光学式選別機
【課題】貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなった場合でも、該粒状物がシュートの幅方向に疎らな状態となって表面上を跳ねながら流下することがない光学式選別機を提供することを目的とする。
【解決手段】粒状物を貯留する貯留手段と、該貯留手段に貯留される前記粒状物を繰り出す操出手段と、該操出手段から繰り出される前記粒状物を表面上を流下させる所定幅を有する傾斜状のシュートと、該シュートの下端から落下する前記粒状物を所定位置において検出する光学検出手段と、該光学検出手段による検出結果に基づいて前記粒状物を排除し選別するエジェクター手段と、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする変更手段と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】粒状物を貯留する貯留手段と、該貯留手段に貯留される前記粒状物を繰り出す操出手段と、該操出手段から繰り出される前記粒状物を表面上を流下させる所定幅を有する傾斜状のシュートと、該シュートの下端から落下する前記粒状物を所定位置において検出する光学検出手段と、該光学検出手段による検出結果に基づいて前記粒状物を排除し選別するエジェクター手段と、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする変更手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩等に基づいて選別する光学式選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米・麦類・豆類・ナッツ類等の穀粒、ペレット・ビーズ等の樹脂片、医薬品、鉱石類、シラス等の細かい物品、その他の粒状物からなる原料を良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物等を排除したりする光学式選別機が知られている。
【0003】
この種の光学式選別機の一つに、粒状物供給部の下方に所定幅を有するシュートを傾斜して配置するタイプのものがある。
当該光学式選別機は、前記粒状物供給部から前記所定幅を有するシュートに対し大量の粒状物を供給し、該シュート表面上を幅方向に広がって流下し当該シュートの下端から所定の軌跡に沿って自由落下する前記粒状物に光を照射し、該粒状物からの反射光等を受光して原料に含まれる不良品や異物等を検出し、当該検出した不良品や異物等を排除することで前記粒状物の選別を行うものである(特許文献1,2を参照。)。
【0004】
ところで、特許文献1に記載された光学式選別機は、前記粒状物供給部がタンクと振動フィーダを備えるものであり、また、特許文献2に記載された光学式選別機は、前記粒状物供給部がタンクとロータリーバルブを備えるものであり、いずれも前記タンク内の粒状物を前記振動フィーダやロータリーバルブによりシュートへ向けて安定的に繰り出すことができる。
【0005】
ところが、上記各光学式選別機は、前記タンク内における粒状物の貯留量が少なくなると、前記振動フィーダやロータリーバルブからの粒状物の繰り出しが不安定となり、前記粒状物が前記シュートの幅方向に疎らな状態となって表面上を跳ねながら流下するため、不良品等の検出ミスを生じやすく、選別精度が低下する要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−50760号公報
【特許文献2】特開平11−223604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなった場合でも、該粒状物がシュートの幅方向に疎らな状態となって表面上を跳ねながら流下することがない光学式選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、粒状物を貯留する貯留手段と、該貯留手段に貯留される前記粒状物を繰り出す操出手段と、該操出手段から繰り出される前記粒状物を流下させる所定幅を有する傾斜状のシュートと、該シュートの下端から落下する前記粒状物を所定位置において検出する光学検出手段と、該光学検出手段による検出結果に基づいて前記粒状物を排除し選別するエジェクター手段と、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする変更手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明は、前記変更手段が、前記操出手段から繰り出される粒状物の操出幅変更手段であって、当該操出幅変更手段により前記操出手段からシュートへ向けて繰り出される粒状物の操出幅を変更することで、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすることが好ましい。
【0010】
本発明は、前記操出幅変更手段が、前記操出手段より小幅な開口を有し、前記操出手段と前記シュートの間に移動可能に配設されるシャッターであって、該シャッターを前記操出手段とシュートの間に移動させ、前記操出手段から前記シュートへ向けて繰り出される粒状物を当該シャッターの開口を通過させることで、前記粒状物の操出幅を変更することが好ましい。
【0011】
本発明は、前記変更手段が、前記シュート面上を流下する粒状物の流下軌道変更手段であって、当該流下軌道変更手段により前記シュート面上を流下する粒状物の流下軌道を変更することで、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすることが好ましい。
【0012】
本発明は、前記流下軌道変更手段が、前記シュートの少なくとも一方の側部から前記シュート面上に延出可能に配設される案内部材であって、当該案内部材を前記シュート面上に延出させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することが好ましい。
【0013】
本発明は、前記案内部材が、前記シュートの側壁の一部を含み、該側壁の一部が前記シュートの側壁と平行を維持した状態で前記シュート面上に延出することが好ましい。
【0014】
本発明は、前記流下軌道変更手段が、前記シュート面上に揺動可能とされる前記シュートの少なくとも一方の側壁の一部であって、当該側壁の一部を前記シュート面上に揺動させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することが好ましい。
【0015】
本発明は、前記流下軌道変更手段が、前記シュートの少なくとも表面を含む部分を前記シュートの側壁に平行な方向に分割し、該分割した部分の少なくとも一つの部分を前記分割線に沿って起立させてシュート面を傾斜させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することが好ましい。
【0016】
本発明は、前記貯留手段における粒状物の貯留量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすることが好ましい。
【0017】
本発明は、前記粒状物の流量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光学式選別機は、シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とするので、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなり、操出手段から繰り出される粒状物の量が減少した場合であっても、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることで、該粒状物が疎らな状態でなく密な状態でシュート表面上を流下することとなり、前記粒状物が前記シュート表面上を跳ねながら流下することがないため、選別精度の低下を防止できる。
