説明

免疫炎症障害の治療のための方法および試薬

本発明は、単独で、または一つもしくは複数のさらなる薬剤と組み合わせて、抗ヒスタミン剤を患者に投与することによって免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性がある患者を治療する方法を特徴とする。また、本発明は、一つまたは複数のさらなる薬剤と組み合わせた抗ヒスタミン剤を含有する薬学的組成物を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、免疫炎症性障害の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫炎症性状態は、身体の免疫防御の不適切な活性化によって特徴付けられる。感染性侵入体を標的化するよりはむしろ、免疫応答は身体自身の組織または移植された組織を標的化し、それを損傷する。免疫系によって標的化された組織は障害で変化する。例えば、多発性硬化症においては、免疫応答はニューロン組織に向けられ、他方、クローン病においては消化管が標的化される。免疫炎症性障害は何百万人の個体に影響し、それは、喘息、アレルギー性眼内炎症性疾患、関節炎、アトピー性皮膚炎、アトピー性湿疹、糖尿病、溶血性貧血、炎症性皮膚病、炎症性腸または胃腸障害(例えば、クローン病および潰瘍性結腸炎)、多発性硬化症、重症筋無力症、掻痒/炎症、乾癬、慢性関節リウマチ、肝硬変、および全身性エリテマトーデスなどを含む。
【0003】
免疫炎症性障害のための現行の治療方法は、典型的には、免疫抑制剤に頼っている。これらの剤の有効性は変化しかねず、それらの使用はしばしば有害な副作用が伴っている。従って、免疫炎症性状態の治療のための改良された治療剤および方法が必要とされる。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
本発明は、単独で、または多数の更なる薬剤のいずれかと組み合わせて、ある種の抗ヒスタミン剤をそれを必要とする患者に投与することによって免疫炎症性疾患を治療する方法を特徴とする。
【0005】
従って、1つの局面において、本発明は、ある種の抗ヒスタミン剤のいずれか1つを、免疫炎症性疾患を治療する量および持続して患者に投与することによってそれを必要とする患者において前記疾患を治療する方法を特徴とする。
【0006】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびコルチコステロイドを含む薬学的組成物を特徴とする。特に望ましい抗ヒスタミン剤はブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、およびプロメタジンであり、他方、特に望ましいコルチコステロイドはプレドニゾロン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、フルチカゾン、プレドニゾン、トリアムシノロン、およびジフロラゾンである。前記組成物は局所投与用、または全身投与用(例えば、経口投与)に処方できる。前記薬物の一方または両方は、その各々が本明細書中において定義される低用量または高用量で組成物に存在させることができる。
【0007】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびコルチコステロイドを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法を特徴とする。
【0008】
関連する局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびコルチコステロイドを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、免疫炎症性障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法を特徴とする。もう1つの局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤およびコルチコステロイドを含む組成物;および(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記組成物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0009】
所望であれば、前記方法のいずれも、一つまたは複数の更なる化合物(例えば、グルココルチコイド受容体モジュレーター、NSAID、COX-2阻害剤、DMARD、バイオロジック(biologic)、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸)の投与を含むことができる。
【0010】
関連する局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤;(ii)コルチコステロイド;および(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記抗ヒスタミン剤および前記コルチコステロイドを投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0011】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびイブジラストを含む薬学的組成物を特徴とする。前記組成物は局所投与用、または全身投与用に処方することができる。
【0012】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびイブジラストを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法を特徴とする。
【0013】
関連する局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびイブジラストを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法を特徴とする。
【0014】
もう1つの局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤およびイブジラストを含む組成物;および(ii)免疫抑制障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記組成物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0015】
関連する局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤;(ii)イブジラスト;および(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記抗ヒスタミン剤および前記イブジラストを投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0016】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびロリプラムを含む薬学的組成物を特徴とする。前記組成物は局所投与用、または全身投与用に処方することができる。
【0017】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびロリプラムを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法を特徴とする。
【0018】
関連する局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびロリプラムを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法を特徴とする。
【0019】
もう1つの局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤およびロリプラムを含む組成物;および(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記組成物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0020】
関連する局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤;(ii)ロリプラム;および(iii)前記抗ヒスタミン剤および前記ロリプラムを、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0021】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびテトラ-置換ピリミドピリミジンを含む薬学的組成物を特徴とする。特に望ましいテトラ-置換ピリミドピリミジンはジピリダモールである。前記組成物は局所投与用、または全身投与用に処方することができる。
【0022】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびテトラ-置換ピリミドピリミジン(例えば、ジピリダモール)を、患者において炎症誘発性サイトカンの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、患者において炎症誘発性サイトカンの分泌または生産を減少させる方法を特徴とする。
【0023】
関連する局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびテトラ-置換ピリミドピリミジン(例えば、ジピリダモール)を、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法を特徴とする。
【0024】
もう1つの局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤およびテトラ-置換ピリミドピリミジンを含む組成物;および(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記組成物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0025】
関連する局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤;(ii)テトラ-置換ピリミドピリミジン;および(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記抗ヒスタミン剤および前記テトラ-置換ピリミドピリミジンを投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0026】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤および三環もしくは四環抗鬱剤を含む薬学的組成物を特徴とする。特に望ましい三環もしくは四環抗鬱剤はノルトリプチリン、アモキサピン、およびデシプラミンである。1つの態様において、前記抗ヒスタミン剤はドキセピンではなく、他方、もう1つの態様において、前記抗鬱剤はドキセピンではない。前記組成物は局所投与用、または全身投与用に処方することができる。
【0027】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤および三環もしくは四環抗鬱剤を、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法を特徴とする。1つの態様において、前記抗ヒスタミン剤はドキセピンではなく、他方、もう1つの態様において、前記抗鬱剤はドキセピンではない。
【0028】
関連する局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤および三環もしくは四環抗鬱剤を、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法を特徴とする。1つの態様において、前記抗ヒスタミン剤はドキセピンではなく、他方、もう1つの態様において、前記抗鬱剤はドキセピンではない。
【0029】
もう1つの局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤および三環もしくは四環抗鬱剤を含む組成物;および(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記組成物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。1つの態様において、前記抗ヒスタミン剤はドキセピンではなく、他方、もう1つの態様において、前記抗鬱剤はドキセピンではない。
【0030】
関連する局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤;(ii)三環もしくは四環抗鬱剤;および(iii)前記抗ヒスタミン剤および前記三環もしくは四環抗鬱剤を、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0031】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤および選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)を含む薬学的組成物を特徴とする。特に望ましい抗ヒスタミン剤はブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、およびプロメタジンであり、他方、特に望ましいSSRIはパロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、およびシタロプラムである。前記組成物は局所投与用、または全身投与用(例えば、経口投与)に処方することができる。
【0032】
もう1つの局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびSSRIを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法を特徴とする。
【0033】
関連する局面において、本発明は、抗ヒスタミン剤およびSSRIを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することによって、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法を特徴とする。
【0034】
もう1つの局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤およびSSRIを含む組成物;および(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に前記組成物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0035】
関連する局面において、本発明は、(i)抗ヒスタミン剤;(ii)SSRI;および(iii)前記抗ヒスタミン剤および前記SSRIを、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0036】
本発明の方法の任意の特定の態様において、前記化合物は互いに10日以内、互いに5日以内、互いに24時間以内、または同時にさえ投与される。前記化合物は一緒に単一の組成物として処方してもよいし、あるいは別々に処方し、投与してもよい。1つまたは両方の化合物は、その各々が本明細書中に定義される低用量または高用量で投与することができる。所望であれば、組成物は一つまたは複数の更なる化合物(例えば、グルココルチコイド受容体モジュレーター、NSAID、COX-2阻害剤、DMARD、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイミノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸)を含むことができる。前記組成物は、例えば、局所投与用または全身投与用に処方することができる。本発明の組合せ療法は、他の抗サイトカイン剤、またはIL-6、IL-2、IL-1、IL-12、II-15、またはTNFαの作用をブロックする薬剤(例えば、エタネルセプト、インフリキシマブ、およびアデリムマブ)のような疾患に対して積極的に影響を及ぼす、免疫応答を変調する薬剤、および細胞接着に影響する薬剤と組み合わせて免疫炎症障害の治療用に特に有用である。この例においては、前記組合せ療法はサイトカインの生産を低下させ、エタネルセプトまたはインフリキシマブは炎症性サイトカインの残りの部分に作用し、増強された治療を提供する。
【0037】
本発明の方法、組成物およびキットのいずれにおいても、ある種の化合物のアナログを前記化合物それ自体の代わりに使用することができる。抗ヒスタミン剤および他の化合物のアナログは本明細書中に記載される。化合物(例えば、イブジラスト)または化合物のクラス(例えば、抗ヒスタミン剤)の構造的アナログは、前記化合物またはそれが関連するクラスと同一の活性を有する必要はない。従って、SSRIアナログは、必ずしもセロトニン再取り込みを阻害しない。
【0038】
この方法によって治療できる免疫炎症障害は本明細書に提供され、慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞性動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、および乾癬性関節炎を含む。
【0039】
「コルチコイド」とは、水素化シクロペンタノペルヒドロフェナントレン環系によって特徴付けられるいずれの天然に生じるまたは合成の化合物を意味する。天然に生じるコルチコステロイドは、一般には、副腎皮質によって生産される。合成コルチコステロイドはハロゲン化することができる。例示的なコルチコステロイドは本明細書中に記載する。
【0040】
「三環もしくは四環抗鬱剤」とは、式(I)、(II)、(III)、または(IV)のうちの1つを有する化合物を意味する:


