説明

入力表示装置および移動無線端末装置

【課題】入力における利便性が向上した入力表示装置および移動無線端末装置を提供する。
【解決手段】ユーザが指などを表示部40に近づけると、これをタッチ式入力部50が検出して、制御部100が受け付ける位置を示すポインタを表示部40に表示してユーザに示す。そして、制御部100は、ポインタが表示された後、指などをタッチ式入力部50に接触させると、ポインタに最も近いオブジェクトに対応づけられた処理を実行するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力装置と表示装置を一体化させた入力表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)などの情報携帯機器においては、高精細な表示能力を有する表示装置を備え、大量の情報を一度に表示できるようになった。またWebブラウジングなどの機能を備え、これによりパーソナルコンピュータなみの利便性を備えるようになった(例えば、非特許文献1)。
【0003】
しかしながら、情報携帯機器は、持ち運びのために小型・軽量が要求され、パーソナルコンピュータのようなキーボードや、大きな表示部を備えることが難しく、入力においてパーソナルコンピュータに比べ、利便性が低いという問題があった。
【非特許文献1】平成19年版 情報通信白書 156頁 (4)携帯情報通信端末のネットワーク化・高機能化。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の情報携帯機器は、高精細な表示能力を有する表示装置を備えるようになったが、入力において利便性が低いという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、入力における利便性が向上した入力表示装置および移動無線端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、この発明は、情報を表示する表示手段と、この表示手段の表示領域上に設けられ、非接触で近づけられた物体の表示領域上の位置を検出する検出手段と、表示手段の表示領域のうち、検出手段が検出した位置に基づく位置に情報を表示する表示制御手段とを具備して構成するようにした。
【発明の効果】
【0006】
以上述べたように、この発明では、表示手段の表示領域上に設けた検出手段により、非接触で近づけられた物体の表示領域上の位置を検出し、そして表示手段の表示領域のうち、検出手段が検出した位置に基づく位置に情報を表示するようにしている。
【0007】
したがって、この発明によれば、入力を行う前に、ユーザが指し示す位置が表示手段上に表示されることになるので、ユーザは所望の位置に入力を行え、入力における利便性が向上させることが可能な入力表示装置および移動無線端末装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。以下の説明では、この発明に係わる入力表示装置が適用された情報携帯機器の一例として、携帯電話機(移動無線端末装置)を例の挙げて説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる移動無線端末装置の構成を示すブロック図である。
【0009】
この発明に関わる移動無線端末装置は、図1に示すように、主な構成要素として、制御部100と、無線通信部10と、通話部20と、操作部30と、表示部40と、タッチ式入力部50と、記憶部60とを備える。
無線通信部10は、制御部100の指示にしたがって、移動通信網NWに収容された基地局装置BSと無線通信を行うものである。
【0010】
通話部20は、スピーカ21やマイクロホン22を備え、マイクロホン22を通じて入力されたユーザの音声を音声データに変換して制御部100に出力したり、通話相手などから受信した音声データを復号してスピーカ21から出力するものである。
操作部30は、テンキーなどの複数のキースイッチなどからなり、数字や文字の入力、ユーザの要求などを受け付けるものである。
【0011】
表示部40は、制御部100の指示にしたがって、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して、視覚的にユーザに情報を伝達するものである。
タッチ式入力部50は、表示部40の表示面上に載置され、ユーザが指やスタイラスを接触することなく近づけた位置の座標(以下、非接触入力部座標と称する)、およびユーザが指やスタイラスを接触させた位置の座標(以下、接触入力部座標と称する)を検出し、この検出した座標(非接触入力部座標あるいは接触入力部座標)と接触/非接触を示す情報とを対応づけた入力情報を制御部100に通知するものである。なお、表示部40の表示面上に載置されるタッチ式入力部50のセンサ部は、表示部40に表示される情報が視認できるような透光性の素材からなる。
【0012】
図2は、当該移動無線端末装置の外観を示すものである。この図に示すように、タッチ式入力部50は、表示部40の表示面上に載置される。その具体的な検出方式としては、抵抗膜方式や静電容量方式、光センサー方式などの既存の手法が適用でき、これらにより接触/非接触および座標検出を行う。
