説明

光走査装置及び画像形成装置

【課題】光の利用効率の低下を抑制しつつ、非球面レンズよりも低価格の結合レンズを使用し、光走査装置を低コスト化する。
【解決手段】ガラス製の単レンズで構成され結合レンズ210で発生する収差を、非球面で構成された補正光学素子250で補正するので、補正光学素子250を有しない構成と比較し、光の利用効率の低下を抑制しつつ、非球面レンズよりも低価格の結合レンズ210を使用し、光走査装置100を低コスト化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光走査装置は光プリンタやデジタル式の複写機等に広く使用されている。このような光走査装置には、通常、半導体レーザ等の光源から出射された発散光束を平行光束又は略平行光束に整形する整形光学系を有している。そして、整形光学系では、非球面形状を有するガラス製の非球面単レンズを用いることにより、光学系の簡素化と高精度化が実現されている。
【0003】
一方、整形光学系において、開口数、屈折率、及び焦点距離等を予め定められた条件を満たすように構成し光学特性を向上させることで、非球面レンズよりも低価格とされ、一方の光学面が平面で他方の光学面が凸球面の単レンズを用いることが提案されている(特許文献1、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−174997号公報
【特許文献2】特開平8−21951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、光の利用効率の低下を抑制しつつ、非球面レンズよりも低価格の結合レンズを使用し、光走査装置を低コスト化することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、光源から出射された発散光束を平行光束又は略平行光束に整形する整形光学系が、前記整形光学系を構成し、入射面及び出射面のいずれか一方が球面で構成され、前記入射面及び前記出射面のいずれか他方が平面又は球面で構成され、前記光源から出射された発散光束を結合する結合レンズと、前記整形光学系を構成し、前記結合レンズで発生した収差を補正して出射する補正光学素子と、を有して構成されている。
【0007】
請求項2の発明は、前記補正光学素子が入射面及び出射面の少なくとも一方が非球面の曲面で構成されている樹脂製のレンズである。
【0008】
請求項3の発明は、前記整形光学系から出射された平行光束又は略平行光束を、反射面で反射して偏向する光偏向器を有し、前記補正光学素子は線像結像する機能を有し、前記反射面又は前記反射面の近傍に線像結像するように構成されている。
【0009】
請求項4の発明は、前記補正光学素子は、前記結合レンズから出射された発散光束を平行光束又は略平行光束に整形して出射する機能を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光走査装置と、前記光走査装置から出射した光ビームが走査することによって表面に静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像し現像剤像を形成する現像装置と、前記現像剤像を記録媒体に転写する転写装置と、前記記録媒体に転写した前記現像剤像を定着させる定着装置と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、補正光学素子を有しない構成と比較し、結合レンズの広い範囲を使用することができるので、光の利用効率の低下を抑制しつつ、非球面レンズよりも低価格の結合レンズを使用し、光走査装置を低コスト化することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、入射面及び出射面の少なくとも一方が非球面の曲面で構成されている樹脂製のレンズ以外で補正光学素子が構成されている場合と比較し、低コストで効果的に収差が補正される。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、補正光学素子が線像結像させる機能を有しない場合と比較し、部品点数を低減することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、結合レンズから発散光束を出射する構成とすることで、結合レンズで平行光束又は略平行光束に整形して出射する構成よりも、結合レンズで発生する収差を抑制することがきる。
【0015】
本発明の請求項4の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載された光走査装置を備えない場合と比較し、低コスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施形態に係る光走査装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す本発明の第一実施形態に係る光走査装置の主要部分を展開した展開図である。
