説明

入退室管理装置および入退室管理方法

【課題】出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を確実に記録することができる入退室管理装置を得る。
【解決手段】出入口11に設けられた電気錠22と、認証情報が入力される認証情報入力装置41と、認証情報を用いて、出入口11の通行の可否を判定する通行可否判定装置51と、出入口11を撮影することにより、出入口11を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得するカメラ装置31と、通行者特定情報を記録する特定情報記録装置32と、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定装置53と、出入口11の通行が許可されていると通行可否判定装置51が判定し、かつ、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能であると特定情報取得可能判定装置53が判定する場合に、電気錠22を制御する電気錠用制御装置54とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出入口を通行する通行者を管理する入退室管理装置および入退室管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出入口を開閉するドアに設けられ、ドアを施錠する施錠位置とドアを開錠する開錠位置との間で変位する電気錠と、操作者が所持する非接触カードから認証情報が入力される非接触カードリーダと、非接触カードリーダに入力された認証情報を用いて、出入口について操作者の通行が許可されているか否かを判定し、判定結果に基づいて、電気錠を変位させるコントローラと、出入口を撮影する撮影装置とを備えた入退室管理装置が知られている。撮影装置が出入口を撮影するので、出入口を通行する通行者の映像が記録される。これにより、非接触カードリーダに認証情報を入力した通行者が出入口を通行し、さらに、その通行者の後ろに連なって他の通行者が非接触カードリーダに認証情報を入力することなく出入口を通行する場合であっても、各通行者の映像が記録される。つまり、非接触カードリーダに認証情報を入力せずに出入口を通行する通行者の通行者特定情報が記録される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−141614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、撮影装置のカメラの向きが自動的に変更されて、出入口だけでなく、室内の他の領域も巡回して撮影するようになっており、通行者が非接触カードリーダに認証情報を入力する時に、撮影装置のカメラが出入口を向いていない場合には、非接触カードリーダに認証情報を入力した通行者の後ろに連なって他の通行者が非接触カードリーダに認証情報を入力することなく出入口を通行すると、カメラが出入口向くまでの移動時間、非接触カードリーダに認証情報を入力せずに出入口を通行する通行者の通行者特定情報を記録することができないという問題点があった。また、室内が真暗な状態で、出入口が開くと、室外から出入口を通って室内に差し込む光により、カメラがハレーションを起こし、この間にカメラに撮影された画像には、出入口を通行する通行者の通行者特定情報が含まれないので、出入口を通行する通行者の通行者特定情報を記録することができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を確実に記録することができる入退室管理装置および入退室管理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る入退室管理装置は、出入口に設けられるドア装置と、操作されることにより認証情報が入力される認証情報入力装置と、前記認証情報入力装置に入力された前記認証情報を用いて、前記出入口の通行の可否を判定する通行可否判定装置と、前記出入口を撮影することにより、または、前記出入口で発せられる音声が入力されることにより、前記出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得する特定情報取得装置と、前記特定情報取得装置により取得された前記通行者特定情報を記録する特定情報記録装置と、前記特定情報取得装置による前記通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定装置と、前記出入口の通行が許可されていると前記通行可否判定装置が判定し、かつ、前記特定情報取得装置による前記通行者特定情報の取得が可能であると前記特定情報取得可能判定装置が判定する場合に、前記出入口が通行可能となるように前記ドア装置を制御するドア装置用制御装置とを備えている。
【0007】