(式中、各Xは、独立して、H、Cl、F、Br、I、CH3、CF3、OH、OCH3、CH2CH3、またはOCH2CH3であり;YはCH2、O、NH、S(O)0-2、(CH2)3、(CH)2、CH2O、CH2NH、CHNまたはCH2Sであり;ZはCまたはSであり;Aは、包括的に、3〜6の間の炭素を有する分岐した、または分岐していない、飽和またはー不飽和炭化水素鎖であり;各Bは、独立して、H、Cl、F、Br、I、CX3、CH2CH3、OCX3またはOCX2CX3であり;およびDは、CH2、O、NH、S(O)0-2である)
好ましい態様において、各Xは、独立して、H、Cl、またはFであり;Yは(CH2)2であり、ZはCであり;Aは(CH2)3であり;および各Bは、独立して、H、ClまたはFである。
【0041】
「抗ヒスタミン剤」とは、ヒスタミンの作用をブロックする化合物を意味する。抗ヒスタミン剤のクラスは限定されるものではないが、エタノールアミン、エチレンジアミン、フェノチアジン、アルキルアミン、ピペラジン、およびピペリジンを含む。
【0042】
「SSRI」とは、(i)中枢神経系のニューロンによるセロトニンの摂取を阻害し、(ii)10nM以下の阻害定数(Ki)を有し、および(iii)100よりも大きなノルエピネフリンよりも優れたセロトニンに対する選択性を有する(すなわち、Ki(セロトニン)に対するKi(ノルエピネフリン)の比率)化合物のクラスのいずれかのメンバーを意味する。典型的には、SSRIは、抗鬱剤として用いた場合に、SSRIは1日当たり10mgよりも大きな用量で投与される。本発明で用いる例示的SSRIは、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、シタロプラム、およびベンラファキシンである。
【0043】
「非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤」または「NsIDI」とは、炎症性サイトカインの生産または分泌を減少させ、イムノフィリンに結合し、炎症性反応の下方調節を引き起こすいずれの非ステロイド剤も意味する。NsIDIはサイクロスポリン、タクロリムス、アスコマイシン、ピメクロリムス、ならびにカルシニューリンのホスファターゼ活性を阻害する他の剤(ペプチド、ペプチド断片、化学的に修飾されたペプチド、またはペプチドミメティックス)のようなカルシニューリン阻害剤を含む。また、NsIDIは、FK506-結合タンパク質、FKBP-12に結合し、白血球細胞およびサイトカイン分泌の抗原誘導増殖をブロックするラパマイシン(シロリムス)およびエベロリムスも含む。
【0044】
「小分子免疫モジュレーター」とは、炎症誘発性サイトカインの生産または分泌を減少させ、炎症誘発反応のダウンレギュレーションを引き起こし、そうでなければ、イムノフィリン-独立的に免疫系を変調する非ステロイドである非NsIDI化合物を意味する。例示的な小分子免疫モジュレーターは、VX 702(Vertex Pharmaceuticals)、SCIO 469(Scios)、ドラマピモド(doramapimod)(Boehringer Ingelheim)、RO 30201195(Roche)、およびSCIO 323(Scios)のようなp38 MAPキナーゼ阻害剤、DPC 333(Bristol Myers Squibb)のようなTACE阻害剤、プラナルカサン(pranalcasan)(Vertex Pharmaceuticals)のようなICE阻害剤、およびマイコフェノレート(mycophenolate)(Roche)およびメリメポジブ(merimepodib)(Vertex Pharmaceuticals)のようなIMPDH阻害剤である。
【0045】
「低用量」とは、いずれかのヒト疾患または状態の治療のための特定の化合物の最低標準推奨用量よりも少なくとも5%少ない(例えば、少なくとも10%、20%、50%、100%、200%、または300%さえ)を意味する。
【0046】
「高用量」とは、いずれかのヒト病気または疾患の治療用の特定の化合物の最高標準推奨用量よりも少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、20%、50%、100%、200%または300%さえ)より多いことを意味する。
【0047】
「中程度の用量」とは、低用量および高用量の間の用量を意味する。
【0048】
「治療する」とは、免疫炎症性病の治療または予防のための薬学的組成物を投与すること、または処方することを意味する。
【0049】
「患者」はいずれかの動物(例えば、ヒト)を意味する。本発明の方法、組成物、およびキットを用いて治療することができる他の動物はウマ、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、サル、モルモット、ラット、マウス、トカゲ、ヘビ、ヒツジ、ブタ、サカナおよび鳥類を含む。
【0050】
「十分な量」とは、臨床的に関連する方法で免疫炎症病を治療または予防するのに必要な、本発明の組合せにおける、化合物の量を意味する。免疫炎症病によって引き起こされた、またはそれに寄与する疾患の治療的処置のための本発明を実施するのに用いられる活性化合物の十分な量は、投与の方法、患者の年齢、体重、および一般的健康に依存して変化する。最終的には、処方者は適当な量および用量方法を決定するであろう。加えて、有効量は、(U.S.Food and Drug Administrationのような)規制当局によって決定され、かつ認可された各剤単独よりも優れた免疫炎症病を有する患者の治療において安全かつ効果的な本発明の組合せにおける化合物の量であり得る。
【0051】
「より効果的」とは、方法、組成物、またはキットが、それと比較されるもう一つの方法よりも大きな効率を呈し、あるいは毒性が低く、より安全であり、より便宜であり、より許容され、またはより価格が低く、またはより満足な治療を提供することを意味する。効率は、所与の症状に適したいずれかの標準的方法を用いて技量のある実行者によって測定され得る。
【0052】
用語「免疫炎症性障害」は、自己免疫疾患、増殖性皮膚病および炎症性皮膚病を含む種々の疾患を含む。免疫炎症性障害は炎症プロセルによる健康な組織の破壊、免疫系の調節不全、および細胞の望まない増殖をもたらす。免疫炎症性障害の例は尋常性ザ瘡;急性呼吸逼迫症候群;アジソン病;アレルギー性鼻炎;アレルギー性眼内炎症病、ANCA関連小血管血管炎;剛直性脊髄炎;関節炎、喘息;アテローム性動脈硬化症;アトピー性皮膚炎;自己免疫溶血性貧血;自己免疫肝炎;ベーチェット病;ベル麻痺;水疱性類天疱瘡;脳虚血症;慢性閉塞性肺病;肝硬変;コガン症候群;接触皮膚炎;COPD;クローン病;クッシング症候群;皮膚筋炎;真性糖尿病;円盤状エリテマトーデス;好酸球性筋膜炎;結節性紅斑;剥奪性皮膚炎;線維筋肉痛;病巣糸球体硬化症;巨細胞関節炎;痛風;痛風性関節炎;移植片対宿主病;手湿疹;ヘーノホ-シェーンライン紫斑病;陰部疱疹;多毛症;特発性セラト強膜炎;特発性肺線維症;特発性血栓性血小板減少性紫斑病;炎症性腸または胃腸障害、炎症性皮膚病;扁平苔癬;紅斑腎炎;リンパ腫気管支炎;斑状水疱;多発性硬化症;重症筋無力症;筋炎;骨関節炎;膵炎;類天疱瘡ゲスタシオニス;尋常性天疱瘡;結節性多発性動脈炎;リウマチ性多発性筋痛;陰嚢掻痒;乾癬掻痒/炎症;乾癬性関節炎;慢性関節リウマチ;再発性多発性軟骨炎;サルコイドーシスによって引き起こされた酒さ;強皮症によって引き起こされた酒さ;スウィート症候群によって引き起こされた酒さ;全身エリテマトーデスによって引き起こされた酒さ;蕁麻疹によって引き起こされた酒さ;帯状疱疹関連疼痛によって引き起こされた酒さ;サルコイドーシス;強皮症;分節状糸球体硬化症;敗血症ショック症候群;肩腱炎または滑液包炎;シェーグレン症候群;スティル病;発作誘導脳細胞死滅;スウィート病;全身エリテマトーデス;全身硬化症;高安動脈炎;一時的動脈炎;毒性表皮壊死症;結核;1型糖尿病;潰瘍性結腸炎;ブドウ膜炎;血管炎;およびヴェゲナー肉芽腫症である。
【0053】
「非皮膚炎症障害」は、例えば、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息、および慢性閉塞性肺病を含む。
【0054】
「皮膚炎症障害」または「炎症性皮膚病」とは、例えば、乾癬、急性発熱性皮膚病、湿疹(例えば、皮脂欠乏湿疹、異汗性湿疹、小胞パルモプランタール湿疹)、ゾーン亀頭炎、亀頭包皮炎、ベーチェット病、遠心性環状紅斑、色素異常性固定性紅斑、多形性紅斑、環状肉芽腫、光沢苔癬、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、慢性単純苔癬、棘状苔癬、貨幣状皮膚炎、壊疽性膿皮症、サルコイドーシス、角層下膿疱病、蕁麻疹、および一過性棘融解皮膚病を含む。
【0055】
「増殖性皮膚病」とは、表皮または真皮における加速された細胞分裂によって特徴付けられる良性または悪性の病気を意味する。増殖性皮膚病の例は、乾癬、アトピー性皮膚炎、非特異的皮膚炎、一次刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、皮膚の基底および扁平細胞癌腫、葉状魚鱗癬、表皮剥離角質増殖、前悪性角化症、アクネ、および脂漏性皮膚炎である。
【0056】
当業者に認識されているように、特定の病気、障害、または病態は増殖性皮膚病および炎症性皮膚病両方であると特徴付けることができる。そのような病気の例は乾癬である。
【0057】
「徐放」または「制御放出」とは、成分の治療上有益な血中レベル(但し、毒性レベル未満)が、例えば、約12〜約24時間の範囲の延長された期間にわたって維持され、従って、例えば、12時間または24時間の投与形態を提供するような制御速度にて、治療上活性な成分が処方から放出されることを意味する。
【0058】
本発明の化合物の一般的記載において、置換基における特定タイプの原子の数は、一般的に、範囲として与えられる。例えば、1〜7個の炭素原子を含有するアルキル基、またはC1-7アルキル。そのような範囲についての言及は、特定の範囲内の原子の整数の各々を有する基への特別な言及を含めることを意図する。例えば、1〜7個の炭素原子のアルキル基は、C1、C2、C3、C4、C5、C6およびC7の各々を含む。C1-7ヘテロアルキルは、例えば、一つまたは複数のヘテロ原子に加えて1〜7個の炭素原子を含む。他の数の原子および他のタイプの原子を同様に示すことができる。
【0059】
本明細書中で用いるように、用語「アルキル」および接頭語「アルク-(alk-)」は、包括的に、直鎖および分岐鎖の基、および環状基、すなわち、シクロアルキルの両方である。環状基は単環または多環であり得、好ましくは、包括的に、3〜6個の環炭素原子を有する。例示的な環状基はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル基を含む。C1-7アルキル基は置換されていてもまたは置換されていなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハライド、ヒドロキシル、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第四級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシルアルキル、およびカルボキシル基を含む。C1-7アルキルは、限定されるものではないが、メチル;エチル;n-プロピル;イソプロピル;シクロプロピル;シクロプロピルメチル;シクロプロピルエチル;n-ブチル;イソ-ブチル;sec-ブチル;tert-ブチル;シクロブチル;シクロブチルメチル;シクロブチルエチル;n-ペンチル;シクロペンチル;シクロペンチルメチル;シクロペンチルエチル;1-メチルブチル;2-メチルブチル;3-メチルブチル;2,2-ジメチルプロピル;1-エチルプロピル;1,1-ジメチルプロピル;1,2-ジメチルプロピル;1-メチルペンチル;2-メチルペンチル;3-メチルペンチル;4-メチルペンチル;1,1-ジメチルブチル;1,2-ジメチルブチル;1,3-ジメチルブチル;2,2-ジメチルブチル;2,3-ジメチルブチル;3,3-ジメチルブチル;1-エチルブチル;2-エチルブチル;1,1,2-トリメチルプロピル;1,2,2-トリメチルプロピル;1-エチル-1-メチルプロピル;1-エチル-2-メチルプロピル;およびシクロヘキシルを含む。
【0060】
「C2-7アルケニル」とは、一つまたは複数の二重結合を含み、かつ2〜7個の炭素原子を有する分岐または非分岐炭化水素基を意味する。C2-7アルケニルは、任意で、単環または多環の環を含んでもよく、ここで、各環は望ましくは3〜6員を有する。C2-7アルケニル基は置換されていても、または置換されていなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハライド、ヒドロキシル、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第四級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、およびカルボキシル基を含む。C2-7アルケニルは、限定されるものではないが、ビニル;アリル;2-シクロプロピル-1-エテニル;1-プロペニル;1-ブテニル;2-ブテニル;3-ブテニル;2-メチル-1-プロペニル;2-メチル-2-プロペニル;1-ペンテニル;2-ペンテニル;3-ペンテニル;4-ペンテニル;3-メチル-1-ブテニル;3-メチル-2-ブテニル;3-メチル-3-ブテニル;2-メチル-1-ブテニル;2-メチル-2-ブテニル;2-メチル-3-ブテニル;2-エチル-2-プロペニル;1-メチル-1-ブテニル;1-メチル-2-ブテニル;1-メチル-3-ブテニル;2-メチル-2-ペンテニル;3-メチル-2-ペンテニル;4-メチル-2-ペンテニル;2-メチル-3-ペンテニル;3-メチル-3-ペンテニル;4-メチル-3-ペンテニル;2-メチル-4-ペンテニル;3-メチル-4-ペンテニル;1,2-ジメチル-1-プロペニル;1,2-ジメチル-1-ブテニル;1,3-ジメチル-1-ブテニル;1,2-ジメチル-2-ブテニル;1,1-ジメチル-2-ブテニル;2,3-ジメチル-2-ブテニル;2,3-ジメチル-3-ブテニル;1,3-ジメチル-3-ブテニル;1,1-ジメチル-3-ブテニルおよび2,2-ジメチル-3-ブテニルを含む。
【0061】
「C2-7アルキニル」は、一つまたは複数の三重結合を含み、かつ2〜7個の炭素原子を有する分岐または非分岐炭化水素基を意味する。C2-7アルキニルは、任意で、単環、二環、または三環の環を含んでもよく、ここで、各環は望ましくは5または6員を有する。C2-7アルキニル基は置換されていても、または置換されていなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハライド、ヒドロキシ、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第四級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、およびカルボキシル基を含む。C2-7アルキニルは、限定されるものではないが、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、5-ヘキセン-1-イニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル;1-メチル-2-プロピニル;1-メチル-2-ブチニル;1-メチル-3-ブチニル;2-メチル-3-ブチニル;1,2-ジメチル-3-ブチニル;2,2-ジメチル-3-ブチニル;1-メチル-2-ペンチニル;2-メチル-3-ペンチニル;1-メチル-4-ペンチニル;2-メチル-4-ペンチニル;および3-メチル-4-ペンチニルを含む。
【0062】
「C2-6ヘテロシクリル」とは、飽和された、部分的に飽和されていない、または飽和されていない(芳香族)、かつ2〜6個の炭素原子、およびN、OおよびSからなる群より独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子からなる安定な5〜7員の単環または7〜14員の二環の複素環を意味し、前記定義の複素環のいずれかがベンゼン環に縮合したいずれの二環基も含む。ヘテロシクリル基は置換されていても置換されていなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハライド、ヒドロキシ、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第四級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、およびカルボキシル基を含む。窒素および硫黄へテロ原子は任意で酸化されていてもよい。複素環はいずれかのヘテロ原子または炭素原子を介して共有結合していてもよく、それは安定な構造をもたらし、例えば、イミダゾリニル環は環炭素原子位置のいずれかにおいて、または窒素原子において連結されていてもよい。複素環中の窒素原子は、任意で、第四級化されていてもよい。好ましくは、複素環中のSおよびO原子の合計数が1を超えた場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。複素環は限定されるものではないが、1H-インダゾール、2-ピロリドニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、2H-ピロリル、3H-インドリル、4-ピペリドニル、4aH-カルバゾール、4H-キノリジニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダザロニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、b-カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニルペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、1,4,5,6-テトラヒドロピリジニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、キサンテニルを含む。好ましい5〜10員複素環は、限定されるものではないが、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、1H-インダゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、キノリニル、およびイソキノリニルを含む。好ましい5〜6員複素環は、限定されるものではないが、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,4,5,6-テトラヒドロピリジニル、およびテトラゾリルを含む。
【0063】
「C6-12アリール」は、共役π電子を持つ炭素原子からなる環系(例えば、フェニル)を有する芳香族基を意味する。アリールは6〜12個の炭素原子を有する。アリール基は、単環、二環、三環の環を含んでよく、各環は望ましくは5または6員を有する。アリール基は置換されていても、または置換されていなくてもよい。例示的な置換基はアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハライド、フルオロアルキル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、モノ置換アミノ、置換されたアミノ、および第四級アミノ基を含む。
【0064】
「C7-14アルカリール」とは、7〜14個の炭素原子を有するアリール基(例えば、ベンジル、フェネチル、または3,4-ジクロロフェネチル)によって置換されたアルキルを意味する。
【0065】
「C3-10アルクヘテロシクリル」とは、一つまたは複数のヘテロ原子に加えて7〜14個の炭素原子を有するアルキル置換複素環基を意味する(例えば、3-フラニルメチル、2-フラニルメチル、3-テトラヒドロフラニルメチル、または2-テトラヒドロフラニルメチル)。
【0066】
「C1-7ヘテロアルキル」とは、独立して、N、O、SおよびPからなる群より選択される1、2、3または4個のヘテロ原子に加えて1〜7個の炭素原子を有する分岐または非分岐アルキル、アルケニル、またはアルキニル基を意味する。ヘテロアルキルは、限定されるものではないが、第三級アミン、第二級アミン、エーテル、チオエーテル、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、ヒドラゾン、イミン、ホスホジエステル、ホスホルアミデート、スルホンアミド、およびジスルフィドを含む。ヘテロアルキルは任意で、単環、二環、または三環の環を含んでもよく、ここで、各環は望ましくは3〜6員を有する。ヘテロアルキル基は置換されていても、または置換されていなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハライド、ヒドロキシル、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第四級アミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、およびカルボキシル基を含む。
【0067】
「アシル」とは、式R-C(O)-を持つ化学的部分を意味し、RはC1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリール、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルから選択される。
【0068】
「アルコキシ」とは、式-ORの化学置換基を意味し、ここで、RはC1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリール、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルから選択される。
【0069】
「アリールオキシ」とは式-ORの化学置換基を意味し、ここで、RはC6-12アリール基である。
【0070】
「アミド」とは、式-NRR'の化学置換基を意味し、ここで、窒素原子はアミド結合の一部であり(例えば、-C(O)-NRR')、ここで、RおよびR'は、各々、独立して、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリール、C3-10アルクヘテロシクリル、およびC1-7ヘテロアルキルから選択され、あるいは-NRR'は、特にピペリジノ、モルホリノ、およびアザビシクロのような少なくとも1つの窒素原子を含有することを除いて前記定義のC2-6ヘテロシクリル環を形成する。
【0071】
「ハライド」とは、臭素、塩素、ヨウ素、またはフッ素を意味する。
【0072】
「フルオロアルキル」とは、フッ素で置換されたアルキル基を意味する。
【0073】
「ペルフルオロアルキル」とは、炭素およびフッ素原子のみからなるアルキル基を意味する。
【0074】
「カルボキシアルキル」とは、式-(R)-COOHを持つ化学的部分を意味し、ここで、RはC1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリール、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルから選択される。
【0075】
「ヒドロキシアルキル」とは、式-(R)-OHを持つ化学的部分を意味し、ここで、RはC1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリール、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルから選択される。
【0076】
「アルキルチオ」とは、式-SRの化学置換基を意味し、ここで、RはC1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリール、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルから選択される。
【0077】
「アリールチオ」とは、式-SRの化学置換基を意味し、ここで、RはC6-12アリール基である。
【0078】
「第四級アミノ」とは、式-(R)-N(R')(R'')(R''')の化学置換基を意味し、ここで、R、R'、R''、およびR'''は、各々、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリール基である。Rは、置換基としての、第四級アミノ窒素原子をもう1つの部分に連結させるアルキル基であり得る。窒素原子Nはアルキルおよび/またはアリール基の4つの炭素原子に共有結合しており、その結果、窒素原子において正の電荷がもたらされる。
【0079】
用語「薬学的に許容される塩」は、健全な医療判断の範囲内で、不必要な毒性、刺激、アレルギー性応答などのないヒトおよび下等動物の組織と接触させて用いるのに適し、合理的な利益/危険性比率に相応しい塩を表す。薬学的に許容される塩は当技術分野において周知である。前記塩は本発明の化合物の最終単離および精製の間にインサイチューにて、または遊離塩基機能を適当な有機酸と反応させることによって別々に調製することができる。代表的な塩はアセテート、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビスルフェート、ボレート、ブチレート、カンフォレート、カンフェルスルホネート、シトレート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプトネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプトネート、ヘキサノエート、ハイドロブロマイド、ハイドロクロライド、ハイドロイオダイド、2-ヒドロキシ-エタンスルホネート、イセチオネート、ラクトビオネート、ラクテート、ラウレート、ラウリルスルフェート、マレート、マレエート、マロネート、メシレート、メタンスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オレエート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3-フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、ステアレート、スクシネート、スルフェート、タルトレート、チオシアネート、トルエンスルホネート、ウンデカノエート、バレレート塩などを含む。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩はナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、ならびに非毒性アンモニア、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンを含むが、限定されるものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含む。
【0080】
本発明で有用な化合物は、本明細書中に記載の化合物のジアステレオマーおよびエナンチオマー、塩、エステル、アミド、チオエステル、溶媒和物、およびその多形、ならびにラセミ混合物および純粋な異性体のような異性体を含む、いずれのその薬学的に許容される形態の本明細書中に記載されたものを含む。その例として、「フェキソフェナジン」は、遊離塩基、ならびにそのいずれかの薬学的に許容される塩(例えば、フェキソフェナジン塩酸塩)を意味する。
【0081】
本発明の他の特徴および利点は以下の詳細な記載、および請求の範囲から明らかであろう。
【0082】
詳細な説明
本発明は、免疫炎症障害の治療のために有用な治療法を提供する。本発明によれば、前記した状態のいずれも、単独、または一つまたは複数の更なる薬剤と組み合わせて、有効量の抗ヒスタミン剤またはそのアナログの投与によって治療することができる。
【0083】
本発明の1つの態様において、免疫炎症障害(例えば、炎症性皮膚病、増殖性皮膚病、器官移植拒絶、または移植片対宿主病)の治療は、抗ヒスタミン剤(またはそのアナログ)およびコルチコステロイドをそのような治療を必要とする患者に投与することによって行われる。
【0084】
本発明のもう1つの態様において、免疫炎症障害の治療は、抗ヒスタミン剤(またはそのアナログ)および三環もしくは四環抗鬱剤をそのような治療を必要とする患者に投与することによって行われる。
【0085】
本発明のなおもう1つの態様において、治療は、抗ヒスタミン剤(またはそのアナログ)および選択的セロトニン再取り込み阻害剤を前記した状態のいずれかに悩む患者に投与することによって行われる。
【0086】
なお他の態様において、治療は、抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログ、ジピリダモール、イブジラスト、ロリプラム、またはこれらの化合物のいずれかのアナログと組み合わせて、そのような治療を必要とする患者に投与することによって行われる。
【0087】
種々の態様についての例示的な投与の経路は、限定されるものではないが、局所、経皮、および(静脈内、筋肉内、皮下、吸入、直腸、舌下、膣、腹腔内、関節内、眼内、または経口投与のような)全身投与を含むことができる。本明細書中で用いるように、「全身投与」とは、全ての非皮膚投与経路をいい、具体的には、局所および経皮投与経路を排除する。
【0088】
前記治療法のいずれも、免疫炎症障害の治療で有用な従来の医薬と共に投与することができる。
【0089】
抗ヒスタミン剤
抗ヒスタミン剤はヒスタミンの作用を阻害する化合物である。抗ヒスタミン剤のクラスは、
(1)エタノールアミン(例えば、ブロモジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、クレマスチン、ジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、およびドキシルアミン);
(2)エチレンジアミン(例えば、フェニラミン、ピリラミン、トリペレンナミン、およびトリプロリジン);
(3)フェノチアジン(例えば、ジエタジン、エトプロパジン、メトジラジン、プロメタジン、チエチルペラジン、およびトリメプラジン);
(4)アルキルアミン(例えば、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、デスブロムフェニラミン、デキシクロルフェニラミン、ピロブタミン、およびトリプロリジン);
(5)ピペラジン(例えば、ブクリジン、セチリジン、クロルシクリジン、シクリジン、メクリジン、ヒドロキシジン);
(6)ピペリジン(例えば、アステミゾール、アザタジン、シプロヘプタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、ケトチフェン、オロパタジン、フェニンダミン、およびテルフェナジン);
(7)非典型的抗ヒスタミン剤(例えば、アゼラスチン、レボカバスチン、メタピリレン、およびフェニルトキサミン)
を含む。
【0090】
本発明の方法、組成物およびキットにおいて、非鎮静および鎮静抗ヒスタミン剤を共に用いることができる。本発明の方法、組成物およびキットで用いられる特に望ましい抗ヒスタミン剤はロラタジンおよびデスロラタジンのような非鎮静抗ヒスタミン剤である。鎮静抗ヒスタミン剤は本発明の方法、組成物およびキットで用いることもできる。本発明の方法、組成物およびキットで用いられる好ましい鎮静抗ヒスタミン剤はアザタジン、ブロモジフェンヒドラミン;クロルフェニラミン;クレミゾール;シプロヘプタジン;ジメンヒドリネート;ジフェンヒドラミン;ドキシルアミン;メクリジン;プロメタジン;ピリラミン;チエチルペラジン;およびトリペレンナミンである。
【0091】
本発明の方法および組成物で用いるのに適した他の抗ヒスタミン剤はアクリバスチン;アヒスタン;アンタゾリン;アステミゾール;アゼラスチン(例えば、アゼルサチン塩酸);バミピン;ベポタスチン;ビエタナウチン;ブロムフェニラミン(例えば、ブロモフェニラミンマレイン酸);カルビノキサミン(例えば、カルビノキサミンマレイン酸);セチリジン(例えば、セチリジン塩酸);セトキシム;クロロシクリジン;クロロピラミン;クロロセン;クロルフェノキシラミン;シンナリジン;クレマスチン(例えば、クレマスチンフマル酸);クロベンゼパム;クロベンズトロピン;クロシニジン;シクリジン(例えば、シクリジン塩酸;シクリジン乳酸);デプトロピン;デキシクロルフェニラミン;デキシクロルフェニラミンマレイン酸;ジフェニルピラリン;ドキセピン;エバスチン;エムブラミン;エメダスチン(例えば、エメダスチンジフマル酸);エピナスチン;エチメマジン塩酸;フェキソフェナジン(例えば、フェキソフェナジン塩酸);ヒスタピロジン;ヒドロキシジン(例えば、ヒドロキシジン塩酸;ヒドロキシジンパモエート);イソプロメタジン;イソチペンジル;レボカバスチン(例えば、レボカバスチン塩酸);メブヒドロリン;メキタジン;メタフリレン;メタピリレン;メトロン;ミゾラスチン;オラパタジン(例えば、オロパタジン塩酸);オルフェナドリン;フェニンダミン(例えば、フェニンダミン酒石酸);フェニラミン;フェニルトロキサミン;p-メチルジフェンヒドラミン;ピロブタミン;セタスチン;タラスチン;テルフェナジン;テニルジアミン;チアジナミウム(例えば、チアジナミウムメチル硫酸);トンジルアミン塩酸;トルプロパミン;トリプロリジン;およびトリトカリンである。
【0092】
抗ヒスタミン剤の構造的アナログも本発明に従って用いることができる。抗ヒスタミン剤アナログは、限定されるものではないが、10-ピペラジニルプロピルフェノチアジン;4-(3-(2-クロロフェノチアジン-10-イル)プロピル)-1-ピペラジンエタノールニ塩酸;1-(10-(3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル)-10H-フェノチアジン-2-イル)-(9CI)1-プロパノン;3-メトキシシプロヘプタジン;4-(3-(2-クロロ-10H-フェノチアジン-10-イル)プロピル)ピペラジン-1-エタノール塩酸;10,11-ジヒドロ-5-(3-(4-エトキシカルボニル-4-フェニルピペリジノ)プロピリデン)-5H-ジベンゾ(a,d)シクロヘプテン;アセプロメタジン;アセトフェナジン;アリメマジン(例えば、アリメマジン塩酸);アミノプロマジン;ベンズイミダゾール;ブタペラジン;カルフェナジン;クロルフェネチアジン;クロルミダゾール;シンプラゾール;デスメチラステミゾール;デスメチルシプロヘプタジン;ジエタジン(例えば、ジエタジン塩酸);エトプロパジン(例えば、エトプロパジン塩酸);2-(p-ブロモフェニル-(p'-トリル)メトキシ)-N,N-ジメチル-エチルアミン塩酸);N,N-ジメチル-2-(ジフェニルメトキシ)-エチルアミンメチルブロマイド;EX-10-542A;フェネタジン;フプラゾール;メチル10-(3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル)フェノチアジン-2-イルケトン;レリセトロン;メドリルアミン;メソリダジン;メチルプロマジン;N-デスメチルプロメタジン;ニルプラゾル;ノルチオリダジン;ペルフェナジン(例えば、ペルフェナジンエナント酸);10-(3-ジメチルアミノプロピル)-2-メチルチオ-フェノチアジン;4-(ジベンゾ(b,e)チエピン-6(11H)-イリデン)-1-メチル-ピペルジル塩酸;プロクロルペラジン;プロマジン;プロピオマジン(例えば、プロピオマジン塩酸);ロトキサミン;ルパタジン;Sch 37370;Sch 434;テカステニゾール;チアジナミウム;チオプロパゼート;チオリダジン(例えば、チオリダジン塩酸);および3-(10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ(a,d)シクロヘプテン-5-イリデン)-トロパンを含む。
【0093】
本発明で用いるのに適した他の化合物はAD-0261;AHR-5333;アリナスチン;アルプロミジン;ATI-19000;ベルマスチン;ビラスチン;Bron-12;カレバスチン;クロルフェナミン;クロフレナジン;コルシム;DF-1105501;DF-11062;DF-1111301;EL-301;エルバニジン;F-7946T;F-9505;HE-90481;HE-90512;ヒベニル;HSR-609;イコチジン;KAA-276;KY-234;ラミアカスト;LAS-36509;LAS-36674;レボセチリジン;レボプロチリン;メトクロパミド;NIP-531;ノベラスチン;オキサトミド;PR-881-884A;キスルタジン;ロカスチン;セレノチフェン;SK&F-94461;SODAS-HC;タゴリジン;TAK-427;テメラスチン;UCB-34742;UCB-35440;VUF-K-8707;Wy-49051;およびZCR-2060である。
【0094】
本発明で用いるのに適したなお他の化合物は米国特許第3,956,296号;第4,254,129号;第4,254,130号;第4,282,833号;第4,283,408号;第4,362,736号;第4,394,508号;第4,285,957号;第4,285,958号;第4,440,933号;第4,510,309号;第4,550,116号;第4,692,456号;第4,742,175号;第4,833,138号;第4,908,372号;第5,204,249号;第5,375,693号;第5,578,610号;第5,581,011号;第5,589,487号;第5,663,412号;第5,994,549号;第6,201,124号;および第6,458,958号に記載されている。
【0095】
標準的な推奨される用量
いくつかの例示的な抗ヒスタミン剤についての標準的な推奨される用量は表1に示される。他の標準的な用量は、例えば、「Merck Manual of Diagnosis & Therapy」(17th Ed. MH Beers et al., Merck & Co.)および「Physician's Desk Reference 2003 」(57th Ed. Medical Economics Staff et al., Medical Economics Co.,2002)に提供される。
【0096】
【表1】

