説明

光記録方法及び光記録装置

【課題】
低光パワーで媒体に記録マークを形成可能な光記録方法及び光記録装置を提供する。
【解決手段】
パワーが1kWの低パワーの超短パルスレーザ光のパルスにより記録媒体10の極小な領域gを光反応により励起状態(又は過渡的な状態)とし、光吸収が起き易い状態にすることができ、この励起状態(又は過渡的な状態)のとき(例えば図2の時刻t1〜時刻t2)に、CWレーザ光を照射することで、記録媒体10に熱反応を起こし、低光パワーで記録媒体10の記録面内方向Xの長さが所望の長さL1、記録媒体10の厚さ方向Zの長さが所望の長さL2の記録マークG(例えばボイド)を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体に光を照射し情報を記録する光記録方法及び光記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体へのビットバイビット体積記録は様々なものがあり、例えば透明媒体中への3次元ピット記録などが提案されている(非特許文献1)。また、有機媒体中への非線形光学効果による発泡マーク形成も提案されている(特許文献1)。これらの体積記録方法は、一般的に超短パルスを用いた記録が主であり、記録マーク形成に至る反応過程は、アブレーションと全く同一の反応過程であると考えられている。レーザアブレーションによる穴形成は、光化学的反応および光熱反応の混合により発生すると考えられている(非特許文献2、P912)。
【0003】
例えばCW(Continuas Wave)レーザを用いて物質にアブレーションを引き起こす場合、アブレーションの原理となる熱的分解を引き起こすためには数ワット級の高い平均光エネルギーが必要となるため、光源コストが問題となった。
【0004】
これに対して、フェムト秒〜ピコ秒オーダーの超短パルスレーザを用いたアブレーションでは、高いピークパワーおよび短時間露光による光化学的な反応が支配的であるため、低い平均光エネルギーでアブレーションが可能となった。
【0005】
超短パルス光を照射された材料は光励起され、光化学的反応により解離・イオン化等を引き起こす。一般に、超短パルスレーザを材料に照射することにより光化学的な反応が発生した場合、材料の吸収スペクトルは過渡的に変化し、光吸収が起き易い状態になる。
【0006】
例えば、金属材料において超短パルスレーザを照射すると、多光子吸収による電子系の励起が起こり、伝導電子・イオン・プラズマが発生する(非特許文献2、P926)。
【0007】
また有機分子においても、高強度超短パルスが照射されたサビニルブルー有機材料は、光吸収による電子状態変化と共に励起子−励起子緩和が発生し、過渡的な吸収変化・増大を引き起こす(非特許文献3:第三章)。この吸収時間は数十ピコ秒以上である。
【特許文献1】、特開2005−37658([段落0166])
【非特許文献1】Hirao et al, "Three-Dimensional Optical Data Storage in Vitreous Silica", Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 37 (1998) pp. L1527-L1530
【非特許文献2】レーザーハンドブック第二版 レーザー学会(編)
【非特許文献3】銅フタロシアニン固体のフェムト秒レーザーアブレーションに関する動力学的研究" 平成12年 大阪大学大学院工学研究科 博士論文、 細川陽一郎
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、光化学的反応は、ナノ秒〜数十ピコ秒オーダの反応である熱反応が進む前に(記録マークが形成される前に)終了してしまう。例えば、非特許文献2では、励起状態などのLife timeは数ピコ秒以上であるため、従来の超短パルスレーザでは次の照射までに何の光励起を引き起こすことができなかった(非特許文献2、P926)。また、非特許文献3では、高強度超短パルスレーザの有機材料への照射により過渡的な吸収を引き起こすことができるが、一般的な高強度超短パルスレーザのパルス幅はフェムト秒〜数ピコ秒であり、またパルス列の間隔は一般に数100nsecであるため、この過渡的な吸収を利用することはできなかった。このため、材料に光反応を生じさせるために必要な光パワーの閾値付近のビームパワーでは極小な領域のみしか反応しない。
【0009】
そのため、記録マークの形状を制御するためには光エネルギーを閾値よりも相当高い光エネルギーを投入し、超短パルス照射後に発生する熱の拡散のみで記録マークの形状をコントロールする必要があった。例えば特許文献1では、フェムト秒レーザによるアブレーションにおいて深くアブレーションを行うためには、1パルスあたりのエネルギーを相当高く取る必要があった。
【0010】
このように、パルス幅、波長、繰り返し周波数が固定である超短パルス光源を用いて露光を実現する方式では、記録マーク形状を制御するためには、1パルスあたりのピーク強度を変える、若しくは照射時間を変える方法しかなかった。
