説明

光機能デバイス

【課題】石英系光波回路プロセス中で起こるシリコン基板のそりにより発生する複屈折性を無くすことと光機能デバイスの薄膜ヒータを構成する薄膜形成時の内部応力発生をゼロにすることで安定性や長期信頼性を向上させる。
【解決手段】シリコン基板102上に石英系光導波路101を形成後、シリコン基板102と石英系光導波路101の膨張係数の差に圧縮応力に伴うが、Ta薄膜100からなる絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成した、入出力ポートに3dBの方向性結合器と熱光学移相器を有するマッハツェンダ型干渉計構成の光スイッチ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信・光情報処理分野で使用される光機能デバイスを構成するシリコン基板上に形成された平面および3次元光導波路からなる石英系光波回路中の導波路内を伝播する光導波モードの位相を高精度に制御可能な熱光学効果を利用した光機能デバイスの特に、石英系光波回路プロセス中で起こるシリコン基板のそりにより発生する複屈折性を無くすことと光機能デバイスの薄膜ヒータを構成する薄膜形成時の内部応力発生をゼロにすることで安定性や長期信頼性に優れた光導波特性を有する光機能デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
熱光学現象は、第3回強誘電体応用会議20−O−6:渡辺隆弥“新しい電気光学光偏向器”,昭和56年5月25日に各種透明材料で、この現象の発見が報告されている。その後、各所で基板材料として石英ガラスやLiNbOを使用した研究が進められてきた。近年、光通信ネットワークに対し、各種光機能デバイスの高性能化や小型化・低コスト化に関する研究開発が盛んに行われ、信頼性・安定化に優れた石英系光導波路は、最近、兆速の進歩を遂げつつある。特にシリコン基板上に作製される石英系光導波路は、低損失であり、安定性および光ファイバとの整合性に優れているという特長を有し、商用化され実用的な光回路として機能する光導波回路の最有力手段となっている。構成する光機能デバイスの中でもデバイスの安定性や信頼性の面から、シリコンを基板とした2つの3dB方向性結合器と同一長のアーム光導波路からなる対称マッハツェンダ型の光スイッチが開発の主流となっている。この光スイッチは、シリコン基板上のクラッド中に埋め込まれたコアの真上に熱光学移相器シフターである薄膜ヒータのオン、またはオフにより、石英ガラスの熱光学効果を利用して光導波路に屈折率分布を起こし光導波路中の導波光に位相差を与えバー状態またはクロス状態を生じさせ光スイッチングを実現させるものである。これらの石英系熱光学光スイッチは、スイッチ素子の小型化と低消費電力化のために超高Δ導波路と断熱構造を適用して、波長多重(WDM)用石英系平面光波回路の必須のモジュールに成長している。
【非特許文献1】渡辺隆弥“新しい電気光学光偏向器”,第3回強誘電体応用会議20−O−6:昭和56年5月25日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、光機能デバイスの膜構造に関するものである。
従来のシリコン基板上に形成する石英系光導波回路の作製方法には、火炎加水分解堆積(FHD)法がある。(例えば、特許文献1参照。)
現在石英系光導波路の作製方法として採用されているFHD法は、酸水素バーナー中にSiClなどの原料ガスを流入させ火炎中で酸化反応を起こしSiO微粒子をシリコン基板上にアンダクラッド層とコア層を堆積させる方法である。SiO微粒子層が堆積されたシリコン基板を電気炉中で千数百℃に加熱し、ガラス微粒子を固溶させ透明なガラス層にする高温熱作業を必要とする。コア層をフォトリソグラフィで光導波路となるようにリッジ形状に加工後、再び火炎加水分解堆積法によってオーバークラッド層となるガラス微粒子をこのリッジ構造の光導波路を含むシリコン基板上に堆積させて、再び電気炉中で透明なガラスにする。基本的には、これらのFHD工程は窯業技術をベースにしている。光導波路の製作方法は、高温プロセスであるが、依然として旧方法であるFHD法に固定化されてきた。このFHD法は最低でも1000℃の高温処理を必要とすることから、シリコン基板には、アニール後の圧縮応力が残存する。結果として、シリコン基板がそる現象が見られる。例えば、図8に示すように、直径3インチのシリコン基板800上の石英系光導波路801が形成された導波路では、断面のX線トポグラフの観察から、残留応力は1.7×10dyn/cmとなることが報告されている。このため、導波光には複屈折現象が起こり、波長多重通信システムで使用されるデバイス化に当たっては、デバイスの波長無依存化が必須である。このため石英系光導波路の複屈折性を補償するための応力付与膜(α−Si膜)からなる複屈折コントローラが開発されてきた。しかしながら、64チャンネル以上のWDM通信システムの多重化の進展にともない6インチ以上の大口径シリコン基板が多用されている現状では、複屈折コントローラでの個々の石英系光導波路の複屈折性を補償する方法は技術的にも生産技術的にも対応出来なくなっている。
