光学検査中に光学収差を除去する装置および方法
【課題】1つ以上の空間光変調器(SLM)を用いて検査システム内の光学ビームの位相および/または振幅を変える方法を提供する。
【解決手段】試料を光学的に検査する装置100は、入射光ビーム115を試料116上に導くビーム発生器102を含む。試料からの出力ビーム125は、結像光学系120、124を通して検出器126に向けて導かれる。この装置はさらに出力ビームまたは入射ビームのいずれかの光路内に配置されるプログラム可能な空間光変調器(SLM)を含む。空間光変調器は、照射開口108と共に第1SLMを、視野開口(field aperture)112と共に第2SLMを含み、入射ビームまたは出力ビームの位相または振幅プロファイルを調節するよう構成される。空間光変調器は、異なる検査モードを達成するために入射ビームの照射プロファイルを変えるよう構成されえる。
【解決手段】試料を光学的に検査する装置100は、入射光ビーム115を試料116上に導くビーム発生器102を含む。試料からの出力ビーム125は、結像光学系120、124を通して検出器126に向けて導かれる。この装置はさらに出力ビームまたは入射ビームのいずれかの光路内に配置されるプログラム可能な空間光変調器(SLM)を含む。空間光変調器は、照射開口108と共に第1SLMを、視野開口(field aperture)112と共に第2SLMを含み、入射ビームまたは出力ビームの位相または振幅プロファイルを調節するよう構成される。空間光変調器は、異なる検査モードを達成するために入射ビームの照射プロファイルを変えるよう構成されえる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にレチクルおよび集積回路設計および製造システムに関する。より具体的には本発明は、レチクルおよび集積回路を検査するメカニズムに関する。
【背景技術】
【0002】
レチクルの生成、およびそのようなレチクルの後続の光学的検査は、半導体の製造において標準的なステップになっている。まず回路設計者は回路パターンデータをレチクル製造システム、つまりレチクルライタに与えるが、このデータは特定の集積回路(IC)設計を記述する。回路パターンデータは典型的には製造されたICデバイスの物理的レイヤを表現するレイアウトの形態である。この表現レイアウト(representational layout)は、典型的には、ICデバイスのそれぞれの物理レイヤ(例えばゲート酸化物、ポリシリコン、メタライゼーションなど)についての表現レイヤ(representational layer)を含む。それぞれの表現レイヤは、典型的には、特定のICデバイスのレイヤのパターニングを定義する複数のポリゴンからなる。
【0003】
レチクルライタは、回路パターンデータを用いて、後に特定のIC設計を製造するのに
用いられる複数のレチクルを書き込む(例えば典型的には電子ビームライタまたはレチクルパターンを露光するのに用いられるレーザスキャナ)。レチクルまたはフォトマスクは、透明および不透明、半透明、および位相シフト領域を含む光学要素であり、これら領域が全体として集積回路のような電子デバイス中の同一平面のパターンを定義する。一般に言えば、レチクルは、エッチング、イオンインプランテーション、または他の製造プロセスのために半導体ウェーハの特定の領域を定義するのにフォトリソグラフィ中に用いられる。多くの最近の集積回路設計について、光学レチクルのフィーチャは、対応するウェーハ上のフィーチャの約1倍および約5倍の間である。他の露光システム(例えばX線、電子ビーム、および極紫外線)についても同様の範囲の縮小比が当てはまる。
【0004】
光学レチクルは典型的には、ホウケイ酸ガラスまたは石英板のような透明な媒体から作られ、この上にクロムまたは他の適切な材料の不透明および/または半不透明レイヤが堆積される。しかし直接電子ビーム露光(例えばステンシルマスク)、X線露光(例えばアブソーバマスク)などについては他のマスク技術が採用される。レチクルパターンは、例えばレーザまたは電子ビームの直接書き込み技術によって作られえ、これら両方はこの技術で広く用いられる。
それぞれのレチクルまたはレチクル群グループの製造の後、それぞれのレチクルは典型的には、制御された照射器から放射する光でそれを照射することによって検査される。レチクルの光学イメージは、反射、透過、またはそうでなければ光センサへ導かれた光の部分に基づいて構築される。このような検査技術および装置は、この技術でよく知られており、カリフォルニア州サンノゼのKLA-Tencor Corporationから入手可能な多くの製品のようなさまざまな商業製品において実現されている。
【0005】
従来の検査プロセスのあいだ、レチクル上の試験構造のターゲットイメージは、典型的にはレファレンスイメージと比較される。レファレンスイメージは、回路パターンデータから、またはレチクルそれ自身上の隣接ダイから生成される。いずれの場合も、ターゲットイメージフィーチャは、このレファレンスイメージの対応するフィーチャと比較されて分析される。それぞれのフィーチャの差異はそれからスレッショルド値と比較される。もしターゲットイメージフィーチャがレファレンスフィーチャから所定のスレッショルドより大きく異なるなら、欠陥だと定義される。同様の技術は集積回路(IC)を検査するためにも利用されえる。
【0006】
残念ながらこれら検査メカニズムは、ターゲットイメージがその対応するレファレンスイメージと大きく異なり、これら差異が「真の」欠陥によって生じたのではないとき、しばしば疑似欠陥(false defects)になる。いくつかの異なるフィーチャは、ターゲットイメージがレファレンスイメージから異なることに寄与しえる。ターゲット構造が、レファレンスイメージとしても用いられるオリジナルの設計パターンのセットから製造されるとき、製造プロセスそれ自身がターゲット構造およびレファレンスイメージ間の不一致を生じる。例としてターゲット構造は、テーパが付けられサイズが小さくなりえる。ターゲット構造のコーナも丸くなり、および/またはねじれえて、一方、エッジは荒れえる。検査のあいだのターゲット構造の画像化もレファレンスおよびターゲットイメージ間の不一致を招く。画像化プロセスは、設計パターン(またはレファレンスイメージ)と比較して、エッジ強調または抑圧、および基板および材料間のコントラスト変化を生じえる。エッジが太く見えることもありえる。
【0007】
疑似欠陥の数を低減する一つの技術には、レファレンスイメージがターゲットイメージのように見え始めるまでレファレンスイメージを変化させて画像化および/またはプロセス効果をシミュレーションすることが含まれる。レファレンスイメージのいくつかのパラメータ(例えばコーナの丸まり)は、典型的にはレファレンスイメージがターゲットイメージに似るまで反復プロセスの間に変えられる。この反復プロセスは典型的には複雑で時間がかかる。この反復プロセスは、ターゲットイメージに似たレファレンスイメージを生じえるが、ターゲットイメージ中の「真の」欠陥に対応するフィーチャをレファレンスイメージに不本意に追加することによって、ターゲットイメージ上の「真の」欠陥のキャプチャを妨げる。欠陥はレファレンスイメージおよびターゲットイメージ間の差異として定義され、レファレンスイメージはターゲットイメージに似るように変えられているので、この技術はターゲット上の「真の」欠陥が、レファレンスイメージのシミュレーションされた部分によってキャンセルされ、その結果、「真の」欠陥が発見されないことを招きえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2002−525596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって真の欠陥が信頼性高く発見されえるようなレチクルおよび集積回路を検査する改良されたメカニズムの必要性が存在する。さらに対応するテスト構造の画像化から生じる画像化効果によって引き起こされる、レファレンスおよび対応するターゲットイメージ間の不一致を低減する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって本発明は、1つ以上の空間光変調器(SLM)を用いて検査システム内の光学ビームの位相および/または振幅を変えるメカニズムを提供する。ある実施形態において、光学ビームで試料を光学的に検査する装置が開示される。この装置は、入射光学ビームを前記試料上に導くことによって、前記入射光学ビームの少なくとも第1部分が前記試料から出力ビームとして導かれるビーム発生器、および前記出力ビームの少なくとも一部を受け取るよう配置される検出器を含む。この検出器はまた、前記出力ビームに基づいて出力信号を発生するよう動作可能である。この装置はさらに前記出力ビームを前記検出器に導く1つ以上の結像光学系、および前記出力ビームまたは前記入射ビームのいずれかの光路内に配置される第1プログラム可能な空間光変調器(SLM)を含む。このSLMは、前記入射ビームまたは前記出力ビームの位相または振幅プロファイルを調節するよう構成される。この装置は、前記入射ビームまたは前記出力ビームの前記位相または振幅プロファイルを変えるよう前記第1SLMを構成するよう動作可能な制御システムも有する。例えば、SLMは、異なる検査モードを達成するために入射ビームの照射プロファイルを変えるよう構成されえる。他の例では、SLMは、前記出力ビームの前記位相および/または振幅プロファイルを変えることによって、前記結像光学系によって作られる収差を実質的になくすよう構成されえる。他の実施形態において、装置は、前記入射ビームおよび前記出力ビームの両方の位相および/または振幅プロファイルを変えるよう構成可能である2つ以上のSLMを含みえる。
【0011】
具体的な実現例において、前記SLMは、前記出力ビームの前記光路内に配置され、前記出力ビームの前記位相または振幅プロファイルの前記調節は、前記結像光学系によって生じる前記出力ビームからの収差を実質的になくす。さらなる局面において、前記結像光学系は、対物レンズを含み、前記SLMは、前記対物レンズおよび前記検出器の間に配置される。他の具体的な実現例において、前記SLMは、前記入射ビームの前記光路内に配置され、前記位相および/または振幅プロファイルの前記調節は、前記入射ビームに対して実行される。
【0012】
さらなる実現例において、前記SLMは、複数の移動可能なミラーを含み、前記制御システムは、前記第1SLMの1つ以上の前記移動可能なミラーの位置を調節することによって、前記位相または振幅プロファイルを変えるよう動作可能である。前記1つ以上の移動可能なミラーの前記位置を調節することは、前記1つ以上の移動可能なミラーの平行位置および/または角度を調節することを含みえる。
【0013】
ある具体的な実現例において、前記ビーム発生器は、レーザ源のような前記入射ビームを発生する光源、および前記入射ビームの光路内に配置される照射開口を含む。ビーム発生器は、前記レーザ源および前記照射開口間に配置される第1レンズも含む。前記第1レンズは、前記入射ビームを前記照射開口を通して導く。このビーム発生器は、前記入射ビームの前記光路内において前記第1レンズの後に配置される視野面開口、前記入射ビームを視野面開口を通して導くリレーレンズ、および前記視野面を前記試料上に結像させる第2レンズも有する。この例では、SLMは、前記第1SLMは、前記照射開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能である。代替として、前記SLMは、前記視野面開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能である。さらに別の代替実施形態において、この装置は、第2SLMを含む(第1SLMに加えて)。前記第1SLMは、前記照射開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能であり、前記第2SLMは前記視野面開口上に配置される装置。具体的な実現例において、前記第1および第2SLMは、前記入射ビームの前記振幅プロファイルを変えるようそれぞれ構成可能である。
【0014】