この発明に係る入退室管理方法は、出入口に設けられたドア装置を制御する入退室管理方法であって、操作されることにより認証情報が入力される認証情報入力工程と、入力された前記認証情報を用いて、前記出入口の通行の可否を判定する通行可否判定工程と、前記出入口を撮影することにより、または、前記出入口に発生する音声が入力されることにより、前記出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得する特定情報取得工程と、前記特定情報取得工程により取得された前記通行者特定情報を記録する特定情報記録工程と、前記特定情報取得工程の前に、前記通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定工程と、前記通行可否判定工程で前記出入口の通行が許可されていると判定され、かつ、前記特定情報取得可能判定工程で前記通行者特定情報の取得が可能であると判定された後に、前記出入口が通行可能となるように前記ドア装置を制御するドア装置用制御工程とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る入退室管理装置によれば、出入口に設けられるドア装置と、操作されることにより認証情報が入力される認証情報入力装置と、認証情報入力装置に入力された認証情報を用いて、出入口の通行の可否を判定する通行可否判定装置と、出入口を撮影することにより、または、出入口で発せられる音声が入力されることにより、出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得する特定情報取得装置と、特定情報取得装置により取得された通行者特定情報を記録する特定情報記録装置と、特定情報取得装置による通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定装置と、出入口の通行が許可されていると通行可否判定装置が判定し、かつ、特定情報取得装置による通行者特定情報の取得が可能であると特定情報取得可能判定装置が判定する場合に、出入口が通行可能となるようにドア装置を制御するドア装置用制御装置とを備えているので、出入口の通行が許可され、さらに、特定情報取得装置による通行者特定情報の取得が可能である場合に、出入口が通行可能となるようにドア装置が制御される。これにより、出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を確実に記録することができる。
【0009】
この発明に係る入退室管理方法によれば、操作されることにより認証情報が入力される認証情報入力工程と、入力された認証情報を用いて、出入口の通行の可否を判定する通行可否判定工程と、出入口を撮影することにより、または、出入口に発生する音声が入力されることにより、出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得する特定情報取得工程と、特定情報取得工程により取得された通行者特定情報を記録する特定情報記録工程と、特定情報取得工程の前に、通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定工程と、通行可否判定工程で出入口の通行が許可されていると判定され、かつ、特定情報取得可能判定工程で通行者特定情報の取得が可能であると判定された後に、出入口が通行可能となるようにドア装置を制御するドア装置用制御工程とを備えているので、出入口の通行が許可され、さらに、通行者特定情報の取得が可能である場合に、出入口が通行可能となるようにドア装置が制御される。これにより、出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を確実に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る入退室管理装置を示す構成図である。
【図2】図1の入退室管理装置を示すブロック図である。
【図3】図2の入退室管理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る入退室管理装置を示す構成図である。図において、入退室管理装置は、サーバールーム1の出入口11に設けられたドア装置2と、サーバールーム1内を撮影する撮影装置3と、サーバールーム1の外側に設けられ、操作されることにより認証情報が入力される非接触カードリーダ4と、ドア装置2を制御するコントローラ5とを備えている。
【0012】
図2は図1の入退室管理装置を示すブロック図である。ドア装置2は、出入口11(図1)を閉じる閉位置と出入口11が開く開位置との間で変位するドア本体21と、ドア本体21を施錠する施錠位置とドア本体21が開錠される開錠位置との間で変位する電気錠22とを有している。電気錠22の位置が開錠位置である場合に、通行者は、ドア本体21を開位置に変位させることができる。つまり、電気錠22の位置が開錠位置である場合に、出入口11が通行可能となる。
【0013】
撮影装置3は、カメラ装置(通行者特定情報取得装置)31と、カメラ装置31により撮影された映像を記録する特定情報記録装置32とを有している。カメラ装置31は、カメラ本体311と、カメラ本体311を支持するとともに、カメラ本体311の向きを変更する方向変更装置312とを有している。カメラ本体311の向きは、方向変更装置312の動作により変化するようになっている。カメラ本体311は、出入口11を撮影したり、サーバールーム1内の他の領域を撮影したりするようになっている。
【0014】
カメラ本体311は、カメラ本体311が出入口11を向いている場合に、出入口11を撮影する。通行者が出入口11を通行する場合に、出入口11を撮影するカメラ本体311の映像には、通行者の顔や衣服の情報など、通行者を特定する通行者特定情報が含まれる。つまり、カメラ装置31は、カメラ本体311が出入口11を向いている場合に、出入口11を通行する通行者の通行者特定情報を取得可能となる。
【0015】