【特許文献1】特願昭58−147378公報(第7頁、第4図)
【非特許文献2】安光保他、310“シリコン基板上の石英系光導波路”,昭和59年電子通信学会光・電波部門全国大会(第1頁、図4)
【0004】
解決しようとする問題点として、デバイスの波長無依存化とさらには熱光学光スイッチや光フィルタを構成する熱光学移相器としての薄膜ヒータを形成する場合にも、シリコン基板上の石英系光導波路のそりは重大な問題である。シリコン基板上の石英系平面光波回路は、温度係数の異なったバイメタルである。さらに、シリコン基板の石英系平面光波回路上に作られた薄膜ヒータの薄膜もバイメタルである。しかも薄膜の形成過程では、薄膜原子のもつ運動エネルギー、凝縮エネルギーおよび蒸発源からの放射エネルギー、その他、薄膜形成プロセスに応じて、放電ガスの電磁気的エネルギー、反応ガスの化学的エネルギーなどが薄膜・基板系全体を加熱する。その結果その系の温度上昇は、真空蒸着法を用いたときは50〜100K、スパッタリング法で100〜250K、CVD法で400〜1000Kになる。薄膜を用いるときには、その系の温度上昇は室温になっていることが多いのであるから、高い温度で作られたバイメタルが低い温度で用いられることになり、薄膜内には薄膜と基板のヤング率の差、熱膨張率の差および低下した温度の三者に比例する内部応力が常に発生することになる。内部応力の原因の最とも本質的な部分は、表面自由エネルギーの異なる二つ物質が接触すれば必然的に現れるものである。ただ、単体の物体では、表面と裏面で同じ界面自由エネルギーすなわち内部応力が発生するから、基板の変形は生じない。しかし表面に薄膜が形成されると、表面自由エネルギーが表面と裏面で異なることから基板に曲がりを生じることになる。薄膜に発生する内部応力のはっきりしている原因を列記すると、
(1)薄膜・基板系の温度変化に伴うバイメタル効果
(2)薄膜の温度変化による体積変化
(3)薄膜形成過程における液相・固相の相変化による体積変化
(4)薄膜・基板間界面自由エネルギー
(5)薄膜の表面自由エネルギー
(6)薄膜粒間の自由エネルギー
となる。
薄膜の内部には、(1)〜(6)の原因で内部応力が生じる。(3)は薄膜の性質そのもののために生じる本質的なもので、この原因による応力を制御できない。(4)、(5)も薄膜、基板表面の性質で決まる原因であり、やはり本質的でこれによる応力は制御できない。
(1)、(2)は薄膜形成の条件に依存する原因であり、これらによる応力の大きさは条件に依存するので、ある程度制御が可能であるといえるが、ただ薄膜形成時に避けられない温度上昇に起因するので、それをゼロにすることはできない。また、多くの薄膜が多結晶状態にあることはよく知られている。結晶粒の大きさは薄膜形成時の条件と基板表面の状態に依存するので、(6)による応力はかなり大きく変えられるはずである。内部応力の原因は必ずしも(1)〜(6)によるものとは限らない。特に空孔や格子間原子などの点欠陥、空孔の集合体であるボイドなどの構造欠陥の状態が形成過程に依存するからである。真空蒸着膜やスパッタ膜の内部応力は、(1)〜(6)にあげた原因でおおむね目安をつけられることが多く、少なくとも、応力が引っ張りになるか圧縮になるかは薄膜と基板の物質でほとんど決まってしまい、よほど特殊な条件下でない限りそれが変わることはない。薄膜の内部応力は制御の対象になるというよりは実際はゼロになることが好ましい量である。これは部分的には薄膜の形成過程の選択によって小さくできるが、一般にいつでも可能というわけではない。そのようなときに、引っ張り応力を示す薄膜と圧縮応力を示す薄膜を重ねることにより、全体として応力を0に近づけることが可能となる場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光機能デバイスでは、
1.シリコン基板上に下部クラッド層、コア、上部クラッド層からなる石英系光導波回路が配置された熱光学効果を利用する干渉計型または分岐型の光機能デバイスにおいて、シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成し光導波路のコアの所定領域の真上に位置する引張応力薄膜上に設けられた薄膜ヒータを構成する薄膜が圧縮応力薄膜と引張応力薄膜を重ねてなることを特徴とする光機能デバイスである。
2.薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が蒸着法とスパッタ法のように異なる成膜プロセスからなる同一材料で構成される光機能デバイスである。
