを係止固定する第2係止固定部持片が形成されてなり、
該第1係止固定部と第2係止固定部間の光ファイバに係止固定する揺動係止固定部が前記揺動杆に固定されて設けられ、
第1係止固定部と前記揺動係止固定部間及び第2係止固定部18と揺動係止固定部間には光ファイバの伸縮に伴い生ずるひずみを検出するFBGが各々2個設けられて構成された、
ことを特徴とし、
または、
前記第2固定部は、片持ち用保持部材の上側保持片上下方向に螺挿された調整ボルトに連結され、該調整ボルトの螺挿によって、前記第1係止固定部と第2係止固定部間に張設された光ファイバのテンションが調節可能とされた、
ことを特徴とし、
または、
前記揺動係止固定部は、揺動杆上下方向に螺挿された揺動杆調整ボルトにより前記揺動杆長手方向における揺動杆係止固定部の設置位置が調整可能とされた、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明による光ファイバセンサ式水圧計測装置によれば、温度の変化によっても生ずるひずみ分の検出を除去できる簡易な手段を採用でき、もって正確な水圧の計測が安価なコストで形成できる光ファイバセンサを使用した、例えば地下水の水圧を計測する、いわゆるFBG光ファイバセンサ式水圧計測装置を提供できるとの優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を図に示す発明を実施するための最良の形態に基づいて説明する。
まず、図1から理解されるように、本発明による光ファイバセンサ式水圧計測装置1は、内部に中空部2を有する筒状水圧計測装置本体部3と、該筒状水圧計測装置本体部3の下部開口に設けられた水圧検出部4と、該水圧検出部4で検出された水圧値を揺動幅に変換する揺動幅変換部5と、該揺動幅変換部5で変換された揺動幅により水圧が計測できる水圧計測部6と、を有して構成されている。
【0008】
そして、前記水圧検出部4、揺動変化部5及び水圧計測部6は、前記筒状水圧計測装置本体部3の中空部2内に密閉されて配置されるものとなる。
【0009】
ここで、まず、水圧検出部4の具体的構成につき説明する。
図から理解されるように、水圧検出部4は、ベローズ状またはダイヤフロム状伸縮部材からなる水圧受圧部として形成されている。
すなわち、筒状水圧計測装置本体部3の下方側には、その外周側面に地下水などの水を導入する導入口7が複数設けられており、該導入口7から外部の水がフィルター材8を通過して装置本体部3内に導入される様構成されている。
【0010】
ここで、符号9は上下方向に伸縮自在な例えば、柔軟部材である樹脂などで形成されたベローズ状をなす筒状伸縮部材であり、該伸縮部材9に前記導入された水の水圧が伝わるよう構成されている。
この伸縮部材9の下端は、閉塞されて、前記伸縮部材9の内部、すなわち中空部2の内部と中空部2の外部とに分けられている。
しかして、中空部2内の内側面には中空部2の上下方向に向かって片持ち用の保持部材11が取り付けられており、該片持ち用保持部材11の下側保持片12を貫通して上下に揺動する揺動杆13が揺動可能にして取り付けられている。
そして、前記揺動杆13の先端部14側には、片持ち用保持部材11の上方部位に設けられ、前記揺動杆先端部に当接してカンチレバー型変換バネ15が設置されている。該カンチレバー型変換バネの材質については何ら限定されないが、金属製、例を挙げればステンレス製で形成してもかまわない。また、樹脂製で形成してもかまわない。
【0011】
なお、その形状、特に厚さであるが、厚さを変えたカンチレバー型変換バネ15に容易に交換することもできる。なお、材質の違うものにも容易に交換可能であることは言うまでもない。
しかして、該カンチレバー型変換バネ15は、前記揺動杆の揺動幅を後述する水圧計測部6により計測可能な計測幅に変換すべく前記揺動杆13先端部に当接して上下方向に曲がるよう構成されている。
【0012】
ここで、カンチレバー型変換バネ15は、計測すべき水圧の高低に応じて、その材質や形状を変更したものを使用する。
すなわち、計測すべき水圧が高いことが予測される箇所においては、水圧受圧部4を構成する伸縮部材9が高水圧により収縮し、前記揺動杆13の揺動幅が大きくなる。そのため、カンチレバー型変換バネ15をヤング率の高い材質のもにしたり、あるいは厚みをあつくしたりして形状を変更し、後述するFBG20で計測可能な揺動幅にするのである。
【0013】
なお、符号24は規制ボルトを示し、該規制ボルト24によって前記カンチレバー型変換バネ15の必要以上の上方への曲げが規制される。