ある局面において、前記出力ビームは、前記試料から反射される。他の局面において、前記出力ビームは、前記試料を通って伝搬される。このSLMは、反射型SLMまたは透過型SLMでありえる。
【0015】
他の実施形態において本発明は、試料を光学的に検査する方法に関する。入射光学ビームは前記試料上に導びかれることによって、前記入射光学ビームの少なくとも第1部分は、前記試料から出力ビームとして導かれる。前記出力ビームは、前記出力ビームを検出器およびプログラム可能な空間光変調器(SLM)に向けて導く結像光学系を有する第1光路を通して導かれる。このSLMは、前記出力ビームの位相および/または振幅プロファイルを変えることによって、前記結像光学系によって導入された収差を実質的になくすよう構成される。
【0016】
さらなる局面において、継続的に前記SLMは再構成されることによって、光学収差が実質的になくされ続けるようにする。具体的な実現例において、このSLMを構成することは、(1)複数の焦点において、予期される強度信号または予期される画像を有するレファレンスパターンを光学的に検査することであって、前記レファレンスパターンの前記光学検査は、複数の測定された強度信号または複数の生成された画像を生む、検査すること、(2)前記レファレンスパターンから得られた前記測定された強度信号または画像を前記予期される強度信号または画像とそれぞれ比較し、複数の差分信号または画像を得ること、(3)前記差分信号または画像を分析することによって前記結像光学系についての収差プロファイルを決定すること、および(4)前記収差プロファイルの逆である位相および/または振幅プロファイルで前記SLMを構成することによって、前記収差プロファイルが前記SLMの照射プロファイルによって打ち消されるようにすることによって達成される。
【0017】
ある局面において、前記SLMの前記位相および/または振幅プロファイル、および前記結像光学系の前記収差プロファイルは、それぞれ位相マップである。他の局面において、前記入射ビームは、第2SLMを通して導かれ、前記方法は、前記入射ビームの照射プロファイルを変えるよう前記第2SLMを構成することをさらに含む。具体的な応用例において、前記入射ビームの前記照射プロファイルは、前記入射ビームの一部が前記試料に到達しないよう遮蔽するよう変えられる。さらなる局面において、前記遮蔽された部分は、前記入射ビームの瞳である。
本発明のこれらおよび他の特徴は、本発明の以下の明細書および添付の図においてより詳細に提示され、これらは本発明の原理を例示的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態による透過型空間光変調器(SLM)を有する透過モード検査システムの概略図である。
【図2】本発明の第2実施形態による反射型空間光変調器(SLM)を有する透過モード検査システムの概略図である。
【図3】本発明の第3実施形態による反射型空間光変調器(SLM)を有する反射モード検査システムの概略図である。
【図4A】本発明の第1実施形態によるSLMの概略上面図である。
【図4B】図4AのA−Aにおける概略断面図であり、初期レファレンス位置における図4Aのミラー要素のいくつかを示す側面図である。
【図4C】図4AのA−Aにおける概略断面図であり、さまざまなコンフィギャされた位置における図4Aのミラー要素のいくつかを示す側面図である。
【図5】本発明のある実施形態による結像光学系の収差を実質的になくすようSLMをコンフィギャするプロシージャを示すフローチャートである。
【図6】本発明のある実施形態による結像光学系によって生じた収差を実質的になくすようSLMをコンフィギャするための収差測定値を提供する図5の操作を示すフローチャートである。
【図7】収差測定値を決定するのに用いられえるレファレンスパターンの例の概略上面図である。
【図8A】結像開口にわたっての収差についての位相コンターマップを示す図である。
【図8B】結像光学系からの図8Aのコンターマップにおいて表される収差を打ち消す選択されるコンフィギャされたSLMからの位相マップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の具体的な実施形態が詳細に参照される。この実施形態の例は添付の図面に示される。本発明はこの具体的な実施形態について記載されるが、本発明は一つの実施形態に限定されるよう意図されないことが理解されよう。むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内に含まれえる代替物、改変物、および等価物をカバーすると意図される。以下の記載においては本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載される。本発明は、これら具体的な詳細の一部または全てがなくても実施されえる。あるいはよく知られるプロセス操作は本発明の趣旨を不必要にぼかさないために記載されていない。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態による透過型空間光変調器(SLM)を有する透過モード検査システム100の概略図である。示されるようにシステム100は、入射光ビーム115を試料116上に導くビーム発生器102を含む。入射ビーム115の少なくとも一部は、結像光学系(例えば120および124)を通して出力ビーム125として試料116から検出器126に向けて導かれる。検出器126は、さらなる処理のために制御システム128に送られえる検出された信号127を発生するよう一般に動作可能である。制御システム128の典型的な特徴は、1つ以上の以下の動作を含みえる。すなわち、検出された信号127に基づいて試料116の画像を発生すること、検出された信号を分析して試料の特性(例えば欠陥の特定)を決定すること、および検査システム100のさまざまな要素を制御することを含みえる。
【0021】
ビーム発生器102は、入射光115を試料116上に導く任意の適切な光源および光学要素を含みえる。示される実施形態において、ビーム発生器102は、レーザビーム115aを発生するレーザ源104、レーザビーム115aを受け取り平行にされたビーム115bを照射開口(illumination aperture)108を通して出力するレンズ106、平行にされたビーム115bを受け取りこのビームを視野面開口(field plane aperture)111を通してフォーカシングするリレーレンズ110、およびビーム115bを試料116上に導き物体面111を画像化するレンズ114を含みえる。当業者には容易に判るように、図1に示されるビーム発生器光学系102に加えて、またはその代替として他の光学要素が利用されえる。例えば、コーラー型レンズ(Kohler type lens)106の代わりに臨界レンズ(critical lens)が用いられえる。照射開口108を通してビーム115aを平行にされたビーム115bにする代わりに、臨界レンズがビーム115aを照射開口108上にフォーカシングするよう機能しえる。それから照射開口108は、この代替実施形態によってレンズ110上に結像されえる。
【0022】
ビーム発生器102は、また、入射ビーム115の照射プロファイルを変える1つ以上の空間光変調器(SLM)を含みえる。しかしこれらSLMはオプションである。それぞれのSLMは、入射ビームパス内の特定の点における入射ビーム115の位相および/または振幅を変えるよう構成されえる。示されるように検査システム100は、照射開口108と共に第1SLMを、視野開口(field aperture)112と共に第2SLMを含む。これらSLMの一つまたは両方を利用する技術は以下にさらに記載される。114
【0023】
示される実施形態において入射ビーム115の少なくとも一部は、出力ビーム125として試料116を透過される。示されるように試料は表面118上に薄膜パターンを有する。しかしパターンは、反対の入射側119上に存在しえる。この試料は、透過モード(および/または以下でさらに記載される図2および3の代替実施形態における反射モード)の光学検査システムで特徴付けられる任意の適切な形態をとりえる。例えば、試料116は、後で半導体デバイスを製造するのに用いられるレチクルまたはフォトマスクでありえる。他の応用例として試料は、プリント回路基板またはシリコンウェーハまたはデバイスでありえる。
【0024】
出力ビーム125は、透過されたビーム125aとして試料116を通して透過され、結像レンズ120によって受け取られる。結像レンズ(ここでは対物レンズ120とも呼ばれる)は、透過されたビーム125aを受け取り、受け取られた125aを平行にし、平行にされたビーム125bを結像開口(imaging aperture)122を通して出力する。示される実施形態において、結像開口122は、空間光変調器(SLM)と共に組み合わせられる。このSLM122は、システム100の結像光学系によって生じる収差を実質的になくすために、出力ビーム125の位相および/または振幅プロファイルを調整するよう構成されえる。例えばSLM122は、出力ビーム125中に照射レンズ120によって導入される収差をなくすよう構成されえる。すなわちSLM122は、平行にされた出力ビーム125bを受け取り、補正された出力ビーム125cを出力する。補正された出力ビーム125cは、レンズ124によって受け取られ、これはこの補正された出力ビームを検出器126上に検出されたビーム125dとしてフォーカシングする。
【0025】
検出器126は、光学ビームを受け取り、そのような受け取られた光ビームに基づいて出力信号を発生する任意の適切な形態をとりえる。ある実施形態においては、検出器126は、時間遅延積分(TDI)または電荷結合素子(CCD)型の検出器である。検出器126はまた、制御システム128に好ましくは結合される。この制御システムは、検査システム100のさまざまな要素を制御し、検出器126から受け取られた出力信号127を処理する任意の形態をとりえる。ある実施形態において制御システムは、制御および信号処理操作を実現するよう協働するプロセッサおよびメモリを含む。
【0026】
一般に、ここで記載されたコントローラ技術は、ソフトウェアおよび/またはハードウェア上で実現されえる。例えばこれら技術は、オペレーティングシステムカーネルにおいて、別個のユーザプロセスにおいて、検査アプリケーションにバウンドされたライブラリパッケージにおいて、またはカリフォルニア州、サンノゼのKLA-Tencorから入手可能な光学検査システムのような特別に構築されたマシン上で実現されえる。本発明の具体的な実施形態によれば、本発明の技術のいくつかは、オペレーティングシステムのようなソフトウェア上で、またはオペレーティングシステム上で走るアプリケーションにおいて実現される。本発明のソフトウェアまたはソフトウェア/ハードウェアハイブリッドシステムは、メモリ中に記憶されるコンピュータプログラムによって選択的にアクティベートされる、または再コンフィギャされる汎用のプログラム可能なマシン上で実現されえる。
【0027】
示される実施形態において、コントローラは、本発明のさまざまな技術を実現するよう構成される。しかし本発明の技術は、任意の個数およびタイプのデータ処理装置で実現されえる。すなわち、本発明の技術は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせで実現されえる。
【0028】
コントローラの構成に関係なく、コントローラは、データ、汎用の検査操作および/またはここで記載される本発明の技術のためのプログラム命令を記憶するよう構成された1つ以上のメモリまたはメモリモジュールを採用しえる。プログラム命令は、オペレーティングシステムおよび/または1つ以上のアプリケーションの動作を例えば制御しえる。このメモリまたはメモリ群は、ターゲット画像、レファレンス画像の画像、欠陥分類および位置データと共に検査システムの特定の動作パラメータのための値を記憶するようにも構成されえる。
【0029】