【0013】
記憶部60は、制御部100の制御プログラムや制御データ、Webブラウザなどのアプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたストリーミングデータなどを記憶するものである。
【0014】
制御部100は、マイクロプロセッサを備え、記憶部60が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御し、音声通信やデータ通信を実現するものである。また制御部100は、記憶部60が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって動作し、電子メールの送受信や、Webブラウジング、ダウンロードしたストリーミングデータに基づく動画像の表示制御、音声通信を行う通信制御機能を備える。
【0015】
そしてまた制御部100は、タッチ式入力部50から入力される入力情報に基づいて、表示部40の表示領域に新たに情報を表示したり、表示領域に既に表示している情報を変化させて表示したり、あるいはユーザの要求を受け付けて、例えば通信を開始したりするなどの制御を行う表示制御機能と要求を受け付ける入力制御機能を備える。
【0016】
次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。以下の説明では特に、音声通信や電子メールの送受信、Webブラウジングなどの通信に関する制御動作は従来と同様であることより説明を省略し、タッチ式入力部50を通じたタッチ入力の動作について説明する。
【0017】
図3は、タッチ入力をユーザから受け付ける動作を説明するためのフローチャートである。この図に示す処理は、当該移動無線端末装置の電源が投入されると、制御部100によって、電源が切られるまで予め設定されたスキャン周期で繰り返し実行され、次のスキャン周期までに処理を完了する。なお、制御部100は、記憶部60に記憶される制御プログラムにしたがって動作することにより、図3に示した処理を実現する。
【0018】
まず、ステップ3aにおいて制御部100は、スキャン周期が到来すると、タッチ式入力部50から最新の入力情報を取得し、ステップ3bに移行する。これにより、最新の非接触入力部座標もしくは接触入力部座標が取得され、ユーザがタッチ式入力部50に近づけたり、接触させた指やスタイラスの位置を検出する。
【0019】
ステップ3bにおいて制御部100は、ステップ3aで取得した入力情報の判定を行う。ここで、入力情報が取得できなかった場合、すなわちユーザが指などをタッチ式入力部50に近づけたり、接触させたりしなかった場合には、当該処理を終了し、次のスキャン周期でステップ3aより処理を再開する。
【0020】
また、取得した入力情報が非接触入力部座標であった場合、すなわちユーザが指などを接触させずにタッチ式入力部50に近づけ、これが検出された場合には、ステップ3cに移行する。そしてまた、取得した入力情報が接触入力部座標であった場合、すなわちユーザが指などをタッチ式入力部50に接触させ、これが検出された場合には、ステップ3eに移行する。
【0021】
ステップ3cにおいて制御部100は、ステップ3aで取得した非接触入力部座標に基づいて、ポインタの表示部40の表示領域上での表示位置を決定し、ステップ3dに移行する。この表示位置は、非接触入力部座標、すなわちユーザの指などが最も近接した位置よりも予め設定した画素分だけオフセットした、やや上の位置(例えば32ドット)に決定する。これは、非接触入力部座標に対応する位置にそのまま表示させた場合、その指などによりポインタがユーザから見えにくくなることを防止するためである。
【0022】
ステップ3dにおいて制御部100は、表示部40を制御し、表示領域に既に表示している情報の上のステップ3cで決定した座標にポインタを表示し、当該処理を終了する。これにより、図4に示すように指を表示部40に近づけると、図5に示すように、表示している情報の上に、例えば矢印型のポインタが表示される。
【0023】
一方、ステップ3eにおいて制御部100は、既にポインタを表示しているか否かを判定する。ここで、既にポインタを表示している場合には、ステップ3fに移行し、一方、ポインタを表示していない場合には、ステップ3hに移行する。
【0024】
ステップ3fにおいて制御部100は、既に表示している情報のうち、ポインタに最も近接する表示部40の表示領域上に表示されたオブジェクトを検出してこれを選択し、ステップ3gに移行する。
【0025】
ステップ3gにおいて制御部100は、ステップ3fで選択したオブジェクトに対応づけられた処理を実行し、当該処理を終了する。すなわち、オブジェクトに対応づけられた処理が、例えばアプリケーションソフトウェアのショートカットであれば、該当アプリケーションソフトウェアを実行し、また例えばハイパーリンクが設定されていれば、該当リンクにアクセスするための通信処理を実行する。なお、ステップ3fに代わり、後述するステップ3hおよびステップ3iを実行するようにしてもよい。
【0026】
ステップ3hにおいて制御部100は、接触入力部座標に最も近接する表示部40の表示領域上に表示されたオブジェクトを検出し、ステップ3iに移行する。