【0019】
本発明の光学式選別機は、操出手段から繰り出される粒状物の操出幅を変更可能とすれば、当該操出幅を狭くすることで、シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることができる。
【0020】
本発明の光学式選別機は、操出手段より小幅な開口を有し、前記操出手段とシュートの間に移動可能に配設されるシャッターを備えるものとすれば、前記操出手段から繰り出される粒状物を前記シャッターの開口を通過させることで、前記粒状物の操出幅を狭くすることができる。
【0021】
本発明の光学式選別機は、シュート面上を流下する粒状物の流下軌道を変更可能とすれば、該粒状物の流下軌道を変更することで、シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることができる。
【0022】
本発明の光学式選別機は、シュートの側部から前記シュート面上に延出可能に配設される案内部材を備えるものとすれば、該案内部材を延出させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することができる。
【0023】
本発明の光学式選別機は、前記案内部材が、前記シュート側壁の一部を含み、該側壁の一部が前記シュートの側壁と平行を維持した状態で延出するものとすれば、前記案内部材により前記流下軌道が変更された粒状物は、前記側壁の一部により流下方向へ一定の長さ案内されることとなり、その後の流下軌道が早期に安定する。
【0024】
本発明の光学式選別機は、前記シュートの側壁の一部を、該シュート面上に揺動可能とすれば、該シュートを揺動させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することができる。
【0025】
本発明の光学式選別機は、前記シュートの少なくとも表面を含む部分を前記シュートの側壁に平行な方向に分割するものとすれば、該分割した部分の少なくとも一つの部分を前記分割線に沿って起立させてシュート面を傾斜させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することができる。
【0026】
本発明の光学式選別機は、前記貯留手段における粒状物の貯留量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすれば、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなり、操出手段から繰り出される粒状物の量が減少した場合に、適切なタイミングで前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることができる。
【0027】
本発明の光学式選別機は、粒状物の流量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすれば、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなり、操出手段から繰り出される粒状物の量が減少した場合に、適切なタイミングで前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態における光学式選別機の内部構造の側断面図。
【図2】図1の光学式選別機における粒状物供給部付近の拡大図であって、実施例1の説明図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】図1の光学式選別機において粒状物供給部2からシュート3へ粒状物を繰り出す様子の模式図。
【図5】図1の光学式選別機において粒状物供給部2からシュート3へ粒状物を繰り出す様子の模式図。
【図6】本発明の他の実施の形態の光学式選別機における粒状物供給部付近の拡大図であって、実施例2の説明図。
【図7】図6のA−A断面図。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態の光学式選別機におけるシュートの模式図であって、実施例3の説明図。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の光学式選別機におけるシュートの模式図であって、実施例4の説明図。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態の光学式選別機におけるシュートの模式図であって、実施例5の説明図。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態の光学式選別機におけるシュートの模式図であって、実施例6の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態としての実施例を図面を参照しながら説明する。
本発明の光学式選別機は、シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とするものであり、タンク内の粒状物の貯留量が少なくなった場合に、該粒状物がシュートの幅方向に疎らな状態となって表面上を跳ねながら流下することを防止できる。
まず、実施例1及び2について説明する。
実施例1及び2は、例えば図1に示す光学式選別機において、粒状物供給部からシュートへ向けて繰り出される粒状物の操出幅を変更可能とするものである。
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明の実施の形態における光学式選別機の一例であって、該光学式選別機の内部構造を簡略化した側断面図を示す。
図1に示す光学式選別機1は、粒状物供給部2、シュート3及び光学選別部4を備える。
前記粒状物供給部2は、光学式選別機1の上部に配置され、タンク21と、該タンク21内の粒状物をシュート3へ向けて安定的に繰り出す振動フィーダ22を備える。
【0031】
前記シュート3は、所定幅を有するものであり、前記粒状物供給部2の下方に傾斜した状態で配置され、前記粒状物供給部2の振動フィーダ22から連続して繰り出される粒状物を該シュート3の表面上を流下させる。
【0032】
前記光学選別部4は、前記粒状物の落下軌跡の前後に配設される一対の光学検出装置41a,41bと、該光学検出装置41a,41bの撮像信号に基づいて前記粒状物を良品と不良品に判別する判別装置42と、前記判別装置42の判別結果に基づいて前記不良品を排除し、前記粒状物を良品と不良品に選別するエジェクター43と、前記エジェクター43により良品と不良品に選別された粒状物を排出する排出ホッパ44を備える。
【0033】
ここで、前記光学検出装置41a,41bは、前記シュート3の下端から幅方向に広がる状態で自由落下する粒状物に対応できるCCD等のラインセンサやエリアセンサを内蔵し、NIR(近赤外線)、可視光又は紫外線等の波長域の光を受光可能とするCCDカメラ等の撮像手段411a,411bと、前記粒状物の落下軌跡上における検出位置Oを照明する蛍光灯やハロゲンランプ、LED光源等の照明手段412a,412bと、前記検出位置Oにおいて前記撮像手段により前記粒状物を撮像する際の背景となるバックグラウンド413a,413bを備える。
【0034】