このような情報およびプログラム命令は、ここで記載されるシステム/方法を実現するために採用されえるので、本発明は、ここで記載されるさまざまな操作を実行するプログラム命令、状態情報などを含む機械で読み取り可能な媒体に関する。以下に限定されないが機械で読み取り可能な媒体の例は、ハードディスク、フレキシブルディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD−ROMのような光媒体、フロプティカルディスクのような光磁気媒体、読み出し専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)のようなプログラム命令を記憶し実行するために特別に構成されたハードウェアデバイスを含む。また本発明は、空間波、光学ライン、電気ラインなどのような適切な媒体上を伝搬する搬送波中でも実現されえる。プログラム命令の例は、コンパイラによって生成されるような機械語、およびインタープリタを用いてコンピュータによって実行されえるより高いレベルのコードを含むファイルの両方を含む。
【0030】
図2は、本発明の第2実施形態による反射型SLMを有する透過モードシステム200の概略図である。図1のシステムと同様に、図2のシステム200は、コリメーティングレンズ206を有するビーム発生器202、リレーレンズ214、および表面118上にパターンを有する試料116上に入射ビーム223を導くフォーカシングレンズ222を含む。
【0031】
図1のシステムとは対照的に、図2のシステム200は、透過的な代わりに反射的なSLMを含む。したがってこのシステムは、入射ビームまたは出力ビームをそれぞれのSLMから反射するいくつかの追加の要素を含む。示されるように入射ビーム223は、偏光ビームスプリッタ(PBS)208を通って伝わり、さらに1/4波長板210を通して反射SLM212上に至る。このSLM212は、入射ビームの照射プロファイルを変えるよう構成されえる。入射ビームはまた、SLM212で反射し、1/4波長板210を通って伝わる。1/4波長板210は、入射ビームの極位相(polar phase)を変えることによって、ビームを透過させる代わりに、PBS208が入射ビームを反射してPBS216に達するようにする。
【0032】
同様に、入射ビームはPBS216を通って、さらに1/4波長板218を通り、それからレンズ214によってフォーカシングされてSLM220に達する。SLM220は、入射ビームの照射プロファイルを変えるよう構成されえる。この入射ビームはそれからSLM220でから反射され、レンズ214を通って、1/4波長板218を通り、それからPBF216から反射されレンズ222に達する。レンズ222は、それから入射ビーム223を試料116上にフォーカシングする。
【0033】
入射ビーム223の少なくとも一部は、出力ビーム225として透過される。出力ビームは結像レンズ224によって平行にされ、PBS226から反射され、それから1/4波長板228を通ってSLM230に達する。SLM230は、出力ビームの位相および/または振幅プロファイルを変えることによって、結像光学系によって導入される収差を実質的になくすよう構成されえる。出力ビームはそれからSLM230から反射され、1/4波長板228を通り、PBF226を通り、レンズ232上に至る。レンズ232はそれから、出力ビームを検出器234上にフォーカシングする。検出器およびSLMは、制御システム236と結合され、制御システム236および検出器は図1の制御システムと同様の動作をしえる。
【0034】
図3は、本発明の第3実施形態による反射型SLMを有する反射モードシステム300の概略図である。代替実施形態として、図3の反射型システムは、図1または2の透過型検査システムと結合されてデュアルモード検査システムにされえる。この示されるシステム300において、図1および2におけるようにそのような試料を通して透過される代わりに、入射ビームは試料116から反射され検出器336に至る。示されるように入射ビームは、ビーム源304によって発生され、レンズ306に向かって導かれ、このレンズが入射ビームを平行にする。平行にされた入射ビームはそれからPBS308から反射され、1/4波長板310を通って、反射型SLM312に至る。このSLM312は、入射ビームの照射プロファイルを調節し、入射ビームを1/4波長板310を通して反射し返すように構成されえる。入射ビームはそれからPBS308を通り、PBS316および1/4波長板318を通り、レンズ314上に達する。レンズ314は、入射ビームを反射型SLM320上にフォーカシングする。
【0035】
SLM320は、入射ビームの照射プロファイルを調節し、入射ビームをレンズ314および1/4波長板318を通して反射し返すように構成されえる。入射ビームはそれからPBS316から反射されPBS324上に達する。PBS324は、入射ビームを1/4波長板326を通して反射し、レンズ328上に至らしめる。レンズ328はそれから、入射ビームを試料116上にフォーカシングするよう機能する。
【0036】
反射されたビームは、試料116からレンズ328上に出力される。レンズ328はそれからビームを1/4波長板330およびPBS324を通して平行にし、1/4波長板330およびPBS324は反射されたビームをPBS333上に出力し、PBS333は、反射された出力ビームをSLM332上に反射する。このSLM332は、反射されるビームの位相および/または振幅プロファイルを変えることによって、結像レンズ326によって引き起こされる収差が実質的になくなるよう構成されえる。
【0037】
反射されたビームはそれから1/4波長板330およびPBS333を通って伝わり、レンズ334に至る。レンズ334は反射されたビームを検出器336上にフォーカシングする。検出器およびSLMは、制御システム338と結合され、図3の制御システム338および検出器は、図1の制御システムと同様の動作をしえる。
【0038】
図2のシステムと同様に、このシステム300は、入射ビームをそれぞれのSLMに向けて導き、そのようなSLMから反射される、結果として生じる入射光を受け取り、それぞれのSLMから受け取られた入射ビームを試料116に向けて導く要素を含む。示されるように、第1入射SLM312は、関連付けられた1/4波長板310およびPBS308を有し、一方、第2入射SLM320は、関連付けられた1/4波長板318およびPBS316を有する。加えて、結像SLM332は、1/4波長板330およびPBS328を有する。これら要素は、図2の同じように名前が付けられた要素と同様に機能しえる。
【0039】
位相および/または振幅プロファイルを変える任意の適切なデバイスが、それぞれのSLMの代わりに用いられえる。適切な反射型SLMは、0.7XGA DMDであり、これはテキサス州、ダラスのTexas Instrumentsから入手できる。代替として、透過型SLMの例は、コロラド州、FrederickのMeadowlark,Inc.から入手可能なHEX−127である。
【0040】
図4Aは、本発明のある実施形態によるSLM400の概略上面図である。示されるようにSLM400は、複数のミラーセグメント群402を含む。それぞれのミラーセグメント402は、反射型または透過型でありえる。示されるSLM400はまた、開口404を含む。任意の適切な個数のミラー要素402が利用されえ、示される実施形態の6×6のアレイは例示目的のためだけに用いられている。
【0041】
図4Bは、図4AのA−Aにおける概略断面図である。図4Bは、ミラー要素402gから402lの側面図を示す。図4Bのミラー要素は、その初期レファレンス位置に位置付けられる。しかしそれぞれのミラー要素402は、図4Cに示されるようにその位置を変化するよう構成されえる。図4Cを参照して、それぞれのミラー要素402は、回転すると共に方向406において移動されえる。示されるようにミラー要素402gは、距離x1だけ移動するよう構成され、ミラー要素402iは距離−x2だけ移動するよう構成されている。ミラー要素402iはまた、角θ2だけ回転するよう構成されている。要素402kは、角−θ3だけ回転するよう構成されている。
【0042】
光学検査システムの入射ビームおよび/または反射または透過されたビームの照射プロファイルを変化させるために任意の適切な技術が利用されえる。図5は、本発明のある実施形態によって結像光学系の収差を実質的になくすようSLMを構成するプロシージャを示すフローチャートである。まず、操作502において結像光学系の収差測定値(aberration metrics)が与えられる。操作504において、この収差測定値はそれから、1つ以上のSLM設定を調節することによって、結像光学系によって生じた収差を実質的になくすのに用いられる。
【0043】
検査がそれから始まる。示される実施形態において、操作506において光学ビームが試料に向けて導かれる。それから操作508において入射ビームは、出力ビームとして、試料から反射され、および/またはそのような試料を通して透過される。操作510において、この出力ビームはそれから結像光学系を通って伝わる。操作512において、出力ビームはそれから調節されたSLMを通って伝わり、SLMは、出力ビームからの収差を実質的になくす。操作514において、補正された出力ビームがそれから検出され、画像が検出された出力ビームに基づいてそれから生成される。検査プロシージャはそれから終了する。
【0044】
図6は、本発明のある実施形態によって結像光学系によって生じる収差を実質的になくすようにSLMを構成する収差測定値を与える図5の動作502を示すフローチャートである。まず操作602において、既知のレファレンスパターンが複数の焦点において光学的に検査され、ここで複数の強度信号がこのレファレンスパターンから発生される。複数の強度信号はまた、複数の画像を生成するのにも用いられえる。レファレンスパターンについての予期される強度信号がそれから操作604でシミュレーションされる。操作606において、レファレンスパターンから結果として生じる強度信号は、それからシミュレーションされた予期される強度信号と比較されることによって差分信号を得る。代替として操作606において、レファレンスパターンから結果として生じる画像信号は、シミュレーションされた予期される画像と比較されえる。
【0045】
操作610において、差分信号(または画像差分)はそれから、結像光学系の収差を決定するために利用される。一般に、差分信号は、結像光学系の収差における偏差(deviations)を特定するのに用いられる。この複数の焦点における差分信号または画像は、結像光学系収差をそれから計算するための十分な情報を提供する。一般に、これら収差は、ゼルニケ係数によって表現され、このゼルニケ係数は、結像開口における位相変化を記述する正規直交関数である。これらゼルニケ係数を画像の差異に関連付ける技術は、当業者によく知られている。
【0046】
図7は、収差測定値を決定するのに用いられえるレファレンスパターンの例の概略上面図である。示されるようにレファレンスパターン700は、細い垂直ライン群702のセットおよび太い垂直ライン群704のセットを含む。このレファレンスパターン700は、また、細い水平ライン群706のセットおよび太い水平ライン群708のセットを含む。このレファレンスパターン700はまた、複数のコンタクト710も含みえる。
【0047】
結像開口にわたっての結像光学系によって生じる収差についての位相コンターマップを生成するために図6の分析操作610が用いられえる。図8Aは、結像開口にわたっての収差についての例示的な位相コンターマップを示す。位相コンターマップ800は、異なる位相シフト値を有する複数の領域を含む。すなわち結像光学系の異なる領域は、異なる位相シフトを生む。示されるように、領域802は−2度の位相シフトを有し、領域804は+5度の位相シフトを有し、領域806は+0.5度の位相シフトを有し、領域808は−5度の位相シフトを有し、および領域810は+2度の位相シフトを有する。
【0048】
