光量制御装置
【課題】 シャッタ羽根と絞り羽根の露光用開口部への出し入れを単一の駆動手段で行う。
【解決手段】 ステッピングモータを3位置に駆動することで、ステッピングモータに固定される駆動レバーによりシャッタ羽根は3位置に駆動され、絞り羽根は駆動レバーとの連動を長穴による遊びしろを設けることで、2位置に駆動される。この組合せにより、シャッタ羽根の露光用開口部への出し入れと絞り羽根の露光用開口部への出し入れを選択的に駆動することができる。
【解決手段】 ステッピングモータを3位置に駆動することで、ステッピングモータに固定される駆動レバーによりシャッタ羽根は3位置に駆動され、絞り羽根は駆動レバーとの連動を長穴による遊びしろを設けることで、2位置に駆動される。この組合せにより、シャッタ羽根の露光用開口部への出し入れと絞り羽根の露光用開口部への出し入れを選択的に駆動することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタ機構と光量調節機構とを有する光量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッタ機構と光量調節機構とを有する光量制御装置としては、特許文献1に記載のモータ制御シャッタ装置がある。これは、制御回路により制御されて正逆転するモータと、シャッタ開口を開閉するセクタと、シャッタ開口より小径な絞り開口を有し、絞り開口がシャッタ開口内にくる第1の位置とシャッタ開口内から退避する第2の位置との間を移動する小絞り板と、モータにより作動されてセクタ又は小絞り板を作動させるロータ作動部材とを備え、ロータ作動部材は、第1の作動領域ではセクタを回動させ、第1の作動領域と異なる第2の作動領域では小絞り板を移動するように、作動領域に応じてセクタと小絞り板とを選択的に作動させる構成としたものである。
【0003】
また、特許文献2に記載の撮像装置がある。これは、撮像光学系と、撮像手段と、露出開口を有する地板と、露出開口よりも小さな開口を有し露出開口から退避する第1位置と露出開口に進入する第2位置との間で作動可能な絞り羽根部材と、露出開口から退避する第1位置と露出開口に進入する第2位置との間で作動可能なシャッタ羽根部材と、絞り羽根部材を駆動する絞り羽根駆動手段と、シャッタ羽根部材を駆動するシャッタ羽根駆動手段と、絞り羽根部材の第1位置と第2位置のそれぞれの位置で無通電時に位置保持する第1保持手段と、シャッタ羽根部材の第1位置と第2位置のそれぞれの位置で無通電時に位置保持する第2保持手段とで構成されるものである。
【0004】
また、特許文献3に記載の絞り機構付きシャッタ装置がある。これは、開口部を開閉するシャッタ羽根と、開口部を所定の口径に絞る絞り口径板とを備え、シャッタ羽根を単一の駆動源により駆動し、この単一の駆動源の駆動力を揺動レバーにより絞り口径板に伝えると共に、揺動レバーに形成した連結孔と駆動源の駆動ピンとの関係及び保持バネにより、絞り口径板を絞り位置に又退避位置に移動させるタイミングを設定することで、単一の駆動源で絞り動作と露光動作を行わせるものである。
【0005】
また、特許文献4に記載のデジタルカメラ用シャッタがある。これは、露出開口を開閉するシャッタ羽根と、露出開口よりも小口径の開口部を有する絞り部材と、通電方向によって回転子の回転方向が変えられ且つ印加電圧の切り替えが可能なモータと、モータによって初期位置から往復作動させられる駆動手段とを備えるとともに、モータに低電圧が印加されたときは駆動手段の初期位置からの往動を途中で停止させてシャッタ羽根による露出開口の閉じ状態を維持し、モータに高電圧が印加されたときは駆動手段の初期位置からの往動によってばねの付勢力に抗して作動させられる制御部材を備え、制御部材がばねの付勢力に抗して作動するときに絞り部材が初期位置から作動させられて開口部を露出開口に挿入してその状態を保持手段によって保持し、駆動手段が復動することで保持手段による保持を解除するものである。すなわち、モータに印加する電圧を切り替えることで、シャッタ羽根駆動と絞り部材駆動とを選択的に行えるものである。
【特許文献1】特許第3208536号
【特許文献2】特許第3205714号
【特許文献3】特開2002−139767号公報
【特許文献4】特開2002−202544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1にて提案されているものは、モータにより作動するロータ作動部材の作動領域に応じてセクタ又は小絞り板の駆動を選択的に行うことができるものの、小絞り板がシャッタ開口内にくる第1の位置を保持するための電磁石やラチェット機構等の保持手段が必要になるため、構成が複雑となり、コストが高く、小型化が難しい。
【0007】
また、上記特許文献2にて提案されているものは、絞り羽根部材とシャッタ羽根部材のそれぞれに専用の駆動手段を設けるものであるため、コストが高く、駆動手段に多くのスペースを必要とする。
【0008】
また、上記特許文献3にて提案されているものは、シャッタ羽根と絞り口径板とを単一の駆動源で駆動するものであるが、絞り口径板を所定のタイミングで出し入れするための揺動レバーと保持バネが必要となるため、構成が複雑となり、コストが高く、小型化が難しい。また、揺動レバーを駆動するためには保持バネに抗するだけの力が必要となり、駆動源が大型化してしまう。
【0009】
また、上記特許文献4にて提案されているものは、シャッタ羽根と絞り部材とをモータの印加電圧を切り替えることで選択的に駆動するものであるが、そのための制御部材や保持手段が必要となるため、構成が複雑となり、コストが高く、小型化が難しく、モータも高トルクが必要となる。また、シャッタの閉じ速度を高めるには印加電圧を高めるのが有効であるが、印加電圧を高めると自動的に絞り部材が挿入してしまうという欠点がある。
【0010】
(発明の目的)
本発明の目的は、小型で簡単な構成のシャッタ機構と光量調節機構とを有する光量制御装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、露光用開口を有する光量規制部材と、前記光量規制部材の露光用開口への挿入位置と退避位置との間を回動可能な第1の羽根と、前記光量規制部材の露光用開口への挿入位置と退避位置との間を回動可能な第2の羽根と、第1の位置と第2の位置と第3の位置とに切り替わることで前記第1の羽根と前記第2の羽根とを駆動する駆動手段とを備え、前記駆動手段の第1の位置では前記第1の羽根は退避位置、前記第2の羽根は退避位置に駆動され、該駆動手段の第3の位置では前記第1の羽根は退避位置、前記第2の羽根は挿入位置に駆動され、前記駆動手段が第1の位置から第2の位置へ移動した時には前記第1の羽根は挿入位置、前記第2の羽根は退避位置に駆動され、前記駆動手段が第3の位置から第2の位置へ移動した時には前記第1の羽根は挿入位置、前記第2の羽根は挿入位置に駆動されることを特徴とする光量制御装置とするものである。
【0012】
上記請求項1の構成によれば、単一の駆動手段により第1の羽根と第2の羽根とをそれぞれ露光用開口への挿入位置と露光用開口からの退避位置とに選択的に駆動することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に記載の本発明は、露光用開口を有する光量規制部材と、前記光量規制部材の露光用開口を遮光する挿入位置と該露光用開口から退避する退避位置との間を回動可能なシャッタ羽根と、前記光量規制部材の露光用開口を通過する光量を所定の量に調節する挿入位置と該露光用開口から退避する退避位置との間を回動可能な光量調節羽根と、第1の位置と第2の位置と第3の位置とに切り替わることで前記シャッタ羽根と前記光量調節羽根とを駆動する駆動手段とを備え、前記駆動手段の第1の位置では前記シャッタ羽根は退避位置、前記光量調節羽根は退避位置に駆動され、該駆動手段の第3の位置では前記シャッタ羽根は退避位置、前記光量調節羽根は挿入位置に駆動され、前記駆動手段が第1の位置から第2の位置へ移動した時には前記シャッタ羽根は挿入位置、前記光量調節羽根は退避位置に駆動され、前記駆動手段が第3の位置から第2の位置へ移動した時には前記シャッタ羽根は挿入位置、前記光量調節羽根は挿入位置に駆動される光量制御装置とするものである。
【0014】
また、請求項3に記載の本発明は、前記シャッタ羽根の退避位置は2箇所ある光量制御装置とするものである。
【0015】
また、請求項4に記載の本発明は、前記光量調節羽根は前記駆動手段と所定の遊びしろをもって連動する光量制御装置とするものである。
【0016】
また、請求項5に記載の本発明は、前記駆動手段はステッピングモータと駆動レバーとで構成される光量制御装置とするものである。
【0017】
上記請求項2乃至5の構成によれば、ステッピングモータと駆動レバーとで構成される単一の駆動手段によりシャッタ羽根と光量調節羽根とをそれぞれ露光用開口への挿入位置と露光用開口からの退避位置とに選択的に駆動することが可能となる。
【0018】
また、シャッタ羽根や光量調節羽根をバネ等の付勢部材を用いることなく位置決め可能であるので、駆動手段であるステッピングモータの必要トルクはシャッタ羽根や光量調節羽根を動かすだけのトルクで良い。このため、ステッピングモータを大幅に小型化することが可能となる。
【0019】
また、上記特許文献1乃至4にて提案されているものに比べて、シンプルな構造で構成部品も少なくて済み、コストを安くできる。
【0020】
さらに、シャッタ羽根の閉じ動作時は光量調節羽根は動かないので、ステッピングモータにはシャッタ羽根のみの負荷がかかるだけとなり、シャッタ閉じ時間の高速化を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、小型で簡単な構成のシャッタ機構と光量調節機構とを有する光量制御装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の実施の一形態に係る光量制御装置の分解斜視図であり、図2は図2の光量制御装置の構成要素であるステッピングモータの分解斜視図である。