【0011】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、低光パワーで媒体に記録マークを形成可能な光記録方法及び光記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る光記録方法は、レーザ光のパルス列を媒体の記録マークを形成する領域に照射し、出力が連続的である連続波レーザ光を前記記録マークを形成する領域に照射する。
【0013】
本発明では、レーザ光のパルスによる媒体の光反応により媒体の極小な領域を励起状態(又は過渡的な状態)とし、光吸収が起き易い状態にすることができ、この励起状態(又は過渡的な状態)のときに、連続波レーザ光を媒体に照射することで、連続波レーザ光の光吸収を増大させ熱反応を起こし、媒体に記録マークを形成することができる。つまり、レーザ光のパワーを、媒体の極小な領域を励起状態(又は過渡的な状態)にすることが可能な閾値より大きくすることなく、この低パワーのレーザ光のパルスにより媒体の極小な領域を励起状態(又は過渡的な状態)とし、この励起状態(又は過渡的な状態)が終了する前に、連続波レーザ光を照射することで、媒体に熱反応を起こし、低光パワーで媒体に記録マークを形成することができる。
【0014】
前記レーザ光は超短パルスレーザ光であり、前記連続波レーザ光の照射時間と前記超短パルスレーザ光の照射時間とが重なるように、前記超短パルスレーザ光と前記連続波レーザ光とを照射する。超短パルスとは、例えばパルス幅がフェムト秒〜ピコ百秒のオーダーであることを意味する。
【0015】
これにより、超短パルスレーザ光により、媒体の極小な領域を励起状態(又は過渡的な状態)とし、光吸収が起き易い状態にすることができ、この励起状態(又は過渡的な状態)のときに、連続波レーザ光を媒体に照射し熱反応を起こし記録マークを形成することができる。
【0016】
この場合において、前記超短パルスレーザ光の照射の開始後に前記連続波レーザ光を照射する。
【0017】
これにより、超短パルスレーザ光による媒体の光反応により媒体の極小な領域を確実に励起状態(又は過渡的な状態)にした後に、連続波レーザ光を媒体に照射し、確実に記録マークを形成することができる。
【0018】
この場合において、前記超短パルスレーザ光の照射の開始と同時に前記連続波レーザ光を照射する。
【0019】
これにより、超短パルスレーザ光と、連続波レーザ光との照射タイミングを容易に同期して、両レーザ光を媒体に照射することができる。
【0020】
この場合において、前記超短パルスレーザ光の照射の開始前に前記連続波レーザ光の照射を開始する。
【0021】
これにより、予め連続波レーザ光を媒体に照射しておき、その後、連続波レーザ光と共に超短パルスレーザ光により記録マークを形成することができる。
【0022】
ここで、前記連続波レーザ光の照射前に、前記連続波レーザ光の強度を変調してもよい。これにより、媒体に供給される連続波レーザ光のエネルギー量を制御し、励起状態(又は過渡的な状態)の媒体の極小な領域で効率的に光吸収を起こし、熱反応を起こすことができる。
【0023】
ここで、前記連続波レーザ光の照射前に、前記連続波レーザ光の周波数を変調してもよい。これにより、媒体に供給される連続波レーザ光のエネルギー量を制御し、例えば媒体が熱くなり過ぎないように媒体の温度を制御することができる。
【0024】
前記超短パルスレーザ光と前記連続波レーザ光とを、同軸上で同じ向きから前記媒体に入射する。これにより、超短パルスレーザ光と連続波レーザ光との光路が一部重なることになり、光学系の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0025】
前記超短パルスレーザ光と前記連続波レーザ光とを、同軸上で反対向きに前記媒体に入射する。これにより、媒体を挟んで一方側から超短パルスレーザ光を媒体に入射し、他方側から連続波レーザ光を媒体に入射し記録マークを形成することができる。
【0026】
前記超短パルスレーザ光は、パルス幅がフェムト秒以上百ピコ秒以下である。これにより、媒体の極小な領域を短時間で励起状態(又は過渡的な状態)にすることができる。ここで、超短パルスレーザ光は、パルス幅がフェムト秒以上数百ピコ秒(例えば500ピコ秒)以下であってもよい。
【0027】
前記超短パルスレーザ光は、パルスのパワーが1kW以下である。これにより、従来のようにパルスのパワーが100kWの超短パルスレーザ光を媒体に照射する必要がなくなるため、低コストの光学システムを用いて記録マークを形成することができる。
【0028】
本発明に係る光記録装置は、レーザ光のパルス列を媒体の記録マークを形成する領域に照射するレーザ光源と、出力が連続的である連続波レーザ光を前記記録マークを形成する領域に照射する連続波レーザ光源とを具備する。
【0029】
