説明

光モジュールおよび光検出方法

【課題】製造コストの上昇を抑制し、且つ、利用者の利便性を向上させることができる光モジュールおよび光検出方法を提供する。
【解決手段】本発明の光モジュール1は、光源11と、光源11から出射された信号光を伝播するコア部21を有する光ファイバ12とを備える。コア部21は、コア部21の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの散乱領域31を含み、散乱領域31は、信号光が散乱領域31を通過するときに、信号光の一部を用いて、散乱領域31から光ファイバ12の外部に向かって放射状に散乱される散乱光を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ素子等の光源とその光源から出射された光を伝播する光ファイバとを備えた光モジュール、および、その光ファイバを伝播する光を検出する光検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバは光通信、ファイバレーザ装置、ファイバセンシングといった広い分野で利用されている。光ファイバはそのコア部に光を閉じ込め、信号として光を伝播させることを目的とする。このため、光ファイバは、光の伝播における信号ロスが小さいという特徴を持つのが通常である。
【0003】
一方、光通信に用いられる光通信網の保守や、ファイバレーザ、ファイバセンシングといった光ファイバを用いた光ファイバ機器を構成する光源や光回路の故障判定を行なう場合、光ファイバを伝播する光をその外部から検出することが必要となる機会が多い。
【0004】
なぜなら、このような保守や故障判定では、光通信網や光ファイバ機器を実際に稼動させ、その稼動の際に光が光ファイバを実際に伝播しているかどうかについて、確認する必要があるからである。
【0005】
しかし、上で述べたように、光ファイバは信号ロスが小さい、つまり、光ファイバからから直接漏れ出す漏れ光の光量が微量であることから、その漏れ光を直接検出することは現実的には困難であった。
【0006】
したがって、信号ロスの小さい光ファイバを伝播する光を検出できるよう、光ファイバから積極的に光を取り出すことができる工夫が必要であった。
【0007】
このような状況を考慮して、被測定光ファイバの融着接続点の近傍に光モニタ用光ファイバを配置し、該光モニタ用光ファイバを通して、被測定光ファイバの融着接続点から漏れ出す漏れ光を測定することで、被測定光ファイバを伝播する光のパワーをモニタする光パワーモニタ方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0008】
この光パワーモニタ方法では、被測定光ファイバに存在する接続点から漏れ出す漏れ光をモニタ用光ファイバで受光し、該光を光検出手段に導いて測定する。そうすることにより、被測定光ファイバを伝播する光のパワーをモニタする。
【0009】
また、コア部からクラッド部に漏れ出す光の一部を取り出し、取り出された光を受光素子で電気信号に変換する光導波路モニタ方法も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0010】
この光導波路モニタ方法では、クラッド部にその他の部分より屈折率の低い低屈折率部を形成する。低屈折率部はコア部からクラッド部に漏れ出した漏れ光の一部を反射し、低屈折率部と反対側で低屈折率部による反射光を検出する。
【0011】
さらに、光ファイバに紫外線照射を行なうことにより、光ファイバのコアにスランド型ファイバグレーティング(SFBG:Slanted Fiber Bragg Grating)(以下、「スランド型FBG」と呼ぶ。)を形成し、そのスランド型FBGを伝播した光の一部の回折光を検出する光モニタデバイスが提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
【0012】
この光モニタデバイスでは、信号光の波長λと同程度の長さ(典型的にはλ/2)を持つ、紫外線照射領域と紫外線非照射領域とからなるパターンをスランド型FBGに持たせ、その信号光をスランド型FBGにより干渉させることにより、上で述べた回折光を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−292674号公報(2006年10月26日公開)
【特許文献2】特開2005−128099号公報(2005年5月19日公開)
【特許文献3】特開平11−133255号公報(1999年5月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された光パワーモニタ方法では、被測定光ファイバの融着接続点の接続損失に起因して、その融着接続点から漏れ出す漏れ光を光モニタ用光ファイバで受光している。このため、上記の接続損失が小さいと、その接続損失に起因して生じる漏れ光の光量も少なくなり、その漏れ光をモニタできなくなるといった課題があった。
【0015】
また、漏れ光の生成が上記の接続損失に起因することから、このような漏れ光の光量を調整することができないといった課題もあった。
【0016】