【図3】本発明の第二実施形態に係る光走査装置の主要部分を展開した図2に対応する展開図である。
【図4】本発明の第一実施形態又は第二実施形態に係る光走査装置が設けられた画像形成装置の概略構成を模式的に示す構成図である。
【図5】(A)は第一実施形態に係る光走査装置の結合レンズ及び補正光学素子の各仕様を示す表であり、(B)は第二実施形態に係る光走査装置の結合レンズ及び補正光学素子の各仕様を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<画像形成装置>
まず、図4を用いて、本発明の第一実施形態に係る光走査装置が設けられた画像形成装置と画像形成プロセスの概要について説明する。
【0018】
図4は画像形成装置の概略構成を模式的に示す構成図である。この図4に示すように、画像形成装置10の上部には、本発明の第一実施形態の光走査装置100が設けられている。光走査装置100は、画像形成装置10の制御を司る制御部90の制御信号に基づいて、図1の時計回り方向である矢印B方向に回転する感光体ドラム20の外周面に光ビームLを照射する。なお、光走査装置100の構成についての説明は後述する。また、この感光体ドラム20の回転軸方向が後述する主査方向A(図1参照)とされている。
【0019】
像保持体の一例としての感光体ドラム20の周囲には、帯電装置の一例としての帯電ロール32、現像装置34、転写装置の一例としての転写ロール36、クリーニング装置38が配設されている。そして、感光体ドラム20における帯電ロール32と現像装置34との間の外周面に、前述した光走査装置100から出射された光ビームLが照射される。
【0020】
図4における画像形成装置10の感光体ドラム20の左側には、定着装置60が設けられている。また、画像形成装置10の下部には、記録媒体の一例としての記録用紙Pを収容する収容部40が配置されている。
【0021】
感光体ドラム20は、光ビームLが照射される位置よりも感光体ドラム20の回転方向上流側に設けられた帯電ロール32によって、予め定められた表面電位に帯電される。光ビームLが照射されると、照射された部分と照射されていない部分とに電位差が生じ、静電潜像が形成される。この静電潜像は、光ビームLが照射される位置よりも回転方向下流側に設けられた現像装置34で現像され、感光体ドラム20上にトナー像が形成される。
【0022】
一方、収容部40から送り出された記録用紙Pが搬送ローラ52、54によって感光体ドラム20と転写ロール36とのニップ部へ搬送される。そして、感光体ドラム20上に形成されたトナー像が、転写ロール36によって記録用紙Pに転写される。
【0023】
トナー像が転写された記録用紙Pは定着装置60に搬送され、定着装置60によって記録用紙Pにトナー像が定着される。トナー像が定着した記録用紙Pは、排紙ローラ56によって排紙部70に排紙される。なお、転写後の感光体ドラム20の表面の残留トナーなどは、クリーニング装置38で除去され清掃される。
【0024】
<第一実施形態の光走査装置>
つぎに、本発明の第一実施形態の光走査装置100について、図1と図2を用いて説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明の第一実施形態の光走査装置100は、光学箱102(図4参照)の中に複数の光学部品が設けられている。なお、図1及び図2では、主な光学部品のみが図示されている。
【0026】
光走査装置100は、光ビームLを出射する光源の一例としての半導体レーザ110を備えている。半導体レーザ110の背面側には、感光体ドラム20に照射する光ビームLを適切な光量とするために光ビームの光量を監視する受光素子112が配置されている。
【0027】
半導体レーザ110に対する感光体ドラム20に照射する光ビームLを出射する側には、アパーチャ120と整形光学系200とが、この順で配置されている。
【0028】
整形光学系200は、半導体レーザ110から射出された発散光束の光ビームLを平行光束又は略平行光束の光ビームLに整形すると共に、主走査方向(矢印Aで示す方向)に対応する方向に長い線像として結像させる(整形光学系200の詳細は後述する)。
【0029】
この線像結像位置又は線像結像位置の近傍に反射面132が位置するように回転多面鏡(ポリンゴンミラー)130が配置されている。光偏向器の一例として回転多面鏡130は側面に複数(本実施形態では六面)の反射面132が設けられた正多角形状とされ、予め定められた角速度で矢印C方向に回転する。そして、この回転によって、反射面132への光ビームLの入射角が連続的に変化し、反射面132に入射し反射した光ビームLが、感光体ドラム20の回転軸方向、すなわち主走査方向Aに対応する方向に略等角速度で偏向走査される。
【0030】
回転多面鏡130の光ビームLの反射側には、走査偏向光学系を構成するfθレンズ140が配置されている。fθレンズ140は、感光体ドラム20の表面に略円形の光スポットが略等速度で走査されるように収束させる機能を有する。また、fθレンズ140の作用で面倒れ補正が行われて主走査方向と直交する副走査方向のピッチむらが補正される。
