説明

光ヘッドおよび光ディスク記録再生装置

【課題】1層あるいは複数層の記録面を持つ光ディスクを再生する光ディスク再生装置において、光路中に強度フィルタ出し入れして光利用効率を可変する光ヘッドでは、強度フィルタの切り替えに時間がかかるとともに、小型化をはかることが困難である。
【解決手段】透過率可変手段を電気的にON/OFFすることにより光利用効率を可変にして切り替え時間の短縮をはかる。また、メカニズムが不要なので小型化もはかることができ信頼性の高い光ディスク記録再生装置を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1層または複数の記録層を有する光ディスク記録媒体に情報を記録し、前記光ディスク記録媒体に記録された情報を再生し、記録層の反射率または線速度によって再生光量を変化させる光ヘッドあるいは前記光ヘッドを搭載した光ディスク記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルバーサタイルディスク(DVD)は、コンパクトディスク(CD)の約6倍の容量があるため画像情報の記録再生に用いられてきた。しかしながら、近年、画像も標準画質(Standard Definition)から高精細度画質(High−Definition)へと移り、それにともない光ディスクも波長660nmの光源と、開口数(NA)0.6の対物レンズを使用したDVDから、波長405nmの青紫色レーザの光源と、NA0.85の対物レンズを使用したBlu−ray Discによって5倍の容量アップがはかられてきている。
【0003】
現在、さらに大容量化するために従来1層であった記録層を2層以上の複数の記録層を有する光ディスク記録媒体の開発が行われている。これにより4層を実現できれば1層のDVD−RAMディスクと比較して約20倍の容量が実現でき、高精細度画質の画像でも長時間の記録再生が可能となる。しかし、これに使用される波長405nmの半導体レーザは量子雑音が大きい問題を有している。レーザ出力と相対雑音強度の関係を図8に示す。レーザ出力が小さくなると相対雑音強度が上昇するのがわかる。
【0004】
この相対雑音強度の問題に対して、メカニズムで強度フィルタを光路中に出し入れして対処した光ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図7は、前記特許文献に記載された従来例の光ヘッドの概略構成を示す図ある。
【0006】
図7において、101は光源であるGaN系の半導体レーザ、102は光ディスク、103はビームスプリッタで光源101からの光と光ディスク102からの反射光を分岐するための光学素子、104は光源101から出射した光を平行光に変換するコリメートレンズ、105はビームスプリッタ103で反射した光を光ディスク102へと偏向させるためのミラー、106は光ディスク102の記録面へ光を集光するための対物レンズ、107は光ディスク102からの反射光をフォトダイオードICに集光させるマルチレンズ、108は信号光検出用受光素子としてのフォトダイオードIC、109は強度フィルタで光を吸収する吸収膜を含む光学素子で光学系の光路中に機械的に出し入れ可能となっている。110は半導体レーザからの出射光、111は強度フィルタ透過後の光、112は光ディスク102からの反射光のうちビームスプリッタ103で分岐された光、120は光ヘッド全体である。
【0007】
次に光ヘッド120の動作について説明する。
【0008】
まず、再生時には、半導体レーザ101の出射光110の経路に強度フィルタ109を挿入しておく。このとき、半導体レーザ101の出射光110のパワーは、この強度フィルタ109により減衰する。強度フィルタ109によりパワーが調整された出射光111は、ビームスプリッタ103で反射されコリメートレンズ104により平行光に変換され、ミラー105で反射された後、対物レンズ106により集光されて光ディスク102に焦点を結ぶ。そして、この光ディスク102で反射された光が対物レンズ106、ミラー105、コリメートレンズ104、ビームスプリッタ103およびマルチレンズ107を経てフォトダイオードIC108に入射し、ここで電気信号に変換され、光ディスク102に書き込まれた情報が再生される。また、記録時には、半導体レーザ101の出射光110の経路から強度フィルタ109を外しておく。このとき、半導体レーザ101からの出射光110はそのまま、ビームスプリッタ103を経てコリメートレンズ104により平行光に変換され、ミラー105で反射された後、対物レンズ106により集光されて光ディスク102に焦点を結び、書き込みが行われる。
【0009】
これにより、半導体レーザ101の出射光110の経路に対して出し入れ可能に強度フィルタ109を設け、再生時には強度フィルタ109を出射光110の経路に挿入することにより透過光量を減衰させ逆に半導体レーザ101の出射光量を増すことにより相対雑音強度の小さいところで使用することが可能となり低雑音で良質の再生を行うことができる。