非接触カードリーダ4は、無線通信により非接触カード6から認証情報が入力される認証情報入力装置41と、非接触カードリーダ4を操作する操作者に対して、アナウンスを行うスピーカ装置42と、コントローラ5との間で通信を行うI/F43とを有している。
【0016】
コントローラ5は、認証情報入力装置41に入力された認証情報を用いて出入口11の通行の可否を判定する通行可否判定装置51と、カメラ装置31を制御するカメラ装置用制御装置(特定情報取得装置用制御装置)52と、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定装置53と、電気錠22を制御する電気錠用制御装置(ドア装置用制御装置)54と、非接触カードリーダ4との間で通信を行うI/F55とを有している。
【0017】
通行可否判定装置51は、出入口11の通行が許可されている認証情報を予め記憶する記憶装置(図示せず)を含んでいる。通行可否判定装置51は、認証情報入力装置41に入力された認証情報と、記憶装置に予め記憶されている認証情報とが一致する場合には、出入口11の通行が許可されていると判定する。一方、通行可否判定装置51は、認証情報入力装置41に入力された認証情報と、記憶装置に予め記憶されている認証情報とが一致しない場合には、出入口11の通行が許可されていないと判定する。
【0018】
認証情報入力装置41に入力された認証情報を用いて出入口11の通行が許可されているか否かを通行可否判定装置51が判定することを、この例では、一次照合という。通行可否判定装置51は、一次照合の結果、認証情報入力装置41に入力された認証情報を用いて出入口11の通行が許可されていると判定する場合に、出入口11の通行が許可されていることを示す通行許可信号をカメラ装置用制御装置52に入力する。また、通行可否判定装置51は、一次照合の結果、認証情報入力装置41に入力された認証情報を用いて出入口11の通行が許可されていると判定する場合に、一次照合中である旨をスピーカ装置42にアナウンスさせる。また、通行可否判定装置51は、一次照合の結果、認証情報入力装置41に入力された認証情報を用いて出入口11の通行が許可されていると判定する場合に、認証情報入力装置41に入力された認証情報を記憶する。
【0019】
通行可否判定装置51は、認証情報入力装置41に入力された認証情報を用いて出入口11の通行が許可されていると判定した一次照合の後に、認証情報入力装置41に認証情報が再度入力された場合、一次照合の後に認証情報入力装置41に再度入力された認証情報と、一次照合で用いられた認証情報とが一致するか否かを判定する。一次照合の後に認証情報入力装置41に再度入力された認証情報と、一次照合で用いられた認証情報とが一致するか否かを通行可否判定装置51が判定することを、この例では、二次照合という。通行可否判定装置51は、二次照合の結果、一次照合の後に認証情報入力装置41に再度入力された認証情報と、一次照合で用いられた認証情報とが一致すると判定する場合に、認証情報入力装置41に再度入力された認証情報と一次照合で用いられた認証情報とが一致することを示す認証情報一致信号を電気錠用制御装置54に入力する。
【0020】
カメラ装置用制御装置52は、通行可否判定装置51から通行許可信号が入力されることにより、カメラ本体311が出入口11を向くようにカメラ装置31を制御する。具体的には、カメラ本体311が出入口11を向くように、方向変更装置312を制御する。これにより、カメラ装置31は、出入口11を通行する通行者の通行者特定情報を取得可能となる。方向変更装置312は、カメラ本体311が向く方向についての情報を特定情報取得可能判定装置53に送る。
【0021】
特定情報取得可能判定装置53は、方向変更装置312から入力されるカメラ本体311が向く方向についての情報に基づいて、カメラ装置31が出入口11を通行する通行者の通行者特定情報を取得可能であるか否かを判定する。特定情報取得可能判定装置53は、カメラ装置31が出入口11を通行する通行者の通行者特定情報を取得可能であると判定する場合に、カメラ装置31が通行者の通行者特定情報を取得可能であることを示す通行者特定情報取得可能信号を電気錠用制御装置54に入力する。また、特定情報取得可能判定装置53は、カメラ装置31が通行者の通行者特定情報を取得可能であると判定する場合に、二次照合のために認証情報を再度入力することが必要である旨をスピーカ装置42にアナウンスさせる。
【0022】
電気錠用制御装置54は、特定情報取得可能判定装置53から入力される通行者特定情報取得可能信号および通行可否判定装置51から入力される認証情報一致信号に基づいて、電気錠22を制御する。具体的には、特定情報取得可能判定装置53から通行者特定情報取得可能信号が入力され、かつ、通行可否判定装置51から認証情報一致信号が入力された場合に、所定の時間だけ、電気錠22を開錠位置に変位させる。
【0023】
次に、この入退室管理装置の動作について説明する。図3は図2の入退室管理装置の動作を示すフローチャートである。まず、認証情報入力装置41は、認証情報入力装置41への認証情報の入力(認証情報入力工程)が行われたか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101で、認証情報入力装置41に認証情報が入力されていないと認証情報入力装置41が判定すると、非接触カード6による非接触カードリーダ4の操作が行われていないので、ステップS101が繰り返される。
【0024】
