光検出装置
【課題】小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることが可能な光検出装置を提供する。
【解決手段】光検出装置100は、照度センサ1と、照度センサ1の検出結果に基づいて、前照灯および尾灯を制御するマイコンと、照度センサ1が実装されるプリント配線基板10と、マイコンが実装されるプリント配線基板20と、プリント配線基板10および20を保持する保持部材30と、保持部材30を収納する筐体50とを備える。プリント配線基板10が配置される平面と異なる平面にプリント配線基板20を配置する。
【解決手段】光検出装置100は、照度センサ1と、照度センサ1の検出結果に基づいて、前照灯および尾灯を制御するマイコンと、照度センサ1が実装されるプリント配線基板10と、マイコンが実装されるプリント配線基板20と、プリント配線基板10および20を保持する保持部材30と、保持部材30を収納する筐体50とを備える。プリント配線基板10が配置される平面と異なる平面にプリント配線基板20を配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のエアコンを自動的に制御するために、車両に設けられた光検出装置が知られている。この光検出装置は、車外から車内に入射する日射量を検出する日射センサを有する。そして、光検出装置が設けられた車両では、日射センサの検出結果に基づいて車両の搭乗者が受ける熱量が判断され、その判断された熱量に応じてエアコンが制御される。
【0003】
また、従来では、車両の灯火を自動的に制御するために、車両に設けられた光検出装置も知られている(たとえば、特許文献1参照)。この光検出装置は、車両の周囲の照度を検出する照度センサを有する。そして、光検出装置が設けられた車両では、照度センサの検出結果に応じて灯火が制御される。
【0004】
上記特許文献1の光検出装置は、照度センサが取り付けられる基板と、基板を収納するケースとを有する。基板には、集積回路が設けられるとともに、リード線が接続されるコネクタ部が設けられている。そして、基板は、ケースの内壁に形成されたガイドレールに沿って収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3504407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された光検出装置では、照度センサと集積回路とが1枚の基板に設けられているので、小型化を図るのが困難であるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するものであって、その目的とするところは、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることが可能な光検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光検出装置は、車両に設けられる光検出装置であって、光を検出する第1の光検出素子と、第1の光検出素子の検出結果に基づいて所定の処理を行う第1の信号処理部と、第1の光検出素子が実装される第1の基板と、第1の信号処理部が実装される第2の基板と、第1の基板および第2の基板を保持する保持部材と、保持部材を収納する筐体とを備え、保持部材は、第1の基板が配置される平面と異なる平面に、第2の基板が配置されるように、第1の基板および第2の基板を保持する。
【0009】
このように、第1の光検出素子が実装される第1の基板と、第1の信号処理部が実装される第2の基板とを別々に設け、第1の基板が配置される平面と異なる平面に第2の基板を配置することによって、第1の基板および第2の基板が立体的に配置されるので、第1の光検出素子と第1の信号処理部とを1枚の基板に実装する場合に比べて、光検出装置の小型化を図ることができる。また、第1の基板および第2の基板を保持する保持部材を設けることによって、第1の基板および第2の基板を保持部材に取り付けた後、保持部材を筐体に収納することができる。これによって、筐体への収納が容易となる。その結果、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることができる。
【0010】
上記光検出装置において、保持部材は、第1の基板が配置される平面と、第2の基板が配置される平面とが直交するように、第1の基板および第2の基板を保持するようにしてもよい。
【0011】
上記光検出装置において、保持部材には、筐体と係合する係合部が形成されていてもよい。
【0012】
上記光検出装置において、保持部材に保持されるコネクタ部をさらに備え、保持部材は、第1の基板をコネクタ部の上方で保持するとともに、第2の基板をコネクタ部の側方で保持するようにしてもよい。
【0013】
上記光検出装置において、第2の基板に実装され、第1の信号処理部からの処理信号をデジタル信号で出力するための通信回路をさらに備えていてもよい。
【0014】
上記光検出装置において、光を検出する第2の光検出素子をさらに備え、第2の光検出素子は、第1の基板に実装されていてもよい。
【0015】
この場合において、第2の光検出素子の検出結果に基づいて所定の処理を行う第2の信号処理部をさらに備えていてもよい。
【0016】
上記第2の信号処理部を備えた光検出装置において、第2の信号処理部は、第2の基板に実装されていてもよい。
【0017】
上記第2の信号処理部を備えた光検出装置において、第2の信号処理部が実装される第3の基板をさらに備え、保持部材は、第1の基板が配置される平面と異なる平面に、第3の基板が配置されるように、第3の基板を保持するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることが可能な光検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による光検出装置および車両の構成を示したブロック図である。
【図2】図1の光検出装置の構造を示した斜視図である。
【図3】図2の光検出装置がダッシュボードに取り付けられた状態の1000−1000線に沿った断面図である。
【図4】図2の光検出装置の構造を示した分解斜視図である。
【図5】図2の光検出装置の筐体を取り外した状態を示した斜視図である。
【図6】図2の光検出装置の保持部材およびコネクタ部を示した分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による光検出装置の組立方法を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態による光検出装置の組立方法を説明するための斜視図である。
【図9】本実施形態の第1変形例による光検出装置を示した断面図である。
【図10】本実施形態の第2変形例による光検出装置を示した断面図である。
【図11】本実施形態の第3変形例による光検出装置を示した断面図である。
【図12】本実施形態の第4変形例による光検出装置を示した断面図である。
【図13】本実施形態の第5変形例による光検出装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による光検出装置100および車両150の構成について説明する。
【0022】
車両150は、図1に示すように、前照灯(ヘッドライト)151と、尾灯(テールライト)152と、前照灯用スイッチ153と、尾灯用スイッチ154と、光検出装置100と、エアコン(エアコンディショナー)155と、車両制御部156とを備えている。
【0023】
車両150は、たとえば、自動四輪車である。前照灯151は、車両150の前端部に設けられている。この前照灯151は、運転手(搭乗者)が車両150の前方を視認可能なように照らすために設けられている。尾灯152は、車両150の後端部に設けられている。この尾灯152は、自車の存在を後続車に知らせるために設けられている。