【0024】
これらの図において、1はステッピングモータであり、2はステッピングモータ1の後述の出力軸部13aに固定される駆動レバーであり、駆動レバー2には出力ピン2aが設けられている。
【0025】
3は中央に開口部3aが設けられた地板である。地板3にはステッピングモータ1が取り付けられ、駆動レバー2の出力ピン2aが長穴3cを通って反対側に突き出ている。また、地板3には軸ダボ3b、ストッパー3b、ストッパー3e、ストッパー3fが一体で設けられている。
【0026】
4は地板3の開口部3aよりも大径の遮光部4aを有するシャッタ羽根であり、シャッタ羽根4は地板3の軸ダボ3bに軸穴4bが回転可能に嵌合して、地板3上に配置される。シャッタ羽根4には穴部4cが開けられており、駆動レバー2の出力ピン2aが穴部4cに嵌合することで回転させられる。また、シャッタ羽根4には突起部4dが設けられ、突起部4dが地板3のストッパー3dに当接する状態からストッパー3fに当接する状態まで軸ダボ3bを中心に回転可能となっている。
【0027】
5は中間シートであり、中間シート5は中央に地板3の開口部3aよりもやや小径の開口部5aが設けられる。また、中間シート5はシャッタ羽根を間に挟んで地板3に固定される。
【0028】
6は中間シート5の開口部5aよりも小径の開口部6aが中央に設けられた絞り羽根であり、絞り羽根6は地板3の軸ダボ3bに軸穴6bが回転可能に嵌合して、中間シート5上に配置される。絞り羽根6には長穴6cが開けられており、駆動レバー2の出力ピン2aが長穴6cの端部に当接することで回転させられる。また、絞り羽根6には突起部6dが設けられ、突起部6dが地板3のストッパー3dに当接する状態からストッパー3eに当接する状態まで軸ダボ3bを中心に回転可能となっている。
【0029】
7はシャッタ羽根4、中間シート5、及び絞り羽根6の地板3からの抜け止めとなる羽根押えである。羽根押え7には中央に中間シート5の開口部5aよりも大径の開口部7aが設けられている。
【0030】
地板3の開口部3aと中間シート5の開口部5aと羽根押え7の開口部7aはその中心がほぼ一致して配置される。
【0031】
8乃至15はステッピングモータ1の構成部品であり、8は軟磁性材料から成るステ−タであり、第1の外側磁極部8a、第2の外側磁極部8b、第1の外側磁極部8a及び第2の外側磁極部8bのそれぞれの一端を結ぶ平板部8cおよび後述の軸受け14を取り付ける軸受け取付部8dを有する。また、第1の外側磁極部8a及び第2の外側磁極部8bは、後述のロータ軸13と平行方向に延びる櫛歯状に形成されている。
【0032】
9は第1コイル、10は第2コイル、11は第1コイル9及び第2コイル10が巻かれるボビンであり、第1コイル9はボビン11に固定された状態でその内周に第1の外側磁極部8aが配置されるように固定され、第2コイル10はボビン11に固定された状態でその内周に第2の外側磁極部8bが配置されるように固定される。そして、第1コイル9へ通電することにより、第1の外側磁極部8aが励磁され、第2コイル10へ通電することにより、第2の外側磁極部8bが励磁される。第1コイル9と第2コイル10とは、ステータ8の平板部8cの平面上に隣接して配置されるため、モータの軸方向の長さを短く構成できる。
【0033】
12は永久磁石から成る円筒形状のマグネットであり、マグネット12は外周表面を円周方向に多分割、即ち着磁極数がNとなるよう(本実施形態では6分割、即ちN=6となるよう)S極、N極が交互に着磁されている。このマグネット12の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、すなわち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているものの何れかである。
【0034】
13は軟磁性材料からなるロータ軸であり、ロータ軸13の外周面の一部とマグネット12の内周面とが接着や圧入等により密着固定される。ロータ軸13には出力軸部13aと保持軸部13bとが形成されており、ステータ8の軸受け取付部8dに取り付けられる軸受け14と後述のカバー15に一体で設けられる軸保持部15aにより回転支持される。
【0035】
第1の外側磁極部8aと第2の外側磁極部8bは、マグネット12の外周面に所定の隙間をもって対向して配置される。そして、ロータ軸13の第1の外側磁極部1a及び第1コイル9に対向する部分で第1の内側磁極部が形成される。同様に、ロータ軸13の第2の外側磁極部8b及び第2コイル10に対向する部分で第2の内側磁極部が形成される。
【0036】
そして、第1コイル9へ通電することにより、第1の外側磁極部8aと第1の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット12を横切る磁束が発生し、効果的にマグネット12に作用する。その際、第1の外側磁極部8aと第1の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。同様に、第2コイル10へ通電することにより、第2の外側磁極部8bと第2の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット12を横切る磁束が発生し、効果的にマグネット12に作用する。その際、第2の外側磁極部8bと第2の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。
【0037】
15はカバーであり、ステ−タ8に固定される。また、15aは軸保持部であり、ロータ軸13の出力軸部13aが嵌合してロータ軸13は回転支持される。
【0038】
図3乃至図5は、ステッピングモータ1のマグネット12とステータ8と駆動レバー2の位相関係を示す上面図である。これらの図からわかるように、マグネット12はその外周表面を円周方向に均一に多分割して(本実施形態では6分割して)S極、N極が交互に着磁された着磁部が形成されている。また、第1の外側磁極部8aと第2の外側磁極部8bとのマグネット12に対向する位相差は、Nをマグネット12の着磁極数とすると180/N度(本実施形態では30度)ずれて対向している。
【0039】
次に、図3乃至図5を参照して、マグネット12とステータ8の第1の外側磁極部8a及び第2の外側磁極部8bとの位相関係について説明する。
【0040】
図3のように第1コイル9に正通電することで第1の外側磁極部8aをS極に励磁すると、マグネット12には第1の外側磁極部8aの中心と該マグネット12の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように図中半時計方向の回転力が発生するが、同時に第2コイル10にも正通電することで第2の外側磁極部8bをS極に励磁すると、マグネット12には第2の外側磁極部8bの中心と該マグネット12の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生し、両コイルの通電中は回転力のバランスがとれた状態で静止する。この状態が図3の状態であり、両コイルへの通電量が等しい時は、第1の外側磁極部8aの中心とマグネット12の着磁部の中心(N極の中心)との位相差及び第2の外側磁極部8bの中心とマグネット12の着磁部の中心(N極の中心)との位相差は共に約15度となる。また、この状態はステッピングモータ1の無通電コギング停止位置と一致しており、ここで、第1コイル9及び第2コイル10の通電を切っても、コギング力によりこの状態は保持される。
【0041】
図3の状態から第1コイル9を逆通電に切り換えると、第1の外側磁極部8aはN極に励磁されて、マグネット12には第1の外側磁極部8aの中心と該マグネット1の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生する。ここで、第2コイル10は正通電のままにしておくことで、マグネット12には第2の外側磁極部8bの中心と該マグネット12の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように同じく時計方向の回転力が発生し、図3の状態から時計方向に回転を始める。
【0042】
図3の状態から時計方向に約15度回転すると、第2の外側磁極部8bの中心とマグネット12の着磁部の中心(N極の中心)が一致する状態になり、この時、第1の外側磁極部8aの中心はマグネット12の着磁部の境界(S極、N極の境界)と一致した状態であり、さらに反時計方向に回転させる力が発生している。そして、その状態からさらに時計方向に約15度回転(図3の状態から時計方向に約30度回転)すると、両コイルの回転力のバランスがとれた状態となり、その位置で静止する。この状態が図4の状態である。すなわち、図3の状態から図4の状態へとマグネット12が回転することで、駆動レバー2は30度回転することになる。また、この状態はステッピングモータ1の無通電コギング停止位置と一致しており、ここで、第1コイル9及び第2コイル10の通電を切っても、コギング力によりこの状態は保持される。
【0043】
図4の状態から第2コイル10を逆通電に切り換えると、第2の外側磁極部8bはN極に励磁されて、マグネット12には第2の外側磁極部8bの中心と該マグネット12の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生する。ここで、第1コイル9は逆通電のままにしておくことで、マグネット12には第1の外側磁極部8aの中心とマグネット12の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように同じく時計方向の回転力が発生し、図4の状態から時計方向に回転を始める。
【0044】
