光波長分割多重伝送システム、光波長分割多重伝送装置および光波長分割多重伝送方法
【課題】光波長分割多重伝送ネットワークにおいて光伝送路当たりの波長帯域を効率的に利用する。
【解決手段】伝送装置1Aは、クライアント装置2から入力したデータを光波長パス10で伝送装置1Bに送信する。監視制御部4は、光波長パス10で通信するトラフィック量が設定された値より少ない場合に、光波長パス10の出力を停止し、管理制御装置3に停止したことを通知する。管理制御装置3は、伝送装置1Bに光波長パス10の停止を通知し、伝送装置1Bは、光波長パス10の出力を停止する。監視制御部4は、トラフィック量が設定した値を超えた場合に、管理制御装置3に再開要求を通知し、管理制御装置3は、空き光波長パス10を割り当てて、伝送装置1A、1Bに開始許可を通知する。各監視制御部4は、割り当てられた光波長パス10の通信を開始させ、光波長パス10を再開したことを管理制御装置3に通知する。
【解決手段】伝送装置1Aは、クライアント装置2から入力したデータを光波長パス10で伝送装置1Bに送信する。監視制御部4は、光波長パス10で通信するトラフィック量が設定された値より少ない場合に、光波長パス10の出力を停止し、管理制御装置3に停止したことを通知する。管理制御装置3は、伝送装置1Bに光波長パス10の停止を通知し、伝送装置1Bは、光波長パス10の出力を停止する。監視制御部4は、トラフィック量が設定した値を超えた場合に、管理制御装置3に再開要求を通知し、管理制御装置3は、空き光波長パス10を割り当てて、伝送装置1A、1Bに開始許可を通知する。各監視制御部4は、割り当てられた光波長パス10の通信を開始させ、光波長パス10を再開したことを管理制御装置3に通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光波長分割多重伝送システム、光波長分割多重伝送装置および光波長分割多重伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光波長分割多重伝送装置は、ループ形態もしくはリニア形態で接続され、複数のデジタル信号を光波長多重し、対向側で光波長ごとに分離して伝送する。光波長分割多重伝送は、Point to Point(P2P)に光波長パスを設定する。複数のクライアント装置から入力されたデジタル信号は、各々に予め割り当てられたトランスポンダにて各波長帯域の光信号に変換され、多重して1本の伝送路で伝送される。対向側の光波長分割多重伝送装置ではその受信した信号を光波長ごとに分離し、元のクライアント装置のデジタル信号に逆変換するという動作をする。
【0003】
光波長分割多重伝送に関して、消費電力を抑える技術が提案されている。例えば特許文献1には、送信電気信号または受信光信号の有効データが送信または受信されないとき、送信電気信号の処理ブロックと発光素子モジュールへの電源供給を停止または受信光信号を電気信号に変換した後の処理回路への電源供給を停止する光モジュールが記載されている。特許文献1の光モジュールは、入力信号の状態を監視する監視回路が入力信号の停止を検出したとき、タイマ回路を介して電源回路に停止情報を伝達し、処理ブロックと発光素子モジュールへの電源供給を停止する。入力信号の状態を監視する監視回路が入力信号の再開を検出したとき、電源回路に再開情報を伝達し、処理ブロックと発光素子モジュール3への電源供給を再開する。
【0004】
光ネットワークの帯域制御、経路設定、負荷分散などを柔軟に行うL2転送システムが特許文献2に記載されている。特許文献2のL2転送システムは、GMPLSネットワークをL2スイッチ間に介在させてL2ネットワークを構成する。L2スイッチのL2SW/GMPLS連携部は、L2スイッチからMIB情報を収集してトラフィックを算出し、その結果に応じてパス情報管理データベースとIF対応表を参照してGMPLS制御部へ波長パスの追加設定または削除を要求するとともにL2スイッチにLAG設定または解除を要求する。GMPLS制御部は、GMPLSネットワークにおける波長パスを追加設定または削除する。
【0005】
また、特許文献3には、光IPネットワークの容易な拡張あるいは再構築のため、WDM光部品の接続、追加、変更が容易なレイヤ3スイッチと、光IPネットワークが記載されている。特許文献3のレイヤ3スイッチは、波長多重方式を用いた光信号により送受されるIPパケットをルーティングアルゴリズムにより転送する。光信号に含まれる光波長のうち固有の光波長が予め割り当てられ、割り当てられた光波長の信号をアッド、ドロップするWDM光部品と光送受信器とを含むWDMモジュールと、WDMモジュールを取り付けるための1以上の取付け部を有する本体とからなる。光IPネットワークは、WDMモジュール型レイヤ3スイッチとシステム制御装置からなり、前記システム制御装置は、ネットワークを経由して各WDMモジュール型レイヤ3スイッチ内の制御部に制御信号を送信し、各光スイッチの切り換えと各電源の入り切りとを制御させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−108963号公報
【特許文献2】特開2006−157102号公報
【特許文献3】特開2007−306316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光波長分割多重装置の目的は、上流となるクライアント装置のデータトラフィックを光波長多重して伝送することにある。しかし、関連する技術の光波長分割多重伝送装置では、クライアント装置のデジタル信号のトラフィック量を意識した波長制御や省電力制御を実施していないため、クライアント装置からのトラフィック量が時間的に変動して少なくなったとしても、柔軟な波長帯域制御ができなかった。
【0008】
関連する技術の光波長分割多重装置の課題は、使用する波長帯域が常時固定で設定されているため、時間的、場所的に変化するトラフィック量によって柔軟に帯域制御できないということである。
【0009】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、光波長分割多重伝送ネットワークにおいて光伝送路当たりの波長帯域を効率的に利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係る光波長分割多重伝送システムは、
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送システムであって、
第1の多重装置は、
前記データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する第1の伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置および前記第2の多重装置に前記制御通信で通信する手段を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の制御手段を備え、
前記第1の多重装置の通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の制御手段および前記第2の制御手段は、割り当てられた前記光波長パスの通信をそれぞれ前記第1の伝送手段および前記第2の伝送手段に開始させ、
前記第1の多重装置の通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点に係る光波長分割多重伝送装置は、
データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで送信する伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記制御手段は、前記管理装置から指示された割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の観点に係る光波長分割多重伝送方法は、
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送方法であって、
第1の多重装置は、
データ送出装置からデータを入力する入力ステップと、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する伝送ステップと、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測ステップと、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の停止ステップと、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する停止通知ステップと、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の停止ステップを備え、
前記第1の多重装置は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の多重装置および第2の多重装置は、割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記第1の多重装置は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、管理装置によって光波長分割多重装置のトラフィック量の時間的変化を監視して、トラフィック量に合わせて光波長分割多重装置の間で使用する波長帯域を増減して調節することができる。これにより、場所的、時間的に効率よい波長帯域の使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムの接続形態の例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムのループ接続の例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る光波長パスを停止する手順を示すシーケンス図である。
【図5】実施の形態に係る光波長パスを再開する手順を示すシーケンス図である。
【図6A】実施の形態に係る光波長分割多重伝送装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6B】実施の形態に係る管理制御装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6C】実施の形態に係る対向側の光波長分割多重伝送装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7A】実施の形態に係る光波長分割多重伝送装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7B】実施の形態に係る管理制御装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7C】実施の形態に係る対向側の光波長分割多重伝送装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムの構成例を示すブロック図である。光波長分割多重伝送システム20は、少なくとも2台の光波長分割多重伝送装置1と、管理制御装置3とから構成される。2台の光波長分割多重伝送装置1は光波長多重伝送路9を介して対向し、光波長多重伝送路9を経由して光波長分割多重でデータを伝送する。以下、光波長分割多重伝送装置1を略して伝送装置1ともいう。図1で対向する2台の伝送装置1を便宜上、伝送装置1Aと伝送装置1Bで区別する。