さらに、融着接続点から漏れ出す漏れ光の漏れ方向を調整することができないため、その漏れ光をモニタするための光検出手段を任意の場所に配置することができず、モニタする際の利用者の利便性を欠くといった課題もあった。
【0017】
上記の特許文献2に開示された光導波路モニタ方法では、コア部からクラッド部に漏れ出した光を取り出し、受光するため、その光量が必然的に少ないものとなり、上記の特許文献1の光パワーモニタ方法と同様、その取り出された光をモニタできない場合があるといった課題があった。
【0018】
上記の特許文献3に開示された光モニタデバイスでは、スランド型FBGを形成する際、コア部に紫外線を照射する領域と紫外線を照射しない領域とを高精度に制御(描画)しなければならない。なぜなら、スランド型FBGを形成するには、複数の紫外線を互いに干渉させ、紫外線の波長よりも短い長さを持つパターンを形成しなければならないからである。
【0019】
このため、典型的には位相マスクと呼ばれる高価な回折格子を利用しなければならず、光モニタデバイスの製造コストの増大を招くといった課題があった。
【0020】
また、スランド型FBGを形成する際、光ファイバを傾斜させ、上記の描画を行なう必要があり、そのアライメント精度は非常に高いものが要求される。そのことも上記の製造コスト増大の要因の1つとなってしまうという課題もあった。
【0021】
さらに、スランド型FBGからの回折光を検出するためには、その回折光を検出するための受光素子をその回折光の光路上にしか配置することができず、上記の特許文献1の光パワーモニタ方法と同様、モニタする際の利用者の利便性を欠くといった課題もあった。
【0022】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストの上昇を抑制し、且つ、利用者の利便性を向上させることができる光モジュールおよび光検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するために、本発明に係る光モジュールは、光源と、上記光源から出射された信号光を伝播するコア部を有する光ファイバとを備え、上記コア部は、上記コア部の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの紫外線照射領域を含み、上記紫外線照射領域は、上記信号光が上記紫外線照射領域を通過するときに、上記信号光の一部を用いて、上記紫外線照射領域から上記光ファイバの外部に向かって放射状に散乱される散乱光を生成する。
【0024】
ここで、「長手方向に均一な強度」は、位相マスクを用いない紫外線照射条件によって実現されるものである。このため、この「長手方向に均一な強度」の紫外線は、位相マスクを用いない、つまり、「干渉パターンを持たない」紫外線ともいえる。
【0025】
上記の光モジュールでは、コア部の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの紫外線照射領域が配置されている。
【0026】
紫外線照射領域は、長手方向に均一な強度の紫外線照射による散乱中心の増加が誘起されており、光源からコア部に入射された信号光の一部を、紫外線照射領域から光ファイバの外部に向かって放射状に散乱する。
【0027】
このため、紫外線照射領域から散乱される散乱光を検出する際、その光検出部を、紫外線照射領域を中心とする放射状の任意の方向に配置することができる。
【0028】
また、紫外線照射領域は、長手方向に均一な強度の紫外線が照射されることから、紫外線照射領域に紫外線を照射する際、紫外線を回折し、干渉させる位相マスクを要することはない。
【0029】
したがって、光モジュールの製造コストの上昇を抑えつつ、光検出部を任意の方向に配置することができるといった利用者の利便性を向上させることができる。
【0030】
上記散乱光の光量は、上記長手方向における上記紫外線照射領域の長さ、上記紫外線照射の紫外線強度、および、上記紫外線照射の照射時間のうちの少なくとも1つを基に、決定されることが好ましい。
【0031】
この場合、紫外線照射領域から散乱される散乱光の光量を、紫外線照射領域の長さ、紫外線照射の紫外線強度、および、紫外線照射の照射時間のうちの少なくとも1つを基に、決定することができるので、散乱光量の調節を効率よく行なうことができる。
【0032】
上記長手方向における上記紫外線照射領域の長さは、上記信号光の波長よりも長いことが好ましい。
【0033】
この場合、コア部の長手方向において複数の紫外線照射領域が配置された場合でも、各紫外線照射領域の散乱光が回折することがなく、各散乱光を別々に検出しやすくなる。
【0034】
上記紫外線照射の紫外線強度は、上記紫外線照射される上記コア部の紫外線照射面内において均一であることが好ましい。
【0035】
この場合、紫外線照射領域に誘起される散乱中心の増加はその領域内において均一なものとなり、紫外線照射領域を中心とする放射状の任意の方向に均一な散乱光を散乱することができる。
【0036】
上記光ファイバの外部に配置され、上記散乱光を検出する光検出部をさらに備え、上記光検出部は、上記紫外線照射領域から放射状に広がる任意の方向に配置されることが好ましい。
【0037】
この場合、紫外線照射領域からの散乱光を検出する際、別途、光検出部を用意する必要がなく、また、光モジュールの設置場所が移動しても、光検出部を再配置すること無く、光検出部による光検出を行なうことができる。