【0024】
前照灯用スイッチ153は、運転手により操作されることによって、前照灯151の点灯指令または消灯指令を車両制御部156に出力する。すなわち、前照灯用スイッチ153は、前照灯151の点消灯状態を制御するための手動のスイッチである。
【0025】
尾灯用スイッチ154は、運転手により操作されることによって、尾灯152の点灯指令または消灯指令を車両制御部156に出力する。すなわち、尾灯用スイッチ154は、尾灯152の点消灯状態を制御するための手動のスイッチである。
【0026】
光検出装置100は、照度センサ1と、マイコン(マイクロコンピュータ)2と、通信回路3と、日射センサ4とを含んでいる。なお、光検出装置100の構造については、後で詳細に説明する。また、照度センサ1は、本発明の「第1の光検出素子」の一例であり、マイコン2は、本発明の「第1の信号処理部」の一例である。また、日射センサ4は、本発明の「第2の光検出素子」の一例である。
【0027】
照度センサ1は、車両150の周囲の照度を検出する。マイコン2は、CPU、ROM、およびRAMなどにより構成されており、照度センサ1の検出結果に基づいて、前照灯151および尾灯152を制御する制御信号(点灯指令または消灯指令)を車両制御部156に出力する。
【0028】
具体的には、マイコン2は、照度センサ1により検出される照度が所定の閾値よりも小さい場合に、車両150の周囲が暗いと判断して、前照灯151および尾灯152の点灯指令を出力する。また、マイコン2は、照度センサ1により検出される照度が所定の閾値よりも大きい場合に、車両150の周囲が明るいと判断して、前照灯151および尾灯152の消灯指令を出力する。すなわち、照度センサ1およびマイコン2は、前照灯151および尾灯152の点消灯状態を自動的に制御するオートライト制御装置を構成する。
【0029】
通信回路3は、たとえば、CAN(Controller Area Network)トランシーバであり、車両制御部156などとデジタル通信するために設けられている。たとえば、通信回路3は、点灯指令および消灯指令(マイコン2からの処理信号)をデジタル信号で車両制御部156に送信する。
【0030】
日射センサ4は、車外から車内に入射する日射量を検出する。エアコン155は、車両150の室内の温度を調節するために設けられている。このエアコン155は、日射センサ4の検出結果に基づいて、車両150の搭乗者が受ける熱量を判断し、車両150の室内の温度を自動的に調整することが可能なように構成されている。
【0031】
車両制御部156は、通信回路156aと、マイコン156bとを含んでいる。通信回路156aは、たとえば、CANトランシーバであり、光検出装置100などとデジタル通信するために設けられている。たとえば、通信回路156aは、光検出装置100から送信される点灯指令および消灯指令を受信する。
【0032】
マイコン156bは、CPU、ROM、およびRAMなどにより構成されており、車両150の動作を制御する。たとえば、マイコン156bは、前照灯用スイッチ153から点灯指令が入力された場合に、前照灯151を点灯し、前照灯用スイッチ153から消灯指令が入力された場合に、前照灯151を消灯する。また、マイコン156bは、尾灯用スイッチ154から点灯指令が入力された場合に、尾灯152を点灯し、尾灯用スイッチ154から消灯指令が入力された場合に、尾灯152を消灯する。
【0033】
また、マイコン156bは、光検出装置100から送信される点灯指令を通信回路156aが受信した場合に、前照灯151および尾灯152を点灯し、光検出装置100から送信される消灯指令を通信回路156aが受信した場合に、前照灯151および尾灯152を消灯する。
【0034】
次に、図2〜図6を参照して、本発明の一実施形態による光検出装置100の構造について説明する。
【0035】
本実施形態による光検出装置100(図2参照)は、図3に示すように、車両150のダッシュボード157に形成された取付孔157aに挿入されている。この光検出装置100は、図4に示すように、プリント配線基板10および20と、保持部材30と、コネクタ部40と、筐体50とを含んでいる。なお、プリント配線基板10および20は、それぞれ、本発明の「第1の基板」および「第2の基板」の一例である。
【0036】
プリント配線基板10には、照度センサ1および日射センサ4が実装されている。また、プリント配線基板10には、プリント配線基板20と電気的に接続するための接続孔11と、位置決め用の位置決め孔12とが形成されている。接続孔11は、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、8個)形成されている。
【0037】
プリント配線基板20には、マイコン2(図3参照)と、通信回路3とが実装されている。また、プリント配線基板20には、プリント配線基板10と電気的に接続するための接続孔21と、コネクタ部40の接続端子42が電気的に接続される接続孔22とが形成されている。接続孔21は、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、8個)形成されている。接続孔22は、複数の接続孔21の下方に、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、7個)形成されている。
【0038】
保持部材30は、図5に示すように、プリント配線基板10をZ方向と直交するように保持するとともに、プリント配線基板20をY方向と直交するように保持する。これにより、プリント配線基板10が配置される平面と、プリント配線基板20が配置される平面とが直交する。また、保持部材30は、コネクタ部40も保持する。
【0039】
この保持部材30は、図4に示すように、樹脂により形成された保持部材本体31と、プリント配線基板10および20を電気的に接続するための接続ピン32とを有する。保持部材本体31は、一対の側板部31aと、一対の側板部31aを連結する連結部31bおよび31cとを有する。
【0040】
一対の側板部31aには、コネクタ部40を保持するための係合部311aが形成されるとともに、保持部材30を筐体50に取り付けるための係合部312aが形成されている。係合部311aは、X方向において内側に突出するように形成されている。係合部312aは、X方向において外側に突出するように形成されている。
【0041】
また、一対の側板部31aの上端部には、一対の側板部31a間にプリント配線基板10を配置するための段差部313aが形成されている。また、一対の側板部31aの下端部には、側方に突出する突出部314aが形成されている。
【0042】
連結部31bは、一対の側板部31aの下端部に形成されるとともに、Y方向の一方側に突出するように形成されている。連結部31bは、プリント配線基板20と当接する当接部311bと、コネクタ部40の位置決め用の位置決め部312bとを有する。
【0043】
連結部31cは、接続ピン32が配置される溝部311cと、接続ピン32が挿入される挿入孔312cとを有する。溝部311cおよび挿入孔312cは、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、8個)形成されている。溝部311c(図6参照)は、Z方向に延びるように形成され、挿入孔312c(図4参照)は、Y方向に延びるように形成されている。
【0044】
また、連結部31cは、コネクタ部40の接続端子42が挿入される挿入孔313cと、プリント配線基板20と当接する当接部314cと、プリント配線基板10の位置決め用の位置決めピン315cとを有する。挿入孔313cは、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、7個)形成されるとともに、Y方向に延びるように形成されている。位置決めピン315cは、Z方向に延びるように形成されており、プリント配線基板10の位置決め孔12に挿入されている。