また、前記エジェクター43は、前記光学検出装置41a,41bと同様に、前記シュート3の下端から幅方向に広がる状態で自由落下する粒状物に対応できるものであって、前記幅方向に形成される複数のノズル孔から選択的にエアを噴射することができるノズル431を備える。
【0035】
上記光学式選別機1において、前記粒状物供給部2のタンク21に貯留される粒状物は、前記振動フィーダ22から前記シュート3に連続して繰り出され、該シュート3の表面上を幅方向に広がる状態で連続状に自然流下した後、当該シュート3の下端から所定の軌跡に沿って自由落下する。
【0036】
前記自由落下する粒状物は、前記光学選別部4において、前記一対の光学検出装置41a,41bにおける撮像手段411a,411bにより、前記落下軌跡上における検出位置Oにおいて撮像される。
【0037】
前記撮像手段411a,411bにより撮像された粒状物は、前記判別装置42において、撮像信号における光量や色成分の信号レベルがしきい値と比較され、良品と不良品のいずれかに判別される。
【0038】
そして、前記粒状物は、前記判別装置42から送られる排除信号に基づいて、前記エジェクター43におけるエアの噴射により不良品が前記所定の落下軌跡から排除され、良品と不良品に選別されて、良品は排出ホッパ44の良品排出樋441から、不良品は不良品排出樋442からそれぞれ排出される。
【0039】
図2は、図1の光学式選別機1における粒状物供給部2付近の拡大図を示す。また、図3は、図2のA−A断面から見た図であって、タンク内21の粒状物を振動フィーダ22からシュート3へ向けて繰り出す様子の説明図を示す。
【0040】
本実施例において、上記光学式選別機1における粒状物供給部2は、前記振動フィーダ22よりも小幅な開口を有するシャッター23をさらに備える。また、当該シャッター23は、例えばエアシリンダ25のロッド先端に取り付けられ、前記振動フィーダ22と前記シュート3の間に進退可能に配設される。
【0041】
図2に示すように、本実施例では、例えば、前記タンク21の所定位置にセンサー24が配設され、当該センサー24が前記タンク21内の粒状物が所定量以下となったことを検出するとエアシリンダ25が作動しロッドが伸長することで、前記シャッター23が前記振動フィーダ22とシュート3の間に進出する。
【0042】
そして、この場合、タンク21内における粒状物の貯留量が少ないため、図3に示すように、前記振動フィーダ22からは幅方向に疎らな状態で前記シュート3へ向けて粒状物が繰り出されることとなるが、前記粒状物は、前記シャッター23の開口を通ることで操出幅が狭くなり、その結果、前記シュート3表面上を流下する際の流下幅も狭くなって幅方向に密な状態で流下する。
【0043】
なお、図2及び図3に示すように、前記シャッター23の上面に、前記開口に向けた傾斜が設けられていれば、該シャッター23の上面に粒状物が滞留することがない。
【0044】
図4及び図5は、図1の光学式選別機において粒状物供給部2からシュート3へ粒状物を繰り出す様子の模式図を示す。
タンク21内における粒状物の貯留量が多い場合、図4に示すようにシャッター23は振動フィーダ22とシュート3の間から退避した位置にあり、前記振動フィーダ22から繰り出される粒状物は、シュート3上に直接落下して該シュート3の表面上を幅方向一杯に広がって流下する。
【0045】
一方、タンク21内における粒状物の貯留量が少ない場合、図5に示すようにシャッター23が振動フィーダ22とシュート3の間に進出した位置にあり、前記振動フィーダ22から繰り出される粒状物は、前記シャッター23の開口を通ることで操出幅が狭くなった状態で前記シュート上に落下し、該シュート3表面上を狭い流下幅で流下する。
【0046】
本実施例では、タンク21内における粒状物の貯留量に基づいて、前記シャッター23を進退させることとしたが、前記タンク21内の粒状物が少なくなった場合、光学式選別機の各所あるいは該光学式選別機の前後の工程において粒状物の流量が減少することから、前記シャッター23を粒状物の流量データに基づいて進退させることとしてもよい。
【0047】
その場合、前記光学検出装置41a,41bの撮像手段411a,411bによる撮像画像を用い、該撮像画像の全面積に占める粒状物の面積の割合、即ち流量密度から流量データを算出することとすれば、シュート表面上を流下する粒状物を直接観察することとほぼ同じ状態となり、より適切なタイミングでシャッター23を進退させることができる。
【実施例2】
【0048】
図1に示す光学式選別機1は、粒状物供給部2がタンク21と振動フィーダ22を備えるものであるが、前記振動フィーダ22に代えてロータリーバルブを備えるものとすることもできる。
図6は、ロータリーバルブ26を備える粒状物供給部2B付近の拡大図を示す。また、図7は、図6のA−A断面から見た図であって、タンク内21の粒状物をロータリーバルブ26からシュート3へ向けて繰り出す様子の説明図を示す。
【0049】
本実施例において、前記粒状物供給部2Bは、前記ロータリーバルブ26よりも小幅な開口を有するシャッター27をさらに備える。また、当該シャッター27は、例えばソレノイド28の作動に伴い前記ロータリーバルブ26と前記シュート3の間に移動可能に配設される。
【0050】
図6に示すように、本実施例では、タンク21の所定位置に配設されるセンサー24が該タンク21内の粒状物が所定量以下となったことを検出するとソレノイド28が作動し、前記シャッター27のストッパーとしてのプランジャが引き込まれることで、当該シャッター27が前記ロータリーバルブ26の開口部とシュート3の間に移動する。
【0051】
そして、この場合、タンク21内における粒状物の貯留量が少ないため、図7に示すように、前記ロータリーバルブ26からは幅方向に疎らな状態で前記シュート3へ向けて粒状物が繰り出されることとなるが、前記粒状物は、前記シャッター27の開口を通ることで操出幅が狭くなり、その結果、前記シュート3表面上を流下する際の流下幅も狭くなって幅方向に密な状態で流下する。
【0052】
図6及び図7に示すように、当該シャッター27の上面も、前記開口に向かい傾斜するものであれば、該シャッター27の上面に粒状物が滞留することがない。
【0053】
なお、本実施例においても、実施例1と同様に、粒状物の流量データに基づいて前記シャッター27を移動させることとしてもよいことは言うまでもない。
【0054】
次に、実施例3乃至6について説明する。
実施例3乃至6は、例えば図1に示す光学式選別機において、シュート表面上における粒状物の流下軌道を変更可能とするものである。
【0055】
図8乃至11は、それぞれ実施例3乃至6に対応するものであって、各図における(a)はシュートを上方から見た模式図、(b)は(a)のB−B断面から見た模式図を示す。また、各図(a),(b)において、図面中央から右側は、シュート3表面上における粒状物の流下軌道を強制的に変更した様子を示す。
【実施例3】
【0056】
本実施例において、光学式選別機は、シュート3の側壁31を貫いて当該シュート3の表面上に延出可能な案内部材32を備える。
図8(a)の図面中央から左側に示すように、シュート3表面上を幅方向一杯に広がって疎らな状態で流下する粒状物は、本実施例において、図面中央から右側に示すように、シュート3の側部から該シュート3の下流側に向けて延出させた前記案内部材32によって中央部に案内され、シュート3表面上を流下する流下幅が狭くなって幅方向に密な状態で流下することとなる。
【実施例4】
【0057】
本実施例は、実施例3に示すものにおいて、シュート3の側壁31から該側壁の一部33を分離可能とし、当該側壁の一部33を前記案内部材32の先端に取り付けたものである。
