説明

免震制振装置用一体型ばね減衰機構及び免震制振装置

【課題】占有面積を縮小させつつメンテナンス性・調整性を確保できる省スペース型の免震制振装置用減衰機構を提供する。
【解決手段】下架台2から立設した抜孔11aを備える下架台側固定部品11と、上架台3から下方に向けて立設した抜孔12aを備え下架台側固定部品11に対して所定の間隔を隔てる配置の上架台側固定部品12と、下架台側固定部品2と上架台側固定部品3とに各々軸結合で水平方向に回動可能に取り付けた中空部15a、16aを備える一対のばね支持体15、16と、一対のばね支持体15、16に筒状を呈する両端を各々固定する状態で架設したコイル状のばね20と、このばね20内に同心配置され、一端側を一方のばね支持体15に、他端を他方のばね支持体16に各々着脱可能に取り付け、中空部15a及び抜孔11aを経て側方に抜き取り可能な振動減衰用の減衰器21と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震・制振装置用一体型ばね減衰機構及び免震制振装置に関し、詳しくは精密機器、機械、設備、器物、更には中軽量の建築物、構築物等々における地震動・風振動に対する免震・制振を行う免震・制振装置用一体型ばね減衰機構及び免震制振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から地震動・風振動に対する免震・制振を行うために、免震対象物を載置する可動部架台をX−Y平面上で自在に摺動させる直交レール及び弾性体・減衰器を用いた免震制振装置が開発されている。
【0003】
このような免震制振装置の技術分野において、可動部架台をX−Y平面上で自在に摺動させる機構を用いる目的としては、高さを低く抑えることによる省スペース化が挙げられるが、平面積を縮小させつつメンテナンス性・調整性を確保できる改良までには至っていない。
【0004】
また、従来例として、弾性体及び減衰器を単に並列に組み合わせた機構や、弾性体及び減衰器を一体型にユニット化し、メンテナンスする場合にはユニットごと取り外すように構成した機構が存在する。
【0005】
このうち前者の機構は、省スペース上問題があるとともに、弾性体及び減衰器それぞれに取付け部品が必要となりコスト的にも不利である。また、後者の機構は、省スペース化はされているもののメンテナンス性を犠牲にした機構といえる。
【0006】
特許文献1には、建物の骨組部材に対して、制振ダンパー及びこの制振ダンパーに対して軸方向の復元力を与えるコイルばねを直列状態に連結して制振性能を発揮させるように構成した建物の制振装置が提案されている。
【0007】
しかし、この特許文献1の場合、制振ダンパー、コイルばねの直列構造を採用しているため、省スペース化の点で必ずしも十分ではない。
【特許文献1】特開2003−049557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、占有面積を縮小させつつメンテナンス性・調整性を確保できる省スペース型の免震制振装置用減衰機構が存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の免震制振装置用一体型ばね減衰機構は、地面又は床面上に配置される下架台と、この下架台の上部で免震制振対象物側に配置される上架台との間に連結配置され、前記免震制振対象物の免震制振を行う免震制振装置用一体型ばね減衰機構であって、下架台から立設した抜孔を備える下架台側固定部品と、前記上架台から下方に向けて立設した抜孔を備え前記下架台側固定部品に対して所定の間隔を隔てる配置の上架台側固定部品と、前記下架台側固定部品と上架台側固定部品とに各々軸結合で水平方向に回動可能に取り付けた中空部を備える一対のばね支持体と、前記一対のばね支持体に筒状を呈する両端を各々固定する状態で架設したコイル状のばねと、このばね内に同心配置され、一端側を一方のばね支持体に、他端を他方のばね支持体に各々着脱可能に取り付けるとともに、前記中空部及び前記抜孔を経て側方に抜き取り可能な振動減衰用の減衰器と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び2記載の発明によれば、ばねを取り外すことなく減衰器のみを側方に引き抜くことができ、メンテナンス性に優れるとともに、減衰器を調整若しくは交換することによって減衰器自体の減衰力を任意に調整することもでき、更に、両ばね支持体が下架台側固定部品、上架台側固定部品により回動可能に支持されているので、水平方向の変位に自在に追従させ、免震・制振作用を発揮させることが可能であるばね、減衰器が一体化した省スペース構造の免震制振装置用一体型ばね減衰機構を提供することができる。