【0045】
接続ピン32は、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、8個)設けられている。接続ピン32は、図3に示すように、側面視においてL字状に形成されており、保持部材本体31に取り付けられている。この接続ピン32では、一方端部がプリント配線基板10の接続孔11に挿入された状態で半田付けされるとともに、他方端部がプリント配線基板20の接続孔21に挿入された状態で半田付けされている。
【0046】
コネクタ部40は、車両制御部156(図1参照)などと通信するとともに、日射センサ4の検出結果をエアコン155(図1参照)に出力するために設けられている。このコネクタ部40は、プリント配線基板10の下方、かつ、プリント配線基板20の側方に配置されている。
【0047】
また、コネクタ部40は、樹脂により形成された箱部材41と、箱部材41に取り付けられた接続端子42とを有する。箱部材41は、下端部に開口部41aが形成されており、外部コネクタ(図示省略)を取り付け可能に構成されている。また、箱部材41には、図4に示すように、保持部材30の係合部311aと係合する係合部41bが形成されるとともに、保持部材30の位置決め部312bに配置される突出部41cが形成されている。
【0048】
接続端子42は、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、7個)設けられている。この接続端子42は、図3に示すように、側面視においてL字状に形成されており、一方端部がプリント配線基板20の接続孔22(図4参照)に挿入された状態で半田付けされている。
【0049】
筐体50は、樹脂により形成されるとともに、下端部が開口した箱状に形成されている。この筐体50には、プリント配線基板10および20とコネクタ部40とを保持する保持部材30が取り付けられている。これにより、プリント配線基板10および20と、保持部材30と、コネクタ部40とが筐体50の内部に収納されている。
【0050】
筐体50の上面50aには、日射センサ4用のレンズ50bと、照度センサ1用のレンズ50cとが形成されている。このレンズ50bおよび50cは、たとえば、入射光の赤外線成分のみを透過するレンズである。レンズ50bは、日射センサ4と対応するように、日射センサ4の上方に形成されている。レンズ50cは、照度センサ1と対応するように、照度センサ1の上方に形成されている。
【0051】
また、筐体50のX方向と直交する面50dには、下端部近傍に保持部材30の係合部312aと係合する係合孔50eが形成されるとともに、下端部に保持部材30の突出部314aが配置される切欠部50fが形成されている。また、筐体50のY方向と直交する面50gには、筐体50をダッシュボード157の取付孔157a(図3参照)に取り付けるための爪部50hが形成されている。
【0052】
次に、図2〜図8を参照して、本発明の一実施形態による光検出装置100の組立方法について説明する。
【0053】
まず、図4に示した状態から、コネクタ部40をY方向に移動させることにより、コネクタ部40の接続端子42を保持部材30の挿入孔313cに挿入する。その後、コネクタ部40をさらにY方向に移動させることにより、図7に示すように、コネクタ部40の突出部41cが保持部材30の位置決め部312bに配置されるとともに、コネクタ部40の係合部41bが保持部材30の係合部311aと係合する。これにより、コネクタ部40が保持部材30に取り付けられる。
【0054】
次に、図7に示した状態から、プリント配線基板20をY方向に移動させることにより、プリント配線基板20の接続孔21に保持部材30の接続ピン32を挿入するとともに、プリント配線基板20の接続孔22にコネクタ部40の接続端子42を挿入する。そして、プリント配線基板20が保持部材30の当接部311bおよび314cと当接するまで、プリント配線基板20をY方向に移動させる。その後、プリント配線基板20が保持部材30の当接部311bおよび314cと当接した状態で、接続ピン32をプリント配線基板20に半田付けするとともに、接続端子42をプリント配線基板20に半田付けする。これにより、図8に示すように、プリント配線基板20がY方向と直交するように保持部材30に取り付けられる。
【0055】
次に、図8に示した状態から、プリント配線基板10をZ方向に移動させることにより、プリント配線基板10の位置決め孔12に保持部材30の位置決めピン315cを挿入するとともに、プリント配線基板10の接続孔11に保持部材30の接続ピン32を挿入する。そして、プリント配線基板10が保持部材30の段差部313aに配置されるまで、プリント配線基板10をZ方向に移動させる。その後、プリント配線基板10が保持部材30の段差部313aに配置された状態で、接続ピン32をプリント配線基板10に半田付けする。これにより、図5に示すように、プリント配線基板10がZ方向と直交するように保持部材30に取り付けられる。
【0056】
次に、プリント配線基板10および20とコネクタ部40とを保持する保持部材30を筐体50(図4参照)の下端部に形成された開口から挿入する。そして、保持部材30の係合部312aが筐体50の係合孔50eに係合することにより、図2に示すように、プリント配線基板10および20とコネクタ部40とを保持する保持部材30が筐体50に取り付けられる。このとき、保持部材30の突出部314aが筐体50の切欠部50fに配置される。
【0057】
本実施形態では、上記のように、照度センサ1が実装されるプリント配線基板10と、マイコン2が実装されるプリント配線基板20とを別々に設け、プリント配線基板10が配置される平面と異なる平面にプリント配線基板20を配置する。このように構成することによって、プリント配線基板10および20が立体的に配置されるので、照度センサとマイコンとを1枚のプリント配線基板に実装する場合に比べて、光検出装置100の小型化を図ることができる。また、プリント配線基板10および20を保持する保持部材30を設けることによって、プリント配線基板10および20を保持部材30に取り付けた後、保持部材30を筐体50に収納することができる。これによって、筐体50への収納が容易となる。その結果、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、プリント配線基板10が配置される平面と、プリント配線基板20が配置される平面とが直交することによって、光検出装置100を効果的に小型化することができる。
【0059】
また、本実施形態では、プリント配線基板10の下方、かつ、プリント配線基板20の側方にコネクタ部40を配置することによって、プリント配線基板10および20により形成される直方体状の空間を有効に利用して、光検出装置100の小型化を図りながら、コネクタ部40を設けることができる。
【0060】
また、本実施形態では、点灯指令および消灯指令をデジタル信号で車両制御部156に送信する通信回路3を設けることによって、照度センサ1の検出結果をアナログ信号で出力する場合に比べて、ノイズの影響を受けるのを抑制することができる。これにより、オートライト制御の信頼性が低下するのを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、照度センサ1が実装されるプリント配線基板10に日射センサ4も実装することによって、エアコン155を制御するための光検出装置を別個に設けることなく、車両150の室内の温度を自動的に調整することができる。
【0062】
また、本実施形態では、保持部材30に係合部312aが形成されるとともに、筐体50に係合孔50eが形成されている。このため、保持部材30の係合部312aを筐体50の係合孔50eに係合させることにより、接着剤などを用いることなく、保持部材30を筐体50に容易に取り付けることができる。