一方、ステップS101で、認証情報入力装置41に認証情報が入力されたと認証情報入力装置41が判定すると、認証情報入力装置41は、入力された認証情報を通行可否判定装置51に送り、通行可否判定装置51は、入力された認証情報を用いて出入口11の通行の可否についての判定(通行可否判定工程)を行う(ステップS102)。ステップS102で、出入口11の通行が許可されていないと通行可否判定装置51が判定すると、入力された認証情報は出入口11の通行が許可されていないので、入退室管理装置の動作は、そのまま終了する。
【0025】
一方、ステップS102で、出入口11の通行が許可されていると通行可否判定装置51が判定すると、スピーカ装置42は、一次照合中である旨のアナウンスを開始する(ステップS103)。その後、通行可否判定装置51が通行許可信号をカメラ装置用制御装置52に入力し、カメラ装置用制御装置52は、カメラ本体311が出入口11を向くようにカメラ装置31の制御を開始する(ステップS104)。
【0026】
その後、特定情報取得可能判定装置53は、カメラ装置31が出入口11を通行する通行者の通行者特定情報を取得可能であるか否かについての判定(特定情報取得可能判定工程)を行う(ステップS105)。ステップS105で、カメラ装置31が出入口11を通行する通行者の通行者特定情報を取得可能ではないと特定情報取得可能判定装置53が判定すると、通行可否判定装置51は、通行許可信号をカメラ装置用制御装置52に入力してから所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106で、所定の時間が経過していないと通行可否判定装置51が判定すると、ステップS105に戻る。
【0027】
ステップS106で、所定の時間が経過したと通行可否判定装置51が判定すると、スピーカ装置42は、一次照合中である旨のアナウンスを停止し(ステップS107)、コントローラ5は、警報出力を行う(ステップS108)。その後、入退室管理装置の動作は、そのまま終了する。
【0028】
一方、ステップS105で、カメラ装置31が出入口11を通行する通行者の通行者特定情報を取得可能であると特定情報取得可能判定装置53が判定すると、スピーカ装置42は、二次照合のために認証情報を再度入力することが必要である旨をアナウンスする(ステップS109)。
【0029】
その後、通行可否判定装置51は、二次照合のために認証情報を再度入力することが必要である旨のアナウンスを行ってから所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110で、所定の時間が経過したと通行可否判定装置51が判定すると、入退室管理装置の動作は、そのまま終了する。
【0030】
一方、ステップS110で、所定の時間がまだ経過していないと通行可否判定装置51が判定すると、認証情報入力装置41は、認証情報入力装置41に認証情報が再度入力されたか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111で、認証情報入力装置41に認証情報が入力されていないと認証情報入力装置41が判定すると、ステップS110に戻る。
【0031】
一方、ステップS111で、認証情報入力装置41に認証情報が入力されたと認証情報入力装置41が判定すると、認証情報入力装置41は、入力された認証情報を通行可否判定装置51に送り、通行可否判定装置51は、一次照合の後に認証情報入力装置41に再度入力された認証情報と、一次照合で用いられた認証情報とが一致するか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112で、一次照合の後に認証情報入力装置41に再度入力された認証情報と、一次照合で用いられた認証情報とが一致しないと通行可否判定装置51が判定すると、ステップS110に戻る。
【0032】
一方、ステップS112で、一次照合の後に認証情報入力装置41に再度入力された認証情報と、一次照合で用いられた認証情報とが一致すると通行可否判定装置51が判定すると、電気錠用制御装置54は、電気錠22を開錠位置に変位させる(ドア装置用制御工程)(ステップS113)。
【0033】
その後、カメラ装置31は、出入口11を撮影することにより、出入口11を通行する通行者の通行者特定情報と取得し(特定情報取得工程)、特定情報記録装置32は、カメラ装置31が取得した通行者特定情報を記録する(特定情報記録工程)。以上により、入退室管理装置の動作が終了する。
【0034】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る入退室管理装置によれば、出入口11に設けられるドア装置2と、操作されることにより認証情報が入力される認証情報入力装置41と、認証情報入力装置41に入力された認証情報を用いて、出入口11の通行の可否を判定する通行可否判定装置51と、出入口11を撮影することにより、出入口11を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得するカメラ装置31と、カメラ装置31により取得された通行者特定情報を記録する特定情報記録装置32と、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定装置53と、出入口11の通行が許可されていると通行可否判定装置51が判定し、かつ、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能であると特定情報取得可能判定装置53が判定する場合に、出入口11が通行可能となるように電気錠22を制御する電気錠用制御装置54とを備えているので、出入口11の通行が許可され、さらに、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能である場合に、出入口11が通行可能となるように電気錠22が制御される。これにより、出入口11を通行する通行者を特定する通行者特定情報を確実に記録することができる