図4の状態から時計方向に約15度回転すると、第1の外側磁極部8aの中心とマグネット12の着磁部の中心(S極の中心)が一致する状態になり、この時、第2の外側磁極部8bの中心はマグネット12の着磁部の境界(S極、N極の境界)と一致した状態であり、さらに時計方向に回転させる力が発生している。そして、その状態からさらに時計方向に約15度回転(図4の状態から時計方向に約30度回転)すると、両コイルの回転力のバランスがとれた状態となり、その位置で静止する。この状態が図5の状態である。すなわち、図4の状態から図5の状態へとマグネット12が回転することで、駆動レバー2は30度回転することになる。また、この状態はステッピングモータ1の無通電コギング停止位置と一致しており、ここで、第1コイル9及び第2コイル10の通電を切っても、コギング力によりこの状態は保持される。
【0045】
以上、図3の状態〜図4の状態〜図5の状態へと時計方向に回転する場合を説明したが、逆の順序で半時計方向に回転する場合も同様である。以上のように、第1コイル9及び第2コイル10の通電状態を制御することで、図3の状態、図4の状態、図5の状態を任意に選択することができる。
【0046】
図6乃至図9はシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図であり、図10はモータ通電とシャッタ羽根と絞り羽根の関係を示す表であり、次にこれらの図を参照して、モータと駆動レバーによるシャッタ羽根と絞り羽根の駆動の様子について説明する。なお、図6乃至図9はわかり易く説明するために中間シート5を省略してある。
【0047】
図6はステッピングモータ1が図3の状態の時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態である。第1コイル9及び第2コイル10を正通電することで、駆動レバー2は図3の状態に停止する。この時、シャッタ羽根4は穴部4cが駆動レバー2の出力ピン2aと嵌合しており、突起部4dが地板3のストッパー3dに当接する状態で位置決めされる。また、絞り羽根6は長穴6cの左端部と駆動レバー2の出力ピン2aとが当接して、突起部6dが地板3のストッパー3dに当接する状態で位置決めされる。この状態では、シャッタ羽根4及び絞り羽根6は地板3の開口部3aから退避している。すなわち、地板3の開口部3aよりもやや小径である不図示の中間シート5の開口部5aからも退避した状態となる。この時、露光用の開口は中間シート5の開口部5aで決まることになる。また、ステッピングモータ1への通電を切っても、この状態は保持される。
【0048】
図7はステッピングモータ1が図3の状態から図4の状態へと切り替わった時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態である。第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電することで、駆動レバー2は図3の状態から図4の状態へと回転して停止する。この時、シャッタ羽根4は穴部4cが駆動レバー2の出力ピン2aと嵌合しており、駆動レバー2の位相位置で位置決めされる。また、絞り羽根6は長穴6cの右端部と駆動レバー2の出力ピン2aとがほぼ当接した状態となるが、駆動レバー2が図3の状態から図4の状態へと回転しても、駆動レバー2の出力ピン2aは長穴6c内を回転するだけで、絞り羽根6には作用せず、突起部6dが地板3のストッパー3dに当接した状態のままで位置決めされる。ここで、シャッタ羽根4が回転すると摩擦により絞り羽根6も動いてしまう可能性があるが、不図示の中間シート5をシャッタ羽根4と絞り羽根6との間に設置することで、シャッタ羽根4が回転する時に絞り羽根に摩擦の影響を及ぼすのを防いでいる。この状態では、シャッタ羽根4は地板3の開口部3aを完全に覆っており、絞り羽根6は地板3の開口部3aから退避している。すなわち、地板3の開口部3aよりもやや小径である不図示の中間シート5の開口部5aも完全に遮光された状態となる。また、絞り羽根6は振動や衝撃等により図中時計方向に回転する可能性があるが、シャッタ羽根4が不図示の中間シート5の開口部5aを完全に遮光した状態で位置決めされているため、何も悪影響はない。また、ステッピングモータ1への通電を切っても、この状態は保持される。
【0049】
図8はステッピングモータ1が図5の状態の時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態である。第1コイル9及び第2コイル10を逆通電することで、駆動レバー2は図5の状態に停止する。この時、シャッタ羽根4は穴部4cが駆動レバー2の出力ピン2aと嵌合しており、突起部4dが地板3のストッパー3fに当接する状態で位置決めされる。また、絞り羽根6は長穴6cの右端部と駆動レバー2の出力ピン2aとが当接して、突起部6dが地板3のストッパー3eに当接する状態で位置決めされる。この状態では、シャッタ羽根4は地板3の開口部3aから退避しており、絞り羽根6は地板3の開口部3aに挿入している。すなわち、地板3の開口部3aよりもやや小径である不図示の中間シート5の開口部5aは絞り羽根6に覆われる。この時、露光用の開口は中間シート5の開口部5aよりも小径である絞り羽根6の開口部6aで決まることになる。また、ステッピングモータ1への通電を切っても、この状態は保持される。
【0050】
図9はステッピングモータ1が図5の状態から図4の状態へと切り替わった時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態である。第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電することで、駆動レバー2は図5の状態から図4の状態へと回転して停止する。この時、シャッタ羽根4は穴部4cが駆動レバー2の出力ピン2aと嵌合しており、駆動レバー2の位相位置で位置決めされる。また、絞り羽根6は長穴6cの左端部と駆動レバー2の出力ピン2aとがほぼ当接した状態となるが、駆動レバー2が図5の状態から図4の状態へと回転しても、駆動レバー2の出力ピン2aは長穴6c内を回転するだけで、絞り羽根6には作用せず、突起部6dが地板3のストッパー3eに当接した状態のままで位置決めされる。ここで、シャッタ羽根4が回転すると摩擦により絞り羽根6も動いてしまう可能性があるが、不図示の中間シート5をシャッタ羽根4と絞り羽根6との間に設置することで、シャッタ羽根4が回転する時に絞り羽根に摩擦の影響を及ぼすのを防いでいる。この状態では、シャッタ羽根4は地板3の開口部3aを完全に覆っており、絞り羽根6は地板3の開口部3aに挿入したままである。すなわち、地板3の開口部3aよりもやや小径である不図示の中間シート5の開口部5aも完全に遮光された状態となる。また、絞り羽根6は振動や衝撃等により図中半時計方向に回転する可能性があるが、シャッタ羽根4が不図示の中間シート5の開口部5aを完全に遮光した状態で位置決めされているため、何も悪影響はない。また、ステッピングモータ1への通電を切っても、この状態は保持される。
【0051】
図11は本実施形態の光量制御装置のブロック図であり、図12は光量制御装置の動作を示すフローチャートであり、図13は光量制御装置の動作タイミングを示すタイムチャートであり、図13の(a)は被写体輝度が所定値よりも小さい場合を示し、(b)は被写体輝度が所定値よりも大きい場合を示す。次に、これらの図を用いて本実施形態の光量制御装置の動作を詳細に説明する。
【0052】
図11において、16は撮影レンズ、17はCCDやCMOS等の撮像素子、18は撮像素子17から出力される画像信号の処理する画像信号処理回路、19は電源スイッチ、20はシャッタレリーズスイッチ、21は撮像素子17の電荷蓄積及び電荷放出を制御する電子シャッタ制御回路、22はステッピングモータ1に駆動信号を供給してシャッタ羽根4及び絞り羽根6を駆動するモータ駆動回路、23はこれら画像信号処理回路18や電子シャッタ制御回路21やモータ駆動回路22を制御する制御回路である。
【0053】
先ず、初期状態において駆動レバー2、シャッタ羽根4、及び絞り羽根6は図7或いは図9に示す状態にある。すなわち、露出用開口である中間シート5の開口部5aはシャッタ羽根4によって完全に遮光状態にある。
【0054】
電源スイッチ19がONされるとプログラムがスタートし(ステップS1)、制御回路23は電子シャッタ制御回路21を制御して撮像素子17を作動開始させ(ステップS2)、モータ駆動回路22を制御してステッピングモータ1の第1コイル9を正通電、第2コイル10も正通電する(ステップS3)。これにより、マグネット12及び駆動レバー2は図3の位置まで回転し、シャッタ羽根4及び絞り羽根6は露出用開口である中間シート5の開口部5aより退避した図6の状態となる。この状態で第1コイル9及び第2コイル10を非通電状態にしても、ステッピングモータ1のコギングトルクによりこの状態位置が保持される。
【0055】
露出用開口である開口部5aが開口した状態となるため、撮像素子17は被写体光に露呈されて撮像素子17の出力は制御回路23に送られる。制御回路23は撮像素子17の出力によって被写体輝度を測光し(ステップS4)、適正なシャッタ秒時(Tv値)と絞り値(Av値)を算出し(ステップS5)、シャッタレリーズスイッチ20がONされるのを待つ(ステップS7)。
【0056】
レリーズスイッチ20がONされると、ステップS4で測定した被写体輝度が所定値αよりも大きいかどうかを判定する(ステップS8)。被写体輝度が所定値αよりも大きい場合は、制御回路23はモータ駆動回路22を制御してステッピングモータ1の第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電した後、続けて第1コイル9を逆通電、第2コイル10を逆通電する(ステップS9)。すなわち、ステッピングモータ1を2パルス駆動する。これにより、マグネット12及び駆動レバー2は図3の位置から図4の位置を経て図5の位置へと回転し、シャッタ羽根4は露出用開口である中間シート5の開口部5aより退避し、絞り羽根6は開口部5a上に挿入される図8の状態となる。この状態で第1コイル9及び第2コイル10を非通電状態にしても、ステッピングモータ1のコギングトルクによりこの状態位置が保持される。この状態では露出用の開口は絞り羽根6の開口部6aにより決められる。すなわち、撮像素子17に露光される光量は所定の量に絞られる。
