説明

光線方向変更装置、光スイッチ及び光ヘッド

【課題】光線の方向を容易に変更できる光線方向変更装置を提供すること。
【解決手段】光線3を反射する反射部14を有し、湾曲自在な光線方向変更部材1と、光線方向変更部材1を引き付け、相互に対向して配置される引付部2、2とを備え、光線方向変更部材1の一部を一方の引付部2に引き付け、光線方向変更部材1の他部を他方の引付部2に引き付け、光線方向変更部材1を引付部間の空間で湾曲させて湾曲部13を形成し、引付部2による光線方向変更部材1の引き付け位置の変更により湾曲部13を移動し、入射した光線を湾曲部13の反射部14で反射して、光線3の方向を変更する、光線方向変更装置。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチや光ヘッドなど、光線の方向を変更する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、メカニカルなマイクロ光スイッチは、一般に光路を大きく変えることができる利点をもち、その構成方法としては、(1)基板面内を基板面に平行に進む光を基板面に垂直なミラーを用いて光路を切換える方法、(2)光導波路と同じ屈折率をもつ液滴の位置をマイクロヒータにより変えて光路を切り替える方法、(3)2自由度ミラーを用いて立体的に光路を切り替える方法、(4)光ファイバを静電力や磁力を用いて曲げて光路を切り替える方法がある。
【0003】
しかし、従来の問題点として、(1)基板面に垂直なミラーを構成するのは簡単ではなく、材料の降伏応力による選択できる材料或いは剛性に制限があり、製作の際にミラーの反射率が低下する問題、また、構造の複雑化といった問題がある。(2)液滴の切り替え数だけ個別に封入する問題がある。(3)ミラー群を立体的に配置しなければならず、かつ装置が大きくなる問題がある。(4)光ファイバの曲げ限界のため、装置が大きくなる問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
<イ>本発明は、光線の方向を容易に変更できる光線方向変更装置を提供することにある。
<ロ>また、本発明は、簡単な構造で小型の光線方向変更装置を提供することができる。
<ハ>また、本発明は、新規な構造の光スイッチを提供することにある。
<ニ>また、本発明は、新規な構造の記録ディスク用光ヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光線を反射する反射部を有し、湾曲自在な光線方向変更部材と、光線方向変更部材を引き付け、相互に対向して配置される引付部とを備え、光線方向変更部材の一部を一方の引付部に引き付け、光線方向変更部材の他部を他方の引付部に引き付け、光線方向変更部材を引付部間の空間で湾曲させて湾曲部を形成し、引付部による光線方向変更部材の引き付け位置の変更により湾曲部を移動し、入射した光線を湾曲部の反射部で反射して、光線の方向を変更する、光線方向変更装置にある。
また、本発明は、光線を反射する反射部を有し、湾曲自在な複数の光線方向変更部材と、各光線方向変更部材を引き付け、相互に対向して配置される引付部とを備え、各光線方向変更部材を隣接して配置し、各光線方向変更部材の一部を一方の引付部に引き付け、各光線方向変更部材の他部を他方の引付部に引き付け、各光線方向変更部材を引付部間の空間で湾曲させて各湾曲部を形成し、引付部による各光線方向変更部材の引き付け位置の変更により各湾曲部を移動し、入射した複数の光線を各湾曲部の反射部で反射して、各光線の方向を変更する、多チャンネル光線方向変更装置にある。
また、本発明は、前記光線方向変更装置の引付部と前記多チャンネル光線方向変更装置の引付部とを対向して配置し、対向する引付部には光線が透過する透過部を形成し、光線方向変更装置に光線を入射して湾曲部の反射部で反射して透過部を通し、反射した光線を多チャンネル光線方向変更装置の透過部を通して湾曲部の反射部で反射して、複数の光路に反射光を出射する、光スイッチにある。