【0031】
なお、fθレンズ140と感光体ドラム20との間には、fθレンズ140から射出された光ビームLを感光体ドラム20に向けて反射する反射鏡150が配置されている。また、図4に示すように、光走査装置100の光学箱102には、反射鏡150で反射した光ビームLが透過して出射する透明な樹脂やガラス等で構成された窓部152が設けられている。
【0032】
図1に示すように、回転多面鏡130による偏向開始側(光ビームLの走査開始側)には反射ミラー(ピックアップミラー)160が配設されており、偏向終了側(光ビームの走査終了側)には、開始位置検出センサ162が配設されている。
【0033】
回転多面鏡130によって偏向走査された光ビームLのうち、画像領域外の走査開始位置の光ビームLが、反射ミラー160によって反射され、開始位置検出センサ162へ入射する。開始位置検出センサ162は光ビームLを受光し、光ビーム検出信号を出力する。
【0034】
つぎに整形光学系200について図2を用いて説明する。なお、図2は、図1の主要部分を展開した展開図である。
【0035】
整形光学系200は、半導体レーザ110側に配置された結合レンズ210と、この結合レンズ210の光ビームLの出射側に配置された補正光学素子250と、で構成されている。
【0036】
結合レンズ210は、入射面(一方の光学面)210Aが平面で構成され、出射面(他方の光学面)210Bが凸球面で構成されたガラス製の単レンズ(球面平凸単レンズ)とされている。結合レンズ210は、半導体レーザ110から出射された発散光束の光ビームLを結合する。また、半導体レーザ110から出射された発散光束の光ビームLを平行光束又は略平行光束の光ビームLに整形して出射する。
【0037】
補正光学素子250は、入射面(一方の光学面)250Aが副走査方向にのみ屈折力を有するシリンドリカル面、出射面(他方の光学面)250Bが非球面の曲面で構成されている樹脂製のレンズとされている。補正光学素子250は、球面の単レンズである結合レンズ210で発生した光ビームLの収差を補正すると共に線像結像させる機能を有する。
【0038】
ここで、本実施形態における結合レンズ210の仕様及び補正光学素子250の仕様の一例を以下に記す。なお、この仕様はあくまでも一例であって、これに限定されるものではない。
【0039】
図5(A)の表に、結合レンズ210の仕様及び補正光学素子250の各仕様の一例を示す。
【0040】
なお、結合レンズ250Bの非球面は、中心からの距離hに対するサグ量zが、下記[数1]で表される。
【数1】


但し、
C:1/r(主走査)、K:-90057.24061
A:-0.273976E-03、 B:0.488426E-04、 C:-0.123396E-04、 D:0.820039E-06
である。
【0041】
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0042】
非球面レンズよりも低価格とされるものの、入射面210Aが平面で構成され出射面210Bが凸球面で構成されたガラス製の単レンズ(球面平凸単レンズ)である結合レンズ210は、波面収差が発生する。よって、結合レンズ210一枚のみが整形光学系200を構成する場合(本発明が適用されていない場合)は、波面収差を抑えるために、結合レンズ210に入射する入射光束を制限する必要があるとされている。つまり光軸回りの狭い範囲のみを使用する必要があるとされている。よって、光の利用効率が低下する。
【0043】
これに対して、本実施形態では、結合レンズ210で発生する収差を、非球面で構成された補正光学素子250で補正する。これにより、入射光束を制限する必要がなく、結合レンズ210の広い範囲を使用することができる。よって、補正光学素子250を有しない構成と比較し、光の利用効率の低下を抑制しつつ、非球面レンズよりも低価格の結合レンズ210を使用し、光走査装置100を低コスト化することが可能となる。
【0044】
また、補正光学素子250は、入射面及び出射面が非球面の曲面で構成されている樹脂製の光学素子とされている。
【0045】
ここで、光ビームLは、結合レンズ210によって平行光束又は略平行光束に整形されているので、補正光学素子250を半導体レーザ110から離れた位置に配置することができる。よって、熱膨張などの変形による影響が結合レンズ210よりも小さい。
【0046】
したがって、ガラスと比較し熱膨張が大きな樹脂を補正光学素子250に用いても、熱膨張の影響が小さい。よって、補正光学素子250が樹脂製以外の非球面の光学素子の場合(例えば、ガラス製の非球面レンズ)と比較し、低コストで効果的に収差が補正される。なお、結合レンズ210は、半導体レーザ110から出射される光ビームLが強い発散光束であるので、半導体レーザ110から離れた位置に配置することは困難とされている。
【0047】
また、補正光学素子250が線像結像させる機能を有するので、別途、線像結像させる光学部品が必要ないので、部品点数が低減される。