ここで、前記片持ち用保持部材11の下側保持片12の側面には外部より中空部2内へ導入された光ファイバ16を係止固定する第1係止固定部17が形成され、また片持ち用保持部材11の上方側には、やはり光ファイバ16を係止固定する第2係止固定部持片18が形成されている。
【0014】
さらに、前記第1係止固定部17と第2係止固定部18との間には、この間の光ファイバ16に係止固定する揺動係止固定部19が前記揺動杆13に固定されて設けられている。
そして、第1係止固定部17と前記揺動係止固定部19との間及び第2係止固定部18と揺動係止固定部19との間には光ファイバ16の伸縮に伴い生ずるひずみを検出するFBG20,20が各々設けられている。
【0015】
なお、第2係止固定部19は、図から理解されるように、片持ち用保持部材11の上側保持片21上下方向に螺挿された調整ボルト22に連結されており、当該調整ボルト22の螺挿動作によって、第1係止固定部17と第2係止固定部19との間に張設された光ファイバ16のテンション(張力)を調節することができる構成となっている。
【0016】
図ではこの調整ボルト22と前記規制ボルト24とが一体に形成されているが、別体で形成してもかまわない。
また、揺動係止固定部19についても揺動杆13の上下方向に調整可能にすべく揺動杆調整ボルト30によって揺動杆先端に取り付けられている。よって、揺動杆13の長手方向において揺動係止固定部19の位置を調整したいときには、該揺動調整ボルト30で調整することになる。
【0017】
なお、前述した規制ボルト24は、後述するFBG20によるひずみ検出ができる伸張以上の伸張があったとき、該規制ボルト24によりカンチレバー型変換バネ15が押さえつけられ、揺動杆13の上揺動が規制できるようになっていることすでに述べたとおりである。
【0018】
ここで、図5を参照して、光ファイバ16の取り付け固定状態及び引き回し状態について説明する。
光ファイバ16の長手方向に配置される複数のFBG20については、それぞれ所定の間隔をあけて配置することは周知のことである。いわゆる時間分割多重化によるFBGでは、あまり接近してFBG20を複数配置すると、それぞれのFBG20・・・でのひずみの検出ができなくなるからである。そこで図5例1,例2に示すように、2つのFBG20,20間に所定の間隔を保持すべく工夫を凝らした。すなわち、導入された光ファイバ16を第1係止固定部17、第2係止固定部18、揺動係止固定部19の3カ所に固定し、調整ボルト22(図1参照)を操作して光ファイバ16のテンションを調整した後、揺動係止固定部19を揺動杆13に揺動杆調整ボルト30により固定するのである。
【0019】
ここで、第2係止固定部18と揺動係止固定部19との間に光ファイバ16が係止固定すると共に、図5の例1に示すように所定の長さを確保し、揺動係止固定部19に係止固定する。そして、下側のFBG20を有する光ファイバ16を第1係止固定部17に係止固定する構造としてもかまわない。
また、図5の例2に示すように、揺動係止固定部19と第1係止固定部17との間に光ファイバ16が係止固定すると共に、所定の長さを確保し、第2係止固定部18に係止固定する。
そして、上側のFBG20を有する光ファイバ16を揺動係止固定部19に係止固定する構造としてもかまわないものである。
この様な構成を採用することにより、2つのFBG20,20間に所定の長い間隔をあけることができ、いわゆる時間分割多重化によるFBG20によっても確実なひずみ検出をすることができる。
【0020】
なお、図5の例3では、所定の長さを確保せず、光ファイバ16を係止固定してあるが、この例の場合は、いわゆる波長で多重化するWDM方式を採用する場合であり、当該WDM方式を採用する場合には、この例3のように配置しても充分に各FBG20,20のひずみを区別して検出できる。
しかして、これらどちらのタイプを採用するかは、実際の設置箇所や設置状況を考慮して決定すればよい。
【0021】
筒状水圧計測装置本体3の上部には上部開口を閉塞する閉塞部材25が取り付けられ、かつ該閉塞部材25には外部から光ファイバ16を筒状水圧計測装置本体部3内に導入する導入部26及び筒状水圧計測装置本体部3内部から外部へ送出する送出部27が設けられた光ファイバ取込部28が取り付けられている。
さらに、この光ファイバ取込部28の隣には筒状水圧計測装置本体部3の中空部2内に基準となる1気圧の気体、例えば外気を導入する基準気圧導入口29が形成され、該基準気圧導入口29から例えば1気圧の基準気圧が導入された後に密閉できる構成とされている。
【0022】
以上において、本発明の使用状態につき説明する。