また、本発明は、前記第1多チャンネル光線方向変更装置の引付部と第2多チャンネル光線方向変更装置の引付部とを対向して配置し、対向する引付部には光線が透過する透過部を形成し、第1多チャンネル光線方向変更装置に複数の光線を入射して各湾曲部の反射部で反射して透過部を通し、反射した複数の光線を第2多チャンネル光線方向変更装置の透過部を通して各湾曲部の反射部で反射して、複数の光路に反射光を出射する、光スイッチにある。
また、本発明は、前記光線方向変更装置の引付部を記録ディスク面に対向して配置し、記録ディスク面に対向する引付部の少なくとも一部に透過部を形成し、対向する引付部間の空間に光線を入射し、湾曲部の反射部により光線の方向を変更して透過部を通し、記録ディスク面上に光線を照射し、引付部による光線方向変更部材の引き付け位置の変更で湾曲部の位置を移動し、記録ディスク面上の光線の照射位置を移動する、記録ディスク用光ヘッドにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0007】
<イ>光線方向変更装置
光線方向変更装置10は、光線(光軸と光路を含む)の方向を変更する装置であり、例えば図1のように、光線3の方向を変更する光線方向変更部材1、光線方向変更部材1を引き付けて湾曲させる引付部2、2を備えている。光線方向変更装置10は、光線方向変更部材1の湾曲部13で光線を反射して、光線の方向を変更する。光線方向変更装置10は、例えば図1のように、光線方向変更部材1を対向する引付部2、2で間で上下に引き付け、引き付ける位置を替えることにより湾曲部13を引付部2に沿って左右に移動することができる。それにより、光線の反射位置を引付部2に沿って移動することができる。このように湾曲部13を用いることにより入射光線と反射光線の角度差を大きく取ることができる。光線方向変更装置10は、簡単な構造であり小型化することができる。また、光線方向変更装置10は、反射を利用するので光の波長の影響が受けにくい。光線方向変更装置10は、光線方向変更部材1の湾曲を利用するので、材料の降伏応力による制限が受けにくい。また、光線方向変更装置10は、マイクロシステムの製造プロセスとの親和性が高く、マイクロシステムに好適な装置である。また、光線方向変更装置10は、光のスキャナに使用することができる。なお、図1(B)、(C)は、図1(A)を横方向から見た図である。
【0008】
<ロ>光線方向変更部材
光線方向変更部材1は、対向する引付部2、2間に配置され、湾曲可能な性質と光を反射する性質を備えている。光線方向変更部材1は、光を反射する反射部14を備えており、反射部14により光線を反射して方向を変更する。光線方向変更部材は、反射面を有する薄膜を使用すると、反射部14と湾曲性能を共に有することができる。光線方向変更部材1は、種々の形状を取れ、横長の形状、短冊状の形状にすると良い。又は、使用対象に応じて、平方形、長方形、多角形、円形状でも良い。又は、これらの光線方向変更部材1を複数隣接して配置することもできる。光線方向変更部材1は、例えば図3に示されているように、ミラー11を保持してもよい。この場合、ミラー11の面を湾曲し難くすると、ミラー11の反射部14を常に平坦に保持することができる。
【0009】
光線方向変更部材1を引付部2に取り付ける場合、少なくとも一端をバネ材4などの伸縮自在な手段を介して取り付ける。図1(A)のように、光線方向変更部材1が湾曲して一端が、図1(A)のように左側に移動しても、バネ材4が伸びる結果、光線方向変更部材1に無理な力がかからない。また、光線方向変更部材1の端部が伸縮自在な状態で取り付けられているので、光線方向変更部材1の設定が容易となる。
【0010】
光線方向変更部材1は、金属材料、高分子材料、無機材料などの導電性を有する湾曲可能な膜や薄膜が利用でき、例えばTiNiの薄膜を使用し、薄膜の厚さを4μmとする。TiNiの薄膜の大きさや厚さは、光線方向変更装置10の用途に応じて決まるが、一例として長さは4mmとし、幅は1mmとする。これらの大きさ(数値)は、用途に応じて適宜、決めることができる。薄膜の少なくとも片面を鏡面にして反射部14とする。TiNi合金の薄膜は、耐食性を有し、軟らかく、塑性変形を受け難い超弾性を有する。TiNi合金の薄膜は、形状記憶合金であるので、湾曲の状態を記憶でき、停電時にもそれまでの状態を保持できる。
【0011】
