説明

光走査装置および画像形成装置

【課題】光偏向器の振動ミラー本来の効果を生かし、光走査装置の小型化、薄型化を実現する。
【解決手段】レーザビームA(光源装置のレーザビーム(ブラック、シアン)、斜入射角度は同じ)およびレーザビームB(光源装置のレーザビーム(イエロー、マゼンタ))は振動ミラー偏向器8の反射面法線に対する狭小化した斜入射角(副走査位置方向の角度)θで入射する。これはレーザビームAとBが極近接しても光路変換素子3に4色分の全レーザビームが入射し、従来では2つの光路変換素子のうち1つが光路を遮ることはなく、この斜入射角を狭くすることで、感光体9面上での走査線曲がりが低減でき、レーザビームのビーム径を高画質化に必要なビーム径とできる。また、レーザビームBも同様に、同じ光路変換素子3で透過、反射して、ミラー5で反射されレンズ4を透過し感光体9上に集光、同一方向に光走査される。各感光体9に対応する静電潜像が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザラスタ書込光学系により像担持体上に画像形成するための光走査装置と、これを用いる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、画像形成装置に用いられる、特許文献1に記載された、ポリゴンミラーの回転により同一方向に偏向された4色分の4本のレーザビームを、走査結像光学系のfθレンズ群を構成する第1の走査レンズを透過させる光走査装置がある。
【0003】
この光走査装置において、ブラック成分画像を書き込むレーザビームとシアン成分画像を書き込むレーザビームは、第1の光路変換素子に入射すると、TM偏光であるブラック成分画像を書き込むレーザビームと、TE偏光であるシアン色の成分画像を書き込むレーザビームとが分岐される。
【0004】
ブラック成分画像を書き込むレーザビームは、第1の光路変換素子を透過して、ミラーで反射され、fθレンズ群を構成する第2の走査レンズを透過し、ハーフミラーを透過して、感光体表面上に光スポットとして集光し光走査する。一方、シアン成分画像を書き込むレーザビームは、第1の光路変換素子にて光軸方向に対して鋭角となるように回折された後、fθレンズ群を構成する第2の走査レンズを透過し、ミラーで反射され、ハーフミラーを透過して、感光体表面上に光スポットとして集光し光走査する。
【0005】
同様にイエロー,マゼンタの各色成分画像を書き込むレーザビームもTE偏光かTM偏光かにより、第2の光路変換素子において透過あるいは反射して光路が分岐され、各々の感光体表面上を光走査して、4色分の走査を行っている。
【0006】
従来、カラー機の高速プリント化・高画質化を実現するに当たって、ポリゴンスキャナを25,000rpm以上の高速で、かつ高精度に回転させる必要が生じている。一方、レーザビームの小径化による高画質化のため、前記ポリゴンスキャナに使用されるポリゴンミラーの内接円半径や主走査方向の長さが比較的大きく、ポリゴンスキャナとして高負荷化の動向にある。
【0007】
このような高負荷化により、ポリゴンスキャナの消費電力は増加し、その発熱が走査レンズなどの光学素子に悪影響を与える。具体的にはポリゴンスキャナに最も近接する走査レンズの温度上昇である。ポリゴンスキャナからの発熱は光学ハウジングを伝熱し、または輻射熱により走査レンズの温度が上昇する。
【0008】
実際は走査レンズを均一に温度上昇させるのではなく、発熱源(ポリゴンスキャナ)からの距離または各々材質の熱膨張率差や気流の影響により、特に長手方向となる主走査方向に対して温度分布をもつ。
【0009】
主走査方向に温度分布をもつと、特に走査レンズの形状精度および屈折率が変化してしまい、レーザビームのスポット位置が変動し、画質が劣化する。この問題は、特に熱膨張率の大きいプラスチックの場合が顕著となる。
【0010】
カラー機においては、各色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)に応じたレーザビームを各々走査しているので、前記問題以外に各色に対応する光走査装置間の温度偏差が問題となる。前記温度偏差は各色に対応するビームスポットの相対位置関係のずれを発生させ、画像の色ずれとなってしまう。
【0011】
また、高負荷ポリゴンスキャナの発熱による温度上昇が回転体構成部品(特に質量割合の多いポリゴンミラー)の微移動を誘発し、回転体バランスを変化させ、振動を発生させてしまう。回転体を構成している部品(ポリゴンミラー、ロータ磁石が固定されるフランジ、軸)の熱膨張率が異なっていたり、一致していても部品公差や固定方法などを厳密に管理、検査しないと高温高速回転時に微移動(回転体のバランス変化)が発生し、ひいては振動を増大させる結果となっていた。振動が光走査装置内の光学素子(例えば、折返しミラー)へ伝達増幅させバンディングを発生させ画像劣化や騒音を引き起こすことになる。
