入出力装置
【課題】本体の小型化を図りながら、大きな表示を実現するとともに、操作性を向上させた携帯電話機を提供する。
【解決手段】携帯電話機は、表示部材と、この表示部材の展開量を検出する位置検出センサと、制御部とを備える。表示部材は、タッチセンサが設けられたタッチパネル領域を有し、巻取り軸に巻回されて収納される。制御部は、表示部材の展開を検知したが、各ロック位置でのロックを検出しなかった場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。制御部は、第1ロック位置を検出した場合や第2ロック位置を検出し「操作表示部出力モード」の場合には、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS1−8)。
【解決手段】携帯電話機は、表示部材と、この表示部材の展開量を検出する位置検出センサと、制御部とを備える。表示部材は、タッチセンサが設けられたタッチパネル領域を有し、巻取り軸に巻回されて収納される。制御部は、表示部材の展開を検知したが、各ロック位置でのロックを検出しなかった場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。制御部は、第1ロック位置を検出した場合や第2ロック位置を検出し「操作表示部出力モード」の場合には、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS1−8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルなディスプレイを備えた入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、携帯電話機は、機能向上により、本来の電話機能の他に、例えば、電子メールの送受信やテレビ電話等にも用いられている。そして、静止画像データ、動画像データ等の画像通信等も可能になっている。
【0003】
このような携帯電話機では、携帯性が重視されており、装置の小型化が要求され、液晶等の表示装置も小型のものが使用されている。本来の電話機能の利用であれば、小型の表示装置でも十分であるが、画像によっては大きく表示したいというニーズもある。このような場合、ディスプレイの大型化及び装置の小型化という相反するニーズを満足させる必要がある。
【0004】
そこで、搭載した装置の操作性を損なうことなく、情報量の多い動画像等の画像データや大容量のメールデータ等を大画面で表示でき、かつ、非表示時には持ち運びが容易になるように小型化した表示装置が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この文献記載の表示装置を備えた携帯電話機は、本体の一側部に収納部が配設され、この収納部には巻取展開軸が設けられている。そして、巻取展開軸によって高分子液晶フィルム等からなる表示部をロール状に巻回して収納可能となっている。表示部は、収納部の開口部より繰り出し又は引き出して突出させ、展開可能となっている。表示制御部は、巻取展開軸を駆動制御して表示面が表示情報の表示サイズに対応する大きさとなるように表示部の展開量を制御し、表示部に情報を表示する。また、表示部の展開量に応じて表示情報の表示サイズを変更して表示する。
【特許文献1】国際公開第2004/084171号パンフレット(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話機は専用ホルダーに入れてベルトに吊るされて又はポケットやハンドバッグに入れて携行することが多く、できるだけコンパクトであることが望ましい。しかし、特許文献1のように、巻取展開可能な表示装置を備えた場合においても、本体を小型化した場合、操作ボタン等を用いた操作性が悪くなる場合がある。
【0007】
特に、携帯電話機の場合、携行することが多く、操作ボタンの誤動作防止を考慮する必要がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、本体の小型化を図りながら、大きな表示を実現するとともに、操作性を向上させた入出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、表示面を形成する可撓性を有する部材を含んで構成するとともに、表面の一部にタッチセンサを設けた表示部と、前記表示部の一端に接続され前記表示部を巻回する巻取軸部と、前記巻取軸部により巻回された表示部を収納する収納部と、前記収納部より突出して展開された前記表示部の展開量を検出する展開量検出部と、前記表示部の展開量及び前記表示面に表示する表示情報に応じて、タッチセンサ機能の無効化及び有効化の制御を行なう制御部とを備えることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の入出力装置において、前記制御部は、前記展開量検出部からの信号に基づいて第1の展開量を検出した場合に、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させ、この操作表示部に対応するタッチセンサ機能を有効化し、前記第1の展開量からずれた場合には、前記タッチセンサ機能を無効化することを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の入出力装置において、前記制御部は、更に、前記展開量検出部からの信号に基づいて前記第1の展開量よりも大きい第2の展開量を検出した場合に、表示画像を特定して前記表示部に表示するとともに、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させて、このタッチセンサ機能を有効化することを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の入出力装置において、表面に露出させたスイッチボタンと、このスイッチボタンが選択されたことを検出するスイッチ検出部とを更に備え、前記制御部は、前記第2の展開量を検出した場合に、前記スイッチ検出部の信号を取得し、この信号に応じて、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させて、このタッチセンサ機能を有効化するとともに表示画像を表示させる操作表示部出力モード処理と、前記操作表示部の表示を前記表示部から削除して、このタッチセンサ機能を無効化するとともに、前記表示画像を大きく表示する全画面表示モード処理との切替を行なうことを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の入出力装置において、音声を出力する音声出力部と、音声を入力する音声入力部と、基地局との音声に関するデータの送受信を行なうアンテナ制御部とを備えて音声と電気的信号の変換を行なう電話機能を更に備え、前記制御部は、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記スイッチ検出部の信号に応じて、前記電話機能を用いた通話の開始又は終了を実行することを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の入出力装置において、前記制御部が、前記タッチセンサ機能の有効化の制御を行なうときの前記表示部の展開量を維持するためのロック機構を更に備えたことを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の入出力装置において、前記ロック機構が解除され、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記表示部を収納させるための復元手段を更に備え、この復元手段は、前記表示部が展開されたときに伸ばされて、前記表示部を収納する方向に前記巻取軸部を回転させる復元力が発生することを要旨とする。
【0015】
(作用)
請求項1に記載の発明においては、表示部は、巻取軸部に巻回されて収納部に収納されるので、収納状態における小型化を図ることができる。また、表示を行なう場合には、表示部は展開されるので、画像を大きく表示することができる。更に、収納部より突出して展開された表示部の展開量及び表示面に表示する表示情報に応じて、制御部が、タッチセンサ機能の無効化及び有効化の制御を行なう。このため、タッチセンサ機能の信号に基づく誤動作を抑制することができ、操作性を向上させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明においては、制御部は、第1の展開量を検出した場合、タッチセンサ上に操作表示部を表示させて、かつこのタッチセンサの機能を有効化にする。このため、操作表示部のボタンを選択することで、ユーザは任意の処理を制御部に実行させるこ
とができる。また、第1の展開量からずれた場合には、操作表示部のタッチセンサ機能が無効化されるため、操作表示部が押されることによる誤動作を抑制することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明においては、制御部は、第1の展開量よりも大きい第2の展開量を検出した場合に、表示画像と操作表示部とを表示させ、この操作表示部のタッチセンサ機能を有効にする。このため、ユーザは、表示画像を見ながら、操作表示部を表示部に操作することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明においては、制御部は、スイッチ検出部の信号に応じて、操作表示部を削除し、この操作表示部の表示領域も用いて表示画像を大きく表示することができる。このため、ユーザが表示画像を拡大して閲覧したいときには、ユーザの指示に応じて拡大表示することができる。また、制御部は、スイッチ検出部の信号に応じて、操作表示部を表示する。このため、ユーザは、必要なときには操作表示部を表示させて、この操作表示部から指示を行なうことができる。
【0019】
請求項5に記載の発明においては、制御部は、表示部が展開されていないことを検出した場合には、スイッチ検出部の信号に応じて電話機能を用いて通話の開始又は終了を実行する。このため、入出力装置を携帯電話機として用いる場合、表示部が収納状態であっても、表面に露出されたスイッチを操作することにより、通話に素早く対応することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明においては、ロック機構によって展開量が維持されたときに、制御部はタッチセンサを有効にする。このため、タッチセンサ機能を用いて、ユーザの指示に応じた処理をより確実に実行することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明においては、ロック機構が解除され、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記表示部を収納させるための復元手段を更に備える。この復元手段は、表示部が展開されたときに伸ばされて、表示部を収納する方向に巻取軸部を回転させる復元力が発生する。このため、表示部を収納するために電気エネルギーを使用しないので、省電力化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、本体の小型化を図りながら、大きな表示を実現するとともに、操作性を向上させた入出力装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の入出力装置を携帯電話機に適用した場合を想定する。
図1は、本実施形態の携帯電話機10の外観図である。この図1はディスプレイを収納した状態を示している。この携帯電話機10は、全体として円柱形状をしている。この携帯電話機10は、大径のほぼ円筒形状の筐体を有する本体部11と、小径のほぼ円筒形状の筐体を有するバネ収容部12とを備えている。
【0024】
本体部11の側面の一端にはスピーカ13、他端にはマイク14が配置されている。本実施形態では、本体部11において、スピーカ13はバネ収容部12側の端部、マイク14はその他端部に設けられており、公知の携帯電話機におけるスピーカとマイクとの距離程度離れている。
【0025】
本体部11の側面には、スイッチボタン15が配置されている。このスイッチボタン15は、マイク14の反対側の側面位置に設けられている。
図2は本実施形態の携帯電話機10の側面から見た断面図、図3は携帯電話機10の本体部11の下面から見た断面図である。
【0026】
図2に示すように、マイク14の近傍には、イヤホンジャック16が設けられている。上述したスピーカ13、マイク14、スイッチボタン15及びイヤホンジャック16は、フレキシブル基板17に形成された配線に接続されている。
【0027】
このフレキシブル基板17は、支持部材(図示せず)により、図3に示すように、本体部11の筐体に沿うように湾曲した状態で支持されている。フレキシブル基板17には、ICチップ17aが設けられており、後述する携帯電話機10の制御機能を実現するための配線が設けられている。
【0028】
フレキシブル基板17の配線は、本体部11内に設けられた電源部18(図2)に接続される。この電源部18は、フレキシブル基板17に囲まれるように配置されている。この電源部18の充電端子は、本体部11の端面に露出しており、外部の充電器に接続して充電することができるようになっている。
【0029】
更に、フレキシブル基板17には、アンテナ19が設けられている。アンテナ19は、公知の携帯電話機のアンテナと同様に、通信キャリアの基地局と通信を行なうために利用される。更に、フレキシブル基板17には、図3に示すように、展開量検出部としての位置検出センサ20が設けられている。この位置検出センサ20は、後述する表示部材30の引き出し状態(展開状態)を検出する。
【0030】
本体部11とバネ収容部12の中心軸には巻取り軸22が設けられている。巻取り軸22の一端部は、フレキシブル基板17の内側のベアリング21により回転可能に支持されている。そして、巻取り軸22の他端部は、本体部11から突出して、バネ収容部12内のベアリング21によって回転可能に支持されている。
【0031】
バネ収容部12には、復元手段としてのつる巻きバネ26が収容されている。このつる巻きバネ26の一端部は、巻取軸部としての巻取り軸22に固着されている。このため、巻取り軸22が一方向に回転するとつる巻きバネ26を引き伸ばす。これにより、つる巻きバネ26は、巻取り軸22を反対方向に巻き戻す復元力を発生する。
【0032】
巻取り軸22には、表示部としての表示部材30の一端が接続されている。この表示部材30は、可撓性のある材質で構成されている。表示部材30は、巻取り軸22に巻回されて収納状態で本体部11の筐体(収納部)に収容され、図3に示すように、本体部11の開口部から引き出されて外部に展開可能となっている。
【0033】
図4は、表示部材30の全体図である。この表示部材30の一端部には、表示部材30の厚みより厚いツマミ部31が取り付けられている。このツマミ部31を掴んで表示部材30を本体部11の筐体から引き出して展開することができる。
【0034】
更に、表示部材30には、巻取り軸22に取り付けられる固着領域と、画像を表示する表示領域32とが形成されている。
表示領域32は、可撓性のあるフレキシブルディスプレイを用いる。本実施形態では、フレキシブル液晶ディスプレイを用いて実現する。この表示領域32には、タッチパネル領域33と大画面領域34とが設けられている。大画面領域34は、後述する操作表示部とともに画像を表示する大画面表示の場合に画像が表示される。
【0035】
タッチパネル領域33には、タッチセンサが設けられている。このタッチセンサは、タ
ッチパネル領域33に出力される操作表示部の操作ボタンの配置に対応している。この操作表示部には、メニュー画面や電話番号などを表示する小画面と、各種操作ボタンとが含まれる。ここで、各種操作ボタンには、電話機能や電子メール機能などの機能を切り替えるためのモード切替ボタン、選択ボタン、通話ボタン、通話終了ボタン及び番号ボタン等がある。
【0036】
タッチパネル領域33の操作表示部の横幅は、本体部11の外周の長さに一致するように構成されている。これにより、後述するように、操作表示部を本体部11に巻き付けて操作することができる。