【0011】
請求項3及び4記載の発明によれば、各ばねを取り外すことなく各減衰器のみを引き抜くことができ、メンテナンス性に優れるとともに、各減衰器を調整若しくは交換することによって免震制振装置全体としての減衰力を任意に調整することができ、また、上架台がY方向又はX方向に変位する場合にも、各ばね、各減衰器をそのY方向又はX方向の変位に自在に追従させ、全体として免震・制振作用を効果的に発揮させることが可能で、更に、個々の一体型ばね減衰機構が省スペース構造であり、ひいては全体としても省スペース構造とすることができる免震制振装置を提供することができる。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、一体型ばね減衰機構を、下架台と上架台との間のX方向配置に4個、Y方向配置に4個配置するとともに、下架台と上架台との間の四箇所の隅部に前記上架台と下架台とのX方向、Y方向の相対変位を可能とする直交レール装置を合計4個配置し、前記上架台と下架台との間にX方向駆動装置、Y方向駆動装置を配置した構成で、請求項3又は4記載の発明と同様な効果を奏する免震制振装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、占有面積を縮小させつつメンテナンス性・調整性を確保できる省スペース型の免震制振装置用減衰機構を提供するという目的を有するものである。
本発明は、上記目的を、地面又は床面上に配置される矩形状の下架台と、この下架台の上部で免震制振対象物側に配置される矩形状の上架台との間に連結配置され、前記免震制振対象物の免震制振を行う免震制振装置用一体型ばね減衰機構であって、下架台から立設した水平方向の抜孔を備える下架台側固定部品と、前記上架台から下方に向けて立設した水平方向の抜孔を備え前記下架台側固定部品に対して所定の間隔を隔てる配置の上架台側固定部品と、前記下架台側固定部品と上架台側固定部品とに対向配置に備えた軸受片に各々突片を軸結合して水平方向に回動可能に取り付けた水平方向の中空部を備える一対のばね支持体と、前記一対のばね支持体に筒状を呈する両端を各々固定する状態で架設したコイル状のばねと、このばね内に同心配置され、一端側を一方のばね支持体に、他端を他方のばね支持体に各々固定部品及びねじを用いて着脱可能に取り付けるとともに、前記一方のばね支持体の中空部及び前記下架台側固定部品に設けた抜孔を経て、又は前記他方のばね支持体の中空部及び前記上架台側固定部品に設けた抜孔を経て各々水平側方に抜き取り可能な振動減衰用の減衰器と、を有する構成により実現した。
【実施例】
【0014】
以下に、本発明の実施例に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構及び免震制振装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(実施例1)
本発明の実施例1に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構について図1乃至図6を参照して説明する。
【0016】
本実施例1に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構(以下、「一体型ばね減衰機構」という)1は、図1に示すように、地面又は床面上に配置される矩形状の下架台2と、この下架台2から所定間隔隔てた上部に対向配置され、例えば精密機器、機械等の免震制振対象物4側に配置される矩形状の上架台3との間に連結配置され、前記免震制振対象物4の地震動・風振動に対する免震・制振を行うように構成している。
【0017】
前記一体型ばね減衰機構1は、下架台2から上方に向けて立設した水平方向の抜孔11aを備える略L状の下架台側固定部品11と、前記上架台3から下方に向けて立設した水平方向の抜孔12aを備え前記下架台側固定部品11に対して所定の間隔を隔てる配置の逆L状の上架台側固定部品12と、を有している。
【0018】
前記下架台側固定部品11は、上架台側固定部品12側に突出する上下一対の軸受片13a、13bを備え、同様に前記上架台側固定部品12は下架台側固定部品11側に前記片13a、13bと対向配置に突出する上下一対の軸受片14a、14bを備えている。
【0019】
前記下架台側固定部品11の一対の軸受片13a、13bに対して略円筒状を呈し中空部15aを有する一方のばね支持体15を、前記上架台側固定部品12の一対の軸受片14a、14bに対して略円筒状を呈し中空部16aを有する他方のばね支持体16を各々水平方向に回動可能に取り付けている。
【0020】