【0063】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記実施形態では、プリント配線基板10が配置される平面と、プリント配線基板20が配置される平面とが直交する例を示したが、これに限らず、プリント配線基板10が配置される平面と異なる平面にプリント配線基板20が配置されていればよい。たとえば、プリント配線基板10の下方に、当該基板10と平行にプリント配線基板20が配置されていてもよい。この場合、Z方向からみた両基板10、20の各投影面が完全に重なっていてもよいし、一部がずれていてもよい。また、プリント配線基板20がプリント配線基板10に対して傾斜するように配置されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、照度センサ1および日射センサ4がプリント配線基板10に実装される例を示したが、これに限らず、照度センサ1のみがプリント配線基板10に実装されていてもよい。また、日射センサ(第1の光検出素子)4のみがプリント配線基板10に実装されていてもよい。この場合、プリント配線基板20には、オートライト制御装置を構成するマイコン2に替えて、オートエアコン制御用のマイコン(第1の信号処理部)を実装する。
【0065】
また、上記実施形態において、図9に示した第1変形例による光検出装置200のように、プリント配線基板20にマイコン2に加えてオートエアコン制御用のマイコン201が実装されていてもよい。なお、マイコン201は、本発明の「第2の信号処理部」の一例である。このように構成すれば、オートエアコン制御用の制御信号をデジタル信号で出力することができるので、日射センサ4の検出結果をアナログ信号で出力する場合に比べて、ノイズの影響を受けるのを抑制することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、プリント配線基板10に接続ピン32を半田付けするとともに、プリント配線基板20に接続ピン32および接続端子42を半田付けする例を示したが、これに限らず、図10に示した第2変形例による光検出装置300のように、プリント配線基板10に接続ピン32が挿入されるコネクタ301を実装し、プリント配線基板20に接続ピン32および接続端子42が挿入されるコネクタ302を実装するようにしてもよい。また、図11に示した第3変形例による光検出装置400のように、プリント配線基板10に押し付け接触型のコネクタ401を実装し、プリント配線基板20に押し付け接触型のコネクタ402を実装するようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、プリント配線基板10および20を接続ピン32により接続する例を示したが、これに限らず、図12に示した第4変形例による光検出装置500のように、プリント配線基板10および20をフレキシブルプリント配線板501により接続するようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態において、図13に示した第5変形例による光検出装置600のように、コネクタ部40を挟んでプリント配線基板20と対向するように配置されたプリント配線基板601と、プリント配線基板601に実装されたオートエアコン制御用のマイコン602と、プリント配線基板601とプリント配線基板10とを電気的に接続するための接続ピン603と、プリント配線基板601とプリント配線基板20とを電気的に接続するための接続ピン604とをさらに備えていてもよい。なお、プリント配線基板601は、本発明の「第3の基板」の一例であり、マイコン602は、本発明の「第2の信号処理部」の一例である。
【0069】
また、上記実施形態では、筐体50の上面50aに、日射センサ4用のレンズ50bと、照度センサ1用のレンズ50cとが形成される例を示したが、これに限らず、筐体50の上面50aに、日射センサ4用のレンズ50bと、照度センサ1用のレンズ50cとが着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、前照灯用スイッチ153が、前照灯151の点灯指令または消灯指令を車両制御部156に出力する例を示したが、これに限らず、前照灯用スイッチ153が、前照灯151に点灯指令または消灯指令を直接出力するようにしてもよい。なお、尾灯用スイッチ154についても同様である。
【符号の説明】
【0071】
1 照度センサ(第1の光検出素子)
2 マイコン(第1の信号処理部)
3 通信回路
4 日射センサ(第2の光検出素子)
10 プリント配線基板(第1の基板)
20 プリント配線基板(第2の基板)
30 保持部材
40 コネクタ部
50 筐体
100、200、300、400、500、600 光検出装置
150 車両
201、602 マイコン(第2の信号処理部)
312a 係合部
601 プリント配線基板(第3の基板)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のエアコンを自動的に制御するために、車両に設けられた光検出装置が知られている。この光検出装置は、車外から車内に入射する日射量を検出する日射センサを有する。そして、光検出装置が設けられた車両では、日射センサの検出結果に基づいて車両の搭乗者が受ける熱量が判断され、その判断された熱量に応じてエアコンが制御される。
【0003】
また、従来では、車両の灯火を自動的に制御するために、車両に設けられた光検出装置も知られている(たとえば、特許文献1参照)。この光検出装置は、車両の周囲の照度を検出する照度センサを有する。そして、光検出装置が設けられた車両では、照度センサの検出結果に応じて灯火が制御される。
【0004】
上記特許文献1の光検出装置は、照度センサが取り付けられる基板と、基板を収納するケースとを有する。基板には、集積回路が設けられるとともに、リード線が接続されるコネクタ部が設けられている。そして、基板は、ケースの内壁に形成されたガイドレールに沿って収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3504407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された光検出装置では、照度センサと集積回路とが1枚の基板に設けられているので、小型化を図るのが困難であるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するものであって、その目的とするところは、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることが可能な光検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光検出装置は、車両に設けられる光検出装置であって、光を検出する第1の光検出素子と、第1の光検出素子の検出結果に基づいて所定の処理を行う第1の信号処理部と、第1の光検出素子が実装される第1の基板と、第1の信号処理部が実装される第2の基板と、第1の基板および第2の基板を保持する保持部材と、保持部材を収納する筐体とを備え、保持部材は、第1の基板が配置される平面と異なる平面に、第2の基板が配置されるように、第1の基板および第2の基板を保持する。
【0009】
このように、第1の光検出素子が実装される第1の基板と、第1の信号処理部が実装される第2の基板とを別々に設け、第1の基板が配置される平面と異なる平面に第2の基板を配置することによって、第1の基板および第2の基板が立体的に配置されるので、第1の光検出素子と第1の信号処理部とを1枚の基板に実装する場合に比べて、光検出装置の小型化を図ることができる。また、第1の基板および第2の基板を保持する保持部材を設けることによって、第1の基板および第2の基板を保持部材に取り付けた後、保持部材を筐体に収納することができる。これによって、筐体への収納が容易となる。その結果、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることができる。