【0037】
図5は、表示部材30の表示領域32の反対側の面を示した図である。図5に示すように、表示部材30の表示領域32とは反対側の面には、連続した縞状パターンが形成されたマーカー部35が設けられている。このマーカー部35の縞状パターンを位置検出センサ20が計数することにより、表示部材30の展開状態を判断する。ここで、本体部11における表示部材30の引き出し口から位置検出センサ20までの距離を「L3」とした場合、ツマミ部31から距離L3の位置のマーカー部35は、位置検出センサ20が表示部材30の完全収納を検知する始点検出領域350として機能する。
【0038】
更に、タッチパネル領域33から距離L3の位置のマーカー部35は、位置検出センサ20がタッチパネル領域33の引き出しを検知する第1位置検出領域351として機能する。また、表示領域32から距離L3の位置のマーカー部35は、位置検出センサ20が全面引き出しを検知する第2位置検出領域352として機能する。
【0039】
更に、本体部11には、第1ロック位置及び第2ロック位置に引き出された(展開された)表示部材30の各展開量を維持するためのロック機構(図示せず)が設けられている。このロック機構としては、公知のワンウェイクラッチ機構やラチェット機構などを用いることができる。本実施形態のロック機構では、表示部材30の引き出し方向に少し引っ張ることにより、ロックを解除する。
【0040】
次に、本実施形態の携帯電話機10の制御機能の構成について図6を用いて説明する。
携帯電話機10は、ICチップ17a内に制御部100を備える。この制御部100は、マイク制御部140、スピーカ制御部130、イヤホン出力部160、スイッチ信号入力部150、アンテナ制御部190、位置検出センサ20、表示制御部320及びタッチセンサ信号入力部330に接続されている。
【0041】
制御部100は、公知の携帯電話機に備えられているメール機能や電話機能などを備えている。このメール機能を用いることにより、電子メールの閲覧処理や電子メールの作成処理等を実行する。また、電話機能を用いることにより、他の電話機との通話処理を実行する。
【0042】
この制御部100は、スイッチ信号入力部150、位置検出センサ20、表示制御部320及びタッチセンサ信号入力部330からの各種信号を取得し、この信号に基づいて後述する各種処理を実行する。
【0043】
マイク制御部140は、音声入力部として機能し、マイク14の音声入力を電気的信号に変換して制御部100に供給する。スピーカ制御部130は、スピーカ13の音声出力を制御する。イヤホン出力部160は、イヤホンジャック16にイヤホンが接続された場合に、イヤホンへの音声出力を制御する。これらスピーカ制御部130及びイヤホン出力部160が音声出力部として機能する。
【0044】
スイッチ信号入力部150は、スイッチ検出部として機能し、スイッチボタン15の押下を検出し、この検出信号(スイッチボタン押下検出信号)を制御部100に供給する。
アンテナ制御部190は、アンテナ19を介して、制御部100と基地局との通信を制御する。
【0045】
位置検出センサ20は、表示部材30の展開量を検出する信号を制御部100に供給する。この位置検出センサ20からの検出信号に基づいて展開量が連続的に変化した場合には、制御部100は、表示部材30の動き(展開)を検知する。位置検出センサが始点検出領域350の位置を所定時間検出した場合には、制御部100は、表示部材30が始点ロック位置にあること(始点ロック位置)を検出する。なお、この始点ロック位置において表示部材30は展開しておらず、展開量は「0」である。また、マーカー部35の縞状パターン(通過した縞の数)に基づいて位置検出センサ20が第1位置検出領域351の位置を所定時間検出した場合には、表示部材30が第1ロック位置にあること(第1ロック位置)を制御部100は検出する。この第1ロック位置における表示部材30の展開量が第1の展開量となる。更に、マーカー部35の縞状パターンに基づいて位置検出センサ20が第2位置検出領域352の位置を所定時間検出した場合には、表示部材30が第2ロック位置にあること(第2ロック位置)を制御部100は検出する。この第2ロック位置における表示部材30の展開量が、第1の展開量よりも大きい第2の展開量となる。
【0046】
表示制御部320は、表示領域32に表示する画像を制御する。
タッチセンサ信号入力部330は、タッチパネル領域33において押下された位置を検出し、この信号を制御部100に供給する。制御部100は、タッチセンサ機能が有効なときには、タッチパネル領域33に表示された操作表示部において選択されたボタンを特定するための信号を取得し、この信号に応じた操作処理を実行する。操作処理は、公知の携帯電話機における処理と同様に、押下された各種ボタンに対応して実行される処理である。例えば、メール選択ボタンが選択された場合にはメール閲覧処理を行ない、通話ボタンと番号ボタンが選択された場合には、電話の発信処理を行なう。
【0047】
(ロック位置検出処理)
次に、携帯電話機10の制御部100におけるロック位置検出処理における制御について、図7に基づいて説明する。この処理は、位置検出センサ20が、マーカー部35の縞状パターンにより表示部材30の展開を検知した場合に実行を開始し、各ロック位置でロックされるまで継続される。
【0048】
制御部100が、表示部材30の展開を検知したが、各ロック位置でのロックを検出しなかった場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から供給される信号を無視する。
【0049】
そして、位置検出センサ20からの信号に基づいて、制御部100は、始点ロック位置、第1ロック位置又は第2ロック位置のいずれかで表示部材30の停止(ロック)を検知する(ステップS1−1において「YES」)。
【0050】
始点ロック位置を検出した場合(ステップS1−3において「YES」の場合)には、制御部100は、受話モードの処理を実行する(ステップS1−4)。この受話モードでは、制御部100は、表示領域32に表示した画像をすべて消去する。そして、後述するように、制御部100は、スイッチボタン15による受話制御を行なう。
【0051】
一方、第1ロック位置を検出した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、制御部100は、スイッチボタン15の無効化処理を実行する(ステップS1−6
)。具体的には、制御部100は、スイッチ信号入力部150から供給されるスイッチボタン押下検出信号を無視する。
【0052】
次に、制御部100は、操作表示部の出力処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部100は、表示領域32のタッチパネル領域33に操作表示部を表示する。なお、この場合には、制御部100は、大画面領域34における画像表示を行なわない。
【0053】
そして、制御部100は、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から供給される信号を受入可能状態にする。そして、制御部100は、この信号に基づいて、操作表示部において選択されたボタンを特定し、このボタンに対応する操作処理を実行する。
【0054】
一方、第2ロック位置を検出した場合(ステップS1−5において「NO」の場合)には、制御部100は、表示切替モードの処理を実行する(ステップS1−9)。この表示切替モードでは、後述するように、制御部100は、スイッチボタン15を用いて表示領域32における表示画面の切替制御を行なう。
【0055】
(受話モード処理)
次に、始点ロック位置における受話モード処理(ステップS1−4)について、図8を用いて説明する。この受話モード処理は、図1に示すように表示部材30が収納されて本体部11からスイッチボタン15のみが露出している状態で行なわれる。
【0056】
この場合、制御部100は、まず、スイッチボタン15の有効化処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部100は、スイッチ信号入力部150から供給されたスイッチボタン押下検出信号を受入可能な状態にする。これにより、スイッチボタン15は、通常の電話機におけるフックボタンとして機能する。
【0057】
そして、制御部100は、スイッチボタン15の押下を待機する(ステップS2−2において「NO」)。
スイッチ信号入力部150からスイッチボタン押下検出信号を取得することにより、スイッチボタン15の押下を検知した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)の処理を説明する。この処理は、他の電話機からのコールを「呼出中」の場合と、他の電話機との間で「通話中」の場合とで異なる。
【0058】
電話機能において「呼出中」の場合(ステップS2−3において「YES」の場合)には、制御部100は、通話の開始処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、公知の電話機能を用いて、他の電話機からの着呼に対して応答を行なって通話処理を開始する。
【0059】
一方、電話機能において「通話中」の場合(ステップS2−3において「NO」、ステップS2−5において「YES」の場合)には、制御部100は通話の終了処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、携帯電話機10から発呼を行なっている場合には、この通話の切断処理を行なう。そして、スイッチボタン15の押下の待機状態に戻る(ステップS2−2において「NO」)。
【0060】
(表示切替モード処理)
次に、第2ロック位置における表示切替モード処理(ステップS1−9)について、図9を用いて説明する。この表示切替モード処理は、表示部材30が第2ロック位置まで引き出された状態で行なわれる。
【0061】
まず、制御部100は、タッチパネル領域33に操作表示部を表示し、このタッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部100は、タッチパネル領域33からの信号を受取可能状態にする。そして、制御部100は、この信号に基づいて、操作表示部において選択されたボタンを特定し、このボタンに対応する操作処理を実行する。
【0062】
次に、制御部100は、表示する画像の有無を判断する(ステップS3−2)。具体的には、制御部100は、電話機能を利用している場合には、テレビ電話機能の利用状態により判断する。一方、電子メール機能を利用している場合には、閲覧している電子メールについての添付画像の有無により判断する。
【0063】
通常の電話機能が利用されている場合や、閲覧している電子メールに添付画像がない場合には、制御部100は、表示する画像がないと判断する。この場合(ステップS3−2において「NO」の場合)、制御部100は、表示切替モード処理を終了する。この場合には、表示領域32の大画面領域34は利用せずに、タッチパネル領域33における操作表示部の出力やタッチセンサ機能を維持する。
【0064】
一方、テレビ電話機能が利用されている場合や、閲覧している電子メールに添付画像がある場合には、制御部100は、表示する画像があると判断して、テレビ電話画像やメール添付画像を取得する。この場合(ステップS3−2において「YES」の場合)、制御部100は、大画面表示処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部100は、タッチパネル領域33における操作表示部の出力やタッチセンサ機能を維持するとともに、取得した画像(テレビ電話画像やメール添付画像)を表示領域32の大画面領域34に表示する。
【0065】
次に、制御部100は、スイッチボタン15の有効化処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部100は、スイッチ信号入力部150から供給されるスイッチボタン押下検出信号を受取可能状態にする。そして、スイッチ信号入力部150から供給されるスイッチボタン押下検出信号の待機を行なう(ステップS3−5において「NO」)。
【0066】
スイッチボタン押下検出信号によりスイッチボタン15の押下を検出した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、制御部100は表示領域32の表示モードの切替を実行する。本実施形態では、表示モードとして、操作表示部を出力する「操作表示部出力モード」と、画像を表示領域32全体に出力する「全面表示モード」とがある。なお、表示モードの初期状態では、上述したように、操作表示部を出力される「操作表示部出力モード」となっている。
【0067】
スイッチボタン15の押下を検出したときに、「操作表示部出力モード」になっている場合(ステップS3−6において「YES」の場合)には、制御部100は、全画面表示処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部100は、操作表示部の出力を停止し、画像を表示領域32全体に表示する。
【0068】
そして、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から供給される信号を無視する。これにより、「全面表示モード」となる。そして、スイッチボタン押下検出信号の待機状態に戻る(ステップS3−5において「NO」)。
【0069】
一方、スイッチボタン15の押下を検出したときに、「全面表示モード」になっている
場合(ステップS3−6において「NO」の場合)には、制御部100は、大画面表示処理を実行する(ステップS3−9)。具体的には、制御部100は、タッチパネル領域33に操作表示部を出力し、表示領域32全体に表示していた画像を大画面領域34に出力する。
【0070】
そして、制御部100は、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−10)。具体的には、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から供給される信号を受入可能状態にする。そして、制御部100は、この信号に基づいて、操作表示部において選択されたボタンを特定し、このボタンに対応する操作処理を実行する。これにより、「操作表示部出力モード」となる。そして、スイッチボタン押下検出信号の待機状態に戻る(ステップS3−5において「NO」)。
【0071】
そして、表示切換モード処理においては、制御部100は、スイッチ信号入力部150から供給されるスイッチボタン押下検出信号を取得することにより、スイッチボタン15の押下の検出する度に、上述の表示モードの切替を繰り返す。
【0072】
次に、以上のような構成を有する携帯電話機10の操作手順について説明する。ここでは、電話とメールにおける操作手順を分けて説明する。なお、電話とメールを受ける場合において、音やLED表示などによって電話とメールとを区別できる。
【0073】
(電話の着呼における操作手順)
通常、携帯電話機10は、図1に示すように、表示部材30が本体部11に収納された収納状態になっている。このため、上述したロック位置検出処理における始点ロック位置の検出により、制御部100は受話モード処理を実行している(ステップS1−4)。
【0074】
収納状態において、携帯電話機10が基地局から着呼を受けた場合には、制御部100は、電話機能を用いて呼出を行なう。この呼出にユーザが対応する場合には、スイッチボタン15を押下する。呼出中にスイッチボタン15が押下された場合、スイッチ信号入力部150はスイッチボタン15の押下信号を制御部100に供給する。この場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、制御部100は通話の開始処理を実行する(ステップS2−4)。従って、ユーザは、着呼を受けて相手と通話を行なうことができる。
【0075】