中空部2内に2つのFBG20,20が取り付けられた光ファイバ16が導入され、かつ該中空部2内は1気圧の基準気圧とされて、当該光ファイバセンサ水圧計測装置1は構成され、各々水圧を検出すべき所定箇所に設置される。
そして、その設置箇所において水圧(最終的には水圧が検出できる)を検出すべく、ベローズ状の筒状伸縮部材9などによって形成された水圧受圧部、すなわち水圧検出部4により、揺動杆13が上下方向に揺動する。
すなわち、筒状水圧計測装置本体部3の中空部2内は1気圧に保持されているため、設置箇所の水圧が1気圧より高い場合には、前記ベローズ状の水圧検出部4が押圧され、図2に示すように筒状伸縮部材9は収縮する。
すると、この伸縮部材9に下端部が固着されている揺動杆13が上方に揺動する。この揺動杆13の上方揺動に伴って揺動係止固定部19も上方に揺動する。すると、第1係止固定部17と揺動係止固定部19の間の光ファイバ16は引っ張られて、この引っ張りによりこの間に設置されたFBG20がひずみを検出する。
【0023】
また、揺動係止固定部19と第2係止固定部18との間の光ファイバ16は緩み、そしてこの間に設置されたFBG20がそのひずみを検出する。
ところで、前述したように、FBG20によって光ファイバ16の伸張、収縮によるひずみが検出できるが、その原因によるひずみの検出のみならず、温度の変化によるひずみもあわせて検出される。
従って、正確な水圧の検出、換言すれば、最終的に検出すべき値である水圧の検出に際しては、前記温度の変化によるひずみ分を除去しなければならない。
【0024】
従来、この温度変化によるひずみ分の補正に当たっては、温度変化のみのひずみを検出する温度変化によるひずみ検出構成部材を別途設けたりして対応していたが、その分装置がコスト高になってしまったり、水圧計測装置自体が大型化してしまったりするとの課題があったのである。
しかしながら、本発明ではそのような課題は解消された。すなわち、上記2つのFBG20,20で検出されたひずみの値につき、図4及び図2に基づいて説明すると、下側のFBG20が引っ張られることによって生ずるひずみεjが求められる。しかし、このひずみεjには、水圧の変化によるひずみεpと、温度の変化によるεtを含んでいる。
【0025】
次に、上側のFBG20が緩むことによるひずみεkが求められる。このεkについては、水圧の変化によるひずみが下側のFBG20とは逆に−εpとして生ずる。そして、やはり温度の変化を表すひずみとしてεtもあわせて生ずる。
よって、これらの式から温度変化のよりひずみを求めることができるのである(図4の式(3)参照)。
【0026】
なお、図8は本発明を間隙水圧計測に適用した例を示したものである。
間隙水圧計測装置は大きく分けて山留壁や擁壁に用いる壁面用間隙水圧計測装置と、ボーリング孔内や地盤内に設置して用いる土中間隙水圧計測装置との2種類があると言われているが、いずれの場合にも本発明の計測装置を適用できる。
図8を参照して説明すると、砂礫層31の下側に粘土層32、その下に歴層33を有する地層において前記歴層33の水圧を計測したいときなど、本発明による光ファイバセンサ式水圧計測装置が使用できる。
【0027】
この場合、図8に示すように、ボーリング孔34内に本発明による間隙水圧計測装置を挿入し、パッカー35によりボーリング孔34内に固定し、使用するものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明実施例の概略構成を説明する構成説明図(その1)である。
【図2】本発明実施例の概略構成を説明する構成説明図(その2)である。
【図3】本発明実施例の概略構成を説明する構成説明図(その3)である。
【図4】2つのFBGから取得される「ひずみ」の説明式である。
【図5】本発明によって光ファイバが固定される具体例を示す説明図である。
【図6】本発明を地下水圧計測に適用した具体例を説明する概略説明図である。
【図7】本発明を河川水圧計測に適用した具体例を説明する概略説明図である。
【図8】本発明を間隙水圧計測に適用した具体例を説明する概略説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 光ファイバセンサ式水圧計測装置
2 中空部
3 筒状水圧計測装置本体部
4 水圧検出部
5 揺動変換部
6 水圧計測部
7 導入口
8 フィルター材
9 伸縮部材
11 保持部材
12 下側保持片
13 揺動杆
14 揺動杆の先端部
15 カンチレバー型変換バネ
16 光ファイバ
17 第1係止固定部
18 第2係止固定部