【0097】
ロラタジン
ロラタジン(クラリチン(CLARITIN))は選択的末梢ヒスタミンH1-受容体アンタゴニストとして作用する三環ピペリジンである。本発明者らは、本明細書に、ロラタジン、およびピペリジン、三環ピペリジン、ヒスタミンH1-受容体アンタゴニストのような構造的および機能的そのアナログは、免疫炎症障害、移植された器官拒絶、および移植片対宿主病の治療のために本発明の抗免疫炎症の組合せにおいて有用であることを報告する。
【0098】
ロラタジンの機能的および/または構造的アナログは、(例えば、米国特許第3,956,296号、第4,254,129号、第4,254,130号、第4,283,408号、第4,362,736号、第4,394,508号、第4,285,957号、第4,285,958号、第4,440,933号、第4,510,309号、第4,550,116号、第4,692,456号、第4,742,175号、第4,908,372号、第5,204,249号、第5,375,693号、第5,578,610号、第5,581,011号、第5,589,487号、第5,663,412号、第5,994,549号、第6,201,124号、および第6,458,958号に記載された)AHR-11325、アクリバスチン、アンタゾリン、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、ブロモフェニラミン、カレバスチン、セチリジン、クロルフェニラミン、クロルシクリジン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デスカルボエトキシロラタジン、デキシクロルフェニラミン、ジメンヒドリネート、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、エバスチン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジンケトチフェン、ロードキサミド、レボカバスチン、メチジラジン、メキタジン、オキサトミド、フェニラミンピリラミン、プロメタジン、ピリラミン、セタスチン、タジフィリン、テメラスチン、テルフェナジン、トリメプラジン、トリペレンナミン、トリプロリジン、ウトリジン、および同様な化合物のような他のH1-受容体アンタゴニストを含む。
【0099】
ロラタジン、セチリジン、およびフェキソフェナジンは、多くの第1世代のH1-受容体アンタゴニストの効果の鎮静を欠く第2世代のH1-受容体アンタゴニストである。ピペリジンH1-受容体アンタゴニストはロラタジン、シプロヘプタジン塩酸(ペリアクチン)(PERIACTIN))、およびフェニンジアミン酒石酸(ノラヒスト(NOLAHIST))を含む。ピペラジンH1-受容体アンタゴニストはヒドロキシジン塩酸(アタラックス(ATARAX))、ヒドロキシジンパモエート(ビスタリル(VISTARIL))、シクリジン塩酸(マレジン(MAREZINE))、シクリジン乳酸およびメクリジン塩酸を含む。
【0100】
ロラタジンの標準的な推奨用量
ロラタジン経口処方は錠剤、レディ-タブ(redi-tab)およびシロップを含む。ロラタジン錠剤は10mgの微粉化ロラタジンを含む。ロラタジンシロップは1mg/mlの微粉化ロラタジンを含み、およびレディタブ(reditab)(迅速-崩壊錠剤)は、口の中で迅速に崩壊する錠剤中に10mgの微粉化ロラタジンを含む。提案された用量は患者の状態に伴って変化するが、標準的な推奨用量を以下に提供する。ロラタジンは典型的には10mg用量で毎日1回投与されるが、本発明の抗免疫炎症組合せで有用な他の1日用量は0.01mg〜0.05mg、0.05mg〜1mg、1mg〜3mg、3mg〜5mg、5mg〜10mg、10mg〜15mg、15mg〜20mg、20mg〜30mg、および30mg〜40mgを含む。
【0101】
ロラタジンは経口投与に続いて迅速に吸収される。それは肝臓で代謝されて、チトクロームP450 3A4およびチトクロームP450 2D6によってデスカルボエトキシロラタジンとなる。ロラタジン代謝産物もまた本発明の抗免疫炎症組合せで有用である。
【0102】
コルチコステロイド
所望ならば、一つまたは複数のコルチコステロイドを本発明の方法で投与することができるか、あるいは本発明の組成物において、抗ヒスタミン剤、またはそのアナログで処方することができる。本発明者らのデータは、種々のコルチコステロイドと組み合わせた種々の抗ヒスタミン剤が、いずれかの薬剤単独と比較して、インビトロでのTNFαの抑制においてより効果的であることを示す。従って、抗ヒスタミン剤またはコルチコステロイドいずれか単独と比較して、特にTNFαレベルにより仲介される免疫炎症性疾患の治療において、この組み合わせはより効果的であり得る。適当なコルチコステロイドは11-α,17-α,21-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-β,16-α,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-β,16-α,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;11-β,17-α,21-トリヒドロキシ-6-α-メチルプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-デヒドロコルチコステロン;11-デオキシコルチゾル;11-ヒドロキシ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン;11-ケトテストステロン;14-ヒドロキシアンドロスタ-4-エン-3,6,17-トリオン;15,17-ジヒドロキシプロゲステロン;16-メチルヒドロコルチゾン;17,21-ジヒドロキシ-16-α-メチルプレグナ-1,4,9(11)-トリエン-3,20-ジオン;17-α-ヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;17-α-ヒドロキシプレグネノロン;17-ヒドロキシ-16-β-メチル-5-β-プレグナ-9(11)-エン-3,20-ジオン;17-ヒドロキシ-4,6,8(14)-プレグナトリエン-3,20-ジオン;17-ヒドロキシプレグナ-4,9(11)-ジエン-3,20-ジオン;18-ヒドロキシコルチコステロン;18-ヒドロキシコルチゾン;18-オキソコルチゾル;21-デオキシアルドステロン;21-デオキシコルチゾン;2-デオキシエクジソン;2-メチルコルチゾン;3-デヒドロエクジソン;4-プレグネン-17-α,20-β,21-トリオール-3,11-ジオン;6,17,20-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3-オン;6-α-ヒドロキシコルチゾル;6-α-フルオロプレドニソロン、6-α-メチルプレドニソロン、6-α-メチルプレドニソロン21-アセテート、6-α-メチルプレドニソロン21-ヘミスクシネートナトリウム塩、6-β-ヒドロキシコルチゾル、6-α,9-α-ジフルオロプレドニソロン21-アセテート17-ブチレート、6-ヒドロキシコルチコステロン;6-ヒドロキシデキサメタゾン;6-ヒドロキシプレドニソロン;9-フルオロコルチゾン;アルクロメタゾンジプロピオネート;アルドステロン;アルゲストン;アルファデルム;アマジノン;アムシノナイド;アナゲストン;アンドロステンジオン;アネコルタブアセテート;ベクロメタゾン;ベクロメタゾンジプロピオネート;ベクロメタゾンジプロピオネート一水和物;ベタメタゾン17-バレレート;ベタメタゾンナトリウムアセテート;ベタメタゾンナトリウムホスフェート;ベタメタゾンバレレート;ボラステロン;ブデソナイド;カルステロン;クロルマジノン;クロロプレドニゾン;クロロプレドニゾンアセテート;コレステロール;クロベタゾール;クロベタゾールプロピオネート;クロベタゾン;クロコルトロン;クロコルトロンピバレート;クロゲストン;クロプレドノール;コルチコステロン;コルチゾール;コルチゾールアセテート;コルチゾールブチレート;コルチゾールシピオネート;コルチゾールオクタノエート;コルチゾールナトリウムホスフェート;コルチゾールナトリウムスクシネート;コルチゾールバレレート;コルチゾン;コルチゾンアセテート;コルトドキソン;ダトゥラオロン;デフラザコルト、21-デオキシコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン;デルマディノン;デオキシコルチコステロン;デプロドン;デスシノロン;デソナイド;デソキシメタゾン;デキサフェン;デキサメタゾン;デキサメタゾン21-アセテート;デキサメタゾンアセテート;デキサメタゾンナトリウムホスフェート;ジクロリソン;ジフロラソン;ジフロラソンジアセテート;ジフルコルトロン;ジヒドロエラテリシンa;ドモプレドネート;ドキシベタゾール;エクジソン;エクジステロン;エンドリソン;エノキソロン;フロシノロン;フルドロコルチゾン;フルドロコルチゾンアセテート;フルゲストン;フルメタゾン;フルメタゾンピバレート;フルモキソナイド;フルニソリド;フルオシノロン;フルオシノロンアセトニド;フルオシノナイド;9-フルオロコルチゾン;フルオコルトロン;フルオロヒドロキシアンドロステンジオン;フルオロメトロン;フルオロメトロンアセテート;フルオキシメステロン;フルプレドニデン;フルプレドニソロン;フルランドレノライド;フルチカゾン;フルチカゾンプロピオネート;フォルメボロン;フォルメスタン;フォルモコルタル;ゲストノロン;グリデリニン;ハルチノナイド;フルカノサイド;ハロメタゾン;ハロプレドン;ハロプロゲステロン;ヒドロコルチゾンシピオネート;ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾン21-ブチレート;ヒドロコルチゾンアセポネート;ヒドロコルチゾンアセテート;ヒドロコルチゾンブテプレート;ヒドロコルチゾンブチレート;ヒドロコルチゾンシピオネート;ヒドロコルチゾンヘミスクシネート;ヒドロコルチゾンプロブテート;ヒドロコルチゾンナトリウムホスフェート;ヒドロコルチゾンナトリウムスクシネート;ヒドロコルチゾンバレレート;ヒドロキシプロゲステロン;イノコステロン;イソフルプレドン;イソフルプレドンアセテート;イソプレドニデン;メクロリソン;メコルトロン;メドロゲストン;メドロキシプロゲステロン;メドリソン;メゲステロール;メゲステロールアセテート;メレンゲストロール;メプレドニゾン;メタンドロステノロン;メチルプレドニソロン;メチルプレドニソロンアセポネート;メチルプレドニソロンアセテート;メチルプレドニソロンヘミスクシネート;メチルプレドニソロンナトリウムスクシネート;メチルテストステロン;メトリボロン;モメタソン;モメタソンフロエート;モメタソンフロエート一水和物;ニソン;ノネゲストロール;ノルゲストメート;ノルビニステロン;オキシメステロン;パラメタゾン;パラメタゾンアセテート;コナステロン;プレドニソラメート;プレドニソロン;プレドニソロン21-ヘミスクシネート;プレドニソロンアセテート;プレドニソロンファルネシレート;プレドニソロンヘミスクシネート;プレドニソロン-21(β-D-グルクロニド);プレドニソロンメタスルフォベンゾエート;プレドニソロンナトリウムホスフェート;プレドニソロンステアグレート;プレドニソロンテブテート;プレドニソロンテトラヒドロフタレート;プレドニゾン;プレドニバル;プレドニリデン;プレグネノロン;プロシノナイド;トラロナイド;プロゲステロン;プロメゲストン;ラポンティステロン;リメキソロン;ロキシボロン;ルブロステロン;スティゾフィリン;ティクソコルトル;トプテロン;トリアムシノロン;トリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンアセトニド21-パルミテート;トリアムシノロンジアセテート;トリアムシノロンヘキサアセトニド;トリメゲストン;トュルケステロン;およびウォルマンニンを含む。
【0103】
種々のステロイド/病気組合せについての標準推奨用量を以下の表2に提供する。
【0104】
【表2】

【0105】
コルチコステロイドについての他の標準推奨用量は、例えば、Merck Manual of Diagnosis & Therapy (17th Ed.MH Beers et al.,Merck & Co.)およびPhysicians’Desk Reference 2003 (57th Ed.Medical Economics Staff et al.,Medical Economics Co.,2002)に提供されている。一つの態様において、投与されるコルチコステロイドの用量は、本明細書中に定義されたプレドニソロンと同等の用量である。例えば、コルチコステロイドの低用量はプレドニソロンの低用量と同等の用量と考えられることができる。
【0106】
ステロイド受容体モジュレーター
ステロイド受容体モジュレーター(例えば、アンタゴニストおよびアゴニスト)は、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドに代えて、またはそれに加えて、代替物として用いることができる。従って、1つの態様において、本発明は、三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターまたは他のステロイド受容体モジュレーターの組合せ、および免疫炎症障害をそれで治療する方法を特徴とする。
【0107】
本発明の方法、組成物、およびキットで用いることができるグルココルチコイド受容体モジュレーターは、その各々が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,380,207号、第6,380,223号、第6,448,405号、第6,506,766号、および第6,570,020号、米国特許出願公開第2003/0176478号、第2003/0171585号、第2003/0120081号、第2003/0073703号、第2002/015631号、第2002/0147336号、第2002/0107235号、第2002/0103217号、および第2001/0041802号、およびPCT公開番号WO 00/66522に記載されている化合物を含む。他のステロイド受容体モジュレーターも本発明の方法、組成物およびキットで用いることができ、その各々が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,093,821号、第6,121,450号、第5,994,544号、第5,696,133号、第5,696,127号、第5,693,647号、第5,693,646号、第5,688,810号、第5,688,808号、および第5,696,130号に記載されている。
【0108】
他の化合物
本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる他の化合物A-348441(Karo Bio)、副腎皮質抽出物(GlaxoSmithKline)、アルサクチド(Aventis)、アメブコルト(Schering AG)、アメロメタゾン(Taisho)、ATSA(Pfizer)、ビトルテロール(Elan)、CBP-2011(InKine Pharmaceutical)、セバラセタム(Novartis)、CGP-13774(Kissei)、シクレソニド(Altana)、シクロメタゾン(Aventis)、クロベタゾンブチレート(GlaxoSmithKline)、クロプレドノール(Hoffmann-La Roche)、コリスマイシンA(Kirin)、ククルビタシンE(NIH)、デフラザコルト(Aventis)、デプロドンプロピオネート(SSP)、デキサメタゾンアセフレート(Schering-Plough)、デキサメタゾンリノレエート(GlaxoSmithKline)、デキサメタゾンバレレート(Abbott)、ジフルプレドネート(Pfizer)、ドモプレドネート(Hoffmann-La Roche)、エビラタイド(Aventis)、エティプレドノールジクロアセテート(IVAX)、フルアザコルト(Vicuron)、フルモキソナイド(Hoffmann-La Roche)、フルオコルチンブチル(Schering AG)、フルオコルトドン一水和物(Schering AG)、GR-250495X(GlaxoSmithKline)、ハロメタゾン(Novartis)、ハロプレドン(Dainippon)、HYC-141(Fidia)、イコメタゾンエンブテート(Hovione)、イトロシノナイド(AstraZeneca)、L-6485(Vicuron)、リポコルト(Draxis Health)、ロシコルトン(Aventis)、メクロリソン(Schering-Plough)、ナフロコルト(Bristol-Myers Squibb)、NCX-1015(NicOx)、NCX-1020(NicOx)、NCX-1022(NicOx)、ニココルトニド(Yamanouchi)、NIK-236(Nikken Chemicals)、NS-126(SSP)、Org-2766(Akzo Nobel)、Org-6632(Akzo Nobel)、P16CM、プロピルメステロロン(Schering AG)、RGH-1113(Gedeon Richter)、ロフレポニド(AstraZeneca)、ロフレポニドパルミテート(AstraZeneca)、RPR-106541(Aventis)、RU-26559(Aventis)、Sch-19457(Schering-Plough)、T25(Matrix Theraputics)、TBI-PAB(Sigma-Tau)、チカベソンプロピオネート(Hoffmann-La Roche)、チフルアドム(Solvay)、チモベソン(Hoffmann-La Roche)、TSC-5(Takeda)、およびZK-73634(Schering AG)。
【0109】
イブジラスト
本発明者らは、イブジラストと組み合わせた抗ヒスタミン剤は前記薬剤単独よりもTNFαをインビトロで抑制する際により効果的であることを見出した。従って、抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログの組合せは、いずれかの薬剤単独よりも、免疫炎症性疾患、特に、TNFαによって媒介されたものを治療する際により効果的であろう。
【0110】
抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログは、式(V)によって定義される、イブジラストまたはイブジラストアナログで投与、または処方することができる。