図9(a)の図面中央から左側に示すように、シュート3表面上を幅方向一杯に広がって疎らな状態で流下する粒状物は、本実施例において、図面中央から右側に示すように、前記シュート3の側壁の一部33とともに該シュート3の下流側に向けて延出させた前記案内部材32によって中央部に案内され、シュート3表面上を流下する流下幅が狭くなって幅方向に密な状態で流下することとなる。
【0058】
本実施例は、前記シュート3の側壁の一部33が前記側壁31と平行を維持した状態で前記案内部材32を延出させることとすれば、前記案内部材32によって中央部へ案内された粒状物は、当該シュート3の側壁の一部33により流下方向へ一定の長さ案内されるため、その後の軌道が早期に安定する。
【0059】
上記実施例3及び4では、前記案内部材32を周知の駆動手段により延出させることができる。また、上記実施例3及び4でも、実施例1及び2と同様に、前記案内部材32をタンク21内の粒状物の貯留量、又は粒状物の流量データに基づいて延出させることができる。
【0060】
なお、上記実施例3及び4において、前記案内部材32は、前記シュート3の少なくとも一方の側部から当該シュート3の表面上に延出可能であればよい。
【実施例5】
【0061】
本実施例は、シュート3の側壁の一部34を揺動可能としたものである。
図10(a)の図面中央から左側に示すように、シュート3表面上を幅方向一杯に広がって疎らな状態で流下する粒状物は、本実施例において、図面中央から右側に示すように、前記シュート3の上流側を支点として該シュート3表面上に揺動させた前記側部の一部34によって中央部に案内され、シュート3表面上を流下する流下幅が狭くなって幅方向に密な状態で流下することとなる。
【0062】
本実施例でも、前記側壁の一部34を図示しない周知の駆動手段により揺動させることができる。また、本実施例でも、実施例1乃至4と同様に、前記側壁の一部34をタンク21内の粒状物の貯留量、又は粒状物の流量データに基づいて揺動させることができる。
【0063】
なお、本実施例においても、前記シュートの側壁の一部34は、該シュート3の少なくとも一方の側部から当該シュート3の表面上に揺動可能であればよい。
【実施例6】
【0064】
本実施例は、シュート3の少なくとも表面を含む部分を、粒状物の流下する方向、即ちシュート3の側壁31に平行な方向に例えば三分割3A〜3Cし、両側方部分3A,3Cを起立させて傾斜させる構成としたものである。
図11(a)の図面中央から左側に示すように、シュート3表面上を幅方向一杯に広がって疎らな状態で流下する粒状物は、本実施例において、図面中央から右側に示すように、側方部分3Cを傾斜させることで中央部分3Bに移動させられ、シュート3表面上を流下する流下幅が狭くなって幅方向に密な状態で流下することとなる。
【0065】
本実施例においても、前記シュートの側方部分3Cを図示しない周知の駆動手段により傾斜させることができる。また、本実施例においても、実施例1乃至5と同様に、前記シュートの側方部分3Cをタンク21内の粒状物の貯留量、又は粒状物の流量データに基づいて傾斜させることができる。
【0066】
なお、本実施例においても、前記シュート3の少なくとも表面部の側方部分は、該シュート3の少なくとも一方側が傾斜可能であればよい。
【0067】
上記実施例3乃至6において、シュート表面上における粒状物の流下軌道を強制的に変更可能とするための構成は、必ずしもシュート3の流下方向中央に対し左右対称に設ける必要はない。
【0068】
また、上記実施例3乃至6において、前記光学式選別機は、粒状物供給部に必ずしもシャッター23,27を備える必要はなく、当該シャッター23,27を具備するものとするかは任意である。
【0069】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜構成を変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の光学式選別機は、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなった場合でも、該粒状物が疎らな状態でなく密な状態でシュート表面上を流下させることができるため、選別精度の低下を防止することができ、極めて実用性が高い。
【符号の説明】
【0071】
1 光学式選別機
2 粒状物供給部
2B 粒状物供給部
21 タンク
22 振動フィーダ
23 シャッター
24 センサー
25 駆動シリンダ
26 ロータリーバルブ
27 シャッター
28 ソレノイド
3 シュート
31 側壁
32 案内部材
33 側壁の一部
34 側壁の一部
4 光学選別部
41a,41b 光学検出装置
42 判別装置
43 エジェクター
44 排出ホッパ
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩等に基づいて選別する光学式選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米・麦類・豆類・ナッツ類等の穀粒、ペレット・ビーズ等の樹脂片、医薬品、鉱石類、シラス等の細かい物品、その他の粒状物からなる原料を良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物等を排除したりする光学式選別機が知られている。
【0003】
この種の光学式選別機の一つに、粒状物供給部の下方に所定幅を有するシュートを傾斜して配置するタイプのものがある。
当該光学式選別機は、前記粒状物供給部から前記所定幅を有するシュートに対し大量の粒状物を供給し、該シュート表面上を幅方向に広がって流下し当該シュートの下端から所定の軌跡に沿って自由落下する前記粒状物に光を照射し、該粒状物からの反射光等を受光して原料に含まれる不良品や異物等を検出し、当該検出した不良品や異物等を排除することで前記粒状物の選別を行うものである(特許文献1,2を参照。)。
【0004】
ところで、特許文献1に記載された光学式選別機は、前記粒状物供給部がタンクと振動フィーダを備えるものであり、また、特許文献2に記載された光学式選別機は、前記粒状物供給部がタンクとロータリーバルブを備えるものであり、いずれも前記タンク内の粒状物を前記振動フィーダやロータリーバルブによりシュートへ向けて安定的に繰り出すことができる。
【0005】
ところが、上記各光学式選別機は、前記タンク内における粒状物の貯留量が少なくなると、前記振動フィーダやロータリーバルブからの粒状物の繰り出しが不安定となり、前記粒状物が前記シュートの幅方向に疎らな状態となって表面上を跳ねながら流下するため、不良品等の検出ミスを生じやすく、選別精度が低下する要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−50760号公報
【特許文献2】特開平11−223604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなった場合でも、該粒状物がシュートの幅方向に疎らな状態となって表面上を跳ねながら流下することがない光学式選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、粒状物を貯留する貯留手段と、該貯留手段に貯留される前記粒状物を繰り出す操出手段と、該操出手段から繰り出される前記粒状物を流下させる所定幅を有する傾斜状のシュートと、該シュートの下端から落下する前記粒状物を所定位置において検出する光学検出手段と、該光学検出手段による検出結果に基づいて前記粒状物を排除し選別するエジェクター手段と、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする変更手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明は、前記変更手段が、前記操出手段から繰り出される粒状物の操出幅変更手段であって、当該操出幅変更手段により前記操出手段からシュートへ向けて繰り出される粒状物の操出幅を変更することで、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすることが好ましい。