【0048】
なお、本実施形態では、結合レンズ210は、入射面210Aが平面で構成され、出射面210Bが凸球面で構成されていたが、これに限定されない。入射面が凸球面で構成され、出射面が平面で構成されていてもよい。
【0049】
また補正光学素子250は、入射面250Aが副走査方向に曲率を有するシリンドリカル面、出射面250Bが非球面の曲面で構成されていたが、これに限定されない。入射面及び出射面が共に非球面の曲面で構成されていてもよい。
【0050】
<第二実施形態の光走査装置>
つぎに、本発明の第二実施形態の光走査装置について、図3を用いて説明する。なお、画像形成装置10は、光走査装置以外の構成は同様であるので、説明を省略する。また、第一実施形態の光走査装置とは、整形光学系以外は同様の構成であるので、整形光学系についてのみ説明する。
【0051】
図3は、第二実施形態の光走査装置302の整形光学系300を説明する図1に対応する展開図である。
【0052】
整形光学系300は、半導体レーザ110側に配置された結合レンズ310と、この結合レンズ310の光ビームLの出射側に配置された補正光学素子350と、で構成されている。
【0053】
結合レンズ310は、入射面(一方の光学面)310Aと出射面(他方の光学面)310Bが凸球面で構成されたガラス製の単レンズ(球面単レンズ)とされている。結合レンズ310は、半導体レーザ110から出射された発散光束の光ビームLを結合する。また、光ビームLの発散性を弱めて出射する。言い換えると、半導体レーザ110から出射された発散性の強い発散光束よりも発散性の弱い発散光束に整形して出射する。
【0054】
補正光学素子350は、入射面(一方の光学面)350Aと出射面(他方の光学面)350Bとが非球面の曲面で構成されている樹脂製のレンズとされている。補正光学素子350は、球面の単レンズである結合レンズ310で発生した光ビームLの収差を補正すると共に、線像結像させる機能を有する。
【0055】
更に、補正光学素子350は、結合レンズ310から出射された弱い発散光束を平行光束又は略平行光束に整形して出射する機能を有する。
【0056】
ここで、本実施形態における結合レンズ310の仕様及び補正光学素子350の仕様の一例を以下に記す。なお、この仕様はあくまでも一例であって、これに限定されるものではない。
【0057】
図5(B)の表に、結合レンズ310の仕様及び補正光学素子350の各仕様の一例を示す。
【0058】
なお、レンズ350Aの非球面は、主走査方向の非円弧を副走査方向の曲率半径の中心軸の回りに回転させて出来る非球面であり、主走査方向の非円弧は、下記[数2]で表される。
【数2】


但し、
CUY:1/r(主走査)、K:-47883.54644、
A:-0.104725E-05、 B:-0.359357E-05、 C:0.612810E-06、 D:-0.319779E-07
である。
【0059】
また、レンズ350Bの非球面は、中心からの距離hに対するサグ量zが、下記[数3]で表される。
【数3】


但し、
C:1/r(主走査)、 K:-90057.24061、
A:-0.273976E-03、 B:0.488426E-04、 C:-0.123396E-04、 D:0.820039E-06
である。
【0060】
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0061】
非球面レンズよりも低価格とされるものの、入射面310Aと出射面310Bが凸球面で構成されたガラス製の単レンズ(球面単レンズ)である結合レンズ310で発生する収差を、非球面で構成された補正光学素子350で補正する。よって、補正光学素子350を有しない構成と比較し、光の利用効率の低下を抑制しつつ、非球面レンズよりも低価格の結合レンズ310を使用し、光走査装置100を低コスト化することが可能となる。
【0062】
また、結合レンズ310から弱い発散光束を出射する構成とすることで、結合レンズ310で平行光束又は略平行光束に整形して出射する構成よりも、結合レンズ310で発生する収差が抑制される。よって、補正光学素子350によって、より効果的に収差が補正される。また、焦点距離を短くすることが可能となる。
【0063】
なお、結合レンズ310によって光ビームLが弱い発散光束に整形されているので、補正光学素子350を半導体レーザ110から離れた位置に配置することが可能となる。よって、熱膨張などの変形による影響が結合レンズ310よりも小さいので、補正光学素子350を樹脂製の非球面の光学素子で構成することによる影響が小さい。
【0064】
なお、本実施形態では、補正光学素子350は、入射面350Aと出射面350Bとが非球面の曲面で構成されていたが、これに限定されない。入射面及び出射面のいずれか一方のみが非球面の曲面で構成され、いずれか他方が平面又は球面で構成されていてもよい。
【0065】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0066】