<ハ>引付部
引付部2は、光線方向変更部材1を引き付けることができるものである。例えば図1のように、引付部2、2を対向して配置し、その間の空間内に光線方向変更部材1を配置する。引付部2は、光線方向変更部材1を引き付ける引付手段(アクチュエータ)21を備えている。
【0012】
引付手段21は、光線方向変更部材1を引き付けることができるものであればよく、例えば電場、磁場、空気などの手段を利用するとよい。引付手段21が電場を利用する場合、一対の各引付部2、2に光線方向変更部材1の長手方向に沿って多数の電極を並べて配置する。図1の場合、多数の平行な電極は、入射光線3の方向に沿って並べて取り付ける。電極の個数の密度により、湾曲部13の最小移動距離が決まる。電極に電圧、例えば500V(上記TiNi合金の薄膜を用い、引付部間の距離1mmとした場合の例)を印加し、光線方向変更部材1をアースするにより、光線方向変更部材1に静電引力が発生して、光線方向変更部材1を電気的に電極に吸引することができる。電極を使用する場合、電極と光線方向変更部材1との間を絶縁するために非接触層22を電極と光線方向変更部材1の間に配置する。また、吸引手段21と光線方向変更部材1との直接の接触が好ましくない場合も、これらの間に非接触層22を配置する。吸引に空気を使用する場合、引付部2に吸引する吸引器を配列すれば、光線方向変更部材1を引付部2に吸引することができる。
【0013】
磁場を利用する場合、例えば光線方向変更部材1又は引付部2の少なくとも一方に磁石或いは他の磁性体を取り付ける。その場合、磁石或いは他の磁性体を吸引する又は離すために電磁誘導を発生する装置を配置する。電磁誘導を発生する装置は、例えば引付部2に取り付けると良いが、必要に応じて光線方向変更部材1に又は両方に取り付けても良い。少なくとも一方に磁石、他方に磁石或いは他の磁性体を取り付けると、自己保持機能を持たせることができ、例えば通電などの外部エネルギーを与えることなく状態を保持することができる。自己保持機能が不要なら、一方に磁石以外の磁性体を取り付け、他方に電磁誘導を発生する装置を取り付ける。
【0014】
引付部2は、光線が通過する個所に光線が透過できる透過部23を設ける。透過部23は、例えば図1(B)のようにITOやガラスなどの透明部材を使用でき、また、図1(C)のように引付部に光線が通過できる空間を設けることができる。
【0015】
<ニ>光線方向変更部材の湾曲部の移動
引付手段21が電極の例を用いて、湾曲部13の移動を図2を用いて説明する。上部の引付部の黒い矢印で示す電極と下部の引付部の黒い矢印で示す電極に電圧を印加する。図2(A)において、光線方向変更部材1の左部分は上部の電極に吸引され、光線方向変更部材1の右部分は、下部の電極に吸引され、吸引されていない光線方向変更部材1が湾曲部13となる。この場合、光線3を左側から入射すると、光線3は湾曲部13で反射する。光線3が反射する湾曲部3の傾斜を入射光線3に対して45度に傾斜すると、反射光線は90度向きを変える。
【0016】
次に、電圧を印加する上部の電極を右側に2個(黒い矢印)増やし、電圧を印加する下部の電極を左側から2個(白い矢印)減らすと、光線方向変更部材の湾曲部は、引付部2に沿って右側に移動する。その結果、光線3が反射する位置が右側に移動することになる。このように、電圧を印加する電極を上部と下部で制御すると、光線3の反射位置を左右に移動することができる。電極の幅を狭くすると、移動距離を細かく制御することができる。また、電圧を印加する電極を選択することにより、湾曲部13の傾斜角度を制御することができる。
【0017】
光線方向変更部材1の湾曲部13の別な移動方法として、図示していないが、光線方向変更部材1自体に湾曲駆動部を設けても良い。例えば、湾曲駆動部としてバイメタルを利用する。引付部2の吸引手段として、バイメタルに熱を付与する熱付与手段をバイメタル毎に設ける。この熱付与手段を選択することにより光線方向変更部材1のバイメタルを選択して、光線方向変更部材1を任意の個所で湾曲することができる。
【0018】
<ホ>反射光線の反射位置の微調整