ユーザが通話を終了する場合には、再びスイッチボタン15を押下する。通話中にスイッチボタン15が押下された場合にも、スイッチ信号入力部150は、スイッチボタン15の押下信号を制御部100に供給する。この場合(ステップS2−3において「NO」、ステップS2−5において「YES」の場合)には、制御部100は通話の終了処理を実行する(ステップS2−6)。
【0076】
次に、電話の着呼における他の操作手順を説明する。具体的には、操作表示部を用いて着呼を受ける操作手順を説明する。
呼出があった場合、ユーザは、ツマミ部31を掴んで表示部材30を引き出す。この場合、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0077】
そして、図10の左側に示すように、タッチパネル領域33が露出するまで、表示部材30を引き出して停止する。この場合、第1ロック位置においてロック機構が作用して、タッチパネル領域33が露出した状態を維持する。
【0078】
この場合、位置検出センサ20が第1位置検出領域351を検出し、制御部100は第
1ロック位置を検知する(ステップS1−5において「YES」)。これにより、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理を実行する(ステップS1−6)。そして、制御部100は、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0079】
そして、図10の右側に示すように、露出したタッチパネル領域33を本体部11の外周に巻き付ける。この場合、操作表示部は本体部11に固定した状態で各種ボタンを選択することができる。
【0080】
ここで、ユーザが操作表示部の通話ボタンを選択した場合、タッチセンサ信号入力部330は、通話ボタンの選択信号を制御部100に供給する。そして、制御部100は、この信号に応じて通話の開始処理を実行する。これにより、ユーザは、着呼を受けて相手と通話を行なうことができる。
【0081】
その後、ユーザが操作表示部に表示された通話終了ボタンを選択した場合、タッチセンサ信号入力部330は、通話終了ボタンの選択信号を制御部100に供給する。そして、制御部100は、この信号に応じて通話の終了処理を実行する。これにより、ユーザは、相手との通話を終了する。
【0082】
表示部材30を本体部11の筐体に収納する場合には、ツマミ部31を掴んで表示部材30を少し引き出す。この場合、ロック機構が解除され、つる巻きバネ26の復元力によって表示部材30は巻き戻される。このとき、制御部100は、再び、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0083】
その後、表示部材30が完全に本体部11に収納されると、携帯電話機10は図1に示す収納状態に戻る。このとき、制御部100は、位置検出センサ20の信号に基づいて始点ロック位置を検出するので(ステップS1−3において「YES」)、再び受話モードとなる(ステップS1−6)。
【0084】
(テレビ電話機能の着呼における操作手順)
次に、テレビ電話機能の操作手順について説明する。通話処理においてテレビ電話画像が付加される。この場合には、ユーザは、表示部材30を引き出して着呼を受ける。具体的には、呼出中に、タッチパネル領域33が露出する位置まで表示部材30を引き出す。この場合、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。そして、位置検出センサ20の信号に基づいて第1ロック位置を検出した場合、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理(ステップS1−6)、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。この状態で、操作表示部の通話ボタンを選択することにより通話を行なうことができる。
【0085】
更に、テレビ電話画像を閲覧する場合には、ツマミ部31を掴んで、更に表示部材30を引き出す。この場合にも、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0086】
そして、図11に示すように、表示領域32がすべて露出した位置において引き出しを
停止する。この場合、ロック機構が作用して、表示領域32がすべて露出した状態を維持する。
【0087】
この場合、位置検出センサ20の信号に基づいて制御部100は第2ロック位置を検出する(ステップS1−5において「NO」)。これにより、制御部100は表示切替モード(ステップS1−9)になる。そして、制御部100は、操作表示部を表示しタッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−1)。
【0088】
ここで、テレビ電話機能を利用している場合、制御部100は、テレビ電話画像を取得し(ステップS3−2において「YES」)、大画面表示処理を実行する(ステップS3−3)。これにより、図11に示すようにテレビ電話画像が表示領域32の大画面領域34に表示される。この場合には、タッチパネル領域33には操作表示部の出力が維持される。そして、制御部100は、スイッチボタン15の有効化処理を実行する(ステップS3−4)。
【0089】
この状態で、スイッチボタン15が押された場合、スイッチ信号入力部150は、スイッチボタン15の押下信号を制御部100に供給する。制御部100がスイッチボタンの押下を検出した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)に、「操作表示部出力モード」にある(ステップS3−6において「YES」)ので、制御部100は操作表示部の出力を停止し、大画面領域34に表示していた画像を、図12に示すように全画面に表示する(ステップS3−7)。そして、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS3−8)。
【0090】
この状態で、再び、スイッチボタンが押された場合、制御部100は、スイッチボタンの押下を検出する(ステップS3−5において「YES」)。この場合には、「全画面表示モード」にある(ステップS3−6において「NO」)ので、制御部100は、操作表示部をタッチパネル領域33に出力し、全画面表示していた画像を大画面領域34に表示する(ステップS3−9)。そして、制御部100は、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−10)。
【0091】
操作表示部をタッチパネル領域33に出力した状態で通話を終了させる場合には、操作表示部の通話終了ボタンを押下する。この場合、タッチセンサ信号入力部330は、通話終了ボタンの選択信号を制御部100に供給し、制御部100は、この信号に応じて通話の終了処理を実行する。
【0092】
そして、表示部材30を本体部11に収納する場合には、ツマミ部31を掴んで表示部材30を少し引き出す。この場合、ロック機構が解除され、つる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30は巻き戻される。このとき、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0093】
その後、第1ロック位置でロックさせた場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、第1ロック位置を検出した制御部100は、スイッチボタンの無効化処理(ステップS1−6)、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0094】
一方、第1ロック位置でロックさせずに、表示部材30を完全に本体部11に収納させた場合、携帯電話機10は図1に示す収納状態に戻る(ステップS1−3において「YES」)。この場合には、制御部100は、始点ロック位置を検出し、再び受話モード(ス
テップS1−4)に戻る。
【0095】
(メール受信における操作手順)
次に、メールを受信した場合における操作手順について説明する。メールを閲覧する場合、まず、収納状態から、タッチパネル領域33が露出するまで表示部材30を引き出す。この場合、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。そして、第1ロック位置を検出した場合、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理(ステップS1−6)、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0096】
この状態で、操作表示部のモード切替ボタンを用いてメール閲覧モードを選択し、更に選択ボタンを用いて閲覧する電子メールを選択する。これにより、制御部100は、公知のメール閲覧処理と同様に、タッチパネル領域33の小画面に、選択された電子メールの内容を表示する。
【0097】
ここで、閲覧するメールに添付画像がある場合、ユーザは、ツマミ部31を掴んで、更に表示部材30を更に引き出す。この場合にも、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0098】
そして、図11に示すように、表示領域32がすべて露出した位置において引き出しを停止する。この場合、ロック機構が作用して、表示領域32がすべて露出した状態を維持する。この場合、位置検出センサ20に基づいて制御部100は第2ロック位置を検出する(ステップS1−5において「NO」)。これにより、制御部100は表示切替モード(ステップS1−9)になる。そして、制御部100は、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−1)。
【0099】
ここで、選択された電子メールに添付画像がある場合(ステップS3−2において「YES」)、制御部100は、大画面表示処理を実行する(ステップS3−3)。これにより、図11に示すように電子メールの添付画像が表示領域32の大画面領域34に表示される。この場合には、タッチパネル領域33には操作表示部の出力が維持される。そして、制御部100は、スイッチボタン15の有効化処理を実行する(ステップS3−4)
この状態で、ユーザがスイッチボタン15を押下すると、制御部100は、上述したように「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を繰り返す(ステップS3−5〜S3−10)。
【0100】
そして、添付画像の閲覧を終了する場合には、ツマミ部31を掴んで表示部材30を少し引き出す。この場合、ロック機構が解除され、つる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30は巻き戻される。このとき、制御部100は、再び、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0101】
その後、第1ロック位置で停止した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、第1ロック位置を検出した制御部100は、スイッチボタンの無効化処理(ステップS1−6)、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0102】
一方、第1ロック位置でロックさせずに、表示部材30を完全に本体部11に収納させた場合、携帯電話機10は図1に示す収納状態に戻る(ステップS1−3において「YES」)。この場合には、制御部100は、始点ロック位置を検出し、再び受話モード(ステップS1−4)に戻る。
【0103】
(電話の発呼における操作手順)
次に、電話をかける場合の操作手順について説明する。
まず、ユーザは、ツマミ部31を掴んでタッチパネル領域33が露出する位置まで表示部材30を引き出す。この場合も、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0104】
そして、タッチパネル領域33が露出するまで、表示部材30を引き出して停止する。この場合、第1ロック位置においてロック機構が作用して、タッチパネル領域33が露出した状態を維持する。
【0105】
この場合、位置検出センサ20が第1位置検出領域351を検出し、制御部100は第1ロック位置を検出する(ステップS1−5において「YES」)。これにより、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理を実行する(ステップS1−6)。そして、制御部100は、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0106】
この状態で、番号ボタンを順次押下して電話番号を入力し、操作表示部の通話ボタンを選択する。これにより、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から選択ボタン信号を取得して発呼処理を行なう。
【0107】
この場合、テレビ電話機能を利用しての通話を行なう場合には、テレビ電話画像を閲覧するために、テレビ電話受信における操作手順と同様に、更に表示部材30を引き出して表示切替モード(ステップS1−9)にする。この状態で、ユーザがスイッチボタン15を押下すると、制御部100は、上述したように「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を繰り返す(ステップS3−5〜S3−10)。
その後、通話を終了する場合にも、テレビ電話受信における操作手順と同様に、ロック機構を解除し、つる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30を巻き戻す。
【0108】
(メール発信における操作手順)
次に、メールを作成する場合における処理手順について説明する。この場合も、電話の発呼における操作手順と同様に行なう。
【0109】
具体的には、ツマミ部31を掴んでタッチパネル領域33が露出する位置まで表示部材30を引き出す。この場合も、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0110】
そして、タッチパネル領域33が露出するまで、表示部材30を引き出して停止する。この場合、第1ロック位置においてロック機構が作用して、タッチパネル領域33が露出した状態を維持する。
【0111】
この場合、位置検出センサ20が第1位置検出領域351を検出し、制御部100は第1ロック位置を検出する(ステップS1−5において「YES」)。これにより、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理を実行する(ステップS1−6)。そして、制御部100は、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0112】
この状態で、操作表示部のメール作成ボタンを選択する。更に、操作表示部に表示されたボタンを用いて電子メールの文字を入力する。これにより、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から選択ボタン信号を取得して、入力された文字をタッチパネル領域33の小画面に表示する。
【0113】
この場合、画像をメールに添付することもできる。ここで、添付した画像を閲覧する場合には、メール受信における操作手順と同様に、更に表示部材30を引き出して表示切替モード(ステップS1−9)にする。このとき、制御部100は、作成している電子メールの添付画像を大画面領域34に表示する(ステップS3−3)。この状態で、ユーザがスイッチボタン15を押下すると、制御部100は、上述したように「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を繰り返す(ステップS3−5〜S3−10)。そして、電子メールの作成を完了した場合には、操作表示部に表示されたボタンを用いて電子メールの送信を指示する。これにより、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から選択ボタン信号を取得して、電子メールを送信する。