【0038】
上記光源は、複数の光源を含み、上記光ファイバは、上記複数の光源のそれぞれに一対一に対応する、複数の光ファイバを含み、上記複数の光ファイバは、それぞれのコア部に、互いに異なる数で、且つ、少なくとも1つの上記紫外線照射領域を含み、上記光検出部は、上記複数の光ファイバのそれぞれのコア部の上記紫外線照射領域のそれぞれから散乱された上記散乱光を検出することが好ましい。
【0039】
この場合、複数の光ファイバからの散乱光を検出することができるので、複数の光ファイバに伝播する信号光の有無を判定することができる。
【0040】
上記複数の光ファイバのそれぞれにおいて、それぞれに固有な配置パターンを基に、それぞれの上記コア部に上記紫外線照射領域が配置されることが好ましい。
【0041】
この場合、複数の光ファイバからのそれぞれの散乱光パターンは異なるので、複数の光ファイバのそれぞれに伝播する信号光の有無を判定することができる。
【0042】
本発明に係る光検出方法は、コア部の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの紫外線照射領域を含む光ファイバを用いた光検出方法であって、上記紫外線照射領域から上記光ファイバの外部に向かって放射状に散乱される散乱光を検出する検出工程と、上記検出工程において上記散乱光が検出できたときに、上記光ファイバを伝播する信号光が存在するとの判定をする判定工程とを備える。
【0043】
上記の光検出方法では、コア部の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの紫外線照射領域が配置されている。
【0044】
紫外線照射領域は、長手方向に均一な強度の紫外線照射による散乱中心の増加が誘起されており、光源からコア部に入射された信号光の一部を、紫外線照射領域から光ファイバの外部に向かって放射状に散乱する。
【0045】
このため、紫外線照射領域から散乱される散乱光を検出する際、その光検出部を、紫外線照射領域を中心とする放射状の任意の方向に配置することができる。
【0046】
また、紫外線照射領域は、長手方向に均一な強度の紫外線が照射されることから、紫外線照射領域に紫外線を照射する際、紫外線を回折し、干渉させる位相マスクを要することはない。
【0047】
したがって、光モジュールの製造コストの上昇を抑えつつ、光検出部を任意の方向に配置することができるといった利用者の利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明の光モジュールは、光源と、上記光源から出射された信号光を伝播するコア部を有する光ファイバとを備え、上記コア部は、上記コア部の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの紫外線照射領域を含み、上記紫外線照射領域は、上記信号光が上記紫外線照射領域を通過するときに、上記信号光の一部を用いて、上記紫外線照射領域から上記光ファイバの外部に向かって放射状に散乱される散乱光を生成する。
【0049】
本発明の光検出方法は、コア部の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの紫外線照射領域を含む光ファイバを用いた光検出方法であって、上記紫外線照射領域から上記光ファイバの外部に向かって放射状に散乱される散乱光を検出する検出工程と、上記検出工程において上記散乱光が検出できたときに、上記光ファイバを伝播する信号光が存在するとの判定をする判定工程とを備える。
【0050】
それゆえ、製造コストの上昇を抑制し、且つ、利用者の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る光モジュールの概略構成を示す図であり、(a)は、その光モジュールの上面図、(b)は、(a)のA部の拡大図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光検出方法を説明するための説明図である。
【図3】上記光モジュールの光ファイバのコア部に配置された散乱領域の形成方法を説明するための説明図である。
【図4】FBGの形成方法を説明するための説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る光モジュールの概略構成を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る光モジュールの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
(実施形態1)
本発明の一実施形態について図1〜図4に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の実施形態で説明すること以外の構成は、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の実施形態で説明する構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0053】
図1は、本発明の実施形態1に係る光モジュールの概略構成を示す図であり、(a)は、その光モジュールの上面図、(b)は、(a)のA部の拡大図である。