【0010】
本発明は、前記操出幅変更手段が、前記操出手段より小幅な開口を有し、前記操出手段と前記シュートの間に移動可能に配設されるシャッターであって、該シャッターを前記操出手段とシュートの間に移動させ、前記操出手段から前記シュートへ向けて繰り出される粒状物を当該シャッターの開口を通過させることで、前記粒状物の操出幅を変更することが好ましい。
【0011】
本発明は、前記変更手段が、前記シュート面上を流下する粒状物の流下軌道変更手段であって、当該流下軌道変更手段により前記シュート面上を流下する粒状物の流下軌道を変更することで、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすることが好ましい。
【0012】
本発明は、前記流下軌道変更手段が、前記シュートの少なくとも一方の側部から前記シュート面上に延出可能に配設される案内部材であって、当該案内部材を前記シュート面上に延出させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することが好ましい。
【0013】
本発明は、前記案内部材が、前記シュートの側壁の一部を含み、該側壁の一部が前記シュートの側壁と平行を維持した状態で前記シュート面上に延出することが好ましい。
【0014】
本発明は、前記流下軌道変更手段が、前記シュート面上に揺動可能とされる前記シュートの少なくとも一方の側壁の一部であって、当該側壁の一部を前記シュート面上に揺動させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することが好ましい。
【0015】
本発明は、前記流下軌道変更手段が、前記シュートの少なくとも表面を含む部分を前記シュートの側壁に平行な方向に分割し、該分割した部分の少なくとも一つの部分を前記分割線に沿って起立させてシュート面を傾斜させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することが好ましい。
【0016】
本発明は、前記貯留手段における粒状物の貯留量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすることが好ましい。
【0017】
本発明は、前記粒状物の流量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光学式選別機は、シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とするので、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなり、操出手段から繰り出される粒状物の量が減少した場合であっても、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることで、該粒状物が疎らな状態でなく密な状態でシュート表面上を流下することとなり、前記粒状物が前記シュート表面上を跳ねながら流下することがないため、選別精度の低下を防止できる。
【0019】
本発明の光学式選別機は、操出手段から繰り出される粒状物の操出幅を変更可能とすれば、当該操出幅を狭くすることで、シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることができる。
【0020】
本発明の光学式選別機は、操出手段より小幅な開口を有し、前記操出手段とシュートの間に移動可能に配設されるシャッターを備えるものとすれば、前記操出手段から繰り出される粒状物を前記シャッターの開口を通過させることで、前記粒状物の操出幅を狭くすることができる。
【0021】
本発明の光学式選別機は、シュート面上を流下する粒状物の流下軌道を変更可能とすれば、該粒状物の流下軌道を変更することで、シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることができる。
【0022】
本発明の光学式選別機は、シュートの側部から前記シュート面上に延出可能に配設される案内部材を備えるものとすれば、該案内部材を延出させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することができる。
【0023】
本発明の光学式選別機は、前記案内部材が、前記シュート側壁の一部を含み、該側壁の一部が前記シュートの側壁と平行を維持した状態で延出するものとすれば、前記案内部材により前記流下軌道が変更された粒状物は、前記側壁の一部により流下方向へ一定の長さ案内されることとなり、その後の流下軌道が早期に安定する。
【0024】
本発明の光学式選別機は、前記シュートの側壁の一部を、該シュート面上に揺動可能とすれば、該シュートを揺動させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することができる。
【0025】
本発明の光学式選別機は、前記シュートの少なくとも表面を含む部分を前記シュートの側壁に平行な方向に分割するものとすれば、該分割した部分の少なくとも一つの部分を前記分割線に沿って起立させてシュート面を傾斜させることで、前記粒状物の流下軌道を変更することができる。
【0026】
本発明の光学式選別機は、前記貯留手段における粒状物の貯留量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすれば、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなり、操出手段から繰り出される粒状物の量が減少した場合に、適切なタイミングで前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることができる。
【0027】
本発明の光学式選別機は、粒状物の流量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とすれば、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなり、操出手段から繰り出される粒状物の量が減少した場合に、適切なタイミングで前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を狭くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態における光学式選別機の内部構造の側断面図。
【図2】図1の光学式選別機における粒状物供給部付近の拡大図であって、実施例1の説明図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】図1の光学式選別機において粒状物供給部2からシュート3へ粒状物を繰り出す様子の模式図。
【図5】図1の光学式選別機において粒状物供給部2からシュート3へ粒状物を繰り出す様子の模式図。