【0016】
伝送装置1はそれぞれ、対向してデータを伝送する光波長分割多重伝送とは異なる通信で管理制御装置3に接続される。伝送装置1は、それぞれクライアント装置2に接続し、クライアント装置2から入力したデータを光波長分割多重で伝送し、光波長分割多重で受信したデータをクライアント装置2に供給する。
【0017】
クライアント装置2は、例えば、端末やサーバを含むLAN(Local Area Network)である。接続ポート7は、クライアント装置2の上位通信レイヤで使用される物理インタフェース部である。接続ポート7は、クライアント伝送路8に対して信号の送受信を行う。接続ポート7は例えば、ブロードバンドルータまたはスイッチングハブである。その他、クライアント装置2は端末またはサーバなどで、接続ポート7はIEEE 1394、SCSIまたはUSBなどのインタフェースポートの場合があり得る。
【0018】
クライアント伝送路8は、伝送装置1とクライアント装置2との間でクライアント信号の送受信を行う伝送路ケーブルである。クライアント装置2が一般的なLANの場合は、IEEE802.3で標準化されている例えば10BASE−T/100BASE−TX/1000Base−T/1000Base−LX/10GBase−LRのような規格の伝送路である。
【0019】
光波長分割多重伝送装置1は、I/F部6、光波長多重伝送部5および監視制御部4を備える。光波長分割多重装置1は、I/F部6にてクライアント装置2の接続ポート7から送信されるデータを受信し、該当の光波長帯域の信号に変換して光波長多重伝送部5に送信する。I/F部6は(1)〜(n)のように複数備えることが可能である。光波長多重伝送部5に送信されたデータは、光波長多重伝送部5で光波長分割多重され、光波長多重伝送路9に送信される。図1では、一例として2つの光波長パス10、11を代表して記載している。対向の光波長分割多重装置1では、受信した光波長パス10および光波長パス11を光波長多重伝送部5にて分離し、それぞれ対象の各I/F部6に振り分ける。振り分けられたデータは、各I/F部6でクライアント信号に戻され、各I/F部6に対向しているクライアント装置2の接続ポート7へと伝送される。
【0020】
I/F部6(1)〜(n)は、クライアント装置2とデータを送受信するインタフェース部であり、データを該当波長の信号に変換するトランスポンダと呼ばれる部分である。I/F部6は、1つの光波長分割多重装置1に複数有することが可能であり、図1では(1)〜(n)とn個有している表現としている。また図1はI/F部6(1)〜(n)に1つのクライアント装置2内の複数接続ポート7が接続されているが、一般的には接続されるクライアント装置2はそれぞれ別装置でも構わない。
【0021】
光波長多重伝送部5は、各クライアント装置2からのデータを光波長パスの信号に変換し、光波長分割多重して光波長多重伝送路9に送信する。また、光波長多重伝送路9から光波長分割多重された信号を受信し、光波長パスの信号に分離して復調したデータをクライアント装置2へ転送する。
【0022】
光波長多重伝送路9は、光波長分割多重装置1同士を接続して光波長多重された信号を送受信するための伝送路(光ファイバケーブル)である。主にITU−T勧告G.652に準拠したシングルモードファイバ(SMF)やG.653に準拠した分散シフトファイバ(DSF)を使用する。
【0023】
光波長パス10および11は、クライアント装置2からのそれぞれのクライアント信号に光の波長を割り当て、光波長多重伝送路9を経由して光波長分割多重装置1同士でアッド、ドロップする光信号のパスを表現している。光波長パス10および11は異なる波長帯域を使用する。アッド、ドロップの対象となる光波長分割多重装置1の間に他の中継装置が存在していても構わない。
【0024】
監視制御部4は、I/F部6(1)〜(n)を通るデータのフレーム数をカウントしており、トラフィックが予め設定した閾値より減った場合、光波長多重伝送部5の該当信号の波長の光出力(光波長パス10や11など)を停止する。そして、管理制御装置3に停止完了通知を行う。さらに該当のI/F部6より対向のクライアント装置2に対して停止制御の信号を送信する。その後、該当トラフィックに関連するI/F部6(1)〜(n)を休止させる。
【0025】
管理制御装置3に停止完了通知を行った伝送装置1を伝送装置1Aであると想定する。通知を受信した管理制御装置3は、当該光波長パスの対向の光波長分割多重伝送装置1Bに対してその光波長パスの停止処理を指示する。管理制御装置3に光波長パスの停止を指示された伝送装置1Bは、光波長多重伝送部5の該当信号の波長の光出力を停止する。そして、管理制御装置3に停止完了通知を行う。管理制御装置3は、停止完了通知を受信したことを記憶し、光波長分割多重伝送システム20全体の構成や各伝送装置1間で使用している光波長パスなど装置の稼働状況の情報(管理情報)を記憶する。
【0026】
一方、監視制御部4でカウントされるI/F部6(1)〜(n) を通るデータフレームのトラフィックが予め設定した閾値を越えた場合には、該当の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4から管理制御装置3に再開要求通知を送信して判断を仰ぐ。管理制御装置3は、管理情報から再開要求通知を送信した伝送装置1Aと対向の伝送装置1B、およびその間に存在する全ての伝送装置1を検索し、該当光波長パスの使用が他に無ければ、該当の光波長分割多重伝送装置1Aとその対向にある光波長分割多重伝送装置1Bに対して再開許可通知を送信する。
【0027】
再開要求通知を送信した光波長分割多重伝送装置1Aとその光波長パスの対向にある光波長分割多重伝送装置1Bの監視制御部4は、管理制御装置3から再開許可通知が受信された場合は、光波長多重伝送部5の該当信号の光波長パスの光出力(光波長パス10や11など)を再開するように制御を実施する。同時に該当トラフィックに関連するI/F部6(1)〜(n)を再開させる。さらに該当のI/F部6より対向のクライアント装置2に対して出力再開要求の信号を送信する。対向のクライアント装置2より出力再開を受信した光波長分割多重伝送装置1は再開完了通知を管理制御装置3に送信する。管理制御装置3は、再開完了通知を受信したことを記憶し、光波長分割多重伝送システム20全体の構成や各伝送装置1間で使用している光波長パスなど装置の稼働状況の情報(管理情報)を記憶する。
【0028】
監視制御部4は、以下の機能を有する。
・ I/F部6(1)〜(n)それぞれに流れるデータのトラフィックの閾値を外部入出力I/F12から設定する機能
・ I/F部6(1)〜(n)のトラフィック量監視機能
・ 上記2機能による結果の外部入出力I/F12から設定した期間での定期的な比較機能と、比較結果の外部入出力I/F12への出力機能
・ I/F部6(1)〜(n)の機能停止/再開制御機能
・ 光波長多重伝送部5で使用される光波長パスの監視制御機能
・ 管理制御装置3への停止完了通知、および再開要求通知、再開完了通知の送信機能
・ 管理制御装置3からの停止要求、再開許可通知の受信機能
・ 上記機能が作動できなかった場合の外部入出力I/F12へのエラー通知送出機能
【0029】
管理制御装置3は、複数の光波長分割多重装置1を、監視制御部4を通じて管理制御する装置である。システム全体にある複数の光波長分割多重装置1の情報を監視制御部4を通じて管理および制御する。管理制御装置3は以下の情報を記憶し管理する。
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4からの停止完了通知、および再開要求通知、再開完了通知の受信情報
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4への停止要求、再開許可通知の送信情報
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の物理的装置配置情報
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の光波長パスの設定情報
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の光波長パスごとの対向装置出力状態
【0030】
管理制御装置3は、以下の機能を有する。
・ 監視制御部4からの停止完了通知に対し、対象の光波長パスの対向装置を検索し、検索された対向装置へ停止要求の送信する機能
・ 監視制御部4からの再開要求通知に対し、対向する伝送装置1と管理している波長パス情報を検索、該当の領域に他に波長帯域が使用されていない場合は再開許可通知を両対向装置に送信する機能
・ 監視制御部4からの再開完了通知に対し、光波長パス情報を更新して記憶する機能
・ 外部入出力I/F12への装置情報および光波長パス使用状況の通知機能
【0031】
外部入出力I/F12は、光波長分割多重伝送システム20を管理するための装置(管理端末)を接続するインタフェースを提供する。管理者は、管理端末から外部入出力I/F12を通じて、光波長分割多重伝送システム20のさまざまな情報を見ることができる。また、ネットワークの構成や例えば光波長パスの停止または再開を判断する閾値などの設定を行うことができる。
【0032】
本実施の形態の光波長分割多重伝送システム20は、図1のように光波長分割多重伝送装置1が対向で接続されている構成に限定されない。図2は、実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムの接続形態の例を示すブロック図である。図3は、実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムのループ接続の例を示すブロック図である。図2および図3では、クライアント装置2を省略している。本実施の形態の光波長分割多重伝送システム20の制御方法は、図2のように間に中継装置が入る場合や、図3のようにループ(リング)構成で接続される場合などにも適用することができる。なお、光波長分割多重伝送システム20における光波長分割多重伝送装置1の台数にも制限はない。
【0033】
図2および図3の光波長分割多重伝送装置1には、それぞれクライアント装置2が接続される。クライアント装置2は、別の光波長分割多重伝送装置1を含む場合がある。すなわち、光波長分割多重伝送システム20は、伝送装置をノードとするツリー状または網状のネットワークを構成しうる。光波長パスは任意の2つの伝送装置の間で設定される。伝送装置は、それを起点とする光波長パスをアッド、ドロップし、その他の光波長パスを中継する。1つの光波長パスの途中の伝送装置は、その光波長パスを中継伝送する。
【0034】
図4は、実施の形態に係る光波長パスを停止する手順を示すシーケンス図である。光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4でカウントしているI/F部6(1)〜(n) を通るデータのトラフィックが、予め設定した閾値より減った場合の制御信号のシーケンスの一例を示す。
【0035】