ステップ3iにおいて制御部100は、ステップ3hで検出したオブジェクトに対応づけられた処理を実行し、当該処理を終了する。すなわち、オブジェクトに対応づけられた処理が、例えばアプリケーションソフトウェアのショートカットであれば、該当アプリケーションソフトウェアを実行し、また例えばハイパーリンクが設定されていれば、該当リンクにアクセスするための通信処理を実行する。
【0027】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、ユーザが指などを表示部40に近づけると、これをタッチ式入力部50が検出して、制御部100が受け付ける位置を示すポインタを表示部40の表示領域に表示してユーザに示すようにしている。
【0028】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、例えば図5に示すように指よりも小さなオブジェクトが密集して表示される場合でも、ユーザからの指示を受け付ける位置がポインタにより予告されるので、ユーザはポインタの位置を確認して、所望の位置指定が受け付けられるか確認できる。このため、必要に応じて相対的な移動動作により正確な位置決めが行え、正確な指示が与えられるので、入力における利便性が向上する。
【0029】
また上記構成の移動無線端末装置では、ポインタが表示された後、指などをタッチ式入力部50に接触させると、その接触位置とは無関係に、ポインタに最も近いオブジェクトに対応づけられた処理を実行するようにしているので、例えば図5に示すように指よりも小さなオブジェクトが密集して表示され、正確にオブジェクトを指し示すことができない場合でも、オブジェクトを容易に選択でき、またそれを通じて処理の実行を容易に要求することができる。
【0030】
そしてまた、ポインタを表示させる際には、非接触入力部座標に相当する位置ではなく、それよりもやや上の位置に表示するようにしているので、指などが邪魔することなく、ユーザから見えやすい位置にポインタを表示させることができ、高い操作性を発揮することができる。
【0031】
なお、上記実施の形態では、指などをタッチ式入力部50に接触させることで、オブジェクトを選択するようにしたが、ポインタが表示されている場合には、操作部30のキー入力を通じて、オブジェクト選択を受け付けるようにしてもよい。すなわち、指などをタッチ式入力部50に近づけて所望のオブジェクトが選択される位置にポインタを表示させ、操作部30のキー入力により確定指示が行われると、これを検出した制御部100がステップ3fで説明したように、ポインタに最も近接するオブジェクトを検出し、このオブジェクトに対応づけられた処理を実行する。
【0032】
次に、この発明の第2の実施形態に係わる移動無線端末装置について説明する。第2の実施形態に係わる移動無線端末装置は、図1に示した第1の実施形態と同様の構成であることより、図1を利用して説明する。第2の実施形態に係わる移動無線端末装置は、第1の実施形態の移動無線端末装置と記憶部60に記憶される制御部100の制御プログラムが異なる。
【0033】
図6は、タッチ入力をユーザから受け付ける動作を説明するためのフローチャートである。この図に示す処理は、当該移動無線端末装置の電源が投入されると、制御部100によって、電源が切られるまで予め設定されたスキャン周期で繰り返し実行され、次のスキャン周期までに処理を完了する。なお、制御部100は、記憶部60に記憶される制御プログラムにしたがって動作することにより、図6に示した処理を実現する。
【0034】
まず、ステップ6aにおいて制御部100は、スキャン周期が到来すると、タッチ式入力部50から最新の入力情報を取得し、ステップ6bに移行する。これにより、最新の非接触入力部座標もしくは接触入力部座標が取得され、ユーザがタッチ式入力部50に近づけたり、接触させた指やスタイラスの位置を検出する。
【0035】
ステップ6bにおいて制御部100は、ステップ6aで取得した入力情報の判定を行う。ここで、入力情報が取得できなかった場合、すなわちユーザが指などをタッチ式入力部50に近づけたり、接触させたりしなかった場合には、当該処理を終了し、次のスキャン周期でステップ6aより処理を再開する。
【0036】
また、取得した入力情報が非接触入力部座標であった場合、すなわちユーザが指などを接触させずにタッチ式入力部50に近づけ、これが検出された場合には、ステップ6cに移行する。そしてまた、取得した入力情報が接触入力部座標であった場合、すなわちユーザが指などをタッチ式入力部50に接触させ、これが検出された場合には、ステップ6eに移行する。
【0037】
ステップ6cにおいて制御部100は、ステップ6aで取得した非接触入力部座標に最も近接する表示部40の表示領域上に表示されたオブジェクトを検出し、ステップ6dに移行する。 ステップ6dにおいて制御部100は、表示部40を制御し、ステップ6cで検出したオブジェクトを変形して表示し、オブジェクトが選択されたことをユーザに示して、当該処理を終了する。これにより、例えば図7(a)に示すようなオブジェクトが表示部40の表示領域に表示された状態で、図7(b)に示すように星形のオブジェクトに指を近づけると、これを検出したタッチ式入力部50および制御部100により、星形のオブジェクトを拡大表示するなどの変形表示が行われる。