【0010】
上記光検出装置において、保持部材は、第1の基板が配置される平面と、第2の基板が配置される平面とが直交するように、第1の基板および第2の基板を保持するようにしてもよい。
【0011】
上記光検出装置において、保持部材には、筐体と係合する係合部が形成されていてもよい。
【0012】
上記光検出装置において、保持部材に保持されるコネクタ部をさらに備え、保持部材は、第1の基板をコネクタ部の上方で保持するとともに、第2の基板をコネクタ部の側方で保持するようにしてもよい。
【0013】
上記光検出装置において、第2の基板に実装され、第1の信号処理部からの処理信号をデジタル信号で出力するための通信回路をさらに備えていてもよい。
【0014】
上記光検出装置において、光を検出する第2の光検出素子をさらに備え、第2の光検出素子は、第1の基板に実装されていてもよい。
【0015】
この場合において、第2の光検出素子の検出結果に基づいて所定の処理を行う第2の信号処理部をさらに備えていてもよい。
【0016】
上記第2の信号処理部を備えた光検出装置において、第2の信号処理部は、第2の基板に実装されていてもよい。
【0017】
上記第2の信号処理部を備えた光検出装置において、第2の信号処理部が実装される第3の基板をさらに備え、保持部材は、第1の基板が配置される平面と異なる平面に、第3の基板が配置されるように、第3の基板を保持するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることが可能な光検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による光検出装置および車両の構成を示したブロック図である。
【図2】図1の光検出装置の構造を示した斜視図である。
【図3】図2の光検出装置がダッシュボードに取り付けられた状態の1000−1000線に沿った断面図である。
【図4】図2の光検出装置の構造を示した分解斜視図である。
【図5】図2の光検出装置の筐体を取り外した状態を示した斜視図である。
【図6】図2の光検出装置の保持部材およびコネクタ部を示した分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による光検出装置の組立方法を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態による光検出装置の組立方法を説明するための斜視図である。
【図9】本実施形態の第1変形例による光検出装置を示した断面図である。
【図10】本実施形態の第2変形例による光検出装置を示した断面図である。
【図11】本実施形態の第3変形例による光検出装置を示した断面図である。
【図12】本実施形態の第4変形例による光検出装置を示した断面図である。
【図13】本実施形態の第5変形例による光検出装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による光検出装置100および車両150の構成について説明する。
【0022】
車両150は、図1に示すように、前照灯(ヘッドライト)151と、尾灯(テールライト)152と、前照灯用スイッチ153と、尾灯用スイッチ154と、光検出装置100と、エアコン(エアコンディショナー)155と、車両制御部156とを備えている。
【0023】
車両150は、たとえば、自動四輪車である。前照灯151は、車両150の前端部に設けられている。この前照灯151は、運転手(搭乗者)が車両150の前方を視認可能なように照らすために設けられている。尾灯152は、車両150の後端部に設けられている。この尾灯152は、自車の存在を後続車に知らせるために設けられている。
【0024】
前照灯用スイッチ153は、運転手により操作されることによって、前照灯151の点灯指令または消灯指令を車両制御部156に出力する。すなわち、前照灯用スイッチ153は、前照灯151の点消灯状態を制御するための手動のスイッチである。
【0025】
尾灯用スイッチ154は、運転手により操作されることによって、尾灯152の点灯指令または消灯指令を車両制御部156に出力する。すなわち、尾灯用スイッチ154は、尾灯152の点消灯状態を制御するための手動のスイッチである。
【0026】
光検出装置100は、照度センサ1と、マイコン(マイクロコンピュータ)2と、通信回路3と、日射センサ4とを含んでいる。なお、光検出装置100の構造については、後で詳細に説明する。また、照度センサ1は、本発明の「第1の光検出素子」の一例であり、マイコン2は、本発明の「第1の信号処理部」の一例である。また、日射センサ4は、本発明の「第2の光検出素子」の一例である。
【0027】
照度センサ1は、車両150の周囲の照度を検出する。マイコン2は、CPU、ROM、およびRAMなどにより構成されており、照度センサ1の検出結果に基づいて、前照灯151および尾灯152を制御する制御信号(点灯指令または消灯指令)を車両制御部156に出力する。
【0028】
具体的には、マイコン2は、照度センサ1により検出される照度が所定の閾値よりも小さい場合に、車両150の周囲が暗いと判断して、前照灯151および尾灯152の点灯指令を出力する。また、マイコン2は、照度センサ1により検出される照度が所定の閾値よりも大きい場合に、車両150の周囲が明るいと判断して、前照灯151および尾灯152の消灯指令を出力する。すなわち、照度センサ1およびマイコン2は、前照灯151および尾灯152の点消灯状態を自動的に制御するオートライト制御装置を構成する。
【0029】
通信回路3は、たとえば、CAN(Controller Area Network)トランシーバであり、車両制御部156などとデジタル通信するために設けられている。たとえば、通信回路3は、点灯指令および消灯指令(マイコン2からの処理信号)をデジタル信号で車両制御部156に送信する。
【0030】
日射センサ4は、車外から車内に入射する日射量を検出する。エアコン155は、車両150の室内の温度を調節するために設けられている。このエアコン155は、日射センサ4の検出結果に基づいて、車両150の搭乗者が受ける熱量を判断し、車両150の室内の温度を自動的に調整することが可能なように構成されている。
【0031】
車両制御部156は、通信回路156aと、マイコン156bとを含んでいる。通信回路156aは、たとえば、CANトランシーバであり、光検出装置100などとデジタル通信するために設けられている。たとえば、通信回路156aは、光検出装置100から送信される点灯指令および消灯指令を受信する。
【0032】
マイコン156bは、CPU、ROM、およびRAMなどにより構成されており、車両150の動作を制御する。たとえば、マイコン156bは、前照灯用スイッチ153から点灯指令が入力された場合に、前照灯151を点灯し、前照灯用スイッチ153から消灯指令が入力された場合に、前照灯151を消灯する。また、マイコン156bは、尾灯用スイッチ154から点灯指令が入力された場合に、尾灯152を点灯し、尾灯用スイッチ154から消灯指令が入力された場合に、尾灯152を消灯する。
【0033】
また、マイコン156bは、光検出装置100から送信される点灯指令を通信回路156aが受信した場合に、前照灯151および尾灯152を点灯し、光検出装置100から送信される消灯指令を通信回路156aが受信した場合に、前照灯151および尾灯152を消灯する。
【0034】
次に、図2〜図6を参照して、本発明の一実施形態による光検出装置100の構造について説明する。
【0035】