【0012】
そして、これらの課題を解決するため、ポリゴンミラー偏向器に共振現象を用いた振動ミラーが検討されている。本方式は消費電力が小さく、光走査装置に使用される走査レンズの温度上昇やカラー機の各光走査装置の温度偏差や振動を低減するというメリットがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前記振動ミラーはねじり梁の共振現象を用いて振動振幅を実用的な大きさとなる角度まで稼いでいるため、負荷となる偏向反射面(可動ミラー部)のサイズは非常に小さく、従来のポリゴンミラーと比較して面積で1/10〜1/5程度である。そのため、偏向反射面に副走査方向に角度をもって4色分のレーザビームを全て入射させる斜入射方式の走査光学系が必須となる。そして、偏向反射された後に、折返しミラーなどで各々の感光体へ導くためにレーザビームを各方向へ変換させる必要がある。この各方向へ変換させるために、従来では光学素子を複数配置し、結果として、光走査装置の高さ方向に大型化、かつ部品コストがアップするといった不具合があった。
【0014】
本発明は、前記従来技術の問題を解決するものであり、消費電力が小さく、光走査装置に使用される走査レンズの温度上昇やカラー機における光走査装置毎の温度偏差や振動を低減するという振動ミラーの本来の効果を有しながら、光走査装置の小型化、薄型化を実現する光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る光走査装置は、複数の光源装置から出射されたレーザビームを主走査方向に偏向走査する単一の光偏向器と、複数の被走査面に向かって集光する走査結像手段と、光偏向器から被走査面までの光路中に設けられ、複数のレーザビーム間で副走査方向に第1の角度を有するレーザビームが入射されて、出射するレーザビームの進行角度を第1の角度とは異なる角度に変換する光路変換素子とを備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成によって、光偏向器から入射される副走査方向に角度が異なる複数のレーザビームを、光路変換素子により複数のレーザビーム間の進行角度が異なるように光路を変換することにより、光路変換に用いる部品数を減らし、光走査装置の小型化、薄型化が実現できる。
【0017】
また、請求項2,3に記載の発明は、請求項1の光走査装置において、複数のレーザビームは各々偏光方向が異なるレーザビームからなること、さらに、光路変換素子は偏光ビームスプリッタで構成されたことを特徴とする。
【0018】
この構成によって、偏光方向の異なるレーザビームによって偏光ビームスプリッタにより光路を変換することができ、より安価な構成で光走査装置の小型化、薄型化を実現できる。
【0019】
また、請求項4,5に記載の発明は、請求項1の光走査装置において、光路変換素子は反射領域と透過領域を有し、かつ一体的に形成された光学素子であること、さらに、光路変換素子はレーザビームの波長と同等若しくはそれ以下のピッチからなる凹凸構造を有することを特徴とする。
【0020】
この構成によって、光学系の小型化ができ、かつ光量ロスの少ない光路変換により効率を高くし、また変換角度を大きくすることができ、併せて光走査装置全体の小型化も実現できる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1の光走査装置において、光路変換素子は複数の被走査面までの光路中に設けられた単一の部材からなり、複数の被走査面に向かう全てのレーザビームが入射することを特徴とする。
【0022】
この構成によって、複数の被走査面までの光路中に設けられた単一の部材からなる光路変換素子に、複数の被走査面に向かう全てのレーザビームが入射するため、部品点数を減らすことができ、一層安価に光走査装置の小型化、薄型化が実現できる。
【0023】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1の光走査装置において、複数の光源装置から出射されたレーザビームは、振動ミラーからなる光偏向器の反射面に対して、副走査方向に角度を有して入射するとともに、反射される複数のレーザビームは全て同方向に偏向走査することを特徴とする。
【0024】
また、請求項8に記載の画像形成装置は、光走査により像担持体に潜像を形成し、潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、請求項1〜7に記載の光走査装置を用いたことを特徴とする。
【0025】