【0038】
一方、ステップ6eにおいて制御部100は、既にオブジェクトを変形して表示しているか否か、すなわち既にオブジェクトを選択しているか否かを判定する。ここで、既にオブジェクトが選択されている場合には、ステップ6fに移行し、一方、ポインタを表示していない場合には、ステップ6gに移行する。
【0039】
ステップ6fにおいて制御部100は、表示部40の領事領域上に既に変形して表示されたオブジェクトを検出してこれを選択し、このオブジェクトに対応づけられた処理を実行し、当該処理を終了する。すなわち、オブジェクトに対応づけられた処理が、例えばアプリケーションソフトウェアのショートカットであれば、該当アプリケーションソフトウェアを実行し、また例えばハイパーリンクが設定されていれば、該当リンクにアクセスするための通信処理を実行する。なお、ステップ6fに代わり、後述するステップ6gおよびステップ6hを実行するようにしてもよい。
【0040】
ステップ6gにおいて制御部100は、接触入力部座標に最も近接する表示部40の表示領域上に表示されたオブジェクトを検出し、ステップ6hに移行する。
ステップ6hにおいて制御部100は、ステップ6gで検出したオブジェクトに対応づけられた処理を実行し、当該処理を終了する。すなわち、オブジェクトに対応づけられた処理が、例えばアプリケーションソフトウェアのショートカットであれば、該当アプリケーションソフトウェアを実行し、また例えばハイパーリンクが設定されていれば、該当リンクにアクセスするための通信処理を実行する。
【0041】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、ユーザが指などを表示部40に近づけると、これをタッチ式入力部50が検出して、制御部100が近接するオブジェクトを変形(拡大)して表示部40の表示領域に表示してユーザに示すようにしている。
【0042】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、例えば図7に示すように指よりも小さなオブジェクトが密集して表示される場合でも、ユーザからの指示を受け付けるオブジェクトが変形して表示されて予告されるので、ユーザは変形表示されたオブジェクトを確認して、所望のオブジェクトが選択されたか確認できる。このため、必要に応じて相対的な移動動作により正確な位置決めが行え、正確な指示が与えられるので、入力における利便性が向上する。
【0043】
また上記構成の移動無線端末装置では、オブジェクトが変形表示(選択)された後、指などをタッチ式入力部50に接触させると、その接触位置とは無関係に、変形表示しているオブジェクトに対応づけられた処理を実行するようにしているので、例えば図7に示すように指よりも小さなオブジェクトが密集して表示され、正確にオブジェクトを指し示すことができない場合でも、オブジェクトに対応づけられた処理の実行を容易に要求することができる。
【0044】
なお、上記実施の形態では、指などをタッチ式入力部50に接触させることで、変形表示しているオブジェクトの処理を実行するようにしたが、オブジェクトが変形表示されている場合には、操作部30のキー入力を通じて、オブジェクトの処理の実行を受け付けるようにしてもよい。すなわち、指などをタッチ式入力部50に近づけて所望のオブジェクトを選択し、その後、操作部30のキー入力により確定指示が行われると、これを検出した制御部100がステップ6fで説明したように、そのオブジェクトに対応づけられた処理を実行する。
【0045】
また上記第2の実施形態では、選択されたオブジェクトの変形表示の例として、拡大表示する場合を示したが、これに限定されるものではなく、配色を変えるなど表示を行ってユーザに選択された旨を示すようにしてもよい。また図8(a)、(b)に示すように、選択されたオブジェクト自体は変形表示させず、吹き出しなどの付加表示を行うようにしてもよい。
【0046】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0047】
その一例として例えば、上記実施の形態では、タッチ式入力部50や操作部30を通じた操作でオブジェクトに対応づけられた処理を実行するようにしたが、これに代わって例えば、ユーザがオブジェクトを指し示す時間を制御部100がカウントし、一定時間以上経過した場合に、対応する処理を実行するようにしてもよい。
【0048】
また移動無線端末装置をカバンの中などに入れた場合、タッチ式入力部50では入力を誤検出する可能性がある。このような誤検出を防止するために、ユーザが当該移動無線端末装置に接触していることを検出するセンサや、ユーザの顔を撮影するカメラを設けて、これらがユーザの存在を検出した場合にのみ、図3や図6に示した処理を実行するようにしてもよい。
【0049】