【特許文献1】特開2000−195086号公報(第7頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来例の光ヘッド120の構成では、強度フィルタ109の出し入れはモーター、シャフト、強度フィルタを保持するフレーム等の機構部品が必要となり機器の小型化をはかることが困難である。また、メカニカル動作なので強度フィルタ109の出し入れに時間がかかり、光ディスクを判別してシステムが起動するまでの時間が長くなる課題もある。
【0011】
本発明は、前記課題を解決し1層または複数の記録層を有する光ディスクを再生する際に、あるいは標準速または高倍速で光ディスクを再生する際に量子雑音の少ない光を照射することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために本発明の光ヘッドは、光を出射する光源と、光源から出射した光を光ディスク記録媒体に集光する対物レンズと、光源から出射した光を光ディスク記録媒体の記録再生に使用する光と光源の発光量を制御するための光に分岐するビームスプリッタと、前記光源と前記ビームスプリッタの間に配設された透過光量可変手段とを備えている。これにより低パワー動作モード(例えば1層光ディスクの再生)、と高パワー動作モード(例えば複数層光ディスクの再生)を持つ光ヘッドにおいて、低パワー動作モード時のみ透過光量可変手段で透過光量を下げて量子雑音の少ない光で再生して良質な信号を得ることができる。
【0013】
また、前記光ヘッドにおいて、前記透過光量可変手段は透明基板と回折素子の回折面との間に屈折率可変手段が組み込まれている構成とすることができる。
【0014】
これにより、前記と同様に低パワー動作モード時のみ透過光量可変手段で透過光量を下げて量子雑音の少ない光で再生して良質な信号を得ることができ、さらに透過光量可変手段を薄型で構成することができ光ヘッドの小型化をはかることができる。
【0015】
また、前記光ヘッドにおいて、前記屈折率可変手段は液晶である構成とすることができる。これにより液晶にかける制御電圧のON/OFFで回折動作をスイッチングして透過光量を切り替えることができ、メカニズム構成の透過光量可変手段より高速に動作させることができ、さらに部品点数を削減して信頼性の向上をはかることができる。
【0016】
また、前記光ヘッドにおいて前記偏光回転手段は液晶素子である構成とすることができる。これにより液晶にかける制御電圧のON/OFFで偏光回転をスイッチングして偏光ビームスプリッタと組み合わせて、メカニズム構成の透過率可変手段より高速に動作させることができる。
【0017】
さらに前記従来の課題を解決するために本発明の光ヘッドは、光を出射する光源と、光源から出射した光を光ディスク記録媒体に集光する対物レンズと、光源から出射した光を光ディスク記録媒体の記録再生に使用する光と光源の発光量を制御するための光とに分岐するビームスプリッタと、光ディスク記録媒体からの反射光を検出する光検出器と、前記光源から出射し前記対物レンズに入射するまでの往路光路と、前記光ディスク記録媒体からの反射光が前記対物レンズを通過して前記光検出器に入射するまでの復路光路との共通の光路中に配設された透過光量可変手段とを備えている。これにより、大きな光束中に透過率可変手段を配設することにより光学素子を通過する光パワー密度を下げることができ、特に青紫光による樹脂製光学部品に与えるダメージの低下をはかることができる。
【0018】
また、光源と光分岐手段と検出手段を集積したユニットで光ヘッドを構成する場合、前記往復光路中に前記透過光量可変手段を備えることにより光利用効率をコントロールして量子雑音の少ない光で再生できる。
【0019】
また、前記光ヘッドにおいて前記透過光量可変手段は透明基板と回折素子の回折面との間に屈折率可変手段を構成して実現することができる。これにより、透過率可変手段を薄型に構成することができ、光ヘッドの小型化をはかることができる。
【0020】
また、前記光ヘッドにおいて前記屈折率可変手段を液晶で構成することができる。これにより、液晶にかける制御電圧のON/OFFで回折動作をスイッチングすることができ、メカニズム構成の透過光量可変手段より高速に動作させることができる。
【0021】
また、前記光ヘッドにおいて前記液晶に電界を加えることにより往復路で回折しない第一の状態と、往路で回折、復路で回折しない第二の状態とを切替える構成とする。これにより、第二の状態において復路で回折しないため光ディスク記録媒体からの反射光量の低下を防ぐことができる。
【0022】
さらに前記従来の課題を解決するために本発明の光ディスク記録再生装置は、1層または複数の記録層を有する光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置において、1層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP1、透過光量可変手段の透過率をK1、複数層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP2、透過光量可変手段の透過率をK2としたとき、対物レンズ出射光量はP1>P2、透過光量可変手段の透過率はK1<K2となるように動作する光ヘッドを搭載している。これにより低パワー動作モード時(1層光ディスク再生)のみ透過光量可変手段で透過光量を下げて光源である半導体レーザの発光量を上げることにより量子雑音の少ない光で再生して良質なRF信号を得ることができる。
【0023】