本発明では、レーザ光のパルスによる媒体の光反応により媒体の極小な領域を励起状態(又は過渡的な状態)とし、光吸収が起き易い状態にすることができ、この励起状態(又は過渡的な状態)のときに、連続波レーザ光を媒体に照射することで、連続波レーザ光の光吸収を増大させ熱反応を起こし、媒体に記録マークを形成することができる。つまり、レーザ光のパワーを、媒体の極小な領域を励起状態(又は過渡的な状態)にすることが可能な閾値より大きくすることなく、この低パワーのレーザ光のパルスにより媒体の極小な領域を励起状態(又は過渡的な状態)とし、この励起状態(又は過渡的な状態)が終了する前に、連続波レーザ光を照射することで、媒体に熱反応を起こし、低光パワーで媒体に記録マークを形成することができる。
【0030】
この場合において、前記レーザ光源は、超短パルスレーザ光を照射するモードロックレーザ光源であり、前記超短パルスレーザ光の照射時間と前記連続波レーザ光の照射時間とが重なるように、前記超短パルスレーザ光と前記連続波レーザ光との照射のタイミングを制御する制御部を更に具備する。
【0031】
これにより、超短パルスレーザ光により、媒体の極小な領域を励起状態(又は過渡的な状態)とし、光吸収が起き易い状態にすることができ、この励起状態(又は過渡的な状態)のときに、連続波レーザ光を媒体に照射し超短パルスレーザ光と、連続波レーザ光とが重なるようにして、熱反応を起こし記録マークを形成することができる。
【0032】
この場合において、前記制御部は、前記超短パルスレーザ光の照射の開始後に前記連続波レーザ光が前記媒体に照射されるように、前記モードロックレーザ光源と前記連続波レーザ光の照射タイミングを制御する。
【0033】
これにより、超短パルスレーザ光による媒体の光反応により媒体の極小な領域を確実に励起状態(又は過渡的な状態)にした後に、連続波レーザ光を媒体に照射し、確実に記録マークを形成することができる。
【0034】
この場合において、前記制御部は、前記超短パルスレーザ光の照射の開始と同時に前記連続波レーザ光が前記媒体に照射されるように、前記モードロックレーザ光源と前記連続波レーザ光の照射タイミングを制御する。
【0035】
これにより、超短パルスレーザ光と、連続波レーザ光との照射タイミングを容易に同期して、両レーザ光を媒体に照射することができる。
【0036】
この場合において、前記制御部は、前記超短パルスレーザ光の照射の開始前に前記連続波レーザ光が前記媒体に照射されるように、前記モードロックレーザ光源と前記連続波レーザ光の照射タイミングを制御する。
【0037】
これにより、予め連続波レーザ光を媒体に照射しておき、その後、連続波レーザ光と共に超短パルスレーザ光により記録マークを形成することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明によれば、低光パワーで媒体に記録マークを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る光記録装置のブロック図である。
【0040】
図1に示すように、光記録装置1は、モードロックレーザ2、レンズ3,3´、偏光ビームスプリッタ4、CW(Continuas Wave)レーザ5、リレーレンズ6、対物レンズ7、サーボ専用レーザ8、レンズ9、ビームスプリッタ11、ビームスプリッタ12、集光レンズ13、フォーカスサーボ用のフォトディテクタ14、対物レンズフォーカスサーボ装置15、対物レンズアクチュエータ16及びスピンドル17を備えている。
【0041】
モードロックレーザ2は、所定の時間間隔の超短パルスレーザ光を発生するレーザである。超短パルスとは、例えばパルス幅がフェムト秒〜ピコ百秒のオーダーであることを意味する。この超短パルスレーザ光は、例えば周波数が500MHz、波長が405nmの記録用のレーザ光である。レーザ媒質として、例えばTi:S(チタンドープサファイア)結晶が用いられている。モードロックレーザ2から射出された超短パルスレーザ光は、直線偏光状態のレーザ光である。
【0042】
レンズ3は、モードロックレーザ2から射出された超短パルスレーザ光を平行光にして、偏光ビームスプリッタ4に入射する。
【0043】
偏光ビームスプリッタ4は、レンズ3からの直線偏光の超短パルスレーザ光を透過し、リレーレンズ6に入射すると共に、レンズ3´からの超短パルスレーザ光に直交する偏光状態のCWレーザ光をリレーレンズ6に向けて反射する。
【0044】
CWレーザ5は、連続波レーザ光をレンズ3´に向けて射出する。CWレーザ光は、例えば平均パワーが100mW、照射時間がほぼ30nsec(最短記録マークを形成するために確保することができる露光時間)の連続波である。CWレーザ光は、モードロックレーザ2から射出された超短パルスレーザ光と直交する偏光状態のレーザ光である。
【0045】
制御部Sは、モードロックレーザ2の超短パルスレーザ光の射出タイミングと、CWレーザ5のCWレーザ光の射出タイミングとを後述するように制御する。
【0046】
リレーレンズ6は、偏光ビームスプリッタ4からのレーザ光を、ビームスプリッタ11及び12を介して対物レンズ7に照射する。リレーレンズ6は、記録媒体10の厚さ方向にレーザ光の焦点位置を調整するためにも用いられる。
【0047】