また上記実施の形態では、移動無線端末装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、PDAなどの携帯情報機器に適用することも可能である。また表示部40、タッチ式入力部50および記憶部60の制御プログラムを搭載したプロセッサを備えた入力表示装置を構成することも可能である。このような入力表示装置をモジュール化することにより、携帯情報機器に限らず、種々の情報機器に適用することができる。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明に係わる移動無線端末装置の第1および第2の実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した移動無線端末装置の外観を示す図。
【図3】第1の実施形態に係わる移動無線端末装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図4】第1の実施形態に係わる移動無線端末装置の動作を説明するための画面表示を示す図。
【図5】第1の実施形態に係わる移動無線端末装置の動作を説明するための画面表示を示す図。
【図6】第2の実施形態に係わる移動無線端末装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】第2の実施形態に係わる移動無線端末装置の動作を説明するための画面表示を示す図。
【図8】第2の実施形態に係わる移動無線端末装置の動作を説明するための画面表示を示す図。
【符号の説明】
【0051】
10…無線通信部、20…通話部、21…スピーカ、22…マイクロホン、30…操作部、40…表示部、50…タッチ式入力部、60…記憶部、100…制御部、BS…基地局装置、NW…移動通信網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示手段と、
この表示手段の表示領域上に設けられ、非接触で近づけられた物体の前記表示領域上の位置を検出する検出手段と、
前記表示手段の表示領域のうち、前記検出手段が検出した位置に基づく位置に情報を表示する表示制御手段とを具備することを特徴とする入力表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記検出手段が検出した位置に、その位置を示すポインタを表示することを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記検出手段が検出した位置よりも予め設定した分だけオフセットした位置に、ポインタを表示することを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項4】
前記検出手段は、物体の接触を検出し、
さらに、前記表示制御手段が前記ポインタを表示している際に、前記検出手段が接触を検出した場合には、前記ポインタに最も近接して表示されるオブジェクトを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の入力表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記検出手段が検出した位置に最も近接して表示されるオブジェクトを検出し、そのオブジェクトを変形させて前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項6】
前記検出手段は、物体の接触を検出し、
さらに、前記表示制御手段が前記オブジェクトを変形させて表示している際に、前記検出手段が接触を検出した場合には、前記オブジェクトを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の入力表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記検出手段が検出した位置に最も近接して表示されるオブジェクトを検出し、そのオブジェクトに情報を付加して表示することを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項8】
前記検出手段は、物体の接触を検出し、
さらに、前記表示制御手段が前記オブジェクトに情報を付加して表示している際に、前記検出手段が接触を検出した場合には、前記オブジェクトを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の入力表示装置。
【請求項9】
さらに、前記選択手段がオブジェクトを選択した場合に、このオブジェクトに予め対応付けられた処理を実行する実行手段を備えることを特徴とする請求項4、請求項6または請求項8のいずれかに記載の入力表示装置。
【請求項10】
ネットワークに収容される基地局と無線通信する移動無線端末装置において、
情報を表示する表示手段と、
この表示手段の表示領域上に設けられ、非接触で近づけられた物体の前記表示領域上の位置を検出する検出手段と、
前記表示手段の表示領域のうち、前記検出手段が検出した位置に基づく位置に情報を表示する表示制御手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−26155(P2009−26155A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190109(P2007−190109)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】