さらに前記従来の課題を解決するために本発明の光ディスク記録再生装置は、標準速または高倍速で光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置において、標準速で光ディスク記録媒体を再生するときの対物レンズ出射光量をP1、透過光量可変手段の透過率をK1、高倍速で光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP2、透過光量可変手段の透過率をK2としたとき、対物レンズ出射光量はP1<P2、透過光量可変手段の透過率はK1<K2となるように動作する光ヘッドを搭載している。これにより低パワー動作モード時(標準速再生)のみ透過光量可変手段で透過光量を下げて光源である半導体レーザの発光量を上げることにより量子雑音の少ない光で再生して良質なRF信号を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の光ヘッドおよび光ディスク記録再生装置によれば、メカニズムで動く透過光量可変手段よりも高速な動作を実現できる。
【0025】
また、低パワー動作モード(1層光ディスク再生または標準速再生)、と高パワー動作モード(複数層光ディスク再生または高倍速再生)を有する光ヘッドを搭載する光ディスク記録再生装置において、低パワー動作モード時のみ透過光量可変手段で透過光量を下げて光源である半導体レーザの発光量を上げることにより量子雑音の少ない領域の光で再生して良質なRF信号を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における1層および複数層の光ディスクの記録再生ができる光ヘッド16および光ヘッド16を搭載した光ディスク記録再生装置のブロック図、図2(a)、図2(b)は前記光ヘッド16に用いる液晶素子2の動作を示す図である。
【0028】
図1に示す光ヘッド16において、1は光源である短波長レーザに代表される青紫色半導体レーザであり偏光方向が紙面に垂直(S偏光)となるように搭載されている。2は回折面を内側にした回折格子2bと透明基板2aの間に液晶2cを充填してある液晶素子で、液晶と接触している透明基板2aと回折素子2bの回折面には電極が構成されている(図示せず)。回折素子2bの内面の凹凸部の屈折率を液晶の常光屈折率(no)と一致させておく。また、この液晶はツイストしていない液晶を用い、前記電極に制御電圧を印加していない状態(OFF状態)では紙面の垂直方向に液晶分子の長軸がくるように配列している。この配向のために透明基板2a基板内面をラビング等で配向処理しておく。3は偏光ビームスプリッタ、3aはその反射面である。反射面3aの透過率および反射率はたとえばS偏光反射率を95%、S偏光透過率を5%、P偏光透過率を99%とする。4はコリメートレンズ、5はλ/4板、6は光ディスク7の記録面7aに集光するための対物レンズ、7は1層または複数層の記録面を有する光ディスクである。便宜上、図には複数層の記録面は図示していない。8は偏光ビームスプリッタ3を透過した光を前光用フォトディテクタ9上に集光させるためのレンズ、9は半導体レーザ1の発光量を検出するための前光用フォトディテクタ、10は光ディスク7からの反射光にフォーカス誤差信号を付加させるためのシリンドリカルレンズ、11はフォーカシング用およびトラッキング用サーボ信号およびRF信号を検出するフォトディテクタ、15はコリメートレンズ4を光軸方向に移動させるための送り機構、26は光を対物レンズ6の方向に偏向させるためのミラーである。
【0029】
以上のように構成された光ヘッド16について、以下その動作について説明する。
【0030】
液晶素子2の動作について説明する。液晶素子2は、図2(a)に示すように制御電圧OFF状態で入射光がS偏光(紙面に垂直方向の偏光)の場合、回折素子2bの内面の屈折率(常光屈折率:no)と液晶2cの屈折率(異常光屈折率:ne)は一致せず回折素子2bの凹凸は回折素子として機能して光は回折して0次光12aと±1次以上の回折光12b、12cとなる。なお、回折素子2bの凹凸のピッチは±1次以上の回折光が対物レンズ6を保持するホルダ(図示せず)の開口に入らなくなるような回折角になるように決められる。したがって、対物レンズ6から出射するのは0次光のみとなり入射光が減衰したことと等価になる。この入射光に対する0次光の比を透過率K1とする。
【0031】
次に図2(b)に示すように制御電圧ON状態では液晶2cの液晶分子は立ち上がる。液晶2cの屈折率は常光屈折率となり回折素子2bの内面の凹凸の屈折率(常光屈折率:no)と一致し、入射光からは前記凹凸は透明に見え回折せず直進する。この時の入射光に対する透過光の比を透過率K2としほぼ100%となる。
【0032】
光ヘッド16の動作について説明する。半導体レーザ1から出射した光12はS偏光で液晶素子2に入射する。液晶素子2にかけられる制御電圧がOFFの時は回折により入射光は減光され、制御電圧がONの時はほぼ100%透過して偏光ビームスプリッタ3に入射する。反射面3aでS偏光入射する光のうち95%は反射、5%は透過し、透過した光はレンズ8で前光用フォトディテクタ9に入射し前光の光量が検出される。
【0033】