この構成によって、小型化、薄型化された光走査装置を用いるこことで、光走査の信頼性が向上し、色ずれの少ない画像形成装置が実現できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、光源装置からのレーザビームを光偏向器と光路変換素子によりレーザビーム間の進行角度が異なるように光路を変換して、光路変換に用いる部品数を減らし、光走査装置の小型化、薄型化でき、従来のポリゴンミラーを用いないことでの、消費電力が小さく、かつ温度上昇を抑えて温度偏差や振動を低減する作用を生かして、光走査の信頼性を向上させて、色ずれの少ない画像形成ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態における実施例1の光走査装置を示す概略断面図
【図2】本実施例1の光源装置を示す概略構成図
【図3】本実施例1の光路変換素子の構成例の断面で(a)は構成の説明、(b)は偏光光の通過状態を示す図
【図4】本実施例1の樹脂材料からなる光路変換素子の形成方法(a)〜(c)を示す図
【図5】本実施例1の樹脂材料からなる光路変換素子の他の形成方法で(a)は上面、(b)は側面を示す図
【図6】本実施の形態における実施例2の光走査装置を示す概略断面図
【図7】本実施の形態の光路変換素子で(a)は素子面、(b)はミラー部を説明する図
【図8】本実施の形態の振動ミラーの(a)は第1の基板、(b)は第2の基板の詳細図
【図9】本実施の形態の光路変換素子を示す分解斜視図
【図10】本実施の形態の光学ハウジングへ搭載されるユニットを示す図
【図11】本実施の形態の光走査装置のうちの1つの感光体の要部を概略的に示した図
【図12】本実施の形態の画像形成装置を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の実施の形態における実施例1の光走査装置を示す概略断面図である。本光走査装置はカラー機用として4色分(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の走査結像光学系を有し、各色に相当するレーザビームが感光体上に集光する構成である。
【0030】
図2に示すように光源から放射されたレーザビームが、カップリングレンズとレーザビーム合成手段である合成プリズムと、シリンドリカルレンズとにより構成される光源装置10を2組有している。
【0031】
図2は2組の光源装置のうち1組の光源装置の副走査方向断面を示したものである。一方の組となる光源装置10aは、ブラック色の成分画像を書き込むための半導体レーザ11と、シアン色の成分画像を書き込むための半導体レーザ12が各々カップリングレンズ13(14)により、以後の光学系に適合する光束形態(平行光束あるいは弱い発散性若しくは集束性の光束)に変換され、合成プリズム15へ入射する。
【0032】
合成プリズム15へ入射する際は一方の半導体レーザ11から放射されるレーザビームはTM偏光に、他方の半導体レーザ12はTE偏光となるように各々調整されている(半導体レーザ12から放射されるレーザビームはTM偏光であるが、偏光子16でTE偏光に変換し、合成プリズム15へ入射される)。合成プリズム15の薄膜部15a,15bでTM偏光は透過し、TE偏光は反射するように多層膜からなる光学薄膜が形成されている。合成プリズム15から出射したレーザビームはシリンドリカルレンズ17により副走査方向に集束されて振動ミラー偏向器8の反射面近傍に主走査方向に長い潜像として結像される。
【0033】
このときレーザビーム18,19は、振動ミラー偏向器8の反射面の法線に対して角度を有して入射(いわゆる斜入射)されている。また、他方の光源装置10bも同様にマゼンタ色、イエロー色の成分画像を書き込むための半導体レーザが配置され振動ミラー偏向器8(前述のブラック色とシアン色用と同じ反射面)へ入射する(前記と同様に反射面の法線に対して角度を有して入射(いわゆる斜入射)されているが、ブラック色とシアン色用とは法線に対して対称となる角度で入射される)。
【0034】
振動ミラー偏向器8の揺動により同一方向に偏向された4色分の全てのレーザビームは、走査結像光学系のfθレンズ群を構成する第1の走査レンズ2を透過する。ブラック成分画像を書き込むレーザビームとシアン成分画像を書き込むレーザビームは光路変換素子3に入射するとTE偏光は透過しTM偏光は反射する。TM偏光であるブラック成分画像を書き込むレーザビームとTE偏光であるシアン色の成分画像を書き込むレーザビームが光路変換素子3で変換される。
【0035】
一方のブラック成分画像を書き込むレーザビームはミラー5aで反射され、fθレンズ群を構成する第2の走査レンズ4aを透過し、ミラー6Kで反射して被走査面の実態をなすドラム状の光導電性の感光体9K上に光スポットとして集光し、感光体9K表面を光走査する(図1において、ブラック以外の各色に相当する光学素子等には番号は付記していないが、ブラックの略意である「K」が番号後に付されている。また部品はイエロー「Y」、マゼンタ「M」、シアン「C」とも光学的な同位置に配置されている。また、以下の各図においても同様とする。)。
【0036】