式(V)において、R1およびR2は、各々、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリール、C3-10アルクヘテロシクリル、およびC1-7へテロアルキルから選択され;R3はH、ハライド、アルコキシ、およびC1-4アルキルから選択され;X1はC=O、C=N-NH-R4、C=C(R5)-C(O)-R6、C=CH=CH-C(O)-R6、およびC(OH)-R7から選択され;R4はHおよびアシルから選択され;R5はH、ハライド、およびC1-4アルキルから選択され;R6はOH、アルコキシおよびアミドから選択され;およびR7はH、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリール、C3-10アルクヘテロシクリル、およびC1-7へテロアルキルから選択される。式(V)の化合物は米国特許第3,850,941号;第4,097,483号;第4,578,392号;第4,925,849号;第4,994,453号;および第5,296,490号に記載された化合物を含む。式(V)の市販されている化合物はイブジラストおよびKC-764を含む。
【0111】
気管支喘息の治療用の標準推奨用量は典型的には毎日2回の10mgのイブジラストであり、他方、脳血管障害の場合には、標準推奨用量は毎日3回の10mgのイブジラストである。

KC-764(CAS-94457-09-7)は血小板凝集阻害剤であると報告されている。

KC-764および式(V)の他の化合物は、米国特許第3,850,941号;第4,097,483号;第4,578,392号;第4,925,849号;第4,994,453号;および第5,296,490号に記載された合成方法を用いて調製することができる。
【0112】
ロリプラム
本発明者らは、ロリプラムと組み合わせた抗ヒスタミン剤が前記薬剤単独よりもTNFαをインビトロで抑制する際により効果的であることを見出した。従って、ロリプラムまたはロリプラムアナログと組み合わせた抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログの組合せは、いずれかの薬剤単独よりも免疫炎症性疾患、特に、TNFαによって媒介されるものを治療する際により効果的であろう。
【0113】
本発明の1つの態様において、抗ヒスタミン剤またはそのアナログは、ロリプラム(4-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-ピロリジン)またはロリプラムのアナログと共に投与され、または処方される。ロリプラムアナログは、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,193,926号の式(I)によって記載される。
【0114】
テトラ-置換ピリミドピリミジン
本発明者らは、ジピリダモールと組み合わせた抗ヒスタミン剤が前記薬剤単独よりもTNFαをインビトロで抑制する際により効果的であることを見出した。従って、テトラ-置換ピリミドピリミジンと組み合わせた抗ヒスタミン剤またはその抗ヒスタミン剤アナログの組合せが、いずれかの薬剤単独よりも免疫炎症性疾患、特にTNFαによって媒介されるものを治療する際により効果的であろう。
【0115】
本発明の1つの態様において、抗ヒスタミン剤またはそのアナログは、式(VI);

(式中、各Zおよび各Z'は独立してN、O、C、

である)
を有するテトラ-置換ピリミドピリミジンと共に投与され、または処方される。
【0116】
ZまたはZ'がOまたは

である場合、pは1であり、ZまたはZ'がN、

である場合、pは2であって、ZまたはZ'がCである場合pは3である。式(I)において、各R1は、独立して、X、OH、N-アルキル(ここで前記アルキル基は1〜20個、より好ましくは1〜5個の炭素原子を有する);1〜20個、より好ましくは1〜5個の炭素原子を有する分岐または非分岐アルキル基;または好ましくは以下に式(Y)で定義される複素環である。または、p>1である場合、互いに組み合わされた共通するZまたはZ'原子からの2つのR1基は、kが包括的に4〜6の間の整数である-(CY2)k-を表すことができる。各Xは、独立して、Y、CY3、C(CY3)3、CY2CY3、(CY2)1-5OY、nが包括的に3〜7である構造CnY2n-1の置換されたまたは置換されていないシクロアルカンである。各Yは、独立して、H、F、Cl、BrまたはIである。1つの態様において、各Zは同一の部分であり、各Z'は同一の部分であって、ZおよびZ'は異なる部分である。
【0117】
本発明の方法および組成物で有用な例示的テトラ-置換ピリミドピリミジンは2,6-ジ置換4,8-ジベンジルアミノピリミド[5,4-d]ピリミジンを含む。特に有用なテトラ-置換ピリミドピリミジンはジピリダモール(2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジピペリジノピリミド(5,4-d)ピリミジンとしても知られている);モピダモール;ジピリダモール一酢酸;NU3026(2,6-ジ-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-メトキシ-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン);NU3059(2,6-ビス-(2,3-ジメチオキシプロポキシ)-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン);NU3060(2,6-ビス[N,N-ジ(2-メトキシ)エチル]-4,6-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン);およびNU3076(2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジ-4-メトキシベンジルアミノピリミドピリミジン)を含む。他のテトラ-置換ピリミドピリミジンは、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第3,031,450号に記載されている。
【0118】
ジピリダモールについての標準推奨用量は300mg/日〜400mg/日である。
【0119】
三環および四環抗鬱剤
本発明者らは、種々の三環および四環抗鬱剤と組み合わせた抗ヒスタミン剤が前記薬剤単独よりもTNFαをインビトロで抑制する際により効果的であることを見出した。従って、三環および四環抗鬱剤およびそれらのアナログと組み合わせた抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログの組合せは、いずれかの薬剤単独よりも免疫炎症性疾患、特にTNFαによって媒介されるものを治療する際により効果的であろう。
【0120】
本発明の1つの態様において、抗ヒスタミン剤またはそのアナログは三環または四環抗鬱剤またはそのアナログと共に投与されるか、または処方される。「三環または四環抗鬱剤アナログ」とは、式(I)、(II)、(III)または(IV):


(式中、各Xは、独立して、H、Cl、F、Br、I、CH3、CF3、OH、OCH3、CH2CH3またはOCH2CH3であり;YはCH2、O、NH、S(O)0-2(CH2)3、(CH2)、CH2O、CH2NH、CHNまたはCH2Sであり;ZはCまたはSであり;Aは包括的に3〜6個の間の炭素を有する分岐または非分岐の飽和または一不飽和炭化水素鎖であり;各Bは独立して、H、Cl、F、Br、I、CX3、CH2CH3、OCX3、またはOCX2CX3であり;およびDはCH2、O、NH、S(O)0-2である)
のうちの1つを有する化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、またはその誘導体を意味する。
【0121】
好ましい態様において、各Xは、独立して、H、Cl、またはFであり;Yは(CH2)2であり、ZはCであり;Aは(CH2)3であり;および各Bは独立して、H、ClまたはFである。
【0122】
本発明の方法および組成物で用いるのに適した三環または四環抗鬱剤ならびにそのアナログは10-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリド(4,3-b)(1,4)ベンゾチアゼピン;11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン;5,10-ジヒドロ-7-クロロ-10-(2-(モルホリノ)エチル)-11H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン-11-オン;2-(2-(7-ヒドロキシ-4-ジベンゾ(b,f)(1,4)チアゼピン-11-イル-1-ピペラジニル)エトキシ)エタノール;2-クロロ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン;4-(11H-ジベンズ(b,e)アゼピン-6-イル)ピペラジン;8-クロロ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン-2-オール;8-クロロ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン一塩酸塩;8-クロロ-2-メトキシ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン;(Z)-2-ブテンジオエート;7-ヒドロキシアモキサピン;8-ヒドロキシアモキサピン;8-ヒドロキシルオキサピン;アジナゾラム;アミネプチン;アミトリプチリン;アミトリプチリンオキサイド;アモキサピン;ブトリプチリン;クロミプラミン;クロチアピン;クロザピン;デメキシプチリン;デシプラミン;11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-ジベンズ(b,f)(1,4)オキサゼピン;11-(4-メチル-1-ピペラジニル)2-ニトロ-ジベンズ(b,f)(1,4)オキサゼピン;2-クロロ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-ジベンズ(b,f)(1,4)オキサゼピン一塩酸塩;11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-ジベンゾ(b,f)(1,4)チアゼピン;ジベンゼピン;ジメタクリン;ドチエピン;ドキセピン;フルアシジン;フルペルラピン;イミプラミン;イミプラミンN-オキサイド;イプリンドールロフェプラミン;ロキサピン;ロキサピン塩酸;ロキサピンコハク酸塩;マプロチリン;メリトラセン;メタプラミン;メチアピン;メトラリンドール;ミアンセリン;ミルタザピン;8-クロロ-6-(4-メチル-1-ピペラジニル)-モルファンチリジン;N-アセチルアモキサピン;ノミフェンシン;ノルクロミプラミン;ノルクロザピン;ノルトリプチリン;ノキシプチリン;オクトリプチリン;オピプラモール;オキサプロチリン;ペルラピン;ピゾチリン;プロピゼピン;プロトリプチリン;キエチアピン;キヌプラミン;チアネプチン;トモキセチン;およびトリミプラミンを含む。他のものは米国特許第4,933,438号および第4,931,435号に記載されている。
【0123】
いくつかの三環抗鬱剤についての標準推奨用量を以下の表3に提供する。他の標準用量は、例えば、「Merck Manual of Diagnosis & Therapy」(17th Ed. MH Beers et al., Merck & Co.)および「Physicians' Desk Reference 2003」(57th Ed. Medical Economics Staff et al., Medical Economics Co., 2002)で提供される。
【表3】

【0124】
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
本発明者らは、種々のSSRIと組み合わせた抗ヒスタミン剤が前記薬剤単独よりもTNFαをインビトロで抑制する際により効果的であることを見出した。従って、SSRIまたはそれらのアナログと組み合わせた抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログの組合せは、いずれかの薬剤単独よりも、免疫炎症性疾患、特にTNFαによって媒介されるものを治療する際により効果的であろう。
【0125】
本発明の1つの態様において、抗ヒスタミン剤またはそのアナログはSSRIまたはそのアナログと共に投与され、または処方される。適当なSSRIおよびSSRIアナログは1,2,3,4-テトラヒドロ-N-メチル-4-フェニル-1-ナフチルアミン塩酸、1,2,3,4-テトラヒドロ-N-メチル-4-フェニル-(E)-1-ナフチルアミン塩酸;N,N-ジメチル-1-フェニル-1-フタランプロピルアミン塩酸;γ-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-ベンゼンプロパンアミン塩酸;BP 554;シタロプラム;キシタロプラム臭化水素酸;CP 53261;ジデスメチルシタロプラム;エスシタロプラム;エスシタロプラムシュウ酸;フェモキセチン、フルオキセチン;フルオキセチン塩酸;フルボキサミン;フルボキサミンマレイン酸;インダルピン、インデルオキサジン塩酸、Lu 19005;ミルナシプラン;モノデスメチルシタロプラム;N-(3-フルオロプロピル)パロキセチン;ノルフルオキセチン;O-デスメチルベンラファキシン;パロキセチン;パロキセチン塩酸;パロキセチンマレイン酸;セルトラリン;セルトラリン塩酸;タメトラリン塩酸;ベンラファキシン;ベンラファキシン塩酸;WY 45,818;WY 45,881、およびジメルジンを含む。本発明の方法および組成物で有用な他のSSRIまたはSSRIアナログは、各々、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第3,912,743号;第4,007,196号;第4,136,193号;第4,314,081号;および第4,536,518号に記載されている。
【0126】
シタロプラム
シタロプラムHBr(CELEXA(商標))は(±)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル、HBrと命名されるラセミ体の二環フタラン誘導体である。シタロプラムは広範な代謝を受け;ノル1-シタロプラムおよびノル2-シタロプラムは主な代謝産物である。シタロプラムは経口投与では10mg、20mg、および40mg錠剤で入手可能である。CELEXA(商標)経口溶液は2mg/mlシタロプラム基剤に相当するシタロプラムHBrを含有する。CELEXA(商標)は、典型的には、毎日1回の20mgの初期用量で投与され、一般には40mg/日の用量まで増加させる。用量の増加は、典型的には、1週間以上の間隔で20mgの増分で行う。
【0127】
シタロプラムは以下の構造

を有する。
【0128】
シタロプラムの構造アナログは式

を有するもの、ならびにその薬学的に許容される塩であり、ここでR1およびR2の各々は独立してブロモ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、シアンおよびR-CO-からなる群より選択され、ここで、RはC1-4アルキルである。
【0129】
例示的なシタロプラム構造アナログ(従って、本発明によるSSRI構造アナログである)は1-(4'-フルオロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-ブロモフタラン;1-(4'-クロロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-クロロフタラン:1-(4'-ブロモフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-クロロフタラン;1-(4'-フルオロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-クロロフタラン;1-(4'-クロロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-トリフルオロメチル-フタラン;1-(4'-ブロモフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-トリフルオロメチル-フタラン;1-(4'-フルオロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-トリフルオロメチル-フタラン;1-(4'-フルオロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-フルオロフタラン;1-(4'-クロロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-フルオロフタラン;1-(4'-クロロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-フタランカルボニトリル;1-(4'-フルオロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-フタランカルボニトリル;1-(4'-シアノフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-フタランカルボニトリル;1-(4'-シアノフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-クロロフタラン;1-(4'-シアノフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-トリフルオロメチルフタラン;1-(4'-フルオロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-フタランカルボニトリル;1-(4'-クロロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-イオニルフタラン;1-(4'-クロロフェニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-5-プロピオニルフタラン;およびそのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0130】
クロボキサミン
クロボキサミンは以下の構造

を有する。
【0131】
クロボキサミンの構造アナログは式

を有するもの、ならびにその薬学的に許容される塩であり、ここで、Halはクロロ、ブロモ、またはフルオロ基であり、Rはシアノ、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシ、またはシアノメチル基である。
【0132】
例示的なクロボキサミン構造アナログは4'-クロロ-5-エトキシバレロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;4'-クロロ-5-(2-メトキシエトキシ)バレロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;4'-クロロ-6-メトキシカプロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;4'-クロロ-6-エトキシカプロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;4'-ブロモ-5-(2-メトキシエトキシ)バレロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;4'-ブロモ-5-メトキシバレロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;4'-クロロ-6-シアノカプロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;4'-クロロ-5-シアノバレロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;4'-ブロモ-5-シアノバレロフェノンO-(2-アミノエチル)オキシム;およびそのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0133】
フェモキセチン
フェモキセチンは以下の構造

を有する。
【0134】
フェモキセチンの構造アナログは式

(式中、R1はC1-4アルキルまたはC2-4アルキニル基、あるいはC1-4アルキル、C1-4アルキルチオ、C1-4アルコキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、ニトロ、アシルアミノ、メチルスルホニル、メチレンジオキシ、またはテトラヒドロナフチルによって置換されていてもよいフェニル基を表し、R2はC1-4アルキルまたはC2-4アルキニル基を表し、およびR3は水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、トリフルオロアルキル、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチルチオ、またはアラルキルオキシを表す)
を有するものである。
【0135】
例示的なフェノキセチン構造アナログは、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第3,912,743号の実施例7〜67に開示されている。
【0136】
フルオキセチン
フルオキセチン塩酸((±)-N-メチル-3-フェニル-3-[((α),(α),(α)-トリフルオロ-p-トリル)オキシ]プロピルアミン塩酸)は経口投与用の10mg、20mg、および40mg錠剤でPROZAC(商標)として販売されている。フルオキセチンの主な代謝産物はノル-フルオキセチンである。フルオキセチン塩酸もまた20mg/5mlのフルオキセチンに相当する経口溶液として投与することもできる。遅延放出処方は90mgのフルオキセチンに相当するフルオキセチン塩酸の腸溶性ペレットを含む。朝に投与される20mg/日の用量は典型的には初期用量として推奨される。もし臨床的改善が観察されなければ、数週間後に用量の増加を考慮することができる。20mg/日を超える用量は1日当たり1回(朝)または1日当たり2回のスケジュール(例えば、朝および昼)で投与することができ、80mg/日の最大用量を超えるべきではない。
【0137】
フルオキセチンは以下の構造

を有する。
【0138】
フルオキセチンの構造アナログは式

を有する化合物、ならびにその薬学的に許容される塩であり、ここで、各R1は独立して、水素またはメチルであり;Rはナフチルまたは

であり、式中、R2およびR3の各々は、独立して、ブロモ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、C1-4アルキル、C1-3アルコキシまたはC3-4アルケニルであり;およびnおよびmの各々は独立して、0、1または2である。Rがナフチルである場合、それはα-ナフチルまたはβ-ナフチルのいずれかであり得る。
【0139】
例示的なフルオキセチン構造アナログは3-(p-イソプロポキシフェノキシ)-3-フェニルプロピルアミンメタンスルホン酸塩、N,N-ジメチル3-(3',4'-ジメトキシフェノキシ)-3-フェニルプロピルアミンp-ヒドロキシ安息香酸、N,N-ジメチル3-(α-ナフトキシ)-3-フェニルプロピルアミン臭化物、N,N-ジメチル3-(β-ナフトキシ)-3-フェニル-1-メチルプロピルアミンヨウ化物、3-(2'-メチル-4',5'-ジクロロフェノキシ)-3-フェニルプロピルアミン硝酸、3-(p-t-ブチルフェノキシ)-3-フェニルプロピルアミングルタレート、N-メチル3-(2'-クロロ-p-トリルオキシ)-3-フェニル-1-メチルプロピルアミン乳酸、3-(2',4'-ジクロロフェノキシ)-3-フェニル-2-メチルプロピルアミンクエン酸、N,N-ジメチル3-(m-アニシルオキシ)-3-フェニル-1-メチルプロピルアミンマレイン酸、N-メチル3-(p-トリルオキシ)-3-フェニルプロピルアミン硫酸、N,N-ジメチル3-(2',4'-ジフルオロフェノキシ)-3-フェニルプロピルアミン2,4-ジニトロ安息香酸、3-(o-エチルフェノキシ)-3-フェニルプロピルアミン二水素リン酸、N-メチル3-(2'-クロロ-4'-イソプロピルフェノキシ)-3-フェニル-2-メチルプロピルアミンマレイン酸、N,N-ジメチル3-(2'-アルキル-4'フルオロフェノキシ)-3-フェニル-プロピルアミンコハク酸、N,N-ジメチル3-(o-イソプロポキシフェノキシ)-3-フェニル-プロピルアミンフェニル酢酸、N,N-ジメチル3-(o-ブロモフェノキシ)-3-フェニル-プロピルアミンβ-フェニルプロピオン酸、N-メチル3-(p-ヨードフェノキシ)-3-フェニル-プロピルアミンプロピオレート、およびN-メチル3-(3-n-プロピルフェノキシ)-3-フェニル-プロピルアミンデカン酸である。
【0140】
フルボキサミン
フルボキサミンマレイン酸(LUVOX(商標))は、化学的には、5-メトキシ-4'-(トリフルオロメチル)バレロフェノン(E)-O-(2-アミノエチル)オキシムマレイン酸と命名される。フルボキサミンマレイン酸は50mgおよび100mg錠剤として供給される。治療は、典型的には、就寝時において毎日1回投与される50mgで開始され、次いで、許容されれば、数日後に、就寝時における毎日1回投与される100mgまで増加させる。有効な日用量は、通常、100mg〜200mgの間にあるが、最大300mgまで投与することができる。
【0141】
フルボキサミンは以下の構造