【0035】
また、この入退室管理装置は、出入口11の通行が許可されていると通行可否判定装置51が判定する場合に、通行者特定情報が取得可能となるようにカメラ装置31を制御するカメラ装置用制御装置52をさらに備えているので、出入口11の通行が許可されていると通行可否判定装置51が判定する場合に、カメラ装置31を通行者特定情報が取得可能にすることができる。
【0036】
また、この発明の実施の形態1に係る入退室管理方法によれば、操作されることにより認証情報が入力される認証情報入力工程と、入力された認証情報を用いて、出入口11の通行の可否を判定する通行可否判定工程と、出入口11を撮影することにより、出入口11を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得する特定情報取得工程と、特定情報取得工程により取得された通行者特定情報を記録する特定情報記録工程と、特定情報取得工程の前に、通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定工程と、通行可否判定工程で出入口11の通行が許可されていると判定され、かつ、特定情報取得可能判定工程で通行者特定情報の取得が可能であると判定された後に、出入口11が通行可能となるように電気錠22を制御するドア装置用制御工程とを備えているので、出入口11の通行が許可され、さらに、通行者特定情報の取得が可能である場合に、出入口11が通行可能となるように電気錠22が制御される。これにより、出入口11を通行する通行者を特定する通行者特定情報を確実に記録することができる。
【0037】
なお、上記実施の形態1では、特定情報取得装置として、出入口11を撮影するカメラ装置31を例に説明したが、出入口11に発生する音声が入力されるマイクであってもよい。マイクに入力される出入口11の音声には、通行者の声の情報など、通行者を特定する通行者特定情報が含まれる。つまり、マイクに音声が入力可能な状態となっている場合に、出入口11を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得可能となる。特定情報取得装置としてマイクを用いる場合、特定情報取得可能判定装置53は、マイクに音声が入力可能な状態となっている場合に、通行者特定情報の取得が可能であると判定する。
【0038】
また、上記実施の形態1では、カメラ本体311が出入口11を向く場合に、特定情報取得可能判定装置53が通行者特定情報の取得が可能であると判定する構成について説明したが、撮影装置3が室内を照明する照明装置をさら有し、照明装置が点灯し、さらに、カメラ本体311により撮影される映像が、通行者を特定できる程度に鮮明となる場合に、特定情報取得可能判定装置53が通行者特定情報の取得が可能であると判定する構成であってもよい。この場合、通行者を特定できる程度に鮮明な映像をカメラ本体311が撮影するためには、例えば、カメラ本体311のズームやフォーカスの調整を行うようにして、調整が終了した場合に、特定情報取得可能判定装置53が通行者特定情報の取得が可能であると判定してもよい。また、特定情報取得可能判定装置53は、カメラ本体311に画像が入力可能な状態、つまり、カメラ本体311による撮影が行われている状態の場合に、通行者特定情報の取得が可能であると判定してもよい。
【0039】
また、上記実施の形態1では、ドア本体21と電気錠22とを有したドア装置2の構成について説明したが、ドア本体21とドア本体21を変位させる変位装置とを有した自動ドアからなるドア装置2であってもよい。
【0040】
また、上記実施の形態1では、一次照合の後に認証情報入力装置41に再度入力された認証情報と、一次照合で用いられた認証情報とが一致するか否かを通行可否判定装置51が判定する構成について説明したが、この判定を行わない構成であってもよい。
【0041】
また、上記実施の形態1では、カメラ装置用制御装置52および特定情報取得可能判定装置53がコントローラ5に含まれる構成について説明したが、カメラ装置用制御装置52および特定情報取得可能判定装置53が撮影装置3に含まれる構成であってもよい。
【0042】
また、上記実施の形態1では、出入口11の通行が許可されていると通行可否判定装置51が判定し、かつ、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能であると特定情報取得可能判定装置53が判定する場合に、出入口11が通行可能となるようにドア装置を制御する構成について説明したが、特定情報記録装置32による通行者特定情報の記録が可能であるか否かを判定する特定情報記録可能判定装置をさらに備え、出入口11の通行が許可されていると通行可否判定装置51が判定し、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能であると特定情報取得可能判定装置53が判定し、かつ、特定情報記録装置32による通行者特定情報の記録が可能であると特定情報記録可能判定装置が判定する場合に、出入口11が通行可能となるようにドア装置2を制御する構成であってもよい。また、カメラ装置31による通行者特定情報の取得が可能である状態の場合には、特定情報取得可能判定装置53による判定を行うことなく、出入口11の通行が許可されていると通行可否判定装置51が判定し、特定情報記録装置32による通行者特定情報の記録が可能であると特定情報記録可能判定装置が判定する場合に、出入口11が通行可能となるようにドア装置2を制御する構成であってもよい。