3.薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が異種材料からなる光機能デバイスである。
4.薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が異なる成膜プロセス条件からなるスパッタ法で作製された同一材料で構成される光機能デバイスである。
本発明の光機能デバイスは、石英系光導波回路表面に絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成して、シリコン基板上の石英系光導波回路に生じるそりを無くし、この歪みの無い石英系光導波回路上に歪みの無い薄膜ヒータから構成される光機能デバイスを実現していることから、波長依存性は無い。
【0006】
FDH法に限らず、シリコン基板上に形成される石英系光波回路で生じる複屈折現象の解決方法として、例えばSi(基板)−石英系PLC(SiO2)−Si系薄膜の組合せが理想的ではあるが、Si系薄膜であるα−Siは半導体的性質のために、この上に薄膜ヒータを形成するとリーク電流が生じる恐れがある。この解決策としては、α−Si薄膜上に下地に絶縁体薄膜を堆積させこの上に薄膜ヒータを構成することで、無ひずみ薄膜ヒータを実現することも可能である。もちろん、α−Si薄膜上の下地の絶縁体薄膜の引張応力は薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜でキャンセルさせていることは、言及するまでもない。
【発明の効果】
【0007】
以上のとおり、本発明で得られる光機能デバイスでは、石英系光導波回路表面に絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成して、シリコン基板上の石英系光導波回路に生じるそりを無くしている。本発明の光機能デバイスは、シリコン基板に内在していたそりをキャンセルしているために、複屈折現象を生じない。さらに、この歪みの無い石英系光導波回路上に歪みの無い薄膜ヒータから構成される熱光学移相器からなる光機能デバイスを実現していることから、まったく波長依存性は起こりようがない。本発明で得られる光機能デバイスでは、石英系光波回路プロセス中で起こるシリコン基板のそりにより発生する複屈折性を無くすことと薄膜ヒータを構成する薄膜形成時の内部応力発生をゼロにすることで安定性や長期信頼性に優れた光導波特性を有する光機能デバイスとして工業的にも完成され、多くの基幹光ネットワークや加入者系光ネットワークの構築に多大な貢献ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の光機能デバイスは、石英系光導波回路表面に絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成して、シリコン基板上の石英系光導波回路に生じるそりを無くし、この歪みの無い石英系光導波回路上に歪みの無い薄膜ヒータから構成される光機能デバイスを実現していることから、波長依存性は全く無い。シリコン基板上の石英系光導波路のそりをなくしていることから、残留応力が無いので信頼性にも、安定度であり、波長無依存性デバイスとして、さらには熱光学光スイッチや光フィルタを構成する熱光学移相器としての薄膜ヒータを形成する場合にも、残留応力をゼロにする薄膜構成であることを特長とする。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の基本となる光機能デバイスをウエハ上に形成した平面図である。シリコン基板102上に石英系光導波路101を形成後、シリコン基板102と石英系光導波路101の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、Ta薄膜100からなる絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、入出力ポートに3dBの方向性結合器と熱光学移相器を有するマッハツェンダ型干渉計構成の光スイッチ チップ103,104,105,106,107,108が形成されている。Taはイオンアシスト成膜において薄膜が結晶質になりにくくまた結晶粒界が生じにくいので界面に水分などが入りにくい安定な膜である。ここでは、光スイッチ チップ103,104,105,106,107,108の内、光スイッチ チップ103の構成について述べる。マッハツェンダ型干渉計構成の光スイッチ チップ103は、入力ポート(出力ポート)側の光導波路109,110と出力ポート(入力ポート)側の光導波路112,113と熱光学移相器111からなる。Ta薄膜100からなる絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板102上の石英系光導波回路102に与えるそりを無くし、この歪みの無い石英系光導波回路上に歪みの無い薄膜ヒータから構成される光機能デバイスを実現している。シリコン基板102に形成された光スイッチ チップ103の切断ライン114で、ダイシングソー等により、個々の光スイッチ チップ(103,104,105,106,107,108)に分割され、パッケージに収納されて光スイッチとなる。