また、反射面3aで反射した95%の光はコリメートレンズ4に入射し平行光に変換される。平行光に変換されたS偏光の光はλ/4板5で円偏光に変換され、ミラー26で反射され対物レンズ6に入射する。光は対物レンズ6で集光され光ディスク7上の記録面7aに光スポットが形成される。
【0034】
複数の記録層を有する光ディスク7で記録層を変えて読み取る場合、層の厚さが数10umあるため、層の厚さによる球面収差をキャンセルするために送り機構15でコリメートレンズ4を光軸方向に移動させる。
【0035】
光ディスク7で反射された光は入射時と逆方向の円偏光となり、再び対物レンズ6に入射しλ/4板5に入射しP偏光となってコリメートレンズ4に入射し、収束光に変換される。収束光は偏光ビームスプリッタ3に再度入射し99%のP偏光の光は透過しシリンドリカルレンズ10によってフォーカス誤差信号を得るために非点収差を加えられ、フォトディテクタ11でフォーカシングおよびトラッキングのためのサーボ信号およびRF信号が検出される。
【0036】
かかる構成によれば、光を出射する光源と、光源から出射した光を光ディスク記録媒体に集光する対物レンズと、光源から出射した光を光ディスク記録媒体の記録再生に使用する光と光源の発光量を制御するための光とに分岐するビームスプリッタと、前記光源と前記ビームスプリッタの間に配設された透過光量可変手段とを備えることにより、透過光量可変手段である液晶素子2に印加する制御電圧のON/OFFで光利用効率を切り替えができるので、従来の強度フィルタをメカニズムで抜き差しする方式と比べて高速に切り替えができる利点がある。
【0037】
さらに、強度フィルタを抜き差しするためのメカニズムのかわりに小型の液晶素子を使用するため、光ヘッドの小型化ができ、さらに信頼性の向上もはかることができる利点がある。
【0038】
なお、本実施の形態では透過光量可変手段として液晶素子と回折素子の複合素子で説明したが、電気的切替できる手段であれば液晶素子に限定されるものではない。
【0039】
次に図1に示す光ディスク記録再生装置について説明する。16は光ヘッド、20は前光用フォトディテクタ9からの信号をもとに半導体レーザ1を一定光量発光させるための半導体レーザ駆動回路、21は光ヘッド16が光ディスク7の反射光量もしくは光ディスクを保護するカートリッジ等から得られる識別信号で光ディスクの種類を識別し、各回路に識別信号を送る再生モード検出回路、22は液晶素子2を駆動する液晶素子駆動回路、23はコリメートレンズを光軸方向に移動させて複数層の光ディスクを再生する際発生する球面収差をキャンセルするためのコリメートレンズ送り駆動回路、24は動作モードに応じて前光用フォトディテクタ9の感度を切り替えるゲイン切替回路である。
【0040】
以上のように構成された光ディスク記録再生装置の動作について説明する。
【0041】
反射率の高い1層の記録面を有する光ディスクを再生する時、即ち低パワー動作モードで光ヘッド16に透過光量可変手段が無い場合、再生に必要な対物レンズ出射パワーをP1=0.3mW、光ヘッド16の光利用効率を30%とすると光源である半導体レーザ1の発光量は1mWとなる。図8より前記発光量時の相対雑音強度値は−123dB/Hzとなる。光ディスク記録再生装置として許容される相対雑音強度値は−125dB/Hz以下なので、前記相対雑音強度値は1層ディスクの再生に許容できないレベルとなる。
【0042】
本実施の形態において再生モード検出回路21が反射率の高い光ディスクと識別した場合、低パワー動作モードとなり液晶素子駆動回路22によって液晶素子2がOFFにされ液晶素子が回折素子として機能して透過率K1が例えば50%となると、光源である半導体レーザ1の発光量は2mWとなる。この時の相対雑音強度値は−130dB/Hzとなり許容内の相対雑音強度値となり量子雑音レベルの低い信号が得られる。
【0043】
また、再生モード検出回路21が反射率の低い光ディスクと識別した場合、高パワー動作モードとなり液晶素子駆動回路22によって液晶素子2がONされ液晶素子が回折素子としての機能がなくなり透過率K2は100%となる。再生に必要な対物レンズ出射パワーをP2=0.6mWとすると光源である半導体レーザ1の発光量は2mWとなる。この時の相対雑音強度値は−130dB/Hzとなり許容内の相対雑音強度となり量子雑音レベルの低い信号が得られる。
【0044】
また、低パワー動作モードから高パワー動作モードに切り替えると前光用フォトディテクタ9に入射する光量は2倍変化する。半導体レーザにAPCがかかって駆動されると同じ光量になるように半導体レーザ1の発光量を抑えられてしまうのでゲイン切替回路24で高パワー動作モード時はゲインを1/2に落とすように働く。
【0045】
かかる構成によれば、1層または複数の記録層を有する光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置において、1層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP1、透過光量可変手段の透過率をK1、複数層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP2、透過光量可変手段の透過率をK2としたとき、対物レンズ出射光量はP1<P2、透過光量可変手段の透過率はK1<K2となるように動作させることにより低パワー動作モード時の透過光量可変手段の透過率を下げて、半導体レーザの発光量を上げることにより必要とされる相対雑音強度以下の領域で使用することができ量子雑音レベルの小さな信号を得ることができる。