対物レンズ7は、例えば入射した超短パルスレーザ光と、入射したCWレーザ光がとが記録媒体10内の同じ位置で焦点を結ぶように集光する。対物レンズ7のNAは0.85である。
【0048】
サーボ専用レーザ8は、例えば波長が630nmのフォーカスサーボ専用の(図8では点線で示す)フォーカスサーボ光Fをレンズ9に向けて射出する。
【0049】
レンズ9は、フォーカスサーボ光Fをビームスプリッタ11に照射する。
【0050】
ビームスプリッタ11は、フォーカスサーボ光Fをビームスプリッタ12に向けて反射する。
【0051】
ビームスプリッタ12は、ビームスプリッタ11からのフォーカスサーボ光Fを透過する。ビームスプリッタ12を透過したフォーカスサーボ光Fは、対物レンズ7で集光され、記録媒体10の基準面で反射する。記録媒体10の基準面は、フォーカスサーボ光Fは反射するが、記録用の超短パルスレーザ光及びCWレーザ光を透過する波長選択膜である。基準面で反射したフォーカスサーボ光Fは、対物レンズ7を透過してビームスプリッタ12に入射する。ビームスプリッタ12は、入射したフォーカスサーボ光Fを集光レンズ13に向けて反射する。
【0052】
集光レンズ13は、ビームスプリッタ12で反射されたフォーカスサーボ光Fをフォトディテクタ14に集光する。
【0053】
フォトディテクタ14は、集光レンズ13からのフォーカスサーボ光Fに基づき、例えば非点収差法により対物レンズフォーカスサーボ装置15に信号を出力する。
【0054】
対物レンズフォーカスサーボ装置15は、フォトディテクタ14からの信号に基づき、対物レンズアクチュエータ16を制御するための制御信号を出力する。
【0055】
対物レンズアクチュエータ16は、対物レンズフォーカスサーボ装置15からの制御信号に基づき、対物レンズ7をフォーカス制御するために移動させる。
【0056】
図2は超短パルスレーザ光のパワー、CWレーザ光のパワーと、時間との関係を示す図である。
図2に示すように、モードロックレーザ2から射出され記録媒体10に照射される超短パルスレーザ光は、パルス幅w(t2−t1)がフェムト秒〜ピコ百秒のオーダー、周波数が500MHz(超短パルスの照射周期(t3−t1))、パワーPがp1(例えば1kW以下)、波長が405nmの記録用のレーザ光である。
【0057】
ここで、t1は例えば第1の超短パルスの照射開始時刻、t2は第1の超短パルスの照射終了時刻、t3はモードロックレーザ2から第1の超短パルスに続いて射出された第2の超短パルスの照射開始時刻である。
【0058】
記録媒体10に照射されるCWレーザ光は、パワーPが例えばp2(100mW<p1)、照射開始の時刻t4(t1<t4≦t2)、照射時間(t5−t4)が例えば30(nsec)である記録用のレーザ光である。例えば時刻t1〜t5は制御部Sにより制御されている。
【0059】
この結果、超短パルスレーザ光による照射エネルギーは、1nJであり、CWレーザ光による照射エネルギーは、3nJとなり、これらのパワーを合計すると、4nJのエネルギーを投入することができる。
【0060】
次に、図1の光記録装置1を用いた記録媒体10への情報の光記録方法を説明する。
図3は図1の光記録装置1を用いた光記録方法を示すフローチャート、図4(A)は超短パルスレーザ光を照射した状態を示す図、図4(B)はCWレーザにより記録マークが形成された状態を示す図である。
図1に示すように、スピンドル17に記録媒体10をセットし図示しない駆動機構により記録媒体10を回転させる(ST301)。例えば、線速度が5m/sとなるようにする。
【0061】
モードロックレーザ2から例えば所定の時間間隔(t3−t1)、所定のパルス幅w(図2参照)の超短パルスレーザ光を射出する(ST302)。
【0062】
これにより、例えば図2に示すように、時刻t1に第1の超短パルスの照射が開始し時刻t2にパルス照射が終了する。この結果、図4(A)に示すように、例えば記録媒体10は、光励起され、光化学的反応により解離、イオン化などを引き起こす。つまり、光化学的反応により吸収スペクトルが過渡的に変化し記録媒体10の極小な領域gで光吸収が起き易い状態(励起状態、過渡状態)となる。
【0063】
より具体的には、例えば記録媒体10が多光子吸収材料である場合には、多光子吸収による電子系の励起が起こり、伝道電子、イオン、プラズマが発生する励起状態となる。これらのライフタイム(Life time)は、数ピコ秒程度である。
【0064】
また、例えば記録媒体10が有機材料であるときには、光吸収による電子状態変化と共に励起子―励起子緩和が発生し、過渡的に吸収スペクトルが変化・増大する状態(過渡状態)を引き起こす。この吸収の時間は、数十ピコ秒(以上)である。
【0065】
次いで、CWレーザ5から時刻t4にCWレーザの照射を開始する(ST303)。このとき、CWレーザ光の焦点が超短パルスレーザ光の焦点と重なり、かつCWレーザ光の照射時間(t5−t4)が超短パルスレーザ光の照射時間(t2−t1)に時刻t4〜時刻t2の間で重なるようにする(図2参照)。
【0066】