【0010】
図2は、図1の本発明の光機能デバイスである光スイッチの断面から見た断面図である。図1の本発明の光機能デバイスである複数個の光スイッチの代表的な1つについて、図面を参考に説明する。シリコン基板200にFDH法で作製された石英系光導波回路206中にはコア部202,203が形成されている。FDH法のプロセスで生じる圧縮応力(−1.7×10dyn/cm)によるそりは、図3のイオンビームアシスト蒸着法で形成されるTa薄膜201(厚さ5000Å)にArアシスト(イオン出力電流300mA/cm)で+1.7×10dyn/cmの引っ張り応力をもつTa薄膜を形成する。このようにイオン出力電流を制御することで、絶縁体薄膜を石英系光導波回路206に堆積させ、引張応力薄膜を形成することで、そりを無くしている。熱光学位相シフターとして、絶縁体膜であるTa薄膜上に薄膜ヒータ電極としてCr膜を選択した。
図4はマグネトロンスパッタで形成されるCr膜の膜厚と圧縮応力依存特性である。スパッタリング条件は0.15Paでスパッタリングレート10Å/秒でのCr膜の内部応力は、−10.0×10dyn/cmで一定である。ここでは、Cr膜204は、1000Åにした。このスパッタリングしたCr膜204上に、蒸着法でCr膜205を500Å形成した。このCr膜205の内部応力は、+10.0×10dyn/cmである。このように本発明を適用することで、同一材料からなる2層のCr薄膜ヒータ(204+205)のトータルの応力はゼロとなる。従来の単体膜でのCr薄膜ヒータで生じた歪みをゼロに緩和することができる。
【0011】
薄膜ヒータ電極としてよく使用されるTaN膜の場合は、TaN組成で圧縮応力は(1〜3×10dyn/cm)であることから、図5に示されているCuを100〜200Å下地に蒸着後、TaN膜1000Åをスパッタリングすることで、組成の異なった材料の組合せであるCu+TaN組成の薄膜ヒータのトータルの応力もゼロにできた。図6は、同一材料からなるCr膜のスパッタリング条件として、Arガス圧を変えることで、下地Cr膜として04Paで膜厚1500Åでは+150N/mの引っ張り応力である。この上に0.15Paの条件下で膜厚が1500Åで圧縮応力は−150N/mとなり、薄膜ヒータのトータルの応力はゼロになる。
【実施例2】
【0012】
図7は、本発明の光機能デバイスであるラティス型光フィルタの基本構成である。時間領域での光波の多重干渉を利用する光フィルタであり、位相シフター、結合率可変カップラー、3dBカップラー、遅延アームからなる。光波を常に二つの導波路アーム内に閉じ込めるため、原理損失および損失変動がなく、さまざまなフィルタ特性が得られる。シリコン基板700上に形成された光導波回路に絶縁体薄膜701を石英系光導波回路に堆積させ、引っ張り応力薄膜を形成することで、そりを無くしている。絶縁体薄膜701は、イオンビームアシスト蒸着法でTa薄膜701(厚さ5000Å)にArアシスト(イオン出力電流300mA/cm)で+1.7×10dyn/cmの引っ張り応力をもつTa薄膜を形成する。このようにイオン出力電流を制御することで、絶縁体薄膜を石英系光導波回路に堆積させ、引張応力薄膜を形成することで、引っ張り応力(+1.7×10dyn/cm)でシリコン基板で生じる圧縮応力−1.7×10dyn/cmを相殺させ、基板のそりをゼロしている。次に、絶縁体膜701であるTa薄膜上に薄膜ヒータ電極としてCr膜を選択している。図4のスパッタリング条件は0.15Paでスパッタリングレート10Å/秒でのCr膜の内部応力は、−10.0×10dyn/cmで一定である。ここでは、Cr膜は、1000Åにした。このスパッタリングしたCr膜上に、蒸着法でCr膜を500Å形成した。このCr膜の内部応力は、+10.0×10dyn/cmである。同一材料からなるCr薄膜ヒータのトータルの内部応力はゼロとなる。入力ポート702、出力ポート716である。703,704,705,706,707,708,709,710,711,712,713,714,715は、熱光学位相器シフターである。このように石英系平面光回路からなる光フィルタは、WDM伝送システムに不可欠なデバイスとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】光機能デバイスの配置されたウエハの平面図である。
【図2】光機能デバイスの配置された光スイッチの断面図である。