【0054】
本発明の一実施形態に係る光モジュール1は、図1(a)に示すように、光源11と、光ファイバ12とを備えている。
【0055】
光源11は、例えば半導体レーザ素子を用いることができる。この場合、光源11は、レーザ駆動装置(図示省略)に接続されており、そのレーザ駆動装置から駆動電流が入力される。光源11は、レーザ光を出射する出射面を有しており、その出射面は光ファイバ12の先端部に対向するように配置されている。光源11は、レーザ駆動装置から駆動電流が入力されることで発振し、その発振により出射面からレーザ光を出射する。また、光源11は、ミラーを配置したキャビティ内に増幅媒体結晶を配置した固体レーザ素子であってもよいし、LED(light emitting diode)であってもよい。
【0056】
光ファイバ12は、コア部21と、そのコア部21の外側のクラッド部22と、それらを覆う被覆部(図示省略)の3重構造を備える。そして、光源11から出射されるレーザ光が光ファイバ12のコア部21に最大限導入されるよう、光源11から出射されるレーザ光の光軸と光ファイバ12のコア部21の光軸とが調芯されている。
【0057】
光ファイバ12のコア部21およびクラッド部22は、例えばシリカガラス(二酸化珪素:SiO)を用いることができる。コア部21の屈折率はクラッド部22の屈折率よりも高くなっている。このため、光源11からコア部21に入射される光である信号光は、コア部21に効率よく閉じ込められつつ、コア部21を伝播することができる。
【0058】
(散乱領域)
一般に、光ファイバのコア部にゲルマニウム(Ge)を添加し、波長240nm(例えば、248nm)付近の紫外線をコア部の一部の領域に照射すると、その一部の領域の屈折率が上昇するとともに、その一部の領域に散乱中心が増加することが知られている。この屈折率上昇と散乱中心の増加という2つの現象は、互いに独立に発生するものと一般的に考えられている。また、添加物は、ゲルマニウムの他、酸化チタン(TiO)、ホウ素(B)等であっても良い。
【0059】
本実施形態に係る光モジュール1においては、上で述べた2つの現象のうち、散乱中心の増加という現象を利用する。すなわち、光ファイバ12のコア部21の一部の領域に紫外線を照射し、その一部の領域の散乱中心を増加させる。そして、この散乱中心の増加が誘起された領域に信号光を伝播させ、その伝播の際、その散乱中心の増加が誘起された領域で信号光の一部を散乱させる。すなわち、コア部21から散乱される散乱光を生成する。
【0060】
光ファイバ12のコア部21は、図1(a)に示すように、少なくとも1つの散乱領域(紫外線照射領域)31を有している。この散乱領域31は、コア部21の長手方向、別の言い方をすれば、光源11から入射される信号光の導波方向、に沿って、コア部21の一部の領域を占めるように配置されている。
【0061】
この散乱領域31は、上で述べた現象を利用するものであり、先ず、光ファイバ12のコア部21には、上で述べたように、ゲルマニウムが添加されており、その濃度は、3〜10wt%が好ましい。
【0062】
そして、散乱領域31は、図1(b)に示すように、コア部21の長手方向に沿って紫外線照射が照射された領域であり、上記の紫外線が照射されていない領域である紫外線非照射領域32および紫外線非照射領域33に挟まれるように配置されている。
【0063】
このため、光源11から光ファイバ12のコア部21に入射された信号光は、例えば、紫外線非照射領域32を伝播し、紫外線非照射領域32と散乱領域31との間の界面に到達する。その界面の通過後、散乱領域31を伝播し、散乱領域31と紫外線非照射領域33との間の界面に到達する。そして、その界面の通過後、紫外線非照射領域33およびそれに続くコア部21の残余の領域を伝播していく。
【0064】
散乱領域31は、自身に信号光が入射されると、上で述べた現象に基づき、その信号光の一部を散乱する。また、散乱領域31は、その一部の光を散乱する際、散乱領域31を中心として四方八方に放射する、つまり、放射状に散乱する。
【0065】
散乱領域31は、図1(b)に示したように、コア部21の長手方向において長さLを有している。この長さLは、光源11からコア部21に入射される信号光の波長よりも長く、1〜50mmが好ましい。
【0066】
また、散乱領域31に照射される紫外線の強度は、その紫外線が100Hzの繰り返し周波数を持つパルス光源から出射されたものである場合、0.5〜2mJ/mmが好ましく、より好ましくは1mJ/mmである。
【0067】
さらに、その紫外線の照射時間は、0.5〜300秒が好ましく、より好ましくは30秒である。
【0068】
(光検出方法)
次に、本発明の一実施形態に係る光検出方法について説明する。図2は、本実施形態に係る光検出方法を説明するための説明図である。
【0069】
上で述べたように、光源11から光ファイバ12のコア部21に入射された信号光は、紫外線非照射領域32、散乱領域31、紫外線非照射領域33を、この順で伝播する。
【0070】
このとき、図2に示すように、散乱領域31は、自身に信号光が入射され、伝播する際、その信号光の一部を放射状に散乱する。
【0071】