を有する。
【0142】
フルボキサミンの構造アナログは式

を有するもの、ならびにその薬学的に許容される塩であり、ここで、Rはシアノ、シアノメチル、メトキシメチル、またはエトキシメチルである。
【0143】
インダルピン
インダルピンは以下の構造

を有する。
【0144】
インダルピンの構造アナログは式

(式中、R1は水素原子、C1-C4アルキル基、または前記アルキルが1または2の炭素原子を有するアラルキル基であり、R2は水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、またはC1-4アルキルチオ、クロロ、ブロモ、フルオロ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシまたはアミノであり、後者は1または2のC1-4アルキル基、アシル基、またはC1-4アルキルスルホニル基で置換されていてもよく;Aは-COまたは-CH2-基を表し;およびnは0、1または2である)
を有するもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0145】
例示的なインダルピン構造アナログはインドリル-3(ピペリジル-4メチル)ケトン;(メトキシ-5-インドリル-3)(ピペリジル-4メチル)ケトン;(クロロ-5-インドリル-3)(ピペリジル-4メチル)ケトン;(インドリル-3)-1(ピペリジル-4)-3プロパノン,インドリル-3ピペリジル-4ケトン;(メチル-1インドリル-3)(ピペリジル-4メチル)ケトン,(ベンジル-1インドリル-3)(ピペリジル-4メチル)ケトン;[(メトキシ-5インドリル-3)-2エチル]-ピペリジン,[(メチル-1インドリル-3)-2エチル]-4-ピペリジン;[(インドリル-3)-2エチル]-4ピペリジン;(インドリル-3メチル)-4ピペリジン,[(クロロ-5インドリル-3)-2エチル]-4ピペリジン;[(インドリル-b 3)-3プロピル]-4ピペリジン;[(ベンジル-1インドリル-3)-2エチル]-4ピペリジン;およびそのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0146】
インデルオキサジン
インデルオキサジンは以下の構造

を有する。
【0147】
インデルオキサジンの構造アナログは式

(式中、R1およびR3は、各々、水素、C1-4アルキル、またはフェニルを表し;R2は水素、C1-4アルキル、C4-7シクロアルキル、フェニル、またはベンジルを表し;点線の1つは単結合を意味し、他は2重結合、またはその互変異性体混合物を意味する)
を有するものおよびその薬学的に許容される塩である。
【0148】
例示的なインデロキサジン構造アナログは2-(7-インデニルオキシメチル)-4-イソプロピルモルホリン;4-ブチル-2-(7-インデニルオキシメチル)モルホリン;2-(7-インデニルオキシメチル)-4-メチルモルホリン;4-エチル-2-(7-インデニルオキシメチル)モルホリン;2-(7-インデニルオキシメチル)モルホリン;2-(7-インデニルオキシメチル)-4-プロピルモルホリン;4-シクロヘキシル-2-(7-インデニルオキシメチル)モルホリン;4-ベンジル-2-(7-インデニルオキシメチル)-モルホリン;2-(7-インデニルオキシメチル)-4-フェニルモルホリン;2-(4-インデニルオキシメチル)モルホリン;2-(3-メチル-7-インデニルオキシメチル)-モルホリン;4-イソプロピル-2-(3-メチル-7-インデニルオキシメチル)モルホリン;4-イソプロピル-2-(3-メチル-4-インデニルオキシメチル)モルホリン;4-イソプロピル-2-(3-メチル-5-インデニルオキシメチル)モルホリン;4-イソプロピル-2-(1-メチル-3-フェニル-6-インデニルオキシメチル)モルホリン;2-(5-インデニルオキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン,2-(6-インデニルオキシメチル)-4-イソプロピルモルホリン;および4-イソプロピル-2-(3-フェニル-6-インデニルオキシメチル)モルホリン;ならびにそのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0149】
ミルナシプラム
ミルナシプラム(IXEL(商標), Cypress Bioscience Inc.)は化学式(Z)-1-ジエチルアミノカルボニル-2-アミノエチル-1-フェニル-シクロプロパン)ヒドロクロレートを有し、経口投与では25mgおよび50mg錠剤で提供される。それは、典型的には、1日1回の25mgの用量、1日2回の25mgの用量、または重症の鬱病の治療では、1日2回の50mgの用量で投与される。
【0150】
ミルナシプラムは以下の構造

を有する。
【0151】
ミルナシプラムの構造アナログは式

(式中、各Rは、独立して、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロまたはアミノを表し;R1およびR2の各々は、独立して、水素、C1-4アルキル、好ましくは、パラ位置において、ブロモ、クロロ、またはフルオロによって置換されていてもよいC6-12アリールまたはC7-14アルキルアリールであり;あるいはR1およびR2は隣接窒素原子と共に5または6員を有する複素環を共に形成し;R3およびR4は水素またはC1-4アルキル基を表し、あるいはR3およびR4は、窒素、硫黄および酸素から選択される更なるヘテロ原子を任意で含んでいる、5または6員を有する複素環を隣接窒素原子とで形成する)
を有するもの、ならびにその薬学的に許容される塩である。
【0152】
例示的なミルナシプラム構造アナログは1-フェニル1-アミノカルボニル2-ジメチルアミノメチルシクロプロパン;1-フェニル1-ジメチルアミノカルボニル2-ジメチルアミノメチルシクロプロパン;1-フェニル1-エチルアミノカルボニル2-ジメチルアミノメチルシクロプロパン;1-フェニル1-ジエチルアミノカルボニル2-アミノメチルシクロプロパン;1-フェニル2-ジメチルアミノメチルN-(4'-クロロフェニル)シクロプロパンカルボキシアミド;1-フェニル2-ジメチルアミノメチルN-(4'-クロロベンジル)シクロプロパンカルボキシアミド;1-フェニル2-ジメチルアミノメチルN-(2-フェニルエチル)シクロプロパンカルボキシアミド;(3,4-ジクロロ-1-フェニル)2-ジメチルアミノメチルN,N-ジメチルシクロプロパンカルボキシアミド;1-フェニル1-ピロリジノカルボニル2-モルホリノメチルシクロプロパン;1-p-クロロフェニル1-アミノカルボニル2-アミノメチルシクロプロパン;1-オルト-クロロフェニル1-アミノカルボニル2-ジメチルアミノメチルシクロプロパン;1-p-ヒドロキシフェニル1-アミノカルボニル2-ジメチルアミノメチルシクロプロパン;1-p-ニトロフェニル1-ジメチルアミノカルボニル2-ジメチルアミノメチルシクロプロパン;1-p-アミノフェニル1-ジメチルアミノカルボニル2-ジメチルアミノメチルシクロプロパン;1-p-トリル1-メチルアミノカルボニル2-ジメチルアミノメチルシクロプロパン;1-p-メトキシフェニル1-アミノメチルカルボニル2-アミノメチルシクロプロパン;およびそのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0153】
パロキセチン
パロキセチン塩酸((-)-トランス-4R-(4'-フルオロフェニル)-3S-[(3',4'-メチレンジオキシフェノキシ)メチル]ピペリジン塩酸半水化物)はパキシル(PAXIL)(商標)として提供される。制御放出錠剤は12.5mg、25mgまたは37.5mg用量におけるパロキセチンと同等なパロキセチン塩酸を含有する。錠剤の1つの層は分解性バリアー層からなり、他の層は親水性マトリックスに活性な物質を含有する。PAXIL(商標)の推奨される初期用量は25mg/日である。25mg用量に応答しない幾人かの患者は、最大62.5mg/日までの12.5mg/日の増分での用量増加が有益であろう。用量変化は、典型的には、少なくとも1週間の間隔で行う。
【0154】
パロキセチンは以下の構造

を有する。
【0155】
パロキセチンの構造アナログは式

を有するもの、およびその薬学的に許容される塩であり、ここで、R1は水素またはC1-4アルキル基を表し、フッ素原子は利用可能な位置のいずれかに存在してよい。
【0156】
セルトラリン
セルトラリン((1S-シス)-4-(3,4-ジクロロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-N-メチル-1-ナフタレンアミン塩酸)は経口投与用の25mg、50mgおよび100mg錠剤でZOLOFT(商標)として提供される。セルトラリンは治療的に活性であり得る多数の代謝産物への広範な代謝変換を受けるので、これらの代謝産物は本発明の抗炎症組合せにおいてセルトラリンと置き換えることができる。セルトラリンの代謝は、例えば、N-デスメチルセルトラリン(ノル-セルトラリン)を生じさせるための酸化的N-ジメチル化を含む。ZOLOFTは、典型的には、毎日1回の50mgの用量で投与される。
【0157】
セルトラリンは以下の構造

を有する。
【0158】
セルトラリンの構造アナログは式

(式中、R1は水素およびC1-4アルキルからなる群より選択され;R2はC1-4アルキルであり;XおよびYは、各々、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、C1-3アルコキシ、およびシアノからなる群より選択され;およびWは水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチルおよびC1-3アルコキシからなる群より選択される)
を有するものである。好ましいセルトラリンアナログはシス-異性体立体配置である。用語「シス-異性体」とはシクロヘキセン環上のNR1R2およびフェニル部分の相対的向きをいう(すなわち、それらは、共に、環の同一側に向いている)。1-および4-炭素は共に非対称に置換されているので、各シス-化合物は、シス-(1R)およびシス-(1S)エナンチオマーと(1-炭素に対して)命名される2つの光学的に活性なエナンチオマー形態を有する。
【0159】
特に有用なのは(1S)-エナンチオマーまたは(1S)(1R)ラセミ形態いずれかの以下の化合物、およびそれらの薬学的に許容される塩である。シス-N-メチル-4-(3,4-ジクロロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミン;シス-N-メチル-4-(4-ブロモフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミン;シス-N-メチル-4-(4-クロロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミン;シス-N-メチル-4-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミン;シス-N-メチル-4-(3-トリフルオロメチル-4-クロロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミン;シス-N,N-ジメチル-4-(4-クロロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミン;シス-N,N-ジメチル-4-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミン;およびシス-N-メチル-4-(4-クロロフェニル)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミン。また、対象となるのはシス-N-メチル-4-(3,4-ジクロロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンアミンの(1R)-エナンチオマーである。
【0160】
シブトラミン塩酸一水和物
シブトラミン塩酸一水和物((MERIDIA(商標))は肥満の治療用の経口投与される剤である。シブトラミン塩酸はシクロブタンメタナミン、1-(4-クロロフェニル)-N,N-ジメチル-(α)-(2-メチルプロピル)-、塩酸、一水和物の(+)および(-)エナンチオマーのラセミ混合物である。各MERIDIA(商標)カプセルはシブトラミン塩酸一水和物の5mg、10mgまたは15mgを含有する。MERIDIA(商標)の推奨される出発用量は食物の有りまたは無しで毎日1回投与される10mgである。もし不適切な体重減少がなければ、前記用量は4週間後に毎日1回の合計15mgまで滴定させることができる。5mg用量は典型的には10mg用量が許容されない患者のために維持される。
【0161】
ジメルジン
ジメルジンは以下の構造

を有する。
【0162】
ジメルジンの構造アナログは式

(式中、ピリジン核はオルト-、メタ-またはパラ-位置において隣接炭素原子に結合しており、ここで、R1はH、クロロ、フルオロおよびブロモからなる群より選択される)
を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0163】
例示的なジメルジンアナログは(e)-および(z)-3-(4'-ブロモフェニル-3-(2''-ピリジル)-ジメチルアリルアミン;3-(4'-ブロモフェニル)-3-(3''-ピリジル)-ジメチルアリルアミン;3-(4'-ブロモフェニル)-3-(4''-ピリジル)ジメチルアリルアミン;およびそのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0164】
前記SSRIのいずれかの構造アナログは、本明細書では、SSRIアナログと考えられ、従って、本発明の方法、組成物およびキットのいずれかで使用することができる。
【0165】
代謝産物
また、上述のSSRIのいずれかの薬理学的に活性な代謝産物も本発明の方法、組成物、およびキットで用いることができる。例示的な代謝産物はジデスメチルシタロプラム、デスメチルシタロプラム、デスメチルセルトラリン、およびノルフルオキセチンである。
【0166】
アナログ
また、SSRIの機能的アナログは本発明の方法、組成物、およびキットで用いることができる。例示的なSSRIの機能的アナログは以下に提供する。SSRIアナログの1つのクラスはSNRI(選択的セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤)を含み、これは、ベンラファキシン、デュロキセチン、および4-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-2-ピペラジノチエノ[2,3-d]ピリミジンを含む。
【0167】
ベンラファキシン
ベンラファキシン塩酸(EFFEXOR(商標))は経口投与用の抗鬱剤である。それは(R/S)-1-[2-(ジメチルアミノ)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール塩酸または(±)-1-[(α)-[(ジメチル-アミノ)メチル]-p-メトキシベンジル]シクロヘキセノール塩酸と命名される。圧縮錠剤は25mg、37.5mg、50mg、75mg、または100mgベンラファキシンに相当するベンラファキシン塩酸を含有する。ベンラファキシン用の推奨される出発用量は75mg/日であり、これは2または3の分割用量で投与され、食物と共に摂取される。許容性、およびさらなる臨床効果に対する必要性に応じて、用量は150mg/日まで増加させることができる。望ましければ、用量はさらに225mg/日まで増加させることができる。用量を増加させると、75mg/日までの増分が、典型的には、4日以上の間隔でなされる。
【0168】
ベンラファキシンは以下の構造

を有する。
【0169】
ベンラファキシンの構造アナログは式

(式中、Aは、

の部分であり、ここで、点線は任意の不飽和を表し;R1は水素またはアルキルであり;R2はC1-4アルキルであり;R4は水素、C1-4アルキル、ホルミルまたはアルカノイルであり;R3は水素またはC1-4アルキルであり;R5およびR6は、独立して、水素、ヒドロキシル、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、アルキルメルカプト、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、C1-4アルカンアミド、ハロ、トリフルオロメチル、あるいは一緒になってメチレンジオキシであり;およびnは0、1、2、3または4である)
を有する化合物、ならびにその薬学的に許容される塩である。
【0170】
デュロキセチン
デュロキセチンは以下の構造

を有する。
【0171】
デュロキセチンの構造アナログは、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,956,388号に開示された式によって記載された化合物である。
【0172】
他のSSRIアナログは、PCT公開番号WO 04/004734に記載された、4-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-2-ピペラジノチエノ[2,3-d]ピリミジン、1,2,3,4-テトラヒドロ-N-メチル-4-フェニル-1-ナフチルアミン塩酸;1,2,3,4-テトラヒドロ-N-メチル-4-フェニル-(E)-1-ナフチルアミン塩酸;N,N-ジメチル-1-フェニル-1-フタランプロピルアミン塩酸;γ-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-ベンゼンプロパンアミン塩酸;BP 554;CP 53261;O-デスメチルベンラファキシン;WY 45,818;WY 45,881;N-(3-フルオロプロピル)パロキセチン;Lu 19005;およびSNRIである。
【0173】
SSRIの標準推奨用量
例示的SSRIについての標準推奨用量を以下の表4に提供する。他の標準用量は、例えば、「Merck Manual of Diagnosis & Therapy」(17th Ed. MH Beers et al., Merck & Co.)および「Physicians' Desk Reference 2003」(57th Ed. Medical Economics Staff et al., Medical Economics Co., 2002)に提供される。
【表4】