【図3】イオンビームアシスト蒸着によるTa薄膜の内部応力のイオン電流依存特性である。
【図4】スパッタリングによるCr膜厚と内部応力の関係である。
【図5】蒸着法によるCr膜厚、Cu膜厚と内部応力の関係である
【図6】スパッタリングのArガス圧を変えたときのCr膜厚と内部応力の関係である。
【図7】図7は、本発明のラティス型光フィルタの基本構成である。
【図8】FHDプロセス後のシリコン基板のそりを示す断面図である。
【符号の説明】
【0015】
100 絶縁膜 101 光導波回路
103 光スイッチ チップ 104 光スイッチ チップ
105 光スイッチ チップ 106 光スイッチ チップ
107 光スイッチ チップ 108 光スイッチ チップ
109 光導波路 110 光導波路
111 光導波路 113 光導波路
114 切断ライン
200 シリコン基板 201 絶縁膜
202 コア 203 コア
204 ヒータ薄膜 205 ヒータ薄膜
206 石英系光導波回路(クラッド)
700 シリコン基板 701 絶縁膜
702 入力ポート 703 熱光学移相器シフター
704 熱光学移相器シフター 705 熱光学移相器シフター
706 熱光学移相器シフター 707 熱光学移相器シフター
708 熱光学移相器シフター 709 熱光学移相器シフター
710 熱光学移相器シフター 711 熱光学移相器シフター
712 熱光学移相器シフター 713 熱光学移相器シフター
714 熱光学移相器シフタ 715 熱光学移相器シフター
716 出力ポート
800 シリコン基板 801 石英系光導波回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板上に下部クラッド層、コア、上部クラッド層からなる石英系光導波回路が配置された熱光学効果を利用する干渉計型または分岐型の光機能デバイスにおいて、シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成し該光導波路のコアの所定領域の真上に位置する該引張応力薄膜上に設けられた薄膜ヒータを構成する薄膜が圧縮応力薄膜と引張応力薄膜を重ねてなることを特徴とする光機能デバイス。
【請求項2】
薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が蒸着法とスパッタ法のように異なる成膜プロセスからなる同一材料で構成されることを特徴とする特許第1項請求範囲の光機能デバイス。
【請求項3】
薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が異種材料からなることを特徴とする特許第1項請求範囲の光機能デバイス。
【請求項4】
薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が異なる成膜プロセス条件からなるスパッタ法で作製された同一材料で構成されることを特徴とする特許第1項請求範囲の光機能デバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板上に下部クラッド層、コア、上部クラッド層からなる石英系光導波回路が配置された熱光学効果を利用する干渉計型または分岐型の光機能デバイスにおいて、シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成し該光導波路のコアの所定領域の真上に位置する該引張応力薄膜上に設けられた薄膜ヒータを構成する薄膜が圧縮応力薄膜と引張応力薄膜を重ねてなることを特徴とする光機能デバイス。
【請求項2】
薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が蒸着法とスパッタ法のように異なる成膜プロセスからなる同一材料で構成されることを特徴とする請求項1の光機能デバイス。
【請求項3】
薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が異種材料からなることを特徴とする請求項1の光機能デバイス。
【請求項4】
薄膜ヒータを構成する圧縮応力薄膜と引張応力薄膜が異なる成膜プロセス条件からなるスパッタ法で作製された同一材料で構成されることを特徴とする請求項1の光機能デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−113506(P2006−113506A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328210(P2004−328210)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(595141982)
【出願人】(502216048)
【Fターム(参考)】