説明

共鳴充電システム、給電装置及び電子機器

【課題】給電側及び受電側に通信手段を設けることなく、給電装置において、受電側の電子機器内の二次電池の充電状態を検出することが可能な共鳴充電システムを提供する。
【解決手段】共鳴充電システムは、第一の共振回路10に接続した一次コイルL1を備える給電装置1と、第二の共振回路13に接続した二次コイルL2を備える電子機器5とからなる。一次コイルL1に共振周波数の交流電界を印加すると、磁気共鳴によって二次コイルL2に電力が誘導され、電子機器5の二次電池6が充電される。電子機器5は、複数の共振周波数からひとつの共振周波数を任意に設定することが可能である。給電装置1は、電子機器5が設定している共振周波数を検出する検出部11を備え、検出された共振周波数にて給電を継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴により、電子機器が備える充電可能な二次電池に充電を行う共鳴充電システム、その共鳴充電システムを構成する給電装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯用電子機器や、産業用機器等への非接触電力伝達技術の採用が広がってきている。
【0003】
特に、電動歯ブラシや電気シェーバー等の水まわりで使う電化製品やコードレス電話機等には、この技術が重宝され、一部の製品において採用されている。
【0004】
非接触充電システムとしては、例えば、給電側(給電装置)に設けられた一次側のコイルと、受電側(電子機器)に設けられた二次側のコイルとの間での電磁誘導を利用した「電磁誘導型充電システム」がある。このシステムにおいて、充電効率を考慮した場合、給電側と受電側の機器に設けられた各々のコイルが対向に、かつ近接に配置される必要がある。
【0005】
一方、数m離れた機器にワイヤレスで電力を供給する技術も開発されてきている。それは、給電側のコイルと受電側のコイルとの電場あるいは磁場共鳴を利用した「共鳴充電システム」である。
【0006】
例えば、特許文献1には、給電側と受電側の共振周波数を利用して、自動車用のイグニッション・キーに効率的に充電する技術が開示されている。
【0007】
即ち、特許文献1に開示された技術は、温度や湿度等の環境条件によって変化する、受電側の共振周波数に対して、給電側がある一定間で離間した複数の周波数成分を受電側に供給して、最適な共振周波数にて充電を行うものである。
【特許文献1】特開平11−46157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に提案された技術においては、受電側の充電が完了している場合でも、給電側が給電を継続してしまうため、電力の浪費が避けられない。
【0009】
また、給電装置において、受電側の電子機器内の二次電池の充電状態を検出する手段を備えておらず、別途、給電側と受電側の機器に通信手段を設ける必要が発生する。
【0010】
本発明の目的は、給電側及び受電側に通信手段を設けることなく、給電装置において、受電側の電子機器内の二次電池の充電状態を検出することが可能な共鳴充電システム、給電装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の共鳴充電システムは、第一の共振回路に接続した一次コイルを備える給電装置と、第二の共振回路に接続した二次コイルを備える電子機器とからなり、前記一次コイルに共振周波数の交流電界を印加すると、磁気共鳴によって前記二次コイルに電力が誘導され、前記電子機器の二次電池が充電される共鳴充電システムにおいて、前記電子機器は、複数の前記共振周波数からひとつの前記共振周波数を任意に設定することが可能であり、前記給電装置は、前記電子機器が設定している前記共振周波数を検出する検出手段を備え、前記検出された共振周波数にて給電を継続することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の給電装置は、請求項1記載の共鳴充電システムを構成する。
【0013】
請求項7記載の電子機器は、請求項1記載の共鳴充電システムを構成する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の共鳴充電システムによれば、給電側及び受電側に通信手段を設けることなく、給電装置において、受電側の電子機器内の二次電池の充電状態を検出することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る共鳴充電システムの構成図である。
【0017】
本実施の形態の共鳴充電システムは、給電装置1によって、磁気共鳴を利用して受電側の電子機器5内の充電可能な二次電池6に充電を行う。