【0046】
また、高パワー動作モード時では透過光量可変手段の透過率を上げることにより対物レンズ出射光量を増すことができ、半導体レーザの駆動電流の増加を防ぎ、寿命をのばすことができる。
【0047】
なお、本実施の形態では1層または複数の記録層を有する光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置について説明したが、標準速または高倍速で光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク再生装置であっても同様な効果がある。
【0048】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における1層および複数層の光ディスクの記録再生ができる光ヘッド17および光ヘッド17を搭載した光ディスク記録再生装置のブロック図、図4は前記光ヘッド17に用いる制御電圧OFF時の液晶素子と偏光ビームスプリッタの動作を示す図、図5は前記光ヘッド17に用いる制御電圧ON時の液晶素子と偏光ビームスプリッタの動作を示す図である。
【0049】
図3に示す光ヘッド17において、13は液晶素子で13a、13bは透明基板、13cは液晶である。14は偏光ビームスプリッタ、14aは反射面でありP偏光透過率は略100%の膜特性を持たせている。25は液晶素子13と偏光ビームスプリッタ14をブロック化したフィルタブロックである。他の構成要素については図1と同じ名称と符号を用いるので説明を省略する。
【0050】
以上のように構成された光ヘッド17について、以下その動作について説明する。
【0051】
まず、フィルタブロック25の動作を図4、図5を用いて説明する。
【0052】
制御電源OFF時の液晶素子13において出射偏光は入射偏光に対して45°傾くように設計されている。半導体レーザ1から出射した光は図4に示すように液晶素子13を透過時に入射光に対して45°傾く。45°傾いた光は偏光ビームスプリッタ14に入射し、反射面14aではP偏光を略100%透過するように設計されているので50%の光が透過し50%の光が反射する。
【0053】
制御電源ON時の液晶素子13において、出射偏光は入射偏光を維持したまま透過するように設計されている。半導体レーザ1から出射した光は図5に示すように基準線に対して90°傾いたまま偏光ビームスプリッタ14に入射する。反射面14aではP偏光を略100%透過するように設計されているのでほぼ100%の光が透過する。
【0054】
このように液晶素子13と偏光ビームスプリッタ14からなるフィルタブロック25は液晶素子13をON/OFFすることによりそれぞれ透過率が50%と100%と変化する。
【0055】
前記フィルタブロック25に半導体レーザ1の出射光が入射し、所定の処理が行われてフィルタブロック25から出射して偏光ビームスプリッタ3に入射以後の動作は図1と同じであるので省略する。
【0056】
かかる構成によれば、透過光量可変手段は偏光回転手段と偏光ビームスプリッタで構成され、光源から出射した光がまず偏光回転手段に入射して偏光方向を制御された後、偏光ビームスプリッタに入射するよう配設されることにより、透過光量可変手段である液晶素子13に印加する制御電圧のON/OFFで光利用効率を切り替えができるので、従来の強度フィルタをメカニズムで抜き差しする方式と比べて高速に切り替えができる利点がある。
【0057】
さらに、強度フィルタを抜き差しするためのメカニズムのかわりに小型の液晶素子を使用するため、光ヘッドの小型化ができ、さらに信頼性の向上もはかることができる利点がある。
【0058】
なお、本実施の形態では偏光回転手段として液晶素子で説明したが、電気的切替できる手段であれば液晶素子に限定されるものではない。
【0059】
次に図3に示す光ディスク記録再生装置について説明する。20から24の構成要素については第1図と同じ名称と符号を用いるので説明を省略する。
【0060】
以上のように構成された光ディスク記録再生装置の動作について説明する。
【0061】
本実施の形態は実施の形態1の透過光量可変手段である液晶素子2がフィルタブロック25と入れ替わったところが異なる点で透過光量可変手段としての動作は同じであるので省略する。
【0062】
かかる構成によれば、1層または複数の記録層を有する光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置において、1層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP1、透過光量可変手段の透過率をK1、複数層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP2、透過光量可変手段の透過率をK2としたとき、対物レンズ出射光量はP1<P2、透過光量可変手段の透過率はK1<K2となるように動作させることにより低パワー動作モード時の透過光量可変手段の透過率を下げて、半導体レーザの発光量を上げることにより必要とされる相対雑音強度以下の領域で使用することができ量子雑音レベルの小さな信号を得ることができる。