他方のシアン成分画像を書き込むレーザビームは、光路変換素子3を透過したのちfθレンズ群を構成する第2の走査レンズ4bを透過し、ミラー5bで反射され、光スポットとして集光し、感光体上を光走査する。なお、光路変換素子3は入射するレーザビームの偏光方向が異なることを利用して光路を変換する機能を有する素子であり、光路変換素子3へ入射する偏光方向は前記した説明の方向と異なってもよい。
【0037】
図3は光路変換素子の構成例を示す断面図である。振動ミラー偏向器からのレーザビームの光路分岐を行うため光路変換機能を有する。この有効領域は主走査方向に長く、副走査方向に短い短冊状の形状をしている。具体的には有効領域は主走査方向50〜300mm(走査幅がA4版の場合100〜200mmがより好適)、副走査方向5〜20mmの範囲内でレーザビームの透過する光束の範囲に応じて有効領域を決めている。光路変換素子は前記有効領域と光走査装置内に配置固定するための部分が必要であるため前述した長さよりも主走査、副走査ともに2mm以上の周辺部を有して光学素子として構成している。
【0038】
前記周辺部は以下に示す微細凹凸構造が形成されていない(必要以上に微細凹凸構造を形成しようとすると構造のばらつきが生じ易く、また加工装置が大型化しコストアップの要因となる)。
【0039】
図1に示すように、光路変換素子3へ入射するレーザビームの光束は主走査方向、副走査方向ともに0.5〜2mmの範囲内(第1の走査レンズ2と第2の走査レンズ4の間の光路中で変化する)と、斜入射による走査線曲がり分2mm(第2の走査レンズ4を透過した後、被走査面では数十μmまで光学補正される)となり、かつ光源装置、振動ミラー偏向器8、第1,第2の走査レンズ2,4の各々配置精度を考慮して前記有効領域を設定している。
【0040】
図3(a)に示す光路変換素子の断面図において、光路変換素子の素子面30は、板状部材31の表面に形成されたレーザビームの波長レベルのピッチPを有する周期的な微細凹凸構造32であり、ピッチP、凸幅D、溝深さhおよび材料の屈折率、使用波長によりTE偏光、TM偏光の透過率、反射率が決定される。前記微細凹凸構造32は一次元の周期性構造により光学的には偏光を制御する偏光分離光学素子としての特性を有する。
【0041】
本実施例1における波長は可視光〜近赤外領域(400nm以上800nm以下)であり、光走査装置におけるレーザビーム径および感光体の波長感度の特性に応じて設定されている。
【0042】
具体的には波長は650nmで、屈折率1.53の樹脂材料にピッチPは400〜650nm(波長と同等若しくはそれ以下のピッチP)、溝深さh/凸幅Dの比率(h/D=1〜2)の範囲内でピッチPおよび溝深さh/凸幅Dの比率を形成することにより、TM偏光、TE偏光の分岐を各々透過率および反射率を90%以上で達成することができる。
【0043】
図4は樹脂材料からなる光路変換素子の形成方法(a)〜(c)を示す実施例である。台座(図示せず)に固定された光路変換素子の母材35に対して、型36が矢印方向(図面下方)へ移動する(図4(a))。型36の移動、プレスにより微細凹凸構造32を転写する(図4(b))。その際、樹脂の硬化特性により以下のように適宜設定される。熱可塑性樹脂(アクリル樹脂,ポリスチレン,ポリカーボネート,ゼオネックス(日本ゼオン株製)等)は樹脂材料を予めガラス転移点以上に加熱して変形容易な状態にしておき、その状態で型36をプレスし微細凹凸構造32を転写する。熱硬化性樹脂(例えば、熱硬化性ポリイミド)は粘度の低い状態の樹脂材料に型36をプレスし、その後、熱硬化温度まで加熱することにより微細凹凸構造32を転写する。紫外線硬化性樹脂(例えば、TB3078((株)スリーボンド製))は粘度の低い状態の樹脂材料に型36をプレスし、その後、紫外線を照射することにより硬化し、微細凹凸構造32を転写する。その後、型36を材料から離し(離型)、微細凹凸構造32が完成する(図4(c))。
【0044】
本方式の加工を行うことにより、エッチングによる高価で生産性の低い加工方法を行うことなく、安価なプレス方式による加工コストの低減が図れる。なお、型36は大量生産にも対応可能とするため(形状精度かつ摩耗による形状精度劣化の少ない材料)石英材料にEB(Electron Beam)描画、エッチングによって加工した微細構造のマスタを型36として使用する。
【0045】
また、図5は樹脂材料からなる光路変換素子の形成方法の他の実施例で(a)は上面、(b)は側面を示す図である。台座(図示せず)に固定された光路変換素子の母材37に対して、ローラ表面の円周方向に溝を有するように微細凹凸構造を有する型38が矢印方向(図面下方)に押圧しながら回転軸中心に回転することにより微細凹凸構造32が転写される。本方式は長手方向に長くなる微細凹凸構造の転写に好適である(型の押圧力が図4の場合と比較して小さくてすむので装置の小型化に寄与)。
【0046】