【0114】
その後、電子メールの送信を終了する場合にも、テレビ電話受信における操作手順と同様に、ロック機構を解除し、つる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30を巻き戻す。
【0115】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、巻取り軸22に巻回されて収納される表示部材30を備える。携帯電話機10の制御部100は、第2ロック位置において、表示する画像がある場合(ステップS3−2において「YES」の場合)には、大画面表示処理を実行する(ステップS3−3)。このため、ユーザは、操作表示部の小画面よりも大きい画面で、テレビ画像やメールの添付画像を見ることができる。従って、表示部材30に大きな表示が可能になるとともに、収納状態において小型化を図ることができる携帯電話機10とすることができる。
【0116】
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、タッチパネル領域33を有する表示部材30と、この表示部材30の展開量を検出する位置検出センサ20と、タッチパネル領域33のタッチセンサ機能の無効化及び有効化を制御する制御部100とを備える。制御部100は、表示部材30の展開を検知したが、各ロック位置でのロックを検出しなかった場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。このため、表示部材30を引き出しているときには、制御部100はタッチセンサからの信号に基づいて処理を行なわないため、誤動作を抑制することができる。従って、操作性を向上することができる。
【0117】
・ 本実施形態では、第1ロック位置を検出した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、制御部100は、操作表示部の出力処理を実行し(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS1−8)。また、制御部100は、タッチパネル領域33に操作表示部を表示し、このタッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−1)。更に、スイッチボタン15の押下を検出したときに、「全面表示モード」になっている場合(ステップS3−6において「NO」の場合)には、制御部100は、大画面表示処理を実行し(ステップS3−9)、タッチセンサ機能
の有効化処理を実行する(ステップS3−10)。このように、ユーザの操作によって第1又は第2ロック位置に表示部材30を展開して、タッチパネル領域33に操作表示部が表示された場合にのみ、タッチセンサ機能を有効にする。そして、制御部100は、それ以外のときにはタッチセンサ機能を無効にするため、誤動作をよりいっそう抑制することができる。
【0118】
・ 本実施形態では、第2ロック位置における表示切替モード処理(ステップS1−9)において、スイッチボタン15の押下を検出した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、制御部100は表示領域32の表示モードの切替を実行する。このため、画像を拡大して閲覧したい場合には、操作表示部を削除して、画像を表示領域32全体に出力する。また、操作表示部を用いて処理を行ないたいときには、簡単な操作で、操作表示部を表示させることができる。
【0119】
・ 本実施形態では、始点ロック位置を検出した場合(ステップS1−3において「YES」の場合)には、制御部100は、受話モードの処理を実行する(ステップS1−4)。この通話モードにおいて、スイッチボタンの押下を検出した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)には、制御部100は、「呼出中」であれば通話の開始処理を実行し(ステップS2−4)、「通話中」であれば通話の終了処理を実行する(ステップS2−6)。このため、表示部材30が収納状態であっても、通話に素早く対応することができる。
【0120】
・ 本実施形態では、タッチパネル領域33の操作表示部の横幅は、本体部11の外周の長さに一致するように構成されている。これにより、露出したタッチパネル領域33を本体部11の外周に巻き付けて操作することができる。
【0121】
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、第1ロック位置及び第2ロック位置に引き出された表示部材30の各展開量を維持するためのロック機構(図示せず)が設けられている。このため、ユーザは第1ロック位置及び第2ロック位置において表示された操作表示部をより確実に選択することができるので、ユーザの指示に応じた処理をより確実に実行することができる。
【0122】
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、つる巻きバネ26を有する。このつる巻きバネ26は、巻取り軸22に固着され、巻取り軸22が一方向に回転すると引き伸ばされて、巻取り軸22を反対方向に巻き戻す復元力を発生する。このため、ユーザが表示部材30を引き出すことを停止し、かつロック機構が解除された場合には、このつる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30を収納させる。従って、展開した表示部材30を収納するために電気的エネルギーを使用しないので、省電力化を図ることができる。
【0123】
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、本体部11の筐体の外周には、音声以外の入力部としてスイッチボタン15だけを設けた。このため、外周に露出するボタンを極力少なくできるので、誤動作をいっそう抑制することができる。
【0124】
・ 本実施形態では、制御部100は、第1ロック位置を検出した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、スイッチボタン15の無効化処理を実行する(ステップS1−6)。第1ロック位置においてスイッチボタン15に基づく処理を制御部100は行なわないため、第1ロック位置におけるスイッチボタン15に基づく誤動作を抑制することができる。
【0125】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、制御部100は、受話モードの場合、スイッチボタン1
5の押下の検出に基づいて、通話の開始(ステップS2−4)及び通話の終了(ステップS2−6)を行なった。また、制御部100は、表示切替モードの場合、スイッチボタン15の押下の検出に基づいて、「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を行なった。このような機能を行なう操作入力部はスイッチボタンに限られない。例えば、図13に示すように、本体部11の筐体に内蔵した加速度センサ200を用いてもよい。例えば、加速度センサ200が所定回数の振動を検出した場合に、制御部100が所定の処理を実行することで、「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を行なってもよい。この場合、例えば指を怪我している場合などボタンを押せない場合であっても、携帯電話機10を所定回数、振ることにより、ユーザは所望の指示を行なえる。
【0126】
○ 上記実施形態においては、受話モードにおける通話の開始と終了のスイッチボタンと、表示切替モードにおける「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を行なったスイッチボタン15を共通化した。これに限らず、図14に示すように、スイッチボタン15以外にスイッチボタン300をも設けてもよい。この場合、スイッチボタン15,300を、同じモードにおいて異なる機能を実行するボタンとして機能させてもよいし、モード毎に専用で使用するボタンとして機能させてもよい。更に、制御部100は、スイッチボタン300の押下の信号を受けたときには、表示切替モードにおいて、表示画面の大きさを変更してもよい。DVD映像規格においては、アスペクト比が4:3のスタンダードサイズと、アスペクト比が16:9のワイドサイズがあるので、スイッチボタンの押下に応じて、画像の大きさを変更して、表示する画像の大きさにより適した表示を行なってもよい。
【0127】
○ 上記実施形態においては、図1の携帯電話機10のスイッチボタン15は、表示部材30の下方に設けた。これに限らず、スイッチボタン15は、例えば、表示部材30の上方など、表示部材30が展開されてもスイッチボタン300の操作をスムーズに行なえる位置であればよい。
【0128】
○ 上記実施形態においては、図1の携帯電話機10は、円柱形状としたが、形状はこれに限られない。例えば、図15に示すように断面がほぼ四角い形状や、図16に示すように断面が楕円形となる形状にしてもよい。後者の場合には、表示部材30を展開する方向の寸法Bを、寸法Aよりも長くすることにより、携帯電話機10が持ち易くなるので、操作表示部の操作を安定して行なうことができる。
【0129】
○ 上記実施形態においては、表示部材30の一部を、タッチセンサが設けられたタッチパネル領域33とした。タッチセンサが設けられるタッチパネル領域はこれに限られない。例えば、操作表示部の小画面を除いた領域のみをタッチパネル領域としてもよい。また、表示部材30の表示領域32全体をタッチパネル領域としてもよい。この場合、制御部100が第2ロック位置を検出した場合には、操作表示部を、ツマミ部31の反対側(本体部11側)に表示させてもよい。更に、操作表示部の指示に応じて、タッチセンサが設けられた表示領域32にキーボードを表示させてもよい。これにより、ユーザは、メール作成の文字入力を迅速に行なうことが可能になる。
【0130】
○ 上記実施形態においては、携帯電話機10は、図10や図11に示すように、右側に表示部材30を引き出す構成について説明した。これに限らず、左側に引き出す構成としてもよい。この場合、携帯電話機10に上下を判断するセンサを設ける。制御部100は、このセンサの信号に応じて、左側に引き出された場合には、右側に引き出した画像の上下反転画像を、表示領域32に表示させる。これにより、左手が利き手であっても、利便性を向上させることができる。
【0131】
○ 上記実施形態においては、制御部100は、表示部材30が第1ロック位置に展開
されたときに、スイッチボタンの無効化処理を実行した(ステップS1−6)。これに代えて、制御部100は、ロック位置でのロックを検知しなかった場合(ステップS1−1において「NO」の場合)に、スイッチボタンの無効化を実行してもよい。これにより、表示部材30が展開している場合(ステップS1−1において「NO」の場合)に、ユーザがスイッチボタンを誤って押下しても、それに対応する処理を制御部100は実行しない。従って、誤動作をいっそう抑制することができる。
【0132】
○ 上記実施形態においては、表示部材30を収納させるための機構は、つる巻きバネ26に限られない。例えば、制御部100によって巻取り軸22の回転を制御することによって行なってもよい。この場合、更に、制御部100が、巻取り軸22の回転量を制御して、その回転を停止することにより、第1ロック位置及び第2ロック位置でロックさせる構造にして、ロック機構を省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】実施形態における携帯電話機の外観概略図。
【図2】実施形態における携帯電話機の長手方向の断面図。
【図3】実施形態における携帯電話機の底面側から見た断面図。
【図4】表示部材を説明する説明図。
【図5】表示部材の裏面にあるマーカー部を説明するための説明図。
【図6】実施形態における携帯電話機の電気的構成を説明する説明図。
【図7】実施形態におけるロック位置検出処理の処理手順を説明する流れ図。
【図8】実施形態における受話モードの処理手順を説明する流れ図。
【図9】実施形態における表示切替モードの処理手順を説明する流れ図。
【図10】第1ロック位置まで展開された表示部材の状態を説明するための説明図。
【図11】第2ロック位置まで展開された表示部材の状態を説明するための説明図。
【図12】全画面表示を説明するための説明図。
【図13】変更例における加速度センサを設けた携帯電話機の断面図。
【図14】変更例における複数のボタンを設けた携帯電話機の断面図。
【図15】変更例における断面がほぼ四角い形状の携帯電話機の断面図。
【図16】変更例における断面がほぼ楕円形状の携帯電話機の断面図。
【符号の説明】
【0134】
10…入出力装置としての携帯電話機、15,300…スイッチボタン、20…展開量検出部としての位置検出センサ、22…巻取軸部としての巻取り軸、26…復元手段としてのつる巻きバネ、30…表示部としての表示部材、100…制御部、130…音声出力部としてのスピーカ制御部、140…音声入力部としてのマイク制御部、150…スイッチ検出部としてのスイッチ信号入力部、160…音声出力部としてのイヤホン出力部、190…アンテナ制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルなディスプレイを備えた入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、携帯電話機は、機能向上により、本来の電話機能の他に、例えば、電子メールの送受信やテレビ電話等にも用いられている。そして、静止画像データ、動画像データ等の画像通信等も可能になっている。
【0003】
このような携帯電話機では、携帯性が重視されており、装置の小型化が要求され、液晶等の表示装置も小型のものが使用されている。本来の電話機能の利用であれば、小型の表示装置でも十分であるが、画像によっては大きく表示したいというニーズもある。このような場合、ディスプレイの大型化及び装置の小型化という相反するニーズを満足させる必要がある。
【0004】
そこで、搭載した装置の操作性を損なうことなく、情報量の多い動画像等の画像データや大容量のメールデータ等を大画面で表示でき、かつ、非表示時には持ち運びが容易になるように小型化した表示装置が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この文献記載の表示装置を備えた携帯電話機は、本体の一側部に収納部が配設され、この収納部には巻取展開軸が設けられている。そして、巻取展開軸によって高分子液晶フィルム等からなる表示部をロール状に巻回して収納可能となっている。表示部は、収納部の開口部より繰り出し又は引き出して突出させ、展開可能となっている。表示制御部は、巻取展開軸を駆動制御して表示面が表示情報の表示サイズに対応する大きさとなるように表示部の展開量を制御し、表示部に情報を表示する。また、表示部の展開量に応じて表示情報の表示サイズを変更して表示する。
【特許文献1】国際公開第2004/084171号パンフレット(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話機は専用ホルダーに入れてベルトに吊るされて又はポケットやハンドバッグに入れて携行することが多く、できるだけコンパクトであることが望ましい。しかし、特許文献1のように、巻取展開可能な表示装置を備えた場合においても、本体を小型化した場合、操作ボタン等を用いた操作性が悪くなる場合がある。
【0007】