例えば、上記実施形態では、補正光学素子250、350は、線像結像させる機能を有していたが、これに限定されない。補正光学素子とは別に、シリンドリカルレンズなどの線像結像させる機能を有する光学部材(線像結像光学素子)が設けられていてもよい。
【0067】
例えば、上記実施形態では、補正光学素子250、350は、入射面及び出射面の少なくとも一方が非球面の曲面で構成された樹脂製のレンズであったが、これに限定されない。結合レンズで発生した収差を補正して出射する機能を有し、ガラス製の非球面レンズよりも低価格な補正光学素子であればよい。
【0068】
また、例えば、上記実施形態では、光源の一例として半導体レーザ110を用いたが、これに限定されない。半導体レーザ以外の、発散光束を出射する光源であってもよい。
【0069】
また、例えば、上記実施形態では、光走査装置は、光源(半導体レーザ110)は一つのみ備えていたが、これに限定されない。複数の光源を備えた光走査装置であってもよい。
【0070】
また、例えば、上記施形態では、光偏向器の一例として、回転多面鏡(ポリンゴンミラー)130を用いたが、これに限定されない。例えば、ガルバノミラーやレゾナントスキャナ等の反射ミラーを用いてもよい。
【0071】
また、例えば、上記実施形態では、像保持体の一例として感光体ドラム20を用いていたが、これに限定されない。例えば、ベルト状の感光体であってもよい。更に、複数の像保持体を有する構成の画像形成装置であってもよい。
【0072】
また、例えば、上記実施形態では、帯電装置の一例としての帯電ロール32を用いたがこれに限定されない。例えば、ブラシ状の帯電装置であってもよいし、スコロトロンやコロトロンであってもよい。
【0073】
また、例えば、上記実施形態では、転写装置の一例としての転写ロール36を用いたがこれに限定されない。例えば、ベルト状の転写装置であってもよいし、コロトロンであってもよい。
【0074】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0075】
10 画像形成装置
20 感光体ドラム(像保持体の一例)
32 帯電ロール(帯電装置の一例)
36 転写ロール(転写装置の一例)
60 定着装置
100 光走査装置
110 半導体レーザ(光源の一例)
130 回転多面鏡(光偏向器の一例)
132 反射面
200 整形光学系
210 結合レンズ
210A 入射面
210B 出射面
250 補正光学素子
250A 入射面
250B 出射面
300 整形光学系
302 光走査装置。
310 結合レンズ
310A 入射面
310B 出射面
350 補正光学素子
350A 入射面
350B 出射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射された発散光束を平行光束又は略平行光束に整形する整形光学系が、
前記整形光学系を構成し、入射面及び出射面のいずれか一方が球面で構成され、前記入射面及び前記出射面のいずれか他方が平面又は球面で構成され、前記光源から出射された発散光束を結合する結合レンズと、
前記整形光学系を構成し、前記結合レンズで発生した収差を補正して出射する補正光学素子と、
を有して構成されている光走査装置。
【請求項2】
前記補正光学素子は、入射面及び出射面の少なくとも一方が非球面の曲面で構成されている樹脂製のレンズである、
請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記整形光学系から出射された平行光束又は略平行光束を、反射面で反射して偏向する光偏向器を有し、
前記補正光学素子は線像結像する機能を有し、
前記反射面又は前記反射面の近傍に線像結合するように構成されている、
請求項1又は請求項2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記補正光学素子は、前記結合レンズから出射された発散光束を平行光束又は略平行光束に整形して出射する機能を有する、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光走査装置と、
前記光走査装置から出射した光ビームが走査することによって表面に静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像し現像剤像を形成する現像装置と、
前記現像剤像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記記録媒体に転写した前記現像剤像を定着させる定着装置と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−37815(P2012−37815A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179837(P2010−179837)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】