本実施形態による光検出装置100(図2参照)は、図3に示すように、車両150のダッシュボード157に形成された取付孔157aに挿入されている。この光検出装置100は、図4に示すように、プリント配線基板10および20と、保持部材30と、コネクタ部40と、筐体50とを含んでいる。なお、プリント配線基板10および20は、それぞれ、本発明の「第1の基板」および「第2の基板」の一例である。
【0036】
プリント配線基板10には、照度センサ1および日射センサ4が実装されている。また、プリント配線基板10には、プリント配線基板20と電気的に接続するための接続孔11と、位置決め用の位置決め孔12とが形成されている。接続孔11は、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、8個)形成されている。
【0037】
プリント配線基板20には、マイコン2(図3参照)と、通信回路3とが実装されている。また、プリント配線基板20には、プリント配線基板10と電気的に接続するための接続孔21と、コネクタ部40の接続端子42が電気的に接続される接続孔22とが形成されている。接続孔21は、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、8個)形成されている。接続孔22は、複数の接続孔21の下方に、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、7個)形成されている。
【0038】
保持部材30は、図5に示すように、プリント配線基板10をZ方向と直交するように保持するとともに、プリント配線基板20をY方向と直交するように保持する。これにより、プリント配線基板10が配置される平面と、プリント配線基板20が配置される平面とが直交する。また、保持部材30は、コネクタ部40も保持する。
【0039】
この保持部材30は、図4に示すように、樹脂により形成された保持部材本体31と、プリント配線基板10および20を電気的に接続するための接続ピン32とを有する。保持部材本体31は、一対の側板部31aと、一対の側板部31aを連結する連結部31bおよび31cとを有する。
【0040】
一対の側板部31aには、コネクタ部40を保持するための係合部311aが形成されるとともに、保持部材30を筐体50に取り付けるための係合部312aが形成されている。係合部311aは、X方向において内側に突出するように形成されている。係合部312aは、X方向において外側に突出するように形成されている。
【0041】
また、一対の側板部31aの上端部には、一対の側板部31a間にプリント配線基板10を配置するための段差部313aが形成されている。また、一対の側板部31aの下端部には、側方に突出する突出部314aが形成されている。
【0042】
連結部31bは、一対の側板部31aの下端部に形成されるとともに、Y方向の一方側に突出するように形成されている。連結部31bは、プリント配線基板20と当接する当接部311bと、コネクタ部40の位置決め用の位置決め部312bとを有する。
【0043】
連結部31cは、接続ピン32が配置される溝部311cと、接続ピン32が挿入される挿入孔312cとを有する。溝部311cおよび挿入孔312cは、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、8個)形成されている。溝部311c(図6参照)は、Z方向に延びるように形成され、挿入孔312c(図4参照)は、Y方向に延びるように形成されている。
【0044】
また、連結部31cは、コネクタ部40の接続端子42が挿入される挿入孔313cと、プリント配線基板20と当接する当接部314cと、プリント配線基板10の位置決め用の位置決めピン315cとを有する。挿入孔313cは、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、7個)形成されるとともに、Y方向に延びるように形成されている。位置決めピン315cは、Z方向に延びるように形成されており、プリント配線基板10の位置決め孔12に挿入されている。
【0045】
接続ピン32は、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、8個)設けられている。接続ピン32は、図3に示すように、側面視においてL字状に形成されており、保持部材本体31に取り付けられている。この接続ピン32では、一方端部がプリント配線基板10の接続孔11に挿入された状態で半田付けされるとともに、他方端部がプリント配線基板20の接続孔21に挿入された状態で半田付けされている。
【0046】
コネクタ部40は、車両制御部156(図1参照)などと通信するとともに、日射センサ4の検出結果をエアコン155(図1参照)に出力するために設けられている。このコネクタ部40は、プリント配線基板10の下方、かつ、プリント配線基板20の側方に配置されている。
【0047】
また、コネクタ部40は、樹脂により形成された箱部材41と、箱部材41に取り付けられた接続端子42とを有する。箱部材41は、下端部に開口部41aが形成されており、外部コネクタ(図示省略)を取り付け可能に構成されている。また、箱部材41には、図4に示すように、保持部材30の係合部311aと係合する係合部41bが形成されるとともに、保持部材30の位置決め部312bに配置される突出部41cが形成されている。
【0048】
接続端子42は、X方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では、7個)設けられている。この接続端子42は、図3に示すように、側面視においてL字状に形成されており、一方端部がプリント配線基板20の接続孔22(図4参照)に挿入された状態で半田付けされている。
【0049】
筐体50は、樹脂により形成されるとともに、下端部が開口した箱状に形成されている。この筐体50には、プリント配線基板10および20とコネクタ部40とを保持する保持部材30が取り付けられている。これにより、プリント配線基板10および20と、保持部材30と、コネクタ部40とが筐体50の内部に収納されている。
【0050】
筐体50の上面50aには、日射センサ4用のレンズ50bと、照度センサ1用のレンズ50cとが形成されている。このレンズ50bおよび50cは、たとえば、入射光の赤外線成分のみを透過するレンズである。レンズ50bは、日射センサ4と対応するように、日射センサ4の上方に形成されている。レンズ50cは、照度センサ1と対応するように、照度センサ1の上方に形成されている。
【0051】
また、筐体50のX方向と直交する面50dには、下端部近傍に保持部材30の係合部312aと係合する係合孔50eが形成されるとともに、下端部に保持部材30の突出部314aが配置される切欠部50fが形成されている。また、筐体50のY方向と直交する面50gには、筐体50をダッシュボード157の取付孔157a(図3参照)に取り付けるための爪部50hが形成されている。
【0052】
次に、図2〜図8を参照して、本発明の一実施形態による光検出装置100の組立方法について説明する。
【0053】
まず、図4に示した状態から、コネクタ部40をY方向に移動させることにより、コネクタ部40の接続端子42を保持部材30の挿入孔313cに挿入する。その後、コネクタ部40をさらにY方向に移動させることにより、図7に示すように、コネクタ部40の突出部41cが保持部材30の位置決め部312bに配置されるとともに、コネクタ部40の係合部41bが保持部材30の係合部311aと係合する。これにより、コネクタ部40が保持部材30に取り付けられる。
【0054】