光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4は、I/F部6(1)〜(n) を通るデータトラフィックのフレーム数を設定された時間周期で読み出している(シグナルT11)。設定された時間周期のフレーム数は、データのトラフィックを表す。監視制御部4は、読み出したフレーム数を所定の閾値と比較し、閾値より小さくなった場合、光波長停止要求を光波長多重伝送部5に送信する(シグナルT12)。
【0036】
光波長多重伝送部5は、光波長停止要求を受けると該当の光波長パスを停止し、波長停止完了通知を監視制御部4に送る(シグナルT13)。監視制御部4は該当のI/F部6に対してI/F部出力停止要求を送信する(シグナルT14)。該当のI/F部6は、I/F部出力停止要求を受信すると、対向にあるクライアント装置2に対して出力停止要求を送信する(シグナルT15)。
【0037】
対向のクライアント装置2は接続ポート7にて出力停止要求を受信すると、該当接続ポート7のクライアント信号を停止し、出力停止通知をI/F部6に返信する(シグナルT16)。I/F部6は出力停止通知を受信すると機能を休止し、I/F部出力停止完了通知を監視制御部4に送信する(シグナルT17)。監視制御部4は、管理制御装置3に対して停止完了通知を送信する(シグナルT18)。
【0038】
管理制御装置3は、管理データから停止完了通知を受信した装置と該当光波長パスで対向する光波長分割多重伝送装置1を検索する。そして、検索した対向の光波長分割多重伝送装置1に対して停止要求を送信する(シグナルT19)。停止要求を受信した対向の光波長分割多重伝送装置1Bは、上述のシグナルT12〜シグナル17と同様に停止処理を実施する。伝送装置Bは、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(シグナルT20)。
【0039】
管理制御装置3は、停止要求を送信した時点で、システム全体のシステム構成情報や波長情報の管理データを更新する。管理データは、外部入出力I/F12にて常に保守者が閲覧可能である。管理制御装置3は、伝送装置Bから停止完了通知を受信するのを待たなくてもよい。その場合、伝送装置Bは停止完了通知を送信しなくてもよい。
【0040】
図5は、実施の形態に係る光波長パスを再開する手順を示すシーケンス図である。光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4でカウントしているI/F部6(1)〜(n) を通るデータのトラフィックが、予め設定した閾値を越えた場合の制御信号のシーケンスの一例を示す。
【0041】
光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4は、I/F部6(1)〜(n) を通るデータトラフィックのフレーム数を設定された時間周期で読み出している(シグナルT21)。設定された時間周期のフレーム数は、データのトラフィックを表す。監視制御部4は、読み出したフレーム数を所定の閾値と比較し、閾値より大きくなった場合、該当の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4から管理制御装置3に該当データの光波長帯域の情報と再開要求通知を送信する(シグナルT22)。
【0042】
管理制御装置3は、保持している管理情報から再開要求通知を送信した装置と該当光波長パスで対向する光波長分割多重伝送装置1、その間に存在する全ての装置を検索する。該当光波長帯域の使用があれば外部入出力I/F12にて既使用の通知を行い、保守者に連絡が可能とする。該当光波長帯域の使用が無ければ、該当の光波長分割多重伝送装置1Aとその対向にある光波長分割多重伝送装置1Bに対して再開許可通知を送信する(シグナルT23、シグナルT24)。
【0043】
再開許可通知を受信した該当の光波長分割多重伝送装置1Aとその該当光波長パスの対向にある光波長分割多重伝送装置1Bは以後、後述する同じ再開動作を実施する。監視制御部4は、管理制御装置3から再開許可通知を受信すると、光波長多重伝送部5に波長再開要求を送信する(シグナルT25)。光波長多重伝送部5は該当の光波長(光波長パス10や11など)の出力を再開し、波長再開完了通知を監視制御部4に送信する(シグナルT26)。
【0044】
次に監視制御部4は該当のI/F部6に対してI/F部出力再開要求を送信する(シグナルT27)。該当のI/F部6は、I/F部出力再開要求を受信すると送受信機能を再開し、対向にあるクライアント装置2に対して出力再開要求を送信する(シグナルT28)。
【0045】
対向のクライアント装置2は接続ポート7にて出力再開要求を受信すると、該当接続ポート7のクライアント信号を再開し、出力再開通知をI/F部6に返信する(シグナルT29)。I/F部6は出力再開通知を受信するとI/F部出力再開完了通知を監視制御部4に送信する(シグナルT30)。監視制御部4は、管理制御装置3に対して再開完了通知を送信する(シグナルT31)。ここまでの再開動作は、対向の光波長分割多重伝送装置1も同様に実施される。そして、光波長分割多重伝送装置1Bは、再開完了通知を管理制御装置3に送信する(シグナルT32)。
【0046】
管理制御装置3は、対向する光波長分割多重伝送装置1からも同様に再開完了通知が送信されるのを待ち、両装置から再開完了通知が受信されたら、システム全体のシステム構成情報や波長情報の管理データを更新する。管理データは、外部入出力I/F12にて常に保守者が閲覧可能である。上記のシーケンス中に何らかのエラーが発生した場合、該当の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4は外部入出力I/F12にエラーの通知を行い、保守者に連絡が可能とする。
【0047】
このようにして本実施の形態では、通信データのトラフィック量を監視することによって光波長分割多重伝送装置1の波長帯域を増減させ、該当するトラフィックに関連する装置内機能ブロックの出力を停止/再開する。また該当トラフィックが関連する対向のクライアント装置2にも制御信号を送信することで、クライアント装置2に対しても停止/再開を通知する。その結果、システム全体の省電力化が可能となる。
【0048】
図6Aは、実施の形態に係る光波長分割多重伝送装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。伝送装置1Aの監視制御部4は、フレーム数を読み出す(ステップS11)。トラフィックが閾値より小さくなければ(ステップS12;NO)、フレーム数読出を繰り返す。
【0049】
トラフィックが閾値より小さければ(ステップS12;YES)、そのトラフィックに該当する光波長の出力を停止する(ステップS13)。そして、その光波長パスでデータを送信していたクライアント装置2に、出力停止要求を行う(ステップS14)。次にクライアント装置2に対向するI/F部6の出力を停止し(ステップS15)、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(ステップS16)。
【0050】
図6Bは、実施の形態に係る管理制御装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。管理制御装置3は、光波長分割多重伝送装置1から停止完了通知が送信されるのを待機する(ステップS21;NO)。光波長分割多重伝送装置1から停止完了通知を受信すると(ステップS21;YES)、その光波長パスで対向する光波長分割多重伝送装置1を検索する(ステップS22)。そして、検索した対向の光波長分割多重伝送装置1に対して光波長停止要求を送信する(ステップS23)。
【0051】
光波長停止要求を送信した伝送装置から停止完了通知が送信されるのを待って(ステップS24;NO)、停止完了通知を受信したら(ステップS24;YES)、光波長パス情報を更新する(ステップS25)。図6Bでは、管理制御装置3が図4のシグナルT20の停止完了通知を受信する場合を例にしている。
【0052】
図6Cは、実施の形態に係る対向側の光波長分割多重伝送装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。光波長分割多重伝送装置1(伝送装置B)は、管理制御装置3から光波長停止要求が送信されるのを待機する(ステップS31;NO)。管理制御装置3から光波長停止要求を受信すると(ステップS31;YES)、該当する光波長を停止する(ステップS32)。
【0053】
伝送装置Bは、その光波長パスでデータを送信していたクライアント装置2に、出力停止要求を行う(ステップS33)。次にクライアント装置2に対向するI/F部6の出力を停止し(ステップS34)、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(ステップS35)。
【0054】
図7Aは、実施の形態に係る光波長分割多重伝送装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。伝送装置1Aの監視制御部4は、フレーム数を読み出す(ステップS41)。トラフィックが閾値より小さければ(ステップS42;NO)、フレーム数読出を繰り返す。トラフィックが閾値以上であれば(ステップS42;YES)、管理制御装置3に光波長再開要求を送信する(ステップS43)。
【0055】
管理制御装置3から再開許可通知が送信されるのを待って(ステップS44;NO)、再開許可通知を受信したら(ステップS44;YES)、通知された光波長の出力を再開する(ステップS45)。そして、その光波長パスで送信するデータを受信するI/F部6の出力を再開する(ステップS46)。I/F部6は、対向するクライアント装置2に、出力再開要求を行う(ステップS47)。監視制御部4は、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(ステップS48)。
【0056】
図7Bは、実施の形態に係る管理制御装置3の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。管理制御装置3は、光波長分割多重伝送装置1から光波長再開要求が送信されるのを待機する(ステップS51;NO)。光波長分割多重伝送装置1から光波長再開要求を受信すると(ステップS51;YES)、その伝送装置と対向する伝送装置の間で空いている光波長パスを検索する(ステップS52)。
【0057】
そして、空いている光波長パスを割り当てて、伝送装置Aと伝送装置Bに対して光波長再開許可通知を送信する(ステップS53)。再開許可通知を送信した伝送装置から再開完了通知が送信されるのを待って(ステップS54;NO)、再開完了通知を受信したら(ステップS54;YES)、光波長パス情報を更新する(ステップS55)。
【0058】
図7Cは、実施の形態に係る対向側の光波長分割多重伝送装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。光波長分割多重伝送装置1(伝送装置B)は、管理制御装置3から再開許可通知が送信されるのを待機する(ステップS61;NO)。管理制御装置3から再開許可通知を受信すると(ステップS61;YES)、通知された光波長の出力を再開する(ステップS62)。そして、その光波長パスで送信するデータを受信するI/F部6の出力を再開する(ステップS63)。I/F部6は、対向するクライアント装置2に、出力再開要求を行う(ステップS64)。監視制御部4は、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(ステップS65)。