【0043】
また、上記実施の形態1では、無線通信により非接触カード6から認証情報が入力される認証情報入力装置41について説明したが、これに限らず、例えば、通行者の指などから指紋情報などの認証情報が入力される認証情報入力装置であってもよい。
【0044】
また、上記実施の形態1では、非接触カードリーダ4がスピーカ装置42を有し、スピーカ装置42が、一次照合中である旨をアナウンスしたり、二次照合のために認証情報を再度入力することが必要である旨をアナウンスしたりする構成について説明したが、これに限らず、例えば、非接触カードリーダ4がブザーやLEDなどの表示装置を有し、ブザーが状況に対応して音を発生したり、表示装置が状況に対応して表示したりする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 サーバールーム、2 ドア装置、3 撮影装置、4 非接触カードリーダ、5 コントローラ、6 非接触カード、11 出入口、21 ドア本体、22 電気錠、31 カメラ装置(特定情報取得装置)、32 特定情報記録装置、41 認証情報入力装置、42 スピーカ装置、43 I/F、51 通行可否判定装置、52 カメラ装置用制御装置(特定情報取得装置用制御装置)、53 特定情報取得可能判定装置、54 電気錠用制御装置(ドア装置用制御装置)、55 I/F、311 カメラ本体、312 方向変更装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口に設けられるドア装置と、
操作されることにより認証情報が入力される認証情報入力装置と、
前記認証情報入力装置に入力された前記認証情報を用いて、前記出入口の通行の可否を判定する通行可否判定装置と、
前記出入口を撮影することにより、または、前記出入口で発せられる音声が入力されることにより、前記出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得する特定情報取得装置と、
前記特定情報取得装置により取得された前記通行者特定情報を記録する特定情報記録装置と、
前記特定情報取得装置による前記通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定装置と、
前記出入口の通行が許可されていると前記通行可否判定装置が判定し、かつ、前記特定情報取得装置による前記通行者特定情報の取得が可能であると前記特定情報取得可能判定装置が判定する場合に、前記出入口が通行可能となるように前記ドア装置を制御するドア装置用制御装置と
を備えたことを特徴とする入退室管理装置。
【請求項2】
前記出入口の通行が許可されていると前記通行可否判定装置が判定する場合に、前記通行者特定情報が取得可能となるように前記特定情報取得装置を制御する特定情報取得装置用制御装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の入退室管理装置。
【請求項3】
前記特定情報記録装置による前記通行者特定情報の記録が可能であるか否かを判定する特定情報記録可能判定装置をさらに備え、
前記ドア装置用制御装置は、前記出入口の通行が許可されていると前記通行可否判定装置が判定し、前記特定情報取得装置による前記通行者特定情報の取得が可能であると前記特定情報取得可能判定装置が判定し、かつ、前記特定情報記録装置による前記通行者特定情報の記録が可能であると前記特定情報記録可能判定装置が判定する場合に、前記出入口が通行可能となるように前記ドア装置を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入退室管理装置。
【請求項4】
出入口に設けられたドア装置を制御する入退室管理方法であって、
操作されることにより認証情報が入力される認証情報入力工程と、
入力された前記認証情報を用いて、前記出入口の通行の可否を判定する通行可否判定工程と、
前記出入口を撮影することにより、または、前記出入口に発生する音声が入力されることにより、前記出入口を通行する通行者を特定する通行者特定情報を取得する特定情報取得工程と、
前記特定情報取得工程により取得された前記通行者特定情報を記録する特定情報記録工程と、
前記特定情報取得工程の前に、前記通行者特定情報の取得が可能であるか否かを判定する特定情報取得可能判定工程と、
前記通行可否判定工程で前記出入口の通行が許可されていると判定され、かつ、前記特定情報取得可能判定工程で前記通行者特定情報の取得が可能であると判定された後に、前記出入口が通行可能となるように前記ドア装置を制御するドア装置用制御工程と
を備えたことを特徴とする入退室管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−109712(P2013−109712A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256216(P2011−256216)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】