特に、携帯電話機の場合、携行することが多く、操作ボタンの誤動作防止を考慮する必要がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、本体の小型化を図りながら、大きな表示を実現するとともに、操作性を向上させた入出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、表示面を形成する可撓性を有する部材を含んで構成するとともに、表面の一部にタッチセンサを設けた表示部と、前記表示部の一端に接続され前記表示部を巻回する巻取軸部と、前記巻取軸部により巻回された表示部を収納する収納部と、前記収納部より突出して展開された前記表示部の展開量を検出する展開量検出部と、前記表示部の展開量及び前記表示面に表示する表示情報に応じて、タッチセンサ機能の無効化及び有効化の制御を行なう制御部とを備えることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の入出力装置において、前記制御部は、前記展開量検出部からの信号に基づいて第1の展開量を検出した場合に、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させ、この操作表示部に対応するタッチセンサ機能を有効化し、前記第1の展開量からずれた場合には、前記タッチセンサ機能を無効化することを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の入出力装置において、前記制御部は、更に、前記展開量検出部からの信号に基づいて前記第1の展開量よりも大きい第2の展開量を検出した場合に、表示画像を特定して前記表示部に表示するとともに、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させて、このタッチセンサ機能を有効化することを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の入出力装置において、表面に露出させたスイッチボタンと、このスイッチボタンが選択されたことを検出するスイッチ検出部とを更に備え、前記制御部は、前記第2の展開量を検出した場合に、前記スイッチ検出部の信号を取得し、この信号に応じて、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させて、このタッチセンサ機能を有効化するとともに表示画像を表示させる操作表示部出力モード処理と、前記操作表示部の表示を前記表示部から削除して、このタッチセンサ機能を無効化するとともに、前記表示画像を大きく表示する全画面表示モード処理との切替を行なうことを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の入出力装置において、音声を出力する音声出力部と、音声を入力する音声入力部と、基地局との音声に関するデータの送受信を行なうアンテナ制御部とを備えて音声と電気的信号の変換を行なう電話機能を更に備え、前記制御部は、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記スイッチ検出部の信号に応じて、前記電話機能を用いた通話の開始又は終了を実行することを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の入出力装置において、前記制御部が、前記タッチセンサ機能の有効化の制御を行なうときの前記表示部の展開量を維持するためのロック機構を更に備えたことを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の入出力装置において、前記ロック機構が解除され、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記表示部を収納させるための復元手段を更に備え、この復元手段は、前記表示部が展開されたときに伸ばされて、前記表示部を収納する方向に前記巻取軸部を回転させる復元力が発生することを要旨とする。
【0015】
(作用)
請求項1に記載の発明においては、表示部は、巻取軸部に巻回されて収納部に収納されるので、収納状態における小型化を図ることができる。また、表示を行なう場合には、表示部は展開されるので、画像を大きく表示することができる。更に、収納部より突出して展開された表示部の展開量及び表示面に表示する表示情報に応じて、制御部が、タッチセンサ機能の無効化及び有効化の制御を行なう。このため、タッチセンサ機能の信号に基づく誤動作を抑制することができ、操作性を向上させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明においては、制御部は、第1の展開量を検出した場合、タッチセンサ上に操作表示部を表示させて、かつこのタッチセンサの機能を有効化にする。このため、操作表示部のボタンを選択することで、ユーザは任意の処理を制御部に実行させるこ
とができる。また、第1の展開量からずれた場合には、操作表示部のタッチセンサ機能が無効化されるため、操作表示部が押されることによる誤動作を抑制することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明においては、制御部は、第1の展開量よりも大きい第2の展開量を検出した場合に、表示画像と操作表示部とを表示させ、この操作表示部のタッチセンサ機能を有効にする。このため、ユーザは、表示画像を見ながら、操作表示部を表示部に操作することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明においては、制御部は、スイッチ検出部の信号に応じて、操作表示部を削除し、この操作表示部の表示領域も用いて表示画像を大きく表示することができる。このため、ユーザが表示画像を拡大して閲覧したいときには、ユーザの指示に応じて拡大表示することができる。また、制御部は、スイッチ検出部の信号に応じて、操作表示部を表示する。このため、ユーザは、必要なときには操作表示部を表示させて、この操作表示部から指示を行なうことができる。
【0019】
請求項5に記載の発明においては、制御部は、表示部が展開されていないことを検出した場合には、スイッチ検出部の信号に応じて電話機能を用いて通話の開始又は終了を実行する。このため、入出力装置を携帯電話機として用いる場合、表示部が収納状態であっても、表面に露出されたスイッチを操作することにより、通話に素早く対応することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明においては、ロック機構によって展開量が維持されたときに、制御部はタッチセンサを有効にする。このため、タッチセンサ機能を用いて、ユーザの指示に応じた処理をより確実に実行することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明においては、ロック機構が解除され、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記表示部を収納させるための復元手段を更に備える。この復元手段は、表示部が展開されたときに伸ばされて、表示部を収納する方向に巻取軸部を回転させる復元力が発生する。このため、表示部を収納するために電気エネルギーを使用しないので、省電力化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、本体の小型化を図りながら、大きな表示を実現するとともに、操作性を向上させた入出力装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の入出力装置を携帯電話機に適用した場合を想定する。
図1は、本実施形態の携帯電話機10の外観図である。この図1はディスプレイを収納した状態を示している。この携帯電話機10は、全体として円柱形状をしている。この携帯電話機10は、大径のほぼ円筒形状の筐体を有する本体部11と、小径のほぼ円筒形状の筐体を有するバネ収容部12とを備えている。
【0024】
本体部11の側面の一端にはスピーカ13、他端にはマイク14が配置されている。本実施形態では、本体部11において、スピーカ13はバネ収容部12側の端部、マイク14はその他端部に設けられており、公知の携帯電話機におけるスピーカとマイクとの距離程度離れている。
【0025】
本体部11の側面には、スイッチボタン15が配置されている。このスイッチボタン15は、マイク14の反対側の側面位置に設けられている。
図2は本実施形態の携帯電話機10の側面から見た断面図、図3は携帯電話機10の本体部11の下面から見た断面図である。
【0026】
図2に示すように、マイク14の近傍には、イヤホンジャック16が設けられている。上述したスピーカ13、マイク14、スイッチボタン15及びイヤホンジャック16は、フレキシブル基板17に形成された配線に接続されている。
【0027】
このフレキシブル基板17は、支持部材(図示せず)により、図3に示すように、本体部11の筐体に沿うように湾曲した状態で支持されている。フレキシブル基板17には、ICチップ17aが設けられており、後述する携帯電話機10の制御機能を実現するための配線が設けられている。
【0028】
フレキシブル基板17の配線は、本体部11内に設けられた電源部18(図2)に接続される。この電源部18は、フレキシブル基板17に囲まれるように配置されている。この電源部18の充電端子は、本体部11の端面に露出しており、外部の充電器に接続して充電することができるようになっている。
【0029】
更に、フレキシブル基板17には、アンテナ19が設けられている。アンテナ19は、公知の携帯電話機のアンテナと同様に、通信キャリアの基地局と通信を行なうために利用される。更に、フレキシブル基板17には、図3に示すように、展開量検出部としての位置検出センサ20が設けられている。この位置検出センサ20は、後述する表示部材30の引き出し状態(展開状態)を検出する。
【0030】
本体部11とバネ収容部12の中心軸には巻取り軸22が設けられている。巻取り軸22の一端部は、フレキシブル基板17の内側のベアリング21により回転可能に支持されている。そして、巻取り軸22の他端部は、本体部11から突出して、バネ収容部12内のベアリング21によって回転可能に支持されている。
【0031】
バネ収容部12には、復元手段としてのつる巻きバネ26が収容されている。このつる巻きバネ26の一端部は、巻取軸部としての巻取り軸22に固着されている。このため、巻取り軸22が一方向に回転するとつる巻きバネ26を引き伸ばす。これにより、つる巻きバネ26は、巻取り軸22を反対方向に巻き戻す復元力を発生する。
【0032】
巻取り軸22には、表示部としての表示部材30の一端が接続されている。この表示部材30は、可撓性のある材質で構成されている。表示部材30は、巻取り軸22に巻回されて収納状態で本体部11の筐体(収納部)に収容され、図3に示すように、本体部11の開口部から引き出されて外部に展開可能となっている。
【0033】
図4は、表示部材30の全体図である。この表示部材30の一端部には、表示部材30の厚みより厚いツマミ部31が取り付けられている。このツマミ部31を掴んで表示部材30を本体部11の筐体から引き出して展開することができる。
【0034】
更に、表示部材30には、巻取り軸22に取り付けられる固着領域と、画像を表示する表示領域32とが形成されている。
表示領域32は、可撓性のあるフレキシブルディスプレイを用いる。本実施形態では、フレキシブル液晶ディスプレイを用いて実現する。この表示領域32には、タッチパネル領域33と大画面領域34とが設けられている。大画面領域34は、後述する操作表示部とともに画像を表示する大画面表示の場合に画像が表示される。
【0035】
タッチパネル領域33には、タッチセンサが設けられている。このタッチセンサは、タ
ッチパネル領域33に出力される操作表示部の操作ボタンの配置に対応している。この操作表示部には、メニュー画面や電話番号などを表示する小画面と、各種操作ボタンとが含まれる。ここで、各種操作ボタンには、電話機能や電子メール機能などの機能を切り替えるためのモード切替ボタン、選択ボタン、通話ボタン、通話終了ボタン及び番号ボタン等がある。
【0036】
タッチパネル領域33の操作表示部の横幅は、本体部11の外周の長さに一致するように構成されている。これにより、後述するように、操作表示部を本体部11に巻き付けて操作することができる。
【0037】
図5は、表示部材30の表示領域32の反対側の面を示した図である。図5に示すように、表示部材30の表示領域32とは反対側の面には、連続した縞状パターンが形成されたマーカー部35が設けられている。このマーカー部35の縞状パターンを位置検出センサ20が計数することにより、表示部材30の展開状態を判断する。ここで、本体部11における表示部材30の引き出し口から位置検出センサ20までの距離を「L3」とした場合、ツマミ部31から距離L3の位置のマーカー部35は、位置検出センサ20が表示部材30の完全収納を検知する始点検出領域350として機能する。
【0038】
更に、タッチパネル領域33から距離L3の位置のマーカー部35は、位置検出センサ20がタッチパネル領域33の引き出しを検知する第1位置検出領域351として機能する。また、表示領域32から距離L3の位置のマーカー部35は、位置検出センサ20が全面引き出しを検知する第2位置検出領域352として機能する。
【0039】
更に、本体部11には、第1ロック位置及び第2ロック位置に引き出された(展開された)表示部材30の各展開量を維持するためのロック機構(図示せず)が設けられている。このロック機構としては、公知のワンウェイクラッチ機構やラチェット機構などを用いることができる。本実施形態のロック機構では、表示部材30の引き出し方向に少し引っ張ることにより、ロックを解除する。
【0040】
次に、本実施形態の携帯電話機10の制御機能の構成について図6を用いて説明する。
携帯電話機10は、ICチップ17a内に制御部100を備える。この制御部100は、マイク制御部140、スピーカ制御部130、イヤホン出力部160、スイッチ信号入力部150、アンテナ制御部190、位置検出センサ20、表示制御部320及びタッチセンサ信号入力部330に接続されている。
【0041】
制御部100は、公知の携帯電話機に備えられているメール機能や電話機能などを備えている。このメール機能を用いることにより、電子メールの閲覧処理や電子メールの作成処理等を実行する。また、電話機能を用いることにより、他の電話機との通話処理を実行する。
【0042】
この制御部100は、スイッチ信号入力部150、位置検出センサ20、表示制御部320及びタッチセンサ信号入力部330からの各種信号を取得し、この信号に基づいて後述する各種処理を実行する。
【0043】
マイク制御部140は、音声入力部として機能し、マイク14の音声入力を電気的信号に変換して制御部100に供給する。スピーカ制御部130は、スピーカ13の音声出力を制御する。イヤホン出力部160は、イヤホンジャック16にイヤホンが接続された場合に、イヤホンへの音声出力を制御する。これらスピーカ制御部130及びイヤホン出力部160が音声出力部として機能する。
【0044】
スイッチ信号入力部150は、スイッチ検出部として機能し、スイッチボタン15の押下を検出し、この検出信号(スイッチボタン押下検出信号)を制御部100に供給する。
アンテナ制御部190は、アンテナ19を介して、制御部100と基地局との通信を制御する。
【0045】
位置検出センサ20は、表示部材30の展開量を検出する信号を制御部100に供給する。この位置検出センサ20からの検出信号に基づいて展開量が連続的に変化した場合には、制御部100は、表示部材30の動き(展開)を検知する。位置検出センサが始点検出領域350の位置を所定時間検出した場合には、制御部100は、表示部材30が始点ロック位置にあること(始点ロック位置)を検出する。なお、この始点ロック位置において表示部材30は展開しておらず、展開量は「0」である。また、マーカー部35の縞状パターン(通過した縞の数)に基づいて位置検出センサ20が第1位置検出領域351の位置を所定時間検出した場合には、表示部材30が第1ロック位置にあること(第1ロック位置)を制御部100は検出する。この第1ロック位置における表示部材30の展開量が第1の展開量となる。更に、マーカー部35の縞状パターンに基づいて位置検出センサ20が第2位置検出領域352の位置を所定時間検出した場合には、表示部材30が第2ロック位置にあること(第2ロック位置)を制御部100は検出する。この第2ロック位置における表示部材30の展開量が、第1の展開量よりも大きい第2の展開量となる。