【0059】
ただし、上記の動作中に何らかのエラーが発生した場合、該当の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4は外部入出力I/F12にエラーの通知を行い、保守者に連絡が可能とする。
【0060】
以上説明したように、本願発明においては、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は管理制御装置3によって複数の光波長分割多重装置のトラフィック量の時間的変化を監視しているので、トラフィック量に合わせて光波長分割多重装置同士で使用する波長帯域を増減して調整する事ができることである。これにより、場所的、時間的に効率よい波長帯域の使用が可能となる。
【0061】
第2の効果は光波長分割多重装置のトラフィック量の時間的変化を監視しているので、トラフィック量の時間的変化によって該当装置の該当信号処理ブロックの停止/再開を制御する事ができることである。これにより、トラフィックの無い機能ブロックを休止して省電力制御が可能となる。
【0062】
第3の効果は光波長分割多重装置のトラフィック量により該当信号処理ブロックを休止できるので、休止時に対向にあるクライアント装置2に制御信号を送信することにより対向クライアント装置2も該当信号処理ブロックを休止させる事ができることである。これにより対向装置のトラフィックの無い機能ブロックを休止して省電力制御が可能となる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0063】
(付記1)
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送システムであって、
第1の多重装置は、
前記データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する第1の伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置および前記第2の多重装置に前記制御通信で通信する手段を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の制御手段を備え、
前記第1の多重装置の通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の制御手段および前記第2の制御手段は、割り当てられた前記光波長パスの通信をそれぞれ前記第1の伝送手段および前記第2の伝送手段に開始させ、
前記第1の多重装置の通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送システム。
【0064】
(付記2)
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示手段を備えることを特徴とする付記1に記載の光波長分割多重伝送システム。
【0065】
(付記3)
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記第1の伝送手段への電力の供給を停止し、
前記第2の多重装置は、前記光波長パスの停止を通知された場合に、前記第2の伝送装置への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の光波長分割多重伝送システム。
【0066】
(付記4)
データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで送信する伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記制御手段は、前記管理装置から指示された割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送装置。
【0067】
(付記5)
前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示手段を備えることを特徴とする付記4に記載の光波長分割多重伝送装置。
【0068】
(付記6)
前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記伝送手段への電力の供給を停止することを特徴とする付記4または5に記載の光波長分割多重伝送装置。
【0069】
(付記7)
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送方法であって、
第1の多重装置は、
データ送出装置からデータを入力する入力ステップと、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する伝送ステップと、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測ステップと、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の停止ステップと、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する停止通知ステップと、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の停止ステップを備え、
前記第1の多重装置は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の多重装置および第2の多重装置は、割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記第1の多重装置は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送方法。
【0070】
(付記8)
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示ステップを備えることを特徴とする付記7に記載の光波長分割多重伝送方法。
【0071】
(付記9)
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、該光波長パスで送信する伝送手段への電力の供給を停止し、
前記第2の多重装置は、前記光波長パスの停止を通知された場合に、該光波長パスで伝送する伝送手段への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする付記7または8に記載の光波長分割多重伝送方法。
【符号の説明】
【0072】
1、1A、1B 光波長分割多重伝送装置(伝送装置)
2 クライアント装置
3 管理制御装置
4 監視制御部
5 光波長多重伝送部
6 I/F部
7 接続ポート
8 クライアント伝送路
9 光波長多重伝送路
10,11 光波長パス
12 外部入出力I/F
20 光波長分割多重伝送システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、光波長分割多重伝送システム、光波長分割多重伝送装置および光波長分割多重伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光波長分割多重伝送装置は、ループ形態もしくはリニア形態で接続され、複数のデジタル信号を光波長多重し、対向側で光波長ごとに分離して伝送する。光波長分割多重伝送は、Point to Point(P2P)に光波長パスを設定する。複数のクライアント装置から入力されたデジタル信号は、各々に予め割り当てられたトランスポンダにて各波長帯域の光信号に変換され、多重して1本の伝送路で伝送される。対向側の光波長分割多重伝送装置ではその受信した信号を光波長ごとに分離し、元のクライアント装置のデジタル信号に逆変換するという動作をする。
【0003】
光波長分割多重伝送に関して、消費電力を抑える技術が提案されている。例えば特許文献1には、送信電気信号または受信光信号の有効データが送信または受信されないとき、送信電気信号の処理ブロックと発光素子モジュールへの電源供給を停止または受信光信号を電気信号に変換した後の処理回路への電源供給を停止する光モジュールが記載されている。特許文献1の光モジュールは、入力信号の状態を監視する監視回路が入力信号の停止を検出したとき、タイマ回路を介して電源回路に停止情報を伝達し、処理ブロックと発光素子モジュールへの電源供給を停止する。入力信号の状態を監視する監視回路が入力信号の再開を検出したとき、電源回路に再開情報を伝達し、処理ブロックと発光素子モジュール3への電源供給を再開する。
【0004】
光ネットワークの帯域制御、経路設定、負荷分散などを柔軟に行うL2転送システムが特許文献2に記載されている。特許文献2のL2転送システムは、GMPLSネットワークをL2スイッチ間に介在させてL2ネットワークを構成する。L2スイッチのL2SW/GMPLS連携部は、L2スイッチからMIB情報を収集してトラフィックを算出し、その結果に応じてパス情報管理データベースとIF対応表を参照してGMPLS制御部へ波長パスの追加設定または削除を要求するとともにL2スイッチにLAG設定または解除を要求する。GMPLS制御部は、GMPLSネットワークにおける波長パスを追加設定または削除する。
【0005】
また、特許文献3には、光IPネットワークの容易な拡張あるいは再構築のため、WDM光部品の接続、追加、変更が容易なレイヤ3スイッチと、光IPネットワークが記載されている。特許文献3のレイヤ3スイッチは、波長多重方式を用いた光信号により送受されるIPパケットをルーティングアルゴリズムにより転送する。光信号に含まれる光波長のうち固有の光波長が予め割り当てられ、割り当てられた光波長の信号をアッド、ドロップするWDM光部品と光送受信器とを含むWDMモジュールと、WDMモジュールを取り付けるための1以上の取付け部を有する本体とからなる。光IPネットワークは、WDMモジュール型レイヤ3スイッチとシステム制御装置からなり、前記システム制御装置は、ネットワークを経由して各WDMモジュール型レイヤ3スイッチ内の制御部に制御信号を送信し、各光スイッチの切り換えと各電源の入り切りとを制御させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−108963号公報
【特許文献2】特開2006−157102号公報
【特許文献3】特開2007−306316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光波長分割多重装置の目的は、上流となるクライアント装置のデータトラフィックを光波長多重して伝送することにある。しかし、関連する技術の光波長分割多重伝送装置では、クライアント装置のデジタル信号のトラフィック量を意識した波長制御や省電力制御を実施していないため、クライアント装置からのトラフィック量が時間的に変動して少なくなったとしても、柔軟な波長帯域制御ができなかった。
【0008】
関連する技術の光波長分割多重装置の課題は、使用する波長帯域が常時固定で設定されているため、時間的、場所的に変化するトラフィック量によって柔軟に帯域制御できないということである。