【0057】
被写体輝度が所定値αよりも小さい場合は、ステッピングモータ1の駆動は行わず、直ちにステップS10に移行する。すなわち、露出用の開口は中間シート5の開口部5aにより決められる。
【0058】
次に制御回路23は電子シャッタ制御回路21を制御して撮像素子17の蓄積電荷を放出させる(ステップS10)。そして撮像素子17の放電動作が完了した時点から再度電荷の蓄積を開始する。よって、このタイミングが有効露出秒時の開始タイミングとなる。適正なシャッタ秒時はステップS5にて算出されているので、制御回路23はステップS10で撮像素子17の電荷を放出した後に、ステップS5で算出されたシャッタ秒時が経過するまで待つ(ステップS11)。適正なシャッタ秒時が経過すると制御回路23はモータ駆動回路22を制御してステッピングモータ1の第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電する(ステップS12)。これにより、マグネット12及び駆動レバー2は図4の位置へと回転する。ここで、被写体輝度が所定値αよりも小さい場合は図6の状態から図7の状態となり、被写体輝度が所定値αよりも大きい場合は図8の状態から図9の状態となるので、シャッタ羽根4は露出用開口である中間シート5の開口部5a上或いは絞り羽根6の開口部6a上に挿入されて、露出用開口を完全に遮光する。この状態で第1コイル9及び第2コイル10を非通電状態にしても、ステッピングモータ1のコギングトルクによりこの状態位置が保持される。露光時間は撮像素子17が電荷放出完了して再蓄積開始した時点からシャッタ羽根4が露出開口を完全に遮光するまでとなる。
【0059】
この様にしてシャッタ羽根4が露出開口を完全に遮光すると制御回路23は画像信号処理回路18を制御して撮像素子17の出力を取り込ませ(ステップS13)、画像信号処理回路18は画像信号をメモリーカード等の記憶装置に書き込み、1回の撮影動作を完了する。
【0060】
以上のように、1回の撮影動作が完了すると、再びステップS3に戻ってシャッタ羽根4と絞り羽根を図6の状態にして、ステップS4以下を繰り返す。
【0061】
また、ステップS4でシャッタレリーズスイッチ20がONされるのを待機している間に電源スイッチ19がOFFするかどうかを検出し(ステップS6)、電源スイッチ19がOFFしたなら制御回路23はモータ駆動回路22を制御してステッピングモータ1の第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電する(ステップS14)。これにより、マグネット12及び駆動レバー2は図4の位置へと回転する。よってシャッタ羽根4及び絞り羽根6は図7の状態となり、シャッタ羽根4は露出用開口である中間シート5の開口部5a上に挿入されて、露出用開口を完全に遮光する。この状態で第1コイル9及び第2コイル10を非通電状態にしても、ステッピングモータ1のコギングトルクによりこの状態位置が保持される。以上ですべての動作が終了する(ステップS15)。
【0062】
以上のように、本発明の実施形態においては、単一の駆動源であるステッピングモータ1でシャッタ羽根4と絞り羽根6とをそれぞれ露光用開口への挿入位置と露光用開口からの退避位置とに選択的に駆動することが可能となる。
【0063】
また、シャッタ羽根4や絞り羽根6をバネ等の付勢部材を用いることなく位置決め可能であるので、ステッピングモータ1の必要トルクはシャッタ羽根4や絞り羽根6を動かすだけのトルクで良い。このため、ステッピングモータ1を大幅に小型化することが可能となる。
【0064】
また、駆動する部材としてはシャッタ羽根4や絞り羽根6以外にはステッピングモータ1とステッピングモータ1に固定される駆動レバー2だけであり、上記特許文献1乃至4にて提案されているものに比べて、シンプルな構造で構成部品も少なくて済み、コストを安くできる。
【0065】
さらに、シャッタ羽根4の閉じ動作時は絞り羽根6は動かないので、ステッピングモータ1にはシャッタ羽根4のみの負荷がかかるだけとなり、シャッタ閉じ時間の高速化を図ることができる。
【0066】
また、シャッタ羽根4や絞り羽根6はそれぞれの位置でステッピングモータ1への通電を切っても、ステッピングモータ1のコギング力によりその位置が保持されるので、消費電力を減少させることが可能となる。
【0067】
次に、本発明と実施の形態の対応関係について説明する。
【0068】
上記実施の形態において、図1及び図11の中間シート5が本発明の光量規制部材に相当し、図1、図6乃至図11及び図13のシャッタ羽根4が本発明の第1の羽根或いはシャッタ羽根に相当し、図1、図6乃至図11及び図13の絞り羽根6が本発明の第2の羽根或いは光量調節羽根に相当し、図1乃至図5、図10、及び図11のステッピングモータ1、及び図1、図3乃至図10の駆動レバー2が本発明の駆動手段に相当する。また、図3が駆動手段の第1の位置に相当し、図4が駆動手段の第2の位置に相当し、図5が駆動手段の第3の位置に相当する。
【0069】
以上が実施の形態の各構成と本発明の各構成の対応関係であるが、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施の形態がもつ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても良いことは言うまでもない。
【0070】
また、絞り羽根6は露光用開口を決める中間シート5の開口部5aよりも小径の開口部6aが中央に設けられたものであるが、この開口部6aに通過光量が所定量だけ透過するNDフィルターを貼り付けてもよい。その場合、撮像素子17上に届く光量は開口部5aの時と比較して、開口部6aとの径の比による減光とNDフィルターの透過率との両方を合わせた減光量となる。従って、開口部6aの径を小さくし過ぎることで発生する小絞り回折による画像劣化を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の一形態に係る光量制御装置の分解斜視図である。
【図2】図1の光量制御装置の構成要素であるモータの分解斜視図である。
【図3】図2のモータのマグネットとステータと駆動レバーの位相関係を示す上面図である。
【図4】図3の状態からコイル通電を切り換えてマグネットを時計方向に30度回転させた状態を示す上面図である。
【図5】図4の状態からコイル通電を切り換えてマグネットを時計方向に30度回転させた状態を示す上面図である。
【図6】モータが図3の状態の時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図である。
【図7】モータが図3の状態から図4の状態へと切り替わった時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図である。
【図8】モータが図5の状態の時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図である。
【図9】モータが図5の状態から図4の状態へと切り替わった時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図である。
【図10】モータ通電とシャッタ羽根と絞り羽根の関係を示す表である。
【図11】本発明の実施の一形態に係る光量制御装置のブロック図である。
【図12】本発明の実施の一形態に係る光量制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の一形態に係る光量制御装置の動作タイミングを示すタイムチャートであり、(a)は被写体輝度が所定値より小さい場合、(b)は被写体輝度が所定値より大きい場合である。
【符号の説明】
【0072】
1 ステッピングモータ
2 駆動レバー
3 地板
4 シャッタ羽根
5 中間シート
6 絞り羽根
7 羽根押え
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタ機構と光量調節機構とを有する光量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッタ機構と光量調節機構とを有する光量制御装置としては、特許文献1に記載のモータ制御シャッタ装置がある。これは、制御回路により制御されて正逆転するモータと、シャッタ開口を開閉するセクタと、シャッタ開口より小径な絞り開口を有し、絞り開口がシャッタ開口内にくる第1の位置とシャッタ開口内から退避する第2の位置との間を移動する小絞り板と、モータにより作動されてセクタ又は小絞り板を作動させるロータ作動部材とを備え、ロータ作動部材は、第1の作動領域ではセクタを回動させ、第1の作動領域と異なる第2の作動領域では小絞り板を移動するように、作動領域に応じてセクタと小絞り板とを選択的に作動させる構成としたものである。
【0003】
また、特許文献2に記載の撮像装置がある。これは、撮像光学系と、撮像手段と、露出開口を有する地板と、露出開口よりも小さな開口を有し露出開口から退避する第1位置と露出開口に進入する第2位置との間で作動可能な絞り羽根部材と、露出開口から退避する第1位置と露出開口に進入する第2位置との間で作動可能なシャッタ羽根部材と、絞り羽根部材を駆動する絞り羽根駆動手段と、シャッタ羽根部材を駆動するシャッタ羽根駆動手段と、絞り羽根部材の第1位置と第2位置のそれぞれの位置で無通電時に位置保持する第1保持手段と、シャッタ羽根部材の第1位置と第2位置のそれぞれの位置で無通電時に位置保持する第2保持手段とで構成されるものである。
【0004】
また、特許文献3に記載の絞り機構付きシャッタ装置がある。これは、開口部を開閉するシャッタ羽根と、開口部を所定の口径に絞る絞り口径板とを備え、シャッタ羽根を単一の駆動源により駆動し、この単一の駆動源の駆動力を揺動レバーにより絞り口径板に伝えると共に、揺動レバーに形成した連結孔と駆動源の駆動ピンとの関係及び保持バネにより、絞り口径板を絞り位置に又退避位置に移動させるタイミングを設定することで、単一の駆動源で絞り動作と露光動作を行わせるものである。