【0046】
表示制御部320は、表示領域32に表示する画像を制御する。
タッチセンサ信号入力部330は、タッチパネル領域33において押下された位置を検出し、この信号を制御部100に供給する。制御部100は、タッチセンサ機能が有効なときには、タッチパネル領域33に表示された操作表示部において選択されたボタンを特定するための信号を取得し、この信号に応じた操作処理を実行する。操作処理は、公知の携帯電話機における処理と同様に、押下された各種ボタンに対応して実行される処理である。例えば、メール選択ボタンが選択された場合にはメール閲覧処理を行ない、通話ボタンと番号ボタンが選択された場合には、電話の発信処理を行なう。
【0047】
(ロック位置検出処理)
次に、携帯電話機10の制御部100におけるロック位置検出処理における制御について、図7に基づいて説明する。この処理は、位置検出センサ20が、マーカー部35の縞状パターンにより表示部材30の展開を検知した場合に実行を開始し、各ロック位置でロックされるまで継続される。
【0048】
制御部100が、表示部材30の展開を検知したが、各ロック位置でのロックを検出しなかった場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から供給される信号を無視する。
【0049】
そして、位置検出センサ20からの信号に基づいて、制御部100は、始点ロック位置、第1ロック位置又は第2ロック位置のいずれかで表示部材30の停止(ロック)を検知する(ステップS1−1において「YES」)。
【0050】
始点ロック位置を検出した場合(ステップS1−3において「YES」の場合)には、制御部100は、受話モードの処理を実行する(ステップS1−4)。この受話モードでは、制御部100は、表示領域32に表示した画像をすべて消去する。そして、後述するように、制御部100は、スイッチボタン15による受話制御を行なう。
【0051】
一方、第1ロック位置を検出した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、制御部100は、スイッチボタン15の無効化処理を実行する(ステップS1−6
)。具体的には、制御部100は、スイッチ信号入力部150から供給されるスイッチボタン押下検出信号を無視する。
【0052】
次に、制御部100は、操作表示部の出力処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部100は、表示領域32のタッチパネル領域33に操作表示部を表示する。なお、この場合には、制御部100は、大画面領域34における画像表示を行なわない。
【0053】
そして、制御部100は、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から供給される信号を受入可能状態にする。そして、制御部100は、この信号に基づいて、操作表示部において選択されたボタンを特定し、このボタンに対応する操作処理を実行する。
【0054】
一方、第2ロック位置を検出した場合(ステップS1−5において「NO」の場合)には、制御部100は、表示切替モードの処理を実行する(ステップS1−9)。この表示切替モードでは、後述するように、制御部100は、スイッチボタン15を用いて表示領域32における表示画面の切替制御を行なう。
【0055】
(受話モード処理)
次に、始点ロック位置における受話モード処理(ステップS1−4)について、図8を用いて説明する。この受話モード処理は、図1に示すように表示部材30が収納されて本体部11からスイッチボタン15のみが露出している状態で行なわれる。
【0056】
この場合、制御部100は、まず、スイッチボタン15の有効化処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部100は、スイッチ信号入力部150から供給されたスイッチボタン押下検出信号を受入可能な状態にする。これにより、スイッチボタン15は、通常の電話機におけるフックボタンとして機能する。
【0057】
そして、制御部100は、スイッチボタン15の押下を待機する(ステップS2−2において「NO」)。
スイッチ信号入力部150からスイッチボタン押下検出信号を取得することにより、スイッチボタン15の押下を検知した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)の処理を説明する。この処理は、他の電話機からのコールを「呼出中」の場合と、他の電話機との間で「通話中」の場合とで異なる。
【0058】
電話機能において「呼出中」の場合(ステップS2−3において「YES」の場合)には、制御部100は、通話の開始処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、公知の電話機能を用いて、他の電話機からの着呼に対して応答を行なって通話処理を開始する。
【0059】
一方、電話機能において「通話中」の場合(ステップS2−3において「NO」、ステップS2−5において「YES」の場合)には、制御部100は通話の終了処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、携帯電話機10から発呼を行なっている場合には、この通話の切断処理を行なう。そして、スイッチボタン15の押下の待機状態に戻る(ステップS2−2において「NO」)。
【0060】
(表示切替モード処理)
次に、第2ロック位置における表示切替モード処理(ステップS1−9)について、図9を用いて説明する。この表示切替モード処理は、表示部材30が第2ロック位置まで引き出された状態で行なわれる。
【0061】
まず、制御部100は、タッチパネル領域33に操作表示部を表示し、このタッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部100は、タッチパネル領域33からの信号を受取可能状態にする。そして、制御部100は、この信号に基づいて、操作表示部において選択されたボタンを特定し、このボタンに対応する操作処理を実行する。
【0062】
次に、制御部100は、表示する画像の有無を判断する(ステップS3−2)。具体的には、制御部100は、電話機能を利用している場合には、テレビ電話機能の利用状態により判断する。一方、電子メール機能を利用している場合には、閲覧している電子メールについての添付画像の有無により判断する。
【0063】
通常の電話機能が利用されている場合や、閲覧している電子メールに添付画像がない場合には、制御部100は、表示する画像がないと判断する。この場合(ステップS3−2において「NO」の場合)、制御部100は、表示切替モード処理を終了する。この場合には、表示領域32の大画面領域34は利用せずに、タッチパネル領域33における操作表示部の出力やタッチセンサ機能を維持する。
【0064】
一方、テレビ電話機能が利用されている場合や、閲覧している電子メールに添付画像がある場合には、制御部100は、表示する画像があると判断して、テレビ電話画像やメール添付画像を取得する。この場合(ステップS3−2において「YES」の場合)、制御部100は、大画面表示処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部100は、タッチパネル領域33における操作表示部の出力やタッチセンサ機能を維持するとともに、取得した画像(テレビ電話画像やメール添付画像)を表示領域32の大画面領域34に表示する。
【0065】
次に、制御部100は、スイッチボタン15の有効化処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部100は、スイッチ信号入力部150から供給されるスイッチボタン押下検出信号を受取可能状態にする。そして、スイッチ信号入力部150から供給されるスイッチボタン押下検出信号の待機を行なう(ステップS3−5において「NO」)。
【0066】
スイッチボタン押下検出信号によりスイッチボタン15の押下を検出した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、制御部100は表示領域32の表示モードの切替を実行する。本実施形態では、表示モードとして、操作表示部を出力する「操作表示部出力モード」と、画像を表示領域32全体に出力する「全面表示モード」とがある。なお、表示モードの初期状態では、上述したように、操作表示部を出力される「操作表示部出力モード」となっている。
【0067】
スイッチボタン15の押下を検出したときに、「操作表示部出力モード」になっている場合(ステップS3−6において「YES」の場合)には、制御部100は、全画面表示処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部100は、操作表示部の出力を停止し、画像を表示領域32全体に表示する。
【0068】
そして、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から供給される信号を無視する。これにより、「全面表示モード」となる。そして、スイッチボタン押下検出信号の待機状態に戻る(ステップS3−5において「NO」)。
【0069】
一方、スイッチボタン15の押下を検出したときに、「全面表示モード」になっている
場合(ステップS3−6において「NO」の場合)には、制御部100は、大画面表示処理を実行する(ステップS3−9)。具体的には、制御部100は、タッチパネル領域33に操作表示部を出力し、表示領域32全体に表示していた画像を大画面領域34に出力する。
【0070】
そして、制御部100は、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−10)。具体的には、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から供給される信号を受入可能状態にする。そして、制御部100は、この信号に基づいて、操作表示部において選択されたボタンを特定し、このボタンに対応する操作処理を実行する。これにより、「操作表示部出力モード」となる。そして、スイッチボタン押下検出信号の待機状態に戻る(ステップS3−5において「NO」)。
【0071】
そして、表示切換モード処理においては、制御部100は、スイッチ信号入力部150から供給されるスイッチボタン押下検出信号を取得することにより、スイッチボタン15の押下の検出する度に、上述の表示モードの切替を繰り返す。
【0072】
次に、以上のような構成を有する携帯電話機10の操作手順について説明する。ここでは、電話とメールにおける操作手順を分けて説明する。なお、電話とメールを受ける場合において、音やLED表示などによって電話とメールとを区別できる。
【0073】
(電話の着呼における操作手順)
通常、携帯電話機10は、図1に示すように、表示部材30が本体部11に収納された収納状態になっている。このため、上述したロック位置検出処理における始点ロック位置の検出により、制御部100は受話モード処理を実行している(ステップS1−4)。
【0074】
収納状態において、携帯電話機10が基地局から着呼を受けた場合には、制御部100は、電話機能を用いて呼出を行なう。この呼出にユーザが対応する場合には、スイッチボタン15を押下する。呼出中にスイッチボタン15が押下された場合、スイッチ信号入力部150はスイッチボタン15の押下信号を制御部100に供給する。この場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、制御部100は通話の開始処理を実行する(ステップS2−4)。従って、ユーザは、着呼を受けて相手と通話を行なうことができる。
【0075】
ユーザが通話を終了する場合には、再びスイッチボタン15を押下する。通話中にスイッチボタン15が押下された場合にも、スイッチ信号入力部150は、スイッチボタン15の押下信号を制御部100に供給する。この場合(ステップS2−3において「NO」、ステップS2−5において「YES」の場合)には、制御部100は通話の終了処理を実行する(ステップS2−6)。
【0076】
次に、電話の着呼における他の操作手順を説明する。具体的には、操作表示部を用いて着呼を受ける操作手順を説明する。
呼出があった場合、ユーザは、ツマミ部31を掴んで表示部材30を引き出す。この場合、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0077】
そして、図10の左側に示すように、タッチパネル領域33が露出するまで、表示部材30を引き出して停止する。この場合、第1ロック位置においてロック機構が作用して、タッチパネル領域33が露出した状態を維持する。
【0078】
この場合、位置検出センサ20が第1位置検出領域351を検出し、制御部100は第
1ロック位置を検知する(ステップS1−5において「YES」)。これにより、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理を実行する(ステップS1−6)。そして、制御部100は、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0079】
そして、図10の右側に示すように、露出したタッチパネル領域33を本体部11の外周に巻き付ける。この場合、操作表示部は本体部11に固定した状態で各種ボタンを選択することができる。
【0080】
ここで、ユーザが操作表示部の通話ボタンを選択した場合、タッチセンサ信号入力部330は、通話ボタンの選択信号を制御部100に供給する。そして、制御部100は、この信号に応じて通話の開始処理を実行する。これにより、ユーザは、着呼を受けて相手と通話を行なうことができる。
【0081】
その後、ユーザが操作表示部に表示された通話終了ボタンを選択した場合、タッチセンサ信号入力部330は、通話終了ボタンの選択信号を制御部100に供給する。そして、制御部100は、この信号に応じて通話の終了処理を実行する。これにより、ユーザは、相手との通話を終了する。
【0082】
表示部材30を本体部11の筐体に収納する場合には、ツマミ部31を掴んで表示部材30を少し引き出す。この場合、ロック機構が解除され、つる巻きバネ26の復元力によって表示部材30は巻き戻される。このとき、制御部100は、再び、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0083】
その後、表示部材30が完全に本体部11に収納されると、携帯電話機10は図1に示す収納状態に戻る。このとき、制御部100は、位置検出センサ20の信号に基づいて始点ロック位置を検出するので(ステップS1−3において「YES」)、再び受話モードとなる(ステップS1−6)。
【0084】
(テレビ電話機能の着呼における操作手順)
次に、テレビ電話機能の操作手順について説明する。通話処理においてテレビ電話画像が付加される。この場合には、ユーザは、表示部材30を引き出して着呼を受ける。具体的には、呼出中に、タッチパネル領域33が露出する位置まで表示部材30を引き出す。この場合、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。そして、位置検出センサ20の信号に基づいて第1ロック位置を検出した場合、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理(ステップS1−6)、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。この状態で、操作表示部の通話ボタンを選択することにより通話を行なうことができる。
【0085】
更に、テレビ電話画像を閲覧する場合には、ツマミ部31を掴んで、更に表示部材30を引き出す。この場合にも、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0086】
そして、図11に示すように、表示領域32がすべて露出した位置において引き出しを
停止する。この場合、ロック機構が作用して、表示領域32がすべて露出した状態を維持する。
【0087】