すなわち、前記ばね支持体15は、略円筒状に形成されるとともに、その端面に前記下架台側固定部品11の一対の軸受片13a、13bと等間隔の突片17a、17bを前記下架台側固定部品11側に向けて上下配置に突設し、軸受片13a上に突片17aを、軸受片13b上に突片17bを各々重ねて、軸ねじ19、19を用いてこれらを軸結合し、前記ばね支持体15を下架台側固定部品11により図6に示すように水平方向に回動可能に支持するように構成している。
【0021】
同様に、前記ばね支持体16は、略円筒状に形成されるとともに、その端面に前記上架台側固定部品12の一対の軸受片14a、14bと等間隔の突片18a、18bを前記上架台側固定部品12側に向けて上下配置に突設し、軸受片14a上に突片18aを、軸受片14b上に突片18bを各々重ねて、軸ねじ19、19を用いてこれらを軸結合し、前記ばね支持体16を上架台側固定部品12により図6に示すように水平方向に回動可能に支持するように構成している。
【0022】
前記ばね支持体15の前記突片17a、17bとは反対側には、ばね受筒部15bを突設し、また、前記ばね支持体16の前記突片18a、18bとは反対側には前記ばね受筒部15bと対向配置にばね受筒部16bを突設している。
【0023】
前記ばね受筒部15bとばね受筒部16b間に、免震・制振用のコイル状のばね(予引張ばね)20を架設している。
【0024】
すなわち、前記ばね20の筒状を呈する両端を、図4に示すように各々円環状で中空部27aを有する一対のばね固定体27に固着し、この一対のばね固定体27を前記ばね受筒部15b、ばね受筒部16bに各々装着固定することで、前記ばね支持体15、ばね支持体16間にこのばね20を架設している。
【0025】
前記ばね支持体15、ばね支持体16間に架設したばね20内には、図1、図5に示すように、振動減衰用の例えばオイルダンパー等々から構成される減衰器21を同心配置に、かつ、抜き取り可能に内装している。
【0026】
図5に示すように、前記ばね支持体15の突片17a、17b側の端面に対して、一対のL状の固定部品22、22の各一片を止めねじ23を用いて対向配置に取り付け、更に、一対のL状の固定部品22、22の他片間に前記減衰器21の一端側に設けた取付用突片21aを挟みこみ、ボルト24、ワッシャ25、ナット26を用いて着脱可能に固定している。
【0027】
また、前記ばね支持体16の突片18a、18b側の端面に対して、一対のL状の固定部品22を止めねじ23を用いて上述した場合と同様対向配置に取り付け、更に、一対のL状の固定部品22間に前記減衰器21の他端側に突出するロッド21bに設けた取付用孔部21cを挟みこみ、ボルト24、ワッシャ25、ナット26を用いて着脱可能に固定している。
【0028】
このような減衰器21の前記ばね支持体15、ばね支持体16に対する取り付け構造により、前記各ボルト24、ナット26間のねじ込み連結を解除することで、前記減衰器21の前記ばね支持体15、ばね支持体16に対する連結が解除される。
【0029】
これにより、前記減衰器21を、前記ばね20を前記ばね支持体15、ばね支持体16から取り外すことなく、前記ばね固定体27の中空部27a、ばね支持体15の中空部15a及び下架台側固定部品11の抜孔11a内を経て例えば図5に示す矢印a方向に移動させ、前記下架台側固定部品11の側方に抜き取ることができる。
【0030】
逆に、前記減衰器21を前記ばね20内で図5に示す矢印b方向に移動させ、前記ばね支持体15、ばね支持体16間の所定の位置に配置し、前記ばね支持体15、ばね支持体16に取り付けることができる。
【0031】
前記減衰器21を前記ばね支持体16の側方に抜き取る場合、及び前記ばね支持体15、ばね支持体16に取り付ける場合も、上述した場合と同様である。
【0032】
すなわち、本実施例1の一体型ばね減衰機構1によれば、ばね20を取り外すことなく減衰器21のみを引き抜くことができるので、メンテナンス性に優れるとともに、減衰器21を調整若しくは交換することによって減衰器21自体の減衰力を任意に調整することができる。
【0033】
また、上述した本実施例1の一体型ばね減衰機構1によれば、前記ばね20、減衰器21を取り付けた前記ばね支持体15、ばね支持体16が各々図6に示すように前記下架台側固定部品11、上架台側固定部品12により回動可能に支持されているので、上架台側固定部品12が例えば水平方向で、かつ、Y方向に変位する場合にも、これらばね20、減衰器21をそのY方向の変位に自在に追従させ、免震・制振作用を発揮させることができる。
【0034】
更に、上述した本実施例1の一体型ばね減衰機構1によれば、前記ばね固定体27に中空部27aを、ばね支持体15に中空部15aを、下架台側固定部品11に抜孔11aを設けて、減衰器21の収容スペースを確保し、前記ばね20内に減衰器21を同心配置に収容するようにしているので、前記ばね20、減衰器21が一体化した省スペース構造とすることができる。