【0009】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、光波長分割多重伝送ネットワークにおいて光伝送路当たりの波長帯域を効率的に利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係る光波長分割多重伝送システムは、
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送システムであって、
第1の多重装置は、
前記データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する第1の伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置および前記第2の多重装置に前記制御通信で通信する手段を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の制御手段を備え、
前記第1の多重装置の通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の制御手段および前記第2の制御手段は、割り当てられた前記光波長パスの通信をそれぞれ前記第1の伝送手段および前記第2の伝送手段に開始させ、
前記第1の多重装置の通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点に係る光波長分割多重伝送装置は、
データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで送信する伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記制御手段は、前記管理装置から指示された割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の観点に係る光波長分割多重伝送方法は、
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送方法であって、
第1の多重装置は、
データ送出装置からデータを入力する入力ステップと、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する伝送ステップと、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測ステップと、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の停止ステップと、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する停止通知ステップと、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の停止ステップを備え、
前記第1の多重装置は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の多重装置および第2の多重装置は、割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記第1の多重装置は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、管理装置によって光波長分割多重装置のトラフィック量の時間的変化を監視して、トラフィック量に合わせて光波長分割多重装置の間で使用する波長帯域を増減して調節することができる。これにより、場所的、時間的に効率よい波長帯域の使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムの接続形態の例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムのループ接続の例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る光波長パスを停止する手順を示すシーケンス図である。
【図5】実施の形態に係る光波長パスを再開する手順を示すシーケンス図である。
【図6A】実施の形態に係る光波長分割多重伝送装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6B】実施の形態に係る管理制御装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6C】実施の形態に係る対向側の光波長分割多重伝送装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7A】実施の形態に係る光波長分割多重伝送装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7B】実施の形態に係る管理制御装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7C】実施の形態に係る対向側の光波長分割多重伝送装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムの構成例を示すブロック図である。光波長分割多重伝送システム20は、少なくとも2台の光波長分割多重伝送装置1と、管理制御装置3とから構成される。2台の光波長分割多重伝送装置1は光波長多重伝送路9を介して対向し、光波長多重伝送路9を経由して光波長分割多重でデータを伝送する。以下、光波長分割多重伝送装置1を略して伝送装置1ともいう。図1で対向する2台の伝送装置1を便宜上、伝送装置1Aと伝送装置1Bで区別する。
【0016】
伝送装置1はそれぞれ、対向してデータを伝送する光波長分割多重伝送とは異なる通信で管理制御装置3に接続される。伝送装置1は、それぞれクライアント装置2に接続し、クライアント装置2から入力したデータを光波長分割多重で伝送し、光波長分割多重で受信したデータをクライアント装置2に供給する。
【0017】
クライアント装置2は、例えば、端末やサーバを含むLAN(Local Area Network)である。接続ポート7は、クライアント装置2の上位通信レイヤで使用される物理インタフェース部である。接続ポート7は、クライアント伝送路8に対して信号の送受信を行う。接続ポート7は例えば、ブロードバンドルータまたはスイッチングハブである。その他、クライアント装置2は端末またはサーバなどで、接続ポート7はIEEE 1394、SCSIまたはUSBなどのインタフェースポートの場合があり得る。
【0018】
クライアント伝送路8は、伝送装置1とクライアント装置2との間でクライアント信号の送受信を行う伝送路ケーブルである。クライアント装置2が一般的なLANの場合は、IEEE802.3で標準化されている例えば10BASE−T/100BASE−TX/1000Base−T/1000Base−LX/10GBase−LRのような規格の伝送路である。
【0019】
光波長分割多重伝送装置1は、I/F部6、光波長多重伝送部5および監視制御部4を備える。光波長分割多重装置1は、I/F部6にてクライアント装置2の接続ポート7から送信されるデータを受信し、該当の光波長帯域の信号に変換して光波長多重伝送部5に送信する。I/F部6は(1)〜(n)のように複数備えることが可能である。光波長多重伝送部5に送信されたデータは、光波長多重伝送部5で光波長分割多重され、光波長多重伝送路9に送信される。図1では、一例として2つの光波長パス10、11を代表して記載している。対向の光波長分割多重装置1では、受信した光波長パス10および光波長パス11を光波長多重伝送部5にて分離し、それぞれ対象の各I/F部6に振り分ける。振り分けられたデータは、各I/F部6でクライアント信号に戻され、各I/F部6に対向しているクライアント装置2の接続ポート7へと伝送される。
【0020】
I/F部6(1)〜(n)は、クライアント装置2とデータを送受信するインタフェース部であり、データを該当波長の信号に変換するトランスポンダと呼ばれる部分である。I/F部6は、1つの光波長分割多重装置1に複数有することが可能であり、図1では(1)〜(n)とn個有している表現としている。また図1はI/F部6(1)〜(n)に1つのクライアント装置2内の複数接続ポート7が接続されているが、一般的には接続されるクライアント装置2はそれぞれ別装置でも構わない。
【0021】
光波長多重伝送部5は、各クライアント装置2からのデータを光波長パスの信号に変換し、光波長分割多重して光波長多重伝送路9に送信する。また、光波長多重伝送路9から光波長分割多重された信号を受信し、光波長パスの信号に分離して復調したデータをクライアント装置2へ転送する。
【0022】
光波長多重伝送路9は、光波長分割多重装置1同士を接続して光波長多重された信号を送受信するための伝送路(光ファイバケーブル)である。主にITU−T勧告G.652に準拠したシングルモードファイバ(SMF)やG.653に準拠した分散シフトファイバ(DSF)を使用する。
【0023】
光波長パス10および11は、クライアント装置2からのそれぞれのクライアント信号に光の波長を割り当て、光波長多重伝送路9を経由して光波長分割多重装置1同士でアッド、ドロップする光信号のパスを表現している。光波長パス10および11は異なる波長帯域を使用する。アッド、ドロップの対象となる光波長分割多重装置1の間に他の中継装置が存在していても構わない。
【0024】
監視制御部4は、I/F部6(1)〜(n)を通るデータのフレーム数をカウントしており、トラフィックが予め設定した閾値より減った場合、光波長多重伝送部5の該当信号の波長の光出力(光波長パス10や11など)を停止する。そして、管理制御装置3に停止完了通知を行う。さらに該当のI/F部6より対向のクライアント装置2に対して停止制御の信号を送信する。その後、該当トラフィックに関連するI/F部6(1)〜(n)を休止させる。
【0025】
管理制御装置3に停止完了通知を行った伝送装置1を伝送装置1Aであると想定する。通知を受信した管理制御装置3は、当該光波長パスの対向の光波長分割多重伝送装置1Bに対してその光波長パスの停止処理を指示する。管理制御装置3に光波長パスの停止を指示された伝送装置1Bは、光波長多重伝送部5の該当信号の波長の光出力を停止する。そして、管理制御装置3に停止完了通知を行う。管理制御装置3は、停止完了通知を受信したことを記憶し、光波長分割多重伝送システム20全体の構成や各伝送装置1間で使用している光波長パスなど装置の稼働状況の情報(管理情報)を記憶する。
【0026】
一方、監視制御部4でカウントされるI/F部6(1)〜(n) を通るデータフレームのトラフィックが予め設定した閾値を越えた場合には、該当の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4から管理制御装置3に再開要求通知を送信して判断を仰ぐ。管理制御装置3は、管理情報から再開要求通知を送信した伝送装置1Aと対向の伝送装置1B、およびその間に存在する全ての伝送装置1を検索し、該当光波長パスの使用が他に無ければ、該当の光波長分割多重伝送装置1Aとその対向にある光波長分割多重伝送装置1Bに対して再開許可通知を送信する。
【0027】