【0174】
他の化合物
サイトカインの分泌または生産の抑制、および免疫炎症障害の治療は、前記した化合物の一つまたは複数に加えて、メトトレキセート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、タクロリムス、シロリムス、マイコフェノレートモフェチル、および/またはメチルプレドニゾロンから選択される一つまたは複数の化合物を投与することによって達成することができる。過剰増殖皮膚病(例えば、乾癬)は、従来的には、コールタール、カルシポトリエン、および/またはコルチコステロイドを含む局所剤で処理される。
【0175】
非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤
本発明者らは、種々の非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDIs)と組み合わせた抗ヒスタミン剤が前記薬剤単独よりもTNFαをインビトロで抑制する際により効果的であることを見出した。従って、イムノフィリン依存性免疫抑制剤およびそれらのアナログと組み合わせた抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログの組合せは、いずれかの薬剤単独よりも、免疫炎症性疾患、特にTNFαによって媒介されたものを治療する際により効果的であろう。
【0176】
1つの態様において、前記NsIDIはサイクロスポリンであり、1日当たりキログラムにつき0.05〜50ミリグラムの間の量で投与される(例えば、1日当たりキログラムにつき0.1〜12ミリグラムの間の量で経口投与される)。もう1つの態様において、NsIDIはタクロリムスであって、1日当たりキログラムにつき0.0001〜20ミリグラムの間の量で投与される(例えば、1日当たりキログラムにつき0.01〜0.2ミリグラムの間の量で経口投与される)。もう1つの態様において、NsIDIはラパマイシンであって、1日当たり0.1〜502ミリグラムの間の量で(例えば、6mg/日の単一負荷用量、続いて2mg/日維持用量)で投与される。もう1つの態様において、NsIDIはエベロリムスであり、0.75mg/日〜8mg/日の用量で投与される。さらに他の態様において、NsIDIはピメクロリムスであり、1日当たり0.1〜200ミリグラムの間の量で(例えば、アトピー性皮膚炎を治療するために1日につき1%クリーム/2回として、または乾癬の治療のために1日につき60mgとして)投与されるか、あるいはNsIDIはカルシニューリン-結合ペプチドであり、患者を治療するのに十分な量および頻度で投与される。2以上のNsIDIを同時に投与することができる。
【0177】
健康な個体においては、免疫系はB細胞およびT細胞のような細胞エフェクターを用いて、正常な細胞を無傷として残しつつ感染性微生物および異常な細胞型を標的化する。自己免疫疾患または移植された器官を持つ個体において、活性化されたT細胞は健康な組織を損傷する。カルシニューリン阻害剤(例えば、サイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス)、およびラパマイシンはT細胞を含めた多くのタイプの免疫調節細胞を標的化し、器官移植および自己免疫障害において免疫応答を抑制する。
【0178】
サイクロスポリン
サイクロスポリンは、免疫抑制剤として作用する環状オリゴペプチドのクラスを含む真菌代謝産物である。サイクロスポリンAは、11のアミノ酸からなる疎水性環状ポリペプチドである。サイクロスポリンAは細胞内受容体シクロフィリンに結合し、それと共に複合体を形成する。サイクロスポリン/シクロフィリン複合体はカルシニューリン、Ca2+-カルモジュリン依存性セリン-スレオニン-特異的プロテインホスファターゼに結合し、それを阻害する。カルシニューリンはT細胞活性化に必要なシグナル変換事象を媒介する(Schreiber et al.,Cell 70:365-368,1991にレビューされている)。サイクロスポリンおよびその機能的および構造的アナログは、抗原-トリガードシグナル変換を阻害することによってT細胞依存性免疫応答を抑制する。この抑制は、IL-2のような炎症性サイトカインの発現を減少させる。
【0179】
多くのサイクロスポリン(例えば、サイクロスポリンA、B、C、D、E、F、G、HおよびI)は真菌によって生産される。サイクロスポリンAはNovartisから商品名NEORAL下で商業的に入手可能である。サイクロスポリンAの構造的および機能的アナログは一つまたは複数のフッ素化アミノ酸を有するサイクロスポリン(例えば、U.S.Patent No.5,227,467に記載);修飾されたアミノ酸を有するサイクロスポリン(例えば、U.S.Patent Nos.5,122,511および4,798,823に記載);およびISAtx247のような重水素化サイクロスポリン(U.S.Patent Publication No.20020132763に記載)を含む。さらなるサイクロスポリンアナログはU.S.Patent No.6,136,357、4,384,996、5,284,826、および5,709,797に記載されている。サイクロスポリンアナログは、限定されるものではないが、Cruz et al.,(Antimicrob.Agents Chemother.44:143-149,2000)に記載されている、D-Sar(α-SMe)3Val2-DH-Cs(209-825)、アロ-Thr-2-Cs、ノルバリン-2-Cs、D-Ala(3-アセチルアミノ)-8-Cs、Thr-2-Cs、およびD-MeSer-3-Cs、D-Ser(O-CH2CH2-OH)-8-Cs、およびD-Ser-8-Csを含む。
【0180】
サイクロスポリンは高度に疎水性であって、(例えば、体液と接触して)水の存在下で容易に沈殿する。改良された生物学的利用性を持つサイクロスポリン処方を提供する方法はU.S.Patent No.4,388,307、6,468,968、5,051,402、5,342,625、5,977,066、および6,022,852に記載されている。サイクロスポリンのミクロエマルジョン組成物はU.S.Patent No.5,866,159、5,916,589、5,962,014、5,962,017、6,007,840、および6,024,978に記載されている。
【0181】
サイクロスポリンは静脈内または経口いずれかで投与することができるが、経口投与が好ましい。サイクロスポリンAの疎水性を克服するには、静脈内サイクロスポリンAは、通常、投与に先立って希釈しなければならないエタノール-ポリオキシエチル化ひまし油溶剤中で提供する。サイクロスポリンAは、例えば、25mgまたは100mg錠剤、または100mg/ml経口溶液中のミクロエマルジョンとして提供することができる(NEORAL(商標))。
【0182】
典型的には、経口サイクロスポリンの患者用量は患者の状態に従って変化するが、いくつかの標準推奨用量を本明細書に提供する。器官移植を受ける患者は、典型的には、12および15mg/kg/日の間の量の経口サイクロスポリンAの初期用量を受ける。次いで、7〜12mg/kg/日維持用量に到達するまで、一週間当たり5%だけ用量を徐々に減少させる。静脈投与では、2〜6mg/kg/日がほとんどの患者で好ましい。クローン病または潰瘍性結腸炎を有すると診断された患者では、6〜8mg/kg/日の用量が一般に与えられる。全身性エリテマトーデスを有すると診断された患者では、2.2〜6.0mg/kg/日の用量が一般に与えられる。乾癬または慢性関節リウマチでは、0.5〜4mg/kg/日の用量が典型的である。示唆される投与スケジュールを表5に示す。他の有用な用量は0.5〜5mg/kg/日、5〜10mg/kg/日、10〜15mg/kg/日、15〜20mg/kg/日または20〜25mg/kg/日を含む。しばしば、サイクロスポリンはグルココルチコイドのような他の免疫抑制剤と組み合わせて投与される。
【0183】
【表5】

脚注
CsA=サイクロスポリンA
RA=慢性関節リウマチ
UC=潰瘍性結腸炎
SLE=全身性エリテマトーデス
【0184】
タクロリムス
タクロリムス(FK506)は、T細胞の細胞内シグナル変換経路を標的化する免疫抑制剤である。タクロリムスは、シクロフィリンに構造的に関連しない細胞内タンパク質FK506結合タンパク質(FKBP-12)に結合する(Harding et al.,Nature 341:758-7601,1989; Siekienka et al.,Nature 341:755-757,1989;およびSoltoff et al.,J.Biol.Chem.267:17472-17477,1992)。前記FKBP/FK506複合体はカルシニューリンに結合し、カルシニューリンのホスファターゼ活性を阻害する。この阻害は活性化T細胞核因子(NFAT)、リンホカイン(例えば、IL-2、ガンマインターフェロン)の生産およびT細胞活性化に必要な遺伝子転写を開始する核成分の脱リン酸化および核トランスローケーションを妨げる。従って、タクロリムスはT細胞の活性化を阻害する。
【0185】
タクロリムスは、Streptomyces tsukubaensisによって生産されるマクロライド抗生物質である。それは免疫系を抑制し、移植された器官の生存を延長する。それは、現在、経口および注射処方で入手可能である。タクロリムスカプセルはゼラチンカプセル殻内に0.5mg、1mgまたは5mgの無水タクロリムスを含有する。注射処方は、注射に先立って9%塩化ナトリウムまたは5%デキストロースで希釈されるひまし油およびアルコール中の5mg無水タクロリムスを含有する。経口投与が好ましいが、経口カプセルを接種できない患者は注射タクロリムスを受けることができる。初期用量は、連続静脈内注入による移植後6時間以降に投与すべきである。
【0186】
タクロリムスおよびタクロリムスアナログはTanaka et al.,(J.Am.Chem.Soc.,109:5031,1987)、およびU.S.Patent No.4,894,366、4,929,611、および4,956,352に記載されている。FR-900520、FR-900523およびFR-900525を含めたFK506関連化合物はU.S.Patent No.5,254,562に記載されており;O-アリール、O-アルキル、O-アルケニルおよびO-アルキニルマクロライドはU.S.Patent No.5,250,678、532,248、5,693,648に記載されており;アミノO-アリールマクロライドはU.S.Patent No.5,262,533に記載されており;アルキリデンマクロライドはU.S.Patent No.5,284,840に記載されており;N-ヘテロアリール、N-アルキルヘテロアリール、N-アルケニルヘテロアリール、およびN-アルキニルヘテロアリールマクロライドはU.S.Patent No.5,208,241に記載されており;アミノマクロライドおよびその誘導体はU.S.Patent No.5,208,228に記載されており;フルオロマクロライドはU.S.Patent No.5,189,042に記載されており;アミノO-アルキル、O-アルケニル、およびO-アルキニルマクロライドはU.S.Patent No.5,162,334に記載されており;およびハロマクロライドはU.S.Patent No.5,143,918に記載されている。
【0187】
提案された用量は患者の状態で変化するが、標準推奨用量を以下に提供する。典型的に、クローン病または潰瘍性結腸炎を有すると診断された患者は0.1〜0.2mg/kg/日の経口タクロリムスを投与する。移植された器官を有する患者は、典型的には、0.1〜0.2mg/kg/日の経口タクロリムスの用量を受ける。慢性関節リウマチにつき治療されている患者は、典型的には、1〜3mg/日の経口タクロリムスを受ける。乾癬の治療では、0.01〜0.15mg/kg/日の経口タクロリムスを患者に投与する。アトピー性皮膚炎は、0.03〜0.1%タクロリムスを有するクリームを患部に塗布することによって1日2回処置することができる。経口タクロリムスカプセルを受ける患者は、典型的には、移植から6時間以上経って第一の用量を受けるか、静脈内タクロリムス注入から8〜12時間は継続しない。他の提案されたタクロリムス用量は0.005〜0.01mg/kg/日、0.01〜0.03mg/kg/日、0.03〜0.05mg/kg/日、0.05〜0.07mg/kg/日、0.07〜0.10mg/kg/日、0.10〜0.25mg/kg/日または0.25〜0.5mg/kg/日を含む。
【0188】
タクロリムスは、混合-機能オキシダーゼ系、特に、シトクロムP-450系によって広範に代謝される。重要な代謝メカニズムは脱メチル化およびヒドロキシル化である。種々のタクロリムス代謝産物が免疫抑制生物学的活性を呈するようであるが、13-デメチル代謝産物はタクロリムスと同一の活性を有すると報告されている。
【0189】
ピメクロリムス
ピメクロリムスはマクロラクタム系アスコマイシンの33-エピ-クロロ誘導体である。ピメクロリムスの構造的および機能的アナログはU.S.Patent No.6,384,073に記載されている。ピメクロリムスはアトピー性皮膚炎の治療で特に有用である。ピメクロリムスは、現在、1%クリームとして入手可能である。示唆されるピメクロリムスの投与スケジュールを表5に示す。個々の用量は患者の状態で変化するが、いくつかの標準推奨用量を以下に提供する。経口ピメクロリムスは、40〜60mg/日の量で乾癬または慢性関節リウマチの治療で投与することができる。クローン病または潰瘍性結腸炎の治療では、80〜160mg/日の量のピメクロリムスを投与することができる。器官移植を有する患者は160〜240mg/日のピメクロリムスを投与することができる。全身性エリテマトーデスを有すると診断された患者は40〜120mg/日のピメクロリムスを投与することができる。ピメクロリムスの他の有用な用量は0.5〜5mg/日、5〜10mg/日、10〜30mg/日、40〜80mg/日、80〜120mg/日、または120〜200mg/日でさえも含む。
【0190】
ラパマイシン
ラパマイシンはSteptomyces hygroscopicusによって生産される環状ラクトンである。ラパマイシンはT細胞の活性化および増殖を阻害する免疫抑制剤である。サイクロスポリンおよびタクロリムスのように、ラパマイシンはイムノフィリンFKBP-12とで複合体を形成するが、ラパマイシン-FKBP-12複合体はカルシニューリンホスファターゼ活性を阻害しない。ラパマイシン-イムノフィリン複合体はラパマイシンの哺乳動物キナーゼ標的(mTOR)に結合し、それを阻害する。mTORは細胞周期進行に必要なキナーゼである。mTORキナーゼ活性の阻害は、T細胞の活性化および炎症性サイトカインの分泌をブロックする。
【0191】
ラパマイシンの構造的および機能的アナログはモノ-およびジアシル化ラパマイシン誘導体(U.S.Patent No.4,316,885);ラパマイシン水溶性プロドラッグ(U.S.Patent No.4,650,803);カルボン酸エステル(PCT Publication No.WO 92/05179);カルバメート(U.S.Patent No.5,118,678);アミドエステル(U.S.Patent No.5,118,678);ビオチンエステル(U.S.Patent No.5,504,091);フッ素化エステル(U.S.Patent No.5,100,883);アセタール(U.S.Patent No.5,151,413);シリルエーテル(U.S.Patent No.5,120,842);二環性誘導体(U.S.Patent No.5,120,725);ラパマイシンダイマー(U.S.Patent No.5,120,727);O-アリール、O-アルキル、O-アルケニルおよびO-アルキニル誘導体(U.S.Patent No.5,258,389);および重水素化ラパマイシン(U.S.Patent No.6,503,921)を含む。さらなるラパマイシンアナログはU.S.Patent Nos.5,202,332および5,169,851に記載されている。
【0192】
ラパマイシンは、現在、液体および錠剤処方で経口投与用に入手できる。RAPAMUNE(商標)液体は、投与に先立って水またはオレンジジュースに希釈される1mg/mLラパマイシンを含有する。1または2mgのラパマイシンを含有する錠剤も入手可能である。ラパマイシンは、好ましくは、移植後できる限り早く毎日1回与える。それは経口投与後に迅速かつ完全に吸収される。典型的には、ラパマイシンの患者用量は患者の状態に従って変化するが、いくつかの標準推奨用量を以下に提供する。ラパマイシンのための初期負荷用量は6mgである。0.5〜2mg/日の引き続いての維持用量が典型的である。別法として、3mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgの負荷用量を、日維持用量当たり1mg、3mg、5mg、7mgまたは10mgと共に用いることができる。体重が40kg未満の患者では、ラパマイシンの用量は、典型的には、体表面積に従って調整される;一般に、3mg/m2/日負荷用量および1mg/m2/日維持用量が用いられる。
【0193】
ペプチド部位
カルシニューリン-媒介脱リン酸化およびNFATの核トランスロケーションを損なうペプチド、ペプチドミメティックス、ペプチド断片(天然、合成または化学的修飾いずれか)は、本発明の実行で用いるのに適している。NFAT活性化およびNFAT転写因子を阻害することによってカルシニューリン阻害剤として作用するペプチドの例は、例えば、Aramburu et al.,Science 285:2129-2133,1999およびAramburu et al.,Mol.Cell 1:627-637,1998に記載されている。カルシニューリン阻害剤のクラスとして、これらの剤は本発明の方法で有用である。
【0194】
治療法
本発明は、免疫炎症障害、増殖性皮膚病、器官移植拒絶、または移植片対宿主病を治療するための手段としての炎症誘発性サイトカインの分泌を抑制するための方法を特徴とする。
【0195】
本発明の方法のいずれかの特定の態様において、前記化合物は互いに10日以内に、互いに5日以内に、互いに24時間以内に、または同時に投与される。前記化合物は単一組成物として一緒に処方することができるか、あるいは別々に処方し、投与することができる。一方または両方の化合物は、その各々が本明細書中で定義される、低用量または高用量で投与することができる。患者には、コルチコステロイド、NSAID(例えば、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナックナトリウム、ジクロフェナックカリウム、アスピリン、スリンダック、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、コリンマグネシウムトリサルシレート、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナメートナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダック、およびトルメチン)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、およびルミラコキシブ)、グルココルチコイド受容体モジュレーター、またはDMARDのような他の化合物を投与するのが望ましいであろう。本発明の組合せ療法は、疾患に積極的に影響させるように免疫応答を変調する他の薬剤-バイオロジックまたは小分子いずれかと組み合わせた免疫炎症障害の治療で特に有用である。そのような薬剤は、鍵となる炎症細胞を枯渇させ、細胞接着に影響し、または免疫応答に関与するサイトカインに影響するものを含む。この最後のカテゴリーは、IL-10のような抗炎症性サイトカインの作用を模倣し、またはそれを増大させる薬剤、ならびにIL-6、IL-1、IL-2、IL-12、IL-15またはTNFαのような炎症誘発性サイトカインの活性を阻害する薬剤を共に含む。TNFαを阻害する薬剤はエタネルセプト、アデリムマブ、インフリキシマブ、およびCDP-870を含む。この例において(TNFαの効果をブロックする薬剤のもの)、前記組合せ療法はサイトカインの生産を低下させ、エタネルセプトまたはインフリキシマブは炎症性サイトカインの残りの画分に作用し、増強された治療を提供する。小分子免疫モジュレーターは、例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323のようなp38 MAPキナーゼ阻害剤、DPC 333のようなTACE阻害剤、プラナルカサンのようなICE阻害剤、およびマイコフェノレートおよびメリメポジブのようなIMPDH阻害剤を含む。
【0196】
本発明による療法は単独またはもう一つの療法と組み合わせて行うことができ、家、医師のオフィス、クリニック、病院の外来部門、または病院で供することができる。治療は、医師が療法の効果を近くで観察し、必要ないずれの調整もなす事ができるように任意に病院で開始するか、あるいはそれは外来ベースで開始することができる。療法の持続は治療すべき病気または障害のタイプ、患者の年齢および状態、患者の病気の段階およびタイプ、およびどのようにして患者が治療に応答するかに依存する。加えて、炎症病を発症するより大きな危険性を有する人(例えば、年齢関連ホルモン変化を受けつつある人)は、兆候の開始を阻害しまたは遅延させるための処置を受けることができる。
【0197】