このようにして光ファイバ12のコア部21から散乱された散乱光は、例えば、図2における右上に配置された撮像装置41を用いて撮像される。撮像装置41がこの散乱光を撮像できたとの結果は、光ファイバ12のコア部21を信号光が伝播することを意味するものである。
【0072】
したがって、撮像装置41がこの散乱光を撮像できたとの結果を基に、光ファイバ12のコア部21に信号光が伝播しているとの判定をすることができる。
【0073】
このような判定は、撮像装置41の撮像結果を人の目を通して行っても良いし、その撮像結果を画像処理し、その画像処理結果に基づくコンピュータ処理で行なっても構わない。
【0074】
また、本実施形態に光検出方法では、図2に示したように、撮像装置41を散乱領域31から放射状に広がる任意の方向に配置することができる。上で述べたように、散乱領域31は、自身を中心とする四方八方に散乱光を散乱する。
【0075】
このため、図2における左上に配置された撮像装置41aであっても、図2における左下に配置された撮像装置41bであっても、図2における右下に配置された撮像装置41cであっても、上記の散乱光を撮像することが可能となる。
【0076】
すなわち、利用者は、信号光が光ファイバ12を実際に伝播しているかどうかについて確認する場合に、上記の散乱光を検出するための撮像装置41、41a〜41cを散乱領域31から放射状に広がる任意の方向に配置することができる。
【0077】
したがって、例えば、光モジュール1が筐体(図示省略)の内部に格納されており、上記の撮像装置41、41a〜41cが配置可能な方向が限定される場合でも、その限定された方向に撮像装置41、41a〜41cを配置し、上記の散乱光を検出することができる。そうすることにより、信号光が光ファイバ12を実際に伝播しているかどうかについて確認する場合における利用者の利便性を向上することができる。
【0078】
なお、図2では、図2における右上に配置された撮像装置41、図2における左上に配置された撮像装置41a、図2における左下に配置された撮像装置41b、および、図2における右下に配置された撮像装置41cについて示したが、本実施形態はこれらの位置に限られるものではない。要は、散乱領域31から放射状に散乱される散乱光を撮像できるよう、散乱領域31から放射状に広がる任意の方向に撮像装置41、41a〜41cを配置すればよい。
【0079】
また、上記の散乱光を撮像する撮像装置41、41a〜41cは1つに限られるものではない。例えば、図2における右上に配置された撮像装置41と、図2における左下に配置された撮像装置41bといった、互いに異なる方向に配置された2つの撮像装置41および41bを用いてもよい。この場合、上記の散乱光の撮像をより確実に行なうことが可能となる。
【0080】
(散乱領域の形成方法)
次に、散乱領域31の形成方法について説明する。図3は、散乱領域31の形成方法を説明するための説明図である。また、図4は、散乱領域31の比較例として、FBGの形成方法を説明するための説明図である。
【0081】
図3に示すように、散乱領域31は、上で述べたような紫外線53が照射された、光ファイバ12のコア部21の一部の領域である。紫外線53は、光ファイバ12のコア部21の長手方向において散乱領域31が形成される領域に照射される。例えば、散乱領域31のコア部21の長手方向に長さがLであれば、紫外線53は、長さLのスリットを持つマスク50を通して、コア部21に照射されることになる。
【0082】
ここで、紫外線は、上で述べたようなスリットを通過する際、その回折作用により、スリットの長さよりも広がる傾向にある。
【0083】
このため、マスク50は、例えば、2枚のマスク51および52の組み合わせを用いることができる。そうすれば、コア部21の長手方向において紫外線53が照射される領域の長さLをより正確に所望の値にすることが可能となる。
【0084】
図3では、2枚のマスク51および52の組み合わせを用いたが、もちろん、3枚であっても、それ以上の枚数でも構わない。要は、コア部21の長手方向において紫外線53が照射される領域の長さLを正確に設定することができれば良い。
【0085】
なお、上で述べたように、光ファイバ12のコア部21およびクラッド部22は、被覆部で被われている。この被覆部は樹脂材料等で形成されており、例えば、紫外線の透過率の高い熱硬化型のシリコーン樹脂を用いることができる。具体的には、ジメチルシリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化型のシリコーン樹脂は、波長244nmの紫外線に対して、約90%程度の透過率を有する。
【0086】
この場合であれば、被覆部を通して紫外線53を照射しても、紫外線53は光ファイバ12のコア部21に到達する。したがって、光ファイバ12のコア部21に散乱領域31を形成する際、光ファイバ12から被覆部を除去する必要はない。
【0087】
一方、被覆部は、上で述べた紫外線の透過率の高い樹脂に代えて、一般的な光ファイバの被覆に用いられる紫外線吸収性で、紫外線硬化型樹脂を用いることができる。好ましくはエポキシ系またはウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
【0088】