再開要求通知を送信した光波長分割多重伝送装置1Aとその光波長パスの対向にある光波長分割多重伝送装置1Bの監視制御部4は、管理制御装置3から再開許可通知が受信された場合は、光波長多重伝送部5の該当信号の光波長パスの光出力(光波長パス10や11など)を再開するように制御を実施する。同時に該当トラフィックに関連するI/F部6(1)〜(n)を再開させる。さらに該当のI/F部6より対向のクライアント装置2に対して出力再開要求の信号を送信する。対向のクライアント装置2より出力再開を受信した光波長分割多重伝送装置1は再開完了通知を管理制御装置3に送信する。管理制御装置3は、再開完了通知を受信したことを記憶し、光波長分割多重伝送システム20全体の構成や各伝送装置1間で使用している光波長パスなど装置の稼働状況の情報(管理情報)を記憶する。
【0028】
監視制御部4は、以下の機能を有する。
・ I/F部6(1)〜(n)それぞれに流れるデータのトラフィックの閾値を外部入出力I/F12から設定する機能
・ I/F部6(1)〜(n)のトラフィック量監視機能
・ 上記2機能による結果の外部入出力I/F12から設定した期間での定期的な比較機能と、比較結果の外部入出力I/F12への出力機能
・ I/F部6(1)〜(n)の機能停止/再開制御機能
・ 光波長多重伝送部5で使用される光波長パスの監視制御機能
・ 管理制御装置3への停止完了通知、および再開要求通知、再開完了通知の送信機能
・ 管理制御装置3からの停止要求、再開許可通知の受信機能
・ 上記機能が作動できなかった場合の外部入出力I/F12へのエラー通知送出機能
【0029】
管理制御装置3は、複数の光波長分割多重装置1を、監視制御部4を通じて管理制御する装置である。システム全体にある複数の光波長分割多重装置1の情報を監視制御部4を通じて管理および制御する。管理制御装置3は以下の情報を記憶し管理する。
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4からの停止完了通知、および再開要求通知、再開完了通知の受信情報
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4への停止要求、再開許可通知の送信情報
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の物理的装置配置情報
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の光波長パスの設定情報
・ システム全体に渡る複数の光波長分割多重伝送装置1の光波長パスごとの対向装置出力状態
【0030】
管理制御装置3は、以下の機能を有する。
・ 監視制御部4からの停止完了通知に対し、対象の光波長パスの対向装置を検索し、検索された対向装置へ停止要求の送信する機能
・ 監視制御部4からの再開要求通知に対し、対向する伝送装置1と管理している波長パス情報を検索、該当の領域に他に波長帯域が使用されていない場合は再開許可通知を両対向装置に送信する機能
・ 監視制御部4からの再開完了通知に対し、光波長パス情報を更新して記憶する機能
・ 外部入出力I/F12への装置情報および光波長パス使用状況の通知機能
【0031】
外部入出力I/F12は、光波長分割多重伝送システム20を管理するための装置(管理端末)を接続するインタフェースを提供する。管理者は、管理端末から外部入出力I/F12を通じて、光波長分割多重伝送システム20のさまざまな情報を見ることができる。また、ネットワークの構成や例えば光波長パスの停止または再開を判断する閾値などの設定を行うことができる。
【0032】
本実施の形態の光波長分割多重伝送システム20は、図1のように光波長分割多重伝送装置1が対向で接続されている構成に限定されない。図2は、実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムの接続形態の例を示すブロック図である。図3は、実施の形態に係る光波長分割多重伝送システムのループ接続の例を示すブロック図である。図2および図3では、クライアント装置2を省略している。本実施の形態の光波長分割多重伝送システム20の制御方法は、図2のように間に中継装置が入る場合や、図3のようにループ(リング)構成で接続される場合などにも適用することができる。なお、光波長分割多重伝送システム20における光波長分割多重伝送装置1の台数にも制限はない。
【0033】
図2および図3の光波長分割多重伝送装置1には、それぞれクライアント装置2が接続される。クライアント装置2は、別の光波長分割多重伝送装置1を含む場合がある。すなわち、光波長分割多重伝送システム20は、伝送装置をノードとするツリー状または網状のネットワークを構成しうる。光波長パスは任意の2つの伝送装置の間で設定される。伝送装置は、それを起点とする光波長パスをアッド、ドロップし、その他の光波長パスを中継する。1つの光波長パスの途中の伝送装置は、その光波長パスを中継伝送する。
【0034】
図4は、実施の形態に係る光波長パスを停止する手順を示すシーケンス図である。光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4でカウントしているI/F部6(1)〜(n) を通るデータのトラフィックが、予め設定した閾値より減った場合の制御信号のシーケンスの一例を示す。
【0035】
光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4は、I/F部6(1)〜(n) を通るデータトラフィックのフレーム数を設定された時間周期で読み出している(シグナルT11)。設定された時間周期のフレーム数は、データのトラフィックを表す。監視制御部4は、読み出したフレーム数を所定の閾値と比較し、閾値より小さくなった場合、光波長停止要求を光波長多重伝送部5に送信する(シグナルT12)。
【0036】
光波長多重伝送部5は、光波長停止要求を受けると該当の光波長パスを停止し、波長停止完了通知を監視制御部4に送る(シグナルT13)。監視制御部4は該当のI/F部6に対してI/F部出力停止要求を送信する(シグナルT14)。該当のI/F部6は、I/F部出力停止要求を受信すると、対向にあるクライアント装置2に対して出力停止要求を送信する(シグナルT15)。
【0037】
対向のクライアント装置2は接続ポート7にて出力停止要求を受信すると、該当接続ポート7のクライアント信号を停止し、出力停止通知をI/F部6に返信する(シグナルT16)。I/F部6は出力停止通知を受信すると機能を休止し、I/F部出力停止完了通知を監視制御部4に送信する(シグナルT17)。監視制御部4は、管理制御装置3に対して停止完了通知を送信する(シグナルT18)。
【0038】
管理制御装置3は、管理データから停止完了通知を受信した装置と該当光波長パスで対向する光波長分割多重伝送装置1を検索する。そして、検索した対向の光波長分割多重伝送装置1に対して停止要求を送信する(シグナルT19)。停止要求を受信した対向の光波長分割多重伝送装置1Bは、上述のシグナルT12〜シグナル17と同様に停止処理を実施する。伝送装置Bは、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(シグナルT20)。
【0039】
管理制御装置3は、停止要求を送信した時点で、システム全体のシステム構成情報や波長情報の管理データを更新する。管理データは、外部入出力I/F12にて常に保守者が閲覧可能である。管理制御装置3は、伝送装置Bから停止完了通知を受信するのを待たなくてもよい。その場合、伝送装置Bは停止完了通知を送信しなくてもよい。
【0040】
図5は、実施の形態に係る光波長パスを再開する手順を示すシーケンス図である。光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4でカウントしているI/F部6(1)〜(n) を通るデータのトラフィックが、予め設定した閾値を越えた場合の制御信号のシーケンスの一例を示す。
【0041】
光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4は、I/F部6(1)〜(n) を通るデータトラフィックのフレーム数を設定された時間周期で読み出している(シグナルT21)。設定された時間周期のフレーム数は、データのトラフィックを表す。監視制御部4は、読み出したフレーム数を所定の閾値と比較し、閾値より大きくなった場合、該当の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4から管理制御装置3に該当データの光波長帯域の情報と再開要求通知を送信する(シグナルT22)。
【0042】
管理制御装置3は、保持している管理情報から再開要求通知を送信した装置と該当光波長パスで対向する光波長分割多重伝送装置1、その間に存在する全ての装置を検索する。該当光波長帯域の使用があれば外部入出力I/F12にて既使用の通知を行い、保守者に連絡が可能とする。該当光波長帯域の使用が無ければ、該当の光波長分割多重伝送装置1Aとその対向にある光波長分割多重伝送装置1Bに対して再開許可通知を送信する(シグナルT23、シグナルT24)。
【0043】
再開許可通知を受信した該当の光波長分割多重伝送装置1Aとその該当光波長パスの対向にある光波長分割多重伝送装置1Bは以後、後述する同じ再開動作を実施する。監視制御部4は、管理制御装置3から再開許可通知を受信すると、光波長多重伝送部5に波長再開要求を送信する(シグナルT25)。光波長多重伝送部5は該当の光波長(光波長パス10や11など)の出力を再開し、波長再開完了通知を監視制御部4に送信する(シグナルT26)。
【0044】
次に監視制御部4は該当のI/F部6に対してI/F部出力再開要求を送信する(シグナルT27)。該当のI/F部6は、I/F部出力再開要求を受信すると送受信機能を再開し、対向にあるクライアント装置2に対して出力再開要求を送信する(シグナルT28)。
【0045】
対向のクライアント装置2は接続ポート7にて出力再開要求を受信すると、該当接続ポート7のクライアント信号を再開し、出力再開通知をI/F部6に返信する(シグナルT29)。I/F部6は出力再開通知を受信するとI/F部出力再開完了通知を監視制御部4に送信する(シグナルT30)。監視制御部4は、管理制御装置3に対して再開完了通知を送信する(シグナルT31)。ここまでの再開動作は、対向の光波長分割多重伝送装置1も同様に実施される。そして、光波長分割多重伝送装置1Bは、再開完了通知を管理制御装置3に送信する(シグナルT32)。
【0046】
管理制御装置3は、対向する光波長分割多重伝送装置1からも同様に再開完了通知が送信されるのを待ち、両装置から再開完了通知が受信されたら、システム全体のシステム構成情報や波長情報の管理データを更新する。管理データは、外部入出力I/F12にて常に保守者が閲覧可能である。上記のシーケンス中に何らかのエラーが発生した場合、該当の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4は外部入出力I/F12にエラーの通知を行い、保守者に連絡が可能とする。
【0047】
このようにして本実施の形態では、通信データのトラフィック量を監視することによって光波長分割多重伝送装置1の波長帯域を増減させ、該当するトラフィックに関連する装置内機能ブロックの出力を停止/再開する。また該当トラフィックが関連する対向のクライアント装置2にも制御信号を送信することで、クライアント装置2に対しても停止/再開を通知する。その結果、システム全体の省電力化が可能となる。