次に、図7に示した状態から、プリント配線基板20をY方向に移動させることにより、プリント配線基板20の接続孔21に保持部材30の接続ピン32を挿入するとともに、プリント配線基板20の接続孔22にコネクタ部40の接続端子42を挿入する。そして、プリント配線基板20が保持部材30の当接部311bおよび314cと当接するまで、プリント配線基板20をY方向に移動させる。その後、プリント配線基板20が保持部材30の当接部311bおよび314cと当接した状態で、接続ピン32をプリント配線基板20に半田付けするとともに、接続端子42をプリント配線基板20に半田付けする。これにより、図8に示すように、プリント配線基板20がY方向と直交するように保持部材30に取り付けられる。
【0055】
次に、図8に示した状態から、プリント配線基板10をZ方向に移動させることにより、プリント配線基板10の位置決め孔12に保持部材30の位置決めピン315cを挿入するとともに、プリント配線基板10の接続孔11に保持部材30の接続ピン32を挿入する。そして、プリント配線基板10が保持部材30の段差部313aに配置されるまで、プリント配線基板10をZ方向に移動させる。その後、プリント配線基板10が保持部材30の段差部313aに配置された状態で、接続ピン32をプリント配線基板10に半田付けする。これにより、図5に示すように、プリント配線基板10がZ方向と直交するように保持部材30に取り付けられる。
【0056】
次に、プリント配線基板10および20とコネクタ部40とを保持する保持部材30を筐体50(図4参照)の下端部に形成された開口から挿入する。そして、保持部材30の係合部312aが筐体50の係合孔50eに係合することにより、図2に示すように、プリント配線基板10および20とコネクタ部40とを保持する保持部材30が筐体50に取り付けられる。このとき、保持部材30の突出部314aが筐体50の切欠部50fに配置される。
【0057】
本実施形態では、上記のように、照度センサ1が実装されるプリント配線基板10と、マイコン2が実装されるプリント配線基板20とを別々に設け、プリント配線基板10が配置される平面と異なる平面にプリント配線基板20を配置する。このように構成することによって、プリント配線基板10および20が立体的に配置されるので、照度センサとマイコンとを1枚のプリント配線基板に実装する場合に比べて、光検出装置100の小型化を図ることができる。また、プリント配線基板10および20を保持する保持部材30を設けることによって、プリント配線基板10および20を保持部材30に取り付けた後、保持部材30を筐体50に収納することができる。これによって、筐体50への収納が容易となる。その結果、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、プリント配線基板10が配置される平面と、プリント配線基板20が配置される平面とが直交することによって、光検出装置100を効果的に小型化することができる。
【0059】
また、本実施形態では、プリント配線基板10の下方、かつ、プリント配線基板20の側方にコネクタ部40を配置することによって、プリント配線基板10および20により形成される直方体状の空間を有効に利用して、光検出装置100の小型化を図りながら、コネクタ部40を設けることができる。
【0060】
また、本実施形態では、点灯指令および消灯指令をデジタル信号で車両制御部156に送信する通信回路3を設けることによって、照度センサ1の検出結果をアナログ信号で出力する場合に比べて、ノイズの影響を受けるのを抑制することができる。これにより、オートライト制御の信頼性が低下するのを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、照度センサ1が実装されるプリント配線基板10に日射センサ4も実装することによって、エアコン155を制御するための光検出装置を別個に設けることなく、車両150の室内の温度を自動的に調整することができる。
【0062】
また、本実施形態では、保持部材30に係合部312aが形成されるとともに、筐体50に係合孔50eが形成されている。このため、保持部材30の係合部312aを筐体50の係合孔50eに係合させることにより、接着剤などを用いることなく、保持部材30を筐体50に容易に取り付けることができる。
【0063】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記実施形態では、プリント配線基板10が配置される平面と、プリント配線基板20が配置される平面とが直交する例を示したが、これに限らず、プリント配線基板10が配置される平面と異なる平面にプリント配線基板20が配置されていればよい。たとえば、プリント配線基板10の下方に、当該基板10と平行にプリント配線基板20が配置されていてもよい。この場合、Z方向からみた両基板10、20の各投影面が完全に重なっていてもよいし、一部がずれていてもよい。また、プリント配線基板20がプリント配線基板10に対して傾斜するように配置されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、照度センサ1および日射センサ4がプリント配線基板10に実装される例を示したが、これに限らず、照度センサ1のみがプリント配線基板10に実装されていてもよい。また、日射センサ(第1の光検出素子)4のみがプリント配線基板10に実装されていてもよい。この場合、プリント配線基板20には、オートライト制御装置を構成するマイコン2に替えて、オートエアコン制御用のマイコン(第1の信号処理部)を実装する。
【0065】
また、上記実施形態において、図9に示した第1変形例による光検出装置200のように、プリント配線基板20にマイコン2に加えてオートエアコン制御用のマイコン201が実装されていてもよい。なお、マイコン201は、本発明の「第2の信号処理部」の一例である。このように構成すれば、オートエアコン制御用の制御信号をデジタル信号で出力することができるので、日射センサ4の検出結果をアナログ信号で出力する場合に比べて、ノイズの影響を受けるのを抑制することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、プリント配線基板10に接続ピン32を半田付けするとともに、プリント配線基板20に接続ピン32および接続端子42を半田付けする例を示したが、これに限らず、図10に示した第2変形例による光検出装置300のように、プリント配線基板10に接続ピン32が挿入されるコネクタ301を実装し、プリント配線基板20に接続ピン32および接続端子42が挿入されるコネクタ302を実装するようにしてもよい。また、図11に示した第3変形例による光検出装置400のように、プリント配線基板10に押し付け接触型のコネクタ401を実装し、プリント配線基板20に押し付け接触型のコネクタ402を実装するようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、プリント配線基板10および20を接続ピン32により接続する例を示したが、これに限らず、図12に示した第4変形例による光検出装置500のように、プリント配線基板10および20をフレキシブルプリント配線板501により接続するようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態において、図13に示した第5変形例による光検出装置600のように、コネクタ部40を挟んでプリント配線基板20と対向するように配置されたプリント配線基板601と、プリント配線基板601に実装されたオートエアコン制御用のマイコン602と、プリント配線基板601とプリント配線基板10とを電気的に接続するための接続ピン603と、プリント配線基板601とプリント配線基板20とを電気的に接続するための接続ピン604とをさらに備えていてもよい。なお、プリント配線基板601は、本発明の「第3の基板」の一例であり、マイコン602は、本発明の「第2の信号処理部」の一例である。
【0069】