光源の位置を引付部2、2間で移動調整する微動装置5を設ける。微動装置5は、例えば図3のように、引付部2の光線が入射する端部に配置する。微動装置5により光源31を引付部2、2間の方向で光線3と直交する方向、又は、引付部2から他の引付部2に向かう方向で移動すると、光線方向変更部材1の湾曲部13で反射する個所が移動する。それにより、反射光線が図3のように入射光線に沿って左右に移動する。湾曲部13の反射部14の面を平坦にし、微動装置5により光源31を上下に移動すると、反射部14で反射した光線は左右にリニアー(線形)に移動する。このように、反射光線の移動は、吸引手段21により移動の他に、微動装置により微調整を行うことができる。
【0019】
<ヘ>多チャンネル光線方向変更装置
多チャンネル光線方向変更装置100は、複数の光線の方向を変更するものであり、例えば図4に示すように、対向する引付部2の間に複数の光線方向変更部材1を並列に配置し、複数の光線の方向を変更するものである。多チャンネル光線方向変更装置100は、複数の光線方向変更装置10を並列に配置したものと同様の機能を有する。多チャンネル光線方向変更装置100の吸引手段21は、各チャンネルで共通にすることができる。吸引手段21が電極の場合、電極とチャンネルがマトリックス状に交差するように配置する。吸引手段21により、複数の各光線方向変更部材1の所定の個所を湾曲する。
【0020】
<ト>光スイッチ
光スイッチ6は、光路を切り替えるものであり、例えば、光ファイバと光ファイバの間に介在させ、光ファイバからの光線を他の光ファイバに切り替えるものである。1本の光ファイバから複数本の光ファイバに光線を切り替える光スイッチ6は、光線方向変更装置10と多チャンネル光線方向変更装置100を対向して配置して構成できる。また、複数本の光ファイバから複数本の光ファイバに光線を切り替える光スイッチ6は、一対の多チャンネル光線方向変更装置100を対向して配置して構成できる。光スイッチ6は、例えば図4に示すように、図示していない上部の光線方向変更装置又は多チャンネル光線方向変更装置に光線3を入射し、光線3を光線方向変更部材の反射部14で反射し、反射光線を下部の多チャンネル光線方向変更装置100に入射する。下方に入射した光線は、多チャンネル光線方向変更装置100の1つの光線方向変更部材1の反射部14で再度反射する。多チャンネル光線方向変更装置100で反射した光線は、1つのチャンネルの引付部2に沿って通過し、その引付部2の端部に配置される光ファイバに入射する。
【0021】
<チ>光ヘッド
光ヘッドは、光を利用する記録ディスクの読み書きに使用するものである。光ヘッドは、例えば図5のように、光線方向変更装置10を利用し、回転する光ディスクなどの記録ディスク71の面に対向して、記録帯72に直交するように配置される。光ヘッド7の光線方向変更装置10は、図1の光線方向変更部材1とその取り付け形状が異なっているが、光線3を変更する原理は、同じである。図5の光線方向変更部材1は、両端の固定端部12がバネのように曲げて伸び易くなって引付部2に固定される。
【0022】
光ヘッド7の上下の電極21を選択することにより、光線方向変更部材1の湾曲部が記録帯72に直交するように移動する。このようにして、光ディスクの記録帯72を選択して。その位置に光線を照射することができる。光線の照射位置を記録帯72の位置により正確に合わせるために、光源31の微動装置5を使用する。微動装置5は、図5(A)のように、光源31を単に上下するだけで、記録帯72の照射位置をより微細に調整することができ、記録帯72に高密度に記録することができる。
【0023】
光線方向変更装置10を他の記録ディスクの光ヘッドとして使用する例として、図6のように配置することができる。図6の記録ディスクは、回転しないで固定する。その代わり、光線方向変更装置10を記録ディスクの全面に対向して配置する。図6の引付部21、光線方向変更部材1は、円形の形状を示しているが、角形状、楕円状、多角形など各種の形状を取ることができる。光源を記録ディスク中心に配置し、中心で回転する回転機能付光源32を使用する。この光ヘッドの操作方法は、光線方向変更部材1の一部を一方の引付部2に引き付け、一部を他方の引付部2に引き付け、湾曲部13を形成する。回転機能付光源32から光線を湾曲部13にある反射部14に照射し、例えば直角に反射して、その反射光を記録ディスク71の所定個所に照射する。回転機能付光源32に微動装置5を取り付ければ、記録ディスクの密度を高めることができる。