これにより、超短パルスレーザ光による記録媒体10の励起状態(又は過渡状態)のときに、連続波レーザ光を記録マークを形成する領域に照射することで、連続波レーザ光の光吸収を増大させ熱反応を起こし、熱的なアブレーションを制御(促進)し、図4(B)に示すように記録媒体10に記録マークG(例えばボイド)を形成する(ST304)。
【0067】
このように本実施形態によれば、パワーが1kWの低パワーの超短パルスレーザ光のパルスにより記録媒体10の極小な領域gを光反応により励起状態(又は過渡的な状態)とし、光吸収が起き易い状態にすることができ、この励起状態(又は過渡的な状態)のとき(例えば図2の時刻t1〜時刻t2)に、CWレーザ光を照射することで、記録媒体10に熱反応を起こし、図4(B)に示すように低光パワーで記録媒体10の記録面内方向Xの長さが所望の長さL1、記録媒体10の厚さ方向Zの長さが所望の長さL2の記録マークG(例えばボイド)を形成することができる。
【0068】
例えば記録媒体10に2光子吸収材料を用いる場合には、この材料への超短パルスレーザ光の照射により、焦点の近傍の領域gでエネルギーが大きくなるため2光子吸収が起こり、領域gにボイド(穴)が形成されるが、この照射だけでは、焦点から外れた領域ではエネルギーが低いため2光子吸収が起こらず所定の大きさの記録マークG(ボイド)が形成されない。
【0069】
しかし、本実施形態では、図2に示すように、超短パルスレーザ光の照射の開始(時刻t1)後にCWレーザ光を照射を開始し(時刻t4>時刻t1)、超短パルスレーザ光とCWレーザ光とが(t4−t2の間で)時間的かつ空間的に重なる。この結果、確実に上述した超短パルスレーザ光により励起状態を引き起こし、この状態でCWレーザ光を供給し熱化学的反応により記録マークGを形成することができる。
【0070】
光記録装置1のモードロックレーザ2のパワーPのピークが1kWと小さくなるので、低コストで光学系を構成することができる。
【0071】
偏光ビームスプリッタ4は、レンズ3からの直線偏光の超短パルスレーザ光を透過し、リレーレンズ6に入射すると共に、レンズ3´からの直線偏光に直交する偏光状態のCWレーザ光をリレーレンズ6に向けて反射する。これにより、エネルギーロスなく、超短パルスレーザ光とCWレーザ光とを合波することができる。本実施形態では、超短パルスレーザ光の波長とCWレーザ光との波長が同一であっても適用することができるので大変有用である。
【0072】
なお、超短パルスレーザ光と、CWレーザ光との波長は、超短パルスレーザ光が励起状態(又は過渡状態)を形成でき、CWレーザ光が光吸収による熱化学的反応を引き起こすことができれば、必ずしも同一である必要はない。
【0073】
超短パルスレーザ光の波長とCWレーザ光の波長とが異なる場合には、図1に示す偏光ビームスプリッタ4の代わりに、例えば偏光ビームスプリッタ4と同形状のダイクロックミラーを用いるようにしてもよい。ダイクロックミラーは、特定の波長の光を反射し(例えばCWレーザ光)、この特定の波長とは異なる波長の光(例えば超短パルスレーザ光)を透過するミラーである。このような構成によっても、このダイクロックミラーにより、超短パルスレーザ光と、CWレーザ光とを合波することができる。
【0074】
図5は第1の変形例の超短パルスレーザ光のパワー、CWレーザ光のパワーと、時間との関係を示す図である。なお、本変形例以降においては上記実施形態と同様の構成等には同様の符号を付しその説明を省略し、異なる箇所を中心に説明する。
第1の変形例では、上記実施形態に比べて、モードロックレーザ2による記録媒体10への超短パルスレーザ光の照射タイミングと、CWレーザ5による記録媒体10へのCWレーザ光の照射タイミングとが異なっている。
【0075】
図5に示すように、CWレーザ5は、モードロックレーザ2の第1の超短パルスの照射開始時刻t1と同時(時刻t4)に、第1のCWレーザ光の照射を開始する。なお、例えば第1の超短パルスに続く第n(≧2)の超短パルスと、第n(n≧2)の連続波パルス光についても同様の関係を有するようにしてもよい。
【0076】
これにより、例えば第1の超短パルスレーザ光と、第1のCWレーザ光との照射タイミングを例えば制御部Sにより容易に同期して、両レーザ光を記録媒体10に時間的に重なるように照射することができる。
【0077】
図6は第2の変形例の超短パルスレーザ光のパワー、CWレーザ光のパワーと、時間との関係を示す図である。
第2の変形例では、上記実施形態に比べて、モードロックレーザ2による記録媒体10への超短パルスレーザ光の照射タイミングと、CWレーザ5による記録媒体10へのCWレーザ光の照射タイミングとが異なっている。
【0078】
図6に示すように、モードロックレーザ2から記録媒体10への超短パルスレーザ光の照射開始の時刻t1より前に、CWレーザ5から記録媒体10へのCWレーザ光の照射が開始するように(t4<t1)、制御部Sによりタイミングが制御されている。
【0079】
これにより、予め時刻t4−t1の間CWレーザ光を記録媒体10に照射しておき、その後、超短パルスレーザ光を照射することにより、記録マークGを形成することができる。
【0080】