なお、図5(a)はローラ(型38)移動方向は相対的な移動方向を示したものであり、ローラが回転するか、母材37が移動するかどちらでもよい。転写する樹脂材料によって、図4で説明した材料(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂)と同様に適宜選択されるが、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂は転写時に加熱または紫外線を照射し、転写前は熱または紫外線を遮断する必要があることから、装置(加熱装置、紫外線照射装置)が固定できる方法である母材が移動する方が好適である。一方、母材全体を加熱してよい熱可塑性樹脂についてはローラが回転する装置の方が簡単で好適である。
【0047】
以上の方法によって、微細凹凸構造32をブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の各々に対応する素子面30を配置し、光路変換素子3が得られる。
【0048】
図1示すレーザビームA(前記図2の光源装置10aから放射されるレーザビーム18と19に相当。レーザビーム18と19は略平行であるため斜入射角度は同じ)およびレーザビームB(図示しない光源装置10bから放射)は振動ミラー偏向器8の反射面法線に対する斜入射角(副走査位置方向の角度)θは0.5〜1.5°の間に設定している。従来の斜入射角度である2〜3°よりも狭小化できるのは、レーザビームAとBが極近接しても光路変換素子3に4色分の全てのレーザビームが入射しているためであり、従来のような2つの光路変換素子のうち1つが光路を遮ってしまうことがない。斜入射角を狭くすることにより、感光体9面上での走査線曲がりが低減できるとともに、レーザビームのビーム径(ピークパワーの1/e、以下同じ)も高画質化に必要なビーム径60μm以下を達成することが容易となる。
【0049】
fθレンズ群の第1,第2の走査レンズ2,4の材質は非球面形状が容易かつ低コストなプラスチック材質からなり、具体的には低吸水性や高透明性、成形性に優れたポリカーボネートやポリカーボネートを主成分とする樹脂が好適である。また、イエロー、マゼンタの各色成分画像を書き込むレーザビームもそれぞれ前述したと同様に、同じ光路変換素子3で透過、反射して各色成分のレーザビームを変換したのち、ミラーで反射されレンズを透過しドラム状の光導電性の感光体9上に光スポットとして集光し、各色とも同一方向に光走査される。この光走査により各感光体9に対応する色成分画像の静電潜像が形成される。
【0050】
これら静電潜像は、図示されない現像装置により対応する色のトナーで可視化され、中間転写ベルト上に転写される。転写の際、各色トナー画像は互いに重ね合わせられカラー画像を構成する。このカラー画像は図示されないシート状記録媒体上へ転写され、定着,排紙される。
【0051】
図6は本実施の形態における実施例2の光走査装置を示す概略断面図である。前述した実施例1の図1に示した構成と異なり各色に相当するレーザビームの偏光は全て同じであり、図2に示す光源装置10aのような偏光の異なるレーザビームの合成手段(合成プリズム15)は必要ない。振動ミラー偏向器前の光学系の小型化、低コストが達成できる。図6において、図1と同じ機能のものは同じ番号を付した。
【0052】
振動ミラー偏向器8の揺動により同一方向に偏向された4色分の全てのレーザビームは、走査結像光学系のfθレンズ群を構成する第1の走査レンズ2を透過する。透過後に全てのレーザビームが光路変換素子3に入射し、シアン、イエローのレーザビームが反射し、折返しミラー6を介して各々の感光体9面上を走査する。シアンとイエローのレーザビームが、所望の反射角となるように光路変換素子3の表面には波長と同等若しくはそれ以下のピッチからなる微細凹凸構造32を有するミラーが形成されている(図3(a)参照)。
【0053】
微細凹凸構造32の溝深さhとピッチPを設計することにより所望の反射角度を得ることができる。一方、ブラック、マゼンタのレーザビームは透過し、折返しミラーを介して各々の感光体9面上を走査する。ブラック、マゼンタのレーザビームが所望の反射角となるように光路変換素子3の裏面(または表面)には波長と同等若しくはそれ以下のピッチからなる微細凹凸構造32を有するレーザ透過部が形成されている。
【0054】
なお、各色のレーザビームの光路長を一致させることがレイアウト上複雑になるような場合(ミラー枚数を多用)、第2の走査レンズ4に色毎の光路長を補正する機能(異なる光路長でも被走査面の光学特性であるビーム径が一致するように第2の走査レンズ4の自由曲面を設計)を盛り込むことで対応することが好適である。
【0055】