【0005】
また、特許文献4に記載のデジタルカメラ用シャッタがある。これは、露出開口を開閉するシャッタ羽根と、露出開口よりも小口径の開口部を有する絞り部材と、通電方向によって回転子の回転方向が変えられ且つ印加電圧の切り替えが可能なモータと、モータによって初期位置から往復作動させられる駆動手段とを備えるとともに、モータに低電圧が印加されたときは駆動手段の初期位置からの往動を途中で停止させてシャッタ羽根による露出開口の閉じ状態を維持し、モータに高電圧が印加されたときは駆動手段の初期位置からの往動によってばねの付勢力に抗して作動させられる制御部材を備え、制御部材がばねの付勢力に抗して作動するときに絞り部材が初期位置から作動させられて開口部を露出開口に挿入してその状態を保持手段によって保持し、駆動手段が復動することで保持手段による保持を解除するものである。すなわち、モータに印加する電圧を切り替えることで、シャッタ羽根駆動と絞り部材駆動とを選択的に行えるものである。
【特許文献1】特許第3208536号
【特許文献2】特許第3205714号
【特許文献3】特開2002−139767号公報
【特許文献4】特開2002−202544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1にて提案されているものは、モータにより作動するロータ作動部材の作動領域に応じてセクタ又は小絞り板の駆動を選択的に行うことができるものの、小絞り板がシャッタ開口内にくる第1の位置を保持するための電磁石やラチェット機構等の保持手段が必要になるため、構成が複雑となり、コストが高く、小型化が難しい。
【0007】
また、上記特許文献2にて提案されているものは、絞り羽根部材とシャッタ羽根部材のそれぞれに専用の駆動手段を設けるものであるため、コストが高く、駆動手段に多くのスペースを必要とする。
【0008】
また、上記特許文献3にて提案されているものは、シャッタ羽根と絞り口径板とを単一の駆動源で駆動するものであるが、絞り口径板を所定のタイミングで出し入れするための揺動レバーと保持バネが必要となるため、構成が複雑となり、コストが高く、小型化が難しい。また、揺動レバーを駆動するためには保持バネに抗するだけの力が必要となり、駆動源が大型化してしまう。
【0009】
また、上記特許文献4にて提案されているものは、シャッタ羽根と絞り部材とをモータの印加電圧を切り替えることで選択的に駆動するものであるが、そのための制御部材や保持手段が必要となるため、構成が複雑となり、コストが高く、小型化が難しく、モータも高トルクが必要となる。また、シャッタの閉じ速度を高めるには印加電圧を高めるのが有効であるが、印加電圧を高めると自動的に絞り部材が挿入してしまうという欠点がある。
【0010】
(発明の目的)
本発明の目的は、小型で簡単な構成のシャッタ機構と光量調節機構とを有する光量制御装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、露光用開口を有する光量規制部材と、前記光量規制部材の露光用開口への挿入位置と退避位置との間を回動可能な第1の羽根と、前記光量規制部材の露光用開口への挿入位置と退避位置との間を回動可能な第2の羽根と、第1の位置と第2の位置と第3の位置とに切り替わることで前記第1の羽根と前記第2の羽根とを駆動する駆動手段とを備え、前記駆動手段の第1の位置では前記第1の羽根は退避位置、前記第2の羽根は退避位置に駆動され、該駆動手段の第3の位置では前記第1の羽根は退避位置、前記第2の羽根は挿入位置に駆動され、前記駆動手段が第1の位置から第2の位置へ移動した時には前記第1の羽根は挿入位置、前記第2の羽根は退避位置に駆動され、前記駆動手段が第3の位置から第2の位置へ移動した時には前記第1の羽根は挿入位置、前記第2の羽根は挿入位置に駆動されることを特徴とする光量制御装置とするものである。
【0012】
上記請求項1の構成によれば、単一の駆動手段により第1の羽根と第2の羽根とをそれぞれ露光用開口への挿入位置と露光用開口からの退避位置とに選択的に駆動することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に記載の本発明は、露光用開口を有する光量規制部材と、前記光量規制部材の露光用開口を遮光する挿入位置と該露光用開口から退避する退避位置との間を回動可能なシャッタ羽根と、前記光量規制部材の露光用開口を通過する光量を所定の量に調節する挿入位置と該露光用開口から退避する退避位置との間を回動可能な光量調節羽根と、第1の位置と第2の位置と第3の位置とに切り替わることで前記シャッタ羽根と前記光量調節羽根とを駆動する駆動手段とを備え、前記駆動手段の第1の位置では前記シャッタ羽根は退避位置、前記光量調節羽根は退避位置に駆動され、該駆動手段の第3の位置では前記シャッタ羽根は退避位置、前記光量調節羽根は挿入位置に駆動され、前記駆動手段が第1の位置から第2の位置へ移動した時には前記シャッタ羽根は挿入位置、前記光量調節羽根は退避位置に駆動され、前記駆動手段が第3の位置から第2の位置へ移動した時には前記シャッタ羽根は挿入位置、前記光量調節羽根は挿入位置に駆動される光量制御装置とするものである。
【0014】
また、請求項3に記載の本発明は、前記シャッタ羽根の退避位置は2箇所ある光量制御装置とするものである。
【0015】
また、請求項4に記載の本発明は、前記光量調節羽根は前記駆動手段と所定の遊びしろをもって連動する光量制御装置とするものである。
【0016】
また、請求項5に記載の本発明は、前記駆動手段はステッピングモータと駆動レバーとで構成される光量制御装置とするものである。
【0017】
上記請求項2乃至5の構成によれば、ステッピングモータと駆動レバーとで構成される単一の駆動手段によりシャッタ羽根と光量調節羽根とをそれぞれ露光用開口への挿入位置と露光用開口からの退避位置とに選択的に駆動することが可能となる。
【0018】
また、シャッタ羽根や光量調節羽根をバネ等の付勢部材を用いることなく位置決め可能であるので、駆動手段であるステッピングモータの必要トルクはシャッタ羽根や光量調節羽根を動かすだけのトルクで良い。このため、ステッピングモータを大幅に小型化することが可能となる。
【0019】
また、上記特許文献1乃至4にて提案されているものに比べて、シンプルな構造で構成部品も少なくて済み、コストを安くできる。
【0020】
さらに、シャッタ羽根の閉じ動作時は光量調節羽根は動かないので、ステッピングモータにはシャッタ羽根のみの負荷がかかるだけとなり、シャッタ閉じ時間の高速化を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、小型で簡単な構成のシャッタ機構と光量調節機構とを有する光量制御装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の実施の一形態に係る光量制御装置の分解斜視図であり、図2は図2の光量制御装置の構成要素であるステッピングモータの分解斜視図である。
【0024】
これらの図において、1はステッピングモータであり、2はステッピングモータ1の後述の出力軸部13aに固定される駆動レバーであり、駆動レバー2には出力ピン2aが設けられている。
【0025】
3は中央に開口部3aが設けられた地板である。地板3にはステッピングモータ1が取り付けられ、駆動レバー2の出力ピン2aが長穴3cを通って反対側に突き出ている。また、地板3には軸ダボ3b、ストッパー3b、ストッパー3e、ストッパー3fが一体で設けられている。
【0026】
4は地板3の開口部3aよりも大径の遮光部4aを有するシャッタ羽根であり、シャッタ羽根4は地板3の軸ダボ3bに軸穴4bが回転可能に嵌合して、地板3上に配置される。シャッタ羽根4には穴部4cが開けられており、駆動レバー2の出力ピン2aが穴部4cに嵌合することで回転させられる。また、シャッタ羽根4には突起部4dが設けられ、突起部4dが地板3のストッパー3dに当接する状態からストッパー3fに当接する状態まで軸ダボ3bを中心に回転可能となっている。
【0027】
5は中間シートであり、中間シート5は中央に地板3の開口部3aよりもやや小径の開口部5aが設けられる。また、中間シート5はシャッタ羽根を間に挟んで地板3に固定される。
【0028】
6は中間シート5の開口部5aよりも小径の開口部6aが中央に設けられた絞り羽根であり、絞り羽根6は地板3の軸ダボ3bに軸穴6bが回転可能に嵌合して、中間シート5上に配置される。絞り羽根6には長穴6cが開けられており、駆動レバー2の出力ピン2aが長穴6cの端部に当接することで回転させられる。また、絞り羽根6には突起部6dが設けられ、突起部6dが地板3のストッパー3dに当接する状態からストッパー3eに当接する状態まで軸ダボ3bを中心に回転可能となっている。
【0029】
7はシャッタ羽根4、中間シート5、及び絞り羽根6の地板3からの抜け止めとなる羽根押えである。羽根押え7には中央に中間シート5の開口部5aよりも大径の開口部7aが設けられている。
【0030】
地板3の開口部3aと中間シート5の開口部5aと羽根押え7の開口部7aはその中心がほぼ一致して配置される。
【0031】
8乃至15はステッピングモータ1の構成部品であり、8は軟磁性材料から成るステ−タであり、第1の外側磁極部8a、第2の外側磁極部8b、第1の外側磁極部8a及び第2の外側磁極部8bのそれぞれの一端を結ぶ平板部8cおよび後述の軸受け14を取り付ける軸受け取付部8dを有する。また、第1の外側磁極部8a及び第2の外側磁極部8bは、後述のロータ軸13と平行方向に延びる櫛歯状に形成されている。
【0032】
9は第1コイル、10は第2コイル、11は第1コイル9及び第2コイル10が巻かれるボビンであり、第1コイル9はボビン11に固定された状態でその内周に第1の外側磁極部8aが配置されるように固定され、第2コイル10はボビン11に固定された状態でその内周に第2の外側磁極部8bが配置されるように固定される。そして、第1コイル9へ通電することにより、第1の外側磁極部8aが励磁され、第2コイル10へ通電することにより、第2の外側磁極部8bが励磁される。第1コイル9と第2コイル10とは、ステータ8の平板部8cの平面上に隣接して配置されるため、モータの軸方向の長さを短く構成できる。