この場合、光ファイバ12のコア部21に散乱領域31を形成する際、光ファイバ12から被覆部を除去する必要がある。例えば、被覆部に紫外線ビームをパルス状に照射し、被覆部を加熱し、燃焼させればよい。簡単にアブレーションを起こすため、被覆部を容易に取り除くことができる。この紫外線の照射は、例えばエキシマレーザ等の紫外線ビームをパルス状に被覆部に照射することにより可能である。
【0089】
ここで、散乱領域31の比較例として、FBGの形成方法について説明する。以下では、光ファイバ11のコア部21およびクラッド部22のそれぞれと同一の構造のコア部121およびクラッド部122を有する光ファイバ112に対して、上記のFBGを形成する方法について説明する。
【0090】
図4に示すように、光ファイバ112のコア部121にFBGを形成するときには、位相マスク61を用いることができる。紫外線62は、この位相マスク61を通してコア部121に照射される。
【0091】
FBGを形成するとき、位相マスク61の周期的な回折格子によって紫外線62が回折し、+1次回折光と、−1次回折光とが干渉して干渉縞を生じる。また、この干渉縞を生じた部分のコア部121の屈折率が上昇する。なお、紫外線の回折光としては、2次以上の回折光を用いても良い。
【0092】
このような位相マスク61を用いてFBGを形成するときには、位相マスク61の上記の周期的な回折格子における隣り合った開口部からの回折光を互いに干渉させ、そうすることにより、それぞれの開口部の像を互いに分離可能とする。
【0093】
すなわち、複数の回折光を互いに干渉させ、紫外線62の波長よりも短い長さを持つパターンを形成するために、このような位相マスク61を用いて、紫外線62が照射される紫外線照射領域131と、紫外線62が照射されないその他の領域とを高精度に制御(描画)する。
【0094】
ここで、このようなFBGと散乱領域31との違いについて説明する。
【0095】
(1)FBGでは、光ファイバ112のコア部121の屈折率変化を顕著に起こすことが要求されている。図4では、そのC部に示すように、互いに隣接し合う、紫外線照射領域131と紫外線62が照射されない領域との界面における屈折率差は、Δn2となっている。
【0096】
上で述べたように、本実施形態においては、散乱領域31と紫外線非照射領域32との界面における屈折率差Δn1や散乱領域31と紫外線非照射領域33との界面における屈折率差Δn1は、非常に小さいものとなっている。これは、散乱領域31は、自身を伝播する信号光の一部を散乱する散乱中心を増加させることを目的とするものであり、そのため、FBGの場合のように、散乱領域31に顕著な屈折率変化を要求するものではないからである。
【0097】
したがって、散乱領域31に誘起される屈折率の上昇は、FBGの紫外線照射領域131に誘起される屈折率上昇と比較して、小さいものとなる。
【0098】
すなわち、散乱領域31に照射される紫外線53の照射時間および強度と、FBGの紫外線照射領域131に照射される紫外線62の照射時間および強度とは、それぞれに要求される目的、つまり、屈折率上昇と散乱中心の増加とが異なる以上、全く異なるものとなる。
【0099】
(2)FBGを形成するときには、上で述べた位相マスク61を利用するが、この位相マスク61は、その微細な周期的な回折格子の形成に要するコスト等から、非常に高価なものである。
【0100】
さらに、FBGをスランド型FBGとする場合、例えば、図4に示す位相マスク61に形成されている周期的な回折格子が、光ファイバ112の光軸方向に対して斜めになるように配置した状態で、この位相マスク61を介して光ファイバ112のコア部121に紫外光を照射する。
【0101】
この場合、位相マスク61と光ファイバ112とのアライメント精度は非常に高いものが要求される。このことも、FBGの形成コストを増大させる要因の1つである。
【0102】
一方、散乱領域31の形成には単にスリットを設けたマスク50を利用すれば良く、このマスク50は、単にスリットを設けただけであることから、上記の位相マスク61と比較して、安価なものである。
【0103】
また、FBGのような高精度のアライメントも要求されることはない。
【0104】
したがって、散乱領域31の形成コストは、FBGの形成コストと比較して、安価なものとなる。
【0105】
(3)FBGは、自身を伝播する信号光の一部を回折させるが、その回折光はFBGの回折方向に放射される。したがって、光ファイバ112のコア部121から回折される回折光は、FBGを中心とする所定の方向にしか放射されないことになる。
【0106】
このため、FBGの回折光を検出しようとした場合、その光検出部はその回折光の回折方向にしか配置することができない。
【0107】
一方、散乱領域31は、上で述べたように、自身を伝播する信号光の一部を、自身を中心として四方八方に放射する、つまり、放射状に散乱する。
【0108】
このため、散乱領域31から散乱される散乱光を検出しようとした場合、その光検出部をFBGの場合とは異なり、散乱領域31を中心とする任意の方向に配置することができる。
【0109】
(4)FBGを形成するとき、位相マスク61の周期的な回折格子による紫外線62の干渉縞を用いている。これは、FBGが、紫外線62が照射される紫外線照射領域131と、紫外線62が照射されないその他の領域と、が繰り返し配置される微細な構造を有するからである。