この収差位相コンターマップは、SLMを構成し、それにより画像フィールド内のこれら位相シフト収差をなくすのに用いられえる。すなわち、SLMのミラー要素は、画像フィールドの特定の領域における収差位相シフトの逆である位相シフトを作るよう構成される。図8Bは、図8Aのコンターマップで表された収差を打ち消すよう動作する、コンフィギャされたSLMからの結果を表す。すなわち、コンフィギャされたSLMの結果として生じる位相コンターマップは、図8Aの収差の位相コンターマップの逆になる。したがって図8Bに示されるように、SLMのコンターマップ850は、位相シフト+2度を有する領域852を含み、これは図8Aに示される結像光学系の対応する領域802の逆である。同様にSLMコンターマップ850は、−5度の位相シフトを有する領域854、−0.5度の位相シフトを有する領域856、+5度の位相シフトを有する領域858、および−2度の位相シフトを有する領域860を含む。
【0049】
入射ビームの照射プロファイルを変えるために1つ以上のSLMを構成するのに任意の適切な技術が利用されえる。第1SLMは、入射ビームフィールドのさまざまな領域の振幅を変えるよう構成されえ、一方、第2SLMは、さまざまな領域の位相を変えるよう構成されえる。代替として、入射ビームの照射プロファイルの振幅および位相の両方を変えるために単一のSLMが利用されえる。異なる検査モードにおいて、入射ビームの一部を遮蔽する(occlude)することが望ましい。例えば、位相強調検査モードにおいては、1つ以上のSLMが用いられて、入射ビームの瞳を絞ることによって、それが結像光学系の等価瞳より小さくなるようにする。他の例においてリソグラフィシステムのそれと同様の光学的構成を用いる検査において、入射ビームを絞ることによって、4極、環状、双極、または他のタイプの瞳を提供するために、1つ以上のSLMが用いられる。
【0050】
入射ビームパスにおいて、入射ビーム角を変化させるために瞳または光学フーリエ平面において1つのSLMが構成されえ、マスク上の照射領域を変化させるために視野平面(field plane)における第2SLMが構成されえる。2つのSLMを用いることは、入射ビームの特性を決定する上で完全な融通性を提供する。例えば、マスク平面において、特定の振幅パターンを持つ入射ビームは、パターン相関器として働き、これはあるタイプのマスクパターンを強調する。
【0051】
前述の本発明は十分な理解の目的である程度、詳細に記載されてきたが、ある種の変更および改変が添付の特許請求の範囲内で実施されえることは明らかである。したがって記載された実施形態は、例示的であると考えられるべきであって、限定的であるとは考えられるべきでなく、本発明は、ここに与えられた詳細に限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその等価物の全ての範囲によって規定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にレチクルおよび集積回路設計および製造システムに関する。より具体的には本発明は、レチクルおよび集積回路を検査するメカニズムに関する。
【背景技術】
【0002】
レチクルの生成、およびそのようなレチクルの後続の光学的検査は、半導体の製造において標準的なステップになっている。まず回路設計者は回路パターンデータをレチクル製造システム、つまりレチクルライタに与えるが、このデータは特定の集積回路(IC)設計を記述する。回路パターンデータは典型的には製造されたICデバイスの物理的レイヤを表現するレイアウトの形態である。この表現レイアウト(representational layout)は、典型的には、ICデバイスのそれぞれの物理レイヤ(例えばゲート酸化物、ポリシリコン、メタライゼーションなど)についての表現レイヤ(representational layer)を含む。それぞれの表現レイヤは、典型的には、特定のICデバイスのレイヤのパターニングを定義する複数のポリゴンからなる。
【0003】
レチクルライタは、回路パターンデータを用いて、後に特定のIC設計を製造するのに
用いられる複数のレチクルを書き込む(例えば典型的には電子ビームライタまたはレチクルパターンを露光するのに用いられるレーザスキャナ)。レチクルまたはフォトマスクは、透明および不透明、半透明、および位相シフト領域を含む光学要素であり、これら領域が全体として集積回路のような電子デバイス中の同一平面のパターンを定義する。一般に言えば、レチクルは、エッチング、イオンインプランテーション、または他の製造プロセスのために半導体ウェーハの特定の領域を定義するのにフォトリソグラフィ中に用いられる。多くの最近の集積回路設計について、光学レチクルのフィーチャは、対応するウェーハ上のフィーチャの約1倍および約5倍の間である。他の露光システム(例えばX線、電子ビーム、および極紫外線)についても同様の範囲の縮小比が当てはまる。
【0004】
光学レチクルは典型的には、ホウケイ酸ガラスまたは石英板のような透明な媒体から作られ、この上にクロムまたは他の適切な材料の不透明および/または半不透明レイヤが堆積される。しかし直接電子ビーム露光(例えばステンシルマスク)、X線露光(例えばアブソーバマスク)などについては他のマスク技術が採用される。レチクルパターンは、例えばレーザまたは電子ビームの直接書き込み技術によって作られえ、これら両方はこの技術で広く用いられる。
それぞれのレチクルまたはレチクル群グループの製造の後、それぞれのレチクルは典型的には、制御された照射器から放射する光でそれを照射することによって検査される。レチクルの光学イメージは、反射、透過、またはそうでなければ光センサへ導かれた光の部分に基づいて構築される。このような検査技術および装置は、この技術でよく知られており、カリフォルニア州サンノゼのKLA-Tencor Corporationから入手可能な多くの製品のようなさまざまな商業製品において実現されている。
【0005】
従来の検査プロセスのあいだ、レチクル上の試験構造のターゲットイメージは、典型的にはレファレンスイメージと比較される。レファレンスイメージは、回路パターンデータから、またはレチクルそれ自身上の隣接ダイから生成される。いずれの場合も、ターゲットイメージフィーチャは、このレファレンスイメージの対応するフィーチャと比較されて分析される。それぞれのフィーチャの差異はそれからスレッショルド値と比較される。もしターゲットイメージフィーチャがレファレンスフィーチャから所定のスレッショルドより大きく異なるなら、欠陥だと定義される。同様の技術は集積回路(IC)を検査するためにも利用されえる。
【0006】
残念ながらこれら検査メカニズムは、ターゲットイメージがその対応するレファレンスイメージと大きく異なり、これら差異が「真の」欠陥によって生じたのではないとき、しばしば疑似欠陥(false defects)になる。いくつかの異なるフィーチャは、ターゲットイメージがレファレンスイメージから異なることに寄与しえる。ターゲット構造が、レファレンスイメージとしても用いられるオリジナルの設計パターンのセットから製造されるとき、製造プロセスそれ自身がターゲット構造およびレファレンスイメージ間の不一致を生じる。例としてターゲット構造は、テーパが付けられサイズが小さくなりえる。ターゲット構造のコーナも丸くなり、および/またはねじれえて、一方、エッジは荒れえる。検査のあいだのターゲット構造の画像化もレファレンスおよびターゲットイメージ間の不一致を招く。画像化プロセスは、設計パターン(またはレファレンスイメージ)と比較して、エッジ強調または抑圧、および基板および材料間のコントラスト変化を生じえる。エッジが太く見えることもありえる。
【0007】
疑似欠陥の数を低減する一つの技術には、レファレンスイメージがターゲットイメージのように見え始めるまでレファレンスイメージを変化させて画像化および/またはプロセス効果をシミュレーションすることが含まれる。レファレンスイメージのいくつかのパラメータ(例えばコーナの丸まり)は、典型的にはレファレンスイメージがターゲットイメージに似るまで反復プロセスの間に変えられる。この反復プロセスは典型的には複雑で時間がかかる。この反復プロセスは、ターゲットイメージに似たレファレンスイメージを生じえるが、ターゲットイメージ中の「真の」欠陥に対応するフィーチャをレファレンスイメージに不本意に追加することによって、ターゲットイメージ上の「真の」欠陥のキャプチャを妨げる。欠陥はレファレンスイメージおよびターゲットイメージ間の差異として定義され、レファレンスイメージはターゲットイメージに似るように変えられているので、この技術はターゲット上の「真の」欠陥が、レファレンスイメージのシミュレーションされた部分によってキャンセルされ、その結果、「真の」欠陥が発見されないことを招きえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2002−525596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって真の欠陥が信頼性高く発見されえるようなレチクルおよび集積回路を検査する改良されたメカニズムの必要性が存在する。さらに対応するテスト構造の画像化から生じる画像化効果によって引き起こされる、レファレンスおよび対応するターゲットイメージ間の不一致を低減する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって本発明は、1つ以上の空間光変調器(SLM)を用いて検査システム内の光学ビームの位相および/または振幅を変えるメカニズムを提供する。ある実施形態において、光学ビームで試料を光学的に検査する装置が開示される。この装置は、入射光学ビームを前記試料上に導くことによって、前記入射光学ビームの少なくとも第1部分が前記試料から出力ビームとして導かれるビーム発生器、および前記出力ビームの少なくとも一部を受け取るよう配置される検出器を含む。この検出器はまた、前記出力ビームに基づいて出力信号を発生するよう動作可能である。この装置はさらに前記出力ビームを前記検出器に導く1つ以上の結像光学系、および前記出力ビームまたは前記入射ビームのいずれかの光路内に配置される第1プログラム可能な空間光変調器(SLM)を含む。このSLMは、前記入射ビームまたは前記出力ビームの位相または振幅プロファイルを調節するよう構成される。この装置は、前記入射ビームまたは前記出力ビームの前記位相または振幅プロファイルを変えるよう前記第1SLMを構成するよう動作可能な制御システムも有する。例えば、SLMは、異なる検査モードを達成するために入射ビームの照射プロファイルを変えるよう構成されえる。他の例では、SLMは、前記出力ビームの前記位相および/または振幅プロファイルを変えることによって、前記結像光学系によって作られる収差を実質的になくすよう構成されえる。他の実施形態において、装置は、前記入射ビームおよび前記出力ビームの両方の位相および/または振幅プロファイルを変えるよう構成可能である2つ以上のSLMを含みえる。
【0011】
具体的な実現例において、前記SLMは、前記出力ビームの前記光路内に配置され、前記出力ビームの前記位相または振幅プロファイルの前記調節は、前記結像光学系によって生じる前記出力ビームからの収差を実質的になくす。さらなる局面において、前記結像光学系は、対物レンズを含み、前記SLMは、前記対物レンズおよび前記検出器の間に配置される。他の具体的な実現例において、前記SLMは、前記入射ビームの前記光路内に配置され、前記位相および/または振幅プロファイルの前記調節は、前記入射ビームに対して実行される。
【0012】
さらなる実現例において、前記SLMは、複数の移動可能なミラーを含み、前記制御システムは、前記第1SLMの1つ以上の前記移動可能なミラーの位置を調節することによって、前記位相または振幅プロファイルを変えるよう動作可能である。前記1つ以上の移動可能なミラーの前記位置を調節することは、前記1つ以上の移動可能なミラーの平行位置および/または角度を調節することを含みえる。
【0013】