【0018】
電子機器5は、撮像装置であり、前面には撮影のためのレンズ部7やストロボ発光部8を備え、内部には充電可能な二次電池6(後述する図3参照)を備える。
【0019】
給電装置1には、家庭用のコンセントから給電装置1に電源を供給するためのソケット4が設けられている。また、給電装置1にはユーザーが電子機器5への充電を開始あるいは終了させるための、充電開始/終了用のスイッチ2が設けられており、スイッチ2のON/OFF動作により、給電装置1へ電力が供給され、または電力供給が遮断される。
【0020】
また、給電装置1の表示部3は、電子機器5内部の二次電池6の充電状態をユーザーに告知するためのものであり、例えば、二次電池6の電池残量が所定の充電量の約半分である場合には、“充電50%”と表示する。また、二次電池6が満充電された場合には、“充電完了”と表示する。
【0021】
図2は、図1における給電装置のブロック構成図、図3は、図1における電子機器のブロック構成図である。
【0022】
図2に示すように、給電装置1の内部には、LC共振を行うための第一の共振回路10があり、また、第一の共振回路10のLC特性を一義的に決定するための第一の回路制御部9がある。
【0023】
第一の共振回路10内には一次コイルL1が設けられている。一次コイルL1に共振周波数の交流電界を印加すると、その周辺に振動磁場が発生し、磁気共鳴によって受電側の電子機器5内部の二次コイルL2(図3)に電力が伝わり、電子機器5内部の充電可能な二次電池6に対して充電を行う。
【0024】
図3に示すように、電子機器5の内部には、給電装置1内の一次コイルL1と共振を行うための二次コイルL2を備えた第二の共振回路13があり、また、第二の共振回路13のLC特性を一義的に決定するための第二の回路制御部12がある。
【0025】
また、一次コイルL1と二次コイルL2とのLC共振時の磁気エネルギーを電気エネルギーへ変換する電力変換部14を備え、その電力変換部14からの電力を電子機器5内の充電可能な二次電池6に供給する。
【0026】
図4は、図2における第一の共振回路の構成図である。
【0027】
給電装置1内部の第一の共振回路10には、異なる複数の共振周波数を任意に設定可能なLC回路として機能するために、一次コイルL1が設けられており、また、第一の共振回路10は、第一の回路制御部9と接続されている。
【0028】
さらに第一の共振回路10内に、容量の異なる複数のコンデンサ、ここでは、C11,C12,C13,C14が、それぞれ対応する抵抗R11,R12,R13,R14及びスイッチSW11,SW12,SW13,SW14を介して並列に接続されている。
【0029】
第一の共振回路10内の検出部11では、給電装置1に電力が供給されている間、第一の共振回路10内の一次コイルL1を流れる電流値を数ms間隔の一定のタイミングで読み取っている。そして、検出部11では、給電装置1の一次コイルL1と、電子機器5の二次コイルL2が共振状態であるかどうかを判断している。
【0030】
つまり、コイルを流れる電流値は共振回路のLC特性により定まるが、一次コイルL1と二次コイルL2が共振状態である場合には、一次コイルL1を流れる電流値が最小値となる。また、一次コイルL1と二次コイルL2が共振状態でない場合には、一次コイルL1を流れる電流値が最小値以外の値を示す。
【0031】
第一の回路制御部9によって、スイッチSW11,SW12,SW13,SW14の回路への接続有無が制御され、複数のコンデンサC11,C12,C13,C14の内、第一の共振回路10内に接続されるコンデンサが設定される。
【0032】
複数のコンデンサC11,C12,C13,C14の内、第一の共振回路10内に接続されるコンデンサの違いによって、第一の共振回路10のLC特性が一義的に設定される、即ち、給電装置1内部の一次コイルL1の共振周波数が決定される。
【0033】
具体的には、第一の回路制御部9によって、第一の共振回路10において、SW11のみをON状態にすることで共振周波数をA[Hz]とし、SW12のみをON状態にすることで共振周波数をB[Hz]とする。同様に、SW13のみをON状態にすることで共振周波数をC[Hz]、そして、SW14のみをON状態にすることで共振周波数をD[Hz]とする。
【0034】
図5は、図3における第二の共振回路の構成図である。
【0035】
図5に示すように、電子機器5内部の第二の共振回路13には、第一の共振回路10と同様に、異なる複数の共振周波数を任意に設定可能なLC回路として機能するために、二次コイルL2が設けられている。また、第二の共振回路13は、第二の回路制御部12と接続されている。
【0036】