【0110】
一方、散乱領域31は、上で述べたように、コア部21の長手方向において長さLを有しており、その長さLは、光源11からコア部21に入射される信号光の波長よりも長いものである。
【0111】
このため、FBGの場合とは異なり、紫外線53を干渉させる必要は無く、散乱領域31には、コア部21の長手方向に均一な強度の紫外線53を照射すればよい。
【0112】
したがって、上記(2)で述べたように、位相マスク61は不要である。
【0113】
なお、上記の「長手方向に均一な強度」とは、コア部21の長手方向に沿って紫外線53の強度が均一であることを意味する。この「長手方向に均一な強度」は、上で述べたように、位相マスクを用いない紫外線照射条件によって実現される。このため、この「長手方向に均一な強度」の紫外線53は、位相マスクを用いない、つまり、「干渉パターンを持たない」紫外線53ということもできる。
【0114】
このように、上記(1)〜(4)で述べたように、図3に示した散乱領域31と図4に示した紫外線照射領域131とは、その構成および効果について、全く異なるものである。
【0115】
(実施形態2)
以下に説明する図面においては、上述した各構成部材に対応する変形例を図示することがある。これら変形例については、上述した対応する構成部材に付記した符号(数字)にa、b、c・・・のアルファベットを付記することにより、対応関係を明らかにしつつ変形例であることを示すこととする。下記の実施形態3においても同様である。
【0116】
図5は、本発明の実施形態2に係る光モジュールの概略構成を示す図である。本実施形態に係る光モジュール2は、光源11aと、光源11bと、光源11cと、光源11dと、光ファイバ12aと、光ファイバ12bと、光ファイバ12cと、光ファイバ12dとを備えている。
【0117】
光源11aは、光ファイバ12aのコア部21aに信号光を入射する。光源11bは、光ファイバ12bのコア部21bに信号光を入射する。光源11cは、光ファイバ12cのコア部21cに信号光を入射する。光源11dは、光ファイバ12dのコア部21dに信号光を入射する。
【0118】
すなわち、光源11a、光源11b、光源11cおよび光源11dのそれぞれと、光ファイバ12a、光ファイバ12b、光ファイバ12cおよび光ファイバ12dのそれぞれとは、一対一に対応している。
【0119】
光ファイバ12aは、そのコア部21aに、1つの散乱領域31aを有している。光ファイバ12bは、そのコア部21bに、2つの散乱領域31bを有している。光ファイバ12cは、そのコア部21cに、3つの散乱領域31cを有している。光ファイバ12dは、そのコア部21dに、4つの散乱領域31dを有している。
【0120】
すなわち、光ファイバ12a、光ファイバ12b、光ファイバ12cおよび光ファイバ12dのそれぞれは、それぞれの散乱領域31a、31b、31cおよび31dが配置された散乱領域配置パターンを有している。そして、それら配置パターンは、光ファイバ12a、光ファイバ12b、光ファイバ12cおよび光ファイバ12dのそれぞれに固有なものである。
【0121】
したがって、各光ファイバ12a、12b、12cおよび12dから散乱される散乱光の検出結果は、各光ファイバ12a、12b、12cおよび12dごとに異なるものとなる。
【0122】
具体的には、光ファイバ12aは、1つの散乱領域31aから散乱光を放射状に散乱する。光ファイバ12bは、2つの散乱領域31bのそれぞれから散乱光を放射状に散乱する。光ファイバ12cは、3つの散乱領域31cのそれぞれから散乱光を放射状に散乱する。光ファイバ12dは、4つの散乱領域31dのそれぞれから散乱光を放射状に散乱する。
【0123】
このため、例えば図2で述べたように撮像装置41を用いて、各光ファイバ12a、12b、12cおよび12dから散乱される散乱光を検出した場合には、各光ファイバ12a、12b、12cおよび12dからの散乱光の検出結果は、各光ファイバ12a、12b、12cおよび12dごとに異なる検出パターンとなる。
【0124】
したがって、このような各光ファイバ12a、12b、12cおよび12dごとに異なる検出パターンを基にすれば、各光ファイバ12a、12b、12cおよび12dについて、上で述べたような光検出を同時に行なうことが可能となる。
【0125】
(実施形態3)
図6は、本発明の実施形態3に係る光モジュールの概略構成を示す図である。本実施形態に係る光モジュール3は、光源11eと、光ファイバ12eと、光検出部71と、判定部72とを備えている。
【0126】
光検出部71は、例えばPDを用いることができる。光検出部71は、光源11eから光ファイバ12eのコア部21eに信号光が入射され、散乱領域31eがその信号光の一部を放射状に散乱すると、その散乱光を検出する。
【0127】
光検出部71は、散乱領域31eを中心とする放射状の任意の方向に配置可能である。上で述べたように、散乱領域31eから散乱される散乱光は、散乱領域31eを中心とする、放射状に散乱されるからである。
【0128】
したがって、例えば、光源11e、光ファイバ12eの光源11e側の一部、光検出部71および判定部72が筐体(図示省略)の内部に格納されており、そのため、光検出部71の配置の自由度が小さい場合がある。このような場合でも、散乱領域31eから散乱される散乱光を検出可能な位置に光検出部71を配置することが可能となる。