ある具体的な実現例において、前記ビーム発生器は、レーザ源のような前記入射ビームを発生する光源、および前記入射ビームの光路内に配置される照射開口を含む。ビーム発生器は、前記レーザ源および前記照射開口間に配置される第1レンズも含む。前記第1レンズは、前記入射ビームを前記照射開口を通して導く。このビーム発生器は、前記入射ビームの前記光路内において前記第1レンズの後に配置される視野面開口、前記入射ビームを視野面開口を通して導くリレーレンズ、および前記視野面を前記試料上に結像させる第2レンズも有する。この例では、SLMは、前記第1SLMは、前記照射開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能である。代替として、前記SLMは、前記視野面開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能である。さらに別の代替実施形態において、この装置は、第2SLMを含む(第1SLMに加えて)。前記第1SLMは、前記照射開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能であり、前記第2SLMは前記視野面開口上に配置される装置。具体的な実現例において、前記第1および第2SLMは、前記入射ビームの前記振幅プロファイルを変えるようそれぞれ構成可能である。
【0014】
ある局面において、前記出力ビームは、前記試料から反射される。他の局面において、前記出力ビームは、前記試料を通って伝搬される。このSLMは、反射型SLMまたは透過型SLMでありえる。
【0015】
他の実施形態において本発明は、試料を光学的に検査する方法に関する。入射光学ビームは前記試料上に導びかれることによって、前記入射光学ビームの少なくとも第1部分は、前記試料から出力ビームとして導かれる。前記出力ビームは、前記出力ビームを検出器およびプログラム可能な空間光変調器(SLM)に向けて導く結像光学系を有する第1光路を通して導かれる。このSLMは、前記出力ビームの位相および/または振幅プロファイルを変えることによって、前記結像光学系によって導入された収差を実質的になくすよう構成される。
【0016】
さらなる局面において、継続的に前記SLMは再構成されることによって、光学収差が実質的になくされ続けるようにする。具体的な実現例において、このSLMを構成することは、(1)複数の焦点において、予期される強度信号または予期される画像を有するレファレンスパターンを光学的に検査することであって、前記レファレンスパターンの前記光学検査は、複数の測定された強度信号または複数の生成された画像を生む、検査すること、(2)前記レファレンスパターンから得られた前記測定された強度信号または画像を前記予期される強度信号または画像とそれぞれ比較し、複数の差分信号または画像を得ること、(3)前記差分信号または画像を分析することによって前記結像光学系についての収差プロファイルを決定すること、および(4)前記収差プロファイルの逆である位相および/または振幅プロファイルで前記SLMを構成することによって、前記収差プロファイルが前記SLMの照射プロファイルによって打ち消されるようにすることによって達成される。
【0017】
ある局面において、前記SLMの前記位相および/または振幅プロファイル、および前記結像光学系の前記収差プロファイルは、それぞれ位相マップである。他の局面において、前記入射ビームは、第2SLMを通して導かれ、前記方法は、前記入射ビームの照射プロファイルを変えるよう前記第2SLMを構成することをさらに含む。具体的な応用例において、前記入射ビームの前記照射プロファイルは、前記入射ビームの一部が前記試料に到達しないよう遮蔽するよう変えられる。さらなる局面において、前記遮蔽された部分は、前記入射ビームの瞳である。
本発明のこれらおよび他の特徴は、本発明の以下の明細書および添付の図においてより詳細に提示され、これらは本発明の原理を例示的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態による透過型空間光変調器(SLM)を有する透過モード検査システムの概略図である。
【図2】本発明の第2実施形態による反射型空間光変調器(SLM)を有する透過モード検査システムの概略図である。
【図3】本発明の第3実施形態による反射型空間光変調器(SLM)を有する反射モード検査システムの概略図である。
【図4A】本発明の第1実施形態によるSLMの概略上面図である。
【図4B】図4AのA−Aにおける概略断面図であり、初期レファレンス位置における図4Aのミラー要素のいくつかを示す側面図である。
【図4C】図4AのA−Aにおける概略断面図であり、さまざまなコンフィギャされた位置における図4Aのミラー要素のいくつかを示す側面図である。
【図5】本発明のある実施形態による結像光学系の収差を実質的になくすようSLMをコンフィギャするプロシージャを示すフローチャートである。
【図6】本発明のある実施形態による結像光学系によって生じた収差を実質的になくすようSLMをコンフィギャするための収差測定値を提供する図5の操作を示すフローチャートである。
【図7】収差測定値を決定するのに用いられえるレファレンスパターンの例の概略上面図である。
【図8A】結像開口にわたっての収差についての位相コンターマップを示す図である。
【図8B】結像光学系からの図8Aのコンターマップにおいて表される収差を打ち消す選択されるコンフィギャされたSLMからの位相マップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の具体的な実施形態が詳細に参照される。この実施形態の例は添付の図面に示される。本発明はこの具体的な実施形態について記載されるが、本発明は一つの実施形態に限定されるよう意図されないことが理解されよう。むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内に含まれえる代替物、改変物、および等価物をカバーすると意図される。以下の記載においては本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載される。本発明は、これら具体的な詳細の一部または全てがなくても実施されえる。あるいはよく知られるプロセス操作は本発明の趣旨を不必要にぼかさないために記載されていない。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態による透過型空間光変調器(SLM)を有する透過モード検査システム100の概略図である。示されるようにシステム100は、入射光ビーム115を試料116上に導くビーム発生器102を含む。入射ビーム115の少なくとも一部は、結像光学系(例えば120および124)を通して出力ビーム125として試料116から検出器126に向けて導かれる。検出器126は、さらなる処理のために制御システム128に送られえる検出された信号127を発生するよう一般に動作可能である。制御システム128の典型的な特徴は、1つ以上の以下の動作を含みえる。すなわち、検出された信号127に基づいて試料116の画像を発生すること、検出された信号を分析して試料の特性(例えば欠陥の特定)を決定すること、および検査システム100のさまざまな要素を制御することを含みえる。
【0021】
ビーム発生器102は、入射光115を試料116上に導く任意の適切な光源および光学要素を含みえる。示される実施形態において、ビーム発生器102は、レーザビーム115aを発生するレーザ源104、レーザビーム115aを受け取り平行にされたビーム115bを照射開口(illumination aperture)108を通して出力するレンズ106、平行にされたビーム115bを受け取りこのビームを視野面開口(field plane aperture)111を通してフォーカシングするリレーレンズ110、およびビーム115bを試料116上に導き物体面111を画像化するレンズ114を含みえる。当業者には容易に判るように、図1に示されるビーム発生器光学系102に加えて、またはその代替として他の光学要素が利用されえる。例えば、コーラー型レンズ(Kohler type lens)106の代わりに臨界レンズ(critical lens)が用いられえる。照射開口108を通してビーム115aを平行にされたビーム115bにする代わりに、臨界レンズがビーム115aを照射開口108上にフォーカシングするよう機能しえる。それから照射開口108は、この代替実施形態によってレンズ110上に結像されえる。
【0022】
ビーム発生器102は、また、入射ビーム115の照射プロファイルを変える1つ以上の空間光変調器(SLM)を含みえる。しかしこれらSLMはオプションである。それぞれのSLMは、入射ビームパス内の特定の点における入射ビーム115の位相および/または振幅を変えるよう構成されえる。示されるように検査システム100は、照射開口108と共に第1SLMを、視野開口(field aperture)112と共に第2SLMを含む。これらSLMの一つまたは両方を利用する技術は以下にさらに記載される。114
【0023】
示される実施形態において入射ビーム115の少なくとも一部は、出力ビーム125として試料116を透過される。示されるように試料は表面118上に薄膜パターンを有する。しかしパターンは、反対の入射側119上に存在しえる。この試料は、透過モード(および/または以下でさらに記載される図2および3の代替実施形態における反射モード)の光学検査システムで特徴付けられる任意の適切な形態をとりえる。例えば、試料116は、後で半導体デバイスを製造するのに用いられるレチクルまたはフォトマスクでありえる。他の応用例として試料は、プリント回路基板またはシリコンウェーハまたはデバイスでありえる。
【0024】
出力ビーム125は、透過されたビーム125aとして試料116を通して透過され、結像レンズ120によって受け取られる。結像レンズ(ここでは対物レンズ120とも呼ばれる)は、透過されたビーム125aを受け取り、受け取られた125aを平行にし、平行にされたビーム125bを結像開口(imaging aperture)122を通して出力する。示される実施形態において、結像開口122は、空間光変調器(SLM)と共に組み合わせられる。このSLM122は、システム100の結像光学系によって生じる収差を実質的になくすために、出力ビーム125の位相および/または振幅プロファイルを調整するよう構成されえる。例えばSLM122は、出力ビーム125中に照射レンズ120によって導入される収差をなくすよう構成されえる。すなわちSLM122は、平行にされた出力ビーム125bを受け取り、補正された出力ビーム125cを出力する。補正された出力ビーム125cは、レンズ124によって受け取られ、これはこの補正された出力ビームを検出器126上に検出されたビーム125dとしてフォーカシングする。
【0025】
検出器126は、光学ビームを受け取り、そのような受け取られた光ビームに基づいて出力信号を発生する任意の適切な形態をとりえる。ある実施形態においては、検出器126は、時間遅延積分(TDI)または電荷結合素子(CCD)型の検出器である。検出器126はまた、制御システム128に好ましくは結合される。この制御システムは、検査システム100のさまざまな要素を制御し、検出器126から受け取られた出力信号127を処理する任意の形態をとりえる。ある実施形態において制御システムは、制御および信号処理操作を実現するよう協働するプロセッサおよびメモリを含む。
【0026】
一般に、ここで記載されたコントローラ技術は、ソフトウェアおよび/またはハードウェア上で実現されえる。例えばこれら技術は、オペレーティングシステムカーネルにおいて、別個のユーザプロセスにおいて、検査アプリケーションにバウンドされたライブラリパッケージにおいて、またはカリフォルニア州、サンノゼのKLA-Tencorから入手可能な光学検査システムのような特別に構築されたマシン上で実現されえる。本発明の具体的な実施形態によれば、本発明の技術のいくつかは、オペレーティングシステムのようなソフトウェア上で、またはオペレーティングシステム上で走るアプリケーションにおいて実現される。本発明のソフトウェアまたはソフトウェア/ハードウェアハイブリッドシステムは、メモリ中に記憶されるコンピュータプログラムによって選択的にアクティベートされる、または再コンフィギャされる汎用のプログラム可能なマシン上で実現されえる。
【0027】
示される実施形態において、コントローラは、本発明のさまざまな技術を実現するよう構成される。しかし本発明の技術は、任意の個数およびタイプのデータ処理装置で実現されえる。すなわち、本発明の技術は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせで実現されえる。