図7(a)の光路変換素子の素子面は図3(a)で示した詳細な凹凸構造諸元は設計事項(ピッチP、凸幅D、溝深さhおよび材料の屈折率、使用波長により透過率(または反射率)が決定)により異なるが構成は同じである。図7(a)の光路変換素子3は樹脂またはガラスなどのレーザ透過部材を基材とする単一の部材からなりその表面(または裏面)の素子面30C、30Y、30K、30Mには各々反射角度、透過角度が所望となるような前記凹凸構造が形成されている。
【0056】
図3(a)に示した微細凹凸構造32は反射または透過効率の高効率化が可能であり、かつ光路変換角度の設計自由度が高いが、比較的効率が低く、かつ変換角度が広くない光走査装置の場合であれば、図1に示す光路変換素子3の他の構成として、表面に多層膜を形成した偏光ビームスプリッタ(PBS)で構成することも可能である。
【0057】
前述したと同様に図6の場合の光路変換素子3の他の方法として図7(b)に示すような光路変換素子3’でも実現できる。樹脂からなる母材の表面に各々異なる所望の反射角度を有するミラー部39C,39Yが形成され、シアンC、イエローYの各々の感光体面上を走査する。一方、ブラックK,マゼンタMへのレーザビームは各々ミラー部39K,39Mを透過して、各々の感光体面上を走査する。このときのミラー部39K、39Mは異なる所望の光路変換角度となるような出射角となるように角度形成されている。
【0058】
次に、本実施の形態における振動ミラー偏向器について詳述する。図8は振動ミラーの(a)は第1の基板、(b)は第2の基板の詳細図、図9は光路変換素子の分解斜視図である。振動ミラー偏向器8は、表面にミラー面を形成し振動子をなす可動部と、それを支え回転軸をなすねじり梁と、支持部をなすフレームとからなり、Si基板をエッチングにより切り抜いて形成する。
【0059】
本実施の形態では、SOI(シリコン・オン・インシュレーター)基板と呼ばれる60μmと140μmとの2枚の基板が酸化膜を挟んで予め接合されたウェハを用いて作製する。
【0060】
まず、140μm基板(第2の基板)41の表面側からプラズマエッチングによるドライプロセスによって、ねじり梁42、平面コイルが形成される振動板43、可動部の骨格をなす補強梁44と、フレーム46とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通する。次に、60μm基板(第1の基板)51の表面側からKOH(水酸化カリウム)溶液などの異方性エッチングによって、可動ミラー部52と、フレーム53とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通する。最後に、可動部周囲の酸化膜を除去して分離し振動ミラーの構造体を形成する。ここで、ねじり梁42、補強梁44の幅は40〜60μmとした。前記したように振動子の慣性モーメントは振れ角を大きくとるには小さい方が望ましく、反面、慣性力によってミラー面が変形してしまうため、実施の形態では可動部を肉抜きした構造としている。
【0061】
さらに、60μmの第1の基板51の表面側にアルミニウム薄膜を蒸着して反射面となし、140μmの第2の基板41の表面側には銅薄膜でコイルパターン47とねじり梁42を介して配線された端子48、およびトリミング用のパッチ49を形成する。当然、振動板43側に薄膜状の永久磁石を備え、フレーム53側に平面コイルを形成する構成とすることもできる。
【0062】
実装基板54上には、振動ミラー偏向器8を装着する枠状の台座55と、振動ミラーを囲うように形成されたヨーク56が配備され、前記ヨーク56には可動ミラー端に対向して各々S極とN極とを向かい合わせ、回転軸と直交する方向に磁界を発生する一対の永久磁石57が接合されている。
【0063】
振動ミラー偏向器8は、ミラー面を表に向けて台座55に装着され、端子48間に電流を流すことによりコイルパターン47の回転軸に平行な各辺にローレンツ力が生じ、ねじり梁42をねじって可動ミラー部52を回転する回転トルクTを発生し、電流を切るとねじり梁42の戻り力により水平に戻る。
【0064】
したがって、コイルパターン47に流れる電流の方向を交互に切り換える(交流信号)ことによって、可動ミラー部52を往復振動させることができる。そして、この電流の切り換える周期を、振動ミラー偏向器8を構成する構造体の、ねじり梁42を回転軸とした1次振動モードの固有振動数、いわゆる共振振動数f0に近づけると振幅が励起され大きな振れ角を得ることができる。
【0065】
一方、コイルパターン47に直流成分の電流を流す(電圧を印加)ことにより、可動ミラー部52を静的に変化(振幅中心を変化)させることができる。ただし、共振現象を利用しているので電流に応じた変化は角度で±1°以内となる。この直流成分を前記交流信号に重畳させることにより、振動ミラーを振幅(偏向)させながら、振幅中心を変化させることが可能となる。
【0066】