【0129】
判定部72は、光検出部71からの検出結果を基に、光ファイバ12eのコア部21eを伝播する信号光の有無を判定する。判定部72は、光検出部71から上記の散乱光が検出されたとの検出結果を受け取ると、その検出結果を基に、光ファイバ12eのコア部21eを信号光が伝播しているとの判定を行なう。
【0130】
また、判定部72は、光検出部71が図2で述べた撮像装置41である場合、撮像装置41による撮像結果を画像処理し、その画像処理結果を基に、信号光の有無を判定しても良い。この場合、例えば、光ファイバ12eのコア部21eを信号光が伝播している状況の下、散乱領域31eからの散乱光を撮像装置41により撮像し、その撮像結果を画像処理した基準画像を形成しておけばよい。そうすれば、判定部72は、その基準画像との比較により、上記の判定を行なうことができ、判定処理の高速化を図ることができる。
【0131】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、ファイバレーザやLDモジュール等に使用する光モジュールに利用することができる。
【符号の説明】
【0133】
1、2、3 光モジュール
11、11a、11b、11c、11d、11e 光源
12、12a、12b、12c、12d、12e、112 光ファイバ
21、21a、21b、21c、21d、21e、121 コア部
22、22a、22b、22c、22d、22e、122 クラッド部
31、31a、31b、31c、31d、31e 散乱領域(紫外線照射領域)
32、33、131 紫外線非照射領域
41、41a、41b、41c 撮像装置
50、51、52 マスク
53、62 紫外線
61 位相マスク
71 光検出部
72 判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
上記光源から出射された信号光を伝播するコア部を有する光ファイバと
を備え、
上記コア部は、上記コア部の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの紫外線照射領域を含み、
上記紫外線照射領域は、上記信号光が上記紫外線照射領域を通過するときに、上記信号光の一部を用いて、上記紫外線照射領域から上記光ファイバの外部に向かって放射状に散乱される散乱光を生成することを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
上記散乱光の光量は、上記長手方向における上記紫外線照射領域の長さ、上記紫外線照射の紫外線強度、および、上記紫外線照射の照射時間のうちの少なくとも1つを基に、決定されることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
上記長手方向における上記紫外線照射領域の長さは、上記信号光の波長よりも長く、且つ、1〜50mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光モジュール。
【請求項4】
上記紫外線照射の紫外線強度は、上記紫外線照射される上記コア部の紫外線照射面内において均一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項5】
上記光ファイバの外部に配置され、上記散乱光を検出する光検出部をさらに備え、
上記光検出部は、上記紫外線照射領域から放射状に広がる任意の方向に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項6】
上記光源は、複数の光源を含み、
上記光ファイバは、上記複数の光源のそれぞれに一対一に対応する、複数の光ファイバを含み、
上記複数の光ファイバは、それぞれのコア部に、互いに異なる数で、且つ、少なくとも1つの上記紫外線照射領域を含み、
上記光検出部は、上記複数の光ファイバのそれぞれのコア部の上記紫外線照射領域のそれぞれから散乱された上記散乱光を検出することを特徴とする請求項5に記載の光モジュール。
【請求項7】
上記複数の光ファイバのそれぞれにおいて、それぞれに固有な配置パターンを基に、それぞれの上記コア部に上記紫外線照射領域が配置されることを特徴とする請求項6に記載の光モジュール。
【請求項8】
コア部の長手方向に沿って、その長手方向に均一な強度の紫外線が照射された、少なくとも1つの紫外線照射領域を含む光ファイバを用いた光検出方法であって、
上記紫外線照射領域から上記光ファイバの外部に向かって放射状に散乱される散乱光を検出する検出工程と、
上記検出工程において上記散乱光が検出できたときに、上記光ファイバを伝播する信号光が存在するとの判定をする判定工程と
を備えることを特徴とする光検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−215410(P2011−215410A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84167(P2010−84167)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】