また、上記実施形態では、筐体50の上面50aに、日射センサ4用のレンズ50bと、照度センサ1用のレンズ50cとが形成される例を示したが、これに限らず、筐体50の上面50aに、日射センサ4用のレンズ50bと、照度センサ1用のレンズ50cとが着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、前照灯用スイッチ153が、前照灯151の点灯指令または消灯指令を車両制御部156に出力する例を示したが、これに限らず、前照灯用スイッチ153が、前照灯151に点灯指令または消灯指令を直接出力するようにしてもよい。なお、尾灯用スイッチ154についても同様である。
【符号の説明】
【0071】
1 照度センサ(第1の光検出素子)
2 マイコン(第1の信号処理部)
3 通信回路
4 日射センサ(第2の光検出素子)
10 プリント配線基板(第1の基板)
20 プリント配線基板(第2の基板)
30 保持部材
40 コネクタ部
50 筐体
100、200、300、400、500、600 光検出装置
150 車両
201、602 マイコン(第2の信号処理部)
312a 係合部
601 プリント配線基板(第3の基板)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる光検出装置において、
光を検出する第1の光検出素子と、
前記第1の光検出素子の検出結果に基づいて所定の処理を行う第1の信号処理部と、
前記第1の光検出素子が実装される第1の基板と、
前記第1の信号処理部が実装される第2の基板と、
前記第1の基板および前記第2の基板を保持する保持部材と、
前記保持部材を収納する筐体と、を備え、
前記保持部材は、前記第1の基板が配置される平面と異なる平面に、前記第2の基板が配置されるように、前記第1の基板および前記第2の基板を保持する、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光検出装置において、
前記保持部材は、前記第1の基板が配置される平面と、前記第2の基板が配置される平面とが直交するように、前記第1の基板および前記第2の基板を保持する、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光検出装置において、
前記保持部材には、前記筐体と係合する係合部が形成されている、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光検出装置において、
前記保持部材に保持されるコネクタ部をさらに備え、
前記保持部材は、前記第1の基板を前記コネクタ部の上方で保持するとともに、前記第2の基板を前記コネクタ部の側方で保持する、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光検出装置において、
前記第2の基板に実装され、前記第1の信号処理部からの処理信号をデジタル信号で出力するための通信回路をさらに備える、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光検出装置において、
光を検出する第2の光検出素子をさらに備え、
前記第2の光検出素子は、前記第1の基板に実装されている、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光検出装置において、
前記第2の光検出素子の検出結果に基づいて所定の処理を行う第2の信号処理部をさらに備える、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の光検出装置において、
前記第2の信号処理部は、前記第2の基板に実装されている、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項9】
請求項7に記載の光検出装置において、
前記第2の信号処理部が実装される第3の基板をさらに備え、
前記保持部材は、前記第1の基板が配置される平面と異なる平面に、前記第3の基板が配置されるように、前記第3の基板を保持する、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項1】
車両に設けられる光検出装置において、
光を検出する第1の光検出素子と、
前記第1の光検出素子の検出結果に基づいて所定の処理を行う第1の信号処理部と、
前記第1の光検出素子が実装される第1の基板と、
前記第1の信号処理部が実装される第2の基板と、
前記第1の基板および前記第2の基板を保持する保持部材と、
前記保持部材を収納する筐体と、を備え、
前記保持部材は、前記第1の基板が配置される平面と異なる平面に、前記第2の基板が配置されるように、前記第1の基板および前記第2の基板を保持する、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光検出装置において、
前記保持部材は、前記第1の基板が配置される平面と、前記第2の基板が配置される平面とが直交するように、前記第1の基板および前記第2の基板を保持する、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光検出装置において、
前記保持部材には、前記筐体と係合する係合部が形成されている、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光検出装置において、
前記保持部材に保持されるコネクタ部をさらに備え、
前記保持部材は、前記第1の基板を前記コネクタ部の上方で保持するとともに、前記第2の基板を前記コネクタ部の側方で保持する、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光検出装置において、
前記第2の基板に実装され、前記第1の信号処理部からの処理信号をデジタル信号で出力するための通信回路をさらに備える、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光検出装置において、
光を検出する第2の光検出素子をさらに備え、
前記第2の光検出素子は、前記第1の基板に実装されている、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光検出装置において、
前記第2の光検出素子の検出結果に基づいて所定の処理を行う第2の信号処理部をさらに備える、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の光検出装置において、
前記第2の信号処理部は、前記第2の基板に実装されている、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項9】
請求項7に記載の光検出装置において、
前記第2の信号処理部が実装される第3の基板をさらに備え、
前記保持部材は、前記第1の基板が配置される平面と異なる平面に、前記第3の基板が配置されるように、前記第3の基板を保持する、ことを特徴とする光検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−226946(P2011−226946A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97714(P2010−97714)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(510123839)オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 (110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(510123839)オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 (110)
【Fターム(参考)】
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