図7は第3の変形例の超短パルスレーザ光のパワー、CWレーザ光のパワーと、時間との関係を示す図である。
第3の変形例は、上記実施形態に比べて、CWレーザ光の照射時間(t6−t4)が異なっている。
【0081】
図7に示すように、CWレーザ光の照射の終了時刻t6が、実施形態のCWレーザ光の照射終了時刻t5より後(t6>t5)になっている。つまり、CWレーザ光の照射時間(t6−t4)が実施形態のCWレーザ光の照射時間(t5−t4)に比べて長くなっている。
【0082】
図8は第3の変形例のCWレーザ光の照射による記録マークを示す記録媒体の断面図である。
図8に示すように、第3の変形例で形成された記録マークGbは、記録媒体10の記録面内方向Xの長さL3が、実施形態で形成された記録マークGの記録面内方向Xの長さL1より長くなっている。
【0083】
このように第3の変形例によれば、CWレーザ5からのCWレーザ光の照射時間(t6−t4)(図7参照)を制御部Sにより適宜制御することで、記録マークGbの形状を容易に適切な形状に制御することができる。
【0084】
また、例えば記録媒体10等に比べて光反応性の悪い材料を用いて記録マークを形成する場合でも、材料に供給するエネルギーの総量を容易に増加することができるので、確実かつ容易に反応させることができる。
【0085】
図9は第4の変形例の光記録装置の光学系の構成を示す図である。
第4の変形例の光記録装置100の光学系は、上記実施形態に比べて、超短パルスレーザ光とCWレーザ光とを、同軸A上で反対向きに記録媒体10に入射する点が異なる。軸Aは、例えば光学系を構成する一連の光学素子の一致した主軸によってできた線である。
【0086】
図9に示すように、第4の変形例の光記録装置100の光学系は、CWレーザ5´を含む光学系101を備えている。光学系101は、CWレーザ5´、レンズ3´、対物レンズ102及び対物レンズアクチュエータ103等を備えている。
【0087】
CWレーザ5´は、例えば100mW、照射時間がほぼ30nsecである連続波のCWレーザ光をレンズ3´に向けて照射する。
【0088】
レンズ3´は、CWレーザ5´から入射したCWレーザ光を平行光にし対物レンズ102に向けて照射する。
【0089】
対物レンズ102は、レンズ3´から入射したCWレーザ光を記録マークを形成する領域に集光する。
【0090】
この結果、上記実施形態と同様に、記録媒体10の記録マークを形成しようとする領域に軸Aに平行な方向に入射した超短パルスレーザ光と、軸Aに平行に超短パルスレーザ光とは反対向きに入射したCWレーザ光とが空間的かつ時間的に重なりボイドである記録マークが形成される。
【0091】
このような構成によれば、記録媒体10を挟んで一方側(図9の上側)から超短パルスレーザ光を記録媒体10の記録マークを形成する領域に対物レンズ7等により入射し、他方側(図9の下側)からCWレーザ光を記録媒体10の記録マークを形成する領域に対物レンズ102等により入射し、実施形態と同様に、記録マークを形成することができる。
【0092】
図10は第5の変形例の光記録装置の光学系の構成を示す図である。
第5の変形例の光記録装置200の光学系は、図10に示すように、上記実施形態に比べて、CWレーザ光の強度を変調するための電気光学変調器130を備える点などが異なる。
【0093】
図10に示すように、光記録装置200の光学系は、CWレーザ5と、レンズ3´との間に、電気光学変調器130及びポラライザ(偏向ビームスプリッタ)132を備えている。
【0094】
制御部Sは、CWレーザ5から電気光学変調器130に入射したCWレーザ光の振幅を制御するための制御信号を、電気光学変調器130に出力する。
【0095】
図11は電気光学変調器130の構成を示す図、図12は変調されたCWレーザ光の波形を示す図である。
電気光学変調器130は、図11に示すように、例えば制御部Sからの制御信号に基づき、非線形光学結晶(例えばリン酸二水素カリウムKDP結晶)131に電圧を所定時間間隔で印加することができるように構成されている。これにより、非線形光学結晶131に電圧を所定時間間隔で印加することで、例えばCWレーザ5から射出された出力が連続的なCWレーザ光の偏光状態を制御し、非線形光学結晶131を透過する光の強度を例えば図12に示すように変調することができる。ポラライザ(偏向ビームスプリッタ)132は、非線形光学結晶131を透過した特定の偏向成分のみ出力する。
【0096】
このような構成によれば、CWレーザ光の記録媒体10への照射前に、電気光学変調器130により図12に示すようにCWレーザ光の強度を変調して記録媒体10に照射することができる。この結果、記録媒体10に供給されるCWレーザ光のエネルギー量を制御し、例えば記録媒体10が熱くなり過ぎないように記録媒体10の温度を制御することができる。
【0097】
この例では、CWレーザ光の強度を変調する例を示した。しかし、同様の構成の電気光学変調器130を用いてCWレーザ光の周波数(時間)を変調するようにしてもよい。この場合にも同様に、例えば記録媒体10が熱くなり過ぎないように記録媒体10の温度を制御することができる。