【図6】本発明の他の実施の形態の光学式選別機における粒状物供給部付近の拡大図であって、実施例2の説明図。
【図7】図6のA−A断面図。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態の光学式選別機におけるシュートの模式図であって、実施例3の説明図。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の光学式選別機におけるシュートの模式図であって、実施例4の説明図。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態の光学式選別機におけるシュートの模式図であって、実施例5の説明図。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態の光学式選別機におけるシュートの模式図であって、実施例6の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態としての実施例を図面を参照しながら説明する。
本発明の光学式選別機は、シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とするものであり、タンク内の粒状物の貯留量が少なくなった場合に、該粒状物がシュートの幅方向に疎らな状態となって表面上を跳ねながら流下することを防止できる。
まず、実施例1及び2について説明する。
実施例1及び2は、例えば図1に示す光学式選別機において、粒状物供給部からシュートへ向けて繰り出される粒状物の操出幅を変更可能とするものである。
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明の実施の形態における光学式選別機の一例であって、該光学式選別機の内部構造を簡略化した側断面図を示す。
図1に示す光学式選別機1は、粒状物供給部2、シュート3及び光学選別部4を備える。
前記粒状物供給部2は、光学式選別機1の上部に配置され、タンク21と、該タンク21内の粒状物をシュート3へ向けて安定的に繰り出す振動フィーダ22を備える。
【0031】
前記シュート3は、所定幅を有するものであり、前記粒状物供給部2の下方に傾斜した状態で配置され、前記粒状物供給部2の振動フィーダ22から連続して繰り出される粒状物を該シュート3の表面上を流下させる。
【0032】
前記光学選別部4は、前記粒状物の落下軌跡の前後に配設される一対の光学検出装置41a,41bと、該光学検出装置41a,41bの撮像信号に基づいて前記粒状物を良品と不良品に判別する判別装置42と、前記判別装置42の判別結果に基づいて前記不良品を排除し、前記粒状物を良品と不良品に選別するエジェクター43と、前記エジェクター43により良品と不良品に選別された粒状物を排出する排出ホッパ44を備える。
【0033】
ここで、前記光学検出装置41a,41bは、前記シュート3の下端から幅方向に広がる状態で自由落下する粒状物に対応できるCCD等のラインセンサやエリアセンサを内蔵し、NIR(近赤外線)、可視光又は紫外線等の波長域の光を受光可能とするCCDカメラ等の撮像手段411a,411bと、前記粒状物の落下軌跡上における検出位置Oを照明する蛍光灯やハロゲンランプ、LED光源等の照明手段412a,412bと、前記検出位置Oにおいて前記撮像手段により前記粒状物を撮像する際の背景となるバックグラウンド413a,413bを備える。
【0034】
また、前記エジェクター43は、前記光学検出装置41a,41bと同様に、前記シュート3の下端から幅方向に広がる状態で自由落下する粒状物に対応できるものであって、前記幅方向に形成される複数のノズル孔から選択的にエアを噴射することができるノズル431を備える。
【0035】
上記光学式選別機1において、前記粒状物供給部2のタンク21に貯留される粒状物は、前記振動フィーダ22から前記シュート3に連続して繰り出され、該シュート3の表面上を幅方向に広がる状態で連続状に自然流下した後、当該シュート3の下端から所定の軌跡に沿って自由落下する。
【0036】
前記自由落下する粒状物は、前記光学選別部4において、前記一対の光学検出装置41a,41bにおける撮像手段411a,411bにより、前記落下軌跡上における検出位置Oにおいて撮像される。
【0037】
前記撮像手段411a,411bにより撮像された粒状物は、前記判別装置42において、撮像信号における光量や色成分の信号レベルがしきい値と比較され、良品と不良品のいずれかに判別される。
【0038】
そして、前記粒状物は、前記判別装置42から送られる排除信号に基づいて、前記エジェクター43におけるエアの噴射により不良品が前記所定の落下軌跡から排除され、良品と不良品に選別されて、良品は排出ホッパ44の良品排出樋441から、不良品は不良品排出樋442からそれぞれ排出される。
【0039】
図2は、図1の光学式選別機1における粒状物供給部2付近の拡大図を示す。また、図3は、図2のA−A断面から見た図であって、タンク内21の粒状物を振動フィーダ22からシュート3へ向けて繰り出す様子の説明図を示す。
【0040】
本実施例において、上記光学式選別機1における粒状物供給部2は、前記振動フィーダ22よりも小幅な開口を有するシャッター23をさらに備える。また、当該シャッター23は、例えばエアシリンダ25のロッド先端に取り付けられ、前記振動フィーダ22と前記シュート3の間に進退可能に配設される。
【0041】
図2に示すように、本実施例では、例えば、前記タンク21の所定位置にセンサー24が配設され、当該センサー24が前記タンク21内の粒状物が所定量以下となったことを検出するとエアシリンダ25が作動しロッドが伸長することで、前記シャッター23が前記振動フィーダ22とシュート3の間に進出する。
【0042】
そして、この場合、タンク21内における粒状物の貯留量が少ないため、図3に示すように、前記振動フィーダ22からは幅方向に疎らな状態で前記シュート3へ向けて粒状物が繰り出されることとなるが、前記粒状物は、前記シャッター23の開口を通ることで操出幅が狭くなり、その結果、前記シュート3表面上を流下する際の流下幅も狭くなって幅方向に密な状態で流下する。
【0043】
なお、図2及び図3に示すように、前記シャッター23の上面に、前記開口に向けた傾斜が設けられていれば、該シャッター23の上面に粒状物が滞留することがない。
【0044】
図4及び図5は、図1の光学式選別機において粒状物供給部2からシュート3へ粒状物を繰り出す様子の模式図を示す。
タンク21内における粒状物の貯留量が多い場合、図4に示すようにシャッター23は振動フィーダ22とシュート3の間から退避した位置にあり、前記振動フィーダ22から繰り出される粒状物は、シュート3上に直接落下して該シュート3の表面上を幅方向一杯に広がって流下する。
【0045】
一方、タンク21内における粒状物の貯留量が少ない場合、図5に示すようにシャッター23が振動フィーダ22とシュート3の間に進出した位置にあり、前記振動フィーダ22から繰り出される粒状物は、前記シャッター23の開口を通ることで操出幅が狭くなった状態で前記シュート上に落下し、該シュート3表面上を狭い流下幅で流下する。
【0046】
本実施例では、タンク21内における粒状物の貯留量に基づいて、前記シャッター23を進退させることとしたが、前記タンク21内の粒状物が少なくなった場合、光学式選別機の各所あるいは該光学式選別機の前後の工程において粒状物の流量が減少することから、前記シャッター23を粒状物の流量データに基づいて進退させることとしてもよい。
【0047】