【0033】
12は永久磁石から成る円筒形状のマグネットであり、マグネット12は外周表面を円周方向に多分割、即ち着磁極数がNとなるよう(本実施形態では6分割、即ちN=6となるよう)S極、N極が交互に着磁されている。このマグネット12の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、すなわち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているものの何れかである。
【0034】
13は軟磁性材料からなるロータ軸であり、ロータ軸13の外周面の一部とマグネット12の内周面とが接着や圧入等により密着固定される。ロータ軸13には出力軸部13aと保持軸部13bとが形成されており、ステータ8の軸受け取付部8dに取り付けられる軸受け14と後述のカバー15に一体で設けられる軸保持部15aにより回転支持される。
【0035】
第1の外側磁極部8aと第2の外側磁極部8bは、マグネット12の外周面に所定の隙間をもって対向して配置される。そして、ロータ軸13の第1の外側磁極部1a及び第1コイル9に対向する部分で第1の内側磁極部が形成される。同様に、ロータ軸13の第2の外側磁極部8b及び第2コイル10に対向する部分で第2の内側磁極部が形成される。
【0036】
そして、第1コイル9へ通電することにより、第1の外側磁極部8aと第1の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット12を横切る磁束が発生し、効果的にマグネット12に作用する。その際、第1の外側磁極部8aと第1の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。同様に、第2コイル10へ通電することにより、第2の外側磁極部8bと第2の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット12を横切る磁束が発生し、効果的にマグネット12に作用する。その際、第2の外側磁極部8bと第2の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。
【0037】
15はカバーであり、ステ−タ8に固定される。また、15aは軸保持部であり、ロータ軸13の出力軸部13aが嵌合してロータ軸13は回転支持される。
【0038】
図3乃至図5は、ステッピングモータ1のマグネット12とステータ8と駆動レバー2の位相関係を示す上面図である。これらの図からわかるように、マグネット12はその外周表面を円周方向に均一に多分割して(本実施形態では6分割して)S極、N極が交互に着磁された着磁部が形成されている。また、第1の外側磁極部8aと第2の外側磁極部8bとのマグネット12に対向する位相差は、Nをマグネット12の着磁極数とすると180/N度(本実施形態では30度)ずれて対向している。
【0039】
次に、図3乃至図5を参照して、マグネット12とステータ8の第1の外側磁極部8a及び第2の外側磁極部8bとの位相関係について説明する。
【0040】
図3のように第1コイル9に正通電することで第1の外側磁極部8aをS極に励磁すると、マグネット12には第1の外側磁極部8aの中心と該マグネット12の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように図中半時計方向の回転力が発生するが、同時に第2コイル10にも正通電することで第2の外側磁極部8bをS極に励磁すると、マグネット12には第2の外側磁極部8bの中心と該マグネット12の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生し、両コイルの通電中は回転力のバランスがとれた状態で静止する。この状態が図3の状態であり、両コイルへの通電量が等しい時は、第1の外側磁極部8aの中心とマグネット12の着磁部の中心(N極の中心)との位相差及び第2の外側磁極部8bの中心とマグネット12の着磁部の中心(N極の中心)との位相差は共に約15度となる。また、この状態はステッピングモータ1の無通電コギング停止位置と一致しており、ここで、第1コイル9及び第2コイル10の通電を切っても、コギング力によりこの状態は保持される。
【0041】
図3の状態から第1コイル9を逆通電に切り換えると、第1の外側磁極部8aはN極に励磁されて、マグネット12には第1の外側磁極部8aの中心と該マグネット1の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生する。ここで、第2コイル10は正通電のままにしておくことで、マグネット12には第2の外側磁極部8bの中心と該マグネット12の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように同じく時計方向の回転力が発生し、図3の状態から時計方向に回転を始める。
【0042】
図3の状態から時計方向に約15度回転すると、第2の外側磁極部8bの中心とマグネット12の着磁部の中心(N極の中心)が一致する状態になり、この時、第1の外側磁極部8aの中心はマグネット12の着磁部の境界(S極、N極の境界)と一致した状態であり、さらに反時計方向に回転させる力が発生している。そして、その状態からさらに時計方向に約15度回転(図3の状態から時計方向に約30度回転)すると、両コイルの回転力のバランスがとれた状態となり、その位置で静止する。この状態が図4の状態である。すなわち、図3の状態から図4の状態へとマグネット12が回転することで、駆動レバー2は30度回転することになる。また、この状態はステッピングモータ1の無通電コギング停止位置と一致しており、ここで、第1コイル9及び第2コイル10の通電を切っても、コギング力によりこの状態は保持される。
【0043】
図4の状態から第2コイル10を逆通電に切り換えると、第2の外側磁極部8bはN極に励磁されて、マグネット12には第2の外側磁極部8bの中心と該マグネット12の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生する。ここで、第1コイル9は逆通電のままにしておくことで、マグネット12には第1の外側磁極部8aの中心とマグネット12の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように同じく時計方向の回転力が発生し、図4の状態から時計方向に回転を始める。
【0044】
図4の状態から時計方向に約15度回転すると、第1の外側磁極部8aの中心とマグネット12の着磁部の中心(S極の中心)が一致する状態になり、この時、第2の外側磁極部8bの中心はマグネット12の着磁部の境界(S極、N極の境界)と一致した状態であり、さらに時計方向に回転させる力が発生している。そして、その状態からさらに時計方向に約15度回転(図4の状態から時計方向に約30度回転)すると、両コイルの回転力のバランスがとれた状態となり、その位置で静止する。この状態が図5の状態である。すなわち、図4の状態から図5の状態へとマグネット12が回転することで、駆動レバー2は30度回転することになる。また、この状態はステッピングモータ1の無通電コギング停止位置と一致しており、ここで、第1コイル9及び第2コイル10の通電を切っても、コギング力によりこの状態は保持される。
【0045】
以上、図3の状態〜図4の状態〜図5の状態へと時計方向に回転する場合を説明したが、逆の順序で半時計方向に回転する場合も同様である。以上のように、第1コイル9及び第2コイル10の通電状態を制御することで、図3の状態、図4の状態、図5の状態を任意に選択することができる。
【0046】
図6乃至図9はシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図であり、図10はモータ通電とシャッタ羽根と絞り羽根の関係を示す表であり、次にこれらの図を参照して、モータと駆動レバーによるシャッタ羽根と絞り羽根の駆動の様子について説明する。なお、図6乃至図9はわかり易く説明するために中間シート5を省略してある。
【0047】
図6はステッピングモータ1が図3の状態の時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態である。第1コイル9及び第2コイル10を正通電することで、駆動レバー2は図3の状態に停止する。この時、シャッタ羽根4は穴部4cが駆動レバー2の出力ピン2aと嵌合しており、突起部4dが地板3のストッパー3dに当接する状態で位置決めされる。また、絞り羽根6は長穴6cの左端部と駆動レバー2の出力ピン2aとが当接して、突起部6dが地板3のストッパー3dに当接する状態で位置決めされる。この状態では、シャッタ羽根4及び絞り羽根6は地板3の開口部3aから退避している。すなわち、地板3の開口部3aよりもやや小径である不図示の中間シート5の開口部5aからも退避した状態となる。この時、露光用の開口は中間シート5の開口部5aで決まることになる。また、ステッピングモータ1への通電を切っても、この状態は保持される。
【0048】