【0028】
コントローラの構成に関係なく、コントローラは、データ、汎用の検査操作および/またはここで記載される本発明の技術のためのプログラム命令を記憶するよう構成された1つ以上のメモリまたはメモリモジュールを採用しえる。プログラム命令は、オペレーティングシステムおよび/または1つ以上のアプリケーションの動作を例えば制御しえる。このメモリまたはメモリ群は、ターゲット画像、レファレンス画像の画像、欠陥分類および位置データと共に検査システムの特定の動作パラメータのための値を記憶するようにも構成されえる。
【0029】
このような情報およびプログラム命令は、ここで記載されるシステム/方法を実現するために採用されえるので、本発明は、ここで記載されるさまざまな操作を実行するプログラム命令、状態情報などを含む機械で読み取り可能な媒体に関する。以下に限定されないが機械で読み取り可能な媒体の例は、ハードディスク、フレキシブルディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD−ROMのような光媒体、フロプティカルディスクのような光磁気媒体、読み出し専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)のようなプログラム命令を記憶し実行するために特別に構成されたハードウェアデバイスを含む。また本発明は、空間波、光学ライン、電気ラインなどのような適切な媒体上を伝搬する搬送波中でも実現されえる。プログラム命令の例は、コンパイラによって生成されるような機械語、およびインタープリタを用いてコンピュータによって実行されえるより高いレベルのコードを含むファイルの両方を含む。
【0030】
図2は、本発明の第2実施形態による反射型SLMを有する透過モードシステム200の概略図である。図1のシステムと同様に、図2のシステム200は、コリメーティングレンズ206を有するビーム発生器202、リレーレンズ214、および表面118上にパターンを有する試料116上に入射ビーム223を導くフォーカシングレンズ222を含む。
【0031】
図1のシステムとは対照的に、図2のシステム200は、透過的な代わりに反射的なSLMを含む。したがってこのシステムは、入射ビームまたは出力ビームをそれぞれのSLMから反射するいくつかの追加の要素を含む。示されるように入射ビーム223は、偏光ビームスプリッタ(PBS)208を通って伝わり、さらに1/4波長板210を通して反射SLM212上に至る。このSLM212は、入射ビームの照射プロファイルを変えるよう構成されえる。入射ビームはまた、SLM212で反射し、1/4波長板210を通って伝わる。1/4波長板210は、入射ビームの極位相(polar phase)を変えることによって、ビームを透過させる代わりに、PBS208が入射ビームを反射してPBS216に達するようにする。
【0032】
同様に、入射ビームはPBS216を通って、さらに1/4波長板218を通り、それからレンズ214によってフォーカシングされてSLM220に達する。SLM220は、入射ビームの照射プロファイルを変えるよう構成されえる。この入射ビームはそれからSLM220でから反射され、レンズ214を通って、1/4波長板218を通り、それからPBF216から反射されレンズ222に達する。レンズ222は、それから入射ビーム223を試料116上にフォーカシングする。
【0033】
入射ビーム223の少なくとも一部は、出力ビーム225として透過される。出力ビームは結像レンズ224によって平行にされ、PBS226から反射され、それから1/4波長板228を通ってSLM230に達する。SLM230は、出力ビームの位相および/または振幅プロファイルを変えることによって、結像光学系によって導入される収差を実質的になくすよう構成されえる。出力ビームはそれからSLM230から反射され、1/4波長板228を通り、PBF226を通り、レンズ232上に至る。レンズ232はそれから、出力ビームを検出器234上にフォーカシングする。検出器およびSLMは、制御システム236と結合され、制御システム236および検出器は図1の制御システムと同様の動作をしえる。
【0034】
図3は、本発明の第3実施形態による反射型SLMを有する反射モードシステム300の概略図である。代替実施形態として、図3の反射型システムは、図1または2の透過型検査システムと結合されてデュアルモード検査システムにされえる。この示されるシステム300において、図1および2におけるようにそのような試料を通して透過される代わりに、入射ビームは試料116から反射され検出器336に至る。示されるように入射ビームは、ビーム源304によって発生され、レンズ306に向かって導かれ、このレンズが入射ビームを平行にする。平行にされた入射ビームはそれからPBS308から反射され、1/4波長板310を通って、反射型SLM312に至る。このSLM312は、入射ビームの照射プロファイルを調節し、入射ビームを1/4波長板310を通して反射し返すように構成されえる。入射ビームはそれからPBS308を通り、PBS316および1/4波長板318を通り、レンズ314上に達する。レンズ314は、入射ビームを反射型SLM320上にフォーカシングする。
【0035】
SLM320は、入射ビームの照射プロファイルを調節し、入射ビームをレンズ314および1/4波長板318を通して反射し返すように構成されえる。入射ビームはそれからPBS316から反射されPBS324上に達する。PBS324は、入射ビームを1/4波長板326を通して反射し、レンズ328上に至らしめる。レンズ328はそれから、入射ビームを試料116上にフォーカシングするよう機能する。
【0036】
反射されたビームは、試料116からレンズ328上に出力される。レンズ328はそれからビームを1/4波長板330およびPBS324を通して平行にし、1/4波長板330およびPBS324は反射されたビームをPBS333上に出力し、PBS333は、反射された出力ビームをSLM332上に反射する。このSLM332は、反射されるビームの位相および/または振幅プロファイルを変えることによって、結像レンズ326によって引き起こされる収差が実質的になくなるよう構成されえる。
【0037】
反射されたビームはそれから1/4波長板330およびPBS333を通って伝わり、レンズ334に至る。レンズ334は反射されたビームを検出器336上にフォーカシングする。検出器およびSLMは、制御システム338と結合され、図3の制御システム338および検出器は、図1の制御システムと同様の動作をしえる。
【0038】
図2のシステムと同様に、このシステム300は、入射ビームをそれぞれのSLMに向けて導き、そのようなSLMから反射される、結果として生じる入射光を受け取り、それぞれのSLMから受け取られた入射ビームを試料116に向けて導く要素を含む。示されるように、第1入射SLM312は、関連付けられた1/4波長板310およびPBS308を有し、一方、第2入射SLM320は、関連付けられた1/4波長板318およびPBS316を有する。加えて、結像SLM332は、1/4波長板330およびPBS328を有する。これら要素は、図2の同じように名前が付けられた要素と同様に機能しえる。
【0039】
位相および/または振幅プロファイルを変える任意の適切なデバイスが、それぞれのSLMの代わりに用いられえる。適切な反射型SLMは、0.7XGA DMDであり、これはテキサス州、ダラスのTexas Instrumentsから入手できる。代替として、透過型SLMの例は、コロラド州、FrederickのMeadowlark,Inc.から入手可能なHEX−127である。
【0040】
図4Aは、本発明のある実施形態によるSLM400の概略上面図である。示されるようにSLM400は、複数のミラーセグメント群402を含む。それぞれのミラーセグメント402は、反射型または透過型でありえる。示されるSLM400はまた、開口404を含む。任意の適切な個数のミラー要素402が利用されえ、示される実施形態の6×6のアレイは例示目的のためだけに用いられている。
【0041】
図4Bは、図4AのA−Aにおける概略断面図である。図4Bは、ミラー要素402gから402lの側面図を示す。図4Bのミラー要素は、その初期レファレンス位置に位置付けられる。しかしそれぞれのミラー要素402は、図4Cに示されるようにその位置を変化するよう構成されえる。図4Cを参照して、それぞれのミラー要素402は、回転すると共に方向406において移動されえる。示されるようにミラー要素402gは、距離x1だけ移動するよう構成され、ミラー要素402iは距離−x2だけ移動するよう構成されている。ミラー要素402iはまた、角θ2だけ回転するよう構成されている。要素402kは、角−θ3だけ回転するよう構成されている。
【0042】
光学検査システムの入射ビームおよび/または反射または透過されたビームの照射プロファイルを変化させるために任意の適切な技術が利用されえる。図5は、本発明のある実施形態によって結像光学系の収差を実質的になくすようSLMを構成するプロシージャを示すフローチャートである。まず、操作502において結像光学系の収差測定値(aberration metrics)が与えられる。操作504において、この収差測定値はそれから、1つ以上のSLM設定を調節することによって、結像光学系によって生じた収差を実質的になくすのに用いられる。
【0043】
検査がそれから始まる。示される実施形態において、操作506において光学ビームが試料に向けて導かれる。それから操作508において入射ビームは、出力ビームとして、試料から反射され、および/またはそのような試料を通して透過される。操作510において、この出力ビームはそれから結像光学系を通って伝わる。操作512において、出力ビームはそれから調節されたSLMを通って伝わり、SLMは、出力ビームからの収差を実質的になくす。操作514において、補正された出力ビームがそれから検出され、画像が検出された出力ビームに基づいてそれから生成される。検査プロシージャはそれから終了する。
【0044】
図6は、本発明のある実施形態によって結像光学系によって生じる収差を実質的になくすようにSLMを構成する収差測定値を与える図5の動作502を示すフローチャートである。まず操作602において、既知のレファレンスパターンが複数の焦点において光学的に検査され、ここで複数の強度信号がこのレファレンスパターンから発生される。複数の強度信号はまた、複数の画像を生成するのにも用いられえる。レファレンスパターンについての予期される強度信号がそれから操作604でシミュレーションされる。操作606において、レファレンスパターンから結果として生じる強度信号は、それからシミュレーションされた予期される強度信号と比較されることによって差分信号を得る。代替として操作606において、レファレンスパターンから結果として生じる画像信号は、シミュレーションされた予期される画像と比較されえる。
【0045】
操作610において、差分信号(または画像差分)はそれから、結像光学系の収差を決定するために利用される。一般に、差分信号は、結像光学系の収差における偏差(deviations)を特定するのに用いられる。この複数の焦点における差分信号または画像は、結像光学系収差をそれから計算するための十分な情報を提供する。一般に、これら収差は、ゼルニケ係数によって表現され、このゼルニケ係数は、結像開口における位相変化を記述する正規直交関数である。これらゼルニケ係数を画像の差異に関連付ける技術は、当業者によく知られている。
【0046】
図7は、収差測定値を決定するのに用いられえるレファレンスパターンの例の概略上面図である。示されるようにレファレンスパターン700は、細い垂直ライン群702のセットおよび太い垂直ライン群704のセットを含む。このレファレンスパターン700は、また、細い水平ライン群706のセットおよび太い水平ライン群708のセットを含む。このレファレンスパターン700はまた、複数のコンタクト710も含みえる。
【0047】