その場合、前記光学検出装置41a,41bの撮像手段411a,411bによる撮像画像を用い、該撮像画像の全面積に占める粒状物の面積の割合、即ち流量密度から流量データを算出することとすれば、シュート表面上を流下する粒状物を直接観察することとほぼ同じ状態となり、より適切なタイミングでシャッター23を進退させることができる。
【実施例2】
【0048】
図1に示す光学式選別機1は、粒状物供給部2がタンク21と振動フィーダ22を備えるものであるが、前記振動フィーダ22に代えてロータリーバルブを備えるものとすることもできる。
図6は、ロータリーバルブ26を備える粒状物供給部2B付近の拡大図を示す。また、図7は、図6のA−A断面から見た図であって、タンク内21の粒状物をロータリーバルブ26からシュート3へ向けて繰り出す様子の説明図を示す。
【0049】
本実施例において、前記粒状物供給部2Bは、前記ロータリーバルブ26よりも小幅な開口を有するシャッター27をさらに備える。また、当該シャッター27は、例えばソレノイド28の作動に伴い前記ロータリーバルブ26と前記シュート3の間に移動可能に配設される。
【0050】
図6に示すように、本実施例では、タンク21の所定位置に配設されるセンサー24が該タンク21内の粒状物が所定量以下となったことを検出するとソレノイド28が作動し、前記シャッター27のストッパーとしてのプランジャが引き込まれることで、当該シャッター27が前記ロータリーバルブ26の開口部とシュート3の間に移動する。
【0051】
そして、この場合、タンク21内における粒状物の貯留量が少ないため、図7に示すように、前記ロータリーバルブ26からは幅方向に疎らな状態で前記シュート3へ向けて粒状物が繰り出されることとなるが、前記粒状物は、前記シャッター27の開口を通ることで操出幅が狭くなり、その結果、前記シュート3表面上を流下する際の流下幅も狭くなって幅方向に密な状態で流下する。
【0052】
図6及び図7に示すように、当該シャッター27の上面も、前記開口に向かい傾斜するものであれば、該シャッター27の上面に粒状物が滞留することがない。
【0053】
なお、本実施例においても、実施例1と同様に、粒状物の流量データに基づいて前記シャッター27を移動させることとしてもよいことは言うまでもない。
【0054】
次に、実施例3乃至6について説明する。
実施例3乃至6は、例えば図1に示す光学式選別機において、シュート表面上における粒状物の流下軌道を変更可能とするものである。
【0055】
図8乃至11は、それぞれ実施例3乃至6に対応するものであって、各図における(a)はシュートを上方から見た模式図、(b)は(a)のB−B断面から見た模式図を示す。また、各図(a),(b)において、図面中央から右側は、シュート3表面上における粒状物の流下軌道を強制的に変更した様子を示す。
【実施例3】
【0056】
本実施例において、光学式選別機は、シュート3の側壁31を貫いて当該シュート3の表面上に延出可能な案内部材32を備える。
図8(a)の図面中央から左側に示すように、シュート3表面上を幅方向一杯に広がって疎らな状態で流下する粒状物は、本実施例において、図面中央から右側に示すように、シュート3の側部から該シュート3の下流側に向けて延出させた前記案内部材32によって中央部に案内され、シュート3表面上を流下する流下幅が狭くなって幅方向に密な状態で流下することとなる。
【実施例4】
【0057】
本実施例は、実施例3に示すものにおいて、シュート3の側壁31から該側壁の一部33を分離可能とし、当該側壁の一部33を前記案内部材32の先端に取り付けたものである。
図9(a)の図面中央から左側に示すように、シュート3表面上を幅方向一杯に広がって疎らな状態で流下する粒状物は、本実施例において、図面中央から右側に示すように、前記シュート3の側壁の一部33とともに該シュート3の下流側に向けて延出させた前記案内部材32によって中央部に案内され、シュート3表面上を流下する流下幅が狭くなって幅方向に密な状態で流下することとなる。
【0058】
本実施例は、前記シュート3の側壁の一部33が前記側壁31と平行を維持した状態で前記案内部材32を延出させることとすれば、前記案内部材32によって中央部へ案内された粒状物は、当該シュート3の側壁の一部33により流下方向へ一定の長さ案内されるため、その後の軌道が早期に安定する。
【0059】
上記実施例3及び4では、前記案内部材32を周知の駆動手段により延出させることができる。また、上記実施例3及び4でも、実施例1及び2と同様に、前記案内部材32をタンク21内の粒状物の貯留量、又は粒状物の流量データに基づいて延出させることができる。
【0060】
なお、上記実施例3及び4において、前記案内部材32は、前記シュート3の少なくとも一方の側部から当該シュート3の表面上に延出可能であればよい。
【実施例5】
【0061】
本実施例は、シュート3の側壁の一部34を揺動可能としたものである。
図10(a)の図面中央から左側に示すように、シュート3表面上を幅方向一杯に広がって疎らな状態で流下する粒状物は、本実施例において、図面中央から右側に示すように、前記シュート3の上流側を支点として該シュート3表面上に揺動させた前記側部の一部34によって中央部に案内され、シュート3表面上を流下する流下幅が狭くなって幅方向に密な状態で流下することとなる。
【0062】
本実施例でも、前記側壁の一部34を図示しない周知の駆動手段により揺動させることができる。また、本実施例でも、実施例1乃至4と同様に、前記側壁の一部34をタンク21内の粒状物の貯留量、又は粒状物の流量データに基づいて揺動させることができる。
【0063】
なお、本実施例においても、前記シュートの側壁の一部34は、該シュート3の少なくとも一方の側部から当該シュート3の表面上に揺動可能であればよい。
【実施例6】
【0064】
本実施例は、シュート3の少なくとも表面を含む部分を、粒状物の流下する方向、即ちシュート3の側壁31に平行な方向に例えば三分割3A〜3Cし、両側方部分3A,3Cを起立させて傾斜させる構成としたものである。
図11(a)の図面中央から左側に示すように、シュート3表面上を幅方向一杯に広がって疎らな状態で流下する粒状物は、本実施例において、図面中央から右側に示すように、側方部分3Cを傾斜させることで中央部分3Bに移動させられ、シュート3表面上を流下する流下幅が狭くなって幅方向に密な状態で流下することとなる。
【0065】
本実施例においても、前記シュートの側方部分3Cを図示しない周知の駆動手段により傾斜させることができる。また、本実施例においても、実施例1乃至5と同様に、前記シュートの側方部分3Cをタンク21内の粒状物の貯留量、又は粒状物の流量データに基づいて傾斜させることができる。
【0066】
なお、本実施例においても、前記シュート3の少なくとも表面部の側方部分は、該シュート3の少なくとも一方側が傾斜可能であればよい。
【0067】
上記実施例3乃至6において、シュート表面上における粒状物の流下軌道を強制的に変更可能とするための構成は、必ずしもシュート3の流下方向中央に対し左右対称に設ける必要はない。
【0068】
また、上記実施例3乃至6において、前記光学式選別機は、粒状物供給部に必ずしもシャッター23,27を備える必要はなく、当該シャッター23,27を具備するものとするかは任意である。
【0069】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜構成を変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の光学式選別機は、貯留手段における粒状物の貯留量が少なくなった場合でも、該粒状物が疎らな状態でなく密な状態でシュート表面上を流下させることができるため、選別精度の低下を防止することができ、極めて実用性が高い。