【0035】
更にまた、本実施例1の一体型ばね減衰機構1によれば、ばね20の力点と減衰器21の力点とが一致する構造であることから、理想的なばね力と減衰力を発揮させることができる利点もある。
【0036】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2に係る免震制振装置31について図7を参照して説明する。
【0037】
本実施例2に係る免震制振装置31は、図7に示すように、地面又は床面上に配置される矩形状の下架台2と、この下架台2から所定間隔隔てた上部に対向配置され、例えば精密機器、機械等の免震制振対象物側に配置される矩形状の上架台3との間に前記一体型ばね減衰機構1等を複数個連結配置し、前記免震制振対象物の地震動・風振動に対する免震・制振を行うものである。
【0038】
すなわち、本実施例2に係る免震制振装置31は、前記一体型ばね減衰機構1を、前記下架台2と上架台3との間に合計8個分散配置し、かつ、前記上架台3と下架台2とのX方向、Y方向の相対変位を可能とする直交レール装置32を合計4個分散配置している。
【0039】
前記一体型ばね減衰機構1の配列は、前記下架台2と上架台3との間において、X方向に関して2個ずつ直列配置に、かつ、一定間隔を隔てて2列にわたって合計4個配列している。
また、Y方向に関しては、前記一体型ばね減衰機構1を2個ずつ直列配置に、かつ、一定間隔を隔てて2列にわたって合計4個配列している。
【0040】
これにより、合計8個の一体型ばね減衰機構1により、前記免震制振装置31を上から見たときその四隅領域を各々恰も四角形状を呈するように仕切る配置としている。
【0041】
前記直交レール装置32は、前記免震制振装置31の四隅に一つずつ合計4個配置している。また、前記下架台2と上架台3との間のX方向駆動装置32A、Y方向駆動装置32Bを配置した構成としている。
【0042】
前記直交レール装置32は、前記下架台2側に配置するY方向レール33と、上架台3側に配置するX方向レール34と、前記Y方向レール33、X方向レール34をX,Y交叉配置に、かつ、各々X,Y方向に相対変位可能に支持する交叉支持体35とを有している。
また、前記X方向駆動装置32Aは、X方向に配置したACサーボモータ41、カップリング42、ボールネジ43、Y方向に配置したリニアガイド44及び端部支持具45を具備している。
前記Y方向駆動装置32Bは、Y方向に配置したACサーボモータ41、カップリング42、ボールネジ43及X方向に配置したリニアガイド44及び端部支持具45を具備している。
【0043】
本実施例2に係る免震制振装置31によれば、実施例1で述べた一体型ばね減衰機構1を合計8個を、前記上架台3、下架台2間にX方向に4個、X方向に4個の配置で備えているので、各一体型ばね減衰機構1各々について、ばね20を取り外すことなく各々減衰器21のみを引き抜くことができ、メンテナンス性に優れるとともに、各減衰器21を調整若しくは交換することによって、免震制振装置31全体としての減衰力を任意に調整することができる。
【0044】
また、各一体型ばね減衰機構1各々について、前記ばね20、減衰器21を取り付けた前記ばね支持体15、ばね支持体16が、各々図6に示すように、前記下架台側固定部品11、上架台側固定部品12により回動可能に支持されているので、上架台3が例えば水平方向で、かつ、Y方向又はX方向に変位する場合にも、これら各ばね20、各減衰器21をそのY方向又はX方向の変位に自在に追従させて、免震制振装置31全体として免震・制振作用を効果的に発揮させることができる。
【0045】
更に、前記各一体型ばね減衰機構1が各々前記ばね固定体27に中空部27aを、ばね支持体15に中空部15aを、下架台側固定部品11に抜孔11aを設けて、減衰器21の収容スペースを確保し、前記ばね20内に減衰器21を同心配置に収容するようにしているので、個々の一体型ばね減衰機構1が省スペース構造であり、ひいては免震制振装置31全体としても省スペース構造とすることができる。
【0046】
更にまた、前記各一体型ばね減衰機構1が、ばね20の力点と減衰器21の力点とが一致する構造であることから、免震制振装置31全体としても理想的なばね力と減衰力を発揮させることができる利点もある。
【0047】