図10は光学ハウジングへ搭載される形態のユニット60を示している。図10に示したユニット60は振動ミラー偏向器8と、振動ミラー偏向器8の姿勢を固定し、かつ電極端子58と電気接続(電極部64)を行うためのブラケット61と、ブラケット61を固定し、光学ハウジング(図示しない)に載置される基板62(電気コネクタ63)、で構成される。
【0067】
振動ミラー偏向器8は可動部の質量、イナーシャが従来のポリゴンミラーに比べて非常に小さいため駆動部も小型化され、磁気回路の高効率化もあいまって消費電力が低く抑えることができる(ポリゴンミラーの1/50以下)。その結果、発熱が少なくなり書込光学系の光学素子や光学ハウジングの温度上昇も実質的になくすことが可能となることから、特に樹脂製の走査レンズが局部的な温度分布をもつことなく、カラー画像形成時のレーザビームの走査位置を変動することなく色ずれの発生を抑制することができる。
【0068】
さらに、可動部の質量、イナーシャが小さいことにより、揺動時にも外部へ伝達する振動(質量アンバランスによる振動)が少ない(ポリゴンミラーの1/100以下)ことから、書込光学系の光学素子へ伝達する振動が実質的になくなることから、折返しミラーの振動による画像形成時のバンディング(副走査方向の粗密変動)の発生も解消することができる。
【0069】
なお、前述した振動ミラーのメリットを生かすためには以下の制御が必須であり、好適な例を示す。図11は図1に示したカラー画像形成用光走査装置のうち、1つの感光体に相当する要部を概略的に示したものである。振動ミラー偏向器8によって偏向走査されるレーザビーム20を走査位置により、最大振れ角の走査位置を20a、最大振れ角以内に配置される受光素子(PD1,PD2)へ入射して出力信号がでるタイミングにレーザビームが走査される位置を20b、感光体9への画像領域の端部を走査する位置を20cとした。
【0070】
振動ミラー偏向器8は共振現象を利用して大きな振幅を発生させるため、振動ミラーの振幅は時間に対して正弦波状の軌跡を描き、偏向走査されるレーザビーム20の走査速度が一定ではなく走査位置によって異なることになる(走査レンズがない場合)。このような走査速度でも一定となるように走査光学系はf・arcsin特性を有している。
【0071】
図12に画像形成装置の概略図を示す。図1に示した光走査装置1を単一の光学ハウジングに収納し、カラー画像形成装置内に配置されている。光走査装置1は図1または図6に示した画像形成装置内の4つの感光体9Y,9M,9C,9K(以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付け、Y:イエロー,M:マゼンタ,C:シアン,K:ブラックの色に対応する部分として区別するものとする。)が並設された作像部の上方に配置されている。
【0072】
複数の感光体9Y,9M,9C,9Kを並列に配置したタンデム型のカラー画像形成装置である。装置上部から順に光走査装置1、現像装置26、感光体9、中間転写ベルト22、定着装置24、給紙カセット25がレイアウトされている。
【0073】
中間転写ベルト22には各色に対応した感光体9Y,9M,9C,9Kが並列順に等間隔で配設されている。感光体9Y,9M,9C,9Kは同一径に形成されたもので、その周囲には電子写真プロセスに従い部材が順に配設されている。感光体9Yを例に説明すると、帯電チャージャ(図示しない)、光走査装置1から出射された画像信号に基づくレーザビームL1、現像装置26Y、転写チャージャ(図示しない)、クリーニング装置(図示しない)等が順に配設されている。
【0074】
また、他の感光体9M,9C,9Kに対しても同様である。すなわち、本実施の形態では、感光体9Y,9M,9C,9Kを色毎に設定された被走査面とするものであり、各々に対して光走査装置1からレーザビームL1,L2,L3,L4が各々に対応するように設けられている。
【0075】
帯電チャージャにより一様に帯電された感光体9Yは、矢印AA方向に回転することによってレーザビームL1を副走査し、感光体9Y上に静電潜像が形成される。また、光走査装置1によるレーザビームL1の照射位置よりも感光体9の回転方向下流側には、感光体9Yにトナーを供給する現像器26Yが配設され、イエローのトナーが供給される。現像器26Yから供給されたトナーは、静電潜像が形成された部分に付着し、トナー像が形成される。同様に感光体9M,9C,9Kには、それぞれM、C、Kの単色トナー像が形成される。
【0076】
各感光体9Yの現像器26Yの配設位置よりもさらに回転方向下流側には、中間転写ベルト22が配置されている。中間転写ベルト22は、複数のローラ22a,22b,22cに巻き付けられ、図示しないモータの駆動により矢印BB方向に移動搬送されるようになっている。この搬送により、中間転写ベルト22は順に感光体9Y、9M、9C、9Kに移動されるようになっている。中間転写ベルト22は感光体9Y、9M、9C、9Kで現像された各々単色画像を順次重ね合わせて転写し、中間転写ベルト102上にカラー画像を形成するようになっている。