【0024】
記録ディスクの記録帯72を渦巻状にする以外に、種々の形状の記録帯とすることができ、例えば、図7(A)のように記録帯を直線にし、平行に多数形成してもよい。その場合、光源32を多数設けたり、平行移動、直線移動したり、又は、光ヘッド7を図7(B)のように構成することができる。図7(B)の光ヘッドにすると、光源の回転や平行移動、直線移動などの機械機構が必要なくなる。図7(B)の光線方向反射装置10は、短冊状の多数の光線方向反射部材1を隣接して配置する。各光線方向反射部材1に沿って光線3が通るように、光線3を反射する反射材24を引付部2、2の端部付近に配列する。この反射材24は、ミラーやプリズムなど光線3を所定の方向に曲げるものであれば良い。図7(B)の光源は1個であるが、複数設けてもよい。光源31に微動装置5を取り付ければ、引付部2、2間の向きでなく、引付部2に平行な方向に微動させてもよい。それにより、図7(A)のように1本の帯状の記録面に複数本の列のデータを記録できる。
【0025】
種々の形状の光線方向反射装置10を用いることにより、光ディスクの回転が必要なくなり、回転するアクチュエータ、光ヘッドと記録ディスクの擦れ合いの防止のための微小ギャップの確保や維持機構が不要となる。よって、小型化、簡素化、省エネルギー、低振動、静音化が可能となる(回転運動する部分が小さく、また、光ディスクよりも回転機能付光源の製作精度を向上させ易いため、エネルギー消費、振れ回り振動、風切音が抑制できる。)。また、このように構成することにより、静止個所が多くなり、また光源の微小移動が可能であり、高密度にデータを記録できる。
【0026】
【発明の効果】
<イ>本発明は、光線の方向を容易に変更できる光線方向変更装置を提供することができる。
<ロ>本発明は、また、簡単な構造で小型の光線方向変更装置を提供することができる。
<ハ>また、本発明は、新規な構造の光スイッチを提供することができる。
<ニ>また、本発明は、新規な構造の記録ディスク用光ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光線方向変更装置の説明図
【図2】光線方向変更装置の湾曲部を移動する説明図
【図3】光源の位置を変化させる微動装置を有する光線方向変更装置の図
【図4】多チャンネル光線方向変更装置を利用した光スイッチの図
【図5】光線方向変更装置を利用した光ヘッドの図
【図6】円形の光線方向変更装置を利用した光ヘッドの図
【図7】角形の光線方向変更装置を利用した記録ディスクの光ヘッドの図
【符号の説明】
1・・・光線方向変更部材
10・・光線方向変更装置
100・多チャンネル光線方向変更装置
11・・ミラー
12・・固定端部
13・・湾曲部
14・・反射部
2・・・引付部
21・・引付手段
22・・非接触層
23・・透過部
24・・反射材
3・・・光線
31・・光源
32・・回転機能付光源
4・・・バネ材
5・・・微動装置
6・・・光スイッチ
7・・・光ヘッド
71・・記録ディスク
72・・記録帯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線を反射する反射部を有し、湾曲自在な光線方向変更部材と、
光線方向変更部材を引き付け、相互に対向して配置される引付部とを備え、
光線方向変更部材の一部を一方の引付部に引き付け、光線方向変更部材の他部を他方の引付部に引き付け、光線方向変更部材を引付部間の空間で湾曲させて湾曲部を形成し、引付部による光線方向変更部材の引き付け位置の変更により湾曲部を移動し、入射した光線を湾曲部の反射部で反射して、光線の方向を変更する、光線方向変更装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光線方向変更装置において、
光線方向変更部材は、金属材料などの導電性を有する膜であり、少なくとも一部に反射部となる鏡面を備えていることを特徴とする、光線方向変更装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光線方向変更装置において、
