説明

光学フィルム、それを用いた光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置

【課題】光学的異方性(Re、Rth)が小さく実質的に光学的等方性で、光学的異方性(Re、Rth)の波長分散が小さく、かつ偏光膜等への貼合性に優れた面状の良い光学フィルムを提供すること。また、それを用いた光学補償フィルム、偏光板などの光学材料および視野角依存性の少ない液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】レターデーション条件(I)0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25及び(II)|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35をみたす透明フィルムの少なくとも片側の表面処理後の凹凸形状が、算術平均粗さ(Ra)0.0005〜0.1μm、十点平均粗さ(Rz)0.0006〜0.3μm、表面凹凸の平均間隔(Sm)0.001〜1μm、且つ最大高さ(Ry)0.0005〜0.8μmの範囲であることを特徴とする光学フィルム。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
Re(λ)およびRth(λ)が、下記式(I)及び(II)をみたす透明フィルムであり、少なくとも片側の表面処理後の凹凸形状が、JIS B0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)0.0005〜0.1μm、十点平均粗さ(Rz)0.0006〜0.3μm、表面凹凸の平均間隔(Sm)0.001〜1μm、且つ最大高さ(Ry)0.0005〜0.8μmの範囲であることを特徴とする光学フィルム。
(I)0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
(II)|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。]
【請求項2】
透明フィルムの少なくとも片側の表面処理後の表面をX線光電子分光法(ESCA)で測定したときの炭素(C1s)スペクトルにおいて、288eV近傍の極大ピークに対する290eVのピークの比が0.20から0.45であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
フィルム膜厚方向のレターデーションRthを低下させる化合物を、下記式(III)及び(IV)をみたす範囲で少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
(III)(Rth(A)−Rth(0))/A≦−1.0
(IV) 0.01≦A≦30
ここで、
Rth(A):Rthを低下させる化合物をA%含有したフィルムのRth(nm)、
Rth(0):Rthを低下させる化合物を含有しないフィルムのRth(nm)、
A:フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの化合物の質量(%)、
である。
【請求項4】
透明フィルムがセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記セルロースアシレートフィルムがアシル置換度が2.85〜3.00のセルロースアシレートからなることを特徴とする請求項4に記載の光学フィルム。
【請求項6】
該セルロースアシレートフィルムにおいて、Re(λ)およびRth(λ)を低下させ(括弧内のλは測定波長値)、オクタノール−水分配係数(LogP値)が、0〜7である化合物を少なくとも1種、セルロースアシレート固形分に対して0.01〜30質量%含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の光学フィルム。
【請求項7】
|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物を少なくとも1種、セルロースアシレート固形分に対して0.01〜30質量%含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項8】
透明フィルムの波長380nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項9】
透明フィルムを60℃90%RHに240時間処理したフィルムのReおよびRthの変化量が15nm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項10】
80℃240時間処理した透明フィルムのReおよびRthの変化量が15nm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項11】
透明フィルムの膜厚が10〜120μmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項12】
透明フィルムを延伸する前後において、透明フィルムの正面レターデーションが下記式を満たすことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の光学フィルム。
|Re(n)-Re(0)|/n≦1.0
ここで、
Re(n):n(%)延伸したフィルムの正面レターデーション(nm)であり、
Re(0):延伸していないフィルムの正面レターデーション(nm)である。
【請求項13】
透明フィルム面内において、透明フィルムの機械搬送方向(MD方向)に対して垂直方向(TD方向)に遅相軸を有することを特徴とする請求項1〜12いずれかに記載の光学フィルム。
【請求項14】
透明フィルム面内において、遅相軸を有する方向に延伸すると正面レターデーションReが小さくなり、遅相軸を有する方向と垂直な方向に延伸すると正面レターデーションReが大きくなることを特徴とする請求項1〜13いずれかに記載の光学フィルム。
【請求項15】
表面処理後の透明フィルムが、表面から0.005μm以上1.0μm以下の深さまで親水化処理されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかにに記載の光学フィルム。
【請求項16】
親水化処理が、アルカリ鹸化処理である請求項1〜15のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項17】
アルカリ鹸化処理が、沸点が60〜120℃以下の水溶性有機溶媒、並びに界面活性剤及び相溶化剤を含有するアルカリ溶液で処理を行うことを特徴とする請求項16に記載の光学フィルム。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載の光学フィルムに、Re(630)が0 〜200nmであり、かつ|Rth(630)|が0〜400nmである光学的異方性層を設けたことを特徴とする光学補償フィルム。
【請求項19】
光学的異方性層がディスコティック液晶層を含有することを特徴とする請求項18に記載の光学補償フィルム。
【請求項20】
光学的異方性層が棒状液晶層を含有することを特徴とする請求項18または19に記載の光学補償フィルム。
【請求項21】
請求項1〜17に記載の光学フィルムと請求項18〜20に記載の光学補償フィルムの少なくともいずれか一つを偏光子の保護フィルムとして有することを特徴とする偏光板。
【請求項22】
表面にハードコート層、防眩層、反射防止層の少なくとも一層を設けたことを特徴とする請求項21に記載の偏光板。
【請求項23】
請求項1〜17に記載の光学フィルム、請求項18〜20に記載の光学補償フィルム、請求項21または22に記載の偏光板の少なくともいずれか一つを有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項24】
請求項1〜17に記載の光学フィルム、請求項18〜20に記載の光学補償フィルム及び請求項21〜22に記載の偏光板の少なくともいずれか一つを有することを特徴とするVAまたはIPS液晶表示装置。
【請求項25】
液晶セルの上下両側に偏光板を有する請求項24のIPS液晶表示装置において、少なくとも片側の偏光板のセル側に請求項1〜17のいずれかに記載の光学フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。

【公開番号】特開2006−221155(P2006−221155A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6368(P2006−6368)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】