【符号の説明】
【0071】
1 光学式選別機
2 粒状物供給部
2B 粒状物供給部
21 タンク
22 振動フィーダ
23 シャッター
24 センサー
25 駆動シリンダ
26 ロータリーバルブ
27 シャッター
28 ソレノイド
3 シュート
31 側壁
32 案内部材
33 側壁の一部
34 側壁の一部
4 光学選別部
41a,41b 光学検出装置
42 判別装置
43 エジェクター
44 排出ホッパ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物を貯留する貯留手段と、
該貯留手段に貯留される前記粒状物を繰り出す操出手段と、
該操出手段から繰り出される前記粒状物を流下させる所定幅を有する傾斜状のシュートと、
該シュートの下端から落下する前記粒状物を所定位置において検出する光学検出手段と、
該光学検出手段による検出結果に基づいて前記粒状物を排除し選別するエジェクター手段と、
前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする変更手段と、
を備えることを特徴とする光学式選別機。
【請求項2】
前記変更手段は、前記操出手段から繰り出される粒状物の操出幅変更手段であって、当該操出幅変更手段により前記操出手段からシュートへ向けて繰り出される粒状物の操出幅を変更することで、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする請求項1記載の光学式選別機。
【請求項3】
前記操出幅変更手段は、前記操出手段より小幅な開口を有し、前記操出手段と前記シュートの間に移動可能に配設されるシャッターであって、該シャッターを前記操出手段とシュートの間に移動させ、前記操出手段から前記シュートへ向けて繰り出される粒状物を当該シャッターの開口を通過させることで、前記粒状物の操出幅を変更する請求項2記載の光学式選別機。
【請求項4】
前記変更手段は、前記シュート面上を流下する粒状物の流下軌道変更手段であって、当該流下軌道変更手段により前記シュート面上を流下する粒状物の流下軌道を変更することで、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする請求項1記載の光学式選別機。
【請求項5】
前記流下軌道変更手段は、前記シュートの少なくとも一方の側部から前記シュート面上に延出可能に配設される案内部材であって、当該案内部材を前記シュート面上に延出させることで、前記粒状物の流下軌道を変更する請求項4記載の光学式選別機。
【請求項6】
前記案内部材は、前記シュートの側壁の一部を含み、該側壁の一部が前記シュートの側壁と平行を維持した状態で前記シュート面上に延出する請求項5記載の光学式選別機。
【請求項7】
前記流下軌道変更手段は、前記シュート面上に揺動可能とされる前記シュートの少なくとも一方の側壁の一部であって、当該側壁の一部を前記シュート面上に揺動させることで、前記粒状物の流下軌道を変更する請求項4記載の光学式選別機。
【請求項8】
前記流下軌道変更手段は、前記シュートの少なくとも表面を含む部分を前記シュートの側壁に平行な方向に分割し、該分割した部分の少なくとも一つの部分を前記分割線に沿って起立させてシュート面を傾斜させることで、前記粒状物の流下軌道を変更する請求項4記載の光学式選別機。
【請求項9】
前記貯留手段における粒状物の貯留量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする請求項1乃至8の何れか一項記載の光学式選別機。
【請求項10】
前記粒状物の流量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能する請求項1乃至8の何れか一項記載の光学式選別機。
【請求項1】
粒状物を貯留する貯留手段と、
該貯留手段に貯留される前記粒状物を繰り出す操出手段と、
該操出手段から繰り出される前記粒状物を流下させる所定幅を有する傾斜状のシュートと、
該シュートの下端から落下する前記粒状物を所定位置において検出する光学検出手段と、
該光学検出手段による検出結果に基づいて前記粒状物を排除し選別するエジェクター手段と、
前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする変更手段と、
を備えることを特徴とする光学式選別機。
【請求項2】
前記変更手段は、前記操出手段から繰り出される粒状物の操出幅変更手段であって、当該操出幅変更手段により前記操出手段からシュートへ向けて繰り出される粒状物の操出幅を変更することで、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする請求項1記載の光学式選別機。
【請求項3】
前記操出幅変更手段は、前記操出手段より小幅な開口を有し、前記操出手段と前記シュートの間に移動可能に配設されるシャッターであって、該シャッターを前記操出手段とシュートの間に移動させ、前記操出手段から前記シュートへ向けて繰り出される粒状物を当該シャッターの開口を通過させることで、前記粒状物の操出幅を変更する請求項2記載の光学式選別機。
【請求項4】
前記変更手段は、前記シュート面上を流下する粒状物の流下軌道変更手段であって、当該流下軌道変更手段により前記シュート面上を流下する粒状物の流下軌道を変更することで、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする請求項1記載の光学式選別機。
【請求項5】
前記流下軌道変更手段は、前記シュートの少なくとも一方の側部から前記シュート面上に延出可能に配設される案内部材であって、当該案内部材を前記シュート面上に延出させることで、前記粒状物の流下軌道を変更する請求項4記載の光学式選別機。
【請求項6】
前記案内部材は、前記シュートの側壁の一部を含み、該側壁の一部が前記シュートの側壁と平行を維持した状態で前記シュート面上に延出する請求項5記載の光学式選別機。
【請求項7】
前記流下軌道変更手段は、前記シュート面上に揺動可能とされる前記シュートの少なくとも一方の側壁の一部であって、当該側壁の一部を前記シュート面上に揺動させることで、前記粒状物の流下軌道を変更する請求項4記載の光学式選別機。
【請求項8】
前記流下軌道変更手段は、前記シュートの少なくとも表面を含む部分を前記シュートの側壁に平行な方向に分割し、該分割した部分の少なくとも一つの部分を前記分割線に沿って起立させてシュート面を傾斜させることで、前記粒状物の流下軌道を変更する請求項4記載の光学式選別機。
【請求項9】
前記貯留手段における粒状物の貯留量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能とする請求項1乃至8の何れか一項記載の光学式選別機。
【請求項10】
前記粒状物の流量に基づいて、前記シュート表面上を流下する粒状物の流下幅を変更可能する請求項1乃至8の何れか一項記載の光学式選別機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−17918(P2013−17918A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151230(P2011−151230)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】
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