対向する引付部の少なくとも一方の一部に光線を透過できる透過部を備えていることを特徴とする、光線方向変更装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光線方向変更装置において、
光線方向変更部材の少なくとも一端は、引付部に伸縮自在な状態で取り付けられていることを特徴とする、光線方向変更装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光線方向変更装置において、
光線の入射位置を対向する引付部間で移動する微動装置を備えていることを特徴とする、光線方向変更装置。
【請求項6】
請求項1に記載の光線方向変更装置において、
複数個の光線方向変更部材を配置し、
光線を反射する反射材を引付部の端部に配置し、
光線方向変更部材に沿って通って来た光線を反射材で反射して、他の光線方向変更部材に沿って送出することを特徴とする、光線方向変更装置。
【請求項7】
光線を反射する反射部を有し、湾曲自在な複数の光線方向変更部材と、
各光線方向変更部材を引き付け、相互に対向して配置される引付部とを備え、
各光線方向変更部材を隣接して配置し、各光線方向変更部材の一部を一方の引付部に引き付け、各光線方向変更部材の他部を他方の引付部に引き付け、各光線方向変更部材を引付部間の空間で湾曲させて各湾曲部を形成し、引付部による各光線方向変更部材の引き付け位置の変更により各湾曲部を移動し、入射した複数の光線を各湾曲部の反射部で反射して、各光線の方向を変更する、多チャンネル光線方向変更装置。
【請求項8】
請求項1に記載の光線方向変更装置の引付部と請求項6に記載の多チャンネル光線方向変更装置の引付部とを対向して配置し、
対向する引付部には光線が透過する透過部を形成し、
光線方向変更装置に光線を入射して湾曲部の反射部で反射して透過部を通し、反射した光線を多チャンネル光線方向変更装置の透過部を通して湾曲部の反射部で反射して、複数の光路に反射光を出射する、光スイッチ。
【請求項9】
請求項6に記載の第1多チャンネル光線方向変更装置の引付部と第2多チャンネル光線方向変更装置の引付部とを対向して配置し、
対向する引付部には光線が透過する透過部を形成し、
第1多チャンネル光線方向変更装置に複数の光線を入射して各湾曲部の反射部で反射して透過部を通し、反射した複数の光線を第2多チャンネル光線方向変更装置の透過部を通して各湾曲部の反射部で反射して、複数の光路に反射光を出射する、光スイッチ。
【請求項10】
請求項1に記載の光線方向変更装置の引付部を記録ディスク面に対向して配置し、
記録ディスク面に対向する引付部の少なくとも一部に透過部を形成し、
対向する引付部間の空間に光線を入射し、湾曲部の反射部により光線の方向を変更して透過部を通し、記録ディスク面上に光線を照射し、引付部による光線方向変更部材の引き付け位置の変更で湾曲部の位置を移動し、記録ディスク面上の光線の照射位置を移動する、光ヘッド。
【請求項11】
請求項6に記載の多チャンネル光線方向変更装置の引付部を記録ディスク面に対向して配置し、
記録ディスク面に対向する引付部の少なくとも一部に透過部を形成し、
対向する引付部間の空間に光線を入射し、1個の光線方向変更部材を選択し、該光線方向変更部材を湾曲し、湾曲部の反射部により光線の方向を変更して透過部を通し、記録ディスク面上に光線を照射し、引付部による光線方向変更部材の引き付け位置の変更で湾曲部の位置を移動し、記録ディスク面上の光線の照射位置を移動する、光ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2004−240308(P2004−240308A)
【公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−31191(P2003−31191)
【出願日】平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願人】(899000013)財団法人理工学振興会 (81)
【Fターム(参考)】