【0077】
その後、給紙カセット25から転写紙が矢印CC方向に搬送されカラー画像が転写される。カラー画像が形成された転写紙は、定着器24により定着処理後、フルカラー画像として排紙される。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る光走査装置および画像形成装置は、光源装置からのレーザビームを光偏向器と光路変換素子によりレーザビーム間の進行角度が異なるように光路を変換して、光路変換に用いる部品数を減らし、光走査装置の小型化、薄型化でき、従来のポリゴンミラーを用いないことでの、消費電力が小さく、かつ温度上昇を抑えて温度偏差や振動を低減する作用を生かして、光走査の信頼性を向上させて、色ずれの少ない画像形成ができ、レーザラスタ書込光学系により像担持体上に画像形成するための光走査装置と、これを用いる画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0079】
1 光走査装置
2 第1の走査レンズ
3,3’ 光路変換素子
4,4a,4b 第2の走査レンズ
5a,5b,6K ミラー
8 振動ミラー偏向器
9,9K 感光体
10,10a,10b 光源装置
11,12 半導体レーザ
13,14 カップリングレンズ
15 合成プリズム
15a,15b 薄膜部
16 偏光子
17 シリンドリカルレンズ
18,19,20 レーザビーム
21 画像形成装置
22 中間転写ベルト
24 定着装置
25 給紙カセット
26 現像装置
30 素子面
31 板状部材
32 微細凹凸構造
35,37 母材
36,38 型
39 ミラー部
41 第2の基板
42 ねじり梁
43 振動板
44 補強梁
46 フレーム
47 コイルパターン
48 端子
49 パッチ
51 第1の基板
52 可動ミラー部
53 フレーム
54 実装基板
55 台座
56 ヨーク
57 永久磁石
58 電極端子
60 ユニット
61 ブラケット
62 基板
63 電気コネクタ
64 電極部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2008−70599号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源装置から出射されたレーザビームを主走査方向に偏向走査する単一の光偏向器と、前記複数の被走査面に向かって集光する走査結像手段と、前記光偏向器から前記被走査面までの光路中に設けられ、前記複数のレーザビーム間で副走査方向に第1の角度を有する前記レーザビームが入射されて、出射する前記レーザビームの進行角度を前記第1の角度とは異なる角度に変換する光路変換素子とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記複数のレーザビームは各々偏光方向が異なるレーザビームからなることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
【請求項3】
前記光路変換素子は偏光ビームスプリッタで構成されたことを特徴とする請求項2記載の光走査装置。
【請求項4】
前記光路変換素子は反射領域と透過領域を有し、かつ一体的に形成された光学素子であることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
【請求項5】
前記光路変換素子は前記レーザビームの波長と同等若しくはそれ以下のピッチからなる凹凸構造を有することを特徴とする請求項4記載の光走査装置。
【請求項6】
前記光路変換素子は前記複数の被走査面までの光路中に設けられた単一の部材からなり、前記複数の被走査面に向かう全てのレーザビームが入射することを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
【請求項7】
前記複数の光源装置から出射されたレーザビームは、振動ミラーからなる光偏向器の反射面に対して、副走査方向に角度を有して入射するとともに、反射される前記複数のレーザビームは全て同方向に偏向走査することを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
【請求項8】
光走査により像担持体に潜像を形成し、前記潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、請求項1〜7に記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−210673(P2010−210673A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53573(P2009−53573)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】