さらに、第二の共振回路13内に、容量の異なる複数のコンデンサ、ここでは、C21,C22,C23,C24が、それぞれ対応する抵抗R21,R22,R23,R24及びスイッチSW21,SW22,SW23,SW24を介して並列に接続されている。
【0037】
また、給電装置1の場合と同様、第二の回路制御部12によって、スイッチSW21,SW22,SW23,SW24の回路への接続有無が制御される。そして、第二の回路制御部12によって、複数のコンデンサC21,C22,C23,C24の内、第二の共振回路13内に接続されるコンデンサが設定される。
【0038】
複数のコンデンサC21,C22,C23,C24の内、第二の共振回路13内に接続されるコンデンサの違いによって、第二の共振回路13のLC特性が一義的に設定される、即ち、電子機器5内部の二次コイルL2の共振周波数が決定される。
【0039】
具体的には、電子機器5内部の二次コイルL2の共振周波数は、二次電池6の残量に応じて第二の回路制御部12により一義的に決定されている。
【0040】
例えば、二次電池6の電池残量が満充電状態の0〜60%であれば、第二の共振回路13において、SW21のみをON状態にすることで共振周波数をA[Hz]とし、61〜80%であればSW22のみをON状態にすることで共振周波数をB[Hz]とする。
【0041】
同様に、81〜95%であればSW23のみをON状態にすることで共振周波数をC[Hz]、そして、96〜100%であればSW24のみをON状態にすることで共振周波数をD[Hz]とする。
【0042】
ここでの共振周波数A〜D[Hz]は、前述の給電装置1における共振周波数A〜D[Hz]と同一である。
【0043】
一次コイルL1と二次コイルL2は、それぞれの共振回路内におけるスイッチの接続状態により、異なる複数の共振周波数を設定可能であるが、上述したように、一次コイルL1の持つ複数の共振周波数と、二次コイルL2の持つ複数の共振周波数は共通である。従って、電子機器5の充電時は、一次コイルL1と二次コイルL2における共通の共振周波数を利用することにより充電を行う。
【0044】
共通の複数の共振周波数を用いることによる本発明の充電方法を説明する。
【0045】
図6は、図1の共鳴充電システムによる充電時の給電装置側を中心とした処理の手順を示すフローチャートである。
【0046】
まず、ユーザーが給電装置1のスイッチ2をON状態にすることで、第一の共振回路10、第一の回路制御部9及び検出部11に電力が供給され、電子機器5への充電を開始する。
【0047】
給電装置1側において、充電開始時における電子機器5内部の二次電池6の電池残量を検出するために、給電装置1の第一の回路制御部9により、第一の共振回路10内のSW11のみをON状態とし、残りのSW12,SW13,SW14はOFF状態とする。
【0048】
このスイッチング動作により、コンデンサC11のみが第一の共振回路9内に接続され、一次コイルL1の共振周波数がA[Hz]に設定された後、電子機器5内部の二次コイルL2と共振状態であるか否かを、検出部11によって判別する。
【0049】
充電開始時、電子機器5内部の二次電池6の電池残量が60%以下、つまり二次コイルL2の共振周波数がA[Hz]であれば、給電装置1内部の一次コイルL1と共振し、給電装置1の第一の共振回路10内に流れる電流が最小となる。これにより、共振状態であることが給電装置1側で検出部11によって判別でき、電子機器5への充電を継続する(ステップS601、S602)。
【0050】
また、充電開始時、電子機器5内部の二次コイルL2の共振周波数がA[Hz]以外の場合、例えば、B[Hz]であれば、一次コイルL1と共振を行わない。そのため、第一の共振回路10に流れる電流の変化がなく、二次コイルL2と共振状態ではないことが、給電装置1内部の検出部11によって判別される。
【0051】
これは、電子機器5内部の二次コイルL2の共振周波数がC[Hz]及びD[Hz]であった場合も同様である。
【0052】
この場合、給電装置1の第一の回路制御部9により、第一の共振回路10において、設定周波数をA[Hz]の次の周波数であるB[Hz]に設定するべく、第一の共振回路10に接続されているSW11をOFF状態へと切り替える。続いて、SW12のみをON状態へと切り替える動作を行う。
【0053】
そして上述と同様、電子機器5内部の二次コイルL2と共振状態であるか否かを検出部11によって判別する(ステップS603乃至ステップS605)。
【0054】
また、充電開始時、電子機器5内部の二次コイルL2の共振周波数がC[Hz]であれば、給電装置1側の設定共振周波数をC[Hz]に設定するべく、第一の共振回路10に接続されているSW12をOFF状態へと切り替える。続いて、SW13のみをON状態へと切り替える動作を行う。そして、充電完了間近であることをユーザーに告知する(ステップS606乃至ステップS608)。