図7はステッピングモータ1が図3の状態から図4の状態へと切り替わった時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態である。第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電することで、駆動レバー2は図3の状態から図4の状態へと回転して停止する。この時、シャッタ羽根4は穴部4cが駆動レバー2の出力ピン2aと嵌合しており、駆動レバー2の位相位置で位置決めされる。また、絞り羽根6は長穴6cの右端部と駆動レバー2の出力ピン2aとがほぼ当接した状態となるが、駆動レバー2が図3の状態から図4の状態へと回転しても、駆動レバー2の出力ピン2aは長穴6c内を回転するだけで、絞り羽根6には作用せず、突起部6dが地板3のストッパー3dに当接した状態のままで位置決めされる。ここで、シャッタ羽根4が回転すると摩擦により絞り羽根6も動いてしまう可能性があるが、不図示の中間シート5をシャッタ羽根4と絞り羽根6との間に設置することで、シャッタ羽根4が回転する時に絞り羽根に摩擦の影響を及ぼすのを防いでいる。この状態では、シャッタ羽根4は地板3の開口部3aを完全に覆っており、絞り羽根6は地板3の開口部3aから退避している。すなわち、地板3の開口部3aよりもやや小径である不図示の中間シート5の開口部5aも完全に遮光された状態となる。また、絞り羽根6は振動や衝撃等により図中時計方向に回転する可能性があるが、シャッタ羽根4が不図示の中間シート5の開口部5aを完全に遮光した状態で位置決めされているため、何も悪影響はない。また、ステッピングモータ1への通電を切っても、この状態は保持される。
【0049】
図8はステッピングモータ1が図5の状態の時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態である。第1コイル9及び第2コイル10を逆通電することで、駆動レバー2は図5の状態に停止する。この時、シャッタ羽根4は穴部4cが駆動レバー2の出力ピン2aと嵌合しており、突起部4dが地板3のストッパー3fに当接する状態で位置決めされる。また、絞り羽根6は長穴6cの右端部と駆動レバー2の出力ピン2aとが当接して、突起部6dが地板3のストッパー3eに当接する状態で位置決めされる。この状態では、シャッタ羽根4は地板3の開口部3aから退避しており、絞り羽根6は地板3の開口部3aに挿入している。すなわち、地板3の開口部3aよりもやや小径である不図示の中間シート5の開口部5aは絞り羽根6に覆われる。この時、露光用の開口は中間シート5の開口部5aよりも小径である絞り羽根6の開口部6aで決まることになる。また、ステッピングモータ1への通電を切っても、この状態は保持される。
【0050】
図9はステッピングモータ1が図5の状態から図4の状態へと切り替わった時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態である。第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電することで、駆動レバー2は図5の状態から図4の状態へと回転して停止する。この時、シャッタ羽根4は穴部4cが駆動レバー2の出力ピン2aと嵌合しており、駆動レバー2の位相位置で位置決めされる。また、絞り羽根6は長穴6cの左端部と駆動レバー2の出力ピン2aとがほぼ当接した状態となるが、駆動レバー2が図5の状態から図4の状態へと回転しても、駆動レバー2の出力ピン2aは長穴6c内を回転するだけで、絞り羽根6には作用せず、突起部6dが地板3のストッパー3eに当接した状態のままで位置決めされる。ここで、シャッタ羽根4が回転すると摩擦により絞り羽根6も動いてしまう可能性があるが、不図示の中間シート5をシャッタ羽根4と絞り羽根6との間に設置することで、シャッタ羽根4が回転する時に絞り羽根に摩擦の影響を及ぼすのを防いでいる。この状態では、シャッタ羽根4は地板3の開口部3aを完全に覆っており、絞り羽根6は地板3の開口部3aに挿入したままである。すなわち、地板3の開口部3aよりもやや小径である不図示の中間シート5の開口部5aも完全に遮光された状態となる。また、絞り羽根6は振動や衝撃等により図中半時計方向に回転する可能性があるが、シャッタ羽根4が不図示の中間シート5の開口部5aを完全に遮光した状態で位置決めされているため、何も悪影響はない。また、ステッピングモータ1への通電を切っても、この状態は保持される。
【0051】
図11は本実施形態の光量制御装置のブロック図であり、図12は光量制御装置の動作を示すフローチャートであり、図13は光量制御装置の動作タイミングを示すタイムチャートであり、図13の(a)は被写体輝度が所定値よりも小さい場合を示し、(b)は被写体輝度が所定値よりも大きい場合を示す。次に、これらの図を用いて本実施形態の光量制御装置の動作を詳細に説明する。
【0052】
図11において、16は撮影レンズ、17はCCDやCMOS等の撮像素子、18は撮像素子17から出力される画像信号の処理する画像信号処理回路、19は電源スイッチ、20はシャッタレリーズスイッチ、21は撮像素子17の電荷蓄積及び電荷放出を制御する電子シャッタ制御回路、22はステッピングモータ1に駆動信号を供給してシャッタ羽根4及び絞り羽根6を駆動するモータ駆動回路、23はこれら画像信号処理回路18や電子シャッタ制御回路21やモータ駆動回路22を制御する制御回路である。
【0053】
先ず、初期状態において駆動レバー2、シャッタ羽根4、及び絞り羽根6は図7或いは図9に示す状態にある。すなわち、露出用開口である中間シート5の開口部5aはシャッタ羽根4によって完全に遮光状態にある。
【0054】
電源スイッチ19がONされるとプログラムがスタートし(ステップS1)、制御回路23は電子シャッタ制御回路21を制御して撮像素子17を作動開始させ(ステップS2)、モータ駆動回路22を制御してステッピングモータ1の第1コイル9を正通電、第2コイル10も正通電する(ステップS3)。これにより、マグネット12及び駆動レバー2は図3の位置まで回転し、シャッタ羽根4及び絞り羽根6は露出用開口である中間シート5の開口部5aより退避した図6の状態となる。この状態で第1コイル9及び第2コイル10を非通電状態にしても、ステッピングモータ1のコギングトルクによりこの状態位置が保持される。
【0055】
露出用開口である開口部5aが開口した状態となるため、撮像素子17は被写体光に露呈されて撮像素子17の出力は制御回路23に送られる。制御回路23は撮像素子17の出力によって被写体輝度を測光し(ステップS4)、適正なシャッタ秒時(Tv値)と絞り値(Av値)を算出し(ステップS5)、シャッタレリーズスイッチ20がONされるのを待つ(ステップS7)。
【0056】
レリーズスイッチ20がONされると、ステップS4で測定した被写体輝度が所定値αよりも大きいかどうかを判定する(ステップS8)。被写体輝度が所定値αよりも大きい場合は、制御回路23はモータ駆動回路22を制御してステッピングモータ1の第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電した後、続けて第1コイル9を逆通電、第2コイル10を逆通電する(ステップS9)。すなわち、ステッピングモータ1を2パルス駆動する。これにより、マグネット12及び駆動レバー2は図3の位置から図4の位置を経て図5の位置へと回転し、シャッタ羽根4は露出用開口である中間シート5の開口部5aより退避し、絞り羽根6は開口部5a上に挿入される図8の状態となる。この状態で第1コイル9及び第2コイル10を非通電状態にしても、ステッピングモータ1のコギングトルクによりこの状態位置が保持される。この状態では露出用の開口は絞り羽根6の開口部6aにより決められる。すなわち、撮像素子17に露光される光量は所定の量に絞られる。
【0057】
被写体輝度が所定値αよりも小さい場合は、ステッピングモータ1の駆動は行わず、直ちにステップS10に移行する。すなわち、露出用の開口は中間シート5の開口部5aにより決められる。
【0058】
次に制御回路23は電子シャッタ制御回路21を制御して撮像素子17の蓄積電荷を放出させる(ステップS10)。そして撮像素子17の放電動作が完了した時点から再度電荷の蓄積を開始する。よって、このタイミングが有効露出秒時の開始タイミングとなる。適正なシャッタ秒時はステップS5にて算出されているので、制御回路23はステップS10で撮像素子17の電荷を放出した後に、ステップS5で算出されたシャッタ秒時が経過するまで待つ(ステップS11)。適正なシャッタ秒時が経過すると制御回路23はモータ駆動回路22を制御してステッピングモータ1の第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電する(ステップS12)。これにより、マグネット12及び駆動レバー2は図4の位置へと回転する。ここで、被写体輝度が所定値αよりも小さい場合は図6の状態から図7の状態となり、被写体輝度が所定値αよりも大きい場合は図8の状態から図9の状態となるので、シャッタ羽根4は露出用開口である中間シート5の開口部5a上或いは絞り羽根6の開口部6a上に挿入されて、露出用開口を完全に遮光する。この状態で第1コイル9及び第2コイル10を非通電状態にしても、ステッピングモータ1のコギングトルクによりこの状態位置が保持される。露光時間は撮像素子17が電荷放出完了して再蓄積開始した時点からシャッタ羽根4が露出開口を完全に遮光するまでとなる。
【0059】
この様にしてシャッタ羽根4が露出開口を完全に遮光すると制御回路23は画像信号処理回路18を制御して撮像素子17の出力を取り込ませ(ステップS13)、画像信号処理回路18は画像信号をメモリーカード等の記憶装置に書き込み、1回の撮影動作を完了する。
【0060】
以上のように、1回の撮影動作が完了すると、再びステップS3に戻ってシャッタ羽根4と絞り羽根を図6の状態にして、ステップS4以下を繰り返す。
【0061】
また、ステップS4でシャッタレリーズスイッチ20がONされるのを待機している間に電源スイッチ19がOFFするかどうかを検出し(ステップS6)、電源スイッチ19がOFFしたなら制御回路23はモータ駆動回路22を制御してステッピングモータ1の第1コイル9を逆通電、第2コイル10を正通電する(ステップS14)。これにより、マグネット12及び駆動レバー2は図4の位置へと回転する。よってシャッタ羽根4及び絞り羽根6は図7の状態となり、シャッタ羽根4は露出用開口である中間シート5の開口部5a上に挿入されて、露出用開口を完全に遮光する。この状態で第1コイル9及び第2コイル10を非通電状態にしても、ステッピングモータ1のコギングトルクによりこの状態位置が保持される。以上ですべての動作が終了する(ステップS15)。