【0048】
図6Aは、実施の形態に係る光波長分割多重伝送装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。伝送装置1Aの監視制御部4は、フレーム数を読み出す(ステップS11)。トラフィックが閾値より小さくなければ(ステップS12;NO)、フレーム数読出を繰り返す。
【0049】
トラフィックが閾値より小さければ(ステップS12;YES)、そのトラフィックに該当する光波長の出力を停止する(ステップS13)。そして、その光波長パスでデータを送信していたクライアント装置2に、出力停止要求を行う(ステップS14)。次にクライアント装置2に対向するI/F部6の出力を停止し(ステップS15)、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(ステップS16)。
【0050】
図6Bは、実施の形態に係る管理制御装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。管理制御装置3は、光波長分割多重伝送装置1から停止完了通知が送信されるのを待機する(ステップS21;NO)。光波長分割多重伝送装置1から停止完了通知を受信すると(ステップS21;YES)、その光波長パスで対向する光波長分割多重伝送装置1を検索する(ステップS22)。そして、検索した対向の光波長分割多重伝送装置1に対して光波長停止要求を送信する(ステップS23)。
【0051】
光波長停止要求を送信した伝送装置から停止完了通知が送信されるのを待って(ステップS24;NO)、停止完了通知を受信したら(ステップS24;YES)、光波長パス情報を更新する(ステップS25)。図6Bでは、管理制御装置3が図4のシグナルT20の停止完了通知を受信する場合を例にしている。
【0052】
図6Cは、実施の形態に係る対向側の光波長分割多重伝送装置の光波長パス停止処理の動作の一例を示すフローチャートである。光波長分割多重伝送装置1(伝送装置B)は、管理制御装置3から光波長停止要求が送信されるのを待機する(ステップS31;NO)。管理制御装置3から光波長停止要求を受信すると(ステップS31;YES)、該当する光波長を停止する(ステップS32)。
【0053】
伝送装置Bは、その光波長パスでデータを送信していたクライアント装置2に、出力停止要求を行う(ステップS33)。次にクライアント装置2に対向するI/F部6の出力を停止し(ステップS34)、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(ステップS35)。
【0054】
図7Aは、実施の形態に係る光波長分割多重伝送装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。伝送装置1Aの監視制御部4は、フレーム数を読み出す(ステップS41)。トラフィックが閾値より小さければ(ステップS42;NO)、フレーム数読出を繰り返す。トラフィックが閾値以上であれば(ステップS42;YES)、管理制御装置3に光波長再開要求を送信する(ステップS43)。
【0055】
管理制御装置3から再開許可通知が送信されるのを待って(ステップS44;NO)、再開許可通知を受信したら(ステップS44;YES)、通知された光波長の出力を再開する(ステップS45)。そして、その光波長パスで送信するデータを受信するI/F部6の出力を再開する(ステップS46)。I/F部6は、対向するクライアント装置2に、出力再開要求を行う(ステップS47)。監視制御部4は、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(ステップS48)。
【0056】
図7Bは、実施の形態に係る管理制御装置3の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。管理制御装置3は、光波長分割多重伝送装置1から光波長再開要求が送信されるのを待機する(ステップS51;NO)。光波長分割多重伝送装置1から光波長再開要求を受信すると(ステップS51;YES)、その伝送装置と対向する伝送装置の間で空いている光波長パスを検索する(ステップS52)。
【0057】
そして、空いている光波長パスを割り当てて、伝送装置Aと伝送装置Bに対して光波長再開許可通知を送信する(ステップS53)。再開許可通知を送信した伝送装置から再開完了通知が送信されるのを待って(ステップS54;NO)、再開完了通知を受信したら(ステップS54;YES)、光波長パス情報を更新する(ステップS55)。
【0058】
図7Cは、実施の形態に係る対向側の光波長分割多重伝送装置の光波長パス再開処理の動作の一例を示すフローチャートである。光波長分割多重伝送装置1(伝送装置B)は、管理制御装置3から再開許可通知が送信されるのを待機する(ステップS61;NO)。管理制御装置3から再開許可通知を受信すると(ステップS61;YES)、通知された光波長の出力を再開する(ステップS62)。そして、その光波長パスで送信するデータを受信するI/F部6の出力を再開する(ステップS63)。I/F部6は、対向するクライアント装置2に、出力再開要求を行う(ステップS64)。監視制御部4は、停止完了通知を管理制御装置3に送信する(ステップS65)。
【0059】
ただし、上記の動作中に何らかのエラーが発生した場合、該当の光波長分割多重伝送装置1の監視制御部4は外部入出力I/F12にエラーの通知を行い、保守者に連絡が可能とする。
【0060】
以上説明したように、本願発明においては、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は管理制御装置3によって複数の光波長分割多重装置のトラフィック量の時間的変化を監視しているので、トラフィック量に合わせて光波長分割多重装置同士で使用する波長帯域を増減して調整する事ができることである。これにより、場所的、時間的に効率よい波長帯域の使用が可能となる。
【0061】
第2の効果は光波長分割多重装置のトラフィック量の時間的変化を監視しているので、トラフィック量の時間的変化によって該当装置の該当信号処理ブロックの停止/再開を制御する事ができることである。これにより、トラフィックの無い機能ブロックを休止して省電力制御が可能となる。
【0062】
第3の効果は光波長分割多重装置のトラフィック量により該当信号処理ブロックを休止できるので、休止時に対向にあるクライアント装置2に制御信号を送信することにより対向クライアント装置2も該当信号処理ブロックを休止させる事ができることである。これにより対向装置のトラフィックの無い機能ブロックを休止して省電力制御が可能となる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0063】
(付記1)
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送システムであって、
第1の多重装置は、
前記データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する第1の伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置および前記第2の多重装置に前記制御通信で通信する手段を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の制御手段を備え、
前記第1の多重装置の通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の制御手段および前記第2の制御手段は、割り当てられた前記光波長パスの通信をそれぞれ前記第1の伝送手段および前記第2の伝送手段に開始させ、
前記第1の多重装置の通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送システム。
【0064】
(付記2)
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示手段を備えることを特徴とする付記1に記載の光波長分割多重伝送システム。
【0065】
(付記3)
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記第1の伝送手段への電力の供給を停止し、
前記第2の多重装置は、前記光波長パスの停止を通知された場合に、前記第2の伝送装置への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の光波長分割多重伝送システム。
【0066】
(付記4)
データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで送信する伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記制御手段は、前記管理装置から指示された割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送装置。
【0067】
(付記5)
前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示手段を備えることを特徴とする付記4に記載の光波長分割多重伝送装置。
【0068】
(付記6)
前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記伝送手段への電力の供給を停止することを特徴とする付記4または5に記載の光波長分割多重伝送装置。
【0069】
(付記7)
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送方法であって、
第1の多重装置は、
データ送出装置からデータを入力する入力ステップと、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する伝送ステップと、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測ステップと、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の停止ステップと、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する停止通知ステップと、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の停止ステップを備え、
前記第1の多重装置は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の多重装置および第2の多重装置は、割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記第1の多重装置は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送方法。
【0070】
(付記8)
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示ステップを備えることを特徴とする付記7に記載の光波長分割多重伝送方法。
【0071】
(付記9)