なお、図7に示す免震制振装置31の構成は一例であり、前記一体型ばね減衰機構1の配列個数、前記直交レール装置32の配列個数は図示例に限定されないことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の免震制振装置用一体型ばね減衰機構は、精密機器、機械、設備、器物、更には中軽量の建築物、構築物等における地震動・風振動に対する免震・制振作用を発揮させる省スペース型の機構として広範に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構を示す概略正面図である。
【図2】本実施例1に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構の減衰器を抜き取った状態の平面及び下架台側固定部品の側面を示す説明図である。図である。
【図3】本実施例1に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構の減衰器を抜き取った状態の正面図である。
【図4】本実施例1に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構のばね及びばね固定体を示す説明図である。
【図5】本実施例1に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構において減衰器を下架台側固定部品から側方へ抜き取る状態を示す概略図である。
【図6】本発明の実施例1に係る免震制振装置用一体型ばね減衰機構においてばね及び減衰器の回動状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例2に係る免震制振装置を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 免震制振装置用減衰機構
2 下架台
3 上架台
4 免震制振対象物
11 下架台側固定部品
11a 抜孔
12 上架台側固定部品
12a 抜孔
13a 軸受片
13b 軸受片
14a 軸受片
14b 軸受片
15 ばね支持体
15a 中空部
15b ばね受筒部
16 ばね支持体
16a 中空部
16b ばね受筒部
17a 突片
17b 突片
18a 突片
18b 突片
19 軸ねじ
20 ばね
21 減衰器
21a 取付用突片
21b ロッド
21c 取付用孔部
22 固定部品
23 止めねじ
24 ボルト
25 ワッシャ
26 ナット
27 ばね固定体
27a 中空部
31 免震制振装置
32 直交レール装置
32A X方向駆動装置
32B Y方向駆動装置
33 Y方向レール
34 X方向レール
35 交叉支持体
41 ACサーボモータ
42 カップリング
43 ボールネジ
44 リニアガイド
45 端部支持具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面又は床面上に配置される下架台と、この下架台の上部で免震制振対象物側に配置される上架台との間に連結配置され、前記免震制振対象物の免震制振を行う免震制振装置用一体型ばね減衰機構であって、
下架台から立設した抜孔を備える下架台側固定部品と、
前記上架台から下方に向けて立設した抜孔を備え前記下架台側固定部品に対して所定の間隔を隔てる配置の上架台側固定部品と、
前記下架台側固定部品と上架台側固定部品とに各々軸結合で水平方向に回動可能に取り付けた中空部を備える一対のばね支持体と、
前記一対のばね支持体に筒状を呈する両端を各々固定する状態で架設したコイル状のばねと、
このばね内に同心配置されて、一端側を一方のばね支持体に、他端を他方のばね支持体に各々着脱可能に取り付けるとともに、前記中空部及び前記抜孔を経て側方に抜き取り可能な振動減衰用の減衰器と、
を有することを特徴とする免震制振装置用一体型ばね減衰機構。
【請求項2】
地面又は床面上に配置される矩形状の下架台と、この下架台の上部で免震制振対象物側に配置される矩形状の上架台との間に連結配置され、前記免震制振対象物の免震制振を行う免震制振装置用一体型ばね減衰機構であって、
下架台から立設した水平方向の抜孔を備える下架台側固定部品と、
前記上架台から下方に向けて立設した水平方向の抜孔を備え前記下架台側固定部品に対して所定の間隔を隔てる配置の上架台側固定部品と、
前記下架台側固定部品と上架台側固定部品とに対向配置に備えた軸受片に、各々突片を軸結合して、水平方向に回動可能に取り付けた水平方向の中空部を備える一対のばね支持体と、
前記一対のばね支持体に筒状を呈する両端を各々固定する状態で架設したコイル状のばねと、
このばね内に同心配置されて、一端側を一方のばね支持体に、他端を他方のばね支持体に各々固定部品及びねじを用いて着脱可能に取り付けるとともに、前記一方のばね支持体の中空部及び前記下架台側固定部品に設けた抜孔を経て、又は前記他方のばね支持体の中空部及び前記上架台側固定部品に設けた抜孔を経て各々水平側方に抜き取り可能な振動減衰用の減衰器と、