【0098】
なお、本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【0099】
上記実施形態では、CWレーザ5から射出されたCWレーザ光を変調するために電気光学変調器130を用いる例を示した。しかし、電気光学変調器130等に限らず、例えば電気光学変調器130等の代わりに音響光学変調器等を用いてもよい。
【0100】
図13は音響光学変調器を用いた光記録装置の光学系を示す図である。
図13に示すように、音響光学変調器140及びレンズ146は、図12の電気光学変調器130及びポラライザ132の代わりにCWレーザ5とレンズ3´との間に挿入されている。
【0101】
音響光学変調器140は、例えばCWレーザ5からのCWレーザ光が入射する位置に配置されたガリウムリンや水晶結晶などの音響光学材141と、オシレータ142と、オシレータ142からの信号をAM変調するミキサ143と、ミキサ143からの信号を増幅する増幅器144と、この増幅した信号に基づき駆動する圧電素子145とを備えている。レンズ146は、CWレーザ5と音響光学材141との間に設けられている。圧電素子145の駆動により音響光学材141に音響波を入力することができるように構成されている。音響光学材141に入力する音響波の強度に基づいて、音響光学材141を透過する光(回折光)の強度を変調することができる。レンズ146は、CWレーザ5からのCWレーザ光を音響光学材141に集光する。
【0102】
これにより、図12に示す例と同様に、CWレーザ光を変調しCWレーザ光のエネルギー量を制御し、記録媒体に照射することができる。
【0103】
上記実施形態では、図2に示すように超短パルスレーザ光のパワーPが例えば1kWの例を示した。しかし、パワーPの値はこれは限定されず、例えばパワーPをより大きくして、パルス幅wを小さくするようにしてもよい。
【0104】
上記実施形態では、図1では、超短パルスレーザ光とCWレーザ光とを、記録媒体10に対して、同軸Aに平行に同じ向きから照射する例を示し、図9では、超短パルスレーザ光とCWレーザ光とを、記録媒体10に対して、同軸Aに平行に反対向きに照射する例を示した。しかし、超短パルスレーザ光と、CWレーザ光との記録媒体10への入射方向は、超短パルスレーザ光とCWレーザ光とが所定の記録マークを形成する領域で一致すれば、これらに限定されず、例えばあらゆる方向からこれらのレーザ光を絞り記録マークを形成してもよい。
【0105】
図14は第6の変形例の光記録装置の光学系を示す図である。
図14に示すように、上記実施形態に比べて、第6の変形例は、ビームスプリッタ300、外部摂動供給部301を備える点などが異なっている。
【0106】
図14に示すように、モードロックレーザ2から射出された超短パルスレーザ光は、レンズ3を介して、ビームスプリッタ300に入射する。ビームスプリッタ300に入射した超短パルスレーザ光は、ビームスプリッタ300より外部摂動供給部301方向と、ミラー302方向とに分離する。ビームスプリッタ300で分離した一方の超短パルスレーザ光は、外部摂動供給部301により例えば光や電場や磁場などの外部摂動などが加えられることで、モードロックが意図的に外されCWレーザ光となる。制御部Sは、外部摂動供給部301の例えば光や電場や磁場などを制御する制御信号を外部摂動供給部301に出力する。外部摂動供給部301を通過したCWレーザ光は、対物レンズ7で集光し記録媒体10に入射する。一方、ビームスプリッタ300で分離した他方の超短パルスレーザ光は、ミラー302、303、304で反射し、対物レンズ7で集光され記録媒体10に入射する。
【0107】
このような構成によっても、超短パルスレーザ光と、CWレーザ光との照射タイミングを例えば制御部Sにより容易に上述したように制御して(図2参照)、両レーザ光を記録媒体10に時間的に重なるように照射することができる。
【0108】
なお、短パルスレーザ光を発振可能な半導体レーザを用いて、この半導体レーザの利得領域に短パルスを注入することで、オーバーシュートを引き起こし、超短パルスレーザ光を得るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の一実施形態に係る光記録装置のブロック図である。
【図2】レーザ光のパワーと時間との関係を示す図である。
【図3】図1の光記録装置を用いた光記録方法を示すフローチャートである。
【図4】(A)は超短パルスレーザ光を照射した状態を示す図、(B)はCWレーザにより記録マークが形成された状態を示す図である。
【図5】第1の変形例の超短パルスレーザ光とCWレーザ光との照射タイミングを示す図である。
【図6】第2の変形例の超短パルスレーザ光とCWレーザ光との照射タイミングを示す図である。
【図7】第3の変形例の超短パルスレーザ光、CWレーザ光のパワーと、時間との関係を示す図である。
【図8】第3の変形例のCWレーザ光の照射による記録マークを示す記録媒体の断面図である。
【図9】第4の変形例の光記録装置の光学系の構成を示す図である。