【0063】
また、高パワー動作モード時では透過光量可変手段の透過率を上げることにより対物レンズ出射光量を増すことができ、半導体レーザの駆動電流の増加を防ぎ、寿命をのばすことができる。
【0064】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における1層および複数層の光ディスクの記録再生ができる光ヘッド18よび光ヘッド18を搭載した光ディスク記録再生装置のブロック図、図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)は前記光ヘッド18に用いる透過率可変手段である回折素子の動作を説明する図である。
【0065】
27は偏光ビームスプリッタで、27aはその反射面でS偏光反射率は略100%、P偏光透過率は略100%とする。28は前光用フォトディテクタと対物レンズ6に向かう光とに分岐させるビームスプリッタ、29は半導体レーザ1と偏光ビームスプリッタ27とシリンドリカルレンズ10とフォトディテクタ11を集積化した時の集積ユニットである。
【0066】
他の構成要素については図1と同じ名称と符号を用いるので説明を省略する。
【0067】
以上のように構成された光ヘッド18について、以下その動作について説明する。
【0068】
液晶素子2の動作の説明のうち、入射光がS偏光の場合(図2(a)、図2(b))は実施の形態1で説明してあるので省略する。図2(c)に示すように制御電圧OFFで入射偏光がP偏光(紙面に平行方向の偏光)の場合、液晶2cの液晶分子は紙面に垂直に配向されているので回折素子2bの内面の凹凸の屈折率(常光屈折率:no)と液晶2cの屈折率(常光屈折率:no)は一致し、入射光からは前記凹凸は透明に見え回折せず直進する。
【0069】
次に図2(d)に示すように制御電圧ONで入射偏光がP偏光の場合、液晶2cの液晶分子は立ち上がるので液晶2cの屈折率は常光屈折率noとなり回折素子2bの凹凸の屈折率(常光屈折率:no)と一致し、入射光からは前記凹凸は透明に見え回折せず直進する。
【0070】
図2(c)、図2(d)では透明基板2a側から光が入射する説明だが、回折素子2b側から入射しても同じ動作をする。
【0071】
液晶素子2に印加される制御電圧がOFFの場合、半導体レーザ1から出射した光12はS偏光で偏光ビームスプリッタ27に入射し反射面27aでS偏光入射する光の略100%は反射し、コリメートレンズ4に入射し平行光に変換される。平行光に変換されたS偏光の光は液晶素子2に入射する。そのときの液晶素子2の動作は図2(a)となり、入射光は一部回折され減光された0次光12aはλ/4板5で円偏光に変換され、ビームスプリッタ28で前光用フォトディテクタ9に向かう光と対物レンズ6に向かう光とに分岐される。分岐された光のうちの対物レンズ6に入射した光は光ディスク7に集光され記録面7aに光スポットが形成される。また、ビームスプリッタ28で分岐された他方の光はレンズ8で前光用フォトディテクタ9上に集光される。
【0072】
複数の記録層を有する光ディスク7で記録層を変えて読み取る場合、層の厚さが数10umあるため、層の厚さによる球面収差をキャンセルするために送り機構15でコリメートレンズ4を光軸方向に移動させる。
【0073】
光ディスク7で反射された光は入射時と逆方向の円偏光となり、再び対物レンズ6に入射しλ/4板5に入射しP偏光となって液晶素子2に入射する。このとき液晶素子2は図2(c)の動作となり光は直進してコリメートレンズ4に入射し、収束光に変換される。収束光は偏光ビームスプリッタ27に再度入射しP偏光の光は略100%透過しシリンドリカルレンズ10によってフォーカス誤差信号を得るために非点収差を加えられ、フォトディテクタ11でフォーカシングおよびトラッキングのためのサーボ信号およびRF信号が検出される。
【0074】
液晶素子2に印加される制御電圧がONの場合、半導体レーザ1から出射した光12は制御電圧OFFと同様な経路をたどり液晶素子2に入射する。そのときの液晶素子2の動作は図2(b)となり、入射光は回折されず全光量直進する。直進した光はλ/4板5で円偏光に変換され、ビームスプリッタ28で前光用フォトディテクタ9に向かう光と対物レンズ6に向かう光とに分岐される。分岐された光のうちの対物レンズ6に入射した光は光ディスク7に集光され記録面7aに光スポットが形成される。また、ビームスプリッタ28で分岐された他方の光はレンズ8で前光用フォトディテクタ9上に集光される。
【0075】
光ディスク7で反射された光は入射時と逆方向の円偏光となり、再び対物レンズ6に入射しλ/4板5に入射しP偏光となって液晶素子2に入射する。このとき液晶素子2は図2(d)の動作となり光は直進してコリメートレンズ4に入射し、収束光に変換される。収束光は偏光ビームスプリッタ27に再度入射し略100%のP偏光の光は透過しシリンドリカルレンズ10によってフォーカス誤差信号を得るために非点収差を加えられ、フォトディテクタ11でフォーカシングおよびトラッキングのための信号およびRF信号が検出される。
【0076】