種々の態様についての投与の経路は、限定されるものではないが、(静脈内、筋肉内、皮下、吸入、直腸、バッカル、膣、腹腔内、関節内、眼または経口投与のような)局所、経皮、経鼻および全身投与を含む。本明細書で用いるように、「全身投与」は全ての非皮膚投与経路をいい、特に、局所および経皮投与経路を除く。
【0198】
組合せ療法において、組合せの各成分の投与の量および頻度は独立して制御することができる。例えば、一つの化合物を1日あたり3回投与することができ、他方、第2の化合物を1日あたり1回投与することができる。組合せ療法は、患者の体が未だ予想できない副作用としてのいずれかから回復するチャンスを有するように、残りの器官を含むオン-アンド-オフサイクルで与えることができる。また、化合物は、一つの投与が両方の化合物を送達するように一緒に処方することもできる。
【0199】
望ましくは、本発明の方法、組成物およびキットは、他の方法、組成物およびキットよりも効果的である。「より効果的」とは、方法、組成物またはキットがより大きな有効性を呈し、毒性がより低く、より安全で、より便利で、良好に許容され、もしくは費用が安く、またはそれが比較されるもう1つの方法、組成物、またはキットよりもより大きな治療満足を提供することを意味する。
【0200】
慢性閉塞性肺疾患
1つの態様において、本発明の方法、組成物およびキットは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療で用いられる。所望であれば、典型的にはCOPDを治療するのに用いられる一つまたは複数の薬剤を、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はキサンチン(例えば、テオフィリン)、抗コリン作動性化合物(例えば、イプラトロピウム、チオトロピウム)、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、およびβ受容体アゴニスト/気管支拡張剤(例えば、イブテロール硫酸、ビトルテロールメシレート、エピネフリン、フォルモテロールフマル酸、イソプロテロノール、レバルブテロール塩酸、メタプロテレノール硫酸、ピルブテロールスケテート、サルメテロールキシナフォエート、およびテルブタリン)を含む。従って、1つの態様において、本発明は、三環化合物および気管支拡張剤の組合せ、およびそれでCOPDを治療する方法を特徴とする。
【0201】
乾癬
本発明の方法、組成物およびキットは乾癬の治療で用いることができる。所望であれば、典型的には乾癬を治療するのに用いられる一つまたは複数の抗乾癬剤を、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はバイオロジック(例えば、アレファセプト、インフリキシマブ、アデリムマブ、エファリズマブ、エタネルセプト、およびCDP-870)、小分子免疫モジュレーター(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、マイコフェノレート、およびメリネポジブ)、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤(例えば、サイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、およびISAtx247)、ビタミンDアナログ(例えば、カルシポトリエン、カルシポトリオール)、ソラレン(例えば、メトキサレン)、レチノイド(例えば、アシトレチン、タゾレテン)、DMARD(例えば、メトトレキセート)、およびアントラリンを含む。従って、1つの態様において、本発明は、三環化合物および抗乾癬剤の組合わせ、およびそれで乾癬を治療する方法を特徴とする。
【0202】
炎症性腸疾患
本発明の方法、組成物およびキットは炎症性腸疾患の治療で用いることができる。所望であれば、典型的には炎症性腸疾患を治療するのに用いることができる一つまたは複数の薬剤を、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はバイオロジック(例えば、インフリキシマブ、アデリムマブ、およびCDP-870)、小分子免疫モジュレーター(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカザン、マイコフェノレート、およびメリメポジブ)、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤(例えば、サイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、およびISAtx247)、5-アミノサリチル酸(例えば、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド二ナトリウム、およびオルサラジンナトリウム)、DMARD(例えば、メトトレキセートおよびアザチオプリン)およびアロセトロンを含む。従って、1つの態様において、本発明は、三環化合物および前記薬剤のいずれかの組合せ、およびそれで炎症性腸疾患を治療する方法を特徴とする。
【0203】
慢性関節リウマチ
本発明の方法、組成物およびキットは慢性関節リウマチの治療で用いることができる。所望であれば、典型的には慢性関節リウマチを治療するのに用いられる一つまたは複数の薬剤を、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はNSAID(例えば、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナックナトリウム、ジクロフェナックカリウム、アスピリン、スリンダック、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、コリンマグネシウムトリサリシレート、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸(サルサレート)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナメートナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダック、およびトルメチン)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、およびルミラコキシブ)、バイオロジック(例えば、インフリキシマブ、アデリムマブ、エタネルセプト、CDP-870、リツキシマブ、およびアトリズマブ)、小分子免疫モジュレーター(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、マイコフェノレート、およびメリメポジブ)、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤(例えば、サイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、およびISAtx247)、5-アミノサリチル酸(例えば、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド二ナトリウム、およびオルサラジンナトリウム)、DMARD(例えば、メトトレキセート、レフルノミド、ミノシクリン、オーラノフィン、金ナトリウムチオマレート、オーロチオグルコースおよびアザチオプリン)、ヒドロキシクロロキン硫酸、およびペニシラミンを含む。従って、1つの態様において、本発明は前記薬剤のいずれかと三環化合物との組合せ、およびそれで慢性関節リウマチを治療する方法を特徴とする。
【0204】
喘息
本発明の方法、組成物およびキットは喘息の治療で用いることができる。所望であれば、典型的には喘息を治療するのに用いられる一つまたは複数の薬剤を、本発明の方法、組成物、およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はβ2アゴニスト/気管支拡張剤/ロイコトリエンモディファイアー(例えば、ザフィルルカスト、モンテルカスト、およびジロートン)、バイオロジック(例えば、オマリズマブ)、小分子免疫モジュレーター、抗コリン作動性化合物、キサンチン、エフェドリン、クアイフェネシン、クロモリンナトリウム、ネドクロミルナトリウム、およびヨウ化カリウムを含む。従って、1つの態様において、本発明は三環化合物および前記薬剤のいずれかの組合せおよびそれで喘息を治療する方法を特徴とする。
【0205】
薬学的組成物の処方
適当な投与形態は局所または経皮、経口、直腸、静脈内、筋肉内、皮下、吸入、膣、腹腔内(IP)、関節内、および目を含む。
【0206】
また、本発明は薬学的パックの成分として提供することもできる。2つの薬物は一緒に処方することができるか、あるいは個々の投与量で別々に処方することができる。
【0207】
前記組合せの各成分の投与は、免疫炎症障害、増殖性皮膚病、器官移植拒絶、または移植片対宿主病の治療で効果的ないずれかの適当な手段であり得る。化合物は適当な担体物質と混合し、一般には、組成物の全重量の0.1〜95重量%の量で存在させる。組成物は経口、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、皮下)、直腸、経皮、鼻、膣、吸入剤、または目投与に適した投与形態で提供することができる。従って、前記組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、顆粒、懸濁液、エマルジョン、溶液、ヒドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、プラスター、ドレンチ、送達デバイス、坐薬、浣腸、注射、インプラント、スプレーまたはエアロゾルの形態とすることができる。薬学的組成物は従来の薬学的プラクティスに従って処方することができる(例えば、Remington:「The Science and Practice of Pharmacy」,(20th ed.)A.R.Gennaro,2000,Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, PA.および「Encyclopedia of Pharmaceutical Technology」, eds.J.Swarbrick and J.C.Boylan, 1988-2002,Marcel Dekker,New York参照)。
【0208】
本発明による薬学的組成物は、制御放出処方を用い、投与に際して実質的に直後に、または投与後のいずれかの所定の時間に活性化合物を放出するように処方することができる。
【0209】
制御放出処方における化合物の投与は、単独または組み合わせて、前記化合物が(i)狭い治療指標(例えば、有害な副作用または毒性反応に導く血漿濃度、および治療効果に導く血漿濃度の間の差が小さく;一般に、治療指標TIはメジアン有効量(ED50)に対するメジアン致死量(LD50)の比率と定義される);(ii)胃腸管における狭い吸収ウィンドウ;または(iii)1日の間の頻繁な投与が治療レベルに血漿レベルを維持するために必要なような短い生物学的半減期を有する場合に有用である。
【0210】
放出の速度が治療化合物の代謝速度を超える制御された放出を得るために多くの戦略を追跡することができる。例えば、制御された放出は、例えば、適当な制御された放出組成物およびコーティングを含む、処方パラメーターおよび成分の適当な選択によって得ることができる。その例は単一または多数ユニットの錠剤またはカプセル組成物、油溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノ粒子、パッチおよびリポソームを含む。
【0211】
経口使用のための固体用量形態
経口使用のための処方は、非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に有効成分を含有する錠剤を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤または充填剤(例えば、スクロースおよびソルビトール)、滑沢剤、グライダント、および抗接着剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、水素化植物油、またはタルク)であり得る。
【0212】
2つの化合物は、錠剤または他の賦形剤中で一緒に混合することができるか、または分配することができる。1つの例において、第一の化合物を錠剤の内側に含ませ、第二の化合物を外部に含ませ、従って、第二の化合物の実質的部分は第一の化合物の放出に先立って放出される。
【0213】
経口使用用の処方は、咀嚼可能な錠剤として、または有効成分が不活性な固体希釈剤と混合されたハードゼラチンカプセルとして、または有効成分が水または油媒体と混合されたソフトゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0214】
局所処方
局所使用に適合させた組成物では、0.1%〜25%(w/w)以上の抗ヒスタミン剤またはアナログおよび/またはさらなる薬剤、好ましくは0.1%〜10%(w/w)、より好ましくは0.05%〜4%(w/w)の活性な薬剤を含有する局所賦形剤。クリームは、必要に応じて、毎日1回〜4回適用することができる。
【0215】
例えば、局所投与に適合させたプレドニゾロンでは、局所賦形剤は0.01%〜5%(w/w)、好ましくは0.01%〜2%(w/w)、より好ましくは0.01%〜1%(w/w)のプレドニゾロンを含有するであろう。
【0216】
本明細書中に記載された方法、抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログの化合物、および/またはさらなる薬剤を含有する局所賦形剤の実施は、好ましくは、対象の不快な部位に適用される。例えば、クリームは関節炎の指に悩む対象の手に適用することができ、他方、局所点眼剤はブドウ膜炎を治療するために対象の目に適用することができる。
【0217】
用量
本発明の組合せの増強された能力を仮定すれば、(本明細書中で定義された)低用量の抗ヒスタミン剤および/またはさらなる薬剤を用いることができることが理解される。これらの用量は、患者の健康および状態に依存して変化するであろう。従って、一方または両方の剤の中程度の用量または高用量でさえ用いることができる。前記組合せにおける各薬物の投与は、独立して、1日〜1年の間の毎日の1回〜4回であり得、患者の寿命の間とすることもできる。慢性の長期投与は多くの場合に示されるであろう。
【0218】
さらなる適用
本発明の化合物はスクリーニングツールとしても用いられる。本発明の単一薬剤および組合せを抗増殖または機構アッセイ法で使用して、他の組合せ、または単一薬剤が、当技術分野において一般的に公知のアッセイ法を用いて、炎症誘発性サイトカイン、例えば、TNFα、IL-2などの増殖を阻害するのに前記組合せと同程度に効果的であるか否かを決定することができ、実施例セクションに記載された特異的な非限定的例である。例えば、候補化合物を抗ヒスタミン剤(または抗ヒスタミン剤アナログ)または本明細書中に記載されたさらなる薬剤いずれかからの化合物と組み合わせ、刺激されたPBMCに適用し、適当な時間の後に、細胞を、抗増殖活性、TNFα、または炎症誘発性サイトカイン分泌についての他のアッセイ法について調べる。互いに対する、および単一薬剤に対する前記組合せの相対的効果を比較し、効果的な化合物および組合せが同定される。スクリーニング方法は、アッセイ法における相対的活性について、新規な単一薬剤または薬剤の新しい組合せ(新規または公知)の活性を比較するのに用いることができる。
【0219】
また、本発明の組合せは、炎症または新規な標的に関与する生物学的経路についての機構的情報を解明する際に有用なツールでもある。そのような情報は、炎症誘発性サイトカイン分泌を阻害するための、新しい組合せまたは単一薬剤(抗ヒスタミン剤または相方となる化合物いずれかの機構的および/または構造的アナログ)の開発に導くことができる。生物学的経路を決定するための当技術分野において公知の方法を用いて、炎症誘発性サイトカインを生産するように刺激された細胞を本発明の化合物と接触させることによって影響された経路、または経路のネットワークを決定することができる。そのような方法は、未処理の陽性または陰性対照化合物および/または新しい単一薬剤および組合せと比較して、本発明の化合物との接触の後に発現または抑制された細胞構成要素を分析すること、または酵素活性、栄養取り込みおよび増殖のような細胞のいくつかの他の代謝活性の分析を含むことができる。分析した細胞成分は遺伝子転写体およびタンパク質発現を含むことができる。適切な方法は標準的な生化学技術、本発明の化合物の放射性同位体標識(例えば、14Cまたは3H標識)、および例えば2dゲル、遺伝子発現プロファイリングを用いてタンパク質への化合物結合を観察することを含むことができる。一旦同定されれば、そのような化合物をインビボモデルで用いて、前記ツールをさらに有効化し、または新しい抗炎症剤を開発することができる。
【0220】
実施例
以下の実施例は本発明を説明するものであり、決して本発明を限定するものではない。
【0221】
方法
TNFα分泌アッセイ法
TNFα分泌に対するテスト化合物組合せの効果を、以下のように、フォルボール12-ミリステート13-アセテートおよびイオノマイシンで刺激したヒトバフィーコートからの白血球細胞でアッセイした。バフィーコートからのヒト白血球細胞を培地(RPMI;Gibco BRL,#11875-085)、10%胎児ウシ血清(Gibco BRL,#25140-097)、2%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco BRL,#15140-122)に1:50希釈し、希釈された白血球細胞の50μLをアッセイプレートの各ウェルに入れた。薬物を示された濃度まで加えた。湿潤化インキュベーター中での5%CO2での37℃における16時間〜18時間のインキュベーション後に、プレートを遠心し、上清を、抗TNFα抗体(PharMingen,#551220)で被覆した白色不透明ポリスチレン384-ウェルプレート(NalgeNunc,Maxisorb)に移した。2時間のインキュベーションの後、プレートを、0.1%Tween 20を含有するPBSで洗浄し(Tecan Powerwasher 384)、ビオチン標識抗TNAa抗体(PharMingen,#554511)およびストレプトアビジンにカップリングしたHRP(PharMingen,#13047E)と共にさらに1時間インキュベートした。次いで、プレートを0.1%Tween 20/PBSで再度洗浄した。HRP-ルミネセント基質を各ウェルに加え、各ウェルの光強度をプレートルミノメーターを用いて測定した。
【0222】
IL-2分泌アッセイ法
IL-2分泌に対する試験化合物組合せの効果を、以下のように、フォルボール12-ミリステート13-アセテートで刺激したヒトバフィーコートからの白血球細胞でアッセイした。バフィーコートからのヒト白血球細胞を培地(RPMI;Gibco BRL,#11875-085)、10%胎児ウシ血清(Gibco BRL,#25140-097)、2%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco BRL,#15140-122)に1:50希釈し、希釈された白血球細胞の50μLを、前記セクションにおいて作成した最終アッセイプレートの各ウェルに入れた。湿潤化インキュベーター中での37℃における16時間〜18時間のインキュベーション後に、プレートを遠心し、抗IL-2抗体(PharMingen,#555051)で被覆した白色不透明384-ウェルプレート(NalgeNunc,MAXISORB)に上清を移した。2時間のインキュベーションの後、0.1%Tween 20を含有するPBSでプレートを洗浄し(Tecan Powerwasher 384)、ビオチン標識した抗IL-2抗体(Endogen,M600B)およびストレプトアビジンにカップリングした西洋ワサビペルオキシダーゼ(PharMingen,#13047E)と共にさらに1時間インキュベートした。次いで、プレートを0.1%Tween 20/PBSで再度洗浄し、HRP-ルミネセント基質を各ウェルに加えた。次いで、プレートルミノメーターを用いて光強度を測定した。
【0223】
パーセント阻害
各ウェルについてのパーセント阻害(%I)を以下の式を用いて計算した。
【0224】
%I=[(平均未処理ウェル-処理ウェル)/(平均未処理ウェル)]×100
平均未処理ウェル値(平均未処理ウェル)が、賦形剤単独で処理した同一アッセイプレートからの40ウェルの算術的平均である。陰性阻害値は、未処理ウェルと比較した処理ウェルにおける局所的変動に由来する。
【0225】
TNFα分泌の低下に対する記載された化合物の種々の組合せの結果を表6〜79に示し、他方、IL-2分泌の低下に対する種々の組合せの結果を表80〜115に示す。単一化合物の異なる濃度、またはもう1つの化合物と組み合わせて用いた場合の効果を個々の表に示す。例えば、表6は、プレドニゾロン、およびデスロラタジンおよびプレドニゾロンの組合せの異なる濃度の効果を示す。これらの結果を対照ウェルと比較した。これらのウェルをフォルボール12-ミリステート13-アセテートおよびイオノマイシンで刺激したが、デスロラタジンまたはプレドニゾロンを受領しなかった。単独、および組み合わせた薬剤の効果をTNFα分泌のパーセント阻害として示す。
【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【表40】