19 揺動係止固定部
20 FBG
21 上側保持片
22 調整ボルト
24 規制ボルト
25 閉塞部材
26 導入部
27 送出部
28 光ファイバ取込部
29 基準気圧導入口
30 揺動杆調整ボルト
31 砂礫層
32 粘土層
33 礫層
34 ボーリング孔
35 パッカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に密閉された中空部を有する筒状水圧計測装置本体部と、該筒状水圧計測装置本体部の下部開口に設けられた水圧検出部と、該水圧検出部で検出された水圧値を揺動幅に変換する揺動幅変換部と、揺動幅変換部で変換された揺動幅により水圧が計測できる水圧計測部と、
を備え、
前記水圧検出部、揺動変換部及び水圧計測部は、前記筒状水圧計測装置本体部内に配置されると共に、
水圧計測部は、揺動変化によるひずみ及び温度変化によるひずみを一対のFBGにより検出するひずみ検出部を有し、
前記ひずみ検出部によって温度変化によるひずみ分が計測されて、揺動変化によるひずみ分のみ取り出すことが可能とされた、
ことを特徴とする光ファイバセンサ式水圧計測装置。
【請求項2】
前記水圧検出部は、前記筒状水圧計測装置本体部内の中空部下端部に設けられ、水圧の値を揺動幅に変換して検出するベローズ状またはダイアフラム状伸縮部材による水圧受圧部として形成された、
ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサ式水圧計測装置。
【請求項3】
前記揺動変換部は、前記水圧受圧部の揺動と連動して揺動する揺動杆及び該揺動杆の揺動幅を水圧計測部により計測可能な計測幅に変換すべく前記揺動杆先端部に当接して設置されたカンチレバー型変換バネにより構成された、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ファイバセンサ式水圧計測装置。
【請求項4】
前記揺動杆の先端部に当接するカンチレバー型変換バネは前記片持ち用保持部材の上方部位に設けられた規制ボルトによって揺動が規制された、
ことを特徴とする請求項3記載の光ファイバセンサ式水圧計測装置。
【請求項5】
前記揺動杆の先端部に当接するカンチレバー型変換バネは、計測すべき水圧の高低に応じて、材質あるいは形状を変更可能とした、
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の光ファイバセンサ式水圧計測装置。
【請求項6】
前記水圧計測部は、
前記中空部内の内側面に、中空部の上下方向に向かって片持ち用の保持部材が取り付けられ、該片持ち用保持部材の下側保持片を貫通して上下に揺動する揺動杆が揺動可能にして取り付けられてなり、
前記片持ち用保持部材の下側保持片側面には、導入された光ファイバを係止固定する第1係止固定部が形成されると共に、片持ち用保持部材の上方側には、光ファイバを係止固定する第2係止固定部持片が形成されてなり、
該第1係止固定部と第2係止固定部間の光ファイバに係止固定する揺動係止固定部が前記揺動杆に固定されて設けられ、
第1係止固定部と前記揺動係止固定部間及び第2係止固定部18と揺動係止固定部間には光ファイバの伸縮に伴い生ずるひずみを検出するFBGが各々2個設けられて構成された、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の光ファイバセンサ式水圧計測装置。
【請求項7】
前記第2固定部は、片持ち用保持部材の上側保持片上下方向に螺挿された調整ボルトに連結され、該調整ボルトの螺挿によって、前記第1係止固定部と第2係止固定部間に張設された光ファイバのテンションが調節可能とされた、
ことを特徴とする請求項7記載の光ファイバセンサ式水圧計測装置。
【請求項8】
前記揺動係止固定部は、揺動杆上下方向に螺挿された揺動杆調整ボルトにより前記揺動杆長手方向における揺動杆係止固定部の設置位置が調整可能とされた、
ことを特徴とする請求項7記載の光ファイバセンサ式水圧計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−209250(P2008−209250A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46466(P2007−46466)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000235543)飛島建設株式会社 (132)
【出願人】(391005950)株式会社東横エルメス (10)
【Fターム(参考)】