この場合、位置検出センサ20の信号に基づいて制御部100は第2ロック位置を検出する(ステップS1−5において「NO」)。これにより、制御部100は表示切替モード(ステップS1−9)になる。そして、制御部100は、操作表示部を表示しタッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−1)。
【0088】
ここで、テレビ電話機能を利用している場合、制御部100は、テレビ電話画像を取得し(ステップS3−2において「YES」)、大画面表示処理を実行する(ステップS3−3)。これにより、図11に示すようにテレビ電話画像が表示領域32の大画面領域34に表示される。この場合には、タッチパネル領域33には操作表示部の出力が維持される。そして、制御部100は、スイッチボタン15の有効化処理を実行する(ステップS3−4)。
【0089】
この状態で、スイッチボタン15が押された場合、スイッチ信号入力部150は、スイッチボタン15の押下信号を制御部100に供給する。制御部100がスイッチボタンの押下を検出した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)に、「操作表示部出力モード」にある(ステップS3−6において「YES」)ので、制御部100は操作表示部の出力を停止し、大画面領域34に表示していた画像を、図12に示すように全画面に表示する(ステップS3−7)。そして、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS3−8)。
【0090】
この状態で、再び、スイッチボタンが押された場合、制御部100は、スイッチボタンの押下を検出する(ステップS3−5において「YES」)。この場合には、「全画面表示モード」にある(ステップS3−6において「NO」)ので、制御部100は、操作表示部をタッチパネル領域33に出力し、全画面表示していた画像を大画面領域34に表示する(ステップS3−9)。そして、制御部100は、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−10)。
【0091】
操作表示部をタッチパネル領域33に出力した状態で通話を終了させる場合には、操作表示部の通話終了ボタンを押下する。この場合、タッチセンサ信号入力部330は、通話終了ボタンの選択信号を制御部100に供給し、制御部100は、この信号に応じて通話の終了処理を実行する。
【0092】
そして、表示部材30を本体部11に収納する場合には、ツマミ部31を掴んで表示部材30を少し引き出す。この場合、ロック機構が解除され、つる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30は巻き戻される。このとき、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0093】
その後、第1ロック位置でロックさせた場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、第1ロック位置を検出した制御部100は、スイッチボタンの無効化処理(ステップS1−6)、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0094】
一方、第1ロック位置でロックさせずに、表示部材30を完全に本体部11に収納させた場合、携帯電話機10は図1に示す収納状態に戻る(ステップS1−3において「YES」)。この場合には、制御部100は、始点ロック位置を検出し、再び受話モード(ス
テップS1−4)に戻る。
【0095】
(メール受信における操作手順)
次に、メールを受信した場合における操作手順について説明する。メールを閲覧する場合、まず、収納状態から、タッチパネル領域33が露出するまで表示部材30を引き出す。この場合、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。そして、第1ロック位置を検出した場合、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理(ステップS1−6)、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0096】
この状態で、操作表示部のモード切替ボタンを用いてメール閲覧モードを選択し、更に選択ボタンを用いて閲覧する電子メールを選択する。これにより、制御部100は、公知のメール閲覧処理と同様に、タッチパネル領域33の小画面に、選択された電子メールの内容を表示する。
【0097】
ここで、閲覧するメールに添付画像がある場合、ユーザは、ツマミ部31を掴んで、更に表示部材30を更に引き出す。この場合にも、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0098】
そして、図11に示すように、表示領域32がすべて露出した位置において引き出しを停止する。この場合、ロック機構が作用して、表示領域32がすべて露出した状態を維持する。この場合、位置検出センサ20に基づいて制御部100は第2ロック位置を検出する(ステップS1−5において「NO」)。これにより、制御部100は表示切替モード(ステップS1−9)になる。そして、制御部100は、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−1)。
【0099】
ここで、選択された電子メールに添付画像がある場合(ステップS3−2において「YES」)、制御部100は、大画面表示処理を実行する(ステップS3−3)。これにより、図11に示すように電子メールの添付画像が表示領域32の大画面領域34に表示される。この場合には、タッチパネル領域33には操作表示部の出力が維持される。そして、制御部100は、スイッチボタン15の有効化処理を実行する(ステップS3−4)
この状態で、ユーザがスイッチボタン15を押下すると、制御部100は、上述したように「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を繰り返す(ステップS3−5〜S3−10)。
【0100】
そして、添付画像の閲覧を終了する場合には、ツマミ部31を掴んで表示部材30を少し引き出す。この場合、ロック機構が解除され、つる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30は巻き戻される。このとき、制御部100は、再び、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0101】
その後、第1ロック位置で停止した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、第1ロック位置を検出した制御部100は、スイッチボタンの無効化処理(ステップS1−6)、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0102】
一方、第1ロック位置でロックさせずに、表示部材30を完全に本体部11に収納させた場合、携帯電話機10は図1に示す収納状態に戻る(ステップS1−3において「YES」)。この場合には、制御部100は、始点ロック位置を検出し、再び受話モード(ステップS1−4)に戻る。
【0103】
(電話の発呼における操作手順)
次に、電話をかける場合の操作手順について説明する。
まず、ユーザは、ツマミ部31を掴んでタッチパネル領域33が露出する位置まで表示部材30を引き出す。この場合も、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0104】
そして、タッチパネル領域33が露出するまで、表示部材30を引き出して停止する。この場合、第1ロック位置においてロック機構が作用して、タッチパネル領域33が露出した状態を維持する。
【0105】
この場合、位置検出センサ20が第1位置検出領域351を検出し、制御部100は第1ロック位置を検出する(ステップS1−5において「YES」)。これにより、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理を実行する(ステップS1−6)。そして、制御部100は、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0106】
この状態で、番号ボタンを順次押下して電話番号を入力し、操作表示部の通話ボタンを選択する。これにより、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から選択ボタン信号を取得して発呼処理を行なう。
【0107】
この場合、テレビ電話機能を利用しての通話を行なう場合には、テレビ電話画像を閲覧するために、テレビ電話受信における操作手順と同様に、更に表示部材30を引き出して表示切替モード(ステップS1−9)にする。この状態で、ユーザがスイッチボタン15を押下すると、制御部100は、上述したように「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を繰り返す(ステップS3−5〜S3−10)。
その後、通話を終了する場合にも、テレビ電話受信における操作手順と同様に、ロック機構を解除し、つる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30を巻き戻す。
【0108】
(メール発信における操作手順)
次に、メールを作成する場合における処理手順について説明する。この場合も、電話の発呼における操作手順と同様に行なう。
【0109】
具体的には、ツマミ部31を掴んでタッチパネル領域33が露出する位置まで表示部材30を引き出す。この場合も、制御部100は、表示部材30の展開を検知し、ロック位置検出処理を実行する。各ロック位置でのロックを検出しない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御部100は、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。
【0110】
そして、タッチパネル領域33が露出するまで、表示部材30を引き出して停止する。この場合、第1ロック位置においてロック機構が作用して、タッチパネル領域33が露出した状態を維持する。
【0111】
この場合、位置検出センサ20が第1位置検出領域351を検出し、制御部100は第1ロック位置を検出する(ステップS1−5において「YES」)。これにより、制御部100は、スイッチボタンの無効化処理を実行する(ステップS1−6)。そして、制御部100は、操作表示部の出力処理(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理(ステップS1−8)を実行する。
【0112】
この状態で、操作表示部のメール作成ボタンを選択する。更に、操作表示部に表示されたボタンを用いて電子メールの文字を入力する。これにより、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から選択ボタン信号を取得して、入力された文字をタッチパネル領域33の小画面に表示する。
【0113】
この場合、画像をメールに添付することもできる。ここで、添付した画像を閲覧する場合には、メール受信における操作手順と同様に、更に表示部材30を引き出して表示切替モード(ステップS1−9)にする。このとき、制御部100は、作成している電子メールの添付画像を大画面領域34に表示する(ステップS3−3)。この状態で、ユーザがスイッチボタン15を押下すると、制御部100は、上述したように「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を繰り返す(ステップS3−5〜S3−10)。そして、電子メールの作成を完了した場合には、操作表示部に表示されたボタンを用いて電子メールの送信を指示する。これにより、制御部100は、タッチセンサ信号入力部330から選択ボタン信号を取得して、電子メールを送信する。
【0114】
その後、電子メールの送信を終了する場合にも、テレビ電話受信における操作手順と同様に、ロック機構を解除し、つる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30を巻き戻す。
【0115】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、巻取り軸22に巻回されて収納される表示部材30を備える。携帯電話機10の制御部100は、第2ロック位置において、表示する画像がある場合(ステップS3−2において「YES」の場合)には、大画面表示処理を実行する(ステップS3−3)。このため、ユーザは、操作表示部の小画面よりも大きい画面で、テレビ画像やメールの添付画像を見ることができる。従って、表示部材30に大きな表示が可能になるとともに、収納状態において小型化を図ることができる携帯電話機10とすることができる。
【0116】
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、タッチパネル領域33を有する表示部材30と、この表示部材30の展開量を検出する位置検出センサ20と、タッチパネル領域33のタッチセンサ機能の無効化及び有効化を制御する制御部100とを備える。制御部100は、表示部材30の展開を検知したが、各ロック位置でのロックを検出しなかった場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、タッチセンサ機能の無効化処理を実行する(ステップS1−2)。このため、表示部材30を引き出しているときには、制御部100はタッチセンサからの信号に基づいて処理を行なわないため、誤動作を抑制することができる。従って、操作性を向上することができる。
【0117】
・ 本実施形態では、第1ロック位置を検出した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、制御部100は、操作表示部の出力処理を実行し(ステップS1−7)、タッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS1−8)。また、制御部100は、タッチパネル領域33に操作表示部を表示し、このタッチセンサ機能の有効化処理を実行する(ステップS3−1)。更に、スイッチボタン15の押下を検出したときに、「全面表示モード」になっている場合(ステップS3−6において「NO」の場合)には、制御部100は、大画面表示処理を実行し(ステップS3−9)、タッチセンサ機能
の有効化処理を実行する(ステップS3−10)。このように、ユーザの操作によって第1又は第2ロック位置に表示部材30を展開して、タッチパネル領域33に操作表示部が表示された場合にのみ、タッチセンサ機能を有効にする。そして、制御部100は、それ以外のときにはタッチセンサ機能を無効にするため、誤動作をよりいっそう抑制することができる。
【0118】
・ 本実施形態では、第2ロック位置における表示切替モード処理(ステップS1−9)において、スイッチボタン15の押下を検出した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、制御部100は表示領域32の表示モードの切替を実行する。このため、画像を拡大して閲覧したい場合には、操作表示部を削除して、画像を表示領域32全体に出力する。また、操作表示部を用いて処理を行ないたいときには、簡単な操作で、操作表示部を表示させることができる。
【0119】
・ 本実施形態では、始点ロック位置を検出した場合(ステップS1−3において「YES」の場合)には、制御部100は、受話モードの処理を実行する(ステップS1−4)。この通話モードにおいて、スイッチボタンの押下を検出した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)には、制御部100は、「呼出中」であれば通話の開始処理を実行し(ステップS2−4)、「通話中」であれば通話の終了処理を実行する(ステップS2−6)。このため、表示部材30が収納状態であっても、通話に素早く対応することができる。