結像開口にわたっての結像光学系によって生じる収差についての位相コンターマップを生成するために図6の分析操作610が用いられえる。図8Aは、結像開口にわたっての収差についての例示的な位相コンターマップを示す。位相コンターマップ800は、異なる位相シフト値を有する複数の領域を含む。すなわち結像光学系の異なる領域は、異なる位相シフトを生む。示されるように、領域802は−2度の位相シフトを有し、領域804は+5度の位相シフトを有し、領域806は+0.5度の位相シフトを有し、領域808は−5度の位相シフトを有し、および領域810は+2度の位相シフトを有する。
【0048】
この収差位相コンターマップは、SLMを構成し、それにより画像フィールド内のこれら位相シフト収差をなくすのに用いられえる。すなわち、SLMのミラー要素は、画像フィールドの特定の領域における収差位相シフトの逆である位相シフトを作るよう構成される。図8Bは、図8Aのコンターマップで表された収差を打ち消すよう動作する、コンフィギャされたSLMからの結果を表す。すなわち、コンフィギャされたSLMの結果として生じる位相コンターマップは、図8Aの収差の位相コンターマップの逆になる。したがって図8Bに示されるように、SLMのコンターマップ850は、位相シフト+2度を有する領域852を含み、これは図8Aに示される結像光学系の対応する領域802の逆である。同様にSLMコンターマップ850は、−5度の位相シフトを有する領域854、−0.5度の位相シフトを有する領域856、+5度の位相シフトを有する領域858、および−2度の位相シフトを有する領域860を含む。
【0049】
入射ビームの照射プロファイルを変えるために1つ以上のSLMを構成するのに任意の適切な技術が利用されえる。第1SLMは、入射ビームフィールドのさまざまな領域の振幅を変えるよう構成されえ、一方、第2SLMは、さまざまな領域の位相を変えるよう構成されえる。代替として、入射ビームの照射プロファイルの振幅および位相の両方を変えるために単一のSLMが利用されえる。異なる検査モードにおいて、入射ビームの一部を遮蔽する(occlude)することが望ましい。例えば、位相強調検査モードにおいては、1つ以上のSLMが用いられて、入射ビームの瞳を絞ることによって、それが結像光学系の等価瞳より小さくなるようにする。他の例においてリソグラフィシステムのそれと同様の光学的構成を用いる検査において、入射ビームを絞ることによって、4極、環状、双極、または他のタイプの瞳を提供するために、1つ以上のSLMが用いられる。
【0050】
入射ビームパスにおいて、入射ビーム角を変化させるために瞳または光学フーリエ平面において1つのSLMが構成されえ、マスク上の照射領域を変化させるために視野平面(field plane)における第2SLMが構成されえる。2つのSLMを用いることは、入射ビームの特性を決定する上で完全な融通性を提供する。例えば、マスク平面において、特定の振幅パターンを持つ入射ビームは、パターン相関器として働き、これはあるタイプのマスクパターンを強調する。
【0051】
前述の本発明は十分な理解の目的である程度、詳細に記載されてきたが、ある種の変更および改変が添付の特許請求の範囲内で実施されえることは明らかである。したがって記載された実施形態は、例示的であると考えられるべきであって、限定的であるとは考えられるべきでなく、本発明は、ここに与えられた詳細に限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその等価物の全ての範囲によって規定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学ビームで試料を光学的に検査する装置であって、
入射光学ビームを前記試料上に導くことによって、前記入射光学ビームの少なくとも第1部分が前記試料から出力ビームとして導かれるビーム発生器、
前記出力ビームの少なくとも一部を受け取るよう配置され、前記出力ビームに基づいて出力信号を発生するよう動作可能である検出器、
前記出力ビームを前記検出器に導く1つ以上の結像光学系、
前記出力ビームまたは前記入射ビームのいずれかの光路内に配置され、前記入射ビームまたは前記出力ビームの位相または振幅プロファイルを調節するよう構成される第1プログラム可能な空間光変調器(SLM)、および
前記入射ビームまたは前記出力ビームの前記位相または振幅プロファイルを変えるよう前記第1SLMを構成するよう動作可能な制御システム
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記第1SLMは、前記出力ビームの前記光路内に配置され、前記出力ビームの前記位相または振幅プロファイルの前記調節は、前記結像光学系によって生じる前記出力ビームからの収差を実質的になくす装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、前記結像光学系は、対物レンズを含み、前記第1SLMは、前記対物レンズおよび前記検出器の間に配置される装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記第1SLMは、前記出力ビームの前記位相プロファイルを変えるよう構成可能である装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の装置であって、前記第1SLMは、前記入射ビームの前記光路内に配置され、前記位相または振幅プロファイルの前記調節は、前記入射ビームに対して実行される装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の装置であって、前記第1SLMは、複数の移動可能なミラーを含み、前記制御システムは、前記第1SLMの1つ以上の前記移動可能なミラーの位置を調節することによって、前記位相または振幅プロファイルを変えるよう動作可能である装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記1つ以上の移動可能なミラーの前記位置を調節することは、前記1つ以上の移動可能なミラーの平行位置および/または角度を調節することを含む装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の装置であって、前記装置は、反射検査モードを有し、前記結像光学系の少なくとも一部は、前記ビーム発生器の一部を形成する装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の装置であって、前記制御システムは、前記検出器からの前記出力信号に基づいて画像を生成し、前記生成された画像または前記出力信号を分析することによって前記試料の特性を決定するようさらに動作可能である装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記特性は、前記試料が欠陥を有するかどうかを含む装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記ビーム発生器は、
前記入射ビームを発生する光源、
前記入射ビームの光路内に配置される照射開口、
前記レーザ源および前記照射開口間に配置される第1レンズであって、前記第1レンズは、前記入射ビームを前記照射開口を通して導く、第1レンズ、
前記入射ビームの前記光路内において前記第1レンズの後に配置される視野面開口、
前記入射ビームを視野面開口を通して導くリレーレンズ、および
前記視野面を前記試料上に結像させる第2レンズ
を備える装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、前記第1SLMは、前記照射開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能である装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、前記第1SLMは、前記視野面開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能である装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置であって、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変える第2SLMをさらに備え、前記第1SLMは、前記照射開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能であり、前記第2SLMは前記視野面開口上に配置される装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記第1および第2SLMは、前記入射ビームの前記振幅プロファイルを変えるようそれぞれ動作可能である装置。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれかに記載の装置であって、前記出力ビームは、前記試料から反射される装置。
【請求項17】
請求項11〜15のいずれかに記載の装置であって、前記出力ビームは、前記試料を通って伝搬される装置。
【請求項18】
請求項11〜15のいずれかに記載の装置であって、前記第1SLMは反射型SLMである装置。
【請求項19】
請求項11〜15のいずれかに記載の装置であって、前記第1SLMは透過型SLMである装置。
【請求項20】
試料を光学的に検査する方法であって、
入射光学ビームを前記試料上に導くことによって、前記入射光学ビームの少なくとも第1部分は、前記試料から出力ビームとして導かれ、前記出力ビームは、前記出力ビームを検出器およびプログラム可能な空間光変調器(SLM)に向けて導く結像光学系を有する第1光路を通して導かれる、導くこと、および
前記出力ビームの位相または振幅プロファイルを変えることによって、前記結像光学系によって導入された収差を実質的になくすよう前記SLMを構成することを含む方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記出力ビームは前記試料から透過される方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、前記出力ビームは前記試料から反射される方法。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれかに記載の方法であって、定期的に前記SLMを構成し続けることによって、光学収差が実質的になくなり続けるようにすることをさらに備える方法。
【請求項24】
請求項20〜23のいずれかに記載の方法であって、前記SLMを構成することは、
複数の焦点において、予期される強度信号または予期される画像を有するレファレンスパターンを光学的に検査することであって、前記レファレンスパターンの前記光学検査は、複数の測定された強度信号または複数の生成された画像を生む、検査すること、
前記レファレンスパターンから得られた前記測定された強度信号または画像を前記予期される強度信号または画像とそれぞれ比較し、複数の差分信号または画像を得ること、
前記差分信号または画像を分析することによって前記結像光学系についての収差プロファイルを決定すること、および
前記収差プロファイルの逆である位相および/または振幅プロファイルで前記SLMを構成することによって、前記収差プロファイルが前記SLMの照射プロファイルによって打ち消されるようにすること
によって達成される方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、前記SLMの前記位相および/または振幅プロファイル、および前記結像光学系の前記収差プロファイルは、それぞれ位相マップである方法。
【請求項26】