かかる構成によれば、光を出射する光源と、光源から出射した光を光ディスク記録媒体に集光する対物レンズと、光源から出射した光を光ディスク記録媒体の記録再生に使用する光と光源の発光量を制御するための光に分岐するビームスプリッタと、光ディスク記録媒体からの反射光を検出する光検出器と、前記光源から出射し前記対物レンズに入射するまでの往路光路と、前記光ディスク記録媒体からの反射光が前記対物レンズを通過して前記光検出器に入射するまでの復路光路との共通の光路中に配設された透過光量可変手段とを備えることにより、透過光量可変手段である液晶素子2に印加する制御電圧のON/OFFで光利用効率を切り替えができるので、従来の強度フィルタをメカニズムで抜き差しする方式と比べて高速に切り替えができる利点がある。
【0077】
また、液晶素子2は平行光に変換された位置に配設されているため光束径が最も太く、光のエネルギー密度が最も低くなり短波長光による液晶の損傷を軽減でき、さらに、吸収フィルタを抜き差しするためのメカニズムのかわりに小型の液晶素子を使用するため、光ヘッドの小型化ができ、信頼性の向上もはかることができる利点がある。
【0078】
また、液晶素子2の制御電圧ON/OFFにかかわらず光ディスク7からの反射光を液晶素子2は回折しないのでフォトディテクタ11に入射する光量が減少しない利点がある。
【0079】
なお、本実施の形態では透過光量可変手段として液晶素子と回折素子の複合素子で説明したが、電気的切替できる手段であれば前記素子に限定されるものではない。
【0080】
実施の形態1、実施の形態2のように光の往路に透過率可変手段を配置する構成で集積化すると集積化ユニット形状が大きくなるが、本実施の形態3の発光系と検出系を集積化したユニット29では往復光路に透過率可変手段を構成でき、集積ユニットの小型化をはかることができる。
【0081】
なお、本実施の形態では半導体レーザ1と偏光ビームスプリッタ27とシリンドリカルレンズ10とフォトディテクタ11の集積ユニットで説明したがバルク構成であっても良いのは言うまでもない。
【0082】
次に図6に示す光ディスク記録再生装置について説明する。20から24の構成要素については図1と同じ名称と符号を用いるので説明を省略する。
【0083】
以上のように構成された光ディスク記録再生装置の動作について説明する。
【0084】
本実施の形態は実施の形態1の透過光量可変手段である液晶素子2の位置が偏光ビームスプリッタ3と半導体レーザ1の間からコリメートレンズ4とλ/4板5の間に、前光検出を行う部分が透過率可変手段以降の光路に入れ替えたところが異なる点で基本的動作は同じであるので省略する。
【0085】
かかる構成によれば、1層または複数の記録層を有する光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置において、1層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP1、透過光量可変手段の透過率をK1、複数層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP2、透過光量可変手段の透過率をK2としたとき、対物レンズ出射光量はP1<P2、透過光量可変手段の透過率はK1<K2となるように動作させることにより低パワー動作モード時の透過光量可変手段の透過率を下げて、半導体レーザの発光量を上げることにより必要とされる相対雑音強度以下の領域で使用することができノイズレベルの小さな信号を得ることができる。
【0086】
また、高パワー動作モード時では透過光量可変手段の透過率を上げることにより対物レンズ出射光量を増すことができ、半導体レーザの駆動電流の増加を防ぎ、寿命をのばすことができる。
【0087】
なお、本実施の形態では1層または複数の記録層を有する光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置について説明したが、標準速または高倍速で光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク再生装置であっても同様な効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明にかかる光ヘッドおよび光ディスク記録再生装置によれば、光路中に1層あるいは標準速の光ディスクを再生する場合、光源の発光量を減衰させ、複数層あるいは高倍速の光ディスクを再生する場合、光源の発光量を減衰させない透過光量可変手段を有し、Blu−ray Disc等の高密度記録再生する光ヘッド、または光ディスク記録再生装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の形態1における1層および複数層の光ディスクの記録再生ができる光ヘッドおよび前記光ヘッドを搭載した光ディスク記録再生装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1および実施の形態3における液晶素子の動作を示す図
【図3】本発明の実施の形態2における1層および複数層の光ディスクの記録再生ができる光ヘッドおよび前記光ヘッドを搭載した光ディスク記録再生装置のブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における光ヘッドに用いる制御電圧OFF時の液晶素子と偏光ビームスプリッタの動作を示す図
【図5】本発明の実施の形態2における光ヘッドに用いる制御電圧ON時の液晶素子と偏光ビームスプリッタの動作を示す図