【図10】第5の変形例の光記録装置の光学系の構成を示す図である。
【図11】電気光学変調器の構成を示す図である。
【図12】変調されたCWレーザ光の波形を示す図である。
【図13】音響光学変調器を用いた光記録装置の光学系を示す図である。
【図14】第6の変形例の光記録装置の光学系を示す図である。
【符号の説明】
【0110】
G、Gb 記録マーク
S 制御部
A 同軸
1、100、200 光記録装置
2 モードロックレーザ
7 対物レンズ
10 記録媒体
5 CWレーザ
130 電気光学変調器
140 音響光学変調器
141 音響光学材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光のパルス列を媒体の記録マークを形成する領域に照射し、
出力が連続的である連続波レーザ光を前記記録マークを形成する領域に照射する光記録方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光記録方法であって、
前記レーザ光は超短パルスレーザ光であり、
前記連続波レーザ光の照射時間と前記超短パルスレーザ光の照射時間とが重なるように、前記超短パルスレーザ光と前記連続波レーザ光とを照射する光記録方法。
【請求項3】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記超短パルスレーザ光の照射の開始後に前記連続波レーザ光を照射する光記録方法。
【請求項4】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記超短パルスレーザ光の照射の開始と同時に前記連続波レーザ光を照射する光記録方法。
【請求項5】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記超短パルスレーザ光の照射の開始前に前記連続波レーザ光の照射を開始する光記録方法。
【請求項6】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記連続波レーザ光の照射前に、前記連続波レーザ光の強度を変調する光記録方法。
【請求項7】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記連続波レーザ光の照射前に、前記連続波レーザ光の周波数を変調する光記録方法。
【請求項8】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記超短パルスレーザ光と前記連続波レーザ光とを、同軸上で同じ向きから前記媒体に入射する光記録方法。
【請求項9】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記超短パルスレーザ光と前記連続波レーザ光とを、同軸上で反対向きに前記媒体に入射する光記録方法。
【請求項10】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記超短パルスレーザ光は、パルス幅がフェムト秒以上百ピコ秒以下である光記録方法。
【請求項11】
請求項2に記載の光記録方法であって、
前記超短パルスレーザ光は、パルスのパワーが1kW以下である光記録方法。
【請求項12】
レーザ光のパルス列を媒体の記録マークを形成する領域に照射するレーザ光源と、
出力が連続的である連続波レーザ光を前記記録マークを形成する領域に照射する連続波レーザ光源と
を具備する光記録装置。
【請求項13】
請求項12に記載の光記録装置であって、
前記レーザ光源は、超短パルスレーザ光を照射するモードロックレーザ光源であり、
前記超短パルスレーザ光の照射時間と前記連続波レーザ光の照射時間とが重なるように、前記超短パルスレーザ光と前記連続波レーザ光との照射のタイミングを制御する制御部を更に具備する光記録装置。
【請求項14】
請求項13に記載の光記録装置であって、
前記制御部は、前記超短パルスレーザ光の照射の開始後に前記連続波レーザ光が前記媒体に照射されるように、前記モードロックレーザ光源と前記連続波レーザ光の照射タイミングを制御する光記録装置。
【請求項15】
請求項13に記載の光記録装置であって、
前記制御部は、前記超短パルスレーザ光の照射の開始と同時に前記連続波レーザ光が前記媒体に照射されるように、前記モードロックレーザ光源と前記連続波レーザ光の照射タイミングを制御する光記録装置。
【請求項16】
請求項13に記載の光記録装置であって、
前記制御部は、前記超短パルスレーザ光の照射の開始前に前記連続波レーザ光が前記媒体に照射されるように、前記モードロックレーザ光源と前記連続波レーザ光の照射タイミングを制御する光記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−238282(P2009−238282A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81323(P2008−81323)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】