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、該光波長パスで送信する伝送手段への電力の供給を停止し、
前記第2の多重装置は、前記光波長パスの停止を通知された場合に、該光波長パスで伝送する伝送手段への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする付記7または8に記載の光波長分割多重伝送方法。
【符号の説明】
【0072】
1、1A、1B 光波長分割多重伝送装置(伝送装置)
2 クライアント装置
3 管理制御装置
4 監視制御部
5 光波長多重伝送部
6 I/F部
7 接続ポート
8 クライアント伝送路
9 光波長多重伝送路
10,11 光波長パス
12 外部入出力I/F
20 光波長分割多重伝送システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送システムであって、
第1の多重装置は、
前記データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する第1の伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置および前記第2の多重装置に前記制御通信で通信する手段を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の制御手段を備え、
前記第1の多重装置の通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の制御手段および前記第2の制御手段は、割り当てられた前記光波長パスの通信をそれぞれ前記第1の伝送手段および前記第2の伝送手段に開始させ、
前記第1の多重装置の通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送システム。
【請求項2】
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光波長分割多重伝送システム。
【請求項3】
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記第1の伝送手段への電力の供給を停止し、
前記第2の多重装置は、前記光波長パスの停止を通知された場合に、前記第2の伝送装置への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光波長分割多重伝送システム。
【請求項4】
データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで送信する伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記制御手段は、前記管理装置から指示された割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送装置。
【請求項5】
前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の光波長分割多重伝送装置。
【請求項6】
前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記伝送手段への電力の供給を停止することを特徴とする請求項4または5に記載の光波長分割多重伝送装置。
【請求項7】
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送方法であって、
第1の多重装置は、
データ送出装置からデータを入力する入力ステップと、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する伝送ステップと、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測ステップと、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の停止ステップと、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する停止通知ステップと、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の停止ステップを備え、
前記第1の多重装置は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の多重装置および第2の多重装置は、割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記第1の多重装置は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送方法。
【請求項8】
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示ステップを備えることを特徴とする請求項7に記載の光波長分割多重伝送方法。
【請求項9】
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、該光波長パスで送信する伝送手段への電力の供給を停止し、
前記第2の多重装置は、前記光波長パスの停止を通知された場合に、該光波長パスで伝送する伝送手段への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項7または8に記載の光波長分割多重伝送方法。
【請求項1】
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送システムであって、
第1の多重装置は、
前記データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する第1の伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置および前記第2の多重装置に前記制御通信で通信する手段を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の制御手段を備え、
前記第1の多重装置の通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の制御手段および前記第2の制御手段は、割り当てられた前記光波長パスの通信をそれぞれ前記第1の伝送手段および前記第2の伝送手段に開始させ、
前記第1の多重装置の通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送システム。
【請求項2】
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光波長分割多重伝送システム。
【請求項3】
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記第1の伝送手段への電力の供給を停止し、
前記第2の多重装置は、前記光波長パスの停止を通知された場合に、前記第2の伝送装置への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光波長分割多重伝送システム。
【請求項4】
データ送出装置からデータを入力する入力手段と、
入力したデータを光波長パスで送信する伝送手段と、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測手段と、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する制御手段と、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記制御手段は、前記管理装置から指示された割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記通知手段は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送装置。
【請求項5】
前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の光波長分割多重伝送装置。
【請求項6】
前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記伝送手段への電力の供給を停止することを特徴とする請求項4または5に記載の光波長分割多重伝送装置。
【請求項7】
データ送出装置からデータを入力して、入力したデータを光波長パスで伝送する光波長分割多重伝送方法であって、
第1の多重装置は、
データ送出装置からデータを入力する入力ステップと、
入力したデータを光波長パスで第2の多重装置に送信する伝送ステップと、
前記光波長パスで通信するトラフィック量の計測ステップと、
前記トラフィック量が予め設定された値より少ない場合に、前記光波長パスの出力を停止する第1の停止ステップと、
前記光波長パスの出力を停止した場合に、管理装置に前記光波長パスとは異なる制御通信で該停止したことを通知する停止通知ステップと、を備え、
前記管理装置は、前記第1の多重装置から前記光波長パスの出力を停止したことを通知された場合に、前記第2の多重装置に前記光波長パスの停止を通知し、
前記第2の多重装置は、前記停止の通知を受けた場合に、該当する前記光波長パスで伝送する第2の伝送手段を停止する第2の停止ステップを備え、
前記第1の多重装置は、前記トラフィック量が設定した値を超えた場合に、前記管理装置に再開要求を通知し、
前記管理装置は、前記再開要求を受信した場合に、空き光波長パスを前記第1の多重装置と前記第2の多重装置に割り当てて、それぞれに割り当てた前記光波長パスの情報を通知し、
前記第1の多重装置および第2の多重装置は、割り当てられた前記光波長パスの通信を開始し、
前記第1の多重装置は、前記光波長パスを再開したことを前記管理装置に通知する、
ことを特徴とする光波長分割多重伝送方法。
【請求項8】
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、前記データ送出装置に停止を通知し、前記光波長パスの出力を開始した場合に、前記データ送出装置に光波長パス通信開始を通知する、指示ステップを備えることを特徴とする請求項7に記載の光波長分割多重伝送方法。
【請求項9】
前記第1の多重装置は、前記光波長パスの出力を停止した場合に、該光波長パスで送信する伝送手段への電力の供給を停止し、
前記第2の多重装置は、前記光波長パスの停止を通知された場合に、該光波長パスで伝送する伝送手段への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項7または8に記載の光波長分割多重伝送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【公開番号】特開2011−229021(P2011−229021A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98122(P2010−98122)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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