【図6】本発明の実施の形態3における1層および複数層の光ディスクの記録再生ができる光ヘッドおよび前記光ヘッドを搭載した光ディスク記録再生装置のブロック図
【図7】従来例1の光ヘッドの概略構成を示す図
【図8】レーザ出力と相対雑音強度の関係を表す図
【符号の説明】
【0090】
1 半導体レーザ
2 液晶素子
3 偏光ビームスプリッタ
4 コリメートレンズ
5 λ/4板
6 対物レンズ
7 光ディスク
8 レンズ
9 フォトディテクタ
10 シリンドリカルレンズ
11 フォトディテクタ
12 光
13 液晶素子
14 偏光ビームスプリッタ
15 コリメートレンズ送り機構
16,17,18 光ヘッド
20 半導体レーザ駆動回路
21 再生モード検出回路
22 液晶素子駆動回路
23 コリメートレンズ送り駆動回路
24 ゲイン切替回路
26 ミラー
27 偏光ビームスプリッタ
28 ビームスプリッタ
29 集積ユニット
101 半導体レーザ
102 光ディスク
104 コリメートレンズ
105 ミラー
106 対物レンズ
107 マルチレンズ
108 フォトダイオードIC
109 強度フィルタ
110 出射光
111 強度フィルタ透過後の光
120 光ヘッド全体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、光源から出射した光を光ディスク記録媒体に集光する対物レンズと、光源から出射した光を光ディスク記録媒体の記録再生に使用する光と光源の発光量を制御するための光とに分岐するビームスプリッタと、前記光源と前記ビームスプリッタの間に配設された透過光量可変手段を有する光ヘッド。
【請求項2】
前記透過光量可変手段は透明基板と回折素子の回折面との間に屈折率可変手段が組み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッド。
【請求項3】
前記屈折率可変手段は液晶であることを特徴とする請求項2に記載の光ヘッド。
【請求項4】
前記透過光量可変手段は偏光回転手段と偏光ビームスプリッタで構成され、光源から出射した光がまず偏光回転手段に入射して偏光方向を制御された後、偏光ビームスプリッタに入射するよう配設されたことを特徴とする請求項1に記載の光ヘッド。
【請求項5】
前記偏光回転手段は液晶素子であることを特徴とする請求項4に記載の光ヘッド。
【請求項6】
光を出射する光源と、光源から出射した光を光ディスク記録媒体に集光する対物レンズと、光源から出射した光を光ディスク記録媒体の記録再生に使用する光と光源の発光量を制御するための光に分岐するビームスプリッタと、光ディスク記録媒体からの反射光を検出する光検出器と、前記光源から出射し前記対物レンズに入射するまでの往路光路と、前記光ディスク記録媒体からの反射光が前記対物レンズを通過して前記光検出器に入射するまでの復路光路との共通の光路中に配設された透過光量可変手段を有する光ヘッド。
【請求項7】
前記透過光量可変手段は透明基板とホログラムの回折面との間に屈折率可変手段が充填されていることを特徴とする請求項6に記載の光ヘッド。
【請求項8】
前記屈折率可変手段は液晶であることを特徴とする請求項7に記載の光ヘッド。
【請求項9】
前記液晶に電界を加えることにより往復路で回折しない第一の状態と、往路で回折、復路で回折しない第二の状態とを切替えることを特徴とする請求項8に記載の光ヘッド。
【請求項10】
1層または複数の記録層を有する光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置において、1層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するときの対物レンズ出射光量をP1、透過光量可変手段の透過率をK1、複数層の記録層を持つ光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP2、透過光量可変手段の透過率をK2としたとき、対物レンズ出射光量はP1<P2、透過光量可変手段の透過率はK1<K2となるように動作する前記請求項1から9記載の何れかの光ヘッドを搭載していることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項11】
標準速または高倍速で光ディスク記録媒体を記録再生する光ディスク記録再生装置において、標準速で光ディスク記録媒体を再生するときの対物レンズ出射光量をP1、透過光量可変手段の透過率をK1、高倍速で光ディスク記録媒体を再生するとき対物レンズ出射光量をP2、透過光量可変手段の透過率をK2としたとき、対物レンズ出射光量はP1<P2、透過光量可変手段の透過率はK1<K2となるように動作する前記請求項1から9記載の何れかの光ヘッドを搭載していることを特徴とする光ディスク記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−9616(P2009−9616A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305488(P2005−305488)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】