請求項20〜25のいずれかに記載の方法であって、前記入射ビームは、第2SLMを通して導かれ、前記方法は、前記入射ビームの照射プロファイルを変えるよう前記第2SLMを構成することをさらに含む方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、前記入射ビームの前記照射プロファイルは、前記入射ビームの一部が前記試料に到達しないよう遮蔽するよう変えられる方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、前記遮蔽された部分は、前記入射ビームの瞳である方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記遮蔽された部分は、前記入射ビームについての特定のタイプの瞳を生む方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、前記特定のタイプの瞳は、4極瞳、環状瞳、および双極瞳からなるグループから選択される方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法であって、前記入射ビームの前記瞳が絞られることによって、それが前記結像光学系の等価瞳よりも小さい方法。
【請求項32】
請求項26〜31に記載の方法であって、前記入射ビームは、第3SLMを通して導かれ、前記方法は、前記入射ビームの入射角を変えるように前記第3SLMを構成することをさらに含み、前記第2SLMは、前記試料上の照射領域を変えるよう構成される方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、前記照射領域は、パターン相関器として働き、特定のタイプのマスクを強調するよう選択される方法。
【請求項1】
光学ビームで試料を光学的に検査する装置であって、
入射光学ビームを前記試料上に導くことによって、前記入射光学ビームの少なくとも第1部分が前記試料から出力ビームとして導かれるビーム発生器、
前記出力ビームの少なくとも一部を受け取るよう配置され、前記出力ビームに基づいて出力信号を発生するよう動作可能である検出器、
前記出力ビームを前記検出器に導く1つ以上の結像光学系、
前記出力ビームまたは前記入射ビームのいずれかの光路内に配置され、前記入射ビームまたは前記出力ビームの位相または振幅プロファイルを調節するよう構成される第1プログラム可能な空間光変調器(SLM)、および
前記入射ビームまたは前記出力ビームの前記位相または振幅プロファイルを変えるよう前記第1SLMを構成するよう動作可能な制御システム
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記第1SLMは、前記出力ビームの前記光路内に配置され、前記出力ビームの前記位相または振幅プロファイルの前記調節は、前記結像光学系によって生じる前記出力ビームからの収差を実質的になくす装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、前記結像光学系は、対物レンズを含み、前記第1SLMは、前記対物レンズおよび前記検出器の間に配置される装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記第1SLMは、前記出力ビームの前記位相プロファイルを変えるよう構成可能である装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の装置であって、前記第1SLMは、前記入射ビームの前記光路内に配置され、前記位相または振幅プロファイルの前記調節は、前記入射ビームに対して実行される装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の装置であって、前記第1SLMは、複数の移動可能なミラーを含み、前記制御システムは、前記第1SLMの1つ以上の前記移動可能なミラーの位置を調節することによって、前記位相または振幅プロファイルを変えるよう動作可能である装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記1つ以上の移動可能なミラーの前記位置を調節することは、前記1つ以上の移動可能なミラーの平行位置および/または角度を調節することを含む装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の装置であって、前記装置は、反射検査モードを有し、前記結像光学系の少なくとも一部は、前記ビーム発生器の一部を形成する装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の装置であって、前記制御システムは、前記検出器からの前記出力信号に基づいて画像を生成し、前記生成された画像または前記出力信号を分析することによって前記試料の特性を決定するようさらに動作可能である装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記特性は、前記試料が欠陥を有するかどうかを含む装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記ビーム発生器は、
前記入射ビームを発生する光源、
前記入射ビームの光路内に配置される照射開口、
前記レーザ源および前記照射開口間に配置される第1レンズであって、前記第1レンズは、前記入射ビームを前記照射開口を通して導く、第1レンズ、
前記入射ビームの前記光路内において前記第1レンズの後に配置される視野面開口、
前記入射ビームを視野面開口を通して導くリレーレンズ、および
前記視野面を前記試料上に結像させる第2レンズ
を備える装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、前記第1SLMは、前記照射開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能である装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、前記第1SLMは、前記視野面開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能である装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置であって、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変える第2SLMをさらに備え、前記第1SLMは、前記照射開口上に配置され、前記入射ビームの前記照射プロファイルを変えるよう構成可能であり、前記第2SLMは前記視野面開口上に配置される装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記第1および第2SLMは、前記入射ビームの前記振幅プロファイルを変えるようそれぞれ動作可能である装置。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれかに記載の装置であって、前記出力ビームは、前記試料から反射される装置。
【請求項17】
請求項11〜15のいずれかに記載の装置であって、前記出力ビームは、前記試料を通って伝搬される装置。
【請求項18】
請求項11〜15のいずれかに記載の装置であって、前記第1SLMは反射型SLMである装置。
【請求項19】
請求項11〜15のいずれかに記載の装置であって、前記第1SLMは透過型SLMである装置。
【請求項20】
試料を光学的に検査する方法であって、
入射光学ビームを前記試料上に導くことによって、前記入射光学ビームの少なくとも第1部分は、前記試料から出力ビームとして導かれ、前記出力ビームは、前記出力ビームを検出器およびプログラム可能な空間光変調器(SLM)に向けて導く結像光学系を有する第1光路を通して導かれる、導くこと、および
前記出力ビームの位相または振幅プロファイルを変えることによって、前記結像光学系によって導入された収差を実質的になくすよう前記SLMを構成することを含む方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記出力ビームは前記試料から透過される方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、前記出力ビームは前記試料から反射される方法。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれかに記載の方法であって、定期的に前記SLMを構成し続けることによって、光学収差が実質的になくなり続けるようにすることをさらに備える方法。
【請求項24】
請求項20〜23のいずれかに記載の方法であって、前記SLMを構成することは、
複数の焦点において、予期される強度信号または予期される画像を有するレファレンスパターンを光学的に検査することであって、前記レファレンスパターンの前記光学検査は、複数の測定された強度信号または複数の生成された画像を生む、検査すること、
前記レファレンスパターンから得られた前記測定された強度信号または画像を前記予期される強度信号または画像とそれぞれ比較し、複数の差分信号または画像を得ること、
前記差分信号または画像を分析することによって前記結像光学系についての収差プロファイルを決定すること、および
前記収差プロファイルの逆である位相および/または振幅プロファイルで前記SLMを構成することによって、前記収差プロファイルが前記SLMの照射プロファイルによって打ち消されるようにすること
によって達成される方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、前記SLMの前記位相および/または振幅プロファイル、および前記結像光学系の前記収差プロファイルは、それぞれ位相マップである方法。
【請求項26】
請求項20〜25のいずれかに記載の方法であって、前記入射ビームは、第2SLMを通して導かれ、前記方法は、前記入射ビームの照射プロファイルを変えるよう前記第2SLMを構成することをさらに含む方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、前記入射ビームの前記照射プロファイルは、前記入射ビームの一部が前記試料に到達しないよう遮蔽するよう変えられる方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、前記遮蔽された部分は、前記入射ビームの瞳である方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記遮蔽された部分は、前記入射ビームについての特定のタイプの瞳を生む方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、前記特定のタイプの瞳は、4極瞳、環状瞳、および双極瞳からなるグループから選択される方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法であって、前記入射ビームの前記瞳が絞られることによって、それが前記結像光学系の等価瞳よりも小さい方法。
【請求項32】
請求項26〜31に記載の方法であって、前記入射ビームは、第3SLMを通して導かれ、前記方法は、前記入射ビームの入射角を変えるように前記第3SLMを構成することをさらに含み、前記第2SLMは、前記試料上の照射領域を変えるよう構成される方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、前記照射領域は、パターン相関器として働き、特定のタイプのマスクを強調するよう選択される方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【公開番号】特開2011−154039(P2011−154039A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83897(P2011−83897)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【分割の表示】特願2004−570961(P2004−570961)の分割
【原出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【分割の表示】特願2004−570961(P2004−570961)の分割
【原出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
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