を有することを特徴とする免震制振装置用一体型ばね減衰機構。
【請求項3】
地面又は床面上に配置される下架台と、この下架台の上部で免震制振対象物側に配置される上架台との間に配置され、前記免震制振対象物の免震制振を行う免震制振装置であって、
前記下架台から立設した抜孔を備える下架台側固定部品と、前記上架台から下方に向けて立設した抜孔を備え前記下架台側固定部品に対して所定の間隔を隔てる配置の上架台側固定部品と、前記下架台側固定部品と上架台側固定部品とに各々軸結合で水平方向に回動可能に取り付けた中空部を備える一対のばね支持体と、前記一対のばね支持体に筒状を呈する両端を各々固定する状態で架設したコイル状のばねと、このばね内に同心配置されて、一端側を一方のばね支持体に、他端を他方のばね支持体に各々着脱可能に取り付けるとともに、前記中空部及び前記抜孔を経て側方に抜き取り可能な振動減衰用の減衰器と、を有する一体型ばね減衰機構を、前記下架台と上架台との間のX方向、Y方向に各々複数個ずつ配置するとともに、
前記下架台と上架台との間に、前記上架台と下架台とのX方向、Y方向の相対変位を可能とする直交レール装置を複数個配置したこと、
を特徴とする免震制振装置。
【請求項4】
地面又は床面上に配置される矩形状の下架台と、この下架台の上部で免震制振対象物側に配置される矩形状の上架台との間に配置され、前記免震制振対象物の免震制振を行う免震制振装置であって、
下架台から立設した水平方向の抜孔を備える下架台側固定部品と、前記上架台から下方に向けて立設した水平方向の抜孔を備え前記下架台側固定部品に対して所定の間隔を隔てる配置の上架台側固定部品と、前記下架台側固定部品と上架台側固定部品とに対向配置に備えた軸受片に各々突片を軸結合して水平方向に回動可能に取り付けた水平方向の中空部を備える一対のばね支持体と、前記一対のばね支持体に筒状を呈する両端を各々固定する状態で架設したコイル状のばねと、このばね内に同心配置されて、一端側を一方のばね支持体に、他端を他方のばね支持体に各々固定部品及びねじを用いて着脱可能に取り付けるとともに、前記一方のばね支持体の中空部及び前記下架台側固定部品に設けた抜孔を経て、又は前記他方のばね支持体の中空部及び前記上架台側固定部品に設けた抜孔を経て各々水平側方に抜き取り可能な振動減衰用の減衰器と、を有する一体型ばね減衰機構を、前記下架台と上架台との間のX方向、Y方向に各々複数個ずつ配置するとともに、
前記下架台と上架台との間に、前記上架台と下架台とのX方向、Y方向の相対変位を可能とする直交レール装置を複数個配置したこと、
を特徴とする免震制振装置。
【請求項5】
地面又は床面上に配置される矩形状の下架台と、この下架台の上部で免震制振対象物側に配置される矩形状の上架台との間に配置され、前記免震制振対象物の免震制振を行う免震制振装置であって、
下架台から立設した水平方向の抜孔を備える下架台側固定部品と、前記上架台から下方に向けて立設した水平方向の抜孔を備え前記下架台側固定部品に対して所定の間隔を隔てる配置の上架台側固定部品と、前記下架台側固定部品と上架台側固定部品とに対向配置に備えた軸受片に各々突片を軸結合して水平方向に回動可能に取り付けた水平方向の中空部を備える一対のばね支持体と、前記一対のばね支持体に筒状を呈する両端を各々固定する状態で架設したコイル状のばねと、このばね内に同心配置されて、一端側を一方のばね支持体に、他端を他方のばね支持体に各々固定部品及びねじを用いて着脱可能に取り付けるとともに、前記一方のばね支持体の中空部及び前記下架台側固定部品に設けた抜孔を経て、又は前記他方のばね支持体の中空部及び前記上架台側固定部品に設けた抜孔を経て各々水平側方に抜き取り可能な振動減衰用の減衰器と、を有する一体型ばね減衰機構を、前記下架台と上架台との間のX方向配置に4個、Y方向配置に4個配置するとともに、
前記下架台と上架台との間の四箇所の隅部に前記上架台と下架台とのX方向、Y方向の相対変位を可能とする直交レール装置を合計4個配置し、前記上架台と下架台との間にX方向駆動装置、Y方向駆動装置を配置したこと、
を特徴とする免震制振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−103255(P2009−103255A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276869(P2007−276869)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(591167898)ヤクモ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】