【0120】
・ 本実施形態では、タッチパネル領域33の操作表示部の横幅は、本体部11の外周の長さに一致するように構成されている。これにより、露出したタッチパネル領域33を本体部11の外周に巻き付けて操作することができる。
【0121】
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、第1ロック位置及び第2ロック位置に引き出された表示部材30の各展開量を維持するためのロック機構(図示せず)が設けられている。このため、ユーザは第1ロック位置及び第2ロック位置において表示された操作表示部をより確実に選択することができるので、ユーザの指示に応じた処理をより確実に実行することができる。
【0122】
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、つる巻きバネ26を有する。このつる巻きバネ26は、巻取り軸22に固着され、巻取り軸22が一方向に回転すると引き伸ばされて、巻取り軸22を反対方向に巻き戻す復元力を発生する。このため、ユーザが表示部材30を引き出すことを停止し、かつロック機構が解除された場合には、このつる巻きバネ26の復元力によって、表示部材30を収納させる。従って、展開した表示部材30を収納するために電気的エネルギーを使用しないので、省電力化を図ることができる。
【0123】
・ 本実施形態では、携帯電話機10は、本体部11の筐体の外周には、音声以外の入力部としてスイッチボタン15だけを設けた。このため、外周に露出するボタンを極力少なくできるので、誤動作をいっそう抑制することができる。
【0124】
・ 本実施形態では、制御部100は、第1ロック位置を検出した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)には、スイッチボタン15の無効化処理を実行する(ステップS1−6)。第1ロック位置においてスイッチボタン15に基づく処理を制御部100は行なわないため、第1ロック位置におけるスイッチボタン15に基づく誤動作を抑制することができる。
【0125】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、制御部100は、受話モードの場合、スイッチボタン1
5の押下の検出に基づいて、通話の開始(ステップS2−4)及び通話の終了(ステップS2−6)を行なった。また、制御部100は、表示切替モードの場合、スイッチボタン15の押下の検出に基づいて、「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を行なった。このような機能を行なう操作入力部はスイッチボタンに限られない。例えば、図13に示すように、本体部11の筐体に内蔵した加速度センサ200を用いてもよい。例えば、加速度センサ200が所定回数の振動を検出した場合に、制御部100が所定の処理を実行することで、「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を行なってもよい。この場合、例えば指を怪我している場合などボタンを押せない場合であっても、携帯電話機10を所定回数、振ることにより、ユーザは所望の指示を行なえる。
【0126】
○ 上記実施形態においては、受話モードにおける通話の開始と終了のスイッチボタンと、表示切替モードにおける「操作表示部出力モード」と「全面表示モード」との切替を行なったスイッチボタン15を共通化した。これに限らず、図14に示すように、スイッチボタン15以外にスイッチボタン300をも設けてもよい。この場合、スイッチボタン15,300を、同じモードにおいて異なる機能を実行するボタンとして機能させてもよいし、モード毎に専用で使用するボタンとして機能させてもよい。更に、制御部100は、スイッチボタン300の押下の信号を受けたときには、表示切替モードにおいて、表示画面の大きさを変更してもよい。DVD映像規格においては、アスペクト比が4:3のスタンダードサイズと、アスペクト比が16:9のワイドサイズがあるので、スイッチボタンの押下に応じて、画像の大きさを変更して、表示する画像の大きさにより適した表示を行なってもよい。
【0127】
○ 上記実施形態においては、図1の携帯電話機10のスイッチボタン15は、表示部材30の下方に設けた。これに限らず、スイッチボタン15は、例えば、表示部材30の上方など、表示部材30が展開されてもスイッチボタン300の操作をスムーズに行なえる位置であればよい。
【0128】
○ 上記実施形態においては、図1の携帯電話機10は、円柱形状としたが、形状はこれに限られない。例えば、図15に示すように断面がほぼ四角い形状や、図16に示すように断面が楕円形となる形状にしてもよい。後者の場合には、表示部材30を展開する方向の寸法Bを、寸法Aよりも長くすることにより、携帯電話機10が持ち易くなるので、操作表示部の操作を安定して行なうことができる。
【0129】
○ 上記実施形態においては、表示部材30の一部を、タッチセンサが設けられたタッチパネル領域33とした。タッチセンサが設けられるタッチパネル領域はこれに限られない。例えば、操作表示部の小画面を除いた領域のみをタッチパネル領域としてもよい。また、表示部材30の表示領域32全体をタッチパネル領域としてもよい。この場合、制御部100が第2ロック位置を検出した場合には、操作表示部を、ツマミ部31の反対側(本体部11側)に表示させてもよい。更に、操作表示部の指示に応じて、タッチセンサが設けられた表示領域32にキーボードを表示させてもよい。これにより、ユーザは、メール作成の文字入力を迅速に行なうことが可能になる。
【0130】
○ 上記実施形態においては、携帯電話機10は、図10や図11に示すように、右側に表示部材30を引き出す構成について説明した。これに限らず、左側に引き出す構成としてもよい。この場合、携帯電話機10に上下を判断するセンサを設ける。制御部100は、このセンサの信号に応じて、左側に引き出された場合には、右側に引き出した画像の上下反転画像を、表示領域32に表示させる。これにより、左手が利き手であっても、利便性を向上させることができる。
【0131】
○ 上記実施形態においては、制御部100は、表示部材30が第1ロック位置に展開
されたときに、スイッチボタンの無効化処理を実行した(ステップS1−6)。これに代えて、制御部100は、ロック位置でのロックを検知しなかった場合(ステップS1−1において「NO」の場合)に、スイッチボタンの無効化を実行してもよい。これにより、表示部材30が展開している場合(ステップS1−1において「NO」の場合)に、ユーザがスイッチボタンを誤って押下しても、それに対応する処理を制御部100は実行しない。従って、誤動作をいっそう抑制することができる。
【0132】
○ 上記実施形態においては、表示部材30を収納させるための機構は、つる巻きバネ26に限られない。例えば、制御部100によって巻取り軸22の回転を制御することによって行なってもよい。この場合、更に、制御部100が、巻取り軸22の回転量を制御して、その回転を停止することにより、第1ロック位置及び第2ロック位置でロックさせる構造にして、ロック機構を省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】実施形態における携帯電話機の外観概略図。
【図2】実施形態における携帯電話機の長手方向の断面図。
【図3】実施形態における携帯電話機の底面側から見た断面図。
【図4】表示部材を説明する説明図。
【図5】表示部材の裏面にあるマーカー部を説明するための説明図。
【図6】実施形態における携帯電話機の電気的構成を説明する説明図。
【図7】実施形態におけるロック位置検出処理の処理手順を説明する流れ図。
【図8】実施形態における受話モードの処理手順を説明する流れ図。
【図9】実施形態における表示切替モードの処理手順を説明する流れ図。
【図10】第1ロック位置まで展開された表示部材の状態を説明するための説明図。
【図11】第2ロック位置まで展開された表示部材の状態を説明するための説明図。
【図12】全画面表示を説明するための説明図。
【図13】変更例における加速度センサを設けた携帯電話機の断面図。
【図14】変更例における複数のボタンを設けた携帯電話機の断面図。
【図15】変更例における断面がほぼ四角い形状の携帯電話機の断面図。
【図16】変更例における断面がほぼ楕円形状の携帯電話機の断面図。
【符号の説明】
【0134】
10…入出力装置としての携帯電話機、15,300…スイッチボタン、20…展開量検出部としての位置検出センサ、22…巻取軸部としての巻取り軸、26…復元手段としてのつる巻きバネ、30…表示部としての表示部材、100…制御部、130…音声出力部としてのスピーカ制御部、140…音声入力部としてのマイク制御部、150…スイッチ検出部としてのスイッチ信号入力部、160…音声出力部としてのイヤホン出力部、190…アンテナ制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面を形成する可撓性を有する部材を含んで構成するとともに、表面の一部にタッチセンサを設けた表示部と、
前記表示部の一端に接続され前記表示部を巻回する巻取軸部と、
前記巻取軸部により巻回された表示部を収納する収納部と、
前記収納部より突出して展開された前記表示部の展開量を検出する展開量検出部と、
前記表示部の展開量及び前記表示面に表示する表示情報に応じて、タッチセンサ機能の無効化及び有効化の制御を行なう制御部と
を備えることを特徴とする入出力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記展開量検出部からの信号に基づいて第1の展開量を検出した場合に、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させ、この操作表示部に対応するタッチセンサ機能を有効化し、前記第1の展開量からずれた場合には、前記タッチセンサ機能を無効化することを特徴とする請求項1に記載の入出力装置。
【請求項3】
前記制御部は、更に、前記展開量検出部からの信号に基づいて前記第1の展開量よりも大きい第2の展開量を検出した場合に、表示画像を特定して前記表示部に表示するとともに、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させて、このタッチセンサ機能を有効化することを特徴とする請求項2に記載の入出力装置。
【請求項4】
表面に露出させたスイッチボタンと、このスイッチボタンが選択されたことを検出するスイッチ検出部とを更に備え、
前記制御部は、前記第2の展開量を検出した場合に、前記スイッチ検出部の信号を取得し、この信号に応じて、
前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させて、このタッチセンサ機能を有効化するとともに表示画像を表示させる操作表示部出力モード処理と、前記操作表示部の表示を前記表示部から削除して、このタッチセンサ機能を無効化するとともに、前記表示画像を大きく表示する全画面表示モード処理との切替を行なうことを特徴とする請求項3に記載の入出力装置。
【請求項5】
音声を出力する音声出力部と、音声を入力する音声入力部と、基地局との音声に関するデータの送受信を行なうアンテナ制御部とを備えて音声と電気的信号の変換を行なう電話機能を更に備え、
前記制御部は、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記スイッチ検出部の信号に応じて、前記電話機能を用いた通話の開始又は終了を実行することを特徴とする請求項4に記載の入出力装置。
【請求項6】
前記制御部が、前記タッチセンサ機能の有効化の制御を行なうときの前記表示部の展開量を維持するためのロック機構を更に備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の入出力装置。
【請求項7】
前記ロック機構が解除され、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記表示部を収納させるための復元手段を更に備え、
この復元手段は、前記表示部が展開されたときに伸ばされて、前記表示部を収納する方向に前記巻取軸部を回転させる復元力が発生することを特徴とする請求項6に記載の入出力装置。
【請求項1】
表示面を形成する可撓性を有する部材を含んで構成するとともに、表面の一部にタッチセンサを設けた表示部と、
前記表示部の一端に接続され前記表示部を巻回する巻取軸部と、
前記巻取軸部により巻回された表示部を収納する収納部と、
前記収納部より突出して展開された前記表示部の展開量を検出する展開量検出部と、
前記表示部の展開量及び前記表示面に表示する表示情報に応じて、タッチセンサ機能の無効化及び有効化の制御を行なう制御部と
を備えることを特徴とする入出力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記展開量検出部からの信号に基づいて第1の展開量を検出した場合に、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させ、この操作表示部に対応するタッチセンサ機能を有効化し、前記第1の展開量からずれた場合には、前記タッチセンサ機能を無効化することを特徴とする請求項1に記載の入出力装置。
【請求項3】
前記制御部は、更に、前記展開量検出部からの信号に基づいて前記第1の展開量よりも大きい第2の展開量を検出した場合に、表示画像を特定して前記表示部に表示するとともに、前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させて、このタッチセンサ機能を有効化することを特徴とする請求項2に記載の入出力装置。
【請求項4】
表面に露出させたスイッチボタンと、このスイッチボタンが選択されたことを検出するスイッチ検出部とを更に備え、
前記制御部は、前記第2の展開量を検出した場合に、前記スイッチ検出部の信号を取得し、この信号に応じて、
前記表示部のタッチセンサ上に操作表示部を表示させて、このタッチセンサ機能を有効化するとともに表示画像を表示させる操作表示部出力モード処理と、前記操作表示部の表示を前記表示部から削除して、このタッチセンサ機能を無効化するとともに、前記表示画像を大きく表示する全画面表示モード処理との切替を行なうことを特徴とする請求項3に記載の入出力装置。
【請求項5】
音声を出力する音声出力部と、音声を入力する音声入力部と、基地局との音声に関するデータの送受信を行なうアンテナ制御部とを備えて音声と電気的信号の変換を行なう電話機能を更に備え、
前記制御部は、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記スイッチ検出部の信号に応じて、前記電話機能を用いた通話の開始又は終了を実行することを特徴とする請求項4に記載の入出力装置。
【請求項6】
前記制御部が、前記タッチセンサ機能の有効化の制御を行なうときの前記表示部の展開量を維持するためのロック機構を更に備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の入出力装置。
【請求項7】
前記ロック機構が解除され、前記表示部が展開されていないことを検出した場合には、前記表示部を収納させるための復元手段を更に備え、
この復元手段は、前記表示部が展開されたときに伸ばされて、前記表示部を収納する方向に前記巻取軸部を回転させる復元力が発生することを特徴とする請求項6に記載の入出力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−171148(P2008−171148A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2837(P2007−2837)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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