【0055】
また、充電開始時、電子機器5内部の二次コイルL2の共振周波数がD[Hz]であれば、給電装置1側の設定共振周波数をD[Hz]に設定するべく、第一の共振回路10に接続されているSW13をOFF状態へと切り替える。続いて、SW14のみをON状態へと切り替える動作を行う。そして、充電完了をユーザーに告知する(ステップS609乃至ステップS611)。
【0056】
このようにして、給電装置1は、充電開始時における電子機器5内部の二次電池6の電池残量の特定を、共振周波数を利用してA,B,C,D[Hz]の順に行い、充電開始時の電子機器5への共振周波数を決定する。
【0057】
図7は、図1の共鳴充電システムによる充電時の電子機器側を中心とした処理の手順を示すフローチャートである。
【0058】
電子機器5の共振周波数については、第二の回路制御部12及び第二の共振回路13によって、二次電池6の電池残量によって異なるように設定されており、これは、二次電池6の充電時、共振周波数が電池残量の増大によって遷移していくことを示す。
【0059】
充電開始時、給電装置1と電子機器5が共にA[Hz]の共振周波数を利用して充電を行っている場合、電子機器5内の二次電池6の電池残量が61%以上になった時点で(ステップS701乃至ステップS704)、以下の処理が行われる。
【0060】
即ち、電子機器5内の第二の回路制御部12によってSW21をOFF状態とし、SW22のみをON状態へと切り替える。これにより、コンデンサC22のみが第二の共振回路13内に接続され、二次コイルL2の共振周波数がB[Hz]へと遷移する。
【0061】
電子機器5の共振周波数の変化が起こると、給電装置1の一次コイルL1を流れる電流値が変化し、給電装置1側で電子機器5と共振していない、つまり二次電池6への充電が成されていないことが判明する。
【0062】
そのため、給電装置1内の第一の回路制御部9において、第一の共振回路10内のSW11をOFF状態とし、SW12のみをON状態へと切り替える。これにより、コンデンサC12のみが第一の共振回路9内に接続され、一次コイルL1の共振周波数をB[Hz]へと遷移させ充電を継続する。
【0063】
そして、二次電池6の電池残量が、満充電状態の81%に達した場合(ステップS705乃至ステップS707)、第二の回路制御部12によって、第二の共振回路13内のSW22がOFF状態となり、SW23のみをON状態へと切り替える。
【0064】
これにより、コンデンサC23のみが第二の共振回路13内に接続され、次の共振周波数C[Hz]へと遷移させることができる。
【0065】
このとき、前述と同様、電子機器5の共振周波数の変化により、給電装置1の一次コイルL1を流れる電流値が変化し、給電装置1側で電子機器5と共振していないことが判明する。
【0066】
そのため、給電装置1内の第一の回路制御部9において、第一の共振回路10内のSW12をOFF状態とし、SW13をON状態へと切り替えることにより、コンデンサC13のみが第一の共振回路10内に接続される。そして、一次コイルL1の共振周波数がC[Hz]へと遷移し、電子機器5への充電を継続する。
【0067】
また、二次電池6の電池残量が、満充電状態の96%に達した場合(ステップS708乃至ステップS710)、第二の回路制御部12によって、第二の共振回路13内のSW23がOFF状態となり、SW24のみをON状態へと切り替える。これにより、コンデンサC24のみが第二の共振回路13内に接続され、次の共振周波数D[Hz]へと遷移する。
【0068】
このとき、前述と同様、電子機器5の共振周波数の変化により、給電装置1の一次コイルL1を流れる電流値が変化し、給電装置1側で電子機器5と共振していないことが検出部11によって判明する。
【0069】
そのため、給電装置1内の第一の回路制御部9において、第一の共振回路10内のSW13をOFF状態とし、SW14のみをON状態へと切り替えることにより、コンデンサC14のみが第一の共振回路10内に接続され。そして、一次コイルL1の共振周波数がD[Hz]へと遷移し、電子機器5への充電を継続する(ステップS711)。
【0070】
このようにして、電子機器5の共振周波数は、二次電池6の電池残量によってA[Hz],B[Hz],C[Hz],D[Hz]へと変化していく。また、給電装置1側の共振周波数も、その変化に追従するようにしてA[Hz],B[Hz],C[Hz],D[Hz]へと変化していく。
【0071】