【0062】
以上のように、本発明の実施形態においては、単一の駆動源であるステッピングモータ1でシャッタ羽根4と絞り羽根6とをそれぞれ露光用開口への挿入位置と露光用開口からの退避位置とに選択的に駆動することが可能となる。
【0063】
また、シャッタ羽根4や絞り羽根6をバネ等の付勢部材を用いることなく位置決め可能であるので、ステッピングモータ1の必要トルクはシャッタ羽根4や絞り羽根6を動かすだけのトルクで良い。このため、ステッピングモータ1を大幅に小型化することが可能となる。
【0064】
また、駆動する部材としてはシャッタ羽根4や絞り羽根6以外にはステッピングモータ1とステッピングモータ1に固定される駆動レバー2だけであり、上記特許文献1乃至4にて提案されているものに比べて、シンプルな構造で構成部品も少なくて済み、コストを安くできる。
【0065】
さらに、シャッタ羽根4の閉じ動作時は絞り羽根6は動かないので、ステッピングモータ1にはシャッタ羽根4のみの負荷がかかるだけとなり、シャッタ閉じ時間の高速化を図ることができる。
【0066】
また、シャッタ羽根4や絞り羽根6はそれぞれの位置でステッピングモータ1への通電を切っても、ステッピングモータ1のコギング力によりその位置が保持されるので、消費電力を減少させることが可能となる。
【0067】
次に、本発明と実施の形態の対応関係について説明する。
【0068】
上記実施の形態において、図1及び図11の中間シート5が本発明の光量規制部材に相当し、図1、図6乃至図11及び図13のシャッタ羽根4が本発明の第1の羽根或いはシャッタ羽根に相当し、図1、図6乃至図11及び図13の絞り羽根6が本発明の第2の羽根或いは光量調節羽根に相当し、図1乃至図5、図10、及び図11のステッピングモータ1、及び図1、図3乃至図10の駆動レバー2が本発明の駆動手段に相当する。また、図3が駆動手段の第1の位置に相当し、図4が駆動手段の第2の位置に相当し、図5が駆動手段の第3の位置に相当する。
【0069】
以上が実施の形態の各構成と本発明の各構成の対応関係であるが、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施の形態がもつ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても良いことは言うまでもない。
【0070】
また、絞り羽根6は露光用開口を決める中間シート5の開口部5aよりも小径の開口部6aが中央に設けられたものであるが、この開口部6aに通過光量が所定量だけ透過するNDフィルターを貼り付けてもよい。その場合、撮像素子17上に届く光量は開口部5aの時と比較して、開口部6aとの径の比による減光とNDフィルターの透過率との両方を合わせた減光量となる。従って、開口部6aの径を小さくし過ぎることで発生する小絞り回折による画像劣化を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の一形態に係る光量制御装置の分解斜視図である。
【図2】図1の光量制御装置の構成要素であるモータの分解斜視図である。
【図3】図2のモータのマグネットとステータと駆動レバーの位相関係を示す上面図である。
【図4】図3の状態からコイル通電を切り換えてマグネットを時計方向に30度回転させた状態を示す上面図である。
【図5】図4の状態からコイル通電を切り換えてマグネットを時計方向に30度回転させた状態を示す上面図である。
【図6】モータが図3の状態の時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図である。
【図7】モータが図3の状態から図4の状態へと切り替わった時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図である。
【図8】モータが図5の状態の時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図である。
【図9】モータが図5の状態から図4の状態へと切り替わった時のシャッタ羽根と絞り羽根の状態を示す上面図である。
【図10】モータ通電とシャッタ羽根と絞り羽根の関係を示す表である。
【図11】本発明の実施の一形態に係る光量制御装置のブロック図である。
【図12】本発明の実施の一形態に係る光量制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の一形態に係る光量制御装置の動作タイミングを示すタイムチャートであり、(a)は被写体輝度が所定値より小さい場合、(b)は被写体輝度が所定値より大きい場合である。
【符号の説明】
【0072】
1 ステッピングモータ
2 駆動レバー
3 地板
4 シャッタ羽根
5 中間シート
6 絞り羽根
7 羽根押え
【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光用開口を有する光量規制部材と、
前記光量規制部材の露光用開口への挿入位置と退避位置との間を回動可能な第1の羽根と、
前記光量規制部材の露光用開口への挿入位置と退避位置との間を回動可能な第2の羽根と、
第1の位置と第2の位置と第3の位置とに切り替わることで前記第1の羽根と前記第2の羽根とを駆動する駆動手段とを備え、
前記駆動手段の第1の位置では前記第1の羽根は退避位置、前記第2の羽根は退避位置に駆動され、該駆動手段の第3の位置では前記第1の羽根は退避位置、前記第2の羽根は挿入位置に駆動され、前記駆動手段が第1の位置から第2の位置へ移動した時には前記第1の羽根は挿入位置、前記第2の羽根は退避位置に駆動され、前記駆動手段が第3の位置から第2の位置へ移動した時には前記第1の羽根は挿入位置、前記第2の羽根は挿入位置に駆動されることを特徴とする光量制御装置。
【請求項2】
露光用開口を有する光量規制部材と、
前記光量規制部材の露光用開口を遮光する挿入位置と該露光用開口から退避する退避位置との間を回動可能なシャッタ羽根と、
前記光量規制部材の露光用開口を通過する光量を所定の量に調節する挿入位置と該露光用開口から退避する退避位置との間を回動可能な光量調節羽根と、
第1の位置と第2の位置と第3の位置とに切り替わることで前記シャッタ羽根と前記光量調節羽根とを駆動する駆動手段とを備え、
前記駆動手段の第1の位置では前記シャッタ羽根は退避位置、前記光量調節羽根は退避位置に駆動され、該駆動手段の第3の位置では前記シャッタ羽根は退避位置、前記光量調節羽根は挿入位置に駆動され、前記駆動手段が第1の位置から第2の位置へ移動した時には前記シャッタ羽根は挿入位置、前記光量調節羽根は退避位置に駆動され、前記駆動手段が第3の位置から第2の位置へ移動した時には前記シャッタ羽根は挿入位置、前記光量調節羽根は挿入位置に駆動されることを特徴とする光量制御装置。
【請求項3】
前記シャッタ羽根の退避位置は2箇所あることを特徴とする請求項2に記載の光量制御装置。
【請求項4】
前記光量調節羽根は前記駆動手段と所定の遊びしろをもって連動することを特徴とする請求項2に記載の光量制御装置。
【請求項5】
前記駆動手段はステッピングモータと駆動レバーとで構成されることを特徴とする請求項2に記載の光量制御装置。
【請求項1】
露光用開口を有する光量規制部材と、
前記光量規制部材の露光用開口への挿入位置と退避位置との間を回動可能な第1の羽根と、
前記光量規制部材の露光用開口への挿入位置と退避位置との間を回動可能な第2の羽根と、
第1の位置と第2の位置と第3の位置とに切り替わることで前記第1の羽根と前記第2の羽根とを駆動する駆動手段とを備え、
前記駆動手段の第1の位置では前記第1の羽根は退避位置、前記第2の羽根は退避位置に駆動され、該駆動手段の第3の位置では前記第1の羽根は退避位置、前記第2の羽根は挿入位置に駆動され、前記駆動手段が第1の位置から第2の位置へ移動した時には前記第1の羽根は挿入位置、前記第2の羽根は退避位置に駆動され、前記駆動手段が第3の位置から第2の位置へ移動した時には前記第1の羽根は挿入位置、前記第2の羽根は挿入位置に駆動されることを特徴とする光量制御装置。
【請求項2】
露光用開口を有する光量規制部材と、
前記光量規制部材の露光用開口を遮光する挿入位置と該露光用開口から退避する退避位置との間を回動可能なシャッタ羽根と、
前記光量規制部材の露光用開口を通過する光量を所定の量に調節する挿入位置と該露光用開口から退避する退避位置との間を回動可能な光量調節羽根と、
第1の位置と第2の位置と第3の位置とに切り替わることで前記シャッタ羽根と前記光量調節羽根とを駆動する駆動手段とを備え、
前記駆動手段の第1の位置では前記シャッタ羽根は退避位置、前記光量調節羽根は退避位置に駆動され、該駆動手段の第3の位置では前記シャッタ羽根は退避位置、前記光量調節羽根は挿入位置に駆動され、前記駆動手段が第1の位置から第2の位置へ移動した時には前記シャッタ羽根は挿入位置、前記光量調節羽根は退避位置に駆動され、前記駆動手段が第3の位置から第2の位置へ移動した時には前記シャッタ羽根は挿入位置、前記光量調節羽根は挿入位置に駆動されることを特徴とする光量制御装置。
【請求項3】
前記シャッタ羽根の退避位置は2箇所あることを特徴とする請求項2に記載の光量制御装置。
【請求項4】
前記光量調節羽根は前記駆動手段と所定の遊びしろをもって連動することを特徴とする請求項2に記載の光量制御装置。
【請求項5】
前記駆動手段はステッピングモータと駆動レバーとで構成されることを特徴とする請求項2に記載の光量制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−212645(P2007−212645A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31029(P2006−31029)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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