【表41】

【表42】

【表43】

【表44】

【表45】

【表46】

【表47】

【表48】

【表49】

【表50】

【表51】

【表52】

【表53】

【表54】

【表55】

【表56】

【表57】

【表58】

【表59】

【表60】

【表61】

【表62】

【表63】

【表64】

【表65】

【表66】

【表67】

【表68】

【表69】

【表70】

【表71】

【表72】

【表73】

【表74】

【表75】

【表76】

【表77】

【表78】

【表79】

【表80】

【表81】

【表82】

【表83】

【表84】

【表85】

【表86】

【表87】

【表88】

【表89】

【表90】

【表91】

【表92】

【表93】

【表94】

【表95】

【表96】

【表97】

【表98】

【表99】

【表100】

【表101】

【表102】

【表103】

【表104】

【表105】

【表106】

【表107】

【表108】

【表109】

【表110】

【表111】

【表112】

【表113】

【表114】

【表115】

【0226】
他の態様
本発明に記載された方法およびシステムの種々の修飾および変形は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく当業者に明らかであろう。本発明を特定の所望の態様の関連で記載してきたが、主張する発明はそのような特定の態様に不当に限定されるべきではないと理解すべきである。事実、医学、免疫学、薬理学、内分泌学の分野、または関連分野における当業者に明らかな本発明を実施するための記載された形態の種々の修飾は本発明の範囲内にあると意図される。
【0227】
本明細書中において引用した全ての刊行物は、本明細書に参照して、あたかも各独立した刊行物が具体的かつ個々に参照により組み入れられるのと同程度に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログおよびコルチコステロイドを含む組成物。
【請求項2】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
コルチコステロイドがプレドニゾロン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、フルチカゾン、プレドニゾン、トリアムシノロン、またはジフロラゾンである請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
抗ヒスタミン剤がデスロラタジンまたはロラタジンであって、コルチコステロイドがプレドニゾロンである請求項1記載の組成物。
【請求項5】
局所投与用に処方された請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物。
【請求項6】
全身投与用に処方された請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物。
【請求項7】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはコルチコステロイドが低用量で組成物に存在する請求項1〜6のいずれか一項記載の組成物。
【請求項8】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはコルチコステロイドが高用量で組成物に存在する請求項1〜6のいずれか一項記載の組成物。
【請求項9】
組成物が、非ステロイド抗炎症薬物(NSAID)、COX-2阻害剤、バイオロジック(biologic)、小分子免疫モジュレーター、疾患-修飾抗リウマチ薬(DMARD)、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸をさらに含む請求項1〜8のいずれか一項記載の組成物。
【請求項10】
NSAIDがイブプロフェン、ジクロフェナックまたはナプロキセンである請求項9記載の組成物。
【請求項11】
COX-2阻害剤がロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、またはルミラコキシブである請求項9記載の組成物。
【請求項12】
バイオロジックがアデリムマブ、エタネルセプト、またはインフリキシマブである請求項9記載の組成物。
【請求項13】
DMARDがメトトレキセートまたはレフルノミドである請求項9記載の組成物。
【請求項14】
キサンチンがテオフィリンである請求項9記載の組成物。
【請求項15】
抗コリン作動性化合物がイプラトロピウムまたはチオトロピウムである請求項9記載の組成物。
【請求項16】
β受容体アンタゴニストがイブテロール硫酸、ビトルテロールメシレート、エピネフリン、フォルモテロールフマル酸、イソプロテロノール、レバルブテロール塩酸、メタプロテレノール硫酸、ピルブテロールスケテート、サルメテロールキシナフォエート、またはテルブタリンである請求項9記載の組成物。
【請求項17】
ビタミンDアナログがカルシポトリエンまたはカルシポトリオールである請求項9記載の組成物。
【請求項18】
ソラレンがメトキサレンである請求項9記載の組成物。
【請求項19】
レチノイドがアシトレチンまたはタゾレテンである請求項9記載の組成物。
【請求項20】
5-アミノサリチル酸がメサラミン、スルファサラジン、バルサラジドニナトリウム、またはオルサラジンナトリウムである請求項9記載の組成物。
【請求項21】
小分子免疫モジュレーターがVX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、マイコフェノレート、またはメリメポジブである請求項9記載の組成物。
【請求項22】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびコルチコステロイドを、患者において炎症誘発性サイトカイン分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、患者において炎症誘発性サイトカイン分泌または生産を減少させる方法。
【請求項23】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびコルチコステロイドを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法。
【請求項24】
免疫炎症障害が慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞性動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、肝硬変、または乾癬性関節炎である請求項23記載の方法。
【請求項25】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項22〜24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
コルチコステロイドがプレドニゾロン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、フルチカゾン、プレドニゾン、トリアムシノロン、またはジフロラゾンである請求項22〜25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびコルチコステロイドが互いに10日以内に投与される請求項22〜26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびコルチコステロイドが互いに5日以内に投与される請求項27記載の方法。
【請求項29】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびコルチコステロイドが互いに24時間以内に投与される請求項28記載の方法。
【請求項30】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびコルチコステロイドが同時に投与される請求項29記載の方法。
【請求項31】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはコルチコステロイドが低用量で投与される請求項22〜30のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはコルチコステロイドが高用量で投与される請求項22〜30のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
方法が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸を投与することをさらに含む請求項22〜32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
一緒にすると、抗ヒスタミン剤の非存在下におけるコルチコステロイドの投与よりも免疫炎症障害を治療するのにより効果的な量の、該抗ヒスタミン剤および該コルチコステロイドを患者に同時に投与することを含む、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項35】
一緒にすると、コルチコステロイドの非存在下における抗ヒスタミン剤の投与よりも免疫炎症障害を治療するのにより効果的な量の、該抗ヒスタミン剤および該コルチコステロイドを患者に同時に投与することを含む、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項36】
(a)患者にコルチコステロイドを投与する段階;および
(b)該患者に抗ヒスタミン剤を投与する段階を含み;
(i)該コルチコステロイドおよび抗ヒスタミン剤は同時に投与され、および
(ii)該患者に投与される該コルチコステロイドおよび該抗ヒスタミン剤の各量は、該抗ヒスタミン剤の非存在下における該コルチコステロイドの投与、または該コルチコステロイドの非存在下における該抗ヒスタミン剤の投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項37】
(a)コルチコステロイド;および
(b)抗ヒスタミン剤を含み;
該コルチコステロイドおよび該抗ヒスタミン剤の各量が、患者に投与された場合、該抗ヒスタミン剤の非存在下における該コルチコステロイドの投与または該コルチコステロイドの非存在下における該抗ヒスタミン剤の投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療するのに有用な単位投与形態の薬学的組成物。
【請求項38】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびコルチコステロイドを含む組成物;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該組成物を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項39】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;
(ii)コルチコステロイド;および
(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤および該コルチコステロイドを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項40】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者へ該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびコルチコステロイドを投与するための指示書:
を含むキット。
【請求項41】
(i)コルチコステロイド;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者へ該コルチコステロイドおよび抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項42】
抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログおよびイブジラストまたはそのアナログを含む組成物。
【請求項43】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチンまたはプロメタジンである請求項42記載の組成物。
【請求項44】
(i)デスロラタジンまたはロラタジンおよび(ii)イブジラストを含む請求項42記載の組成物。
【請求項45】
局所投与用に処方された請求項42〜44のいずれか一項記載の組成物。
【請求項46】
全身投与用に処方された請求項42〜44のいずれか一項記載の組成物。
【請求項47】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはイブジラストもしくはそのアナログが低用量で組成物に存在する請求項42〜46のいずれか一項記載の組成物。
【請求項48】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはイブジラストもしくはそのアナログが高用量で組成物に存在する請求項42〜46のいずれか一項記載の組成物。
【請求項49】
組成物が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸をさらに含む請求項42〜48のいずれか一項記載の組成物。
【請求項50】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびイブジラストまたはそのアナログを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法。
【請求項51】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびイブジラストまたはそのアナログを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法。
【請求項52】
免疫炎症障害が慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞性動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、肝硬変、または乾癬性関節炎である請求項51記載の方法。
【請求項53】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項50〜52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびイブジラストまたはそのアナログが互いに10日以内に投与される請求項50〜53のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびイブジラストまたはそのアナログが互いに24時間以内に投与される請求項54記載の方法。
【請求項56】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびイブジラストまたはそのアナログが同時に投与される請求項55記載の方法。
【請求項57】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはイブジラストもしくはそのアナログが低用量で投与される請求項50〜56のいずれか一項記載の方法。
【請求項58】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはイブジラストもしくはそのアナログが高用量で投与される請求項50〜56のいずれか一項記載の方法。
【請求項59】
方法が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、抗ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸を投与することをさらに含む請求項50〜58のいずれか一項記載の方法。
【請求項60】
(a)患者にイブジラストまたはそのアナログを投与する段階;および
(b)該患者に抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与する段階を含み;
(i)該イブジラストまたはそのアナログおよび抗ヒスタミン剤またはそのアナログは同時に投与され、および
(ii)該患者に投与される該イブジラストまたはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量が、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該イブジラストもしくはそのアナログの投与、または該イブジラストもしくはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項61】
(a)イブジラストまたはそのアナログ;および
(b)抗ヒスタミン剤またはそのアナログを含み;
該イブジラストまたはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量が、患者に投与された場合、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該イブジラストもしくはそのアナログの投与、または該イブジラストもしくはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療するのに有用な単位投与形態の薬学的組成物。
【請求項62】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびイブジラストまたはそのアナログを含む組成物;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該組成物を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項63】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;
(ii)イブジラストまたはそのアナログ;および
(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび該イブジラストまたはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項64】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびイブジラストまたはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項65】
(i)イブジラストまたはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に、該イブジラストまたはそのアナログおよび抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項66】
抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログおよびロリプラムまたはそのアナログを含む組成物。
【請求項67】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項66記載の組成物。
【請求項68】
デスロラタジンまたはロラタジンおよびロリプラムを含む請求項66記載の組成物。
【請求項69】
局所投与用に処方された請求項66〜68のいずれか一項記載の組成物。
【請求項70】
全身投与用に処方された請求項66〜68のいずれか一項記載の組成物。
【請求項71】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはロリプラムもしくはそのアナログが低用量で組成物に存在する請求項66〜70のいずれか一項記載の組成物。
【請求項72】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはロリプラムもしくはそのアナログが高用量で組成物に存在する請求項66〜70のいずれか一項記載の組成物。
【請求項73】
組成物が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸をさらに含む請求項66〜72のいずれか一項記載の組成物。
【請求項74】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびロリプラムまたはそのアナログを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法。
【請求項75】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびロリプラムまたはそのアナログを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法。
【請求項76】
免疫炎症障害が慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞性動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、肝硬変、または乾癬性関節炎である請求項75記載の方法。
【請求項77】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項74〜76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびロリプラムまたはそのアナログが互いに10日以内に投与される請求項74〜77のいずれか一項記載の方法。
【請求項79】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびロリプラムまたはそのアナログが互いに5日以内に投与される請求項78記載の方法。
【請求項80】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびロリプラムまたはそのアナログが互いに24時間以内に投与される請求項79記載の方法。
【請求項81】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびロリプラムまたはそのアナログが同時に投与される請求項80記載の方法。
【請求項82】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログまたはロリプラムまたはそのアナログが低用量で投与される請求項74〜81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログまたはロリプラムまたはそのアナログが高用量で投与される請求項74〜81のいずれか一項記載の方法。
【請求項84】
方法が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸を投与することをさらに含む請求項74〜83のいずれか一項記載の方法。
【請求項85】
(a)患者にロリプラムまたはそのアナログを投与する段階;および
(b)該患者に抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与する段階を含み;
(i)該ロリプラムまたはそのアナログおよび抗ヒスタミン剤またはそのアナログは同時に投与され、および
(ii)該患者に投与される該ロリプラムまたはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量は、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該ロリプラムもしくはそのアナログの投与、または該ロリプラムもしくはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項86】
(a)ロリプラムまたはそのアナログ;および
(b)抗ヒスタミン剤またはそのアナログを含み;
該ロリプラムまたはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量は、患者に投与された場合、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該ロリプラムもしくはそのアナログの投与、または該ロリプラムもしくはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療するのに有用な単位投与形態の薬学的組成物。
【請求項87】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびロリプラムまたはそのアナログを含む組成物;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該組成物を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項88】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;
(ii)ロリプラムまたはそのアナログ;および
(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび該ロリプラムまたはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項89】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に、該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびロリプラムまたはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項90】
(i)ロリプラムまたはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に、該ロリプラムまたはそのアナログおよび抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項91】
抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンを含む組成物。
【請求項92】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項91記載の組成物。
【請求項93】
テトラ-置換ピリミドピリミジンがジピリジモールである請求項91または92記載の組成物。
【請求項94】
抗ヒスタミン剤がデスロラタジンまたはロラタジンであり、テトラ-置換ピリミドピリミジンがジピリジモールである請求項93記載の組成物。
【請求項95】
局所投与用に処方された請求項91〜94のいずれか一項記載の組成物。
【請求項96】
全身投与用に処方された請求項91〜94のいずれか一項記載の組成物。
【請求項97】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはテトラ-置換ピリミドピリミジンが低用量で組成物に存在する請求項91〜96のいずれか一項記載の組成物。
【請求項98】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはテトラ-置換ピリミドピリミジンが高用量で組成物に存在する請求項91〜96のいずれか一項記載の組成物。
【請求項99】
組成物が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイドまたは5-アミノサリチル酸をさらに含む請求項91〜98のいずれか一項記載の組成物。
【請求項100】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法。
【請求項101】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法。
【請求項102】
免疫炎症障害が慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞性動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、肝硬変、または乾癬性関節炎である請求項101記載の方法。
【請求項103】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項100〜102のいずれか一項記載の方法。
【請求項104】
テトラ-置換ピリミドピリミジンがジピリジモールである請求項100〜103のいずれか一項記載の方法。
【請求項105】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンが互いに10日以内に投与される請求項100〜104のいずれか一項記載の方法。
【請求項106】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンが互いに5日以内に投与される請求項105記載の方法。
【請求項107】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンが互いに24時間以内に投与される請求項106記載の方法。
【請求項108】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンが同時に投与される請求項107記載の方法。
【請求項109】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはテトラ-置換ピリミドピリミジンが低用量で投与される請求項100〜108のいずれか一項記載の方法。
【請求項110】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはテトラ-置換ピリミドピリミジンが高用量で投与される請求項100〜109のいずれか一項記載の方法。
【請求項111】
方法が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイドまたは5-アミノサリチル酸を投与することをさらに含む請求項100〜110のいずれか一項記載の方法。
【請求項112】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンを、一緒にすると、該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの非存在下における該テトラ-置換ピリミドピリミジンの投与よりも免疫炎症障害を治療するのにより効果的である量で患者に同時投与することを含む、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項113】
抗ヒスタミン剤およびテトラ-置換ピリミドピリミジンを、一緒にすると、該テトラ-置換ピリミドピリミジンの非存在下における該抗ヒスタミン剤の投与よりも免疫炎症障害を治療するのにより効果的である量で患者に同時投与することを含む、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項114】
(a)患者にテトラ-置換ピリミドピリミジンを投与する段階;および
(b)該患者に抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与する段階を含み;
(i)該テトラ-置換ピリミドピリミジンおよび抗ヒスタミン剤またはそのアナログは同時に投与され;および
(ii)該患者に投与される該テトラ-置換ピリミドピリミジンおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量は、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該テトラ-置換ピリミドピリミジンの投与、または該テトラ-置換ピリミドピリミジンの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項115】
(a)テトラ-置換ピリミドピリミジン;および
(b)抗ヒスタミン剤またはそのアナログを含み;
該テトラ-置換ピリミドピリミジンおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量は、患者に投与された場合、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該テトラ-置換ピリミドピリミジンの投与、または該テトラ-置換ピリミドピリミジンの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療するのに有用な単位投与形態の薬学的組成物。
【請求項116】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジン;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に組成物を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項117】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;
(ii)テトラ-置換ピリミドピリミジン;および
(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび該テトラ-置換ピリミドピリミジンを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項118】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびテトラ-置換ピリミドピリミジンを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項119】
(i)テトラ-置換ピリミドピリミジン;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該テトラ-置換ピリミドピリミジンおよび抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項120】
抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログおよび三環または四環抗鬱剤またはそのアナログを含む組成物。
【請求項121】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項120記載の組成物。
【請求項122】
三環抗鬱剤がノルトリプチリン、アモキサピン、またはデシプラミンである請求項120または121記載の組成物。
【請求項123】
局所投与用に処方された請求項120〜122のいずれか一項記載の組成物。
【請求項124】
全身投与用に処方された請求項120〜122のいずれか一項記載の組成物。
【請求項125】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたは三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログが低用量で組成物に存在する請求項120〜124のいずれか一項記載の組成物。
【請求項126】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたは三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログが高用量で組成物に存在する請求項120〜124のいずれか一項記載の組成物。
【請求項127】
組成物が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸をさらに含む請求項120〜126のいずれか一項記載の組成物。
【請求項128】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法。
【請求項129】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法。
【請求項130】
免疫炎症障害が慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞性動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、肝硬変、または乾癬性関節炎である請求項129記載の方法。
【請求項131】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項128〜130のいずれか一項記載の方法。
【請求項132】
三環抗鬱剤がノルトリプチリン、アモキサピン、またはデシプラミンである請求項128〜131のいずれか一項記載の方法。
【請求項133】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログが互いに10日以内に投与される請求項128〜132のいずれか一項記載の方法。
【請求項134】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログが互いに5日以内に投与される請求項133記載の方法。
【請求項135】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログが互いに24時間以内に投与される請求項134記載の方法。
【請求項136】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログが同時に投与される請求項135記載の方法。
【請求項137】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたは三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログが低用量で投与される請求項128〜136のいずれか一項記載の方法。
【請求項138】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたは三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログが高用量で投与される請求項128〜136のいずれか一項記載の方法。
【請求項139】
方法が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸を投与することをさらに含む請求項128〜138のいずれか一項記載の方法。
【請求項140】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログを、一緒にすると、該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの非存在下における該三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログの投与よりも免疫炎症障害を治療するのにより効果的である量で患者に同時投与することを含む、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項141】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログを、一緒にすると、該三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの投与よりも免疫炎症障害を治療するのにより効果的である量で患者に同時投与することを含む、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項142】
(a)患者に三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログを投与する段階;および
(b)該患者に抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与する段階を含み;
(i)該三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログは同時に投与され;および
(ii)該患者に投与される該三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログまたはおよび該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの各量は、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログの投与、または該三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項143】
(a)三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログ;および
(b)抗ヒスタミン剤またはそのアナログを含み;
該三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量が、患者に投与された場合、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログの投与、または該三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログの非存在下における抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療するのに有用な単位投与形態の薬学的組成物。
【請求項144】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログを含む組成物;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該組成物を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項145】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;
(ii)三環もしくは四環抗鬱剤またはそのアナログ;および
(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび該三環もしくは四環抗鬱剤を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項146】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび三環もしくは四環抗鬱剤を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項147】
(i)三環もしくは四環抗鬱剤;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該三環もしくは四環抗鬱剤および抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項148】
抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤アナログおよびSSRIまたはそのアナログを含む薬学的組成物。
【請求項149】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項148記載の組成物。
【請求項150】
SSRIがパロキセチンまたはフルオキセチンである請求項148または149記載の組成物。
【請求項151】
局所投与用に処方された請求項148〜150のいずれか一項記載の組成物。
【請求項152】
全身投与用に処方された請求項148〜150のいずれか一項記載の組成物。
【請求項153】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはSSRIもしくはそのアナログが低用量で組成物に存在する請求項148〜152のいずれか一項記載の組成物。
【請求項154】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはSSRIもしくはそのアナログが高用量で組成物に存在する請求項148〜152のいずれか一項記載の組成物。
【請求項155】
組成物が、非ステロイド抗炎症薬物(NSAID)、COX-2阻害剤、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、疾患-修飾抗リウマチ薬(DMARD)、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸をさらに含む請求項148〜154のいずれか一項記載の組成物。
【請求項156】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログを、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法。
【請求項157】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログを、患者を治療するのに十分な量で、同時にまたは互いに14日以内に患者に投与することを含む、免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者を治療する方法。
【請求項158】
免疫炎症障害が慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞性動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、肝硬変、または乾癬性関節炎である請求項157記載の方法。
【請求項159】
抗ヒスタミン剤がブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、チエチルペラジンマレイン酸、エピナスチン、またはプロメタジンである請求項156〜158のいずれか一項記載の方法。
【請求項160】
SSRIがパロキセチンまたはフルオロキセチンである請求項156〜159のいずれか一項記載の方法。
【請求項161】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログが互いに10日以内に投与される請求項156〜160のいずれか一項記載の方法。
【請求項162】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログが互いに5日以内に投与される請求項161記載の方法。
【請求項163】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログが互いに24時間以内に投与される請求項162記載の方法。
【請求項164】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログが同時に投与される請求項163記載の方法。
【請求項165】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはSSRIもしくはそのアナログが低用量で投与される請求項156〜164のいずれか一項記載の方法。
【請求項166】
抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログまたはSSRIもしくはそのアナログが高用量で投与される請求項156〜164のいずれか一項記載の方法。
【請求項167】
組成物が、NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、DMARD、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸をさらに含む請求項133〜137のいずれか一項記載の方法。
【請求項168】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログを、一緒にすると、該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの非存在下における該SSRIまたはそのアナログの投与よりも免疫炎症障害を治療するのにより効果的である量で患者に同時投与することを含む、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項169】
抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログを、一緒にすると、該SSRIまたはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの投与よりも免疫炎症障害を治療するのにより効果的である量で患者に同時投与することを含む、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項170】
(a)患者にSSRIまたはそのアナログを投与する段階;および
(b)該患者に抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与する段階を含み;
(i)該SSRIまたはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログは同時に投与され、および
(ii)該患者に投与される該SSRIまたはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量は、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該SSRIもしくはそのアナログの投与、または該SSRIもしくはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してよりも長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療する方法。
【請求項171】
(a)SSRIまたはそのアナログ;および
(b)抗ヒスタミン剤またはそのアナログを含み;
該SSRIまたはそのアナログおよび該抗ヒスタミン剤またはそのアナログの各量は、患者に投与された場合、該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの非存在下における該SSRIの投与、または三環もしくは四環抗鬱剤もしくはそのアナログの非存在下における該抗ヒスタミン剤もしくはそのアナログの投与と比較してより長く続く効果を生じるのに効果的である、それを必要とする患者において免疫炎症障害を治療するのに有用な単位投与形態の薬学的組成物。
【請求項172】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログを含む組成物;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該組成物を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項173】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;
(ii)SSRIまたはそのアナログ;および
(iii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよび該SSRIまたはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項174】
(i)抗ヒスタミン剤またはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害であると診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該抗ヒスタミン剤またはそのアナログおよびSSRIまたはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項175】
(i)SSRIまたはそのアナログ;および
(ii)免疫炎症障害と診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該SSRIまたはそのアナログおよび抗ヒスタミン剤またはそのアナログを投与するための指示書;
を含むキット。

【公表番号】特表2007−516217(P2007−516217A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526998(P2006−526998)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/030210
【国際公開番号】WO2005/027839
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(501273808)コンビナトアールエックス インコーポレーティッド (21)
【Fターム(参考)】