このとき、給電装置1側においては、どの共振周波数で共振を行っているかを検出部11によって判別することにより、その共振周波数を以って、電子機器5内部の二次電池6の電池残量を検出し、ユーザーに告知することが可能である。
【0072】
また、電子機器5の二次電池6が満充電状態となれば、その状態での共振周波数を給電装置1の第一の回路制御部9により認識し、給電装置1が電子機器5への給電を停止させることで、電力の浪費を防止することも可能である。
【0073】
また、本発明の構成では、便宜的に共振周波数をA〜D[Hz]としたが、給電装置側で二次電池の電池残量をより細かく把握するために、共振周波数の数をさらに増やしてもよい。
【0074】
例えば、給電装置1及び電子機器5内部の共振回路において、接続するコンデンサ、抵抗、スイッチの数をそれぞれ5個とし、電子機器5側において、二次電池6の電池残量が満充電状態の0〜60%であれば、共振周波数をA[Hz]とする。また、61〜80%であればB[Hz]、81〜90%であればC[Hz]、91〜96%であればD[Hz]、97〜100%であればE[Hz]とする。
【0075】
また、給電装置1側においても、電子機器5の共振周波数に対応するA〜E[Hz]の共振周波数を備え、前述のように、二次電池6の電池残量が増大していくにつれて、共振周波数の切り替え(遷移)を細かく行うようにする。
【0076】
このことにより、二次電池の充電完了までの状態が、給電装置1側においてより正確に検出でき、ユーザーに告知することで、ユーザーにとっての利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態に係る共鳴充電システムの構成図である。
【図2】図1における給電装置のブロック構成図である。
【図3】図1における電子機器のブロック構成図である。
【図4】図4は、図2における第一の共振回路の構成図である。
【図5】図3における第二の共振回路の構成図である。
【図6】図1の共鳴充電システムによる充電時の給電装置側を中心とした処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】1の共鳴充電システムによる充電時の電子機器側を中心とした処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 給電装置
2 スイッチ
3 表示部
4 ソケット
5 電子機器
6 二次電池
7 レンズ部
8 ストロボ発光部
9 第一の回路制御部
10 第一の共振回路
11 検出部
12 第二の回路制御部
13 第二の共振回路
14 電力変換部
L1 一次コイル
L2 二次コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の共振回路に接続した一次コイルを備える給電装置と、第二の共振回路に接続した二次コイルを備える電子機器とからなり、前記一次コイルに共振周波数の交流電界を印加すると、磁気共鳴によって前記二次コイルに電力が誘導され、前記電子機器の二次電池が充電される共鳴充電システムにおいて、
前記電子機器は、複数の前記共振周波数からひとつの前記共振周波数を任意に設定することが可能であり、
前記給電装置は、前記電子機器が設定している前記共振周波数を検出する検出手段を備え、前記検出された共振周波数にて給電を継続することを特徴とする共鳴充電システム。
【請求項2】
前記電子機器は、前記二次電池に充電されている容量に応じた前記共振周波数を設定することを特徴とする請求項1記載の共鳴充電システム。
【請求項3】
前記給電装置は、前記電子機器より設定した前記共振周波数に応じて、前記二次電池に充電されている容量を検出することを特徴とする請求項2記載の共鳴充電システム。
【請求項4】
前記給電装置は、前記電子機器より検出した共振周波数に応じて、前記第一の共振回路の制御を行う第一の回路制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の共鳴充電システム。
【請求項5】
前記電子機器は、前記二次電池に充電されている容量に応じて、前記第二の共振回路の制御を行う第二の回路制御手段を備えることを特徴とする請求項2記載の共鳴充電システム。
【請求項6】
請求項1記載の共鳴充電システムを構成する給電装置。
【請求項7】
請求項1記載の共鳴充電システムを構成する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−119193(P2010−119193A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289865(P2008−289865)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】